KCN1614  2021.9.11  

KCN 1614    2021年9月11

 

ミシェル・デルペッシュMichel Delpech Photos souvenirs思い出の写真」 

Michel Delpechの没後アルバム「Photos souvenirs」が202123日リリースされた

Delpech194626Paris郊外Courbevoie生まれ、2016Paris郊外Puteauxで死去したACI。 高校生の頃には友人たちとバンドを作り、自作を歌う。bac前に学業を放棄、Vogue社と契約。64年作曲家のRoland Vincent(1938-)と知り合い、作詞・歌Delpech、作曲Vincentのコンビで1965年の「Chez Laurette/ロレットの家で」が最初のヒット。その後このコンビで数々のヒットを。

 Chez Laurette1966年10月26日 https://www.youtube.com/watch?v=KJNDUJflo_c

Delpechは1966年10月Jacques Brelのオランピアにおけるさよなら公演の第1部で歌っている。1968年2枚目のLP『「Il y a des jours où on fait mieux de rester au lit/灰色の日々』でACC大賞を受賞.。1970年代にはヒットに次ぐヒットを出しフランス国内でのレコードの売り上げトップに、またTVの歌謡番組の常連に。ヒット曲の主なものは:「Wight is Wight」(69年)、「Pour un flirt/青春に乾杯」(71年)、「Que Marianne était jolie/美しきマリアンヌ」(72年)、「Les divorcés/悲しみの別離」(73年)、「La maison est en ruine/哀しみの終わりに」(74年)、「Ce fou de Nicola/パリのロシア人」(74年)、「Le chasseur/狩り」(74年)、「Quand j'étais chanteur/歌手だった頃」(75年)、「Le Loir-et-Cher/ロワール=エ=シェール」(77年)など。

  Pour un flirt1972年1月20日 

https://www.youtube.com/watch?v=de1uDgtbpNc

 Que Marienne était jolie1973年11月22日

https://www.youtube.com/watch?v=SxJpnEjIIH4

 Le Loir-et-Cher」1977年9月18日 https://www.youtube.com/watch?v=5NWl-ds3Hyg

 Le chasseur」1999年3月23日 https://www.youtube.com/watch?v=NMW2C0Tfyps

 1970年代末から1980年代初めにかけて、離婚などが原因となり、鬱状態になり苦悩の時期を過ごす。1983年Genevièveと再婚、1984年シングル「Loin d'ici/ここから遠く離れて」で復活。その後も2009年6月『Sexa』(=Sexagénaire/60歳代、「60歳代は私にとって快適そのもの」)まで定期的のアルバムをリリース。他に2006年12月には過去の自身のヒット曲を、Alain Souchon(「Quand j’étais chanteur」)、Francis Cabrel(「Le Loir-et-Cher」)、Julien Clerc(「Le chassseur」)、Bénabar(「Chez Laurette」)、Cali(「Pour un firt」)などの人気歌手とのデュオでカバーしたアルバム『Michel Delpech &』をリリース。

Quand j’étais chanteurAlain Souchonと)https://www.youtube.com/watch?v=7nb-BQ3yTTs

 Le chasseur」(Julien Clercと)https://www.youtube.com/watch?v=doUCl5OlQag

201510月にはCD13枚組158曲収録箱入り全集 「L’Essentiel des albums studio1964-2009」リリース。また、2015年3月19日自伝「Vivre !/生きる!」刊行している。

没年の2016年11月18日にはDelpechのヒット曲を現役歌手がカバーしたアルバム『J’étais un ange/僕は天使だった』(1990年にリリーされたDelpechのシングルに収録されている曲のタイトルから)がリリースされている。そこでは就中:「Les divorcés」をMarc Lavoineが、「Quand j’étais chanteur」をVianneyが、「J’étais un ange」をAlain Chamfortが、「Le chasseur」をLouaneが、「Wight is Wight」をLaurent Voulzyが、「Chez Laurette」をSlimaneがカバーしている。

Le chasseurLouane 2016年12月15日TV番組で(Genevieve夫人と子息Emmanuelの顔が見える)https://www.youtube.com/watch?v=acdqh_FmIaE

Delpechは1980年代、90年代にはよく他の歌手のヒット曲をカバーして歌っていてその数は60曲以上に上っている。没後5年になる今年リリースされたアルバム『Photos souvenirs』にはそれらの曲の中から夫人と子息が選んだ10曲とDelpechのレパートリーから「Chez Laurette」の未発表ヴァージョンの全11曲が収録されている。

     http://fp.nightfall.fr/chroniques17/15168.jpg

10曲はJ’t’aime bien Liliリリー君が好き」Philippe Chatel1976年のヒット、「Photos souvenirsWilliam Sheller1975年のヒット、「Dites-moi僕に話して」Michel Jonasz1976年のヒット、「Quelque chose de Tennesseeネシー・ウイリアムスからの何か」Johnny Hallyday1985年のヒット、「Ultra moderne solitude超近代的孤独」Alain Souchon1988年のヒット、「Je suis venu te dire que je m’en vais手切れ」Serge Gainsbourg1973年のヒット、「Fais-moi une place僕に一つの場所を」Julien Clerc1989年のヒット、「Le cœur grenadineグレナディンシロップの心」Laurent Voulzy1979年のヒット、「Quelques mots d’amourいくつかの愛の言葉」Michel Berger1980年のヒット、「Un homme heureux幸せな男」William Sheller1991年のヒット。これらの収録曲をみるとDelpechが一つの時代の優れた観察者であったことが解る。Delpechは自分と同時代のは歌手の、時代を代表するヒット曲をエレガントにカバーしていて、出来上がったアルバムは好感が持てるものになっている。

 Dites-moi

 Michel Jonasz https://www.youtube.com/watch?v=H0utf6PDTCA

  Michel Delpech https://www.youtube.com/watch?v=pz5b2dWcvCk

  


 Quelque chose de Tennessee

Johnny Hallyday https://www.youtube.com/watch?v=PgcIoCKFjEA

Michel Delpech https://www.youtube.com/watch?v=yXlUblBYZc0

  
Je suis venu te dire que je m’en vais

Serge Gainsbourg https://www.youtube.com/watch?v=uN-Kk5dFt9s

Michel Delpech https://www.youtube.com/watch?v=cbhA4TgFTDw


Fais-moi une place

Julien Clerc https://www.youtube.com/watch?v=Qw5x1j3Bczw

Michel Delpech https://www.youtube.com/watch?v=odYqHdImy-4




Un homme heureux

William Sheller https://www.youtube.com/watch?v=R1wAXsbVlHE

Michel Delpech https://www.youtube.com/watch?v=FzkjSMiKeaM



Chez Laurette」(『Photos souvenirs』に収録)https://www.youtube.com/watch?v=vbGHrLysDoU

 

 

 KCN1613 2921.9.1   

KCN 1613    2021年9月1

 

2021年上半期主な新譜 (その6、最終)

 

クララ・ルチアニClara LucianiCœur/心」 

                   

Clara Lucianiに2021年6月11日にリリースした新しいアルバムは「Cœur

Clara Lucianiは19927月10日Bouches-du RhôneMartigues生まれのACI、エレキギター奏者。一家はコルシカ出身、LucianiMarseille郊外で育つ。2011年からグループで音楽活動。その後ソロに。2015年から2016年に掛けてはRaphaëlの、2017年にはBenjamin Bioayの前座でツアーに同道。

2017年4月28日「Monstre d’amour/愛の怪物」、「Comme toi/あなたのように」など4曲収録のEPをリリース、マスコミの高い評価を受けた。2018年4月ファーストアルバム「Sainte-Victoire/サント=ヴィクトワール」をリリース。(サント=ヴィクトワールは彼女が育ったAix-en-Provenceエクサンプロヴァンスの東方に位置する山)

これには「La grenade/手榴弾」、「On ne meurt pas d’amour/人は愛で死ぬことはない」、「Les fleurs/花」、「Comme toi」、「Sainte-Victoire」など11曲収録。アルバムは、10万枚以上の売り上げでdisque de platineに。2019年VdMでは新人ステージ賞を受賞した。

  「La grenade2019https://www.youtube.com/watch?v=JImEaeKaRG4

 

アルバム「Sainte-Victoire」はその後2019年2月18日「Nue/ヌード」、「Qu’est-ce que tu es beau/あなたは何と美しい」(Philippe Katerineとのデュオ)など4曲を追加したréédition版がリリースされ、10月18日には更に「Ma sœur/姉」、「Cette chanson/このシャンソン」など5曲追加したsuper-édition版がリリースされた。

  「Ma sœur2020年 https://www.youtube.com/watch?v=ldd9dmERpd8

 

Luciani20181017日~21日東京、代官山及び渋谷を中心にで開催された「総合文化イベント Saison Rouge」のために来日、1019日渋谷WWWに出演。また日本滞在の間に「On ne meurt pas d’amour」のclipを製作したよう。

  「On ne meurt pas d’amourclip  https://www.youtube.com/watch?v=wQZd-qLAdWg

2019年4月12日ParisOlympiaに初出演、その後9月10、11日にも出演している。

2020年2月VdM女性歌手賞を受章した。

  「Nue」2020年VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=ttD44VNYNHM

 

Lucianiは他の歌手とも種々のコラボレーションを行っている。その中には:2020年Julien Doréのアルバム「Aimée」に収録された「L’île au lendemain/未来のある島」をデュオで歌っている。2021年Raphaëlのアルバム「Haute-Fidérité」では「Si tu pars ne dis rien/出て行くなら何も言わないで」をデュオで歌っている。また2021年のJulien Clercのアルバム「Terrien」では「Mon refuge/僕の逃げ場」と「L’homme a nagé/男は泳いだ」の2曲の詩を提供している。

  「L’îile au lendemainclip  https://www.youtube.com/watch?v=HH95NQF33N4

 

2枚目のアルバムとなる「Cœur」には11曲収録、それらはCœur」、「Le resteその他のもの」、「Le chanteur/歌手」、「Tout le monde sauf toi/あなたを除くすべての人」、「Respire encoreまだ息をする」、「Amour toujoursいつも愛」、「J’sais pas plaire私は人に好かれる方法を知らない」。「Sad & slowJulien Doréとのデュオ、「La place/広場」、「Au revoir/さようなら」など。

  「Le reste」2021年6月17日https://www.youtube.com/watch?v=nxxjFKpMleI

アルバムは2021年の上半期を代表するアルバムとの評価もあり、リリースの週から2週連続チャートの1位。ベルギー及びスイスでもアルバムチャートの1位になったよう。

Luchianiは2021年10月17、18、19日Paris Olympiaに出演の予定。

KCN1612  2021.8.20   

KCN 1612     2021.8.20


2021月開催の音楽フェスティヴァル 2題 
  La Rochelle  と Vieilles Charrues
           

2020年には毎年7月に開催されている音楽フェスティヴァルの多くは中止されたが、2021年は厳重なコロナ感染対策がとられた中での開催となった。感染対策は会場の状況に応じ、例えば、入場者数は定員の50%、5000人が上限とされ、会場によってはマスクの着用は要請されないが健康パスポート(48時間以内のPCR検査または抗体検査の陰性を証明するもの、もしくは2回目のワクチン接種から2週間以上経過していることを証明するもの)の提示が必要であったり、会場によっては、健康パスポートは不要だがマスク着用が義務づけられたりなど。

2021月に開催された音楽FestivalのうちLes Francofolies de La RochelleFestival des Vieilles Charruesの模様は次のようであった。

 

1.       Les Francofolies de La Rochelle

2021年のLes Francofolies de La Rochelleは7月10日から14日まで開催された。

フランス西南部Charente-Maritime県の港町La Rochelleで毎年月に行われるこの音楽フェスティヴァルは、Francosの略称で呼ばれることもあり、同地出身でラジオ、TV番組の司会者、プロデューサーなどであったJean-Louis Foulquier(1943-2013)の主宰で1985年から行われている。「私はLa Rochelle、シャンソン、それにお祭りが好き。だからLa Rochelleでシャンソンのお祭りをやりたい」。当初この計画は「idee folle/常軌を逸した考え」だと言われた所からこのフェスティヴァルに「Francofolies/フランスの愚行」の名称が付けられたと言われている。フランスで夏の間に各地で行われる音楽フェスティヴァルの嚆矢、最大の規模、その時々のシャンソンフラーセーズの傾向を示し、シャンソンフラーセーズに多大な影響を与えている。2020年は中止されたため今回が第36回となる。今回のFrancoでは次のようなシーンが見られた。

7月11日(日)

Miosecc(1964-ACI

Je m’en vais/僕は立ち去る」   https://www.youtube.com/watch?v=fEABjCjnFa8

Pomme(1996-ACI

   「Soleil soleil太陽、太陽https://www.youtube.com/watch?v=qm-BswTli_Q

Gael Faye (1982-ラップ系ACI

登場 https://www.youtube.com/watch?v=2fg65mxNAIs

 

7月12日(月)

Francis Cabrel(1953-ACI

  「Encoreencoreまだ、まだ」https://www.youtube.com/watch?v=WCVjbPWCwXE

Adamo(1943-ACI

   「Comme toujoursいつものように」 https://www.youtube.com/watch?v=_vizOrh0NkI

Raphael(1975-ACI

Les salines/塩田」(Raphaelが作詞、作曲し、Alain Bashung<1947-2009 ACI>に提供した曲で2018年にリリースされたBashungの没後アルバム「En amont/上流に」に収録されている。https://www.youtube.com/watch?v=-pcCzoPvoLQ

7月13日

Benjamin Biolay(1973-ACI

Padam/パダム」https://www.youtube.com/watch?v=V-mDsxLY6Eg

 

2.       Festival des Vieilles Charrues

1992年Bretagne地方、FinistereLandeleauBrestの学生を中心に、学年末の催し物として始まった音楽フェスティヴァルが、1995年隣接するCarhaix-Plouguerに開催場所を移してから毎年7月第3週週末の4日間に行われる本格的な音楽フェスティヴァルになった。最近では毎年25万人以上の観客を集めるヨーロッパを代表する夏の音楽フェスティヴァル。第29回となる2021年のFestivalは、「l’ete de retrouvailles/再会の夏」と銘打って、7月8日から18日と例年より長期にわたって開催された。

今回のCharruesでは次のようなシーンが見られた。

7月13日

Herve(1991-ACI) 

  「Comme a la maison/家にいるように」https://www.youtube.com/watch?v=LERN_OoXPCY
  

Gael Faye(1982-ラップ系ACI

  「Respire/息をしろ」 https://www.youtube.com/watch?v=E7PqYUwr4CA

7月14日

Feu ! Chatterton(2011年Antoine Wilsonらで結成された5人組のロック、ポップグループ)

La mort dans la pinede/松林での死https://www.youtube.com/watch?v=cIZ7tQA86eY

7月15日 

Requin Chagrin(2015年Marion Brunettoを中心に結成された4人組のグループ。Marionはレパートリー全曲の作詞/作曲を行い、ヴォーカル、ギターを担当)

Deja vu/既に見た」 https://www.youtube.com/watch?v=hZU-5-QQJ_o

16

Catherine Ringer(1957-歌手。1979Fred Chichin<1954-2007>とデュオLes Rita Mitsukoで活躍。夫であったFred没後はソロで活動)

登場+「Les histoires des amours/愛の物語」 https://www.youtube.com/watch?v=yKn6uLoQG1I

18

Yelle(2005年Yelleを中心に結成されたエレクトローポップトリオ)

Noir/黒」と「Completement fou/完全に常軌を逸した」

https://www.youtube.com/watch?v=25U1X3LZhXQ

 No.1611 2921.8.10   

KCN 1611  2021.8.10

 

2021年上半期主な新譜(その5)

エレーヌ・セガラHélène Ségara、「Karma/業(ごう)」      

 

Hélène Ségaraが2021年6月11日にリリースした新しいアルバムは「Karma」。

Hélène Ségara、本名Hélène Aurore Alice Rizzo、は1971年2月26日、南仏Var県、地中海沿岸の小村Six-Fours-les Plages生まれの歌手、作詞、作曲も行う。父はイタリア人、母はアルメニア出身。両親はSégaraが8歳の時離婚、その後は母と住む。幼少の頃から歌手になることを夢見て、11歳で地元のシャンソンコンクールでNana Mouskouri

Lamour en héritage/受け継いだ愛」を歌って優勝。16歳で学業を放棄、生活のためCôte d'Azurのピアノバー、レストランで歌い始める。フランス語の他、英語、イタリア語、スペイン語、アルメニア語など7カ国語で1200曲以上歌えたという。1993年最初のシングルCDLoin/遠くに」を出す、これは成功とは言えなかった..が、これにより「La chance aux chansons/シャンソンにチャンスを」でTVに初出演。1996年Parisに。Dalidaの弟でプロデユーサーでもあったOrlandoと知り合う。OrlandoSégaraの美声を買ってプロデューサーに。

1996年11月22日ファーストアルバム「Cœur de verre/ガラスのハート」をリリース。アルバムには「Je vous aime adieu/あなたを愛している、さようなら」(1997年SACEMPrix Rolf Marbot/今年のシャンソン賞を受賞 )、「Les Vallées dIrlande/アイルランドの谷間」、「Vivo per leiJe vis pour elle/彼女のために生きる」(Andrea Bocelli<1958-イタリア人テノール歌手>とのデュオ)などが収録されていて、1998年にはdisque dor/ゴールデンディスク(当時は10万枚以上売り上げ)に


Je vous aime adieu1996年  https://www.youtube.com/watch?v=JxfLFnBunVA

Vivo per lei
https://www.youtube.com/watch?v=qKK02BFQGOQ


その後、Ségara1998年9月17日からParisPalais des Congèsで上演されたミュージカル「Notre Dame de Paris/ノートルダム ド パリ」にEsmaralda役で出演.。ミュージカルは大ヒット。Ségaraの歌及び演技は大好評で一躍スターに。

 「Vivre」ミュージカル「Notre Dame de Paris」でhttps://www.youtube.com/watch?v=dOfXhGBrhzg

1999年からLes Enfoirésに参加、主要な常連出演者の一人。

2000年1月セカンドアルバムアルバム「Au nom d'une femme/一人の女性の名において」がリリースされた。ヒット曲「Il y a trop de gens qui t’aime/あなたを愛する人は大勢」などを収録したアルバムは130万枚以上の売り上げでdisque de diamandに。

Il y a trop de gens qui t’aime」 https://www.youtube.com/watch?v=nWAzQrr_kaM


2001年VdMの女性歌手賞。

2002年10月には蝋人形がMusée Grevinに展示された。

2003年3月のアルバム「Humaine/人間的な」は、70万枚の売り上げ。

2003年Mathieu Lecat(1973-ミュジシャン、作曲家)と再婚、その後出産などのため活動を控え、次のアルバム「Quand l'éternité/永遠が・・するとき」がリリースされたのは2006年9月、収録されている12曲のうち大半の曲はSégaraの詩による。

2007年にはそれまでのヒット50曲を収録したコンピレーション「Les 50 plus belles chansons」。

2008年11月17日のアルバム「Mon pays,c'est la terre/私の国、それは地球」は世界各地のフォルクロール、民衆の音楽などをカバーしたもので、Cesaria Evoraの「Sodade」は「Quest ce quon va faire avec ce monde/人はこの世界をどうするのだろう」のタイトルで、Johnny Cleggの「Asimbonanga」は「La paix nous vient de Toi/神様、安らぎはあなたからやってくる」のタイトルで、「Greens leaves」は「Dici/ここから」(ベルギー出身の女性歌手Maurane1960-とのデュオ)のタイトルで収録。


2011年1月8日Ordre des Arts et des LettresChevalier章受章

2011年のアルバム「Parmi la foule/群衆の中で」には「Le monde à l'envers/逆さまな世界」(Ségara作詞/Mathieu Lecat作曲、前夫との間の長男のRaphaëlとデュオ)、「La vie avec toi/あなたとの人生」(Ségara作詞/Mathieu Lecat作曲)など12曲収録。

2013年10月Joe Dassin(1938-1980)のヒット13曲をカバーしたアルバム「Et si tu nexistais pas/もしあなたがいなければ」をリリース。これには「Salut les amoureux

/やあ恋人たち」(Dassinとのヴァーチャルデュオ)、「Salut/やあ」(dito)、「Et si tu nexistais pas」(dito)、「Lété indien/インディアン サマー」(dito)、「Les Champs-Elysées/オー シャンゼリゼ」などが収録されている

  「Saluthttps://www.youtube.com/watch?v=5KfhOdzAck0

2013年TV出演の際の容貌の変化が話題になり、難病(Ségaraは病名を公にしていない)のため6ヶ月前からコルチゾン系の治療薬を使用していると公表。病気は2021年7月現在、全快には至っていないよう。

2014年12月自ら作詞した曲の他 ZazieJean-Jacques Goldmanなどの協力を得た詩にMathieu Lecatなどが作曲した13曲を収録したアルバム「Tout recommence aujourdhui/今日すべてが再び始まる」をリリース。これには「Tout commence aujourd’hui」(Goldman作詞/Lecat作曲)、「Je t‘ai promis/あなたに誓った」、「Quand on est ensemble/一緒にいる時には」、「Nouvelle vie/新しい人生」、「Dis-moi/私に言って」、「Sans toi/あなたなしで」など

  「Tout commence aujourd’hui2014年 https://www.youtube.com/watch?v=3KBMxucP4iI

2016年9月リリースのアルバム「Amaretti」にはイタリア語で歌われた「Il volo」、「Il mio rifugio」、「O sole mio」など13曲収録

 

Ségaraの11枚目のスタジオ録音アルバムとの報道がある「Karma」にはSégara自身の詩、Mathieu Lecat作曲による1曲収録。それらは:「Nos vies commencent ailleurs/我々の人生は余所で始まる」、「Plus jamais/もう決して」、「Ces ombres/これらの影」、「Illusion dans le sytème/システムの中の幻影」、「Tout peut s’arrêter/すべてが止まることがある」、「Altération/変化」、「I love you」、「Quand vient la nuit/夜が来ると」、「Karma」など。

 
Plus jamais2021年コーラスと 
https://www.youtube.com/watch?v=3QANZODYlU0

Ségaa2526ParisTrianon(18区)に出演の予定。その後国内、スイス、ベルギーを回る「Karma tour」を行う。

 KCN1610 2021.7.23   
KCN 1610  2021.7.23

 

2021年上半期の主な新譜(その4) 

ガエタン・ルセルGaeetan Roussel、「Est-ce que tu sais?/君は知っている?」

                            

 

Gaetan Roussel202119日にリリースした新しいアルバムは
Est-ce que tu sais

Rousselは1972年10月13日Toulouse近郊生まれのACI、ギタリスト。1994年に結成されたロックグループでフランスのロック史上最も人気のあったルイズ アタックLouise Attaqueリーダーで、ヴォーカルとギターを担当。Louise Attaqueの1997年のファーストアルバム「Louise Attaque」は、「Je t’emmene au vent/君を風の中に連れて行く」、「Ton invitation/君の誘い」、「Les nuits parisiennes/パリの夜」など14曲収録、250万枚売り上げた。

 「Ton invitation」 アルバム「Louise attaque」から 1998年https://www.youtube.com/watch?v=SGmZdmfbFAw

 

グループLuoise Attaqueは、VdMで1999年ではグループ賞を受賞。また2001年にはアルバム「Comme on a dit/人が言ったように」と2006年アルバム「A plus tard crocodile/また後で」でいずれもロックアルバム賞を受賞している。

      (注・A plus tard crocodile/ 英語 See you later Alligator から?)


RousselLouise Attaqueが2007年活動を休止した後はグループ タルマックTarmacのリーダー。

2008年にはAlain Bashungの遺作で、2009年のVdMでアルバム賞を受賞した「Bleu petrole/青い石油」のプロデューサーを務め11曲のうち「Residents de la Republique/共和国の住人」など6曲を作詞作曲。

Louise Attaqueの活動休止後色々の歌手に協力しているうちに、徐々にソロで歌いたくなってきた」と、2009年ソロ歌手としてデビュー。最初のソロアルバムは10年3月にリリースされた「Ginger/ジンジャー」。これには「Mon nom/僕の名」、「Dis-moi encore que tu m’aimes/まだ僕を愛していると言って」、「Si l’on comptait les etoiles/もし星を数えたら」など収録。これによりRousselは2011年のVdMで男性歌手賞を受賞。アルバム「Ginger」はアルバム賞及びロックアルバム賞を受賞している。

  「Dis-moi encore que tu m’aimes2011VdMで https://www.youtube.com/watch?v=lZIZ50iYvA8

2013年にはソロアルバム第2弾「Orpailleur/砂金採取者」をリリースしている。

Louise Attaqueは2015年活動を再開。2016年2月グループとしては4枚目のアルバム「Anomalie/異常さ」をリリース、4月から国内ツアーを行った。

Rousselは2016年にはRachida Brakni(1977-女優、映画監督)監督映画「De sas en sas」で、テーマ音楽を作曲している。2017年4月にはRachida Brankiと結成したユニットLady Sirでアルバム「Accidentally yours」をリリース。これには、「Accidentally tours」、「Le temps passe/時は過ぎる」、「Je ne me souviens pas/僕は思い出さない」など10曲収録。ユニットは同年7月15日にはFrancofolies de La Rochelleに出場

  「Le temps passe」 2017月 https://www.youtube.com/watch?v=2xt5ZmPlIbE

Rousselは2018年にはソロに戻ってアルバム「Trafic/不正取引」をリリースしている。これには、「Tu me manque/君がいなくて寂しい」(Vanessa Paradisとのデュオ)、「Le jour et la nuit/昼と夜」、「J’entends des voix/僕には声が聞こえる」、「Dadans il y a de l’or/その中には金がある」など11曲収録。

Tu me manque」 https://www.youtube.com/watch?v=Yc2aBePWlgY

 

今回のアルバム「Est-ce que tu sais?」はRoussel 4枚目のソロアルバムとなるもの。収められているのは:

Tu ne savais pas/君は知らなかった」、「Je me jette a ton cou/君の首にしがみつく」、「Est-ce que tu sais?/君は知っている?」、「La photo/写真」(Camelia Jordanaとのデュオ、「On ne meurt pas en une seule fois人は一度しか死なない」、「La colere怒り」、「Sans sommeil眠らずに」Alain Souchonとのデュオ)Le tour du monde/世界一周」、「Si par hahard/もし偶然に」など11曲収録

  「La colere」 2021年 https://www.youtube.com/watch?v=p7G9Ude21nE

 No.1609 2021.7.7 

KCN
 1609  2021.7.7

 

2021年上半期の主な新譜(その3) 

ラファエルRaphaël、「Haute fidélité/ハイファイ」 

 

                        

Raphaëlが2021年3月5日にリリースした新しいアルバムは「Haute fidélité」。

Raphaël本名Raphaël Haoche、は1975年11月7日パリ郊外のBoulogne-Billancourt生まれのACI、作家、俳優、映画監督。父親がロシア出身、母親がアルゼンチン出身で、奥行きの深いスラヴ音楽と情熱的な南米音楽を子守歌に聴いて育った。幼少時から音楽に熱中し、16歳の頃には「僕は1日に4曲も作るようになっていた」。Raphaëlの音楽に最初に興味を持ったのはGérard Manset(1945年パリ近郊Saint-Cloud生まれ、ACI、画家、作家、カメラマン。シャンソンフランセーズの最も特異な、神秘に満ちたACI)の娘のCarolineで、1995年Raphaëlのマネージャーになり、彼のデモテープを携えてレコード会社を回った。そして、EMIとの契約がなり、2000年10月ファーストアルバム「 Hôtel de lunivers/宇宙ホテル」がリリースされた。2005年リリースの3枚目のアルバム「Caravane/キャラヴァン」は150万枚以上の売り上げでdisque de diamantになり、2006年VdMでは「男性歌手賞」、「シャンソンアルバム賞」、楽曲「Caravane」で「オリジナルシャンソン賞」の3賞を受賞。また同年SACEMの新人賞Prix Raoul-Breton賞を受賞している。

Caravane」2006年VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=V24pDY__ftg

 

2012年にリリースしたアルバム「Super-Welter/スーパー・ウエルター級」によって、2013年「Globe de cristal」の最優秀男性歌手賞を受賞。 

2015年にリリースしたアルバム「Somnambules/夢遊病者」子供の頃の思い出を歌っていて、Paris18区の小学校の生徒たちが参加。 「Somnambules」2015年4月 

https://www.youtube.com/watch?v=M207bwkUH90

前作は2017年9月22日リリースした「Anticyclone/高気圧」。

 

Raphaëlは作家、俳優、映画監督としても活動している。作家としては2017年Raphaël Harocheの本名で短編小説集「Retourmer à la mer/海に帰る」を刊行、Prix Goncourtの新人賞を受賞している。俳優としては2本の映画で端役出演した後2010年Claude Lelouch監督の「Ces amours-là/これらの愛」ではヒロインの恋人役で出演している。また2011年Théâtre La BruyèreParis 9区)で上演されたPierre Notte演出の劇場劇「Pour l’amour de Gérard Philippe/ジェラール・フィリップの愛に」に出演している。

Haute fidélité」はRaphaëlの9枚目のスタジオ録音アルバムで12曲収録。それらは:「Année 20/20年代」、「La jetée/ボーディングブリッジ」(Arthur Teboul<1987-グループFeu ! Chatteronの歌手、作詞家>とのデュオ)、「Personne n’a rien vu/誰も何も見なかった」(dito)、「Maquillage bleu/ブルーのメイク(Valeria Bruni Tedeschi<イタリア1964―映画・舞台俳優、映画監督。Carla Bruniの姉>とのデュオ)、「Je suis revenu/僕は戻って来た」、「Impossible/不可能な」、「Tout le monde te connaît/君のことは皆知っている」、「Haute fidélité」、「Le train du soir/夕べの列車」(Pomme<1996-ACI>とのデュオ)、「Le bleu du ciel/空の青」、「Si tu pars, ne dis rien/出ていくなら何も言わないで」(Clara Luciani<1992-ACI>とのデュオ)、「Norma Jean/ノーマ・ジーン」(Norma Jeanノーマ・ジーンはMarilyn Monroeの本名。またバラの一品種。この曲はRaphaëlが師と仰ぎ、TVの歌番組では度々デュオで歌ったChristophe<1945-2020 ACI>に捧げられている)など。

  アルバムのマスコミの評価は概して高かったが、チャート20位以内に入ったのはリリースの週の1回のみで、12位。

  「Les paradis perdus/失われた天国」RaphalChristophe 

https://www.youtube.com/watch?v=eAb48sHWcZg

 

Le train du soir」2021年2月Pomme

https://www.youtube.com/watch?v=4q1p9x6XIK8

 

Personne na rien vuclip officiel 、製作はJean-Baptiste Mondino(1949-カメラマン、Vanessa ParadisAxel BauerMadonnaDavid Bowieなどのclipを製作) 

https://www.youtube.com/watch?v=4q1p9x6XIK8

 
No.1608 2021.6.28

KCN 1608  2021.6.28 



Fete de la musique / 音楽の祭典、開催             

 

第40回Fete de la musiqueが2021年6月21日フランスの各地で開催された。Fete de la musiqueは、1982年当時の文化大臣Jacques Langのイニシアティヴによりフランスで始まり、毎年夏至の日を中心に開催される。日本では「音楽の祭日」と呼ばれている。その後130か国以上、400以上の都市で開催されるようになった。昨年はコロナ禍で中止された都市が多かった。今年もフランスでは中止される都市もあったが、Parisでは、マスク着用、入場者数の制限、1000人以上が集まる会場では健康パスポート(ワクチン接種証明書など)の提示、屋内の場合着席観賞、公道での即席演奏の禁止など感染防止対策が講じられて、市内で大小30件以上の催し物が行われた。6月21日から23時以降の外出禁止が解除されたこともあり、夕刻開催のコンサートが多かった。Elysee宮及びStade Roland-Garrosでの「Fete de la musique」の模様は次の通りです。

 

Elysee宮(大統領官邸 8区)でのコンサート

 Elysee宮の前庭では大統領府主催によるエレクトロミュージックのコンサートが開催された。Elysee宮での「Fete de la musique」のコンサートは恒例になっている。今回の出演者は、Jean-Michel Jarre(1948-ACI エレクトロニック音楽の第一人者)とMarc Cerrone(1952-作曲家、ミュージシャン、ディスコ音楽の第一人者)をメインに、若手のNSDOSIrene DreselCrystal MurrayGlitterら。招待された観客は約300人で、特別招待のJack LangChartotte Rampling(女優)などの他、「カルチャーパス」に登録している若者や慣例によりElysee宮周辺の商人や住人たち。20時30分から始まったコンサート、観客は距離をとって置かれた高い椅子に座って聞いていたが、最後に登場したJarreの演奏の終盤には立ち上がって踊り出す者もいたよう。

  Elysee宮でのFete de la musique https://www.youtube.com/watch?v=AGROJvYRTXg

 

Stade Roland-Garrosローランギャロス スタジアム 16)でのコンサート

 全仏オープンテニスの会場となるStade Roland-GarrosのセンターコートCourt Philippe-Chatrierフィリップ・シャトリエ コート 収容人員約15000人)に特設ステージが設けられ、France Televisionの主催で「Les 40 ans des annees 80/1980年代から40年」コンサートが開催された。観客は4000人に限定されていた。

司会は2011年Miss FranceLaury ThillemanQuebec出身の歌手のGarou。出演者は40人(組)、21時開始し3時間30分に及ぶコンサートで1980年代のヒット曲を中心に歌われた。コンサートの模様はTVFrance2で中継した。

主な出演者は:Clara LucianiPatrick BruelVianneyAmirEddy de PrettoJulien ClercLouaneBenjamin BiolayCalogeroPatrick FioriGilbert Montagneなど。

最初に歌われたのは「L’envie/欲望」(1985年Johnny Hallydayのヒット)

歌ったのはGarouLouaneGiracBruel https://www.youtube.com/watch?v=OYQ6AaCXzFc

  Johnny Hallyday 1987年https://www.youtube.com/watch?v=33pac2EN53Y

その後次のような曲が歌われた。

Patrick Bruelの80年代ヒット曲のメドレー:「Place des grands hommes/偉人たち広場」(89年)→「J’te dis quand meme/それでも君に言う」(89年)→「Alors regarde/さあ見て」(89年)→「Marre de cette nana-la/あの女の子にはうんざり」(86年)→「Casser la voix/声をつぶす」(89年)

歌ったのはBruel自身https://www.youtube.com/watch?v=28ckPVzp8As

 

Gilbert Motagneの80年代ヒット曲のメドレー:「On va s’aimer/愛し合おう」(84年)→「Sous les sunlights tropiques/熱帯のサンセットの下で」(84年)→「The fool」(71年)

歌ったのはMotagne自身https://www.youtube.com/watch?v=QRpj38_Tb_c

 

Julien Clercの80年代ヒット曲のメドレー+最新アルバム収録曲:「Femmes, je vous aime/ご婦人方、愛しています」(82年)→「Fais moi une place/僕に一つの場所を」(89年)→「C?ur de rocker/ロック歌手の心」(83年)→「Lili voulait aller danser/リリーは踊りに行きたかった」(82年)→「Mon refuge/僕の逃げ場」(最新アルバム『Terrien』から

歌ったのはClerc自身   https://www.youtube.com/watch?v=OuHbSMI_JDI

 

・「La groupie du pianiste/ピアニストの追っかけ」(1980年 Michel Bergerのヒット)

歌ったのはVianney https://www.youtube.com/watch?v=_9px1MtXECg

   Michel Berger(1980 https://www.youtube.com/watch?v=RnV1HauwkxY

 

・「Je ne suis pas un hero僕はヒーローじゃない」(1980Daniel Balavoineのヒット 歌ったのはClaudio CapeoKendji GiracVianney https://www.youtube.com/watch?v=IF9dQyDPew8

Daniel Balavoine(1980年) https://www.youtube.com/watch?v=OBrJC2cQ7-g

 

・「Sarbacane/吹き矢」(1989年Francis Cabrelのヒット)

歌ったのはGarou & Christophe Mae  https://www.youtube.com/watch?v=AWvzgrwmdoM

   Francis Cabrel https://www.youtube.com/watch?v=zj6h-vKjKOM

 

・「Manureva/マニュレバ」(1979年 Alain Chamfortのヒット)

歌ったのはCalogero https://www.youtube.com/watch?v=o3obqrg0noo

Alain Chamfort(1979https://www.youtube.com/watch?v=cyin4ehPHjQ

 

・「Toi mon toitあなたは私の屋根」(1986年 Elli Medeirosのヒット

歌ったのは Carla Luciani https://www.youtube.com/watch?v=LUwJqNqywms

Elli Medeiros(1986https://www.youtube.com/watch?v=LW_ydJ5hyBM

 

Duel au soleil太陽の下の決闘」(1986年Etienne Dahoのヒット)

歌ったのはBanjamin Biolay https://www.youtube.com/watch?v=14pyyYRWbYA

Etienne Daho(1987https://www.youtube.com/watch?v=o-bOPYtdVPQ

 

・「La ballade de Jim/ジムのバラード」(1986年Alain Souchonのヒット):

歌ったのはEddy de Pretto https://www.youtube.com/watch?v=jUIK7s6u0Ls

   Alain Souchon https://www.youtube.com/watch?v=Eg9YmQqTg3s

KCN1607  2021.6.17   

KCN 1607 2021.6.17

オランピア劇場Olympia 再開 

 

                              

ParisOlympia(28、boulevar des Capucines、9区)が2021年6月10日再開した。Olympiaはコロナ禍による外出制限などを受けて2020年10月16日のVincent Delerm公演以降閉鎖されていた。2021年6月9日以降は制限が緩和され、適切な感染対策を講じた上で入場者を定員の65%以下にすることでコンサートホールの再開が認められるようになったことから、Olympiaは6月10日の再開となった。2021年5月19日以降は観客数を定員の35%以下制限すれば開場が可能であったが「それではコンサートホールの本来の雰囲気が出ない。主演者にとっても入場者にとってもエネルギーと喜びに溢れた雰囲気が必要」(Olympiaの専務Laurent de Cerner談)とのことから、この日となった。 

 

Olympia再開に際して入場者は1200人に制限され、次のようなコロナ対策がとられた。即ち:入場者は既に2回ワクチン接種している旨の証明書、あるいは72時間以内にPCR検査または抗体検査で陰性である旨の証明書、またはコロナに罹患した人は完治した旨の証明書の提示を求められ、また場内では公演中も含めマスクの着用が要請され、場内箇所には手指消毒用のジェルが置かれ、バーは閉鎖。ミネラルウオターが無料で配布された。現在23時以降の外出は禁止されていることからコンサートの開始は早め。

6月10日(木)、11日(金)には「Les Inrocks Festival」が行われた。このFestivalはロック系の週刊音楽雑誌「Les Inrockuptibles」(2021年6月から月刊に)の主催によるもので、今回が33回目。今回のfestivalには次のロックバンド、ロック歌手が出演した。10日にはCatastropheAltin GinLa Femme、11日にはBonne BananeChilly GonzalesYelle

 

 Olympiaの再開 (6月11日F2 7時のニュース)https://www.youtube.com/watch?v=YP5Vy5SEF5Y

 

6月12日(土)には「Soirée PsychodonPsychodonの夕べ」コンサートが行われた。Psychodonは「maladies psychiques/精神の病」に罹っている患者を援助し、治療のための研究開発などを支援するための協会、Yannick Noah(1960-)がその設立に尽力した。Noahは元テニス選手で全仏オープンのチャンピオン(1983年)。1991年歌手に転向し「Saga Africa」(1991年)、「Aux arbres citoyens」(2007年)、「Angela」(2010年)などのヒットを持つ。コンサートは協会の資金集めのためのもので今回の入場料は15~75ユーロ。12日のコンサート、開場は19時。司会はCaroline IthurbideDidier Meillerand,出演者は、NoahPatrick BruelJulien ClercBénabarKendji GiracLes FranginesWejdeneEddy de PrettoPascal ObispoPommeなど。TVC8が中継した。

 Yannick NoahSimon Papa Tara」 https://www.youtube.com/watch?v=h4Benn2Oj88

 Patrick BruelA la santé des gens que j’aimehttps://www.youtube.com/watch?v=FTzIrYLUVQc

 Julien ClercComment tu vashttps://www.youtube.com/watch?v=dAWIKf9UBhc

 BenabarOui et alorshttps://www.youtube.com/watch?v=WCX_Nr43XF0

 Kendji GiracBebetohttps://www.youtube.com/watch?v=K6SvPLsSUr4

 Les FranginesDevenir quelqu’unhttps://www.youtube.com/watch?v=49GzqnP2p34

 WejdeneJe t’aime de oufhttps://www.youtube.com/watch?v=vIZO5K1RjFE

 

Olympiaの6月その後の主な予定は:616Ben l’Oncle Soul出演21日ラジオ局France Inter主催の「Fête de la musique音楽の祭典」Eddy de PrettoLa FemmeClara Lucianiなど出演26Louis Chedid出演30日コンサート「Ensemble à l’Olympiaオランピアで共に」Alain SouchonAngéue KidjoElodie FregeYael Yaimなど出演

なお、現在のところ、2021年7月1日以降は入場者の数的制限はなくなることになっている。

KCN1606 2021.6.14

KCN 1606   2021.6.14

La chanson de l’année 2021 / 2021年今年のシャンソン 受賞曲決定

J’y vais/僕はそこへ行く」 Patrick Fiori & Florent Pagny  

 

 

TVTF1が選定するLa chanson de l’année2021/2021年今年のシャンソン」に
Patrick Fiori  & Florent Pagnyのデュオによる「J’y vais僕はそこへ行く 」が選ばれた。

La chanson de l’année」はTVTF1が2004年から選定している音楽賞。過去1年間に発表された楽曲から予め候補曲を選定。候補曲が歌われる模様を中継放送し、視聴者の投票により受賞曲を決定する。2021年の受賞曲の発表は6月5日(土)、Loir-et-CherChambordの「Château de Chambord/シャンボール城」で行われた。司会はNikos AliagasParisPalais Royal広場で行われた昨年同様、無観客。しかし、噴水からは水を噴き上げられ、花火が打ち上げられ、城内には照明が施されていた。放送中聞こえた拍手喝采は別途録音されたもの。

今回の候補は18曲。視聴者による投票の結果、 Patrick Fiori & Florent Pagny のデュオによるJy vais」が「Chanson de l’année」に選ばれた(投票数、得票数などについての公式な発表はないが、「J’y vais」の得票率は18.8%との報道があった)。

Patrick Fiori1969Marseille生まれのACI。幼少の頃から美声で知られ、1986Parisに。数々のTVのど自慢番組に出演。1992年Perpignanのシャンソンコンクールで優勝し、1993年フランス代表としてEurovisionに出場、4位。1998年ミュージカル「Notre Dame de Paris」にPhoëbus役で出演、劇中GarouQuasimodo役)、Daniel LavoieFrollo役)と歌った「Belle/美しい人」(1999年VdMシャンソン賞受賞)が大ヒットするなどして、一躍人気に。2000年10月Olympiaに初出演。その後、定期的にアルバムをリリース、最新アルバムは「Un air de famille/家族の歌」で11枚目。

Florent Pagny は1961Bourgogne地方Chalon-sur-Saône生まれ、TV・映画俳優から1987年歌手に。同年のリリースの最初のレコード「N’importe quoi何でも」が100万枚以上の売上げで、1988VdM新人男性歌手賞。1998年VdM男性歌手賞を受賞。その後定期的にリリースしているアルバムはいずれも好評。最新アルバムは2019年6月7日リリースの「Aime la vie/人生を愛せ」。2004年第1回「La chanson de l’année」はPagnyの「Ma liberté de penser/僕の思想の自由」だった

 

J’y vais」はBruno Guglielmi作詞、Fiori作曲。Fioriは10年ほど前からFlorent Pagny とデュオで歌うことを希望していたが適当な曲に恵まれなかったが、「J’y vais」を得て、Pagnyに提案、直ちに「J’embarque/乗るよ」との回答を得て実現した。「J’y vais」は2020年9月21日にシングルでリリースされ、2020年10月2日リリースされたFioriのアルバム「Un air de famille」に他の12曲と共に収録さている。

J’y vaisFiori  Pagny https://www.youtube.com/watch?v=yU7BWDRMLL0

 歌い出し・・

   Fiori:一生を通じて子供時代を見つめなければならないのなら・・、僕はそこへ行く

   Pagny:光を見つけることがそれだけの価値があるな・・僕はそこへ行く

  

今回の候補曲には「J’y vais」の他に次の曲などがあった。

 「Coco/男の子」 Wejdene https://www.youtube.com/watch?v=VYI0jS2K4kM

 「Carrousel/メリーゴーランド」 Aimer & Indila  https://www.youtube.com/watch?v=DFKoY8JlIEI

 「Evidemment/明らかにKendji Girac https://www.youtube.com/watch?v=Q92CfDHOA1I

 「Pour de vrai/本気で」Vianny https://www.youtube.com/watch?v=-tg3jHrBtbI

 

また、番組では候補曲以外に次の曲が歌われた。

 「Belle/美しい人ミュージカル「Notre Dame de Paris」から)、歌(順に): SlimaneDadjuGims

   https://www.youtube.com/watch?v=TkmiYm3pors

 「Quand je joue/僕が演奏する時」(1980年Julien Clercのヒット)、

    歌(順に):AmirClaudio CapéoBénabarPatrick BruelJulien Clerc

https://www.youtube.com/watch?v=tC88AhN9rlM

 Ma sœur/妹」(2007年Vitaaのヒット)、 歌(順に):Camélia JordanaVitaaAmel Bent

https://www.youtube.com/watch?v=7ojb2iiU6z0

No.1605 2021.6.3

KCN 1605  2021.6.3

       

テスト・コンサートconcert-test29AccorHotels Arenaで開催

 

          

すでにスペイン、バルセローナ(202127などで開催されているconcert-testがフランスでは初めて29Paris 12Bercy地区のAccorHotels ArenaPOPB Palais omnisports de Paris Bercy、コンサート会場としての最大収容人数は約万人で開催された。 Vedette(トップスター)として出演したのはグループIndochine。観客は18歳から45歳まで、5月中旬に特別に開設されたサイトに申し込み、抽選で選ばれた。申込者にはIle-de-France在住者で、過去2週間Covid-19陽性者との接触がないこと、3日前の検査が陰性であることが求められた。申込者は20000人を越え、7500人が選ばれた。この内5000人は会場に入ることが出来、2500人は自宅で、リモートで観賞。2500人には後日Indochineのコンサートのチケットが贈られる。その後この2つのグループにつき1週間後にcovid-19への感染状況を調査。調査結果は6月中に公表されることになっている。

 

Indochine

Vedetteとして出演したIndochine1981年ACINicola Sirkis(1959-)を中心結成されたポップ・ロックグループ、現在は5人で編成されている。1982年に最初のヒット「L’aventurier/冒険家」を出した。「L’aventurier」 1983年https://www.youtube.com/watch?v=6nVD6qwPDyo

1985年の3枚目のアルバム「3」は80万枚以上のヒット。その後1999年に結成時の主要なメンバーの一人Nicalaの双子の兄弟Stephanを病気で失うなどして低迷が続いた。しかし2002年に出したスタジオ録音アルバム「Paradize」は150万枚以上の売上げ、特にその中に収められシングルカットされた「Jai demandé à la lune/月に願った」はフランス、ベルギー、スイスでチャートトップの大ヒットになりグループは再び脚光を浴びた。そして2003年のVdMでポップ・ロックアルバム賞を受賞。

 「J’ai demandé à la lune2010 https://www.youtube.com/watch?v=LKn7PH-bFQ4

 

2005年のアルバム「Alice & June」も45万枚。2009年の「La publique des Météors/メテオルス共和国」は35万枚。2010年6月26日のStade de Franceでのコンサートには8万人の観客を集め、2011年のVdMでは特別賞を受賞した。

Indochineは、また、東日本大震災の際には「Un ange à ma table/僕のテーブルに天使」の日本語ヴァージョンCDを出して(2011年3月18日)日本を支援、12000€を被災者に送った。

  「僕のテーブルに天使」 https://www.youtube.com/watch?v=NsYtNZga9Bo

最新のアルバムは2017年9月8日にリリースされた13枚目の「13」、2020年3月50万枚以上の売り上げでdisque de diamantになった。2021年に結成40周年を迎えることから長期の国内ツアーを予定していたが、コロナ禍ですべて延期を余儀なくされた。

 

oncert-test

現在、21時以降の外出禁止措置が執られていることから、5月29日AccorHotels Arenaは午後4時に開場。観客は会場入り口で、入場券、身分証明書の他、PCR検査または抗体検査の陰性証明書の提示を求められ、この日採取した唾液を入れたキットを手渡した。手・指の消毒も徹底され、マスクを2枚配布され会場内では終始そのマスクの着用が求められた。アルコール類の持ち込みは禁止、会場内のビュッフェも閉鎖、サトウキビを原料にした水筒に入ったミネラルウオーターが配布された。ただし、換気に配慮した会場内では、ソーシャルディスタンスは適応されなかった。ステージの後方には巨大なスクリーンが置かれていた。

コンサートは17時30分から開始された。第1部はエレクトロのプリンスEtienne de Crecy(1969-)が務めた。 Indochineは18時30分ステージに登場。最初に歌ったのは最新アルバム「13」から「Station 13」(歌詞の一節「僕は感じる、すべてが変わるだろう・・」で観客のボルテージが上がった)、次いで「Marilyn」(この曲のルフラン部分、「我々は望んでいる、生きることを、より強く生きることを・・」で観客のボルテージは一層上がった)、「3e sex/第三の性」、「Un été français/フランスのある夏」、「La vie est belle/人生は美しい」、「J’ai demandé à la lune」、「Alice & June」、14曲目は「Trois nuits par semaine/1週間に3夜」、その後アンコールで「L’aventurier」と「Karma Girls」の2曲、1時間40分のステージで都合16曲を歌った。この間、久しぶりにライヴを味わった観客は密になることを気にせず、立ち上がって、歓声を上げ、歌い、オーケストラボックスで踊ることができ、束の間普通の生活に戻ることが出来たと感じたよう。

   J’ai demandé à la lune  https://www.youtube.com/watch?v=xfNfFJkWCGI

  「3e sex」 https://www.youtube.com/watch?v=bG59TI1o5TU

 

また、Sirkisは コンサート途中で観客に、医療従事者たち、医療研究者たちへの連帯を示し、Covid-19による死亡者へ哀悼の気持ちを表すため、黙祷ではなく、1分間拍手喝采するよう求めた。

 

会場には厚生大臣Olivier Véran、文化大臣Roselyne BachelotIle-de-France県議会議長Valérie PecresseParis市長Anne Hidalgoらの顔が見えた。

Bachelot文化大臣は「観客が示した喜び、開放感は感動的だった。2021年5月29日はフランスの文化にとって重要な日になった。この夏以降観客が立ったまま参加することが出来るフェスティヴァルを開催する際の衛生面での条件を明らかにすることが出来た」と語った。


KCN1604
KCN1603
KCN1602
KCN1601

KCN 1604  2021.5.27  

バルバラ・プラヴィBarbara Pravi、2021年Eurovisionで2位  

         

2021年5月22日オランダ、ロッテルダムで行われた第65回「Concours Eurovision  de la chansonEurovision Song Contest」において、フランス代表として出場したBarbara Praviは、「Voila」を歌唱 

第2位に入賞した。

Voila」  https://www.youtube.com/watch?v=Unj9WbeLzRU

 

Barbara Pravi、本名Barbara Pievic、は1993年4月10日Paris生まれのACI.、俳優。父はセルビア系で倫理学教授、母はイラン系で国立学校の視学官。法学を学んでいたが音楽の道に方向転換。

2016年1月4日スイス/ドイツ合作映画「Heidi/ハイジ」の主題歌のフランス語ヴァージョン「On m’appelle Heiji/人は私をハイジと呼ぶ」をシングルでリリース。

  「On m’appelle Heiji」 2016https://www.youtube.com/watch?v=v0d61JH_NJk

 

201611月から2017月まで、Comedia a Paris劇場で上演されたAnthony Souchet演出ミュージカル「Un ete 44/1944年夏」連合軍のNormandie上陸からParis解放までの物語に出演。

2017年末から2018年にかけてFlorent Pagny のツアー(2018日のAccorHotels Arena公演を含めの第部で歌う。

2018年6月15日最初のEPBarbara Pravi」をリリース。これには「Pas grandir/大きくなりたくない」、「On s’ eveillera/目覚めるだろう」、「Saint-Raphael/セント=ラファセル」など7曲収録。

  Pas grandir」 2018https://www.youtube.com/watch?v=MfuhadUicag

 

201912France で放送されたTVドラマ「La Sainte Famille聖家族」に出演。

2020枚目のEPReviens pour l’hiver冬には戻ってきて」Reviens pour l’hiver」、「Barceloneバルセロナ」などをリリース。

  「Reviens pour l’hiver」2020年2月https://www.youtube.com/watch?v=7ExECVttYCI

 

2021年1月にはEurovisionのフランス代表を選ぶ選考会に出場、31日決勝で8人の候補者の中から選ばれた。Praviが歌ったのはIgit(本名Antoine Barrau 1984-ACI)らの協力を得て作詞作曲した「Voila/ここにいる」で、2020年11月6日シングルリリースされている曲。

Praviは2021枚目のEPLes prieres/祈り」をリリースこれには「Priere aux oiseaux/鳥たちに祈る」、「Priere au seleil/太陽に祈る」など曲が収録されている。

PraviYannick Noahに「Baraka」(共作で作詞/作曲。アルバム「Bonheur indigo」に収録)を提供するなど、他の歌手にも作詞/作曲した曲を提供している。

 

今回の2021年第65回Eurovisionは、2020年のコンクールがコロナ禍で中止されたため2年振りの開催。今回のコンクールは、2019年5月Tel Avivで行われた第64回に優勝したDuncan Laurenceの出身国オランダで行われ、会場はロッテルダムのAhoy Arena。観客は会場の定員の20%にあたる3500人に制限された。参加国は39カ国。予選は33カ国(予選を免除されているBig 5<仏、独、伊、英、西>及び開催国オランダを除く)が2組に分かれて5月18日及び20日に行われた。5月22日に行われた決勝には予選各組から10カ国及び予選免除の6カ国計26カ国が参加。20番目に登場、「Voila」を歌ったPraviは499点を獲得して第2位に入賞した。

Voila」  https://www.youtube.com/watch?v=Unj9WbeLzRU

優勝は524点を獲得したイタリア代表。

 

フランスはこのコンクールでは過去5回優勝していて、優勝回数ではアイルランドの7回、スウェーデンの6回に続きイギリス、ルクセンブルグ、オランダと並んで3位。しかし1977年Marie Myriamが「Loiseau et lenfant/小鳥と子供」で優勝して以来、優勝はなく、低迷が続いている。特に2000年以降はその傾向が顕著で、2001年のNatasha St-Pierの4位が最高。2009年にはPatricia Kaasに託したが8位。今回の2位は1991年「C’est le dernier qui a parle qui a raison/最後に口を開く者が正しい」を歌ったAmina(1962年-チュニジア出身の歌手・俳優、1987年日本ツアーを行っているよう)以来30年振りということになる。2位になったことにMacron大統領は「ブラボー、Barbara Praviありがとう。フランスをEurovisionの輝ける存在にしてくれて!」と祝辞を送っている。

 

KCN 1603    2021.5.20

 

 2021年第1四半期の主な新譜(その2)

ジュリアン・クレールJulien Clerc  「Terrien/地球人」                  

Julien Clerc が2021年2月12日にリリースした新しいアルバムは「Terrien」。

 Julien Clerc本名Paul Alain Leclercは1947年10月Paris19区生まれのACI。16歳からピアノを始め、高校時代には曲を作る。大学生時代、作詞家Etienne Roda-Gil(1941-2004)と知り合い、

・1968年5月の「La Cavalerie/騎兵」がコンビによる最初のヒット。

  「La Cavalerir197712https://www.youtube.com/watch?v=--cEDilDpvs

・1969年にはヶ月間ParisTheatre de la Porte Saint-Martin で上演されたフランス版「Hair」でClaude Bukowski役で出演。

・1970年12月Olympiaに vedetteとして出演。

1970年代から90年代には15枚のアルバムをリリース。この間:「La Californie/燃えるカリフォルニア」(70年)、「Ce n’est rien/時は過ぎて行く」(71年)、「Si on chantait/廃墟で歌う:都会のマリー」(72年)、「Ma preference/僕の好みの人」(78年)L’assassin assassine殺された殺人者」(80Femmes, je vous aimeご婦人方、僕はあなた方を愛しています」(82年)Fais-moi une place僕に一つの場所を」(89年、91VdMオリジナルシャンソン賞受賞Utile有益な」(92年、93年SACEMVincent Scotto賞/最優秀シャンソン賞受賞 )などがヒット。

  「Fais-moi une place1991VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=V13BT3LbrgQ

  「Utileclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=HmnVfZslf9A

 

2000年代に入ってからも定期的にアルバムをリリース。

2000年11月リリースのアルバム「Si j’etais elle/もし僕が彼女なら」にはCarla Bruni作詞による同名の曲を収録。  「Si j’ etais elle」2003年6月 https://www.youtube.com/watch?v=rCZa4wcqJaQ

・200510月リリースのアルバム「Double enfance/2重の子供時代」にはMaxime Le Forestierの作詞による同名の曲を収録。「Double ebfance」(clip officielhttps://www.youtube.com/watch?v=Tdpfo9-ku34

・2008月リリースのアルバム「Ou s’en vont les avions?/飛行機はどこへ」にはGerard Duguet-Grasserの作詩による同名の曲、Benjamin Biolay作詞によるSous sa grande ombrelle/大きなパラソルの下で」を収録。「Ou s’en vont les avions?」2009https://www.youtube.com/watch?v=iZBVFX_FiOI

・201111月リリースの「Fou peut-etre/常軌を逸した、おそらく」にはCharles Aznavour作詞によるLes souvenirs/思い出Julien Doreの作詞によるLes degats/損害を収録。

・201411月リリースのアルバム「Partout la musique vient/至るところに音楽が」にはAlex Beaupainの作詞によるOn ne se mefie jamais assez決して人は十分な警戒をしない」、Maxime Le Forestierの作詞On va, on vient, on reve人は行き、来て、夢を見る」Carla Bruniの作詞Le chemin des rivieres/川の道」を収録。On ne se mefie jamais assez」 2014年https://www.youtube.com/watch?v=0JZKQ5vToCo

・2017年10月、70歳の誕生月にリリースしたアルバム「A nos amours/我々の愛に」では、プロデューサー・アレンジャーとしてCalogeroの協力を得て、「Elle ment comme elle respire/彼女は呼吸をするように嘘をつく」(Brigitte Fontaine作詞)、「Ma colere/僕の怒り」、「Aime/エメ」(Aime Cesaireに捧げられている。Marc Lavoine作詞)、「Le grand amour/偉大な愛」(Carla Bruni作詞)など13曲を収録。

その後2018年1月中旬から12月末まで「デビュー50周年記念ツアー」を行い、3月にはOlympiaSalle Pleyelに出演している。

2019年11月22日アルバムは「Duos」をリリース。これには自身の過去のヒット曲を現在活躍中の歌手らとデュオで歌った「Ma preference/僕の好みの人」(Calogeroと)、「Ce n’eat rien/時は過ぎて行く」(Zazと)、「Femmes,je vous aime/ご婦人方、僕はあなた方を愛しています」(Vianneyと)、「Double enfance/2重の子供時代」(Maxime Le Forestierと)、「Ballade pour un fou/常軌を逸した者のためのバラード」(Florent Pagny)と、「Ulite/有益な」(Christophe Maeと)、「Souffrir par toi n’est pas souffrir/君のために苦しむのは苦しむことではない」(Francis Cabrelと)、「Jouez violons, sonnez crecelles/バイオリンを奏でろ、がらがらを鳴らせ」(Calra Bruniと)など12曲を収録。

Ma preference 」(Cologeroと)2019年10月https://www.youtube.com/watch?v=u9yaM0sXyHc

 「Double enfance」(Le Forestierと)2019年10月https://www.youtube.com/watch?v=V13BT3LbrgQ

  「Ce n’est rien」(Zazと)2014年 https://www.youtube.com/watch?v=zVp3qJVSG7c

・2015年からLondresに居を移していたが、2020年、フランスに戻った。

 

アルバム「Terrien」は半世紀に及ぶClercのキャリアで26枚目のスタジオ録音アルバム(liveアルバムを含め39枚目)との報道がある。収められているのは12曲、詩は世代の異なるACIから提供され、作曲はClerc自身。

12曲は:「Mon refuge/僕の逃げ場」(Clara Luciani作詞)、「Mademoiselle/マドモワゼル」(Didier Barbelivien作詞)、「La rose et le ourbon」/バラとブルボン家(Vincha作詞)、「Commen tu vas?/ご機嫌いかが?」(Marie Bastide作詞)、「Chaque/それぞれの」(Carla Bruni作詞)、「Ma petite terre/僕の小さな土地」(Marc Lavoine作詞)、「Lhomme a nage/男は泳いだ」(Clara Luciani作詞)、「La jeune fille en feu/ほてっている少女」(Jeanne Cherhal作詞)、「Terrien」(Bruno Guglilmi作詞)、「Automne/秋」(Bernard Lavilliers作詞)など。

  「Mon refuge」2021年2月 https://www.youtube.com/watch?v=qJnaPyrrx6E

     (2コーラス目で「僕を連れて行って、日本を見に、満開の桜を見に・・」と歌っている)

  「Commen tu vas?」2021年3月https://www.youtube.com/watch?v=M207bwkUH90


 KCN 1602   2021.5.15

2021年上半期の主な新譜(その1)

 ベナバールBenabar、 「Indocile heureux/幸せな強情者」          

Benabarが2021年1月29日にリリースした新しいアルバムは「Indocile heureux」。

Benabar、本名Bruno Niolini1969Paris近郊Va?de-MarneThiais生まれのACI最初は映画に興味を持ち、本の短編映画を制作。TVドラマの脚本家としても活動後、25歳でシャンソンに。作詞、作曲は独学。芸名Benabarは道化師の代名詞Bernabeのヴェルラン(逆さ言葉)。当初はグループで、その後ソロに。2001年ファーストアルバム「Benabar」をリリース。ファーストアルバムに収められていた曲を聞いたHenri Salvadorに招かれ、01年のSalvadorのリサイタルの第1部で歌う。03年のアルバム「Les risques du metier/職業上のリスク」で04年VdMアルバム賞。05年のアルバム「Reprise des negociations/交渉再開」はdisque de diamantになり、VdMで男性歌手賞、及びその中に収められた「Le diner/夕食」でオリジナルシャンソン賞を受賞している。

  Le diner」2006年VdMで https://www.youtube.com/watch?v=wa9JJQZPTWo

その後も定期的にアルバムをリリースしていて、前作は2018年リリースの「Le debut de la suite/続きの始まり」。2007年には21曲収録のcompilationBest of」をリリース。2008年のAdamoのデュオアルバム「Le bal des gens bien/善良な人々のダンスパーティ」では「Vous permettez Monsieur/失礼、ムッシュー」で参加。

  「Vous permettez Monsieur」2020年AdamoBruxellesからBenabarParisから

https://www.youtube.com/watch?v=wa9JJQZPTWo

また2014年のRenaudへのオマージアルバム「Le bande a Renaud」には「La peche a la ligne参加している。

Benabarは映画音楽の作曲も行い、脚本家としても活動し、また、俳優として映画、TVドラマ、劇場劇に出演している。

 

9枚目のアルバムIndocile heureuxテーマはいつもと同じ、日常生活で垣間見ることができる小さな出来事、愛、家族、友情、時の流れ、死、それに係わる人々。それらを寸劇のように、そして楽天的に、ポジティヴに、ユーモラスに、時には涙を誘うように歌う12曲が収録されている。それらは:Oui et alors/そうです、それが何か」、「Tous les divorces/すべての離婚者」、「Les belles histoires/美しき物語」、「Au nom du temps perdu/失われた時に名において」、「Exigeons limpossible/不可能なことを要求しよう」、「Une ame de poete/詩人の一つの魂」、「Les filles de plus de 40 ans/40歳を超した少女」、「On ne choisit pas daimer/愛することは選ばない」、「Le bain de 23h30/23時30分の入浴」、「Les indociles heureux」など。

 「Les belles histoires」2021年 https://www.youtube.com/watch?v=FStlW2RB4v4



KCN 1601   2021...

TV France 2 にて放映
Sidaction, ensemble contre le Sida - Merci Line
Sidaction
 共にエイズと闘おう - ありがとう リーヌ 

Les artistes reunis autour de Line Renaud pour le Sidaction 

               

27)20:05よりTV FranceSidaction, ensemble contre le Sida - Merci Lineが放送されたこの番組は、Sidactionの設立に尽力し、設立時から副会長を務めているLine Renaud(1928-歌手、俳優、レビューのリーダーに敬意と感謝の意を表するもの。

  番組紹介の動画 https://www.youtube.com/watch?v=HhRQNlHaKNs

 Sidaction(フランス語のエイズ「sida」と行動「action」を組み合わせた語、「Association de lutte contre le sida/エイズと闘うための協会」の略称)は1994年4月に設立。エイズに関する正しい知識の普及、エイズ治療の研究や患者援助のための寄付金を募集することなどを目的としている。毎年4月にはキャンペーンを行っているが、昨年、今年とCovid-19の影響により中止された。そのため今回は番組放送中に寄付が募られた。

番組は放送の数日前にキャバレParadis Latin28,rue du Cardinal-Lemoine Paris 5区)で収録された。番組の特別ゲストはJean Paul Gautier(1952- ファッションデザイナー、2020年からSidactionの使節)、司会はMuriel Robin(1955-女優、ユーモリスト)とOliier Minne(ベルギー1967- TV司会者)。上掲写真でRenaudの左にGautier、右にRobinMinne。他のゲストは、videoでの登場者も含め、Claude ChiracChirac元大統領の次女)、Francois Holande(前大統領)、Jean Reno(俳優)、Michel Laroque(女優)、Claude Lelouch(映画監督)、Laurent Lafitte(俳優)、Nana Mouskouri(歌手)、Elton John(歌手)など。

          

 

 (Elton JohnPierre Richardvideoで出演)

 

また、Pascal ObispoNolwen LeroyJulien ClercPatrick BruelKendji GiracVincent NicloAmirCarla BruniAnggunChimene BadiThomas Dutroncなどが出演し、Renaudの縁のある曲などを歌った。

 

Pascal Obispo(1965-ACI)が番組の中で歌ったのはSidactionのテーマ曲とも言える「Sa raison d’etre/彼女の存在理由」(1998年Lionel Florence作詩/Pascal Obispo作曲)。

 「Sa raison d’etre歌詞の大意:

・・彼女はあらゆる苦しみを味わった、多くの戦いをした、他の人々は降参しても。  彼女は言う、言葉は無意味、人はやるべきことをやらなければいけない。何故かと問いかけずに。・・それは海に注がれた一滴の水、砂漠に注がれた一滴の水かも知れない。しかしそれが彼女の存在理由。・・人はいつも何もしないことの理由を見つけるもの。しかし彼女は黙々と、しなければならないことをした。そして彼女は沈黙を破った、叫び声に後押されて、無関心に対抗して。なぜなら今日ここに存在していると言うことは、生き残ったと言うことなのだから。蝶々の1枚の羽根でもすべてを良い方向に変えることが出来るもの。・・それは海に注がれた一滴の水、砂漠に注がれた一滴の水かも知れない、しかしそれが彼女の存在理由・・

この曲に関しては、1998年には当時のスター42人が登場するclip officielが発表された。その20年後の2018年には当時のスター45人が登場する新しいヴァージョンのclipが発表されている。

  1998年のヴァージョン https://www.youtube.com/watch?v=UKeakmQFIjM

  2018年ヴァージョン  https://www.youtube.com/watch?v=EZeUDEahOOg

   曲の最後にLine Renaudは「Cest ma raison d’etreそれが私の存在理由」と語っている

Merci Line」ではPascal Obispoがソロで歌っている 。https://www.youtube.com/watch?v=UKeakmQFIjM

   (曲の最後にObispoは「Cest ta raison d’etre/それがあなたの存在理由」と歌っている)

 

Vincent Niclo(1975- 歌手・俳優)は「Pour toi/あなたのために」を歌った。これは、Albert Simonin & Marie-Helene Bourquin作詩/Lolou Gaste作曲による1956年の曲。Louis(愛称Loulou Gaste(1908-1995 作曲家)はRenaudのピグマリオン、1950年にRenaudと結婚している。 Renaudは1956年リリースのEPに「Que sera sera」などと共に収録。この曲は1957年公開の映画「Le feu aux poudres」の中でDario Moreno(トルコ 1921-1968 オペレッタ歌手・俳優、フランスでも活躍した)が歌っている。なお1974年ブラジルのACIMorris Albertが、世界的にヒットし、日本でもハイ・ファイ・セットがカバーした「Feelins」を発表した際、自身の作詞作曲としていた。しかし1977年Gasteが曲について自分の曲の盗作であると抗議、アメリカとフランスで裁判に。1988年12月Gasteの主張が認められ、現在では「Feelins」の原作曲者はGasteとされている。

Pour toiVincent Niclo   https://www.youtube.com/watch?v=x--mxsl1nMk

 (NicloRenaudの歌う歌詞とは異なり、「あなたのために、今夜我々は集まった。あなたの勇気に敬意を表し、あなたの献身に感謝するために・・」と歌い、この番組用に特別に作られた歌詞に変えて歌っている)

   「Pour toiLine Renaud 1956年 https://www.youtube.com/watch?v=byLLeNgFfKg

   「Pour toiDario Moreno映画「Le feu aux poudres」で、https://www.youtube.com/watch?v=BZYiaYvpO2o

 

・他に番組で歌われたのは次の曲など:

・・「L’amitie/友情」:1965年Francoise Hardyのヒット。番組で歌ったのは 

Patrick Bruel1959-ACI)  https://www.youtube.com/watch?v=mk5mkenb728

 

・・「Quand on n’a que l’amour/愛しかない時:1956年Jacques Brelのヒット。番組で歌ったのは

Nolwenn Reroy(1982-歌手)  https://www.youtube.com/watch?v=5SbY-q_QmqE

 

・・「L’amour existe encore/愛はまだ存在する」:1991年Celine Dionのヒット。番組で歌ったのは

Kendji Girac(1996-歌手  https://www.youtube.com/watch?v=Lfm51cXFtf8

 

・・「La vie en rose/バラ色の人生」:1947年Edith Piafのヒット。番組で歌ったのは

Thomas Dutronc(1973-ACI https://www.youtube.com/watch?v=FSWaCLOwatU

 

・・「La nuit magique/魔法にかけられた夜」:1986年Catheline Laraのヒット。番組で歌ったのは

Lara(1945-ACI、バイオリニスト、プロデューサー)自身 https://www.youtube.com/watch?v=7fS0PU-zZyI

 

・・「Util/有益な」:1992年Julien Clercのヒット。番組で歌ったのは

Clerc(1947-ACI)自身 https://www.youtube.com/watch?v=sRBnPMszpWU

 

・・「Comment te dire adieux/さよならを教えて」1968年Francoise Hardyのヒット。番組で歌ったのは

Anggun(ジャカルタ 1974- 歌手) https://www.youtube.com/watch?v=hzBq7UOmceQ

 

・・「Sacrifice1990Elton Johnのヒット。番組で歌ったのは

Amir(1984-ACI) & Cara Bruniイタリア1967-モデル、ACI  

 https://www.youtube.com/watch?v=MXKgpuLyepg

 

・・「Vivre pour le meilleur/最も素晴らしいもののために生きる」1999年Johnny Hallydayのヒット。

番組で歌ったのは

Chimene Badi(1992-歌手   https://www.youtube.com/watch?v=YBJoYZxklt4

  
 
KCN1601   2021.5.2  

KCN 1601   2021...

TV France 2 にて放映
Sidaction, ensemble contre le Sida - Merci Line
Sidaction
 共にエイズと闘おう - ありがとう リーヌ 

Les artistes reunis autour de Line Renaud pour le Sidaction 

               

27)20:05よりTV FranceSidaction, ensemble contre le Sida - Merci Lineが放送されたこの番組は、Sidactionの設立に尽力し、設立時から副会長を務めているLine Renaud(1928-歌手、俳優、レビューのリーダーに敬意と感謝の意を表するもの。

  番組紹介の動画 https://www.youtube.com/watch?v=HhRQNlHaKNs

 Sidaction(フランス語のエイズ「sida」と行動「action」を組み合わせた語、「Association de lutte contre le sida/エイズと闘うための協会」の略称)は1994年4月に設立。エイズに関する正しい知識の普及、エイズ治療の研究や患者援助のための寄付金を募集することなどを目的としている。毎年4月にはキャンペーンを行っているが、昨年、今年とCovid-19の影響により中止された。そのため今回は番組放送中に寄付が募られた。

番組は放送の数日前にキャバレParadis Latin28,rue du Cardinal-Lemoine Paris 5区)で収録された。番組の特別ゲストはJean Paul Gautier(1952- ファッションデザイナー、2020年からSidactionの使節)、司会はMuriel Robin(1955-女優、ユーモリスト)とOliier Minne(ベルギー1967- TV司会者)。上掲写真でRenaudの左にGautier、右にRobinMinne。他のゲストは、videoでの登場者も含め、Claude ChiracChirac元大統領の次女)、Francois Holande(前大統領)、Jean Reno(俳優)、Michel Laroque(女優)、Claude Lelouch(映画監督)、Laurent Lafitte(俳優)、Nana Mouskouri(歌手)、Elton John(歌手)など。

          

 

 (Elton JohnPierre Richardvideoで出演)

 

また、Pascal ObispoNolwen LeroyJulien ClercPatrick BruelKendji GiracVincent NicloAmirCarla BruniAnggunChimene BadiThomas Dutroncなどが出演し、Renaudの縁のある曲などを歌った。

 

Pascal Obispo(1965-ACI)が番組の中で歌ったのはSidactionのテーマ曲とも言える「Sa raison d’etre/彼女の存在理由」(1998年Lionel Florence作詩/Pascal Obispo作曲)。

 「Sa raison d’etre歌詞の大意:

・・彼女はあらゆる苦しみを味わった、多くの戦いをした、他の人々は降参しても。  彼女は言う、言葉は無意味、人はやるべきことをやらなければいけない。何故かと問いかけずに。・・それは海に注がれた一滴の水、砂漠に注がれた一滴の水かも知れない。しかしそれが彼女の存在理由。・・人はいつも何もしないことの理由を見つけるもの。しかし彼女は黙々と、しなければならないことをした。そして彼女は沈黙を破った、叫び声に後押されて、無関心に対抗して。なぜなら今日ここに存在していると言うことは、生き残ったと言うことなのだから。蝶々の1枚の羽根でもすべてを良い方向に変えることが出来るもの。・・それは海に注がれた一滴の水、砂漠に注がれた一滴の水かも知れない、しかしそれが彼女の存在理由・・

この曲に関しては、1998年には当時のスター42人が登場するclip officielが発表された。その20年後の2018年には当時のスター45人が登場する新しいヴァージョンのclipが発表されている。

  1998年のヴァージョン https://www.youtube.com/watch?v=UKeakmQFIjM

  2018年ヴァージョン  https://www.youtube.com/watch?v=EZeUDEahOOg

   曲の最後にLine Renaudは「Cest ma raison d’etreそれが私の存在理由」と語っている

Merci Line」ではPascal Obispoがソロで歌っている 。https://www.youtube.com/watch?v=UKeakmQFIjM

   (曲の最後にObispoは「Cest ta raison d’etre/それがあなたの存在理由」と歌っている)

 

Vincent Niclo(1975- 歌手・俳優)は「Pour toi/あなたのために」を歌った。これは、Albert Simonin & Marie-Helene Bourquin作詩/Lolou Gaste作曲による1956年の曲。Louis(愛称Loulou Gaste(1908-1995 作曲家)はRenaudのピグマリオン、1950年にRenaudと結婚している。 Renaudは1956年リリースのEPに「Que sera sera」などと共に収録。この曲は1957年公開の映画「Le feu aux poudres」の中でDario Moreno(トルコ 1921-1968 オペレッタ歌手・俳優、フランスでも活躍した)が歌っている。なお1974年ブラジルのACIMorris Albertが、世界的にヒットし、日本でもハイ・ファイ・セットがカバーした「Feelins」を発表した際、自身の作詞作曲としていた。しかし1977年Gasteが曲について自分の曲の盗作であると抗議、アメリカとフランスで裁判に。1988年12月Gasteの主張が認められ、現在では「Feelins」の原作曲者はGasteとされている。

Pour toiVincent Niclo   https://www.youtube.com/watch?v=x--mxsl1nMk

 (NicloRenaudの歌う歌詞とは異なり、「あなたのために、今夜我々は集まった。あなたの勇気に敬意を表し、あなたの献身に感謝するために・・」と歌い、この番組用に特別に作られた歌詞に変えて歌っている)

   「Pour toiLine Renaud 1956年 https://www.youtube.com/watch?v=byLLeNgFfKg

   「Pour toiDario Moreno映画「Le feu aux poudres」で、https://www.youtube.com/watch?v=BZYiaYvpO2o

 

・他に番組で歌われたのは次の曲など:

・・「L’amitie/友情」:1965年Francoise Hardyのヒット。番組で歌ったのは 

Patrick Bruel1959-ACI)  https://www.youtube.com/watch?v=mk5mkenb728

 

・・「Quand on n’a que l’amour/愛しかない時:1956年Jacques Brelのヒット。番組で歌ったのは

Nolwenn Reroy(1982-歌手)  https://www.youtube.com/watch?v=5SbY-q_QmqE

 

・・「L’amour existe encore/愛はまだ存在する」:1991年Celine Dionのヒット。番組で歌ったのは

Kendji Girac(1996-歌手  https://www.youtube.com/watch?v=Lfm51cXFtf8

 

・・「La vie en rose/バラ色の人生」:1947年Edith Piafのヒット。番組で歌ったのは

Thomas Dutronc(1973-ACI https://www.youtube.com/watch?v=FSWaCLOwatU

 

・・「La nuit magique/魔法にかけられた夜」:1986年Catheline Laraのヒット。番組で歌ったのは

Lara(1945-ACI、バイオリニスト、プロデューサー)自身 https://www.youtube.com/watch?v=7fS0PU-zZyI

 

・・「Util/有益な」:1992年Julien Clercのヒット。番組で歌ったのは

Clerc(1947-ACI)自身 https://www.youtube.com/watch?v=sRBnPMszpWU

 

・・「Comment te dire adieux/さよならを教えて」1968年Francoise Hardyのヒット。番組で歌ったのは

Anggun(ジャカルタ 1974- 歌手) https://www.youtube.com/watch?v=hzBq7UOmceQ

 

・・「Sacrifice1990Elton Johnのヒット。番組で歌ったのは

Amir(1984-ACI) & Cara Bruniイタリア1967-モデル、ACI  

 https://www.youtube.com/watch?v=MXKgpuLyepg

 

・・「Vivre pour le meilleur/最も素晴らしいもののために生きる」1999年Johnny Hallydayのヒット。

番組で歌ったのは

Chimene Badi(1992-歌手   https://www.youtube.com/watch?v=YBJoYZxklt4

 
 KCN 1600 2021.4.18   
 KCN 1600  2021.4.18

 

TVFrance 2 Symphonissime/サンフォニシム」放送 

Symphonissime sur France 2Symphonissime sur France 2 - France Televisions

               

TVFrance2 20212313)21時05分から2時間30分にわたり音楽番組Symphonissimeを放送した。

この番組は「Les plus belles chansons en version symphoniqueシンフォニー(交響曲)ヴァージョンによる最も美しいシャンソンたち」というサブタイトルが示すように、過去の、あるいは最近の、シャンソン、あるいは世界的なヒット曲をYvan Cassar(1966-作曲家、ピアニスト、アレンジャー、音楽監督)がシンフォニックにアレンジし、それを当代のシャンソン界を代表する歌手たちが、ソロ、デュオあるいはグループで、Cassar指揮による60~65人編成のシンフォニックオーケストラをバックに歌うというもの。

司会はStephane Bern、会場はParisTheatre du Chateletplace du Chatelet 1区)。Cassarはアレンジについて「優れたシャンソンは、詩が、曲が、歌唱が素晴らしい。だからアレンジでもその素晴らしさをそのまま残すようにした」。この催しはコロナ禍の中、活動する機会のなくなった歌手、演奏家、音響技術者などを支援する目的もあったよう。2回の放送で都合40人弱の歌手が出演、次の曲などが歌われた。

 

・「Gottingen/ゲッティンゲン」

Barbaa(1930-1997 ACI)1964年のヒット。
番組で歌っているのはPomme(1999-ACI、2021年VdMで女性歌手賞受賞)

  Pomme(「Symphonissime」で)https://www.youtube.com/watch?v=gnxdrk6ajxg

  Barbara(1967 https://www.youtube.com/watch?v=s9b6E4MnCWk

 

・「Avec le temps時の流れに

Leo Ferre(1916-1993 ACI)1971年のヒット。
 番組で歌っているのはCali(1968-ACI)

  Cali(「Symphonissime」で)https://www.youtube.com/watch?v=S9jITr8MXyk

  Leo Ferre(19712https://www.youtube.com/watch?v=v_nbdcPB0iw

 

・「Un homme heureux/幸せな男

William Sheller(1948-ACI)1991年のヒット。
 番組で歌っているのはChristophe Mae(1975-ACI

 Christophe Mae(「Symphonissime」で)https://www.youtube.com/watch?v=PU4fmpHnRos

 William Sheller(1993年)https://www.youtube.com/watch?v=BCC3dqKEgMs

 

・「Je taimais, je taime, je taimerai君を愛していた、愛している、愛するだろう

Francis Cabrel(1953-ACI)1994年のヒット。
 番組で歌っているのはVianney(1991-ACI

 Vianney(「Symphonissime」で)https://www.youtube.com/watch?v=5zTMGWc1J1Y

 Francis Cabrel1994年 https://www.youtube.com/watch?v=85lKsSCZm4k

                                                 

・「Quelque mots damour/いくつかの愛の言葉

Michel Berger(1947-1992ACI)1980年のヒット。
 番組で歌っているのはChimene Badi(1982-歌手)

 Chimene BadiSymphonissime」でhttps://www.youtube.com/watch?v=7Wi4WXkFuUc

 Michel Berger(1980https://www.youtube.com/watch?v=dra7Blmylyc

 

・「Chanson de Jacky/ジャッキーの歌」

Jacques Brel(1929-1978 ACI)1965年のヒット。
 番組で歌っているのはBenabar(1969-ACI

 BenabarSymphonissime」でhttps://www.youtube.com/watch?v=ESIiu27OZ4s

 Jacques Brel(1966年) https://www.youtube.com/watch?v=EFG1QLCzICc

 

・「Nougayork/ヌガヨーク」

Claude Nougaro(1929-2004 ACI)1987年のヒット。
番組で歌っているのはGaetan Roussel(1972-ACI

 Gaetan RousselSymphonissime」でhttps://www.youtube.com/watch?v=LPCEnNiNPfs

 Claude Nougaro(1989年https://www.youtube.com/watch?v=Z1-t9apAm4E

 

・「Aline/アリーヌ」

Christophe(1945-2020ACI)1965年のヒット。
 番組で歌っているのはLouane(1996-歌手、俳優) & Julien Dore(1982-ACI

 Louane & Julin DoreSymphonissime」でhttps://www.youtube.com/watch?v=sjblEBd03qw

 Christophe(1965年) https://www.youtube.com/watch?v=eQx4hpncGiA

 

・「Lenfant au tambour/太鼓を打つ少年」

クリスマスソング「The little drummer boy」のフランス語版、フランス語ではNana Mouskouri(1934-歌手)らが歌っている。番組で歌っているのはAdamo(1943-ACI

 Adamo(「Symphonissime」で)https://www.youtube.com/watch?v=mRkZjFttI1w

 Nana Mouskouri(1976https://www.youtube.com/watch?v=gK2sp4az0Ac

No.1599  2021.4.15   
KCN 1599  2021.4.15

パトリック・ジュヴェ Patrick Juvet、死去

Patrick Juvetが2021年4月1日スペイン、Barceloneの自宅アパートで死亡しているのが発見されたと代理人のYann YdouxAFP(フランス通信社)に告知した。その1週間後、解剖の結果、死因は心不全と報道された。享年70歳。

Juvetは1950年8月21日SuisseMontreux生まれのACI。6歳からLausanneconservatoireでピアノを習い、成績優秀だった。当初からフランスで歌手になりたいと思っていたが、資金を貯めるため友人の伝手で、17歳でドイツに赴き、Dusseldorfでモデルに。1970年Parisに。1981年Eddy Barclayのプロデュースで最初のSPレコードをリリース。1972年5月リリースしたSPLa musica/ラ ミュジカ」(Jean-Michel Riva作詩/Frank Thomas & Juvet作曲)はフランスやスイスなどでヒット。

  「La musica1972https://www.youtube.com/watch?v=KBALW2ME3tk

同年リリースのSPAu même endroit à la même heure同じ時間に同じ場所で」なども好評だった。

1972年にはClaude FrançoisCloclo 1939-1979 ACIのヒット曲「Le lundi au seeil月曜は太陽の下で」Frank Thomas他作詞の作曲をしている。この曲を収録したClocloSPは60万枚の売り上げ。「子供の頃、Clocloの歌を聞いて育った。そのClocloに曲を提供できたなんて!それにこの曲のヒットのおかげで経済的にもだいぶ助かった」。Juvetはこの曲を「I will be in LA」のタイトルで、英語で歌っている。

Juvetは1973年にはスイス代表でEurovisionに出場、「Je vais me marier, Marie/マリ、僕は結婚する」(Pierre Delanoë作詞/Juvet作曲)を歌い、17人中12位。1973年には「Sonia/ソニア」などがヒット。1973年「La musica」、「Au même endriit・・・」、「Je vais me marier・・」、「Sonia」、「I wille be・・」、ほかに「Ecoute-moi/僕の話を聞いて」など全10曲を収録したアルバム「La musica」をリリース。アルバムは100万枚以上の売り上げと言われている。

  「Ecoute-moi」1973年 https://www.youtube.com/watch?v=5UdiEAW7I0Q

 

1973年11月Olympiaに初出演、ラジオ局Europe 1で放送された歌番組「Musicorama」のため。LiveLPPatrick Juver, vous raconte son rêve/パトリック・ジュヴェ 彼の夢を語る」としてリリース。

1974年には「Regardeご覧」、1975年には「Il est trop tard pour faire l’amour愛するには遅すぎる」がヒット。同年にはまたアメリカのロック歌手Alice Cooperのヒット「Only women bleed」をBoris Bergmanによるフランス語の歌詞で「J’ai peur de la nuit/僕は夜が怖い」として歌っている。

1977年にJean-Michel Jarre(1948- ACIの詩に作曲した「Où sont les femmes ?/女性たちはどこへ」はフランスにおける最初のdisco ヒット曲と言われSP25万枚の売り上げ。

  「Où sont les femmes ?1978年 https://www.youtube.com/watch?v=lNY9PQXavi8

  

1978年6月にリリースしたI love America」は、フランス国内で20万枚以上の売り上げ、イギリス、イタリー、スペインなどでトップ20入りするなど好評だった。

  「I love America」1978年 https://www.youtube.com/watch?v=ouAdWPMOE4w

 

1979年リリースの「Lady Nigh」もそれなりのヒット。しかし、80年代に入り人気に陰りが出るとアル中などに悩まされ、低迷、人々に忘れられた。1991年Françoise HardyMarc Lavoineらの協力を得て「Solitudes/孤独」でカムバック。これにはHardy作詞/Juvet作曲の「Solirudes」、Lavoine作詞/Juvet作曲の「Et si on recommençait/もし再び始めたら」、Luc Plamondon作詞/Juvet作曲の「Pour les enfants de la terre/地上の子供たちのために」など10曲収録。しかし期待した評価は得らず、これがJuvetの最後のアルバムになった。

  「Solitudes」1991年 https://www.youtube.com/watch?v=KYT5gnhaak0

 

Juvetは2008年から2018年までの間「Age tendre et Têtes de bois」のツアーに数回参加している。

  2011年の「Age tendre et Têtes de bois」のツアーで Oú sont les femmes ?」

    https://www.youtube.com/watch?v=YWUOcWDMkY8

2014年Juvetのヒット曲34曲を収録したCD2枚組みのcompilationBest of 」がリリースされている。

Juvetの葬儀はスペインで、姉(妹)、姪などが参列してごく内輪で行われた。遺体は荼毘にふされ、遺灰は後日生地のスイスに帰国する。

 

Juvetの訃報に接しElysée(エリゼ宮、フランス大統領府)は2021年4月2日付けで次のようなコミュニケを発表した:Patrick Juvet、歌手で作曲家、フランスディスコ音楽のアイドル、が死去した。・・(Juvetの略歴を紹介)・・共和国大統領及び同夫人は、世代を問わず多くのフランス人をダンスに誘ったこのスイス出身の歌手の業績に敬意を表し、その家族及びファンに心からの哀悼の意を表します。

 No.1598 2021.4.10   

KCN 1598     2021.4.10

2021年VdM (その)                                     

Les Victoires de la Musique 2021Les Victoires de la

2021年第36回Victoires de la musiqueVdM)の主な賞の受賞者、受賞作は次の通りです(続き):

 

アルバム賞 バンジャマン・ビオレBenjaman Biolayの「Grand Prix(他の候補はJulien Doréの「Aimée」、Gaël Fayeの「Lundi méchant」、Grand Corps Maladeの「Medames」及びBen Mazuéの「Paradis

・・「Grand Prix」:

Grand Prix」はBiolayの9枚目のアルバムで、202026日リリース。収録されているのはレース、旅、道程、人生、勝利と敗北をテーマにした13曲。それらは:「Comment est ta peine?/君の痛みはどんな風?」(4月24日に先行シングルでリリースされている)、「Visage pâle/青白い顔」、「Comme une voiture volée/盗まれた車のよう」、「Grand prix」、「Pappillon noir/黒い蝶」、「Ma route/僕の道程」、「 est passée la tendresse/優しさはどこへ行った」、

Souviends-toi l‘éé dernier/去年の夏を思い出してくれ」など。アルバムはリリースの週アルバムチャート1位。

 est passée la tendresse」2020年 https://www.youtube.com/watch?v=LZ6EkzDQbiY

 

オリジナルシャンソン賞 グラン コール マラッド  カミユ・ルルーシュ Grand Corps MaladeCamille Lelloucheのデュオによる「Mais je t’aimeでもあなたを愛している」他の候補はBenjaman Biolayの「Comment est ta peine」、Yseultの「Corps」、Camélia Jordanaの「Facile」及びMichel Jonaszの「La maison de retraite

・・Mais je t’aimeGrand Cprps Malade202011日にリリースしたアルバム「Medamesマダムたち」に、Camille Lelloucheとのデュオで収録されている。  

Grand Corps MaladeGCM本名Fabien Marsaud、1977年パリ北郊外Seine-Saint-DenisBlanc-Mesnil生まれのスラム系ACI。2003年ParisClichy広場のバーで最初のスラムを披露。2006年3月にリリースしたファーストアルバム「Midi 20/12時20分」が50万枚以上売り上げ、スラムをフランスに根付かせた。2007年のVdMで新人アルバム賞と新人ステージ賞を受け、「le rois du slame/スラムの王」と呼ばれるようになった。   

Camille Lelloucheは1986年Paris 4区生まれの俳優・ユーモリスト・歌手。幼少の頃から演劇と歌に興味を持ち、演劇を学んだ後いくつかの劇場劇、TV、映画に出演。また2015年にはTVTF1のスタ誕番組「The voice」に出場準決勝まで進んでいる。

  アルバム「Mesdames」はGCMの7枚目のアルバムで、女性歌手とのデュオを中心に10曲が収録されている。楽曲「Mais je t’aime」は2017年のCamille Lellouchega作詩/作曲し歌っている「Mais je t’aime」にGCMが詩を加筆したもの。アルバム「Mesdames」はリリースの週アルバムチャート1位。

  「Mais je t’aime2021VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=CVR8_GK-49U

 

・最優秀Clip ジュリアン・ドレJolien Doréの「Nous/我々」(他の候補 Woodkidの「Goliath」、Christine and the Queensの「La vita nouva」)

 ・・「NousJulien Doréが2020年9日リリースしたアルバムは「Aimée」(99歳になる母方の祖母の名から)に収録。Doréは1982年7月7日南仏Gard県のAles生まれのACI。2002年から友人とグループを結成、自作の曲や過去の世界のヒット曲を週末にバーなどで歌う。07年TVM6のスタ誕番組「Nouvelle Star」の第5回優勝者。その声、ウクレレ演奏、カリスマ性、特異な風姿、エネルギー、ステージ態度は視聴者を魅了した。2007年8月リリースした最初のシングル「Moi...Lolita/私・・ロリータ」は、Alizéeのカバーで、チャート2位に。2008年には最初のアルバム「Ersatz/代替品」をリリース、09年VdMで新人アルバム賞とそこの収められた「Les limites/限界」でヴィデオクリップ賞受賞。2015年VdMで男性歌手賞受賞。2016年10月14日にリリースした4枚目のアルバム「&」は2017年1月25日「&~愛の絆~」のタイトルで日本盤がリリースされている。Doréは2015年7月及び2017年5月来日公演を行っている。アルバムは「Aimée」はDoré5枚目となるもので、「Nous」など「engagé/(社会的、政治的に)コミットした」曲など11曲が収録されている。アルバムはリリースの週チャート1位。今回Doréはこのclipを演出したBrice VDHと共にVictoireを受けた。

Nous」2020年 https://www.youtube.com/watch?v=PpRgiaONETI

 

・特別賞:長年の功績に対してジェーン・バーキンJane Birkinに授与された。

・・Jane Birkin:1946Londres生まれ、俳優、歌手。KCN №1596参照

Birkin1992VdMで女性歌手賞受賞を受賞している。

 2021VdM授賞式の模様 https://www.youtube.com/watch?v=OCNYXTr0mQ8

 司会者の2人がBirkinの略歴を紹介 → 歌手によるBirkinへのオマージュ(Vanessa ParadisJane B」 → Etienne DahoEx-fan des sixties/思い出のロックン・ローラー」 → Eddy de PrettoQuoi/コワ」 → Thomas DutroncLes jeux interdis/禁じられた遊び」) → Lou Doillon(1982-俳優・モデル・歌手、Birkinの3女、父親はJacques Dollion<1944-映画監督>)の祝辞とvictoireの授与 → Birkinの受賞挨拶


KCN1597  2021.4.6   
 

KCN 1597      2021.4.6

2021年VdM(その1)                            

Les Victoires de la Musique 2021Les Victoires de la

usiq2021年第36回Victoires de la musiqueVdM)の授賞式は2021年2月12日(金)21時からParis郊外Boulogne BillancourtSeine Musicaleで行われた。司会はStephan BernLaury ThillemanTV France 2で実況した。

主な賞の受賞者、受賞作は次の通り:

・男性歌手賞 バンジャマン・ビオレイBenjaman Biolay(他の候補者は Gael FayeVianney

・・Benjamin Biolay:1973年1月20日Lyon近郊生まれのACI、俳優。作詞・作曲家として多くの歌手に優れた曲を提供しているほか、ミュージシャン、アレンジャー、プロデューサーとして多彩な才能を発揮している。2000年のKeren Ann(1974- ACI)と組んでHenri Salvadorを復活させた「Jardin d’hiver/こもれびの庭」などを作詩/作曲。2001年ファーストアルバム「Rose Kennedy」でVdM新人アルバム賞。2009年アルバム「La Superbe/尊大」でVdMアルバム賞、男性歌手賞を受賞している。2016年4月リリースのアルバム「Palermo Hollywood」は、Biolayが「気分転換」が必要なときに訪れるアルゼンチンで録音されたもので、2017年VdMでアルバム賞を受賞。Biolay今回のVdMでアルバム賞も受賞、これで都合6個のVictoiresを得たことになる。

  「Comment ta peine2021VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=Fmbuk6n9zHs

 

・女性歌手賞 ポムPomme他の候補者は Aya NakamuraSuzane

 

・・Pomme:本名 Claire Pommet、1996年8月2日Lyon生まれのACI、幼少の頃からピアノ、ベースを習い、子供合唱団にも所属。独学で作曲した曲をYou Tubeに投稿している。19歳でParisに移り住み、2016年EPEn cavale/逃走中」をリリース。それが好評裏に迎えられ、VianneyLouaneBenjamin Biolayの前座で歌う。2017年9月ParisLa Boule noire劇場(18区)に4夜にわたり出演。10月にはファーストアルバム「A peu pres/およそ」をリリース、マスコミは高い評価を与えた。その後2018年にはCafe de la DanseParis 11区)、La CigaleParis 18区)、2019年にはTrianonParis 18区)などParisの主要な劇場に出演している。ステージに立つ際には自らギター、あるいはオートハープを弾く。2019年11月1日2枚目のアルバム「Les failles/断層」をリリース。編曲にAlbin de la Simoneの協力を得て:「Anxiete/不安」、「Je sais pas danser/私は踊り方を知らない」、「Grandiose/壮大な」、「Les sequoias/セコイア」、「Les oiseaux/鳥たち」、「Pourquoi la mort te fait peur/あなたは何故死を恐れるの」、「La lumiere/光」、「Soleil soleil/太陽」、「Saphir/サファイア」、「Une minute/1分」、「Chapelle/チャペル」など11曲収録。

  「Grandiose」2021年VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=cUZmqeIWd3Q

 

・男性新人賞 エルヴェ Herve(他の候補者は HatikNoe Preszow

・・Herve本名Herve Le Sourd199119Paris郊外、YvelinesSaint-Cyr-l’Ecole生まれのACI。本名の姓はBretagne地方の出身であることを示している。同県のFontenay-le-Fleuryで育つ。幼少の頃はサッカー選手を夢見ていたが、Alain Bashung(1947-2009 ACI)とChristophe(1945-2020 ACI)のファンであるHerveは15~6歳、2010年代末に独学で音楽活動を始め、2017年最初のシングルCDMelancolie F.C./憂愁FC」をリリースしている。2018年10月19日にリリースされたJohnny Hallyday(1943-2017 歌手)の没後アルバム「Mon pays c’est l’amour」には共作で歌詞を提供した3曲が収録されている。2020年6月19日ファーストアルバム「Hyper/超」をリリース。これには「Album Hyper Bien/超素晴らしいアルバム」との評も。アルバムには「Si bien que mal/どうにかこうにか」、「Le premier jour du reste de ma vie/僕の人生の残りの日の初日」、「Tresor/宝」、「Fureur de vivre/人生の快楽への執着」など鋭いリズムをメランコリックな声で歌った11曲が収録されている。

  「Si bien que mal」2021年VdMで https://www.youtube.com/watch?v=xptPiyleGf8

 

・女性新人歌手賞  イズートYseult(他の候補者は Lous and the YakuzaClou

・・Yseult本名Yseult Onguenet199418日フランス北東部AisneQuessy生まれのACI。両親はCameroun出身。 2014年TVM6のスタ誕番組「Nouvelle Star」に出場、決勝でMathieu Saikalyに敗れた。その後Maurane(1960-2018 ACIYseultが出場した「Nouvelle Star」の審査員の一人)のアルバム「Ouvre/作品」(2014年)にデュオで参加。また若手歌手がCherles Aznavour(1924-2018 ACI)のヒット曲をカバーしたアルバム「Aznavour, sa jeunesse/アズナヴール、彼の青春」(2014年)には「La mamma/ラ ママ」で参加。2015年Polydor社からファーストアルバム「Yseult」をリリース。これには「La vague/波」、「Sans raison/訳もなく」、「L’orange/嵐」、「La mamma」、「Blanche/白人女性」など10曲収録。その後自らのレーベルY.Y.Y.を立ち上げ2019年3枚のEPをリリース。そのうち2019年10月18日にリリースされたEPNoir/黒」に収録されている「Corps/からだ」は、Youtubeに2020年2月5日にupしたclipが500万回以上視聴され、Yseultの最初のヒットになり、今回のVdMでjはオリジナルシャンソン賞の候補になった。

  「Corps」2021年VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=lwR7tnR47SM


No.1596   2021.3.20
 
KCN 1596  2021.3.20

2020年年末の主な新譜(その6)                                

ジェーン・バーキンJane Birkin、「Oh ! Pardon tu dormais/あ!失礼 お休み中でしたね」

 

Jane Birkinが2020年12月11日にリリースした新しいアルバムは、「Oh ! Pardon tu dormais」。

Jane Birkin194612日イギリスLondres生まれの歌手・俳優。母国イギリスで、17歳から戯曲に、18歳から数本の映画に出演。1968年フランスに。Pierre Grimblat監督の映画「Slogan/スローガン」に出演。この映画の主役を演じたSerge GainsbourgParis1928.4.2-1991.3.2 ACI)と知り合い、1969年-80年9月の間パートナー、1971年7月Chalotte Gainsbourg誕生。1969年2月リリースのGainsbourgの2枚目のアルバム『Jane Birkin-Serge Gainsbourg/ジェーン&セルジュ』でBirkinGainsbourgとのデュオ及びソロで6曲(デュオで「Je t’aime, moi non plus/ジュ テーム モワ ノン プリュ」)、「69 Année érotique/69年はエロティックな年」など、ソロで「Jane B」など)を歌っている。

 「Je t’aime moi non plus」 https://www.youtube.com/watch?v=FlBAm0I33Zw

 

その後Gainsbourgの作詞/作曲による曲を中心に収録したアルバムをリリース。その中には:『Di Doo Dah/ディ・ドウ・ダー』(1973年)、『Ex Fan des sixties/思い出のロックン・ローラー』(1978年:「Ex Fan des sixties」、「L’Aqoiboniste/無造作紳士」、 「Ballade de Johnny Jane/ジョニー・ジェーンのバラード」など収録)、『Baby Alone in Babylone/バビロンの妖精』(1983年、ACC大賞:「Baby Alone in Babylone」、「Les dessous chics/シックな下着」、「Fuir le bonheur de peur qu’il ne se sauve/幸福が逃げるのを恐れて幸福を避ける」を収録)などがある。

Fuir le bonheur de peur qu’il ne se sauve」 https://www.youtube.com/watch?v=Ll6ribfGJVA 

1992VdM女性歌手賞受賞。

 

その後1998年全曲Gainsbourg以外の曲を収録した『A la légère/ラヴ・スロウ・モーション』、2004年『Rendez-vous/ランデ・ヴー』(世界中の著名なアーチストに提供された曲をデュオで)などをリリース。

Les clefs du paradis」アルバムA la legère』から 

1998年 https://www.youtube.com/watch?v=yRteJcGUANk

 

2008年には全曲自身の詩にAlain Souchonらが曲を付けた12曲を収録した『Enfants d’hiver/冬の子供たち』をリリースしている。2011年10月から2013年7月(この間体調不良のため中断があった)までツアー「Jean Birkin sings Serge Gainsbourh via Japan」を行った(日本公演は2013年3月28日)。バックは中島ノブユキをリーダーとする4人の日本人ミューィシャンが務めた。2017年4月にリリースしたアルバム『BirkinGainsbourg: le symphonique』にはGainsbourgの曲を中島ノブユキがアレンジしたBaby alone in Babylone」、「L’Aquoiboniste」、「Fuir de bonheur de peur qu’il ne se sauve」、「La Javanaiseラ ジャヴァネーズ」、「Pull marineマリンブルーのセーター」などを収録。

 

Birkinは1989年2月来日初公演。2011年4月東日本大震災のチャリティーコンサートなど、その後都合10数回来日、最近の来日は2017年8月。

 La javanaise」2011年Tokyohttps://www.youtube.com/watch?v=Dxot7BQfShY

 

今回のアルバム「Oh! Pardon tu dormais」はBirkinの14枚目のスタジオ録音アルバム。収録されている13曲の作詞はBirkin自身(Etienne Dahoの協力を得たものもある)、作曲はEtienne Daho(1955-ACI)及びJean-Louis Pierot(1965- 作曲家、アレンジャー、ディレクター)。13曲は:「Oh! Pardon tu dormais」(Dahoとのデュオ)、「Ces murs épais/これらの厚い壁」、「Cigarettes/タバコ」、「Les jeux interdits/禁じられた遊び」、「A marée haute/高潮で」、「Pas d’accord/不同意」、「Catch me if you can」など。「Ces murs épais」、「Cigarettes」及び「Catch me if you can」の3曲は長女Kate Barryの追憶。Kate Barryは1967年生まれの写真家。父親はJaneが1965年に結婚し68年に離婚した映画音楽の作曲家John BarryKateは2013年12月自宅のあったParis16区のアパートの5階から転落死した。「Les jeux interdis」はKateCharlotteを歌ったもの。

Les jeux interdis」2020年 https://www.youtube.com/watch?v=oUwhEHRhdO0


 2021.3.8  No.1955  
KCN 1955      2021.3.8

2020年年末の主な新譜(その5)

Calogero

カロジェロ Calogero、「Centre ville/町の中心街」

Calogeroが2020年12月4日にリリースした新しいアルバムは「Centre ville/町の中心街」。

Calogero本名Calogero Maurici、は197130IsèreGrenoble郊外Echirolles生まれACI、ギター、ピアノの弾き語りも。8090年代グループで活躍。その後ソロに。2000年には最初のソロアルバム「Au milieu des autres/他人の真ん中で」をリリースしている。

 

2002年のセカンドアルバム「Calogero」でVdM男性歌手賞受賞。

2004年のアルバム「3」に収録された「Si seulement je pouvais lui manquer/僕がいなくて、彼が寂しがってくれたら、それだけでいい」(両親が離婚し母親と暮らしている男の子が主人公)でVMシャンソン賞を受賞。

  「Si seulement je pouvais lui manquer

2005年VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=RNeGJfomL5I

 

12年にはStanislasPhilippe Uminskiらとグループ「Circus」を結成。後に、ソロ活動を復活、2014年8月disque de diamantになった「Les feux d’artifice花火」をリリース。そこに収録されていた「Un jour au mauvais endroit/ある日、不幸な場所で」(Caloの生地で起こった若者同士の乱闘により2人が死亡した事件をテーマにした)2015年VMシャンソン賞を受賞している。

  「Un jour au mauvais endroit」2015年VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=-Tqe-BW6dz0

 

前作は2017年8月リリースのLiberté Chéri大切な自由」で、Voler de nuit/夜間に飛ぶこと」(アルバムの最初の曲、Paul Ecole作詞/Calorego作曲。「Le Petit Prince/星の王子様」の作者Antoine de St.-Exupéryへのオマージュであり、平和をテーマにしている。St.-Exupéryには「Vol de nuit/夜間飛行」という作品がある)、Fondamental」などを収録、リリースの週から3週間アルバムチャートの1位になり、30万枚以上の売り上げ。

 「Voler de nuit2017年 https://www.youtube.com/watch?v=ZuKmeEQcnRE

Calogeroは2020年3月26日医療従事者への連帯を歌ったシングル「On fait comme si
人はあたかも・・であるように行動する
」をリリース。3月21日には自宅からの映像をインターネット通じて配信。

 

8枚目となる今回のアルバム「Centre ville」には「On fait comme si」の他、11曲が収録されている。それらは: 「C’était mieux après/後の方が素晴らしかった」、「Mauvais perdant/往生際の悪い敗者」、「Centre ville」、「Celui den bas/下にいる人」、「Video」、「Le temps/時」、「La rumeur/噂」、「Peut-être/おそらく」、「Cinq heures et quart/5時15分」、「Titanic」、「Stylo vert/青鉛筆」など。アルバムはリリースの週チャート1位。

 「On fait comme si」:Caloは2021年1月15日TVTF1で放送された番組「La chanson secrète」に出演し、この曲を歌っている。番組には医療従事者が招かれている。 司会はNikos Aliagas

 https://www.youtube.com/watch?v=Y7yGNq8ZGoE

・・通りは奇妙な静けさ、突然日曜日がやってきたように。一人の男性があそこバルコニーで歌っている、隣家の女性がヴァイオリンでその伴奏をしている。 子供たちには心配はないと語りかけ、ちょっとした冒険のようなものだと言い、子供たちが描いた絵を冷蔵庫に貼った。 人はあたかもすべてが遊びであるように行動する、できることをする、夜になると目を閉じ、この世の中はまだまだ幸福に満ちていると考える。 恐れはあるが、笑いもある。遠く離れていることが我々を近づける、何でもないことを話すこと、空が青いと話すことが。 誓って言う、約束する、世界は再び始まるだろう。 この後の我々の生活はより素晴らしいものになるだろう・・

 No.1594 2021.3.4   

KCN  1594       2021.3.4

2020年年末の新譜(その3)


http://www.le-mensuel.com/wp-content/uploads/2017/10/vincent-niclo-interview-2017-B.jpg

ヴァンサン・ニクロVincent Niclo、「Esperanto/エスペラント語」

Vincent Nicloが2020年11月27日にリリースした新しいアルバムは「Esperanto」。

Vincent Niclo1975Paris生まれの歌手、作詩・作曲も行う。最初演劇に興味を持ちFrançois Florentの演劇学校に通い、モダンダンスのスクールにも通った後、劇場劇やTVドラマに出演。その後Paris Opéra座のThierry Dranの許で声楽を学び、ミュージカルに出演するように。特に2003年ParisPalais des Sportsで上演された「Autant en emporte le vent/風と共に去りぬ」ではRhett Butlerを演じている。その後2006年からソロ歌手として活動を始め、同年最初のアルバム「Un nom sur mon visage/僕の顔の上の一つの名」をリリースするが、評判にならず。モスクワ公演の際ロシアの「Les Chœurs de lArmée Rouge/赤軍コーラス隊」の隊長に、コーラス隊のフランス公演の際共演するよう要請され、2012年3月から共演。2012年9月24日にリリーしたアルバム「Opéra rouge/赤いオペラ」は、このコーラスをバックに歌った「Ameno/アメノ」、「Funiculi Funicula/フニクリ フニクラ」、「Caruso/カルソ」、「La Marseillaise/ラ マルセイエーズ」など10曲を収録、5週間アルバムチャートの5位以内に入るヒットで、triple disque de platine(30万枚以上の売り上げ)。

Caruso2013clip officiel https://www.youtube.com/watch?v=ejEK9iKsN7g

 

201412月アルバム「Ce que je suis僕はこうだ」にはSerge Lamaに詩の提供を受けた「Jusqu’à l’ivresse酔うまで」などを収録。2016年9月にはPascal Obispo(1965- ACI)などの協力を得たアルバム「5.0/5 ドット オー」をリリース。2018年9月リリースの「Tango」では、「Le plus beau tango du monde世界で最も素晴らしいタンゴ」、「Quizas, quizas, quizas」などタンゴの名曲15曲を収録。

 Jusqu’à l’ivresse」2015年 https://www.youtube.com/watch?v=WnjXaAICyxE

 

前作2019年リリースのアルバム「Tenor」には「La donne è mobile/女心の歌」(Verdiのオペラ「Rigoletto」から)などオペラの名曲、クラシックに新しい歌詞を付けた曲、あるいは「Je chante avec toi liberté」(Nana Mouskouriのヒット曲、Mouskouriとのデュオ)などシャンソンの名曲をソロ、あるいはデュオなどで歌った13曲を収録。

La doona è mobile」2019年 https://www.youtube.com/watch?v=dDQON0Y0PVo

 

今回のアルバム「Esperanto」にはロシア正教の神父5人組のコーラスグループ「Les Prêtres Orthodoxes」とデュオで歌った曲がCD2枚に収められている。CD1には:Ils saiment/彼らは愛し合っているDaniel Lavoie Canada生まれの ACI>1983年のヒット曲。Céline DionLara FabianHélène Ségaraらがカバーしている)、Luna/(イタリア語)月)」(Flavio Pintus作詩、Romano Musumarra作曲)、「Ave Maria de Gounod/グノーのアヴェ マリア」、「Ensemble/共にJean-Jacques Goldman2001年のヒット、「Aimer/愛することNoclo作詞、David Esposito作曲、「Canticum/カンティクム」(Beethovenの曲にNicloが詩を付けたもの)、「Juste un sourir/たった一つの微笑みVincent Niclo作詞、作曲、「Une île/一つの島Serge Lama1969年のヒット曲、「Voce/(イタリア語)声」(Niclo作詞、Nicloほか作曲)、「Puisque tu pars君が出発するので」Jean-Jacques Goldman1988年のヒット曲、「Lacrimaso/ラクリモーサ」(Amadeus Mozartの曲にNicloが詩を付けたもの)、「Sovet Prevechnii」(伝統的な典礼曲)など12曲集録。CD2にはAve Maria de Caccini/カッシニのアヴェ マリア」のほかa capellaで歌っている「Ils saiment」、「Sovet Prevechnii」、「Une île」、「Lacrimosa」など曲集録。

 

Luna」2020年12月https://www.youtube.com/watch?v=mfFdwCMYzj8

Ave Maria de Gounod202012https://www.youtube.com/watch?v=v5njaAXDP3g

Une île」2021年1月https://www.youtube.com/watch?v=fo3EKUNN7J0

Une îleSerge Lama 1972年 https://www.youtube.com/watch?v=FYJCNj9_IWI

 No.1953 2021.3.2   

KCN
 1953    2021.3.2

2020年年末の主な新譜(その2)                          

ドミニク・アーDominique A、 「Vie etrange奇妙な人生」

Dominique A202011日にリリースした新しいアルバムは「Vie etrange」。

Dopminique A本名Dominique Aneは1968年10月6日パリ近郊Provins生まれのACI。若い頃からpunk音楽に興味を持ち17歳でバンド結成、数枚の45回転を出すが成功せず。1991年からYamahaのシンセサイザーを演奏しながら歌うスタイルでソロ活動を始めた。最初のレコードは150枚しか出さなかった自主製作の「Un disque sourd/聞く耳を持たないレコード」で批評家の間では好評だった。このタイトルは「頑固者だった僕は周りの騒音には耳を貸さない」の意味を込めて。1992年最初のアルバム「La fossette/えくぼ」を出す。そこに収められた「Le courage des oiseaux/鳥たちの勇気」・・もし我々に凍てついた風の中で歌っている鳥たちの勇気があったら・・は、MiassecVincent DelermCaliらが「影響を受けた曲だ」としていて、若手の歌手たちには尊敬され、目標とされる歌手の一人。1993年2枚目のアルバム「Si je cannais Hanrry/ハリーを知っていれば」から一般にも受け入れられるように。1995年の3枚目の「La memoire neuve/新しい記憶」は10万枚の売上げ、VdMで新人賞にノミネートされ、1996年12月2日Olympia初出演を果たした。

 その後も定期的に質の高いアルバムをリリースしている。2010年1月7日それまでの作品に対してACC賞を受賞。2012年3月リリースの9枚目のアルバム「Vers les lueurs/微すかな光の方へ」は特にマスコミでの評価が高く、それにより2013年2月8日VdM男性歌手賞を受賞。アルバムリリースの後行った「Vers les lueurs」ツアーは2012年6月のCasino de Pasris出演などが好評で、2013年11月21日にはACCのステージ大賞を受賞している。

 Dominique Aはソロ活動を開始した当時からMichel DelpechJane BirkinVincent DelermeYann TiersenCalogeroJulien Doreなど多くの歌手歌手にも優れた曲を提供し、ヒットメーカーとしても知られている。最近でも2018年にリリースされたAlain Bashung(1947-2009 ACI)の没後アルバムで、「En amont」にはDominique Aが作詞作曲した2曲が収録されている。Bashungのこのアルバムは2019年VdMでアルバム賞を受賞している。

 Vie etrange」はDominique Aの14枚目のスタジオ録音アルバムで10曲集録。それらは:Papier froissesしわくちゃにされた紙」、「A la meme place同じ場所で」、「Vie etrange」、「Rien quun amour/ただ一つの愛だけ」、「Un endroit mysterieux/ミステリアスな場所」、「Quand je rentre/僕が帰る時」、「L’eclaircie/晴れ間」、「Les eveilles/目覚めた人たち」など。

  「Le corage des oiseaux」1995年 https://www.youtube.com/watch?v=PkfHK9Y9xFc

 「Vers le bleu青空の方へ」2012年、

アルバム「Vers les lueurs」からhttps://www.youtube.com/watch?v=e_cu-xu6hqM

 「Vie etrangehttps://www.youtube.com/watch?v=q_TITYOipLc

  (202016covid19に感染し死去したACIChristopheに捧げられていて、歌詞にはChristioheのヒット曲「Les mots bleus/青い言葉」を引用し「何という奇妙な人生、青い言葉はもういない」と歌っている)


 No.1592 2021.2.26   

KCN 1592     2021.2.26

2020年年末の主な新譜(その1)                               

 

ガエル・ファイユGael Faye、「Lundi mechant/意地悪な月曜日」

 Gael Fayeが2020年11月6日にリリースした新しいアルバムは「Lundi mechant」。Fayeは1982年8月6日BurundiBujumbura生まれのラップ系ACI、作家。母はルワンダ人、父はフランス人。1995年Brundi国内の混乱を避けてフランス、Paris郊外Yvelinesに移住。2008年から音楽アーティストとして活動。最初デュオで、その後ソロとして。2013年最初のソロアルバム「Pili pili sur un croissant au burre/バタークロワッサンの上のピリピリ(唐辛子)」をリリース。「A-France」、「Je pars/僕は出発する」、「Ma femme/僕の妻」、「Blend」、「Metis/混血の人」、「Petit pays/小さな国」、「Pili pili sur un crooissant au beurre」など15曲収録。このアルバムにはACCの新人シャンソン賞を受賞している。また作家としては2016年に「Petit pays/小さな国」をフランスで出版。これはFayeが家族と「Petit paysBurundi」で送った子供時代の回顧で、政変やクーデタ、民族紛争による大虐殺などを語った自伝的小説、「そこでは、不確実さが飢え、渇き、暑さと同じように日常的なことだった」。小説は出版と同時にフランス国内で評判になり、Fnacの小説大賞を受賞したほか、フランスの最も権威ある文学賞であるPrix Goncourt/ゴンクール賞の候補になった。作品は高校生が選ぶ「Prix Goncourt des lyceens」を受賞している。Fayeは2017年4月14日に「Tot le matin/早朝」、「Irruption/乱入」、「Paris meteque/パリ異邦人」など5曲収録のEPRythmes et botanique/リズムと植物園」を、2018年11月2日に「Ballade bresillienne/ブラジルのバラード」、「Jackie,Jacky,Jack」など5曲収録EPDes fleurs/花たち」をリリースしている。2017年、2018年にはギタリストSamuel Kamanziを伴ってフランス国内ツアーを行い、ファーストアルバムおよびEPに収められた曲を歌うとともに小説「Petit pays」の一節を朗読した。2018年12月5日にはParis Olympiaにも出演している。そして2018年VdMで新人ステージ賞を受賞。

今回のアルバム「Lundi mechant」はFayeの2枚目のアルバムで、Melissa Laveau(1985年 カナダQuebec生まれの女性歌手、作曲家、ギタリスト)、Christiane Taubira(1952年Guyane生まれの女性政治家、Francois Hollande大統領の下で法務大臣)、Jacob Banks(1991年Nigeria生まれの歌手、作曲家)らの協力を得ている。収められているのは:

 「Kerozen/ケロシン」、「Respire/呼吸する」、「Chalouper/大型ボート操縦者」、「Boomer」、「Only Way is up」(Jacob Banksとのデュオ)、「Lundi mechant」、「Cest cool/それはすごい」、「Seuls et vaincus/孤独で打ちのめされて」(Taubiraの詩、Melissa Laveauとのデュオ)、「Lueurs/微かな光」、「Histoire damour/愛の物語」(Samuel Kamanziとデュオ)、「NYCNew York City」、「Jump in the line」、「Zanzibar/ザンジバル」、「Kwibuka」(ルワンダ語で「souviens-toi/思い出せ」の意でルワンダでの1994年の大量虐殺がテーマに)など14曲。

2021年VdMFayeは男性歌手賞に、「Lundi mechant」はアルバム賞にノミネートされたが、いずれも受賞は出来なかった。

 「Petit pays」2017年https://www.youtube.com/watch?v=DlXcMuUfIgQ

 「Seuls et vaincus」2020年 https://www.youtube.com/watch?v=E0PSjnV-LUY

 「Lundi mechant2021年 https://www.youtube.com/watch?v=rgHVtSkV6x0

 KCN1591 2021.2.1   

KCN No.1591  2021.2.1

 

(大変遅ればせながら, KCN No.1590 「2020年10月の新譜(その1)」 (2020.11.15) の後半編をお届け致します。)

 

2020年10月の新譜(その2)  

                          

1.ダニー・ブリアンDany Brillant、「Chante Aznavour/アズナヴールを歌う」

 

Dany Brillantが2020年10月16日にリリースした新しいアルバムは「Chante Aznavour」。Brillant本名David Dany Cohen、は1965年チュニス生まれのACI。幼年時代からパリ郊外に。医学の学業を放棄してSaint-Germain-des-Presのカフェで歌っているとき、1986年パリ5区のキャバレ「Aux Trois Maillets」のオーナーの目に止まり5年間出演。 ステージに上がる際オーナーから「Dany ! Sois brillant!/ダニー!輝け!」と声を掛けられ、それをステージ名にした。この間に曲作りもするようになり、1991年ファーストアルバム「Cest ca, ce qui est bon/それ、それが素晴らしい」をリリース。収められていた最初の曲が「Viens a Saint-Germain/サン・ジェルマンへお出でよ」。1993年セカンドアルバム「Cest toi/それは君」によって「crooner」のイメージを確立。1997年にはOlympiaに初出演。 2009年10月にはサルサを集めたアルバム「Puerto Rico/プエルト リコ」を、2014年10月にはスローな曲を集めた「Le Dernier Romantique/最後のロマンチスト」を、2018年2月にはrockn rollswing jazzを集めたルバム「Rock and Swing」をリリースしている。今回のアルバムChante Aznavour」はBrillantが「Mon maitre/我が師」と呼んでいる偉大なCharles Aznavour(1924-2018 ACI)へのオマージュ。Aznavourの長男Mischaは「父は自分の曲が他の歌手によってカバーされることを喜んでいた。但し、父の真似ではなく、新しい息吹を与えるように歌ってくれたら」と語っている。それを知ってBrillantは「La Boheme/ラ ボエム」などいくつかの曲をラテン調で歌うなどAznavourの曲に新しいタッチを与えている。収められているのは他に:「Que c’est triste Venise/悲しみのヴェニス」、「Je m’voyais deja/希望に満ちて」、「Mourir d’aimer/愛のために死す」、「A ma fille/娘に」、「La Mamma/ラ ママ」、「Emmenez-moi/世界の果てまで」、「Comme ils disent/人々が言うように」、「Je t’attends/君を待つ」、「Ils sont tombes/彼らは倒れた」など13曲。

 

La BohemeDany Brillant 2020年https://www.youtube.com/watch?v=ZMEd4sKLbwY

La BohemeCharles Aznavour1968年 https://www.youtube.com/watch?v=qEVfXcdrk_4

Je m’voyais dejaDany Brillant 2021https://www.youtube.com/watch?v=qw16jWRA1NY

Je m’voyais dejaCharles Aznavour 1991https://www.youtube.com/watch?v=RtO11ahsClA

 

 

 

2.アミールAmir、「Ressources/資産」

 

 

Amirが2020年10月16日にリリースした新しいアルバムは「Ressources」。Amir、本名 Amir Haddad1984Paris 12区生まれのACI。1992年一家でイスラエルに移住。2006年イスラエルTV局のスタ誕番組に出場。優勝はできなかったが、Amirの歌に興味を示したプロデューサーの勧めで08年最初のアルバムを録音。Amirはエルサレム大学で歯科医になるための勉学を続けたため、ファーストアルバム「Vayehi」のリリースは2011年になった。2013年にはTVTF1のスタ誕番組「The VoiceLa plus belle oix」の第3シーズンに出場、4人で争う決勝に進み、3位に。2016年1月Johan Erramiなどの協力を得て作詞作曲したシングル「Jai cherche/僕は努めた」(クープレ部分はフランス語、ルフラン部分は英語)をリリース。4月29日には「Jai cherche」、「Ma vie, ma ville, mon monde/僕の人生、僕の町、僕の世界」、「A ta maniere/君の方法で」、「I know」、「On dirait/・・のようだ」などを収録したセカンドアルバム「Au ?ur de moi/僕の心に」(「Vayehi」を勘定に入れず、これをファーストアルバムとする報道もある)をリリース、25万枚以上の売上げ。2016年5月にはスウェーデン、ストックホルムのGlobe Arenaで行われた第61回Eurovisionにフランス代表として出場、6位に。2016年11月のNRJ音楽賞では「Revelation francophine de lannee/フランス語圏新人賞」と「Jai cherche」で「Chanson francaise de lannee/シャンソンフランセーズ賞」を受賞している。2017年10月3枚目のアルバム「Addictions/常習」をリリース。2018年11月「Longtemps/長い間」を追加したアルバム「Addictions」のde luxe versionをリリース。Amirの曲はTVTF1が毎年選ぶ「La chanson de lannee/その年のシャンソン」に3度選ばれている。即ち「Jai cherche」(2016年)、「On dirait」(2017年)及び「Lontemps」(2019年)。その後「時速300kmで走っているような生活を休みたい」と活動の縮小を宣言。「フットライトを浴びる生活から離れて、より落ち着いた静かな生活の中でちょっとした場面に感動した」。新しいアルバム「Resources」にはそのような中で作られた19曲が収録されている。それらは:「Soi-disant/自称」、「Toi/君」、「La fete/祭り」、「Carrousel/メリーゴーランド」(Indilaとのデュオ)、「On verra bien/よく解るだろう」、「A l’envers/逆さに」、「Ma lumiere/僕の光」、「Douce guerriere/優しい女兵士」、「Pardonnnez-moi/僕を許して、「Paradis/天国」、「Comme il faut/申し分なく」、「Cet homme/この男」、「A la maison/家で」など。

 

J’ai cherche」2017年VMで https://www.youtube.com/watch?v=4XMNj25m1mg

Ma lumiere」2020年12月 https://www.youtube.com/watch?v=2cSrMTJknWs

 

 

3.ロベルト・アラニャRoberto Alagna、「Le chanteur/歌手」

 

Roberto Alagnaが2020年10月23日にリリースした新しいアルバムは「Le chanteur」。Roberto Alagnaは1963Paris郊外Clichy-sous-Bois生まれのテノール歌手。両親はシシリー出身。子供の頃から美声で知られ(「家族や親戚には僕よりもっと良い声も持ち主がいた」)、Parisのキャバレでギターの弾き語りで歌う。1985年には「Embrasse-moi/私を抱いて」などを収めたレコードを出している。1988年Philadelphieで行われたPavarottiコンクールで優勝。同年オペラ「LaTraviata/椿姫」のAlfredo Germont役でテノール歌手としてデビュー。その後ミラノのScalaNYMetropolitan Opera、ロンドンRoyal Opera HouseParis Opera Bastilleなどに出演、国際的なスターに。オペラの他にヴァリエテ歌手としても活躍、2010年5月Luis MarianoへのオマージュCDCest magnifique/セ マニフィック」を出している。これには、「Cest magnifique」、「La belle de Cadix/カディスの美女」、「Mexico/メキシコ」、「I love Paris」、「Lamour est un bouqu et de violettes/愛はスミレの花束」、「Maman,la plus belle du monde/世界一綺麗なママ」など16曲が収めらている。2013年10月コンピレーションアルバム「Robertissimo」をリリース。これにはオペラ歌手としての代表曲「La donna e mobile/女心の唄」(「Rigoletto」から)、「La fleur que tu mavais jetee/おまえが投げたこの花を」(「Carmen」から)など、ヴァリエテ歌手としての代表曲「Besame mucho/ベサメ ムーチョ」、「Lamour est un bouquet de violettes/恋はスミレの花束」など35曲収録。今回の「Le chanteur」には過去のシャンソンの名曲をカバーした15曲収録:そられはLe chanteur」(Serge Lama)、「Padam,padam/パダン、パダン」、(Edith Piaf)、「Les feuilles mortes/枯葉」(Yves Montandほか)、「Jattendrai/待ちましょう」(Dalidaほか)、「Adieu mon pays/さらば祖国」(Enrico Macias)、Nuages/雲Lucienne Delyle、「Domino/ドミノAndre Claveau)、Mon pot le gitan/我が友ジプシーMouloudji、「La chanson des vieux amants/懐かしき恋人たちの歌Jacques Brel、「Il pleut sur la route小雨降る径Tino Rossiなど。

 

MexicoAlagna2010https://www.youtube.com/watch?v=BR-cED1mOPo

MexicoMarianohttps://www.youtube.com/watch?v=BR-cED1mOPo

Mon pot’ le gitanAlagna)2021年1月 https://www.youtube.com/watch?v=iIbbxgLeu-k

 

 

4.ルアンヌLouane、 「Joie de vivre/生きる喜び」

 

Louaneが2020年10月23日にリリースした新しいアルバムは「Joie de vivre」。Louane、又はLouane Emera本名Anne Peichert、は1996年11月26日北フランスPas-de-Calais県生まれの歌手、俳優。2013TV TF のスタ誕番組「The Voice」に出場、準決勝で敗退。Louaneは「The Voice」出演中に歌える若い女優を捜していた映画監督Eric Lartigauに注目された。同監督は2014年11月公開映画「La Famille Belier/ベリエ家族」で、Louaneをいきなり主役に抜擢。映画の中ではMichel Sardouの「Je vole/私は飛ぶ」、「En chantant/歌いながら」などを歌った。そして好演が認められ2015年2月Cesarの新人女優賞を受賞した。歌手としては ファーストアルバム「Chambre 12/12号室」を15年3月リリース。Avenir/未来」、「Jour 1/初日」、「La fuite/逃亡」などを収録したこのアルバムは2016年VdMで新人アルバム賞を受賞、120万枚以上の売り上げでdouble disque de diamantに。2017年11月リリースの2枚目のアルバムは「Louane」で、Benjamin BiolayJulien DoreVianneyなどの協力を得た15曲収録。アルバムはdisque de diamantになり、ラジオ局RTLの「2018年のアルバム」になり、またラジオ局NRJの音楽賞では2017年最優秀フランス語圏女性歌手賞を受賞している。2014年のMichel Delpechへのオマージュアルバム「Jetais un ange」には「Le chasseur/狩り」で、2017年のJohnny Hallydayへのオマージュアルバム 「On a tous quelque chose de Johnny」には「Toute la musique que jaime/私が好きな音楽」で参加している。  映画俳優としては2017年Gabriel Le Bomin監督の「Nos patriotes」、2018年Lea Fredeval監督の「Les affames」 に出演。今回のアルバム「Joie de vivre」には:「Joie de vivre」、「Donne-moi ton c?ur/心を下さい」、「Pleure/お泣き」、「Peut-etre/おそらく」、「J’peux pas/私には出来ない」、「Sans ta voix/あなたの声がないと」、「Desolee/申し訳ございませn」、「Toute ma vie/一生」、「Ta peau/あなたの皮膚」など19曲収録。アルバムのintro、6曲目のinterlude、12曲目のinterludeには「Haiku」のような短編の詩が朗読されている。

 

 Jour 2015年 https://www.youtube.com/watch?v=H9kvi-W3W7M

 Donne-moi ton c?ur202010 https://www.youtube.com/watch?v=H9kvi-W3W7M

 

 

5.ヴィアネVianney、「Nattendons pas/待つのはよそう」

Vianneyが2020年10月29日にリリースした新しいアルバムは「Nattendons pas」。Vianney(本名Vianney Bureau)は1991年2月13日Pau生まれのACI。音楽好きは両親の許、12歳で最初のシャンソンを作ったと言われている。ACIとしての才能を高く評価したプロデューサーの協力により2014年10月20日ファーストアルバム「Idees blanches/実効のない考え」をリリース。「Aux debutants de l’amour/恋の初心者たちに」、「Pas la/そこにはいない」Tu le sais/君は解っている」、「On est bien comme ca/こんな風で気持ちがいい」など12曲収録のこのアルバムは20万枚以上の売上げで、2015年SACEMFrancis Lemarque賞(最優秀新人賞)、RFMParisMatch作詞家大賞新人賞、2016年のVdMで男性歌手賞を受賞している。このアルバムは2017年9月13日「君へのラヴソング/Idees blanches」のタイトルで日本でもリリースされ、Vianney同年2回の来日している。セカンドアルバムは2016年リリースの「Vianney」で「Je m‘en vais/僕は立ち去る」、「Tombe la neige/雪が降る」、「Oublie-moi/僕を忘れてくれ」など11曲収録、50万枚以上の売り上げでdisque de diamantに。「Je m’en vais」は2017年VdMでオリジナルシャンソン賞を受賞。その後2019年1月から「しばらくの間休息したい」と活動を休止していたVianneyは2020年5月、Le Parisien紙とのインタビューで「Covid-19に感染したが、回復し、活動再開する。回復してからは、2020年秋にリリース予定の3枚目のアルバムのために朝から夜まで自宅のスタジオに籠もった」。今回の3枚目のアルバムNattendons pas」には:「Nattendons pas」(2020年5月8日先行シングルリリース)、「Beau-papa/義理の父」(Vianneyは2020年7月チェリストのCatherine Robertと結婚した。Catherineには9歳の女児がいた)、「Merci pour ca/それをありがとう」、「Funambule/綱渡り」、「J’ai essaye/僕はやってみた」、「La fille du sud/南仏の少女」、「Pour de vrai/本気で」、「Tout nu dans la neige/雪の中素裸で」など11曲収録。

 

 On est bien comme ca2016年VdMで https://www.youtube.com/watch?v=bVC37cvZR_w

Beau-papa2020年11月 https://www.youtube.com/watch?v=apgcFZPQd0E

KCN1590  2020.11.15    
KCN 特別篇 (2020年12月から2021年1月まで掲載)


コロナ惨禍の今、巨匠ピエール・ドラノエ自身が歌ったこの歌を映像と共に是非お聞き下さい。 

★「Bravo Monsieur le Monde 素晴らしい地球よ、ありがとう 
Pierre Delanoe
作詞、Michel Fugain
作曲、歌唱 Delanoe 1974年)
http://www.youtube.com/watch?v=PVVlfsgl1Kc

(歌詞)
Bravo, Monsieur le monde
Chapeau, Monsieur le monde
Meme quand les gens diront
Que vous ne tournez pas toujours tres rond
Bravo, pour vos montagnes
C'est beau, c'est formidable
Compliment pour vos saisons
Qui nous donnent des idees de chansons
Bravo, la mer
On n'a jamais trouve un vert plus bleu Un bleu plus vert
Aucune symphonie n'est riche d'autant d'harmonie
Qu'un merveilleux tonnerre qui fait l'amour avec la pluie
Bravo, le vent qui fait danser les bles qui fait trembler les oceans
Bravo pour le soleil Et la colere du volcan
Bravo pour l'arc-en-ciel qui met de la joie dans le coeur d'un enfant
Bravo, Monsieur le monde
Chapeau, Monsieur le monde
Nous vous demandons pardon
Pour tous ceux qui vous abimeront
Bravo, Monsieur le monde
Bravo, pour la colombe
Si vous lui laissez la vie
Nous vous dirons simplement
Merci


ブラヴォー Monsieur Le Monde 
脱帽 Monsieur Le Mond
いつか人々がこう言う時があるかもしれない
地球はいつまでも同じように元気でいられるわけではないと

地球よ、あなたの山々にブラヴォー、美しく素晴らしい山々
あなたの四季に賛辞を、四季は私達にシャンソンの着想を与えてくれる
海にブラヴォー、海の蒼よりもっと青いものなど見たことが無い
どんなシンフォニーも、雨と愛し合う雷ほど豊かなハーモニーを醸し出すものはない
麦の穂を踊らせ、大海原を震わせる風にブラヴォー、太陽と火山の怒りにブラヴォー
虹にブラヴォー、子ども達の心の中を喜びで満たす「虹」 に
ブラヴォー Monsieur Le Monde 
脱帽 Monsieur Le Mond
私達はあなたに許しを請う
あなたを痛めつけ傷つける全ての者達に代わって許しを請う

ブラヴォー Monsieur Le Monde 
ブラヴォー 白い鳩のために
あなたが白い鳩の命を永らえさせてくれるなら、それだけで私達はあなたに言うだろう
Merci ありがとうと
 
                             
 ※ (白い鳩は平和の象徴です。 拙訳 小幡君枝 /suikoutyu) 

http://www.youtube.com/watch?v=PVVlfsgl1Kc


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
KCN 1590 2020.11.15

 10月の新譜(その1)

新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックの状況下, 多くのコンサートが中止を余儀なくされています。 そのような中、10月に入ってから人気のアーティスト達が相次いで新アルバムをリリースしています。 その主なものを2回に渡ってご紹介いたします。 
過去のヒット曲と今回のリリース曲をそれぞれお楽しみ下さい。 

1.パトリック・フィオリPatric FioriUn air de famille家族の歌」

 

Patric Fiori202010日にリリースした新しいアルバムは「Un air de famille」。Fiori1969年Marseille生まれのACI(シンガーソングライター)。幼少の頃から美声で知られ、1986年Parisに。数々のTVのど自慢番組に出演。1992年Perpignanのシャンソンコンクールで優勝し、1993年フランス代表としてEurovisionに出場、4位。1994年最初のアルバム「Puisque cest lheure/時間だから」を出すが注目されず。1998年ミュージカル「Notre Dame de Paris」にPhoebus役で出演、劇中GarouQuasimodo役)、Daniel LavoieFrollo役)と歌った「Belle/美しい人」(1999年VdMシャンソン賞受賞)が大ヒットするなどして、一躍人気に。2000年10月Olympiaに初出演。その後は定期的にアルバムをリリース、特に2008年映画音楽のカバーアルバム「Les choses de la vie/人生の諸模様」(映画邦題「すぎ去りし日の・・」)は「Les parapluies de Cherbourgシェルブールの雨傘」、「Jeux

interdits/禁じられた遊び」、「La chanson dHelene/エレーヌの歌」(「Les choses・・」の主題歌)などを収録、好評だった。

Un air de famille」は11枚目のアルバムで13曲収録、それらは:「Un air de famille」、「J’y vais/僕はそこへ行く」(Florent Pagnyとのデュオ)、「Si tu tombes/君が転べば」(Sopranoとのデュオ)、「Nous ne le savions pas/僕らはそれを知らなかった」(Jean-Jacques Goldmanに提供された)、「Ne m’oublie pas/僕を忘れないで」、「Une vie/一つの人生」、「Ma solitude/僕の孤独」、「Sur les epaules de mon pere/父の両肩の上で」(Angelinaとのデュオ)、「J’ai appris/僕は学んだ」、「Nous ne serons jamais amis/僕らは決して友だちになれないだろう」など。 

Les parapluis de Cherbourg シェルブールの雨傘」2008

https://www.youtube.com/watch?v=jVZsN94D2W4  

 

Un air de famille / 家族の歌」 2020年10月

https://www.youtube.com/watch?v=bo3mR977N0A

 

 

2.カルラ・ブルニ Carla Bruni、「Carla Bruni

 

 

Carla Bruni202010日にリリースした新しいアルバムは「Carla Bruni」。

Bruniは1967年イタリア北部トリノ生まれのACI。1974年家族と共にフランスに。1990年代にはスーパーモデルの一人として活躍。1998年からACIに転身。2002年11月ファーストアルバム「Quelqu'un m'a dit/風のうわさ」をリリース、彼女が作詞作曲した10曲などが収められていて、世界中で200万枚を超える大ヒットになり、04年VdMで女性歌手賞受賞。2007年には第2作で歌詞がすべて英語の「No promises」を発表。2008年2月Nicolas Sarkozy大統領と結婚、ファーストレディーに。2008年7月第3作「Comme si de rien n'etait/何事もなかったかのように」をリリース。その後は特別の場合を除き活動を控えていた。12年5月にファーストレディーの立場を離れてからACIとしての活動を再開、2013年4月Little French Songs」、2017年「French Touch」をリリースしている。6枚目のアルバムとなる「Carla Bruni」には17曲収録、それらは:「Quelque chose何か」、「Un secret/一つの秘密」、「Un grand amour/大きな愛」、「Your Lady」、「Partir dans la nuit/闇に中に出発する」、「Les separes/別れた人々」、「Comme si c’etait hier/あたかも昨日の出来事のように」、「La chambre vide/誰もいない部屋」、「Un ange一人の天使」、「La mort des amants/恋人たちの死など。 

 「Quelqu’un m’a dit / 風のうわさ」 2002年 Olympia

https://www.youtube.com/watch?v=iMnUekxLjTA

 

 「Quelchose何か」 2020.10.8

https://www.youtube.com/watch?v=xTi6I3lDY3s

 

 

3.ケンジ・ジラクKendji Girac、「Mi vida/僕の人生」

 

 

Kendji Giracが2020年10月9日にリリースした新しいアルバムは「Mi vida」(スペイン語)。Kendji Girac、本名Kendji Maille1996年フランス西部Aquitaine地方、DordognePerigueux生まれ、歌手、作曲も行う。ロマ(ロマ二系ジプシー)で家族と共にキャラヴァンでフランス国内を回る生活を送っていた。TVTF1のスタ誕番組「The Voice」の2014年第3シーズン圧倒的な強さで優勝。2014年9月リリースのファーストアルバム「Kendji」は、「Color gitano」、「Andalouse/アンダルシアの女性」、「Conmigo/僕と一緒に」などを収録、現在までに150万枚の売上げと言われていて「le phenomene KendjiKendji現象」とも言えるほどの人気に。2015年5月Paris Olympiaに初出演。2015年10月リリースのセカンドアルバムEnsemble/ともに」には「Me quemo/(スペイン語)身を焦がす」など13曲収録で100万枚の売上げ。TVTF1局の視聴者の投票による「La chanson de l’annee/その年のシャンソン」では、2015年には「Andalouse」、2016年には「Me quemo」とGiracの曲が2年連続して選ばれた。また音楽専門のラジオ局NRJMusic Awardsでは2014年にフランス語圏新人賞及び「Color Gitano」でシャンソン賞を受賞、2015年には「Conmigo」でシャンソン賞を受賞している。2017年3月(8日)には20歳の若さで、Musee GrevinParis 9区)に蝋人形が展示された。アルバム「Mi vida」には11曲収録、それらは:「Habibi/(アラビア語)愛しい人」(歌詞はフランス語)、「Dernier metro/地下鉄の終電」(Gimsとのデュオ)、「Evidemant/明らかに」、「Conquistador/(スペイン語)征服者」(歌詞はフランス語)、「Dans mes bras/僕の腕の中で」、「La magicienne/女マジシャン」、「Andale/(スペイン語)さあ、さあ」(歌詞はフランス語)、「Reggaeton/レゲトン」、「Oh! Prends mon ame僕の魂を掴まえて」

 

 「Andalouse / アンダルシアの女性 / 」 2015年 Olympiaで 

https://www.youtube.com/watch?v=-KOS0HwekWQ

 

 「Dernier metro /最地下鉄2020年 10月 clipe officielGims

 https://www.youtube.com/watch?v=Hx4Eor0KS4E

 

 

4.フランシス・カブレルFrancis Cabrel

A laube revenant/再び来た夜明けに」

Francis Cabrelが2020年10月16日にリリースした新しいアルバムは

A laube revenant

Francis Cabrelは1953年フランス西部Aquitaine地方、Lot-et-GaronneAgen生まれのACIToulouse近郊、人口2000人ほどの小村Astaffortで成長し、現在も住み、村会議員を務めたこともあり(1989―2004)、「Gentelman d’AstaffortAstaffortの紳士」と呼ばれている。規律違反で高校を中退、19歳で靴屋の店員をしながらジャズグループに入り地元のダンスパーティなどで演奏。1974年Toulouseで行われた放送局SudRajdioの歌謡コンクールで、夫人のMarietteに捧げた「Petite Marie/可愛いマリー」を歌い優勝。1977年最初のアルバム「Les murs de poussiere/埃の壁」をリリース、Daveの前座で1ヶ月Olympiaに出演している。1979年にはセカンドアルバム「Les chemins de traverse/近道」をリリース、60万枚以上の売り上げ。このアルバムに収められていた「Je l’aime a mourir/死ぬほど彼女を愛している」はCabrelの代表曲になり、2011年にはShakiraが「La quiero a morir」のタイトルでカバーし、世界的にヒットした。Cabrelはその後も定期的にアルバムをリリース、その主なものは:1980年「Fragile/もろい」(「La dame de Haute-Savoie/オート・サヴォワの貴婦人」、「L’encre de tes yeux/君の目に中のインク」など収録)、1989年「Sabacane/矢筒」(「C’est ecrit/それは書いてある」、「Sabacane」などを収録、200万枚以上の売り上げ、1990年VdMで90年「男性歌手賞」、「アルバム賞」を受賞)、1994年「Samedie soir sur la Terre/土曜の夜に地上で」(「La corrida/闘牛」、「Je t’aimaisje t’aimeje t’aimerai/君を愛していた、愛している、愛するだろう」などを収録し。400万枚の売り上げで、フランスで史上2番目に売り上げの多いアルバムと言われている)、1999年「Hors-saison/季節外れ」(200万枚弱の売り上げ)、2004年「Les beaux degats/見事な損害」、2008年「Des roses et des orties/ばらとイラクサ」、2012年「Vise le ciel/空を目指せ」(Bob DylanのヒットをCabrelの翻案でカバーした11曲収録)、2015年「In extremis/最後の瞬間に」。Cabrelは2010年12月それまでの業績全般に対してAcademie francaiseGrande Medaille de la chanson francaiseシャンソンフランセーズ大賞を受賞している。今回のアルバムには13曲収録、それらは:「Les beaux moments sont trop courts/素晴らしい時は短い」、「Te ressembler/君に似ること」、「Les bougies fondues/溶けたろうそく」、「Jusqu’aux poles/両極まで」、「Rochstars du Moyen Age/中世のロックスター」、「Parlons-nous/話し合おう」、「A l’aube revenant」、「Chanson our Jacques/ジャックのためのシャンソン」(Jaques Dutronc<1943- ACI、コルシカ島在住のACI>に捧げられている)、「J’ecoutais Sweet Baby James/僕はSweet Baby Jamesを聞く」(「Sweet Baby James」はJames Taylorの1970年のヒット)、「Difficile a croire/信じることは難しい」、「Ode a l’amour courtois/宮廷風恋愛へのオード」など。

 

 Je l’aime a mourir/死ぬほど彼女を愛している」 1979年

https://www.youtube.com/watch?v=wQW1rnRrPx4

 

 「Te ressembler/君に似ること」 2020年10月  clip officiel 

https://www.youtube.com/watch?v=SI02ccwG92k

               
KCN1589  2020.11.1  

KCN 1589 2020.11.1

2020年7、8、9月の新譜 

 

現在活躍中の5名の歌手の7,8,9月の新譜情報, 並びに略歴等をお伝えします。

デヴュー当時のヒット曲1曲と、今回の新アルバム収録曲の1曲を載せました。

時代の変遷、曲想や映像の違いなど、どうぞお楽しみ下さい。


1.     ユーグ・オーフレHugues Aufray、「Autoportrait/自画像

Hugues Aufray202017日にリリースした新しいアルバムは「Autoportrait」。Aufray1929Paris郊外Neuilly-sur-Seine生まれACI。美術の勉強の傍ら、左岸のキャバレで歌う。1958年ラジオ局Europe1のコンクールで優勝。61年の「Santiano」が最初のヒット。63年ルクセンブルグ代表としてユーロヴィジョンに出場4位。65年PierreDelanoëのフランス語の詩による「Hugues Aufray chante Bob Dylan/ユーグ・オーフレ ボブ・ディランを歌う」を出しDylanをフランスに紹介。66年vedetteとしてOlympiaに出演。70年代からはArdècheの農場に住み、羊を飼い乗馬などで暮らし、時々パリのキャバレやTVに出演、定期的にアルバムをリリースしている。今回のアルバムのタイトル「Autoportrait」はDylanの1970年のアルバム「Self Portrait」からか。12曲収録、それらはアメリカのフォークソングにAufrayあるいはPierre Delanoëがフランス語の詩を付けたもの、あるいは過去のヒット曲のセルフカバー。12曲は:「Hasta luego/(スペイン語)いずれ後ほど」(1973年のヒットセルフカバーAufrayClaude Morgan、セルフカバー)、「Stewball/(サラブレッドの)ステューボール」(1966年のヒット、セルフカバー)、「La ballade de John Henry/ジョン・ヘンリーのバラード」(原曲「The Ballade of John Henry」)、「La Mathilda/ラ マチルダ」(原曲「Waltzing Matilda」)、「Paie-moi ce que tu me dois/僕に払うべき金を払ってよ」(原曲「Pay me my money down」)、「Dan Tucker」(原曲「Old Dan Tucker」)、「Sur les peniches de l’Erie Canal/エリー湖の小舟」(原曲「Erie Canal」)、「Marie ne pleure pas/マリー泣かないで」(原曲「O Mary don’t you weep」)など。アルバムは週間チャートで最高位は2週間2位。

Hasta luego」1983年 https://www.youtube.com/watch?v=d9ne34WkoN4

Dan Tucker」2020 https://www.youtube.com/watch?v=P--c10DynRE

 

2.     ナターシャ・サン=ピエールNatasha St-Pier、「Croire/信じる

Natasha St-Pier202014日にリリースした新しいアルバムは「Croire」。St-Pier1981年 CanadaNouvelle-Brunswick州、Bathurst生まれの歌手。1993年には地元テレビ局ののど自慢番組で最も若い決勝進出者になりカナダのフランス語圏で有名に。14歳で最初のアルバム「Emergence/突然の出現」をQuébecでリリース。1999年ミュージカル「Notre-Dame de Paris」のQuébecとロンドン公演にFleur-de-Lys役で出演。2001年コペンハーゲンで行われたEurovisionのフランス代表に選ばれ「Je n’ai que mon âme」を歌い4位に。2002年9月にはvedetteしてOlympiaに出演。2003年Pascal Obispoに提供された曲(「Tu trouveras/あなたはきっと分かる」など)を中心にしたアルバム「De l'amour le mieux/最高の愛を」をリリース、VdM新人賞受賞。2013年リリースのアルバム「Therese, vivre d’amour/テレーズ、愛に生きる」及び2018年リリースのアルバム「Therese de LisieuxAimer c’est tout donner/テレーズ・ド・リジュー、愛すること、それはすべてを与えるこの」ではSainte Therese de Lisieux(1873-1897)の詩にGregoireThomas Pouzinらが作曲した曲を収録していた好評だった。14枚目となる今回のアルバム「Croire」には、タイトルが示すように信仰の気持ちに溢れた12曲収録、うち2曲「Peu m’importe/私には関係ない」及び「Par amour/愛故に」は初めてSt Pier自身の作詩によるもので作曲はVincent Bidal。他の10曲は:「Viens sois ma lumière/来て、私の光になって」、「Mon cœur sera ton cœur/私の心はあなたの心になるでしょう」、「Sancta Maria/サンタ マリア」、「Etre mère/母であること」、「Marie l’espoir et la douceur/マリー、希望と優しさ」、「Toute chose en ton cœur/あなたの心の中にあるすべてのこと」、「Le temps des cathédrales/大聖堂の時代」(ミュージカル「Notre-Dame de Paris」から)、「Ce miracle est l’amour/この奇跡は愛」、「Plus haut/より高く」など。

 「Tu trouveras2003年 https://www.youtube.com/watch?v=GBCCMjDglPM 管理人お勧め

 「Viens sois ma lumière」2020年 https://www.youtube.com/watch?v=3V39Csgnxos

 

3. ジュリアン・ドレJulien Doré、「Aimée/エメ

Julien Doréが2020年9日リリースしたアルバムは「Aimée」(99歳になる母方の祖母の名から)。Doréは1982年7月7日南仏Gard県のAles生まれのACI。2002年から友人とグループを結成、自作の曲や過去の世界のヒット曲を週末にバーなどで歌う。07年TVM6のスタ誕番組「Nouvelle Star」の第5回優勝者。その声、ウクレレ演奏、カリスマ性、特異な風姿、エネルギー、ステージ態度は視聴者を魅了した。07年8月リリースした最初のシングル「Moi...Lolita・/私・・ロリータ」は、Alizéeのカバーで、チャート2位に。08年には最初のアルバム「Ersatz/代替品」をリリース、09年VdMで新人アルバム賞とそこの収められた「Les limites/限界」でヴィデオクリップ賞受賞。2015年VdMで男性歌手賞受賞。2016年10月14日にリリースした4枚目のアルバム「&」は2017年1月25日「&~愛の絆~」のタイトルで日本盤がリリースされている。Doréは2015年7月及び2017年5月来日公演を行っている。5枚目となるアルバム「Aimée」には、La fièvre/熱」(地中温暖化をテーマにしている)、「Lampedusa/ランペデューザ島」(イタリアの島でアフリカ、中東からの不法移民者の目的地になっている)、「Nous/我々」(強度の個人主義をテーマにしている)のようにengagé/(社会的、政治的に)コミットした」曲など11曲が収録されている。他には:Barracuda 1/バラクーダ 1」、「Kiki/キキ」(Kylian Mbappeの愛称)、「La bise/(親しい間での挨拶の)軽いキス」、、「LIle au lendemain/明日の島」(Clara Lucianiとのデュオ)、「Ami/友人」、、「Basrracuda 2/バラクーダ 2」、「Bla-bla-bla」、「Waf」(Doréの2頭の飼い犬の声が聞こえる)など。アルバムはリリースの週チャート1位。
Les limites(clip officiel) https://www.youtube.com/watch?v=t-mzz1oBhYg管理人理解不能

Nous」2020年 https://www.youtube.com/watch?v=nqUbs-oGd3U

 

4.グラン・コール・マラッドGrand Corps Malade、「Mesdames/マダムたち」

Grand Cprps Maladeが2020年9月11日にリリースした新しいアルバムは「Medames」。Grand Corps MaladeGCM)、本名Fabien Marsaud1977年パリ北郊外Seine-Saint-DenisBlanc-Mesnil生まれのスラム系ACI。2003年ParisClichy広場のバーで最初のスラムを披露。2006年3月にリリースしたファーストアルバム「Midi 20/12時20分」が50万枚以上売り上げ、スラムをフランスに根付かせた。2007年のVdMで新人アルバム賞と新人ステージ賞を受け、「le rois du slame/スラムの王」と呼ばれるように。

7枚目となるアルバム「Mesdames」には女性歌手とのデュオを中心に10曲が収録されている。最初の曲はGCMのソロで女性賛歌「Medames」。また、Camille Lellouche(1986-俳優・ユーモリスト・歌手)とのデュオによる「Mais je t’aime/でもあなたを愛している」は2017年のCamille作詩/作曲/歌の曲にGCMが詩を追加したもの。その他の8曲はGCMの詩によるもの、それらは:Louane(1996-歌手・俳優)と「Derrière le brouillard/霧の後ろに」、Laura Smet(1983-俳優・歌手、母はNathakie Baye、父はJohnny Hallyday)と「Un verre à la main/グラスを片手に」、Véronique Sanson(1949-ACI)と「Une sœur/一人の姉」、Suzane(1990-ACI)と「Pendant 24h/24時間」、JulieCamilleBerthollet姉妹(両人ともバイオリニスト)と「Chemins de traverse/近道」など。アルバムはリリースの週チャート1位。

Midi 20」2007年 https://www.youtube.com/watch?v=74s4K32RZnA

Mais je t’aime2020年 https://www.youtube.com/watch?v=My_amI9qqcs

 

5.ジャン=バティスト・ゲガンJean-Baptiste GuéganRester le même/同じままで」

 

(一部、バックの白抜け、申し訳ございません。 原因不明です・・・管理人)

Jean-Baptiste Guéganが2020年9月18日にリリースしたアルバムは「Rester le même」。

Guégan1983年Bretagne地方の生まれの歌手。17歳からJohnny Juniorを名乗ってJohhny Hallyday(1943.6.15-2017.12.5 歌手、作曲も)の「 le sosie vocal/声のそっくりさん」としてBretagne地方で結婚式、祭り、会社の記念日などで歌い、キャバレなどにも出演していた。2018年TVM6で放送されている素人のコンクール番組「La France a un incriyable talant/フランスには信じられないようなタレントがいる」に出場し、優勝。2019年8月Johhnyに114曲を提供したと言われているの作詞家/作曲家Michel Malloryの協力を得てファーストアルバム「Puisque cest écrit/そう書かれているから」をリリース。今回のアルバムは2枚目となるものでMalloryMarc LavoineSlimaneの協力をえた12曲収録が収録されている。それらは:「Rester le même」、「C’est la vie d’un homme/これが一人の男の人生」、「Tu es toujours là/あなたはいつもいてくれる」、「La dame aux yeux verts/青い目の婦人」、「Comme un chien en éé/夏の犬のように」、「Elle s’en va/彼女は行ってしまう」、「Mal barré/悪い出だし」、「Sur le bord de la route/道ばたで」、「Si tu reste auprès de moi/君が僕の側にいてくれたら」など。アルバムはリリース週2位。

Puisque cest écrit」2019年 https://www.youtube.com/watch?v=XEyieUmWGb4

Rester le même」2020年https://www.youtube.com/watch?v=7zXFs3dpFas

 KCN1588 2020.10.26  
 いささか旧聞に属しますが8月27日に厳重な対新型コロナ対策を取りながらParis郊外で行われたコンサート模様をご報告致します。

KCN 1588  2020.10.26 

Festival des festivals/フェスティヴァルのなかのフェスティヴァル」開催  

 

 Festival des festivals」が2020年8月27日(木)Domaine national de Saint-Cloud/サン=クロード(Ile-de-France地域圏、Hauts-de-Seine県、Seine河を挟んでBois de Boulogneの西に隣接)の国有地公園内特設スタジオで行われた。この歌謡フェスティヴァルは2003年から毎年8月下旬の同地で行われるフェスティヴァル「Rock en Seine/セーヌでロック」を新型コロナウイル禍に伴い改編したもの。「Rock en Seine」は最近では数日間にわたって行われ、期間中都合10万人以上の観客を集めていた。今年も当初計画では8月28、29、30日の3日間開催されることになっていた。「Festival des festivals」は27日一日だけ「Un temoignage d’esperance et de volonte希望と意思のしるしに」を合い言葉に、観客を招待者1500人に限定し、distanciation socialeを十分確保し、観客には終始マスク着用を義務づけ。座席案内係員はマスクを着用していない観客にはマスクを配った。festvalは21時から3時間にわたって行われた。司会はNagui(1961-TV・ラジオ司会者、プロデューサー)及びLeiila Kaddour(1980-ジャーナリスト、TV・ラジオ司会者、TVFrance2の13時のJTのキャスターの一人)、TVFrance 2で中継。このコンサートはMinistere de la culture(文化省)、Ile-de-France地域圏当局、SACEMなどが後援した。コンサートにはRoselyne Bachelot文化大臣も顔を見せた。

出演者は20人余。主な出演者及び歌った曲は:

 

CalogeroLa rumeur/噂 https://www.youtube.com/watch?v=aSx1WKUUvFQ

 Calogero、本名Calogero Maurici、は1971年Grenoble近郊生まれのACI2002VNで男性歌手賞受賞、2015年「Un jour au mauvais endroitある日、不幸な場所で」でオリジナルシャンソン賞を受賞している。2020年3月21日には医療従事者への連帯を示す「On fait comme fait comme si/人はあたかも・・であるように行動する」をインターネットで配信している。「La rumeur」はCalogero作詞/作曲、2020年11月に予定されている新しいアルバム「Centre ville/街の中心街」に収録予定の曲。

 

HatikAngela/アンジェラhttps://www.youtube.com/watch?v=8rRJ88cVp_A

 Hatik、本名Clement Penhoat、は1992年YvelinesChevreuse生まれの、ラップ系歌手、俳優。16歳でラップを始め、2014年には最初のmixtapeを出している。

Angela」は2019年シングルでリリース、また2枚目のmixtapeChaise pliante/折りたたみ椅子」に収録されていて、現在までのHatikの最大のヒット曲。

 

Caherine Ringer & Sofiane SaisiNow or never

https://www.youtube.com/watch?v=fQsU_U28id8

 Catherine Ringerは1957年Paris郊外、Haute-de-SeineSuresnes生まれの歌手。1979年パートナーのFred Chichinと組んでデュオLes Rita Mitsoukoで活躍、1985年「Marcia Baila/マルシアが踊る」などがヒット。Chichin没後の2007年からソロで活動、2011年アルバム「Ring n’Roll」をリリース、VdMの女性歌手賞受賞。2017年アルバム「Chroniques et fantaieses/時評と気まぐれ」をリリース。

 Sofiane Saisiは1973年AlgerieSidi Bel Abbes生まれ、17歳でParisに。Rai(アルジェリア、オラン地方起源のポップ音楽)の歌手。すでに2枚のアルバム(2015年「El MordjaneLe corail/サンゴ」2018年「El NjoumLetoile/星」)をリリ-スしていて「2代目raiのプリンス」と呼ばれている。

 「Now or never」の原曲は「Oh sole mio」、Elvis Presleyが「It’s now or never」のタイトルで歌っている。

 

Grand Corps Malade & Camille LeloucheMais je t’aimeでもあなたを愛している」

https://www.youtube.com/watch?v=Av4uToQoKFk

 Grand Corps Malade、本名Fabien Marsaud、は1977年Pasris北郊外Blanc-Mesnil生まれのスラムACI。2006年リリースした最初のアルバム「Midi 20/12時20分」でVdM新人アルバム賞、新人ステージ賞を受賞。2018年の「Plan BB案」まで6枚のアルバムをリリース、フランスにスラムを根付かせた歌手と言われている。

 Camille Leloucheは1986年Paris生まれの俳優、ユーモリスト、歌手。映画・TV俳優として活躍後、2015年TVTF1のスター誕生番組「The voice」に出場、準決勝まで進み、歌手活動を始めた。作詞/作曲も行う。2018年にはSlimaneとのデュオで「Si on est deux/二人でいれば」を歌っている。2020年4月には作詞/作曲した「Coco Corona」をシングルリリースしている。

 「Mais je t’aime」はLeloucheの作詞/作曲による曲で、2020年6月19日シングルリリース。10月リリース予定のGrand Corps Maladeのアルバム「Medames/マダムたち」に収録の予定。

 

Jane BirkinLes jeux interdits/禁じられた遊び

https://www.youtube.com/watch?v=oUwhEHRhdO0

 Jane Birkin1946Londres生まれ、俳優、歌手。1968年映画撮影のため渡仏し、その後フランスに在住。1969年Serge Gainsbourg(1928-1991)とのデュオで「Je t’aime・・moinon plus/ジュテーム、モワ ノン プリュ」を歌い歌手デビュー。その後Gainsbourgに提供された「Sous le soleil exactement/太陽の真下で」、「Di Doo Dah/ディ・ドウ・ダー」、「Ex-fan des sixties/思い出のロックンローラー」、「Baby alone in Babylone/バビロンの妖精」などがヒット。Gainsbourgの没後も アルバム「A la leere/ラヴ・スロウ・モション」(1998年)、「Enfants d’hiver/冬の子供たち」などをリリースしている。1992年VdMで女性歌手賞受賞。

 「Les jeux interdits」(Birkin自身の作詩、Etienne Daho作曲は)2020年8月27日シングルリリース、11月20日リリース予定のBirkin14枚目のアルバム「Oh ! Pardon tu dormais・・/あ!失礼、お休みでしたか」に収録予定

 

Izia & Jeanne Added:「Glory box

https://www.youtube.com/watch?v=yfrKcccYZSU

 Izia、本名Izia Higelin、は1990年Paris生まれのACI、俳優。父親はJacques Higelin(1940-2018 ACI)。14歳から自作をPariscabaretで歌っていた。2009年ファーストアルバム「Izia」をリリース、2009年のVdMでポップ・ロックアルバム賞、新人ステージ賞を受賞。2011年のセカンドアルバム「So much trouble」でロックアルバム賞を受賞。その後2枚のアルバムをリリースしている。

 Jeanne Addedは1980年Reims生まれのジャズ・ロック系のACI、主に英語で歌う。2006年からベース奏者としてジャズミュージシャンと演奏活動。2008年から自作を歌うように。2015年ファーストアルバム。2018年セカンドアルバム「Radiate」をリリース。これにより2019年のVMで女性歌手賞及びロックアルバム賞を受賞。

 「Glory box」はイギリスのロックバンドPortisheadの1995年のヒット

 

Pomme:「La lumiere

https://www.youtube.com/watch?v=qpts4E3Opus

 Pomme、本名Claire Pommet、は1996Lyon生まれのACI。独学で作った曲をYouTubeに投稿、2016年にリリースした最初のEPが好評でVianneyらの前座で歌う。2017年にリースのファーストアルバム「A peu pres/およそ」はマスコミから高い評価。2019年リリースのセカンドアルバム「Les failles/ひび割れ」で2020年VdM新人アルバム賞受賞。

 「La lumiere」はPomme作詞/作曲、アルバム「Les failles」に収録されている。

 

Camelia Jordana: 「Facile/簡単な」

https://www.youtube.com/watch?v=zvoL4o_SkiQ

 Camelia Jordana1992年南仏Toulon生まれの歌手作詞作曲も行う・俳優。2009TVMのスター誕生番組「Nouvelle Star」で準決勝まで進み、2010月ファーストアルバム「Camelia Jordana」をリリース、disque de platine。2014年リリースのセカンドアルバム「Dans la peau/首っ丈」には自作を半数の7曲収録している。2018年リリースのアルバム「LOST」は 2019年VdMで ワールドミュージックアルバム賞受賞。

 「Facile」はJordana作詞、Renaud Rebillaud作曲、2020年2月シングルでリリースされている。

 

Alain Souchon:「Ici et la/こことあちら」https://www.youtube.com/watch?v=xLIY5e9f1yE

 Alain Souchonは1944年モロッコのカサブランカ生まれ、生後直ぐにParisに、1960年代後半からACIとして活躍。70年代半ばから作曲を担当するLaurent Voulzyと組んで数々のヒットを世に出し、VdMでは10個のvictoireを得ていて、シャンソンフランセーズを代表する歌手。特に1993年の「Foule sentimentale」は2005年のVdMで「過去20年の最も優れたシャンソン賞」を受賞している。 「Ici et la」は2019年にリリースされたアルバム「Ames fifties」に収録されている曲でAlain Souchon作詩、長男Pierre Souchon作曲。

 

Charlotte Gainsbourg:「Deadly Valentinehttps://www.youtube.com/watch?v=s0dIWEQsy7U

 Charlotte Gainsbourgは1971年ロンドン生まれの、俳優・歌手。父はSerge Gainsbourg、母はJane Birkin。歌手としては1984年Sergeのアルバム「Love on the beat」に収録された「Lemon incest」をデュオで歌ってデビュー。1986年Sergeのプロデュースで最初のアルバム「Charlotte for ever」をリリース。その後2017年の「Rest」まで都合5枚のアルバムを出している。

 「Deadly Valentine」はアルバム「Rest」に収録されている曲で、Charlotte作詞、Sebastian作曲。

 

上記の他: Angelique Kidjo & Yael Naim(「Pata Pata」を歌った)、Benjamin BiolayComment est ta peine」を歌った)なども出演。

KCN1587  2020.10.10   

KCN
 1587 2020.10.10

 

ジュリエット・グレコJuliette Gréco、死去(その2)

~各界からの弔意&葬儀~




 

   L'obseques de Juliette Gréco グレコ葬儀 2020年10月5日
   L'Eglise de Saint-German-des- Prés サンジェルマン・デ・プレ教会




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Grécoの代表曲・・・ 続き> 
(その1でご紹介出来なかった日本でも良く知られた名曲、訃報を報じた各種の報道の中で代表曲と
されていた曲を、追加させて頂きました。)

 

Un petit poisson, un petit oiseau/魚と小鳥」1966年

 https://www.youtube.com/watch?v=zPo9Zl099hc

 

Parlez-moi d’amour/聞かせてよ愛の言葉を」1967年

https://www.youtube.com/watch?v=PtXzVFYPkyc

 

Mon fils chante/歌う少年」1973年

https://www.dailymotion.com/video/xn0krl

 

Jolie môme/ジョリ・モーム1975https://www.youtube.com/watch?v=8N-zGVcsW24

 

J’arrive/孤独への道」2004年

https://www.youtube.com/watch?v=5nTbdyTqHIs

 

Deux au monde/世界で二人」2003年https://www.youtube.com/watch?v=7zRpnjPdo30

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

<各界からの弔意>

Emmanuel Macron 大統領

 「L’élégance et la liberté優雅さと自由」を体現したJuliette Gréco、彼女はBrelFerréBrassensAznavourなどと同じシャンソンフランセーズのパンテオンの仲間入りをしました。Grécoの最後のアルバムのタイトルは単に「Merci/ありがとう」でした。しかし黒い舞台衣裳の貴婦人に、彼女の声に、彼女の優雅な態度に、彼女の表現豊かな両手の動きに「ありがとう」と言わなければならないのは我々の方です。彼女の姿と彼女の声は私たちの生活の中に生き続けるでしょう。La muse de Saint-Germain-des-Présは永遠です。 共和国大統領及び同夫人はシャンソンフランセーズの最も美しい歌詞を歌った才能溢れた歌手の逝去を悼みます。彼女の親族及び彼女の「voix rocailleuse/ごつごつした、嗄れた声」と彼女の自由な精神に感動を受けたすべての人々に哀悼の意を表します・・

 

Roselyne Bachelot 文化大臣

シャンソンフランセーズの偉大なスターJuliette Grécoが今日我々の許を去った。彼女はJean-Paul SartreBoris Vianの友人で実存主義の運動にも参加していた。彼女の人生そのものが一つの傑作だった。彼女はBerlinフィルファーモニーをバックに歌った最初の歌手だった。芸術や人生に対する考え方でユニバーサルだった。Juliette Grécoは多くの傑作を残した。彼女の人生そのものが傑作だった。私が大好きな曲は「Déshabillez-moi」。この公序良俗に反するような曲は、社会規範を破壊するもの、イメージを破壊するもののシンボルだ。・・

 

Jack Lang 元文化大臣

 Juliette Grécoicône(イコン。比喩的な意味で:時代やトレンドの象徴となる人物、寵児、アイドル)であり、一つの伝説だ。外国で、日本においても、アメリカにおいても、フランスを体現する存在だった。彼女の声は悲劇俳優のそれ、ステージでの振る舞いはマジシャンのそれ、誰よりも光を捉えていた。彼女は不滅の星であった。彼女は社会にコミットする女性、自分の思想のために闘う闘士だった・・

 

Anne Hidalgo パリ市長

彼女はSaint-Germain-des-PrésmuseBoris VianJacques PrévertRaymond Queneauらが活躍した時代のParisの象徴だ。才能豊かな歌手で女優、自由な女性。彼女のそれと解る声が聞けなくなりどんなに寂しいことか。Merci Juliette Gréco!・・

 

Alexis Carbière 左派系国会議員

偉大なアーティストがこの世を去った。彼女は詩を歌い、シャンソンフランセーズを世界中に広げた。彼女は信念の女性。人種差別主義に反対して、社会正義のために抵抗し、闘う女性だった・・

 

Fabien Lecœuvre ジャーナリスト

 Juliette Grécoの死は世界的な出来事だ。彼女の曲はEdith PiafCharles Aznavourの曲同様、世界中で歌われていて、シャンソンフランセーズでは希有なことだ。彼女は1950年代から世界各国のステージに立っている・・

 

Jean-Pierre Foucault TV司会者

 私が司会していた(TF 1の番組)「Sacrée Soirée」にPaul MCCartneyがゲスト出演した時、彼を楽屋に案内する際Juliette Grécoの楽屋の前を通った。「これはSaint-Germain-des-Présのあの彼女の?会うことは出来ないだろうか?」。2人は1時間以上歓談した。Paulは夢が叶ったし、Julietteも幸せそうだった・・

 

Stephan Bern TV司会者

 Juliette Grécoの訃報に接し、悲しみは計り知れない。Grécoはシャンソンフランセーズの偉大な女性、Saint- Germain-des-Présicône、自由で同時に強く、優しい女性だった。今夜、彼女を偲んで心の底から嘆き悲しんでいる。そして彼女の家族や近しい人々に思いを致している・・

 

Line Renaud 歌手・俳優

 Juliette Grécoが行ってしまった。Saint Germain des Présはそのmuseのために涙を流している。彼女は限りなく自由な女性だった、詩の語り手だった。私は今夜強く彼女のことを思っている。

 

Régine 歌手

 Juliette Grécoは自由な女性だった。今皆が深い悲しみの時を過ごしていると思う。もう見つけることが出来ないであろう一つの世界が行ってしまった。私が彼女を知ったのは戦後間もない1946年、彼女が「La Rose Rouge」で歌っている時だった。その後Simone de BeauvoirとよくSaint-Germain-des-Présの彼女を訪ねた。彼女にはユーモアがあった。素晴らしい体型だった。彼女は常に彼女自身であり、少しも変わらなかった・・

 

Serge Lama ACI

Juliette Grécoは湖のように冷たく、炭火のように燃えていた。ステージの彼女は生き生きとしていた。歌う曲を詳細に分析してその結果をステージで出していた。彼女が歌う曲は彼女の人生そのものだった。歌う曲に命を与えた。彼女は知性が求められていた時代の証人。ゆっくりお休み下さい、Madame。あなたは人生をこよなく愛し、最初の自由な女性の一人だった。彼岸での素晴らしい生活を祈っています。お休みなさい、Jolie môme


 Olivia Ruiz ACI (2009年のGrécoのアルバム「Je me souviens tout」にDans ma chambre de dame/私の婦人部屋の中に」と「L'ombre du vent /風の影」の詩を提供している)

 Juliette Grécoに初めて会ったのは彼女が80歳の頃だった。彼女の家に書いた詩を持っていった。彼女は瞳の奥に子供のような悪戯心も持っていたし、際限のないエネルギーを持っていて、いつまでも生き続けると思わせた。一緒に昼食を取った後、私の詩を読んでくれた。彼女は思いやりがあった。「2箇所変えたい。賛成してくれる?」と聞かれた。彼女の家を辞した時、50歳の年齢差があるのに、同年代の女友達と1日過ごしたような気分だった・・


 Melody Gardot アメリカの歌手(2012年のGrécoのアルバム「Ça se traverse et c’est beau」で「Sous les ponts de Paris」をデュオで歌っている)

私はEdith Piafを知る前からJuliette Grécoを知っていた。女優として、Miles Davisの恋人として、Café de Floreの常連として。Grécoは録音の間、呼吸法、発声法、語りと歌について助言してくれた。一緒にいて素らしい、貴重な、感動的な時間を過ごした。もっと早く彼女と知り合いになれたらと残念に思う。そうしたら仲の良い友人になれたのに。彼女がいなくなって本当に寂しい。Juliette、すべてのことに感謝・・

 

<葬儀>

Grécoの葬儀は10月5日(月)14時30分からParis 6区Saint Germain des Prés教会で行われた。葬儀の責任者を務めたJulie-Amour RossiniGrécoの孫、Grécoの一子Laurence Lemaire(1954-2016)の遺児、46歳。

教会の前庭に立てられたMorris広告塔には白黒のGrécoの写真が飾られていた。

葬儀には300人程が列席。葬儀はまず司教Monseigneur Benoiît De Sinetyの説教で始まった。その中で司教は「Grécoの姿、言葉、優しさ、微笑みは皆さんの人生を明るく照らした」と語った。次いでDidier VarrodRadio Franceの音楽ディレクター)、Jacqueline Franjou(古くからのGrécoの友人)、Catherine Ceylac(ジャーナリスト、TV司会者)、Abd Al Malik(1975-ラップ系ACI、2008年「Romeo et Juliette」をデュオで歌っている)が弔辞を述べ、最後に Catherine Ringer(1957-歌手)がアコーデオンの伴奏で「Il n’y a plus d’après/後には何もない」を歌った。Grécoはこの曲を1960年に歌っている。

 

葬儀には・・

Brigitte Macron Macron大統領の夫人François Hollande前大統領Julie GayetパートナーJack Lang元文化大臣Gilles Le GendreParis選出国会議員ZazieACI)、François LalanneACIChristophe MiossecACIClaude Lemesle作詞家Pascal NègreUniversal Music Franceの元代表Brigitte Fossey(俳優)Claude SérillonTV司会者)、Bernard MontielTV・ラジオ司会者)、Nathalie RykielSonia Rykielの娘、作家François Morel俳優、演出家などが参列した。

 

葬儀の後、Grécoの白い棺はGrécoが歌う「Si tu t’imagine」が流れる中、アーティストの葬儀では恒例の参列者による拍手に送られ、Montparnasse墓地に運ばれた。そして、近親者のみが見守る中、亡夫Gérard Jouannestの隣に埋葬された。

-

葬儀 棺の到着及び退出 https://www.youtube.com/watch?v=C8PBcFhrL4k

葬儀 参列者 https://www.youtube.com/watch?v=pF_F5cX2xUQ


France24(フランス公共放送 )のこちらの映像も是非ご覧ください。
2020年9月24日放送

Juliette Gréco tire sa révérence, retour sur un incroyable destin
(ジュリエット・グレコ、いとまを告げる、一人の驚嘆すべき運命をふりかえる.

https://www.youtube.com/watch?v=xQKztwgYk3M へのリンク
 KCN1586 2020.9.26   

 

KCN 1586   2020.9.26

ジュリエット・グレコJuliette Gréco、死去 (その1)

 


 「La muse de Saint-Germain-des- Prés/サン・ジェルマン・デ・プレのミューズ」と呼ばれ、戦後のシャンソンフランセーズを代表する歌手Juliette Grécoが2020年9月23日Var県Rematuelleの自宅で死去。享年93歳。Grécoは1927年Monpellier生まれ、1934年Parisに。1949年からで歌手として活躍し、70年のキャリアを誇っていた。 

..//////////////////////////////////


 Juliette Grécoが2020年9月23日、VarRematuelleの自宅で死去。享年93歳。死因は明らかにされていない。 「La muse de Saint-Germain-des-Prés/サン・ジェルマン・デ・プレのミューズ」の愛称。1949年にJean-Paul Sartreらの勧めで、Parisのキャバレで歌手デビュー。70年に及ぶキャリアで500曲以上を歌う。映画・舞台・TV俳優としても活躍。

 

 Juliette Greco略歴 

1927年2月7日MontpellierHetault県)でコルシカ出身の父とレジスタンス活動家の母の間に生まれる。両親の離婚後、姉と母方の祖母に育てられる。1934年母、姉とParisに。39年Petit rat de l’Opera/オペラ座の練習生に。1943年疎開先で母、姉と共にゲシュタポに逮捕されが、年少の故、GrecoだけがParisで解放される(母と姉は戦後無事帰還)。家も所持金もなく、かつての国語の先生で、母の友人、Paris6区に住んでいた女優Helene Ducを頼り、保護される。そのため、戦後 Paris 6区Saint-Germain-des-Présの知的な、芸術的な雰囲気を享受することができた。1944年から演劇の勉強、いくつかの劇場劇、映画に出演をしながら、実存主義者の集まるジャズクラブなどに通う。特にSaint-Germain-des Présにあった「Le Tabou」に。その後Jean-Paul Sartre、その友人らの勧めで歌手に。 デビューの1週間前に、Sartre宅で、いくつかの詩を示され、それにJoseph Kosmaに曲を付けてもらった「Si tu t’imagine/そのつもりでも」、「L’éternel feminine/永遠の女性」を最初のレパートリーに・・

・1949年6月22日キャバレ「Le b?uf sur toit/屋根の上の牡牛」(34、rue du Colisse 8区)に出演、歌手デビュー

・1950年9月公開のJean Cocteau監督映画「Orphee/オルフェ」でJean MaraisMaria Casaresと共演

・1950年11月最初のレコード:A面に「Si tu t’imagines」、B面に「La fourmi/蟻」、「Rue des Blancs-Manteaux/ブラン・マントー通り」の3曲収録

 「Si tu t’imagine」最初のレコードに収録 https://www.youtube.com/watch?v=D_OWhsq7BHY

 「Si tu t’imagine」1961年東京厚生年金会館https://www.youtube.com/watch?v=zcrujIHaNiU

1951Deauvilleのシャンソンコンクールで、「Je hais les dimanches日曜日は嫌い」によりEdith Piaf賞受賞

1952年最初のLPJuliette Greco chante ses derniers succesジュリエット・グレコ 最新のヒットを歌う』Romanceロマンス」(1952ACC大賞受賞、「Les enfants qui s’aiment愛し合う子供たち」、「Je suis comme je suis私は私」、「Les feuilles mortes枯葉」、「Je hais les dimanches日曜は嫌い」、「Embrasse-moi私を抱いて」、「Sous le ciel de Parisパリの空の下」、「La chanson de Barbaraバルバラの歌」の曲収録

  「Romancehttps://www.youtube.com/watch?v=1HM3TuGtDmk

  「Les feuilles mortes1967 https://www.youtube.com/watch?v=n9Sfx3c7fR0

  「Sous le ciel de Paris」1961年https://www.youtube.com/watch?v=LcEKzT8EJm4

・1952年ブラジル公演(3ヶ月間)、アメリカ公演(NYでレヴユー「Apri in Paris」に出演)

・1953年11月公開Jean-Pierre Melville監督映画「Quand tu liras cette lettre/あなたがこの手紙を読むとき」に主役Therese Voise役で出演し、Philippe Lemaire(1927-2004)と共演。53年Lemaireと結婚、54年長女(Laurence Lemaire、1954-2016、唯一の子)誕生、 56年離婚

・1954年5月Olympiavedetteとして初出演。55年にも出演、最初のliveアルバム『Juliette Greco à l‘Olympia』リリース

・1955年渡米、映画「The Sun Also Rises/日はまた昇る」などに出演

1950年~60年代に発表した主な曲は:「Coin de rue街角」(54年)、「Ca va e diableOK悪魔」(54年)、「Qu’on est bien/何て素敵」(57年)、「Il n’y a plus d’après後には何もない」(60年)、「Jolie momeジョリ モーム」(61年)、「Le petit bal perdu/今はない小さなダンスホール」(61年)、「Accordéon/アコールデオン」(62年)、「La Javanaiseラ ジャヴァネーズ」(63年)、「Un petit poisson, un petit oiseau/魚と小鳥」(66年)、Déshabillez-moi/私を脱がせて」(67年)など

    「Il n’y a plus d’après」1960年https://www.youtube.com/watch?v=GX8XojZg6Hs

    「Déshabille-moi」1967年 https://www.youtube.com/watch?v=VSq2rcz6yEo

    Coin de rue197216https://www.youtube.com/watch?v=i88IpS_2naw

    「La javanaise」 1972年2月16日 https://www.youtube.com/watch?v=GEpaVG3As-c

Accordéon1983https://www.youtube.com/watch?v=oDADIdLSRic

1961年11月24日初来日(その後、都合22回あるいは23回来日の資料あり)

1964年アルバム『Gréco chante MacoOrlanグレコ、マッコルランを歌う』でACC大賞

・1965年自殺未遂、Francoise Saganに助けられる

・1966年Michel Piccoli(1925-2010 俳優・監督)と結婚、1977年離婚

・1967年Gerard Jouannest(1933-2018 ピアニスト・曲家)が伴奏者に。その後作曲者に。1988年結婚

1960年代末から70年代に掛けての、イェイェとアングロサクソン系音楽の隆盛の時期には、積極的に海外公演を行い、

1980年代には若者たちの支持を得て再び脚光を浴びる。80年代以降映画出演から遠ざかり、歌うことを中心に活動

1970年から2000年に掛けて発表した主な曲は:

J’arrive/孤独への道」(71年)、「Mon fils chante/歌う少年」(72年)、「Non monsieur je n’ai pas vingt ans」(77年)

Marechal/元帥」(83年)、「Le temps des cerises/サクランボの実る頃」(83年)、「Ne me quitte pas/行かないで」(88年)、「Vivre dans l’avenir/未来に生きる」(93年)、「Un jour d’ete/夏のある日」(98年)、

  「Un jour d’été199511日 https://www.youtube.com/watch?v=bhE-TvPxWgA

  「Non monsieur je n’ai pas vingt ans」 https://www.youtube.com/watch?v=nrg3Oo-S_No

そして2000年以降

2003年アルバム『Aimez-vous les uns les autres ou bien disparaissez愛し合いなさい、さもなくば消えてしまえ』Gerard MansetMiossecBenjamin BiolayBernard Lavilliersら作詞、作曲で協力):「Je jouais sous le banc/ベンチの下で遊んでいた」、 「L’amour flou/ぼやけた愛」、「Il et Elle/彼と彼女」、「Deux au monde/世界で二人」など14曲収録

  「L’amour flou」(Biolay作詞/Jouannest作曲)https://www.youtube.com/watch?v=ypyWJ7xbRFM

200612月アルバムLe temps d’une chanson一つのシャンソンの時代』他の歌手の過去のヒット曲のカバー):  「Né quelque partどこかで生まれて」、「Syracuseシラキューズ」、「Avec le temps時の流れに」、「Un jour tu verrasいつの日にか」、 Les amants d’un jourいつかの二人」、「La chanson de Prévert枯れ葉に寄せて」など

  「Avec le temps2013年 https://www.youtube.com/watch?v=zDWKBkh50QI

2007VdMVictoire d’honneur特別賞受賞

2009月アルバム『Je me souviens tout私はすべてを覚えている』Olivia RuizAdrianne PaulyAbd Al MalikMarie Nimierらが詩を提供、作曲はJouannest):「Je me souviens tout」、 「C’est le moment/今がそのとき」、「Le solitaire/孤独」、「Tout ira bien/すべてうまく行くだろう」など13曲収録

   「Tout ira bien」(Abd Al Malik作詞/Jouannest作曲)https://www.youtube.com/watch?v=DsMcN5_HdjI

・2009年10月60年のキャリアを讃えてSACEMMedaille d'or/金メダルを授与

・2012年1月自伝「Je suis comme ça/私はこうなの」刊行

・2012年1月アルバム『Ça se traverse et c’est beau/それは渡り、それは美しい』(Seineがテーマの新曲など13曲をデュオで): 「Sous les ponts de Paris/パリの橋の下」(アメリカ人歌手 Melody Gardotと)、「C’est la la la/それは ラララ」(新曲 Marc Lavoineと)、「Paris se reve/パリは夢見る」(新曲Fdfeと)など

  「Sous les ponts de PasrisGardotと https://www.youtube.com/watch?v=k6Gh1_25KNs

・201213Legion d‘HonneurCommandeur勲章を受章

・201310月アルバム『Greco chante brel/グレコ、ブレルを歌うJacques Brel12曲をカバー  「Ne me quitte pas行かないで」、「Amsterdamアムステルダム」、「Les vieux老夫婦」、「La chanson des vieux amants/懐かしき恋人の歌」など

  「Ne me quitte pashttps://www.youtube.com/watch?v=0D2xKGPzt9c

  「La chanson des vieux amants2015年 https://www.youtube.com/watch?v=9ZuBspMrx3I

・2014年9月、3年ぶりで最後となった来日公演。 Bunkamuraなどで

・2015年9月CD13枚組箱入り全集『L’essentielle』、1951年―2013年のスタジオ録音309曲収録

・2015年4月24日最後のツアー「Merci」を「Printemps de Bourges」で開始、2016年秋までの予定

・201511CD枚組36曲収録compilationMerci過去のヒット35新曲「Merci

  「Merci」(Miossec作詞/Jouannest作曲)2015年https://www.youtube.com/watch?v=eQ30WcGUF1c

2016Louvre美術館の「Victoire de Samothrace/サマトラケのニケ」の前でコンサート

2016Paris Theatre de la ville公演で89歳の誕生日を祝う https://www.youtube.com/watch?v=ZdbHTLpRVcs

2016Ordre des Arts et des Lettres/芸術・文芸勲章のcommandeur勲章受章

201612日のSaint-EstevePyrenees-Orientales県)Theatre de l’Etangに出演。これが最後のコンサートになる

・2016年3月24日、翌日予定されていた公演のため宿泊していたLyonのホテルでAVC(心臓血管障害)。その後の公演のすべてを中止。2016年6月日本公演も中止 

・2017年2月7日90歳の誕生日(Grecoの動向につき報道なし)

・2018年6月6日Gerard Jouannest死去(Grecoの動向につき報道なし)

・2020年9月23日Ramatuelleの自宅で近親者に看取られながら死去。享年93歳。

 No.1585
2020.9.24 

KCN 1585 2020.9.24

アニー・コルディAnnie Cordy、死去(その3)  葬儀等 

     

Annie Cordy、デュオの映像

 Annie Cordyが、KCN 1858で弔意を表した歌手などとデュオで歌っている次のような映像がありました。

・「Le petit coup de chance/少しばかりの幸運」Bourvilと1965年

   https://www.youtube.com/watch?v=nWrIHZaKco8

・「For me formidable/フォミ フォルミダブル」Charles Aznavourと1971年

  https://www.youtube.com/watch?v=XSlSd1QxhdU

・「Amour,castagnette et bango/愛、カスタネットそれにバンジョー」Enrico Maciasと1974年

   https://www.youtube.com/watch?v=XSlSd1QxhdU

・・「The peanut vendorDalidaと1976年

  https://www.youtube.com/watch?v=XSlSd1QxhdU

・・「On était swing/みんなスウィング」Line Renaudと1989年

https://www.youtube.com/watch?v=oMjaf7X5g2s

・「Un visa pour l’amour/愛のためのヴィザ」Daveと2014年

  https://www.youtube.com/watch?v=XSlSd1QxhdU

・「Un visa pour l’amourFrédérique Françoisと 不明

  https://www.youtube.com/watch?v=5bwc6B8SY5g

 

・葬儀

 Annie Cordyの葬儀は2020年9月12日午後3時からCannesButte de Saint-Cassien/聖カシアンの丘で、屋外で行われた。参列者は500人に限定されたが一般のファンも参列できた。歌手で参列したのはDaveMichèle TorrHervé Vilardなど。棺にはLine RenaudLuis Marianoの遺族、ベルギーの国王故Albert2世のパオラ王妃などからの花束が供えられていた。Cordyが歌う「Si dieu existe/神様が存在すれば」が流れる中Cordyの棺は会場に到着。

 「Si dieu existehttps://www.youtube.com/watch?v=efMxJ-jsbmU

葬儀では姪のMichèle Lebonの挨拶。その後参列者の代表が弔辞を送った。弔辞と弔辞の間にはLebonが選んだCordyの代表曲が流され。

弔辞を述べた参列者と流れた曲は:

Emmanuelle GuichardTVFrance2編集局次長)の弔辞、その後「Hello dolly」(ハミングヴァージョン)

ClaudeLemels(作詞家、Cordyに「Je veux/私は望む」の歌詞を提供)の弔辞、その後「Je veux」(Lemels作詩/Alice Dona作曲)

 「Je veuxhttps://www.youtube.com/watch?v=NaCumwivEs0

David Alexis俳優、歌手、演出家の弔辞、その後、「Machine à chanter/歌う機械」 

・ベルギーから参列した女優Virginie Hocq人が一緒に弔辞、その後「Si l’étais le solei/もし私が太陽なら

  「Si j’étais le soleihttps://www.youtube.com/watch?v=4NGnqKbRdq4

・最後に弔辞を述べたのはCannesDavid Lisnard市長

 

その後「L’artiste/アーティスト」が流れる中、棺は参列者の拍手に送られ会場を後にした。

 「L’artistehttps://www.youtube.com/watch?v=BmpJUt9j4cE

 

Annie Cordyの遺体は同日夕、両親が眠るCannes市内のAbadie墓地に埋葬された。

 

この日BruxellesではAnnie Cordyへの弔意の印として市内の地下鉄の各駅では終日Cordyの代表曲が流された。

 

 葬儀の中継https://www.youtube.com/watch?v=1yQa08NA_js (尺1時間30分)

 


 

 
  2020.9.10  
KCN 1584 2020.9.10

 

アニー・コルディAnnie Cordy、死去 (その

コルディ最後の映像 & 各界からの弔意



 

 


先週9月4日、心臓発作により92才で亡くなったAnnie Cordyは今年3月、ベルギーでconfinement(自主隔離)生活を送っている人々を鼓舞するため、ベルギーの歌手達、ユーモリスト達をリモートで繋ぎ、彼女の大ヒット曲の一つÇa ira mieux demain明日はもっと良くなるだろうをネット上で共に歌った。その映像は3月29日インターネットにアップされた。 これがCordyの最後の映像となった。 

1976年の原曲映像と共にご覧下さい。

 

(原曲 1976年のLP収録歌唱はこちら)

Ça ira mieux demain明日はもっと良くなるだろう

 1976.10.30 https://www.youtube.com/watch?v=JYZkarjfpdI

 

最後の歌唱映像 多くの仲間達と共に

Ça ira mieux demain/明日はもっと良くなるだろう

2020.3.29 https://www.youtube.com/watch?v=RqqeW-hpZY4

 

Annie Cordy死去に関する報道では、先のKCN 1584(アニーコルディ死去その1)

でご紹介した曲及び上記の曲の他、次の曲などが代表曲として挙げられている。

 

Tata Yoyo/タタ ヨーヨー/ヨーヨー叔母さん」

 1986.10.7 https://www.youtube.com/watch?v=HsaL3e4DkGc

 

Cho Ka Ka O」(Chaud cacao)/チョ カ カ オ(ホット カカオ)」

 1985.3.16 https://www.youtube.com/watch?v=MVu2umdIXAc

 

 

< 各界からの弔意 >

Emmanuel Macron大統領

Annie Cordyが今日我々の許を去った。しかし彼女の喜びへの賛歌はこれからも長く我々の頭の中を駆けめぐり、我々の気持ちを明るくしてくれることだろう。70年に及ぶAnnie Cordyのキャリアを振り返ると、陽気な、上品なユーモアに溢れたヒット曲の連続だった。彼女の経費は社会保障費で負担すべきではないかという意見もあった。何故なら彼女は彼女が出会う人、彼女を聞きに来る人みんなを健康にすることが出来たから。 我々はこれからも彼女のシャンソンによって微笑み、彼女のシャンソンに合わせて踊ることだろう。共和国大統領及び同夫人は、この「ミュージックホールの女王」の功績に敬意を表します・・ 

 

Jean Castex 首相

Annie Cordyは街中でも、ステージでも人気があり輝いていた。ファンに対しても友人たちに対しても陽気で寛容だった。彼女と共に、単純な、真摯な、人から人に伝わる幸福感に満ちた人生のオリジナルテープが消えてしまった。Merci Madame・・

 

Sophie Wilmès ベルギー首相

Annie Cordyは完璧なアーティストだった。この誰からも愛された「belgitude/ベルギーの独特な文化的価値」の具現者はユーモアと生きる喜びを体現していた。彼女は何世代もの人々の心をつかんでいた。彼女がいなくなって本当に寂しい・・

 

Roselyne Bachelot 文化大臣

Annie Cordyの死によって私の子供時代の一部が、家族の一員が去ってしまったようだ。我が家は慎ましい生活だったが月に1回は劇場に行った。クリスマスの時期になるとオペレッタだった。子供の頃の思い出と言えば、Annie CordyBourvilと共演していた「Route fleurie/花咲ける道」やLuis Marianoと共演していたオペレッタだ。今文化大臣としてあらゆる形態のアートに関心がある。大衆的な芸能に関心を持つようになったのはAnnie Cordyのおかげだ・・

 

Frédéric Mitterrand 元文化大臣

Annie Cordyは疲れを知らないベルギー人、「Tata yoyo」や「Cho Ka Ka O」を歌った、忘れることの出来ない歌手。陽気な優しいアーティストだった。映画にも出演したが、そこでは彼女の快活な性格とはかけ離れたシリアスの演技を見せた。彼女は夫を愛していた。夫を失ってからも40年以上愛し続けた・・

 

Marine Le Pen 右翼政党「国民連合」党首

大きな才能を持った歌手で俳優のAnnie Cordyが我々の許を去った。我々は生きる喜びを伝えてくれた寛容な人気アーティストを失った。彼女のメロディーはこれからも幾世代にわたりフランス人を癒してくれるだろう・・

 

 Stephan Bern TV司会者

Annie Cordyの訃報に接し、悲しみは計り知れない。彼女は私にとって信頼できる、思いやりのある友人だった。また陽気な妖精であり、寛容な、才能溢れたショー・ガールだった。

 

Bertrand Dicale ジャーナリスト

Annie Cordyは1950年代半ばから80年代半ばまでの30年間ヒットパレードの1位を占める曲を連発した。1年に2、3曲が1位になることもあった。それらは人々を微笑ませ、結婚披露宴の最後にみんなで踊るような曲だった。彼女は人々に笑いを、幸せを与える道を選んだ。彼女自身の人生では必ずしもいつも笑いがあり、幸せだったとは言えないけれど・・

 

Line Renaud 歌手・俳優

  Annieは古くからの親友。彼女とは多くの思い出がある。二人ともよく笑った。私の悲しみは大きい。  Ma Niniあなたがいなくなってどんなに寂しいことか・・

 

Dave 歌手

 彼女は最近記憶力に問題を抱えていた。訃報を聞いて驚きはしなかったがとても悲しい・・

 

Enrico Macias ACI(作詞 作曲 演奏家)

 Annie Cordyとは1963年私の初めての国内ツアーの際、南フランスで知り合った。プロデューサ  ーが同じだったので。我々は直ぐにうち解けた。それからずっと彼女は親友だった。彼女のように完璧なアーティストはあまりいない。歌うこと、踊ること、演じることができる・・

 

Mireille Mathieu 歌手

 Annieは完璧なアーティストだった。踊ること、歌うこと、演じること、感動させること、笑わせることが出来る。多彩な才能を持った偉大なプロだった。フランスのLucy Ball(1911-1989 アメリカのコメディアン、女優。「I love Lucy」の主人公)だった。

 

Frédéric François ベルギー出身のACI(作詞 作曲 演奏家)

今私は子供のように泣いている。私を大いに笑わせた愛すべきクラウンのために涙を流している。Annie Cordyは友人だった。彼女は上機嫌さと生きる喜びの象徴だった。ベルギーの笑いを世界中に広めてくれた。私のデビュー50周年記念コンサートに寄せてくれた彼女のメッセージを忘れない。心から叫びたい、どれほど彼女を愛しているか・・

 

< 弔問 >

Annie Cordyの棺は9月8日から11日までCannes市葬儀場内Croisetteホールに安置され一般の人々の弔問と記帳を受け付ける。Annieと同居していて臨終に立ち会った姪のMichèle Lebonは「誰もがAnnieに別れを告げることができるようにこうした。Annieは大衆に愛され、Annieも大衆を大事にしていたから」と語っている。



KCN1584  2020.9.7   

KCN 1583 2020.9.7

 

アニー・コルディAnnie Cordy、死去 (その

                                                                  

Annie Cordyが2020年9月4日心臓発作のためCannes近郊、Vallarisの自宅で死去、享年92歳。

 

  

 

<  アニー・コルディ Annie Cordyの 足跡 ・・・  略歴&歌唱の数々 >

 

Annie Cordy、本名Léonie Cooreman、は1928年6月16日ベルギー、Bruxelles生まれの歌手・俳優。70年のキャリアを誇り、その間、2000曲以上を歌い、700曲以上を録音、1000回以上のコンサートを行い、10本以上のミュージカルの出演、50本以上の映画、TVドラマに出演、2004年ベルギー国王AlbertⅡからbaronne男爵baronの女性形)の称号を授与された。

 

Cordyは8歳で音楽とダンスを習い始め、各地の歌謡コンクールに出場、1944年には優勝している。Bruxellesの「Bœuf sur le toit」に出演中、Parisのキャバレ「Le Lido」のオーナーPierre-Louis Guérinの目に止まり、Parisに来るように勧められる、そして・・

 

1950年5月1日Paris

1950年5月31日初日のLe Lidoでのレヴュー「Enchantement/魅惑」のmeneuse/リーダー

1952Deauvilleのシャンソンコンクールで「À Compostelleコンポステルで」を歌い「Maurice Chevalier」賞受賞

19521219日からParisABCで上演されたオペレッタ「Route Fleurie/花咲ける道 で、Georges GuétaryBourvilと共演。1956年6月10日まで続演。

 

195325cmLPAnnie Cordy:リリース

Les trois bandits de Napoliナポリの人の山賊」、「Je ne peut pas / 私には出来ない」、「Moi, j’aime les hommes私は男性が好き」、「La petite sonnette小さなベル」など曲収録

 

Les trois bandits de Napoli」 (レコードの映像ありhttps://www.youtube.com/watch?v=YDYZTMh9UNM

 

Je n’peux pas私にはできない」 原曲ヴァージョン

https://www.youtube.com/watch?v=PGFh5XiJRyE へのリンク 

 

Je n’peux pas私にはできない」 日本語ヴァージョン樋口舞と天井桟敷アンサンブル)

  (この歌は、日本でも好まれて良く歌われておりますので、掲載しました。どうぞお楽しみ下さい)

https://www.youtube.com/watch?v=1VMIIojBlhI

 

1954年1月公開Maurice de Vanonge監督映画「Boum sur Paris」で映画初出演、本人役

1954Eddie Constantineの前座としてParisOlympiaに出演

1955アメリカのジャズ歌手Bessie Smith(1894-1937)の運命を歌った「Oh Bessieオー ベッシー」でACC大賞

Oh Bessihttps://www.youtube.com/watch?v=5MjjH9hLWlg

 

1955年11月vedetteとしてOlympiaに出演

1956年アメリカNYPlazza出演、その後中南米巡業

1958年2月3日Henri Bruno(1911-1989 マネージャー)と結婚

(1989年2月9日Bruno死去)

1958年Hellole soleil brille/ハロー、太陽は輝く」(25週間チャート1位):

(映画「Le pont de la rivière Kwai/戦場に架ける橋」の主題歌)

Hellole soleil brille1968.2.15 https://www.youtube.com/watch?v=yvbwc4OOZqo

 

1959Petite fleur可愛い花」Sidny Bechet et Fernand BonifaySidny Bechet

 「Petite fleur1968.2.15 https://www.youtube.com/watch?v=8TSVrfjjnRE

 

アニーコルディの言葉;

「1960年代のイェイェ隆盛の時代、私は影響を受けることは無かった。中には完全に消えてしまった歌手達も大勢いたが・・・」

 

1968年劇場劇に初出演、Robert Thomas演出「Pic et Pioche/ピックとつるはし」

1970年公開René Clément監督の「Le Passager de la pluie/雨の訪問者」でMarlene Jobertの母親役、Charles Bronsonと共演

1971年公開Pierre Granier=Deferre監督の「Le chat/猫」で、Hôtel Florideの女主人役、Simone SignoretJean Gabinと共演 https://www.youtube.com/watch?v=UEPHsxL8Jr0

 

1972年9月28日オペレッタ「Hello Dolly」をThéâtre Mogadorで上演。1974年4月まで続演 オペレッタの一部https://www.youtube.com/watch?v=V7W1YoKRwT4

 

1974年12月「La bonne du uré/司祭様のお手伝いさん」は180万枚以上の大ヒットに

 「La bonne du curé1975.4.6 https://www.youtube.com/watch?v=pLQnyffUzlA

 

197610月ミュージカル「Nini a chance幸福を呼ぶニニ」をThéâtre Marignyで上演

 「Nini la chance1976.10.30 https://www.youtube.com/watch?v=L_Niak7yBNM

 

1981Jacques Chiracパリ市長がMédaille de la Ville de Paris授与

1990年代はTVドラマで活躍

1998日~1370歳の誕生日とデビュー50周年を週間の、13年振りのOlympia出演で祝う。 https://www.youtube.com/watch?v=bPyKF33bAAE(尺約2時間)

 

1998年共著の自叙伝「Nini la chanceMemoires」

2004年10月11日ベルギー国王AlbertⅡから「Baronne」の称号を受ける

2008年~2009年Age tendre et têtes de bois」の第3シーズンに初参加。その後第6シーズン(2011~2012年)、第8シーズン(2013~2014年)に参加

Hello Dolly」2008年https://www.youtube.com/watch?v=don8fmZ3rYQ

  「Nini la chance」ほか2012https://www.youtube.com/watch?v=15bSXoQcErA

  La bonne du vure2013年 https://www.youtube.com/watch?v=BUNJisE7JjE

 

20121022日アルバム『Ça me plaît・・Pourvu que ça vous plaise私はそれが好き・・もしあなた方が、それが好きなら』Trois notes de musique/3つの音符」、「La vie est belle/人生は美しい」、「Si c’est ça la vie/人生がそうなら」など14

  「Trois notes de musique2012.11.18 TVFranceVivement Dimamche」で

    https://www.youtube.com/watch?v=zxfl0q5naeI

 

2014ベルギーの勲章Commandeur de l’Ordre de la Couronneを受章

20141117日アルバム『Annie Cordy chante Noëlアニー・コルディ、クリスマスを歌う』Le petit sapin vert青いもみの木」、「Noël chez moi我が家のクリスマス」、「Let it snow」、「Petit papa Noélプチ パパ ノエル」、「White Christas」、「Jingle Bells」、「C’est Noëlこれがクリスマス」など13曲収録

Petit papa Noëlhttps://www.youtube.com/watch?v=Wb-_92Ciu5I

 

201510TV France 2で特別番組

C’est votre vieAnnie Cordyそれがあなたの人生、アニー・コルディ」

https://www.youtube.com/watch?v=C5L2aMA1Vvs(尺2時間30分)

 

2015月コンピレーションアルバム

Ma vie en musique, best of 50 titres音楽による私の人生、ベスト50曲』

201618Cannes映画祭で上演された「Le Cancre/劣等生Paul Vecchiali監督Cathetine Deneuveらと出演。Cannes映画祭に登場。

2018年7月4日公開映画「Tamara vol.2」(Alexandre Castagnetti監督)に出演、最後の映画出演。

2018年7月8日生誕90年を記念してBruxellesParc Annie Cordy/アニー・コルディ公園誕生

 Parc Annie Cordyの除幕式https://www.youtube.com/watch?v=posTN1icZrc&t=15s

 

2018年9月18日TVFrance3で放送されたTVドラマ「Illettré/無筆」に主人公の祖母役で出演、最後のTVドラマ出演 ( Illettre Annie Cordy で検索出来ます )

2020年9月4日午後6時Vallaurisの自宅で心臓発作のため死去。享年92歳。葬儀は9月12日Cannesで執り行われる予定。

 KCN1583 2020.9.7   

KCN 1582 2020.9.7

 

アニー・コルディAnnie Cordy、死去 (その1)

                                                                  

Annie Cordyが2020年9月4日心臓発作のためCannes近郊、Vallarisの自宅で死去、享年92歳。

 

  

 

<  アニー・コルディ Annie Cordyの 足跡 ・・・  略歴&歌唱の数々 >

 

Annie Cordy、本名Léonie Cooreman、は1928年6月16日ベルギー、Bruxelles生まれの歌手・俳優。70年のキャリアを誇り、その間、2000曲以上を歌い、700曲以上を録音、1000回以上のコンサートを行い、10本以上のミュージカルの出演、50本以上の映画、TVドラマに出演、2004年ベルギー国王AlbertⅡからbaronne男爵baronの女性形)の称号を授与された。

 

Cordyは8歳で音楽とダンスを習い始め、各地の歌謡コンクールに出場、1944年には優勝している。Bruxellesの「Bœuf sur le toit」に出演中、Parisのキャバレ「Le Lido」のオーナーPierre-Louis Guérinの目に止まり、Parisに来るように勧められる、そして・・

 

1950年5月1日Paris

1950年5月31日初日のLe Lidoでのレヴュー「Enchantement/魅惑」のmeneuse/リーダー

1952Deauvilleのシャンソンコンクールで「À Compostelleコンポステルで」を歌い「Maurice Chevalier」賞受賞

19521219日からParisABCで上演されたオペレッタ「Route Fleurie/花咲ける道 で、Georges GuétaryBourvilと共演。1956年6月10日まで続演。

 

195325cmLPAnnie Cordy:リリース

Les trois bandits de Napoliナポリの人の山賊」、「Je ne peut pas / 私には出来ない」、「Moi, j’aime les hommes私は男性が好き」、「La petite sonnette小さなベル」など曲収録

 

Les trois bandits de Napoli」 (レコードの映像ありhttps://www.youtube.com/watch?v=YDYZTMh9UNM

 

Je n’peux pas私にはできない」 原曲ヴァージョン

https://www.youtube.com/watch?v=PGFh5XiJRyE へのリンク 

 

Je n’peux pas私にはできない」 日本語ヴァージョン樋口舞と天井桟敷アンサンブル)

  (この歌は、日本でも好まれて良く歌われておりますので、掲載しました。どうぞお楽しみ下さい)

https://www.youtube.com/watch?v=1VMIIojBlhI

 

1954年1月公開Maurice de Vanonge監督映画「Boum sur Paris」で映画初出演、本人役

1954Eddie Constantineの前座としてParisOlympiaに出演

1955アメリカのジャズ歌手Bessie Smith(1894-1937)の運命を歌った「Oh Bessieオー ベッシー」でACC大賞

Oh Bessihttps://www.youtube.com/watch?v=5MjjH9hLWlg

 

1955年11月vedetteとしてOlympiaに出演

1956年アメリカNYPlazza出演、その後中南米巡業

1958年2月3日Henri Bruno(1911-1989 マネージャー)と結婚

(1989年2月9日Bruno死去)

1958年Hellole soleil brille/ハロー、太陽は輝く」(25週間チャート1位):

(映画「Le pont de la rivière Kwai/戦場に架ける橋」の主題歌)

Hellole soleil brille1968.2.15 https://www.youtube.com/watch?v=yvbwc4OOZqo

 

1959Petite fleur可愛い花」Sidny Bechet et Fernand BonifaySidny Bechet

 「Petite fleur1968.2.15 https://www.youtube.com/watch?v=8TSVrfjjnRE

 

アニーコルディの言葉;

「1960年代のイェイェ隆盛の時代、私は影響を受けることは無かった。中には完全に消えてしまった歌手達も大勢いたが・・・」

 

1968年劇場劇に初出演、Robert Thomas演出「Pic et Pioche/ピックとつるはし」

1970年公開René Clément監督の「Le Passager de la pluie/雨の訪問者」でMarlene Jobertの母親役、Charles Bronsonと共演

1971年公開Pierre Granier=Deferre監督の「Le chat/猫」で、Hôtel Florideの女主人役、Simone SignoretJean Gabinと共演 https://www.youtube.com/watch?v=UEPHsxL8Jr0

 

1972年9月28日オペレッタ「Hello Dolly」をThéâtre Mogadorで上演。1974年4月まで続演 オペレッタの一部https://www.youtube.com/watch?v=V7W1YoKRwT4

 

1974年12月「La bonne du uré/司祭様のお手伝いさん」は180万枚以上の大ヒットに

 「La bonne du curé1975.4.6 https://www.youtube.com/watch?v=pLQnyffUzlA

 

197610月ミュージカル「Nini a chance幸福を呼ぶニニ」をThéâtre Marignyで上演

 「Nini la chance1976.10.30 https://www.youtube.com/watch?v=L_Niak7yBNM

 

1981Jacques Chiracパリ市長がMédaille de la Ville de Paris授与

1990年代はTVドラマで活躍

1998日~1370歳の誕生日とデビュー50周年を週間の、13年振りのOlympia出演で祝う。 https://www.youtube.com/watch?v=bPyKF33bAAE(尺約2時間)

 

1998年共著の自叙伝「Nini la chanceMemoires」

2004年10月11日ベルギー国王AlbertⅡから「Baronne」の称号を受ける

2008年~2009年Age tendre et têtes de bois」の第3シーズンに初参加。その後第6シーズン(2011~2012年)、第8シーズン(2013~2014年)に参加

Hello Dolly」2008年https://www.youtube.com/watch?v=don8fmZ3rYQ

  「Nini la chance」ほか2012https://www.youtube.com/watch?v=15bSXoQcErA

  La bonne du vure2013年 https://www.youtube.com/watch?v=BUNJisE7JjE

 

20121022日アルバム『Ça me plaît・・Pourvu que ça vous plaise私はそれが好き・・もしあなた方が、それが好きなら』Trois notes de musique/3つの音符」、「La vie est belle/人生は美しい」、「Si c’est ça la vie/人生がそうなら」など14

  「Trois notes de musique2012.11.18 TVFranceVivement Dimamche」で

    https://www.youtube.com/watch?v=zxfl0q5naeI

 

2014ベルギーの勲章Commandeur de l’Ordre de la Couronneを受章

20141117日アルバム『Annie Cordy chante Noëlアニー・コルディ、クリスマスを歌う』Le petit sapin vert青いもみの木」、「Noël chez moi我が家のクリスマス」、「Let it snow」、「Petit papa Noélプチ パパ ノエル」、「White Christas」、「Jingle Bells」、「C’est Noëlこれがクリスマス」など13曲収録

Petit papa Noëlhttps://www.youtube.com/watch?v=Wb-_92Ciu5I

 

201510TV France 2で特別番組

C’est votre vieAnnie Cordyそれがあなたの人生、アニー・コルディ」

https://www.youtube.com/watch?v=C5L2aMA1Vvs(尺2時間30分)

 

2015月コンピレーションアルバム

Ma vie en musique, best of 50 titres音楽による私の人生、ベスト50曲』

201618Cannes映画祭で上演された「Le Cancre/劣等生Paul Vecchiali監督Cathetine Deneuveらと出演。Cannes映画祭に登場。

2018年7月4日公開映画「Tamara vol.2」(Alexandre Castagnetti監督)に出演、最後の映画出演。

2018年7月8日生誕90年を記念してBruxellesParc Annie Cordy/アニー・コルディ公園誕生

 Parc Annie Cordyの除幕式https://www.youtube.com/watch?v=posTN1icZrc&t=15s

 

2018年9月18日TVFrance3で放送されたTVドラマ「Illettré/無筆」に主人公の祖母役で出演、最後のTVドラマ出演 ( Illettre Annie Cordy で検索出来ます )

2020年9月4日午後6時Vallaurisの自宅で心臓発作のため死去。享年92歳。葬儀は9月12日Cannesで執り行われる予定。

KCN1582   2020.8.29  

KCN 1581  2020.8.29

2020年上半期の新譜                                    

2020年1月から6月までにリリースされた主な新譜7点をご紹介します。

新型コロナウイルス(Covid-19)のため例年に比較してリリースされた新譜の数は大幅に減少。またプロモーションのためのコンサートの多くも中止を余儀なくされている。

 

1.ブリジット・フォンテーヌBrigitte Fontaine Terre Neuve/新しい地 (124

2.ルイ・シェディドLouis Chedid 

Tout ce qu’on veut dans la vie/人が人生で望むことのすべて」  (2月28日)

3.ジャンールイ・ミュラJean-Louis Marat Baby Love 

4.カリCali Cavale/雌馬」 13

5.オシHoshi Sommeil levant/日が昇る頃の眠り (6

6.トマ・デュトロンThomas Dutronc、「Frency 19

7.バンジャマン・ビオレBenjamin Biolay、「Grand Prix/グラン プリ」 (6月26日)

 

==========================================

 

 

1. ブリジット・フォンテーヌBrigitte FontaineTerre Neuve/新しい地

Brigitte Fontaineが2020年1月24日にリリースした新しいアルバムは

Terre NeuveFontaineは1939年Bretagne地方Finistere生まれ、ACI。作詞家、俳優、小説家、劇作家、それに詩人(自身はそう呼ばれたいと思っている)とマルチな才能を発揮している。17歳でParisに出て当初は女優として活躍。Huchette座で公演されたEugene Ionescoの「La cantatrice chauve/はげの歌姫」に出演していた。60年代には歌手に転向。最初はrive gauche/左岸のキャバレで、次いでMontmartreTrois Baudetsなどで歌っていた。1964年のGeorges BrassensBobino公演では前座を務めた。1966年には最初のLPをリリースしている。1967Jacques Higelin(1940-2018、ACIとのデュオで歌ったCet enfant que je t’avais fait/君に生ませたあの子」(Fontaine作詞/Higelin作曲)はヒット、代表曲に。

Cet enfant que je t’avais fait」1970年

https://www.youtube.com/watch?v=maBIJI1C_-E

 

Cet enfant que je t’avais fait」1988年

https://www.youtube.com/watch?v=jX7zcGEM_rE

1970年には、1969年からのパートナーであるAreski Belkacem(1940-歌手、作曲家、多楽器演奏者と組んだ最初のアルバムは「Comme a la radioラジオのように」をリリース、これには「Comme a la radio」、「Le brouillard霧」、「L’ete, l’ete夏、夏」、「J’ai vingt-six ans私は26歳」などを収録、ACC大賞を受賞。日本でもヒットし、75年には来日公演を行っている。

Comme a la radiohttps://www.youtube.com/watch?v=Tn_Nk_rAAaA

L’ete, l’ete1970https://www.youtube.com/watch?v=rdu46d54t7Q

1975年にはAreski-Fotaineのタンデムによる3枚目のアルバムは「Le bonheur」をリリース。

 「Le bonheur1977https://www.youtube.com/watch?v=bBPmJp20g4Y

その後、80、90年代には雌伏の時期もあったが、2001年にアルバム「Kekelande/ケケの国」をリリースしてからは定期的優れたアルバムを出している。シャンソンフランセーズの最もエキセントリックな女性歌手と言われ、マージナルな存在ではあるが、創造性のある曲を発表していて、50年以上にわたるキャリアにもかかわらず「lindemodable/時代遅れにならない」。Fontaineは他の歌手に詩を提供していて、最近でもJulin Clercに「Elle ment comme elle respire/彼女は息をするように嘘をつく」(2017年のアルバム「A nos amours/我々の愛に」に収録)、MMattieu Chedid)に「L’Alchimiste/錬金術師」(2019年のアルバム「Lettre infinie/終わりのない手紙」に収録)を提供。

2017年Legion d’honneur勲章のChevalier章を受章している。

今回のアルバムは前作(2013年リリースの「Jai lhonneur detre/光栄に思う」)から7年ぶり19枚目。これには、自身で作詩/作曲した曲、自身の詩にAreski BelkacemJacques Higelin、あるいは、Yan Pechin(生年不詳―ギタリスト、作曲家。MiossecHubert-Felix Thiefaineらにも曲を提供している)が曲を付けた17曲が収録されている。それらは「規格外の女性歌手のいつもにもまして荒々しいく、批判的精神旺盛なもの」。

17曲は:「Le tout pour le tout/すべてはすべてのために」、「Les beaux animaux/美しき動物たち」、「J’irai pas/私は行かない」、「Je vous deteste/あなたが嫌い」、「Haute securite/高い安全性」、「Terre Neuve」、「Parlons d’autre chose/話題を変えよう」など。

Fontaineは2019年何度かCafe de la DanseParis11区のコンサートホール)に出演、このアルバムに収録されている曲のうちのいくつかを歌っているよう。

上記17曲の内の一曲:

J’irai pas」 「私は行かない」

https://www.youtube.com/watch?v=JdIQKaj7fgM

 

2. ルイ・シェディドLouis Chedid 

Tout ce qu’on veut dans la vie/人が人生で望むことのすべて」   

Louis Chedidが2020年2月28日にリリースした新しいアルバムはTout ce qu’on veut dans la vie」。Louis Chedidは1948年エジプト、Ismailia生まれのACI。 父は著名な生物学者、母は作家Andree Chedid。長男はACIMMattieu Chedid)。生後6ヶ月でフランスに。デモテープを送ったBerclayに認められ1973年最初のアルバム「Balbutiements/口籠もり」をリリース。1977年「T'as beau pas etre beau/君はイケメンではないが」で注目され、最初のヒットに。

 「T’as beau pas etre beau1979https://www.youtube.com/watch?v=X5Pf4jh_J4w

1981年の「Ainsi soit-il/あくあれかし」はチャートのトップに、それにより1982年オランピアにvedetteとして初出演し、長期の国内ツアーを行った。

 「Ainsi soit-il1981https://www.youtube.com/watch?v=C0-S1FQQRnk

1985年の右翼の台頭を告発した「Anne, ma s?ur Anne/アンヌ、我が姉アンヌ」(AnneFranckを歌っている)を発表。

その後も定期的にアルバムをリリース。2006年にはMVanessa ParadisJeanne CherhalFrancis CabrelAlain Souchonらが出演したミュージカル「Le soldat rose/ピンクの兵士」の作曲を担当(作詞はPierre-Domnique Burgaud)。2013年11月20日には40年のキャリアを記念してCD17枚からなる「L‘integral/全集」を出している。2015年にはMathieuなど3人の子供たちとユニットを組み、国内ツアーを行い、liveアルバム「Louis,Matthieu,Joseph et Anna Chedid」をリリースしている。

 「Anne,ma s?ur AnneFamille Chedid

 https://www.youtube.com/watch?v=E2mAPglnEJs

今回のアルバムにはSi j’avais suもし知っていたら」、「Danser sur les decombres瓦礫の上で踊る」、「Tout ce qu’on veut dans la vie」、「Ne m’oubliez pas僕を忘れないで」、「La fille sur le bancベンチの少女」、「Redevenir un etre humain再び人間になる」、「J’ai toujours aime aimer僕はいつも愛することが好きだった」など11曲収録。

Tout ce qu’on veut dans la vie(2020

https://www.youtube.com/watch?v=v-3jsdKcWUQ

 

3. ジャンールイ・ミュラJean-Louis MuratBaby Love」  2020年月6日

Jean-Louis Muratが2020年3月6日にリリースした新しいアルバムは「Baby Love」。Jean-Louis Murat、本名Jean-Louis Bergheaud、は1952Auvergne地方の山岳地帯Puy-de-Dome県の寒村生まれのACI。70年代からグループで音楽活動を。その後ソロに。1982年ファーストアルバム「Murat」、1984年セカンドアルバム「Passions privees/個人の情熱」を出すが注目されず。1989年リリースしたアルバム「Cheyenne autumn/シャイアンの秋」は「L’ange dechu/堕天使」などを収録10万枚以上売上げ、新たな出発をした。

 「L’ange dechu1989年 https://www.youtube.com/watch?v=l6jQM9belL4

1991年の「Le manteau de pluie/レインコート」も好評で人気と共に独特なスタイルを確立。

さらに、Mylene Farmerは1991年リリースした3枚目のアルバム「L'Autre・・/他の・・」にMuratを招き、「Regrets/後悔」をデュオで歌い、それがシングルカットされ30万枚以上売上げた(但しこのデュオはMuratの純粋なファンにはあまり好評ではなかったよう)。

 RegretsFarmerと1991年https://www.youtube.com/watch?v=-K1b0qNT9X8

その後ほぼ毎年アルバムをリリース。全くの革命児というわけでもないが、伝統に忠実というわけでもない、性格は率直さと辛辣さ、アイロニーというより攻撃的(特にパリを標的にして)。Muratの前作は2018年9月28日リリースの「Il Francesa」。今回の20枚目のアルバム「Baby love」収められているのは11曲、「Troie/トロイ(ギリシャ神話に登場する都市)」、「La reason why/何故という理由」、「Rester dans le monde/世の中に留まる」、「Ca s’est fait/それは済んだ」、「Si je m’attendais/予期していれば」、「Reparer la maison/家を直す」、「Tony Joe」(Tony Joe White<1943年~2018年 アメリカのカントリーミュージックのシンガーソングライター>へのオマージュ)

Si je m’attendais」2020年3月

https://www.youtube.com/watch?v=aJHwC8UopTk

 

4. カリCaliCavale/雌馬」    2020月13日

Caliが2020年3月13日にリリースした新しいアルバムは「Cavale。Cali、本名Bruno Caliciuriは1968年南仏Perpignon生まれのACI。ラグビーに興味を持っていたCaliは1984年ToulouseU 2のコンサートを聞いて衝撃を受け、歌の道に。独学でギターを学び、Perpignonで活動しているいくつかのグループで歌う。また、BenabarBrigitte Fontaineの前座で歌い、口コミで評判に。2002年にはFrancofolies de La Rochelleに出演、それが転機となってレコード会社と契約。2003年リリースのファーストアルバム「Lamour parfait/完璧な愛」は60万枚売上げのヒットで、2004年第3回Prix Constintinを受賞(主として優れたファーストアルバムに与えられる)。アルバムに収められた「C’est quand le bonheur/幸福はいつ」は優れた楽曲に与えられるSACEMVincent Scotto賞を受賞。また、2004年VdM新人賞の候補に。受賞はしなかったが授賞式の模様がTV放送され、多くの視聴者が精力的なCaliのステージに興味を持った。その後もVdMでは何度か候補者になったが受賞はしていない。

 「C’est quand le bonheur2004VdM

https://www.youtube.com/watch?v=7Jq-nUahOb4

2005年1月にはOlympiaに初出演している。2005年10月にリリースした2枚目のアルバム「Menteur/嘘つき」も30万枚以上の売り上げと好評で、chanson francaiseに確固たる地位を。比較的多産なCaliは、前作は2018年リリースの「Chante Leo Ferre/レオ・フェレを歌う」で、「C’est extra/それは極上」、「L’enfance/子供時代」、「Avec le temps/時の流れに」、「Jolie mome」などを収録している。

 「Avec le tempshttps://www.youtube.com/watch?v=G2OCX8bwkSA

 

今回のアルバムは枚目のアルバムで、「Cavale」、「Viens avec moi僕と一緒にお出で」Mathildaとのデュオ、「C’est avec un couteau qu’on fait une chansonナイフでシャンソンを作る」、「Je voudrais vivre heureux幸せに生きたい」、「15 ans/15歳」、「Une separation/ひとつの別離」、「Je dois encore vivreまだ生きなければ」など11曲収録。

Je dois encore vivre」2020年

https://www.youtube.com/watch?v=ujKKeyd8Nn0

 

5.オシHoshiSommeil levant/日が昇る頃の眠り」    2020

Hoshiが2020年6月15日にリリースしたセカンドアルバムは「Sommeil levant」。Hoshi、本名Mathilde Germer、は1996年h9月14日Versailles生まれの女性ACI。芸名のHoshiは日本の芸術に興味を持っていたMathildeが「etoile/星/Hoshi」から。幼少の頃からピアノとギターを習い、アマチュアのグループで活動。高校卒業の後、音楽で身を立てる決意をしストリートミュージシャンとして自作を歌う。2年後Jo&Coレーベルと契約ができ2017年3月リリースの最初のEPComment je vais faire/どうしようか」はそれなりの評価を得た。1年後2018年3月ファーストアルバム「Il suffit d’y croire/それを信じるだけで十分」をリリース。これには「Il suffit d’y croire」、「Comment je vais faire」、「Te parler pour rien/あなたの話は無意味」、「Elle reve encore/彼女はまだ夢見ている」、「Je pense a toi/あなたのことを思っている」など12曲収録、20万枚以上の売り上げに。Hoshiは2020年VdMの新人ステージ賞にノミネートされた。

 「Comment je vais faireclip officiel 

https://www.youtube.com/watch?v=uqROarXJAHg

 

アルバム「Sommeil levant」は当初3月にはリリースの予定であったがCovid-19の影響で3ヶ月遅れた。アルバムには:「Sommeil levant」、「Medicament/薬」、「Marche ou reve/進め、あるいは夢見ろ」、「Bouche de metro/地下鉄の入り口」、「Amour censure/検閲を受けた愛」、「Fais-moi signe/私に合図して下さい」など14曲収録。リリースの週チャートの7位。(なお、アルバムのタイトル「Semmeil levant」はフランス語で日本/Japonの愛称を「Le pays du olei-evant/日の昇る国」としていることと関連があるのだろうか。)

Amour censure」2020年1月https://www.youtube.com/watch?v=jqjj3MRgFNo

 

6.トマ・デュトロンThomas DutroncFrency   2020年6月19日

 Thomas Dutroncが2020年6月19日にリリースした新しいアルバムは「Frency」。Thomas Dutronc197316Paris生まれのACI、ギタリスト。父はJacques Dutronc母はFrancoise Hardy。18歳でDjango Reinhardtに憧れてギターを習い、ParisSaint-Ouenののみの市などで演奏、マヌーシュ、ジャズギタリストとして人気が出て、パリのジャズクラブに出演。2007年10月、歌手として初のソロアルバム「Comme un manouche sans guitare/ギターを持たないマニューシュのように」をリリース、60万枚以上売り上げるヒットに。2009年VdMで「Comme un manouche sans guitare」がオリジナルシャンソン賞を受賞。

 「Comme un manouche sans guitare」2009年VdMで

https://www.youtube.com/watch?v=Kp1RRAZAJVs

2011年のCharles Aznavourのアルバム「Aznavour toujours/アズナヴールはいつも」ではデュオで「Elle/彼女」を歌っている。

2011年10月にはセカンドアルバムで20万枚以上売り上げたと言われる「Silence, on tourne, on tourne en rond/静かに、撮影開始」をリリースしている。

2015年にはサードアルバム「Eternels,jusqu’a demain/明日までの永遠」をリリース。これには、「Allonges dans l’herbes/草の上に寝ころんで」、父Jacquesとのデュオで「Je n’suis personne/僕は誰の後も追わない」など11曲を収録。

 「Allonges dans l’herbes2015

https://www.youtube.com/watch?v=0ttc5BqkDoo

Thomasはまた2014年のRenaudへのオマージュアルバム「La bande a Renaud ルノー軍団」には「Manhattan Kaboulマンハッタンカブール」Nikki Yanofskiとのデュオで、Johnny Hallydayへのオマージュアルバム「On a tous quelque chose de Johnny」には「Gabrielle」で、2019Jacques Brelへのオマージアルバム「Ces gens-la」には「Vesoul」で参加している。

Manhattan KaboulNikki Yanofskiと https://www.youtube.com/watch?v=JI952j_JokI

Tomas Dutroncは2020年3月30日医療従事者への敬意と連帯を示す「L’infimiere dans le mauvais temps/天気の悪い時の看護師たち」をインターネットで配信した。(KCN 1567参照)

4枚目のスタジオ録音アルバム「Frency」は4月にリリースの予定であったがCovid-19禍で6月19日に延期された。収録されている14曲はいずれも過去のヒット曲、シャンソンのスタンダードと言える曲などのソロ、デュオ、あるいはトリオによるカバーで、フランス語と英語で歌われている。収められているのは:「C’est si bon/セ シ ボン」(フランス語及びJerry Seelenによる英語の詩で、Iggy Pop及びDiana Krallとのトリオで)、「La vie en rose/バラ色の人生」(Mack Davidによる英語の詩でBilly Gibbonsとのデュオで)、「Petite fleur/小さな花」(フランス語で、ソロで)、「Un homme et une femme/男と女」(フランス語で、Stacey Kentとのデュオで)、「La merBeyond the Sea/ラ メール」(フランス語及びJack Lawrenceによる英語の詩で、ソロで)、「Les feuilles mortesAutumn Leaves/枯葉」(フランス語及びJohnny Mercerによる英語の詩で、ソロで)、My WayComme d’habitude/いつものように」のPaul Ankaによる翻案、英語の詩で)、「Ne me quitte pasIf You go away/行かないで」(フランス語及びRod McKuenによる英語の詩で、Haley Reinhartとのデュオで)、「La belle vieThe Good Life/美しい人生」(フランス語及びJack Reardonによる英語の詩で、Jeff Goldblumとのデュオで)など。

C’est si bonclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=EIxz5N5qva8

アルバムはリリースの週チャートの2位。

 

7. バンジャマン・ビオレBenjamin Biola 

Grand Prix/グラン プリ」      2020年6月26日

Benjamin Biolayが2020年6月26日にリリース「Grand Prix」。Biolay1973Lyon近郊生まれのACI、俳優。作詞・作曲家として多くの歌手に優れた曲を提供しているほか、ミュージシャン、アレンジャー、プロデューサーとして多彩な才能を発揮している。2000年のKeren Ann(1974- ACI)と組んでHenri Salvadorを復活させた「Jardin d’hiver/こもれびの庭」などを作詩/作曲。2001年ファーストアルバム「Rose Kennedy」でVdM新人アルバム賞。2009年アルバム「La Superbe/尊大」でVdMアルバム賞、男性歌手賞を受賞している。

 「La Superbe2010VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=Lms5rgEZ87M

最近では2015月にはCharles Trenetのヒット曲をカバーしたアルバム「Trenet」をリリース、これには「Que reste-t-il de nos amours/残されし恋には、「La romance de Paris/パリのロマンス」、「L’ames des poetes/詩人の魂」、「Coin de rue/街角」など13曲収録

 「Que reste-t-il de nos amours

https://www.youtube.com/watch?v=v7kmUt18NSk

2016年4月リリースのアルバム「Palermo Hollywood」は、Biolayが「気分転換」が必要なときに訪れるアルゼンチンで録音されたもので、2017年VdMでアルバム賞を受賞。

 「Palermo Hallywoodclip officiel 

https://www.youtube.com/watch?v=fIAqlnWKY40

前作は2017年リリースの「Volver/(スペイン語で)戻る」。「Grand Prix」は9枚目のアルバム、収録されているのは:「Comment est ta peine?/君の痛みはどんな風?」、「Visage pale/青白い顔」、「Comme une voiture vole/盗まれた車のよう」、「Grand prix」、「Pappillon noir/黒い蝶」、「Ma route/僕の道程」、「Ou est passee la tendresse/優しさはどこへ行った」、「Souviends-toi l‘ee dernier/去年の夏を思い出して」など13曲。

Comment est ta peine」2020年6月

https://www.youtube.com/watch?v=jBO5c8UmC8o

アルバムはリリースの週チャート1位。

KCN1581  2022.8.22   
KCN 1580  2020.8.22

   Les plus beaux duos du Grand Show

 これまでのGrand Showに登場した注目すべき美しいデュオ 

 

 

 

 

 

 

 


 2020年7月9日(木)France2(21:00~2時間40分)で 「Les plus beaux duos du Grand  Show』」が放送された。

 

Le Grand Show」はMichel Druckerの司会で、2012年から不定期に放送されているFrance2の人気歌番組で、最近の放送は2018年12月1日。番組には各回メインゲストが招かれ、自身の代表曲をソロで、あるいはサブゲストとのデュオなどで歌う。2020年7月9日の「Les plus beaux duos du Grand Show』」では過去の放送からシャンソンフランセーズの歴史の残るようなデュオなど、評判の良かったデュオなどを選んで編集し放送したよう。

 

過去に「Le Grand Show」のメインゲストとして招かれたのはCeline Dion(1968- 歌手、2012年11月24日放送)、Patrick Bruel1959- ACI2013年10月26日放送及び2016年10月1日放送)、Johnny Hallyday(1943-2017 歌手・作曲家、2013年12月21日放送及び2015年11月28日放送)、Serge Lama(1943-ACI、2014年3月22日放送)、Florent Pagny(1961-歌手・俳優、2014年5月24日放送)、Calogero(1971- ACI2014年10月25日放送)、Julien Clerc(1947-ACI、2014年11月8日放送)、Roberto Alagna(1963- 歌手、2014年12月20日放送)、Adamo(1943- ACI、2015年1月31日放送)、Pascal Obispo(1965-ACI、2016年3月28日放送)、Michel Delpech1946-2016 ACI2016年1月23日、追悼番組として放送)など。

 

過去の放送では次のデュオが好評であった。

 

・「L’amour peut prendre le froid/愛は冷えることもある」Miossec作詞/Todd Wright作曲、2012年Johnny HallydayCeline Dionがデュオで歌ったヒット。同年のHallydayのアルバム「Lattente/待つこと」、Dionの「Sans attendre/待つことなく」に収録

  2012年11月24日のGrand Showで:Johnny Hallyday & Celine Dion

 https://www.youtube.com/watch?v=zO3DDHy423U

 

 

・「Voler/飛ぶMichel Sardou作詞Jacques Veneruso作曲、2010Michel Sardou(1947- ACICeline Dionがデュオで歌ったヒット。同年のSardouアルバム「Etre une femme 2010/2010年女性であること」に収録

   20121124日のGrand ShowMichel Sardou & Celine Dion 

 https://www.youtube.com/watch?v=IQ29xeVk7tQ

 

 

・「Que je taime/どんなに君を愛していることかGilles Thibaul作詞Jean Renard作曲1969Johnny Hallydayのヒット

  1974Johnny Hallydayhttps://www.youtube.com/watch?v=bUoVTj7etvY

  2013年12月21日のGrand Showで:Johnny Hallyday  Patrick Bruel

https://www.youtube.com/watch?v=XyyAvJwpzJo

 

 

・「Quelque chose de Tennessee/テネシー(・ウイリアムズ)からの何か」Micher Berger作詞作曲、1985Johnny Hallydayのヒット

  1985Johnny Hallydayhttps://www.youtube.com/watch?v=8Sc4Pb7d1Nk

20151128日のGrand ShowJohnny Hallyday  Calogero

 https://www.youtube.com/watch?v=9JTkFwkcdCo

 

 

・「Le java de Broadwayブロードウェイのジャヴァ」Michel Sardou & Pierre Delanoe作詞Jacques Revaux作曲、1977Sardouヒット

1977年Michel Sardouhttps://www.youtube.com/watch?v=_0dsfwKQUpk

 2013年10月13日Grand Showで:Michel Sardou & Patrick Bruel 

https://www.youtube.com/watch?v=Pwv6zDO_3QQ

 

 

・「Laisse mes mains sur tes hanches/(邦題)夢の中に君がいる」Adamo作詞作曲965Adamoのヒット

1966年 Adamohttps://www.youtube.com/watch?v=wsojBME3_14

2015年1月31日Grand Showで:Adamo & Helene Segara(1971- 歌手)

   https://www.youtube.com/watch?v=0mFFQgxZMU4

 

 

・「Ma liberte de penser/考えるという僕の自由」Lionel Forence作詩Pascal Obispo作曲、2003Florent Pagnyのヒット

   2003年Florent Pagnyhttps://www.youtube.com/watch?v=O76kAoSl4OE

2014年5月24日Grand Showで:Florent Pagny & Yanick Noah(1960-歌手・テニス選手)https://www.youtube.com/watch?v=0mFFQgxZMU4

 

 

・「Ce n’est rien/(邦題)時は過ぎて行く」Etienne-Roda-Gil作詞Julien Clerc作曲1971Clercのヒット

  1971Julien Clerchttps://www.youtube.com/watch?v=PwD5yw6P4AI

  2014年11月18日Grand ShowJulien Clerc & Zaz(1980-ACI

 https://www.youtube.com/watch?v=zVp3qJVSG7c

 

 

・「Avec le temps/時の流れに」Leo Ferre作詞作曲、1971Leo Ferre(1916-1993 ACIのヒット。フランス人が好きな曲のアンケートでは常に上位、DalidaCatherine SauvageJane BirkinCeline DionBernard LavilliersHenri SalvadorJuliette GrecoMichel Janaszなど多くの歌手がカバーしている

  1972年Leo Ferrehttps://www.youtube.com/watch?v=vlqykn012ko

  1972年Dalidahttps://www.youtube.com/watch?v=0GhxnKsRcso

  2014年12月20日Grand ShowRoberto Alagna & Maurane(1960-2018 ACI

https://www.youtube.com/watch?v=GlHXczEmv-w

 

 

・「Funiculi, Funicula/フニクリ フニキュラ」:1880年Guiseppe Turco作詩/Luigi Denza作曲 chanson napolitaine

 2014年12月20日Grand Showで:Roberto Alagna & Vincent Niclo(1975-歌手)

    https://www.youtube.com/watch?v=HXDiz0iCXa8

 

 

・「Y’a pas un homme qui soit ne pour caそのために生まれた男はいない」Lionel Florence作詞/Pascal Obispo作詞、2004年Florent Pagnyのヒット

  2014年5月24日Grand Showで:Pascal Obispo & Florent Pagny

 https://www.youtube.com/watch?v=Fcc3yRhd1aY

 

 

・「Chez moi/我が家には」Serge Lama作詞Alice Dona作曲、1974Serge Lamaのヒッ

1974年Serge Lasmahttps://www.youtube.com/watch?v=cBOm2YWplXw(ピアノはDona

2014年3月22日Grand Showで:Serge Lama & Sophia Essaidi(1984-ACI・俳優)

https://www.youtube.com/watch?v=HZb83AMfb3k

 

 

・「Quand j’etais chanteur僕が歌手だった頃Michel Delpech作詞/Roland Vincent作曲、1975年Delpechのヒット

  1975Michel Delpechhttps://www.youtube.com/watch?v=k9yi8X7tOrw

  2016年1月23日Grand ShowJulien Clerc & Patrick Bruel

 https://www.youtube.com/watch?v=Czhmm1e4OnM



     

KCN 1580 2020.8.4

 フランス人がconfinement(外出規制)生活で最も聞いた曲 トップ10 

第一位À nos héros du quotidien
/我らの日々の英雄たちに」 Sopranoソプラノ

         

是非ご覧ください https://www.youtube.com/watch?v=fVuCviFkqNw へのリンク

               (歌詞、大意は下方にあります)

                

約2ヶ月に及んだフランスにおけるconfinement(自宅隔離、外出規制)生活で音楽が

どのような役割を果たしたかなどを問うアンケートが、6月、18歳以上の1006人を対象

に国際的な民間調査機関Yougovによって行なわれた。

アンケートの内容と結果は次のようであった。

 

Q1.Confinement生活を快適に過ごすために音楽は役立ったか? 

  アンケート対象者の68%がouiと回答。

  28%が気持ちを保つために音楽は大切だったと回答。

 
Q2.歌手たちが自宅で行ったコンサートの模様をインターネットにアップしたことは? 

  74%が素晴らしいことだと回答。特に、Mathieu ChedidJean-Louis Aubert

  AngèleFrancis CabrelPatrick Bruelの映像は評判が良かった。
  また23%が
この期間中に今まで知らなかった新しいアーティストに注目したと答えた。

 

当サイトでも、「コロナウイルス禍中のフランス人アーティストたち」のタイトルで、No.1563からNo.1573までの9回に渡り自宅からのコンサートも含めた様々な情報をお伝えいたしました。下記ご紹介のトップ10の内の何曲かも解説、訳詞付きでご紹介しております。トップページ左欄の「今日のシャンソンニュース」,あるいは、「過去の記事を読む」からご覧いただけます。

 

Q3.フランスの音楽産業界の今後については? 

  63%が不安だと回答。  

  Q4.この期間中にどんな曲を聞いた?

   アンケート結果のトップ10を下記にご紹介いたします。

 

<第1位> 

À nos héros du quotidien」(Soprano): 我らの日々の英雄たちに」

(アンケート対象者の16%がこの曲を挙げた)

 

歌詞の大意:僕たちは知り合いではない、でも僕はあなたに「Merci」と言いたかった。あなたはどれほど僕の人生を変えてくれたことか。気付いていないだろうけれど、あなたは僕に奇跡を起こした。自分自身を信じることができず、将来に希望を持っていなかった僕に。僕は何度もすべてを放り出そうとした。僕は闘いに臨む勇気も、運命を変えようと言う意欲も持っていなかった、あなたが現れる日まで。 そう僕を生き返らせたのはあなた。あなたのおかげで僕の情熱に火がついた。 人には誰にも奇跡的な日、奇跡的な瞬間があるもの、一つの言葉で、一つの微笑みで、一つの物語で一つの人生を救うことができるヒーローと出会うことが。そのようなヒーローに僕は言いたかった「Merci」と。 僕たちは知り合いではない、でも僕に多くのことを教えてくれた。あなたの言葉、微笑み、涙は僕の人生を救ってくれた。あなたの闘い方は僕に攻撃に耐えろと教えてくれた。あなたのねばり強さはもう一度立ち直れと教えてくれた。あなたのメダルは僕の子供の頃の夢を生き返らせてくれた。あなたの価値観は何が本当に人間的なのか教えてくれた。あなたは僕に車輪を回わさせた第2の息吹だ。僕はあなたと出会うようにしてくれた運命に感謝する。人には誰にでも奇跡的な日、奇跡的な瞬間があるもの、一つの言葉で、一つの微笑みで、一つの物語で一つの人生を救うことができるヒーローと出会うことが。そのようなヒーローすべてに僕は言いたかった「Merci」と・・。

 
(こちらは、ライヴハウスでの演奏)
https://www.youtube.com/watch?v=P_LK_azvWhA

 

 Soprano、本名Said m’Roumbaba、は1979年生まれ、両親はComores出身、ラップ系歌手・作曲家。グループ活動の後、2007年最初のソロアルバムリリース。2014年リリースの「Cosmopolitanie」がdisque de diamantに。「À nos héros du quotidien」は2018年9月にリリースし、disque de diamantになった「Phœnix」に収録されていた曲で、Covid-19問題が発生する前の2019年10月にはシングルカットされている。

 

 

<第2>

  
Ils sauvent la vie彼らは命を救っている」Jean-Jacques Goldman):15%

   https://www.youtube.com/watch?v=z7BlM6bSmTM

※ 詳細はKCN 1567参照下さい

 

 

<第3位> Résiste抵抗せよ」France Gall)  13%

 

 歌詞の大意:人があなたに方向の決まった生活を押しつけ、あなたが自分自身の道を決めることができないなら、別れを告げようとしている愛のような魂のない音楽で踊るようにし向けられたら、そこには人生が存在しないと気付いたら、毎朝どこに行くか解らずに目覚めるようだったら、抵抗せよ、自分の存在を証明せよ、自分の幸せを探せ、このエゴイストな世間を拒否せよ。 抵抗せよ、心の命ずるところに従え、この世界はあなたにふさわしいものではないから、戦え、主張せよ、固執せよ、抵抗せよ。 少しばかりの幸福のために多くの自由を犠牲にすることなど割に合わない。自分の誤った考えを捨て去れと仕向けられたとしても、そうしたからと言って、人があなたを愛するようになる訳じゃない。もしあなたがこの世に愛など存在しないと気付けば、毎夜自分自身にもう夢を見ないで寝ることに気付けば、抵抗せよ、自分の存在を証明せよ、自分の幸せを探せ、このエゴイストな世間を拒否せよ。抵抗せよ、心の命ずるところに従え、この世界はあなたにふさわしいものではないから、戦え、主張せよ、固執せよ、抵抗せよ。 踊れ、この世の始まりのために、踊れ、恐れを抱いているすべての人のために、踊れ、幸せになる権利を持つ何千という心のために、抵抗せよ、抵抗せよ・・

 

Résiste」1981年 https://www.youtube.com/watch?v=cnX45mdpyC0

Résiste1994https://www.youtube.com/watch?v=fD-9NWXCP74

 

France Gall1947年生まれ、2018年死去の歌手。196316歳でデビュー、1965年のEurovisionで「Poupée de cire, poupée de son/(邦題夢見るシャンソン人形」を歌い優勝。

Résiste」はMichel Berger(1947-1992 ACI作詞作曲、France Gall198111月シングルでリリース、同年12月のアルバム「Tout pour la musiqueすべてを音楽のために」に収録。Gallが主宰し、2015年11月ParisPalais des Sportsから2016年12月のLilleZénithまで、フランス国内、ベルギー、スイスで公演された全曲Michel Bergerの曲で構成されたBergerへのオマージュミュージカル「Résiste」のメインテーマ曲。「Résiste」は1997年公開Alain René監督「On connaît la chanson/(邦題)恋するシャンソン」でも使われている。

 

 

<第4位> The show must go on」(Queen

 https://www.youtube.com/watch?v=e1GW0oWwPRk

 

 Queen1971年結成されたイギリスのロックバンド。「The show must go on」は1991年に発表された。フランスでもヒットし1992年には2週間シングルチャートの2位になった。

The show must go on」(「Fête de la musique 2020」ではAmel BentVitaaGarouPatrick BruelSlimaneAmirが歌っている) 

 

詳細はKCN1572参照下さい。

 

 

<位> On fait comme si人はあたかも・・であるように行動する」(Calogero

On fait comme si https://www.youtube.com/watch?v=wmfRP8rEZuk

・・KCN 1567参照下さい。

   

 

<第6位> J’ai demandé à la lune/月に願った」(Indochine

・・KCN 1576最後段参照下さい。

   

J’ai demande à la lune」(2010年)

https://www.youtube.com/watch?v=LKn7PH-bFQ4

 

<第7位> Pour les gens du secours/命を救う人々のために」(Marc LavoinePascal ObispoFlorent Pagny)・・KCN 1569参照

   「Pour les gens du secours

https://www.youtube.com/watch?v=dgFVXAuUCBY

 

 

 <第8位>T’as voulu voir le salon/君は客間を見たかった」(Les Goguettes

Les Goguettesは2013年に結成された4人組のグループで、過去のヒット曲をパロディー化、ユーモア化してカバーしている。「T’as voulu voir le salon」はJacques Brelの1968年ヒット「Vésoul」のメロディーを借りてCovid-19禍の状況を歌っている。

メンバーのうちValentin(ギターとヴォーカル)とClemence(ピアノ)が登場するclipは4月21日Youtubeにupされ、評判になり2日間で200万回以上再生されたと言われている。

 

VésoulJaques Brel https://www.youtube.com/watch?v=VakkMDarFDQ

T’as voulu voir le salonhttps://www.youtube.com/watch?v=BFOJtRFlY-8

 

歌詞の大意

 君が客間を見たかったので、僕たちは客間を見た。君が寝室を見たかったので、僕たちは寝室を見た。君が押入を見たかったので、僕たちは押入を見た。君が窓を見たかったので、僕たちは窓を見た。君がトイレを見たかったので、僕たちはトイレを見た。僕がバルコニー(balcon)を見たかったので、僕たちはバルコニーを見なかった。そう、それはcon(困ったこと)だ。 僕はArteを見たかったので、僕はChristophe Barbier(1967-ジャーナリスト、解説委員)を見た。僕はRomerを見たかったのでBruneau Le Maire(1969-政治家、Edourard Philippe内閣及びJean Castex内閣の経済・財務大臣)を見た。僕はTwitterを見たかったので、8時間見た。Raoulに賛成か、反対か、正直言うと、僕には解らない。Olivier Veran(1980-政治家Edourard Philippe内閣及びJean Castex内閣の厚生大臣)はAgnes Buzyn(1962-Olivier Veranの前任)より優れているだろうか?、Benjamin Griveau(1977-政治家、Edourard Philippe内閣の政府スポークスマン)は結局どうなるのだろうか。 僕は君に言う月曜の20時にMacronの演説があるが僕は見ないだろう。僕は天井の木ずりを勘定している方がいい、48個も。なんて時間が経つのは速いんだ。 君がMacronを見たいというので僕たちはMacronを見た。今すべてがより明らかになった。何をすべきかが解った。感染しないためには、閉じこもっていなければいけない。そして、外出するためには免疫を持たなければいけない。免疫を持つためには、感染しなければいけない、感染するためには外に出なければいけないCQFECe qu’il fallait démontrer/以上で証明終わり)。 君はマスクをしたいと思う。なのにマスクはない。君に作ってあげようキッチンタイルを使って。 一息つきたかったので食料品を買いに出た。角のところで、警官に見つかった。僕は外出許可証に書いてあった時間に気付かなかった。僕は名誉ある違反切符を受け取った、大変な出費だ。 Macronは言った、家に留まっていなければいけない、団結していなければいけない、国を救うために、そして公的医療機関を救うために、Edouard Philippeの髭の色素沈着を救うために。 君はTVニュースを見たいという、いい考えだ。Xanax(ザナックス:抗不安剤)が効果を発揮するまで最大10分は待っていよう。 国は戦争状態にある、国境をすべて閉鎖した。赤字、景気後退、何百万人の失業者。我々は悪夢の最中にいる。しかしPanthéon広場にはカモがいる、なんて可愛いんだ。それにローストしたら美味しいだろう。 現在のところで、5月11日までは頑張らなければ。この与えられた時間に何をすることができるだろうか。猫は殺してしまったし、子供たちを縛り上げてしまった、CharentonEHPAD(県老人介護施設)の両親に会いたがっていた隣人を告発してしまった。 早く終わるように、刑務所にいるような外出禁止が、本当に。 Macronは言った。古い生活様式は、終わった。最も恵まれていない人々のために予算を出そう。このまま続けていけば9月にはマリファナ付きでHuma(共産党系日刊紙Humanité)祭りを開催できるだろう。午後8時には窓から叫ぼう、重労働に耐えている医療従事者たちを支援するために。去年も同じことをした、憲兵隊に殴られた人々に。今のヒーローたち、僕は彼らに脱帽。

 

 

第9位>Encore et encore/まだまだ」(Francis Cabrel

 Francis Cabrel(1953-ACI)の1985年のヒット。

  「Encore et encoreFrancis Cabrel 

https://www.youtube.com/watch?v=nuNsWa36B3k

 

 

第10位> Et demain?/そして明日は」(Collectif Et demain

  https://www.youtube.com/watch?v=eY803uik2BY

KCN 1571 (2020.5.27) 下記参照下さい。

 

 コロナウイルス禍中のフランス人アーティストたち (その7) 
  
                                   

総勢350人の著名人による歌唱 Et demain ?/そして明日は」

 ~医療従事者への感謝と支援のための募金活動~

 350人の著名人が歌う「Et demain ?/そして明日は?」が2020年4月7日インターネットにupされた。これは、コロナウイル禍中の献身的に働いている医療従事者に感謝し、支援するもので、La Fondation Hopitaux de Paris-Hopitaux de France/パリ病院―フランス病院基金への寄付を慫慂している。

 曲作りはPatrick FioriSopranoSlimaneが中心に行った模様だが、「これは全員の協力作業の成果」ということで作詩、作曲者は明かではない。また、プロデュースは、これだけのメンバーを集めることができるAnne MarcassusLes Enfoiresのプロデューサー)が行ったようだが、それも明らかにされてはいない。

参加者はconfinement(自宅隔離)中に自宅で撮影したヴィデオなどをプロデューサーのもとへ送った。 

<歌詞 大意> 

こうして今、私達はここに集い、人を思いやることの大切さに気付いた。
この戦いは全世界が一つになって挑むべきもの、なぜなら自主隔離に肌の色や宗教は関係ない。

こうして今、私達は彼らに感謝を捧げている。あの英雄たちに。
来る日も来る日も、損得無しに、自分達の命を私達の健康のために捧げてくれている
あの英雄たちに。街の通りで「私達に手を貸して下さい」と叫んでいた彼らに。 

明日、私達は何をすればいいのか。再び初めからやってみよう、人間とはそういうもの。
明日、その鍵を握り主導するのは自分たち。 そう、つまりはそう言う事!


もっと愛し合おう、もっと微笑み会おう、もっと強く抱きしめ合おう、もっと涙を流そう、もっと辛い思いもしよう、そしてもっとこらえてみよう、そしてもっと大きな声で歌おう。ララララララ、こうすれば元気になる、ララララララ。


 こうして今、私達は互いに話しをするようになった、何でもないことをまた楽しむようになった。電話を掛け合いお互いに「Je t’aime。痛い所は無い?」と言葉を交わすになった。 時の流れの中で、人は再発見をする。 その時代を、その教訓を。 

明日、私達は何をすればいいのか。再び初めからやってみよう、人間とはそういうもの。明日、その鍵を握り主導するのは自分たち。  そう、つまりはそういう事!

もっと愛し合おう、もっと微笑み会おう、もっと強く抱きしめ合おう。もっと涙を流そう、もっと辛い思いもしよう、そしてもっとこらえてみよう、そしてもっと大きな声で歌おう。ララララララ、こうすれば元気になる、ララララララ・・

 No.1579 2020.   

KCN 1579

ジジ・ジャンメールZizi Jeanmaire、死去

 



バレリーナ、歌手、女優として活躍したZizi Jeanmaireが2020年7月17日SuisseVaud県、Tolchenazの自宅で死去した。享年96歳。

 

Zizi Jeanmaire、本名 Renee Marcelle Jeanmaire1924Paris14区生まれ、バレリーナ、歌手、俳優。1933Ecole de danse de l’Opera de Parisの練習生に。そこで、バレーダンサー、振付師であったRoland Petit(1924-2011)と知り合う。Petitとは1954年結婚、翌年女児Valentine誕生。Ziziはオペラ座を離れPetit主宰のバレー団に。1949年Petitの演出による現代風バレー「Carmen」で主役を務め、2月21日のロンドンでの初公演、その後のParisNY公演は大いに好評であった。

50年Petit振り付けのバレー「La croqueuse de diamants/ダイアモンドをかじる女」の中でRaymond Queneau作詞、Jean-Michel Damase作曲の同名のシャンソンを歌い、歌手としても注目されるように。

 

歌手としては:

1957年にはAlhambraに出演、「La croqueuse de diamants」、「Paris-Boheme/パリ=ボエム」などを歌い、また、ACI(作詞家、作曲家、歌手)としてデビュー間もなかったGuy Beartの「Il y a plus dun an/もう1年も前のこと」や「Quon est bien/何ていい気分」などを歌い、Beartの売り出しに貢献。

・1957年公開映画「Folies-Bergeere/(邦題)パリの不夜城」にClaudie役で出演「Cacest Paris/サ セ パリ」(を歌う。

・1961年AlhambraでのPetit振り付けのバレー「Mon truc en plumes/羽根飾りのトリック」が大評判になり、そこで歌われた「Mon truc en plumes」(Bernard Dimey作詞/Jean Constantin作曲)はZiziの代表曲に。

・1961年LPZizi Paris」リリース。「Mon Paris/モン パリ」、「Sous les ponts de Paris/パリの橋の下」、「A Paris dans chaque faubourg/パリ祭」、「Paris canaille/パリ カナイユ」、「Sur les quais du vieux Paris/古きパリの岸辺に」、「Paris,je taime...damour/パリ、あなたを愛す」など10曲収録

・1968年Olympiaに出演、「Mon truc en plumes」、「Nous dormirons ensemble/一緒に眠ろう」、「Avec toi c’est autre chose/あなたと一緒なら、それは別のこと」、「Tu a la moitie de ma vie/私の人生の半分はあなたのもの」などを歌う。

その後も、1971年Casino de Paris、1977年Bobino、1995年Paris Zenithなどに出演。

2000年11月Opera Bastilleで最後のコンサート、「Zizi Jeanmaire 2000」、7日から18日まで9回の公演。歌われたのはValentineの作詞による曲「Verser une larme pour Lucifer/ルシフェのために涙を流す」と「Entre rires et chagrin/笑いの心痛の間で作曲はRichard Galliano、「Les feuilles mortes/枯葉原曲は1945Petit振り付けのバレー「Rendez-vous」のためにKosmaが作曲した、「La ie Zizi/ジジの人生」、「D’aventure en aventure/アヴァンテュールを重ねて」、「Elisa/エリザ」、「Nous dormirons ensemble/一緒に眠ろう」、「Qu’on est bien」、「J’suis snob・私はスノッブ」、「Mon truc en plumes」(フィナーレ)、「Le temps des cerisesサクランボの実る頃」アンコール)など24曲。CD2枚組みliveアルバム「Zizi Bastille」を2001年6月27日リリース

2003年にはアルバム「La liberte est une fleur/自由は一つの花」をリリース。これには「Une vie sans toi/あなたのいない人生」など11曲収録

2010年ヒット21曲を収録したCDMon truc en plumes+20 succes/羽根飾りのトリック+ヒット20曲」をリース。これには:「Mon truc en plumes」、「La croqueuse de diamants」、「Quon est bien」、「Irma la douce/優しいイルマ」、「La brave fille/お転婆娘」、「Il y a plus dun an」、「Sur le quai de vieux Paris」、「Paris canaille」、「Paris,je taime damour」、「Paris-Boheme」、「Drole de musique/おかしな音楽」、「Paris canaille」などが収められている

・2015年1月、25曲収録「Les annees music-hall Zizi Jeanmaire vol 1」リリース。

・2018年10月、18曲収録「Les annees music-hall Zizi Jeanmaire vol 2」リリース

 

Zizi Jeanmaireは2003年週刊誌のアンケートに次のように答えている。

 

問:あなたにとって完璧な幸せとは?

答:神の恩寵に浴している状態の時

問:今までの人生で一番幸せだった時は?

答:夫Roland Petitの成功。娘Valentineの誕生。1949年ロンドンにおけるRolandのバレー「Carmen」の上演によって私の夢が実現した時

問:あなたの基本的な性格は?

答:情熱

問:自分の性格で、自慢できないものは?

答:頑固さ

問:男性の性格で好もしいと思うのは?

答:人間性

問:女性では?

答:母性本能

問:最近大笑いしたことは?

答:テレビで現代バレーなるものを見た時

問:最近涙を流したのは?

答:テレビで世界の子供達の悲惨な状況を見た時

問:歴史上の人物で尊敬しているのは?

答:ガンジーとマーテイン・ルーサー・キング

問:好きな作曲家は?

答:モーツアルト、バッハ、ビゼー、ラヴェルそれにデユーク・エリントン

問:好きな男性歌手、女性歌手は?

答:フランク・シナトラとステイング。エデイット・ピアフとテイナ・ターナー

問:好きな作家は?

答:セリーヌ、マルセル・エーメ、レイモン・クノー、ミシエル・トウールニエ

問:好きな映画は?

答:チャップリンの「街の灯」

問:好きな飲み物は?

答:シャンパン

問:好きな料理は?

答:殻つきの半熟卵

問:あなたが持っているものの中で一番大切は?

答:娘と夫

問:あなたの活動の中で最も好きなのは?

答:若者達の進歩を見守ること

問:あなたに寛大な気持ちを与える誤りは?

答:若者の過ち

問:一番恐れていることは?

答:私にとって大切な人を失うこと

問:外見でどこかを変えなければいけないとしたら?

答:私は魂を悪魔に売るなんて事はしない

問:どんな死に方がいいか?

答:絶好調のまま

問:最も残念なことは?

答:人生がなんと速く過ぎていくことか

問:座右の銘は?

答:マリリン・モンロー主演のビリー・ワイルダー監督の最高のコメデイー「お暑いのがお好き」の最後のせりふ「完璧な人なんていない」

 

Zizi Jeanmaireの代表曲:

・「La croqueuse de diamants/ダイアモンドをかじる女」

 1950https://www.youtube.com/watch?v=UWsWSGM2ZE8

 

Cacest Paris/サ セ パリ」1956年 https://www.youtube.com/watch?v=yIAQbo9qXaM

 

Qu’on est si bien/なんて良い気分」

1960年https://www.youtube.com/watch?v=0EYTUpF1CzQ

 

・「Sur les quais du vieux Paris/古きパリの岸辺に」

1961年 https://www.youtube.com/watch?v=J5AYEEXWVoA

 

・「D’aventure en aventure/アヴァンテュールを重ねて」(Serge Lamaのヒット曲)

1967年 https://www.youtube.com/watch?v=k9RN6r_XKyM

 

・「Mon truc en plume羽根飾りのトリック

1971年https://www.youtube.com/watch?v=12uwnjnapvE

 

・「Le temps des cerisesサクランボの実る頃」

1971年 https://www.youtube.com/watch?v=smVdLkb-ckM

 

・「Elisaエリザ」Serge Gainsbourgに提供された

1970年代初めGainsbourghttps://www.youtube.com/watch?v=wnh_3NKncv8

 

Nous dormirons ensemble一緒に眠ろう」(Louis Aragonの詩にJean Ferratが曲を付けたもの、Ferratも歌っている)1982年 https://www.youtube.com/watch?v=ZVUpDar-sLg

 

・「La vie Zizi/ジジの人生」1995年https://www.youtube.com/watch?v=2EXJO0UxFbk

 

Une vie sans toi/あなたのいない人生」

2003年 https://www.youtube.com/watch?v=HMuhuDja60A

                            

 

     

KCN 1578  2020.7.22

 

100 ans des comédies musicalesミュージカル100年 

Les stars chantent pour le SidactionスターたちがSidactionのために歌う

 

    

 

2020年6月25日、TV France2で21:05から2時間半にわたって、「100 ans des comédies musicalesLes stars chantent pour le Sidaction/ミュージカル100年:スターたちがSidactionのために歌う」が、放送された。 これは、今年92才を迎えるシャンソンフランセーズ界の大御所、リーヌ・ルノーが主体となってエイズ患者の救済を目的に設立された協会Sidaction (下記参照)への寄付を慫慂する(勧める)のが主な目的の番組。

 

Sidaction : フランス語のエイズ(sida)と行動(action)を組み合わせた造語

Association de battre contre le sida/エイズと闘うための協会」の略称.

1994年4月に設立。エイズの正しい知識の普及、エイズ治療の研究や患者援助のための寄付金を募集することなどを目的としている。

毎年4月にはキャンペーンを行っているが今年はCovid-19の影響により中止されていた。

この番組も本来はこのキャンペーン期間中に放送予定だったよう。Line Renaud(1928-歌手

女優、レビューのリーダー)は協会の設立に尽力し、副会長を務めている。

 

下記、番組内容紹介の最後に、Line Renaudの感動的なスピーチを掲載しました。
そちらも是非ご覧ください。

  (申し訳ございません。現在、画像は当サイトから直接ご覧頂けないようです。) 

番組の総合司会はLine Renaud、司会はMarie-Sophie Lacarrau(1975-ジャーナリスト、France 2の13時のニュースのキャスター)。番組ではPatrick BruelMaëlleVincent NicloNicole CroisilleChimène BadiBilal HassaniMarina KayeElodie FrégéCarlaArielle DombasleDaniel LéviJulie ZenattiCécilia CaraDamien Sargueなどが世界的にヒットしたミュージカル、「Notre-Dame de Paris」、「New York,New York」、「Roméo et Juliette」、「Moulin Rouge」、「Mozartl’Opéra Rock」、「Cats」、「Hello Dolly」、「Les dix commandements」、 「Starmania」、「Fame」、「Hair」などの中で歌われた曲を歌った。バックのダンスは、ParisParadis LatinMoulin Rougeなどのダンサーたちがつとめた。

 

 

番組では次のような曲が歌われた: 

名曲揃いです!! どうぞごゆっくりお楽しみ下さい


・「New York, New York」(ミュージカル「New York, New York」から)Vincent Niclo

https://www.youtube.com/watch?v=t-m5fk01qO0

 

・「Aimer/愛すること」(「Roméo et Juliette」から)Damin Sargue & Cécilia Cara

 Damien SargueRoméo役で、Cécilla CaraJuliette役でこのミュージカルに出演している。

https://www.youtube.com/watch?v=r4vp3A236V0

 

Lady MarmaladeMoulin Rouge」からAnggun 

https://www.youtube.com/watch?v=pnFlYnEXCMI

 

・「Le monde est stone/世界は石(「StarmaniaからMaëlle

https://www.youtube.com/watch?v=HQ8UO8URZAE

 

・「Memory」(「Cats」から)Chimène Badi

https://www.youtube.com/watch?v=Slb1IYQ8-bw

 

・「Vivre/生きること」(「Notr-Dame-de-Paris」から)Julie Zenatti

  Julie ZenattiFleur-de-Lys役でこのミュージカルに出演している。

https://www.youtube.com/watch?v=ZIwwt_ainCE

 

・「Hello Dolly」(「Hello Dolly」から) Nicole Croisille

https://www.youtube.com/watch?v=_A99PduPdWM

 

・「Fame」(「Fame」から)Carla、ダンスはTeam Spotlight

https://www.youtube.com/watch?v=WYeCa1VGLdc

 

・「L’envie d’aimer/愛する思い」(「Les Dix commandements/十戒」から)Daniel Lévi

  Daniel LéviMoïse役でこのミュージカルに出演している。

https://www.youtube.com/watch?v=fhze_Jz7bic

 

番組では他に、Céline DionIsabelle Boulayなどが過去のTV番組などでミュージカルの中の曲を歌っている映像なども流された。

 

・「Monopolis/モノポリス(「Starmania」から)Isabelle Boulay(2019年4月Sidactionで)

https://www.youtube.com/watch?v=T4oPlzs2Qso

 

・「Ziggy/ジギー」(「Starmania」から)Céline Dion(2007年France Gallと)

https://www.youtube.com/watch?v=JfB7Ia87XUc

 

・「Belle/美しい人」(「Notr-Dame-de-Paris」から)GarouDaniel LavoiePatric Fiori

  GarouQuasimode役で、Daniel LavoiFrollo役で、Patrick FioriPhœbus役でこのミュージカルに出演している。

https://www.youtube.com/watch?v=Dm8N4qj0Q38

 

・「Laisson entrer le soleil/光を入れよう」(「Hair」から)Julien Clerc

  Julien ClercClaude Bukowski役でこのミュージカルに出演している。

https://www.youtube.com/watch?v=l5sfoS1r1_4

 

 

番組では各出演者は司会者Lacarrauとのインタビューで各々がSidactionへの寄付を慫慂。

Line Renaudは番組の途中でファッションデザイナーJean-Paul GautierSidactionの親善大使を委嘱。また、フランスでは現在HIV感染者173000人、毎年6000人ほどが新しく感染していると言われている状況をふまえ、最後に次のよう挨拶をした。この挨拶は感動的なものであったと評判になった。

 

Line Renaudのスピーチ>

・・今夜私たちは歌い、踊り、私たちの闘いに輝きを添えました。しかし事態が極めて緊急であることを忘れないで下さい。マラソンを走っている時、最後の数メートルが一番大変です。息苦しくなり、くじけそうな気持ちになります。私たちは今そのような最後の局面にいます。力が尽きそうになります。しかし尊い火を持ち続け、より先に進み、今まで35年間待っていた勝利に到達することは私たちに課せられた使命です、私たち全員に課せられた。 私はゴールラインに立っているでしょうか、勝利の日を迎えることができるでしょうか?私には分かりません、でも私は恐れてはいません。私は皆さん方を頼りにしています。リレーで繋いでくれることを、私が生涯続けた闘いを引き継いで、皆さん方が皆さん方の闘いをしてくれることを。団結しましょう、手を繋いで、心を一つにして。110番に電話して寄付をして下さい。110番に電話して・・

 

KCN1577  2020,7,7 

KCN 1577  2020.7.7 

Fête de la musique 2020

Tous ensemble pour la musique/みんな一緒に音楽のために」 F2で放送 

 

 

毎年6月21日(夏至の日)フランス各地で開催される「Fête de la musique/音楽の祭典」の催しの一つとして、6月19日Paris AccordHotels Arena(8,Bd. De Bercy 12区)で、
Tous ensemble pour la musique/みんな一緒に音楽のために」コンサートが行われた。
この模様はF2で21時から3時間にわたって放送された。

 

まずは、最初に歌われたこの歌をお聞きください。

Amel BentVitaaGarouSlimanePatrick BruelAmirによる

Queenのヒット曲「The show must go on」 https://www.youtube.com/watch?v=e1GW0oWwPRk

 

新型コロナ禍以来、観客を入れてのコンサートはヨーロッパではこれが初めて。当初は無観客の予定であったが、企画の最終段階で観客を入れることが決められた。

会場Arenaの責任者は 「6月14日のMacron大統領声明により、Parisを含むIle de France地域圏も流行危険度の最も低い『緑色』地区になった。このコンサートをアート活動再開の強力なシンボルとしたい」と語った。

感染予防のため、最大20000人収容可能な会場であるが入場者は2000人に限定し、入場者のグループ毎にdistanciation socialesocial distancingを確保し、観客、スタッフにはマスクの着用を義務づける、アルコール消毒器を至る所に配置する、飲み物、食べ物の持ち込み禁止などの対策をとった。

 

司会はLaury Thilleman(1991-TV司会者、20011年のMiss France)とGarou(1972-Canada出身の歌手)。

Garou 「再出発した。仕事がまた始まった。素晴らしいこと!」。出演者は一様に「こんなに早く観客の皆様の前で歌えるとは思ってみなかった。非常に嬉しい!」。番組では実況中継のほか17、18日に録画された映像、国外の歌手から提供された映像も使用された。ステージ後方には多くの観客を集めたコンサートに於ける観客の様子が写されていた。

 

出演したのはスイス、カナダ、ベルギーなどから参加した歌手も含め44人:Patrick Bruel
Catherine RingerClaudio CapéoBenjamin BiolayYannick NoahChristine and the QueensVitaaSlimaneKendji GiracPascal ObispoThomas DutroncAmirTom LeebRomeo Elvis(ベルギーから)、Adamo(ベルギーから)、Loïc Notte(ベルギーから)、Boulevard des AirsLes FranginesCarlaAntoine ElieAliose(スイスから)、DadjuBénabarClara LucianiHoshiAmel BentSoolkingNinhoLous and Yakuza(ベルギーから)、LEJHaticBDACrystal MurraySuzaneThe Black Eyed Peas(アメリカから)、Stnig(イギリスから)、Shaggy(イギリスから)、TryoPierre Lapointe(カナダから)など。

 

歌われた曲は68曲。

最初に歌われたのはAmel BentVitaaGarouSlimanePatrick BruelAmirによる Queenのヒット曲「The show must go on」 https://www.youtube.com/watch?v=e1GW0oWwPRk

 

その他主な曲は次の通り(本稿初登場の歌手には簡単な経歴を付けました):

Vous permettez, Monsieur/ちょっと失礼、ムッシュー」:AdamoBruxellesから)&BénabarAccordHotels Arenaから)https://www.youtube.com/watch?v=JayQFn-lLwU

 

・「Les uns contre les autres/一方対他方」:Pierre LapointeMontréalから)&GarouAccordHotels Arena)からhttps://www.youtube.com/watch?v=ksOlWmCmwjk

 

・「Mon alliée(The best in me)僕の仲間」:Tom Leeb https://www.youtube.com/watch?v=8htZpmyOM9o

 Tom Leebは1989年Paris生まれの俳優・歌手。Covid-19禍のため中止になった2020年のEurovisionにフランス代表として、この曲で出場することになっていた。

 

・「Bim Bam Toi/ビン バン トワCarla https://www.youtube.com/watch?v=x0XBscOnuNk https://www.youtube.com/watch?v=i4BtyPKyufU

 

  Carla(本名Carla Lazzari)は2005年Nice生まれの歌手。TVTF1の子供対象のど自慢番組The Voice Kidsの2018年第5シーズンに出場4位。2019年10月11日シングル「Bin Bam Toi」をリリース。2019年11月24日ポーランドで行われたConcours Eurovision Juniorにフランス代表として出場「Bin Bam Toi」を歌い5位。「Bin Bam Toi」はTF1の「La chanson de l’année 2020」にノミネートされた。番組の中で動画がTikTokで100万回以上再生されたことを表する盾が贈られた。

 

・「Donnez-moi私に下さい」&「Ensemble/一緒に」:Les Frangines https://www.youtube.com/watch?v=1pART2MRinA

 

Les Frangines(姉妹の意)2004Anne CosteJacinthe Madelinが結成した女性デュオ。自作をYouTubeに投稿するなどして人気に。最初のヒットはVianneyの協力を得て2019年3月にシングルリリースしたDonnez-moi」で、「La chanson de l’année 2020」の候補になっていた。2019年6月リリースのファーストアルバム「Les Frangines」はdisque d’orに。

 

・「AngelShaggy(イギリスから) and Sting(イギリスからhttps://www.youtube.com/watch?v=R0mehdnr_6Y

 

・「Tous les divorcés/離婚したすべて人々」:Bénabar https://www.youtube.com/watch?v=rZBffmJs6do

 

・「Encore tempsまだ時間が」Yannick Noah https://www.youtube.com/watch?v=-G_QyExsAoA

 

・「Tous les deux/二人とも」:LEJLucie,Elisa & Juliette) https://www.youtube.com/watch?v=xt-XY8bQm84

 

Toute la musique que j’aime僕が好きなすべての音楽」Marieマリー」いずれもJohnny Hallydayのヒット曲):Garou Kendji Girac  Greg Zlaoハーモニカ)&Laury Thilleman  https://www.youtube.com/watch?v=uJ3L2c3MBJc

 

・「La fête/祭典」:Amir https://www.youtube.com/watch?v=0xR5UXf4bLQ

 

・「Habibi/(アラビア語)愛する人」:Kendji Girac https://www.youtube.com/watch?v=K6Tk-Zy_S60

 
KCN1576  2020.6.30   

KCN 1576   2020.6.30

La chanson de l’année 2020   2020年 今年のシャンソン

Palais Royal にて無観客で開催  
Vitaa et Slimane ヴィタア&スリマンヌ 
Avant toi/あなたの前には」 が選ばれる



 
        
                             Palais Royal (画像は下記でご紹介)


La chanson de l’année2020 / 2020年今年のシャンソン」はVitaa et Slimane
Avant toi」が選ばれた。


La chanson de l’annee」はTVTF1が2004年から決定している音楽賞。過去1年間に発表された楽曲から予め候補曲を選定、受賞曲の発表会の模様を中継放送し、視聴者の投票により受賞曲を決定する。2020年の発表会は6月12日(金)ParisPalais-Royalの「La cour d’honneur/中庭広場」の特設ステージで、無観客で行われた。発表会の会場は2015年から2019年まではNimesArenes、2020年はToulousePlace du Capitoleが予定されていたが、Covid-19の感染状況などを考慮して変更され、また、cofinementモードでの開催になった。その模様は午後9時から3時間にわたりTVTF1で放送された。放送の中で見られる高さの異なる白黒ストライブ模様の円柱は1986年にPalais-Royalの中庭広場に置かれたもので、Daniel Burenの作品、269本ある。またシルバーの球体が集まった噴水はPaul Buryの作。

今回も司会はNikos Aliagasで、2011年以降連続して務めている。視聴者は放送開始と同時に投票することができた。


Avant toiVitaa et Slimane 
 https://www.youtube.com/watch?v=Dk5qwUdBfD0


<歌詞大意>

Slimane)誰かの面影も、色彩も、物語も、お祭りも、心も、微笑みもなかった。
Vitaa et Slimane)分かっている、世界は上手く回っていなかった。言葉はあったけれど、音楽はなかった。愛も、情熱も定められているもの、決められているもの、それが人生。 あなたの前には、私には何もなかった、誰も道を示してくれなかった。あなたをじっと見つめていても天の神様は許してくれる。
オーオーオー 
Vitaa)家も、幸せも、笑いも、涙もなかった、私はここでたった一人だった。
Vitaa et Slimane)分かっている、世界は上手く回っていなかった。言葉はあったけれど、音楽はなかった。分かっている、愛は定められているもの、決められているもの、それが人生。 あなたの前には、私には何もなかった、誰も道を示してくれなかった。あなたをじっと見つめていても天の神様は許してくれる。
オーオーオー あなたの前には、私には何もなかった、誰も道を示してくれなかった。オーオーオー・・


2020年のは候補曲は:

Ma s?ur/私が姉」(Clara Luciani)、「Avant toi」(Vitaa et Slimane)、「Ma jolie/僕の可愛い人」(Claudio Capeo)、「Retourner la-bas/あそこに戻る」(Jean-Bapsite Guegan)、「Facile/容易な」(Camelia Jordana)、「N’attendons pas/待つのはよそう」(Vianney)、「Amour censure/愛の検閲」(Hoshi)、「Comment est ta peine/君の痛みはどう」(Benjamin Biolay)、「Je danse encore/僕はまだ踊る」(Balal Hassini)、「Bobo au c?ur/気持ちはボボ」(Dadju)、「Bim Bam Toi/ビン バン トワ」(Carla)など16曲。

La chanson de l’annee 2020」に選ばれたのはVitaa et Slimaneの「Avant toi」で、次点はHassaniJe danse encore」であった。

会場の様子及び上位2曲は次の通り:

会場Palais-Royalの「La cour d’honneur 司会者が視聴者に挨拶
https://www.youtube.com/watch?v=6wyOnWlxeUw

Avant toiVitaa et Slimane https://www.youtube.com/watch?v=Dk5qwUdBfD0

Je danse encoreBalal Hassani  https://www.youtube.com/watch?v=Kn25rRqcRb8

他に比較的評判が良かったのは:

Ma jolieClaudio Capeo https://www.youtube.com/watch?v=Qt-mv5M1_Kc

Amour censureHoshi https://www.youtube.com/watch?v=_Zch9Rqdy2Q

 

また、Patrick BruelIndochineYannick NoahBoulevard des AirsAmel BentPascal Obispoなどがゲストとして招かれた。

その中で、IndochineJ’ai demande a la lune/月に願った」(Nicolas Sirkisのソロ)及び新曲「Nos celebrations/僕たちの祝宴」を歌い、2021年に結成40周年を迎えることから特別賞を受けた。

 J’ai demandé à la lune/月に願った」https://www.youtube.com/watch?v=B3RdhdhjBAc

KCN1575  2020.6.22   
KCN 1575  2020.6.22

オランピア劇場Olympia、無観客コンサート TV放映
    「Ensemble à l’Olympia
 

       20200527-ENSEMBLE A L'OLYMPIA-dehors


TV放送日の6月9日Olympiaの正面入り口の上の有名な赤い電光掲示による催しものの告

知はいつもと同じように。ただしその下にある正面の入り口は閉ざされまま。

 2020年5月12日以降フランスではconfinement(自宅隔離、外出規制)は徐々にDéconfinement(外出規制解除)されている。ParisOlympiaは2020年3月10日から閉鎖されていたが、完全再開の前段階として無観客のconfinementモードによるコンサート「Ensemble à l’Olympia/オランピアで共に」が行われ6月9日(火)TVC8で放送された。

Paris Olympia28,Bd. des Capucines e 所在のla mythique salle de concert伝説的なミュージックホール、最大収容人員1996人。1893年ミュージックホールとして開館。一時映画館となり、また第2次大戦後はアメリカ軍に占拠されたこともあったが1954年ミュージックホールとして再出発。1993年周辺の再開発のため取り壊しの危機に直面した。当時の文化大臣Jacques Langやアーティストたちの抗議が実り、現状を保ちつつ改装されることになった。そして1997年11月Gilbert Bécaudが出演して改装されたホールの柿落としが行われた。新型コロナウイルス渦中は閉鎖されている。コンサート「Ensemble à l‘Olympia」はEmmaüs France/エマウス フランス(注)の資金集めの為に行われたもので、放送のキャッチは「皆様はまだOlympiaに来ることはできません。それでOlympiaの方から皆さんの許へ参ります」。

(注)Emmaüs France:1949年Abbé Pierreピエール神父によって設立されたホームレス支援のためのNGO団体

出演の呼びかけにボランティアで応じた歌手は、Benjamin BiolayPatrick BruelBoulvard des AirsClaudio CapéoCamélia JordanaThomas Dutronc、グループTryoCatherine RingerBilal HassaniSelah SueVitaa et SlimaneHoshiNinhoなど20人あまり。無観客のコンサートはOlympia史上初めて。録画撮りは5月27、28日に渡って行われたよう。Olympia内部では完全に感染防止対策がなされていて、建物の裏側にあるアーティスト専用口から入った出演者たちは、他の出演者と顔を合わせることなくそれぞれの控え室へ入ることが可能であった。録画技師を始めスタッフ全員がマスク着用、歌手たちも歌う直前まで着用していたよう。歌手と伴奏ミュージシャンとの間、あるいは出演デュオ、グループでは各メンバーの間にはdistanciation socialesocial distancingが保たれていた。出演者が使うマイクも消毒して、出演者名が書かれたファスナー付きのプラスチック・バックに収められていた。出演者の多くはすでにOlympia出演の経験がある。そこで、出演者は通常のステージだけではなく、Olympiaの内部のお気に入りの場所、歌うことなど想像できなかった場所、で歌うように勧められた。その結果、ステージの他、客席、バーMarylin、ラウンジ、歌手の控え室、館内の通路、2階バルコン席などで歌った歌手もいた。

               

番組の中で歌われた中から数曲をご紹介いたします。。

HérosヒローたちPatrick Bruel 
https://www.youtube.com/watch?v=2qMFZfgObCQ

Allez reste/さあ じっとして」Boulvard des Airs https://www.youtube.com/watch?v=gtG8enTrdE0

Lettre à une femme/ある婦人への手紙Ninho https://www.youtube.com/watch?v=j9L2x2Tohjg

Plus je t’embrasse/君を抱くほどに 」Thomas Dutronc https://www.youtube.com/watch?v=Qop5GebKt-Q

C’est une chanson/これは1曲のシャンソン」Claudio Capéo https://www.youtube.com/watch?v=9yBjLtpAUTM

Facile容易なCamélia Jordana 
https://www.youtube.com/watch?v=lKEk4m7K2uo

Olympiaの完全な再開は現在未定のようだが、9月以降12月まで次のような日程が組まれている。

Brigitte Fontaine
1011Lara Fabian

10月25日Frédéric François「50 ans de carrière/芸歴50年」、

10月30日Benjamin Biolay

11月11日Lynda Lemay

11月20、21日Jeannne Mas

11月23、30日Pomme

12月4日Isabelle Boulay

12月11~17日Yannick Noah

 No.1574 2020.6.15   

KCN  1574  2020.6.15

 



ジャン=ルー・ダバデイー Jean-Loup Dabadie、死去
 

       

多くの著名な歌手達に詩を提供、Académie Françaiseの会員でもあったJean-Loup Dabadie
2020年5月24日ParisPitié-Salpêtière病院で死去、享年81歳。Dabadieは1938年9月27日Paris 14区生まれの新聞記者、小説家、作詞家、劇作家、翻訳家、脚本家。2008年4月からAcadémie Françaiseの会員。 

 

1960年代後半から作詞家として多くの歌手に詩を提供、30人以上の歌手に都合300曲以上を提供している。その主なものは:Marcel Amont(「L’école/学校」1976年)、BarbaraMarie-Chenevance/マリ=シュネヴァンス」1971年)、Serge Reggiai(「Le petit garçon/少年」1967年、「LItalien/イタリア人」1971年)、Régine(「L'accident/事故」1969年、「Moi mes histoires/私の物語」1978年)、Michel Polnareff(「Tous les bateau,tous les oiseaux/渚の想い出」1969年、「Holidays/愛の休日」1972年、「Lettre à France/フランスへの手紙:(邦題)哀しみのエトランジェ」1977年、「On ira tous au paradis/天国への道」1972年)、Mireille Mathieu(「Pour toi/あなたのために」1970年、「C’était dimanche/日曜日のことだった」1972年)、Claude François(「Je danse/僕は踊る」1971年)、Jean Gabin(「Maintenant je sais/いま、私には分かる」74年)、Julien Clerc(「Ma préférence/僕の好みの人」1979年、「Lassassin assassiné/殺された殺人者」1980年、「Femmes,je vous aime/女性たちよ、あなた方を愛します」1982年。Dabadieは1976年から2011年までClercにはこれらを含め30曲近くを提供している)、Yves Montand(「Laddition/青春の決算」1980年、「Valentin/ヴァランタン」1991年)、Michel Sardou(「Chanteur de jazz/ジャズ歌手」1985年、「Tous les bateaux s'envolent/すべての船が飛んで行く」1987年)など。

 作詞家としては、2000年にはSACEMGrand Prix de la chanson françaiseParoier)/シャンソン フランセーズ大賞(作詞家)、また、長年の功績に対して2009年VdMで特別賞を受賞している。

 脚本家としては22本の映画の脚本を担当。その主なものは;「Les choses de la vie/(邦題)すぎ去りし日の・・」(1970年、Claude Sautet監督、Romy ShcneiderHélène役)、Michel PiccoliPierre役)主演、テーマ音楽には歌詞が付けられ「La chanson d’Hélène/エレーヌのシャンソン」に)、「Une belle fille comme moi/私のように美しい娘」(1972年、François Truffaut監督、Bernadette LafontAndré Dussollier主演)、「César et Rosalie/夕なぎ」(1972年、Claude Sautet監督、Romy SchneiderYves Montand主演)、「Le sauvage/うず潮」(1975年、Jean-Paul Pappeneau監督、Yves MontandCatherine Deneuve主演)、「Une histoire simple/ありふれた愛のストーリー」(1978年、Claude Sautet監督、Romy SchneiderClaude Brasseur主演)、「Garçon/ギャルソン」(1983年、Claude Sautet監督、Yves MontandNicole Garcia主演)。 

脚本家としての長年の功績に対して1983年Académie FrançaiseGrand Prix du cinéma/映画大賞を受賞している。

 Dabadieは2008年4月Académie Françaiseの会員に選ばれた。2009年3月12日に行われた歓迎式典には家族の他Julien Clercも参列。Dabadieは「私一人でAcadémie Françaiseの会員になれたのではない。私の作品を演じてくれた人たち、歌ってくれた人たちと共に会員になった。私のシャンソンの、私のシナリオの主人公たちと共に会員になった。シャンソンとか映画という鋭敏な感覚を持つ一般大衆の芸術が不滅の40人(Académie Françaiseの会員の尊称)と言われる人々の中で一つの地位を得たことは大きな誇りだ」。

なお、子息のFlorent Dabadie(1974-)は1998年~2002年サッカー日本代表監督Philippe Troussierのアシスタント、通訳を務めた後、パーソナリテイ、キャスターとして活躍している。

 

Dabadieの作詩による代表曲5曲>

 1.「Le petit garçon/少年」
    (1967年 Dabadie作詩/Jacques Datin作曲 /Serge Reggiani歌)

「最初に書いたシャンソンのことよく覚えている。『Le Petit garçon』です。ある金曜日の朝電話が鳴った。『もしもし、こちらSerge Reggiani。あなたの脚本を読んだところです。Barbaraが火曜日にBobinoに出演するが、前座で歌ったらと勧めてくれました。曲が必要です。Gilbert Bécaudの周りには優秀な作詞家がいますが、私にはいません。やってみる気はありませんか?』、『主人公は?』、『妻に逃げられた男』、『内容は?』、『その男は、子供にどのように接したらいいか解らないでいる』などなど。早速作った。急いだので韻が揃っていないところもあり、詩作を学んだ私としては不満だった。しかし、翌日に曲を付けてくれたJaccques Datinは『Ça va, ça va/大丈夫、大丈夫』と言ってくれた。そのころ私にはまだ子供がいなかった。だからこの曲は自伝ではない。もっとも私の曲はすべて自伝ではない」。 

Le petit garçonSerge Reggiani https://www.youtube.com/watch?v=KxgCIL26A00

歌詞の大意・・息子よ、私の子、私の愛する者よ、今夜は雨、お前は本当に彼女に似ている、何かして遊ぼうか、ここにいるのは二人だけ。 今夜彼女はもう帰ってこない、私に分かっているのはそれだけ、きっと明日には彼女からの手紙が届くだろう、庭にも雨が降っている、私は悲しくはない、ここにいるのは二人だけ。 どんないきさつだったかは分かっている、私の思い出にも雨が降っている、今夜は少しばかり寒い、昔はあった、愛し合っていた二人の物語が。お前にも分かる時が来るだろう、出ていかないで、私を置いておかないで。 息子よ、私の子、私の愛する者よ、お前は本当に彼女に似ている、ここにいるのは、この広い部屋にいるのは二人だけ。戦争ごっこでもして遊ぼうか、今夜彼女は戻ってこない、それ以上のことは分からない、もう何もやることはない、遊ぶこと以外には、二人だけで。 どんないきさつだったかは分かっている、昔はあった、愛し合っていた二人の物語が。よくお聞き、彼女はもういない、そうもういない、泣かないで・・

 

2・「Lettre à France/フランスへの手紙:(邦題)悲しみのエトランジェ」  
 (1977年 Dabadie作詞/Michel Polnareff作曲/Polnareff歌)

Michel Pornareffは税務当局との確執のためアメリカへ渡った。フランスとフランス政府に不満を持って。1977年彼は2つの曲を私に送ってきて詩を付けるようにと依頼してきた。そのうち1曲はノスタルジーやメランコリーに溢れた素晴らしい曲だった。私はPolnasreffが拒否するだろうと思ったが、フランスへの思いを歌った詩を付けて彼の許へ送った。反応は全くなかった。2ヶ月ほど経った日曜日の夜ラジオで司会者が『Polnareffの新曲をお送りします』と紹介して1つの曲を流した。私は私の詩が歌われているのを聞いた。一語一句違わず私が書いたものだった。私たちはこの曲について話題にしたことはない」。

・1977年 oficial video https://www.youtube.com/watch?v=bezCQOdVVcA

・2007年 34年振りに帰国、7月14日、エッフェル塔の元、Champs de Marsで行われた「Fraternité/友愛」コンサートにて  https://www.youtube.com/watch?v=WbC2pV9s8Kw 


歌詞の大意・・
かつて君と僕がいた。決してそれを忘れないで、君と僕がいたことを。君から遠く離れて以来、僕は自分自身からも遠く離れてしまったよう。言葉には出さないけれど、君のことを思っている。君は僕から6時間のところにいるけれど、何年もの距離を感じる。そう、こっちにいると言うことはそう言うこと。・・違いは僕の心の底に時々現れるこの静けさ・・たまたま新聞に載っている君の写真を見ると、君は相変わらず水辺で生きている。僕の方は君から遠く離れて、電気仕掛けの空想上のジュークボックスの中に生きている。僕は幻想の中で生きている。・・違いは僕の心の底に時々現れるこの静けさ・・君はいつも一番美しいという訳じゃない、僕は君に不誠実なまま、でも誰が僕たちの思い出が将来どうなるか語ることができようか。そう、声に出して言わないけれど、僕は時々君が恋しくなる。恋とはそう言うもの。かつて君と僕がいた。決してそれを忘れないで、君と僕がいたことを。君から遠く離れて以来、僕は自分自身からも遠く離れてしまったよう。そして、僕はこちらで君のことを思っている、時々君が恋しくなる。声に出して言わないけれど、僕は君のことを思っている・・・・・密かに・・

 

3.「Maintenant, je sais/いま、私には分かる」

(1974年 Dabadie作詩/Harry Philip Green作曲/Jean Gabin歌)

Harry Philip Green(1911-1982 イギリスの作曲家)作詞/作曲、Noel Purcell(1900-1985 アイルランドの俳優・歌手)による1973年の「But now I know」にDabadieがフランス語の詩を付けたもの。「最初のレコーデイングの日、Jean Gabin(1904-1976 俳優・歌手)は歌うことができなかった。彼は私に言った『不可能です。私は病気です。この証明書を見て下さい』。彼は主治医からの手紙を見せてくれた。それには『Monsieur Gabinは病気のため、現在彼の職業上の義務を履行できる状況にはありません』。Gabinは他人の仕事に敬意を払う人、数日後(1974年7月6日又は7日、Disque BagatelleStudio 10)の録音ではtake-oneokだった」。

 

Maintenant, je sais」 Jean Gabin https://www.youtube.com/watch?v=orDR4JA91F4

 歌詞の大意・・
まだガキで、背も低かった頃、一人前に見せようと、声高に言ったもの「分かってる、分かってるって」。 駆け出しの頃で人生の春を謳歌している18歳になったときにはこう言ったものだった「分かってる、これでよし、今度は分かった」。 そして今過去を振り返る頃になって、自分が散々歩き回った地球を眺めても、地球がどのように回っているか、相変わらず分からないまま。 
25歳近くになって私は全てが分かっていた。恋愛、バラ、人生、金銭。そう、恋愛についてはそれまでに全てのことをやった。幸いなことに、仲間の連中同様、自分に与えられたパンを全て食べてしまったわけではなかった。
 人生の半ばにあって、私は更に学んだ。私が学んだことは、3つか4つの言葉で言える。「誰かに愛されている日々、それは素晴らしい」。それ以上うまくは言えない、「本当に素晴らしい」。 人生の秋を迎えている私が、人生で驚くこと、それは悲しい夕べはいくつあっても忘れてしまうけれど、愛に満たされた朝は一つとして忘れることはないということ。 若い頃はずっと、分かっていると言いたかった。けれども探せば探すほど、分からなくなった。  時計が60の時を告げるとき、私は相変わらず窓辺に寄り添って、外を眺め、自分に言い聞かせる。 いま、私には分かる。人は決して分かることがないと言うことが。人生、愛、バラ、金銭、人はそれらが出す物音も、色合いも、決して分かることはない。それが、私が分かっていることの全て。そう、それが私には分かる・・

 

4.「Ma préférence/僕の好みの人」

(1978年 Dabadie作詩/Julien Clerc作曲/Clerc歌)

Julienがピアノで後に『Ma préférence』になる曲のメロデイーを弾いていた。彼のメロデイーは毛糸玉のようにどこまでも続くようだった。私はそれに魅了された。しかしそれを聞いてもテーマも、言葉も浮かんでこなかった。この二つの言葉『Ma』と『préférence』を見つけるのに数ヶ月かかった。そうこうしているうちにSerge Reggianiから作詞の依頼があった。忙しい時だったので、彼には断りの手紙を書いた。『親愛なるSerge、もちろん時間ができたら君の方にすぐ取りかかるよ、君はma préférenceだから』。少ししてこの言葉が私の頭に再び浮かんできた。Julienと私とはこのシャンソンの『鍵』となる人物Miou-Miou(注)について話題にすることはなかった」。

(注)Miou-Miou(本名Sylvette Herry 1950-俳優)・・1976年3月公開されたJean-Pierre Blanc監督映画「D’amour et d’eau fraïche/愛と冷たい水」で共演したMiou-MiouClercは1975年夏、映画の撮影時に相思相愛の仲に。Miou-Miouは当時パートナーであった映画俳優Patrick Dewaere(1947-1982)と別れてClercの許へ。Dewareが当時フランスでは人気俳優であったこともあってMiou-MiouClercの行動は当時のフランス大衆には快く思われなかった。Miou-MiouClercの仲は1981年まで続き、1978年女児Jeanne Herryが誕生している。「Ma préférence」は世間の非難に対するClercの回答だと言われている。

 

Ma préférenceJulien Clerc https://www.youtube.com/watch?v=1hjPwWfvXh4

 

歌詞の大意 ・・僕には分かっている、彼女が僕の許に来た経緯は多くの人には気に入らないものだと。彼女と僕の周囲ではそのことを話す人は誰もいない。でも彼女は僕の好みの人、僕の。 僕には分かっている、彼女のあの「我関せず」という態度は彼女が自分の身を守るためのものがけれど、人々は侮辱されたと感じる。彼女が陶器(faïence)のような僕の友人たちと一緒にいる時、僕には彼女が落ち込んでいる(défaillance)のがよく分かる。 僕には分かっている、人々は僕が彼女のありのままの姿を支持しているとは思っていない。そして彼女のことをもう過去形で語っている。でも彼女は僕の好みの人、僕の。 信じてくれ、僕だけが分かっている、彼女が寒いと感じるとき、彼女の視線は僕だけに向いている。偶然にも、彼女は僕の優柔不断が好きで、僕は彼女の孤独が好き。彼女は僕の好みの人。僕には分かっている、彼女が僕の許に来た経緯は多くの人には気に入らないものだと。彼女と僕の周囲ではそのことを話す人は誰もいない。でも彼女は僕にとって幸運の女神。僕の好みの人、僕の・・

  

5.「La chanson d'Hélène/エレーヌのシャンソン」

(1970年 Dabadie作詩/Philippe Sarde作曲/Romy Schneider & Michel Piccoli歌)

「この詩は映画『Les hoses de la vie』が公開された(1970年3月13日)少し前に書かれたもの。映画のシナリオは、最初Annie GirardotYves Montandを念頭に書かれたものだった。しかし断られた。私は基本的には映画音楽に詩を付けることは好きではなかった。映画の評判を借りたものは単に稼ぐための手段、商売道具になってしまうから。しかしこれはSautet監督に説得され、しかもRomy Schneiderが歌ってくれるというので。録音の日、まだフランス語がおぼつかなかったSchneiderのためにスタジオの外で、フランス語の歌詞を、口を大きく開け彼女に示した」。

 

La chanson d’HélèneRomy Schneider Michel Piccoli https://www.youtube.com/watch?v=nVdKQQDEGtE

 

歌詞の大意・・(Hélène)今宵9月私は部屋を閉めた、そこにはもう日の光は入ってこない。あなたはもう私を愛していない。一羽の鳥が上空を通り過ぎる、まるで墓碑のように、空に書かれた。 (Pierre)僕は君をどれほど愛していたことか。僕たちは別れなければいけない。飛行機は我々なしで飛び立つだろう、僕はもう君を愛する術を知らない。 (Hélène)以前この家で二人が生活していた頃が懐かしい、子供が描いた絵の中のような生活が。あなたはもう私を愛していない、鏡の中に日が落ちて行く、それが私の人生。 (Pierre)こうなる方がいい、あれは友情ではなく愛だった。思い出を変えよう、もう君に手紙を書くこともないだろう。 (Hélène)この物語には続きはない、私は本を閉じた、日の光はもう入ってこない。あなたはもう私を愛していない・・

     

 KCN 1573  2020.6.11 

 コロナウイルス禍中のフランス人アーティストたち (その9)

Enrico MaciasエンリコマシアスとVianneyヴィアネがCovid―19に感染、
その後回復
  

 ・エンリコ・マスアスEnrico Macias(1938-ACI)

Enrino Masiasが2020年5月8日TVに出演、Covid-19に感染し、回復したと語った。

5月8日ニュース専門のTVCnewsの「L’heure des pros」に自宅から出演したMaciasCovid-19の感染に関し次のように語った。「私は今世の中を騒がせているCovid-19に感染した。私の症状は一般に報道されているものと異なっていた。発熱はなく、咳も出なかった。しかし腹部に激しい痛みがあった。MRI検査で肺にCovid-19がいることが明らかになった。幸運なことに入院することはなく、孫とconfinement生活を送ったParisの自宅で療養した。治療は2週間続いた。医師は私に、名前は忘れたが、抗ウイルス剤を投与、ウイルスは姿を消した。血液検査の結果、現在、問題はなく、医師も完全に回復したといっている。治療に当たってくれた医師たちに感謝している。今私はCovid-19に感染し、回復することのなかったChristopheなど多くの人々に思いをはせている」。

Enrino Masias 略歴>
本名Gaston Ghrenassia、はAlgérie、Constantine生まれ、教師をやった後アラブ音楽マルーフ名人Raymondの伴奏チームに入る。61年妻(Raymondの娘)を伴ってParis郊外に。生活のためカフェやキャバレでギター演奏や歌っていたところ、Pathe社の目にとまり、62年フランスへの船の中で作った「Adieu mon pays/さらばふるさと」を録音した。同年10月にはアルジェリアからの移住者にスポットを当てたTV番組に出演して歌うなどしてこの曲がヒットした。64年には前座で、65年にはvedetteでオランピア出演している。日本公演は1967年から10数回のわたっていて、1968年にはNYCarnegie Hallでの公演があり、エジプトなどの海外公演も多い。80年11月には国連事務総長は「Chanteur de la paix/平和の歌手」の称号を授けた。2008年に夫人を失う不幸に見舞われたが、2012年9月7~9日デビュー50周年記念コンサートをParisOlympiaで行い、11月には過去のヒット曲を他の歌手とデュオで歌う記念アルバム「Venez,tous les amis/友だちよ、皆きて」を出している。2019年1月31日最新アルバム「Enrico Macias & Al Orchestra」を出している。

Un berger vient de tomber牧者は倒れた涙のベルジェ」(1978年暗殺されたエジプトサダト大統領に捧げられている)1995年Olympia       https://www.youtube.com/watch?v=yxVoTw4ZDIU   ⇐是非お聞きください!

Maciasに関して2020年6月6日次のような報道があった。

Maciasは5月28日住居近くのParis Grand Boulevards地区を散歩中激しく転倒して、救急車で病院に搬送された。検査の結果大腿骨を骨折していて全身麻酔で緊急手術を受けた。リハビリもあり回復にはかなりの時間を要する模様。Maciasは9月から国内、カナダ、イスラエル、スイスでの公演の予定されている。
Paris登場は2021年1月8、9、10日のOlympia



・ヴィアネVianney(1991-ACI

Vianneyが2020年5月5日新聞紙上のインタビューでCovid-19に感染し、回復したと語った。

Vianneyは5月5日、Le Parisien紙とのインタビューで活動再開とCovid-19の感染し関して次のように語った。「Covid-19に感染した。高熱が出て、激しい咳が出て、いくつかの合併症が出た。症状は2週間続いた。しかし入院する必要はなかった。ごくsoftなものだったようだ。それに私が若かったためだろう。重大な症状ではなかった。回復してからは、今秋リリース予定の3枚目のアルバムのために朝の7~8時から夜の19~21時まで自宅のスタジオに籠もった。活動中止の間録音スタジオを改造して音が隣家に漏れないようにした。5月7日にシングル『N’attendons pas/待つのはよそう』をリリースする。『N’attendons pas』はもう2年前に作った曲でconfinementの前に録音した。今秋にリリースが予定されている3枚目のアルバムに収録されることになっている」。

<Vianney 略歴>
Vianney(本名Vianney Bureau)はPau生まれ、2014年10月20日ファーストアルバム「Idées blanches/実効のない考え」をリリースしている。16万枚の売上げで、2015年SACEMFrancis Lemarque賞(最優秀新人賞)、RFMParisMatch作詞家大賞新人賞、2016年のVdMで男性歌手賞を受賞している。2016年セカンドアルバムは「Vianney」だった。日本デビューアルバムは2017年9月13日発売の「君へのラヴソング/Idées blanches」だった。同年2回の来日している。2019年1月からしばらくの間休息したいと活動を休止していた。

N’attendons pas」2020.5.17 https://www.youtube.com/watch?v=8dMsEFa0HT0

 


他に、Olivia Ruizも感染していたのではないかという報道もあった。

・オリヴィア・ルイーズOlivia Ruiz(1980-ACI、俳優)

Olivia Ruizが5月30日新聞紙上でCovid-19に感染したようだが、回復したと語った。

Olivia Ruiz、本名Olivia Blanc、1980年1月1日、ピレネー山脈東北部Carcassonnne近郊生まれの、Marseilleで育ったACI、女優。VTF1のスター誕生番組「Star Academy」の第1シーズン(2002年)に出場、優勝はしなかったが注目され、Universal社と契約。2005年のリリースしたセカンドアルバム「La femme chocolat/チョコレート女」は100万枚以上売上げの大ヒットで、2007年Globes de Cristalの最優秀女性歌手賞及びVdM女性歌手賞とステージ賞を受賞している。2009年リリースのアルバムの「Miss Météores/ミス 流星」も「Elle panique/彼女はパニックてる」、「Les crêpes aux champigons/シャンピニオン クレープ」などを収め40万枚以上売り上げて好評で、2010年Globes de Cristal(同賞)及びVdM女性歌手賞を受賞している。2012年のアルバム「La Calme et la Tempete/凪と嵐」では3度目のGlobes de Cristal(同賞)を受賞している。2020年6月3日には最初の小説「La Commode aux tiroirs de couleurs/彩色の引き出し付き整理ダンス」を刊行した。

5月31日付けJounal du Dimanche紙によると、Ruizはこの小説の刊行についてのインタビューで、自身がCovid-19に感染したのではないかと次のように語った。「私は自分自身ではCovid-19に感染したのではないかと思う。医者はそうは診断しなかったけれど。頭痛と胃腸炎と喉頭炎で、10日間あまりは全く衰弱した状態だった。Aude地方の両親宅の近くで、一人で療養した。8週間閉じこもって。でも、両親に会うことはなかった。両親を危険にさらすことはできないので」。

La emme chocolat2007VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=KmVgeGjgHrU

KCN1572  2020.6.7   

 KCN 1572    2020.6.7

新型コロナウイルス禍中のフランス人アーティストたち(その8)           

    

     Adamo          Jane Birkin         Gilvert Montagné

今までご紹介しました歌手たちの他にも多くの歌手が、医療従事者への感謝を表し、あるいはconfinement(自主隔離)中の人々を鼓舞するため、自宅で歌っている映像などをインターネットにアップしています。

今回は皆さまよくご存じのアダモAdamo と ジェーンバーキンJane Birkin、そして今回初めてご紹介します盲目のシンガーソングライター(ACI) Gilbert Montagnéの情報をお知らせ致します。

 Gilbert Montagné は、超未熟児で生まれた自身の体験、医療従事者への感謝の思いを語り、彼らの立場からのメッセージとして今回の歌を提供しています。
・・・皆さんが愛と友情をもって我々を助けてれくれたなら、きっと勝つことができるでしょう、家にいて用心して下さい。Solidarité(連帯)を・・・ (試訳 下記に)
呼びかけに応じた多くの医療従事者がネット配信で参加しています。
是非お聞き下さい!ご覧ください!
元気が出ます(管理人、個人的推薦)


 

アダモAdamo(1943-ACI

Adamoが2020年5月5日アップしたのは「Les anges de l’ombre/隠れた天使たち」。

アダモの言葉 「この曲は2004年私が長期間の入院から回復した時に、治療に携わってくれた人々に感謝の念を込めて作ったもの。今までに一回しか歌っていない。回復した後のThéâtre Royal de Monsのコンサートで。私の歌手としてのキャリアは1960年にこの劇場から始まった。今日私はこの曲を、confinementの最中にあって英雄的に、生命を賭けて職務に当たっている医療従事者全員に捧げたい。そして、いつも私のシャンソンを聞いてくれている人々には感謝の気持ちを」

Adamo195912Radio-LuxembpurgThéâtre Royal de Mons(ベルギーMons市)で行った歌謡コンクールで自作の「Si j'osaisもし打ち明けたら」で優勝。 2004年5月28日にはParisTV番組のリハーサル中に脳出血で倒れ、8月6日までParis及びBruxellesの病院に入院。

Les anges de l’ombre」 https://www.youtube.com/watch?v=xip_ZglAYa0

 

・ジェーン・バーキンJane Birkin(1946-歌手)と640人のコーラス

Jane Birkinと640人のコーラスが2020年5月9日にupしたのは「La Javanaise/ラ ジャヴァネーズ」。これはconfinement生活を余儀なくされている人々を元気づけようとRadio Franceの合唱隊養成教室などが企画したもの。Radio FranceThéâtre du ChâteletFrance Musiqueの協力を得て、Birkinが自宅で歌う「La Javanaise」のバックをつとめ、ソプラノ、アルト、テノール、バスで歌うアマチュアのテレワークコーラス隊を募集。ヴィデオによる3600件以上の応募があった。そのうち640人が選ばれ、Radio Franceのスタジオで編集され、バックコーラスとしてLise Borelの編曲による「La Javanaise」をBirkinと共に歌った。「La Javanaise」は1963年Serges Gainsbourg作詞・作曲、GainsbourgJuliette Grécoが歌ってヒット。Birkinは2002年リリースのアルバム「Arabesque」に収録。

La javanaiseJane Birkin & 640人のバックコーラス  https://www.youtube.com/watch?v=b7BYmWXT7Fw

 

・ジルベール・モンタニェGirbert Montagné(1951-盲目のACI)と医療従事者たち

Gilbert Montagnéと医療従事者たちが2020年4月30日にアップしたのは「Si vous nous aidez/皆さんが我々を助けてくれたら」。

Montagné
の言葉 「少し前にピアノを弾いていてこのメロディーが浮かんだ。人々をまとめ上げるのに良いメロディーだと感じた。そして医療従事者たちを前面に出すようなものにしたいと考えた。これらのヒローに、毎日自分たちを信じて、英雄的な働きを行っている医療従事者たちに、力を与えるような詩をと、Didier Barbelivien(1954-ACI)に依頼した。その結果、医療従事者たちに歌ってもらうのに良い曲が出来上がった。きっと人々も医療従事者たちの声を聞きたいだろう。Mansから、Parisから、Réunionから、フランス国内各地から、医療従事者90人余のボランティアからclip用の映像が届いた。参加者の多くは、困難な毎日を送っている中で歌うことは楽しかったと言ってくれた。私は超未熟児(誕生時の体重は950gの由、その治療が原因で盲目になったよう)として生まれたので医療従事者への感謝の念は人一倍強い」。この曲に係る収入はすべてFondation des Hôpitaux de Paris,Hôpitaux de Franceに寄付される。

Si vous nous aidezclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=nP1kmM_ik8w

歌詞の大意・・それは終息するだろう、終息するだろう。好きな通りへ出ることもできるようになるだろう、それは終息するだろう、終息するだろう。楽しい日々が再びやって来るだろう、夏の夕べが来るだろう、張り切って仕事に出掛けることができるようになるだろう。毎日が休日、毎日が日曜日ということも終わるだろう。最後にはきっと勝つことができるだろう。皆さんが我々を助けてれくれたら、愛と友情で。すべては可能、希望を持つことができる、このいまいましい時も過ぎ去るだろう、皆さんがそれを望めば。 家にいて、用心して下さい、そうすれば抜け出すことができます、請け合います。「連帯」と言うだけでいい、皆さんが我々を助けてくれたら。 それは終息するだろう、終息するだろう。青い海を、麦畑を再び見ることができるだろう。それは終息するだろう、終息するだろう。愛し合うため腕の中で抱き合うこともできるだろう。張り切って仕事に出掛けることができるようになるだろう。毎日が休日、毎日が日曜日ということも終わるだろう。最後にはきっと勝つことができるだろう。皆さんが我々を助けてれくれたら、愛と友情で。すべては可能、希望を持つことができる、このいまいましい時も過ぎ去るだろう、皆さんがそれを望めば。 家にいて、用心して下さい、そうすれば抜け出すことができます、請け合います。「連帯」と言うだけでいい、皆さんが我々を助けてくれたら。愛と友情で。すべてが可能になる、皆さんが我々を助けてくれたら・・

 

 KCN1571 2020.5.27 

KCN  1571 2020.5.27

 コロナウイルス禍中のフランス人アーティストたち (その7) 
  
                                   

総勢350人の著名人による歌唱 Et demain ?/そして明日は」

 ~医療従事者への感謝と支援のための募金活動~

 350人の著名人が歌う「Et demain ?/そして明日は?」が2020年4月7日インターネットにupされた。これは、コロナウイル禍中の献身的に働いている医療従事者に感謝し、支援するもので、La Fondation Hopitaux de Paris-Hopitaux de France/パリ病院―フランス病院基金への寄付を慫慂している。

 曲作りはPatrick FioriSopranoSlimaneが中心に行った模様だが、「これは全員の協力作業の成果」ということで作詩、作曲者は明かではない。また、プロデュースは、これだけのメンバーを集めることができるAnne MarcassusLes Enfoiresのプロデューサー)が行ったようだが、それも明らかにされてはいない。

参加者はconfinement(自宅隔離)中に自宅で撮影したヴィデオなどをプロデューサーのもとへ送った。 

Et demain? そして明日は clip officiel https://www.youtube.com/watch?v=eY803uik2BY


<歌詞 大意> 

こうして今、私達はここに集い、人を思いやることの大切さに気付いた。
この戦いは全世界が一つになって挑むべきもの、なぜなら自主隔離に肌の色や宗教は関係ない。

こうして今、私達は彼らに感謝を捧げている。あの英雄たちに。
来る日も来る日も、損得無しに、自分達の命を私達の健康のために捧げてくれている
あの英雄たちに。街の通りで「私達に手を貸して下さい」と叫んでいた彼らに。 

明日、私達は何をすればいいのか。再び初めからやってみよう、人間とはそういうもの。
明日、その鍵を握り主導するのは自分たち。 そう、つまりはそう言う事!


もっと愛し合おう、もっと微笑み会おう、もっと強く抱きしめ合おう、もっと涙を流そう、もっと辛い思いもしよう、そしてもっとこらえてみよう、そしてもっと大きな声で歌おう。ララララララ、こうすれば元気になる、ララララララ。


 こうして今、私達は互いに話しをするようになった、何でもないことをまた楽しむようになった。電話を掛け合いお互いに「Je t’aime。痛い所は無い?」と言葉を交わすになった。 時の流れの中で、人は再発見をする。 その時代を、その教訓を。 

明日、私達は何をすればいいのか。再び初めからやってみよう、人間とはそういうもの。明日、その鍵を握り主導するのは自分たち。  そう、つまりはそういう事!

もっと愛し合おう、もっと微笑み会おう、もっと強く抱きしめ合おう。もっと涙を流そう、もっと辛い思いもしよう、そしてもっとこらえてみよう、そしてもっと大きな声で歌おう。ララララララ、こうすれば元気になる、ララララララ・・

 

 

<参加している歌手>

Patrick FioriSopranoSlimaneVitaaBigflo et Oli AmirAmel Bent Zazie Le Grand Corps Malade Liane Foly GimsChristophe Willem Jean-Baptiste Guegan Nolwenn LeroyLara FabianLine RenaudKendji GiracJean-Louis AubertChristophe MaeFlorent PagnyBaniamin BiorayRapfaelVianneyRoseCaudio CapeoLorent VoulzySerge LamaBilal HassaniStephan EicherKeen VShy’mClaire KeimHoshiBlack MLorieJulVincent NicloAlice DonaCatherine RangerEddy de PrettoThomas DutroncM.PokoraPatrick BruelJulien Clerc Jean-Jacques Goldman。(clipの中で見つけることができた歌手たちです。漏れ、誤りがあったら失礼。新聞などでは他にChimene BadiPatricia KaasCharlotte Gainsboursが参加しているとの報道があるが確認できなかった)

他に:Sophie Marceau(俳優)、Johnny Depp(俳優)Omar Sy(俳優)、Zinedine Zidane(サッカー選手・レアル・マドリッドの監督)、Muriel Robin(俳優)、 Kad Merad(俳優)、 Didier Deschamps(サッカー選手・フランス代表監督)、NaguiTV司会者)、 Karine Le Marchand,TV司会者)、Gerard Darmon(俳優) Yvan Attal(俳優・映画監督)、 Guillaume Canet(俳優・映画監督、プロデューサー)、 Jean Reno(俳優)、 Anne-Sophie LapixFrance2ニュースのメインキャスター)、 Gilles BouleauTF1ニュースのメインキャスター)、Dany Boon(俳優)Monica Belucci(モデル・俳優)、Kev Adams(俳優・ユーモリスト)、Martin Fourcade(スキーバイアスロン選手、オリンピック金メダリスト)、Michel DurckerTV司会者)、Marc-Olivier FogielTV司会者)、Nicolas CantelouoTV司会者、ユーモリスト)、Jean Dujardin(俳優、映画監督、プロデューサー)、Lillian Thuram(サッカー選手)、Fabian Barthez(サッカー選手)、Richard Anconia(俳優)、Cyril HanounaTV司会者)、Bob SinclarDJ)など。(こちらは新聞記事などによった)

 

 
     
No.1570  2020.5.23

コロナウイルス禍中の歌手たち (その6)



バネッサ・パラディVanessa Paradis(1972-歌手、俳優)


歌手として、また女優としても活躍するVanessa Paradis(略歴は下部に記載)

2020年3月26日インターネットを通じて医療従事者への敬意を表す

自作の曲を披露した。


 ParadisSamuel Benchetritと共に医療従事者への讃歌「Merci pour

tout
すべてにありがとう」を作詞作曲、
3月26日Benchetritのギター

伴奏で、自宅寝室から歌っている様子をインターネットにアップした。

 最初に「今日は!ちょっとした曲を作りました。休むことなく私たちや、私たちの家族の治療に当たっている皆さんに感謝の意を表すために。いつも皆さんのことを思い、心から感謝しています」と語った後歌った。 

歌詞の大意>
あなた方に私が今まで持ち続けていた愛情をすべて捧げます。
多くの痛みを治療しているあなた方に。私は安全なところにいます。
そして皆さんのことを思っています。終わりの見えない皆さんの暗い
日々の中に我々の生命が係っています。あなた方のおかげで。 
あなた方の生活は愛撫とはほど遠い眠らぬ夜の中にあります。
すべてにありがとう、すべてにありがとう。 
我々に示してくれるあなた方の気品に、拍手を送ります、あなた方に。
あなた方の英知が我々を助けてくれるでしょう。何ものにも屈しない
あなた方の心の中に、我々の命があります。あなた方のおかげで、
我々の命があります。あなた方の人生は偉大です。
すべてにありがとう、ありがとう!

 Merci pour tout
https://www.youtube.com/watch?v=BL0tqZZh1N4

Paradisは4月22日にはTVTF1の番組「Quotidien」にも自宅寝室から出演。自身のconfinement生活の様子を語った。それによればParadisSamuel Benchetrit及び2人の子供とconfinement生活を送っている。子供たちは通常はアメリカで生活しているが、Covid-19による出入国禁止処置の前にフランスに来ていた由。「confinementにも良いとことがあるとすれば、愛している人たちと一緒に過ごせることかしら。それに12㎡に10人も詰め込まれているわけではないし」。4月9日には長男の誕生日を祝った。「大きな買い物もできず、客も招待できなかったが、手作りのプレゼントを作り、お祝いの曲を作り、素晴らしい誕生祝いだった」。「毎日の生活では、家事もするし、買い物も、洗濯もする。ケーキ、特にチョコラケーキ、バナナケーキを作る。秋の各地のフェスティヴァル出演の準備もしている。confinement生活でよく聞いている曲はWendy & Lisaの「Always in my dream」)、愛読書はHaruki Murakami著『Kafka sur le rivage/海辺のカフカ』(Corinne Atlan訳)、はまっているゲームは『Time’s up et jeu de cartesTime’s upカードゲーム』、飲んでいるのは赤ワインとpiconビール」。 

 ところで、4月22日の映像ばかりでなく、「Merci pour tout」を歌っている3月26日の映像も寝室からのものであった。この映像でも明らかなように、寝室はスパースターの寝室とは思えない、室内装飾の単純さ、真っ白な壁に額が1枚という、に困惑させられた視聴者もいて物議を。「古い公団住宅やビジネスホテルの一室のようだ」、「刑務所のよう。看守が見回りに来るんじゃないの」などの意見もあったが、「質素さに感動した。もし宮殿のようなところからの映像だったら非難囂々だっただろう」。いずれにしてもスターは常に批評の的にされるもののよう。

 

Vanessa Paradis略歴>

Vanessa Paradis19721222日パリの南の郊外Saint-Maur-des-Fosses生まれ、14歳で出した「Joe le taxiタクシー運転手ジョー夢みるジョー」は世界中で300万枚以上売上げた。90年にはJan-Claude Brisseau監督の映画「Noce Blanche/白い婚礼」に出演しPrix Romy Schneiderロミー・シュナイダー賞とCésarの新人女優賞を受賞するなど、女優としても活躍。 2007年9月Mの全面的な協力を得てリリースしたアルバム「Divinidylle/神々しき純愛は60万枚以上売り上げたと言われる。これにより08年のVdMで女性歌手賞とアルバム賞を受賞。2013年5月アルバム「Love songs」をリリース。これによりVdMで女性歌手賞受賞。これはParadis7個目のvictoire、女性歌手で最多。2012年6月それまで10年以上にわたってパートナーであったJohhny Deppと別れ。この間に1999年5月27日長女Lily-Rose、2002年4月9日長男Jach John誕生。2018年6月Samuel Benchetrit(1973年生まれの作家、映画監督、演出家、俳優)と結婚。同年11月Benchetritの協力も得て7枚目のスタジオ録音アルバム「Les sources/泉」をリリースしている

 「Love songs」アルバム「Love songs」から2016年

https://www.youtube.com/watch?v=L0nTSyMai7c 

........................................................ 

訃報追記> KCN №1565で Christopheの訃報をお伝えしましたが、 その後の葬儀の情報をお伝えします。

Christopheの葬儀は死後3週間経った5月7日Paris Montparnasse墓地で執り行われた。

Christopheは4月16日Brestの病院で死去、娘のLucieは臨終に立ち会えなかったよう。Christopheは好きだったLou Reedの「Perfect day」とDavid Bowieの「Heroes」を聞きながら永遠の眠りについたよう。家族のコミュニケによると、葬儀は5月7日16時から内輪で行われ、参列したのは未亡人、娘、兄(又は弟)、姪、マネージャーのみ。アーティストは誰も参列しなかった。遺体はChristopheが生前に住んでいた場所(Bd.MontparnasseParis14区)からほど近い、Montparnasse墓地に埋葬された。

KCN1563   2020.5.16  
KCN  1569  2020年5月16日
 

コロナウイルス禍中のフランス人アーティスト達(その5)     
非常に困難な状況下、多くの歌手達が、献身的な活動を続ける医療従事者への感謝と連帯、称賛の思いを込めて、其々のシャンソンをSNSを通じて発信しています。
今回は下記3人による共作をご紹介します。

  

 Parisconfinement(自宅隔離)生活を送っているパスカル・オビスポPascal Obispo、アメリカMiamiで送っているフロラン・パニFlorent PagnyフランスNormandie地方で送っているマルク・ラヴォアンヌMarc Lavoineの3人が、4月3日からインターネットでclip officiel発信した。曲は「Pour les gens de secours」(命を救う人々のために、Lavoine作詩Obispo作曲。歌っている3人の映像はそれぞれがconfinementを送っている住居から、病院での映像はParis Hopital Pompidouなどで撮影されたもの。収益はFederation Hospitalierre de Franceなどに寄付される。

  歌詞の大意
・・毎日、時間に関係なく、治療に当たっている人々に、生命を救っている人々に、カウントダウンを止めようと救急車を動かしている人々に捧げる愛のシャンソン。治療に当たっている人々に捧げる愛のシャンソン。治療に当たっている人々に、新しい春が来るように、違った未来が来るように、あなた方に贈りたい、愛のシャンソンを。  明日には我々は元気になるだろう、そして思い出すだろう、治療に当たった人々を、あなた方を。治療に当たっている人々に捧げる愛のシャンソン・・

 Pour les gens de secours 命を救う人々のために
   clip
 officie
   
https://www.youtube.com/watch?v=dgFVXAuUCBY


 <歌手略歴>

パスカル・オビスポPascal Obispo(1965-ACI)
Pascal Obispo
西フランスAquitaine地方Dordogne県、Bergerac生まれのACI1995年に作詞家Lionel Florence(1958-)と知り合い、コンビを組み、数々のヒットを。1996年アルバム「Superflu/余分なもの」は「Lucie」(FlorenceObispo)など収録。150万枚以上売り上げObispoの最大のヒットに。1998年シングル「Sa raison dêtre/彼女の存在理由」はFlorenceObispoコンビによる「Sidaction/エイズのために行動を」のために作った曲で40人余りの歌手が参加した。2010年に上演されたミュージカル「Les dix commandements/十戒」(詩Florence、曲Obispo)の中で歌われた「Lenvie daimer/愛するという欲望」はVdMでシャンソン賞。最新アルバムは2018年10月リリースの「Obispo」。黄金の指を持つと言われているObispoは他の多くの歌手にヒット曲を提供している。

Lucie」2013年 
https://www.youtube.com/watch?v=-1WIPLbH17E

フロラン・パニーFlorent Pagny(1961-歌手・俳優)
Florent Pagnyは1961年ブルゴーニュ地方Chalon-sur-Saône生まれ、TV・映画俳優から1987年歌手に。同年のリリースの最初のレコード「N’importe quoi何でも」が100万枚以上の売上げで、1988VdM新人男性歌手賞。1998年VdM男性歌手賞を受賞。。定期的にリリースしているアルバムはいずれも好評。最新アルバムは2019年6月7日リリースの「Aime la vie/人生を愛せ」。


  「N’importe quoi」1987年  https://www.youtube.com/watch?v=dCVLOBF9VQs

マルク・ラヴォインヌ Marc Lavoine(1962-ACI・俳優)
Marc Lavoine
1962Parisの南Essonne県生まれのACI、俳優。1985年「Elle a des yeux revolver彼女の瞳は拳銃のよう」が最初にヒット。1996年「C'est ça la Franceこれがフランス」でVdMヴィデオクリップ賞。2018年5月12枚目のスタジオ録音アルバムとなるJe reviens à toi/君の元に帰る」をリリースしている。

    「Elle a des yeux revolver1985      https://www.youtube.com/watch?v=u2ISDjqz188

No.1568   2020.5.12  
No.1568  2020.5.12
 
 コロナウイルス禍中の歌手たち (その4)


 17人の少年少女たちによる 
L’envie d’aimer/愛する思い」 

 https://www.youtube.com/watch?v=pgTe_gixlGQ 

 新型コロナウイルス(Covid-19)の蔓延、confinement(自宅隔離)という 非常に困難な状況の中で、2020年3月に音楽家Cyrille Bonneauによって提唱された音楽活動 Collectif Confiné自宅隔離の仲間達?)、その一環として、13歳から20歳までの17人の少年少女達が、連帯と医療従事者への感謝の思いを込めて、2000年のミュージカル 「Dix commandements/十戒」の中で歌われた「L’envie d’aimer/ 愛する思い」を歌っている。(この曲は日本では平原綾香が「Blessing 祝福」のタイトルで歌唱)
 今回、メンバー全員がそれぞれのパートを歌唱する形で構成、SNSで発信している。
 
 映像では、まずこの企画の協力者である、Daniel Leviが登場、このプロジェクトを紹介した。Leviは上記ミュージカルのフィナーレで、同曲を創唱  下記添付URL参照下さい )

 「皆さん今日は!Daniel Leviです。皆さんに10数人の子供たちのイニシアティヴによる夢のようなプロジェクトに  ついてお話しします。このプロジェクトは、現在私達の為に英雄的な活動を行っているすべての医療従事者の方々を讃え、勇気づけようとするものです。どうぞ皆さんも是非参加して下さい。
Les hopitaux de
 France(
フランス病院財団) への寄付をお願いします。それが現在の喫緊の課題です。何故私がここに登場したかというと、少年少女たちが 私が歌ったこの曲を選んだからです。私はこの曲によって、今の災禍が姿を消し、光が再び差すように願っていま す。この困難な時に我々はお互いに『L’envie d’aimer』を与え合いましょう」

  最初に歌ったのは、この企画のイニシアティヴを取ったLaura Dutileul、彼女を含め、メンバーの殆どは新人歌手 コンクールや各地ののど自慢大会で活躍、TV番組にも出演している若手実力派達。

  
 L’envie d’aimer」 歌詞の大意
(大意です。「十戒」原曲とも 上記の子供達の歌唱とも 多少違っています)
 

 ・・愛、それはとても簡単なこと、可能なこと、それに耳を傾ける人には、
周囲に目を向けている人には、心からそれを望んでいる人には。
愛、それを信じることは 特別なことでは無い、でも、愛は 全て
愛は人がいつも欲し、追い求める価値のあるもの。
愛は与え合うもの、それが分かった時、 愛は私達に与えてくれる 
もっと愛したいという強い思いを

私達にかかっている、これからの道は

人生はとても短く、とてももろい、時の後を追いかけても何も与えてはくれない。
今宵にも求めよう、私達の道を。
愛は与え合うもの それが分かった時、 愛は私達に与えてくれる 
もっと愛したいという強い思いを

私達にかかっている、これからの道は

  
                                  
ミュージカル「Dix commandements 十戒」で「モーセ」の役を演じた Daniel Levi 
(上記 このプロジェクトの紹介者)がエンディングで  出演者全員と共に歌った
 バージョン「L’envie d’aimer 
劇場版

https://www.youtube.com/watch?v=x_RfKO34Xj8    

こちらも是非お聞きください

(管理人,の感想  あのトレーナ、野球帽の優しい語りのおじさんが本当にこのモーセを演じたオペラ歌手?
 包まれるような愛を感じる・・・とにかくすごく感動!!)
 

 No.1567  2020.5.7  KCN 1567   2020.5.7

新型コロナウイルス禍中の歌手たち(その3)                    

フランスにおけるconfinement(自宅隔離)は5月11日まで。 歌手たちは、それぞれの方法で、confinement中の人々を鼓舞し、あるいは、医療従事者などへの連帯を示す活動を行っている。

 
1. 
ジャンージャック・ゴールドマンJean-Jacques Goldman(1951-ACI

 Jean-Jacques Goldmanは2020年3月23日医療従事者への敬意と連帯を示すため「Ils sauvent des vies/彼らは命を救っている」をインターネットで配信

 Goldman 略歴 Goldman1951Paris生まれのACI、音楽プロデューサー。グループ活動後79年からソロ。81年の「Il suffira dun signe/一つの兆候で十分」、82年「Quand la musique est bonne/音楽が良ければ」、84年「Envole-moi/僕を飛び立たせて」などが大ヒット。86年VdMで男性歌手賞。 プロデューサーとしては、ほぼ全曲作詞作曲したCéine Dionの95年アルバム「Deux/彼らについて」は、フランス国内で440万枚売り上げるなど、フランス語で歌われたアルバムの歴代最多売上げだと言われている。2001年11月、現在までのところ最新となるアルバム「Chansons pour les pieds/足(ダンス)のためのシャンソン」をリリース。同年10月に再婚した夫人との間の3人の女児との生活を大事にしたいと2004年無期限の活動休止を宣言、夫人の出身地Marseilleに転居、さらに2017年からはロンドンに移住。特別の場合を除きステージに立つことはない。ただし、作詞作曲は続けていて、活動休止を宣言後も多くの歌手にヒット曲を提供している。Goldmanは毎年行われるLe top 50 des personnalités重要人物50人」アンケートで2013年から2019年まで、2016年の2位を除き、1位。

 

そのGoldmanが2020年3月23日、「医療従事者及びCovid―19蔓延の中で活動している人々に、疲労と恐怖心を忘れて活動を続けている人々に敬意を表するため」沈黙を破った。Goldmanは1987年のヒット「Il changeait la vie/彼は生活を変えた」の歌詞を変えた「Ils sauvent des vies/彼らは命を救っている」をインターネットで配信。

 

歌詞の大意・・父親や母親である医師たち、担架係、治療補助者、看護師、彼らは皆自宅に閉じこもっていることもできる。しかし彼らはそうはしない、彼らは疲労と恐怖と時間を忘れて、議論や理論とは遠く離れたところで、すべての時間と、能力と、気力を捧げて、感謝されることを期待することもなく、命を救っている。 レジ係、ゴミ収集人、工員、長距離ドライバー、郵便配達人、農民、彼らはやろうと思えば引っ込んでいることもできる。しかし彼らは自分たちにできる役割があると考えて、疲労と恐怖と時間を忘れて、議論や理論とは遠く離れたところで、すべての時間と、能力と、気力を捧げて、感謝されることを期待することもなく、毎日彼らの職務を果たしている。 彼らは我々の命を救っている。ありがとう、ありがとう・・。ありがとう、パン屋、政治家、搭乗員、鉄道員、軍隊、救急隊員、タクシードライバー。 研究者たちは見つけ出すだろう、それまでは我々の協力が必要。用心深くしよう、誇りを持とう・・

「Ils sauvent des vies/彼らは命を救っている」
 
https://www.youtube.com/watch?v=LZWfsIY5WK4 

(元の曲)「Il changeait la vie」 彼は人生を変えた 1988年 https://www.youtube.com/watch?v=vxmYOZCnB5w


 


2.
カロジェロCalogero(1971-ACI

Calogero202021日医療従事者への敬意と連帯を示すため「On fait comme si人はあたかも・・であるように行動する」をインターネットて配信した。 

Calogero略歴Calogero本名Calogero Maurici、は1971Grenoble郊外Echirolles生まれACI。8090年代グループで活躍。その後ソロに。2002年のセカンドアルバム「Calogero」でVdM男性歌手賞受賞。04年のアルバム「3」に収録された「Si seulement je pouvais lui manquer/僕がいなくて彼が寂しがってくれたら、それだけでいい」(両親が離婚し母親と暮らしている男の子が主人公)でVMシャンソン賞を受賞。12年にはStanislasPhilippe Uminskiらとグループ「Circus」を結成。後に、ソロ活動を復活、2014disque de diamantになった「Les feux d’artifice/花火」をリリース。そこに収録されていた「Un jour au mauvais endroit/ある日、不幸な場所で」(Caloの生地で起こった若者同士の乱闘により2人が死亡した事件をテーマにした)2015年VMシャンソン賞を受賞している。2017年には7枚目のアルバムLiberté Chérie」をリリースしている。

 Calogeroは2020年3月26日医療従事者への連帯を歌ったシングル「On fait comme si」をリリース。3月21日には自宅からの映像をインターネット通じて配信。この映像の中でCalogeroは「皆さん今日は!私はconfinement中です。1曲作りました作詩のBruno Gugliemiと。このシャンソンが何かに役に立てばよいと考え、すべての権利、収入を医療従事者に寄付することにしました。
シャンソンのタイトルは『On fait comme si/』」。

 

歌詞の大意・・通りは奇妙な静けさ、突然日曜日がやってきたように。一人の男性があそこバルコニーで歌っている、隣家の女性がヴァイオリンでその伴奏をしている。 子供たちには心配はないと語りかけ、ちょっとした冒険のようなものだと言い、子供たちが描いた絵を冷蔵庫に貼った。TVのニュース番組は見ない。 人はあたかもすべてが遊びであるように行動する、できることをする、夜になると目を閉じ、この世の中はまだまだ幸福に満ちていると考える。人あたかもここにはいなかったように行動する。親戚や友人たちとはこの春が過ぎれば再び会うことができるだろう、誓って言う、約束する、世界は再び始まるだろう。 恐れはあるが、笑いもある。遠く離れていることが我々を近づける、何でもないことを話すこと、空が青いと話すことが。人はあたかもすべてが遊びであるように行動する、できることをする、夜になると目を閉じ、この世の中はまだまだ幸福に満ちていると考える。人あたかもここにはいなかったように行動する。親戚や友人たちとはこの春が過ぎれば再び会うことができるだろう、誓って言う、約束する、世界は再び始まるだろう。通りは奇妙な静けさ、突然日曜日がやってきたように。 この後の我々の生活はより素晴らしいものになるだろう、私に知らせを下さい・・

 

CDの売上金はすべて「Fondation Hôpitaux de Paris-Hôpitaux de France」に寄付される。

 

 「Si seulement je pouvais lui manquer2005VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=RNeGJfomL5I

On fait comme si」2020年3月21日自宅で https://www.youtube.com/watch?v=wmfRP8rEZuk

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー Thomas Dutronc トマ・デュトロン(1973-ACI、ギタリスト)

 

Tomas Dutroncは2020年3月30日医療従事者への敬意と連帯を示す「L’infimière dans le mauvais temps/天気の悪い時の看護師たち」をインターネットで配信した。

 

Dutron略歴

Thomas Dutronc197316Paris生まれ、父はJacques Dutronc母はFrançoise Hardy。18歳でDjango Reinhardtに憧れてギターを習い、ParisSaint-Ouenののみの市などで演奏、マヌーシュ、ジャズギタリストとして人気  が出て、パリのジャズクラブに出演。2007年10月、初のソロアルバム「Comme un manouche sans guitare/ギター を持たないマニューシュのように」をリリース、60万枚以上売り上げるヒットに。2009年VdMで「Comme un manouche sans guitare 」がオリジナルシャンソン賞を受賞。11年のCharles Aznavourのアルバム「Aznavour toujours/アズナ ヴールはいつも」ではデュオで「Elle/彼女」を歌っている。11年10月にはセカンドアルバムで20万枚以上売り上げた と言われる「Silence,on tourne,on tourne en rond/静かに、撮影開始」をリリースしている。また「La bande à Renaud /ルノー軍団」には「Manhattan Kaboul/マンハッタン=カブール」(Nikki Yanofskiとのデュオ)で参加している。2020年4月には4枚目のアルバム「Frency」をリリース予定であったが6月19日に延期された。

 

Thomas DutroncConvid 19と闘っている医療従  事者、特に看護師への敬意と連帯を示すため、Georges BrassensPaul Fortに詩「Complainte du petit chval blanc/白い子馬の哀歌」に曲を付けたシャンソン「Le petit chaval/子馬」(1952年)の歌詞を変えて、L’infimière dans le mauvais temps天気の悪い時の看護師たち」のタイトルでを歌い、202030日ラジオ局France Bleuを通じて インターネット配信。タイトルの「L’infimière dans le mauvais temps」はFortの詩の第一節「Le petit cheval dans le mauvais temps」から採っている。

 

歌詞の大意・・悪い天気も何のその、看護師には勇気があった。そこには良い天気はなかった、春はまだ遠かった、春はまだ遠かった。 それでも彼女は満足だった、町の人々を看護することが、インフ ルエンザより質の悪い病気に罹った人たちを。彼女は休みなく患者たちを看護した。彼女は満足だった。彼女は満足だった。 でもある天気の悪い日彼女は勤務中に亡くなった。彼女は良い天気を見ることなく、勇敢だった彼女は亡くなった。春の訪れを待たずに、confinementの終了を見ることなく・・

 https://www.youtube.com/watch?v=Bb0r_GDpyl0

Le petit chaval」(Georges Brassens & Nana Mouskourihttps://www.youtube.com/watch?v=CIxfCDjjdhI

L’infimière dans le mauvais tempsThomas Dutronc https://www.youtube.com/watch?v=QO-74o9s7TI





。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
No.1566  2020.4.29   KCN 1566  2020.4.29 

新型コロナウイルス禍中の歌手たち(その2) フランシス・カブレル他                   

フランスにおけるconfinement(自宅待機 自宅隔離)は5月11日まで延期された。歌手たちは、それぞれの方法で、confinement中の人々を鼓舞し、あるいは、医療従事者などへの連帯を示す活動を行っている。

既報のPatrick Bruel(№1562)、Jean-Louis Aubert(№1563)、Vincent Niclodito)の他にも多くの歌手が自宅サロンなどで行ったミニコンサートの模様などをインターネットで配信している。
 

 
・フランシス・カブレルFrancis Cabrel(1953-ACI) 今月の顔 2020年4月参照

CabrelLot-et-GaronneAstaffortの自宅で夫人、2人の女児のうち1人とconfinement(自宅待機)生活を送っているが、2020年3月21日から自宅で歌っている映像をインターネットで配信している。

初日冒頭で。
「今日は! 閉じこもった長い毎日の退屈さを和らげるため、皆さんに毎日1曲届けます。これは大仰なことではありません。私が今までステージでは一度も歌ったことのない曲やあまり歌ったことのない曲を。
まず『Bonne Nouvelle/良い知らせ』(2004年リリースのアルバム「Les beau degats」収録)から始めます。
ギターに興味を持っている人たちに申し上げます。これはcapo 5です。髪型に興味を持っている人たちに申し上げます。
こんな風にしました・・」。

 初日「Bonne Nouvelle
https://www.youtube.com/watch?v=FTnS-PgaU5o

https://www.youtube.com/watch?v=-Kdf7e9ReVo

この試みはconfinementが終了するまで行われる予定。

 YouTubeFrancis Cabrel en confinement」で検索、すべての映像を視聴することができます。

 Cabrelは4月10日ラジオ局のインタビューに答えて次のように語っている。・・confinementによって創作意欲にブレーキが掛けられたよう。イマジネーションがブロックされ、インスピレーションが湧いてこない。しかし、今私を取り巻いている田舎の雰囲気は魅力的で、純粋さを感じさせてくれる。このconfinementを通してより人間的な、より抑制のきいた生活を見いだすことができれば・・。 confinementに入る前の2年間、新しいアルバムのため、かなりの曲を作った。新曲14曲の録音はAstaffortのスタジオで終了していて、現在ミキシングの段階、10月にはリリースの予定。 confinementsushisを食べにいけないのが残念だ。私はこの日本料理に「accro/中毒になっている」から・・

 


・エムM(1971-ACI、多楽器奏者)

 M(本名Matthieu Chedid)、父親はLouis Chedid(1948-ACI)、祖母は著名な詩人のAdree Chedid(1920-2011)、1997年からACIとして活動、1999年の祖母の詩に曲を付けた「Je dis aime/僕は愛しているという」(「Je dis M/僕はMという」と同じ発音)が最初のヒットで、VdMでは13個のVictoireを受けていて、Alain Bashung(1947-2009 ACI)と並び最多。

 Mは2020年3月20日に自宅のサロンで行ったコンサートの模様をインターネットで配信。曲目リストはMのデビュー当時からのファンのリクエスト13曲。これらの曲は1999年「Je dis aime」から2019年2月リリースの最新アルバム収録曲「Grand petit con/偉大な愚か者」まで。Mはこれらを主にギターの弾き語りで歌っている。うち4曲は2002年に誕生した長女Billieとのデュオ。歌ったのは:他に、「En tete a  tete/差し向かいで(自分自身と)」、「Est-ce que c’est ca?/そういうこと?」(Billieと)、「Billie」(Bllieと)、「La bonne etoile/良い運勢」(Billieと)、「Solidarite/連帯」など。

Mはその後、26日、日、日、19日にも同様のサロンコンサートを行い、その模様を発信している。

 「Je di aime」 https://www.youtube.com/watch?v=6hV-UnrC9tU

   202020日の自宅コンサート 演奏時間時間弱 https://www.youtube.com/watch?v=TkleU1KcWes

 


・アンドシーヌIndochine(1981年結成のポップ・ロックグループ)

Indochineは1981年Nicolas Sirkis(1959-)を中心に結成されたポップ・ロックグループ。「J’ai demande a la lune/月に願った」(2002年)などのヒットを持ち、2017年9月13枚目のアルバムでダイアモンドディスクになった「13」をリリース。その後2018年2月からツアーを行った。ツアーの楽は2019年6月22、23日LilleStade de Pierre Mauroyで行った「La derniere vague/最後の波」と銘打ったコンサート。Indochineはこのうち23日の3時間に及んだコンサートの模様をフルでYouTubeup、3月22日から3月30日まで。「このupは24時間体制で勤務に当たっている医療従事者に、警察官、運送業者などconfinemenの間も働いている人々に連帯を示し、彼らを援助するため。confinementに耐えている我々すべてのため。我々は強い。連帯してこの事態を乗り切ろう・・」。Indochineは更に4月21日からは2014年Stade de Franceで行った「Black city concerts」の模様をup。このStade de Franceコンサートは6月27、28日に行われたもので連日8万人の観客を集めたと言われている。2時間40分に及んだこのコンサートでは25曲歌われた。

   「J’ai demande a la luneclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=KAOmC5qT02w

   「Traffic Girl」2014年6月https://www.youtube.com/watch?v=wY8jDaRvIxE

Alice et June」2019年6月 https://www.youtube.com/watch?v=2sxN4M9jn5k


 


Angele
(ベルギー1995-ACI

Angele、本名Angele Van Laeken、ベルギーのUccle生まれ。.2017年10月30日最初のシングル「La loi de
4月3日13時から、Angeleの自宅からのコンサートの映像を、Chanel社のインターネットを通じて公開した。「政府の処置によりconfinementの状態にあるすべての人々に連帯の意を表するために企画された」このコンサート、歌われたのは「Flou/ぼかし」、「Tu me regarde/あなたは私を見つめる」、「Jalousie/嫉妬心」、「Mon amie la rose/我が友ローズ」(1964年のFrancoise Hardyのヒット曲)、「Balance ton quoi/あなたの何かを告発する」など10曲。

  「Tout oublier」2018年「C a vous」で https://www.youtube.com/watch?v=5Uob_lv3Qsw

https://www.youtube.com/watch?v=GQexCQe-ogg

One Word:Together At Home」に出演、「Balance ton quoi」を歌った。   https://www.youtube.com/watch?v=UAECIZTiAUg

.........................................................................................................................................................................................................
 2020.4.23 No.1565   KCN 1565   2020. 4. 23                            
                                               

クリストフ Christophe、死去 (その 

  

 < 
哀悼の辞 >

Emmanuel Macron 大統領 (Elysee宮のコメント)
Cristopheは特異な歌手、我々をその独特な詩的な、音楽的なひらめきに誘ってくれた。彼と一緒に我々は「Aline !/アリーヌ」と叫んだ、「les mots bleus/青い言葉」を語った、「les paradis perdus/失われた楽園」を嘆いた。このdandyの繊細さ、清純な理想主義によって彼のシャンソンは耽美的なものになった。彼はchanson francaiseのレパートリーの中で最も美しい愛のシャンソンを歌った根っからのロマンティストだった。完全な夜型人間で太陽が照っている間には眠っていた彼は、フランスの海辺に優しい、そして少しばかりメランコリックな波を送ってくれた、成功期と雌伏期を繰り返しながら、輝いた時期とブランクの時期を繰り返しながら。共和国大統領及び同夫人は、Christophe夫人と家族、近親者、彼のシャンソンを聞いて心を振るわせたすべての人々に哀悼の意を表します・・


 Franck Riester 文化大臣
Christopheの言葉、メロディー、声は我々を熱狂させ、感動させた。彼の死去によってchanson francaiseはその魂の一部を失った。しかし彼のシャンソンの甘く、苦い青色は決して色あせることはないだろう・・

 

Jean-Michel Jarre(1948-ACI、50年来の友人 「Les Paradis perdus」「Les mots bleus」「Le petit gars」などの作詞者)
大きな悲しみ。一族のメンバーを失ったよう。彼は最も偉大なシャンソン歌手の一人。単に歌手であるだけでなく、シャンソンの「couturier/デザイナー」の一人だった。特異な人物だった。今では誰も持っていないファンタジーを持っていた。彼のファンはこれからもずっと彼のファンでい続けるだろう。このいまいましいウイルスのせいで彼にさよならを言うことができないなんて・・。
(注:この発言を見ると、公には発表されていないがChristopheCovid-19に感染していたと考えられる)

 

Pascal  NegreUniversal Music Franceの前社長)
冬の風が4月に吹いた(「Les mots bleus」の歌詞から)。一緒に忘れられない道を歩いたことに感謝。RIPRequiescat in Pace/安らかにお眠り下さい)Christophe

 

Michel Drucher
(1942-TV、ラジオ司会者):Christopheの死去はMichele Torrからの電話で知った。最初に彼に会ったのはAline」の直後だった。彼は一風変わった人物だった、生活習慣も変わっていた。寝につくのは朝の9時。車好きで、スピード狂でFerrariなどイタリア製の車を乗り回していた、スピード違反で何度か免停に。しかし彼は「音のレーサー」でもあった。常に新しい音を探していた。Christophe独自の音によって、声の響きによって多くのヒットを生み出し一つの時代を通り過ぎた。彼は青い言葉と共に旅立ち、彼の失われた楽園に着いたことだろう・・

 

Eddy Mitchell(1942-ACI):友人を、相棒を、お祭り騒ぎをして楽しむ仲間を失った。私の悲しみは大きい、ずっと続くだろう・・

Pascal Obispo(1965-ACI):天賦の才を持つアーティストを、父を、兄弟を失われた楽園の友人を失った・・

Patrick Bruel(1959-ACI):「Salut l’Artiste/さよなら! アーティスト」

Benjamin Bioray(1973-ACI):「言葉がない。安らかにお休み下さい。そちらでも歌って下さい、こちらにいる時と同じように天使のような声で」

Patricia Kaas(1966-歌手):「Les mots ・・・tristes/言葉・・悲しい」

Christine and the Queens(1988-ACI、2014年リリースのファーストアルバム「Chaeur humaine」で「Les paradis perdus」をカバーし収録している):「Oh nonChristophe non、 non

 

他に、自宅でのコンサートの模様をインターネットで配信している歌手の中には、哀悼の意を込めてChristopheの曲歌った者も:Mattieu ChedidM)とFrancis Cabrelは「Les marionettes」を歌い、Vincent Nicloは「Les mots bleus」を歌い、Jean-Louis Aibertは「Les paradis perdus」を歌った。

 Les marionettesFrancis Cabrel 202017日 https://www.youtube.com/watch?v=LZtdqRIvz1A

 

Christopheの葬儀については具体的な情報はないが、confinementの最中であることから近親者のみで「en catimini/ひっそりと」行われるよう。

 

クリストフの代表曲(No1564の続き

 

4.Petite fille du soleil太陽の少女」(1975 Didier Barbelivien作詞/Christophe作曲)

1975年 https://www.youtube.com/watch?v=UBaf3MOcSq8

2014年 https://www.youtube.com/watch?v=ULJVklfEKIw

歌詞の大意:

・・太陽の少女よ、朝が来る、君にどう言おうか、全てが終わったことを。太陽の少女よ、泣かないで、僕を忘れてくれ。太陽の少女よ、夜になれば別の夢が君を眠りにつかせるだろう、別の望みや別の熱が君の人生を燃えさせてくれるだろう。明日には僕は君からと多く離れたところにいる。そんな僕にJe taime何て言わないで、僕を忘れてくれ、 太陽の少女よ・・

 

5.Jours de lumiere/光の日々(2010年 Adamo作詞/Adamo作曲)

  2011Adamoと https://www.youtube.com/watch?v=7sJG3HpphME

歌詞の大意

・・その時我々は月を手に入れているはずだった。僕たちは道をぶらつきながら歌った、あちこちで女の子は微笑んくれた。初めて感動だった。 ビジネスのセンスはなかったが、人生に生きがいを持っていた、それが今ではなくなってしまった。 以前のように、あの光の日々のように、僕は再び見つけたい、忘れられた香を、普通の幸福を。 それはひび割れていない友情の時代だった、二人とも偉大な人物で、闘う男だった、すべてに希望を持っていた、平伏なんかしなかった、あの光の日々には。 世の中を変えようとして、饒舌に夜を徹して話した。そしてすべてが素晴らしくなるはずだった。たった一つの「si/もし」がかなえば。 以前のように、あの光の日々のように、僕は再び見つけたい、忘れ去った香を、普通の幸福を・・

 

6.Les paradis perdus失われた楽園」(1974年 Jean-Michel Jarr作詩Christophe作曲

  1976年 https://www.youtube.com/watch?v=TkJccK8jiIY

 2012年 Raphael(1975-ACIと https://www.youtube.com/watch?v=vHWbOD_nZsM

  Christine and the Queens 2015年 https://www.youtube.com/watch?v=rnSN2qtjitE

 Jean-Louis Aibert 2020年4月17日 https://www.youtube.com/watch?v=A2tDFOwk24Q

歌詞の大意:

・・ピンクのシルクの上着、僕は少しばかり沈んだ気分でぶらぶら歩く、黄昏は壮大、しかし・・いつかある日君は僕と失われた楽園を再び見つけたいという。 君は思い出すかい、少しばかりついていない、少し年老いたdandy、崩れてなくなりそうな贅沢のなかで、僕は歌っていた、ロンドンのカーヴで、タバコの煙の中で、あか抜けたロックを、君は毎晩聞きに来てくれた。 いつかある日君は僕と失われた楽園を再び見つけたいという。 少しばかりついていない、少し年老いたdandy、いまミュジシャンの顔には皺が刻まれている、僕は黄色になったこの鍵盤の上でもう一度あのあか抜けたロックの3つのコードを思い出そうとしている、イギリス人の客たちを驚かせたあのロックの。 いつかある日君は僕と失われた楽園を再び見つけたいという・・

 No.1564
2020.4.   KCN 1564  2020.4.

クリストフ Christophe、死去 (その1) (No.1562参照)                       

KCN 1563  2020.4.15

Christopheが4月16日から17日に掛けての夜入院中のBrestの病院で死去した。享年74歳であった。Veronique夫人と娘のLucieが連名で「Christopheは我々の許を去った。医療スタッフの献身的な治療にもかかわらず、彼の生命力は彼を見放した」とAFP宛てコミュニケを発表した。Christopheは3月26日呼吸不全でParis市内の病院に入院、その後4月10日Brestの病院に転院していた。死因は肺気腫の由。Christopheは既報№1562で報告したようにCovid―19に感染した歌手の一人とされていたが、感染は確認されていなかった。但しLe Parisien紙は3月29日の紙面でChristopheCovid-19に陽性であったと報じている。 Christopheextra-terrestreの声で、ナーイーヴ(無垢)な、時にはシュールな曲を歌う、inclassable/分類不可能な歌手、アイドルの一人、TVFrance2 4月17日20時JTでは「Christophe,Le dandy de  la chanson francaise」と表示されていた。毎日起床が午後6時という完全な夜型。パリの日本茶喫茶「Jugetsudo/寿月堂」(110,rue de Seine 6区)の「le Genmaicha/玄米茶」がお気に入りだった。

 

2020年4月17日午後8時頃には、Paris市内の各所でChristopheの歌が聞こえた。アパートからconfinement中の人々が追悼のため「Les mots bleus」や「Alone」を流しているのが、あるいはバルコニーから、カーテンの影で歌っているのが。

   https://www.youtube.com/watch?v=HDBUwSSIooc

 

Christopheの略歴

・1945年10月13日Parisの南郊外EssonneJuvisy-sur-Orge生まれ。本名Daniel Bevilacqua、両親はイタリアからの移民

・1961年アマチュアグループでヴォーカルとギターを担当。63年、兵役後本格的な歌手活動を開始

・1964年最初のEPレコード「Reviens Sophie/ソフィー 戻って」など4曲収録、全く注目されず

・1965年7月2枚目のEPの「Aline/アリーヌ」が100万枚以上のヒットで一躍スターに

・1965年「Les marionettes/マリオネット」

・1966年「Excusez-moi, Monsieur le Professeur/先生ごめんなさい」

その後イェイェの衰退と共に雌伏の時期

・1974年当時無名であったJean-Michel Jarrの詩に曲を付けたLes paradis perdus/失われた楽園」

・1874年11月26、27日Olympiaに初出演

・1975年再々のヒット曲「Les mots bleus/青い言葉」、「Petite fille de soleil/太陽の少女」

・1979年9月Véronique夫人(1971年結婚)のアドバイスにより「Aline」をオリジナルヴァージョンで再度リリース、再びヒット

・1983年「Succès fous/大変な成功」

・1996年5月13年振りのアルバム『Bevilacqua』:「L’nterview/インタビュー」、「Qu’est-ce que tu dis la/君はそれについて何と言う」、「Je cherche toujours/僕は今でも探している」、「Point de rencontre/出会いの地点」など13曲

・2001年6月アルバム『Comme si la terre penchait/あたかも地球が傾くように』:「Comme si la terre penchait」、「Elle dit, elle dit, elle dit/彼女は言う、言う、言う」、「J’aime l’ennui/僕はアンニュイが好き」、「Nuage d’or/黄金の雲」など11曲

・2002年3月27年振りにOlympiaに出演。 この公演は2003年VdM ツアー・コンサート賞

・2008年6月『Aimer ce que nous sommes/あるがままの我々を愛する』:「Wo wo wo wo」(女優 Isabelle Adjaniとのデュオ)、「Parle  lui de moi/彼女に僕のことを話して」、「T’aimer fol’ment/狂おしいほど君を愛す」など13曲。アルバムは2008年ACC大賞

・2009年7月15日 ヴェルサイユ宮殿 Bassin de Néptune/ネプテューユの噴水に設けられた特設ステージでコンサート

・2010年SACEMの「Grand Prix de la chanson française受賞

・2010年11月Adamoのアルバム『De toi à moi/君から僕へ』では「Jours de lumière/光の日々」をデュオで歌って参加

・2013年3月アルバム『Paradis retrouvé/再び見つけた楽園』:「Silence on meurt/静粛に、人が死ぬところだ」、「Some thing」など13曲

・2014年3月liveアルバム『Intime/親密な』(13年年初から行っていた一人でピアノ、シンセ、ギターを演奏しながら歌う「Lintime tour/親密なツアー」ツアーの再現、スタジオに観客を集めlive条件で録音):「Comme un interdit/タブーのように」、「Jlai pas touchée/彼女には触れていない」、「Les mots bleus」、「Aline」、「Les paradis perdus」、「Les marionettes」、「La non-demande en mariage/独身主義者のバラード」(Georges Brassensのカバー)、「La dolce vita/甘い生活」、「Petite fille au soleil」、「Alcaline/塩基性の」(Alain Bashungのカバー、11年 Bashung追悼アルバム「Tels Alain Bashung」にはこの曲で参加している)など14曲

20141231日「Légion d’Honneur/レジオン・ドヌール勲章」 Chevalier章 受章

201613枚目のアルバム『Les vestiges du chaosカオスの痕跡』Les vestiges du chaos」、「Définitivement最終的に」、「Océan d’amour愛の大海」、「Dangereuse危険な女性」、「Les mots fous常軌を逸した言葉」、「Ange sale汚れた天使」、「Mes nuits blanches僕の眠れない夜 」、「Tu te moques君は気にしない」など13

201917日アルバム『Christophe etc.自身のヒット曲を現在活躍中の歌手とのデュオでカバーしたアルバム):Petite fille du soleil太陽の少女」Camille、「Le petit gars少年」Etienne Daho、「Parfum d’histoire歴史の香り」Eddy Mitchell、「Un peu menteur少しばかり嘘つき」Raphaelなど10曲収録

20191213日『Christophe etc. Vol 上記第):La Dolce VitaJulien Dore、「AlinePhilippe Katerine、「Les paradis perdusArno、「Daisyデイジー」Laetitia Casta、「Le toune-coeurPascal Obispoなど11曲収録。

・2020年3月26日呼吸不全のためParisの病院に入院

・2020年4月16日転院先のBrestの病院で死去、享年74歳

 

・2020年4月17日午後8時頃には、Paris市内の各所でChristopheの歌が聞こえた。アパートからconfinement中の人々が追悼のため「Les mots bleus」や「Alone」を流しているのが、あるいはバルコニーから、カーテンの影で歌っているのが。

(この2行は冒頭にも記載)

   https://www.youtube.com/watch?v=HDBUwSSIooc

 

私生活

・1960年代半ばにはMichele Torrとパートナー。1967年男児Romain誕生。Christopheは認知していない。Torrが1969年に結婚し、20年後に離婚したJean Vidalが認知

・・1871年Veronique Kanと結婚、同年女児Lucie。 ChristopheVeroniqueについて「1968年に知り合った、28年間一緒に生活した」と語っている。離婚はしていない。

 

Michele Torr(1947-歌手の哀悼の意

Michele Torr17日早朝45分には哀悼の言葉を発表している

・・Christopheの死はRomainが私に伝えてくれた。RomainChristopheの兄弟や治療に当たっていた医師たちと連絡を取り合っていたようで、Romainには知らせが入った。知った時私は泣いた、今でも涙が止まらない。彼はもういない。彼が光の中に入ることができるように祈ろう。私は彼と過ごした素晴らしい時、幸せだった時だけを思い出すようにしよう。Romainが誕生した時、私は20歳、彼は22歳だった。お互いに夢中だった。私は彼が美形だと思った。常軌を逸していて、とても変わっているとも思った。彼は私が初めて大きな恋をした相手だった・・

 

代表曲

1.「Aline/アリーヌ」(1965年 Christophe 作詞/Christophe作曲)

  1965年 https://www.youtube.com/watch?v=eQx4hpncGiA

1991年 https://www.youtube.com/watch?v=uWtJRGjGBpA

2014年 https://www.youtube.com/watch?v=-hu7-d4J6Fc

歌詞の大意:

・・僕は砂浜に描いた、僕に微笑みかける彼女の優しい顔を、すると浜辺に雨が降り、その嵐の中彼女は消えてしまった。 僕は叫んだ、叫んだ、「アリーヌ!」、彼女が戻ってくれるようにと。僕は泣いた、泣いた、辛くて、辛くて。 僕は彼女の気持ちに寄り添っていた。しかしあの美しい人は僕の許を去っていった。それが信じられず僕は彼女を探した、望みなく。  僕は叫んだ、叫んだ、「アリーヌ!」・・、 僕は彼女の優しい面影だけを持ち続けた。濡れた砂の上の漂着物のように。 僕は叫んだ、叫んだ、「アリーヌ!」、彼女が戻ってくれるようにと。僕は泣いた、泣いた、辛くて、辛くて・・ 

 

2.Les mots bleus青い言葉」(1975年Jean-MichelJarre作詞/Christophe作曲)

  1976年 https://www.youtube.com/watch?v=-hu7-d4J6Fc

  2014年 https://www.youtube.com/watch?v=7K7KettmHR0

歌詞の大意:

・・教会の鐘が時を打つ。一人の少女が役所から出てくる。いつものように僕は彼女を待つ。彼女は微笑む。僕は彼女に声を掛けなければ。 僕は彼女に青い言葉で語ろう、瞳で語る言葉で。話すことは僕にとっては馬鹿げたこと。最初は勢いよく話しかけるが、その後でたじろいてしまう、デートの際の壊れやすい瞬間に発せられて、その瞬間を壊してしまう役立たないフレーズを前にすると、デートの際の。 僕は彼女に青い言葉で語ろう、人々を幸福にする青い言葉で。僕は彼女の名前を呼ばずに彼女に語りかける。僕は時代遅れ、4月に吹く冬の風のように。僕はデートの際のじっとしている静寂が好き、デートの際の。  今もう時計はなくなり鐘もなくなった。広場では木々が眠っている。僕は夜汽車で戻ってくる。プラットホームで微笑みかける彼女を見つける。僕は彼女に青い言葉で語ろう、瞳で話す言葉で。どんな言い訳も、キッスを奪うようなもの、微妙な恨みが残るから僕たちの再会を台無しにしてしまう、僕たちの再会を。僕は彼女に青い言葉で語ろう。口に出さない恋物語には決まり文句はいらない。意味のない長話は僕たちの再会の輝きを失わせる、僕たちの再会の。僕は彼女に青い言葉で語ろ、人々を幸福にする青い言葉で・・

 

3.Les marionettesマリオネット」(1965年 Christophe作詞Christophe作曲

  1985年 https://www.youtube.com/watch?v=ePWaxl1II8s

  2010年 https://www.youtube.com/watch?v=ldf8YfF2Fx8

歌詞の大意:

・・僕は細紐と紙でマリオネットを作る。出来上がった女の子は皆可愛い。その中の一番可愛い子は「パパ、ママ」と言うことが出来るし、その兄弟は明日の天気を予報することが出来る。我が家はいつもお祭り、小さな道化師のおかげで。アレクザさえ涙を忘れている。マリオネットたちは皆さんに言うだろう、僕が彼らの友だちだと・・ 

===================================================================================================

No.1563  2020.4.15   

KCN 1563  2020.4.15 

コロナ渦中のアーティストたち(その1) それぞれの自宅からコンサートを中継

 
新型コロナウイルス(Covid-19)によりConfiniment(自宅待機、外出禁止)の状態に置かれているフランスでは、

TVFrance 2は324)21時から3時間にわたって、Ensemble avec nos soignants/私たちの医療従事者と共に」を放送。Faustine BollaertSamuel Etienneの司会で放送されたこの番組では、医師、看護師など治療に当たっている人々への連帯、支援、感謝の意が表された。番組の中で最前線の治療の模様がレポートされ、Fondation de Frane/フランス基金への募金が呼びかけられた。また次の歌手たちがゲストとして、自宅から出演、自身のヒット曲を歌うなどして、医療従事者にエールを送った。

 

・ジャン・ルイ・オベールJean-Louis Aubert(1955-ACI

Aubert20191115日にリリースした最新アルバムは「Refuge/逃げ場」から「Bien sûr/もちろん」を歌った。ただし歌詞を変えて「もちろんあなた方と共に我々はこの難局を乗り切り勝利を収めるだろう。皆さんありがとう、ありがとう、我々は勝つだろう」と医療従事者へのエールと感謝を歌っている。

 Bien sûr」(Ensemble avec nos soignants」で) 
https://www.youtube.com/watch?v=wfemEB7JoGk

 (元歌はこちら) 「Bien sûr」(2019年11月20日TVFrance 5 C à Vous」でhttps://www.youtube.com/watch?v=ysp79b20dRk

 

Aubertは2020年2月27日から12月15日のAccorHotel Arenaまでツアーを予定していたが、confinement
(自宅待機 外出禁止処置)のため、2020年3月及び4月に予定されていた公演は2020年の10月以降、または2021年に延期され、あるいは中止を余儀なくされた。Aubertは「ツアーが中止になったことは悲しい。しかし僕には歌う必要がある。自分自身のために、エネルギーを保つために、やる気をなくさないために」と 
2020年3月15日(日)18時30分から自宅でギター弾き語りの1時間30分に及ぶコンサートを行い、その模様をFacebookupconfinement中の多くのファンが視聴、24時間の間に100万回以上の再生。Aubertは21日(土)にも同様のコンサートを行った。

 


・ジュリアン・クレールJulien Clerc(1947-歌手、作曲家)

 Clercは1971年のヒット曲「Ce n’est rien」を歌った。Etienne Roda-Gil作詞/Clerc作曲のこの曲は、「時は過ぎて行く」の邦題で知られているが、原題の意味は「それは何でもないこと」、希望を歌った曲である。
数週間もの間ただ閉じこもっているのは長すぎる。だから、こう思わなくては・・それは何でもないこと、君はよく知っている、時は過ぎゆくもの、それは何でもないこと・・

 「Ce n’est rien」(Ensemble avec nos soignants」で) https://www.youtube.com/watch?v=b0P3f5Kde78

 (過去の歌唱)Ce n’est rien」(1971年) https://www.youtube.com/watch?v=PwD5yw6P4AI

 


・ヴァンサン・ニクロVincent Niclo(1975-歌手)

Nicloは自分の持ち歌ではないがTV番組などで歌って好評だった「You raise me up」(2002年Secret Gardenのヒット)を歌った。

 Ensemble avec nos soignants」で)https://www.youtube.com/watch?v=WnlTrVNcAc8

 (過去の歌唱)You raise me up」(2017年)https://www.youtube.com/watch?v=0VCP6_-KmBs

Nicloは2020年3月17日から毎日午後7時から毎回2~3曲歌いMCも含め20~30分の自宅でのコンサートの模様をインターネットで配信している。4月11日〈土)にはそれまでのラフなスタイルと変わり、Niclopera ニクロのオペラ」」と銘打って全身衣装を整えて出場、(ネットだからといって上半身だけでなく、ちゃんと靴まで履いてますよと足を持ち上げてアピール)、視聴者の皆さんも非日常の気分を味わえるように画面の前でちょっとお洒落してみたらいかがでしょう等とトーク、「Che ti trovero」(「Lac des cygnes/白鳥の湖」から)、「Volare」と「Con te partiro」を歌った。

Niclo自宅から、2020年4月11日https://www.youtube.com/watch?v=O28AK4ILeSQ

 


・ザジーZazie(1964-ACI

Zazieは2007年リリースのアルバム「Totem」から「Je suis un homme/私は一人の人間」を歌った。

Je suis un homme」(Ensemble avec nos soignants」で)https://www.youtube.com/watch?v=2NcpOQxXs0k こ (過去の歌唱)「Je suis un homme」 2008年https://www.youtube.com/watch?v=AL0dBvgqTHQ

 「この自宅からの映像ではZazieの周囲にミュージシャンがいるようだが、これではconfinementの趣旨に反するとの指摘があり物議を醸したよう。

他にClara Luciani(「Ma sœur/私の妹」を歌った)、Patrick Bruel(医療従事者、警察官、消防隊、軍隊、食料供給に従事する者、農家、運輸業者、パン屋、教職員などに謝意を述べた後「Héros/ヒローたち」を歌った)、Claudio Capéo(自宅の庭から「Un homme debout/立っている男」を歌った。が隣人は迷惑に感じたのではとの評)、Jean-Baptiste Guégan(「Merci」を歌った)、Joyce Jonathan(「Ça ira/うまく行くだろう」を歌った)などが出演。出演者の中には歌詞の一部を医療従事者たちへの感謝の言葉に変えたものも。

これらの歌手については番組「Ensembe avec nos soignants」出演時の映像は入手できなかった為、過去の映像を添付いたします。

 

Clara Luciani 「Ma sœur」2020年2月 https://www.youtube.com/watch?v=ldd9dmERpd8

Patrick Bruel 「Héros」(KCN №1562参照)

Claudio Capeo 「Un homme deboutclip officiel  https://www.youtube.com/watch?v=Y9GCM9DZUJo

Jean-Baptiste Guegan 「Merciclip officiel  https://www.youtube.com/watch?v=DRuiGdOUQQ4

Joyce Jonatha Ça ira201810月 https://www.youtube.com/watch?v=IS0-Eo4xH8Y

No.1562  2020.4.13   

KCN 1562   2020年4月13日 
 
    

                           

 フランスでの新型コロナウイルス事情、 歌手達も感染

フランスでも新型コロナウイルス(「Covid-19」と表示されている)は猛威を振るっていて、3月16日の大統領演説では17日から少なくとも2週間の外出禁止処置が執られ、その後3月28日首相の演説でその期間が更に2週間延長され4月15日までとなった。4月13日には大統領が再び演説し期間が更に延長されることになるよう。
Paris市内のL’AccorHotels Arena(5月末日までの予定)、Olympia(4月15日までの予定)、ZénithLa CigaleLe Grand Rexなどコンサート会場、音楽ホールなどは閉鎖され、コンサートはすべて中止、または延期。春に予定されていたFestival Printemps de Bourgesなどは中止された。また5月16日にRotterdam,eで予定されていたEurovisionも中止された。フランスに於けるこの外出禁止処置は「confinement」(仏和辞書では「閉じこもること」、「閉じこめること」、「隔離」、「孤立」、「囚人の独房監置」、「病人の隔離」などと訳されている)と表現されており、またTVFrance2などでは画面の右上方に「Restez à la maison/家に留まれ」の文字が見える。

 2020年4月9日現在新型コロナウイルス感染者が11万人を越え、死者も1万人を越えたととされるフランスで、歌手への感染も報じられている。感染者の中にはPatrick BruelChristopheCharlElie Coutureの名が。

 ・パトリック・ブリュエルPatrick Bruel(1959-ACI  

 

Bruelの感染について詳細な情報はないが、4月3日付けのLe Figaro紙によればBruelは「数日前にCovid-19に陽性」と診断された由で、同日には次のような報道があった。

・・Bruelが4月2日ラジオ局Franceinfoに自宅から出演して、「数日の間病気と闘い、回復した。本当に厳しい時間を過ごした。私はたった一人でParisの自宅で闘病生活を送る道を選んだ。2人の息子たちはその母親(2004年に結婚し、2007年に離婚したAmanda Sthers)と南仏にある私の別荘に移った。私は当初からCovid-19に特有の病状を感じた。電話による医師の指示を受けながら、パニックにならないように気を付け、自身で治療した。時には歌ってもみたが、いまいましい、最悪の時間だった。この病気の特徴は、患者によって症状が違うことらしい。私の場合は激しい咳があり、高熱が続き、呼吸困難を感じた。ある時期には恐怖を感じた。今日は発症してから20日目に当たる。今はだいぶ良くなった・・・。

Bruelは4月2日ホームページに次のような声明を

・・友人の皆さん!心配はありません、すべてうまく行っています。Franceinfoのインタビューの後マスコミは私がCovid-19に感染したことを報じました。確かに感染しましたが、うまく対処しました。数日間、発熱、咳、倦怠感がありましたが、だいぶ回復しました。すべての感染者と共に、すべての医療従事者に感謝します。どれほど感謝してもし過ぎることはないでしょう・・

 

Bruelの最近の情報)

Bruelが2020年5月にNantesMarseilleなどで予定していたコンサートは9月又は10月に延期された。
Bruelは2018年11月2日9枚目のスタジオ録音アルバム「Ce soir on sort/今夜は外出する」(「Tout recommencer/すべてが再び始まる」、「Rue Mouffetard/ムフタール通り」、「Héros/ヒーローたち」など収録)をリリース。その後2019年2月から12月6日Paris La Défense Arenaまでのツアーを行った。Brruelconfinementが発表されてから、週に数回インターネットを通じて、自宅で行ったコンサートの模様を発信、多くのファンが視聴した。

Héros」2020年3月23日自宅サロンから https://www.youtube.com/watch?v=if3RmdJUjSk

 

・クリストフChristophe(1945-ACI

 

Christopheが2020年3月26日(木)呼吸機能不全でParis市内の病院の救急救命センターに入院。29日Covid-19に感染していることが判明したとマスコミが報じた。但しVeronique夫人(1971年結婚)は「夫は木曜日から肺気腫に起因する呼吸機能不全のため入院している。彼がCovid-19に感染しているかどうかは明らかにすることはできない。病院が私に情報を提供してくれないから。病状は安定していて危険な状態ではない。家族としては彼の肺が持ちこたえて、回復することを祈るだけ」。しかしマスコミではその後もChristopheCovid-19に感染していることは既定の事実として捉えられているようで、4月6日ラジオ局RTLの「新型コロナウイルスに感染したアーティストたち」ではMarianne FaithfullTom Hanksなどと並び、Patrick BruelCharlElie Coutureと共に名が挙がっている。友人のMichel Polnareffは「早い回復を祈る」とのメッセージを送っている。2020年4月29、30日Paris Grand Rexで予定されていたコンサートは9月28、29日に延期された。

Christopheの最近の情報)
Christophe(本名Daniel Bevilacqua)は2019年5月17日自身のヒット曲を現在活躍中の歌手とのデュオでカバーしたアルバム「Chistophe Etc.」(Camilleと「Petite fille du soleil/太陽の少女」、Etienne Dahoと「Le petit gars/少年」、Eddy Michellと「Parfum d’histoire/歴史の香り」など収録)、12月13日その第2弾「Christophe Etc.Vol2」(Julien Doréと「La Dolce Vita/甘い生活」、Philippe Katherineと「Aline/アリーヌ」、Arnoと「Les paradis perdus/失楽園」、Laetitia Castaと「Daisy/デイジー」など収録)をリリースしている。

 「Daisy」(clip Laetitia Castaと)https://www.youtube.com/watch?v=Q_D4ZChfVNI

 

シャルレリ・クチュールCharlélie Couture(1956-ACI画家、作家、カメラマン)

 Coutureの感染について詳細な情報はないが4月3日付けのLe Figaro紙によればCoutureは「数日前にCovid-19に陽性」と診断された由。4月1日自身のホームページに次のような一文が寄せられている。

・・・4月1日朝 4時30分私はおそらく峠を越しただろう。エイプリルフールではない。実際の出来事。静まりかえった家の中でただ一人、私は前夜よりも気分が良い。8日8夜続いた辛い状態からのわずかばかりの回復だ。朝から夕方まで高熱が続き、夜には更に高熱、体温計は38.4°から39.8°を示している。頭痛、痙攣、体の震え、体がバラバラになった感じで、首はミシミシいう感じ。朦朧として、連続して数夜、正確には4夜のうち3夜、は死が面前に迫っているように感じた。私は自身壮健だと信じて、死を鼻先で笑っていたのに。しかしこのウイルスは陰険。confinementの処置が執られて良かった。私は多くの人々と同じ状態だろう。より重篤な人々とは異なって。通り過ぎたウイルスという悪魔のしっぽでもう一度襲われることがなければ私は危機を脱したようだ。今日再びキーボードに向かい、この文章を書くことができた・・

 Charlélieの最近の情報)

CharlElie Couture2019年1月25日22枚目のアルバムMême pas sommeil眠くなんかない」dito」、Les chevaux froids/凍えた馬たち」、「Seul et unique/唯一で独特な」、「Toi, ma descendance/お前は、私の子孫」、「Les heure caniculaires/猛暑の時間」、「Résister sister逆らえ、シスター」など収録をリリース。その後4月から国内ツアーを行った。

2020年4月に予定されていた新しいアルバムのリリースは11月に延期されていた。

Résister isterclip officiel  https://www.youtube.com/watch?v=7WlfqQpAnJ4

 No.1561
2020.4.9  

KCN 1561     2020.4.9

 

ジャン・フェラJean Ferrat、没後10年 

       

ジャン・フェラJean Ferratは1960年代、70年代を代表するACI生涯に(曲を付けただけのものも加え)200曲作ったと言われている。2020年3月11日は彼の没後10周年に当たり、それを機に、いくつかのcompilationアルバムがリリースされた。

 

Jean Ferrat略歴

Jean Ferrat、本名Jean Tenenbaum、は193012月パリ近郊Vaucresson (Hauts- de- Seine)生まれのACIで詩人。ユダヤ人であった父はJeanが11歳のときAuschwitzで死去。Jeanは共産党員によって匿われた。15歳でリセ卒業と同時に働き出す。音楽と芝居に興味を持っていたJeanは50年代初めから作曲をしたり、ジャズバンドでギターを弾いたりした。

1956年尊敬していたLouis Aragonの詩「Les yeux dElsa/エルザの瞳」に曲を付けた。それをAndre Claveauが取り上げ、歌ってくれたことにより世間に知られるように。FerratAragon の詩約30編に曲を付けている。

1957年Guy Beartの前座でパリのキャバレLa Colombeに出演、次いで、Milord l'ArsouilleL'Echelle de JacobLa Rotisserie de lAbbayeなどに出演。

1958年最初のEPVogue社から出すが反応なし。

女性歌手Christine Sevresがいくつかの曲を取り上げてくれた。(60年Christineと結婚、Christineは81年病没)

1960年2枚目のEPに収められた4曲のうち「Ma mome/小さな愛」がラジオでも頻繁に流され最初のヒット曲に

1961年最初のLPDeux enfants au soleil/太陽の子供たち』をリリース。「dito」、「Ma mome」など10曲収録

  「Deux enfants au soleil1961年 https://www.youtube.com/watch?v=uySHTCa5cXk

1962Isabelle Aubretに「Deux enfants au solei」を提供。Aubretはその後Ferratから「C’est beau la vie人生は美しい」などを提供され、それらはAubretの重要な持ち歌になった。

  「C’est beau la vieAubret 1966年https://www.youtube.com/watch?v=VnCX59gOb8w

1963枚目のLPNuit et brouillard夜と霧』でACC大賞受賞。「dito」、「C’est beau la vie」、「Nous dormirons

ensembre一緒に眠ろう」Aragonの詩など曲収録

 「Nuit et brouillard1980年 https://www.youtube.com/watch?v=_XtFxVK0NWA

1965LPLa montagneふるさとの山』dito」、「Que serais-je sans toiもしもあなたに逢えずにいたら」Aragonの詩、「Au bout de mon age旅路の果てに」ditoなど曲収録

 「La montagne196412日 https://www.youtube.com/watch?v=CdB7gZFNTgw

 「Que serais-je sans toi」1964年 https://www.youtube.com/watch?v=9tQzz4L5MMo

1965LPPotemkine戦艦ポチョムキン』dito」、「Je ne chante pas pour passer le temps僕は時間つぶしのためには歌わない」、「On ne voit pas passer le temps時は過ぎて行く」など10曲収録

 「Potemkine」1965年 https://www.youtube.com/watch?v=LVeWq06ptbk

1966年1月Bobinovedetteとして出演

1967年キューバに2ヶ月半滞在、この旅の後トレードマークになる髭を蓄えるように

1967年LPA Santiago/サンティアゴで』:「dito」、「Cuba si/キューバ シ」など10曲収録

1969年LPMa France/祖国フランス』:「dito」、「Les poetes/詩人たち」(Aragonの詩)など12曲収録

 「Ma France」1995年 https://www.youtube.com/watch?v=_XtFxVK0NWA

1970年ParisPalais des Sportsで12回の公演

1971年LPFerrat chante Aragon/フェラ、アラゴンを歌う』:「Le malheur d'aimer/愛することの不幸せ」、「Robert le diable/悪魔のロベール」、「Aimer a perdre la raison理性を失うほど君を愛す」など10曲収録。

 、「Aimer a perdre la raison 1971年 https://www.youtube.com/watch?v=1H3-P27Bilo

1973年最後のツアー。

1975年自身のレコード会社「TEMEY」を設立、LPLa femme est l’avenir de l’homme女性は男性の未来』dito」、「Un air de liberte自由の空気」など10曲収録

 「La femme est l’avenir de l’homme」1976年 https://www.youtube.com/watch?v=Kfw2IDl_SIQ

1990SACEMMedaille d'Or金メダルを受ける

1991LP『「Dans la jungle ou dans le zooジャングルで、あるいは動物園で』dito」、「Bicentenaire/200年」、「La paix sur terre地上の平和」など14

1994年最後のスタジオ録音アルバム『Ferrat 95(新たにAragonの詩に曲を付けた16曲収録):「Complainte de Pablo Neruda/パブロ・ネルーダ(チリの詩人・政治家)の哀歌」、「Pablo mon ami/我が友パブロ」、「J’arrive ou je suis etranger/見知らぬ地に至る」、「Chagall/シャガール」、「Qui vivra verra/後は成り行きに任せよう」など

 「Cpmplainte de Pablo Neruda」 https://www.youtube.com/watch?v=F_rmCTYfUoA

1998年Festival d'Alesにゲスト出演し700人のコーラスをバックに歌う、最後のステージ

2010年3月13日Aubenas (Ardeche)の病院でガンのため死去。享年79歳

1992年に再婚したColette夫人が看取った。Antraiguesの共同墓地に埋葬

2011年7月から毎年AntraiguesPlace de la Resistance/レジスタンス広場を中心に Festival Jean Ferratが開催

2013年Place de la Resistanceにある旧居が記念館として一般に公開

2015年没後5周年追悼、Paris11区と20区にまたがりPlae Jean Ferratジャン・フェラ広場が誕生

 

没後10年追悼compilationのうち主なもの

Ses plus grandes chansons ジャンフェラ名曲集 」 (28日リリース)

代表曲50曲を収録。それらはDeux enfants au soleil/太陽の子供たち」、「Ma mome/小さな愛」、「Federico Garcia Lorca/フェデリコ・ガルシア・ロルカ」、「La fete aux copains/仲間のお祭り」、「Nuit et brouillard/夜と霧」、「A Brassens/(ジョルジュ・)ブラッサンスに」、「C’est beau la vie/人生は美しい」、「La montagne/ふるさとの山」、「Potemkine/戦艦ポチョムキン」、「C’est toujours la premiere foi/いつも最初:とうとう君を」、「On ne voit pas le temps passer/時は過ぎて行く」、「Maria/マリア」、「Cuba si/キューバ シ」、「A Santiago/サンティアゴで」、「Ma France/祖国フランス」、「Camarade/友よ」、「17 ans/17歳」、「Un jour, un jour/戦いの日々」(Aragonの詩)、「Le malheur d’aimer/愛することの不幸せ」(dito)、「Nous dormirons ensemble/一緒に眠ろう」(dito)、「C’est si peu dire que je t’aime/君を愛すと言うだけでは十分ではない」(dito)、「J’entends, j’entends/聞こえる、聞こえる」(dito)、「Que serais-je sans toiもしもあなたに逢えずにいたら」(dito)、「Heureux celui qui meurt d’aimer/愛に死する物は幸せ」(dito)、「Aimer a perdre la raison/理性を失うほど君を愛す」(dito)、「Les saisons/季節」など

 

Voix libreIntegrale Decca et Barclay 1960-1972」/自由な声:1960~1972 Decca及びBarclay全集」

(3月6日リリース)  CD12枚組み、130曲集録、Robert Belleret著、48ページのブクレット付き。限定3000部。

Ferratは1961年Decca社から最初のLPDeux enfants au soleil」を、1962年には「La fete aux copains」をリリースしている。Barclay社から1963年の「Nuit et Brouillard」から、1965年の「La montagne」、「Potemkine」、1969年の「Ma France」、1971年の「Ferrat chante Aragon」など1972年の「A moi l’Afrique/アフリカは僕のもの」まで10枚のLPをリリースしている。CompilaionVoix libre」では、これらの12枚のLPがリマスター、CD化されている。

 Robert Belleret(1946-ジャーナリスト・作家)はEdith PiafLeo FerreCharles AznavourPaul Bocuseらの伝記を執筆していて、2020年2月5日Jean Ferratの伝記「Le chant d’un revolte/一人の反抗者の歌」を刊行。、

 

Ferrat chante Aragon,edition limitee (3日リリース

197111月にリリースされたアルバム「Ferrat chante Aragon」のreedition版。オリジナル版には、「Un jour, un jour」、「Le malheur d’aimer」、「Nous dormirons ensemble」、「C’est si peu dire que je t’aime」、「J’entends, j’entends」、「Que serais-je sans toi」、「Robert le Diable」、「Heureux celui qui meurt d’aimer」など10曲収録、200万枚売り上げたと言われている。reedition版にはLes lilas」、「Aimer a perdre la raison」を追加し12曲収録。

 

Je ne chante pas pour passer le temps(3月13日リリース)

CD2枚組み31曲収録。収録曲の中で特に注目されるのはCD1の最初の曲「Dis moiqu’as-tu fait du temps des cerises/僕に話して、サクランボの実る頃をどうしたのか」。この曲は「Le temps des cerises/サクランボの実る頃」に想を得て1991年の作詞、作曲、録音し、1991年リリースのアルバム「Dans la jungle ou dans le zoo」に収録予定であった。しかし当時レコードの演奏時間の制約からカットされ、次のアルバムに収録することになった。しかし次のアルバムは1994年リリースのFerrat 95」で、Aragonに詩に曲をつけた16曲が収録されたものであったため、そこにも収録されなかった。そして「Ferrat 95」がFerratの最後のスタジオ録音アルバムになってしまった。この曲はFerretが作詞、作曲し、歌った最後の曲の一つであったが、録音から約30年、没後10年にようやく日の目を見たことになる。

  「Dis moiqu’as-tu fait du temps des cerises」 https://www.youtube.com/watch?v=KaKHRqrKL3o

 No.1560 2020.3.27   

KCN 1560   2020.3.27

 Boris Vian ボリス・ヴィアン 生誕100年
                               

2020年3月10日はBoris Vianの生誕100周年に当たる。それを記念して3月6日オマージュアルバム「Boris Vian, 100 ans, 100 chansons」がリリースされ、また、旧居の開放などが企画されている。

 
Boris
 Vian192010日パリ西郊外Hauts-de-SeineVille-d'Avray33, rue Pradier生まれ生家には標識がある、小説家、詩人、作詞家、作曲家、歌手、発明家、評論家、ジャズミュージシャン、脚本家、翻訳家、俳優、画家。Grandes Ecolesの一つであるEcole Centrale des arts et manufacturesを土木技師の資格を得て卒業、1942年から46年2月までAFNORAssociation francaise de normalisation/フランス標準化協会)に勤務。この間友人たちとアマチュアのジャズバンドを結成、コンサートを行い、同時に、執筆活動も行って最初の小説「Trouble dans les Andains」(生前には出版されなかった)を書く。

 
その後作家としてはVerno Sullivanのペンネームで「Jirai cracher sur vos tombes/お前らの墓に唾を吐いてやる」(1946年)、「Les morts ont tous la meme peau/死者の肌は皆同じ」(1947年)、Boris Vianの名で「L'ecume des jours/日々の泡;うたかたの日々」(1947年)、「L'herbe rouge/赤い草」(1950年)などを発表。翻訳家としてはRaymond Chandlerの「The big sleep」(1939年)の仏訳「Le grand sommeil/大いなる眠り」
(1948年)、「The Lady in the Lake」(1943年)の仏訳「La Dame du lac/湖中の女」(1948年)などを出している。

 
ジャズミュージシャンとしては、レコードを聴きながらトランペットを独学で習得し1947年から50年まで、Saint-Germain-es-Presの地下のジャズクラブ「Le Tabou」でtrompinette/ポケットトランペットを演奏。

Sheikh of Arabyhttps://www.youtube.com/watch?v=ppzoZYsE0U0


 
また1956年にはVermon Sinclairの名で作詞しMichel LegrandMig Eikeの名で)が作曲、Henri Salvasdor
Henri Cordingの名で)が歌った「Rock and Roll Mops」を出している。 これはフランスにおける最初のロックだと言われている。

シャンソンの作詞家としては、1943年「Au bon vieux temps/懐かしのあのよき時代」(Vian作詞、作曲はJohnny Sabrou)でデビューし、「Le deserteur/脱走兵」(1954年Vian作詞、作曲はHarold Bernard Berg)、「La java des bombes atomiques/原子爆弾のジャヴァ」(55年Vian作詞、作曲はAlain Goraguer)、「J'suis snob/僕はスノッブ」(54年Vian作詞、作曲はJimmy Walter)、「On n'est pas la pour se faire enguerer/怒鳴られるために人此処にあらず」(54年Vian作詞、作曲はWalter)、「La complainte du progres/進歩の嘆きぶし」(55年Vian作詞、作曲はGoraguer)、「Je bois/酒飲み」(55年Vian、作詞、作曲はGoraguer)などを作っている。1997年に刊行された歌詞集「Boris Vian, Chansons」には484編の詩が掲載されている。(2020年3月のLe Monde紙などの追悼記事では600曲以上作詩したとされている)。


 
歌手としては1955年1月4日「Trois Baudets」に出演してデビュー。その出演はTrois Baudetsのオーナーでありレコード会社のディレクターでもあったJacques Canettiに「君の曲を歌ってくれる歌手は誰もいないから、君自身が歌うよりほかないよ」と言われたからの由。「La java des bombes atomiques」はFreres Jacquesに持って行ったが拒否されたと言われている。ピアニストは友人で作曲家のAlain Goraguerが務めた。客席にはGeorges BrassensJacques BrelSerge Gainsbourgらの顔が。Vianは他にLa fontaine des quatre saisonsにも出演、また8月には地方での夏のツアーも行い、9月には再度Trois Baudetsに出演している。Vianは歌手としては1956年3月末まで活動、肺水腫のため1年余で歌手生活にピリオドを。1955年4月には初めての録音を行い2枚のEPをリリース。EPChansons possibles/可能なシャンソン」には、「Les joyeux bouchers/陽気な屠殺人」、「Le deserteur」、「Java des bombes atomiques/原子爆弾のジャヴァ」、「Le petit commerce/小さな商売」を収録。「Chansons impossibles/不可能なシャンソン」には「Complainte du progres」、「Cimematographe/映画」、「J’suis snob」、「On n’est pas la pour se faire en guerer」を収録。1956月これらの曲に「Je bois」、「Bourree de complexes/コンプレックスの固まり」を追加し1曲を収録したLP25cmChansons”PossiblesetImpossibles」をリリースしている。ジャケット裏面の推薦文はGeorges Brassens。当初プレスは500枚と言われている。このLPは2002年にはCDに。

 

1959年6月23日自身原作の映画「Jirai cracher sur vos tombes」の試写会がParis Champs-Elysees通りから入ったMarbeuf通りの映画館Le Petit Marbeufで行われた。それに出席するため愛車のMorgan compatibleで向かったVian、映画の上映中に心臓発作で死去、享年39歳。遺体は生地Will-d’Avrayの墓地に埋葬された。

 

生誕100年を記念して「Vian, toujours vivant:ヴィアン、トウジュール ヴィヴァン/ヴィアンは今でも生きている」をスローガンに、3月を中心に2020年を通して、国内各地で多くの催し物などが企画されている。主な音楽関係及び旧居開放の概要は次の通り:

 

Compilation「100 ans, 100 chansons」のリリース

2020年3月6日にリリースされたこのcompilationCD4枚組み、20ページのブクレット付き。1950年から59年までに書かれた100曲、Serge ReggianiVianに宛てた書簡の朗読などが収められている。収録曲の主なもの及びそれを歌っている歌手は:

La complainte du progres」(Vian、「Je boisditoA tous les enfantsすべての子供たちに」(Joan Baez)、「J’suis snob」(Serge Gainsbourg )、「Le deserteur」(Serge Reggiani)、「Quand j’aurai du vent dans mon crane/頭に風を持っていれば」(dito)、「La vie c’est comme une dent/人生は一本の歯のよう」(dito)、「Le deserteur」( Mouloudji)、「Le politique/政治」(dito)、「Cinematographe」(dito)、「Surabaya Johnny/スラバヤ ジョニー」(Catherine Sauvage)、「Alabama song/アラバマ ソング」(dito)、「Bilbao song/ビルバオ ソング」(dito)、「S’il pleuvait des larmes/涙の雨が降れば」(Juliette Greco)、「Donne, donne, donne/与える、与える、与える」(Henri Salvador et  The Golden Gate Quarete)、「Une belle epoque/美しき時代」(Jean-Marie Hummel et Lisette Hamm)、「Les joyeux bouchers」(Cathetine Ringer)、「Fais-moi mal Johhny/僕を痛み付けて、ジョニー」(Magali Noel)、「Rock des petits cailloux」/小石のロック(dito)、「Sans lu/彼なしで」(dito)、「Chasse a l’homme/人間狩り」(dito)、「On n’est pas la pour se faire engueler」(Coluche et le Grand Orchestre du Splendid)、「Les mots/言葉たち」(Pierre Brasseur)、「Chantez/歌え」(Les Garcons)、「Dans mon lit/僕のベッドの中で」(Jacques Higelin)、「Je reve/僕は夢見る」(dito)、「L’ame slave/スラヴ魂」(dito)、「Je voudrais pas crever/くたばりたくない」(dito)、「Il oublie d’oublier/彼は忘れることを忘れる」(Debout sur le Zinc)、「Le temps de vivre/生きる時代Pascal Voiture)、「La java des bombes atomiques」(Sanseverino)、「Je n’peux pas m’empecher/僕はこらえることができない」(Philippe Clay)、「Ils cassent le monde/それは世界を破壊する」(Jean Louis Aubert

 

 Le deserteurVian https://www.youtube.com/watch?v=4ZS_NFv39_I

 「Le deserteurReggiani https://www.youtube.com/watch?v=TmJuEJvdqbk

 「Le deserteurMouloudji https://www.youtube.com/watch?v=5uPxyRYI4K0

 「J’suis snobVian https://www.youtube.com/watch?v=yFdYZQmQtcs

 J’suis snobGainsbourghttps://www.youtube.com/watch?v=OMY8rk8m2w4

On n’est pas la pour se faie enguererVian https://www.youtube.com/watch?v=vpW_eBJKw74

 「On n’est pas la pour se faire enguelerColouche https://www.youtube.com/watch?v=OMY8rk8m2w4

 「A tous les enfantsBaez https://www.youtube.com/watch?v=qPsypwWIE7E

・グループ「Debout sur le zinc」のコンサート

1996年に結成された、ヴォーカルのSimon Mimounを中心にした6人組みグループDebout sur le zincは2019年9月13日Vianの代表曲15曲を収録したアルバム「Vian par Debout sur le zinc」をリリースしている。15曲は、「Je suis snob」、「Le deserteur」、「La valse jaune」、「L’ame slave」、「Il est tard」、「Quand j’aurai du vent dans mon rane」「On fait des reves/人は夢見る」など。グループはこのアルバム収録曲などVianの曲を歌うコンサートを2020年1月31日LureBourgogne地方)から12月11日のVirty Le FrancoisMarne県)まで24回予定していて、12月7日にはParis 9区Theatre Edouard Ⅶに出演の予定。

 

Carmen Maria VegaTrois Baudetsにおけるコンサート

Carmen Maria Vegaは1984年グアテマラ生まれの歌手。生後すぐに養女としてLyonに。演劇を習っていたが力強い声に注目され、音楽の道に。2005年ユニットCarmen Maria Vegaを結成、Lyonのカフェやホールで歌い、口コミで評判に。国内の各種フェスティヴァルに頻繁に出演、09年Montaubanの「Alors chante!さあ、歌え!」コンクールで審査員賞と一般大衆賞を受賞した。09年に最初のアルバム「Carmen Maria Vega」を出し、それにより10年、Barbaraの生誕80年を記念にして設けられたBarabara賞の第1回受賞者に。パワフルなステージから「Belle bete de scene/ステージの美しき怪物」とも言われている。12年セカンドアルバム「Du chaos naissent les etoiles/カオスから星が生まれる」。2014年にはVianの曲を歌ったアルバム「Fais ?moi mal, Boris!」をリリース、これには「Fais-moi mal, Johhny」、「Complainte du progres」、「Les joyeux bouchers」、「L’ame slave」、「Quand j’aurais du vint dans mon crane」などを収録。Vegaは2020年3月19、20、21日Vianに縁のあるホールTrois Baudets(64,bd de Clichy Paris 18区)に出演、Vianの曲を歌う。(ことになっていたが新型コロナウイルス禍で中止になったよう)。

 「Fais-moi mal Johhnyhttps://www.youtube.com/watch?v=MTRyJHDYbvY

 

・旧居の開放

Vianが1953年から住んでいた、Clichy広場の近く(6 bisCite VeronParis 18区)の住居を、ガイド付きで見学できる。事前の予約が必要。VianUrsula Kubler(1928-2010、 2番目の夫人、1954年結婚)とMoulin Rougeの後ろのこの住居に住んでいた。隣家にはVianが転居した数ヶ月後にJacques Prevert(1900-1977、詩人、脚本家、作詞家)夫妻が入居した。旧居の入り口にはBoris Vianが1953年から1959年まで、Jacques Prevertが1954年から1977年まで住んでいた旨の標識がある。Vianの没後Ursula夫人はGeorges BrsssensMouloudjiJean-Jacques PauverPrevert夫妻などの助言により、アパートをそのままにしておくことにした。何も動かさずに、Vianが生活していた当時のままに。部屋置いてあるピアノ、幼少の頃から両親にピアノを習うように強制されたVianはそれを弾くことはなかった。それはよく訪れていたMichel LegrandQuincy Jonesのためのものであった。旧居は現在Fond’action Boris Vianの本部になっている。ガイド役を務めるNicole Bertoitは、Vian夫妻の友人でVianの著作物などの管理者。Ursula没後、Vianの旧居に住み管理している。「彼は生前より今の方が人々に知られた存在になっている。彼は完全な自由人で、多くの人に愛されている。だから彼は今でも生きている」。

 

 http://parisrevolutionnaire.com/IMG/jpg/Clichy_bd_de_94_Cite_Veron_11_mini-2.jpg

 

 No.1559 2020.3.11   

KCN 1559  2020.3.11

Victoires de la musique 2020                            


第35回 2020年Victoires de la musiqueVdM)のシャンソン部門の授賞式が2020年2月14日La Seine MusicaleParis郊外 Boulogne-Billancourt)を会場に行われた。その模様はTVFrance2が中継した。

 VdMは1985年からシャンソン部門、ジャズ部門、クラシック部門ごとに、前年活躍した歌手、優れた楽曲などに与えたれる。シャンソン部門では、今回から審査員は前年までの600人から900人に。その構成は専門家(ミュージシャン、歌手、作詞家、作曲家、プロデューサー、レコード店、クリップ製作者、音響技師、批評家)が前回より100人増えて700人に、加えて今回から一般ファン200人(男女100人ずつ)も審査員に。授与されるvictoireは今回から「男性歌手賞」、「女性歌手賞」、「オリジナルシャンソン賞」(従来から一般の投票による)、「シャンソンアルバム賞」、「コンサート賞」(今回から一般の投票による)、「オーディオヴィデオ創作賞」(今回から一般の投票による)、「新人賞」、「新人ステージ賞」の8部門に。一般の投票は2020年1月13日20:00から2月13日20:00までインターネットで行われた。ほかに今回は特別賞が授与された。

 今回の授与式の名誉委員長はFlorent Pagny、司会はDaphné BrükiほかTVFrance2の司会者、キャスター11人。式はFranck Riester文化大臣が開会を宣言して始まった。

 最初にステージ登場したのは女性歌手賞、コンサート賞にノミネートされたAngèle、自身のヒット曲をメドレーで、次いで Vitaa& Slimaneが登場「Ça va, ça vient /大丈夫、そうなるさ」を歌った。その後は各賞の候補者たちが順次ステージに登場。また2019年11月2日80歳で亡くなったMarie Laforêt(1939-2019 俳優・歌手)を追悼してPhilippe KaterineClara LucianiLaforêtの初期のヒット曲「La tendresee/優しさ」(1964年)を歌った。

 「La tendresseMarie Lafotrêt1969年 https://www.youtube.com/watch?v=5MtJtFCTUWw

 「La tendresseKaterineLuciani、司会はLaurent Requier https://www.youtube.com/watch?v=LXZ6q-kVNEU

 

今回の各賞の受賞者、受賞作は次の通り:

 ・男性歌手賞:フィリップ・カトリーヌPhilippe Katerine(他の候補者:LomepalAlain Souchon

・・Philippe Katerine(1968-ACI、俳優、映画監督、作家)

多才で、多彩な活動を行っているKaterineACIとしては1991年にはファーストアルバム「Les mariages chinois/中国式結婚」をリリース、2005年リリースのアルバム「Robots arès tout/結局のところロボット頼み」は、収録された「Louxor j’adore/(バー・)ルクソール、大好き」が好評で大ヒット。2007年にはGlobe de cristalで男性歌手賞を受賞、2011年には2010年にリリースしたアルバム「Philippe Katrine」に収められていた「La Banane」のclipVidéo-clip賞を受賞している。映画俳優としては2010年公開のJoan Sfar監督「Gainsbourgvie héroique/ゲンズブール、英雄的人生」ではBoris Vianを演じ、存在感を示し、2018年公開Gilles Lellouche監督「Le grand bain/(邦題)シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」で演じたThierry役で2019年のCésar助演男優賞を受賞している。2003年には自身が監督した映画「Peau de cochon/ブタの皮」が公開されている。作家としては2007年の「Doublez votre mémoire/思い出を2倍にしろ」から、幻想的なイラストレーターとして知られているKatrineが挿絵のみを担当した3冊を含め、既に6冊の作品を刊行している。

今回のVdMの対象になったのは2019年11月8日にリリースされたアルバム「Confessions/告白」。これはKaterineの10枚目(と報道されている)のアルバムで、これには18曲収録されていて、うち8曲はかの歌手とのデュオ。収められているのは:「BB Panda」、「Stone avec toi/君と一緒にトリップ状態に」、「KesKesseKcetruc」(Camilleとのデュオ)、「Malaise/不快感」、「Blond/金髪」(Gérard Depardieuとのデュオ;Katrineは2010年からDepardieuの娘で俳優のJulie Depardieuとパートナー)、「Des bonhommes/善良な人々」、「Aimez-moi/僕を愛して」、「Duo/デュオ」(Chilly GonzalesAngèleと)、「88%」(Lompallと)、「La clef/鍵」(Oxmo Puccinoと)、「Raphaël 1965-1989/ラファエル1965年―1989年」(ラファエルは高校時代の同級生で自殺した)、「Rêve affreux/恐ろしい夢」、「Rêve heureux/幸せな夢」(Léa Seydouxと)など。

Katerineは今回のVdMでは男性歌手賞の他、アルバム「Confessions」でアルバム賞、「Stone avec toi」でオリジナルシャンソン賞にもノミネートされていた。4月28日にはParis  Zénithに出演の予定。

 「Duoclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=FdkgDZg19jc

 

女性歌手賞:クララ・ルシアーニClara Luciani (他の候補者:AngèleCatherine Ringer

・・Clara Luciani(1992-ACI、エレキギター奏者)

MartiguesBouches-du Rhône生まれ、一家はコルシカ出身、Marseille郊外育ち。2011年からグループで音楽活動。その後ソロに。2015年から2016年に掛けてはRaphaëlの、2017年にはBenjamin Bioayの前座でツアーに同道。2018年4月ファーストアルバム「Sainte-Victoire/サント=ヴィクトワール」をリリース。これには「Sainte-Victoire」、「La grenade/手榴弾」、「On ne meurt pas d’amour/人は愛で死ぬことはない」、「Les fleurs/花」、「Comme toi/あなたのように」など11曲収録。アルバムはマスコミの高い評価を受けたこともあり、10万枚以上の売り上げでdisque de platineに。2019年VdMでは新人ステージ賞を受賞した。アルバム「Sainte-Victoire」はその後2019年2月18日「Nue/ヌード」、「Qu’est-ce que tu es beau/あなたは何と美しい」(Philippe Katerineとのデュオ)など4曲を追加したréédition版がリリースされ、10月18日には更に「Ma sœur/姉」、「Cette chanson/このシャンソン」など5曲追加したsuper-édition版がリリースされた。Lucianiは2年連続のvictoire受賞となった。

なお、Lucianiは2018年10月に来日し、17日―21日東京、代官山、渋谷で開催された「Saison Rouge」に出演したよう。

NueVdMで https://www.youtube.com/watch?v=ttD44VNYNHM

 

アルバム賞Alain SouchonAmes fifties/50年代の魂 

他の候補Philippe KaterineConfessions」、LomepalJeanine」 NekfeuLes étoiles vagabondes : expansion」、Vincent DelermPanorama

・・Alain Souchon Ames fifties

  「Ames fifties」はAlain Souchon20191018日にリリースした15枚目のスタジオ録音アルバム。Souchonは1944年5月27日MarocCasablanca生まれ、生後ヶ月でParisに。1960年代後半からACIとして活動、45年のキャリアで900万枚以上のレコード売上げていて、シャンソンフランセーズを代表する歌手。1973年のL’amour 1830/1830年の愛」が最初のヒットで「Rose d’or d’Antibes」コンクールでで審査員特別賞を受賞。1974年作曲を担当するLaurent Voulzyとのコンビで最初のヒット曲「J’ai dix ans/僕は10歳」を出す。その後もこのコンビで、あるいは自身の作詞作曲で数々のヒットを世に出している。主なヒット曲には「Allo maman bobo/お母さん、辛いよう」(1977年)、「Quand j’serai KO/僕がKOされたら」(1988年、90年VdMシャンソン賞)、「Foule sentimentale/センチメンタルな大衆」(1993年、94年VdMシャンソン賞、2005年のVdMで「過去20年の最も優れたシャンソン」賞)、「Sous les jupes des filles/女の子のスカートの下」(1993年、96年SACEMVincent Scotto賞)、「Et si en plus y’a personne/そして、その上誰もいないなら」(2005年、06年SACENMVincent Scotto賞)などがある。また1990年のアルバム「Nickel/ニッケル」はVdMのアルバム賞を受けている。2014年11月リリースのアルバム「Alain Souchon & Laurent Voulzy」はVoulzyとの最初のデュオアルバム。これにより2015年のVdMでシャンソンアルバム賞を受賞している。Souchonは2002年Académie françaiseGrande Médailleを受けている。

アルバムAmes fifties」には10曲収録、作詞は主にAlain Souchon 、作曲には自身のほか、Souchonの二人男児、Pierre SouchonCharles Souchon芸名Ours、それに例によってVoulzyの協力を得ている。10曲は「Ame fifties」、「Presque/ほとんど」、「Ici et là/こことあちら」、「Un terrain en pente/斜面の土地」、「Ronsard Alabama/ロンサール、アラバマ」(Pierre de Ronsardの「Vayage d’Herceuil」から)、「Irène/イレーヌ」、「On s’aimait/愛し合っていた」など。 今回の受賞はSouchonにとって10個目のvictoireで、これはMatthieu Chedid(M)Alain Bachung13個に次ぎ、Johnny Hallydayと同数。

Presque2020https://www.youtube.com/watch?v=kbh5-V4M5ic

 

・新人ステージ賞:Suzane(他の候補者:HoshiAloïse Sauvage

・・スザンヌSuzane(生年不明―エレクトロ系ACI

  本名Oceane ColomAvignon生まれ(生年は不明だが、今年29歳の報道あり)。芸名は曾祖母から。5歳でクラシックダンスを始め、その後歌も習う。6年前にParisに出て、Menilmontant地区のレストランのウェートレスをしていた。インタビューなどでSuzaneは「自分はEdith Piafの『Les amants d’un jour/いつかの二人』の主人公のようにCaféの奥で皿洗いをしていた」と語っている。その間歌を習い、また、曲作りをした。客を観察しながら、独特の、個性的な主人公を作り上げ、エレクトロ・ポップ調の曲に仕上げた。2018年3月シングル「L’insatisfait/不満を抱く人」、5月シングル「La flemme/怠惰」をリリース。いずれも好評で注目された。  2019年には一躍人気歌手に、春から秋にかけての6ヶ月間に32の音楽フェスティヴァルに出演、都合200回以上ステージに立った。

2020年1月24日ファーストアルバム「Toï, Toï/トイ、トイ」をリリース。これには前記の2曲を含め14曲が収められている。それらは:「Monsieur Pomme/アップル氏」、「Suzane」(ウェートレスをしている自分に話しかけている「これからどうしたいの?歌手になりたいの?Olympiaを夢見ているの?・・」)、「Il est  le SAV?」、「Le potin/うわさ話」、「P’tit gars/男の子」、「Quatre coins du globe/地球の四隅」、「Plus vite que ça/それより速く」、「Novembre/11月」、 「Madame Ademi」「Pas beau/」、「Anouchka」(同性愛の女性がテーマで、自由への叫び)、「SLT」(SLTSMSで「salut/<人にあった時の挨拶>やあ:<別れる時の挨拶>じゃあまた」の略。女性へのハラスメントを告発し「我慢することをやめ、自身を守ろう・・」)など。

Suzaneは今年もPrintemps de Bourges(4月25日 Bourges)、Francofolies de La Rochelle(7月14日 La Rochelle)、Festival du Roi Arthur(8月23日Bréal sous Montfort)など多くのフェスティヴァルへの出演が予定されている他、3月26日ParisLe Trianon、12月1日ParisOlympia出演するなど34のコンサートが予定されている。

なお、Suzaneは2018年Pommeらと来日し、9月23、24日渋谷「Unit & Unice」で行われた「Festival Tendem Music & Food」に出演したよう。

 「SLT」2019年7月https://www.youtube.com/watch?v=ZfIKqAg0kRQ

 

・新人アルバム賞PommeLes faillesひび割れ」他の候補MaëlleMaëlle」、Malik DjoudiTempéraments

・・Pomme(1996.8.2-ACI

本名 Claire PommetLyon生まれ、幼少の頃からピアノ、ベースを習い、子供合唱団にも所属。独学で作曲した曲をYou Tubeに投稿している。19歳でParisに移り住み、2016年EPEn cavale/逃走中」をリリース。それが好評裏に迎えられ、VianneyLouaneBenjamin Biolayの前座で歌う。2017年9月ParisLa Boule noire劇場(18区)に4夜にわたり出演。10月にはファーストアルバム「A peu près/およそ」をリリース、マスコミは高い評価を与えた。その後2018年にはCafé de la DanseParis 11区)、La CigaleParis 18区)、2019年にはTrianonParis 18区)などParisの主要な劇場に出演している。ステージに立つ際には自らギター、あるいはオートハープを弾く。今回VdM受賞の対象になったアルバム「Les failles」は2019年11月1日リリースのPomme2枚目のアルバムで、編曲にAlbin de la Simoneの協力を得て:「Anxiété/不安」、「Je sais pas danser/私は踊れない」、「Grandiose/壮大な」、「Les séquoias/セコイア」、「Les oiseaux/鳥たち」、「Pourquoi la mort te fait peur/あなたは何故死を恐れるの」、「La lumière/光」、「Soleil soleil/太陽」、「Saphir/サファイア」、「Une minute/1分」など11曲収録。

Pommeは今後、4月23日にはPrintemps de Bourgesに出演、7月16日にはFestival des Vileilles CharruesCéline Dionの前座を務め、11月23日にはOlympiaに出演することになっている。

なお、Pommeは2018年Suzaneらと来日し、9月23、24日渋谷「Unit & Unice」で行われた「Festival Tendem Music & Food」に出演したよう。

AnxiétéVdMhttps://www.youtube.com/watch?v=bSCiqfhFKRw

 

・オリジナルシャンソン賞:Vitaa & SlimaneÇa va, ça vient

(他の候補:Boulevard des Airs feat. VianneyAllez reste」、Clara LucianiNue」、Alain SouchonPre

sque」、Philippe Katerine Stone avec toi」)

・・Vitaa & SlimaneÇa va, ça vient/大丈夫、なるようになるさ

 受賞曲はVitaa & Slimaneが2019年8月にリリースしたデュオアルバム「Versus/・・に対して」に収録されている。

Vitaa(本名Charlotte Gonin) 1983年3月14日アルザス地方Mulhous生まれ、Lyon近郊で育ったRnB系歌手、作詞、作曲も行う。2006年にはDiamsとの「Confession nocturne/夜の告白」をデュオで歌い知られるようになり、Diamsのコンサートに前座で歌う。2007年2月5日ファーストアルバム「A fleure de toi/あなたと同じように」をリリース、チャート1位にもなり40万枚以上の売上げ。その後の3枚のアルバムは期待した成果は得られなかったが、2017年5月5枚目のアルバム「JM」は、「Tu me lsaisseras/あなたは私を放っておく」、Julとのデュオ「Ça les dérange/それは彼らの迷惑になる」、Claudio Capéoとのデュオ「Un peu de rêve/少しばかりの夢」などを収録、10万枚以上の売り上げ。

Slimane本名Slimane Nebchi19891013日、Parisの東郊外Chelles生まれのACI、両親はアルジェリア出身。2016年のTVTF1スタ誕番組「The Voice」第5シリーズで優勝。2016年7月8日ファーストアルバム「A bout de rêves/夢の最後に」をリリース、20万枚以上売上げ。2018年1月2枚目のアルバム「Solune」(「soleil/太陽」と「lune/月」とを結合させたSlimaneの造語か)も10万枚以上の売り上げ。

アルバム「Versus」にはVitaaSlimaneが作詞作曲した(他の作詩・作曲家の協力を得たものもある)、19曲収録されている。リリースの週アルバムチャート1位、その後2020年2月の第1週(1位)までの間、連続ではないが9週トップ。2020年1月には30万枚以上の売り上げでdisque de triple platineに。

 「Ça va, ça vientVdMで https://www.youtube.com/watch?v=PeqraT1aMBU

    「Ça va, ça vient /大丈夫、上手く行くさ」 クリップ映像 https://www.youtube.com/watch?v=Wz86pFtHZqI



・コンサート賞AngèleBrol Tour(他の候補:Jeanne AddedBoth sides」、- M–Le grand petit concert」)

・・Angèle(1995。12.3-ACI

Angéle、本名Angèle Van Laeken、ベルギーのUccle生まれ。.父親はフランスでもよく知られている現役のACIMarka、母親は女優・劇作家Laurence Bibot、3歳年長の兄はラップ歌手のRoméo Elvis.Bruxelles郊外で育ち、5歳からピアノを習い、高校卒業後Anversでジャズピアノを学び、父親のバックバンドを務め、友人の勧めもあってACIに。最初はBruxellesのカフェなどで歌い、2017年にはベルギー出身のラップ歌手Damsoの前座で歌う。2017年10月30日最初のシングル「La loi de Murphy/マーフィーの法則」をリリース、そのオフィシャルクリップは現在まで2800万回の再生。2018年5月にはParisに登場、TrianonMC Solaarと出演、その後各地のフェスティヴァルに出演、10月31日にはTV番組「C à vous」に出演するなどしてフランスでも人気に。Angèleはまたベルギー出身のラップ歌手Damsoが2018年6月15日にリリースし、フランスでもチャート1位になったアルバムで今回のVdMでラップアルバム賞を受賞した「Lithopédion」には「Silence」を提供、デュオで歌っている。2018年10月5日ファーストアルバム「Brol」(ブリュッセル地方の俗語で「désordre/無秩序、混乱」をリリースされ、「La loi de Murphy」、「Tout oublier/すべて忘れる」(Roméo Elvisとのデュオ)、「Je veux tes yeux/あなたの目が欲しい」、「Jalousie/嫉妬」、「Victime des réseauxSNSの犠牲者」、「Les matins/毎朝」、「Balance ton quoi/あなたの何かを告発して」など12曲収録。アルバムは2019年9月disque de diamantに。Angèleは2019年のVMではアルバム「Brol」が「新人アルバム賞」を受賞、「Tout oublier」のclipが「オーディオヴィデオ創作賞」を受賞している。今回の受賞の対象となったのはアルバムリリース後開始した「Brol Tourで、2020年2月18日から21日までParisAccorhotels Arena出演が追加されて終了、この間37万人の観客を集めたと言われている。Angèleは今後しばらくの間休養する由。

Balance ton quoi202019ParisAccorhotels Arena

https://www.youtube.com/watch?v=o9TXXMr286Q

 

 

・オーディオヴィデオ創作賞PNLAu DD

(他の候補:AngèleBalance ton quoi」、Les Vieilles CanaillesLive Les Vieilles Canailles」)

・・PNL(2015年結成)

PNLPeace NLoves)はEssonnesCorbeil-Essonnes出身のTarik及びNabilAndrieu兄弟がそれぞれソロで活動後2015年に結成したラップグループ。2015年3月ファーストEPQue la famille/家族が」をリリース、マスコミの評判は良かった。同年10月ファーストアルバム「Le monde Chico/チコの世界」をリリース、チャートの最高位は2位。2016年にはセカンドアルバム「Dans la légende/伝説の中で」をリリース、チャートの1位になり、100万枚以上の売り上げに。このアルバムに収録されることになっていた「Tchiki Tchiki/チキ チキ」のclip officielは日本で撮影されたが、著作権の関係からこの曲はアルバムには収録されなかった。2019年4月にリリースされたアルバム「Deux frères/二人の兄弟」は「Au DD」、「Deux frères」、「Blanka/ブランか」など22曲を収録、演奏時間は100分弱、これもチャートの1位になり、50万枚以上の売り上げに。今回オーディオヴィデオ創作賞を受賞した「Au DD」の撮影はEiffel塔の頂上で行われた。2019年3月YouTubeupされてから既に13000万回以上の再生。「Au DD」は「Au détail/小分けにして」の意で、「麻薬取引の際に、小さく分けて売り捌くこと」らしい。

Au DDclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=BtyHYIpykN0

 

・特別賞:Maxime Le Forestier(1949.2.10-ACI

  今回の授与式ではMaxime le Forestierの長年の活躍に対して特別賞が贈られた。Maxime le Forestier本名Bruno Le ForestierParis生まれ。15歳でギターを習い始め、65年姉のCatherine(1946-)とデユオ「Cat et Maxime」を組んで左岸の小さなキャバレでPPMの曲をフランス語で歌う。デュオはMaximeの兵役により自然解消。70年5月除隊後ソロで音楽活動を再開し、72年ファーストアルバム「Mon frère」をリリースその中の「Mon frère/兄弟:追憶のコンチェルト」、「San Francisco/サン フランシスコ」、「Education sentimentale/感情教育」がヒット。その後も定期的にアルバムをリリース。72年Paris Bobino座でGeorges Brassendsの前座をつとめた。Le Forestierこれによって世に出たと言ってよく、Brassensの一番弟子と言われている。98年秋Brassensの曲84曲を収めたCD4枚組のアルバムル「 Le cahier /手帳」をリリース、それにはBrasserns自身は歌うことがなかった曲も収められていた。 73年にはオランピアに初出演。88年10月17日リリースのアルバム「Né quelque part/どこかで生まれて」に収められた同名の曲でVdM最優秀シャンソン賞を受賞。96年にはVdMで最優秀男性歌手賞。2011年には自伝「Né quelque partどこかで生まれて」を出版。2012Académie FrançaiseからGrande Médaille de la chanson françaiseを授与されている。Le Forestierは他の歌手に作詞作曲で協力していて、特にJulien Clercの06年ヒット曲「Double enfance/2重の子供時代」には詩を提供している。 最新のアルバムは2019年6月7日リリースのParaître ou ne pas être/・・のようだ、あるいは、そうではない」で16枚目。

今回の授与式ではLe Forestierの特別賞受賞を祝ってJean-Jacques Goldmanがヴィデオメッセージを寄せて「Maxime、ありがとう!我々の日々の暮らしに寄り添ってくれている君の多くのシャンソンに感謝。ギタリストとしての、作詞家、作曲家としての音楽界への貢献に敬意を払う・・」。また、VianneyLe Forestierの最大のヒット曲「San Francisco」を歌った。

San FranciscoMaxime Le Forestier 

1972年 https://www.youtube.com/watch?v=AQwZJjQ6HBA

2011年 https://www.youtube.com/watch?v=KrVHDNBOCDQ

San FeanciscoVdMで。Alain Souchonの祝辞→Vianneyの歌→Le Forstierの登場

   https://www.youtube.com/watch?v=A8fH5x6gN1g



KCN1558 2020.2. 23

KCN 1558  2020.2.23

フレデリック・フランソワ Frédéric François、コンピレーションアルバム リリース

   

 Frédéric Françoisのデビュー50年を記念した、compilationL’album anniversaire」が2020年1月31日にリリースされた。50曲集録のCD3枚及び48ページのブクレット付き。

 Frédérique François、 本名Francesco Barracato、は1950年イタリア、シシリー島のLercara Friddi生まれの歌手、作曲家。シシリー人の中で最もフランス人的(あるいはその逆)と言われている。炭坑夫になった父についてベルギーに移住、現在も居住。66年Conservatoire de Liegeを卒業。ベルギーChâteletの音楽コンクールで優勝し、その賞として16歳で最初のレコードを出す。1970年に出した2枚目のレコードが当時フランスのラジオ局Europe1の音楽デイレクター Lucien Morisseの目に止まり、フランスでもリリースされ、アイドル歌手としてデビュー。ステージ名はポーランド出身の作曲家・ピアニストのFrédéric François Chopin(1810-1849)から。Françoisは作曲も行い、歌っている曲のほとんどは自ら作曲。デビュー当時のヒット曲としては71年に13週間ヒットチャートのトップを占めた「Je n'ai jamais aimé comme je t'aime/いま君を愛しているほど人を愛したことはない」、50万枚以上売り上げた72年の「Je voudrais dormir près de toi/君の側で眠りたい」、73年の「Laisse-moi vivre ma vie/僕の人生を生きさせて」は100万枚以上など。

 1970年代後半デイスコ音楽最盛期には突如として人々に忘れられたことも。「再び日の目を見る日が来ることを信じて準備を怠らなかった。しかし、苦しい日々だった」。数年間の砂漠の日々を過ごした後、1983年「Adios Amor」でカムバック。1984年にはOlympiaに初出演。1985年の「Mon cœur te dit je t'aime/僕の心がジュ テームと言っている」やJe taime à litalienne/イタリア風に君を愛す」、1992年の「Je me battrai pour elle/彼女のために戦うだろう」などがヒット。

 2000年代に入ってからも定期的にアルバムをリリース。最近では2018月にはSaint-Valentinに聞くのに適した14曲収録した「La voix de lamour/愛の声」を、2019年3月には「Juste un peu d’amour/ほんの少しの愛」をリリースしているFrançoisは毎年フランス国内でも数多くのコンサートを開いている。ファンは18歳の女の子からその母親まで圧倒的に女性、自分のファンについて語る時、主語は必ず「elles/彼女たち」(全員が女性の場合の3人称複数の主語)で語り、「ils/彼ら」(全員が男性、または男性と女性が混じっている場合の3人称複数の主語)とは言わない。「毎日の生活は苦しく、灰色であるかもしれないが、僕は幸せを与えたい。ロマンテイスムという薬を提供して」。50年のキャリアで350曲以上を4カ国語で歌い、4000万枚以上のレコード売り上げ、ベルギー人の歌手ではAdamoJacques Brelに次ぐ。

 L’album anniversaire」に収録されている50曲はJe n'ai jamais aimé comme je t'aime」、「Laisse-moi vivre ma vie」、「Adios Amor」、「Mon cœur te dit je t'aime」、Je taime à litalienne」、「Une rose dans le desert砂漠の中に一輪のバラ」、「L’amour fou常軌を逸した恋」、「Comme facette mammeta」、「Quand vient le soir on se retrouve/夜になったら会おう」、「C’est plus fort que moi/僕にはどうにもできない」、「Est-ce que tu es seule ce soir?/今夜は一人かい?」、「Chicago」、「Juste un  peu d’amour」、「Des blessure d’amour/愛の傷」、「O sole mio」、「Repartir à éro/ゼロから再出発」、「Tzigane/ジプシー」など。

2019年6月から「50年のキャリア」ツアーを行っていて2019年10月12日にはParisLe Grand Rexに出演。Paris再登場は2020年10月25日のOlympia

  Quand vient le soir on se retrouve」1973年、https://www.youtube.com/watch?v=Z0yqRb9Rfks

Mon cœur te dit je t'aime1984https://www.youtube.com/watch?v=bO9vSmHh6FU

 「Laisse-moi vivire ma vie」1990年 https://www.youtube.com/watch?v=yujVs5UUZk8

Est-ce que tu es seule ce soir?」2014年https://www.youtube.com/watch?v=G3AbYulgGvg

Je taime à litalienne」2019年https://www.youtube.com/watch?v=eK9yYCG-gPs

 

 
No.1557  2020.2. 8  kCN 1557  2020.2.8

 Les enfoiree 2020    

                      

2020年Les Enfoiresの公演が2020年1月15日から1月20日までParisAccordHotels Arena(85,rueBercy 12区)で行われた。

Les Enfoires の公演は、困窮している人々に食事を提供する目的で喜劇俳優Coluche(1944-86)が創設した「Resto du C?ur/心のレストラン」の資金集めのために行われるもので、参加するアーティストは全員ボランティア。Colucheの、あるいはColuche没後アートディレクターとして中心的に活動したJean-Jacques Goldmanの、要請に応じ毎年多くのアーティストが参加。ただし当初は出演を拒否するアーティストが多く、Colucheは出演してくれるアーティストを、親しみを込めて「Les enfoires/お馬鹿な連中」と呼んでいた。1986年から88年まではTV放送のみで行われ、86年にはYves MontandCatherine Deneuveらが出演した。劇場での公演の第1回は1989年。第2回は92年で、これ以降毎年行われている。2017年にはGoldmanが引退、その後は、Benabarなど3人が共同でアートディレクターを務めている。近年ではコントなども演じられ、コンサートと言うより一大歌謡スペクタクル。その模様は毎年3月上旬にTVTF1で放送される。この放送は「国民的行事」と言われるほど多くの視聴者を集め、毎回50%近い視聴率を誇っている。また、この放送後にリリースされるコンサートの模様を収めたCDDVDは毎年売り上げランクの上位に。

 30回目となる2020年の公演のタイトルはLe Pari(s) des Enfoires」(le pari/賭け)、上記の間に7回行われた。このうち15日(水)は公開のRepetition generale/ゲネプロ、19日(日)には昼夜2回の公演。
テーマソングは「A cote de toi/あなたの傍らで」で、グループBoulevard des AirsTibzの協力を得て作詞作曲。

 

今回は45人のアーティストらが出演(全員がすべての公演に出演したわけではない)。

主な出演者は・・出演回数が多いのは:Jean-Louis Aubert(18回目の出演)、Amel Bent(2006年から連続15回目の出演)、Patrick Bruel(1993年から連続28回目の出演)、Julien Clerc(16回目の出演)、Patrick Fioly(1999年から連続22回目の出演)、Liane Foly(22回目の出演)、Jenifer(2003年から連続18回目の出演)、Michael Jones(27回目の出演)、Michele Laroque(21回目の出演)、Nolwenn Leroy(13回目の出演)、Mimie Mathy(27回目の出演)、Christophe Mae(11回目の出演)、Jean-Baptiste Maunier(14回目の出演)、MC Solar(21回目の出演)、Christophe Willem(12回目の出演)、Zazie(1997年から連続24回目の出演)など。若手では:Claudio Capeo(2回目の出場)、Thomas Dutronc(9回目の出演)、Kendji Girac(5回目の出演)、Maelle(初出演)、Slimane(2回目の出演)、Soprano(5回目の出演)、Vitaa(初出演)など。

 

今回の出演者の中でも特に注目されたのはVeronique Sanson(1947- ACI)。SansonColuchuResto du c?urの賛同者で協力者、Les Enfoiresには1989年に女性歌手では最初の出演者として出演、その後99年までの間に4回出演していた。今回20年ぶりの出場で、19、20日に出演。2019年には扁桃腺ガンの治療のため放射線治療を受けていると報道されたSansonが18日リハーサルのために現れた時には出演者一同が感激して迎えた。

また、今回初出演のMaele/マエル、本名Maelle Pistoiaは2001年1月4日Bourgogne地方Tourmus生まれの歌手。TVTF1のスター誕生番組「The Voice:La plus belle Voix」の第7シーズン(決勝は2018年5月12日)の優勝者。2018年7月4日にLouhansで最初のコンサートを行い、2019年11月22日ファーストアルバム「Maelle」をリリースしたばかりの新人。2019年4月シングルリリースされ、アルバムに収録された「Toutes les machines ont un c?ur/すべての機械には心がある」はZazieの詩にCalogeroが曲を付けたもの。https://www.youtube.com/watch?v=xtrB4F9ZfT8

 

今回のLes Enfoires オープニングは2019年4月に大規模火災が発生し尖塔などが焼失したParisノートル・ダム大聖堂へのオマージュ、ミュージカル「Notre Dame de Paris」から「Le temps des Cathedrales/大聖堂の時代」、続いてGoldmanのヒット曲「Quand la musique est bonne音楽が美しければ」 https://www.youtube.com/watch?v=lkEfNxWV1No

Sansonは1991年リリースのアルバム「Sans regrets」に収録された「Visiteur et voyageur訪問者と旅人」を、ピアノを弾きながらAubertBruelWillemと。https://www.youtube.com/watch?v=3wuaUSQvAfA

JeniferLeroyMaelleVitaaDalidaのヒット曲「Mourir sur scene/歌い続けて」

https://www.youtube.com/watch?v=m3w0p4zo0XY

フィナーレは「A cote de toi」に続いて最後の曲、恒例の「La chanson des Restos

https://www.youtube.com/watch?v=XYn-iY3B0n

 No.1556 2020.1.30   

KCN 1556    2020.1.30

2019年年末の新譜

 (大変遅ればせながら)

昨年末にリリースされましたCD4点をご紹介いたします。
其々のCDの主な数曲お楽しみ下さい。 歌手の経歴及び全てのCD曲目を後記いたしました。

管理人おすすめ
 1. フランク・ミカエル Frank Michael、「Le grand amour/大きな愛」

Frank Michaelが201911月15日にリリースした新しいアルバムは「Le grand amour」。

Michaelは12月23、24日ベルギー国内で新作を披露、2020年1月19日Paris Olympiaに出演。

Toute les femmes sont belles / 全ての女性は美しい1999年  https://www.youtube.com/watch?v=hzXomXPsNlk

Pour toutes les mamans/すべてのママのために」2007年 https://www.youtube.com/watch?v=epUTzzNPkKw

Il faut y coire/ それを信じてclip occiciel https://www.youtube.com/watch?v=vhhADT7ERbA

 

Frank Michael の経歴 及び 今回のCDの詳細>

chanteur romantiqueロマンティックな歌手」、「chanteur de charme甘い声で魅了する歌手」といわれているFrank Michael、本名Frsnco Gabelli、は1953日イタリアParma生まれの歌手で作曲も。家族はMichael 3歳のときベルギーに移住。工場で電気技師として勤務し、いつかは歌手になりたいと思っていたMichaelは、各地ののど自慢に出場、幾度か優勝。1974年最初のレコード「Je ne peux vivre sans toi/君なしでは生きて行けない」をリリース。1976年の3枚目のレコード「Dites-lui que je l’aime/彼女に愛していると言ってくれ」の辺りから知られるように。その後、各種のコンサートに出演し、評判が口から口へ広がり人気歌手の仲間入りをした。最大のヒット曲は1997年の「Toutes les femmes sont belles/全ての女性は美しい」(Michel Jourdan作詞/Frank Michael他作曲)で、この曲を収録した同タイトルのアルバムは150万枚売り上げたと言われている。そして、Michaelは固定的なファンを持つことで知られ、最盛期には年間150回ほど行ったというコンサートは常に盛況。コンサートで最も多くの花束を受け取る歌手の一人とも言われる。「観客の80%は女性、それも3代にわたる。コンサートの後のサイン会は1時間半以上になる」。また、出すアルバムは常にある程度の売上げが見込まれていて、レコード会社にとっては保険のような存在。レコードはベルギー、フランス、イタリア、スイス、スペイン、ドイツ、カナダ、日本(「1度も行ったことはないが、レコードは売れている」と語っている)でリリースされている。比較的多産で、約400曲歌い、既に30枚以上のアルバムを出し、都合1000万枚以上の売り上げ。すでにParis Olympiaには17回出演している。かつて一緒にTV出演した際Johnny Halydayにパリに出て来たらと勧められたが、「『La Ville Lumiere/光の都:パリ』は自分には向いていない。」と今もベルギーのLiegeに住んでいて、フランス国内でのコンサートの場合でも数百kmの距離なら、愛車のFerrariで往復する。前作は201711月リリースの「La Saint-Amour」で14曲収録。

 今回のアルバム「Le grand amour」にはClaude Lemesle(1945-作詞家Joe Dassinの「L’ete indien」、Mathieuの「Des prieres」、Becaudの「Desiree」など)の作詞による12曲が収録されている。それらは:「Il faut y croire/それを信じて」、
Pardonne-moi ces mots d’amour/愛の言葉を許して」、「Nous verron Verone/ヴェローナを見に行こう」、「Danson encore/もっと踊ろう」、「Ou vont les baisers voles ?/束の間のキスは今どこに?」、「Ciao ciao」、「Non,ce n’est pas un adieu/そう、それはさよならではない」、「Je serai toujours au rendez-vous/いつでも準備ができている
」、「Liberte/自由」、「Le grand anour existe encore/僕の大きな愛は今も生きている」、「Tout seul on n’est pas assez」など。

 

2 ジャン=ルイ・オベールJean-Louis Aubert、「Refuge/逃げ場」

Jean-Louis Aubertが2019年11月15日にリリースした新しいアルバムは「Refuge」。

 Aubertは2019年5月ParisMogadorに、11月にはBaraclanに出演、アルバムに収録された曲からいくつかを披露している。2020年2月末からツアーを開始、ツアー期間中のParis登場は4月23、24日のZenithRochelleFrancofolieに出演の予定。

Alter ego」2003年 https://www.youtube.com/watch?v=6FxL5x9fv3c

Vivant poemshttps://www.youtube.com/watch?v=wCgDqmTwY8Q

Bien sur」2019年11月20日 https://www.youtube.com/watch?v=ysp79b20dRk

 Jean-Louis Aubert の経歴 及び今回のCDの詳細>
Aubertは1955年AinNantua生まれのACI、プロデユーサー。1976年Louis Bertiganacらと4人でフランス初の、そして伝説的なロックグループTelephoneを結成、ギターとヴォーカルを担当。Telephoneは最初Rolling Stonesなどの曲をカバーしていたが、その後メンバーが作詞作曲した曲を歌うようになり、79年アルバム「Crache ton venin/毒づけ」に収録された「La bombe humaine/人間爆弾」(作詞はAubert、作曲は全メンバー)は大ヒットし、アルバムは60万枚以上売上げ、グループはカルト的な存在になり、一種の社会現象に。Telephoneは86年解散し、Aubertは89年からソロで活動、コンサートや定期的にアルバム出している。92年のアルバム「H」は20万枚売上げ、2001年にはヒットした「Alter Ego/分身」を含む「Comme un accord/合意の印に」は25万枚。また03年Raphaelの2枚目のアルバム「La rearite/真実」では「Sur la route/旅の途中で」をデュオで歌ってヒットした。その後も定期的にアルバムをリリース。2010年の「Roceclair/ロクエクレール」、40万枚以上の売上げ。リリースの後で行ったツアーで12年VdMツアー賞受賞。Aubertは2011年にはSACEMPrix special特別賞を受賞している。  AubertBarbaraの最後のアルバム「Barbara」(1996年)に「Vivant poeme/生きている詩」を作詞作曲して提供している。このアルバムに収められているBarbaraのソロヴァ-ジョンとは別に、この曲をBarbaraAubertがデュオで歌っているヴァージョンがあり、12年Barbaraの没後15年の記念するBarbara全集に収録されている。前作は2014年リリースの「Aubert chante HouellebecqLes Parages du vide/オーベール、ウーエルベックを歌う- 虚無の周辺」で、Aubertが、Michel Houellebecq(1956-詩人・小説家・随筆家・映画監督)の詩に曲を付けたもの。

 今回の5年ぶりのアルバム「Refuge」はCD2枚組み、22曲収録。「Telephone結成以前に作られた曲も含めて50曲以上のストックがある。それを入れたリュックは重すぎる。いくつかはゴミ箱行きのものもあるが、いくつかは『Ne m’enferme pas/閉じこめないで』(アルバム収録の最初の曲のタイトル)と叫んでいる。若い頃の詩には64歳になった今でも語りたいことが語られている。人生はうねりに翻弄される小舟。そのとき逃げ場を提供してくれるのはパートナー」。

 アルバムの伴奏ではピアノ、ベース、ギター、ドラムスはAubert自身が演奏。

12曲は:「Ne m’enferme pas」、「Du bonheur幸福について」、「Aussi loin/こんなに遠く」、「Bien surちろん」(人生の悩みによって翻弄される小舟)、「Refuge」、「Ou je vis/僕が生きていた場所」、「Tu vas l’aimer/君はそれを愛するようになる」、「Les temps sont durs/時は厳しい」、「Ou me tourner/僕が向かう場所」、「Autiste artiste/自閉症のアーティスト」、「Tire d’aile/大急ぎで」、「Encore/まだ」、「Sculteur de vent/風の彫刻家」、「Marche droit/真っ直ぐ歩け」、「Laisse-les/彼らを放っておけ」、「La vie est une souris/人生は一匹のハツカネズミ」、「Pour de bon/本気で」、「Je n’arrive pas a coire/信じることはできない」、「Simple/単純な」、「Pardonne/許せ」、「Demain/明日」など。

  

3.ヴァンサン・ニクロVincent Niclo、「Tenorテノール」

Vincent Nicloが2019年11月22日にリリースした新しいアルバムは「Tenor」。

 Ameno」2012年https://www.youtube.com/watch?v=vI-gEnoIiSA

Loin d’ici」録音時https://www.youtube.com/watch?v=u6dkZFojiAE

Je chante avec toi liberte」 Nana Mouskourihttps://www.youtube.com/watch?v=A-VJxkqfTQ0

LonlonKidjohttps://www.youtube.com/watch?v=ctedlZ-MTSs

SogniBrightmanhttps://www.youtube.com/watch?v=WT7W_KNvVJo

 
Vincent Niclo の経歴および今回のCDの詳細>

Vincent Niclo1975Paris生まれ、テノール歌手。父親は歌手。最初演劇に興味を持ちFrancois Florentの演劇学校に通い、モダンダンスのスクールにも通った後劇場劇やTVドラマに出演。その後パリOpera座のThierry Dranの許で声楽を学び、ミュージカルに出演するように、特に03年パリのPalais des Sportsで上演された「Autant en emporte le vent/風と共に去りぬ」ではRhett Butlerを演じている。その後06年からソロ歌手として活動を始め、同年最初のアルバム「Un nom sur mon visage/僕の顔の上の一つの名」をリリースするが、評判にならず。モスクワ公演の際ロシアの「Les Ch?urs de lArmee Rouge/赤軍コーラス隊」の隊長に、コーラス隊のフランス公演の際共演するよう要請され、12年3月から共演。12年9月24日にリリーしたアルバム「Opera rouge/赤いオペラ」は、このコーラスをバックに歌った「Ameno/アメノ」、「Funiculi Funicula/フニクリ フニクラ」、「Caruso/カルソ」、「La Marseillaise/ラ マルセイエーズ」など10曲を収録、5週間アルバムチャートの5位以内に入るヒットで、triple disque de platine(30万枚以上の売り上げ)。13年11、12月にはCeline Dionのヨーロッパツアーの前座で歌い人気に拍車が。13年12月Luis Mariano(スペイン1914-Paris1970 歌手)の生誕100年を記念して「La belle de Cadix/カディスの美女」などMarianoのヒット11曲を収録したアルバム「Luis」をリリース、25万枚以上の売り上げ。14年12月アルバム「Ce que je suis/僕はこうだ」Serge Lamaに詩の提供を受けた「Jusqu’a l’ivresse/酔うまで」などを収録。16年9月リリースの「5.0/5 ドット オー」で、Pascal Obispoなどの協力を得た。前作は2018年921日にリリースの「Tango」で、「Le plus beau tango du monde/世界で最も素晴らしいタンゴ」、「Quizas,quizas,quizas」などタンゴの名曲15曲を収録。

 今回の「Tenor」にはオペラの名曲、クラシックに新しい歌詞を付けた曲、あるいはシャンソンの名曲をソロ、あるいはデュオなどで歌った13曲が収録されている。それらは:「Loin d’ici/ここから遠く」(Laetitia Miloとのデュオ)、「La donne e mobile/女心の歌」(Verdiのオペラ「Rigoletto」から)、「Je chante avec toi liberte」(Nana Mouskouriのヒット曲、Mouskouriとのデュオ)、「Che ti trovero」(Tchaikovskiの「白鳥の湖」から)、「Concerto pour une voix(Saint Preuy)/(Saint Preuyサンvarottiなどのヒット)、「Lonlon/ロンロン」(Ravelの「Bolero」からAngelique Kidjoのヒット、Kidjoとのデュオ)、「E lucevan le stelle/星は光ぬ」(Pucciniの「Tosca」から)、「Sogni/ソーニ(夢)」(Sara Brightmanのとのデュオ、Brightmanの2018年のアルバム「Hymn/永遠の讃歌」に収録されている)、「Crescendo」、「A cuor leggero」(Haendelの「Sarabande/サラバンド」からCamille & Julie Bertholletと」、「Addio」(Prelude de Chopinのプレリュード ホ短調 en Mi Mineurから)、「Have yourself a Merry Little Christmas」(Placido Domingoとのデュオ)など。

 

4.ルノー Renaud、「Les momes et les enfants d’abord/女性と子供優先」

 Renaudが2019年11月29日にリリースした新しいアルバム「Les momes et les enfants d’abord」。

Laisse beton」https://www.youtube.com/watch?v=cv83KWmb73M

Mistral gagnanthttps://www.youtube.com/watch?v=_AuxJdDlnQ4

Manhattan-Kaboulhttps://www.youtube.com/watch?v=eDksViJXKbQ

Les boboshttps://www.youtube.com/watch?v=7ZH2Puwsyz0

Les animalsclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=fFwG1bfrFQs

 Renaud の経歴および今回のCDの詳細

Renaud、本名Renaud Sechan1952年パリ14区生まれのACI。16歳の誕生日を68年のいわゆる「5月革命」のバリケードの中で迎えた頃から曲を作り始め、75年最初のアルバム「Amoureux de Paname/パナム(パリ)の恋人」は38万枚の売上げ。 77年「Laisse beton/ほっとけ:laisse tomberの逆さ言葉」などを収めた同タイトルのアルバムは55万枚。83年「Morgane de toi/モルガン ド トワ」150万枚の売り上げ。85年「Mistral agnant/ミストラル ガニャン」などを収めた同タイトルのアルバムは200万枚以上。この頃からトレードマークの赤いバンダナを首の周りに巻いた反逆歌手と言われるように。91年のアルバム「Marchand de cailloux/砂売り」(65万枚)でACC大賞。Georges Brassensを尊敬し、師と仰ぎ96年には「Renaud chante Brassens/ルノー、ブラッサンスを歌う」(30万枚)を出している。しかし、50歳になる前から数年間パリのビストロでアニス酒浸りになりながら孤独な生活を送っていた。回復し、シャンソンに戻り、2002年8年振りのアルバム「Boucan d'enfer/地獄の大騒音」をリリース、220万枚の売上げ。これによって翌年03年のVdMでアルバム賞、男性歌手賞及びその中に収められていたAxelle Redとのデユオ「Manhattan-Kaboul/マンハッタン=カブール」でオリジナルシャンソン賞の3賞を獲得した。04年にはAcademie FrancaiseGrande Medaille受賞。06年アルバム「Rouge sang/赤い血」(「Les Bobos/ボボたち:bourgeoisbohemeの人たち」、「Malone」などを収録70万枚)。09年アルバム「Molly Malone-Balade irlandaise/モリー・マロン=アイルランドのバラード」をリリース、20万枚以上の売上げ。その後2011年に離婚したことなどもあり「インスピレーションが枯渇した」と活動を休止していたが、12年CD18枚組の「Integrale/全集」がリリースされ、13年には「Arts et Lettres/芸術・文学」勲章のCommandeur章を受けている。14年には後輩の歌手たちがRenaudのヒット曲をカバーしたアルバム「Bande a Renaud/ルノー軍団 Vol 1Vol 2」をリリース。Renaudフランスでは人気が高く、06年にはPetit Larousse辞典人名欄には記載があり、「好きな歌手」のアンケートでは常に上位。また1985年に出した「Mistral gagnant」は「好きなシャンソン」の上位にランクされる。前作は2016年リリースの「Renaud」、「Les mots/言葉たち」などを収録したこのアルバムは77万枚の売り上げでdisque de diamantに。2017年VdMで男性歌手賞受賞(6つ目のVictoire)。その後1年間にわたり120回のコンサートを開いた。 アルコール依存症が度々報道されているRenau,「最近10ヶ月一滴もアルコールは飲んでいない」由。

 

Les momes et les enfants d’abord」はRenaud18枚目(17枚目の報道もあるのスタジオ録音アルバムで12曲収録。作詞は1曲を除きRenaud、作曲ではRenan Luce(2011年から2016年までRenaudの長女Lolitaの配偶者)、Romane Serda(2005年から2011年までRenaudの配偶者)、Thierry Geoffroyの協力を得ている。そしてジャケットなどの挿絵ではZep(1967年スイス生まれの漫画家、Titefを主人公にしたシリーズの作者)の協力を。歌詞のテーマは主に子供、しかし子供に捧げられたアルバムというよりは、語られているのは自身の恵まれていた子供時代。今でも懐かしく思い、ノスタルジーを感じている子供の頃。それにRenaud自身が負っている痛みやアルコール依存症との戦いも。歌詞には、卑近な言葉遣い、汚い言葉が各所に出てくる。それは「子供たちはそんな言葉が好きだから」。もちろん詩が語りかけているのは子供たちにばかりではない、子供であった頃を「失われた楽園だと考えている」大人たちにも。

 

12曲:Lea animals/動物たち」(フランス語ではanimalの複数はanimauxanimalsとしたのは子供がよく間違うからか。曲中「昔Renaudrenard/狐と呼ばれていたが、牛乳を飲むようになったからpeinard/大人しくになった」と歌っている)、「Pinpon/ピンポン」(悪戯っ子の歌)、「L.O.L.I.T.A」(娘のLolita Sechanに・・お前の名にはL/エルが二つ<ドウ ゼル>、何故なら、空にはお前によく似た天使たちがいる。天使たちは皆2枚に羽根deux ailes<ドウ ゼル>を持っているから・・)、「Mes copains/僕の仲間」、「On va pas s’lisser pourir/自分が悪くなるのに任せてはだめ」(・・僕は一人の歌手の友人を知っている。彼は人生の10年間を無駄にした。10年の彷徨、不幸、鬱状態、心気症で。それらすべてはパスティス酒のせい・・)、「Y z’ont mis l’feu a l’ecole/彼らは学校に火を付けた」、「Le petit crabe et la langoustine/小さなカニとイセエビ」、「Y’a un monstre sous mon lit/僕のベッドの下に化け物がいる」(・・僕のベッドの下には化け物がいるようで、それが時々おしっこをする・・)、「Ca va gueuler/大騒ぎになるぞ」、「C’est la recre/それが休み時間」、「Parc Montsouris/モンスーリ公園」など。 

 

現在Renauにツアーの予定はない。

 

 

 

 

No.1555   2020.1.23  KCN 1555  2020.1.23

Le top 50 des personnalites/重要人物50人アンケート結果 
  
その2 女性の部門 (前回お伝えしました男性部門は、このニュースの下部に掲載しております)


IfopInstitut francais d’opinion publique)が2019年12月に実施した「Le top 50 des personnalites」の結果が
2019年12月30日Le Journal du DimancheJDD)紙上で発表された。今回は初めて男女別に行われ、
それぞれ25位までが明らかにされた。アンケートでは男女それぞれ40人の人物があらかじめノミネートされ、
18歳以上の1003人のアンケート対象者に「あなたが今日のフランスで重要だと思われる人物、あるいは
好きな人物10人を選んで下さい」と質問する方法で行われた。

 

女性の部上位5人(残念ながら歌手は入っていませんでした)、及び25位までにランクインした歌手は次の通りです。・・

1位Sophie Marceau(50.0%が選んだ) 1966年-俳優

2位Marion Cotillard(45.5%) 1975年-俳優

3位Florence Foresti(42.6%) 1973年-俳優、ユーモリスト

4位Josiane Balasko(42.3%) 1960-俳優、映画監督、作家

5位Alexandra Lamy(41.2%) 1971年-俳優

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

7位 Louane(35.0%が選んだ)

Louane本名Anne Peichert、は1996年11月26日北フランスPas-de-Calais県生まれの歌手、俳優。2013TV TF のスター誕生番組「The Voice」に出場、準決勝で敗退。Louaneは「The Voice」出演中に歌える若い女優を捜していた映画監督Eric Lartigauに注目された。同監督は2014年11月公開映画「La Famille Belier/ベリエ家族」で、Louaneをいきなり主役に抜擢。映画ではMichel Sardouの「Je vole/私は飛ぶ」、「En chantant/歌いながら」などを歌った。そして好演が認められ2015年2月Cesarの新人女優賞を受賞した。歌手としては ファーストアルバム「Chambre 12/12号室」を15年3月リリース。「Avenir/未来」、「Jour 1/初日」、「La fuite/逃亡」などを収録したこのアルバムは2016年VdMで新人アルバム賞を受賞、また、120万枚以上の売り上げでdouble disque de diamantに。2017年11月リリースの2枚目のアルバムは「Louane」で、Benjamin BiolayJulien DoreVianneyなどの協力を得た「Non-sens/ナンセンス」、「Sans arret/休みなく」、「Si t’etais la/あなたがいたら」、「Pour oublier l’amour/愛を忘れるために」、「Jour de pluie/雨の日」、「When we go home」など15曲収録。アルバムはdisque de diamantになり、ラジオ局「RTLの「2018年のアルバム」になった。ラジオ局NRJの音楽賞では2017年最優秀フランス語圏女性歌手賞を受賞している。また、2014年のMichel Delpechへのオマージュアルバム「J’etais un ange」には「Le chasseur/狩り」で、2017年のJohnny Hallydayへのオマージュアルバム 「On a tous quelquechose de Johnny」には「Toute la musique que j’aime/私が好きな音楽」で参加している。  映画俳優としては2017年Gabriel Le Bomin監督の「Nos patriotes」、2018年Lea Fredeval監督の「Les affames」 に出演している。

Jour 1」 2015https://www.youtube.com/watch?v=H9kvi-W3W7M

Si t’etais la2017年 https://www.youtube.com/watch?v=vqO_EKz1R4Y

 

9位 Line Renaud (32.6%)

 Line Renaud、本名Jacqueline Ente、は1928年7月2日 北フランス、リール近郊生まれの歌手、俳優。同地ののど自慢大会で優勝。45年パリに。20歳年長の当時すでに著名な作曲家であったLoulou Gasteと知り合い(結婚は50年、95年Gaste死去)、その指導を受け、49年「Ma cabane au Canada/カナダの私の小屋」でACCディスク大賞受賞。50年「Etoile des neiges/雪の星」、53年「Le bal aux Baleares/バレアルの舞踏会」。54年Moulin Rougeに出演、同年ボブ・ホープの招きでアメリカへ、Ed Sullivan Showなどに出演、大好評。59年Casino de Parisに出演、64年まで1000回以上の公演。68年から5年間ラスベガスなどで公演。76年から財政的危機に瀕していたCasino de Parisを救う4年間のレヴユー。51年から映画出演、70年代女優としてTVに出演、82年からは演劇に挑戦。2010年11月30年振りのアルバム「Rue Washington」をリリース、これには当代を代表するACIなどに提供された曲「Les torrents d’amour/愛の奔流」(Michel Delpechの詩)、「Dans ma tete/私の頭の中で」(Christophe Mae作詞/作曲)、「Un sourir/一つの微笑み」(Adamo作詞/作曲)など13曲収録。11年5月32年振りのコンサートでOlympiaに初出演。13年11月Legion d’honneur のGrand Officier章受賞。13年12月デビュー70周年を記念してCD16枚、400曲収録の全集をリリース。2018年7月90歳の誕生を祝った。Renaudは社会問題にも深い関心を持ち、「Sidaction/エイズに行動を」協会の副会長などを務めている。

 「Ma cabine au Canadahttps://www.youtube.com/watch?v=rHYYX-sk8bw

 「Un sourir」 https://www.youtube.com/watch?v=x_I0Mimw5P0

 

10位 Vanessa Paradis (32.3%)

Vanessa Paradis19721222日パリの南の郊外Saint-Maur-des-Fosses生まれの歌手作詞、作曲も、俳優。10歳で最初のレコードを出し、14歳で出した「Joe le taxi/タクシー運転手ジョー:夢みるジョー」は世界中で300万枚以上売上げた。90年にはJan-Claude Brisseau監督の映画「Noce Blanche/白い婚礼」に出演しPrix Romy Schneiderロミー・シュナイダー賞とCesarの新人女優賞を受賞するなど、女優としても活躍。 2007年9月Mの全面的な協力を得てリリースしたアルバム「Divinidylle/神々しき純愛は60万枚以上売り上げたと言われる。これにより08年のVdMで女性歌手賞とアルバム賞を受賞。2009年11月34曲収録(うち1曲は新曲)CD2枚組み「Best of」をリリース。10年7月11、12日にはVersailles宮殿でのコンサートを行い、その模様などを収めたライヴアルバム「Une nuit a Versailles」を10年11月リリース。11年10月公開のミュージカルアニメ映画「Un monster a Seine/パリの怪物」でLucilleの声を演じ、挿入歌「La Seine」などを歌う。 2013年5月アルバム「Love songs」をリリース。これによりVdMで女性歌手賞受賞。これはParadis7個目のvictoire、女性歌手で最多。2018年11月7枚目のスタジオ録音アルバム「Les sources/泉」には12曲収録されている。その半数以上はSamuel Benchetrit(1973年生まれの作家、映画監督、演出家、俳優、2018年6月Paradisと結婚)の作詞(合作も含め)による。他に、作詞ではBB BrunesAdrien Galloが、作曲ではアメリカのサイケグループThe BeesのメンバーPaul Butlerが協力。12曲は「Les sources」、「Kiev」、「La plage/浜辺」、「Ces mots simples/これらの単純な言葉」、「On oubliera/人は忘れるだろう」、「Dans notre monde/この世の中で」、「Si loin si proche/こんなに遠く、こんなに近い」、「A la hauteur de mes bras/私の腕の高さで」、「Cheri/愛しい人」。2019年には6月Paris Olympiaに出演、6月にリリースされたラップ系歌手Nekfeuがリリースしたアルバム「Les etoiles vagabondes/彷徨する星たち」で「Dans l’univers/宇宙で」をデュオで歌っている。

Joe le taxi」1987年 https://www.youtube.com/watch?v=e3UeQg_gVmU

Ces mots simples2018年 https://www.youtube.com/watch?v=iw3tp1HdwaQ

Dans l’universclip https://www.youtube.com/watch?v=t2T9pXq2vMM

 

14位 Mylene Farmer (29.9%)

Farmer本名Mylene Gautierは1961年11月12日カナダQuebec生まれのACI。芸名は1930年代に活躍したアメリカの女優Frances Farmerから。歳でフランスに。 演劇学校で学んでいるときLaurent Boutonnat(1961.6.14-AC、プロデューサー、演出家、写真家)と知り合い、その勧めで音楽の道に。 BoutonnatFarmerのデビューからのピグマリオン。1984年3月リリースのSPMaman a tort/ママは間違っている」が10万枚以の売上げで一躍人気歌手に。1986年4月1日ファーストアルバム「Cendres de lune/月の灰」の収録された「Libertine/放蕩女」から「赤毛の放蕩女」とも呼ばれることも。80、90年代にリリースしたアルバム、「Ainsi soit-je・・/アンシ ソワ ジュ」(88年)、「L’autre/二重人格」(91年)、「Anamorphosee/アナモルフォーゼ」(95年)、「Innamoramento/イナモラメント」(99年)はいずれもdisque de diamant。1988年VdM 「女性歌手賞」を受賞。2000年には Alizee(1984- 歌手)を発掘し、そのファーストアルバムをプロデュース。2005年VdM 「過去20年の最優秀女性歌手賞」を受賞。その後も2005年「Avant que l'ombre/影が迫りくる前に」、2008年「Point de suture/縫合」、2010年「Bleu noir/青黒い」。2012年「Monkey me」、2015年とInterstellaires/星の間の」と定期的にアルバムをリリースしている。2009年9月11、12日 Stade de Franceでのコンサート。2018年9月リリースの11枚目のスタジオ録音アルバム「Desobeissance/不服従」は25万枚以上の売り上げ。 Farmerは2019年6月7日日から27日までParisLe Defense ArenaArche de la Defenceの隣にある多目的ホールでコンサート会場として使用する場合の収容人員は40000人でヨーロッパ最大)で6年振りとなるコンサートを開催。この間9回の公演、235000人の観客を集めた。コンサートの模様は11月7日フランス国内、ベルギー、スイス、カナダ、ロシアなど18カ国の、フランス国内の325館など都合613館の映画館で上映され、こちらも155000人の観客を集めた。2019年10月にリリースした新しいアルバム「Live 2019このコンサートを収録したFarmer7枚目のライヴアルバム。CD2枚組みのアルバムにはコンサートのsetlist全曲22曲が収録されている。それらは:「Ainsi soit-je・・」、「Innamoramento」、「Interstellaires」、「Stolen car」(Stingとのデュオ)、「Des larmes/涙」、「M’effondre/がっくりする」、「Sans logique/理屈なしに」、「Desenchantee/夢から覚めて」、「Un jour ou l’autre/ある日又は別の日」、「Rever/夢見る」、「L’horloge/時計」など。Falmerは上記のVdMの他、ラジオ局NRJ音楽賞のフランス語圏女性歌手賞4回、フランス語圏アルバム賞3回など、数多くの音楽賞を受賞している。

 「Ainsi soit je1989 https://www.youtube.com/watch?v=vDZUfRnKky4

  「Rever」2009年Stade de Frane https://www.youtube.com/watch?v=BZEQQSbsVZ4

  「Interstellaires」2019年Le Defense Arena https://www.youtube.com/watch?v=U1-xdAsrY5E

 

15位 Zazie (29.8%)

Zazie、本名Isabelle Marie Anne de Truchis de Varennes196418日パリ近郊Boulogne-Billancourt生まれ、モデルから1992ACIに。92年のファーストアルバム「Je, Tu, Ils/私、あなた、彼ら」は、売上げ3万枚程度で華々しいものではなかったが、ACIとして認められるには十分で、93年にはVdM女性新人賞を受賞。95年1月にリリースしたセカンドアルバム「Zen/ゼン」は50万枚以上の売り上げでZazieのシャンソンフランセーズにおける地位を確実なものにした。アルバムに収められている「Larsen/ハウリング」のクリップは96年VdMのクリップ賞受賞。98年VdMで女性歌手賞受賞。2001年のアルバム「La Zizanie/不和」で、02年2度目のVdM女性歌手賞受賞。04年11月アルバム「Rodeo/ロデオ」をリリース、その後に行った「Rodeo tour」で06年VdMツアー賞受賞。15年3月コンピレーション「Zazie, Les 50 plus belles chansons/ザジー、最も美しいシャンソン50曲」をリリース。Zazieが2018年9月リリースしたアルバムは「Essenciel/最も重要なこと」で10枚目、Speedいらいらした」、「Watrrtloo」、「Va chercher探しに行きなさい」、「Nos ames sont我々の魂は」、「Ma story」、「On s’aima fort強く愛し合っていた」、「L’essenciel」、「La source泉」などを収録。Zazieは2019年末から2020年8月31日までの日程で、国内、ベルギーを回る「Essencielツアー」を行っていて、4月28日にはBoulogne-BillancourtLa Seine Musicaleに出演の予定。Zazieは他の歌手にも優れた曲を提供していて、08年に作詞作曲しChristophe Willemに提供した「Double je/二重の僕」がオリジナルシャンソン賞を受賞している。ほかにJane Birkin(「C’est comme ca/そんなもの」Zazie作詞作曲)、Patricia Kaas(「J’attends de nous/私は私たちに期待する」Zazie & Obispo作詞作曲)、Johnny Halyday(「Allumer le feux/火を付ける」Zazie作詞、Obispo作曲、この曲はHallydayがコンサートの際よく歌った)。ZazieLes Enfoiresの主要メンバーの一人で、1997年以降19回連続して出演している。

Zen」1996年 https://www.youtube.com/watch?v=nQRWK_H8u_A

 「Rodeo」2006年https://www.youtube.com/watch?v=ZH1njXSzQ0A

 「Essenciel」2018年https://www.youtube.com/watch?v=MkRVue7m8bo

 

16位 Nolwenn Leroy (29.0%)

Leroy1982年9月28日Bretagne地方Brest近郊生まれのACI。TVTF1のスター誕生番組Star Academyの2002年、第2回優勝者。Pascal Obispoらの協力を得た2003年のファーストアルバム「Nolwenn」をリリース60万枚以上の売り上げで華々しくデビュー。Alain Souchonらの協力を得た2005年リリースの2枚目のアルバム「Histoires naturelles/自然界の物語」も40万枚以上。2010年の4枚目のアルバム「Bretonne/ブルターニュ女性」ブルターニュ地方の伝統的な曲、スタンダード曲あるいはケルト文化が生んだ名曲「Tri MartolodTrois marins/3人の水夫」、「La jument de Michao/ミチャオの雌馬」など、あるいはMiossecに提供された「Brest」など13曲を収録、150万枚以上の大ヒット。2011年にはラジオ局RTL及びLe Parisien紙のアンケートで「2011年を代表する人物」に選ばれた。2012年11月にリリースされた5枚目のアルバム「O filles de l’eau/オー水の少女たち」では収録された13曲のうち8曲を、他の協力を得ながら作詞/作曲している。2015年11月27日には、11月13日のParis同時テロの犠牲者の政府主催追悼式でCamelia JordanaYael NaimJacques Brelの「Quand on n’a que l’amour/愛しかない時」を歌っている。2017年9月リリースのアルバム「Gemme/宝石」では収録11曲のほとんどを作詞作曲している。2018年11月リリースの7枚目のアルバムFolk」は主として70年代にフランスでヒットした曲のカバー。「So Far Away From LA」(Nicolas Peyrac)、「Diabolo menthe/はっか入りレモネード」(Yves Simon)、「Je t’aimais, je t’aime, je t’aimerai/あなたを愛していた、愛している、愛するだろう」(Francis Cabrel)などを収録、ある年代以上のファンには「madeleine de Proust/プルーストのマドレーヌ」の趣。Leroyは2019年3月から「Folk ツアー」を行っていて3月26、27日Paris LE Trianonに出演した。

  「Casse」2003年 https://www.youtube.com/watch?v=2mANsClvtuI

La jument de Michao」2011年 https://www.youtube.com/watch?v=5AfMOX_XMQ0

So far away From LA2018Nicolas Peyrachttps://www.youtube.com/watch?v=hXSKOIqgIu8

 

 

23位 Jenifer (23.9%)

Jenifer本名Jenifer Bartoli、は1982年11月15日 Nice生まれの歌手作詞も行う、俳優。幼少の頃から歌が好きで得意。14歳から年齢を偽ってコートダジュールのピアノバーで歌う、16歳でParisに出てバーなどで歌う。2001年TVTF1のスター誕生番組「Star Academy」の第1シーズンに出場し、優勝。2002年3月25日ファーストアルバム「Jenifer」をリリース。これにはDonne-moi le temps/私に時間をください」、「J’attends l’amour/私は愛を待っている」など11曲収録されていて100万枚以上の売り上げに2003年Johnny Hallydayのフランススタジアム公演では「Je te promets」をデュオで歌う。その後2016年の「Parads secret/秘密のパラダイス」まで6枚のアルバムをリリース。「Serre-moi/強く抱いて」(2005年)、「Tourner ma page/ページをめくる」(2007年)、「Je danse/私は踊る」(2010年)、「Sur le fil/綱の上」(2012年)、「Parads secret」(2016年)などがヒット。2017年3月6日Bruxelles公演を終え、Parisに向かっていたminibusが高速道AiOiseChamant付近で、他の車に追突、2人が死亡するという事故に遭遇。Jenifer自身は軽傷だったが、「この事故以降、私の歌に対する情熱を失ってしまった」と活動を休止。2018年1月16-21日にStrasbourgで行われたLes Enfoiresに出演して活動を再開。俳優として5月にTVTF1で放送された「Traques/追われる人」でTVドラマに初出演、ついで映画「Maya l’abeille 2/蜜蜂マーヤ2」では声優として出演。10月1日にはOlympiaで行われた慈善コンサート「Leurs voix pour l’espor/彼らの声を希望にために」に出演。そして10月26日、8枚目のアルバムのリリース。タイトルは再出発にふさわしく「Nouvelle page/新しいページ」をリリース。これには「Notre idylle/私たちの純愛」、「Les choses simples/単純なこと」(詩、曲ともSlimaneに提供されデュオで歌っている)、「Comme c’est bon/何とすてき」(詩、曲ともChristiphe Maeに提供された)、「Encore et encore/もう一度 もう一度」(2017年12月5日コルシカで殺された叔父を追悼した曲)、「Des je t’aime qui se perdent/消えて行くje t’aimeという言葉」、「Mystere」(詩はPaul Ecole、曲はMaeに提供された)、「Ton absence/あなたがいない時」など19曲収録。2019年11月22日にリリースされたそのversion dekuxeには「On oublie le rest/他のことは忘れてしまう」などを追加。2019年3月8日から国内、ベルギー、スイスを回るツアー、2019年12月15日Paris Salle Pleyelでのコンサートが、約70回のコンサートを行ったこのツアーの楽。 JeniferVdMでは1回ノミネートされただけで受賞はないが、ラジオ局NRJ賞受賞の常連で、2003年のフランス語圏新人歌手賞から、6回のフランス語圏最優秀女性歌手を含めすでに8回受賞している。

Donne-moi le temps」2009年 https://www.youtube.com/watch?v=IxETYGvfwnU

  「Sur le filclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=mLLnj8XPUWY

  「Notre idylle」2018年https://www.youtube.com/watch?v=WbW9pI32iXc

  「On oublie le reste」2019年 https://www.youtube.com/watch?v=WRvsbY5XsKQ

 

25位 Amel Bent (21.9%)

Amel Bent198521Indre-et-Loire県生まれ、パリ郊外Seine-Saint Denis県のLa Courneuveで育つ、歌手、作詞、作曲もする。父はアルジェリア人、母はモロッコ人。幼少の頃から歌が上手だと評判。2004年のTVM6のスター誕生番組「Nouvelle Star/新しいスター」に出場、3位。しかし一般視聴者の人気は抜群。04年11月30日にはファーストアルバム「Un jour d'ete/ある夏の日」を出す。それからシングルカットされた「Ma philosophie/私の哲学」(詩には女性ラップ歌手Diam'sが協力)6週間シングルチャートのトップで75万枚の売上げ。アルバムは65万枚以上の売上げ。06年のVdMで新人歌手賞を受賞。07年アルバム「A20 ans/20歳で」にはCharles Aznavour(「Je reste seule/私は一人とどまる」の作詞・作曲)、Pascal Obispo(「Nouveau Francais/新しいフランス人」の作曲、作詞はLionel Florence)らの協力を得た。08年にはTV番組Hight School Musical3のテーマ曲「Vivre Ma Vie/私の人生を生きる」を歌う。09年3枚目のアルバム「Ou je vais?/私はどこへ行くのか?」では「Le mal de toi/あなたの痛み」が好評。10年5月Olympia出演。11年4枚目のアルバム「Delit mineur/マイナーな犯罪」にはKyoBenoit Poherに提供された「Je reste/私はとどまる」、JeanJacques Goldmanに提供された「Si jen crois/私がそれを信じれば」、Maxime Le Forestierに提供された「Mineur/マイナーな」などが収められている。Bentは13年「Generation Goldman 2」にはラップ歌手Sopranoとのデュオ「Quand la musique est bonne/音楽が素晴らしければ」で、2014年11月リリースのCharles Aznavourへのオマージュアルバム「Aznavour, sa jeunesse」には「Les deux pigeons/2羽の鳩」で、2016年12月リリースのJohnny Hallydayへのオマージュアルバム「On a toujours quelque chose de Johnny」には「Que je t’aime/どんなにかあなたを愛している」で参加。2014年2月アルバム「Instinct/本能」をリリース後2015年長女、2017年次女が誕生したこともあって活動を控えていた。そして2019年5月5年ぶりに6枚目のアルバム「Demain/明日」をリリース。これには:La fete/祭り」、「C’est la folie/それは常軌を逸した行い」(rap歌手Sopranoとのデュオ)、「Attendez-moi/私を待っていて」(rap歌手Lacirmとのデュオ)、「Demain」(作詞・作曲でSlimaneの協力を得ている)、「Rien/何もない」(rap歌手Alonzoとのデュオ)、「L’autre/他の人」、「Charles/シャルル」(Charles Aznavour讃歌)、「A mes filles/娘達に」など15曲収録。Bentは2019年6月から2010年6月までの予定で国内、ベルギーを回るツアーを行っていて、2019年6月26日Paris Grand Rexに出演した。

Ma philosophie」2005年 https://www.youtube.com/watch?v=rcnJE5dBE-o

   「Nouveau Francais2007年 https://www.youtube.com/watch?v=uXacuAPCS_E

   「Demain」2019年 https://www.youtube.com/watch?v=cTTMPlLg5A8











KCN 1554       2020.1.12

Le top 50 des personnalites/重要人物50人アンケート結果 
  その1 男性の部門
 
(次回のKCNで女性部門をお伝えいたします) 
   
  

IfopInstitut francais d’opinion publique)が2019年12月に実施した「Le top 50 des personnalites」の結果が2019年12月30日Le Journal du DimancheJDD)紙上で発表された。今回は初めて男女別に行われ、それぞれ25位までが明らかにされた。アンケートでは男女それぞれ40人の人物があらかじめノミネートされ、18歳以上の1003人のアンケート対象者に「あなたが今日のフランスで重要だと思われる人物、あるいは好きな人物10人を選んで下さい」と質問する方法で行われた。

その結果、男性の部の上位5人、及び25位までにランクインした歌手は次の通りです・・

1位 Jean-Jacques Goldman(51.4%が選んだ)

 Goldmanは1951年Paris生まれのACI、音楽プロデューサー。グループ活動後79年からソロ。81年の「Il suffira dun signe/一つの兆候で十分」、82年「Quand la musique est bonne/音楽が良ければ」、84年「Envole-moi/僕を飛び立たせて」などが大ヒット。86年VdMで男性歌手賞。 プロデューサーとしては、ほぼ全曲作詞作曲したCeine Dionの95年アルバム「Deux/彼らについて」は、フランス国内で440万枚売り上げるなど、フランス語で歌われたアルバムの歴代最多売上げだと言われている。2001年11月、現在までのところ最新となるアルバム「Chansons pour les pieds/足(ダンス)のためのシャンソン」をリリース。Goldmanは1989年から2016年までLes Enfoiresのプロデューサーを務めた。2004年10月家族(2001年に再婚した夫人との間の3人の女児)との生活を大事にしたいと無期限の活動休止を宣言、夫人の出身地Marseilleに転居、さらに2017年からはロンドンに移住。2004年以降特別の場合(Les Enfoiresほか、いくつかの慈善コンサート)を除きステージに立つことはない。ただし、作詞作曲は続けていて、活動休止宣言後も多くの歌手にヒット曲を提供している。 また、若手歌手がGoldmanのヒット曲をカバーしたコンピレーションアルバム(201211月リリースの「Generation Goldman」、2013月リリースの「Generation Goldman vol」はいずれも好評。Goldmanはこのアンケートでは、2013年から2018年までに行われた10回(2016年までは年2回実施)のうち8回で1位になっている。

  Envole-moiclip officielhttps://www.youtube.com/watch?v=oltptNDHocw

  「Et l’on n’y peut rien」(2002年)https://www.youtube.com/watch?v=ZxIw3IyhRuM

 

2位 Omar S(48.5%)1987年-アフリカ系俳優

3位 Dany Boon(35.6%)1966-俳優、映画監督

4位 Soprano(35.2%)

Soprano、本名Said M’Roumbaba、両親はComoresコモロ諸島出身、197914Marseille生まれのラップ系歌手、作曲家。1995年からグループで活動の後、ソロに。2007年最初のソロアルバム「Puisqu’il faut vivre/生きなければならないので」をリリース、チャート最高位は2位、20万枚の売上げで注目される。2014年リリースの4枚目のアルバム「Cosmopolitanie」はフランス国内でdisque de diamant(50万枚以上)になり、国外も含め70万枚の売上げに。2016年10月リリースの5枚目のアルバ「L’Everest」、2018年11月リリースの6枚目のアルバム「Ph?nix/フェニックス」(「A la vie, a l’amour/生に、愛に」、「La voisine/女性の隣人」、「Ninja」など16曲収録)はいずれもdisque de diamanに。2016年から3年連続でNRJ Music Awardsのフランス語圏男性歌手賞を受賞、2019年9月にはMusee Grevin入りしている。

Puisqu’il faut vivre2007https://www.youtube.com/watch?v=Aq9ATbDm5MU

A la vie, a lamour2018 https://www.youtube.com/watch?v=qNZXylVDU9U

  

5位 Jean Reno(34.4%)1948年-俳優

6位 Francis Cabrel(34.1%)

 Francis Cabrel19531123日フランス西部Aquitaine地方、Lot-et-GaronneAgen生まれのACIToulouse近郊、人口2000人ほどの小村Astaffortで成長し、現在も住み、村会議員を務めたこともあり(1989―2004)、「Gentelman d’AstaffortAstaffortの紳士」と呼ばれている。規律違反で高校を中退、19歳で靴屋の店員をしながらジャズグループに入り地元のダンスパーティなどで演奏。74年Toulouseで行われた放送局SudRajdioの歌謡コンクールで、夫人のMarietteに捧げた「Petite Marie/可愛いマリー」を歌い優勝。77年最初のアルバム「Les murs de poussiere/埃の壁」をリリース、Daveの前座で1ヶ月Olympiaに出演している。79年にはセカンドアルバム「Les chemins de traverse/近道」をリリース、60万枚以上の売り上げ。このアルバムに収められていた「Je l’aime a mourir/死ぬほど彼女を愛している」はCabrelの代表曲になり、2011年にはShakiraが「La quiero a morir」のタイトルでカバーし、世界的にヒットした。Cabrelはその後も定期的にアルバムをリリース、その主なものは:1980年「Fragile/もろい」(「La dame de Haute-Savoie/オート・サヴォワの貴婦人」、「L’encre de tes yeux/君の目に中のインク」など収録)、1989年「Sabacane/矢筒」(「C’est ecrit/それは書いてある」、「Sabacane」などを収録、200万枚以上の売り上げ、1990年VdMで90年「男性歌手賞」、「アルバム賞」を受賞)、1994年「Samedie soir sur la Terre/土曜の夜に地上で」(「La corrida/闘牛」、「Je t’aimaisje t’aimeje t’aimerai/君を愛していた、愛している、愛するだろう」などを収録し。400万枚の売り上げで、フランスで史上2番目に売り上げの多いアルバムと言われている)、1999年「Hors-saison/季節外れ」(200万枚弱の売り上げ)、2004年「Les beaux degats/見事な損害」、2008年「Des roses et des orties/ばらとイラクサ」、2012年「Vise le ciel/空を目指せ」(Bob DylanのヒットをCabrelの翻案でカバーした11曲収録) 、2015年「In extremis/最後の瞬間に」。Cabrel10年12月それまでの業績全般に対してAcademie francaiseGrande Medaille de la chanson francaiseシャンソンフランセーズ大賞を受賞している。

 Je l’aime a mourir1979年 https://www.youtube.com/watch?v=wQW1rnRrPx4

 Je t’aimaisje t’aimeje t’aimerai1994https://www.youtube.com/watch?v=85lKsSCZm4k

 「Hors saison」2000年 https://www.youtube.com/watch?v=Q0IQwRLxG2I

 「Partir pour rester」2015年 https://www.youtube.com/watch?v=T_Lhu-NSloY

17位 Renaud(26.0%)

 Renaud、本名Renaud Sechan1952年パリ14区生まれのACI。16歳の誕生日を68年のいわゆる「5月革命」のバリケードの中で迎えた頃から曲を作り始め、75年最初のアルバム「Amoureux de Paname/パナム(パリ)の恋人」は38万枚の売上げ。 77年「Laisse beton/ほっとけ:laisse tomberの逆さ言葉」などを収めた同タイトルのアルバムは55万枚。83年「Morgane de toi/モルガン ド トワ」150万枚の売り上げ。85年「Mistral agnant/ミストラル ガニャン」などを収めた同タイトルのアルバムは200万枚以上、「Mistral gagnant」は「好きなシャンソン」の上位にランクされる。この頃からトレードマークの赤いバンダナを首の周りに巻いた反逆歌手と言われるように。91年のアルバム「Marchand de cailloux/砂売り」(65万枚)でACC大賞。Georges Brassensを尊敬し、師と仰ぎ96年には「Renaud chante Brassens/ルノー、ブラッサンスを歌う」(30万枚)を出している。しかし、50歳になる前から数年間パリのビストロでアニス酒浸りになりながら孤独な生活を送っていた。回復し、シャンソンに戻り、2002年8年振りのアルバム「Boucan d'enfer/地獄の大騒音」をリリース、220万枚の売上げ。これによって翌年03年のVdMでアルバム賞、男性歌手賞及びその中に収められていたAxelle Redとのデユオ「Manhattan-Kaboul/マンハッタン=カブール」でオリジナルシャンソン賞の3賞を獲得した。04年にはAcademie FrancaiseGrande Medaille受賞。06年アルバム「Rouge sang/赤い血」(「Les Bobos/ボボたち:bourgeoisbohemeの人たち」、「Malone」などを収録70万枚)。09年アルバム「Molly Malone-Balade irlandaise/モリー・マロン=アイルランドのバラード」をリリース、20万枚以上の売上げ。その後11年に離婚したことなどもあり「インスピレーションが枯渇した」と活動を休止していたが、12年CD18枚組の「Integrale/全集」がリリースされ、13年には「Arts et Lettres/芸術・文学」勲章のCommandeur章を受けている。14年には後輩の歌手たちがRenaudのヒット曲をカバーしたアルバム「Bande a Renaud/ルノー軍団 Vol 1Vol 2」をリリース。2016年アルバムRenaud」をリリース。「Les mots/言葉たち」などを収録、disque de diamantに。2017年VdMで男性歌手賞受賞(6つ目のVictoire)。その後1年間にわたり120回のコンサートを開いた。 2018年SACEMGrand Prixを受賞、2019年11月29日新しいアルバム「Les momes et les enfants d’abord/女性と子供優先」をリリースしている。

 Laisse beton1978https://www.youtube.com/watch?v=gbD_x34hKWs

 「Mistral gagnant1987https://www.youtube.com/watch?v=_AuxJdDlnQ4

 「Les Bobos」2006年 https://www.youtube.com/watch?v=Kzk0e_gRnQU

 「Les mots」2016年 https://www.youtube.com/watch?v=DsJsMBpQVkk

20位 Michel Sardou(25.6%)

Michel Sardouは1947年 Paris17区生まれのACI、俳優。1965年末の最初のシングルレコード「Le Madras/マドラス」を出してから、2018年4月12日La Seine musicaleの最後のステージまで第一線で活躍。60年代から80年代にかけてのいわゆるヴァリエテフランセーズの黄金時代を生きた歌手。350曲以上を歌い、2017年リリースの「Le choix du fou/常軌を逸した者の選択」までスタジオ録音アルバム26枚をリリース、最後のステージの模様を収録した2018年リリースの「La derniere anse/最後のダンス」まで19枚のliveアルバムをリリース。レコード売り上げは1億枚以上と言われている。71年にはvedetteとしてオランピア初登場。保守的で、愛国的、何にでもけちを付けると言われるフランス人を代弁する存在。時代時代のテーマ、死刑制度、80年代の女性、ソ連の全体主義、同性愛、離婚、人種差別などを取り上げている。国外ではあまり知られていないが、その曲はフランスにとって国民的財産。VdMでは89年「Musulmanes/イスラムの女性」でオリジナルシャンソン賞、91年男性歌手賞を受賞。2001年Legion d’honneurOfficier章を受章、同年Academie FrancaiseGrande Medailleを受章。代表曲には:「Les Ricains/アメリカ人:アメリカの涙」(1967年)、「Maladie d’amour/恋の病」(73年)、「Les vieux maries/永遠の絆」(73年)、「Une fille aux yeux clairs/澄んだ瞳の少女」(74年)、「Je vais t’aimer/愛の叫び」(75年)、 Le temps des colonies植民地の時代」(76、「Je viens du sud僕は南仏出身」(81、「Les lacs du Commemaraコネマラの湖」(81、「Cette chanson la歌おう愛の歓びを」(2000、「La rivieres de notre enfance子供の頃の小川」(2004、「Voler飛ぶこと」(2010など。2018年歌手活動からの引退の後は舞台俳優として活動していて、2019年9月からMichodiere劇場で上演された「N’ecoutez pas,mesdames」でNicole Croisilleと共演している。

  「Maladie d’amour1973年 https://www.youtube.com/watch?v=EYQF1Iy0C_4

  「Les vieux maries1998年 https://www.youtube.com/watch?v=iLFeGw3nxy4

  「Voler」2012年Celine Dionと https://www.youtube.com/watch?v=Oms3LKU5l3s


 
 No.1554 2020.1.12   

KCN 1554       2020.1.12

Le top 50 des personnalités/重要人物50人アンケート結果 
  その1 男性の部門
 
(次回のKCNで女性部門をお伝えいたします) 
   
  

IfopInstitut francais d’opinion publique)が2019年12月に実施した「Le top 50 des personnalités」の結果が2019年12月30日Le Journal du DimancheJDD)紙上で発表された。今回は初めて男女別に行われ、それぞれ25位までが明らかにされた。アンケートでは男女それぞれ40人の人物があらかじめノミネートされ、18歳以上の1003人のアンケート対象者に「あなたが今日のフランスで重要だと思われる人物、あるいは好きな人物10人を選んで下さい」と質問する方法で行われた。

その結果、男性の部の上位5人、及び25位までにランクインした歌手は次の通りです・・

1位 Jean-Jacques Goldman(51.4%が選んだ)

 Goldmanは1951年Paris生まれのACI、音楽プロデューサー。グループ活動後79年からソロ。81年の「Il suffira dun signe/一つの兆候で十分」、82年「Quand la musique est bonne/音楽が良ければ」、84年「Envole-moi/僕を飛び立たせて」などが大ヒット。86年VdMで男性歌手賞。 プロデューサーとしては、ほぼ全曲作詞作曲したCéine Dionの95年アルバム「Deux/彼らについて」は、フランス国内で440万枚売り上げるなど、フランス語で歌われたアルバムの歴代最多売上げだと言われている。2001年11月、現在までのところ最新となるアルバム「Chansons pour les pieds/足(ダンス)のためのシャンソン」をリリース。Goldmanは1989年から2016年までLes Enfoirésのプロデューサーを務めた。2004年10月家族(2001年に再婚した夫人との間の3人の女児)との生活を大事にしたいと無期限の活動休止を宣言、夫人の出身地Marseilleに転居、さらに2017年からはロンドンに移住。2004年以降特別の場合(Les Enfoirésほか、いくつかの慈善コンサート)を除きステージに立つことはない。ただし、作詞作曲は続けていて、活動休止宣言後も多くの歌手にヒット曲を提供している。 また、若手歌手がGoldmanのヒット曲をカバーしたコンピレーションアルバム(201211月リリースの「Génération Goldman」、2013月リリースの「Génération Goldman vol」はいずれも好評。Goldmanはこのアンケートでは、2013年から2018年までに行われた10回(2016年までは年2回実施)のうち8回で1位になっている。

  Envole-moiclip officielhttps://www.youtube.com/watch?v=oltptNDHocw

  「Et l’on n’y peut rien」(2002年)https://www.youtube.com/watch?v=ZxIw3IyhRuM

 

2位 Omar S(48.5%)1987年-アフリカ系俳優

3位 Dany Boon(35.6%)1966-俳優、映画監督

4位 Soprano(35.2%)

Soprano、本名Said M’Roumbaba、両親はComoresコモロ諸島出身、197914Marseille生まれのラップ系歌手、作曲家。1995年からグループで活動の後、ソロに。2007年最初のソロアルバム「Puisqu’il faut vivre/生きなければならないので」をリリース、チャート最高位は2位、20万枚の売上げで注目される。2014年リリースの4枚目のアルバム「Cosmopolitanie」はフランス国内でdisque de diamant(50万枚以上)になり、国外も含め70万枚の売上げに。2016年10月リリースの5枚目のアルバ「L’Everest」、2018年11月リリースの6枚目のアルバム「Phœnix/フェニックス」(「A la vie, à l’amour/生に、愛に」、「La voisine/女性の隣人」、「Ninja」など16曲収録)はいずれもdisque de diamanに。2016年から3年連続でNRJ Music Awardsのフランス語圏男性歌手賞を受賞、2019年9月にはMusée Grévin入りしている。

Puisqu’il faut vivre2007https://www.youtube.com/watch?v=Aq9ATbDm5MU

A la vie, à lamour2018 https://www.youtube.com/watch?v=qNZXylVDU9U

  

5位 Jean Réno(34.4%)1948年-俳優

6位 Francis Cabrel(34.1%)

 Francis Cabrel19531123日フランス西部Aquitaine地方、Lot-et-GaronneAgen生まれのACIToulouse近郊、人口2000人ほどの小村Astaffortで成長し、現在も住み、村会議員を務めたこともあり(1989―2004)、「Gentelman d’AstaffortAstaffortの紳士」と呼ばれている。規律違反で高校を中退、19歳で靴屋の店員をしながらジャズグループに入り地元のダンスパーティなどで演奏。74年Toulouseで行われた放送局SudRajdioの歌謡コンクールで、夫人のMarietteに捧げた「Petite Marie/可愛いマリー」を歌い優勝。77年最初のアルバム「Les murs de poussière/埃の壁」をリリース、Daveの前座で1ヶ月Olympiaに出演している。79年にはセカンドアルバム「Les chemins de traverse/近道」をリリース、60万枚以上の売り上げ。このアルバムに収められていた「Je l’aime à mourir/死ぬほど彼女を愛している」はCabrelの代表曲になり、2011年にはShakiraが「La quiero a morir」のタイトルでカバーし、世界的にヒットした。Cabrelはその後も定期的にアルバムをリリース、その主なものは:1980年「Fragile/もろい」(「La dame de Haute-Savoie/オート・サヴォワの貴婦人」、「L’encre de tes yeux/君の目に中のインク」など収録)、1989年「Sabacane/矢筒」(「C’est écrit/それは書いてある」、「Sabacane」などを収録、200万枚以上の売り上げ、1990年VdMで90年「男性歌手賞」、「アルバム賞」を受賞)、1994年「Samedie soir sur la Terre/土曜の夜に地上で」(「La corrida/闘牛」、「Je t’aimaisje t’aimeje t’aimerai/君を愛していた、愛している、愛するだろう」などを収録し。400万枚の売り上げで、フランスで史上2番目に売り上げの多いアルバムと言われている)、1999年「Hors-saison/季節外れ」(200万枚弱の売り上げ)、2004年「Les beaux dégats/見事な損害」、2008年「Des roses et des orties/ばらとイラクサ」、2012年「Vise le ciel/空を目指せ」(Bob DylanのヒットをCabrelの翻案でカバーした11曲収録) 、2015年「In extremis/最後の瞬間に」。Cabrel10年12月それまでの業績全般に対してAcadémie françaiseGrande Médaille de la chanson françaiseシャンソンフランセーズ大賞を受賞している。

 Je l’aime à mourir1979年 https://www.youtube.com/watch?v=wQW1rnRrPx4

 Je t’aimaisje t’aimeje t’aimerai1994https://www.youtube.com/watch?v=85lKsSCZm4k

 「Hors saison」2000年 https://www.youtube.com/watch?v=Q0IQwRLxG2I

 「Partir pour rester」2015年 https://www.youtube.com/watch?v=T_Lhu-NSloY

17位 Renaud(26.0%)

 Renaud、本名Renaud Séchan1952年パリ14区生まれのACI。16歳の誕生日を68年のいわゆる「5月革命」のバリケードの中で迎えた頃から曲を作り始め、75年最初のアルバム「Amoureux de Paname/パナム(パリ)の恋人」は38万枚の売上げ。 77年「Laisse béton/ほっとけ:laisse tomberの逆さ言葉」などを収めた同タイトルのアルバムは55万枚。83年「Morgane de toi/モルガン ド トワ」150万枚の売り上げ。85年「Mistral agnant/ミストラル ガニャン」などを収めた同タイトルのアルバムは200万枚以上、「Mistral gagnant」は「好きなシャンソン」の上位にランクされる。この頃からトレードマークの赤いバンダナを首の周りに巻いた反逆歌手と言われるように。91年のアルバム「Marchand de cailloux/砂売り」(65万枚)でACC大賞。Georges Brassensを尊敬し、師と仰ぎ96年には「Renaud chante Brassens/ルノー、ブラッサンスを歌う」(30万枚)を出している。しかし、50歳になる前から数年間パリのビストロでアニス酒浸りになりながら孤独な生活を送っていた。回復し、シャンソンに戻り、2002年8年振りのアルバム「Boucan d'enfer/地獄の大騒音」をリリース、220万枚の売上げ。これによって翌年03年のVdMでアルバム賞、男性歌手賞及びその中に収められていたAxelle Redとのデユオ「Manhattan-Kaboul/マンハッタン=カブール」でオリジナルシャンソン賞の3賞を獲得した。04年にはAcadémie FrançaiseGrande Médaille受賞。06年アルバム「Rouge sang/赤い血」(「Les Bobos/ボボたち:bourgeoisbohèmeの人たち」、「Malone」などを収録70万枚)。09年アルバム「Molly Malone-Balade irlandaise/モリー・マロン=アイルランドのバラード」をリリース、20万枚以上の売上げ。その後11年に離婚したことなどもあり「インスピレーションが枯渇した」と活動を休止していたが、12年CD18枚組の「Intégrale/全集」がリリースされ、13年には「Arts et Lettres/芸術・文学」勲章のCommandeur章を受けている。14年には後輩の歌手たちがRenaudのヒット曲をカバーしたアルバム「Bande à Renaud/ルノー軍団 Vol 1Vol 2」をリリース。2016年アルバムRenaud」をリリース。「Les mots/言葉たち」などを収録、disque de diamantに。2017年VdMで男性歌手賞受賞(6つ目のVictoire)。その後1年間にわたり120回のコンサートを開いた。 2018年SACEMGrand Prixを受賞、2019年11月29日新しいアルバム「Les mômes et les enfants d’abord/女性と子供優先」をリリースしている。

 Laisse béton1978https://www.youtube.com/watch?v=gbD_x34hKWs

 「Mistral gagnant1987https://www.youtube.com/watch?v=_AuxJdDlnQ4

 「Les Bobos」2006年 https://www.youtube.com/watch?v=Kzk0e_gRnQU

 「Les mots」2016年 https://www.youtube.com/watch?v=DsJsMBpQVkk

20位 Michel Sardou(25.6%)

Michel Sardouは1947年 Paris17区生まれのACI、俳優。1965年末の最初のシングルレコード「Le Madras/マドラス」を出してから、2018年4月12日La Seine musicaleの最後のステージまで第一線で活躍。60年代から80年代にかけてのいわゆるヴァリエテフランセーズの黄金時代を生きた歌手。350曲以上を歌い、2017年リリースの「Le choix du fou/常軌を逸した者の選択」までスタジオ録音アルバム26枚をリリース、最後のステージの模様を収録した2018年リリースの「La dernière anse/最後のダンス」まで19枚のliveアルバムをリリース。レコード売り上げは1億枚以上と言われている。71年にはvedetteとしてオランピア初登場。保守的で、愛国的、何にでもけちを付けると言われるフランス人を代弁する存在。時代時代のテーマ、死刑制度、80年代の女性、ソ連の全体主義、同性愛、離婚、人種差別などを取り上げている。国外ではあまり知られていないが、その曲はフランスにとって国民的財産。VdMでは89年「Musulmanes/イスラムの女性」でオリジナルシャンソン賞、91年男性歌手賞を受賞。2001年Légion d’honneurOfficier章を受章、同年Académie FrançaiseGrande Médailleを受章。代表曲には:「Les Ricains/アメリカ人:アメリカの涙」(1967年)、「Maladie d’amour/恋の病」(73年)、「Les vieux mariés/永遠の絆」(73年)、「Une fille aux yeux clairs/澄んだ瞳の少女」(74年)、「Je vais t’aimer/愛の叫び」(75年)、 Le temps des colonies植民地の時代」(76、「Je viens du sud僕は南仏出身」(81、「Les lacs du Commemaraコネマラの湖」(81、「Cette chanson là歌おう愛の歓びを」(2000、「La rivières de notre enfance子供の頃の小川」(2004、「Voler飛ぶこと」(2010など。2018年歌手活動からの引退の後は舞台俳優として活動していて、2019年9月からMichodière劇場で上演された「N’ecoutez pas,mesdames」でNicole Croisilleと共演している。

  「Maladie d’amour1973年 https://www.youtube.com/watch?v=EYQF1Iy0C_4

  「Les vieux maries1998年 https://www.youtube.com/watch?v=iLFeGw3nxy4

  「Voler」2012年Celine Dionと https://www.youtube.com/watch?v=Oms3LKU5l3s


No.1553  2019.12.29   

KCN 1553   2019.12.29.

ジュリアン・クレールJulien ClercTVF3で特別番組

 

 

2019年11月29日(金)TV France3でJulien Clercの特別番組が放送された。放送は2部構成

まず21:00から2時間にわたって放送された「Rendez-vous avec Julien Cerc」はTheatre du Chatelet
Place Chatelet、 Paris 1区)で行われたコンサートの模様で、アルバム「Duos」に参加した歌手(VanilleCalogeroSopranoMaxime Le ForestierFrolent PagnyChristiohe Maeなど)、あるいは参加していない歌手(Marc LavoineYannick NoahClara Lucianiなど)をゲストにClercのヒット曲をデュオで歌っている。
 


第2部はその後2時間にわたってClercの経歴を紹介した「Nos annees Julien Clerc」、これはデビュー50年を記念して2018年9月28日放送された番組の再放送のよう。



Julien Clerc 194710Paris19区生まれのACI (Auteur作詞家、Compositeur作曲家、Interprete歌手)
 
(歌及び経歴の詳細は記事の下部に記載しました) 


Rendez-vous avec Julien Cerc」で歌われた主な曲は:

La CalifornieNoahhttps://www.youtube.com/watch?v=9NOORBD0y0M

 「La Californie」1969年 https://www.youtube.com/watch?v=6tUUisljB8E

Ce n’est rienMarc Lavoinehttps://www.youtube.com/watch?v=M0PC7_IAqeQ

 「Ce n’est rien」(1971年)https://www.youtube.com/watch?v=PwD5yw6P4AI

Ma preference」(Calogeroと)https://www.youtube.com/watch?v=1fU6-5zelVk

Ma preference」(1978年)https://www.youtube.com/watch?v=1hjPwWfvXh4

Femmes, je vous aimeSlimanehttps://www.youtube.com/watch?v=jRwY832GBxI

Femmes, je vous aime (1982https://www.youtube.com/watch?v=JEgVfHe-fVo

Ballade pour un fouPagnyhttps://www.youtube.com/watch?v=4p71mhbV6ms

 「Ballade pour un fou」(1994年)https://www.youtube.com/watch?v=Ph5mpxY7dRA

Fais-moi une placeVanillehttps://www.youtube.com/watch?v=z010CvZj31k

 「Fais-moi une place(1991 https://www.youtube.com/watch?v=V13BT3LbrgQ

UtilChristophe Maehttps://www.youtube.com/watch?v=qam9sI2N6Uk

 「Util」(1992年)https://www.youtube.com/watch?v=Gxy0yw9sjzo

Double enfanceLe Forestierhttps://www.youtube.com/watch?v=SIVVJLr62Is

 「Double enfance」2005年 https://www.youtube.com/watch?v=Tdpfo9-ku34

Les separes/別れた人たち」Lucianihttps://www.youtube.com/watch?v=nLLVP6-G6sg

 「Les separes」1999年 https://www.youtube.com/watch?v=EiwOwiYULm8

Laissons enterer le soleilSopranohttps://www.youtube.com/watch?v=jAlQSXqzDlg

 「Laissons entrer le soleil」1971年 https://www.youtube.com/watch?v=fEQsHvx7tgw

 

<ジュリアン・クレール、歌と経歴>

Julien Clerc本名Paul Alain Leclerc194710Paris19区生まれのACI(作詞、作曲、歌い手)6歳からピアノを始め、高校時代には曲を作る。大学生時代、作詞家Etienne Roda-Gil(1941-2004)と知り合い、1968年5月の「La Cavalerie/騎兵」がコンビによる最初のヒット。1969年には9ヶ月間Theatre de la Porte Saint-Martin で上演されたフランス版「Hair」でClaude Bukowski役で出演。1970年12月Olympiaに vedetteとして出演。1970年代から90年代には15枚のアルバムをリリース、この間:「La Californie/燃えるカリフォルニア」(70年)、「Ce n’est rien/時は過ぎて行く」(71年)、「Si on chantait/廃墟で歌う:都会のマリー」(72年)、「Ma preference/僕の好みの人」(78年)L’assassin assassine殺された殺人者」(80Femmes, je vous aimeご婦人方、僕はあなた方を愛しています」(82年)Fais-moi une place僕に一つの場所を」(89年、91VdMオリジナルシャンソン賞受賞Util有益な」(92年 )などがヒット。2000年代に入ってからも定期的にアルバムをリリース:2000年11月リリースのアルバム「Si j’etais elle/もし僕が彼女なら」にはCarla Bruniに詩の提供を受けた同名の曲を収録。200510月リリースのアルバム「Double enfance/2重の子供時代」にはMaxime Le Forestierの作詞による同名の曲を収録。2008月リリースのアルバム「Ou s’en vont les avions?/飛行機はどこへ」にはGerard Duguet-Grasserの作詩による同名の曲、Benjamin Biolayの作詩によるSous sa grande ombrelle/大きなパラソルの下で」を収録。201111月リリースの「Fou peut-etre/常軌を逸した、おそらく」にはCharles Aznavourの作詩によるLes souvenirs/思い出Julien Doreの作詞によるLes degats/損害を収録。201411月リリースのアルバム「Partout la musique vient/至るところに音楽が」にはAlex Beaupainの作詞によるOn ne se mefie jamais assez決して人は十分な警戒をしない」、Le Forestierの作詞によるOn va, on vient, on reve人は行き、来て、夢を見る」Bruniの作詞によるLe chemin des rivieres/川の道」を収録。2017年10月リリースのアルバム「A nos amours/我々の愛に」では、プロデューサー・アレンジャーとしてCalogeroが協力している13曲を収録。その後2018年1月中旬から12月末まで「デビュー50周年記念ツアー」を行い、3月にはOlympiaSalle Pleyelに出演している。Clercは2019年11月22日にアルバムは「Duos」をリリース。自身の過去のヒット曲を現在活躍中の歌手らとデュオで歌った12曲を収録。12曲とデュオの相方は:「Ma preference/僕の好みの人」(Calogero)、「Fais-moi une place/僕に一つの場所を」(娘のVanille)、「Ce n’eat rien/時は過ぎて行く」(Zaz)、「Femmes,je vous aime/ご婦人方、僕はあなた方を愛しています」(Vianney)、「Melissa/メリッサ」(Philippe Katerine)、「Laissons entrer le soleil/太陽を入れよう」(Soprano)、「Double enfance/2重の子供時代」(Maxime Le Forestier)、「Ballade pour un fou/常軌を逸した者のためのバラード」(Florent Pagny)、「Ulite/有益な」(Christophe Mae)、「Danse s’y/さあ踊れ」(Sandrine Kiberlain)、「Souffrir par toi n’est pas souffrir/君のために苦しむのは苦しむことではない」(Francis Cabrel)、「Jouez violons, sonnez crecelles/バイオリンを奏でろ、がらがらを鳴らせ」(Calra Bruni)。

 

No.1552  2019.12.24 

KCN 1552    2019.12.24

アラン・バリエール Alain Barriere死去  

 

 

 



Alain Barriere
が2019年12月18日心臓発作により、自宅のあるBretagne地方 MorbihanCarnacの病院で死去、享年84歳。2週間前に死去した夫人の後を追うように。Barriere2011年1月3度目の脳血管障害に襲われ、療養中だった。

 葬儀は12月23日16時から生地La Trinite-sur-MerSaint-Joseph教会で行われ、1,000人以上が参列、同地が生んだ偉大な「ingenieurauteurcompositeurchanteur/技術者・作詞家・作曲家・歌手」に別れを告げた。葬儀の間、教会の内外に設置されたスクリーンから、「Elle etait si jolie」、「Ma vie」、「Un peu de sang breton」、「Partir/出発する」、「La terre tourne sans nous/我々がいなくても地球は回る」、「Une autre vie/もう一つの人生」などのヒット曲を歌うBarriereの映像が流された。遺体は同地の家族の墓地に埋葬された。

 Alain Barriere(1935.11.18- 2019.12.18 ACI)の略歴
本名Alain BellecBretagne地方 Morbihan県、Quinberon湾に面した小漁村La Trinite-sur-Mer生まれ。「ブルターニュ人の血(母)とイタリア人の血(父、海産物卸商)」(1971年のヒット「Un peu de sang breton/ブルターニュの血を少し」から)を引く。bac取得後、高級技術者を養成するAngersの「Ecole Natinale des Ingenieurs des Arts et Metiers/国立工芸技術者学校」で学び、卒業後、タイヤ会社「Michelin」の前身の会社に就職。学生時代に独学でギターを学び、曲作りをし、友人らに聞かせていた。就職後夜にはパリの小さなキャバレで歌うように。

・1961年Barriereのステージ名で若いACIを対象にしたラジオ局Europe 1主催の「Coq dor/黄金の鶏」シャンソンコンクールに自作の「Cathy/キャティー」を歌い出場。ParisOlympiaで行われた決勝まで進んだ。決勝では12人中11位の成績だったがロックやイェイェに対抗するような彼の曲がBruno Coquatrixの目に止まり、レコード会社RCAと契約

・1961年7月RCAから「Cathy」など4曲を収録したEPリリース
・1962年会社を退職、本格的に歌手活動を開始、「Trois Baudets」などで歌う
・1962年2月にはColette Renard(1924-2010 歌手・俳優)の前座でOlympia に出演、5曲歌う
・1962年12月Paul Fort(1872-1960 詩人・劇作家)の詩に曲を付けた4曲収録のEPAlain Barriere   chante Paul Fort
・1963年3月A面「Elle etait si jolie/彼女はとても美しかった」(邦題「愛し合ったとき」、「風が連れ去った恋」)、 B面に「Plus je t’entends/あなたの声を聞く時」を収録したEP
・1963年3月Londres開催の第8回Eurovisionのフランス代表で出場、「Elle etait si jolie」を歌い5位に
・1963年7月LPAlain Barriere』:「Cathy」など10曲収録
・1963年9月Paul Ankaの前座でOlympia 出演、10曲歌う
・1964年5月「Ma vie/マ ヴィ」。南米でもヒット、アルゼンチンやブラジルではチャートの1位に
・1964年12月vedetteとしてOlymoiaに出演
・1966年Sergio Gobbi監督のギャング映画「Pas de panique/パニックにならないで」に出演、ピエール・ブラッスールらと共演。映画はヒットせず、その後映画には出演していない
・1966年7月「Toi/トワ」、
・1968年「Emporte-moi/二人の旅路」、「Petit Ave pour Ray/レイ(チャールス)のための小さなアヴェ マリア」(邦題「街角のアヴェ マリア」)、「Un homme s’est pendu/首つり男」、「C’etait aux premiers jours d’avril/それは4月の最初の日だった:浜辺の思い出」、「Princesse lointaine/はるかな姫君」
・1971年「Rien qu’un homme/ただ一人の男」、「Si tu ne me revenais pas」/君が僕の元に帰ってこなければ」
・1971年Barclayから独立、レコード会社Albatrosを設立(その後ラジオ、TVからボイコットされる)
・1972年「Dis papa/パパ 話して」(Ibabelleと)
・1973年6月来日
・1974年「Tu ten vas/去りゆく君」(Noelle Cordierとのデュオ)、レコードは100万枚以上
・1975年7月Carnacに城を購入、Theatre-DiscothequeRestaurant、「Stirwen」(ブルターニュ語で「白い星」) に改造
・1977年「Stirwen」に係る税金問題などでフランスを脱出、アメリカへ、その後カナダへ
・1978年一時フランスに戻り11月28-12月3日Olympiaに出演
・1990年代初めにフランス帰国
・1998年1月アルバム『ABarriere 97』: 「La complainte de l’oiseau/小鳥の哀歌」、「Aime-moi/僕を愛し て」など新曲10曲
1998Salle Pleyelに出演
・2006年には自伝「Ma vie」を刊行、これには未発表の3曲収録のCDが添付されている。その3曲は「If
Rudyrard Kiplingの詩に曲を付けたもの)、「Hymne a la Bretagne/ブルターニュ讃歌」、「Quand la mer s’est   retiree/引き潮になれば」

・2007年3月から国内ツアー、4月5日Paris Olympia 、12月6日Paris Palais des Congres
・2007年10月カバーアルバム『Chansons francaises』:「La foule/群衆」、「Ne me quitte pas/行かないで」 「La mer/ラ メール」、「Hymne a l’amour/愛の讃歌」、「Les feuilles mortes/枯葉」、「Quand on n’a que  l’amour/愛しかない時」、「Mon amant de St Jean/サン・ジャンの私の恋人」、「La montagne/ふるさとの山 」、「Le petit bonheur/小さな幸せ」など15曲収録
・2010年11月CD3枚組53曲収録の「Best of」。10万枚以上売り上げ
・2011年1月7日3回目の脳血管障害に襲われNeuillyのアメリカ病院に入院、その後自宅で療養
・2013年最後のアルバム『Mes duos d’amour/僕の愛のデュオ』:「Elle etait si jolie」(Cindy Danielと)、「Tu t ’en vas」(Brigitte Mと)、「Emporte-moi」(Imaと)、「Plus je t’entends」(Audrey De Montignyと)、「Ma vie」( Mario Pelchatと)など10曲集録
・2019年12月18日死去。

 

主なヒット曲 (最後に4曲のメドレーがあります)

Cathy/キャティー」(1962年4月28日)https://www.youtube.com/watch?v=-P5Sqekgs2U

・・Cathy君が5月僕を愛してくれるなら、僕は君のためにスズランの花を摘みに行こう。夏に愛してくれるなら君のために虹をつかみに行こう。君が僕たちの間に愛があると信じているなら、毎日君の人生に大きな火を付けよう・・

 

Elle etait si jolie/彼女はとても美しかった:美しすぎた君:風が連れ去った恋:愛し合った時」

(1963年3月23日 Eutovisionで)https://www.youtube.com/watch?v=nHsiFXoIRrY

・・彼女はとても美しかったので、僕には彼女を愛する勇気がなかった。彼女はとても美しかったので、僕は彼女を忘れることが出来ない。彼女はあまりにも美しかった、風が彼女を連れ去ったとき。彼女は笑顔で去っていった。そして風が僕に言っていた。 「彼女は美しすぎる。そして私はよくお前のことを知っている。彼女を一生涯愛することはお前には決して出来ないだろう」。そう、でも彼女は去っていった。残念な事だけど、それが真実。彼女はとても美しかった。僕は決して忘れないだろう。 今は秋、僕はよく涙を流す。今は秋、春は遠い。木の葉が荒れた風にうち震えている公園で、彼女はドレスをひるがえし、そして消えた。 彼女はとても美しかったので、僕には彼女を愛する勇気がなかった。彼女はとても美しかったので僕は彼女を忘れることが出来ない。彼女はあまりにも美しかった、風が彼女を連れ去ったとき。彼女はとても美しかった。僕は決して忘れないだろう・・

    (『Mes duos d’amour』でCindy Danielと)https://www.youtube.com/watch?v=cPnONf0rogk

 

Ma vie/マ ヴィ:僕の人生」(1972年6月20日)https://www.youtube.com/watch?v=IeFMl5tqbPo

・・僕の人生、その中で多くの恋人たちを見てきた。僕の人生、愛は去ってしまった。人はそれが戻ってくると言うけれど、僕の人生、それは長い道のり。  僕の人生、その中でいくつもの永遠の愛についての物語を読んできた。僕の人生、その中で幸福な日々を体験してきた。僕はいつもそこに戻る。僕の人生、僕は愛の存在を信じている。  僕の人生、その中で多くの恋人たちを見てきた。僕の人生、愛は去ってしまった。人はそれが戻ってくると言うけれど、僕の人生、それは長い道のり。 それは長い道のり。僕の人生、何て長い道のりなんだろう・・

 

Tu  t’en  vas/去りゆく君」(Cordieとのデュオ 1975年5月18日)https://www.youtube.com/watch?v=btRshdIwAno

・・(Barriere)君は行ってしまう。 (Cordier)私の気持ちの中ではお互いに数週間待つことは何でもないこと。 

Barriere)君は行ってしまう。(Cordier)私の喜びはあなたゆえに、私の夢はあなたのため、あなたがそれを理解しないなんて考えられない。

Barriere)君は行ってしまう。 (Cordier)私たちの愛は私たちのもの、誰もそれを取り上げることは出来ない 

Barriere)君は行ってしまう。 (Cordier)離れていることも時にはお互いにより愛し合い、より理解し合うことを助けることがある。

Barriere)君は行ってしまう、沈む太陽のように、春のように、日曜日のように。僕は冬を、寒さを恐れる。僕は空虚を、不在を恐れる。  君は行ってしまう。小鳥はもう歌わなくなってしまい、世界は興味を引かない存在になる。 

CordierBarriere)私(僕)はあなた(君)を恐れ、自分自身を恐れる。そして静寂がやって来ることを恐れる・・

 

Plus je t’entendsあなたの声を聞く時」(200712https://www.youtube.com/watch?v=iHqp3kQvefc

・・あなたの声を聞くほど、あなたに会うたびにますますあなたを愛するようになる。あなたの声を聞くほど、ますますあなたの声を聞きたくなる。あなたが語るのはいつも同じ言葉、そして時には口から出任せ。 あなたの声を聞くほど、あなたに会うたびにますますあなたを愛するようになる。あなたの声を聞くほど、ますますあなたの声を聞きたくなる。あなたが語るのはいつも同じ言葉、そして時には口から出任せ。 あなたの声を聞くほど、あなたに会うたびにますますあなたを愛するようになる。僕の哀れな人生は止まってしまった、もうあなたがいないから。僕の哀れな人生にはあなたの思い出が刻まれている。しかし時には人生はそれを消す、それを消してしまう、なぜ? 僕はあなたの声を聞く、僕はあなたに会う、あなたはいつも同じ。僕が会うあなたは昔と同じ、あなたはいつも話す同じ言葉を、そして時には口から出任せを。 あなたの声を聞くほど、あなたに会うたびにますますあなたを愛するようになる。 あなたには解る、僕の人生がそこで止まってしまっているのが。なぜなら僕はあなたを愛しているから、僕の人生は僕のものではなく、僕の心は、あなたのものであるから。 そしてそれらの言葉、それらは決して同じではない、それを再び語っているのは、あなたの声だから。あなたの声だから・・

 

 4曲のメドレー

Elle etait si jolie」→「La montagne」→「Tu t’en vas」(Nathalie Lhermitteと)→「Le petit bonheur」(Roch Voisineと)

https://www.youtube.com/watch?v=Iw8CgDQ7_XE

 

 
 2019.12.19  No.1551  

KCN 1551  2019.12.19

(大変遅ればせながら)10月の新譜 7点 ご紹介いたします。

1.ミレイユ・マテューMireille MathieuCinéma

Mireille Mathieu201910日にリリースした新しいアルバムは「Cinéma」。Demoiselle d’Avignonアヴィニョンのお嬢」と呼ばれているMathieu194622Avignon生まれの歌手。1964年6月28日Avignon市主催の歌謡コンクールで「La vie en rose」を歌って優勝。1965年11月21日TV番組「Le Jeu de la chance/チャンスに賭ける」に出場、フランス中に名が知られる。1965年12月にはSacha Distelの前座で、1966年9月にはvedetteとしてOlympiaに出演、1966年、最初のSPレコード(A面に「Mon Crédo/私の信条」収録)、最初のLPEn direct de l’Olympia/オランピアからダイレクトで」(タイトルとは異なり完全なスタジオ録音アルバムで「Mon crédo」、「Un homme une femme/男と女」、「Qu’elle est belle/何と彼女は美しい」など12曲収録)を出している。そして現在まで54年のキャリアで、1200曲以上を12カ国語で録音。フランスだけではなく、ドイツ、スペインなどでリリースされたものも含めスタジオ録音アルバム74枚、liveアルバム7枚、compilation 51枚、シングル132枚をリリース、全レコードの売上げ枚数は2億枚以上と言われている。1971年TV出演のため初来日。その後74年、76年、78年に来日公演を行っている。

Mathieuの今回のアルバム「Cinéma」はCD2枚組みで映画のテーマ音楽を中心に40曲集録、演奏時間2時間以上。40曲のうち17曲は初めて録音した曲。収められている曲は:「New York, New York」(映画「New York,New York」から)、「C’est mieux comme ça」(「Parrain 2/ゴッドファーザー 2」から)など。「Un homme et une femme/男と女」(「Un homme et une femme」から。Francis Laiとのデュオ)、「Adieu à la nuit/夜にさようなら」(「La nuit des généraux/将軍たちの夜」から)、「C’est à Mayerling/マイヤーリングで」(「Mayerling/うたかたの恋」から)、「Pas vu, pas pris/見られなければ捕まらない」(「Le casse/華麗なる大泥棒」から)、「La marche de Sacco et Vanzetti/サッコとヴァンゼッティのマーチ」(「Sacco et Vanzetti/死刑台のメロディー」から)、「Deux petits chaussons de satin blanc/白い絹の小さなトウシューズ」(「Limelight」から)、「Amour défendu/禁じられた恋」(「Jeux interdits/禁じられた遊び」から)、「Over the Rainbow」(「Le magicien d‘Oz/オズの魔法使い」から)、「The look of Love」(「Casino Royale」から)、「Paris en colère/パリは怒っている」(「Paris brule-il?/パリは燃えているか?」から)、「Soldats sans armes/武器を持たない兵士たち」(dito)、「Une histoire d’amour/ある愛の詩」(「Love Story」から)など。

La marche de Sacco et Vanzetti 」 https://www.youtube.com/watch?v=jRM9WC2wUqg

Over the Rainbow」2005年 https://www.youtube.com/watch?v=NuLV_LHY7mk

Paris en colère20191026日 https://www.youtube.com/watch?v=7zKfI_wUW_M

 

2.アレックス・ボーパンAlex Beaupain、「Pas plus le jour que la nuit昼も夜も

Alex Beaupain201910日にリリースした新しいアルバムは「Pas plus le jour que la nuit」。Beaupainは1974年10月15日Besançon生まれのACI、映画音楽作曲者。2000年から主にChrsitophe Honoré監督映画の音楽を担当。ACIとしては、2005年ファーストアルバム「Garçon dhonneur/新郎に付きそう男児」をリリース。アルバムに収められた曲から4曲は2007年のHonoré監督映画「Les chansons damour/愛の歌」に用いられた。映画はカンヌ映画祭にも出品され、2008年Césarの最優秀映画音楽賞を受賞。2008年のセカンドアルバム「33Tours/33回転」はACC大賞受賞。2011年の「Pourquoi battait monœur/なぜ僕の心臓は高鳴っていたのか」に収められた「Au départ/最初は」は12年大統領選挙の社会党Hollande候補のミーティングの際のテーマ曲となった。2013年リリースの4枚目のアルバム「Aprés moi le déluge/僕の後には洪水:後は野となれ山となれ」は2度目のACC大賞受賞。

今回のアルバム「
Pas plus le jour que la nuit」は6枚目。歌手としてデビュー以来15年、Beaupainのシャンソンは聞く者に独特の感情を与えている。時代を映すBeaupainの曲は幻滅感や特にこの秋に特有の憂愁を与えることがあるが最後にはそれらを軽い笑いに変える。このアルバムを聞くのに適した時間帯はない。アルバムのタイトルが示すように、朝でも夜でも良い。人はいつでも悲しいし、愛しているし、失望しているものだから。アルバムには10曲収録されている。それらは:「Tout le contraire de toi/君と全く反対な人」(過去の恋愛の思い出)、「Cours camarade走れ、同志」(デモからの帰り、それが社会を変えることはないことを知る)、「Les sireèes」(「sirèneには2つの意味がある、アンデルセンの童話に出てくる人魚姫とテロなどの現場に向かう救急車のサイレンと。今、人魚姫の意味で使われることはなくなった。ヨーロッパでも、アメリカでも、中東でも、sirèneはいつでもサイレンの音」)、「Ektachrome/エクタクローム」(コダック社のスライド用フィルム。2009年販売中止されていた。2018年復活のニュースが)、「Un peu de ça/少しばかりにそれ」、「Pas plus le jour que la nuit」(「この表現はCharlotte Brondeからの借用。昼も夜も僕には安らぎも平和もない」)、「Sitôt/直ぐに」(最初に愛し合った夜の翌日には熱は冷めてしまう。Clara Lucianiとのデュオ)、「Orlando/オーランド」(2016年アメリカフロリダ州オーランドのナイトクラブでの銃乱射事件がテーマ。この曲のタイトルは「Paris」としても良かった。4年前のBataclanテロ事件を思い起こせば」)、「Poussiere lente/ゆっくりした埃」(気候変動をテーマに)など。

11月20日にはParis Olympiaに出演、その後国内ツアー。

Après moi le déluge」 https://www.youtube.com/watch?v=7HJeoavxwns

Pas plus le jour que la nuit」 https://www.youtube.com/watch?v=uLBKprsm3D4

 

3.イジアIzia、「Citadelle/城塞」

Iziaが2019年10月11日にリリースした新しいアルバムは「Citadelle」。Iziaは1990年9月24日パリ郊外Seine-Saint-Denis生まれ、本名Izia Higelin。その名が示すように「Higelin家の娘」。父は1960年代から活躍しているシンガーソングライターJacques Higelin(1940-2018 ACI)、兄は09年のVdMでロック/ポップアルバム賞を受賞したArthur H(1966- ACI)。幼少より音楽の環境で育ち、12歳でJacquesのアルバムにデュオで参加、13歳で最初の曲を作り、14歳でVilletteのホールCabaret Sauvageで自作の曲を歌っている。2006年Printemps de Bourges/ブルジュの春で歌手として本格デビュー。2009年6月には「Let Me Alone」など12曲を英語で歌ったファーストアルバム「Izia」をリリース。2010年のVdMでポップ/ロックアルバム賞と新人ステージ賞を受賞。2011年11月14日リリースの2枚目のアルバム「So Much Trouble」は2012年VdMのロックアルバム賞を受賞している。2012年には第7回Globes de Cristalの最優秀女性歌手賞を受賞。また女優としても活躍していて、2012年公開のPatrick Mille監督「Mauvaise Fille/不良少女」主役のLouiseで出演(2013年Césarで新人女優賞を受賞)以降8本の映画に出演している。

今回のアルバム「Citadelle」は2015年リリースの「La vague/波」に次ぐ4枚目のアルバム。この間にIziaには父親の死(2018年4月)があり、パートナーとの間の第一子の男児誕生(2018年8月)があった。そしてIziaは悲しみと喜びの交差する中Calivi(コルシカ島の北部にある町)の「Citadelle」に立てこもって、多くの人の協力を得て、父親へのオマージュ(Iziaの言によれば「『オマージュ』と言うのは悲しい、だから『メッセージ』」)など12曲を作った。それらは:「Trop vite/あまりにも速く」(アルバムに先行してシングルカットされている。父親を偲んで)、「Calvi/カルヴィ」(父親はこの町をよく訪れ、この町の名誉町民)、「Dragon de métal/金属製の竜」(「父はまさに『Dragon de métal』のようだった」)、「Idole/アイドル」(「私にとって父はいつまでもアイドル」)、「Sunset」(歌詞はフランス語)、「Essueles/孤立した人々」(「私の代父的な存在」Dominique Aとのデュオ)、「Sous les paves/舗道の下に」、「Chevaucher/馬乗りになる」(「私の代母的な存在」Jeanne Addedとのデュオ)、「Eidarri」、「Sentiers/小道」(曲中兄のArthurの声が聞こえる)、「Que tu saches/お前が分かったら」(息子へのメッセージ。「いろんな苦しいことを経験するでしょう。でも大丈夫うまく行く」)など。

Iziaは11月8日から国内ツアー。Paris登場は2019年12月11日La Cigale、2020年4月1日Olympiaの予定。

Let Me Alone2010VdMで https://www.youtube.com/watch?v=Oebrq7WSJcc

Dragon de métal」 https://www.youtube.com/watch?v=5xezVstpn4I

 

4.ミレーヌ・ファルメール Mylène Farmer、「Live 2019」

Mylène Farmerが2019年1018日にリリースした新しいアルバムは「Live 2019」。Farmer本名Mylène Gautierは1961年カナダQuébec生まれのACI。芸名は1930年代に活躍したアメリカの女優Frances Farmerから。歳でフランスに。 演劇学校で学んでいるときLaurent Boutonnat(1961.6.14-AC、プロデューサー、演出家、写真家)と知り合い、その勧めで音楽の道に。 BoutonnatFarmerのデビューからのピグマリオン。1984年3月リリースのSPMaman a tort/ママは間違っている」が10万枚以の売上げで一躍人気歌手に。1986年4月1日ファーストアルバム「Cendres de lune/月の灰」の収録された「Libertine/放蕩女」から「赤毛の放蕩女」とも呼ばれることも。80、90年代にリリースしたアルバム、「Ainsi soit-je・・/アンシ ソワ ジュ」(88年)、「L’autre/二重人格」(91年)、「Anamorphosée/アナモルフォーゼ」(95年)、「Innamoramento/イナモラメント」(99年)はいずれもdisque de diamant。1988年VdM 「女性歌手賞」を受賞。2000年には Alizée(1984- 歌手)を発掘し、そのファーストアルバムをプロデュース。2005年VdM 「過去20年の最優秀女性歌手賞」を受賞。その後も2005年「Avant que l'ombre/影が迫りくる前に」、2008年「Point de suture/縫合」、2010年「Bleu noir/青黒い」。2012年「Monkey me」、2015年とInterstellaires/星の間の」と定期的にアルバムをリリースしている。2009年9月11、12日 Stade de Franceでのコンサート。2015年4月「好きな女性歌手」のアンケートで、Edith PiafBabaraCéline Dionに次いで第4位。ラジオ局NRJ音楽賞のフランス語圏歌手賞4回、フランス語圏アルバム賞3回など、数多くの音楽賞を受賞している。前作は2018年9月リリースの11枚目のスタジオ録音アルバム「Désobéissance/不服従」は25万枚以上の売り上げ。 Farmerは2019年6月7日日から27日までParisLe Défense ArenaArche de la Défenceの隣にある多目的ホールでコンサート会場として使用する場合の収容人員は40000人でヨーロッパ最大)で6年振りとなるコンサートを開催。6月18日のコンサートにはStingがゲストに招かれた。この間9回の公演、235000人の観客を集めた。コンサートの模様は11月7日フランス国内、ベルギー、スイス、カナダ、ロシアなど18カ国の、フランス国内の325館など都合613館の映画館で上映され、こちらも155000人の観客を集めた。その後フランスではParisMarseilleNiceなど7都市のDolby Cinemaチェーンの映画館7館で11月8日から17日まで上映された。

アルバム「Live 2019」はこのコンサートを収録したFarmer7枚目のライヴアルバム。CD2枚組みのアルバムにはコンサートのsetlist全曲22曲が収録されている。それらは:「Ainsi soit-je・・」、「Innamoramento」、「Interstellaires」、「Stolen car」(Stingとのデュオ)、「Des larmes/涙」、「M’effondre/がっくりする」、「Sans logique/理屈なしに」、「Désenchantee/夢から覚めて」、「Un jour ou l’autre/ある日又は別の日」、「Rêver/夢見る」、「L’horloge/時計」など

Maman a tort」1984年https://www.youtube.com/watch?v=PU0XKTzmMXM

Libertine」1989年https://www.youtube.com/watch?v=GUDd7BjPrTI

L’horloge」とフィナーレ2019年6月https://www.youtube.com/watch?v=ouN6Y3z_VBQ

 

5.ヴァンサン・ドレルムVincent Delerm、「Panorama/眺望」

Vincent Delermが2019年10月18日にリリースした新しいアルバムは「Panorama」。Delermは1976年Normandie地方EureEvreux生まれ、ACI、劇作家。父は著名な詩人Philippe DelermRouen大学で現代文学を学んでいた、1998年2月同地のキャバレで最初に歌う。1999年Parisに上りAu Limonaire(9区)、Théâtre les Dechargeurs(1区Halles地区)などで歌う。ラジオ局FranceInterに出演の際Thomas Fersen(1963-ACIと知り合い、その推薦で「Tot ou tard」社と契約。2002年4月最初のアルバム「Vincent Delerm」を出し、これにより2003年のVdM新人アルバム賞、SACEMFrancis-Lemarque賞(新人歌手賞)受賞。Julien Clercなどの前座で歌った後、2007年3月Olympia出演。その後2008年4枚目の「15 chansons」まで定期的にアルバムをリリース。2011年12月から自ら製作、演出した子供時代の思い出を語る音楽スペクタクル「Memory」をPerisThéâtre des Bouffes du Nordで上演。その後フランス国内各地、スイス、ベルギーで上演し、楽は2013年4月16日Paris Olympia。2013年には5枚目のアルバム「Lea amants parallèles/平行線の恋人たち」をリリース、2016年10月には前作となるアルバム「A present/今」をリリースしている。Delermは日々の何気ない生活を歌い、歌詞にFanny ArdantJean-LouisTrintignantIKEAなどの固有名詞や商品名が頻繁に出てくる。

7枚目となる今回のアルバム「Panorama」でも同様。収められているのは10曲で、それらを聞くと、聞く人は自分だけではなく多くの人が同じような思い出を持ち、同じような気持ちを抱くのだと安心する。最初の曲は
Je ne sais pas si c’est tout le monde/それが誰も同じとは知らなかった」。これはDelerm監督の第一作映画で、ドキュメンタリーのタイトルでもある。この映画の出演者は著名な人物も、無名な人物もそれぞれ思い出を語り、あるいは思い出を記した文章を読んでいる。著名な人物で登場するのはJean Rochfirt(1930-俳優)、Alain Souchon(1944-ACI)、Vincent Dedienne(1987-俳優)、Eleonore Klanwein(1963-モデル)、Vincent Duluc(1962-スポーツジャーナリスト)など。この映画は2019年10月24日から12月22日まで毎週日曜日11時からParisCinema des Cinéastesで上映される。アルバムに収められている他の9曲は:「Vie Varda/ヴァルダの人生」(Agnes Varda 1928-2019.3.29 映画監督。映画『Cléo de 5 à 7/5時から7時までのクレオ』、『Le bonheur/幸福』などの監督 Agnes Vardaへのオマージュ)、「Panorama」、「La chamade」/心臓のドキドキ」、「Les enfants pales/青白い子供たち」(Rufus Wainwrightとのデュオ)、「Ce qui restera/残るだろうもの」、「Carver」(Raymond Carver 1938-1988 アメリカの作家に捧げる)、「Fernando do Noronha/フェルナンド・デ・ノローニャ」(ブラジルの大西洋上の島々で世界遺産)、「Photographies/写真」など。

Delermは2019年10月から12月にかけて3週間Cigaleに出演。その後国内ツアー。

Dauville sans Trintignant/トランティニャンのいないドーヴィル海岸」(途中で映画「Un homme et une femme」の中でのTrintignantの台詞が聞こえる)https://www.youtube.com/watch?v=4kRjalm0k0s

La vie Vardahttps://www.youtube.com/watch?v=usYWdILhaHk

 

6.アラン・スーションAlain Souchon、「Ame fifties/50年代の魂」

Alain Souchonが2019年10月18日にリリースした新しいアルバムは「Ames fifties」。Souchonは1944年5月27日MarocCasablanca生まれ、生後ヶ月でParisに。1960年代後半からACIとして活動、73年のL’amour 1830/1830年の愛」が最初のヒットで「Rose d’or d’Antibes」で審査員特別賞を受賞。74年作曲を担当するLaurent Voulzyとのコンビで最初のヒット曲「J’ai dix ans/僕は10歳」を出す。その後もこのコンビで、あるいは自身の作詞作曲で数々のヒットを世に出している。主なヒット曲には「Allo maman bobo/お母さん、辛いよう」(1977年)、「Quand j’serai KO/僕がKOされたら」(1988年、90年VdMシャンソン賞)、「Foule sentimentale/センチメンタルな大衆」(1993年、94年VdMシャンソン賞、2005年のVdMで「過去20年の最も優れたシャンソンに」)、「Sous les jupes des filles/女の子のスカートの下」(1993年、96年SACEMVincent Scotto賞)、「Et si en plus y’a personne/そして、その上誰もいないなら」(2005年、06年SACENMVincent Scotto賞)などがある。Souchonの前作は2014年11月リリースのアルバム「Alain Souchon & Laurent Voulzy」で、これは40年以上コンビを組んでいるVoulzyとの最初のデュオアルバム。これにより2015年のVdMでシャンソンアルバム賞を受賞している。Souchonは2002年Académie françaiseGrande Médaille、2012年「Ordre des Arts et des Lettres/芸術・文芸勲章」のcommandeur勲章を受章。VdMでは上記の他、1990年のアルバム「Nickel/ニッケル」はVdMのアルバム賞を受けているなど、都合9個のvictoiresを受けている。Souchonは45年のキャリアで900万枚以上のレコード売上げていて、シャンソンフランセーズを代表する歌手。

15枚目のスタジオ録音アルバム「
Ames fiftiesは5年ぶりで、新曲のソロアルバムとなると11年ぶりとなる。この間に若手歌手によるSouchonへのオマージュアルバム「Souchon dans l’air」、「Souchon dans l’air Vol2」が2017年6月及び2018年4月にリリースされている。「Ames fifties」には10曲収録、作詞は主にAlain Souchon 、作曲には自身のほか、Souchonの二人男児、Pierre SouchonCharles Souchon(芸名Ours)、それに例によってVoulzyの協力を得ている。最初の曲はアルバムのタイトルでもある「Ame fifties」(AlainPierre)テーマは1950年代の回顧、「物心が付いて、世の中のことが分かりかけた頃にどんなことが起こっていたのか。アルジェリア戦争があった。植民地の解放があった。人々はAndré Verchuren(1920-2013 アコーデオニスト)を聞き、Jeanne MoreauJean GabinBelmondoの映画を見た。Charles TrenetGeorges BrassensJacques Brelの曲は正に50年代のシャンソンフランセーズだった。多くの人々にとっては経済的には困難な時代だった」。収められているのは他に:「Presque/ほとんど」、「Ici et là/こことあちら」、「Un terrain en pente/斜面の土地」、「Ronsard Alabama/ロンサール、アラバマ」(Pierre de Ronsardの「Vayage d’Herceuil」から)、「Irène/イレーヌ」、「On s’ramène les cheveux/髪を元のように」、「On s’aimait/愛し合っていた」(ピアノ伴奏はVincent Delerm)、「Ouvert la nuit/夜を開ける」など。演奏時間は33分弱。

Souchonは10月26日のCourbevoieからツアーを開始していて、11月14~17日ParisDomeに出演、その後国内各地を周り、2010年4月18日のAngoulêmeまで。

Foule sentimentale」 https://www.youtube.com/watch?v=etR0o6yAAWk

Ames fiftiesclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=SUg5jQR-nbE

 

7.クリストフ・マエ Christoph Maé、「La vie d’artiste/アーティストの一生」

Christophe Maéが2019年1025日にリリースした新しいアルバムは「La vie d’atiste」。Maé本名Christophe Martichonは1975年南仏生まれのACI。幼少の頃からバイオリン、ギター、ハーモニカを習う。18歳で家を出て南仏で歌手活動を始め、26歳でParisに、Jonatan Cerradaらの前座で歌う。2005年9月からParisPalais  des Sportsを中心に上演されたミュージカル「Le Roi Solei/太陽王」で太陽王の弟役(Monsieurと呼ばれたPhilippe d’Orléans)に抜擢され、独特の高音と豊かな歌唱力で存在感のある演技と歌を披露して一躍人気に。2007年のファーストアルバム「Mon paradis/僕のパラダイス」は「Mon paradis」、「Belle demoiselle/美しいお嬢さん」などを収録、160万枚以上の売上。2007年にはラジオ局NRJの音楽賞でフランス語圏新人男性歌手賞を受賞。2008年VdMで新人歌手賞受賞。MaéVdMではその後も数回、種々のカテゴリーの候補に上がっているが受賞はこの1回のみ。2009年Jihnny HallydayStade de France公演ではその第1部で歌っている。2010年のセカンドアルバム「On trace la route/道を辿る」、2013年のサードアルバム「Je veux du bonheur/僕は幸福が欲しい」はいずれもチャートの1位になり、「disque de diamant/ダイアモンドディスク」(50万枚以上の売上げ)になっている。2011年Ordre des Arts et des lettres勲章のchevalier章受章。前作2016年リリースのアルバム「L’attrape-rêves/ドリームキャッチャー」もチャート1位になり、30万枚以上の売り上げでdisque de triple platineMaéはすでに700回以上のコンサートを行っていて、フランスでも指折りのlive performerと評価されている。

5枚目となる今回のアルバム「このアルバムのために詩を書き出したのは2018年11月8日、紙上に2887文字を書き、12曲が生まれた」。そして4つ☆を与えている評価もある。
12曲は「A nos amours/我々の愛に」、「Les gens/人々」(日常すれ違う人々、その人たちは我々の生活の一部、愛情を込めてその人たちを歌っている)、「Casting」(TVのリアリティ番組に出演して有名になろうとする若者たちの悲哀)、「La fin de l’été/その夏の終わり」(コルシカ島讃歌)、「Week-end sur deux/二人の週末」(子供への愛情)、「Bouquet de roses/バラの花束」、「Les mêmes que nous/我々と同じ人たち」、「La vie d’artiste」(・・人生は一つの舞台、そこには映画があり、演劇がある。順調ではない時にも、うまく行っていると答える。人に見られないように、涙を流すのは夜。自分自身の姿を変えることができる、それがアーティスト・・)、「Mon pays/我が故郷」、「La plus jolie des fées/最も綺麗な妖精」(自身の母親、及びすべての母親讃歌)、「La dernière danse/最後のダンス」など。アルバムには「Les gens」と「La dernière danse」のアコースティックヴァージョンも収録されている。

Maeは2019年11月21、22日ParisCirque d‘Hiverでコンサート。2020年3月から国内ツアー、2010年12月4日ParisAccorHotels Arena出演の予定。

Mon paradis」 https://www.youtube.com/watch?v=xUsIRmhMPhU

La vie d’artiste」 https://www.youtube.com/watch?v=grAH4486aXU

 

2019.11.27   No.1550

KCN 1550  2019.11.27    (文字バックの白抜き等、見苦しい点、申し訳ございません)

 

  

300 ch?urs chantent les plus belles chansons des annees 60

300人のコーラス隊、60年代の美しいシャンソンを歌う

    

2011019日、 TV FranceJapon歌謡番組「300 ch?urs chantent les plus belles chansons des annees 60/300人のコーラス隊、60年代の美しいシャンソンを歌う」が放送された。
(フランスでは、2019年2月15日に放送)

 これはフランスの各地で活動中の合唱団と共に、現在第一線で活躍中の歌手が特別にアレンジしたバージョンで1960年代のヒット曲を歌うもの。 番組で歌われた曲をご紹介します。 


 原曲を歌った歌手の映像も並べました。

懐かしい原曲と、現役歌手によってアレンジされた曲、 共にお楽しみください。 

・「Chez Laurette/ロレットの店で

  Michel Delpech et Amel Bent

      

 
:1965年Michel Delpechのヒット曲(Delpech作詞/Roland Vincent作曲)

Delpech 1966年10月20日 https://www.youtube.com/watch?v=KJNDUJflo_c 

番組で歌ったのは:Amel Bent https://www.youtube.com/watch?v=oS9Z1XEKqiY



 「Comme d’habitude /いつものように」

  Claude Francois et Slimane

   

・「Comme dhabitudeいつものように:1967Claude Francoisのヒット曲Francois & Gilles Thibaut作詞Francois & Jacques Revaux作曲。1969Pau Ankaが翻案、Frank Sinatraなどによる「My Way」に

     Francois 1968年1月4日  https://www.youtube.com/watch?v=ug5coxz8hGM

  番組で歌ったのは:Slimane  https://www.youtube.com/watch?v=CgV_v9BB_qs


 

「Cavalerie/騎兵」 :1968年Julien Clercのヒット曲(Etienne Rod-Gil作詞/Julien Clerc作曲)

 Julien Claire et Calogero

     


Clerc
 1968年7月1日 https://www.youtube.com/watch?v=QQsgjZPhyeQ

番組で歌ったのは:Calogero https://www.youtube.com/watch?v=YdOLDNsz01o

 


「Elisa/エリザ」1969年Serge Gainsbourgのヒット曲(Michel Colombier & Gainsbourg作詩/ Gainsbourg作曲)


  
      

   Gainsbourg 1969年12月31日 https://www.youtube.com/watch?v=I-0Rkz5mogw

番組で歌ったのは:Marc Lavoine https://www.youtube.com/watch?v=eZCYesvxIJs



「Mon dieu/モン・デュー:私の神様」:1960年Edith Piafのヒット曲(Michel Vaucaire作詞/Charles Dumont作曲)

      

Piaf 1961年1月20日 https://www.youtube.com/watch?v=RgvEV9B-IEw

番組で歌ったのは:Patricia Kaas https://www.youtube.com/watch?v=XxD3opSmD0o

 

  ★「Emmenez-moi/世界の果てまで」1967年Charles Aznavourのヒット曲(Charles Aznavour作詞/作曲)

     

  Aznavour 1972年4月4日https://www.youtube.com/watch?v=PI921KppbIg

番組で歌ったのは:Kendji Girac https://www.youtube.com/watch?v=UEiu6qHVo24



★ Histoire d’un amour/ある愛の物語」:1957年Dalidaのヒット曲(Francis Blancheフランス語の歌詩/Carlos Almaran作曲)

  

  Dalida  https://www.youtube.com/watch?v=jNhZqiQd-eI

番組で歌ったのはVincent Niclo https://www.youtube.com/watch?v=-el4cBDHypM

2019.11.11   No.1549  

KCN 1549  2019.11.11

 (大変遅ればせながら!)

8.9月にリリースされました6人のアーティストの新譜 のご紹介をいたします。どうぞご覧ください。  

1.ヴィタア & スリマンヌ   2016年スター誕生番組で歌ったスリマンヌの A fleur de toi(2番目の曲) 是非お聞き下さい                   
2.ヤニック・ノア

3.ラ グランド ソフィー

4.ステファン・エシェール

5.ジャンヌ・シェラール

6.トマ・フェルセン

 

 

1.ヴィタア & スリマンヌ、 Vitaa & Slimane 「VersuS


 

 

Vitaa & Slimaneが2019年8月23日、デュオアルバム「VersuS」をリリースした。

Vitaa(本名Charlotte Gonin) 1983年3月14日アルザス地方Mulhous生まれ、Lyon近郊で育ったRnB系歌手、作詞、作曲も行う。DJKostに見出され2002年Dadooとのデュオ「Pas à pas/一歩ずつ」を歌う。06年にはDiamsとの「Confession nocturne/夜の告白」をデュオで歌い知られるようになり、Diamsのコンサートに前座で歌う。07年2月5日ファーストアルバム「A fleure de toi/あなたと同じように」をリリース、チャート1位にもなり40万枚以上の売上げ。その後の3枚のアルバムは期待した成果は得られなかったが、2017年5月5枚目のアルバム「JM」は、

Tu me laisseras/あなたは私を放っておく」、Julとのデュオ「Ça les dérange/それは彼らの迷惑になる」、Claudio Capéoとのデュオ「Un peu de rêve/少しばかりの夢」などを収録、10万枚以上の売り上げ。

A fleur de toihttps://www.youtube.com/watch?v=bbwvca7i13A

Slimane(本名Slimane Nebchi)は1989年10月13日、Parisの東郊外Chelles生まれのACI、両親はアルジェリア出身。2016年のTVTF1スタ誕番組「The Voice」第5シリーズでVitaaの「A fleur de toiあなたと同じように」、「Tout le monde y pense/みんなそれを考えている」(Francis Cabrelのヒット)などを歌い優勝。2016年7月8日ファーストアルバム「A bout de rêves/夢の最後に」をリリース、「L’enfant de la rue/通りの子供」、「Paname/パナム」、「Le vide/空虚」などを収録20万枚以上売上げ。2017年11月17日リリースのJohnny Hallydayへのオマージュアルバム「On a tous quelque chose de Johny」には「Marie」で参加している。2018年1月2枚目のアルバム「Solune」(「soleil/太陽」と「lune/月」とを結合させたSlimaneの造語か)も10万枚以上の売り上げ。

Lenfant de la ruehttps://www.youtube.com/watch?v=0F6D86BbgTE

VitaaSlimaneとの友情は2016年「The Voice」でSlimaneVitaaのヒット曲「A fleur de toi」を歌ったことから始まり、2018年8月にはデュオで歌った「Je te le donne/あなたにそれをあげる」をシングルでリリースしている。

Je te le donnehttps://www.youtube.com/watch?v=B9snv-V-r-U

今回のアルバムにはVitaaSlimaneが作詞作曲した19曲収録されている。それらは:Versus/・・に対して」、「Ça va ça vient/それは去って行き、やってくる」、「XY」、「Comme un film/映画のように」、「C’est pas comme ça/そんな風じゃない」、「Avant toiあなたの前に」Pas beaux/綺麗じゃない」Balade/バラード」Maëlys/マエリス」Pourquoi le monde/何故世界は」Hasta la vista/さようなら」Pourvu qu’on s’aime/愛し合っていれば」Le temps/時間」On my skinNe me laisse pas/私を放っておかないで」A la vie/人生に」Je te le donne」(2018年8月シングルでリリース)A fleur de toi」など

アルバムはリリースの週にはチャートの1位、その後4週間2位。

VitaaSlimaneは2010年3月から国内、ベルギー、スイスを回るツアーを予定、Paris登場は2020年11月4日のPalais des Sports

Maëlys/マエリス」https://www.youtube.com/watch?v=rerDLxQAOAc

こ曲は2017年8月にフランス南東部Auvergne地方Isère県で起こった8歳の少女Maëlysの失踪事件「Affaire Maëlys/マエリス事件」をテーマにしたものでMaelysの母親、家族に捧げられている。Maëlysは逮捕された容疑者の自供に基づき、2018年2月山中で、遺体で発見された。・・

 

2.ヤニック・ノアYannick Noah、 「Bonheur indigo/藍色の幸福 

 

Yannick Noahが2019年9月6日にリリースした新しいアルバムは「Bonheur indigo」。

 

Noahは1960年5月18日Sedan生まれの歌手、テニスプレイヤー、テニスナショナルチーム監督(略歴については「今月の顔 2019年8月」参照)。

Bonheur indigo」は2014年6月リリースの「Combats ordinaires/通常の戦い」から5年振りNoah11枚目のアルバム。アルバム「Bonheur indigo」には12曲収録。テーマは歌手Noahの成功の源であった、生きる喜び、幸福(「幸福はそれほど華々しいものじゃない。自分自身がどう言う状況にあるかを知ること、そしてそれを受け入れることが幸福の第一歩」)、旅(「この2年半の間妻と、5人の子供のうち15歳の末の子を連れて船旅をした。カリブ海や地中海を。肉体的にも、精神的にもリラックスして」)、連帯、希望。そしてNoashは「楽しいこと歌った歌を、子供たちに希望を与えるような歌」をパーカッションと陽気なコーラス(TVM6のスタ誕番組「Nouvelle Star」の第10シーズンで決勝に残った女性ACIYseulを中心にした)をバックに、レゲ、サルサなどのリズムに乗って歌っている、時には踊りながら。それらは「Alerte indigo/藍色の警告」、「Encore temps/まだ時間がある」(「環境問題については過去のも取り上げたことがある。『まだ時間がある』あきらめるのはよそう」)、「Todo esta bien/(スペイン語)すべて順調」(「Todo esta bien」と繰り返す以外、歌詞はフランス語)、「Viens/お出で」、「Sorry un peu/少しばかりsorry」、「Namaste」、「La mélo/メロドラマ」、「Love,love,love」、「Baraka/(アラビア語で)強運」(「両親が僕を自由にさせてくれ、好きなテニスをやらせてくれたこと、最初に付いたトレーナーArthur Asheが愛情深く僕をコーチしてくれたこと、キャプテンを務めたデ杯で優勝したことなど正に『強運』そのものだった」)、「Au mieux le meilleur/真ん中に最も優れた者」、「Peau lisse Man/ポー・リス・マン:すべすべした肌の男」(「Peau lisse Man」は国境を警備する「Police man」)、「Le chemin/道」など。

Noahは11月12日から国内、ベルギー、スイスを回るツアーを開始、12月11、12、13日Paris Olympiaに出演。

Viensclip officiel

 

 

3.ラ グランド ソフィー La Grande SophieCet instant/この瞬間」

 

La Grande Sophie201913日にリリースした新しいアルバムは「Cet instant」。

 

La Grande Sophie、本名Sophie Huriaux(ステージ名の「grande/大きな」は身長178cmと大柄なためか)は1969年Moselle地方生まれ、Marseille郊外で育つ。9歳でギターを始め、13歳で兄弟や友人とグループ「Entrée interdite/入場禁止」を作り、当時のヒット曲のカバーばかりでなく自作も歌い、地方では有名に。Marseilleの美術学校で彫刻を勉強する傍ら曲作りを行い、95年Parisに上り、バーや小ホールで歌う。96年La RochelleFrancofoliesPrintemps de Bourgesに出演して注目され、97年ファーストアルバム「La Grande Sophie s'agrandit/ラ グランド ソフィーは大きくなる」を出す。03年に出した3枚目のアルバム「Et si c'etait moi/それが私なら」は一般にも、批評家にも好評で03年末から05年初めにかけて、フランス・ベルギー、ケベック各地のフェスティヴァルなどに出演し、05年のVdMで新人ステージ賞を受賞。05年のアルバム「La Suite・・/続き」も好評。08年には小規模ホールでギターの弾き語りによるツアー「Toute seule comme une grande/大人の女性らしくたった一人で」を国内、スイス、ベルギーで行った。09年のアルバム「Des vagues et des ruisseaux/波と小川」はACC大賞を受賞。12年のアルバム「La place du fantôme/幽霊の居場所」は「彼女は自分の居場所を見つけた」などと紹介され、13年VdMシャンソンアルバム賞を受賞した。前作は2015年リリースのNos histoires/私たちの物語」。今年50歳になった La Grande Sophie8枚目となる今回のアルバム「Cet instant」には4つを与えている評価もある。アルバムのタイトルを「Cet instant」としたのは「私は時間が経過することに強迫観念を持っている。大切なのは今、私が生きている現在。過去にノスタルジーを感じることはあっても、それは未来に向かう力」。収められているのは9曲と少なめで演奏時間は29分、「私はこのアルバムに収められた曲が、捕らえることができないこの瞬間と同じような速さで過ぎて行くと良いと思った。そして聞き終わった時に『もう』と感じてくれるように」、9曲は:「Une vie/一つの人生」(「人は一つの人生しか持てない」)、「Tu ne me connais pas/あなたは私を知らない」、「Où vont les mots/言葉はどこへ行く」(「私はFrançoise Hardyの最新アルバム「Personne d’autre/他の誰も」のために数曲提案し、「Le large/沖合」を歌ってくれた。この曲も提案した曲の一つ。Hardyはこの曲は『あなた向き』と言ってくれた」)、「Hier/昨日」、「Missive/信書」、「Nous étions」(「私は30年同じ男性と生活を共にしている。これはその人に捧げる曲。別れをテーマにしたシャンソンが多いけれど、長く続く愛は素晴らしい」)、「Cet instant」、「Huis-clos/門戸を閉ざして」(instrumental)、「Sur la pointe des pieds/つま先立ちで」(a cappellaで歌っている)など9曲。

La Grande Sophieは2019年10月12日からツアーを開始、Paris登場は11月19日Le Trianon(18区)及び12月12日Olympia(9区)。

Une vie

Sur la pointe des pieds

 

 

4.ステファン・エシェールStephan EicherHomeless Songs

 

 

Stephan Eicherが2019年9月20日にリリースした新しいアルバムは「Homeless Songs」。

Eicherは1960年スイスBern近郊生まれのACI。仏語、英語、独語、伊語、あるいは生地の方言でも歌い、最もヨーロッパ的な歌手の一人と言われている。現在フランス在住、「フランス人の考え方が好きだし、フランスは広く門戸を開放していた。徐々にそうでなくなっているが。[フランスの高額所得者が節税のためスイスに居を移す中]フランスで税金を払っている唯一のスイス人だろう」。ジプシーの血を引くジャズピアニストであった父の影響で幼少の頃から音楽に興味を持ち、いくつかのグループで活動した後、80年代からソロ活動。80年にはファーストアルバム「Spielt Noise Boys」をリリース。84年Printemps de Bourgesなどのフェスティヴァルに出演して人気に。91年のアルバム「Engelberg/エンゲルベルク:スイスの山岳リゾート地」には、フランスの作家で、「37°2 le matin/朝37度2分」(映画、邦題「ベティー・ブルー 愛と激情の日々」の原作)の著者Philippe Djianに提供され詩に曲を付けた「euner en paix/静かな朝食」、「Pas d'ami comme toi/君のような友はいない」などが収められていて、フランスで60万枚、スイスで10万枚の売上げという大ヒットになり、確固たる地位を。

euner en paixhttps://www.youtube.com/watch?v=DNAcDgeFOGI

Pas d’ami comme toihttps://www.youtube.com/watch?v=UlDpkV-eK8g

その後も不定期ではあるがアルバムをリリース。2011年Alain Bashungへの追悼アルバム「Tels Alain Bashung」には「Volutes」を歌い参加している。「Homeless songs」は、2012年の「LEnvolée」以来7年振りの新曲スタジオ録音アルバムで15枚目(あるいは14枚目)との報道あり。

Eisherは2019年2月には「Déjeuner en paix」、「Pas d'ami comme toi」を含む過去のヒット曲を管楽器のファンファーレの伴奏でセルフカバーしたアルバム「Huh!」を出している。

 「Déjeuner en paixhttps://www.youtube.com/watch?v=ahpHAwH1Rbw

 

今回のタイトルの「Homeless」は、この7年間にわたってレコード会社との間で確執があったこと、また、収められている曲が現在の音楽産業界で占めるべき場所を見つることができないだろうという危惧からか。収められているのは14曲。それらはシャンソンの歌詞の基本的スタイルである「refrain-couplet/ルフラン=クープル」の束縛からは逸脱、1曲の長さはそのテーマを適切歌い上げるため「Brocken」の44秒から「Niene dehei」の6分10秒までとまちまち、独特のしわがれた、ごつごつした、しかし熱い声で歌われていて、聞いていると気持ちが和らぎ、あるいは辛い気持ちになる、アルバムに不思議な魅力を与えている。例によってフランス語、英語、スイスドイツ語で歌っている。

14曲は他に:「Si tu veux (que je chante)/君が望むなら(僕が歌うことを)」(レコード会社への呼びかけか?)、「Homeless song」、「Prisonnière/女性の囚人」、「Je n’attendrai pas/僕は待たないだろう」、「Monsieurje ne sais pas trop/ムッシュー、僕は多くは知らない」、「Gang nid eso」、「Haiku? papillons」、「Ne un ver/毛虫は生まれたアメリカのフォーク・ブルース歌手Dan Reederの「Born a worm」のフランス語ヴァージョン、Reederが声を貸している)、「Toi et ce monde/君とこの世界」、「Still」、「La fête est finie/祭りは終わったAxelle RedMiossecとトリオで、「Wie einem der gewissheit hat/確信のある者のように」など。

Eicherは2019年からフランス国内、スイスを回るツアーを開始、11月18~20日ParisOpéra Comiqueに出演。

Si tu veux (que je chante),https://www.youtube.com/watch?v=ql9CTxVueik

  

.ジャンヌ・シェラールJeanne Cherhal、「L’an 40/40年の年

 

  

                        

Jeanne Cherhalが2019年9月20日にリリースした新しいアルバムは「L’an  40」。

 Cherhalは1978年1月28日Nantes生まれのACI。大学では哲学を専攻する傍ら、出身地のブルターニュで行った数回のコンサートは彼女の評判を口コミで伝えるに十分。1999年11月にGeorges MoustakiNantes TNT劇場でのリサイタルの前座をつとめ、その6ヶ月後にはこの劇場に1週間出演、学業を放棄。13歳で始めたピアノは2001年からは弾き語りのツアーが出来る実力。2002年のファーストアルバム「Jeanne Cherhal」は01年のNantes公演のライヴ。2004年リリースの2枚目のアルバム「Douze fois par an/1年に12回」は25万枚以上の売り上げで、04年ACC大賞。05年にはVdM新人女性歌手賞を受賞。 「Douze fois par anhttps://www.youtube.com/watch?v=Drjdl7__-nc

06年アルバム「L'eau/水」をリリース。アルバムリリース後国内及び近隣諸国、カナダ、アフリカなど長期ツアーを行い、07年4月24日にはParis Olympiaに出演。11年5月31日の日本支援コンサート「SOSJapon」に参加、2010年リリースの4枚目のアルバム「Charade/言葉遊び」からCinq ou six années/5ないし6年」を歌っている

Cinq ou six annéesSOSJaponhttps://www.youtube.com/watch?v=b2srW5uu0Pc

12年にはronique Sansonの「Amoureuse」が出てから40年になるのを記念して、この曲などをピアノの弾き語りでカバーしたSansonに捧げるコンサートを行った。Cherhalはまた、Amandine BourgeoisBenjamin BiorayJohnny Hallydayなどに曲を提供している。特にHallydayに詩を提供したTe manquer/君がいなくて寂しい」(作曲Yodelice、2014年Hallydayのアルバム「Rester vivant」に収録)は、2015年第1回RFM-Paris Match作詞家大賞の「男性歌手が歌ったシャンソンの歌詞大賞」を受けている。Cherhal情熱溢れるステージ、澄んだ声、繊細な、辛辣な、時にはユーモアに満ちた歌詞で人気。前作は2014年リリースの 「Hitoire de J./J嬢の物語」で今回の「L’an 40」は5年振り、6枚目のアルバムで4つ☆の評価も。

タイトルは1年前に40歳になったCherhal「40歳という年齢は丁度中間地点、今まで生きてきた人生と、残りの人生との」で、人生の中でこの年代をどのように過ごすべきかを考えて付けたのか。収められているのは:「L’an 40」、「Fleur de peau/表面的な」、「Le feu aux joues/頬の赤み」、「Fausse parisiennes」、「Racines d’or/イワベンケイ」、「Soixante-neuf/69」、「Ton souvenir me prend ce soir/今夜あなたの思い出が私を捕らえる」、「César/シーザー」(シーザーは帝王切開で生まれたと言われている)、「L’art d’aimer/愛する技術」、「Un adieu/一つの別れ」(Jacque Higelin<1940-2018 ACI>追悼、Cherhalはアルバム「Douze fois par an」に収録した「Je voudrais dormir/眠りたい」をHigelinとのデュオで歌っている、)など10曲。

Cherhal11月7日からツアーを開始、12月3日Paris Folies Bergereに出演。

Je voudrais dormir」2004年Jacques Higlinhttps://www.youtube.com/watch?v=8lLKId_0oOo

L’an 40」https://www.youtube.com/watch?v=E58kJU6KFys

 

 

6.トマ・フェルセンThomas FersenC’est tout ce qu‘il me reste/これが僕に残っているもののすべて

 

Thomas Fersen201927日にリリースした新しいアルバムはC’est tout ce qu‘il me reste」。

 

Fersen1963年1月4日、Paris 11区生まれのACI。ギター、ウクレレ、ピアノ、ハーモニカ、バンジョーなどを演奏し、これらの楽器の弾き語りで歌う。80年代いくつかのバンドを組み、アングロサクソン系の歌を歌うが成功せず。兵役後Parisに戻りピアニストの妻とともにピアノバーに出演、そこで徐々に知られるように。93年に最初のアルバム「Le bal des oiseaux/鳥たちの舞踏会」をリリース、VdMの新人賞を受賞。

Le bal des oiseauxhttps://www.youtube.com/watch?v=GtDXdC2Y0EY

98年SACEM若手作詞家または作曲家を対象にしたRaoul Breton賞受賞。2010年「Ordre des arts et des Lettres」のOfficier章を受賞している。11年5月31日の日本支援コンサート「SOSJapon」に参加Félix」を歌っている。

FélixSOSJaponhttps://www.youtube.com/watch?v=X7LR3AQdwHE

hors des sentiers battus/踏みならされた道の外側にいる」、「言葉の魔術師」、「クールな夢想家」と言われるFersen、定期的に質の高いアルバムを出している。「Il faut aimer les mots,sinon on est des bêtes/言葉を愛さなくては、そうでなかったら動物と同じ」と語っているFersen、豊かなボキャブラリーを見事に操り、一つの言葉にいろいろな意味を持たせる詩、その内容は優しさと、皮肉っぽさにあふれ、幻想的。その詩を嗄れた独特の声で歌う。ファーストアルバムから一貫して動物を題材にした曲が目立つ。コウモリ、ミツバチ、ライオン、猫など。そしてラジオやTVなどのメデイアに乗って大衆受けするタイプではなく、コンサート中心の活動で、1993年からすでに1200回以上のコンサートを行っていて、Olympiaには2000年、2006年、2012年に出演している。そして、シャンソンフランセーズで、特異なポジションを占め、確固たる地位を保っている。2010年Ordre des Arts et des LettresOfficier章を受賞。2018年にはAcadémie FrançaiseGrande Médaille de la chanson françaiseを受けている。 

前作は2017月リリースの「Un coup de queue de vache雌牛のしっぽの一撃」、11枚目となる今回のアルバムにも夢想的で、シュールで、不条理で、皮肉な10曲が収録されている。それらは:「Les vieilles/年とった女性」、「C’est tout ce qu’il me reste」、「Les zombies du chimtière/墓地のゾンビ」、「La mare/水たまり」、「Envie de ne rien faire/何もしたくない」、「Le vrai problème/本当の問題」、「Mes parents sont pas là/両親は留守」、「King Kong」など。、「Richelieus」、「Mange mes poux/僕のシラミを食べな自分のシラミをとっている匹の猿の知恵に感心して

2019年11月6日からツアー、現在のところParisでの公演は予定されていない。

C’est tout ce qu’il me resteclip offiel https://www.youtube.com/watch?v=EvTOidzmqvQ

Les vieilleshttps://www.youtube.com/watch?v=abFCiHxK8kg

 ・・16歳の時18歳の女の子が好きになった。若すぎるという彼女に言った。僕は古いものが好き、古びた家、古いワイン、おんぼろ車、流行遅れの品物が。「C’est dans les vieux pots qu’on fait la meilleure soupe/美味しいスープは古鍋で作る」と言うでしょう。僕は古い物が好き、年とった女性が好き・・

No.1548  2019.11.8 

KCN 1548  2019.11.8

 

 

 

 

 

 

 

 マリー・ラフォレ MarieLaforêt、死去

La fille aux yeux d’or/金色の眼の女」の目は永遠に閉じられら。
歌手であり、俳優でもあったMarie Laforêtが2019年11月2日スイスGenolierの自宅で死去した旨、家族から発表され、た。 享年80歳。死因は明らかにされていない。

Laforêt、本名Maïtena Douménach、は1939年10月5日フランス、GirondeSoulac-sur-Mer生まれの歌手、俳優、作家、作詞も行う。

1978年以降スイス在住、スイス国籍も取得している。1959年ラジオ局Europe1の「Naissance d'une étoile/スター誕生」で優勝。1960年3月公開「Plein soleil/太陽がいっぱい」(René Clement監督)で俳優としてデビュー、Alain DelonMaurice Ronetらと共演。1961年公開「La fille aux yeux d’or/金色の眼の女」では「金色の眼の女」を演じている。1961年の公開の「Saint-Tropez Blues/赤と青のブルース」(Marcel Moussy監督)では歌手のJacques Higelin(1940-2018 ACI)らと共演、同名の主題歌を歌う。その後は俳優、歌手として活躍。俳優としては、「Flic ou voyou/(邦題)J=P・ベルモンドの警部」(79年Jean-Paul Belmondoと共演)、「Tangosl’exil de Gardell/タンゴ ガルデルの亡命」(85年、ヴェニス映画祭で審査委員賞)など都合35本の映画に出演。舞台女優としても活躍。歌手としては1963年最初のレコードを出し、そこの収録されていた「Vendanges de l'amour/恋の収穫」(Michel Jourdan作詞/Danyel Gérard作曲)が最初のヒット。その後、「Viens sur la montagne/山へお出で」(64年)、「Marie-douceurMarie-colère/優しいマリー、怒れるマリー」(The Rolling Stonesの「Paint itBlack」の翻案、66年)、「Manchester et Liverpool/マンチェスターとリヴァプール」(66年)「IvanBoris et moi/イヴァンとボリスと私」(67年)、「Mon amour,mon ami/我が愛、我が友」(67年、François Ozon監督映画2002年公開「Huit femmes/8人の女たち」でVirginie Ledoyenがカバーして歌っている)、「Que calor la vida/人生の色」(68年)などがヒット。1969年にはOlympiaに出演、70年そのliveアルバム「Récital/リサイタル」をリリースしている。1969年から70年にかけて世界ツアーを行っている。70年にはBobinoに、71年から72年にかけてParisTheatre de la Villeに出演している。しかし、元来ステージ立つことは得意ではなかったため、その後活躍の場は専らレコード。「Viensviens/お出で、お出で」(73年)、「Cadeau/愛の贈り物」(74年)、「Il a neigé sur YesterdayYesterdayの上に雨が降った」(77年、The Beatlesへの讃歌、解散を痛んでいる)をヒットさせた。93年には全曲自身の作詩(一部は作曲も)によるアルバム「Reconnaissances/謝意」(14枚目で最後のアルバム)をリリース、その中の「Genève・・ou bien/ジュネーヴ・・あるいは」は彼女の最も優れた曲との評価もある。1994年にはCD4枚組み80曲収録のcompilationをリリースしている。 1999年にはParisThéâtre Antoineで上演され、その後国内各地で上演された「Master Class」でMaria Callasを演じている。「Master Class」は2008年Théâtre de Parisで再演されている。歌手Laforêtが再びステージに立ったのは2005年。11月12~24日Bouffes Parisiensに出演、熱狂的に迎えられた。その後2007年から「さよならツアー」を行うと発表されたが、健康上の理由で実現されなかった。Laforêtは14枚のアルバムをリリース、そこには167曲収録されていて、都合3500万枚の売り上げ。なお、2012年Laforêtのファンによって、Laforêtには未発表の曲、録音されたことのない曲が約100曲あることが明かにされた。.

Ivan, Borise et moi1967https://www.youtube.com/watch?v=dnGfMhj6ZMo

Manchester et Liverpool1967https://www.youtube.com/watch?v=NuLV_LHY7mk

Il a neigé sur Yestarday1977https://www.youtube.com/watch?v=wr7MyaFBPIk

Genève・・ou bien」 1993年 https://www.youtube.com/watch?v=4c2xBqJHeYc

Bouffes Parisiens で 2005年 https://www.dailymotion.com/video/xu9ukz

 
No.1547  2019.10.31   No. 1547    2019.10.31

 

ユーグ・オーフレHugues Aufray、90歳                  

Hugues Aufrayは2019年8月18日90歳の誕生日を迎え、TV・ラジオ番組に出演し思い出、健康の秘訣などを
語った。
また、9月7日少年期を過ごしたSoreze(フランス西南部Tarne県)で記念コンサートを行った。

Hugues Aufray192918日パリ郊外Neuilly-sur-Seine生まれのACI、ギタリスト、彫刻家。 Tarn県、スペインMadridで育つ。1948年Parisに。兵役後52年からSaint-Germain-des-Presで歌う。1959年当時無名のSerge Gainsbourgの「Le poinconneur des Lilas/リラ駅の切符切り」を歌いラジオ局Europe1のコンクールで優勝。1959年Maurice Chevalierのアメリカ公演の前座で歌うように招かれ、渡米。Bob DylanPPMを知る。1961年12月「Santiano/サンティアノ」が最初のヒット。「Santiano」 https://www.youtube.com/watch?v=Rp6P8jryf2g

1965年Pierre Delanoe(1913-2006 作詞家)によるフランス語の歌詩でLPHugues Aufray chante Dylan/ユーグ・オーフレ ディランを歌う」をリリースしDylanをフランスに紹介。1966年3月vedetteとしてOlympiaに出演。1966年「Celine/セリーヌ」が、1968年「Adieu Monsieur le professeur/さようなら、先生」がヒット。

 「Adieu Monsieur le professeur https://www.youtube.com/watch?v=UL8LeP3peA0

70年代からはAuvergne地方Ardecheの農場で農耕、羊の飼育、乗馬などをして暮らしながら、Marly-le-RoiParisの西20km)の自宅を往来し、音楽活動を続け、パリのキャバレやホールに出演、アルバムをリリース。

2009年10月にはアルバム『New Yorker』をリリース。これにはDylanの曲にAufray自身がフランス語の歌詞をつけたものをJohnny HallydayCarla BruniEddy MitchellFrancis Cabrelらとのデュオで歌った13曲収録:「La fille du nord/北国の少女」(「Girl from the North CountryMitchellと)、「Ny pense plus, tout est bien/くよくよするな」(Don't think twice,it's all rightBruni)、「Tout comme une vraie femme/女のごとく」(「Just like a womanJane Birkinと)、「Dans le souffle du vent/風に吹かれて」(「Blowin' in the windCabrelと)、「Jeune pour toujours/いつまでも若く」(「Forever youngHallydayと)など。

 「Dans le souffle du ventFrancis Cabrelと https://www.youtube.com/watch?v=jgmM0SR_R_k

201110月リリースのアルバム『Troubadour since 1948』には自身の過去のヒットを録音し直した17曲が収録されているJentends siffler le train汽笛が聞こえる」500 miles、「Yavait Fanny qui chantait/歌うファニーがいた」、「Des que le printemps revient/再び春が来たらす具に」、「Celine」、「Lhotel du seleil levant朝日の当たる館」House of the rising sun、「Stewball」、「Santiano」など。

 「J’enttends siffler le trainhttps://www.youtube.com/watch?v=iA37jRaN-vY

2010ACCの特別賞、2011VM特別賞を受賞201214日「Legion dHonneur」のchevalier章受章している。フランスでは小学校6校、2つのコンサートホールがAufrayの名を冠している。 

Aufrayは現在「en exellente forme/絶好調」、その秘密は、誕生日の前後にTV、ラジオに出演し語ったところによれば、・・遺伝的な要因もあると思う。従兄弟の中にはマスターズで800mの記録保持者がいる。健康には常々気を配っている。タバコは兵役除隊後やっていない。アルコールは体質に合わないようで、Cotes-du- Rhoneの軽い赤をほんの少量飲むだけ。かつてはロック歌手の中にはコカインやヘロインはやっていた者もいるが私は一切やらなかった。90歳の誕生日を迎え私の「seconde vie/第2の人生」、歌手として、作家として、彫刻家として、画家としての、が始まる・・

9月7日には少年期を過ごしたSoreze(フランス西南部Tarne県)で記念コンサートを行った。Aufray一家は第2次大戦中Sorezeに疎開。Aufrayの旧居の壁には「Hugues Aufray、現代のフランス吟遊詩人、Soreze小学校の卒業生、Auffray(注)家の3番目の男子、は1941年から1946年まで、両親、兄、妹のPascale Audret(注)とここに住む」と記された標識がある。この標識は2015年Aufrayの手で除幕されている。

(注)本名のAuffrayにはfが2つ、デビュー当時記者が誤ってfを1つに表記、それをそのまま芸名に

(注)Pascale Audret(1936―2000 俳優、歌手)Francois Villiers監督「L’eau vive/河は呼んでいる」(1958年公開)の主人公Hortense役を演じている。

今回記念コンサートを計画したのは小学校の学友のMichel Go。コンサートはSorezeのかつての中学校の跡地Abbaye-ecole公園の特設野外会場で行われ、Aufrayは6人のミュージシャン及び125人のコーラスをバックに3時間にわたって

約5000人の観客を前に「Santiano」、「Hasta luego」、「Adieux Monsieur le roffeseur」などを歌った。

観客の中にはは香港から来たというファンも。またフランス各地からのファンはインターネットでの掲示により「covoiturage/車の相乗り」で集まった者も多かったよう。最後に9人の子供たちがそれぞれ1個のバースデイケーキを持ってステージに登場、90歳の誕生日を祝った。

 Aufray a Soreze en 2019 https://www.youtube.com/watch?v=vkJvBYgKboc

Aufrayは10月18日ParisSalle Pleyelでのコンサート、満員で、10月20日の公演が追加された。

No.1546   2019.10.15
 

KCN 1546     2019.10.15

ジャン=バティスト・ゲガンJean-Baptiste Guégan

ファーストアルバム「Puisque cest écrit/そう書かれているから」 リリース

Jean-Baptiste Guegan - Puisque c'est écrit

 

Johnny Hallyday(1943.6.15-2017.12.5 歌手、作曲も)の「 le sosie vocal声のそっくりさん」としてつとに知られているJean-Baptiste Guégan201930日ファーストアルバム「Puisque cest écrit」をリリース。Guégan1983年Bretagne地方の生まれの歌手。「9歳で父に連れられてParis Bercyで初めてJohhnyを聞いて圧倒された。14歳Karaokéで歌った際にJohnyの声に似ていると言われた。おそらく同じような声帯をしているのだろう」。「家具職人の訓練を受けたが仕事がなく、Johnyの物まねで生活の資を稼いだ」。17歳からJohnny Juniorを名乗ってJohny

Hallydayの「 le sosie vocal」としてBretagne地方で結婚式や、祭り、会社の記念日などで歌い、キャバレなどにも出演して活躍。「2017年12月Johnny死去の報に接した時はショックだった。悲しかった。生前のJohnnyに会うことはなかったが、それがよかったのかも知れない。ある程度の距離を持って彼を観察できたから」。2018年TVM6で放送されている素人のコンクール番組で、出演者が歌謡、ダンス、イルージョン、ユーモアなどでパーフォーマンスを競う「La France a un incroyable talant/フランスには信じられないようなタレントがいる」に出場。「Allumer le feu/火を付ける」((Zazie作詞/Pascal Obispo作曲、Johnny Hallyday1998年のヒット)などを歌い10月25日の決勝で優勝、賞金10万ユーロを獲得。この優勝によってより大きな舞台での活動ができるようになり、2019年1月24日にはHélène SégaraTVに出演、またフランス各地で公演。そのGuéganJohnny Juniorの殻を破り、飛び立つべく、ファーストアルバムを計画。これにはJohnnyに114曲を提供したと言われているの作詞家/作曲家、(特に「Jai un problème」(1973年)、 「La musique que jaime」(1973年)などを作詞)Michel Malloryが協力。「協力を依頼するためコルシカ島のMalloryを訪ねた。Malloryは私がJohnnyをパロディー化するような単なる物まね歌手ではないこと理解してくれた」。Malloryはアルバムに収録されているオリジナル12曲の全曲で歌詞を提供。その中にはJohnny が遺作となった2018年10月リリースのアルバム「Mon pays cest lamour」には収録されなかったが、次に録音することになっていた曲でJohnnyが「Michel,Nashvilleで録音しよう」と語っていた曲もある。(Johnnyは3枚目のアルバム「Sings Amecicas Rockn Hits」の収録曲を1962年2月のNashvilleBradley Recording Studioで初めて録音。その後再三同地で録音を行っている。)

Mivhelは『Johnnyが歌うことになっていたからと言うのではなく、君が気に入ったら歌ってくれ』と言ってくれた。また、歌詞に手を加えることもしてくれた。例えば『Square de la Trinité/トリニテ公園』はそのような曲の一つ。これは若い頃のJohnnyを歌ったもので、友人のEddy MitchellJacques Dutroncに話しかける件があった。僕にはそれはできないので」。録音はMalloryも同道し、Nashvilleで行われた。

収録曲は「Square de la Trinité」の他に:「Retourner là-bas/またあそこに行こう」、「Puisque cest écrit」、「Coupable/犯人」、「Merci/ありがとう」、「La cité des bleuets/矢車菊の街」、「Jy crois/僕はそれを信じている」、「Quand tu maimeras/君が僕を好きになれば」、「Vers le sud/南へ」、「Jarrête demain/明日にはやめる」など。、「Par amour/」、「Guitar Hero

これらJohnnyが歌っていない曲を歌うことによってGuéganは、 le sosie vocal」からJean-Baptiste Guéganになった」との評価が。

2019年9月8日ParisFnac Saint-Lazareでショーケースを行った。多くがJohhnyのファンが集まり、涙を流す者も。

アルバムはリリースの1週間で27000枚の売り上げ、リリースの週チャートトップ。

Guéganは2019年10月GrenobleSummumから、LilleNancyDijonMarseilleなどで公演、2020年1月19日にはParisSeine Musicale出演が予定されている。全28公演のチケットはすでに45000枚が売り上げられている。

 

Lenvie/欲望」

Johnny Jenior 2010年Bretagne地方のFête祭り)で https://www.youtube.com/watch?v=nGea-KrQpOM

LenvieJohnny Hallyday1992https://www.youtube.com/watch?v=U_UjaFdD2Is

Allumer le feuGuéganLa France a un incriyable talant」決勝でhttps://www.youtube.com/watch?v=ImrOcu0XqeU

Allumer le feuJohnny Hallyday 2013年Paris Bercyhttps://www.youtube.com/watch?v=97fBDi3rRWU

Quelque chose de Tennesse/テネシー(・ウィリアムズ)からの何か」

Guégan 2019年7月https://www.youtube.com/watch?v=DvkGtmDLtWM

Quelque chose de Tennesse

Johnny Hallyday 1990Paris Bercyhttps://www.youtube.com/watch?v=pd3s3vgkkVg

Retourner là-basclip https://www.youtube.com/watch?v=IklfAoFIL9Q

 ・・またあそこへ行こう。それが最後だろう。Nashvilleへ。手遅れにならないうちに。歴史の最後が美しく終わるように。

  もう一度あそこへ行こう。Nashvilleへ。最後の舞台として、そして別れを告げよう、Nashvilleに・・

 No,1545  2019.9.15

KCN 1545   2019.9.15

La chanson challengeシャンソンの挑戦、 2019年8月17日TVTF1で放送 

  

2019年8月17日、TVTF1で新しい形の歌謡番組「La chanson challenge」が放送された。

この番組は、出演した歌手が、他の出演歌手のリクエストにより、過去のヒット曲、あるいは他の歌手のヒット曲に

挑戦しようというもの。コンサートは南仏NîmeArènes(円形劇場)で行われた。

 TV視聴者の間ではこの企画について賛否両論。番組に4つ☆を与え、出演した歌手が原曲を歌う歌手とは違った解釈で歌い、その曲の、また出演した歌手の新しい面を見ることができ興味深かったと言う意見があった。反面、企画は面白いが歌い込んでいない歌手が多く失望した(playbackで歌った歌手については特に)などの意見が。

 出演したのは14人の歌手。主な出演歌手、歌った曲、その曲をレパートリーとしている歌手は次の通り、

 Zazie:「Basique/基本」(Orelsan)、Patrick Bruelのリクエストにより 
 Olersan clip officiel 
https://www.youtube.com/watch?v=2bjk26RwjyU

  Zazie https://www.youtube.com/watch?v=Y-_RsSK-1Xc

Amel Bent:「Sans conttrfacon/偽物なし」(Myène Farmer)、Zazieのリクエストにより
  Mylene Farmer(1989年) https://www.youtube.com/watch?v=CPoxwRe-6gQ
  Amel Bent https://www.youtube.com/watch?v=mqp31yPfQ_U

Shy’m:「Wannabe」(Spice Girls)、Amel Bentのリクエストで   
Spice Girls(1997年)
https://www.youtube.com/watch?v=Y8pNFjhRnOUShy’m  https://www.youtube.com/watch?v=dEtqq4SC6s0

M.Pokora:「Un autre mondeもう一つの世界」(TéléphoneSlimaneのリクエストにより
Téléphone(1984https://www.youtube.com/watch?v=6tmjXaActh4
 
M.Pokora https://www.youtube.com/watch?v=DwBBti-GqkM

Patrick Bruel:「J’temmène au vent/君を風上に」(Louise AttaqueAry Abattanのリクエストにより
  Louise Attaque  https://www.youtube.com/watch?v=BRTDC9Z5UdE
  Patrick Bruel  https://www.youtube.com/watch?v=eLta-QS4p3g

Soprano & Kendji Girac:「Caruso」(Lucio Dalla)、M.Pokoraのリクエストにより
  Lucio Dalla https://www.youtube.com/watch?v=69tobnadCSg
  Soprano & Kendji Girac https://www.youtube.com/watch?v=fVsThk80uvg&spfreload=1

・・「Caruso」はLucio Dallaが作詞・作曲したイタリアの曲でEnrico Caruso(1873-1921、イタリアオペラのテノール歌手)がテーマ。多くのフランス人歌手がカバーしているが、その中でもよく知られているのは:

・・・Florent Pagny(1995年アルバム『Bienvunue chez moi』収録)
  2003年Olympiaで https://www.youtube.com/watch?v=m0djstpOt6c

・・・Amaury Vassili(2010年アルバム『Cantero』収録)
  2015年Amphithéâtre de Lyon https://www.youtube.com/watch?v=xvo5nbRSGdg
・・・Vincent Niclo(2012年アルバム『Opéra rouge』収録)

  Clip officiel  https://www.youtube.com/watch?v=ejEK9iKsN7g 

・・・Lara Fabian(2003年アルバム『En toute intimité』収録
  2015https://www.youtube.com/watch?v=2bEJsxm7MvA

・・Mireille Mathieu(1989年アルバム『L’Américain』収録、フランス語の詩はPierre Delanoë
  https://www.youtube.com/watch?v=2bEJsxm7MvA

 
     

KCN 1544    2019.9.1

最近の話題 3点ご紹介いたします。

1.  ミレイユ・マチューMireille Mathieu、5年振りフランスでのコンサート

2.  ルノーRenaud、「Dès que le vent soufflera/風が吹いたら直ぐに」ヴァカンスの車中で最も歌われる曲

3.  A la volonté du euple/民衆の意思に」、香港デモ隊の歌に

 

1.ミレイユ・マチューMireille Mathieu、5年振りフランスでのコンサート

Mireille MathieuAvignon 1946.7.22-歌手)が2019年7月26日(金)フランスでは5年振りとなるコンサートを行った。LacosreVauculuse県)で行われた第19回Festival Pierre Cardinに、Cardinの友人の一人として8年振りに特別ゲストで招かれたもの。Mathieuは最近では海外での公演が多く、2019年に入ってからも3月に4日Minsk、3月6日Moscou公演などを行っていた。4月20日にはNotre-Dame de Parisへのオマージュコンサートに出演Shubertの「Ave Maria」を歌っている。フランスでの最近のコンサートは2014年デビュー50周年を祝う国内ツアーで、10月24~26日ParisOlympiaに出演、ツアー最終日は11月9日の生地Avignonでの公演であった。今回はそれ以来となるフランス公演、7月21日Mathieuは「Mon Pierre,Mon Pierre」と呼びかけながらCardinに近寄り再会を喜んだ。Cardin「我々は二人とも、互いにフランスを代表する人物として尊敬し合っている」。CardinMathieuのステージ衣装を最初にデザインしたのは1965年MathieuSacha Distelの前座でParis Olympiaに出演した時。Mathieu「偉大なCardinのデザインになる衣装を着て舞台に立てるのは大きな喜び、特に外国で歌う時には大きな誇り」。今回のコンサートで着用されたステージ衣装ももちろんCardinのデザインによるものでParis Faubourg Saint-Honoréのブティックで試着済み。21時からLacoste城のThéâtre des Carrières/石切場劇場で行われた野外コンサート、バックは18人編成のチェコ、プラハ楽団。700人のファンを前にMatieuは「Je suis une femme amoureuse/私は恋する女」、「Ma mélodie d’amour/愛のメロディー」の他、Charles Aznavourに提供された「Une vie d’amour/愛の人生」、Piafの「Hymne à l’aour/愛の讃歌」などを歌った。最前列の席に座ったCardinに話しかける場面も。Mathieuは今後も海外公演が続き2020年3月にはBudapestVarsoviePragueなどが予定されている。

Ma mélodie d’amourhttps://www.youtube.com/watch?v=_ysh56oGTaQ

 

2.ルノーRenaud、「Dès que le vent soufflera/風が吹いたら直ぐに」ヴァカンスの車中で最も歌われる曲

フランスの世論調査会社OpinionWayの調査によると、ヴァカンスに向かうフランス人が車中「à tue-tête/大声で歌う」曲のトップはRenaudの「Dés que le vent soufflera」。18歳以上の男女1029人から回答を得たアンケートの結果の由。「Dés que le vent soufflera」はアンケート回答者の41%が挙げている。この曲はRenaudの作詞作曲による1983年のヒット。Hugues Aufray(1929-ACI)の1961年のヒット「Santiano」からインスピレーションを受けたと言われる。歌い出しの、そして何度も繰り返される「C’est pas l’homme qui prend la mer, c’est la mer qui prend l’homme/人間が海に出ているのではない、海が人間を虜のするのだ」はJoseph Kessel(1898-1979 作家、冒険家)の言から。ルフラン部分には故意にした文法上の誤りがあることも知られている。すなわち「Dés que le vent soufflera je reprtira(正しくはrepartirai).Dés que le vents touneront nous nous en allerons(正しくはirons)./風が吹いたら直ぐに、僕は再び出発する。風が変わったら直ぐに我々は出て行く」。この曲は「Mistral Gagnat/ミストラル ガニャン」に次ぐRenaudの代表作。

Des que le vent soufflera」 https://www.youtube.com/watch?v=7wq49tcORVM

2位、IndochineL’aventurier/冒険者」(40%)、https://www.youtube.com/watch?v=7c-y-LxandI

3位、Charles AznavourEmmenez-moi/世界の果てまで」(40%rhttps://www.youtube.com/watch?v=5eL6E5CeWaw

以下「Le chanteur/歌手」(Daniel Balavoine、4位)、「Dancing Queen」(Abba、6位)、「La foule/群衆」(Edith Piaf、10位)

 

3.「A la volonté du euple/民衆の意思に」、香港デモ隊の歌に

2019年6月から香港で行われている大規模デモで、デモ隊が歌っている「Do You Hear the People sing/民衆の歌声がきこえるか?:民衆の歌」の原曲は「A la volonté du euple」。これはVictor Hugo原作のフランスミュージカル「Les Misérables/ああ無情」から。 ミュージカル「Les Misérables」は1980年9月ParisPalais des Sportsで初演された。「A la volonté du euple」(Alain Boubil & Jean-Marc Natel作詞/Claude-Michel Schonberg作曲)は第1幕に1832年パリ市民による6月暴動で政府軍と対峙する場面で歌われたもの。1980年にリリースされた2枚組みLPのコンセプトアルバム「Les Misérables」にはAdamoMichel DelpechMireilleらが参加、「A la volonté du euple」は2枚目のLPA面トップにMichel Sardouの歌で収録されている。

ミュージカルはその後1985年10月から英語のよりイギリスロンドンで上演され、その際「A la volonté du euple」にはCameron Mackintoshにより英語の歌詞が付けられ「Do You Hear the People sing」に。

香港では既に2014年のいわゆる雨傘革命の際にもこの曲が歌われている。

A la volonté du eupleMichel Sardou https://www.youtube.com/watch?v=fZwygE-YJl8

Do You Hear the People sing」香港デモ隊空港占拠時 https://www.youtube.com/watch?v=1zUUjVWzNiA

No.1543  2019.8.28   

KCN 1543   2019.8.28

2019 Les Francofolies de La Rochelle

2019年Les Francofolies de La Rochellは2019年7月10日から14日まで開催された。

フランス西南部Charente-Maritime県の港町La Rochelleで毎年月に行われるこの音楽フェスティヴァルは、Francosの略称で呼ばれることもあり、同地出身でラジオ、TV番組の司会者、プロデューサーなどであったJean-Louis Foulquier(1943-2013)の主宰で1985年から行われている。「私はLa Rochelle、シャンソン、それにお祭りが好き。だからLa Rochelleでシャンソンのお祭りをやりたい」。当初この計画は「idée folle/常軌を逸した考え」だと言われた所からこのフェスティヴァルに「Francofolies/フランスコフォリ」の名称が付けられたと言われている。フランスで夏の間に各地で行われる音楽フェスティヴァルの嚆矢、フランスで最大の規模、その時々のシャンソンフラーセーズの傾向を示し、シャンソンフラーセーズに多大な影響を与えている。

第35回となる今回のFranco、5日間で若手からヴェテランまで90人以上のアーティストが出演、80以上のコンサートが開かれ、15万人以上の観客を集めた。主なプログラムは次の通り:

 

7月10日(水)Camélia Jordanaほか 15:00~(会場)Théâtre Verdière

Radio ElvisGaëtan RousselAngèleM 19:00~(会場) Scène Jean-Louis Foulquier

・・・AngèleTout oublier/すべてを忘れる」 https://www.youtube.com/watch?v=eQDnBvwatPQ

7月11日(木)Christine and the Queensほか 19:00~ (会場)Scène Jean-Louis Foulquier

         Dick Annegarnほか 19:00~(会場) Salle Bleue

7月12日(金)Aya Nakamuraほか 19:00~(会場) Scène Jean-Louis Foulquier

         Renan Luce & Cœur de Pirate 20:00~ (会場Grand Théâtre

・・・Cœur de PiratePlace de la Répblique/共和国広場」 https://www.youtube.com/watch?v=OTMtgkf7aFc

7月13日(土)Alan Chamfprtほか 16:00~ (会場Salle Bleue

         La Grande Sophieほか 18:00~ (会場Théâtre Verdière

         L.E.JBoulevard des Airs & Soprano 19:00~ (会場Scène Jean-Louis Foulquier

         Jean-Louis Aubert 20:00~ (会場Grand Théâtre

         Alex HKほか 22:00~ (会場Salle Bleue

・・・Boulvard des Airs & L.E.J 「Je me dis que toi aussi/君も同じだと思う

https://www.youtube.com/watch?v=O0_uZ7QV7Mw

7月14日(日)Joyce Jonathan & Benabar 16:00~ 会場Grand Théâtre

         ZaziePatrick Bruelほか 19:00~ (会場)Scène Jean-Louis Foulquier

・・・ZazieRue de la paix/平和通り」 https://www.youtube.com/watch?v=MsJ_n3Q8Jyc

 

上記の他:

・・Francos史上初めてヘビメタバンドが出演

7月12日フランスで現在人気のヘビメタバンドMass HysteriaUltra Vomitなどが「Nuit collective」と銘打ったハードロックコンサートをLa Sirèneを会場に開催した。

・・「Le chantier des Francos/フランコの作業場」

Les Francofolies de Larochelleの特徴は、20年前から若手の歌手を「Le chantier des Francos」と名付けたコーナーに招き、活躍の、飛躍の機会を与えること。このコーナーからはすでにChristine and the QueensCaliZazJuliette Armanetなどが巣立っている。今年このコーナーに招かれたのは、DampaAlma ForrerHervéArthur ElyMuddy Monkなど。

・・「Juillet 85/85年7月」

第35回を記念した企画としては7月11日(金) André Manoukianとそのゲストが出演して 20:00~ Grand Théâtreで行われたコンサート「Juillet 85/85年7月」がある。このコンサートではCaliBarbara CarlottiTim DupElodie FregeBen Mazueが出演し、Francosの初期の出演者が歌った曲が歌われた。その中には、第1回のFrancosに出演したHubert-Félix Thiéfaineの「Je t’en remets au vent」、Francosの常連Jacques Higelinの「Je ne peux plus dire que je t’aime」、Michel Delpechの「Quand j’étais chanteur」、Léo Ferréの「Avec le temps」などがあった。

 

・・「J’ai la mémoire qui chante/私は歌う思い出を持っている」

今年初めての企画としては「J’ai la mémoire qui chante/私は歌う思い出を持っている」のコーナーが設けられ、ゲストが、ジャーナリストで作家のEric Fottorinoとの対談で、好きな曲、シャンソンにまつわる思い出を語った。ゲストは、前大統領François Hollande(11日)、小説家で漫画作家Jean Teulé(12日)、小説家、詩人、随筆家Michel Houellebecq(13日)、女優Fanny Ardant(14日)。

 

・・・François Hollande・・最初に思い出すのはLéo Ferréの「La mémoire et la mer/思い出と海」。Ferréの曲では15、6歳の頃には「Avec le temps/時の流れに」は最も美しい曲の一つだと思っていた。その後「La mémoire et la mer」で詩人としてのFerréを発見した。海や潮は我々を思い出に誘ってくれる。この曲はこれから先も私に付いてくるだろう。私に、人生に責任を持てといってくれるだろう。「Douce France/優しきフランス」は1947年にCharles Trenetが創唱、1986年Carte de Séjour(直訳すれば滞在許可証・・Lyon郊外のアルジェリア系移住民が結成したRachid Tahaを中心にロック系グループ)がカバーしている。フランス人ではないTahaらがフランスへの愛着を歌っている。あるACIがある時期に、ある背景の下で作った曲が、ある時間を経て別の歌手によって歌われ新しい意味を与えられるというのは素晴らしいこと。Michel Jonaszの「C’est la nuit/それは夜」も好きな曲だ。幸福なことも不幸なこともすべて夜に起こる。夜は人が本当に一人になれる時。私は在任中何度も眠れぬ夜を過ごした。今、歴史が作られているのだと感じて・・

 「Douce FranceCharles Trene 1947年 https://www.youtube.com/watch?v=x3Cany81h_g

 「Douce FranceCarte de Séjour 1987年 https://www.youtube.com/watch?v=JcHixlFoc78

 

・・・Michel Houellebecq・思春期まで読書の次ぎに好きだったのはシャンソン。映画にはあまり行かなかった。最初に心を引かれたのはCharles Trenetのシャンソンだった。素晴らしかった、それを聞いた時何か他の生き方ができるのではないかと思った。それからHugues Aufrayの「Céline/セリーヌ」。初めて買ったレコードのB面の曲だったが、10歳の頃この曲は最高だと思った。その後「Michel」が好きになった。もし誰かのために詩を書くことになったら、Michel Delpechを選ぶ。彼の「Le Chasseur/狩り」、「Ce lundi-là/あの月曜日」が好きだった。それに、Michel Sardouの「Les vieux Mariés/永遠の絆」、Michel Polnareffの「Holidays」(「彼はポピュラー音楽とクラシック音楽とを結合させた。彼の曲は皆好きだ」)、Gérard Lenormanの「Michele」も。シャンソンでは最初の1行で聞く人の心を捉えることが必要、その点ではAlain Souchonの「Foule sentimentale/センチメンタルな大衆」はいい・・

Céline」 1986年 https://www.youtube.com/watch?v=4_dEdhRRR9Y

 No.1542  2019.8.18  

No.1542  2019.8.18

 

 

カトリーヌ・ソヴァージュCatherine Sauvage、 「Chansons de poètes/詩人達のシャンソン」 リリース 

 

Catherine Sauvagecompilation アルバム 「Chansons de poètes」が、2019年6月28日

リリースされた。 CD3枚組みで82曲収録。

 

日本でも良く知られている主な数曲を、まずはどうぞお聞きください。

 

Paris canaille/パリ・カナイユ」(Léo FerréLéo Ferré

https://www.youtube.com/watch?v=sbkCR6e3Rek

 

L’ écharpeスカーフ」Maurice FanonMaurice Fanon

 https://www.youtube.com/watch?v=BKBCYgwh-g4

 

Est-ce ainsi que les hommes vivent男の生き方」Louis AragonLéo Ferré

https://www.youtube.com/watch?v=8f3cfW9qiek

 

Le temps du tangoタンゴの時代」Jean-Roger Caussimon/Léo Ferré

https://www.youtube.com/watch?v=ys1BbF4sYB8

 

Avec le temps時の流れに」Léo FerréLéo Ferré

https://www.youtube.com/watch?v=Jh36-BMEvQI

 

Il n’y a pas d’amour heureux幸せな愛はない」Luois AragonGeorges Brassens

https://www.youtube.com/watch?v=ICsH-yp1lcE

 

 

Catherine Sauvageの経歴  

 

本名Jeanine Marcelle Saunier、は1929年5月26日Nancy生まれ、1998年3月19日Bry-sur-Marneで死去。 歌手、俳優。

1947年9月Parisに上り、Jean-Louis Barraultの許で演劇を学ぶ。仲間内のパーティーの際cabaretBœuf sur le toit」のオーナーMoysesの前で披露した歌と詩の朗読が好評で、翌日から同cabaretに出演、「Grand-papa laboureur/百姓のお祖父さん」などをレパートリーに。その後「Quod-libet」、「L’Arlequin」、「L’Ecluse」などに出演。

 

1949年「Aux Trois Mailletz」(Quartier latin、 56,rue Galande)に出演の際にLéo Ferré(1916-1993 ACI)と知り合い、Ferréの曲をレパートリーにして、Ferréの曲を紹介すると共に、自身も人気歌手に。SauvageFerréの曲は100曲以上録音したと言われている。53年から54年にかけてJacques CanetticabaretTrois Baudets」に出演、54年にはCanettiの推薦でOlympiavedetteとして出演(54年12月16日から55年1月5日まで)。1954年リリースしたSPに収録されていたL’homme/男」Léo Ferré作詞/作曲)でACC大賞を受賞している。

 

1954年最初のLPCatherine Sauvage chante ses derniers succés/カトリーヌ・ソヴァージュ、自身の最近のヒットを歌う」をリリース。これには「Grand-papa laboureur」、「Complainte des femmes infidèles/不実女の嘆き」などのほかFerréParis Canaille/パリ・カナイユ」L’Ile Saint-Louis/サン・ルイ島」、「Monsieur William」を収録。1954年にはLPCatherine Sauvage chante Léo Ferré/カトリーヌ・ソヴァージュ、レオ・フェレを歌う」もリリース、これにはLe Piano du pauvre/貧乏人のピアノ」など8曲を収録。Sauvage56年公開Pierre Gaspard-Huit監督映画「Paris canaille/(邦題)巴里野郎」に歌手役で特別出演、アコーデオンとギターをバックに「Paris Canaille」を歌っている。この映画には谷洋子も出演している。

1960年にはBobinoに出演、好評で人気を確実なものに。1961年にはLéo Ferréの曲を歌ったLPを2枚リリース。それにはJolie môme/ジョリ モーム」、「Le temps du tango/タンゴの時代」、「Paname/パナム」、Pauvre Rutebeuf/哀れなリュトブフ」などが収録されている。1961年にはまたLPCatherine Sauvage chante Louis Aragon/カトリーヌ・ソヴァージュ、ルイ・アラゴンを歌う」をリリース。これにはLouis Aragon(1897-1982 詩人)の詩にFerréが曲を付けたEst-ce ainsi que les hommes vivent/男の生き方」、「L’affiche rouge/赤いポスター」、「Je chante pour passer le temps/時を過ごすために歌う」、Georges Brassensが曲を付けたIl n’y a pas d’amour heureux/幸せな愛はない」Jean Ferratが曲を付けた「J’entends, j’entends/聞こえる、聞こえる」など12曲が収録されている。

 

1962年のEPCatherine Sauvage chante Serge Gainsbourg/カトリーヌ・ソヴァージュ、セルジュ・ゲンズブールを歌う」にはBlack trombone」、「Les oémons/海藻」Baudelaire/ボードレール」などを収録、1964年のLPCatherine Sauvage chante Kurt Weill/カトリーヌ・ソヴァージュ、クルト・ヴァイルを歌う」には「La complainte de Mackie/マキーの哀訴」、「La chanson de Barbara/バルバラの歌」、Bilbao song、「Surabaya Johnny」、「Alabama song」、La fiancée du pirate/海賊の許嫁」などを収録。

その後ロックの隆盛により活動の中心を演劇に。Sauvageはすでに1954年からBrecht劇に出演していて演劇女優としても高い評価を得ていた。

 

1968年Bobino出演して歌手活動を再開。

1970年大阪万博の際来日。Sauvageはその後1982年7月には来日公演を行い、草月ホールでのステージの模様はliveLPRécital à Tokyo/東京でのリサイタル」に収録されている。

その後1971年にはLPAvec le temps/時の流れに」(「Avec le temps」、「Tzigane/ジプシー」など12曲収録)、73年にはLPJ’ai tout vu, tout connu/私はすべてを見て、すべてを知った」(「J’ai tout vu, tout connu」、「Je n’ai pas souvenance/私は覚えていない」など13曲収録)、92年Colette(1873-1954 作家)の詩集を「Dialogues de bêtes/動物の対話」からの詩を朗読したLPDialogues de bêtes」をリリース。

 

生前最後のLPは1992年リリースのJacques Prévert(1900-1977 詩人、映画作家)の作品を歌った「Démons et merveilles/悪魔と奇跡」で、これには「Démons et merveilles」、「Déjeuner du matin/朝の食事」、「Quand tu dors/あなたが眠っている時」、「Et la fête continue/祭りは続く」、「Cri du cœur/心の叫び」など27曲集録。Sauvageの最後のステージは1994年7月のFrancofolies de La Rochelle

 

今回のcompilationアルバムには上記下線の曲の他:「L’écharpe/スカーフ」(Maurice FanonMaurice Fanon)、「La fille de Londres/ロンドンの少女」(Pierre Mac OrandVictor Marceau)、「Il pleut/雨が降る」(Raymond QuenaueJack Dieval)、「Une fois n’est pas coutume/一度だけ」(Philippe SoupaultAndré Popp)、「Mon pays/私の祖国」(Gilles VigneaultGilles Vigneault)などが収録されている。

 No.1541 2019.7.31  

KCN 1541 2019.7.31 

6月の新譜 2点 ご紹介いたします。

1.マキシム・ル フォレスティエMaxime Le Forestier Paraître ou ne pas être/現れるかどうか」

2.フロラン・パニーFlorent Pagny Aime la vie人生を愛せ」


 

                                   

1. マキシム・ル フォレスティエMaxime Le ForestierParaître ou ne pas être/現れるかどうか」

Maxime Le Forestier20196月7日にリリースした新しいアルバムは「Paraître ou ne pas être」。

これLe Forestier16枚目のスタジオ録音アルバムで、前作「Le cadeau/贈り物」から6年振り。10曲収録されている。それらは「Date limite/最終期日」(Maxime Le Forestier作詞/作曲)、「Les filles amoureuses/恋する娘たち」(Maxime Le Forestier作詞/息子のArthur Le Forestier作曲)、「La vieille Dame/老婦人」(Maxime Le Forestier作詞/作曲)、「Dernier soleil/最後の太陽」(Maxime Le Forestier作詞/Julien Clerd作曲)、「Mon ruisseau/僕の小川」(Philippe Lapointe作詞/作曲。Arthurとのデュオ)、「Avec une guitare/一本のギターと」(Maxime Le Forestier作詞/Manu Galvin作曲)、「Paraître/・・のようだ」(Maxime Le Forestier作詞/Baptiste Trotignon作詞)など。リリースの週チャート3位。
Date limitehttps://www.youtube.com/watch?v=roYrsTXaUWo

 Maxime Le Forestier、本名Bruno Le Forestier、は1949Paris生まれの ACI。15歳でギターを習い始め、時折、Saint-OuenMarche aux puces/のみの市にあるbarChez Louisette」に出演していた。65年姉のCatherine(1946-)とデユオ「Cat et Maxime」を組んで左岸の小さなキャバレでPPM(ピーター、ポール&マリー)の曲をフランス語で歌う。デュオはMaximeの兵役により自然解消。70年5月除隊後ソロで音楽活動を再開し、72年ファーストアルバム「Mon frère」をリリースその中の「Mon frère/兄弟:追憶のコンチェルト」、「San Franciscoサン フランシスコ」、「Education sentimentale/感情教育」がヒット。San Francisco」 https://www.youtube.com/watch?v=AVAaBuuOKz4

その後も定期的にアルバムをリリース。72年Paris Bobino座でGeorges Brassendsの前座をつとめた。Le Forestierこれによって世に出たと言ってよく、Brassensの一番弟子と言われている。79年にはParisGaîte Monpalnasseでの2回の公演を皮切りにフランス及びベルギー国内で「Le Forestier chante Brassens/ル フォレステイエ ブラッサンスを歌う」と銘打ったコンサートを。97-98年には18か月、20数か国において220回以上のBrassensの曲ばかりを歌う世界ツアー「Maxime chante Brassens/マキシム ブラッサンスを歌う」を行った。そして、98年秋Brassensの曲84曲を収めたCD4枚組のアルバムル「 Le cahier /手帳」をリリース、それにはBrasserns自身は歌うことがなかった曲も収められていた。
 Mourir pour les idées」(Georges Brassens) https://www.youtube.com/watch?v=updA9v0xhao

73年にはオランピアに初出演。88年10月17日リリースのアルバム「Né quelque part/どこかで生まれて」に収められた同名の曲でVdM最優秀シャンソン賞を受賞。96年にはVdMで最優秀男性歌手賞。
 Né quelque parthttps://www.youtube.com/watch?v=o8dJQEF4cSk&t=28s

2011年には自伝「Né quelque partどこかで生まれて」を出版。2012Académie FrançaiseからGrande Meéaille de la chanson françaiseを授与されている。Le Forestierは他の歌手と作詞作曲で協力していて、特にJulien Clercの06年ヒット曲「Double enfance/2重の子供時代」には詩を提供、12年Céline Dionのアルバム「Sans attendre/待つことなく」には「Moi quand je pleure/私が泣くとき」の詩を提供している。 Le ForestierLes Enfoirésの常連で、1998年出演の際Vanessa Paradisとのデュオで歌った「Mistral agnant/ミストラル ガニャン」(Renaudの1985年のヒット)は好評だった。
Mistral gagnanthttps://www.youtube.com/watch?v=Bp_QVOZEMxE

 

 

2.フロラン・パニーFlorent Pagny 6月7日「Aime la vie/人生を愛せ」

Florent Pagnyが2019年6月7日リリースした新しいアルバムは「Aime la vie」。

これはPagnyの19枚目のスタジオ録音アルバム。詩ではMatias Giuntaなど、作曲ではManu Martinなどの協力を得た10曲集録。それらは:「Aime la vie」(Mathias Giunta作詞/Manu Martin作曲)、「Rafale de vent/突風」(dito)、「Avec un peu d’avance/少しばかりの前金で」(dito)、「Immobiles/静止した」(dito)、「C’est ta route/それが君の道」(ditoAnne Silaとのデュオ)、「Garçons/少年たち」(ditoJean Renoとのデュオ)、「Si une chanson/もし1曲のシャンソンが」(Emmanuelle Cosso作詞/Daran作曲)、「Raison d’aimer/愛する理由」(Didier Golemanas作詞/Flavien Compagnon作曲)など。リリースの週チャート1位。
Rafale de venthttps://www.youtube.com/watch?v=mMSfaZzLFig

Florent Pagnyは1961年ブルゴーニュ地方Chalon-sur-Saône生まれ、TV・映画俳優から1987年歌手に。同年のリリースの最初のレコード「N’importe quoi何でも」が100万枚以上の売上げで、1988VdM新人男性歌手賞。
N’importe quoihttps://www.youtube.com/watch?v=yLc2_p17Spg

1990年ファーストアルバム「Merci」をリリース。95年のcompilationアルバム「Bienvenue chez moi/我が家へようこそ」には「Bienvenue chez moi」、「Caruso」などを収録して150万枚の売り上げ。97年のアルバム「Savoir aimer愛する術」は170万枚の売上げ、収録されていた「Savoir aimer」は98年ラジオで最も頻繁に流された曲になり、98年VdM男性歌手賞。
Savoir aimer」 https://www.youtube.com/watch?v=QD3R9qxJV_Y

その後も定期的リリースしているアルバムはいずれも好評で、2003年リリースの「Ailleurs land他の土地」収録されている「Ma liberté de penser」はNRJ音楽賞でフランス語圏シャンソン賞受賞
Ma liberté de penserhttps://www.youtube.com/watch?v=ks-WzuTB3Dc

2013年のリリースの「Vieillir avec toi君と共に老いる」作曲でCalogeroの協力を得た「Vieillir avec toi」、Les murs porteurs支える壁」など収録は、いずれもdisque de diamante(50万枚以上の売上げ)
Viellir avec toihttps://www.youtube.com/watch?v=XiISJ1vL1NE

最近では、16年リリースの「Habana」はキューバのACIRaul Paz作詞・作曲による曲で、スペイン語で歌われている「Donde va la vidaVivire」、「Volver a cantar」など8曲を含む10曲収録。17年リリースの「Le résent dabord/まず現在のこと」は現在人気のMaitre GimsZaire Kinshasa 1986-ラップ系ACI)の協力を得た「Le présent d’abord」、「L’âge de raison/物心のつく年頃」、SlimaneParis郊外1989-ACI)の協力を得た「C’est peut-être/それは恐らく」など12曲を収録、リリースの週から3週間チャートのトップで20万枚以上の売り上げ。2018年にはChanson francaiseの過去のヒット、Mistral gagnat/ミストラル ガニャン」、「20 ans/20歳」、「Un homme et une femme/男と女」、「Le mal de vivre/生きる苦しみ」、「Quand j’serai KO/僕がKOされたら」、「Ma solitude/僕の孤独」など10ピアノ1本の伴奏でカバーしたアルバム「Tout

No.1540  2019.7.18 

No. 1540   2019 .7.18

最近の話題3題 お届け致します

1.アミールAmirの「Longtemps/長い間」、2019年のシャンソンに選出される
2 .第38回音楽の祭典Fête de la musique 6月21日(金)の各地の模様
3.パトリック・ブリュエルPatrick BruelTVMONDE Japonで特別番組



1.アミールAmirの「Longtemps/長い間」、2019年のシャンソンに選出される


2019年6月18日TVTF1の放送で「La chanson de l’année 2019/2019年のシャンソン」にAmirの「Longtemps」が選ばれた。「La chanson de l’annee」はTF1が2004年から毎年視聴者を対象にしたアンケートで選んでいるもので、過去には2004年には「Ma liberté de penser」(Florent Pagny)、
2007年「Aux arbres citoyens !」(Yannick Noah)、2010年「Je veux」(Zaz)などが選ばれ、2014年以降の5年は2014年「Andalouse」(Kendji Girac)、2015Me Quemo」(Kendji Girac)、2016年「J’ai cherché」(Amir)、2017年「On dirait」(Amir)、2018年「Maria Maria」(Kenji Girac)となっていて、選ばれているのはKendji GiracAmirの曲のみ。2019年の候補曲は都合20曲で、「Longtemps」以外の主な曲は:「Tout oublier」(Angèle)、「Copines」(Aya Nakamura)、「Tiago」(Kendji Girac)、「Pas eu le temps」(Patrick Bruel)、「Ta main」(Claudio Capeo)、「Les planètes」(M. Pokora)、ZazieSpeed」、ZazQue vendra」など。

 Amir(本名 Amir Haddad198420日、Paris 12区生まれのACI。92年一家でイスラエルに移住。2006年イスラエルTV局のスタ誕番組に出場。優勝はできなかったが、Amirの歌に興味を示したプロデューサーの勧めで08年最初のアルバムを録音。Amirはエルサレム大学で歯科医になるための勉学を続けたため、ファーストアルバム「Vayehi」のリリースは2011年になった。2013年にはTVTF1のスタ誕番組「The VoiceLa plus belle oix」の第3シーズンに出場、4人で争う決勝に進み、3位に。2016年1月Johan Erramiなどの協力を得て作詞作曲したシングル「J’ai cherché/僕は努めた」(クープレ部分はフランス語、ルフラン部分は英語)をリリース。4月29日には「J’ai cherché」、「Ma vie, ma ville, mon monde/僕の人生、僕の町、僕の世界」、「A ta manière/君の方法で」、「I know」、「On dirait/・・のようだ」などを収録したセカンドアルバム「Au œur de moi/僕の心に」をリリース、25万枚以上の売上げ。J’ai cherché」は2016年の、「On dirait」は2017年の「La chanson l’année」になった。2016年5月にはスウェーデン、ストックホルムのGlobe Arenaで行われた第61回Eurovisionにフランス代表として出場、6位に。2016年11月のNRJ音楽賞では「Révélation francophine de l’année/フランス語圏新人賞」と「J’ai cherché」で「Chanson française de l’année/シャンソンフランセーズ賞」を受賞している。また、11月18日リリースのMichel Delpechへのトリビュートアルバム「J’étais un ange/僕は天使だった」に「Loin d’ici/ここより遠く」で参加。2017年のLes Enfoirés(1月22、23日Toulouse)に出演。2017年10月27日セカンドアルバム「Addictions」をリリース。それには:「Que seront les hommes/男は何になる」、「Etats d’amour/愛の状況」、「Tout passe/すべて通り過ぎる」、「Idéale idylle/理想の純愛」(夫人のLitalとのデュオ)など15曲収録、リリースの週チャート2位。2018年11月9日アルバム「Addictions」のdeluxe versionをリリース。「Longtemps」はこれに収録されている。

Longtemps」 https://www.youtube.com/watch?v=pZkjky8CdCw


2.2019年第38回音楽の祭典Fête de la musiqueは6月21日(金)フランス国内の各地でも行われた。
 その中には次ぎのようなものがあった。

 

2-1.Palais de l’Lyséeにおけるコンサート

Macron大統領になってから2度目のPalais de l’Lysée大統領官邸、「Cour d’Honneur/正面広場」での祭典に招かれたのはBrigitteIris GoldPongo Saint Sister。昨年はエレクトロニックミュージックコンサートが行われたが、今年は「programation 100% feminine」、出演者はすべて女性歌手。メインゲストのBrigitteSylvie HoarouRouan1970-)とAureille SaadaParis 1978-)が2008年に結成した女性デュオで2人ともACI、2011年の「Et vous,tu m’aimes」から2017年の「Nues」まで既に5枚のアルバムをリリース、2012年のVdMで新人ステージ賞を受賞、2015年のGlobes de Christalでは女性歌手賞を受賞している。金のラメをあしらったピンクの衣裳のBrigitteの歌に合わせてBrigitte Macron大統領夫人は娘のTiphaine Auziere、あるいは孫娘の一人と笑顔で踊っていた。

他に Iris Gold(イギリス生まれ、オランダで活躍のソール系歌手)、Pongo(アンゴラ出身ポルトガルで活躍のラップ系歌手)  Saint Sister(アイルランドのケルト語で歌うフォークグループ)。コンサートに先だって大統領はイギリス人歌手Elton JohnLégion d’Honneur勲章を授与。午後7時30分に開場、約4000人の来場者。上空からはdroneが監視。コンサートの間ビュッフェスタンドではビール(昨年はノンアルコールだったが、今回は普通のビールで3ユーロ)、チップス、チョコバー(いずれも1ユーロ)などが供された。また今年は三色旗をあしらった各種の土産品(ペタンクボール、肩掛けバッグ、サングラスなど)が販売されていた。

Fête de la musique à L’Elysée https://www.youtube.com/watch?v=dLbyKQAjZ2A

 

2-2.Niceでのコンサート

2019年「Fête de la musique」関連のコンサートの中で最大規模のものは昨年同様Nice市とTV France2の共同主催でNiceの「Place Massena」を会場にした野外コンサート「Tous à Nice/みんなでニースへ」。今年も昨年同様会場はで、司会は、これも昨年同様ガルーGarouCanada Québec 1972- ACI)とローリー・ティルマンLaury ThillemanBrest 1991- 2011年のMiss France、スポーツキャスター、TV・ラジオ司会者)。コンサートは6月21日21時から4時間にわたって行われ、France 2では実況放送。TVMondeJaponでは22日19:20から23:20まで放送された。観客は3万人以上、出演者は39人(組)、歌われた曲は80数曲。そのうち今年話題になっている曲:

・・「Djadja」、「Pookie」(Aya Nakamura) https://www.youtube.com/watch?v=5GQGt9lsof0

Aya Makanura(本名Aya Danioko)、1995年5月10日マリ共和国Bamako生まれの歌手、作詞作曲も。幼少の頃一家でParis郊外のAulnay-sous-Boisに移住。芸名のNakamuraはアメリカNBCで放送されたTVドラマ「Heroes Reborn」の主人公「Hiro Nakamura」からの由。Danioko家はgriot(西アフリカの口承伝承者)の一家で、Ayaは音楽的雰囲気の中で育ち、2014年から自作をYoutubeに投稿して人気に。2017年8月ファーストアルバム「Journal intime/私的な日記」のリリース。2018年11月はセカンドアルバム「Nakamura」をリリース、これには「Djadja」、「Copine/女友達」、「Ça fait mal/痛い」、「Pokkie」など13曲収録。「Djadja」は「一般的に男の子」を意味し、親しい仲間、兄弟などを言う(らしい)。

 ・・「Je te donne」(Slimane et Vitaa) https://www.youtube.com/watch?v=XoZe2-a0hy8

Slimane本名Slimane Nebchi19891013日、Parisの東郊外Chelles生まれのACI、両親はアルジェリア出身。2016年のTVTF1スタ誕番組「The Voice」第5シリーズで優勝。2016年7月8日ファーストアルバム「A bout de rêves/夢の最後に」をリリース、20万枚以上売上げ。2017年11月17日リリースのJohnny Hallydayへのオマージュアルバム「On a tous quelque chose de Johhy」には「Marie」で参加している。2018年1月2枚目のアルバム「Solune」(「soleil/太陽」と「lune/月」とを結合させたSlimaneの造語か)も10万枚以上の売り上げ。2018年8月Vitaaとのデュオ「Je te donne」をシングルでリリース。

Vitaa(本名Charlotte Gonin) 1983年アルザス地方Mulhous生まれ、Lyon近郊で育ったRnB系歌手、作詞、作曲も行う。DJKostに見出され2002年Dadooとのデュオ「Pas à pas/一歩ずつ」を歌う。06年にはDiamsとの「Confession nocturne/夜の告白」デュオで歌い知られるようになり、Diamsのコンサートに前座で歌う。07年2月5日ファーストアルバム「A fleure de toi/あなたと同じように」をリリース、チャート1位にもなり40万枚以上の売上げ。その後の3枚のアルバムは期待した成果は得られなかったが、2017年5月5枚目のアルバム「JM」は、「Tu me lsaisseras」、Julとのデュオ「Ça les dérange」、Claudio Capéoとのデュオ「Un peu de rêve」などを収録、10万枚以上の売り上げ。2018年8月Slimaneとのデュオ「Je te donne」をシングルでリリース。

 

2-3.ヤニック・ノアYannick NoahParisの通りでコンサート

今年のFête de la musiqueで最大のサプライズはParis17区におけるYannick Noahの路上コンサート。 Yannick Noah(1960- 歌手)フランスArdennes地方Sédan生まれ、父はカメルーン出身のサッカー選手、母はフランス人。父が負傷で帰国したため、3歳からカメルーンのYaoundeに住む。子供の頃始めたテニスでアメリカの伝説的プレイヤーArthur Asheに才能を認められ、11歳からニースのフランステニス協会のコートで練習。1983年にはRoland-Garros全仏で優勝(現時点でフランス選手として最後の優勝者)。91年にはデ杯フランスチームの主将を務め優勝。96年監督を務めた女子ナショナルチームはフェデレーションカップで優勝している。Noahは幼少の頃からもう一つの情熱の対象であった歌手の道にも進み、90年「Saga Africa/アフリカ伝説」で歌手デビュー。91年ファーストアルバム「Black & What」(60万枚以上)をリリース、その後定期的にアルバムをリリースしていて、特に03年の「Pokhara」は90万枚以上、06年リリースの「Charango」はミリオンセラー。最新アルバムは14年リリースの「Combats ordinaires/通常の闘い」。2001年7月にはvedetteとしてOlympiaに初出演、10年9月のStade de Franceコンサートには8万人以上の観客が集まった。また、毎年2回行われている「フランス人が好きな人物」のアンケートでは07年から12年7月実施分まで9期連続して1位。2015年9月21日フランステニス協会により、2016年から2018年までCoupe Davis/デビスカップ(デ杯)フランスチームの主将に任命され歌手活動を休止していた。そのNoahが2019年6月12日シングルCDViens」をリリース、歌手活動再開を予告していた。そしてFête de la musique当日突然Paris17区のコルシカレストラン Le Wagon Bleu(7,rue Boursault)前の歩道に現れ「Clendestino」、「La voix des sages」などを歌い、周囲の観客と踊った。

https://www.youtube.com/watch?v=JNjOnet_nmw

 


3.パトリック・ブリュエルPatrick BruelTVMONDE Japonで特別番組

TVMONDE Japonで2019年6月30日19:20~Patrick Bruelをメインゲストに迎えた特別歌謡番組「Un soir en direck Patrick Bruel/パトリック・ブリュエルと過ごす夕べ」が放送された。この番組はBruelが歌手生活35年を迎えたこと及び2018年11月2日に9枚目のアルバム「Ce soir, on sort/今夜外出しよう」をリリースしたことを機にPalais des Sportsで行われたコンサートの模様を報ずるもので、フランスでは2018年11月3日にFrance2で放送されたもの(のよう)。

Bruelは1959年5月 アルジェリア Tlemcen生まれ ACI、俳優。1962年フランスへ。80年代以降映画・TV俳優、舞台俳優として活躍、50本以上の映画に出演している。1983年シングル「Marre de cette nana-là/あの女の子にはうんざり」が20万枚以上の売上げのヒット、歌手としてキャリアが本格的に始まる。87年5月Olympiaに初出演。89年10月セカンドアルバム「Alors regarde/さあ、ご覧」は「Casser la voix/声をつぶす」などを収録300万枚売り上げで、92年VdM男性歌手賞受賞。2002年にはCD2枚組みコンピレーション「Entre deux/2つの間」をリリース。これには主に第次世界大戦(1914-18と第次世界大戦(1939-45の間のヒットをBruel自身のソロ、Charles AznavourJohnny Hallydayなどなど都合12人とのデュオ、トリオで歌った24曲が収録されていて200万枚以上の売り上げ。BruelLes Enfoirésには1993年から連続して22回出演、Jean-Jacques Goldmanに次ぐ出演回数。 アルバム「Ce soir on sort」の収録曲の15曲の大半は自身の作詞・作曲による曲だが、Vianney(若手ACI)、Pierre LapointeQuébec出身のACI)、Michael Fumon(グループMichy 3Dのリーダー)、Félix Gray(ヴェテランACI)らの協力を得ている。今回の番組の司会はBruelMichel DrukerBruelはソロで過去のヒット曲、アルバム「Ce soir on sort」収録曲を歌ったほか、ゲストBrigitteClaudio CapéoLouanePascal ObispoVianneyZazieらとデュオで歌った。歌われた曲には次のようなものが:

Pas eu le temps/時間がなかった」Bruelのソロ、アルバム「Ce soir on sort」から

https://www.youtube.com/watch?v=_D30WATM6vc

Mon amant de St.Jean/サン・ジャンの恋人」Claudio Capéo

https://www.youtube.com/watch?v=PoNfYr4K55Q

J’ai oublié de vivre/生きることを忘れていた」Vianneyと https://www.youtube.com/watch?v=705HvjagShg

La complaite de la Butte/モンマルトルの丘」Zaziehttps://www.youtube.com/watch?v=q0MWRrsnHF4

Au café des délices/悦楽のカフェで」Brigittehttps://www.youtube.com/watch?v=wg7U9bCx-PA

 
     

KCN 1539

5月の新譜 

1.  クリストフChristopheChristophe Etc

Christopheが2019年17日にリリースした新しいアルバムは 「Christophe Etc」。   Christophe、本名Christophe Bevilacua、1945年パリ郊外生まれACI。50年代にアマチュアグループでヴォーカルとギター、63年、兵役後本格的な歌手活動。65年「Aline/アリーヌ」を歌ってスターの座に、100万枚以上売り上げたこの曲は「tube d'été/夏のヴァカンス期のヒット」になった。65年「Les marionettes/マリオネット」、66年「Exusez-moi, Monsieur le Professeur/先生ごめんなさい」などがヒット。73年当時まだ無名のJean-Michel Jarreの曲「Les paradis perdus/失楽園」を歌い、75年には最大のヒット曲「Les mots bleus/青い言葉」が生まれる。80年にはEPAline」をリヴァイヴァルさせ350万枚売上げる。83年には「Succès fous/大変な成功」(EPは60万枚)。その後も定期的にアルバムを出しステージにも立つ。2003年、前年のOlympia公演でVdMのコンサート賞受賞、2008年にはアルバム「Aimer ce que nous sommes/あるがままの我々を愛する」でACC大賞受賞、2010年にはSACEMGrand Prix de la chanson française/シャンソンフランセーズ大賞を受賞、2014年にはLégion d’Honneur勲章のChevalier章を受章している。extra-terrestreの声で、ナーイーヴな、時にはシュールな曲を歌う、chanson françaiseアイドルの一人、ミステリアスなダンディー。2016年4つ☆評価を受けたアルバム「Les vestiges du chaos/カオスの痕跡」をリリースしている。今回の14枚目のアルバムChristophe Etc」は過去のヒット曲のデュオによるセルフカバー、そしてデュオによる単純なカバーではない。デュオのパートナーはNusky & Vaati(2017年から活動しているrap、hip-hopのデュオ)、Camille(1976年生まれの女性ACI)、Sébastien Tellier(1975年生まれの歌手、ミュージシャン)、Etienne Daho(1956年生まれのACI)、Yasmine Hamdan(1976年生まれ、レバノン出身の歌手、作曲家、俳優)、Son Lux(2008年から活動しているアメリカのpopトリオ)、Chrysta Bell(1978年生まれのアメリカ人女性ACI、俳優)EddMitchell(1942年生まれのACI)、Raphaël(1975年生まれのACI)、Panik Ltdc(1981年結成されたフランスのpunk rockグループ)。これらの幅広いパートナーと共にCristopheは過去の自身のヒットを画家のように新しく塗り上げ、自身がまだまだ変わっていけることを証明した。収められている10曲とパートナーは:「Succès fou」(Nusky & Vaati)、「Petite fille au seleil/太陽を浴びている少女」(Camille)、「Señorita/セニョリータ」(Sébastien Tellier)、「Petit gars/若僧」(Etienne Daho)、「La Man/マン島」(Yasmine Hamdan)、「Les mots bleus」(Son Lux)、「J’l’ai pas touchée/僕は彼女には触れていない」(Chrysta Bell)、「Parfum d’histoires/歴史の香り」(Eddy Mitchell)、「Un peu menteur/ちょっとばかり嘘つき」(Raphaël)、「Cœur défiguré/醜い心」(Panik LTDC

Petit gars」 2010年https://www.youtube.com/watch?v=GB-c3L1b5IA

Petit gars」 「Christophe Etc」でavec Etienne Daho https://www.youtube.com/watch?v=KvG3z98LfWg

Les mots bleus」 1976年9月23日 https://www.youtube.com/watch?v=xJq3g5jG8Vo

Les mots bleus」 2012年https://www.youtube.com/watch?v=3Dd0JgwsM2A

Les mots bleus」 「Christophe Etc」でavec Son Lux https://www.youtube.com/watch?v=j26BlSVfKdY&t=56s

J’l’ai pas touchée」 2018年3月12日avec Chrysta Bell https://www.youtube.com/watch?v=ZJeWgJX7hQg

 

2.アメル・ベントAmel Bent、「Demain/明日」

Amel Bentが2019年517日にリリースした新しいアルバムは「Demain」。Bentは1985年6月21日Indre-et-Loire県生まれ、パリ郊外Seine-Saint Denis県のLa Courneuveで育つ。歌手で、作詞、作曲もする。父はアルジェリア人、母はモロッコ人。幼少の頃から歌が上手だと評判。2004年のTVM6のスタ誕番組「Nouvelle Star/新しいスター」に出場、3位。しかし一般視聴者の人気は抜群。04年11月30日にはファーストアルバム「Un jour d'été/ある夏の日」を出す。シングルカットされた「Ma philosophie/私の哲学」(詩には女性ラップ歌手Diam'sが協力)は6週間シングルチャートのトップで75万枚の売上げ。アルバムは65万枚以上の売上げ。06年のVdMで新人歌手賞を受賞。07年アルバム「A 20 ans/20歳で」にはCharles Aznavour(「Je reste seule/私は一人とどまる」の作詞・作曲)、Pascal Obispo(「Nouveau Français/新しいフランス人」の作曲、作詞はLionel Florence)らの協力を得た。08年にはTV番組Hight School Musical 3のテーマ曲「Vivre Ma Vie/私の人生を生きる」を歌う。09年3枚目のアルバム「Où je vais?/私はどこへ行くのか?」では「Le mal de toi/あなたの痛み」のクリップ好評。10年5月Olympia出演。11年4枚目のアルバム「Délit mineur/マイナーな犯罪」にはKyoBenoït Poherに提供された「Je reste/私はとどまる」、JeanJacques Goldmanに提供された「Si jen crois/私がそれを信じれば」などが収められている。Bentは13年「Génération Goldman 2」にはラップ歌手Sopranoとのデュオ「Quand la musique est bonne/音楽が素晴らしければ」で、2014年11月のCharles Aznavourへのオマージュアルバム「Aznavour, sa jeunesse」には「Les deux pigeons/2羽の鳩」で、2016年12月リリースのJohnny Hallydayへのオマージュアルバム「On a toujours quelque chose de Johnny」には「Que je t’aime/どんなにあなたを愛していることか」で参加。前回のアルバムは2014年2月24日リリースの「Instinct/本能」。その後2015年長女Sofia、2017年10月17日には次女Hanaが誕生したこともあって活動を控えていた。「Demain/明日」はBentの5年振り、6枚目のアルバム、タイトルは明日を見つめて新たな出発をしようというBentの意気込みの現れか。収められているのは:La fête/祭り」、「C’est la folie/それは常軌を逸した行い」(rap歌手Sopranoとのデュオ)、「Dis-moi qui tu es/あなたが誰だか話して下さい」、「T’aimer de trop/あまりにあなたを愛している」、「Attendez-moi/私を待っていて」(rap歌手Lacirmとのデュオ)、「Demain」(作詞・作曲でSlimaneの協力を得ている)、「Rien/何もない」(rap歌手Alonzoとのデュオ)、「Ton jugement/あなたの判断」、「Une star/一人のスター」、「Charles/シャルル」(Charles Aznavourへのオマージュ「曲はCharlesの生前にでき上がっていたが、聞いてもらう機会はなかった」)、「A mes filles/娘達に」など15曲。

6月1日のForges les Eauxからツアーを開始、6月26日にはParisGrand Rexに出演。

Ma philosophie」 https://www.youtube.com/watch?v=D38EUIll1pM

Le mal de toi」 https://www.youtube.com/watch?v=5MMMrMGWa-k

Demain」 https://www.youtube.com/watch?v=TAkJRa5GD5M

Charles」 https://www.youtube.com/watch?v=tmlvh9tSdms

 

3.  ルナン・リュスRenan Luce、「Renan Luce

Renan Luceが2019年5月24日にリリースした新しいアルバムはRenan Luce」。Luce1980Paris生まれのACI。幼年期と青春期をBretagne地方のMorlaixFinistère近郊Plourin-les-Marlaixで過ごす。兄Domien 妹のClaireとコーラスグループで歌う。クラシックピアノとサクソフォンを10年間BrestConservatoireで学んだ後ギターを独学、曲を作るように。Toulouseの高等商科学校Ecole supérieure de commerce deToulouseで勉学の傍らギターの弾き語りをしていた。卒業後02年Parisに上り、Clicy広場の近くの小劇場「Le Mery」で3ヶ月間歌う。その後La RochelleFrancofoliesに出場、05年にはBénanbarの前座でツアーに同行。06年5月「Alors chante à Montaubanさあ歌え、モントーバンで」では「Repenti/改心した男」を歌い「Bravos du public/大衆の喝采賞」受賞。06年9月最初のアルバム「Repenti」(「Repenti」、「Les voisines/女性の隣人」、「La lettre/手紙」、「Monsieur Marcel」など収録)をリリース。アルバムは80万枚以上の売上げでdisque de diamantに。06年ACCのレコード大賞受賞(新人賞)、さらに08年のVdMで新人アルバム賞と新人ステージ賞を受賞。09年10月12日セカンドアルバム「Le Clan des Mirosミロ 一族」には「Le Clan des Miros」、「La fille de la bande/一味の娘」、「Nantes/ナント」、「On n'est pas une bêtise près/悪戯なんか気にしない」(映画「Le Petit Nicolas」のテーマ音楽)などを収録、20万枚以上の売上げ。LuceGeorges Brassensへのオマージュ「Putain de toi/いまいましいお前」(2006年)では「L'Orange/嵐」で参加。Adamoの「Le bal des gens bien/紳士淑女の舞踏会」(2008年)では「J'avais oublié que roses sont roses/バラよ、ふたたび」をAdamoとデュオで歌っている。11年には同年代の男性歌手Alexis HKBenoït Doremusと組んで「Seuls à trois/3人だけ」ツアーを行った。また、2014年ミュージカル「Soldat Rose 2」ではジョゼフ少年を演じている。前作は2014年4月リリースの「D’une tonne à un tout petit poids/1tの重いものからごく軽いものまで」。今回の4枚目のアルバムは5年振り。歌詩は詩的で繊細さと独特のユーモアがあり、曲は60年代のBécaudBrelAznavourのよう、伴奏はシンフォニック・オーケストラ、声は厚みと成熟さを備えてきた。5つ☆の評価もある。LuceRenaud(1957-ACI)の長女Lolita Sechanと2009年に結婚、2011年女児Héloise誕生、2016年離婚。アルバムには11曲収録されている。その中にはこの間の気持ちを歌ったものと思われる、「Au début/最初は」、「On s’habitue à tout/人はすべてに慣れるもの」、「Berlin/ベリリン」(3人でこの都市を旅行した「我々はベルリンではなかった。壁が立ちはだかっていることはなかったから・・」)、「Le vent fou/荒れ狂った風」も。他に、「Le Pont Nemo/ポイント ネモ」、「Dans de beaux draps/二つの綺麗なシーツの中で」、「Cette musique/この音楽」、「Citadin都会人」など。

Luce12日にはFrancofolies de la Rochelleに出場、11日から国内ツアーを開始、1128日にはParisSalle Pleyelに出演の予定。

「La lettre」 https://www.youtube.com/watch?v=UR1GZrzizXM

Au début https://www.youtube.com/watch?v=4VTiVTIkk0g

Le vent fou」 https://www.youtube.com/watch?v=0f9-cB0SBfo 

 

4.リリアン・ルノーLilian RenaudLilian Renaud

Lilian Renaud、2019年5月17日にリリースした新しいアルバムは「Lilian Renaud」。Lilian Renaudは1991年10月フランス東部Bourgogne-Franche-Comté地方DoubsBesançon近郊の小村Mamirolle生まれの歌手、作詞・作曲も行う。幼少の頃から音楽に興味のあったRenaudは酪農の高等技術者免許取得後、チーズ製造工場で働く傍ら、2013年友人とデュオを組んで活動。2014年本格的に音楽を学ぼうとNabcyMusic Academyに入学。2015年1月10日に始まったTVTF1のスター誕生番組「The Voice, la plus belle voix」の第4シーズンに出場。出場のため初めてParisに上った由。番組ではFrancis Cabrelの「Octobre」、Christopheの「Les mots bleus/青い言葉」、Jean-Jacques Goldmanの「Là-bas/あちらで」(審査員Zazieとのデュオ)などを歌い優勝。2015年11月13日Marcury Recordからファーストアルバム「Le bruit de l’aube/夜明けの雑音」をリリース。アルバムには「Pour ne plus avoir peur/もう恐れを持たなくなるように」、「Le bruit de l’aube」、「Ma terre/僕の土地」、「J’attends/僕は待っている」など11曲収録、リリース後3ヶ月足らずの2016年1月26日disque de platine(10万枚以上)に認定された。2016年11月13日セカンドアルバム「Le cœur qui cogne/ドキドキする心臓」リリース。これにはYcare(1983-ACI)やZazie(1964-ACI、「The Voice」の審査員)に詩や曲を提供されたもの及びLilian自身が作詞・作曲で関わったもの全12曲を収録。Lilianは当時椎間板ヘルニアを患っており、アルバムリリースの直後から療養のため2年以上歌手活動の休止を余儀なくされた。歌手活動休止の原因は、「Fromager à casquette/ハンチング帽を被ったチーズ職人」から突然スターになったことによる精神的な疲労もあると言われている。この間2018年に3ヶ月間アイルランドで過ごした。「アイルランドは好きな土地。そこで生まれた曲も好き。滞在中多くの曲を作った。今回のアルバムに収録した16曲のうち7曲は英語で歌っている。それは英語の方が僕の曲に合っているように思えるから。今回はレコード会社を離れて自主制作でアルバムを作った。だから自由があった。アルバムのタイトルに自分の名を付けたのは再出発の意味を込めた」。3枚目となる今回のアルバムに収められているのは:「On en verra encore/まだそれを見るだろう」、「Quoi de plus beau/何かより美しいもの」、「Sourire plutôt/むしろ微笑みを」、「Mère/母親」、「Chanson d’amour/愛のシャンソン」、「Je m’appelle Brahim/我が名はブライム」、「Je remonte la vallée/僕は谷を登る」、「I wanna Believe」、「Canadian Sky」、「The Water」、「The Heart of a Woman」など。

Là-basTVThe voice」決勝でZaziehttps://www.youtube.com/watch?v=FCjZ8iUJEeY

Pour ne plus avoir peur」 https://www.youtube.com/watch?v=ywyKzAo161Q

On en verra encore」 https://www.youtube.com/watch?v=7qfhyaSSIsc





No. 1538
      2019.6.10

最近の話題 3題 ご紹介いたします。                                  


1.ジャック・イジュラン Jacques Higelin の名、Parisの遊歩道に

Jacques Higelin(1940-2018 ACI、俳優、作家、詩人)の名が、縁のParis 14区、Parc Montsouris(モンスーリ公園)内にある遊歩道の一つに付けられた。 「Allée Jacques Higelin」と命名されたのは遊歩道の一部約200m。
2019年5月11日Paris市長Anne HidalgoParis14区のCarine Petit区長、Higelinの未亡人、娘Iziaなどの出席もと命名式を行った。Iziaは1990生まれのACIで、2010年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」及び「新人ステージ賞」を受賞、12年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」を受賞している。Higelinはこの公園の近くに居住していて、1988年アルバム
Tombé du ciel」には作詞作曲した「Parc Montsouris」を収録している。式ではチェロ奏者Sonia Wieder-AtherthonOpéra-Comiqueの合唱隊がTombé du ciel」、「Parc Montsouris」などを演奏した。

Tombé du cielhttps://www.youtube.com/watch?v=xq1TAeObL6U

Parc Montsouris」 https://www.youtube.com/watch?v=5-kVwZa-z6k


Higelin
19401018日パリ郊外パリの西20km、Brou-sur-ChantereineSeine-et-Marne生まれ15歳で学業を放棄、映画界に。1959年Henri Fabiani監督「Le bonheur pour demain/明日の幸福」で共演したHenri Crolla(1920-1960、ギタリスト、作曲家、俳優)に勧められ、兵役除隊後、歌手に。1963年から映画出演の傍らキャバレに出演して、Yves Montandや「le fou chantant/歌う狂人」といわれたCharles Trenetとも同じステージに立っている。1964年最初のレコード「chante Boris Vian/ボリス・ヴィアンを歌う」をリリース。1967年Brigitte Fontaine(1939-ACI)とのデュオ「Cet enfant que je tavais fait/僕が君に作ってあげた子供」(Fontaine作詞/Higelin作曲)がヒット。 1971年全曲自作のアルバム「Jacques Crabouif Higelin」を出し詩作と作曲の才を示す。1979年「Champagne pour tout le monde/シャンペンをみんなに」、1977年「Pars/出発しろ」、1988年「Tombé du ciel/空から落ちて」などのアルバムをリリース、挑発的な都会派ロッカーとして、ステージを中心に活動。コンサートは「観客に満足感を与えるために」3~4時間続くこともあり、アンコールに入ってからの方が長いことも。ステージでのパーフォーマンスから「le nouveau fou chantant/2代目歌う狂人」と呼ばれ、2004~05年フランス国内で「Higelin chante Trenet/イジュラン、トレネを歌う」コンサートを行っている。2009年SACEMのシャンソンフランセーズ歌手大賞を受賞。2015年にはデビュー50年を記念して自伝「Je ne vis pas ma vie, je la rêve/私は私の人生を生きてはいない、それを夢みている」Fayard社から刊行、また10月24日、25日Philharmonie de ParisParc de la ViletteParis19区、で最後となるコンサートを行った。2016年10月7日最後のアルバム「Higelin 75/イジュラン 75」(75歳を迎えたことから)をリリース。2018年4月6日死去、享年77歳。

 

 2.ビラル・アッサニBilal HassaniEurovision 16位

2019年第64回Concours Eurpvision de la chanson/ユーロヴィジョン・シャンソン・コンテストは2019年5月14日から前回の優勝者Nettaの出身国イスラエルのTel Avivで行われた。今回は41カ国が出場、フランス代表Balal Hassaniは「Roi/王様」を歌い16位であった。

Bilal Hassaniは1999年9月9日Paris生まれのACIYouTuber。両親はモロッコ出身、フランスに帰化した母親とParisに住み、父親はシンガポールに住んでいる。2015年6歳から15歳までの少年少女を対象にしたTVTF1のスタ誕番組「The voice kids」の第2シーズンに出場。ブラインドオーディションで2014年のEurovision優勝者オーストリア代表Conchita Wurstが歌った「Rise like a Phoenix」をカバーして通過したが、本番では早々に敗退。2017年6月23日ParisにおけるGay Prideの前日、インターネットを通じて同性愛者であることを公表。2019年1月TVFrance2で行われた2019年Eurovisionフランス代表を決定するコンクール「Destination Eurovision」に出場。このコンクールには既に歌手として実績のあるChimène BadiEmmanuel Moireを含め18人が出場。8人で競った決勝で審査員の順位では5位だったがTV視聴者の圧倒的支持(35%)を受けて優勝、Eurovisionフランス代表に選ばれた。そして2019年4月26日ファーストアルバム「Kingdom」をリリース。これには「Roi」、「Jaloux/嫉妬深い」、「Panic」、「Poison/毒」、「Over you」など12曲収録。「Roi」は作詞、作曲で2018年Eurovisionフランス代表の男女デュオMademe et Monsieurの協力を得ていて、フランス語と1部英語で歌われている。2019年1月4日にはアルバムに先行してシングルでリリースされた。「このアルバムは僕のアイデンティティーを語るもの。僕がどうして今の僕のようになったかはこのアルバムを聞けば分かるだろう」。Hassaniは「Destination Eurovision」及びEurovisionにはこの曲で出場。

2019年Tel Aviv Eurovisionのモットーは「Dare to Dream」、決勝は5月18日Expoセンターで行われ、予選を通過した20カ国、Big 5の5カ国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス)及び開催国の26カ国の代表で競われた。抽選の結果により21番目の登場となったHassaniは2人のダンサー(うち一人は台湾出身のLin Ching Lang)をバックに「Roi」を歌い16位の成績だった。当初14位とされたが、ベラルーシ票の算定誤りがあり23日16位に訂正された。これによっても上位3位の順位に変更はなかった。優勝はオランダ代表、2位はイタリア代表、3位はロシア代表であった。

Roi」 Eurovisionで https://www.youtube.com/watch?v=AjZNbIQtWvw

Jalouxhttps://www.youtube.com/watch?v=tiJXLiY2Og0

 


3.セルジュ・レジアニ Serge Reggiani、「Best of」リリース

2019年7月22日Serge Reggiani(1922-2004 俳優、歌手)が82歳で死去してから15年になる。それを機に歌手Reggianiのヒット20曲を収録したCDBest of」がリリースされた。Reggianiは1922年5月2日イタリアのパルム近郊のレッジオ エミリア生まれ、父は美容師で反ファシスト、家族は彼が8歳の時フランスに移住。父はParis10区Saint-Denis地区に美容院を開き、Reggianiも修業をしていた。彼が14歳の時、ある日女性客の目にシャンプーを入れてしまった。その客は、「ほかの職に就いた方がいいんじゃないの。」と店の向かいにあったある新聞社に連れて行き、その新聞に載っていた映画俳優の養成所の生徒募集の広告を見せ、試験を受けてみたらどうかと勧めた。1年後には優秀な成績で修了。次いでConservatoire national d’Art dramatique/国立演劇学校でも学び、喜劇と悲劇の優等賞を得て、舞台に立つ。演技力を認められ、42年から映画に進出、42年には「Etoile sans lumière/光なき星」でEdith PiafYves Montand共演、46年にはMarcel Carné監督の「Les Portes de la nuit/夜の門」にも出演など80年までは毎年必ず主演映画を撮り80本以上の映画に出演していた。そのReggianiが歌手に転身したのは40歳を越してから。64年にMontand-Signoletのカップル宅でReggianiBoris Vianの曲を歌うのを聞いたJacques CanettiBrelBrassensを発見した伯楽で、キャバレ「Trois Baudets」のパトロン)は早速ReggianiVianの曲でレコードを出すことを勧め、66年「Le Déserteur/脱走兵」など12曲を集録した「Serge Reggiani chante Boris Vian/セルジュ・レジアニ、ボリス・ヴィアンを歌う」が出された。アルバムはACC賞を得、43歳にしてReggianiは新しいキャリアに船出した。Barbaraは66年のBobino公演ではその1部に出演させた。67年の2枚目LPは「Les loups sont entrés dans Paris/狼たちがパリに入ってきた:パリの狼たち」、Georges Moustakiに提供された「Ma liberté/僕の自由」、「Ma solirude/僕の孤独」、「Sarah/サラ」などを収録、当時イェイェ全盛にもかかわらず、同年配者ばかりでなく若者までも捉えた。その後は、Claude LemesleJean-Loup DabadieSerge Gainsbourgなど当時の超一流の作詞家、作曲家に曲の提供を受けることができたこともあり、variété françaiseのスターの一人となった。しかし80年に、すでにシンガーソングライターとして活躍し、74年にはBobinoで親子リサイタルを行った長男のStephanが自殺するという悲劇に見舞われ、そのショックから容易に立ち直ることができなかった。81年、82年とアルバムも出し、83年にはOlympiaにも出演したが、極度の精神的疲労、アルコールによる衰弱との戦いの日々であった。その後絵を描くことにより安定を得、91年には歌手生活25周年をオランピア出演で祝った。93年には70歳を記念してアルバム「70 balais/70歳」をリリース。98年Légion d’HonneurOfficier勲章受章。99年にはアルバム「Les Adieux différés/延期された別れ」を、2000年には遺言とも言えるアルバム「Enfants,soyez meilleurs que nous/子供達よ、我々よりよりよくなれ」をリリース。2002年にはReggianiの80歳を祝ってMaxime Le ForestierPatrick BruelEnrico MaciasRenaudJane BirkinBénabarら15人の歌手がトリビュートアルバム「Autour de Serge Reggiani/セルジュ・レジアニを囲んで」を捧げている。2003年2月にはVdMで長年の活動に対して特別賞が与えられ、「死が訪れるまで引退する気はない。」と年末には国内で10回以上のコンサートを行った。葬儀は2004年7月27日パリのモンパルナス墓地で行われ、同墓地の9区に埋葬された。

今回の「Best of」には:「Ma liberté/僕の自由」、「「Il suffirait de presque rien/ほとんど何もなくても十分」、「Sara/サラ」、「Les loups sont entrés dans Paris/狼たちがパリに入ってきた:パリの狼たち」、「Le petit garçon/少年」、「Ma solitude/僕の孤独」、「Et puis/そしt」、「Votre fille a vingt ans/あなたの娘は二十歳」、「La java des bombes atomiques/原子爆弾のジャヴァ」、「Madame nostargie/ノスタルジー夫人」、「Ma fille/我が娘」、「L’Italien/イタリア人」、「Le Pont Mirabeau/ミラボー橋」、「Le temps qui reste/残された時間」、「Le déserteur/脱走兵」など20曲が収録されている。

Ma liberté」 https://www.youtube.com/watch?v=Y5YCaqx_b4s

Le petit garçon」 https://www.youtube.com/watch?v=dHxfJLEhPZY

     

KCN 1539

5月の新譜 

1.  クリストフChristopheChristophe Etc

Christopheが2019年17日にリリースした新しいアルバムは 「Christophe Etc」。   Christophe、本名Christophe Bevilacua、1945年パリ郊外生まれACI。50年代にアマチュアグループでヴォーカルとギター、63年、兵役後本格的な歌手活動。65年「Aline/アリーヌ」を歌ってスターの座に、100万枚以上売り上げたこの曲は「tube d'été/夏のヴァカンス期のヒット」になった。65年「Les marionettes/マリオネット」、66年「Exusez-moi, Monsieur le Professeur/先生ごめんなさい」などがヒット。73年当時まだ無名のJean-Michel Jarreの曲「Les paradis perdus/失楽園」を歌い、75年には最大のヒット曲「Les mots bleus/青い言葉」が生まれる。80年にはEPAline」をリヴァイヴァルさせ350万枚売上げる。83年には「Succès fous/大変な成功」(EPは60万枚)。その後も定期的にアルバムを出しステージにも立つ。2003年、前年のOlympia公演でVdMのコンサート賞受賞、2008年にはアルバム「Aimer ce que nous sommes/あるがままの我々を愛する」でACC大賞受賞、2010年にはSACEMGrand Prix de la chanson française/シャンソンフランセーズ大賞を受賞、2014年にはLégion d’Honneur勲章のChevalier章を受章している。extra-terrestreの声で、ナーイーヴな、時にはシュールな曲を歌う、chanson françaiseアイドルの一人、ミステリアスなダンディー。2016年4つ☆評価を受けたアルバム「Les vestiges du chaos/カオスの痕跡」をリリースしている。今回の14枚目のアルバムChristophe Etc」は過去のヒット曲のデュオによるセルフカバー、そしてデュオによる単純なカバーではない。デュオのパートナーはNusky & Vaati(2017年から活動しているrap、hip-hopのデュオ)、Camille(1976年生まれの女性ACI)、Sébastien Tellier(1975年生まれの歌手、ミュージシャン)、Etienne Daho(1956年生まれのACI)、Yasmine Hamdan(1976年生まれ、レバノン出身の歌手、作曲家、俳優)、Son Lux(2008年から活動しているアメリカのpopトリオ)、Chrysta Bell(1978年生まれのアメリカ人女性ACI、俳優)EddMitchell(1942年生まれのACI)、Raphaël(1975年生まれのACI)、Panik Ltdc(1981年結成されたフランスのpunk rockグループ)。これらの幅広いパートナーと共にCristopheは過去の自身のヒットを画家のように新しく塗り上げ、自身がまだまだ変わっていけることを証明した。収められている10曲とパートナーは:「Succès fou」(Nusky & Vaati)、「Petite fille au seleil/太陽を浴びている少女」(Camille)、「Señorita/セニョリータ」(Sébastien Tellier)、「Petit gars/若僧」(Etienne Daho)、「La Man/マン島」(Yasmine Hamdan)、「Les mots bleus」(Son Lux)、「J’l’ai pas touchée/僕は彼女には触れていない」(Chrysta Bell)、「Parfum d’histoires/歴史の香り」(Eddy Mitchell)、「Un peu menteur/ちょっとばかり嘘つき」(Raphaël)、「Cœur défiguré/醜い心」(Panik LTDC

Petit gars」 2010年https://www.youtube.com/watch?v=GB-c3L1b5IA

Petit gars」 「Christophe Etc」でavec Etienne Daho https://www.youtube.com/watch?v=KvG3z98LfWg

Les mots bleus」 1976年9月23日 https://www.youtube.com/watch?v=xJq3g5jG8Vo

Les mots bleus」 2012年https://www.youtube.com/watch?v=3Dd0JgwsM2A

Les mots bleus」 「Christophe Etc」でavec Son Lux https://www.youtube.com/watch?v=j26BlSVfKdY&t=56s

J’l’ai pas touchée」 2018年3月12日avec Chrysta Bell https://www.youtube.com/watch?v=ZJeWgJX7hQg

 

2.アメル・ベントAmel Bent、「Demain/明日」

Amel Bentが2019年517日にリリースした新しいアルバムは「Demain」。Bentは1985年6月21日Indre-et-Loire県生まれ、パリ郊外Seine-Saint Denis県のLa Courneuveで育つ。歌手で、作詞、作曲もする。父はアルジェリア人、母はモロッコ人。幼少の頃から歌が上手だと評判。2004年のTVM6のスタ誕番組「Nouvelle Star/新しいスター」に出場、3位。しかし一般視聴者の人気は抜群。04年11月30日にはファーストアルバム「Un jour d'été/ある夏の日」を出す。シングルカットされた「Ma philosophie/私の哲学」(詩には女性ラップ歌手Diam'sが協力)は6週間シングルチャートのトップで75万枚の売上げ。アルバムは65万枚以上の売上げ。06年のVdMで新人歌手賞を受賞。07年アルバム「A 20 ans/20歳で」にはCharles Aznavour(「Je reste seule/私は一人とどまる」の作詞・作曲)、Pascal Obispo(「Nouveau Français/新しいフランス人」の作曲、作詞はLionel Florence)らの協力を得た。08年にはTV番組Hight School Musical 3のテーマ曲「Vivre Ma Vie/私の人生を生きる」を歌う。09年3枚目のアルバム「Où je vais?/私はどこへ行くのか?」では「Le mal de toi/あなたの痛み」のクリップ好評。10年5月Olympia出演。11年4枚目のアルバム「Délit mineur/マイナーな犯罪」にはKyoBenoït Poherに提供された「Je reste/私はとどまる」、JeanJacques Goldmanに提供された「Si jen crois/私がそれを信じれば」などが収められている。Bentは13年「Génération Goldman 2」にはラップ歌手Sopranoとのデュオ「Quand la musique est bonne/音楽が素晴らしければ」で、2014年11月のCharles Aznavourへのオマージュアルバム「Aznavour, sa jeunesse」には「Les deux pigeons/2羽の鳩」で、2016年12月リリースのJohnny Hallydayへのオマージュアルバム「On a toujours quelque chose de Johnny」には「Que je t’aime/どんなにあなたを愛していることか」で参加。前回のアルバムは2014年2月24日リリースの「Instinct/本能」。その後2015年長女Sofia、2017年10月17日には次女Hanaが誕生したこともあって活動を控えていた。「Demain/明日」はBentの5年振り、6枚目のアルバム、タイトルは明日を見つめて新たな出発をしようというBentの意気込みの現れか。収められているのは:La fête/祭り」、「C’est la folie/それは常軌を逸した行い」(rap歌手Sopranoとのデュオ)、「Dis-moi qui tu es/あなたが誰だか話して下さい」、「T’aimer de trop/あまりにあなたを愛している」、「Attendez-moi/私を待っていて」(rap歌手Lacirmとのデュオ)、「Demain」(作詞・作曲でSlimaneの協力を得ている)、「Rien/何もない」(rap歌手Alonzoとのデュオ)、「Ton jugement/あなたの判断」、「Une star/一人のスター」、「Charles/シャルル」(Charles Aznavourへのオマージュ「曲はCharlesの生前にでき上がっていたが、聞いてもらう機会はなかった」)、「A mes filles/娘達に」など15曲。

6月1日のForges les Eauxからツアーを開始、6月26日にはParisGrand Rexに出演。

Ma philosophie」 https://www.youtube.com/watch?v=D38EUIll1pM

Le mal de toi」 https://www.youtube.com/watch?v=5MMMrMGWa-k

Demain」 https://www.youtube.com/watch?v=TAkJRa5GD5M

Charles」 https://www.youtube.com/watch?v=tmlvh9tSdms

 

3.  ルナン・リュスRenan Luce、「Renan Luce

Renan Luceが2019年5月24日にリリースした新しいアルバムはRenan Luce」。Luce1980Paris生まれのACI。幼年期と青春期をBretagne地方のMorlaixFinistère近郊Plourin-les-Marlaixで過ごす。兄Domien 妹のClaireとコーラスグループで歌う。クラシックピアノとサクソフォンを10年間BrestConservatoireで学んだ後ギターを独学、曲を作るように。Toulouseの高等商科学校Ecole supérieure de commerce deToulouseで勉学の傍らギターの弾き語りをしていた。卒業後02年Parisに上り、Clicy広場の近くの小劇場「Le Mery」で3ヶ月間歌う。その後La RochelleFrancofoliesに出場、05年にはBénanbarの前座でツアーに同行。06年5月「Alors chante à Montaubanさあ歌え、モントーバンで」では「Repenti/改心した男」を歌い「Bravos du public/大衆の喝采賞」受賞。06年9月最初のアルバム「Repenti」(「Repenti」、「Les voisines/女性の隣人」、「La lettre/手紙」、「Monsieur Marcel」など収録)をリリース。アルバムは80万枚以上の売上げでdisque de diamantに。06年ACCのレコード大賞受賞(新人賞)、さらに08年のVdMで新人アルバム賞と新人ステージ賞を受賞。09年10月12日セカンドアルバム「Le Clan des Mirosミロ 一族」には「Le Clan des Miros」、「La fille de la bande/一味の娘」、「Nantes/ナント」、「On n'est pas une bêtise près/悪戯なんか気にしない」(映画「Le Petit Nicolas」のテーマ音楽)などを収録、20万枚以上の売上げ。LuceGeorges Brassensへのオマージュ「Putain de toi/いまいましいお前」(2006年)では「L'Orange/嵐」で参加。Adamoの「Le bal des gens bien/紳士淑女の舞踏会」(2008年)では「J'avais oublié que roses sont roses/バラよ、ふたたび」をAdamoとデュオで歌っている。11年には同年代の男性歌手Alexis HKBenoït Doremusと組んで「Seuls à trois/3人だけ」ツアーを行った。また、2014年ミュージカル「Soldat Rose 2」ではジョゼフ少年を演じている。前作は2014年4月リリースの「D’une tonne à un tout petit poids/1tの重いものからごく軽いものまで」。今回の4枚目のアルバムは5年振り。歌詩は詩的で繊細さと独特のユーモアがあり、曲は60年代のBécaudBrelAznavourのよう、伴奏はシンフォニック・オーケストラ、声は厚みと成熟さを備えてきた。5つ☆の評価もある。LuceRenaud(1957-ACI)の長女Lolita Sechanと2009年に結婚、2011年女児Héloise誕生、2016年離婚。アルバムには11曲収録されている。その中にはこの間の気持ちを歌ったものと思われる、「Au début/最初は」、「On s’habitue à tout/人はすべてに慣れるもの」、「Berlin/ベリリン」(3人でこの都市を旅行した「我々はベルリンではなかった。壁が立ちはだかっていることはなかったから・・」)、「Le vent fou/荒れ狂った風」も。他に、「Le Pont Nemo/ポイント ネモ」、「Dans de beaux draps/二つの綺麗なシーツの中で」、「Cette musique/この音楽」、「Citadin都会人」など。

Luce12日にはFrancofolies de la Rochelleに出場、11日から国内ツアーを開始、1128日にはParisSalle Pleyelに出演の予定。

「La lettre」 https://www.youtube.com/watch?v=UR1GZrzizXM

Au début https://www.youtube.com/watch?v=4VTiVTIkk0g

Le vent fou」 https://www.youtube.com/watch?v=0f9-cB0SBfo 

 

4.リリアン・ルノーLilian RenaudLilian Renaud

Lilian Renaud、2019年5月17日にリリースした新しいアルバムは「Lilian Renaud」。Lilian Renaudは1991年10月フランス東部Bourgogne-Franche-Comté地方DoubsBesançon近郊の小村Mamirolle生まれの歌手、作詞・作曲も行う。幼少の頃から音楽に興味のあったRenaudは酪農の高等技術者免許取得後、チーズ製造工場で働く傍ら、2013年友人とデュオを組んで活動。2014年本格的に音楽を学ぼうとNabcyMusic Academyに入学。2015年1月10日に始まったTVTF1のスター誕生番組「The Voice, la plus belle voix」の第4シーズンに出場。出場のため初めてParisに上った由。番組ではFrancis Cabrelの「Octobre」、Christopheの「Les mots bleus/青い言葉」、Jean-Jacques Goldmanの「Là-bas/あちらで」(審査員Zazieとのデュオ)などを歌い優勝。2015年11月13日Marcury Recordからファーストアルバム「Le bruit de l’aube/夜明けの雑音」をリリース。アルバムには「Pour ne plus avoir peur/もう恐れを持たなくなるように」、「Le bruit de l’aube」、「Ma terre/僕の土地」、「J’attends/僕は待っている」など11曲収録、リリース後3ヶ月足らずの2016年1月26日disque de platine(10万枚以上)に認定された。2016年11月13日セカンドアルバム「Le cœur qui cogne/ドキドキする心臓」リリース。これにはYcare(1983-ACI)やZazie(1964-ACI、「The Voice」の審査員)に詩や曲を提供されたもの及びLilian自身が作詞・作曲で関わったもの全12曲を収録。Lilianは当時椎間板ヘルニアを患っており、アルバムリリースの直後から療養のため2年以上歌手活動の休止を余儀なくされた。歌手活動休止の原因は、「Fromager à casquette/ハンチング帽を被ったチーズ職人」から突然スターになったことによる精神的な疲労もあると言われている。この間2018年に3ヶ月間アイルランドで過ごした。「アイルランドは好きな土地。そこで生まれた曲も好き。滞在中多くの曲を作った。今回のアルバムに収録した16曲のうち7曲は英語で歌っている。それは英語の方が僕の曲に合っているように思えるから。今回はレコード会社を離れて自主制作でアルバムを作った。だから自由があった。アルバムのタイトルに自分の名を付けたのは再出発の意味を込めた」。3枚目となる今回のアルバムに収められているのは:「On en verra encore/まだそれを見るだろう」、「Quoi de plus beau/何かより美しいもの」、「Sourire plutôt/むしろ微笑みを」、「Mère/母親」、「Chanson d’amour/愛のシャンソン」、「Je m’appelle Brahim/我が名はブライム」、「Je remonte la vallée/僕は谷を登る」、「I wanna Believe」、「Canadian Sky」、「The Water」、「The Heart of a Woman」など。

Là-basTVThe voice」決勝でZaziehttps://www.youtube.com/watch?v=FCjZ8iUJEeY

Pour ne plus avoir peur」 https://www.youtube.com/watch?v=ywyKzAo161Q

On en verra encore」 https://www.youtube.com/watch?v=7qfhyaSSIsc





No. 1538
      2019.6.10

最近の話題 3題 ご紹介いたします。                                  


1.ジャック・イジュラン Jacques Higelin の名、Parisの遊歩道に

Jacques Higelin(1940-2018 ACI、俳優、作家、詩人)の名が、縁のParis 14区、Parc Montsouris(モンスーリ公園)内にある遊歩道の一つに付けられた。 「Allée Jacques Higelin」と命名されたのは遊歩道の一部約200m。
2019年5月11日Paris市長Anne HidalgoParis14区のCarine Petit区長、Higelinの未亡人、娘Iziaなどの出席もと命名式を行った。Iziaは1990生まれのACIで、2010年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」及び「新人ステージ賞」を受賞、12年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」を受賞している。Higelinはこの公園の近くに居住していて、1988年アルバム
Tombé du ciel」には作詞作曲した「Parc Montsouris」を収録している。式ではチェロ奏者Sonia Wieder-AtherthonOpéra-Comiqueの合唱隊がTombé du ciel」、「Parc Montsouris」などを演奏した。

Tombé du cielhttps://www.youtube.com/watch?v=xq1TAeObL6U

Parc Montsouris」 https://www.youtube.com/watch?v=5-kVwZa-z6k


Higelin
19401018日パリ郊外パリの西20km、Brou-sur-ChantereineSeine-et-Marne生まれ15歳で学業を放棄、映画界に。1959年Henri Fabiani監督「Le bonheur pour demain/明日の幸福」で共演したHenri Crolla(1920-1960、ギタリスト、作曲家、俳優)に勧められ、兵役除隊後、歌手に。1963年から映画出演の傍らキャバレに出演して、Yves Montandや「le fou chantant/歌う狂人」といわれたCharles Trenetとも同じステージに立っている。1964年最初のレコード「chante Boris Vian/ボリス・ヴィアンを歌う」をリリース。1967年Brigitte Fontaine(1939-ACI)とのデュオ「Cet enfant que je tavais fait/僕が君に作ってあげた子供」(Fontaine作詞/Higelin作曲)がヒット。 1971年全曲自作のアルバム「Jacques Crabouif Higelin」を出し詩作と作曲の才を示す。1979年「Champagne pour tout le monde/シャンペンをみんなに」、1977年「Pars/出発しろ」、1988年「Tombé du ciel/空から落ちて」などのアルバムをリリース、挑発的な都会派ロッカーとして、ステージを中心に活動。コンサートは「観客に満足感を与えるために」3~4時間続くこともあり、アンコールに入ってからの方が長いことも。ステージでのパーフォーマンスから「le nouveau fou chantant/2代目歌う狂人」と呼ばれ、2004~05年フランス国内で「Higelin chante Trenet/イジュラン、トレネを歌う」コンサートを行っている。2009年SACEMのシャンソンフランセーズ歌手大賞を受賞。2015年にはデビュー50年を記念して自伝「Je ne vis pas ma vie, je la rêve/私は私の人生を生きてはいない、それを夢みている」Fayard社から刊行、また10月24日、25日Philharmonie de ParisParc de la ViletteParis19区、で最後となるコンサートを行った。2016年10月7日最後のアルバム「Higelin 75/イジュラン 75」(75歳を迎えたことから)をリリース。2018年4月6日死去、享年77歳。

 

 2.ビラル・アッサニBilal HassaniEurovision 16位

2019年第64回Concours Eurpvision de la chanson/ユーロヴィジョン・シャンソン・コンテストは2019年5月14日から前回の優勝者Nettaの出身国イスラエルのTel Avivで行われた。今回は41カ国が出場、フランス代表Balal Hassaniは「Roi/王様」を歌い16位であった。

Bilal Hassaniは1999年9月9日Paris生まれのACIYouTuber。両親はモロッコ出身、フランスに帰化した母親とParisに住み、父親はシンガポールに住んでいる。2015年6歳から15歳までの少年少女を対象にしたTVTF1のスタ誕番組「The voice kids」の第2シーズンに出場。ブラインドオーディションで2014年のEurovision優勝者オーストリア代表Conchita Wurstが歌った「Rise like a Phoenix」をカバーして通過したが、本番では早々に敗退。2017年6月23日ParisにおけるGay Prideの前日、インターネットを通じて同性愛者であることを公表。2019年1月TVFrance2で行われた2019年Eurovisionフランス代表を決定するコンクール「Destination Eurovision」に出場。このコンクールには既に歌手として実績のあるChimène BadiEmmanuel Moireを含め18人が出場。8人で競った決勝で審査員の順位では5位だったがTV視聴者の圧倒的支持(35%)を受けて優勝、Eurovisionフランス代表に選ばれた。そして2019年4月26日ファーストアルバム「Kingdom」をリリース。これには「Roi」、「Jaloux/嫉妬深い」、「Panic」、「Poison/毒」、「Over you」など12曲収録。「Roi」は作詞、作曲で2018年Eurovisionフランス代表の男女デュオMademe et Monsieurの協力を得ていて、フランス語と1部英語で歌われている。2019年1月4日にはアルバムに先行してシングルでリリースされた。「このアルバムは僕のアイデンティティーを語るもの。僕がどうして今の僕のようになったかはこのアルバムを聞けば分かるだろう」。Hassaniは「Destination Eurovision」及びEurovisionにはこの曲で出場。

2019年Tel Aviv Eurovisionのモットーは「Dare to Dream」、決勝は5月18日Expoセンターで行われ、予選を通過した20カ国、Big 5の5カ国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス)及び開催国の26カ国の代表で競われた。抽選の結果により21番目の登場となったHassaniは2人のダンサー(うち一人は台湾出身のLin Ching Lang)をバックに「Roi」を歌い16位の成績だった。当初14位とされたが、ベラルーシ票の算定誤りがあり23日16位に訂正された。これによっても上位3位の順位に変更はなかった。優勝はオランダ代表、2位はイタリア代表、3位はロシア代表であった。

Roi」 Eurovisionで https://www.youtube.com/watch?v=AjZNbIQtWvw

Jalouxhttps://www.youtube.com/watch?v=tiJXLiY2Og0

 


3.セルジュ・レジアニ Serge Reggiani、「Best of」リリース

2019年7月22日Serge Reggiani(1922-2004 俳優、歌手)が82歳で死去してから15年になる。それを機に歌手Reggianiのヒット20曲を収録したCDBest of」がリリースされた。Reggianiは1922年5月2日イタリアのパルム近郊のレッジオ エミリア生まれ、父は美容師で反ファシスト、家族は彼が8歳の時フランスに移住。父はParis10区Saint-Denis地区に美容院を開き、Reggianiも修業をしていた。彼が14歳の時、ある日女性客の目にシャンプーを入れてしまった。その客は、「ほかの職に就いた方がいいんじゃないの。」と店の向かいにあったある新聞社に連れて行き、その新聞に載っていた映画俳優の養成所の生徒募集の広告を見せ、試験を受けてみたらどうかと勧めた。1年後には優秀な成績で修了。次いでConservatoire national d’Art dramatique/国立演劇学校でも学び、喜劇と悲劇の優等賞を得て、舞台に立つ。演技力を認められ、42年から映画に進出、42年には「Etoile sans lumière/光なき星」でEdith PiafYves Montand共演、46年にはMarcel Carné監督の「Les Portes de la nuit/夜の門」にも出演など80年までは毎年必ず主演映画を撮り80本以上の映画に出演していた。そのReggianiが歌手に転身したのは40歳を越してから。64年にMontand-Signoletのカップル宅でReggianiBoris Vianの曲を歌うのを聞いたJacques CanettiBrelBrassensを発見した伯楽で、キャバレ「Trois Baudets」のパトロン)は早速ReggianiVianの曲でレコードを出すことを勧め、66年「Le Déserteur/脱走兵」など12曲を集録した「Serge Reggiani chante Boris Vian/セルジュ・レジアニ、ボリス・ヴィアンを歌う」が出された。アルバムはACC賞を得、43歳にしてReggianiは新しいキャリアに船出した。Barbaraは66年のBobino公演ではその1部に出演させた。67年の2枚目LPは「Les loups sont entrés dans Paris/狼たちがパリに入ってきた:パリの狼たち」、Georges Moustakiに提供された「Ma liberté/僕の自由」、「Ma solirude/僕の孤独」、「Sarah/サラ」などを収録、当時イェイェ全盛にもかかわらず、同年配者ばかりでなく若者までも捉えた。その後は、Claude LemesleJean-Loup DabadieSerge Gainsbourgなど当時の超一流の作詞家、作曲家に曲の提供を受けることができたこともあり、variété françaiseのスターの一人となった。しかし80年に、すでにシンガーソングライターとして活躍し、74年にはBobinoで親子リサイタルを行った長男のStephanが自殺するという悲劇に見舞われ、そのショックから容易に立ち直ることができなかった。81年、82年とアルバムも出し、83年にはOlympiaにも出演したが、極度の精神的疲労、アルコールによる衰弱との戦いの日々であった。その後絵を描くことにより安定を得、91年には歌手生活25周年をオランピア出演で祝った。93年には70歳を記念してアルバム「70 balais/70歳」をリリース。98年Légion d’HonneurOfficier勲章受章。99年にはアルバム「Les Adieux différés/延期された別れ」を、2000年には遺言とも言えるアルバム「Enfants,soyez meilleurs que nous/子供達よ、我々よりよりよくなれ」をリリース。2002年にはReggianiの80歳を祝ってMaxime Le ForestierPatrick BruelEnrico MaciasRenaudJane BirkinBénabarら15人の歌手がトリビュートアルバム「Autour de Serge Reggiani/セルジュ・レジアニを囲んで」を捧げている。2003年2月にはVdMで長年の活動に対して特別賞が与えられ、「死が訪れるまで引退する気はない。」と年末には国内で10回以上のコンサートを行った。葬儀は2004年7月27日パリのモンパルナス墓地で行われ、同墓地の9区に埋葬された。

今回の「Best of」には:「Ma liberté/僕の自由」、「「Il suffirait de presque rien/ほとんど何もなくても十分」、「Sara/サラ」、「Les loups sont entrés dans Paris/狼たちがパリに入ってきた:パリの狼たち」、「Le petit garçon/少年」、「Ma solitude/僕の孤独」、「Et puis/そしt」、「Votre fille a vingt ans/あなたの娘は二十歳」、「La java des bombes atomiques/原子爆弾のジャヴァ」、「Madame nostargie/ノスタルジー夫人」、「Ma fille/我が娘」、「L’Italien/イタリア人」、「Le Pont Mirabeau/ミラボー橋」、「Le temps qui reste/残された時間」、「Le déserteur/脱走兵」など20曲が収録されている。

Ma liberté」 https://www.youtube.com/watch?v=Y5YCaqx_b4s

Le petit garçon」 https://www.youtube.com/watch?v=dHxfJLEhPZY

     

KCN 1539

5月の新譜 

1.  クリストフChristopheChristophe Etc

Christopheが2019年17日にリリースした新しいアルバムは 「Christophe Etc」。   Christophe、本名Christophe Bevilacua、1945年パリ郊外生まれACI。50年代にアマチュアグループでヴォーカルとギター、63年、兵役後本格的な歌手活動。65年「Aline/アリーヌ」を歌ってスターの座に、100万枚以上売り上げたこの曲は「tube d'été/夏のヴァカンス期のヒット」になった。65年「Les marionettes/マリオネット」、66年「Exusez-moi, Monsieur le Professeur/先生ごめんなさい」などがヒット。73年当時まだ無名のJean-Michel Jarreの曲「Les paradis perdus/失楽園」を歌い、75年には最大のヒット曲「Les mots bleus/青い言葉」が生まれる。80年にはEPAline」をリヴァイヴァルさせ350万枚売上げる。83年には「Succès fous/大変な成功」(EPは60万枚)。その後も定期的にアルバムを出しステージにも立つ。2003年、前年のOlympia公演でVdMのコンサート賞受賞、2008年にはアルバム「Aimer ce que nous sommes/あるがままの我々を愛する」でACC大賞受賞、2010年にはSACEMGrand Prix de la chanson française/シャンソンフランセーズ大賞を受賞、2014年にはLégion d’Honneur勲章のChevalier章を受章している。extra-terrestreの声で、ナーイーヴな、時にはシュールな曲を歌う、chanson françaiseアイドルの一人、ミステリアスなダンディー。2016年4つ☆評価を受けたアルバム「Les vestiges du chaos/カオスの痕跡」をリリースしている。今回の14枚目のアルバムChristophe Etc」は過去のヒット曲のデュオによるセルフカバー、そしてデュオによる単純なカバーではない。デュオのパートナーはNusky & Vaati(2017年から活動しているrap、hip-hopのデュオ)、Camille(1976年生まれの女性ACI)、Sébastien Tellier(1975年生まれの歌手、ミュージシャン)、Etienne Daho(1956年生まれのACI)、Yasmine Hamdan(1976年生まれ、レバノン出身の歌手、作曲家、俳優)、Son Lux(2008年から活動しているアメリカのpopトリオ)、Chrysta Bell(1978年生まれのアメリカ人女性ACI、俳優)EddMitchell(1942年生まれのACI)、Raphaël(1975年生まれのACI)、Panik Ltdc(1981年結成されたフランスのpunk rockグループ)。これらの幅広いパートナーと共にCristopheは過去の自身のヒットを画家のように新しく塗り上げ、自身がまだまだ変わっていけることを証明した。収められている10曲とパートナーは:「Succès fou」(Nusky & Vaati)、「Petite fille au seleil/太陽を浴びている少女」(Camille)、「Señorita/セニョリータ」(Sébastien Tellier)、「Petit gars/若僧」(Etienne Daho)、「La Man/マン島」(Yasmine Hamdan)、「Les mots bleus」(Son Lux)、「J’l’ai pas touchée/僕は彼女には触れていない」(Chrysta Bell)、「Parfum d’histoires/歴史の香り」(Eddy Mitchell)、「Un peu menteur/ちょっとばかり嘘つき」(Raphaël)、「Cœur défiguré/醜い心」(Panik LTDC

Petit gars」 2010年https://www.youtube.com/watch?v=GB-c3L1b5IA

Petit gars」 「Christophe Etc」でavec Etienne Daho https://www.youtube.com/watch?v=KvG3z98LfWg

Les mots bleus」 1976年9月23日 https://www.youtube.com/watch?v=xJq3g5jG8Vo

Les mots bleus」 2012年https://www.youtube.com/watch?v=3Dd0JgwsM2A

Les mots bleus」 「Christophe Etc」でavec Son Lux https://www.youtube.com/watch?v=j26BlSVfKdY&t=56s

J’l’ai pas touchée」 2018年3月12日avec Chrysta Bell https://www.youtube.com/watch?v=ZJeWgJX7hQg

 

2.アメル・ベントAmel Bent、「Demain/明日」

Amel Bentが2019年517日にリリースした新しいアルバムは「Demain」。Bentは1985年6月21日Indre-et-Loire県生まれ、パリ郊外Seine-Saint Denis県のLa Courneuveで育つ。歌手で、作詞、作曲もする。父はアルジェリア人、母はモロッコ人。幼少の頃から歌が上手だと評判。2004年のTVM6のスタ誕番組「Nouvelle Star/新しいスター」に出場、3位。しかし一般視聴者の人気は抜群。04年11月30日にはファーストアルバム「Un jour d'été/ある夏の日」を出す。シングルカットされた「Ma philosophie/私の哲学」(詩には女性ラップ歌手Diam'sが協力)は6週間シングルチャートのトップで75万枚の売上げ。アルバムは65万枚以上の売上げ。06年のVdMで新人歌手賞を受賞。07年アルバム「A 20 ans/20歳で」にはCharles Aznavour(「Je reste seule/私は一人とどまる」の作詞・作曲)、Pascal Obispo(「Nouveau Français/新しいフランス人」の作曲、作詞はLionel Florence)らの協力を得た。08年にはTV番組Hight School Musical 3のテーマ曲「Vivre Ma Vie/私の人生を生きる」を歌う。09年3枚目のアルバム「Où je vais?/私はどこへ行くのか?」では「Le mal de toi/あなたの痛み」のクリップ好評。10年5月Olympia出演。11年4枚目のアルバム「Délit mineur/マイナーな犯罪」にはKyoBenoït Poherに提供された「Je reste/私はとどまる」、JeanJacques Goldmanに提供された「Si jen crois/私がそれを信じれば」などが収められている。Bentは13年「Génération Goldman 2」にはラップ歌手Sopranoとのデュオ「Quand la musique est bonne/音楽が素晴らしければ」で、2014年11月のCharles Aznavourへのオマージュアルバム「Aznavour, sa jeunesse」には「Les deux pigeons/2羽の鳩」で、2016年12月リリースのJohnny Hallydayへのオマージュアルバム「On a toujours quelque chose de Johnny」には「Que je t’aime/どんなにあなたを愛していることか」で参加。前回のアルバムは2014年2月24日リリースの「Instinct/本能」。その後2015年長女Sofia、2017年10月17日には次女Hanaが誕生したこともあって活動を控えていた。「Demain/明日」はBentの5年振り、6枚目のアルバム、タイトルは明日を見つめて新たな出発をしようというBentの意気込みの現れか。収められているのは:La fête/祭り」、「C’est la folie/それは常軌を逸した行い」(rap歌手Sopranoとのデュオ)、「Dis-moi qui tu es/あなたが誰だか話して下さい」、「T’aimer de trop/あまりにあなたを愛している」、「Attendez-moi/私を待っていて」(rap歌手Lacirmとのデュオ)、「Demain」(作詞・作曲でSlimaneの協力を得ている)、「Rien/何もない」(rap歌手Alonzoとのデュオ)、「Ton jugement/あなたの判断」、「Une star/一人のスター」、「Charles/シャルル」(Charles Aznavourへのオマージュ「曲はCharlesの生前にでき上がっていたが、聞いてもらう機会はなかった」)、「A mes filles/娘達に」など15曲。

6月1日のForges les Eauxからツアーを開始、6月26日にはParisGrand Rexに出演。

Ma philosophie」 https://www.youtube.com/watch?v=D38EUIll1pM

Le mal de toi」 https://www.youtube.com/watch?v=5MMMrMGWa-k

Demain」 https://www.youtube.com/watch?v=TAkJRa5GD5M

Charles」 https://www.youtube.com/watch?v=tmlvh9tSdms

 

3.  ルナン・リュスRenan Luce、「Renan Luce

Renan Luceが2019年5月24日にリリースした新しいアルバムはRenan Luce」。Luce1980Paris生まれのACI。幼年期と青春期をBretagne地方のMorlaixFinistère近郊Plourin-les-Marlaixで過ごす。兄Domien 妹のClaireとコーラスグループで歌う。クラシックピアノとサクソフォンを10年間BrestConservatoireで学んだ後ギターを独学、曲を作るように。Toulouseの高等商科学校Ecole supérieure de commerce deToulouseで勉学の傍らギターの弾き語りをしていた。卒業後02年Parisに上り、Clicy広場の近くの小劇場「Le Mery」で3ヶ月間歌う。その後La RochelleFrancofoliesに出場、05年にはBénanbarの前座でツアーに同行。06年5月「Alors chante à Montaubanさあ歌え、モントーバンで」では「Repenti/改心した男」を歌い「Bravos du public/大衆の喝采賞」受賞。06年9月最初のアルバム「Repenti」(「Repenti」、「Les voisines/女性の隣人」、「La lettre/手紙」、「Monsieur Marcel」など収録)をリリース。アルバムは80万枚以上の売上げでdisque de diamantに。06年ACCのレコード大賞受賞(新人賞)、さらに08年のVdMで新人アルバム賞と新人ステージ賞を受賞。09年10月12日セカンドアルバム「Le Clan des Mirosミロ 一族」には「Le Clan des Miros」、「La fille de la bande/一味の娘」、「Nantes/ナント」、「On n'est pas une bêtise près/悪戯なんか気にしない」(映画「Le Petit Nicolas」のテーマ音楽)などを収録、20万枚以上の売上げ。LuceGeorges Brassensへのオマージュ「Putain de toi/いまいましいお前」(2006年)では「L'Orange/嵐」で参加。Adamoの「Le bal des gens bien/紳士淑女の舞踏会」(2008年)では「J'avais oublié que roses sont roses/バラよ、ふたたび」をAdamoとデュオで歌っている。11年には同年代の男性歌手Alexis HKBenoït Doremusと組んで「Seuls à trois/3人だけ」ツアーを行った。また、2014年ミュージカル「Soldat Rose 2」ではジョゼフ少年を演じている。前作は2014年4月リリースの「D’une tonne à un tout petit poids/1tの重いものからごく軽いものまで」。今回の4枚目のアルバムは5年振り。歌詩は詩的で繊細さと独特のユーモアがあり、曲は60年代のBécaudBrelAznavourのよう、伴奏はシンフォニック・オーケストラ、声は厚みと成熟さを備えてきた。5つ☆の評価もある。LuceRenaud(1957-ACI)の長女Lolita Sechanと2009年に結婚、2011年女児Héloise誕生、2016年離婚。アルバムには11曲収録されている。その中にはこの間の気持ちを歌ったものと思われる、「Au début/最初は」、「On s’habitue à tout/人はすべてに慣れるもの」、「Berlin/ベリリン」(3人でこの都市を旅行した「我々はベルリンではなかった。壁が立ちはだかっていることはなかったから・・」)、「Le vent fou/荒れ狂った風」も。他に、「Le Pont Nemo/ポイント ネモ」、「Dans de beaux draps/二つの綺麗なシーツの中で」、「Cette musique/この音楽」、「Citadin都会人」など。

Luce12日にはFrancofolies de la Rochelleに出場、11日から国内ツアーを開始、1128日にはParisSalle Pleyelに出演の予定。

「La lettre」 https://www.youtube.com/watch?v=UR1GZrzizXM

Au début https://www.youtube.com/watch?v=4VTiVTIkk0g

Le vent fou」 https://www.youtube.com/watch?v=0f9-cB0SBfo 

 

4.リリアン・ルノーLilian RenaudLilian Renaud

Lilian Renaud、2019年5月17日にリリースした新しいアルバムは「Lilian Renaud」。Lilian Renaudは1991年10月フランス東部Bourgogne-Franche-Comté地方DoubsBesançon近郊の小村Mamirolle生まれの歌手、作詞・作曲も行う。幼少の頃から音楽に興味のあったRenaudは酪農の高等技術者免許取得後、チーズ製造工場で働く傍ら、2013年友人とデュオを組んで活動。2014年本格的に音楽を学ぼうとNabcyMusic Academyに入学。2015年1月10日に始まったTVTF1のスター誕生番組「The Voice, la plus belle voix」の第4シーズンに出場。出場のため初めてParisに上った由。番組ではFrancis Cabrelの「Octobre」、Christopheの「Les mots bleus/青い言葉」、Jean-Jacques Goldmanの「Là-bas/あちらで」(審査員Zazieとのデュオ)などを歌い優勝。2015年11月13日Marcury Recordからファーストアルバム「Le bruit de l’aube/夜明けの雑音」をリリース。アルバムには「Pour ne plus avoir peur/もう恐れを持たなくなるように」、「Le bruit de l’aube」、「Ma terre/僕の土地」、「J’attends/僕は待っている」など11曲収録、リリース後3ヶ月足らずの2016年1月26日disque de platine(10万枚以上)に認定された。2016年11月13日セカンドアルバム「Le cœur qui cogne/ドキドキする心臓」リリース。これにはYcare(1983-ACI)やZazie(1964-ACI、「The Voice」の審査員)に詩や曲を提供されたもの及びLilian自身が作詞・作曲で関わったもの全12曲を収録。Lilianは当時椎間板ヘルニアを患っており、アルバムリリースの直後から療養のため2年以上歌手活動の休止を余儀なくされた。歌手活動休止の原因は、「Fromager à casquette/ハンチング帽を被ったチーズ職人」から突然スターになったことによる精神的な疲労もあると言われている。この間2018年に3ヶ月間アイルランドで過ごした。「アイルランドは好きな土地。そこで生まれた曲も好き。滞在中多くの曲を作った。今回のアルバムに収録した16曲のうち7曲は英語で歌っている。それは英語の方が僕の曲に合っているように思えるから。今回はレコード会社を離れて自主制作でアルバムを作った。だから自由があった。アルバムのタイトルに自分の名を付けたのは再出発の意味を込めた」。3枚目となる今回のアルバムに収められているのは:「On en verra encore/まだそれを見るだろう」、「Quoi de plus beau/何かより美しいもの」、「Sourire plutôt/むしろ微笑みを」、「Mère/母親」、「Chanson d’amour/愛のシャンソン」、「Je m’appelle Brahim/我が名はブライム」、「Je remonte la vallée/僕は谷を登る」、「I wanna Believe」、「Canadian Sky」、「The Water」、「The Heart of a Woman」など。

Là-basTVThe voice」決勝でZaziehttps://www.youtube.com/watch?v=FCjZ8iUJEeY

Pour ne plus avoir peur」 https://www.youtube.com/watch?v=ywyKzAo161Q

On en verra encore」 https://www.youtube.com/watch?v=7qfhyaSSIsc





No. 1538
      2019.6.10

最近の話題 3題 ご紹介いたします。                                  


1.ジャック・イジュラン Jacques Higelin の名、Parisの遊歩道に

Jacques Higelin(1940-2018 ACI、俳優、作家、詩人)の名が、縁のParis 14区、Parc Montsouris(モンスーリ公園)内にある遊歩道の一つに付けられた。 「Allée Jacques Higelin」と命名されたのは遊歩道の一部約200m。
2019年5月11日Paris市長Anne HidalgoParis14区のCarine Petit区長、Higelinの未亡人、娘Iziaなどの出席もと命名式を行った。Iziaは1990生まれのACIで、2010年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」及び「新人ステージ賞」を受賞、12年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」を受賞している。Higelinはこの公園の近くに居住していて、1988年アルバム
Tombé du ciel」には作詞作曲した「Parc Montsouris」を収録している。式ではチェロ奏者Sonia Wieder-AtherthonOpéra-Comiqueの合唱隊がTombé du ciel」、「Parc Montsouris」などを演奏した。

Tombé du cielhttps://www.youtube.com/watch?v=xq1TAeObL6U

Parc Montsouris」 https://www.youtube.com/watch?v=5-kVwZa-z6k


Higelin
19401018日パリ郊外パリの西20km、Brou-sur-ChantereineSeine-et-Marne生まれ15歳で学業を放棄、映画界に。1959年Henri Fabiani監督「Le bonheur pour demain/明日の幸福」で共演したHenri Crolla(1920-1960、ギタリスト、作曲家、俳優)に勧められ、兵役除隊後、歌手に。1963年から映画出演の傍らキャバレに出演して、Yves Montandや「le fou chantant/歌う狂人」といわれたCharles Trenetとも同じステージに立っている。1964年最初のレコード「chante Boris Vian/ボリス・ヴィアンを歌う」をリリース。1967年Brigitte Fontaine(1939-ACI)とのデュオ「Cet enfant que je tavais fait/僕が君に作ってあげた子供」(Fontaine作詞/Higelin作曲)がヒット。 1971年全曲自作のアルバム「Jacques Crabouif Higelin」を出し詩作と作曲の才を示す。1979年「Champagne pour tout le monde/シャンペンをみんなに」、1977年「Pars/出発しろ」、1988年「Tombé du ciel/空から落ちて」などのアルバムをリリース、挑発的な都会派ロッカーとして、ステージを中心に活動。コンサートは「観客に満足感を与えるために」3~4時間続くこともあり、アンコールに入ってからの方が長いことも。ステージでのパーフォーマンスから「le nouveau fou chantant/2代目歌う狂人」と呼ばれ、2004~05年フランス国内で「Higelin chante Trenet/イジュラン、トレネを歌う」コンサートを行っている。2009年SACEMのシャンソンフランセーズ歌手大賞を受賞。2015年にはデビュー50年を記念して自伝「Je ne vis pas ma vie, je la rêve/私は私の人生を生きてはいない、それを夢みている」Fayard社から刊行、また10月24日、25日Philharmonie de ParisParc de la ViletteParis19区、で最後となるコンサートを行った。2016年10月7日最後のアルバム「Higelin 75/イジュラン 75」(75歳を迎えたことから)をリリース。2018年4月6日死去、享年77歳。

 

 2.ビラル・アッサニBilal HassaniEurovision 16位

2019年第64回Concours Eurpvision de la chanson/ユーロヴィジョン・シャンソン・コンテストは2019年5月14日から前回の優勝者Nettaの出身国イスラエルのTel Avivで行われた。今回は41カ国が出場、フランス代表Balal Hassaniは「Roi/王様」を歌い16位であった。

Bilal Hassaniは1999年9月9日Paris生まれのACIYouTuber。両親はモロッコ出身、フランスに帰化した母親とParisに住み、父親はシンガポールに住んでいる。2015年6歳から15歳までの少年少女を対象にしたTVTF1のスタ誕番組「The voice kids」の第2シーズンに出場。ブラインドオーディションで2014年のEurovision優勝者オーストリア代表Conchita Wurstが歌った「Rise like a Phoenix」をカバーして通過したが、本番では早々に敗退。2017年6月23日ParisにおけるGay Prideの前日、インターネットを通じて同性愛者であることを公表。2019年1月TVFrance2で行われた2019年Eurovisionフランス代表を決定するコンクール「Destination Eurovision」に出場。このコンクールには既に歌手として実績のあるChimène BadiEmmanuel Moireを含め18人が出場。8人で競った決勝で審査員の順位では5位だったがTV視聴者の圧倒的支持(35%)を受けて優勝、Eurovisionフランス代表に選ばれた。そして2019年4月26日ファーストアルバム「Kingdom」をリリース。これには「Roi」、「Jaloux/嫉妬深い」、「Panic」、「Poison/毒」、「Over you」など12曲収録。「Roi」は作詞、作曲で2018年Eurovisionフランス代表の男女デュオMademe et Monsieurの協力を得ていて、フランス語と1部英語で歌われている。2019年1月4日にはアルバムに先行してシングルでリリースされた。「このアルバムは僕のアイデンティティーを語るもの。僕がどうして今の僕のようになったかはこのアルバムを聞けば分かるだろう」。Hassaniは「Destination Eurovision」及びEurovisionにはこの曲で出場。

2019年Tel Aviv Eurovisionのモットーは「Dare to Dream」、決勝は5月18日Expoセンターで行われ、予選を通過した20カ国、Big 5の5カ国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス)及び開催国の26カ国の代表で競われた。抽選の結果により21番目の登場となったHassaniは2人のダンサー(うち一人は台湾出身のLin Ching Lang)をバックに「Roi」を歌い16位の成績だった。当初14位とされたが、ベラルーシ票の算定誤りがあり23日16位に訂正された。これによっても上位3位の順位に変更はなかった。優勝はオランダ代表、2位はイタリア代表、3位はロシア代表であった。

Roi」 Eurovisionで https://www.youtube.com/watch?v=AjZNbIQtWvw

Jalouxhttps://www.youtube.com/watch?v=tiJXLiY2Og0

 


3.セルジュ・レジアニ Serge Reggiani、「Best of」リリース

2019年7月22日Serge Reggiani(1922-2004 俳優、歌手)が82歳で死去してから15年になる。それを機に歌手Reggianiのヒット20曲を収録したCDBest of」がリリースされた。Reggianiは1922年5月2日イタリアのパルム近郊のレッジオ エミリア生まれ、父は美容師で反ファシスト、家族は彼が8歳の時フランスに移住。父はParis10区Saint-Denis地区に美容院を開き、Reggianiも修業をしていた。彼が14歳の時、ある日女性客の目にシャンプーを入れてしまった。その客は、「ほかの職に就いた方がいいんじゃないの。」と店の向かいにあったある新聞社に連れて行き、その新聞に載っていた映画俳優の養成所の生徒募集の広告を見せ、試験を受けてみたらどうかと勧めた。1年後には優秀な成績で修了。次いでConservatoire national d’Art dramatique/国立演劇学校でも学び、喜劇と悲劇の優等賞を得て、舞台に立つ。演技力を認められ、42年から映画に進出、42年には「Etoile sans lumière/光なき星」でEdith PiafYves Montand共演、46年にはMarcel Carné監督の「Les Portes de la nuit/夜の門」にも出演など80年までは毎年必ず主演映画を撮り80本以上の映画に出演していた。そのReggianiが歌手に転身したのは40歳を越してから。64年にMontand-Signoletのカップル宅でReggianiBoris Vianの曲を歌うのを聞いたJacques CanettiBrelBrassensを発見した伯楽で、キャバレ「Trois Baudets」のパトロン)は早速ReggianiVianの曲でレコードを出すことを勧め、66年「Le Déserteur/脱走兵」など12曲を集録した「Serge Reggiani chante Boris Vian/セルジュ・レジアニ、ボリス・ヴィアンを歌う」が出された。アルバムはACC賞を得、43歳にしてReggianiは新しいキャリアに船出した。Barbaraは66年のBobino公演ではその1部に出演させた。67年の2枚目LPは「Les loups sont entrés dans Paris/狼たちがパリに入ってきた:パリの狼たち」、Georges Moustakiに提供された「Ma liberté/僕の自由」、「Ma solirude/僕の孤独」、「Sarah/サラ」などを収録、当時イェイェ全盛にもかかわらず、同年配者ばかりでなく若者までも捉えた。その後は、Claude LemesleJean-Loup DabadieSerge Gainsbourgなど当時の超一流の作詞家、作曲家に曲の提供を受けることができたこともあり、variété françaiseのスターの一人となった。しかし80年に、すでにシンガーソングライターとして活躍し、74年にはBobinoで親子リサイタルを行った長男のStephanが自殺するという悲劇に見舞われ、そのショックから容易に立ち直ることができなかった。81年、82年とアルバムも出し、83年にはOlympiaにも出演したが、極度の精神的疲労、アルコールによる衰弱との戦いの日々であった。その後絵を描くことにより安定を得、91年には歌手生活25周年をオランピア出演で祝った。93年には70歳を記念してアルバム「70 balais/70歳」をリリース。98年Légion d’HonneurOfficier勲章受章。99年にはアルバム「Les Adieux différés/延期された別れ」を、2000年には遺言とも言えるアルバム「Enfants,soyez meilleurs que nous/子供達よ、我々よりよりよくなれ」をリリース。2002年にはReggianiの80歳を祝ってMaxime Le ForestierPatrick BruelEnrico MaciasRenaudJane BirkinBénabarら15人の歌手がトリビュートアルバム「Autour de Serge Reggiani/セルジュ・レジアニを囲んで」を捧げている。2003年2月にはVdMで長年の活動に対して特別賞が与えられ、「死が訪れるまで引退する気はない。」と年末には国内で10回以上のコンサートを行った。葬儀は2004年7月27日パリのモンパルナス墓地で行われ、同墓地の9区に埋葬された。

今回の「Best of」には:「Ma liberté/僕の自由」、「「Il suffirait de presque rien/ほとんど何もなくても十分」、「Sara/サラ」、「Les loups sont entrés dans Paris/狼たちがパリに入ってきた:パリの狼たち」、「Le petit garçon/少年」、「Ma solitude/僕の孤独」、「Et puis/そしt」、「Votre fille a vingt ans/あなたの娘は二十歳」、「La java des bombes atomiques/原子爆弾のジャヴァ」、「Madame nostargie/ノスタルジー夫人」、「Ma fille/我が娘」、「L’Italien/イタリア人」、「Le Pont Mirabeau/ミラボー橋」、「Le temps qui reste/残された時間」、「Le déserteur/脱走兵」など20曲が収録されている。

Ma liberté」 https://www.youtube.com/watch?v=Y5YCaqx_b4s

Le petit garçon」 https://www.youtube.com/watch?v=dHxfJLEhPZY

     

KCN 1539

5月の新譜 

1.  クリストフChristopheChristophe Etc

Christopheが2019年17日にリリースした新しいアルバムは 「Christophe Etc」。   Christophe、本名Christophe Bevilacua、1945年パリ郊外生まれACI。50年代にアマチュアグループでヴォーカルとギター、63年、兵役後本格的な歌手活動。65年「Aline/アリーヌ」を歌ってスターの座に、100万枚以上売り上げたこの曲は「tube d'été/夏のヴァカンス期のヒット」になった。65年「Les marionettes/マリオネット」、66年「Exusez-moi, Monsieur le Professeur/先生ごめんなさい」などがヒット。73年当時まだ無名のJean-Michel Jarreの曲「Les paradis perdus/失楽園」を歌い、75年には最大のヒット曲「Les mots bleus/青い言葉」が生まれる。80年にはEPAline」をリヴァイヴァルさせ350万枚売上げる。83年には「Succès fous/大変な成功」(EPは60万枚)。その後も定期的にアルバムを出しステージにも立つ。2003年、前年のOlympia公演でVdMのコンサート賞受賞、2008年にはアルバム「Aimer ce que nous sommes/あるがままの我々を愛する」でACC大賞受賞、2010年にはSACEMGrand Prix de la chanson française/シャンソンフランセーズ大賞を受賞、2014年にはLégion d’Honneur勲章のChevalier章を受章している。extra-terrestreの声で、ナーイーヴな、時にはシュールな曲を歌う、chanson françaiseアイドルの一人、ミステリアスなダンディー。2016年4つ☆評価を受けたアルバム「Les vestiges du chaos/カオスの痕跡」をリリースしている。今回の14枚目のアルバムChristophe Etc」は過去のヒット曲のデュオによるセルフカバー、そしてデュオによる単純なカバーではない。デュオのパートナーはNusky & Vaati(2017年から活動しているrap、hip-hopのデュオ)、Camille(1976年生まれの女性ACI)、Sébastien Tellier(1975年生まれの歌手、ミュージシャン)、Etienne Daho(1956年生まれのACI)、Yasmine Hamdan(1976年生まれ、レバノン出身の歌手、作曲家、俳優)、Son Lux(2008年から活動しているアメリカのpopトリオ)、Chrysta Bell(1978年生まれのアメリカ人女性ACI、俳優)EddMitchell(1942年生まれのACI)、Raphaël(1975年生まれのACI)、Panik Ltdc(1981年結成されたフランスのpunk rockグループ)。これらの幅広いパートナーと共にCristopheは過去の自身のヒットを画家のように新しく塗り上げ、自身がまだまだ変わっていけることを証明した。収められている10曲とパートナーは:「Succès fou」(Nusky & Vaati)、「Petite fille au seleil/太陽を浴びている少女」(Camille)、「Señorita/セニョリータ」(Sébastien Tellier)、「Petit gars/若僧」(Etienne Daho)、「La Man/マン島」(Yasmine Hamdan)、「Les mots bleus」(Son Lux)、「J’l’ai pas touchée/僕は彼女には触れていない」(Chrysta Bell)、「Parfum d’histoires/歴史の香り」(Eddy Mitchell)、「Un peu menteur/ちょっとばかり嘘つき」(Raphaël)、「Cœur défiguré/醜い心」(Panik LTDC

Petit gars」 2010年https://www.youtube.com/watch?v=GB-c3L1b5IA

Petit gars」 「Christophe Etc」でavec Etienne Daho https://www.youtube.com/watch?v=KvG3z98LfWg

Les mots bleus」 1976年9月23日 https://www.youtube.com/watch?v=xJq3g5jG8Vo

Les mots bleus」 2012年https://www.youtube.com/watch?v=3Dd0JgwsM2A

Les mots bleus」 「Christophe Etc」でavec Son Lux https://www.youtube.com/watch?v=j26BlSVfKdY&t=56s

J’l’ai pas touchée」 2018年3月12日avec Chrysta Bell https://www.youtube.com/watch?v=ZJeWgJX7hQg

 

2.アメル・ベントAmel Bent、「Demain/明日」

Amel Bentが2019年517日にリリースした新しいアルバムは「Demain」。Bentは1985年6月21日Indre-et-Loire県生まれ、パリ郊外Seine-Saint Denis県のLa Courneuveで育つ。歌手で、作詞、作曲もする。父はアルジェリア人、母はモロッコ人。幼少の頃から歌が上手だと評判。2004年のTVM6のスタ誕番組「Nouvelle Star/新しいスター」に出場、3位。しかし一般視聴者の人気は抜群。04年11月30日にはファーストアルバム「Un jour d'été/ある夏の日」を出す。シングルカットされた「Ma philosophie/私の哲学」(詩には女性ラップ歌手Diam'sが協力)は6週間シングルチャートのトップで75万枚の売上げ。アルバムは65万枚以上の売上げ。06年のVdMで新人歌手賞を受賞。07年アルバム「A 20 ans/20歳で」にはCharles Aznavour(「Je reste seule/私は一人とどまる」の作詞・作曲)、Pascal Obispo(「Nouveau Français/新しいフランス人」の作曲、作詞はLionel Florence)らの協力を得た。08年にはTV番組Hight School Musical 3のテーマ曲「Vivre Ma Vie/私の人生を生きる」を歌う。09年3枚目のアルバム「Où je vais?/私はどこへ行くのか?」では「Le mal de toi/あなたの痛み」のクリップ好評。10年5月Olympia出演。11年4枚目のアルバム「Délit mineur/マイナーな犯罪」にはKyoBenoït Poherに提供された「Je reste/私はとどまる」、JeanJacques Goldmanに提供された「Si jen crois/私がそれを信じれば」などが収められている。Bentは13年「Génération Goldman 2」にはラップ歌手Sopranoとのデュオ「Quand la musique est bonne/音楽が素晴らしければ」で、2014年11月のCharles Aznavourへのオマージュアルバム「Aznavour, sa jeunesse」には「Les deux pigeons/2羽の鳩」で、2016年12月リリースのJohnny Hallydayへのオマージュアルバム「On a toujours quelque chose de Johnny」には「Que je t’aime/どんなにあなたを愛していることか」で参加。前回のアルバムは2014年2月24日リリースの「Instinct/本能」。その後2015年長女Sofia、2017年10月17日には次女Hanaが誕生したこともあって活動を控えていた。「Demain/明日」はBentの5年振り、6枚目のアルバム、タイトルは明日を見つめて新たな出発をしようというBentの意気込みの現れか。収められているのは:La fête/祭り」、「C’est la folie/それは常軌を逸した行い」(rap歌手Sopranoとのデュオ)、「Dis-moi qui tu es/あなたが誰だか話して下さい」、「T’aimer de trop/あまりにあなたを愛している」、「Attendez-moi/私を待っていて」(rap歌手Lacirmとのデュオ)、「Demain」(作詞・作曲でSlimaneの協力を得ている)、「Rien/何もない」(rap歌手Alonzoとのデュオ)、「Ton jugement/あなたの判断」、「Une star/一人のスター」、「Charles/シャルル」(Charles Aznavourへのオマージュ「曲はCharlesの生前にでき上がっていたが、聞いてもらう機会はなかった」)、「A mes filles/娘達に」など15曲。

6月1日のForges les Eauxからツアーを開始、6月26日にはParisGrand Rexに出演。

Ma philosophie」 https://www.youtube.com/watch?v=D38EUIll1pM

Le mal de toi」 https://www.youtube.com/watch?v=5MMMrMGWa-k

Demain」 https://www.youtube.com/watch?v=TAkJRa5GD5M

Charles」 https://www.youtube.com/watch?v=tmlvh9tSdms

 

3.  ルナン・リュスRenan Luce、「Renan Luce

Renan Luceが2019年5月24日にリリースした新しいアルバムはRenan Luce」。Luce1980Paris生まれのACI。幼年期と青春期をBretagne地方のMorlaixFinistère近郊Plourin-les-Marlaixで過ごす。兄Domien 妹のClaireとコーラスグループで歌う。クラシックピアノとサクソフォンを10年間BrestConservatoireで学んだ後ギターを独学、曲を作るように。Toulouseの高等商科学校Ecole supérieure de commerce deToulouseで勉学の傍らギターの弾き語りをしていた。卒業後02年Parisに上り、Clicy広場の近くの小劇場「Le Mery」で3ヶ月間歌う。その後La RochelleFrancofoliesに出場、05年にはBénanbarの前座でツアーに同行。06年5月「Alors chante à Montaubanさあ歌え、モントーバンで」では「Repenti/改心した男」を歌い「Bravos du public/大衆の喝采賞」受賞。06年9月最初のアルバム「Repenti」(「Repenti」、「Les voisines/女性の隣人」、「La lettre/手紙」、「Monsieur Marcel」など収録)をリリース。アルバムは80万枚以上の売上げでdisque de diamantに。06年ACCのレコード大賞受賞(新人賞)、さらに08年のVdMで新人アルバム賞と新人ステージ賞を受賞。09年10月12日セカンドアルバム「Le Clan des Mirosミロ 一族」には「Le Clan des Miros」、「La fille de la bande/一味の娘」、「Nantes/ナント」、「On n'est pas une bêtise près/悪戯なんか気にしない」(映画「Le Petit Nicolas」のテーマ音楽)などを収録、20万枚以上の売上げ。LuceGeorges Brassensへのオマージュ「Putain de toi/いまいましいお前」(2006年)では「L'Orange/嵐」で参加。Adamoの「Le bal des gens bien/紳士淑女の舞踏会」(2008年)では「J'avais oublié que roses sont roses/バラよ、ふたたび」をAdamoとデュオで歌っている。11年には同年代の男性歌手Alexis HKBenoït Doremusと組んで「Seuls à trois/3人だけ」ツアーを行った。また、2014年ミュージカル「Soldat Rose 2」ではジョゼフ少年を演じている。前作は2014年4月リリースの「D’une tonne à un tout petit poids/1tの重いものからごく軽いものまで」。今回の4枚目のアルバムは5年振り。歌詩は詩的で繊細さと独特のユーモアがあり、曲は60年代のBécaudBrelAznavourのよう、伴奏はシンフォニック・オーケストラ、声は厚みと成熟さを備えてきた。5つ☆の評価もある。LuceRenaud(1957-ACI)の長女Lolita Sechanと2009年に結婚、2011年女児Héloise誕生、2016年離婚。アルバムには11曲収録されている。その中にはこの間の気持ちを歌ったものと思われる、「Au début/最初は」、「On s’habitue à tout/人はすべてに慣れるもの」、「Berlin/ベリリン」(3人でこの都市を旅行した「我々はベルリンではなかった。壁が立ちはだかっていることはなかったから・・」)、「Le vent fou/荒れ狂った風」も。他に、「Le Pont Nemo/ポイント ネモ」、「Dans de beaux draps/二つの綺麗なシーツの中で」、「Cette musique/この音楽」、「Citadin都会人」など。

Luce12日にはFrancofolies de la Rochelleに出場、11日から国内ツアーを開始、1128日にはParisSalle Pleyelに出演の予定。

「La lettre」 https://www.youtube.com/watch?v=UR1GZrzizXM

Au début https://www.youtube.com/watch?v=4VTiVTIkk0g

Le vent fou」 https://www.youtube.com/watch?v=0f9-cB0SBfo 

 

4.リリアン・ルノーLilian RenaudLilian Renaud

Lilian Renaud、2019年5月17日にリリースした新しいアルバムは「Lilian Renaud」。Lilian Renaudは1991年10月フランス東部Bourgogne-Franche-Comté地方DoubsBesançon近郊の小村Mamirolle生まれの歌手、作詞・作曲も行う。幼少の頃から音楽に興味のあったRenaudは酪農の高等技術者免許取得後、チーズ製造工場で働く傍ら、2013年友人とデュオを組んで活動。2014年本格的に音楽を学ぼうとNabcyMusic Academyに入学。2015年1月10日に始まったTVTF1のスター誕生番組「The Voice, la plus belle voix」の第4シーズンに出場。出場のため初めてParisに上った由。番組ではFrancis Cabrelの「Octobre」、Christopheの「Les mots bleus/青い言葉」、Jean-Jacques Goldmanの「Là-bas/あちらで」(審査員Zazieとのデュオ)などを歌い優勝。2015年11月13日Marcury Recordからファーストアルバム「Le bruit de l’aube/夜明けの雑音」をリリース。アルバムには「Pour ne plus avoir peur/もう恐れを持たなくなるように」、「Le bruit de l’aube」、「Ma terre/僕の土地」、「J’attends/僕は待っている」など11曲収録、リリース後3ヶ月足らずの2016年1月26日disque de platine(10万枚以上)に認定された。2016年11月13日セカンドアルバム「Le cœur qui cogne/ドキドキする心臓」リリース。これにはYcare(1983-ACI)やZazie(1964-ACI、「The Voice」の審査員)に詩や曲を提供されたもの及びLilian自身が作詞・作曲で関わったもの全12曲を収録。Lilianは当時椎間板ヘルニアを患っており、アルバムリリースの直後から療養のため2年以上歌手活動の休止を余儀なくされた。歌手活動休止の原因は、「Fromager à casquette/ハンチング帽を被ったチーズ職人」から突然スターになったことによる精神的な疲労もあると言われている。この間2018年に3ヶ月間アイルランドで過ごした。「アイルランドは好きな土地。そこで生まれた曲も好き。滞在中多くの曲を作った。今回のアルバムに収録した16曲のうち7曲は英語で歌っている。それは英語の方が僕の曲に合っているように思えるから。今回はレコード会社を離れて自主制作でアルバムを作った。だから自由があった。アルバムのタイトルに自分の名を付けたのは再出発の意味を込めた」。3枚目となる今回のアルバムに収められているのは:「On en verra encore/まだそれを見るだろう」、「Quoi de plus beau/何かより美しいもの」、「Sourire plutôt/むしろ微笑みを」、「Mère/母親」、「Chanson d’amour/愛のシャンソン」、「Je m’appelle Brahim/我が名はブライム」、「Je remonte la vallée/僕は谷を登る」、「I wanna Believe」、「Canadian Sky」、「The Water」、「The Heart of a Woman」など。

Là-basTVThe voice」決勝でZaziehttps://www.youtube.com/watch?v=FCjZ8iUJEeY

Pour ne plus avoir peur」 https://www.youtube.com/watch?v=ywyKzAo161Q

On en verra encore」 https://www.youtube.com/watch?v=7qfhyaSSIsc

No.1537  2019. 6.1

KCN  1537       2019.6.1

3、4月の新譜 4題 ご紹介いたします。                                       

1.ケレン・アンKeren Ann、「Bleue/青い」


Keren Annが2019年3月15日にリリースした新しいアルバムは「Bleue」。

Keren Ann1974310日イスラエル・カイサリア生まれのACI、ギター、ピアノ、クラリネットを演奏するミュージシャン。11歳までイスラエルとオランダで暮らし、その後家族でフランスに移った。現在活動の拠点をパリ、ニューヨーク、イスラエルに置く。2000年に、当時パートナーだったBenjamin Bioay(1973-ACI)のプロデュースでアルバム「La biographie de Luka Philipsen/ルカ・フィリップセンの伝記」をリリースしてデビュー、アルバムにはBiolayとの協力で作詞/作曲した「Jardin d’hiver/冬の庭:木漏れ日の庭:温室」、Annが単独で作詞/作曲した「Peut-être/多分」など13曲収録。新しい「Chanson Française」界の最も才能あるアーティストの一人と目されるように。Biolayとのコンビは2000年リリースされたHenri Saivador(1917-2008 ACI)のアルバム「Chambre avec vue/眺めの良い部屋」のプロデュースを行い、「Chambre avec vue」、「Jardin d’hiver」など4曲を提供。このアルバムは100万枚以上売り上げ、このコンビは「Salvadorを蘇らせた」と言われた。Annはその後2002年「La disparition/消失」(Biolayと協力)、2003年「Not Going Anywhere」(Biolayと協力、全曲英語)、2004 年「Nolita」(以後Ann単独で作詞/作曲、10曲中、フランス語4曲、英語6曲)、2007年「Keren Ann」(全曲英語)、2011年「101」(全曲英語)、2016年「You’re Goona Get Love」(全曲英語)と定期的にアルバムをリリースしている。

8枚目なる今回のアルバムは17年振り全曲フランス語で歌われている。タイトル「Bleue」は形容詞「bleu/青い」に「e」が付いていて形容されているものが女性であることを示している。そして収められた曲の多くが「tourment de l’amour/愛の苦「nostalgie/ノスタルジー」あるいは「tristesse/悲しみ」をテーマにしている。収められているのは:Les jours heureux/幸福な日々」、「Bleu/青い曲のタイトルには「e」は付いていない)。「Le fleuve doux/緩やか な河」、「Nager la nuit/夜泳ぐ」、「Sous l’eau/水の下」、「Le goût d’inachevé/未完成の審美眼」、「La mauvaise fortune/不運」など10曲。

Jardin d’hiverKern Ann https://www.youtube.com/watch?v=im9fspvvkf4

Jardin d’hiverHenri Saivador https://www.youtube.com/watch?v=uXg2qyPUDvE

Bleuhttps://www.youtube.com/watch?v=LTg6VR4ZdrQ

Les jours heureux」 https://www.youtube.com/watch?v=b2cRuOFMnEM

 

2.ゴーヴァン・セルスGauvain Sers、「Les oubliés/忘れられた人々」

 Gauvain Sersが2019年3月29日にリリースした新しいアルバム「Les oubliés」。

Sers1989年10月30日フランス中部Haute-VienneLimogesで生まれ、Creuseで育ったACI.。音楽好きの父親の影響でJean FerratRenaudAlain SouchonAllain Leprestらの曲を聞いて育つ。bac取得後、Toulouseの国立高等技術者学校在学中にギターを弾きながら音楽作りを始め、卒業と同時に音楽で身を立てることを決意、ParisManufacture Chansonで作曲と作詞を学び、Parisのバーなどで自作を歌う。「ギャラはなく、歌い終わった後帽子を持って回った」。歌っているうちに「CDはないのか?」と聞かれるので、2013年には5曲収録のEPを自主制作。そして、2016年10月8日Renaudから電話があり、「君がやっていることにとても興味がある。今度の僕のツアーの第1部で歌ってくれないか?」その3日後の11日には伴奏ギタリストのMartial BortParis Zénithの舞台に立ってRenaudの前座を務めていた。「Paris Zénithでは5日間ステージに立った。この間に観客は私の歌も覚えてくれた。感激だった」。ロンドンも含めRenaudの「Phoenix Tour/フェニックスツアー」の75回のコンサートで第1部に出演。その後もRenaudの推薦でRenaudTV、ラジオ出演で共演。SersのトレードマークはRenaudの前座を務めた際Renaudが「彼はcasquette/ハンチング帽を被っています。それが彼に幸運をもたらすように」と紹介してくれたcasquette。2017年6月にリリースしたファーストアルバム「Pourvu/・・ならいいのだが」はリリースから2週間チャート1位、disque de platine(10万枚以上の売り上げ)になった。

 

今回の2枚目のアルバムのテーマは:Les oubliés」(「Parisから遠く離れた故郷、中心部の商店街は寂れ、公の機関は移転し、小学校は廃校になる。僕たちは忘れられたの人々なのか」)、「Ton jean bleu/君のブルジーン」、「La langue de Prévert/プレヴェールの言語」、「L’épaule d’un copain/同僚の肩」、「La boîte a chaussures/靴箱」、「Excuse-moi mon amour/恋人よ、僕を許して」、「Au pays des Lumières/光の国で」、「「Le tiroir/戸棚」、「Changement de programme/計画の変更」、「Petite piaule/ねぐら」、「Tu sais ,mon grand/お前には分かる」、「L’étudiante/女子学生」、「Y’a pas de refaire pour les artistes/芸術家とはそんなもの」、「Que reste-t-il de nous?/我々には何が残っている?」など14曲収録。リリースの週アルバムチャート2位。

Pourvu・・」2017年10月https://www.youtube.com/watch?v=1OZ57KDTR1g

Les oubliésclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=CIfV6TQIhcc

 

3.エム・ポコラM.Pokora、「Pyramide/ピラミッド」

M.Pokoraが2019年4月12日にリリースした新しいアルバムは「Pyramide」。

 

M.Pokora(本名Matthieu Tota)は1985年9月26日Strasbourg生まれのACI。2003年TVM6のスター誕生番組に出演後グループ活動。2004年からソロに。2004年ファーストアルバム「MPokora」をリリースしてから、前作2016年の7枚目のアルバム「My Way」まで定期的にアルバムをリリースしている。このうち、2008年リリースの「M.Pokora、№3」には、フランス語の2曲の他、英語で歌われた12曲が収録されていて、日本を含む27カ国でリリースされた。アルバム「My Way」にはClaude Françoisのヒットをカバーした12曲が収められていて、disque de diamant(50万枚以上の売り上げ)になった。Pokoraは2012年の「Génération Goldman」には女性歌手Talとのデュオ「Envole-moi/僕を飛び立たせて」で参加。2013年9月からフランス、ベルギー、スイスで公演されたミュージカル「Robin des bois/ロビンフッド」では主役「Robin des bois」を演じている。Pokoraは音楽専門のラジオ局NRJが授与する音楽賞の常連受賞者で男性歌手賞を5回受賞(07,11、12、13、14及び15年)、シャンソン賞を2回(06年「Elle me contrôle」、11年「Juste une photo de toi/たった1枚の君の写真」)など都合11個の賞を受けている。また2011年TVTF1の「Danse avec les stars/スターと踊る」コンテストで優勝、優れたダンサーとしても知られている。

 

2018年1月には一時的な活動休止を宣言していたPokoraの3年振り、8枚目となるアルバム「Pyramide」にはアーバンポップス調、R’n’B調の曲が収められていて、それがPokora本来の姿。それらは:「Pyramide」、「Les planètes/惑星たち」、「Seul/たった一人」、「Alter ego/分身」、「California Sunset」、「Effacé/消された」、「Perdu/失われた」(Slimaneの作詞・作曲)、「Tombé/落ちて」(dito)、「L’amour vs l’amitié/愛対友情」、「Pour nous/僕たちにとって」、「Douleur/苦悩」など16曲収録。リリースの週からアルバムチャートの1位

Elle me contrôle」 https://www.youtube.com/watch?v=-tVtrUx-fVA

Comme d’habitude」 https://www.youtube.com/watch?v=CDS3zwpHZ7k

Les planètesclip officiel  https://www.youtube.com/watch?v=qcA07gL7WEw

4.ジャン=リュイ・ミュラ Jean-Louis Murat、「Innamorato/(イタリア語)愛している」

Jean-Louis Muratが2019年4月19日にリリースした新しいアルバムは「Innamorato」。

 

「シャンソンフランセーズの一匹狼」、「無愛想な牧童」などと呼ばれているMurat、本名Jean-Louis Bergheaud1952Auvergne地方の山岳地帯Puy-de-Dome県の寒村生まれのACI。70年代からグループで音楽活動を。その後ソロに。1982年ファーストアルバム[Murat」、84年セカンドアルバム「Passions privées/個人の情熱」を出すが注目されず。89年リリースしたアルバム「Cheyenne autumn」は10万枚以上売上げ新たな出発をした。91年の「Le manteau de pluie/レインコート」も好評で人気と共にスタイルを確立。さらに、Mylène Farmerは1991年リリースした3枚目のアルバム「L'Autre・・/他の・・」にMuratを招き、「Regrets/後悔」をデュオで歌い、それがシングルカットされ30万枚以上売上げた(但しこのデュオはMuratの純粋なファンには不評であったよう)。その後ほとんど毎年アルバムをリリース。全くの革命児というわけでもないが、伝統に忠実というわけでもない、性格は率直さと辛辣さ、アイロニーというより攻撃的(特にパリを標的にして)。Muratの前作は2018年9月28日リリースの「Il Francese/(イタリア語)そのフランス人」。

 

 今回のアルバム「Innamorate」をUnivers社は「album hybride/ハイブリッド・アルバム」と名付けていて、収められているのは12曲、2018年12月のLyon郊外DecinesLe Toboggan文化センターでのコンサートのliveから8曲(主としてアルバム 「Il Francese」収録曲)と新曲4曲。Liveの曲では:Ciné Vox/映画館Vox」(「Il Francese」から)、「Gazoline/ガソリン」(dito)「Il neige/雪が降る」、「Margueritte de Valois/ヴァロワのマルガリット」(dito)、「Je me souviens/僕は思い出す」(dito)、「Les jours du jaguar/ジャガーの日々」など。新曲は「Cœur d’hiver/冬の心」、「Autant en faire quelque chose/何かをやる限り」など。

L’ange déchu堕落した天使」(アルバム「Cheyenne autumn」からhttps://www.youtube.com/watch?v=7BVlbiXcFhw

Regrets」 https://www.youtube.com/watch?v=u617RilV5wU

Autant en faire quelqur chose」 https://www.youtube.com/watch?v=4DQimz0-UFA

 No.1536 2019.5.23   
No.1536  2019.5.23



ヴェロニック・サンソンVéronique Sanson 70歳の誕生日

Véronique Sansonが2019年4月24日70歳の誕生日をPalais des Sports de Paris出演で祝った。
またTVFrance 3では4月26日特別番組「Bon anniversaire Véronique Sanson」を放送。

Sanson
1949年4月24日Paris郊外Boulogne-Billancourt生まれのACI。父親が1970年大阪万博フランス責任者で、Véroniqueも7ヶ月日本に滞在。
1966年夏、姉Violaine、友人のFrançois Bernheim後にPatricia Kaasの「Mon mec à moiモン メック ア モワ」などの作曲者にとともにグループ「Les Roche Martinレ ロッシュ マルタン」を結成。67年4月Pathé-Marconi社から、同社のアートディレクターであったMichel Berger(1947-92)のプロデュースでEPLes Roche Martin」を出す。68年bacに失敗後、音楽に専心することを決意、Pathé社付きの作詞・作曲家として他の歌手に曲を提供。ACIとして69年最初のEPLe printemps est /春がそこに」を出す。当時は数百枚売れた程度だったが、専門家は彼女に注目。72年3月公私ともにパートナーとなっていたBergerのプロデュースで「Amoreuse/恋する女」、「Besoin de personne/誰も必要としない」などを収録したファーストアルバムLPVéronique Sanson」をリリース。LPは好評裏に迎えられ20万枚以上の売り上げ。

Amoureuse」1976年 https://www.youtube.com/watch?v=26Pih5A0pdQ

72年12月「Une nuit sur son épaule/一晩彼の肩で」、「Toute seule/ただ一人」などを収録したセカンドアルバム「De l’autre côté de mon rêve/私に夢の反対側」をリリース。

Sansonは73年Bergerと別れ、アメリカ人ミュージシャン、ロック歌手Stephan Stillsと渡米し、73年3月14日結婚。74年長男Christopher誕生。79年離婚、83年フランスに帰国。アメリカ滞在の間にもアルバム(74年「Le Maudit/呪われた人:悲しみの詩」、76年「Vancouver/ヴァンクーヴァー」(ロンドンで録音)、77年「Hallywood」、79年「7ème/7番目の」、81年「Laisse-la vivre/彼女を生きさせて」)をリリース。1974年10月7日及び9日にはParis Olympia にVedetteとして初出演。 また、1976年6月27日第5回東京音楽祭にフランス代表として出場「Une maison après la mienne/思い出のメゾン」(Violaine作詞作曲)を歌い銀賞。

帰仏後も、定期的にアルバムをリリース:85年「Véronique Sanson」、88年「Moi evenin/私、憎悪」、92年「Sans regrets/後悔なし」、98年「Indestructible/破壊できない」、99年「D'un papillon à une étoile/一匹の蝶から一つの星へ」(Bergerの曲を収録)、2004年「Longue Distance/長い距離」、2008年には全集「Et voilaIntégrale 1967-2007」(CD22枚420曲収録、DVD4枚、全歌詞収録したブクレット付き)、2010年10月「Plusieurs lunes/いくつもの月」、2016年アルバム「
Dignes, dingues, donc・・/自尊、狂気、故に・・」

2018年11月23日には前作で16枚目のスタジオ録音アルバムDuo volatils/揮発性デュオ」をリリース、これには自身のヒット曲を現在のシャンソンフランセーズを代表する歌手とのデュオなどでカバーした15曲Chanson sur ma drôle de vie/私のおかしな人生のシャンソン」(Vianney)、「Besoin de personne/誰も必要じゃない」(Christophe Maé)、「Bahia/バイア」(Alain Souchonなどが収められている。
2015年2月2日コンピレーション「Les années americaines/アメリカの時代」はアメリカ滞在時にリリースされたアルバムからの16曲を収録。

VdMでは1993年と96年女性歌手賞、2013年特別賞を受賞。2015年にはSACEM特別賞を受賞。

Chanson sur ma derôle de vieVianneyclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=vF1zk38YxKQ

Besoin de personneMaéclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=Ypd_w-QtvEs

Sansonは2018年9月11日扁桃腺に腫瘍が見つかったことを公表し、歌手生活で初めて11月及び12月に予定されていた11回のコンサートをキャンセル。その後主に放射線治療を受け、順調に回復。そして7ヶ月に及ぶ療養の後2019年4月3日ToursIndre-et-Loire県)のPalais des Congrèsに出演し、復帰。 その後、4日にNantes、10日にLyonでコンサートを行っている。

4月24日に誕生日を祝ったPalais des Sports de ParisD ôme de Parisとも呼ばれる)でSansonが初めてコンサートを開いたのは1978年で、フランスの女性歌手としては初。その後81年、96年、98年、2015年にも出演している。24日、前座の第1部を務めた息子Christopher Stillsの後、「VéroVéro!」と呼ぶ5000人の観客を前に、健康を回復したことをアピールするためか、右手を突き上げてステージに登場したSanson、最初に歌ったのはDignes, dingues, donc・・/自尊、狂気、故に・・」。
この日の特別ゲスト2人とデュオで2曲、「Chanson sur ma drôle de vie」はVianneyと、「Besoin de personne」はMaéと。「Amoureuse」を歌うと観客を和して、歌い終わると「Joyeux anniversaire」の大合唱。「On m’attend là-bas」ではChristopferがギターの伴奏を。アンコールでは「Ma révérence」などを歌い最後の曲は「Bahia」。楽団演奏の間の休憩を挟んだ
2時間20分のステージで声に異常や不具合を来すことなく弾き語りも含め全23曲を歌い切った。観客の中には、Catherine DeneuveSerge LamaCatherine LaraMarc LavoineLaurent FerrariJean-François Copéなどの顔が。
Sansonは26、27日にも同ホールに出演。

4月24日のステージ CNewsCanal News)からhttps://www.youtube.com/watch?v=A6tKX3Gwp2M&t=16s

On m’attends là-bas/あちらで誰かが私を待っている」4月24日Christopher Stills

https://www.youtube.com/watch?v=1cS7EcdSzrE

Ma révérence」2019年4月26日Palais des Sportshttps://www.youtube.com/watch?v=TrvaMJxFSqo

Amoureuse」2019年4月26日Palais des Sportshttps://www.youtube.com/watch?v=QQhwfEKgovI


TVFrance3で4月26日(金)21:00から2時間半にわたり、Stéphan Berne の司会で、Sansonの70歳の誕生日及び50年のキャリアを祝った特別番組「Bon anniversaire Véronique Sanson」が放送された。録画は4月8日Plaine-Saint-Denisスタジオで行われた。最初に.息子のChristopher Stillsが「ママ、あなたは僕が誕生する前から素晴らしいアーティストでした・・」で始まる母親宛の手紙の形でSansonの略歴を紹介。この間に過去のエポックメイキングな映像が流された。出演した多くのゲストはSansonの病気からの回復をも祝い、Sansonのヒット曲などをSansonのピアノ伴奏で、デュオで歌い、またはソロで歌った。1995年Sansonと結婚、2004年離婚したPierre Palmade(1968年-俳優・ユーモリスト)も登場。

C’est long, c’est court/それは長くて短い」Zazhttps://www.youtube.com/watch?v=8TVgY-a9vD0

Une nuit sur son épauleMarc Lavoinehttps://www.youtube.com/watch?v=yzyV2_326ww

Visiteur et voyageurPatrick Bruelhttps://www.youtube.com/watch?v=F5cqJqpw2po

AmoureuseJeanne Cherhal  https://www.youtube.com/watch?v=kLOkRjsTzew

Sansonは今後5月3日のToulouseから5月16日のRoubaixまで国内及びベルギーでの6回のコンサートを予定しており、7月にはいくつかのフェスティヴァルに出演の予定。

 

 

No.1535  2019.5.17 

No.1535  2019.5.17

今話題のCD 2件ご紹介いたします。

1.  ジャック・ブレル Jacques Brel、オマージュアルバム「Ces gens-là/これらの人々」 

存命であれば今年90歳になるJacques Brelへのオマージュアルバム「Ces gens-là」が2019年4月5日リリースされた。

Brelは1929年4月9日ベルギー、Bruxelles郊外生まれのACI、俳優。50年代初めから自作の曲をBruxellesのナイトクラブで歌う。1953年Philippe社のアートディレクターJacques Canettiの目にとまりParisに。53年から「Les trois baudets」、「L’Echell de Jacob」などに出演。54年Julette GrécoOlympia出演の際「Le DiableOK悪魔」を取り上げてくれ知られるように。54年最初のLPを出す。57年「Quand on n’a que l’amour/愛しかない時」を収録したLPACCレコード大賞を受賞。59年11月vedetteとしてBobinoに出演、「Ne me quitte pas/行かないで」などを歌い好評。61年10月Marlene Dietrichの代役でvedetteとしてOlympia出演し大成功、62年にリリースしたそのliveアルバム「Olympia 61」は60年代を代表するものだと言われている。その後66年の「Ces gens-là」まで8枚のアルバムをリリース。66年8月バックのミュージシャンたちに、ステージからの引退を宣言。66年10月1日から11月1日まで最後のOlympia出演。67年初めNY Carnegie Hallに出演。67年5月16日Lill郊外Roubaix公演が最後のステージ。その後もレーコーディングを続け、67年「Les chanson des vieux amants/懐かしき恋人の歌」などを収録したアルバム「Jacques Brel 67」を、68年「J’arrive/孤独への道」、「Vesoul/ヴズール」などを収録したアルバム「J’arrive」をリリース。また68年には自ら翻訳、監督、主演したミュージカル「L’Homme de la Mancha/ラマンチャの男」をBruxellesParisで公演。自ら監督しBarbaraと共演したの映画「Franz」は1972年フランス公開。73年10月公開Edouard Molinro監督映画「L’enmmedeur/殺し屋とセールスマン」ではLino Venturaと共演。75年から南太平洋のMarquisesに移り住み、その後3年間は公式な消息を絶つ。77年アルバム「Les Marquises/偉大なる魂の復活」をリリース。カムバックを期待されたが78年10月肺ガンのためParis郊外の病院で死去。享年49歳、遺体はMarquisesHiva Oa村の墓地に埋葬された。2013年CD21枚組310曲収録の全集「Boîte à bonbons」がリリースされている。

今回のオマージュアルバム「Ces gens-là」はGrammy賞を4回受賞しているアメリカ人プロデューサーLarry Klein(1956-)のプロデュースによる13曲を収録。13曲及びその発表年、カバーしている歌手は次の通り:

Vesoul/ヴズール」(1968年 Thomas Dutronc

Jacques Brel https://www.youtube.com/watch?v=VakkMDarFDQ

Thomas Dutronc https://www.youtube.com/watch?v=83GorzBWkQ4

La valse à mille temps/華麗なる千拍子」(1959年 Gauvain Sers

Port of Amsterdam/アムステルダムの港」(「Amsterdam」1964年に英語の歌詞、 Marianne Faithful

「Ne me quitte pas/行かないで」(1959年 Slimane

Jacques Brel https://www.youtube.com/watch?v=Vz6r0TP4FBI

Slimane https://www.youtube.com/watch?v=AZf4V4yW6a8

La chanson de Jackyジャッキーの唄」(1966年 Bernard Lavilliers

 Jacques Brel https://www.youtube.com/watch?v=EFG1QLCzICc
 Bernard Lavviliers https://www.youtube.com/watch?v=SbkxDdxJxbQ

Le chanson des vieux amants/懐かしき恋人の唄」(1967年 Melody Gardot

 Jacques Brel https://www.youtube.com/watch?v=B1uT1tEX0Lk

 Melody Gardot https://www.youtube.com/watch?v=Ndp3TT48hfE

Il nous faut regarder目をこらすことが大事」(1953年Oximo Puccino

L’ivrogne酔っぱらい」(1961年 Liv Del Estal

Quand on n’a que l’amour/愛しかない時」(1956年 Carla Bruni

  Jacques Brel https://www.youtube.com/watch?v=ld14tnXCwS8

  Carla Bruni https://www.youtube.com/watch?v=KDgKsruE_B4

Les vieux老夫婦」(1963年 Michel Jonasz

Bruxelles/ブリュッセル」(1962年 Zaz

  Jacques Brel https://www.youtube.com/watch?v=xP0N-UdKXAM

  Zaz https://www.youtube.com/watch?v=CO5Cmcxdo5U

Voir un ami pleurer泣く友を見る」(1977年 Madeleine Peyrouxマデリン・ペルー

Ces gens-làこれらの人々」(1965年 Claudio Capeo

  Jacques Brel https://www.youtube.com/watch?v=O6MGGh8WUco

  Claudio Capeo https://www.youtube.com/watch?v=4TxfhajuaBE

2.ジャン・サブロンJean Sablon52曲収録compilationInternational troubadour」リリース

Jean Sablon52曲収録枚組みCD 「International troubadour」が2019日リリースされた。 

Je
an Sablon190625日パリ近郊Nogent-sur-Marne生まれのACI。父はオーケストラの指揮者で、作曲家。姉は歌手のGermaine Sablon。1923年(17歳)で、ParisThéâtre Bouffes-Parisiensでデビュー、ミュージカル「La dame en décolleté/デコルテの貴婦人」にLucien Boyer(1901-1983 歌手)と共演。1931年Casino de Parisで上演されたrevueParis qui brille/輝くパリ」ではMistinguetteと共演、「La chanson de l’escalier/階段の歌」をデュオで歌う。1931年Discolorから最初のレコードをリリース。1933年ギタリストDjango Reinhardt、ピアニストAlec Siniavineらジャズミュージシャンを伴奏者に迎える新しい試み。しかし先端過ぎてか受け入れられなかった。1936年にはMireille(1906-1996 歌手・作曲家・ピアニストとデュオ「Puis que vous partez en voyage/君が旅に出るから」を歌っている。1936年新しい技術マイクに興味を持ち初めて使用したが「Le chanteur sans voix/声量のない歌手」と批判された。1936年Grand prix du disqueを受賞した「Vous qui passez sans me voir/去り行く君」リリース。1937年ラジオ局NBCに招かれ渡米、2年間滞在。「French Troubadour」あるいは「Bing Crosby français」と呼ばれ、人気に。1939年帰国A.B.Cに出演「Le Pont d'Avignon/アヴィニョンの橋の上で」、「Je tire ma révérence/ご挨拶します」、「J'attendrai/待ちましょう」をジャズ調で歌い、今度は好評。ドイツ占領下のパリ(1940.6-1944.8)には帰らず、北南米で活躍。1946年トレードマークになる口ひげを付けて帰国。1950年Etoile座、Olympiaに出演。その後はフランス国内ばかりでなく、アメリカ、中南米を中心に活躍。1966年5月には来日し、日比谷公会堂で公演。日本でレコードを録音している。1981年75歳の誕生日をNY Lincolin Center公演で祝い(最後のアメリカ公演)、1982年ParisPavillon Gabriel(5,avGabriel パリ8区)でParisさよなら公演、1983年リオデジャネイロRio de JaneroCopacabana Palace)での公演を最後に南仏Antiebeに引退。1994年2月24日Cannesで死去、享年87歳。ParisMontparnasse墓地に埋葬。2004年4月30日パリ16区には遊歩道AlléeJean Sablonが設けられた。

International troubadour」に収録されているのは:「C’est magnifique/セ マニフィック」、「C’est si bon/セ シ ボン」、「Ce petit chemin/この小道」、「Je tire ma révérence」、「Presque oui/ほとんどウイ」、「C’est un jardinier qui boîte/片足を引きずる庭師」、「Rendez-vous sous la pluie/雨のランデヴー」、「Puisque vous partez en voyage」、「Un amour comme le nôtre/たぐいなき恋」、「Vous qui passez sans me voir」、「Sur le pont d’Avignon」、「Les pieds dans l’eau/水につけた足」、「Rhum et Coca Cola/ラムとコカコーラ」、「Couchê dans le foin/枯れ草の中で寝て」、
Ces petites choses/これらの小さなこと、「La chanson des rues/巷の歌」、「Clopin-Clopant/クロパン・クロパン」、「Le fiacre/辻馬車」(蹄の音を口の効果音を使った)、「Il ne faut pas briser un rêve/夢を壊さないで」、「Syracuse/シラキューズ」、「Les feuilles mortes/枯葉」、「Sur les quais du vieux Paris/古きパリの岸辺で」、「Paris, tu n’as pas changé/変わらぬパリ」、「These foolish things」、「J'attendrai」、「Le doux caboulot/懐かしきレストラン」などで総演奏時間は時間

J’attendraihttps://www.youtube.com/watch?v=ApMGZVyEtAY

Puisque vous partez en voyagehttps://www.youtube.com/watch?v=AR-n8p_YGXw

Vous qui passez sans me voirhttps://www.youtube.com/watch?v=dARkooVa7-U

Ce petit cheminhttps://www.youtube.com/watch?v=KteVkVQZLAM

Ces petites choseshttps://www.youtube.com/watch?v=iiUvF5iZkuw

 
 No.1534 2019.4.26   

No. 1534    2019.4.26
Notre-Dame de Paris
 ノートルダム大聖堂 へのオマージュコンサート


 

2019年4月15日火災により多くの損傷を受けたNotre-Dame de Parisへオマージュを捧げ、再建を支援するためのコンサート「Notre-Dame de ParisLe grand concert」が4月20日(土)、ParisInvalidesの中庭で行われ、TVF2で中継された。コンサートは2時間40分にわたった。TVMONDE Japonでは21日(日)1部割愛して放送された。

メインの司会者ははStéphan Berne及びMarie-Sophie Lacarrau。ポピュラー音楽界、クラシック音楽界、ダンス界などの人気スターが出演した。演奏、伴奏はOrchestre National de France

 また、演奏などの間にはNotre-Dame de Parisのドキュメンタリー映像が流され、ParisAnne Hidlgoa市長、Cathédrale Notre-Dame de Parisのオルガン奏者Vincent Dubois、文化大臣Franck RiesterNotre-Dame de Parisはほぼ守られたと言って良い」)、Pastrick Chauvet大司教、消火に当たった消防隊の責任者及び隊員、聖堂のガイド、建築業Cédric Roth-Meyerとのインタビューが行われ、Nolwenn LeroyFautine BallaertBruno GuillonHélène SégaraNaguiからのVideoメッセージが紹介され、また寄付金の募集の告示があった。

 

主な出演者及び歌った曲または演奏した曲などは次の通り。

Angelo. Del VecchioDaniel LavoiRichard Charet  Richard Cocciante(ミュージカルNotre-Dame de Parisの作曲者、ピアノ伴奏):ミュージカルNotre- Dame de Parisから「Belle美しい人https://www.dailymotion.com/video/x767izh

Mireille MathieuShubertAva Maria
 https://www.youtube.com/watch?v=KbcYuHgZQx0


歌い終わった後
「フランスが、世界中がショックを受けた。Notre-Dame de Parisは我々の一部であり、我々の魂であり、我々の国そのもの。彼女(Notre-Dame de Paris)が今後も存在し続けるために何かをしなければ。彼女は我々の心の中にある。我々は彼女を必要としている・・」

BénabarYves Montandなどのヒット曲「A Paris (画像はありません)

Gautier Capuçon(1981-チェロ奏者)& Orchestre National de ParisGabriel Fauré作曲「Elegie/エレジー」https://www.youtube.com/watch?v=QXqQ5rFtupM

Petits Chanteurs à la Croix de Bois木の十字架少年少女合唱団Gérald de Palmas作詞作曲「Marieマリー」 https://www.youtube.com/watch?v=C3MuxED5MNY&t=74s

Laurent Voulzy:自身のヒット曲「Jeanne
https://www.youtube.com/watch?v=aAdIWI_Zqzc

Orchestre national de FranceLa Maitrise et le Chœur de Radio FranceBach作曲「La passion selon St Maieu聖マタイ受難曲」から「Kommt,Ire Tochter, helft mir klagen/来たれ、娘たちよ、我と共に嘆け」

Thomas DutroncJacques Dutroncのヒット曲Il est 5 heures Paris s’éveille時パリは目覚めるhttps://www.youtube.com/watch?v=NcPALWGYUPU

Marie-Claude Pietragalla Julien Derouaultダンスpas de deuxパーフォーマンス

Anggunミュージカル「Notre-Dame de Paris」から「Vivre生きるhttps://www.youtube.com/watch?v=xWlEFvMaRso

Frédérique Miterrand(1947-作家、元文化大臣) Gautier CapuçonMarion Renard(ハープ奏者)Victor Hugoの「Notre-Dame de Paris」の一節朗読とチェロとハープの演奏

Patrick Messinaクラリネット奏者)&Orchestre national de FranceMozart作曲「Concerto pour crarinette et Orchestraクラリネットとオーケストラのための協奏曲」
https://www.youtube.com/watch?v=mz9oJI9Sqaw

Angelique Kidjo(1960年Benin生まれの歌手):Joséphine Bakerのヒット曲「J’ai deux amours二人の恋人」  https://www.youtube.com/watch?v=9GFtvSfVFMc

Orchestre national de FranceLa Maitrise et le Chœur de Radio FranceBach作曲「La passion selon St Maieu/聖マタイ受難曲」から「Wir setzen uns mit Tranen nierder/我ら涙流してひざまずき
https://www.youtube.com/watch?v=Y6o-dp8UsHk


・最後はRenaud Capuçon(1976-バイオリニスト)&ウイーン交響楽団:Jules Massenet作曲Méditation de Thaïs/タイスの瞑想曲」(videoで) (画像はありません)

No..1533  2019.4.19   

KCN 1533    2019.4.19



マルセル・アモン Marcel Amont、90歳

Marcel Amontが2019年4月1日90歳の誕生日を迎えた。

本名Marcel Jean-Pierre Balthazar Miramont、は1929年4月1日Bordeaux生まれの、歌手(作詞、作曲も)、俳優。acの後、体育の先生を目指しInstitut d‘Education Physique/体育学校に入学、同時にBordeaux Conservatoire national d’art dramatique 国立演劇学校で演劇を学ぶ。地元でバンドの歌手、オペレッタの歌手、Molière劇の端役などを演じ、1950年1月にParisに。(詳細は下記略歴に続きます) 

90歳誕生コンサートは2019年4月2日ParisAlhambra(12,rue Yves Toudic 10区)で行われた。Alhanbra1956年Maurice Chevalierの前座で出演したホールであり、2012年11月25日キャリア60周年を祝ったホールでもある。また2018年には10月7日から12月30日まで毎週日曜日夜スペクタクル「Marcel raconte et chante Amont/マルセル、アモンを語り、歌う」を行った。4月2日「Marcel Amont 90 ansça se fête!/マルセル・アモン、90歳を祝う」と銘打ったステージは1時間20分に及び、伴奏はピアニストLeandro Aconchaのみ、最近ではごく普通になったプロンプターを用いることはなかった。最初に歌ったのは2006年のアルバム『Décalage horaire/時差』に収録された「Démodé」。その後「L’amour ça fait passer le temps/恋をすると時間は過ぎ去る」、「Bleu, blanc, blond」、「Le Mexicain」(AmontAznavourに提供された1962年のヒット曲はAznavourとのヴァーチャルデュオで)などのヒット曲を歌う。MCではChevalierTrenetMontandBrassensPiafAznavourとの想い出と尊敬の念を語る。

祝賀には多くの歌手仲間が訪れた。ChristopheMaxime Le Forestier(「Marcelはずーっとスポーツマンだった」)、Gérard LenormanNicoletta(「彼の目にはいつも光がある。彼は大道芸人・・我々を連れて行く」)、Gérard DarmonMichèle Torr(「私に歌手という職業に就きたいと思わせてくれた人物」)、Serge LamaAmont同様Bordeau出身、「子供の頃から知っていた。Marcelは最後の『fantasiste/芸人』」)、Georges Chelon等々。

ステージの最後に「この先いつまでも続けることができるだろうか」と語っていたAmont、この後国内各地を回るツアーに。

 

・・「Joyeux Anniversaire !https://www.youtube.com/watch?v=RNBV_5efz5M

・・「Démodé」(2006年10月)https://www.youtube.com/watch?v=ouknmBhgtAE

・・Charles Aznavourと、2018年アルバム『Par-dessus l’épaule』録音時https://www.youtube.com/watch?v=0RVFZKh7VjA

・・Le Mexicain」(1965年11月)https://www.youtube.com/watch?v=CyDTvQKUb8c

・・「Le Mexicain」(2017年2月)https://www.youtube.com/watch?v=Db0BtF7_tWQ

Le Mexicain/メキシコ人(1962Jacques Plante作詞、Charles Aznavour作曲歌詞の大意

・・浅黒く日焼けした一人のメキシコ人が、パラソル代わりにソンブレロを鼻の上に乗せ、地面に大の字になっている。太陽の位置からすると昼近い、生きることは終わりのない問題、毎日毎夜同じことなら寝ていた方が良い。何か食べ物を見つけなければならない。それが一人の人間を働かせる理由。喉が渇いて吸い取り紙のよう。さいころゲームで一杯を賭ける相手を探さなければ。でも俺の周りにいる連中は詐欺師ばかり。 クリストバルがやって来た、何て偉ぶってるんだ、奴は昨日から将軍さまだ、革命が終わればまた二人で語り合うことも出来るだろう。奴は親友、奴に10ペソ賭けたんだ、くたばっちまうことになれば、10ペソともおさらば。 町中兵隊が駆け回っている、気を付けないと押しつぶされそう。毎朝なんて音だ、大砲まで持ち出して。昼にはそんな大騒ぎは禁止されているはず、昼寝したい人間は沢山いるんだから・・

 

 

 

 

Marcel Amont

本名Marcel Jean-Pierre Balthazar Miramont、は1929年4月1日Bordeaux生まれの、歌手(作詞、作曲も)、俳優。 acの後、体育の先生を目指しInstitut d‘Education Physique/体育学校に入学、同時にBordeaux Conservatoire national d’art dramatique 国立演劇学校で演劇を学ぶ。地元でバンドの歌手、オペレッタの歌手、Molière劇の端役などを演じ、1950年1月にParisに。

1953年キャバレ出演中Jean Nohain(1900-1981司会者、作詞家)に認められ、その一座に入り国内巡業

1954年8月Daeuvilleシャンソンコンクールで「Le pigeons voyagereur/旅する鳩」を歌い「Le prix d’interprétation/歌唱賞」

1956年5月24日~ 7月12日までEdith Piaf Olympiaに出演。当初は第1部の幕開け歌手として。Piafの公演が延長されるに出演者としての格付けが上がり、最終的には準主役、第1部のトリで歌う

1956年最初のEPMarcel Amont』をリリース(「Escamillo/エスカミリオ」、「Le pigeon voyageur」ほか2曲収録)

1956年11月公開の映画「La mariée est trop belle/美しすぎる花嫁」で映画初出演、BBと共演

1958年11月LiveLPMarcel Amont à l’Olympia』(「Cha cha Boum/チャチャ ブーン」、「Viens/お出で」、「Sur la table/テーブルの上には」など9曲収録)ACC大賞

1959年「Bleu, blanc, blond/青、白、ブロンド」(Jean DrejacH. Green

1960年「Les bleuets d’azur/空色の矢車草」(J. LarueGuy Magenta

1962年「Le Mexicain/メキシコ人」(Jaquees PlanteCharles Aznavour

1962年Bobinoに100日間出演

1963年5月、初来日「日本語のおけいこ」(谷川俊太郎作詞、寺島尚彦作詞)を披露。(71年2度目の来日)

1963年「上を向いて歩こう」を「Sous une pluie d’étoiles/星の雨の下で」(Frank Gérald翻案)のタイトルで歌う

1965年5週間に及ぶOlympia公演。背後で12人のバックダンサーに踊らせるという斬新な演出で評判に

1967年10月1日フランスで最初のカラーテレビ放送に出演

1970年Olympiaでのワンマンショーは2週間延長し、都合5週間の出演

1970年「Monsieur qui volait空を飛ぶ紳士」(Claude NougaroAmont

1971年「C’est aujourd’hui dimanche/今日は日曜日」(Bemard EstardyJean-Michel Rivat

1974年「Le chapeua de Mireilleミレイユの帽子」Georges Brassens

1979年「Viennois/ウイーン人」(Alain Souchon)、「La galère/つらい生活」(Maxime Le Forestier/Julien Clerc

80年代から「démodé/時代遅れ」と考えられ、「砂漠を横断するような」停滞時期を過ごし

2006年アルバム『Décalage horaire/時差』でカムバック。

2007年1月18日1日のみOlympiaに出演、23年振りの出演

2008年ユニット「Age tendre et têtes de bois」に参加。このユニットには2015年にも参加している

2009年自伝「Sur le boulevard du temps qui passe/『過ぎゆく時間通り』にて」を出版

2010年11月Emma Daumasの子供向けアルバム『Les larmes de crocodille et autres fables/ワニの涙その他の物語』に参加、「Dino le dinosaur/恐竜ディノ」他3曲を歌う)

2012年10月「Il a neigé/雪が降った」(自伝続編)を出版

2014年9月28日50曲収録『Best of Marcel Amont

2014年3月「Lettre à des amis/友人たちへの手紙」刊行AznavourChevalierMontandSouchonらへの手紙形式の随筆

2018年10月12日アルバム『Par-dessus l’épaule/肩の上に』をリリース。これにはAmontがソロで歌う「Par-dessus l’épaule」、「Les moulins de mon cœur/風のささやき」のほか、Maxime Le Forestierとのデュオ「La galère」、Francis Cabrelとのデュオ「Le chapeau de Mireille」、Charles Aznavourとのデュオ「Le Mexican」、Alain Souchonとのデュオ「Viennois」、Les Nouveaux Compagnonsとのデュオ「Bleu, blanc, blond」など10曲集録。

2019年4月1日90歳

 No.1531 2019.   


  エムM、 「Lettre infinie/無限の文字」

Mが2019年1月25日にリリースした新しいアルバムは「Lettre infinie」。、本名マテュー・シェディッドMatthieu Chedid、は19711221Paris郊外Boulogne-Billancourt生まれのACI・ギター他多楽器演奏者。父はACILouis Chedid、父方の祖母は作家のAndrée Chedid。14、5歳からギターを得意とし、グループで活動。その後Mをステージ名にしてソロに転じ、97年ファーストアルバム「Le Baptème/洗礼」。1999年セカンドアルバム「Je dis aime」をリリース。アルバムに収められた同じタイトルの曲「Je dis aime:ジュ ディ エム/僕は愛しているという ou 僕はMという」の詩は祖母が提供。このアルバムによりVdMの男性歌手賞とコンサート賞受賞。その後アルバム「Qui de nous deeux/我々2人のうち誰が?」(2003)、「Mister Mystère」(2009年)、「Il」(2012年)をリリース。2017年にはMali出身のミュージシャンと共同でアルバム「LamomaliL’âme au Mali:ラーム オー マリ/マリに捧げた魂」をリリースしている。MVictoires de la Musiqueの最多受賞者で、男性歌手賞2回(2004年、2005年)、アルバム賞3回(シャンソンアルバム賞2005年「Qui de nous deux?」で、オリジナル映画音楽アルバム賞2007年「Ne le dis a personne/誰にも言うな」で、ワールドミュージックアルバム賞2018年「Lamomali」で)など13個のvictoireを受けている。今回のアルバム「Lettre infinie」には13曲収録、1曲を除き、Mの作詞/作曲による。娘のBillieがデュオ、またはコーラスで参加している。収録曲は:「Lettre infinie」、「Supercherie/超愛しい人」、「Massai/マサイ族」、「Adieu mon amour/さようなら、僕の愛」、「L’alchimiste/錬金術師」(詩はBrigitte Fontaineに提供された)、「Therapie/治療法」、「Une seule corde一本の弦」、「L’autre paradis/もう一つの天国」など。アルバムはリリースの週チャート1位。Mは3月24日からツアーを開始、Paris登場は12月16、17日のAccorhotels Arena

Je dis aime2000https://www.youtube.com/watch?v=ALV08Oa4kss

MassaiBillie2019.1.27)https://www.youtube.com/watch?v=mTl73YDYYC4

 


2.シャルレリー・クテュールCharElie Couture、「Meme pas sommeil/眠くなんかない」

CharElie Couture201925日にリリースした新しいアルバムはMeme pas sommeil」。Couture、本名BertrandCharlesElieCoutureは1956年ナンシーNacy生まれ、シンガーソングライター、画家、作家、カメラマン。美術学校で絵画を学ぶ。絵画や写真の分野では美術学校に在学当時から展覧会を開いている。幼少の頃からピアノとギターを習い、10代半ばには曲を作っていた。78年最初のレコード「12chansonsdanslasciure/おが屑の中の12のシャンソン」は多少注目された程度。81年の「Poemesrock」に収められて「Commeunavionsansaile/翼のない飛行機のように」がヒットし、PalaisdesSportsOlympiaに出演。83年にはクロード・ベリClaudeBerri監督の映画「Tchaopantin/チャオ パンタン」の音楽を担当。94年には評判のよかった「Jacobimarchait/ジャコビは歩いた」を収めたアルバム「Lesnaïves/ナイーヴな女性たち」をリリース、11月にはOédonオデオン座で「Concertnaifaupaysdesanges/天使の国でのナイーヴなコンサート」を行う。その後も定期的にアルバムをリリース、フランス国内外でのコンサートは常に満員。98年のヤウンデコンサートの前座はヤニック・ノアYannickNoahであった。2001年にはデビュー20周年をOlympiaで。04年からアメリカに住み、アメリカでは画家として活動していて、その分野で有名。06年にはアルバム「NewYor-Cœur/ニューヨークのハート」、2011年アルバム「FortRêveur/強い夢想家」、2016年アルバム「Lafayette」をリリースしている。

今回のアルバムには「Les chevaux froids/凍えた馬たち」、「Meme pas someil」、「Another Man」、「Seul et unique/唯一で独特な」、「Ode a l’Est/東方への叙情詩」、「Toi, ma descendance/お前、私の子孫」、「A Paris je peris/パリでは僕は?」、「Les heureuses caniculaires/猛暑の時間」など13曲収録。Coutureは3月14日から国内ツアーを開始4月12日ParisLe Trianonに出演。

Comme un avion sans aile1981https://www.youtube.com/watch?v=068G1r0hP28

Seul et uniqueclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=qsTbaSKwBbg

 


3.  エマニュエル・モワールEmmanuel Moire、「Odyssee/オデュッセイア」

Emmabuel Moireが2018年2月25日にリリースした新しいアルバムは「Odyssee」。Moire1979Le Mans生まれの歌手、作曲家(最近は、作詞も行う)、俳優。Le MansConservatoireや個人講師について声楽を学んだ後、2000年にFrancis CabrelAstaffortで主宰する音楽講座で学び、その後地元の各種の催しものに出演。いくつかのオーディションに失敗した後、04年ミュージカル「Le Roi Soleil/太陽王」のオーディソンに合格。05年9月から07年7月までパリのPalais des Sportsなどで上演されたこのミュージカルでルイ14世役を演じ、「Etre à la hauteur/高見へ」、「Pour arriver à moi/私の許に来るために」、「Je fais de toi mon essentiel/私は私にとって不可欠なことを行う」、「Tant quon rêve encore/まだ夢みている限りは」などを歌い人気に。06年11月最初のアルバム「La où je pars/僕が出発した場所」をリリース、そこに収められた「Le sourir/微笑み」は特に好評、アルバムは12万枚以上売り上げた。07年9月にはポーランドのSopotで行われた「Festival de Sopot」で、「Ça me fait du bien/それは気持ちがいい」を歌い「Chanteurs internatinaux/国際歌手」部門で優勝。09年4月には2枚目のアルバム「Léquilibre/均衡」をリリース。11年にはミュージカル「Cabaret」に出演。12年Jean-Jacques Goldmanへのオマージュアルバム「nération Goldman」では「Au bout de mes rêves/夢の終わりに」をAmandine Bourgeoisとデュオで歌っている。13年4月には3枚目のアルバム「Le Chemin/道」(「Beau Malheur/美しい不幸」、「Ne saimer que la nuit/愛し合うのは夜だけ」などが好評で、30万枚以上の売り上げ)を、2015年4枚目のアルバムのアルバム「La Rencontre/出会い」をリリースしている。今回のアルバムには13曲収録されている。そのうち5曲は(「Le grand saut/大いなる救済」、「La femme au milieu/真ん中に写っている女性」、「La quete/探求」、「La promesse/約束」、「Mon odyssee」)はMoire自身の作詞/作曲によるもの。「Des mots a t’offrir/君に捧げる言葉」はJean-Jacques Goldmanの詩に曲を付けたもの、他に作詞/作曲でJean Pham Huu TriEric Langloisらの協力を得た「Et si on parlait d’amour/愛について語れば」、「Qui es tu ?/君は誰?」、「Le hero/一人のヒーロー」、「Le plan du monde/世界地図」など。

Moireは2019年のEurovisionのフランス代表を決めるコンクール「Destination Eurovision」に「La promesse」で出場したが、代表にはなれなかった。現在国内およびベルギーでの13回のコンサートが予定されていて、12月10日ParisSalle Pleyelに出演。

Le sourir2007https://www.youtube.com/watch?v=gI4rmVnGLa8

La femme au milieuhttps://www.youtube.com/watch?v=OjYSYOrr9c8

 

                        
4.  コルネイユ Corneille、「Parce qu’on aime/愛しているから」

Corneilleが2019年2月15日にリリースした新しいアルバムは「Parce qu’on aime」。Corneilleは1977年生まれ、本名CorneliusNyungura、カナダ国籍のACI。ルワンダ人の両親が留学中のドイツで生まれ、幼少期をルワンダで過ごす。94年ルワンダにおける種族対立による虐殺で家族を失ったが、自身は両親の友人のドイツ人の許に逃れた。97年勉学のためカナダ、Montrealへ。そこで友人とRnBグループを結成、2001年からはソロで歌うように。2003年ファーストアルバム「Parce quon vient de loin/遠くから来たから」は「Seul au monde/世界でたった一人」など自身の体験を歌った曲も収められていてカナダ、フランスで大ヒット。2004年にはカナダ国籍を取得。2005年アルバム「Les Marhands de reves/夢を売る人たち」、2007年アルバム「The Birth of Cornelius」(日本でも発売され、それを記念して2007年6月26日来日しカナダ大使館でコンサートを開いたとの資料あり)。その後も定期的にアルバムをリリーししている。また2012年の「Generation Goldman vol 1」には「Quand tu denses」、2013年の「vol 2」には「Bonne idee」で参加している。Coeneilleは対エイズ活動などの人道的支援活動に積極的に関わっている。今回の8枚目のアルバム「Parce qu’on aime」には夫人のSofia de Medeirosとの共作による12曲が収録されている。それらは:「Le chant des cygnes/白鳥の歌」、「Tout le monde/みんな」、「Manque de someil/睡眠不足」、「Mona Lisa」、「Le bonheur/幸福」「Un autre moi/もう一人の僕」など。4月3日ParisL’Alhambraに出演。

Seul au monde」2004年https://www.youtube.com/watch?v=hojorMMVKYA

Tout le mondeclip officielhttps://www.youtube.com/watch?v=gJlodw4w1BA

 


5.  ララ・ファビアン Lara Fabian、「Papillon/蝶々」

Lara Fabianが2019年2月15日にリリースした新しいアルバムは「Papillon」。

Fabian、本名Lara Sophie Katy Crokaertは190年ベルギー、BruxellesEtterbeek生まれのACI。14歳からベルギーで歌手として活動。88年Luxembourg代表でEurovisionに出場4位。89年にリリースしたシングル「Je suis/私は」のプロモーションで訪れたカナダが気に入り90年代数年間Canadaで活動。97年シングル「Tout/全て」がヨーロッパでヒット、この曲を収録したアルバム「Pure/純粋な」は100万枚以上の売り上げ、98年VdM新人歌手賞を受賞。99年全曲英語で歌った「Lara Fabian」によりアメリカでも人気に。2002年に同じベルギー出身の女性歌手Maurane(1960-2018 ACI)とデュオで歌った「Tu es mon autre/あなたはもう一人の私」はシングルが30万枚以上売上げのヒットに。2009年のアルバム「Toutes les femmes en moi/私の中の全ての女性」はBarbaraの「Göttingen/ゲッティンゲン」、Dalidaの「Il venait d’avoir 18 ans/18歳の彼」などをカバーした先輩女性歌手へのオマージュ。10年30曲収録のベスト盤をだしている。10年9月には仏、英、伊、露、西語で歌った11曲を収録したアルバム「Mademoiselle Zhivago」をロシアとウクライナでリリース(フランス、ベルギーでのリリースは12年6月)、その後10年から12年にかけて東欧諸国、ロシアツアーを行っている。13年4月アルバム「Le secret/秘密」をリリース後聴覚の不調により活動を休止していたが、回復。2015年11月「Ma vie dans la tienne/あなたの人生の中の私の人生」をリリースしている。2016年7月に予定されていた来日公演は中止。前作は2017年10月リリースの「Camouflage」、英語で歌われているPop-Rockの12曲収録。今回のアルバム「Papillon」にはMon DenebiSharon Vaughnの協力を得て作詞・作曲した11曲が収録されている。11曲は「Papillon」、「Je suis a toi/私はあなたのもの」、「Changer le jeu/遊びを変える」、「Par amour/愛で」、「Je ne t’aime plus/もうあなたを愛してはいない」、「Pardonne/許して」、「Superman」、「Sans ton amour/あなたの愛なしでは」など。Fabianは2019年9月にはアメリカ、シカゴなどでのコンサートの予定。2020年1月から「50 World Tour」を計画していて、2020年3月24日Paris Olympia出演。

Tu es mon autre」2009年https://www.youtube.com/watch?v=h_RTXeOTcXc

PapillonOfficial Video https://www.youtube.com/watch?v=dzWit_mevK0

No.1530  2019.4.3. 

No. 1531    2019. 4. 3



第34回 2019年VdM授賞式が2月8日Daphné Burkiiの司会でLa Seine MusicaleParis郊外Boulogne-Billancourt
を会場に行われた。TVFrance 2が21:00~01:30実況中継。

式ではまず2018年に死去したMaurane(1960.12.12-2018.5.7 ベルギー出身のACI)、Charles Aznavour(1924.5.22-2018.10.1 ACI)、Jacques Hijelin(1940.10.18-2-18.4.6 ACI)への追悼が行われた。

Mauraneの追悼では、Mauraneが1994年(第9回)VdMでフランス語圏歌手賞を受けた場面、2002年Lara Fabianとデュオで「Tu es mon autre/あなたはもう一人の私」を歌っている場面の映像などが流された。Aznavour追悼ではヒット曲「For me formidable」をCamélia JordanaJeanne AddedClara Lucianiが歌い、Hijelin追悼では息子のArthur Hと娘のIziaがヒット曲「Je ne peux plus dire je t’aime/もう君を愛しているとは言えない」をデュオで歌った。

For me formidablehttps://www.youtube.com/watch?v=vB0c4JiicBw

Je ne peux plus dire je t’aimehttps://www.youtube.com/watch?v=LdVat2NNeqk

 

今回の各賞受賞者は以下の通り:

・男性歌手賞:

ビッグフロ エ オリBigflo et Oli(他の候補者はEtienne DahoEddy de Pretto

Bigflo & Oliは、Bigflo(本名Florian Ordonez 1993.1.22-)とOli(本名 Olivio Ordonez 1996.4.19-)のToulouse生まれの兄弟によるラップデュオ。2005年最初の曲「Château de carte/カードの城」をYouTubeに投稿している。その後もYouTubeへの投稿、あるいはToulouseにおけるラップバトルへの参加などにより知られるようになり、Sexion d’AssautCaliなどの前座で歌う。2015年9月ファーストアルバム「La our des grands/偉人たちの中庭」をリリース。2016年6月24日のreedition版に追加された「Je suis/僕は・・」でSACEMRolf Marbot賞(楽曲賞)を受賞。2017年NRJ音楽賞でグループ/デュオ賞を受賞。2017年6月23日セカンドアルバム「La vraie vie/真の人生」をリリース、収録されたDommage残念」で2018年VdMのオリジナルシャンソン賞を受賞している。2018年11月3枚目のアルバム「La vie de rêve/夢の人生」をリリースしている。式ではそのアルバムの中から「Rentrez chez vous/君の家へ帰れ」を歌った。今回のVMではアルバム「La vie de rêve」で「アーバンミュージックアルバム賞」も受賞している。

Rentrez chez voushttps://www.youtube.com/watch?v=RJpsbUGGTCI

 

・女性歌手賞

ジャンヌ・アデッドJeanne Added他の候補者は Christine and the QueensVanessa Paradis

Jeannne Addedは1980年9月25日Reims生まれのジャズ、ロック系ACI。主として英語で歌う。2001年からConservatoire national supérieur de musique et de danse de Paris/パリ国立高等音楽・ダンス学院で学び、ジャズクラスを主席で卒業。その後ロンドンのRoyal Academy of Musicでも学んでいる。2006年から主としてチェロ、ベース奏者として多くの分野のミュージシャンと組んで演奏活動。2008年から自作を歌うように。2011年にはEPを、2015年6月にはファーストアルバム「Be Sensational」をリリース。アルバムは2016年VdMで新人アルバム賞にノミネートされた。

2018年9月4日セカンドアルバム「Radiate」をリリース。これには「Radiate」、「Both Sides」、「Falling Hearts」、「Mutate」、「Enemy」など10曲収録。2018年10月TV番組「C à vous」に出演「Both Sides」を歌い、また11月24日同「On n’est pas couché」に出演「Mutate」を歌うなどして一般に知られるように。2018年10月からツアーを行っていて、2019年4月3日 ParisZénith に出演予定。式では「Radiate」を歌った。今回のVdMではアルバム「Radiate」で「ロックアルバム賞」も受賞している。

Radiatehttps://www.youtube.com/watch?v=BYbVtMdRoH8

・シャンソンアルバム賞

アラン・バッシュングAlain Bashungの「En amont/川上に」(他の候補はAlain Chamfortの「Le désordre des choses」、Christine ande the Queensの「Chris」)

Alain Bashungは1947年12月1日Paris生まれ、2009年3月14日Parisで死去したACI、俳優。1962年友人たちとグループ「Hill Billy」を結成、フォークやロカビリーを歌い、地方のホテルやレストランあるいはドイツ駐留米軍キャンプなどを回る。1966年からソロで活動を開始、アルバムを出すが成功せず、1980年「Gaby,oh Gaby/ガビー、オー ガビー」が最初のヒット。1981年ParisOlympiaに出演。1986年のアルバム「Passé le Rio Grande/リオ・グランデを通過」VdMでロックアルバム賞を受賞。1998年1月アルバム「Fantasie militaire/軍隊のファンタジー」リリース。アルバムは2005年第20回記念のVdMで特別賞「過去20年の最優秀アルバム」に。またその中に収められた「La nuit je mens/夜僕は嘘をつく」は2013年「歌手が選ぶトップ100曲」の2位に。2008年3月生前最後のアルバム「Bleu pétrole/青い石油」をリリース。このアルバムによりBashungは2009年VdMで男性歌手賞、シャンソンアルバム賞を受賞。Bashungは「Roi des Victoires/ヴィクトワールの王」あるいは「Recordman des Victoires/ヴィクトワールの記録保持者」と呼ばれていて男性歌手賞を3回受賞するなど生前すでに12個のVictoireを受賞。2009年3月14日ParisSaint-Josph病院で肺ガンのため死去、享年61歳。Père-Lachaise墓地に埋葬された。2012年6月、住んでいたParis18区Goutte-d’Or地区16、rue de JessaintSquare Alain Bashungが誕生した。

今回受賞の対象となったアルバム「En amont」は没後10年になるのを記念して2018年11月23日にリリースされたもので、アルバム「Fantaisie militaire」からの協力者であるEdith Fambuenaのプロデュースによる。収められている11曲は主としてアルバム「Bleu pétrole」製作の段階で収録されなかった曲などからBashungの未亡人Chloé Monsが選定、当時活躍していたACIなどから詩や曲を提供されたもの。11曲は:「Immortels/不滅の人々」(Dominique A作詞/作曲)、「Seul le chien」(dito)、「La mariée des roseaux」(Doriand作詞/Bashung作曲)、「Nos âmes à l’abri」(dito)、「Elle me dit les mêmes mots」(Daniel Darc作詞/Bashung作曲)、「Montevideo」(Mickey 3DMickaël Fumon作詞/作曲)、「Les Salines」(Raphaël作詞/作曲)など。

授賞式ではFambuenaMonsvictoireを受け取った。この受賞によりBashungvictoireは13個となりMMathieu Chedidと並び最多となった。

Immortelshttps://www.youtube.com/watch?v=E5rIb1t6Ukw

 

・オリジナルシャンソン賞

ブルヴァール・デ・ゼールBoulevard des Airsの「Je me dis que toi aussi/僕は君も同じだと思う」(他の候補LouaneJulien Doréのデュオによる「Midi sur novembre」、Aya Nakanuraの「Djadja」、OrelsanDamsoのデュオによる「Rêves bizarres」)

Bourlevard des AirsBDA)は2004年TarbesHautes-Pyrenées県)の高校生Dasque兄弟を中心に結成されたグループで、メンバーが作詞作曲した「ホームメイド」のポップ、ロック、エレクトロなど多彩な楽曲をレパートリーにしている。2011年ファーストアルバム「Paris-Buenos Aires」リリース後、国内、スペイン、スイス、カナダなどを回るツアーを行い、ステージでのパフォーマンスが評判になり2013年のVdMでは新人ステージ賞の候補に。2015年にリリースしたアルバム「Bruxelles」は20万枚以上の売り上げ。2018年8月31日今回の受賞曲「Je me dis que toi aussi」、「Tout le temps」、「Si la vie avance」など11曲収録のアルバム「Je me dis que toi aussi」をリリース。その週チャートの3位に。2018年6月Institut français横浜主宰ののフランス月間の際来日公演。

Je me dis que toi aussihttps://www.youtube.com/watch?v=z2Q3LYG881c

 

 

・新人アルバム賞:

アンジェルAngèleの「Brol/ブロル」(他の候補はFoéの「Il」、Roni Alterの「Roni Alter」)

Angéle、本名Angèle Van Laeken、は1995年12月3日ベルギー、Uccle生まれのACI.父親はフランスでもよく知られている現役のACIMarka、母親は女優・劇作家Laurence Bibot、3歳年長の兄はラップ歌手のRoméo Elvis.Bruxelles郊外で育ち、5歳からピアノを習い、高校卒業後Anversでジャズピアノを学び、父親のバックバンドを務め、友人の勧めもあってACIに。最初はBruxellesのカフェなどで歌い、2017年にはベルギー出身のラップ歌手Damsoの前座で歌う。2017年10月30日最初のシングル「La loi de Murphy/マーフィーの法則」をリリース、そのオフィシャルクリップは現在まで2000万回の再生。2018年5月にはParisに登場、TrianonMC Solaarと出演、その後各地のフェスティヴァルに出演、10月31日にはTV番組「C à vous」に出演するなどしてフランスでも人気に。Angèleはまたベルギー出身のラップ歌手Damsoが2018年6月15日にリリースし、フランスでもチャート1位になったアルバムで今回のVdMでラップアルバム賞を受賞した「Lithopédion」には「Silence」を提供、デュオで歌っている。

今回受賞の対象となった「Brol」(ブリュッセル地方の俗語で「désordre/無秩序、混乱」の意のよう)は2018年10月5日にリリースされたAngèleのファーストアルバムで「La loi de Murphy」、「Tout oublier/すべて忘れる」(Roméo Elvisとのデュオ)、「La Thune」、「Je veux tes yeux」、「Jalousie」、「Victime des reseaux」、「Les matins」、「Balance ton quoi」など12曲収録。今回のVMでは「Tout oublier」のclipが「オーディオ・ビジュアル創作賞」を受賞。

  「Tout oublierRoméo Elvishttps://www.youtube.com/watch?v=kYxpICQJtj0

 

・新人ステージ賞

クララ・ルシアニClara Luciani他の候補者Tim DupTherapie Taxi

Clara Luciani1992MartiguesBouches-du Rhône生まれ、一家はコルシカ出身、Marseille郊外育ちのACI、エレキギター奏者。2011年からグループで音楽活動。その後ソロに。2015年から2016年に掛けてはRaphaëlの、2017年にはBenjamin Biorayの前座でツアーに同道。2018年4月ファーストアルバム「Sainte-Victoire/サント=ヴィクトワール」をリリース。これには「Sainte-Victoire」、「La grenade/手榴弾」、「On ne meurt pas d’amour」、「Les fleurs」、「Comme toi」など11曲収録。アルバムはマスコミの高い評価を受けた。

La gernadehttps://www.youtube.com/watch?v=33-1PEvKIwA

 

 

その他の賞の受賞者

・アーバンミュージックアルバム賞:

  Bigflo et Oliの「La vie de rêve

・ラップアルバム賞

ダムソDamsoの「Lithopedion

・ロックアルバム賞

  Jeanne Addedの「Radiate

・ワールドミュージックアルバム賞

 Camelia Jordanaの「Lost

・エレキミュージックアルバム賞

  The Blazeの「Dancehall

・コンサート賞

  オレルサンOrelsan

・オーディオ・ビジュアル創作賞

  AngeleRoméo Elvisの「Tout oublier

 
 No.1530 2019.3.5   

No.1530      2019.3.5



87歳の女性歌手 フランセスカ・ソルヴィルFrancesca SollevillecompilationアルバムMes amours/我が愛」リリース

フランセスカ・ソルヴィルFrancesca SollevillecompilationMes amours/我が愛」リリースFrancesca SollevilleCD2枚組み50曲集録のcompilationMes amours」が2019年1月16日リリースされた。

 

Sollevilleは1932年3月2日Dordogne県、Perigueux生まれの歌手。ソルボンヌで文学を専攻した後、声楽を学び、ラジオ局のコーラスのメンバーに。1958年クラシック歌手としてのキャリアを放棄、ParisRive-Gauche/左岸のキャバレで歌うことを選択。その後Germaine Montero(1909-2000、歌手)の影響を受け、またこの若い歌手の転向を応援したLéo Ferré(1916-1993、ACI)の激励を受け多くのキャバレで歌うように。「L’Ecluse」ではBarbaraBrigitte Fontaineらと出演、「La Contrescarpe」にはSollevilleを聞くためにLouis AragonElsa Trioletが来店、「La Colombe」ではPierre Perretと出演、「Port du Salut」ではPia ColomboMaurice Fanonと出演するなどRive-Gaucheを代表する歌手に。1959年最初のSPレコード「Francesca Solleville chante Aragon et Mac Oran/フランセスカ・ソルヴィル、アラゴンとマッコルランを歌う」(Aragonの詩によるLa rose du premier de l’an/元旦のばら))、Mac Oranの詩による「Le pont du Nord/北の橋」など収録」)をリリースしている。1962年には「Le Tourbillon/つむじ風」(2019年1月の「今月の顔」参照)、「Vingt an/二十歳」(Léo Ferré)などを収録した最初のLPを出している。1964年には「Le Condamné à mort/死刑囚」(Jean Genetの詩にHélène Martinが曲を付けたもの)などを収録した2枚目のLPRécital №2」でACC大賞を受賞。その後もAragon(1976年「Francesca Solleville chante Louis Aragon」をリリース)、Mac OranGenetPaul FortCharles BaudelaireGuiaume Apollinaireらの詩に曲を付けたシャンソンを歌い、また、Allain Leprest(1994年アルバム「Francesca chante Allain Leprest」をリリース)、Jean FerratFerréMartinらのシャンソンを歌い続け、「詩的シャンソンを歌う」歌手として活躍。2001年7月日本(名古屋)公演、2002年1月22日アルバム「En tournée au Japon」をリリース。2017年24枚目のアルバム「Dolce vita」をリリース、5月5日にはParisCafé de la Danseに出演してアルバム収録曲を披露している。「60 ans de luttesde combats et d’amour/60年の闘争、戦闘、愛」との副題がある今回のcompilationMes amours」に収録されているのは:Elle et lui/彼女と彼」、「Mes amours」、「Vingt ans」、「Amsterdam/アムステルダム」、「Le tourbillon」、「Al dente/アル ダンテ」、「Un jour un jour/戦いの日々」、「Nuit et brouillard/夜と霧」、「Potemkine/ポテムキン」、「Est-ce aisi que les hommes vivent/男の生き方」、「Camarade/同志」、「L’affiche roge/赤いポスター」、「Le temps de vivre/生きる時代」、「Le comdamné à mort」、「La vague/波」、「Les instants volés/盗まれた一瞬」、「Robert le diable/ロベール、悪魔」、「Maitenant que la jeunesse/時こそ今は青春」、「L!ami d’un soir/ある夜の友だち」、「On s’ra jamais vieux/決して老いることはない」、「Sous le marronnier du jardin/公園のマロニエの下で」、「Je démènage/私は引っ越す」、「Un homme passe sous la fenêtre et chante窓の下の歌」、「Je chante, excuse-moi/私は歌う、許して」など。

 

Le condamné à morthttps://www.ina.fr/video/I13203977/francesca-solleville-le-condamne-a-mort-video.html

Le tourbillon」 https://www.youtube.com/watch?v=D4I1BiCHJOo

Camarade」 https://www.youtube.com/watch?v=FHUVmk-zp9M

Nuit et brouillardhttps://www.dailymotion.com/video/xfpcah

Je chante, excuse-moi」 https://www.youtube.com/watch?v=7tZSXpKD8LM

 No.1529  2019.2.10   KCN 1529     2019.2.10


ジルベール・ベコーGilbert Bécaud、ベストアルバム「At his BestVol 1、2」リリース 

Gilbert Bécaud(1927-2001 ACI)のベストアルバムが2019年1月9日(Vol 1)及び12日(Vol 2)にリリースされた。

今回のベストアルバムに収録されているのは:
Vol 1」・・「Mes mains」、「Le marchand de ballons/風船売り」、「Je veux te dire adieu/君にさよならを言いたい」「Marianne de ma jeunesse/我が青春のマリアンヌ」、「Les marches de Provence」、「Le pays d’où je viens」、「Le jour où la pluie viendra/雨の降る日」、「Salut les copains/やあ仲間たち」、「C’esr merveilleux l’amour」、「Viens danser/さあ踊ろう」、「Marie, Marie/マリー、マリー」など20曲

Vol 2 」 ・・「Tête des bois/頑固者」、「L’absent/いない人」、「Je te promets」、「Quand l’amour est mort/愛が死んだ時」、「Et maintenant」、「Le bateau blanc/白い船」、「Sur la plus haute coline/一番高い丘で」、「Le judgement/判決」、「Nous, les copains/我々仲間」、「L’entant a l’etoile/星を持つ子供」、「Quand tu danse/君が踊る時」、「Les croix」、「Viens」、「Donne-moi/僕におくれ」など20曲

Les marches de Provence1957https://www.youtube.com/watch?v=ZLt_LT-TYTo

Les croix1966年 https://www.youtube.com/watch?v=vDJuvD3eqhc

Le jour où la pluie viendra1976 https://www.youtube.com/watch?v=_eTYUC_vWTM

Et maintenant1987https://www.youtube.com/watch?v=TW6QiI7hHGA

Mes mains」1988年 https://www.youtube.com/watch?v=TpW-yWeGOmQ

 

Bécaud本名François Gilbert Léopold Silly、は19271024Toulon生まれのACI歳でConservatoire de Niceのピアノ科に入り、パリ解放と同時にパリへ、ピアニストとしてバーやキャバレで演奏。1950年人気歌手Jacques Pillsの伴奏者に。PillsEdith Piafと結婚。Piaf宅でCharles Aznavourと知り合い、Aznavour作詞、Bécaud作曲で「Viens/お出で」、(「Méque, méque/メケ メケ」、「Je t’attends/君を待つ」)、「C’est merveilleux l’amour/愛は素晴らしい」(4曲ともBécaudAznavour両者が録音している)などのヒットを。BécaudPiafに勧められて歌手に。1953年「Mes mains/メ マン:僕の両手」、「Les croix/十字架」を収録した最初のレコードを出している。54年2月5日にはLucienne Delyleの前座でOlympia初出演。この日はミュージックホールとして新生したOlympiaのこけら落としであった。55年2月17日vedetteとしてOlympia初出演。 この公演の際熱狂した若者がホールの一部を破壊、翌日新聞はBécaudに「Monsieur 100Mille Volts/ムッシュー 10万ボルト」の名を。その後「Le pays d'où je viens/はるかなる国から来た男」(56年)、「Les Marchés de Provence/プロヴァンスの市場」(57年)、「Et maintenant/エ マントナン」(61年)、「Nathalie/ナタリー」(64年)、「Quand il est mort le poète/詩人が死んだ時」(65年)、「Seul sur son étoile/一人星の上で」(66年)、「L'important c'est la rose/バラは憧れ」(67年)、「Je reviens te chercher/君を迎えに」(67年)、「C'est en septembre/故郷の9月」(77年)などのヒットを世に出す。

 

1982年SACEMそれまでの功績に対してMedaille d’or/金メダルを贈る。1997年11月70歳の誕生日を改装なったOlympiaのこけら落としで祝う。(Olympiaは95年地域開発のため解体の危機にあったがアーティストたちの抗議、Jacques Langらの支援により改装、存続した)。

1999年生前最後のアルバム『Faut faire avec/一緒にやることが必要』をリリース:「Faut faire avec」、「Les gens delIle/島の人々」、「L’arbre/樹木」、「La fille au tableau/絵の中の少女」など12曲収録。1999年11月33回目、最後のOlympia出演。2000年7月15日スイス Fribourgでの公演が最後のコンサート。

 

2001年12月18日肺癌のため死去、21日Paris Madeleine寺院で葬儀、Père Lachaiseに埋葬。2002年3月遺作アルバム『Je partirai/僕は立ち去る』リリース:「Je parirai」、「Le Cap de Bonne-Espérance/喜望峰」、「Le train d’amour/希望の列車」(Serge Lamaとのデュオ)、「Viens nous aider/我々を助けに来て」など13曲。2011年には後輩の歌手によるトリビュート・アルバム『Bécaud, Et maintenant』がリリースされた:「Alors raconte/さあ話して」(Alain Souchon)、「C’est en septembre」(Julien Clerc)、「Natalie」(Patrick Bruel)、「Et maintenant」(Johhny Hallyday)など15曲収録。1963年日本初公演。その後 1970年、71、72、75、76、78、81、87、89年にも来日公演を行っている

No.1528  2019.1.29
 
KCN 1528   2019.1.29

ミシェル・ルグラン Michel Legrand、死去     
    ※ 記事の最後に載せました ピアノの即興演奏 是非お聞きください。
                                                        






Michel Legrand201926日午前時妻で俳優のMacha Mérilに看取られて死去、享年86歳。重い肺感染症で2週間前からNeuillyのアメリカ病院に入院していた。Legrandは延命治療は行わないよう病院に要請していた由。

Michel Legrand は193224Paris 20区、Menilmontant生まれのピアニスト、作曲家、指揮者、映画監督、脚本家、歌手、俳優、父親Rymond Legrandはオーケストラの指揮者、映画音楽の作曲家。姉は歌手のクリスチャンヌChristiane
パリ国立高等音楽院で学び、20歳で、主席で卒業。在学中よりアレンジャー、伴奏者として活躍。22歳でシャンソンをムード音楽に編曲したLPI love Paris」を出す。ピアニストとしても活動、Miles DavisBill Evansなどと共演したアルバム「Legrand Jazz」(58年)を出している。50年代にはJuliette GrécoMaurice ChevalierHenri Salvadorらの伴奏ピアニストとして活動。60年代から映画音楽の作曲もするようになり、Jacques Demyと組んだ最初が「Lola/ローラ」(60年)、次いで「Les parapluies de Cherboug/シェルブールの雨傘」(64年)、「Les Demoiselles de Rochefort/ロシュフォールの恋人たち」(67年)。更に、Jean-Luc Godard(「Une femme est une femme/女は女である」61年)、Claude Lelouch(「Les uns et les autres/愛と哀しみのボレロ」81年)、Agnes Varda(「Cléo de 5 à 7/5時から7時までのクレオ」(61年、Legrandは俳優としてピアニスト役で出演)、Joséph LoseyEva/エヴァの匂い」(62年)、 DemyPaue d’âne/ロバと王女」(70年)にも協力している。Legrandは3つのオスカーを受賞。即ち:Norman Jewison監督の「L'affaire Thomas Crown/華麗なる賭け」(68年主題曲「The Windmills of your mind」で「Best original song」)、Robert MuliganUn été 42/想い出の夏」(71年「Best original score」)及びBarbara Streisand監督・主演「Yentl/愛のイエントル」(84年「dito」)。 88年にはAnnie Girardot主演の半自伝的映画「Cinq jours en juin/6月の6日間」の脚本と監督。 2000年代に入ってからも:2002年Lelouch監督、Patricia Kaas主演映画「And Now・・・Ladies and Gentlemen」、2009年Eric-Emmanuel Schmitt監督映画「Oscar et la Dame rose/オスカーとマダム・ローズ」、2015年公開Xavier Beauvois監督映画「La rançon de la gloire/栄光の代価」、最後の音楽担当は2017年公開Xavier Beauvois監督の「Les Gardiennes/女たちの戦争:ガーディアンズ」(2017年東京国際映画祭で上映)。映画・TV音楽を200曲以上作曲している。

歌手としては「L'été 42」、「Les moulins de mon cœur/風のささやき」(映画「「L'affaire Thomas Crown」の主題歌のフランス語版)、「La valse des lilas/リラのワルツ」、「Et si demain/そして、もし明日」(Nana Moukouriとのデュオ)などを歌いヒットした。また
2015年1127日にリリースしたアルバムは「Michel Legrand e ses amisミシェル・ルグランとその友人たち」にはLegrandの作曲による13曲を、現在のシャンソンフランセーズを代表する若手及びヴェテラン歌手などがLegrand指揮のオーケストラ、あるいはLegrandのピアノ伴奏で、歌っていて、それらは、「La valse des lilas」(Hélène Ségara)、「Les moulins de mon cœur」(Charles Aznavour)、「Et si demain」(Mario Pelchat)、「Un parfum de fin du monde/世界の終わりの香り」(Vincent Niclo)、「Alcatraz/アルカトラーズ」(Thomas Dutronc)など。

Legrand
71年世界音楽祭で初来日以来度々来日、2007年には生誕75周年記念ジャパンツアーを行い、2018年7月には日仏交流160周年記念行事の一つとして来日公演を行っている。2015年12月L égion d’honneur Commandeur勲章受章。

死去に立ち会った女優Macha Mérilとは1964年に知り合い2014年、Legrand82歳で正式に結婚。知り合ってから結婚まで50年を要したのは、2人とも他の配偶者と結婚していて、その解消のために長い時間が必要だったためだと言われている。

各界からの哀悼の辞

Emmanuel Macron大統領:彼の独特なメロディーは我々の脳裏に焼き付いているし、街中で口ずさまれていて、我々の人生の主題歌のようだ。今日では時代を象徴するメロディーになっている・・

François Hollande 前大統領:彼と共に偉大な作曲家が世を去った。彼はすべての音楽を愛し、音楽も彼を愛していた。彼はその才能によって世界中の人々を魅了した。今日RochefortからCherbourgまでフランスが喪に服している・・

Vladimir Cosma 作曲家:彼はアレンジに高尚さをもたらした。その点ではアメリカ人のアレンジャーよりも数段進んでいた・・

Costa-Gavras映画監督:彼はジャズマン。ジャズと共に新しい音を持ち込んできた。Legrand以降、音楽家と映画監督との共同作業はそれまでとは違うものになった・・

Vincent Niclo歌手:あなたの側で私は多くのことを学んだ。あなたのピアノ伴奏でリハーサルを行った数時間は私にとって夢のような時間だった。あなたのお陰で「Ces moulins dans nos cœurs/私たちの心の中のこの風車」はいつまでも回り続けることでしょう・・

Thomas Dutronc ACIStingStreisandSinatraなど偉大な歌手が歌った彼の曲は、これからも長い間我々を感動させることだろう・・

Hélène Ségara 歌手:あなたと知り合ってから20年、本当に素晴らしい時間だった。あなたが私に示してくれた才能と優しさに感謝します・・

Michele Laroque 俳優:偉大な作曲家Michel Legrandに敬意を捧げます。不滅の名曲をありがとうございます。私たちは映画「Doggy Bag」(1999年公開 Frederic Comtet監督映画)の中で一緒にラップしましたね・・

Tony Bennett 歌手:彼は私にとって宝物のような曲「How Do You Keep The Music Playing」を作ってくれた。彼の音楽はこれからも生き続けるし我々はそれを歌い続けるだろう。彼は優れた作曲家であり、素晴らしい人間だった。彼がいなくなって寂しくなるだろう・・

<葬儀
 葬儀は2月1日午前ロシア正教会Cathédrale Saint-Alexandre-NevbkyParis 8区)で行われ、
 遺体はPère-Lschaiseに埋葬される。

 Les moulins de mon cœur 1976年https://www.youtube.com/watch?v=fy5jsvF7H3E

Michel Legrand en six musiques de film /ミシェル・ルグラン、6本の映画音楽
Lora」→「Cléo de 5 à 7Les parapluies de Cherboug」→Les Demoiselles de RochefortL'affaire Thomas Crown」→Peau d’âne」 https://www.youtube.com/watch?v=DK81gpf64iI

Les moulins de mon cœur」ピアノ演奏 2012年 https://www.youtube.com/watch?v=csTe1e3WZvQ

ピアノの即興演奏 2017年https://www.youtube.com/results?search_query=michel+legrand+piano&sp=mAEB

 
No.1527  2019.1.25 

KCN 1527   2019.1.25

最近の話題  3題           


1. Jonny Hallydayの息子 ダヴィッド・アリディDavid Hallydayのアルバム、
J’ai quelque chose à vous dire/あなた言いたいことがある」評判に

David Hallydayが2018年12月7日にリリースしたアルバム「J’ai quelque chose à vous dire」が好評で、リリースの週アルバム売り上げチャートでは、Johhny Hallydayの「Mon pays c’est l’amour」、Sopranoの「Phoenix」に次いで3位。

 David Hallydayは1966年8月14日Paris 郊外Boulogne-Billancourt生まれ、ACI、ミュージシャン、レーシングドライバー。父親はJohnny Hallyday(1943-2017)、母親はSylvie Vartan(1944-)。両親は1965年に結婚、81年離婚。両親の離婚後Davidは母親とともにLos Angelesに居住、同地で高校の同級生とグループをつくり音楽活動も始めた。1986年には母親Vartanのために「Virage/カーブ」などの作曲を行っている。88年にはファーストアルバム「True Cool」をリリース。その中に収録されシングルカットされた「Higt」は5週間フランスのシングルチャートの1位に。99年にリリースしたアルバム「Un paradisUn enfer/天国/地獄」は30万枚以上の売り上げになり、その中に収録されシングルカットされた「Tu ne m’a pas laissé le temps/あなたは僕に時間を残してくれなかった」(母方の祖父を歌ったもの)は100万枚以上の売り上げで、SACEMVincenr Scotto賞(楽曲賞)を受賞し、Davidは2000年にはNRJ音楽賞でフランス語圏男性歌手賞を受賞。また、1999年9月にリリースされた父Johnnyのアルバム「Sang pour sang/サン プール サン」では収録された12曲全曲の作曲を行っている。アルバムは大ヒットで250万枚以上の売り上げと言われ、VdMでアルバム賞を受賞した。

 今回のアルバム「J’ai quelque chose à vous dire」はDavid13枚目のアルバム。それが話題になっている一つの理由は2018年11月12日NRJ音楽賞授賞式で、Johnny追悼のためDavidがこのアルバムに収録された「Ma dernière letrre/私の最後の手紙」を歌いTV視聴者に感銘を与えたこと(1522参照)。他の理由としてはリリースの日が父親Johhnyの没後1年目に当たったことがある。Jonny没後、その最期や遺産を巡って、様々は情報が入り乱れている。例えばJohnny死亡時の妻Laeticia Johhnyの2人の子(DavidLaura Smet<1983-母親はNathalie BayeSmetHallydayの本名>)がJohnnyの最期に立ち会うことを許さなかった。遺産に関しては、DavidLauraには相続されなかったと報道され、二人とLaeticiaとの間で相続を関して係争中であることが喧伝されている。そのような時期にあって、このアルバムに収められた曲の中にはDavidの父親への追憶の気持ちばかりではなく、継母Laeticiaに対する不満(あるいは攻撃)を暗示するものがある。Davidは父親の死後かなり早い時期から(2018年2月からとの報道がある)曲作りを始めている。「私は悲しみから早く立ち直る必要があった。このアルバムの収められた曲は服喪の気持ちからのものでもあり、自分の立場を守るための救命ブイでもある」。収録されているのは11曲、詩はLionel FlorenceAmo Santasmariaらに提供され、作曲は全曲David自身。11曲は:「J’ai quelque chose à vous dire」、「Ma dernière letrre」(2018年11月12日にシングルで先行リリースされている)、「A toi je pardonne/私はあなたを許す」、「Le nerf de la guerre/軍資金」、「En vie/生きている」、「Seul au monde/世界で一人」、「Eternel/永遠の」、「Mauvais choix/悪い選択」、「Jamis dire jamais/決してとは決して言わない:あきらめてはだめ」、「My reflexion」など。

Sang pour sang」2013年6月15日 Bercyで https://www.youtube.com/watch?v=1KPZQVM2_Sc

Eternel」(clip officiel) https://www.youtube.com/watch?v=DvzFH6rRefY

・・私はあなたの涙の中に清純な気持ちが流れているのを見た。しかし、黒いヴェールの下に隠されたあなたの気持ちがどうなのか私は推し量りかねている。あなたは私が彼の傷ついた体に手を置くことを許さなかった。あなたはすべてを壊すことができる、すべてを消すことができる。しかし愛し合っていた者たちを抹殺するために天を切り裂く必要があるはずだ。愛は永遠だから、愛は永遠だから・・


2.
ジャン=ジャック・ゴールドマンJean-Jacques Goldman、「フランス人が好きな人物」1位

2018年11月に行われた「好きなアーティスト」アンケート(1524)で1位になったJean-Jacques Goldman、2019年1月2日に発表された「好きな人物」アンケートでも1位に。この「好きな人物」アンケートは2018年12月6日~10日にかけて、各界を代表する人物として予めノミネートされた50人につき、年齢、性別、職業などから割当標本抽出で選ばれた15歳以上の1004人を対象に、「あなたが今日のフランスで重要だと思われる人物、あるいは好きな人物10人を選んで下さい」と質問する方法で行われた。その結果上位3人は、1位は35.3%が選んだGoldman、第2位は俳優のOmar Sy(32.5%)、3位は俳優のDany Boon(25.7%)。今回のアンケートにノミネートされた歌手では:Soprano(10位)、Michel Sardou(13位)、Renaud(19位)、Francis Cabrel(21位)、Patrick Bruel(27位)、Florent Pagny(30位)、Louane(32位)、Alain Souchon(34位)、Mylene Farmer(39位)、Zazie(45位)、Nolwenn Leroy(46位)、Line Renaud(47位)。Goldmanは2017年12月のアンケートでも1位、それ以前にも2013年から2015年まで1位、2016年には2位だった。

Goldman1951Paris生まれのACI、音楽プロデューサー。グループ活動後79年からソロ。81年の「Il suffira d’un signe/一つの兆候で十分」、82年「Quand la musique est bonne/音楽が良ければ」、84年「Envole-moi/僕を飛び立たせて」などが大ヒット。86年VdMで男性歌手賞。 プロデューサーとしては、ほぼ全曲作詞作曲したCéine Dionの95年アルバム「D’eux/彼らについて」は、フランス国内で440万枚売り上げるなど、フランス語で歌われたアルバムの歴代最多売上げだと言われている。2001年11月、現在までのところ最新となるアルバム「Chansons pour les pieds/足(ダンス)のためのシャンソン」をリリース。同年10月に再婚した夫人との間の3人の女児との生活を大事にしたいと2004年無期限の活動休止を宣言、夫人の出身地Marseilleに転居、さらに2017年からはロンドンに移住。特別の場合(2017年までディレクターをつとめていたLes Enfoirésのコンサート及びいくつかの慈善コンサート)を除きステージに立つことはない。ただし、作詞作曲は続けていて、活動休止を宣言後も多くの歌手にヒット曲を提供している。

そのGoldmanは2018年4月、Les Enfoirésを立ち上げたColucheの未亡人Véroniqueの葬儀に参列。さらに全く思わぬ形で、突然姿を現した。Patrick Fiori(1969-ACI)は2017年9月29日アルバム「Promesse/約束」をリリース。その中に収録されていた「Les gens qu’on aime/愛する人々」(JJ Goldman 作詞/作曲)を2018年8月28日シングルカットしてリリース。Goldmanは2018年12月から視聴可能なそのclip officielに一瞬顔を見せている。(Goldmanに関してはこの程度のことでもニュースになるんですねー)。

Envole-moi」 clip officiel https://www.youtube.com/watch?v=oltptNDHocw

Tournent les violons」アルバム「Chanson pour pieds」から2002年 https://www.dailymotion.com/video/x18nya

Les gens qu’on aimePatrick FioriGoldmanの登場は0.57から0.59まで)
https://www.youtube.com/watch?v=DFsCU8ckap4

 3.La même/同じこと」(Maître Gims Vianneyのデュオ)、2018年にラジオで最も流された曲

民間の調査機関「Yacast」によると「La même」(作詞Vianney & Maître Gims/作曲Renaud RebillaudVianney & Maître Gims/歌 Vianney & Maître Gims)が2018年フランスの全ラジオ局から最も頻繁に流された曲になった。2位はTom Walkerの「Leave a Light On」、3位はDavid Guette & Siaによる「Flames」。

La même」はMaître Gimsのアルバム「La ceinture noire/黒帯」(2018年3月23日リリース、50万枚以上の売り上げでdiamant disque)に収録、2018年3月9日には先行シングルリリースされている、リリースから4ヶ月でSNEPdiamant disqueと認定されている。

・・Maître Gimsアーバンミュージックの新しい旗手と呼ばれている。本名Gandhi Djuna、1986年コンゴ民主共和国Kinshasa生まれのラップ系ACI。一家は1988年フランスへ。2002年友人らとラップグループSexion ‘Assautwo結成。このグループは2013年NRJ音楽賞でグループ賞を、また「Avant qu’elle parte/彼女が出発する前に」でシャンソン賞を受賞。12年からソロ活動、13年5月最初のソロアルバム「Subliminal」をリリース、50万枚以上の売上げでdisque de diamant/ダイヤモンドディスク。13年5月31日ソロでOlympiaに初出演、11月の「Fête de la chanson française」でParis Match誌新人賞を受賞。2015年8月リリースのMon cœur avait raison僕のハートは正しかった」はCD2枚組。そこの収録された「Sapés comme jamais/今まで以上にめかし込んで」により、2016年VdMでラップとしては初めてオリジナルシャンソン賞の受賞。「La ceinture noire」は3枚目のアルバム。

・・Vianney本名Vianney Bureau1991Pau生まれのACI。2014年10月20日ファァーストアルバム「Idées blanches/実効のない考え」をリリース(2017年9月「君へのラヴソング/Idées blanches」のタイトルで日本発売)。2015年SACEMFrancis Lemarque賞(最優秀新人賞)及びRFM―ParisMatch作詞家大賞新人賞を受賞。2016年のVdMで男性歌手賞を受賞している。 2016年8月にリリースされたCêline Dionのアルバム「Encore un soir」には「Ma force/私の力」を作詞・作曲して提供している。2016年11月25日リリースしたセカンドアルバム「Vianney」に収録された「Je m’en vais/僕は立ち去る」は2017年VdMでシャンソン賞を受賞している。2017年9月来日渋谷Clesea Hotelでコンサート。

Yacastによれば「La même」は2018年中に合計で75000回ラジオから流された。特にSkylockM.Radioはそれぞれ900回以上流している。

この調査でフランスの曲が1位になったのは実に15年振りで。前回は2002年の「Tu trouveras/あなたには分かるだろう」(歌Natasha St-Pier & Pascal Obispoのデュオ)

La même」 2018.11.10 NRJ音楽賞授賞式で 
https://www.youtube.com/watch?v=OLy-X6wKT2U

Tu trouveras」2003.6.19 Fête de la musiquehttps://www.youtube.com/watch?v=GBCCMjDglPM

 
 .1526  2019.1.   No.1526    2019.1.


ルノーRenaud2018SACEM大賞特別賞受賞

Grands Prix SACEM 2018/2018SACEM大賞」の授賞式が昨年12月10日Salle Pleylで行われ、Renaudが「Prix spécial de la SACEMSACEM特別賞」を授賞した。SACEMSociété des auteurs, compositeurs et éditeurs de musique作詞家、作曲家、楽譜出版者協会1851年に設立された、音楽関係の著作権の管理などを行う協会。大賞受賞者は作詞家、作曲家、楽譜出版者20人からなるSACEM理事会によって選ばれる。Prix spécial de la SACEM」はACI、作詞家、作曲家を対象に長年の功績に対して授与される。最近ではSerge Lama (2013年)、Johnny Hallyday

(2014年)、Véronique Sanson(2015年)、Michel Jonasz(2017年)、Salvatore Adamo(2018年)が受賞している。

 

Renaud、本名Renaud Séchan、1952年パリ14区生まれのACI。16歳の誕生日を68年のいわゆる「5月革命」のバリケードの中で迎えた頃から曲を作り始め、75年最初のアルバム「Amoureux de Paname/パナム(パリ)の恋人」は38万枚の売上げ。 77年「Laisse béton/ほっとけ:laisse tomberの逆さ言葉」などを収めた同タイトルのアルバムは55万枚。83年「Morgane de toi/モルガン ド トワ」150万枚の売り上げ。85年「Mistral agnant/ミストラル ガニャン」などを収めた同タイトルのアルバムは200万枚以上。この頃からトレードマークの赤いバンダナを首の周りに巻いた反逆歌手と言われるように。91年のアルバム「Marchand de cailloux/砂売り」(65万枚)でACC大賞。Georges Brassensを尊敬し、師と仰ぎ96年には「Renaud chante Brassens/ルノー、ブラッサンスを歌う」(30万枚)を出している。しかし、50歳になる前から数年間パリのビストロでアニス酒浸りになりながら孤独な生活を送っていた。回復し、シャンソンに戻り、2002年8年振りのアルバム「Boucan d'enfer/地獄の大騒音」をリリース、220万枚の売上げ。これによって翌年03年のVdMでアルバム賞、男性歌手賞及びその中に収められていたAxelle Redとのデユオ「Manhattan-Kaboul/マンハッタン=カブール」でオリジナルシャンソン賞の3賞を獲得した。04年にはAcadémie FrançaiseGrande Médaille受賞。06年アルバム「Rouge sang/赤い血」(「Les Bobos/ボボたち:bourgeoisbohèmeの人たち」、「Malone」などを収録70万枚)。09年アルバム「Molly Malone-Balade irlandaise/モリー・マロン=アイルランドのバラード」をリリース、20万枚以上の売上げ。その後11年に離婚したことなどもあり「インスピレーションが枯渇した」と活動を休止していたが、12年CD18枚組の「Intégrale/全集」がリリースされ、13年には「Arts et Lettres/芸術・文学」勲章Commandeur章を受けている。14年には後輩の歌手たちがRenaudのヒット曲をカバーしたアルバム「Bande à Renaud/ルノー軍団 Vol 1Vol 2」をリリース。16年には最新で16枚目のスタジオ録音アルバム「Renaud」をリリース。「Les mots/言葉たち」などを収録したこのアルバムはdisque de diamant(50万枚以上の売り上げ)。Renaudフランスでは人気が高く、06年にはPetit Larousse辞典人名欄には記載があり、「好きな歌手」のアンケートでは常に上位。また1985年に出した「Mistral gagnant」は「好きなシャンソン」の上位(前項参照)。 

Renaudに特別賞を授与したのはDavid Séchan.DavidRenaudと双子の兄(弟)で、楽譜出版者の代表としてSACEMの理事を務めている。2018年9月からアルコール依存症の治療を受けていて体力が弱っていたRenaudは極短い感謝の挨拶だけで歌を披露することはなかった。Renaudに代わってVincent Dedienne(1987-俳優)とAlex Beaupain(1974-ACI)が「Les mots」を歌った。Renaudは今後Dave(1944年Amsterdam生まれ、1960年代末からフランスで活躍している歌手)が2019年春リリース予定している新しいアルバムのプロデュースを担当することになっている。

Renaud 授賞式でhttps://www.youtube.com/watch?v=4-dOTAA22XQ

Laisse beton1978https://www.youtube.com/watch?v=gbD_x34hKWs

Manhattan-Kaboul2003年 https://www.youtube.com/watch?v=YH1CfGlOfrc

Les mots」2016年https://www.youtube.com/watch?v=PJmyIpCB-Ro

 

2018年のRenaua以外の主な受賞者は次の通り

Prix Rolf MarbotRolf Marbot楽曲賞: Orelsanの「Basique」 

Prix Francis LemarqueFrancis Lemarque新人賞: Angèleアンジェル

Grand Prix de la chanson française (créateur)/シャンソンフランセーズ大賞(クリエーター):Pierre-Dominique Burgaud

Grand Prixde la chanson françaiseCréateur-interprète)/シャンソンフランセーズ大賞(クリエーター・歌手):Nicolas Sirkis(グループIndochineのリーダー) 

Grand Prix des musiques urbaines/アーバンミュージック大賞:MC Solaar 

 No.1525 2019.1.1   

No. 1525    2019.1.

フランス人が好きなシャンソン  フランス人が好きなアーテイスト 発表        

世論調査機関「YouGov」が行った「Les chansons préférées des Français/フランス人の好きなシャンソン」アンケートで「Ne me quite pas」が1位になった。アンケートは2018年11月12、13日、18歳以上の1004人を対象に「あなたの好きな曲を10曲まであげて下さい」と言う方式で行われた。その結果が100位まで発表された。上位20曲は次の通り。

1.「Ne me quite pas/行かないで」(1959年 Jacques Brel)10%

2.「Mistral gagnant/ミストラル ガニャン」(1985年 Renaud)8.9%

3.「Non,je ne regrette rien/水に流して」(1960年Edith Piaf)7.4%

4.「L’aigle noir/黒いワシ」(1970年Barbara)7%

5.「Je te promets/君に約束する」(1987年Johnny Hallyday)6.3%

6.「Papaoutai/パパウテ(お父さん、あなたはどこに)」(2013年Stromae)6.2%

7.「Mon vieux/モン ヴユ―」(1974年Daniel Guichard)5.9%

8.「Formidable/素晴らしい」(2013年Stromae)5.6%

9.「La montagne/ふるさとの山」(1964年Jean Ferrat)5.6%

10.「L’Hymne à l’amour/愛の賛歌」(1950年 Piaf)5.4%

以下20位までは得票率5%で「Le Sud/南フランス」(1975年 Nino Ferrer)、「Mon fils ma bataille/我が息子、我が戦い」(1980年Daniel Balavoine)、「Tous les cris les SOS/すべての叫び、SOS」(1985年Balavoine)、「Marie/マリー」(2002年Hallyday)、「J’ai demandé à la lune/月に願った」(2002年Indochine)、「Savoir aimer/愛する術」(1997年Florent Pagny)、「Amsterdam/アムステルダム」(1964年 Brel)、「La vie en rose/バラ色の人生」(1945年Piaf)、「Alors on danse/さあ 踊ろう」(2009年Stromae)、「Le déserteur/脱走兵」(1954年Boris Vian

アンケートの結果は年齢によって大きな差が見られた。すなわち18-24歳までの対象者では:1位にBigflo & Oliの「Dommage/残念なこと」(総合順位では52位)、2位に「Papaoutai」、3位にKyoの「Le chemin/道」(総合順位では80位)。25~55歳では:1位に「Mistral gagnant」、2位に「Formidable」、3位に「Papaoutai」。55歳以上では:1位「Ne me quite pas」、2位「Non,je ne regrette rien」、3位「La montagne」であった。また男女間でも差があり、男性では「La montagne」、「Mon vieux」、「Le Sud」、「Amsterdam」、「Emmenez-moi/世界の果てまで」(1967年 Charles Aznavour 総合順位25位)が上位。女性では「Je m’en vais/僕は行ってしまう」(2016年 Vianney総合順位38位)、「Ecris l’histoire/物語を書いて下さい」(2005年Grégory Lemarchal 総合順位21位)、「Je te promets」、「Pour que tu m’aimes encore/あなたがまだ私を愛してくれるように」(1995年 Céline Dion 総合順位24位)が上位を占めた。

1.「Ne me quite pas/行かないで」 https://www.youtube.com/watch?v=0k63grkip5I

2.「Mistral gagnant/ミストラル ガニャン」1986年 https://www.youtube.com/watch?v=gAjzHp5jzjg

3.Non,je ne regrette rien水に流して」https://www.youtube.com/watch?v=JKPvx38D4GM

4.L’aigle noir黒いワシ」1987年 https://www.youtube.com/watch?v=rtkb2gwj-xA

5.Je te promets君に約束する」https://www.youtube.com/watch?v=VDCkDyaZhMI

6.Papaoutaiパパウテお父さん、あなたはどこにhttps://www.youtube.com/watch?v=XSO1EvDdadY

7.Mon vieuxモン ヴユ」 https://www.youtube.com/watch?v=QfX0WNjnmmk

8.Formidable素晴らしい」 https://www.youtube.com/watch?v=S_xH7noaqTA

9.La montagneふるさとの山」 https://www.youtube.com/watch?v=cR1HNrjKwYg

10.L’Hymne à l’amour愛の賛歌」https://www.youtube.com/watch?v=zDWzVLRSPSI

 

また同時に「好きなアーティスト」アンケートも行われた。これは「あなたの好きなアーティストを3人まであげて下さい」という方式で行われた。その結果上位20人は:

1.Jean-Jacques Goldman 15.6%

2. Stromae 7.1%

3. Telephone 6.6%

4. Francis Cabrel 6.3%

5. Eddy Mitchell 6.3%

6. Renaud 6.2%

7. Indochine 6%

8. Céline Dion 5.9%

9. Michel Sardou 5.6%

10.Maître Gims 5.4%

以下11Florent Pagny12位 Soprano13位 Mylène Farmer14位 Patrick Bruel15Calogero16Vianney

17位 Alain Souchon18David Guetta、 19Kendji Girc20Bigflo & Oli

 

なお「好きなシャンソン」のアンケートでは過去には次のような結果もある。 

・2015年5月・・世論調査機関BVAの1028人のアンケートでは

1位「Mistral gagnant」、2位「Ne me quite pas」、3位「L’aigle noir」、4位「Les Lacs du Connemara/コネマラの湖」(1981年Michel Sardou)、5位「Là-bas/あちらで」(1987年 Jean-Jacques Goldman)、6位「La montagne」、7位「Je te donne/君にあげる」(1985年Goldman)、8位「Petite Marie/可愛いマリー」(1977年Francis Cabrel)、9位「L’Hymne à l’amour」、10位「Comme toi/君のように」(1982年Goldman

No.1524  2018.12. 29

No.1524  2018. 12 .29 

引き続き、11月の新譜情報お届けします。

 以下8人の歌手の新譜です。

1.ノルウェン・ルロワNolwenn Leroy、「Folk/フォークソング」

2.パトリック・ブリュエルPatrick BruelCe soir on sort今夜外出しよう
3.ミレイユ・マテューMireille Mathieu、「Mes classiques/私のクラシック」

4.ザーズZaz、「Effet miroir/鏡効果」

5.ヴァネッサ・パラディVanessa Paradis、「Les sources/泉」

6.ヴェロニク・サンソンVéronique Sanson、「Duovolatils/揮発性のデュオ」

7.ビッグフロ エ オリ Bigflo & Oli 、「La vie de rêve/夢の人生」

8.ミシェル・ポルナレフ Michel Polnareff、「Enfin !/とうとう!」

 

 



1.ノルウェン・ルロワNolwenn Leroy、「Folk/フォークソング」

Nolwenn Leroyが2018年11月2日にリリースした新しいアルバムは「Folk」。Leroyは1982Bretagne地方Brest近郊生まれのACI。TVTF1のスター誕生番組Star Academy回優勝者。Pascal Obispoらの協力を得た2003年のファーストアルバム「Nolwenn」をリリース。2010年の4枚目のアルバム「Bretonne/ブルターニュ女性」ブルターニュ地方の伝統的な曲、スタンダード曲あるいはケルト文化が生んだ名曲である「Tri MartolodTrois marins/3人の水夫」、「La jument de Michao/ミチャオの雌馬」などをカバーして、120万枚以上の売上げ。 2012年10月にMusée Grévin入り。2015年11月27日には、11月13日のParis同時テロの犠牲者の政府主催追悼式でCamelia JordanaYaël NaïmJacques Brelの「Quand on n’a que l’amour」を歌っている。2017年7月には、2008年からのパートナーで、テニスプレイヤーArnaud Clément(1977- 2001年全豪シングルス準優勝、2007年全英ダブルス優勝)との間に男児が誕生している。今回の7枚目のアルバムFolk」は主として70年代にフランスでヒットした曲のカバーアルバムで、ある年代以上のファンにはノスタルジーを呼び起こす「madeleine de Proust/プルーストのマドレーヌ」だろう。録音はParisStudios Ferberで、live形式で行われた。収録されているのは13曲(原曲を歌っている歌手):Je ne peux plus dire que je t’aime/もう君を愛しているとは言えない」(Jacques Hirelin)、「Sor far away from LANicolas Peyrac、「Diabolo menthe/ハッカ入りレモネードYves Simon、「Suzanne(Leonard Cohen )Virages/カーブYves Deteil、「Ma petite fille de rêve/夢の少女Jean-Michel Caradec、「Je t’aimais, je t’aime, je t’aimerai/君を愛していた、愛している、愛するだろうFrancis Cabrel、「La Rua MadureiraNino Ferrer、「Jolie Louise/可愛いルイーズDaniel Lanois、「Sacré géranium/素晴らしいゼラニウム」(Dick AnnegarnAnnegarnとのデュオ)など。

Quand on n’a que l’amour https://www.youtube.com/watch?v=4_wgg6pcCVQ

Diabolo mentheLolwenn Leroy https://www.youtube.com/watch?v=e2ZaMhhfpcg

Diabolo mentheYves Simon 1978 https://www.youtube.com/watch?v=2tZJh8fuggw

Leroyは11月29日にツアーを開始、3月26、27日ParisTrianonに出演。

 

2.パトリック・ブリュエルPatrick BruelCe soir on sort/今夜外出しよう

Patrick Bruel201811日にリリースした新しいアルバムは「Ce soir on sort」。Bruelは1959年5月 アルジェリア Tlemcen生まれ ACI、俳優。1962年フランスへ。80年代以降映画・TV俳優、舞台俳優として活躍、50本以上の映画に出演している。1983年シングル「Marre de cette nana-là/あの女の子にはうんざり」が20万枚以上の売上げのヒット、歌手としてキャリアが本格的に始まる。87年5月Olympiaに初出演。89年10月セカンドアルバム「Alors regarde/さあ、ご覧」は「Casser la voix/声をつぶす」などを収録300万枚売り上げで、92年VdM男性歌手賞受賞。2002年にはCD2枚組みコンピレーション「Entre deux/2つの間」をリリース。これには主に第次世界大戦(1914-18と第次世界大戦(1939-45の間のヒットをBruel自身のソロ、Charles AznavourJohnny Hallydayなどなど都合12人とのデュオ、トリオで歌った24曲が収録されていて200万枚以上の売り上げ。BruelLes Enfoirésには1993年から連続して22回出演、主宰者であるJean-Jacques Goldmanに次ぐ出演回数。

 

 今回のアルバム収録曲の15曲の大半は自身の作詞・作曲による曲だが、Bruelは作詞・作曲・プロデュースで、Vianney(若手ACI)、Pierre LapointeQuebec出身のACI)、Michaël Fumon(グループMichy 3dのリーダー)、Félix Gray(ヴェテランACI)らの協力を得ている。15曲は:「Tout recommencer/すべては再び始まる」(FumonBruel作詞、Fumon作曲)、「Rue Mouffetard/ムフタール通り」(Vianney作詞・作曲)、「On partira/出て行くだろう」(dito)、「Arrête de sourire/笑うのをやめて」(Lapointe作詞・作曲)、「L’amour est fantôme/愛は幽霊」(dito)、「Pas eu le temps/時間がなかった」(Gray作詞・作曲)、「Ce soir on sort」(Bruel作詞、Gérard Presgurvic作曲)、「J’ai croise ton fils/君の息子に出会った」(Bruel作詞・作曲 離婚した父親の息子に対する思い)、「Je suis fait pour elle/僕は彼女のために作られた」(dito)など。

Casser la voix」 1990年https://www.youtube.com/watch?v=mQah5RJe0Sw

Pas eu le tempshttps://www.youtube.com/watch?v=_D30WATM6vc

 

3.ミレイユ・マテューMireille Mathieu、「Mes classiques/私のクラシック」

Mireille Mathieuが2018年11月9にリリースした新しいアルバムは「Mes classiques」。Demoiselle d’Avignonアヴィニョンのお嬢」と呼ばれているMathieu194622Avignon生まれの歌手。1964年6月28日Avignon市主催の歌謡コンクールで「La vie en rose」を歌って優勝。1965年11月21日TVの「Le Jeu de la chance/チャンスに賭ける」に出場、フランス中に名が知られる。1965年12月にはSacha Distelの前座で、1966年9月にはvedetteとしてOlympiaに出演、1966年、最初のSPレコード(A面に「Mon Crédo/私の信条」収録)、最初のLPEn direct de l’Olympia/オランピアからダイレクトで」 (タイトルとは異なり完全なスタジオ録音アルバムで「Mon crédo」、「Un homme une femme/男と女」、「Qu’elle est belle/何と彼女は美しい」など12曲収録)を出している。そして現在まで、1200曲以上を12カ国語で録音。フランスだけではなく、ドイツ、スペインなどでリリースされたものも含めスタジオ録音アルバム73枚、liveアルバム7枚、compilation(今回のものを含め)50枚、シングル120枚をリリース、売上げ枚数はアルバム1億3000万枚、シングル5500万枚と言われている。1971年TV出演のため初来日。その後74年、76年、78年に来日公演を行っている。13年振りとなる今回のアルバム「Mes classiques」はブラームス、フォーレ、シューベルト、オッフェンバッパ、モーツアルト、ヴェルディ、ハイドン、フランクなどの曲にClaude Lemesleがフランス語の歌詞を付けた曲など18曲を7カ国語(仏、英、独、西、伊、露、ラテン)で歌っている。「母はクラシック音楽が好きでよく聞いていた。父はオペラファンでテノール。家でよくオペラのアリアを歌っていた。それらを聞いて私は育った。だからこんなアルバムを作ってみたかった」。90人編成のプラハ交響楽団をバックにチェコで録音された。18曲は「Le premier regard d’amour/愛の最初の眼差し」(原曲はチャイコフスキーのピアノコンツエルト第1番)、「Après un rêve/夢の後で」、「Ave Maria」(シューベルトの)、「La chanson d’Espagne/スペインの歌」、「Barcarole/舟歌」、「Comme une larme/一粒の涙のように」、「Dank sei dir Herr/主よ、あなたに感謝します」(ヘンデル)、「Panis Angelicus/天使の糧」(フランク)、「Romance de Maître Pathelin/パトラン先生のロマンス」(Tino RossiNana Moukouriらも歌っている)、「Meine RoseLetzte Rose)」(「The Last Rose of Summer」のドイツ語)、「Lascia ch‘io pianga/私を泣かせて下さい」(ヘンデルの歌劇「リナルド」から)、「Le premier regarde d’amour」(ロシア語)、「La valse des regrets/悔恨のワルツ」(ブラームス、オーバス39、№15)、「Voi che sapete/恋とはどんなものかしら」(モーツアルト、「フィガロの結婚」から)、「Amazing Grace」など

Mon crédo1966年 https://www.youtube.com/watch?v=MBm8zTRHsRM

Le premier regard d’amourhttps://www.youtube.com/watch?v=sT2VMxE-N_M

2019年3月からロシア、ウクライナ、レバノンを回るツアーを予定。フランス国内での公演については未定。

 

4.ザーズZaz、「Effet miroir/鏡効果」

Zazが2018年11月16日にリリースした新しいアルバムは「Effet miroir」。Zaz1980年5月1日Tours生まれのACI。地元の音楽学校でヴァイオリン、ギター、ピアノなどを学んだ後、94年から住んでいたBordeauでブルースグループ、ラテン・ロックグループに加わる。06年Parisに、ピアノバーやMontmartreの路上で歌う。特にSaint-Michelの「Aux 3 Maillets」では毎夜マイクなしで夜11時から朝5時まで歌っていた。09年1月新人発掘コンテストで優勝。09年夏にはFuji Rock Festivalに出演。10年5月10日ファーストアルバム「Zaz」、シングルカット「Je veux/私の欲しいもの」をリリース。アルバムは100万枚以上の売上げ。「Je veux」は11年3月VdMでオリジナルシャンソン賞を受賞。11年4月5、6日にはOlympiaに初出演している。Zazの強みはフランス国外での売上げが多いことでファーストアルバムは54カ国でリリースされ、また、セカンドアルバム「Recto Verso」は国外でも国内とほぼ同数の売り上げと言われている。4枚目のスタジオ録音アルバム「Effet moroir」には15曲収録:「Demain c’est toi/明日はあなたの番」、「Qué vendrá」(タイトルはスペイン語、歌詞はスペイン語のルフラン部分を除きフランス語)、「On s’en remet jamais/決して回復しない」、「Je t’aime, je t’aime/あなたを愛している、愛している」、「Mes souvenirs de toi/あなたの思い出」、「Toute ma vie/一生」、「Je parle/私は話す」、「Ma valise/私の旅行鞄」、「Si c’était à refaire/やり直すべきだったのなら」、「Plume/筆」、「Nos vies/私たちの人生」、「Saint-Valentin/セント・ヴァレンタイン」など。

Je veux2011年 https://www.youtube.com/watch?v=_Q3cF6ai--w

Demain c’est toihttps://www.youtube.com/watch?v=9g-6y1yWlPA

Zaz2019月からワールドツアー、22ParisAccorHotels Arenaに出演

 

5.ヴァネッサ・パラディVanessa Paradis、「Les sources/泉」

Vanessa Paradisが2018年11月16日にリリースした新しいアルバムは「Les sources」。Paradis19721222日パリの南の郊外Saint-Maur-des-Fossés生まれの歌手作詞、作曲も・俳優。10歳で最初のレコードを出し、14歳で出した「Joe le taxi/タクシー運転手ジョー:夢みるジョー」は世界中で300万枚以上売上げた。90年にはJan-Claude Brisseau監督の映画「Noce Blanche/白い婚礼」に出演しPrix Romy Schneiderロミー・シュナイダー賞とCésarの新人女優賞を受賞するなど、女優としても活躍。 Mの全面的な協力を得て07年9月3日リリースしたアルバム「Divinidylle/神々しき純愛は60万枚以上売り上げたと言われる。これにより08年のVdMで女性歌手賞とアルバム賞を受賞。その後

09年11月23日34曲収録(うち1曲は新曲)CD2枚組み「Best of」をリリース。10年7月11、12日にはVersailles宮殿でのコンサートを行い、その模様などを収めたライヴアルバム「Une nuit à Versailles」を10年11月リリース。11年10月公開のミュージカルアニメ映画「Un monster à Paris/パリの怪物」で主人公Lucilleの声を演じ、挿入歌「La Seine」などを歌う。 私生活では12年6月、14年間の伴侶で、2人の子供(99年生まれの長女LilyRose、02年生まれの長男Jack)の父親でもあるJohnny Deppとの仲に終止符を。そして2018年6月30日、2016年11月から交際を続けている作家、映画監督、演出家、俳優のSamuel Benchetrit(1973-)と結婚。2013年5月にリリースされた「Love songs」から5年振りとなる7枚目のスタジオ録音アルバム「Les sources」には12曲収録されている。その半数以上はBenchetritの作詞(合作も含め)による。作詞では他にBB BrunesAdrien Galloが協力している、作曲はアメリカのサイケグループThe BeesのメンバーPaul Butlerが協力。12曲は「Les sources」、「Kiev/キエフ」、「La plage/浜辺」、「Ces mots simples/これらの単純な言葉」、「On oubliera/人は忘れるだろう」、「Dans notre monde/この世の中で」、「Si loin si proche/こんなに遠く、こんなに近い」、「A la hauteur de mes bras/私の腕の高さで」、「Cheri/愛しい人など。

Paradis1127Maison de la Radio104スタジオでコンサート、その模様はラジオ局France Inter21時から実況中継された。

Joe le taxi1987年 https://www.youtube.com/watch?v=Ulay2FvUEd8

Ces mots simpleshttps://www.youtube.com/watch?v=uIUEqSjIJBE

2019年5月3日からツアーを開始、6月22日~25日Paris Olympiaに出演。

 

6.ヴェロニク・サンソンVéronique Sanson、「Duovolatils/揮発性のデュオ」

 Véronique Sansonが2018年11月23日にリリースした新しいアルバムは「Duo volatils」。 Sansonは1949年Paris郊外Boulogne-Billancourt生まれのACI。父親が1970年大阪万博フランス責任者で、Véroniqueも7ヶ月日本に滞在。1972年公私ともにパートナーであったMichel Bergerのプロデュースでファースト及びセカンドアルバムをリリース。73年アメリカのミュージシャンStephan Stilsと結婚、渡米、離婚後83年に帰国。滞米中及び帰仏後も定期的にアルバムをリリース。VdMでは1993年と96年女性歌手賞、2013年特別賞を受賞。2015年にはSACEM特別賞を受賞。「Duo volatils」には自身のヒット曲を現在のシャンソンフランセーズを代表する歌手とのデュオなどでカバーした15曲が収められている。15曲及び一緒に歌っているのは:「Chanson sur ma drôle de vie/私のおかしな人生のシャンソン」(Vianney)、「Besoin de personne/誰も必要じゃない」(Christophe Maé)、「Bahia/バイア」(Alain Souchon)、「Vols d’horizons/水平飛行」(Bernard Laviriers)、「C’est long, c’est cort/それは長く、それは短い」(Zaz)、「Visiteur et voyageur/訪問者と旅行者」(Patric Bruel)、「Une nuit sur ton épaule/一晩あなたの肩で」(Juliette Armanet)、「Amoureuse/恋する女性」(Julien Doré)、「Tu sais que je t’aime bien/あなたは分かっている、私があなたを愛していると」(Jeanne Cherhal)、「Toute une vie sans te voir/あなたに会わない人生」(Tim Dup)、「Redoutable/恐るべき人」(Hubert-Félix Thiéfaine)、「Doux dehors, fou dedans/外では優しく、内では常軌を逸した人」(Michel Jonasz)、「Celui qui n’essaie pas ne se trompe qu’une seule fois/試みない人は一度しか失敗しない」(Luois ChedidMatieu ChedidJoseph ChedidAnna Chedid)、「Alias Souza/アリアス スーザ」(Tryo)、「Avec un homme comme toi/あなたのような男性と」(Eddy Mitchel)。

Sansonは2018年9月11日扁桃腺に腫瘍が見つかったことを公表し、11月及び12月に予定されていた11回のコンサートのキャンセルを発表。その後主に放射線治療を受けている。Sansonは12月16日F2の「日曜 20時30分」に出演(Paris郊外の自宅での録画は13日の由)治療は順調で、声帯には損傷はなく「『nickel/ニッケルのようにピカピカで非常に綺麗』だから2019年4月に予定されているParisPalais des Sportsのステージには立つ」と語った。SansonPalais des Sports出演は70歳の誕生日に当たる4月24日及び4月26日の予定。

Chanson sur ma drôle de vie」1976年 https://www.youtube.com/watch?v=Xq50OxVHce4

Chanson sur ma drôle de viehttps://www.youtube.com/watch?v=vF1zk38YxKQ

 
7.ビッグフロ エ オリ Bigflo & Oli 、「La vie de rêve/夢の人生」

Bigflo & Oli が2018年11月23日リリースした新しいアルバムは「La vie de rêve」。Bigflo & Oliは、Bigflo(本名Florian Ordonez 1993.1.22-)とOli(本名 Olivio Ordonez 1996.4.19-)のToulouse生まれの兄弟によるラップデュオ。「Les bons élèves du rap françaisフランスラップの優等生」と呼ばれている。2005年まだ二人とも子供の頃に最初の曲「Château de carte/トランプの城」をYouTubeに投稿している。その後もYouTubeへの投稿、あるいはToulouseにおけるラップバトルへの参加などにより知られるようになり、Sexion d’AssautCaliなどの前座で歌う。2013年Polydorと契約、2015年9月11日ファーストアルバム「La our des grands/偉人たちの中庭」をリリース。2016年6月24日のréédition版に追加された「Je suis/僕は・・」でSACEMRolf Marbot賞(楽曲賞)を授賞。2017年6月23日セカンドアルバム「La vraie vie/真の人生」をリリース、収録されたDommage残念」で2018年VdMのオリジナルシャンソン賞を受賞している。Bigflo & Oliは2017年NRJ音楽賞でグループ/デュオ賞を授賞している。3枚目のアルバム「La vie de rêve」には15曲収録。それらは:「Nous aussi 2我々も二人」、「Plus tard/後で」、「Demain/明日」(Petit Biscuiと)、「Rentrez chez vous!/君の家に帰れ!」、「Bienvunue chez moi/我が家へようこそ」、「Maman/ママ」、「La seule/一人の女性」、「Ferme les yeux/目を閉じろ」(Tryoと)、「Sur la lune/月の上で」、「Château de sable/砂の城」、「Il est ou ton frère/君の兄弟はどこに」、「La vie de rêve」など。

「若者たちに人気のBigflo & Oliはこのアルバムによって年長者たちの心を捕らえた」との評価があり、アルバムはリリース後3週間ででdisque de platine(10万枚の売り上げ)。

Je suis・・」2017年 https://www.youtube.com/watch?v=RZZs2CdcxiE

Plus tardhttps://www.youtube.com/watch?v=_UgsqtaXiwI

 Bigflo & Oliが通ったToulouseの小学校を主な舞台に撮影されたclip officiel

 

8.ミシェル・ポルナレフ Michel Polnareff、「Enfin !/とうとう!」

Michel Polmareffが2018年11月30日にリリースした新しいアルバムは「Enfin !」。Polnareffは1944年Lot-et-Garonne県 Nétac生まれのACI。戦後直ちにParisに。父はロシア出身のピアニスト、作曲家。幼少の頃から父についてピアノを習い優秀な成績。1964年からMontmartreの路上で歌う。1966年ロックコンクールで優勝、同年「La poupée qui fait non/ノンノン人形」が最初のヒット。1966年前座で、70年vedetteとしてOlympiaに出演。1972年のOlympia公演の際には自身の裸の臀部を露出したポスターが物議を醸した。1973年税務当局との確執などからアメリカに移住し、カリフォルニアに居住している。2007年34年振りにフランスでコンサートを行った。2016年にもフランス国内ツアーを行っている。2017年430曲収録の全集リリース。1972年初来日、その後79年まで3回の来日公演を行っている。前回のアルバムは1990年2月にリリースした「Kama Sutra/カマ スートラ」で、これは89年9月からParis8区のRoyal Monceauホテルに800日間籠もり、室内に最新スタジオ設備を据え付け録音したと言われている。今回のアルバムは28年振りで10枚目。新しいアルバムについては、2010年から「新しいアルバムの録音に取りかかった」などと喧伝されていたので、そのリリースはPonareffにとっても、ファンにとっても「Enfin !」。収録されているのは11曲、演奏時間は1時間6分と最近のアルバムとしては長尺。4曲の作詞でDoriand(1972-ACI)の協力を得ていて、その他の曲の作詞及び作曲はPolnareff。インストロメンタルが3曲ある。11曲は:「Phantom/悪魔」(11分近いインストロメンタル)、「Sumi/スミ」(・・日本のFukuokaでの私のアヴァンテュールを語りましょう。スミは私についてくれたgeisha。・・Sumi m’a soumis/スミは私を服従させた・・)、「Grandis pas/大きくならないで」(「息子のLoukaに対する父親の身勝手な望み」)、「Louka’s song」(インストロメンタル、Loukaの声が聞こえる)、「Ophélie flagrant des lits/オフェリー、ベッドの現行犯」(2006年シングルでリリースされている、新しい編曲で)、「Longtime」、「Positions/姿勢」、「Terre happy」、「L’homme en rouge/赤い衣裳の男」(2015年シングルでリリースされている、新しい編曲で。「赤い衣裳の男」はサンタクロース)、「Dans ta playlist(C’est ta chanson)/君のプレイリストには(それは君のシャンソン)」、「Agua caliente/温かい水」(10分近いインストロメンタル)。

La poupée qui fait non」1966年https://www.youtube.com/watch?v=JDkVjrYNyLo

L’homme en rouge」2016年 https://www.youtube.com/watch?v=GbGud_fGelQ

 
 No.1523 2018.12.27 

No. 1523    2018.12.27     

大変遅ればせながら、下記6人の歌手の10月の新譜情報お伝えいたします。

1.ジョイス・ジョナタンJoyce Jonathan、「On/オン」
                                        

2.アレックシス・アッシュカAlexis HK、「Comme un ours/熊のように」

3.カリCaliCali chante Léo Ferréカリ、レオ・フェレを歌う

4.パスカル・オビスポPascal ObispoObispo

5.モラーヌMaurane、遺作アルバムBrel/ブレル


6.ジェニフェールJeniferNouvelle page新しいページ



1.ジョイス・ジョナタンJoyce Jonathan、「On/オン」

Joyce Jonathanが2018年10月5日にリリースした新しいアルバムは「On/人は」。

Jonathanは1989年パリ郊外Lavallois-Perret生まれのACI。幼少の頃からシンガーソングライターになりたいという希望を持ち、18歳ですでに100曲ほどの自作があった。2007年12月My Major CompanyMMC:注)にデモを送って登録。08年5月には486人から7万ユーロ以上の出資を得て、10年1月にはファーストアルバム「Sur mes gardes/用心している」をリリース。製作にはLouis Bertgnacが全面的に協力。シングルカットされた「Je ne sais pas/私は知らない」(Jonathan作詞、Fabien Nataf作曲)、「Pas besoin de toi/あなたは必要じゃない」(Jonatha作詞・作曲)がヒット。アルバムは15万枚以上の売り上げになり、11年のラジオ局NRJの音楽賞でフランス語部門新人歌手賞を受賞。11年4月にはvedetteとしてOlympiaに初出演している。 「On」は16年2月5日リリースの「Une place pour moi/私に一つの場所を」に次ぐ4枚目のアルバムで16曲収められていて、全曲Jonathanの作詞・作曲(作曲でMathiue Mendèsの協力を得ている)。16曲は:On」、「Je te deteste pas du tout/私は決してあなたが嫌いではない」、「Une parenthèse/括弧」、「Ne me brule pas/私を燃やさないで」、「Tu es si grand et je suis toute petite/あなたはとても大きく、私はとても小さい」、「Tic tac/チク タク」、「Donner/与えること」、「Les blondes/金髪の女性たち」、「Rouler sur lor/大金持ち」、「Que veux-tu de moi ?/私にどうしろと言うの?」、「Revivre pour exister/生存するために生き続ける」、「Nos secrets/私たちの秘密」、「Je suis une tortue/私はひねくれ女」など。

Pas besoin de toiClip officiel https://www.youtube.com/watch?v=rNc-ONPvohU

Onhttps://www.youtube.com/watch?v=dg0acRgoo0Q

Jonathanは2019年春からのツアーに先立ち2018年12月18日にはParisNew Morningに出演

MMC:07年にJean-Jacques Goldmanの長男Michaelらが設立。登録されたアーティストにつき、インターネットで出資者を募集。出資が一定の金額(10万ユーロ)に達したら、そのアーティストのアルバムの製作や、そのPRのためのクリップ製作を行う。そしてアルバム売上げの30%を出資額に応じ出資者に配当する。Jonathanについては出資額の4倍の配当があったと言われている。

 



2.アレックシス・アッシュカAlexis HK、「Comme un ours/熊のように」

Alex HKが2018年10月5日にリリースした新しいアルバムは「Comme un oursAlexis HK:本名Alexis Djoshkouian1974年4月2日VersaillesYvelines県)生まれのACINanterreで哲学を学びながらギターで曲を作り、1997年最初のアルバム「Anti-heros notoire/札付きのアンチヒーロー」。2002年には、歩き回っていたParis20区、Belleville地区へのオマージュのアルバム「Belle Ville/ベル・ヴィル:美しい街」をリリース。その中の「C'que t'es belle/君は何て綺麗」などが好評でPrintemps de BourgesFrancofolies de la Rochelleに出演。2009年リリースのアルバム「Les affranchis/アウトロー」に収められていた「Les affranchis」のクリップにはCharles AznavourYves DuteilJulietteOlivia RuizMichel Fugainなど多くの歌手が顔を見せていて話題になった。2010年12月6日Olympia出演。2011年SACEMPrix Francis Lemarque(フランシス・レマルク賞・・若いクリエーターに与えられる)を受賞。2011年にはRenan LuceBenoit Doremusとユニット「Seuls à trios/3人だけ」を結成、10、11月2ヶ月間30箇所を回るツアーを行っている。前回のアルバムは2017年の「Georges et moi/ジョルジュと僕」、Georges Brassensへのオマージュ、2014年から143回の公演で4万人の観客を集めたBrassensのヒット曲などをカバーコンサートのライヴアルバム。今回のアルバム「Comme un ours」には時代の空気を反映するテーマ、日常生活での恐怖、孤独、愚かな行為、人間性の欠如などを語る12曲が収録されている。それらは:Comme un ours」、「Les pieds dans la boue/ぬかるみにはまった足」、「Je me suis assoupi/うとうとした」、「Sucré/甘い」、「La chasse/狩り」、「Je veux un chien/犬が欲しい」、「La fille à Pierrot/ピエロの娘」、「Marianne/マリアンヌ」、「Le cerisier/桜の木」、「Un beau jour/素晴らしい一日」など。

Les affranchishttps://www.youtube.com/watch?v=8IHxebKK-VQ

Comme un ourshttps://www.youtube.com/watch?v=J5wmOhMSD-o

Alexis HK、は11月22日Paris Tianonに出演

 

3.カリCaliCali chante Léo Ferréカリ、レオ・フェレを歌う

Caliが10月5日にリリースした新しいアルバムは「Cali chante Léo Ferré。Cali、本名Bruno Caliciuriは1968年南仏Perpignon生まれのACI。ラグビーに興味を持っていたCaliは84年ToulouseU 2のコンサートを聞いて衝撃を受け、歌の道に。独学でギターを学び、Perpignonで活動しているいくつかのグループで歌う。また、BénabarBrigitte Fontaineの前座で歌い、口コミで評判に。2002年にはFrancofolies de La Rochelleに出演、それが転機となってレコード会社と契約。03年リリースのファーストアルバム「Lamour parfait/完璧な愛」は60万枚売上げのヒットで、04年第3回Prix Constintinを受賞(主として優れたファーストアルバムに与えられる)。アルバムに収められた「C’est quand le bonheur/幸福はいつ」は優れた楽曲に与えられるSACEMVincent Scotto賞を受賞。また、04年VdM新人賞の候補に。受賞はしなかったが授賞式の模様がTV放送され、多くの視聴者がCaliのステージに興味を持った。その後もVdMでは何度か候補者になったが受賞はしていない。05年1月にはOlympiaに出演している。比較的多産なCali、今回のアルバムは前作16年の「Les choses défendues/禁止事項」に続く8枚目のアルバムでLéo Ferré(1916-1993 ACI)の曲16曲カバー。「父がFerréのファンで、Ferréの歌を聞きながら大きくなった。私はFerréの家族とは親交があり、この企画を話したらOKしてくれた。ずっと私の心に響いていた曲、あるいは思い出の曲を選んだ。既にコンサートでは収録された曲のうちいくつかを歌った。それを聞いた若いファンからFerréについてもっと知りたいという感想があった。それがこのアルバムの目的でもある」。収められているのは:C’est extra/それは極上」、「L’enfance/子供時代」、「Vingt ans/二十歳」、「La mélancolie/メランコリー」、「Ils ont voté/彼らは投票した」、「Ni dieu ni maître/神でもなく、師でもなく」、「Les anarchistes/アナーキスト」、「Les étrangers/異邦人」、「Thank you Satan/サンキュー サタン」、「Jolie Mome/ジョリ モーム」、「Les poètes/詩人たち」、「La mémoire et la mer/記憶と海」、「Paris je ne t’aime plus/パリ、お前がもう好きじゃない」、「Le flamenco de Paris/パリのフラメンコ」、「Avec le temps/時の流れに」など。

Avec le tempsCali https://www.youtube.com/watch?v=G2OCX8bwkSA

Avec le tempsFerre https://www.youtube.com/watch?v=ZH7dG0qyzyg

Caliは国内ツアーを行っていて、11月16日Paris 3区Théâtre Dejazetに出演。

 

4.パスカル・オビスポPascal ObispoObispo

Pascal Obispoが2018年1012日にリリースした新しいアルバムは「Obispo」。Pascal Obispoは1965年1月8日 西フランスAquitaine地方Dordogne県、Bergerac生まれのACI。13歳から離婚した母親とBretagne地方のRennesに住む。当時Rennesは音楽活動が盛んで、バスケットボールの選手を目指していたObispoも音楽に進み、1983年高校の友人たちとグループを結成。兵役の後88年にはグループSensoを結成、その後単独Parisに上り、90年最初のアルバム『Le long du fleuve/川に沿って』をリリースしたが話題にならず。1992年セカンドアルバム『Plus que tout au mond/世界で何よりも』:「Plus que tout au monde」、「La moitié de moi/僕の半分」などが好評でヒット、最終的には25万枚以上の売り上げに。1994年アルバム『Un jour comme aujourdhui/今日のようなある日』が37万以上の売り上げで、人気が確実なものに。1995年に作詞家Lionel Florence(1958-)と知り合い、コンビを組み、その後数々のヒットを。1996年アルバム『Superflu/余分なもの』:「Superflu」(自身の作詞作曲)、「Les meilleurs ennemis/最良の敵」(Zazieに提供され、デュオで歌っている)、「Lucie」(FlorenceObispo)など。150万枚以上売り上げObispoの最大のヒットに。1998年シングル「Sa raison dêtre/彼女の存在理由」はFlorenceObispoコンビによる「Sidaction/エイズのために行動を」のために作った曲で40人余りの歌手が参加した。2000年ミュージカル「Les dix commandements/十戒」(詩Florence、曲Obispo)10月4日からParisPalais de Congrèsで上演。その中で歌われた「Lenvie daimer/愛するという欲望」は01年VdMでシャンソン賞。その後も定期的にアルバムをリリースしている。

黄金の指を持つと言われているObispoが他の歌手にヒット曲を提供している。その中には:Zen禅」(1995年歌・作詩Zazie、作曲ObispoSavoir aimer愛する術」(97年歌Florent Pagny、作詞Florence、作曲ObispoMa liberté de penser僕の考える自由」(2003ditoAllumer le feu火を付けろ」(97年歌Johnny Halyday、作詞Zazie、作曲ObispoLe mot de passeパスワード」(99年歌Patricia Kaas、作詞Didier Golemanas、作曲Obispo)、「Tu trouveras あなたには分かるだろう」(2002年歌Natasha St.Piere 作詞Florence、作曲Obispo、「Blondeブロンドの女性」(2014年歌Alizée、作詞 Florence、作曲Obispoなどがある。Obispoの前作は2016年2月5日にリリースした「Billet de emme/女性からの短信」で、これには19世紀の女流詩人Marceline Desbordes-Valmore(1786-1859)の詩にObispoが曲を付けた12曲が収められている。

今回のアルバムのタイトルは若手歌手が最初のアルバムを出す時のように名前から「Obispo」としているが、これは27年属していたレコード会社を変え新たな第1歩を踏み出したからか。アルバムには「私の音楽のDNAであるロックに立ち返った」18曲が収録されている。その中にはBebjamin Biolayに詩を提供されたもの、Obispo自身の作詞になる曲もある。また他の歌手とのデュオも6曲。18曲は「Et bleu・・/そして青い・・」(2015年9月に結婚したJulie夫人とのデュオ)、「Rien ne dure/何も長続きしない」、「A Forthlin Road」(The Beatlesへのオマージュ、Calogeroとのデュオ)、「Chante la rue chante/通りよ歌え」、「Les chansons de Voulzy et Souchon/ヴルジーとスーションのシャンソン」(Laurent VoulzyAlain Souchonへのオマージュ)、「On n’a rien fait de mieux/それ以上うまくはできなかった」、「D’accord/了解」(Isabelle Adjani及びYousou N’dourとのトリオ)、「Je rentre/僕は戻る」(Rennesで活躍しているACIPhilippe Pascaとのデュオ)、「Poète maudit/のろわれた詩人」(Christopheとのデュオ)、「Universelle solitude/誰にでもある孤独」、「Amy」(Amy Winehouseへのオマージュ)、「Toxicomanes/麻薬中毒者」(Benjamin Biolayとのデュオ)、「On n’est pas seul sur la terre/地球上では誰も一人ではない」、「Vincent pleure/泣いているヴァンサン」、「La société de consomation/消費社会」、「L’eclaricie/雲の切れ間」、「Saudade/孤独」など。

LucieClip officiel https://www.youtube.com/watch?v=2GZxqT7o8jc

Rien ne durehttps://www.youtube.com/watch?v=hjO_iuHgKnE

Obispoは2019年1月25日からツアーを開始、2月12、13日ParisSalle Pleyelに出演。

 

5.モラーヌMaurane、遺作アルバムBrel/ブレル

Mauraneの遺作となったアルバム「Bre」が2018年10月12日にリリースされた。Maurane、本名ClaudineLuypaerts、1960年ベルギーIxelles生まれのACI。両親ともミュージシャンで幼少の頃からヴァイオリンを習い、16~7歳の頃には各地のフェスティヴァルののど自慢に出場。1980年Saravahレーヴェルから最初のEP、その後も数枚出すが成功せず、レストランやバックコーラスで歌う。1986年ジャズ調の「Danser/踊る」を出してから徐々に人気に。1991年45万枚売り上げたアルバム「Ami ou enimmi/友だちそれとも敵」で1994年VdM女性歌手賞を受賞。2002年Lara Fabianとのデュオでシングルリリースした「Tu es mon autre/あなたはもう一人の私」が最大のヒット。2014年アルバム「Ouvre/明けて下さい」をリリース後、のどの不調を訴え2年ほど活動を休止していた。その後回復し活動を再開したが、2018年5月7日夕Bruxelles近郊の自宅で心臓発作のため亡くなった。享年57歳。 Mauraneは次のアルバムを、ベルギーが生んだ偉大な先輩歌手Jacques BrelBruxelles 1929- Bobigny1978 ACI)の曲をカバーしたものにする予定。MauraneBrelを尊敬していてステージやTV番組では何度もBrelの曲を歌っていた。アルバムのための録音は2017年12月から2018年4月までの間に既に14曲済ませていた。遺児Lou は「Brelの曲を歌ってのど自慢に出ていたと聞いている。このアルバムを完成させるのが私の義務」。Louは長年Mauraneの伴奏ピアニストを務めていたPhilippe Decockと共にこの録音を編集、Mauraneが生前に予定していた時期でのアルバムのリリースとなった。した。今回リリースしたアルバムには14曲のうちの12曲が収録されている。アルバムは「卓越した」との評価がある。12曲は「Je ne sais pas/私は知らない」、「La chanson des vieux amants/懐かしき恋人の歌」、「La quête/見果てぬ夢」、「La ville s’endormait眠れる街」、「Fils de・・/・・の息子」、「Quand on n’a que l’amour/愛しかない時」、「Voir un ami pleurer/泣く友を見る」、「Une  île/島」、「Ne me quitte pas/行かないで」(Lou「私が最後に母に会ったのはこの曲を録音しているスタジオで」)など。

La chanson des vieux amantsMaurane https://www.youtube.com/watch?v=c3YXlPxJKz4

La chanson des vieux amantsBrel https://www.youtube.com/watch?v=dU-OD5_Dxrs

 

6.ジェニフェールJeniferNouvelle page新しいページ

Jenifer201810月26日にリリースした新しいアルバムは「Nouvelle pageJenifer(本名Jenifer Bartoli 1982- 歌手、俳優)は、Nice生まれ。幼少の頃から歌が好きで得意。14歳から年齢を偽ってコートダジュールのピアノバーで歌う、16歳でパリに出てバーなどで歌う。2001年TVTF1のスター誕生番組「Star Academy」の第1シーズンに出場し、優勝。優勝者は賞金のほか、ユニヴァーサルミュージックと契約を結びアルバムを出すことができことになっていた。そして2002年3月25日ファーストアルバム「Jenifer」をリリース。これにはDonne-moi le temps/私に時間をください」、「J’attends l’amour/私は愛を待っている」など11曲収録されていて100万枚以上の売り上げに。2002年オランピアに出演。2003年Johnny Hallydayのフランススタジアム公演に出演「Je te promets」をデュオで歌う。その後2016年の「Paradis secret/秘密のパラダイス」まで6枚のアルバムをリリース。07年12月Museé Grévin/グレヴァン博物館に蝋人形が展示された。Jeniferラジオ局NRJ賞受賞の常連で、2003年のフランス語圏新人歌手賞を含めすでに8回受賞している。2017年3月6日BruxellesParadis secretツアー」の公演を終え、LilleからParisに向かっていたJeniferminibusが高速道のOiseChamant付近で、他の車に追突、2人が死亡するという事故に遭遇。Jenifer自身は向こう脛の切り傷程度で軽傷だった。「この事故以降、私の歌に対する情熱を失ってしまった。しかし子供たちのおかげで立ち直ることができた」(Jeniferは2003年当時のパートナーACI Maxim Nicciとの間に男児、2014年当時のパートナー俳優Thierry Neuvicとの間に男児をもうけている)。2018年Jeniferは活動を再開。まず1月16-21日にStrasbourgで行われたLes Enfoirésに出演(2003年から連続16回)、その後、俳優として5月にTVTF1で放送された「Traqués/追われる人」でTVドラマに初出演、ついで映画「Maya l’abeille 2/蜜蜂マーヤ2」では声優として。10月1日にはOlympiaで行われた慈善コンサート「Leurs voix pour l’espor/彼らの声を希望にために」に出演。そして10月26日、8枚目のアルバムのリリース。タイトルは再出発にふさわしく「Nouvelle page」。アルバムには候補曲80曲の中から19曲を収録。「このアルバムは私が受けた傷を癒すもの。この傷から立ち直るのには新しいページをめくることが必要だった。所属しているコード会社を変え、マネジャーを変え、プロデューサーを変えて」。 19曲は:「Notre idylle/私たちの純愛」、「Les choses simples/単純なこと」(詩、曲ともSlimaneに提供されデュオで歌っている)、「Comme c’est bon/何とすてき」(詩、曲ともChristiphe Maéに提供された)、「Encore et encore/もう一度 もう一度」(2017年12月5日コルシカで殺された叔父を追悼した曲)、「Des je t’aime qui se perdent/消えて行くje t’aimeという言葉」、「Respire/ほっとして」、「Hey Jen/ヘイ ジェン」、「Reste/そのままで」、「Pour nous retrouver/再び会うために」、「Nostalgique d’hier/昨日のホームシック」、「Derière le solei/太陽の後ろに」、「Mystère/神秘」(詩はPaul Ecole、曲はMaéに提供された)、「Baby bleus/ベビー ブルース」、「L’éé qui s‘en va/過ぎ去って行く夏」、「Ton absence/あなたがいない時」など。

Donne-moi le temps」2004年https://www.youtube.com/watch?v=leOIHZeM0uo

Notre IdylleTVFrance 3で2018年11月放送https://www.youtube.com/watch?v=XFdSMA-epw8

アルバムはリリースの週Johnny Hallydayの「Mon pays, c’est l’amour」に次いでアルバムチャート2位。

Jeniferは2019年3月8日からツアー。5月18日Paris近郊Boulogne BillancourtLa Seine Musicaleに出演。

 
No.1522  2018.12.1 

No. 1522   2018.12.1

 2018年NRJ音楽賞、受賞者         

音楽専門のラジオ局NRJNouvelle Radio Jeune 1984年放送開始)がTVTFと共同で毎年贈るNRJ音楽賞の2018年授賞式が行われた。NRJ音楽賞は2000年に設けられたもので、今回は20回目に当たる(当初は1月に開催されていたが、2013年から通常11月第土曜日に行われるようになり、2013年は2度開催された)。授賞はFrancophone/フランス語圏部門とInternational/インターナショナル部門に分けて行われる。

2018年の授賞式は11月10日CannesPalais des Festivalsで、Nikos Aliagasの司会により行われた。今回の授賞式では最近没した2人の偉大な歌手が追悼された。すなわち、2017年12月に没したJohnny Hallydaを追悼してDavid HallydayJohnnyの男児:1956-ACI、母親はSylvie Vartan、2000年第1回NRJ音楽賞で男性歌手賞を受賞している)は父親に捧げる新曲「Ma dernière lettre/私の最後の手紙」(「Davidから父へ」ではなく「Johnnyから子供たちへ」の形式をとっている)を歌い、2018年10月に没したCharles Aznavourを追悼してPatrick BruelVianney &LouaneAznavourの1964年のヒット「Hier encore/帰り来ぬ青春」を歌った。

Ma dernière lettrehttps://www.youtube.com/watch?v=lIvOsvnnerI

・・朝になったら私は旅立つ。私の名で何を、どんな言葉を残したら良いのだろう。多くの曲を歌ってきた。それは確か。しかし逃げよう、歌をやめようとしたこともあった。私は犯したいくつかの過ちを消したいと思う、私がどんな人間であったか隠す気はないが。明日になれば私は笑うことができない、この世から遠く離れたところにいて。季節を感じることができるように最後の息が欲しい。私が目を閉じる時には静けさが欲しい。私がお前たちに残すもの、それは最後の叫び、最後の手紙、私が決して口にしなかったことを書いた。これが天国を前にした私の最後の手紙、最後の叫び・・

Hier encorehttps://www.youtube.com/watch?v=1OZCWZJWgI4

 

2018年のフランス語圏部門の各賞受賞者は次の通り

・男性歌手賞Soprano 他の候補者はKenji GiracAmirMaître GimsOrelsanSlimane

Soprano本名Said M’Roumbaba、両親はComoresコモロ諸島出身、197914Marseille生まれのラップ系歌手、作曲家。1995年からグループで活動の後、ソロに。2007年最初のソロアルバム「Puisqu’il faut vivre/生きなければならないので」をリリース、チャート最高位は2位、20万枚の売上げで注目される。2014年リリースの4枚目のアルバム「Cosmopolitanie」はフランス国内でdisque de diamant(50万枚以上)になり、国外も含め70万枚の売上げに。2016年10月リリースの5枚目のアルバ「L’Everest」は11ヶ月でdisque de diamant。2018年11月9日6枚目のアルバム「Phœnix/フェニックス」をリリース。これには「A la vie, à l’amour/生に、愛に」、「La voisine/女性の隣人」、「Ninja」など16曲収録。Sopranoはすでに2016年及び2017年NRJ Music Awardsのフランス語圏男性歌手賞を受賞していて、3年連続の受賞。

A la vie, à la mort https://www.youtube.com/watch?v=qNZXylVDU9U

  

女性歌手賞Jain 他の候補者はChristine and The QueensJeniferLouaneVitaaZazie

Jain本名 Jeanne Galice1992日、Toulouse生まれの女性ACI。石油関連企業に勤務していた父親について、幼少の頃から各地を回り、16歳Congo-Brazzaville在住の頃から曲作りを始め、数曲の自作をMyspaceに投稿。bacの後Parisに住みグラフィックデザイナーを目指して勉強中、Myspace上でJainの曲に注目していたYodelice(1979- ACI、プロデューサー)の勧めにより音楽の道に。YodeliceChristine and the Queensらの前座で歌う。2015年11月6日Yodeliceのプロデュースによりファーストアルバム「Zanaka」をリリース。「zanaka」はマダガスカル語で「enfant/子供」の意。アルバムには初期の作品「Come」(「アルバムリリースの7年前に作った」)、比較的新しい「Makeba/マケバ」(南アフリカの人気女性歌手Miriam Makeba 1932年-2008年 讃歌)など英語で歌った10曲が収録されている。「子供の頃から色々な都市で生活していて、やはり英語はどこでも通用する言語だという印象をもったので」。アルバムは30万枚以上の売り上げ。このヒットにより2017年のVdMでは女性歌手賞及び「Makeba」のヴィデオ・クリップでヴィデオ・クリップ賞の2部門でvictoiresを獲得。2018年8月24日セカンドアルバム「Souldier」(「Soldier」の古語)をリリース。アルバムには「Alright」、「On my way」、「Oh Man」、「Dream」、「Star」、「Souldier」など10曲収録。リリースの週アルバムチャートのトップ。

Alrighthttps://www.youtube.com/watch?v=8zHa1AhVHbQ

 

・新人賞:Dadju 他の候補は:Eddy de PrettoHoshiMarva LoudAya MakanuraVergedream

Dadju、本名Dadju Djuna Nsungula、は1991Paris郊外Bobigny生まれのRnBACI、両親はコンゴ出身のミュージシャン。ラップ系ACI Maître Gims(1986.5.5-)の弟。2012年デュオ「The Shin Sekai/新世界」(尾田栄一郎の漫画「One Piece」から)で音楽活動を開始、2016年3月アルバム「Indefini/無際限の」をリリースしている。2016年末からソロに。2017年5月5日シングル「Reine/女王」をリリース。11月24日には「Reine」、「Lionne/雌ライオン」、「Oublie-le/彼を忘れろ」など19曲集録のファーストアルバム「Gentleman 2.0」をリリース。リリース後5ヶ月でdisque de triple platine(30万枚以上の売り上げ)に。

Reinehttps://www.youtube.com/watch?v=Y3Vhrmd3gAo

 

なお候補者のうち

・・Aya Makanuraは、本名Aya Danioko、1995年5月10日マリ共和国Bamako生まれの歌手、作詞作曲も。幼少の頃一家でParis郊外のAulnay-sous-Boisに移住。芸名のNakamuraはアメリカNBCで放送されたTVドラマ「Heroes Reborn」の主人公「Hiro Nakamura」からの由。Danioko家はgriot(西アフリカの口承伝承者)の一家で、Ayaは音楽的雰囲気の中で育ち、2014年恋の破綻を歌った自作の「J’ai mal/私は辛い」をYou Tubeに投稿したところ100万回以上の視聴。2015年に投稿した「Brise/打ちのめした」は1200万回の視聴という大人気。さらにラップ歌手Fababyとのデュオで投稿した「Love d’un voyou」はそれ以上の人気に。その後女児を出産したことなどもありファーストアルバム「Journal intime/私的な日記」のリリースは2017年8月25日。「Brisé」、「Angela」、「Debout/立っている」、「Je n’ai pas besoin de toi/私にはあなたが必要ではない」、「Soirée parisienne/パリの夕べ」、「Jalouse/嫉妬する女」、「J’ai mal」など19曲を収録したこのアルバムはdisque d’or/ゴールデンディスク(5万枚以上の売り上げに)。2018年11月2日にはセカンドアルバム「Nakamura」をリリース、これには「Djadja」、「Copine/女友達」、「Ça fait mal/痛い」など13曲収録。「Djadja」は2018年4月先行シングルカットされ2週間シングルチャートの1位になり、tube d’été/夏のヒットに。ベルギー、オランダ(シングルのチャート1位になり、それはフランス人歌手としては1961年Edith Paifの「Non,je ne regrette rien/水に流して」以来との報道もある)、スイス、スウェーデンなどでもヒットした。「Djadja」は「一般的に男の子」を意味し、親しい仲間、兄弟などを言う(らしい)。

  「DjadjaClip officiel https://www.youtube.com/watch?v=iPGgnzc34tY

 

・グループ/デュオ賞:Bigflo & Oli 他の候補は:Hyphen HyphenNaestroMaître GimsVitaaSlimane et DadjuMaitre Gims & VianneyOrelsan et StromaeVitaa & Claude Capéo

Bigflo & OliBigflo本名Florian Ordonez 1993.1.22-Oli本名 Olivio Ordonez 1996.4.19-Toulouse生まれの兄弟によるラップグループ。「Les bons élèves du rap françaisフランスラップの優等生」と呼ばれている。2005年まだ二人とも子供の頃に最初の曲「Château de carte/トランプの城」をYouTubeに投稿している。その後もYouTubeへの投稿、あるいはToulouseにおけるラップバトルへの参加などにより知られるようになり、Sexion d’AssautCaliなどの前座で歌う。2013年Polydorと契約、2015年9月11日ファーストアルバム「La our des grands/偉人たちの中庭」をリリース。2016年6月24日のreedition版に追加された「Je suis/僕は・・」でSACEMRolf Marbot賞(楽曲賞)を授賞。2017年6月23日セカンドアルバム「La vraie vie/真の人生」をリリース、収録されたDommage残念」で2018年VdMのオリジナルシャンソン賞を受賞している。Bigflo & Oliは2017年NRJ音楽賞でグループ/デュオ賞を授賞している。

Demainhttps://www.youtube.com/watch?v=d-VE8vJwYEQ

 

・シャンソン賞:「Pour oublier/忘れるために」(Kendji Girac 他の候補は:「Djadja」(Aya Makanura)、「Kid」(Eddy de Pretto)、「La même」(Maître Gims et Vianney)、「Un peu de rêve」(Claudo Capeo & Vitaa) 「Reine」(Dadju

Kendji Girac(№1519参照)、NRJ音楽賞ではすでに3個の賞を受賞している。「Pour oublier」は2018年8月31日にリリースした3枚目のアルバム「Amigo」に収録されているが、7月10日には先行しングルカットされている。作詞はVianney、作曲はVianneyと Renaud Rebillaud

Pour oublierhttps://www.youtube.com/watch?v=tsydYcCN1vg

 

ちなみに、現在までこの賞を数多く(5個以上)受賞している歌手は:

M.Pokora 12個(2007年、2011年、2012年、2013年、2014年、2015年男性歌手賞など)

Mylène Farmer 8個(2000年、2001年、2002年、2003年に女性歌手賞など)

Jenifer 8個(2003年新人賞、2006年、2008年、2009年、2011年女性歌手賞など)

Christophe Maé 6個(2007年新人賞、2008年、2009年男性歌手賞など)

 

No. 1523    2018.12.27     ※年内にもう一件掲示の予定です。お早めにお読みください。 管理人

大変遅ればせながら、下記6人の歌手の10月の新譜情報お伝えいたします。

1.ジョイス・ジョナタンJoyce Jonathan、「On/オン」
                                        

2.アレックシス・アッシュカAlexis HK、「Comme un ours/熊のように」

3.カリCaliCali chante Léo Ferréカリ、レオ・フェレを歌う

4.パスカル・オビスポPascal ObispoObispo

5.モラーヌMaurane、遺作アルバムBrel/ブレル


6.ジェニフェールJeniferNouvelle page新しいページ



1.ジョイス・ジョナタンJoyce Jonathan、「On/オン」

Joyce Jonathanが2018年10月5日にリリースした新しいアルバムは「On/人は」。

Jonathanは1989年パリ郊外Lavallois-Perret生まれのACI。幼少の頃からシンガーソングライターになりたいという希望を持ち、18歳ですでに100曲ほどの自作があった。2007年12月My Major CompanyMMC:注)にデモを送って登録。08年5月には486人から7万ユーロ以上の出資を得て、10年1月にはファーストアルバム「Sur mes gardes/用心している」をリリース。製作にはLouis Bertgnacが全面的に協力。シングルカットされた「Je ne sais pas/私は知らない」(Jonathan作詞、Fabien Nataf作曲)、「Pas besoin de toi/あなたは必要じゃない」(Jonatha作詞・作曲)がヒット。アルバムは15万枚以上の売り上げになり、11年のラジオ局NRJの音楽賞でフランス語部門新人歌手賞を受賞。11年4月にはvedetteとしてOlympiaに初出演している。 「On」は16年2月5日リリースの「Une place pour moi/私に一つの場所を」に次ぐ4枚目のアルバムで16曲収められていて、全曲Jonathanの作詞・作曲(作曲でMathiue Mendèsの協力を得ている)。16曲は:On」、「Je te deteste pas du tout/私は決してあなたが嫌いではない」、「Une parenthèse/括弧」、「Ne me brule pas/私を燃やさないで」、「Tu es si grand et je suis toute petite/あなたはとても大きく、私はとても小さい」、「Tic tac/チク タク」、「Donner/与えること」、「Les blondes/金髪の女性たち」、「Rouler sur lor/大金持ち」、「Que veux-tu de moi ?/私にどうしろと言うの?」、「Revivre pour exister/生存するために生き続ける」、「Nos secrets/私たちの秘密」、「Je suis une tortue/私はひねくれ女」など。

Pas besoin de toiClip officiel https://www.youtube.com/watch?v=rNc-ONPvohU

Onhttps://www.youtube.com/watch?v=dg0acRgoo0Q

Jonathanは2019年春からのツアーに先立ち2018年12月18日にはParisNew Morningに出演

MMC:07年にJean-Jacques Goldmanの長男Michaelらが設立。登録されたアーティストにつき、インターネットで出資者を募集。出資が一定の金額(10万ユーロ)に達したら、そのアーティストのアルバムの製作や、そのPRのためのクリップ製作を行う。そしてアルバム売上げの30%を出資額に応じ出資者に配当する。Jonathanについては出資額の4倍の配当があったと言われている。

 



2.アレックシス・アッシュカAlexis HK、「Comme un ours/熊のように」

Alex HKが2018年10月5日にリリースした新しいアルバムは「Comme un oursAlexis HK:本名Alexis Djoshkouian1974年4月2日VersaillesYvelines県)生まれのACINanterreで哲学を学びながらギターで曲を作り、1997年最初のアルバム「Anti-heros notoire/札付きのアンチヒーロー」。2002年には、歩き回っていたParis20区、Belleville地区へのオマージュのアルバム「Belle Ville/ベル・ヴィル:美しい街」をリリース。その中の「C'que t'es belle/君は何て綺麗」などが好評でPrintemps de BourgesFrancofolies de la Rochelleに出演。2009年リリースのアルバム「Les affranchis/アウトロー」に収められていた「Les affranchis」のクリップにはCharles AznavourYves DuteilJulietteOlivia RuizMichel Fugainなど多くの歌手が顔を見せていて話題になった。2010年12月6日Olympia出演。2011年SACEMPrix Francis Lemarque(フランシス・レマルク賞・・若いクリエーターに与えられる)を受賞。2011年にはRenan LuceBenoit Doremusとユニット「Seuls à trios/3人だけ」を結成、10、11月2ヶ月間30箇所を回るツアーを行っている。前回のアルバムは2017年の「Georges et moi/ジョルジュと僕」、Georges Brassensへのオマージュ、2014年から143回の公演で4万人の観客を集めたBrassensのヒット曲などをカバーコンサートのライヴアルバム。今回のアルバム「Comme un ours」には時代の空気を反映するテーマ、日常生活での恐怖、孤独、愚かな行為、人間性の欠如などを語る12曲が収録されている。それらは:Comme un ours」、「Les pieds dans la boue/ぬかるみにはまった足」、「Je me suis assoupi/うとうとした」、「Sucré/甘い」、「La chasse/狩り」、「Je veux un chien/犬が欲しい」、「La fille à Pierrot/ピエロの娘」、「Marianne/マリアンヌ」、「Le cerisier/桜の木」、「Un beau jour/素晴らしい一日」など。

Les affranchishttps://www.youtube.com/watch?v=8IHxebKK-VQ

Comme un ourshttps://www.youtube.com/watch?v=J5wmOhMSD-o

Alexis HK、は11月22日Paris Tianonに出演

 

3.カリCaliCali chante Léo Ferréカリ、レオ・フェレを歌う

Caliが10月5日にリリースした新しいアルバムは「Cali chante Léo Ferré。Cali、本名Bruno Caliciuriは1968年南仏Perpignon生まれのACI。ラグビーに興味を持っていたCaliは84年ToulouseU 2のコンサートを聞いて衝撃を受け、歌の道に。独学でギターを学び、Perpignonで活動しているいくつかのグループで歌う。また、BénabarBrigitte Fontaineの前座で歌い、口コミで評判に。2002年にはFrancofolies de La Rochelleに出演、それが転機となってレコード会社と契約。03年リリースのファーストアルバム「Lamour parfait/完璧な愛」は60万枚売上げのヒットで、04年第3回Prix Constintinを受賞(主として優れたファーストアルバムに与えられる)。アルバムに収められた「C’est quand le bonheur/幸福はいつ」は優れた楽曲に与えられるSACEMVincent Scotto賞を受賞。また、04年VdM新人賞の候補に。受賞はしなかったが授賞式の模様がTV放送され、多くの視聴者がCaliのステージに興味を持った。その後もVdMでは何度か候補者になったが受賞はしていない。05年1月にはOlympiaに出演している。比較的多産なCali、今回のアルバムは前作16年の「Les choses défendues/禁止事項」に続く8枚目のアルバムでLéo Ferré(1916-1993 ACI)の曲16曲カバー。「父がFerréのファンで、Ferréの歌を聞きながら大きくなった。私はFerréの家族とは親交があり、この企画を話したらOKしてくれた。ずっと私の心に響いていた曲、あるいは思い出の曲を選んだ。既にコンサートでは収録された曲のうちいくつかを歌った。それを聞いた若いファンからFerréについてもっと知りたいという感想があった。それがこのアルバムの目的でもある」。収められているのは:C’est extra/それは極上」、「L’enfance/子供時代」、「Vingt ans/二十歳」、「La mélancolie/メランコリー」、「Ils ont voté/彼らは投票した」、「Ni dieu ni maître/神でもなく、師でもなく」、「Les anarchistes/アナーキスト」、「Les étrangers/異邦人」、「Thank you Satan/サンキュー サタン」、「Jolie Mome/ジョリ モーム」、「Les poètes/詩人たち」、「La mémoire et la mer/記憶と海」、「Paris je ne t’aime plus/パリ、お前がもう好きじゃない」、「Le flamenco de Paris/パリのフラメンコ」、「Avec le temps/時の流れに」など。

Avec le tempsCali https://www.youtube.com/watch?v=G2OCX8bwkSA

Avec le tempsFerre https://www.youtube.com/watch?v=ZH7dG0qyzyg

Caliは国内ツアーを行っていて、11月16日Paris 3区Théâtre Dejazetに出演。

 

4.パスカル・オビスポPascal ObispoObispo

Pascal Obispoが2018年1012日にリリースした新しいアルバムは「Obispo」。Pascal Obispoは1965年1月8日 西フランスAquitaine地方Dordogne県、Bergerac生まれのACI。13歳から離婚した母親とBretagne地方のRennesに住む。当時Rennesは音楽活動が盛んで、バスケットボールの選手を目指していたObispoも音楽に進み、1983年高校の友人たちとグループを結成。兵役の後88年にはグループSensoを結成、その後単独Parisに上り、90年最初のアルバム『Le long du fleuve/川に沿って』をリリースしたが話題にならず。1992年セカンドアルバム『Plus que tout au mond/世界で何よりも』:「Plus que tout au monde」、「La moitié de moi/僕の半分」などが好評でヒット、最終的には25万枚以上の売り上げに。1994年アルバム『Un jour comme aujourdhui/今日のようなある日』が37万以上の売り上げで、人気が確実なものに。1995年に作詞家Lionel Florence(1958-)と知り合い、コンビを組み、その後数々のヒットを。1996年アルバム『Superflu/余分なもの』:「Superflu」(自身の作詞作曲)、「Les meilleurs ennemis/最良の敵」(Zazieに提供され、デュオで歌っている)、「Lucie」(FlorenceObispo)など。150万枚以上売り上げObispoの最大のヒットに。1998年シングル「Sa raison dêtre/彼女の存在理由」はFlorenceObispoコンビによる「Sidaction/エイズのために行動を」のために作った曲で40人余りの歌手が参加した。2000年ミュージカル「Les dix commandements/十戒」(詩Florence、曲Obispo)10月4日からParisPalais de Congrèsで上演。その中で歌われた「Lenvie daimer/愛するという欲望」は01年VdMでシャンソン賞。その後も定期的にアルバムをリリースしている。

黄金の指を持つと言われているObispoが他の歌手にヒット曲を提供している。その中には:Zen禅」(1995年歌・作詩Zazie、作曲ObispoSavoir aimer愛する術」(97年歌Florent Pagny、作詞Florence、作曲ObispoMa liberté de penser僕の考える自由」(2003ditoAllumer le feu火を付けろ」(97年歌Johnny Halyday、作詞Zazie、作曲ObispoLe mot de passeパスワード」(99年歌Patricia Kaas、作詞Didier Golemanas、作曲Obispo)、「Tu trouveras あなたには分かるだろう」(2002年歌Natasha St.Piere 作詞Florence、作曲Obispo、「Blondeブロンドの女性」(2014年歌Alizée、作詞 Florence、作曲Obispoなどがある。Obispoの前作は2016年2月5日にリリースした「Billet de emme/女性からの短信」で、これには19世紀の女流詩人Marceline Desbordes-Valmore(1786-1859)の詩にObispoが曲を付けた12曲が収められている。

今回のアルバムのタイトルは若手歌手が最初のアルバムを出す時のように名前から「Obispo」としているが、これは27年属していたレコード会社を変え新たな第1歩を踏み出したからか。アルバムには「私の音楽のDNAであるロックに立ち返った」18曲が収録されている。その中にはBebjamin Biolayに詩を提供されたもの、Obispo自身の作詞になる曲もある。また他の歌手とのデュオも6曲。18曲は「Et bleu・・/そして青い・・」(2015年9月に結婚したJulie夫人とのデュオ)、「Rien ne dure/何も長続きしない」、「A Forthlin Road」(The Beatlesへのオマージュ、Calogeroとのデュオ)、「Chante la rue chante/通りよ歌え」、「Les chansons de Voulzy et Souchon/ヴルジーとスーションのシャンソン」(Laurent VoulzyAlain Souchonへのオマージュ)、「On n’a rien fait de mieux/それ以上うまくはできなかった」、「D’accord/了解」(Isabelle Adjani及びYousou N’dourとのトリオ)、「Je rentre/僕は戻る」(Rennesで活躍しているACIPhilippe Pascaとのデュオ)、「Poète maudit/のろわれた詩人」(Christopheとのデュオ)、「Universelle solitude/誰にでもある孤独」、「Amy」(Amy Winehouseへのオマージュ)、「Toxicomanes/麻薬中毒者」(Benjamin Biolayとのデュオ)、「On n’est pas seul sur la terre/地球上では誰も一人ではない」、「Vincent pleure/泣いているヴァンサン」、「La société de consomation/消費社会」、「L’eclaricie/雲の切れ間」、「Saudade/孤独」など。

LucieClip officiel https://www.youtube.com/watch?v=2GZxqT7o8jc

Rien ne durehttps://www.youtube.com/watch?v=hjO_iuHgKnE

Obispoは2019年1月25日からツアーを開始、2月12、13日ParisSalle Pleyelに出演。

 

5.モラーヌMaurane、遺作アルバムBrel/ブレル

Mauraneの遺作となったアルバム「Bre」が2018年10月12日にリリースされた。Maurane、本名ClaudineLuypaerts、1960年ベルギーIxelles生まれのACI。両親ともミュージシャンで幼少の頃からヴァイオリンを習い、16~7歳の頃には各地のフェスティヴァルののど自慢に出場。1980年Saravahレーヴェルから最初のEP、その後も数枚出すが成功せず、レストランやバックコーラスで歌う。1986年ジャズ調の「Danser/踊る」を出してから徐々に人気に。1991年45万枚売り上げたアルバム「Ami ou enimmi/友だちそれとも敵」で1994年VdM女性歌手賞を受賞。2002年Lara Fabianとのデュオでシングルリリースした「Tu es mon autre/あなたはもう一人の私」が最大のヒット。2014年アルバム「Ouvre/明けて下さい」をリリース後、のどの不調を訴え2年ほど活動を休止していた。その後回復し活動を再開したが、2018年5月7日夕Bruxelles近郊の自宅で心臓発作のため亡くなった。享年57歳。 Mauraneは次のアルバムを、ベルギーが生んだ偉大な先輩歌手Jacques BrelBruxelles 1929- Bobigny1978 ACI)の曲をカバーしたものにする予定。MauraneBrelを尊敬していてステージやTV番組では何度もBrelの曲を歌っていた。アルバムのための録音は2017年12月から2018年4月までの間に既に14曲済ませていた。遺児Lou は「Brelの曲を歌ってのど自慢に出ていたと聞いている。このアルバムを完成させるのが私の義務」。Louは長年Mauraneの伴奏ピアニストを務めていたPhilippe Decockと共にこの録音を編集、Mauraneが生前に予定していた時期でのアルバムのリリースとなった。した。今回リリースしたアルバムには14曲のうちの12曲が収録されている。アルバムは「卓越した」との評価がある。12曲は「Je ne sais pas/私は知らない」、「La chanson des vieux amants/懐かしき恋人の歌」、「La quête/見果てぬ夢」、「La ville s’endormait眠れる街」、「Fils de・・/・・の息子」、「Quand on n’a que l’amour/愛しかない時」、「Voir un ami pleurer/泣く友を見る」、「Une  île/島」、「Ne me quitte pas/行かないで」(Lou「私が最後に母に会ったのはこの曲を録音しているスタジオで」)など。

La chanson des vieux amantsMaurane https://www.youtube.com/watch?v=c3YXlPxJKz4

La chanson des vieux amantsBrel https://www.youtube.com/watch?v=dU-OD5_Dxrs

 

6.ジェニフェールJeniferNouvelle page新しいページ

Jenifer201810月26日にリリースした新しいアルバムは「Nouvelle pageJenifer(本名Jenifer Bartoli 1982- 歌手、俳優)は、Nice生まれ。幼少の頃から歌が好きで得意。14歳から年齢を偽ってコートダジュールのピアノバーで歌う、16歳でパリに出てバーなどで歌う。2001年TVTF1のスター誕生番組「Star Academy」の第1シーズンに出場し、優勝。優勝者は賞金のほか、ユニヴァーサルミュージックと契約を結びアルバムを出すことができことになっていた。そして2002年3月25日ファーストアルバム「Jenifer」をリリース。これにはDonne-moi le temps/私に時間をください」、「J’attends l’amour/私は愛を待っている」など11曲収録されていて100万枚以上の売り上げに。2002年オランピアに出演。2003年Johnny Hallydayのフランススタジアム公演に出演「Je te promets」をデュオで歌う。その後2016年の「Paradis secret/秘密のパラダイス」まで6枚のアルバムをリリース。07年12月Museé Grévin/グレヴァン博物館に蝋人形が展示された。Jeniferラジオ局NRJ賞受賞の常連で、2003年のフランス語圏新人歌手賞を含めすでに8回受賞している。2017年3月6日BruxellesParadis secretツアー」の公演を終え、LilleからParisに向かっていたJeniferminibusが高速道のOiseChamant付近で、他の車に追突、2人が死亡するという事故に遭遇。Jenifer自身は向こう脛の切り傷程度で軽傷だった。「この事故以降、私の歌に対する情熱を失ってしまった。しかし子供たちのおかげで立ち直ることができた」(Jeniferは2003年当時のパートナーACI Maxim Nicciとの間に男児、2014年当時のパートナー俳優Thierry Neuvicとの間に男児をもうけている)。2018年Jeniferは活動を再開。まず1月16-21日にStrasbourgで行われたLes Enfoirésに出演(2003年から連続16回)、その後、俳優として5月にTVTF1で放送された「Traqués/追われる人」でTVドラマに初出演、ついで映画「Maya l’abeille 2/蜜蜂マーヤ2」では声優として。10月1日にはOlympiaで行われた慈善コンサート「Leurs voix pour l’espor/彼らの声を希望にために」に出演。そして10月26日、8枚目のアルバムのリリース。タイトルは再出発にふさわしく「Nouvelle page」。アルバムには候補曲80曲の中から19曲を収録。「このアルバムは私が受けた傷を癒すもの。この傷から立ち直るのには新しいページをめくることが必要だった。所属しているコード会社を変え、マネジャーを変え、プロデューサーを変えて」。 19曲は:「Notre idylle/私たちの純愛」、「Les choses simples/単純なこと」(詩、曲ともSlimaneに提供されデュオで歌っている)、「Comme c’est bon/何とすてき」(詩、曲ともChristiphe Maéに提供された)、「Encore et encore/もう一度 もう一度」(2017年12月5日コルシカで殺された叔父を追悼した曲)、「Des je t’aime qui se perdent/消えて行くje t’aimeという言葉」、「Respire/ほっとして」、「Hey Jen/ヘイ ジェン」、「Reste/そのままで」、「Pour nous retrouver/再び会うために」、「Nostalgique d’hier/昨日のホームシック」、「Derière le solei/太陽の後ろに」、「Mystère/神秘」(詩はPaul Ecole、曲はMaéに提供された)、「Baby bleus/ベビー ブルース」、「L’éé qui s‘en va/過ぎ去って行く夏」、「Ton absence/あなたがいない時」など。

Donne-moi le temps」2004年https://www.youtube.com/watch?v=leOIHZeM0uo

Notre IdylleTVFrance 3で2018年11月放送https://www.youtube.com/watch?v=XFdSMA-epw8

アルバムはリリースの週Johnny Hallydayの「Mon pays, c’est l’amour」に次いでアルバムチャート2位。

Jeniferは2019年3月8日からツアー。5月18日Paris近郊Boulogne BillancourtLa Seine Musicaleに出演。

 
 No.1521 2018.11.15 

№1521     2018.11.15  

 
Fransisu Lai
 
フランシス・レイ(フランス語の発音はフランシス・レ) 死去

 

Fransisu Laiが死去したと2018年11月8日Niceの市長が発表した(11月7日Niceで死去、あるいは11月6日Parisで死去したとの報道もある)。享年86歳。

 

Francis Lai(フランス語の発音はフランシス・レ)は1932年4月26日Nice生まれ、作曲家(シャンソン及び映画音楽)・ミュージシャン(ピアニスト、アコーデオニスト)。若くして音楽に興味を持ち、ニースのオーケストラの一員として活躍の後マルセイユに。そこでジャズに触れ、50年代にキャバレの歌手として活躍した女性歌手Claude Goaty(「Mon 14 juillet/私のパリ祭」などを歌う)と知り合う。Goatyの招きに応じてParisに上り、Montmatreの質素なstudio/ワンルームマンションに住む。Place du Tertreの近くにあったレストラン「Pichet」で知り合った詩人のBernard Dimey(1931-81)と組んでシャンソンを作曲。Dimeyの詩にLaiが曲を付けGoatyが歌った「Le guilledou/女あさり」がLai作曲の最初の曲。このコンビの作品では「La Tavern d’Attilo/アッティロ食堂」、「Mais si je n’ai rien/もし僕が何も持っていなければ」、「Et tournent les années/そして年は過ぎて行く」、「Nos chères maisons/僕たちの懐かしい家」などが知られている。また、1962年にJuliette GrécoPierre Brasseurが朗読しているDimeyの詩「Le bestiaire de Paris/パリの動物誌」では、詩に合わせてLaiが作曲したバックミュージックを Lai自身がアコーデオンで演奏している。Lai はその後一時Henri Salvasdorのバックなどを務め、Michel Magneのオーケストラでも活動した。その後Edith Piafの伴奏者になり、Piafのために作曲も。PiafのレパートリーでLaiの作曲によるものとして:「Emporte-moi/私を連れて行って」(1962年 J.Pante作詞)、「L’homme de Berlin/ベルリンの男」(1963年MVendome作詞)、「C’était pas moi/それは私ではなかった」(63年 RGall作詞)、「Les mains/両手」(63年 Piaf作詞)などがある。Piafの1962年オランダNimegueのコンサートでは歌った曲の過半はLaiの作曲によるものだった。(後にLaiは1983年Claude Lelouch監督映画「Edith et Marcel/エディットとマルセル」で音楽を担当している。)

 

その後友人を通じてPierre Barouhと知り合い、1965年BarouhClaude Lelouchを紹介された。映画音楽の作曲者としての第一作がLelouch監督の1966年5月27日フランスで公開された映画「Un homme et une femme/男と女」。日本での公開は1966年10月15日。映画は1966年のカンヌ映画祭でPalme ‘Orを獲得した。映画にも出演していたBarouhの作詞により、BarouhNicole Croisilleが歌っている主題歌「Un homme et une femme」は「Da ba da ba da, ba da ba da ba」のスキャットで世界的にヒットした。Andy WilliamsElla Fitzgerardは「A man and a woman」のタイトルで、英語で歌っている。

 

その後Laiは100本以上の映画で音楽を担当。その中には:「Vivre pour vivre/パリのめぐり逢い」(1967年 Lelouch監督)、「La leçon particulière/個人授業」(1968年 Michel Boisrond監督)、「Mayerling/うたかたの恋」(1968年Trence Young監督)、「13 jours en France/白い恋人たち」(1968年 Lelouch監督)、「Le passager de la pluie/雨の訪問者」(1970年 René Clément監督)、「Love Story/ある愛の詩」(1970年Arthur Hiller監督。1970年アカデミーの作曲賞を受賞。Mireille Msthieuが「Une histoire d’amour」のタイトルで、フランス語で歌っている)、「Les uns et les autres/愛と哀しみのボレロ」(1980年 Lelouch監督)、「Trop belle pour toi/美しすぎて」(1989年 Bertrand Bilier監督)などがあり、最近のものでは「Salaud, on t’aime/げす野郎、お前が好きだ」(2014年Lelouch監督、Johnny HallydayEddy Mitchell出演)、「Chacun sa vie/誰にもそれぞれの人生が」(2017年 Lelouch監督)など。

 

また、Laiは600曲以上のシャンソンを作曲した。その中には上記の他:Nocole Croisille(「Vivre pour vivre」1967年、「Les clés du paradis/天国の鍵」1990年)、Yves Montand(「La bicyclette/自転車」 または 「A  bicyclette/自転車で」(1968年)、Dalida(「Pour qui, pour quoi/誰のために、何のために」1970年)、Serge Reggiani(「Le fruits de mer/海の幸」 1975年) Mireille Mathieu(「Je ne sais rien de toi/私はあなたのことを何も知らない」1972年、「Un peu d’espérance/少しの望み」2005年、Johnny hallyday(「L’aventure, c’est l’aventure/アヴァンテュールはアヴァンテュール」1972年)、Charles Aznavour(「Je n’attends que toi/待っているのは君だけ」1983年)、Patricia Kaas(「La chanson des misérables/貧しい人々のシャンソン」1995年)、Françoise Hardy(「Femme parmi les femmes/女の中の女」、Elton John(「From Denver to L.A」1970)などがある。

 

訃報に接したClaude Lelouchの思い出・・「男と女」の誕生秘話

 

Francis Laiは私の生涯の男だった。アコ-デオニストに姿を変えた天使だった。50年以上に渡る親交の中で35本の映画で協力した。彼は私にとってはフランス一の作曲家だった。私のどんな映画にも心をときめかせてくれた。私の映画がうまくいったらそれは彼のお陰だ。素晴らしい思い出しか残っていない。

 

Un homme et une femme」を作った時、彼はMontmartreに住んでいた。concierge/門番が住むような部屋に。最初に訪ねた時、彼が作った10曲ほどを聞かせてくれた。彼は隣室の人の迷惑にならないようにと、ベッドの中で布団をかぶってアコーデオンを弾いた。その10曲は素晴らしいものではあったが、私が求めていたものとは違っていた。帰ろうとした時「もう1曲ある」と言って「Un homme et une femme」の主旋律を弾き出した。「それだ、それを使おう」。一晩かかって二人でその主旋律からあのような曲を作った。一つ映画において音楽がしめる役割はとても大きい。台詞では表現できないことを語ってくれるから。「Un homme et une femme」には主役のJean-Louis TrintignantAnouk Aiméeが海岸を歩く場面がある。彼らを歩かせているのはFrancisの音楽だ。私は彼に自分の映画について最初に話した。私は常に映画に使う音楽をあらかじめ録音しておくから。だから私の作品について最初に知るのは彼だった。つい最近一緒に映画を作ったばかり。編集が終わったところ。これは多分2人が協力した作品では最高のものになるだろう。彼はそれを見ることができなかった。それが悲しい・・

 

Nicole Croisilleの哀悼の辞・・Francisは我々、Lelouchと私、にとっては牧神のような存在だった、その牧神が逝ってしまった。Francisは誠実な男性で、ごまかすことがない。彼の作曲は決して単純なものではなかった、「Un homme et une femme」の主旋律に見られるように。彼の音楽は常に優しく、感動的だった・・

 

Edith PiafEmporte-moi/私を連れて行って」1962年http://www.ina.fr/video/I00012856/edith-piaf-emporte-moi-video.html

 

映画「Un homme et une femme」のラストシーン https://www.youtube.com/watch?v=kFpSMr208iA

 

Un homme et une femmeBarouh  Croisille 19661020日 https://www.youtube.com/watch?v=M4yo58nTvhU

 

Un homme et une femmeLaiBarouh  Croisille 201111 https://www.dailymotion.com/video/xi94gi

Parisの「Theatre du Rond-Point」で行われた東日本大震災の被災者支援コンサート「Tsunami et demain」で

 

Fransic Lai1977年1月19日TVに出演 http://www.ina.fr/video/I07117133/francis-lai-pot-pourri-video.html

 電子ピアノで「U n homme et une femme」などを演奏

 

Une histoire d’amourMireille Mathieu 1971年 https://www.youtube.com/watch?v=9BDoS52NPeQ

 

A bycicletteYves Montand  1981年 Olympiahttps://www.youtube.com/watch?v=lOZPWpiNUWQ

 
No.1520  2018.11.3   
KCN 1520  2018.11.3  

  

ジョニー・アリディー Johnny Hallyday、遺作アルバム」空前の売り上げ   

 2018年9月19日にリリースされたJohnny Hallydayの遺作アルバム「Mon pays, c’est l’amour」がリリース後3日でdisque de diamant/ダイアモンドディスク(50万枚以上)になるという空前の売り上げを記録した。

 Johhny Hallyday、本名Jean-Philippe Smetは1943年6月15日Paris9区生まれの歌手・作曲家・俳優。フランスの最初のロック歌手、57年に及ぶキャリア、1000曲以上録音、100曲以上作曲、1億1000万枚以上のレコード売上げ。スタジオ録音50枚(1961年2月1日LPNous les garcons, nous les filles/僕たち男の子、私たち女の子』から、2015年11月3日『De l’amour/愛について』まで)、ライヴ29枚のアルバム、VdM10個(Alain Bashungの12個に次ぐ)。182回のツアー2800万人を集め、Parisでは693回のコンサート、Olympia266回、Palais des Sports144回、Bercy99回(Vieilles canaillesを含め)、Zenith78回、Parc des Princes(2回で7コンサート)、Stade de France(3回で9コンサート)、40ヵ国でコンサート。2500回以上雑誌の表紙を飾り、関連書籍は190冊を数える。2017年12月5日肺ガンのためMarnes-La-Coquetteの自宅で死去、享年74。別荘があるIle de Saint-Barthelmy(カリブ海のサン・バルテルミー島)のLorient墓地に埋葬された。

Mon pays, c’est l’amour」はHallydayの51枚目のスタジオ録音アルバムで、遺作となった。Hallydayliveアルバム「Rester vivant tour」がリリースされた2016年10月21日には、Yodeliceらの協力を得て次のアルバムの準備にかかっていると語っていた。Yodelice(本名Maxime Nouchy)は1979年生まれのACI、ギタリスト・ピアニスト、プロデューサー、Hallydayの50作目のアルバム「De l’amour/愛について」から、曲を提供し、また、プロデューサーを務め、今回のアルバムでも、共作も含め10曲を作曲している。「このアルバムのために多くの詩を集めた、50ほどになるだろうか。そのうち26について作曲した」。Hallydayは2017年3月8日には肺ガンに罹患していることを公表したが、その数日後にはLos AngelesHanson Recordingスタジオで、アルバムに収録予定の3曲の録音を開始。6月10日から7月5日までJacques DutroncEddy Mitchellと「Les vieilles canailles/年老いた悪戯っ子たち」コンサートを17回行った。9月からは抗ガン治療を受けながらParis郊外SuresnesGuillaume Tellスタジオ、ParisSpooklandスタジオで録音。当初の収録予定の12曲のうち10曲の収録を終えた。アルバムにはその10曲とinstrumental1曲の11曲が収録されている。

11曲は:「J’en parlerai au diable/それを悪魔に話すだろう」(Pierre Jouishomme作詞/Yodelice作曲、アルバムリリースと同時にシングルカット。このアルバムの中では最も優れた曲との評価が高い)、「Mon pays, c’est l’amour」(Katia LandreasYodelice)、「Made in Rock’nRollLet the good times roll)」(英語の詩はJD McPherson、仏語の詩はPierre-Dominique BurgaudJD McPherson)、「Pardonne-moi/僕を許して」(Yohann MaloryHerve Le SourdYodelice、夫人のLaeticiaに逝ってしまうことの赦しを求めているよう。この曲も最も優れた曲との評価がある)、「Interlude」(instrumental、指揮はYvan Cassar)、「4 ㎡」((Pierre-Yves LebertYodelice、4㎡は独房)、「Back in LA」(MiossecYodelice &Yarol Poupaud)」、「L’Amérique de William/ウイリアムのアメリカ」(Jerome AtalYodelice、ここでWilliamとは写真家William Egglestonのこと)、「Un enfant du siècle/世紀の子供」(Yohann Malory& Herve Le SourdYodelice &Yarol Poupaud)、「Tomber encore/もっと落ちる」(Boris LanneauYodelice &Yarol Poupaud)、「Je ne suis qu’un homme/僕は一人の男の過ぎない」(Yohhan Malory &Herve Le SourdYodelice &Yarol Poupaud

J’en parlerai au diable」のクリップはFrançois Goetghebeurによる。2016年9月に撮影されたもので、友人たちと共にNovelle OrélanLoa AngelesTexasNouveau MexiqueUtahを走行している。

ジャケットの白黒写真はDimitri Costeによる。2012年リリースのアルバム「L’attente/待つこと」用に撮影されたものの1枚。

 

アルバムは10月19日午前0時に発売開始。ParisChamps-ElyséesFNACはこの日特別に0時から4時まで開店することにし、22時に長蛇の列ができていた。通常のレコード店の他、食料品のスパーマーケットであるSimply MarketAtacの店頭にもCDが置かれた。予約が10万枚あったことから0時1分アルバムはdisque de platine/プラティナディスク(10万枚以上の売り上げ)に。同日中にこの予約を含め30万枚売り上げ、3日後には63万枚の売り上げでdisque de diamantに、1週間で78万枚の売り上げ。アルバムは通常のCD、28ページのブクレット付きの数限定コレクター版CD及びレコードでリリースされた。

 

アルバムのマスコミ関係者へのプレゼンは10月15日の午後に行われた。これには80人余のマスコミとHallydayの数人のファンも招待された。通行証には次のようなJohnnyの言葉が印刷されていた「皆さんのおかげで、私は素晴らしい時を過ごすことができた。皆さんは私の人生の一部であり、私は皆さんを決して忘れないでしょう」→マスコミの反応「もちろん我々もあなたを決して忘れないでしょう」

マスコミの評価は分かれていて・・

「力強い歌詞、素晴らしいギターのリフと華麗なバラードに裏打ちされた素晴らしいロック。闘病中とは思えない、力強い、はっきりした声。歌詞を通じて送られるメッセージで彼は自分が死に瀕していること自覚しているようだ」

「このアルバムはHallydayの遺言と言うには物足りない。また彼の最も優れたアルバムとも言えない。結局の所Johnnyのアルバムとしてはありきたりで、5段階評価の3。しかし、彼の闘病とステージに立とうとする強い意志を見ているファンにとっては、彼のロック歌手としての魂は期待通りのものだろう」

「最初に聞いた時から失望感を感じた。Johnnyの声は目立たない。声の不十分さを隠すためなのだろうか。作曲と編曲は文句の付けようがない、アメリカの道路を「Road trip」しているよう。歌詞は感心しない。Hallydayはこれらの歌詞のすべてについてOKを出したのだろうか?」

 

J’en parlerai au diable」: https://www.youtube.com/watch?v=CobeBZNlR8E

Johnnyはしっかりした、印象深い声でこの曲を歌う。アルバムのリーディングにふさわしい。聞く者に感動を与えるとの評価がある。

・・時が来て私が悪魔のテーブルに着き、真実を話す時になったら、私はそれを悪魔に話すだろう。悪魔は私の話を聞き、無罪か、有罪かを決めるだろう。私がどんな人間だったか判定を下すだろう・・

 発売日の様子 ParisLes hamps lyséesFNAChttps://www.youtube.com/watch?v=57tLumoY0As

インタヴューに答え涙ぐむLine Renaud リーヌ・ルノー    

 No.1519 2018.10.27   

No. 1519    2018.10.27

8月、9月の新譜5題 ご紹介いたします。                                                                    

 

1.ナターシャ・サン ピエールNatasha St-Pier

Thérèse de Lisieux, Aimer c’est tout donner/テレーズ・ド・リジュー、愛すること、それは全てを与えること」

Natasha St-Pierが2018年8月3日にリリースした新しいアルバムは「Thérèse de Lisiey, Aimer c’est tout donner」。

St-Pierは1981年 CanadaNouvelle-Brunswick州、Bathurst生まれの歌手、シャンソンフランセーズで最も美しい声を持つ女性歌手に一人と言われている。幼少の頃からピアノ、バレーを習い、1993年には地元テレビ局ののど自慢番組で最も若い決勝進出者になりカナダのフランス語圏で有名に。14歳で最初のアルバム「Emergence/突然の出現」をQuébecでリリース。

1999年ミュージカル「Notre-Dame de Paris」のQuébecとロンドン公演にFleur-de-Lys役で出演。2001年コペンハーゲンで行われたEurovisionのフランス代表に選ばれ「Je n’ai que mon âme」を歌い4位に。2002年9月にはvedetteしてOlympiaに出演。2003年Pascal Obispoに提供された曲(「Tu trouveras/あなたはきっと分かる」など)を中心にしたアルバム「De l'amour le mieux/最高の愛を」をリリース、VdM新人賞。2003年から2015年までの間に11回Les Enfoirésに出演している。

13枚目となる今回のアルバム「Thérèse de Lisieux, Aimer c’est tout donner」は、2013年リリースのアルバム「Thérèse,vivre damour/テレーズ、愛に生きる」の続編とも言うべきもの。

Sainte Thérèse de Lisieux(1873-1897)は16歳でLisieuxCalvados県)のカルメル会の修道院に入り24歳、結核で死去。死後自叙伝「Histoire d
une Ame/一つの魂の物語」が出版され、世界中でベストセラーに。1925年列聖された。主にThérèse de Lisieux の詩に曲を付けた今回のアルバムではSt-Pierは作曲では、カトリック教徒で構成されるロックグループGloriusThomas PouzinBenjamin Pouzinらの協力を得、またバックコーラスでもGloriusの協力を得ている。

収録されているのは
13曲で:「Aimer c’est tout donner」、「Enfant tu connais mon nom/我が子よ、お前は私の名を知っている」、「Mon ciel à moi !/私の空」、「Zelie」、「Moi si j’avais commis/もし私が過ちを犯したら」、「Vierge Marie/聖処女マリア」、「Elle s’appelait Thérèse/彼女の名はテレーズ」、「Ma vie n’est qu’un instant/私の人生は一瞬に過ぎない」、「Pour la première fois/初めて」、「Sur une fleur/一つの花の上に」、「Ave Maria/アヴェ マリア」、「La Cantique des Cantiques/ソロモンの雅歌」。

Tu trouverashttps://www.youtube.com/watch?v=uaWvBxWfkcs

Aimer c’est tout donnerhttps://www.youtube.com/watch?v=v7x9jqsmwf8

St-Pier28Lisieuxの教会で、29日にはParisSaint-Sulpice教会Parisでコンサート。その後2018年11及び12月、2019年3~6月国内ツアーで、各地のZénithなどのホールばかりではなく教会などでの40回のコンサートが予定されている。

 



2.ケンジ・ジラク Kendji Girac

Kendji Girac が8月31日にリリースした新しいアルバムは「Amigo/友だち(スペイン語)」。

Kendji Girac、本名Kendji Maille1996日フランス西部Aquitaine地方、DordognePerigueux生まれ、歌手、作曲も行う。ロマ(jジプシー)で家族と共にキャラヴァンでフランス国内を回る生活を送っていた。

TVTF1のスタ誕番組「The Voice」の2014年第3シーズン圧倒的な強さで優勝。14年9月リリースのファーストアルバム「Kendji」は、
Color Gitano」、「Mon univers/僕の世界」、「Viens chez nous/僕たちの家へお出で」、「Andalouse/アンダルシア女性」などを収録、2015年10月には100万枚を突破、現在までに130万枚の売上げと言われていて「le phenomène KendjiKendji現象」とも言えるほどの人気に。

20
15年5月12、13、14日にはParis Olympiaに初出演。2015年10月リリースのセカンドアルバムEnsemble/ともに」「Me quemo/(スペイン語)身を焦がす」など13曲収録で90万枚の売上げ。TVTF1局の視聴者の投票により「La chanson de l’année/その年のシャンソン」では、2015年には「Andalouse」、2016年には「Me quemo」とGiracの曲が2年連続して選ばれた。また音楽専門のラジオ局NRJMusic Awardsでは2014年にフランス語圏新人賞及び「Color Gitano」でシャンソン賞を受賞、2015年には「Conmigo」でシャンソン賞を受賞している。2017年3月(8日)には20歳の若さで、Musée GrévinParis 9区)に蝋人形が展示された。

2016年3月のBercy公演以降新しいアルバムの準備のため表舞台に立っていなかったKendjiが満を持して世に送った3枚目のアルバムが「Amigo」、50曲以上録音しその中から13曲を選び収録、タイトルがスペイン語の曲も
Yo antare/僕は歌うだろう」を除き、歌詞はフランス語。それらは:「Maria Maria/マリア、マリア」(4月20日には先行シングルリリース、2018年6月9日の放送でTVTF1の「La chanson de l’année 2018」に選ばれた)、「Pour oublier/忘れるために」(Vianneyが協力)、Tiago/ティアゴ」(人名、Vianneyが協力)、「Amigo」、「Laisse tomber/放っておけ」、「Que Dieu me pardonne/神よ我を許し給え」(Davide Esposito作詞・作曲、Claudio Capeoとのデュオ)、「Autour du feu/火の周りに」、「Ma folie/僕の愚かの行為」、「Tu vas manquer/君がいなくて寂しくなるだろう」(Vianneyが協力)、「Mi amor/僕の愛」、「Si je pars/僕が行ってしまえば」、「Ma bien aimee/僕の愛しい人」など。

リリースの週から3週間アルバムチャートの1位。

Color Gitanohttps://www.youtube.com/watch?v=KDOHfl5SR_A

Maria,Mariahttps://www.youtube.com/watch?v=cZx8UiBJd0o

Kendjiは2019年3月1日からツアーを開始、各地のZénithを中心に50回のコンサートが予定されている。Paris登場は11月30日BercyAccorhotes Arenaの予定。

 



3.ザジーZazie、「Essenciel/最も重要なこと」

Zazieが2018年9月30日にリリースした新しいアルバムは「Essenciel」。

Zazie、本名Isabelle Marie Anne de Truchis de Varennesは1964年パリ近郊Boulogne-Billancourt生まれ、モデルから1992ACIとしてデビューし25年以上のキャリアを誇る。

92年のファーストアルバム「Je, Tu, Ils/私、あなた、彼ら」は、売上げ3万枚程度で華々しいものではなかったが、ACIとして認められるには十分で、93年にはVdM女性新人賞を受賞。95年1月にリリースしたセカンドアルバム「Zen/ゼン」は50万枚以上の売り上げでZazieのシャンソンフランセーズにおける地位を確実なものにした。アルバムに収められている「Larsen/ハウリング」のクリップは96年VdMのクリップ賞受賞。98年VdMで女性歌手賞受賞。2001年のアルバム「La Zizanie/不和」で、02年2度目のVdM女性歌手賞受賞。04年11月アルバム「Rodéo/ロデオ」をリリース、その後に行った「Rodéo tour」で06年VdMツアー賞受賞。15年3月コンピレーション「
Zazie, Les 50 plus belles chansons/ザジー、最も美しいシャンソン50曲」をリリース。

Zazieは他の歌手にも優れた曲を提供していて、08年に作詞作曲しChristophe Willemに提供した「Double je/二重の僕」がオリジナルシャンソン賞を受賞している。ほかにJane Birkin(「C’est comme ça/そんなもの」Zazie作詞作曲)、Patricia Kaas(「J’attends de nous/私は私たちに期待する」Zazie & Obispo作詞作曲)、Johnny Halyday(「Allumer le feux/火を付ける」Zazie作詞、Obispo作曲、この曲はHallydayがコンサートの際よく歌った)、Isabelle Bouray(「L’amour dans l’âme/心からの愛」Zazie作詞作曲)など。またPascal Obispo(96年の「Les meillieurs  ennemis/最良の敵」)、Axel Bauer(2002年「A ma place/私の代わりに」はNRJでフランス語シャンソン賞を受賞)らとのデユオ曲もヒット。

Zazieは、Les Enfoirésの主要メンバーの一人で、1997年以降19回連続して出演している。「Essenciel」は10枚目のアルバムで
12曲収録。「Speed/いらいらした」、「Watrrtloo」、「Va chercher/探しに行きなさい」、「Nos âmes sont/我々の魂は」、「Ma story」、「On s’aima fort/強く愛し合っていた」、「L’essenciel」、「La source/泉」など。

Larsenhttps://www.youtube.com/watch?v=Cfh-6TECNCs

Speedhttps://www.youtube.com/watch?v=LA7T0GSjzg0

Zazieは2019年秋からツアーの予定

 



4.ヴァンサン・ニクロ
Vincent Niclo21日「Tango

Vincent Nicloが2018年921日にリリースした新しいアルバムは「Tango」。

Vincent Niclo1975年パリ生まれ、テノール歌手。父親は歌手。最初演劇に興味を持ちFrançois Florentの演劇学校に通い、モダンダンスのスクールにも通った後劇場劇やTVドラマに出演。その後パリOpéra座のThierry Dranの許で声楽を学び、ミュージカルに出演するように、特に03年パリのPalais des Sportsで上演された「Autant en emporte le vent/風と共に去りぬ」ではRhett Butlerを演じている。

その後06年からソロ歌手として活動を始め、同年最初のアルバム「Un nom sur mon visage/僕の顔の上の一つの名」をリリースするが、評判にならず。モスクワ公演の際ロシアの「Les Chœurs de l
Armée Rouge/赤軍コーラス隊」の隊長に、コーラス隊のフランス公演の際共演するよう要請され、12年3月から共演。12年9月24日にリリーしたアルバム「Opera rouge/赤いオペラ」は、このコーラスをバックに歌った「Ameno/アメノ」、「Funiculi Funicula/フニクリ フニクラ」、「Caruso/カルソ」、「La Marseillaise/ラ マルセイエーズ」など10曲を収録、5週間アルバムチャートの5位以内に入るヒットで、triple disque de platine(30万枚以上の売り上げ)。

13年11、12月にはCéline Dionのヨーロッパツアーの前座で歌い人気に拍車が。
13年12月Luis Mariano(スペイン1914-Paris1970 歌手)の生誕100年を記念して「La belle de Cadix/カディスの美女」などMarianoのヒット11曲を収録したアルバム「Luis」をリリース、25万枚以上の売り上げ。

14年12月アルバム「Ce que je suis/僕はこうだ」Serge Lamaに詩の提供を受けた「Jusqu’à l’ivresse/酔うまで」などを収録。

16年9月23日リリースの「5.0/5 ドット オー」で、Pascal ObispoBergerac 1965- ACIなどの協力を得た
収録12曲のうち11曲はObispoの作曲になるり、詩の多くはObispoとのコンビで多くのヒット曲を出しているLionel Florenceによる。収録曲はJe ne sais pas/僕には解らない」、「Aimer est un voyage/愛することは一つの旅」、「L’envie de vivre/生きるという欲望」など

今回のアルバム「Tango」はNicloが2015年TVTF1の人気番組「Danse avec les stars/スタート踊る」に出演してダンサーのKatrina Patchellと組んで華麗なダンス(特にタンゴ)を披露したこともあり、タイトルを思いついたようでアルバムには12
曲、「Mi amorLibertango)/(スペイン語)僕の恋(リベルタンゴ)」(Astor Piazzolaの「Libertango」から、Vincent Niclo作詞/Pascal Obispo編曲)、「El Fuego del Amor(スペイン語)愛の炎」(歌詞はフランス語とスペイン語)、「La Cumparsita/ラ クンパルシータ」(Gerardo Heman Matos Rodriguez作詞作曲、タンゴの古典)、「Elena/エレナ」、「Mon amour/僕の愛」(Jeremy Poligneほか作詞作曲)、「La histoiria de un amor/ある恋の物語」(Carlos Eleta Almaran作詞作曲、ラテンのスタンダード)、「Monsieur Gardel/ガルデル氏」(Lionel Florence作詞/Pascal Obispo作曲)、「Uno/一人が」(歌詞はスペイン語)、「Quizas,quizas,quizas/キサス キサス キサス」(Osvaldo Farres作詞作曲)、「Demain/明日」(Slimane作詞/Patrick Fioli作詞)など。アルバムはMuy caliente/(スペイン語で)とても熱い」との評価がついている。

Amenohttps://www.youtube.com/watch?v=seg24dAmiVc

Mi amotLibertango)」https://www.youtube.com/watch?v=iI2-MACQr9k

 



5.ミレーヌ・ファルメールMilène Farmer
Desobeissance/不服従

Milène Farmer が2018年928日リリースした新しいアルバムは「Desobeissance」。

Farmer本名Mylène Gautierは1961年カナダQuébec生まれのACI。芸名は1930年代に活躍したアメリカの女優Frances Farmerから。歳でフランスに。 演劇学校で学んでいるときLaurent Boutonnat(1961.6.14-AC、プロデューサー、演出家、写真家)と知り合い、その勧めで音楽の道に。 BoutonnatFarmerのデビューからのピグマリオン。

1984年3月リリースのSPMaman a tort/ママは間違っている」が10万枚以の売上げで一躍人気歌手に。1986年4月1日ファーストアルバム「Cendres de lune/月の灰」の収録された「Libertine/放蕩女」から「赤毛の放蕩女」とも呼ばれることも。80、90年代にリリースしたアルバム、「Ainsi soit-je・・/アンシ ソワ ジュ」(88年)、「L’autre/二重人格」(91年)、「Anamorphosée/アナモルフォーゼ」(95年)、「Innamoramento/イナモラメント」(99年)はいずれもダイヤモンドディスク。1988年VdM 「女性歌手賞」を受賞。2000年には Alizée(1984- 歌手)を発掘し、そのファーストアルバムをプロデュース。05年VdM 「過去20年の最優秀女性歌手賞」を受賞。その後も05年「Avant que l'ombre/影が迫りくる前に」、08年「Point de suture/縫合」、10年「Bleu noir/青黒い」。12年「Monkey me」、15年と
Interstellaires/星の間の」と定期的にアルバムをリリースしている。09年9月11、12日 Stade de Franceでのコンサート。

15年4月「好きな女性歌手」のアンケートで、Edith PiafBabaraCéline Dionに次いで第4位。ラジオ局NRJ音楽賞のフランス語圏歌手賞4回、フランス語圏アルバム賞3回など、数多くの音楽賞を受賞している。11枚目のスタジオ録音アルバム「Desobeissance」には12曲収録。1曲を除き詩はFarmer自身、曲はFederLéon Deutschmannらの協力を得ている。12曲は:「Rolling Stone」、「Sentimentaeロマンティックな」、「Desobeissance」、「N’oublie pas/忘れないで」(アメリカ人女性歌手Laura Pergolizziとのデュオ)、「Get up Girl」、「Prière/祈り」、「Des larmes/涙」、「Parler d’avenir/将来を語る」、「On a besoin d’y croire/それを信じることが必要」など。アルバムはリリース1週間でdisque de platine(10万枚以上の売り上げ)。

Maman a torhttps://www.youtube.com/watch?v=T8N9hvrklQg

Rolling stonehttps://www.youtube.com/watch?v=jpsmVEiBQNQ

Fermerは2019年6月Paris La Défense Arenaで8回のコンサートが予定されている。当初の予定は6月7、8、11、12、14、15日の6日間であったが、そのチケット12万枚が発売開始48時間で完売、18、19日の公演が追加された。

No.1518
(その2) 
2018.10.27   

 No. 1518(その2)  2018.1012

シャルル・アズナヴール Charles Aznavour、死去 (その2)(その1は上記「過去の記事を読む」 に)

マクロン大統領の弔辞 
  

・・・・・・これから先も長い間多くの男女が、恋の苦しみを、別れの辛さを、始めることの喜びを、明日への希望を知った男女が、記憶の奥にこの詩人が語る言葉を聞くことになるだろう。彼は決っして我々の許を去ることはない・・・・・・(全文の概要下方に)                        

 Ulla Aznavour et ses enfants Nicolas, Mischa et Katia, Brigitte et Emmanuel Macron - Arrivées à l&#039;hommage national à Charles Aznavour à l&#039;Hôtel des Invalides à Paris. Le 5 octobre 2018 © Jacovides-Moreau / Bestimage

各界からの哀悼の言葉など(続き)

・アルメニアの首都Erevan:多くの市民がCharles Aznavourの名を冠した広場に花を手向けた。

Nicolas Sarkozy元大統領:死去の報に接し驚くとともにショックを受けている。Charles Aznavourはその輝かしいキャリアによって、フランス人一人一人の生活の中に入り込んでいる。偉大なChalresは我々の許を去ったが、我々に残してくれた、彼の詩、彼のメロディー、彼の声を。それらはシャンソンフランセーズの天才が、詩人が残してくれたものだ。

Edouard Philippe首相:彼はいつまでも詩人の、人々を感動させた人物の名簿の一番上に名前をとどめるだろう。このアーティストに脱帽!

Pierre Laurent政治家、共産党書記長:素晴らしい歌手、素晴らしい作詞家、素晴らしい作曲家である偉大なCharlesが我々の許を去った。彼のシャンソンと彼の声はこれからも我々を世界の果てまで連れて行ってくれるだろう。

Jean-Pierre Foucault TV司会者Monsieur Aznavourありがとう、フランスの文化を世界中に広めてくれて。今日私たちは本当に悲しい。

Henrikh Mkhitaryan アルメニア出身のサッカー選手:我々が敬愛しているCharles Aznavourが今日亡くなったことを知りとても悲しい。偉大な人物が我々の許を去った、しかし彼の作品はいつまでも我々の心に刻まれることだろう。あなたはいつまでも「For us」、「For meFORMIDABLE.Reposez en paix/安らかにお休み下さい。

Flavie Flament ラジオ・TVの女性司会者:本当に信じられないような才能を持つアーティスト、スター、彼の周りに起こっていることに極めて感受性の強い人物。初めて会ったのは私が22歳の時、それからは「父親代わり」だと思っている。彼が80歳の頃にはこんな想い出がある。彼がホールを横切って私の方にやってきた。「お帰りですか」と声を掛けると「ええ。でもあなたに言いたいことがある。あなたには何か悲しげなところがある。悲しさを追い払い、幸せに生きるように、幸せになるように」。そう言って帰っていった。私にとってはこれは教訓。

Hugues Aufray ACI:個性的な声の持ち主だった。その声の中にはアルメニアがあった。彼は深い根を持つ樹木のようだった。

Sylvie Vartan歌手:胸が張り裂けそう。彼は私が大好きなシャンソン「La plus belle pour aller danser/アイドルを捜せ」を提供してくれた。この曲は特に日本ではよく知られている。Johnny Hallyday、Vartanの最初の夫)と彼の自宅へ行ったことがある。私は緊張していたが、彼は謙虚で、ざっくばらんだった。彼は彼の年代の人たちの中で唯一我々を応援してくれた。彼は生涯若者たちを身近に感じてくれていた。彼はフランス人ばかりでなく、世界中の人々の心をとらえた。アメリカでもよく知られていたので夫(現在のTny Scotti)は私を知る前にCharles Aznavourのことを知っていた。彼は彼のシャンソンを通して不滅だ。10月20日のMarseilleからフランス国内ツアーを始めるが尊敬の思いを込めて「La plus belle pour aller danser」は必ず歌うつもり。

Michel Polnareff ACI:私がクリエーターとしてまた友人として敬愛している人物の訃報に接し、どれほどの悲しみを抱いているか表現することはできない。最近は弱ったなあと感じていた。そして世界ツアーをやることに不安を感じていた。近々Los Angelesで会うことになっていたのに。さようならCharles。とても悲しい。

Sting イギリスの歌手、2009年のAznavourのアルバム「Duos」で「Lamour cest comme un jour」をデュオで歌っている:Charles Aznavourは歌手として、作詞・作曲家として、俳優としてフランスの文化を代表するアーティストで世界的なスパースター。彼と一緒に歌い、録音することができたことを幸運だったと思う。彼は去ってしまったが、彼が我々に残してくれたものは永遠だ。

Maxime Le Forestier ACI一つのページがめくられた。彼はシャンソンフランセーズの中に肉体と、エロティシズムを持ち込んだ。彼にとっては辻芸人でいることが重要だった。彼のレパーtりーの中で1番好きなのは「La Bohèe」、これは私にとっては「措くあたわざる」曲。

Alain Chamfort歌手・作曲家:彼は高齢ではあったが、ある日突然こんなことが起ころうとは思いもしなかった。まだショックが癒えない。彼は簡単に人々に認められたわけではない。多くの逆境を経験した。書いた詩においても、ステージでのパフォーマンスでも、彼の意図は物議を醸した。最初は受け入れなかった人々に認めさせ、最後にはその人々を魅了した。彼は分野を問わず長いキャリアの手本だ。

Patrick Bruel ACIQue cest triste sans toi/あなたがいなくなってなんて悲しいことか(Que cest triste Venise/悲しみのヴェニス)。多くのイメージ、多くの分かち合い、多くの愛情、Charles それらすべてにありがとう。

Julien Clerc ACI:フランスの偉大な作家、偉大な作曲家で歌手、感情という巨大なジャングルの探求者。Cher Charlesあなたを心から敬愛しています。

Mireille Mathieu歌手:私はとても悲しい。Charlesは王だった、シャンソンフランセーズの族長だった。彼は世界中でシャンソンフランセーズを代表していた。彼は天国にいる歌手たちの仲間に入ってしまった。フランス全体が、世界全体が喪に服している。Chrles Aznavourには国葬がふさわしい。

Régine歌手:私は彼は不滅だと信じていた。100歳まで生きると信じていた。彼のためにそう願っていた。彼のユーモアは賞賛に値する。とても人間味があり、エレガントだった。私がシャンソンの世界に入るのには彼の助けがあった。彼は私に「Nounours/ぬいぐるみの熊ちゃん」を作曲してくれた。これは傑作だ。

Brigitte Bardot俳優:彼は我々のAsエース。詩人のAsエース、シャンソンフランセーズのAsエース、人気のAsエース、世界中に才能を示したAsエース。彼はいつまでも我々のAs・・navour

 

 追悼式、葬儀・埋葬

・大統領府主催の追悼式

大統領府の主催による追悼式は10月5日10時からParis7区Les Invalidesの中庭で行われた。Emmanuel Macron大統領夫妻、アルメニアのArmen Sarkissian大統領、Nikol Pachinian首相、AznavourUlla夫人、4人の遺児(長男に当たるCharlesは欠席したが理由は明らかにされていない)、姉のAidaが参列。招待された参列者は約200人。その中には、芸能人・司会者ではJean-Paul BelmondoRobert HosseinLaurent GerraEnrino MacisaZazAntoine DuleryAmel BentGrand Corps MaradeMireille MathieuEddy MitchelDany BrillantMichel LeebAnggunStomy BugsyPascal ElbeMichel DruckerCyril Hanounaらの顔が、政治家では、Nicolas SalkozyFrançois HollandeMarie Bernard CazeneuveJack LangChristophe CastanerMichele Allio-MarieMarine Le Penらの顔が。一般参列者は500人に限定、8時にVauban広場側の門から会場に入った。10時20分、アルメニアの民族吹奏楽器dudukで「Dle Yaman」が演奏される中、三色旗の包まれたAznavourの棺は共和国親衛隊の10人の兵士によって入場、中庭の中央に安置された。棺の前にはアルメニアの国旗に因んだ3色の花束が置かれた。最初にアルメニアのPachinian首相がアルメニア語で弔辞を述べた。次いで

Macron大統領が次のような弔辞を述べた・・Charles Aznavourは、自分は1世紀生きると語っていた。それは彼の最後の挑戦だった。年齢は彼の生きること、創作すること、歌うこと、愛すること、笑うことへの欲望を減退させることはなかった。しかし死は音もなくやって来た。彼の死は突然のことであり、彼の伝説的な希望が叶えられることがなかったことは我々にとって非常に悲しい。彼は数十年に渡って、我々の生活をより穏やかのものにしてくれ、我々の涙の苦さをより軽くしてくれ、我々の喜びをより軽快なものにしてくれた。彼のシャンソンは多くの人々にとって、不安や心痛を癒してくれる芳香剤であり、薬であり、慰めであった。その同行者が我々の許を去ってしまった。我々が生きていることの真実を連帯感を持って語ってくれた語り手が。 もう一人のChrles、Charles Trenetは若きAznavourに助けの手を差し伸べた。Trenetは「人々は詩人の魂を何気なく歌う、時々歌詞を忘れて・・」と歌っている。Aznavourのシャンソンにはまず歌詞がある、まず我々の心にしみる言葉がある。彼のシャンソンのタイトルや歌詞の1部は多くのフランス人の共通の財産になっている。人々は口ずさむ「Je me voyais déà/僕にはもう解っていた・・」(「Je me voyais déà/希望に満ちて」の歌い出し)、「Je vous parle dun temps/あなた方にある時代について話しましょう・・」(La Bohème)の歌い出し)、「Jhabite seul avec mamon/僕はママと二人で住んでいる・・」(「Comme ils disent/人々が言うように」の歌い出し)、「Hier encore/昨日はまだ・・」(「Hier encore/帰りこぬ青春」の歌い出し)、「Jai travaillé des années/僕は長年働いた・・」(「Mes emmerdes/想い出を見つめて」の歌い出し)、「Que c‘est triste Venise/ヴェニスはないと悲しいんだ・・」(Que cest triste Venise/悲しみのヴェニス)の歌い出し)などと。このことこそ一人のアーティストの才能を示す証左。我々にはそれぞれにそれぞれのAznavourがいる。それぞれに大事にしている曲がある。彼の曲には違った面がある。たとえばタンゴのリズムで歌われる「Lindifférence/無関心」にはVerlaineの詩に似たところがあり、「Le palais de nos chimères/僕たちの空想の館」には昔の通りのシャンソンの趣がある。 このアルメニアからの移住者の子は、本能的にフランスには、何物にもまして神聖な聖域があることを理解した。フランス語という聖域が。 我が国におけるヒーローには、受け継いだ血からフランス人である者もいる。しかし話す言葉によって、愛した言葉によって、仕事で使う言葉によって、書く言葉によってフランス人になった者もいる。KesselJoseph Kessel Argentine1989―1979France Averres 小説家)やGaryApollinaireIonescoも、それにAznavourもフランス人だ。この言葉のニュアンスやひだ、色やアクセントを知り、Azunavourはフランス人になり、パリジェンヌなった。 彼の両親とは異なるアイデンティティを持った言葉で彼の世界を紡いだ。それによってTrenetPiaf、さらにはより先輩のFrehlDamiaの跡を継いだ。 彼は8カ国語で歌ったが、どこへ行っても観客の前では彼のシャンソンをフランス語で歌った。フランス語はただ単に一つの国民を結びつけるものではなく、自由を、希望を表す詩人の、小説家の、芸術家の、哲学者の言葉だからだ。 デビュー当時Aznavourは小柄で、男前でもなく、人に好まれるような声でもなく、持って行った詩も先輩たちの気に入られることもなかったことから歌手になることをあきらめろと忠告されたと言われている。しかし彼は決してあきらめなかった。勤勉さと意志の強さによって彼は自分の才能を認めさせた。それは決然とした意志を持っていたからばかりではなく、愛と情熱を持っていたからだ。言葉に対する情熱を、フランスに対する情熱を。 彼は来週私と一緒にErevanを訪問することになっていた。アルメニアで開催されるフランス語圏サミットに出席するために。彼がいないことは大きな穴が開いたようだがアルメニアとフランスの友好関係は彼が我々に認識させてくれたようにこれからも続くだろう・・

20分に及んだ弔辞をMacron大統領は次のように締めくくった・・私は確信している、これから先も長い間多くの男女が、恋の苦しみを、別れの辛さを、始めることの喜びを、明日への希望を知った男女が、記憶の奥にこの詩人が語る言葉を聞くことになるだろう。彼は決っして我々の許を去ることはない。なぜなら「En France, les poètes ne meurent jamais./フランスでは詩人は決して死なないものだから。 Vive la Republique, vive la France/共和国万歳、フランス万歳」。

その後Aznavourの棺は共和国親衛隊合唱隊がAznavourのヒット曲「Emmenez-moi」を歌う中、入場時と同様に10人の兵士によってかつがれ、Invaliddes中庭の北口から退場、遺族と大統領夫妻が付き従った。棺が出口に近づいた時参列者全員が拍手で見送った。

式の模様はTVFrance2などが中継した。Invalides前の広場には巨大スクリーンが置かれ多くの市民が式の模様を視聴することができた。

アルメニアのErevanではAznavour広場に大型のTVが置かれFrance2の放送が流され多くのアルメニア市民が視聴した。

棺の入場と安置 https://www.youtube.com/watch?v=kDwffiTgzKA

Macron大統領の弔辞 https://www.youtube.com/watch?v=O3qw1uUwz2g

棺の退場https://www.youtube.com/watch?v=stJ7wwTci_8

Ulla Aznavour et ses enfants Nicolas, Mischa et Katia, Brigitte et Emmanuel Macron - Arrivées à l&#039;hommage national à Charles Aznavour à l&#039;Hôtel des Invalides à Paris. Le 5 octobre 2018 © Jacovides-Moreau / Bestimage

追悼式で遺族に弔意を示すMacron大統領 握手しているのはUlla夫人、その右隣が娘Katia、さらに右隣りがMacron大統領のBrijitte夫人。Ulla夫人の左隣が息子Miha、さらに左隣が息子Nicolas

 ・葬儀・埋葬

葬儀は10月6日午前10時からからParis8区のアルメニア教会Saint-Jean-Baptisteで遺族、ごく近しい人々、教会及び公的機関当局者のみ約150人が参列して行われた。参列者として、Macron大統領、アルメニアのPachinian首相、Youri DjorkaeffAndre ManoukianMichel DruckerSerge LamaAlain TerzianGrand Corps Maradeらの名が報道されている。教会内でのマスコミの取材は許可されなかった。

その後葬列はParisから西方45km人口3000人弱の小村Montfort-l‘AmauryYvelines県)に向かい、遺体は10月6日午後1時から同地のRue Saint-Nicolasにあり、16世紀に設けられ、歴史的建造物に指定されている墓地のAznavourの家族の墓に埋葬された。この墓にはすでにAznavourの両親と息子のPatrickが眠っている。Montfort-l‘Amaury観光協会では10月10日まで記帳台を設け、記帳者名簿は遺族に届けられることになっている。

 

なおアルメニアではこの日を服喪の日とし、公共施設には半旗が掲げられたよし。    


1+%28Custom%29.JPG (850×616)


Paris 8区 アルメニア教会Saint-Jean-Baptiste


Résultat de recherche d'images pour "Une dernière fois, les fans ont chanté «Emmenez-moi» pour Charles Aznavour Obsèques de Charles Aznavour au cimetière de Montfort-l’Amaury"

墓地に入るAznavourの棺墓地に入るAznavourの棺

No.1518  2018.10.2 

No.1518     2018.10.2

 シャルル・アズナヴール Charles Aznavour、死去

                        

Charles Aznavourが2018年10月1日、30年以上前から住んでいるMourièsBouche-du-Rhones県)の自宅でで死去。享年94歳。Aznavourは9月30日(日曜日)にはMourièsのレストランLe Vieux Fourで夕食、いつものようにワインを飲み、特に変わったところはなかった。10月1日(月曜日)の朝、浴場で倒れているAznavourを庭師が発見した。検死の結果死因は心肺の機能不全による自然死。

9月12日には、ヴェルサイユ宮殿で行われたMacron大統領主催の皇太子殿下歓迎晩餐会 で、大統領夫人の隣席に顔を見せていた
*。9月には来日し、17日夜には東京で、19日には大阪で休憩なく2時間にわたり20数曲を歌い続けたばかりだった。60年以上のキャリアで1400曲以上を作詞・作曲、作詞、作曲し、1200曲以上を8カ国語で録音、1億枚以上のレコードを売上げ、110ヵ国でコンサート、80本以上の映画、TVドラマに出演。

(*アズナブールは 2018年4月日仏間の交流強化及び友好親善に寄与したとして、日本国政府から「旭日小綬章」を授与されている)

 

 各界からの哀悼の言葉など

La Tour Eiffel (エッフェル塔):1日夜9時30分Charles Aznavourを偲んで金色にライトアップされた

L’Assemblée Nationale(国民議会)Richard Ferrand議長が弔辞を述べ、出席議員全員はスタンディングオヴェイションで弔意を示した。

Emmanuel Macron大統領:根本的にはフランス人、奥深いところでルーツであるアルメニアに結びついており、世界中に知られていたCharles Aznavourは3世代の人々の喜びと、悲しみに寄り添っていた。彼の傑作、歌声、独特の輝きはこれからもずっと生き続けるだろう。私が出席するアルメニアErevanでのフランス語圏首脳会談(10月11、12日)に同道して、歌ってくれることになっていた。フランス国民の喪の気持ちをアルメニアの国民と分かち合いたい。

François Hollande前大統領Charles AznavourErevanからParisまで彼は世界中の都市で愛と自由のために歌った。彼は我々に別れを告げたが、我々にとっては彼はこれからもずっとステージに立ち続 けるだろう。

Françoise Nyssen文化大臣:動転している。彼がいなくなって多くの人が寂しい思いをすることだろう。彼は我々の心に、記憶に残り続けるだろう。彼は常に歌う続けることを望んでおり、引退することは考えていなかっただろう。彼は他人に注意を払う、寛大な人物だった。彼はその言葉で世界中の人々に感動を与えることができた。すべてのフランス人にとって身近な存在だった。抑圧された人々を思いやる人物だった。私は彼のレパートリーの中では「La Bohème」、「For me formidable」、「Emmenez-moi」が好きだ。

Anne Hidalgoパリ市長:シャンソンフランセーズの真のアイドルであり、パリジャンであり、アルメニアの世界大使であるCharles Aznavour死去の報に接しとても悲しい。ご家族と近しい方々に心からのお悔やみを申し上げます。数ヶ月前、彼がAccorHotels Arenaに出演する際、ステージに立つ前の数分間話をする機会があり私がどれほど敬愛しているか話ことができた。私は市会のメンバーに、Paris市内にAznavourの名を冠した場所を作るよう提案したい。

Jean-Marie Le Pen政治家、極右政党Fron Nationalの設立者Charles Aznavourが我々の許を去った。アルメニア出身のフランス人は何十年にわたって、最も偉大な歌手の一人だった。彼はおとぎ話のように人々を魅了した。

Alain Delon俳優:私は打ち砕かれている。Charlesはシャンソンフランセーズ唯一の偉人だった。私はデビュー当時から彼を知っている。ほぼ同じ時期のデビューだった。私と同じ時期に活躍していたスターのAznavourBécaudTrenetが亡くなってしまった。Charlesは長い間頂点に君臨していた。睡眠中に(注:最初の報道ではAznavourは9月30日かた10月1日に掛けての夜睡眠中に死亡したと伝えられた)、苦しむことなく亡くなったようで、それが唯一、多少とも私の心を慰めてくれる。

Line Renaud歌手Charles Aznavour死去の報に接し大変ショックを受けている。彼の年齢にも関わらず私はこんなことが起こるとは想像していなかった。彼の人生は挑戦の連続だった。Charlesは生きる力を体現していた。彼は数多くに作品を、不朽の作品を残した。彼は最も美しい愛のシャンソンを書いた。デビュー当時は大変な苦労をした。彼の声は批判されたけれどFrank Sinatraと並ぶ世界的なスターになった。最近では世界中で歌うためよく機中の人になった。ステージそれは彼の人生そのものだった。最後の旅で疲れたのだろう。私は本当に悲しい。

Nana Mouskouri歌手Charlesが我々の許を離れることは決してない。彼は他の星を見つけるために旅立った。多くの友人たちと彼の「Bohème」な生活を送ることでしょう。彼のシャンソンはどの国においても永遠の美しさを持っている、我々の側にいてくれる贈り物だ。

Michel Sardou ACI:大きな悲しみを感じている。Charles Aznavourは友人で、助言者で、父親だった。私たちは1度もコラボしたことはなかったが、私の動向を注視してくれていた。そして私の曲で彼の目から見ておかしなところがあるとそれを指摘してくれた。我々二人にはそれぞれに苦しい時期があった。アーティストだけが経験する不安の時期があった。これは私を勇気づけてくれた。思いだすのは私が初めてOlympiaに出演した時。批評家の評価は散々だった。彼は分厚い本を持って私の楽屋を訪ねてくれた。それには彼がかつて受けた批評家の悪評をまとめたものだった。そして私に言った「これを読んだらいい。明日になれば気分が良くなっているだろう」。彼にも大変な時期があったけれど、彼はその才能で打ち勝ってきた。彼は私にとってはシャンソンフランセーズの最も偉大な作者。詩句は正確で、無駄な表現は一切ない。シャンソンは一種の鏡だと言っていた。

Céline Dion歌手Monsieur Charlesあなたはいつまでも「For me Formidable」。ご家族の皆さんに心からの尊敬と哀悼の念を送ります。

Serge Lama ACI:父親のような存在だった。今日私は孤児になってしまった。

Hélène Ségara歌手(母親がアルメニア出身):Charles Aznavourがアルメニア人にとってどんな存在であるか語ることはできない。彼が偉大な存在であったこと、そして人々に大きなロス感を与えることは間違えない。彼と彼を愛する人々に私のすべての愛を捧げます。RIP(安らかにお眠り下さい)

Alain Souchon歌手Charles Aznavourは我々の人生の同伴者。彼が素晴らしいのは不滅の、世界中で人に喜ばれる、物語のある音楽を作ったこと。彼は巨匠であったが大衆に好かれた。彼の歌詞は聴いたら直ぐに理解できた。そしてその詩は我々に夢を見させてくれるような詩情を含んでいた。

Benjamin Biolay ACI:真のボスが我々の許を去った。我々の先達であり、師匠だった。Je vous aime Charles。涙をこらえることはできない。

Amel Bent 歌手:私は父とも、祖父とも言うべき人、私の生涯のアーティストを失った。何か言うことはできない。RIPと言うこともできない。

Louan歌手Cher Monsieur Aznavour!あなたにお目にかかる時はいつも素晴らしい時だった。あなたは常に思いやりがあり、親切だった。私はあこがれていたし、今もあこがれている。あなたは永遠 に私の心の中にいるでしょう。

Vianney ACI:全世界がフランスの大きな光を失った。それに詩情も。Aznavour先生、これからも永久にあなたのシャンソンで我々を包んで下さい。

Anggun歌手:2013年にTV番組で「Les feuilles mortes/枯葉」をデュオで歌ったことがあった。それは忘れられない、非常に名誉な時間だった。さようならCher Monsieur Aznavou。あなたは永遠です。

Laura Smet(Johnny Hallydayの娘)俳優Monsieur Charles Aznavour ! とても悲しい。あなたが私たちにしてくれたことに感謝します。最も偉大な人物がこの世を去った。あなたの精神上の息子(Johnny Hallydayのこと)が星の中であなたを迎えることでしょう。

 

 

 

Charles Aznavour略歴

・1924年5月22日Paris 6区 Tannier病院で出生

本名Shahnourh Vanenagh Aznavourian。両親はArménieから移住者

・1933年9歳で児童劇やシェイクスピア劇に出演

・・その後姉Aïda(1923-)とともにPrior劇団に入り、国内各地を巡る

・1942年-1950年の間 ピアニスト・作曲家のPierre Roche(1919-2001)とデュオ「Roche et Aznavour」を結成。「Tant de monnaie/お金が一杯」、「Le feutre taupé/フェルトの帽子」などを歌う

  「Tant de monnaiehttps://www.youtube.com/watch?v=QkPPdi8iO7Q

・・1946年「J'ai bu/酔いしれて」(AznavourRoche)をGeorges Ulmer(1919-1989)がレコーディング、ACC大賞

・・1950年「J'aime Paris au mois de mai/5月のパリが好き」(AznavourAznavour et Roche

・1947年Edith Piaf(1915-1963)と知り合い、8年間Piafの「l’homme à tout faire/何でも屋」を務める

1950年代作詞家として:「Il y avait/若者がいた」(50年 Edith Piaf、作曲 Roche et Aznavour)、「Plus bleu que tes yeux/あなたの目よりも青く」(51年Edith Piaf、作曲 Aznavour)、「Le noyé assassiné/殺された溺死人」(54年 Philippe Clay、作曲 Frorence Veran)、「Je hais les dimanches/日曜は嫌い」(52年Juliette Gréco、作曲Florence Veran)などを提供

・1952年ソロで歌い出す

・1952年Gilbert Bécaudと知り合う。Aznavour作詞、Bécaud 作曲の「Mé qué mé qué/メケ メケ」(53年)、「Viens/お出で」(53年)、「Je t'attends/君を待つ」(63年)などがヒット

  「Je t'attendshttps://www.youtube.com/watch?v=16snf9lfJhA

1955Sidney Bechetの前座でOlympia初出演。

1955年「Après l'amour愛の後で」AznavourAznavourが物議、ラジオでの放送禁止

1956年「Sa jeunasse青春という宝」AznavourAznavour

1957Olympiavedetteスターとして初出演前座はDalida

1958年「Ce sacré piano古いピアノ」AznavourAznavour

1950年代後半から映画に出演し成功Tirez sur le pianisteピアニストを撃て」(60年、Francois Truffaut監督、「Un taxi pour Tobrouk地獄の決死隊」(60年 Denys de Las Patelliere監督、「Le passage du Rhinラインの架橋」Andre Cayyatte監督など

1960年代数々のヒット、若手イェイェ歌手に曲を提供

・・数々のヒット曲:「Tu t'laisses aller/あきれたお前」(60年AznavourAznavour)、「Il faut savoir/それが分かれば」(61年、AznavourAznavour)、「Les Comédiens/コメディアン」(62年、Jacques PlanteAznavour))、「La mamma/ラ マンマ」(63年、Robert GallAznavour)、「Et pourtant/想い出の瞳」(63年、AznavourGeorges Garvarentz)、「For me, formidable/フォー ミ フォルミダブル」(64年、Jacques PlanteAznavour)、「Que c'est triste Venise/悲しみのヴェニス」(64年、Francçise DorinAznavour)、「Hier encore/帰り来ぬ青春」(64年、AznavourAznavour)「Emmenez-moi/世界の果てまで」(67年、AznavourAznavour)など

・・若手歌手にヒット曲を提供:「Retiens la nuit/夜を返して」(62年Johnny HallydayAznavourGarvarentz)、「La plus belle pour aller danser/アイドルを探せ」(63年 Sylvie VartanAznavourGarvarentz)など

・1960年Paris Alhambraで「Je m'voyais déjà/希望に満ちて」(AznavourAznavour)を斬新な演出で歌い、人気に

  「Je m'voyais déjàhttps://www.youtube.com/watch?v=_JXF8HMS-jk

196330日アメリカ NY Carnegie Hall公演

1965年オペレッタ「Monsieur Carnavalムッシュ カルナヴァル」Théâtre du Châteletで上演の全曲を作曲、詩はJacques Plante。劇中の「La Bohème/ラ ボエム」は世界中でヒット

  「La Bohèmehttps://www.youtube.com/watch?v=hWLc0J52b2I

・1968年日本初公演、東京、大阪、名古屋で

・1971年「Mourir d'aimer/炎の恋」(AznavourAznavour

・1972年「Comme ils disent/人々が言うように」(AznavourAznavour

・1972年税務当局と確執、スイスに居を移す

・1974年「She/忘れじの面影」、イギリスで「シルヴァー・ディスク」に

・1975年アルメニア人虐殺60周年記念に「Ils sont tombés/去りし人々」(AznavourGarvarentz

・1980年「Autobiographie/自叙伝」(AznavourAznavour

・1980年国際障害者年にちなむ「Mon émouvant amour/声のない恋」(AznavourAznavour

  Mon émouvant amourhttps://www.youtube.com/watch?v=qGZVobFHajE

・1988年末アルメニア大地震、被害者支援のため「Aznavour pour l'Arménie/アルメニアのためのアズナヴール基金」を設立、89人のアーティストが参加して「Pour toi Arménie/アルメニア、お前のために」(AznavourGarvarentz)

  Pour toi Arméniehttps://www.youtube.com/watch?v=kWgRH3S0-8Y

1990Palais des CongrèsLiza Minnelliとコンサート

1995Académie FrançaiseからGrande médaille de la chanson française

1997Victoires de la MusiqueVdM)で男性歌手賞

1997年「Plus bleu que tes yeuxあなたの目よりも青く」Edith Piaf とのvirtuelデュオで

・1997年7月デビュー50周年をスイスMontreuxのジャズフェスティヴァルで

・1998年アルバム『Jazznavour』自身の過去のヒット曲をJazzにアレンジしてカバー

・2000年全曲作詞・作曲のミュージカル「Lautrec/ロートレック」ロンドン公演

・2003年「Je voyage/僕は旅する」(Katiaとのデュオ)、

・2003年自叙伝「Le temps des avants/前の時代」刊行

・2004年Musée Grevinに蝋人形展示

・2004年「Légion d'Honneur」のCommandeur 受章

・2004年Palais des Congrèsでのロングリサイタル、楽日は80歳の誕生日

・2006年「Tournée des Adieux/さよならツアー」をNYからスタート

・2007年2月同上で来日公演

・2007年「Colore ma vie/我が人生に彩りを」(AznavourAznavour)、「La terre meurt/地球は死んで行く」(AznavourAznavour)

 La terre meurthttps://www.youtube.com/watch?v=VHadAHiWtf0

2008年アルバム『Duos二人の奇跡』(2枚組みCD):Céline DionNana MouskouriEdith PiafvirtuelJohnny HallydayJulio IglesiasStingElton JohnLiza MinnelliPaul AnkaDean Martin(virtuelらとのデュオで自身のヒット曲などをカバー

 「Toi et moi/君と僕」https://www.youtube.com/watch?v=70fQqllHNko

2010VdMで特別賞

2010年スラム歌手Grand Corps Maladeと「Tu es, donc j'apprendsあなたがいる、故に僕は学ぶ」Grand Corps Malade & AznavourGrand Corps Malade & Aznavourをデュオで

2011月「ElleThomas Dutroncとのデュオ

201311月自伝「Tant que battra mon cœur 私の心臓が脈打つ限り」刊行

・2014年11月17日CD51枚組、683曲収録「Aznavou, Anthologie/アズナヴール名曲集」リリース

・2014年11月24日若手歌手によるAznavourのヒットのカバーアルバム『Aznavour, sa jeunesse/アズナヴール、彼の青春』

・2015年5月4日51枚目、最新のスタジオ録音アルバム『Encores/アンコール』:「Avec un brin de nostalgie/少しのノスタルジーを感じて」、「Ma vie sans toi/君のいない人生」など12曲

  「Avec un brin de nostalgie https://www.youtube.com/watch?v=pCBQzZI4ZKw

・2017年8月24日ハリウッドの「Walk of Fame」に星が飾られた

・2018年4月25日ロシアSaint-Peterbourg公演の前にぎっくり腰、公演中止

・2018年4月日仏間の交流強化及び友好親善に寄与したとして、日本国政府から「旭日小綬章」を授与される

・2018年5月12日Mourièsの自宅で転倒、左上腕骨を骨折、その後療養

・2018年9月来日、17日東京、19日大阪公演

・2018年9月28日TVFrance5の「C à vous」に出演、最後のインタビュー

・2018年10月1日死去

 

私生活

・1946年3月16日歌手Micheline Rugelと結婚、1952年離婚。2児、PatriciaSéda1947-)、Charles(1952-)

・1951年7月ダンサーArletteとの間に男児Patrick誕生(1961年からPatrick独立時まで同居、1976年6月死去)

・1955年10月28日歌手Evelyne Plessisと結婚、60年に離婚 

・1967年スウエーデン女性、Ulla ThorsellLas Vegasで結婚、3児、Katia(1969-)、Misha(1971-)、Nicolas(1971-

 
No.1517   2018.7.27  No. 1517        2018.9.27



ニノ・フェレールNino Ferrer、没後20年  追悼アルバムリリース & 追悼コンサート

 2018年は1960、70年代に活躍したACI、Nino Ferrerの没後20年に当たり、8月3日に追悼アルバムがリリースされ、
命日の8月13日にはMontcuqで追悼コンサート「Soirée d’hommage à Nino Ferrer/ニノ・フェレールに捧げる夕べ」が
行われた。

Montcuqはフランス西南部のLot県の人口1000人余の小村、Ferrerは「Le Sud
(下記リンクあり)のヒットのおかげで、この村で15世紀に
建てられた城館風農家を購入、1977年9月から住んでいた。野外ステージで行われた今回のコンサートには、悪天候にもかかわらず、2000人以上の観客が来場した。

主な出演者は:

Mathieu Chedid(1971-ACI 通称M)は「私はshowbizの世界に背を向けていたNino Fererに親しみを感じる。彼はJacques HigelinAlain Bushungなどと同じ、シュールなクリエーター。私もその仲間だから」と語り、歌ったのは「Mirza」、「Je vends des robes」。

Sanseverino(1961-ACI)は「Nino Ferrerは、はやり歌には興味を持たなかった。リズム&ブルースの曲にユーモアのセンスと馬鹿馬鹿しさ、それに優しさを付け加えた」とかたり、歌ったのは「Les cornichons」、「Le téléfon」。
他に「Je veux être noir」を歌ったEric Lareine(1954-歌手)など。

コンサートの最後には出演した歌手、Ferrerの遺族(夫人と2人の男児)、観客が「Le Sud」を合唱。またMontcuqLion-d’OrギャラリーではFerrerの絵画10数点が展示された初めての個展が開かれた。

 

8月3日リリースされたCD3枚組の追悼アルバムは
Nino Ferrer・・Et toujours en été/ニノ・フェレール・・そして常に夏』
(「Et toujours en été」はヒット曲「Le Sud」の歌詞の最後)

 内容は・・

CD1Ferrerのベスト24曲で:「Les cornichons」、「Mirza」、「Je veux être noir」、「Le téléfon」、「Je vends des robes」、「La maison près de la fontaine」、「Pour oublier qu’on s’est aimé」、「Millionnaire/百万長者」、「Je cherche une petite fille/僕は少女を捜している」、「Mon copain Bismark/友人ビスマルク」など

CD2はFererがアングロサクソンの音楽から影響を受けて作ったロック系の曲13曲で:「Angleterre/英国」、「Cannabis/大麻」、「Looking for you」、「Little Lili」、「Moby Dick」、「Mashed Potatoes」など

CD3はかつての、あるいは現在の人気歌手によるFerreヒット曲のカバー23曲で:「Le Sud」(歌っているのはSebastien Tellier)、「Moses/モーゼ」(Arthur H)、「La maison près de la fontaine」(Nilda Fernandez)、「Milza」(Arnaud)、「Rondeau/ロンド」(Daniel Darc)、「Je veux être noir」(Manu Dibango)、「C’est irréparable」(Dalida)、「Le Sud」(英語で、Lola March)など

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  Nino Ferrer、本名 Agostino Ferrariは1934年8月15日イタリアのジェノバ(フランス語ではGênesジェヌ)生まれ、父はイタリア人、母フランス人。父の仕事でNouvelle-Calédonieに居住。47年から一家はParisに。民族学と考古学を学んだ後「Musée de l'Homme/人類博物館」に入りオセアニアの考古学調査にも従事した。その後ニューオルリンズジャズに興味を持ち、Saint-German-des-Présの地下酒場でバンジョーやギターを弾き始めた。アメリカ出身で、フランスで活躍した女性ジャズ歌手Nancy Hollowayのバックなどをつとめ、彼女の勧めで、ソロで歌うように。63年最初のレコードを出した。それには、その後評価が上がった「Pour oublier qu'on s'est aimé/愛し合ったことを忘れるために」、「Un an d'amour/一年の愛」が収められていた。(「Un an d'amour」は「C'est irréparable /修復不可能」のタイトルもあり、Dalidaはこのタイトルで歌っている。Ferrer自身もこのタイトルでも歌っている。10カ国語以上のヴァージョンがあると言われている。1992年Pedro Almodovar監督の映画「Talons Aiguilles/スパイクヒール」では主題歌としてこの曲のスペイン語ヴァージョン「Un año de amor」が使われている。邦題「別離・わかれ」の原曲)。 当時10代のイェイェ歌手たちが活躍する中にあってすでに29歳になっていたフェレールのこのレコードは当時フランスでは話題にならなかった。しかし、ヨーロッパの他の国々、日本、中近東諸国ではこれらの曲は頻繁にラジオから流れた。

Un an d’amourC’est irréparablehttps://www.youtube.com/watch?v=r4Q1Zk_WpEc

65年にはリズム&ブルースの曲に滑稽な、馬鹿馬鹿しい歌詞の付いた「Mirza/ミルザ」、「Les cornichons/ピクルス」をリリース、大ヒットで人気歌手に。

Mirza」は犬の名、歌詞の最初の部分「Z'avez pas vu Mirza? Oh la la la la la/ミルザを見ませんでしたか?オー ラララララ」は当時誰もが口ずさんだ。彼がコート・ダジュールでダンスパーテイーの司会をしているとき、女性客の一人が愛犬を見失ったとき彼がマイクで「どなたかミルザを見ませんでしたか?ラララ」と即興で歌ってできた曲だといわれている。

Mirzahttps://www.youtube.com/watch?v=u5XwT6fc_Gg

Les cornichons」は「・・土曜日に大きな車で郊外にピクニックに出かけた、ワインと栓抜き、パン、バター、ビール、マスタード、トマト、オニオン、ピクルスを持って、着いたら雨が降り出し、傘を持っていかなかったので、持ち帰り、家で食べた・・」と歌っている。

Les cornichonshttps://www.youtube.com/watch?v=rfMDRJCqxc8

そして、66年には195回のコンサート、30回のテレビ出演、Jacques Dutroncと並んぶダンデイで挑発的な歌手に。「Je veux être noir/黒人になりたい」(66年)、「Le téléfon/電話」(67年)、「Je vends des robes /私はドレスを売る」(69年)などのヒット続いた。そして72年「La maison près de la fontaine/泉の近くの家」を収めたアルバムが50万枚以上売り上げ。75年には100万枚以上売り上げたといわれる最大のヒット曲「Le Sud/南フランス」を発表。「Le Sud」・・そこはルイジアナやイタリアに似ていてテラスには洗濯物が干してある。まるで南国、時間はゆっくり過ぎて行き、時間も人生も100万年続くだろう、そして常に夏だ。いつかきっと戦争があるだろう、誰も好きではないのに、それは運命みたいなもの。それは南仏にとっては不幸なこと、でも100万年以上も生きてきた、そして常に夏だ・・

Le Sudhttps://www.youtube.com/watch?v=Ahyzb47QwPA

1977年からフランス西南部のLotMontcuqに居を構え、自宅に録音スタジオを設けて、79年10枚目のアルバム「Blanat」(Ferrerのスタジオの名称)をリリースし、Jacques Higelinと国内ツアー。その後86年の「13e album/13枚目のアルバム」、93年の「La vie chez les automobiles/運転する人のいる家」まで6枚のアルバムをリリース、それらは商業的にはあまり成功しなかった。83年12月19日に1日だけOlympiaに出演。その後絵画や演劇の脚本などに活動の場を広げた。Ferrerのシャンソンは、ブルースの影響を受け、世の中の不条理を歌い、世間を嘲笑、独特のパーソナリテイを持っていた。98年8月13日64歳の誕生日を目前に銃より自殺。「Ninoはリズムを大切にする音楽家。美や芸術に貴族的な感性を持ち、純粋だった。」(死去の報に接した歌手Claude Nougaroの言)。

2008年ジャーナリストのOlivier Cachin伝記「Nino FerrerC'était pourtan bienニノ・フェレール:それでもすばらしかった」が刊行された。その中でCachinFerrerの為人は次のよう語っている。・・彼は自分自身では気に入ってはいないことで人気を得た。彼のヒット曲と言われている曲も彼には気に入らなかった。最大のヒット曲「Le Sud」も自身では未完成だと言っていた。そして自分自身では良い曲だと思っているものが商業的には成功しなかったことに失望していた。コンサートの際そうしたヒット曲ばかりをリクエストする観客にはうんざりし、だから「ミルザ」を殺し、「電話」を切ってしまいたいと思っていた。この不満足感が徐々に彼を閉じこもらせたのではないか。そして最後にはショービズの世界に身を置くことを嫌悪するようになった。彼の最終的な望みはたった一人の人物の気に入るようなアルバムを作ることだった。たった一人の人物、すなわち、彼自身の・・

No.1516   2018.9.1

KCN 1516  2018.9.1



Le meilleur de la Fête de la chanson française/シャンソンフランセーズの祭典 ハイライト」

8月11日及び18日、 TVMONDEJaponで、「Le meilleur de la Fête de la chanson française」が放送された。

これはフランスのテレビ歌謡番組La Fête de la chanson françaiseの過去の放送のベストシーンを編集したもので
次のような場面が見られた。

 Edith Piafを歌ったシーン。

・「Non je ne regette rien/水に流して」(Patricia Kaas & Garouhttps://www.youtube.com/watch?v=55UxrwX_S_k

・「Mon manège à moi/私の回転木馬」(Etienne Dahohttps://www.youtube.com/watch?v=SGC4jgiVgI4

・「L’accordeoniste/アコーデオニスト」(Zaz & Serge Lamahttps://www.youtube.com/watch?v=apDox3vA3Cg

・「La foule/群衆」(Florent Pagny)原曲及びPiafのカバーhttps://www.youtube.com/watch?v=6TeUM_uFj8Q

 

Charles Aznavourを歌ったシーン

・・「Emmenez-moi/世界の果てまで」
Patrick BruelHélène SégaraBénabar、Chimène BadiGérard Damon & Aznavour


https://www.youtube.com/watch?v=f2GovCl6o4E

・「Je me voyais déjà/希望に満ちて」(Chistophe Maé & Florent Pagnyhttps://www.youtube.com/watch?v=S5qQDl4ag-c

・「Les comédiens/コメディアン」(Pascal Obispo & MPokorahttps://www.youtube.com/watch?v=g9wEfNXkS8A

・「Sur ma vie/命をかけて」(Aznavour & Johhny Hallydayhttps://www.youtube.com/watch?v=Kt4Wqf_mce4

・「La Bohème/ラ ボエム」(Kendji Girac et Garouhttps://www.youtube.com/watch?v=Vqhldr3Egxs

 

Johnny Hallydayを歌ったシーン

・「L’envie/願望」(Patrick BruelPascal ObispoChristophe Maé & Hallyday)

https://www.youtube.com/watch?v=n7dRG-oDkek

・「L’envie/願望」(Vincent Niclo & Chimène Badihttps://www.youtube.com/watch?v=AChHRWXMtM8

・「Je ne suis pas un hero/僕はヒーローじゃない」(Patrick BruelPatricia KaasIsabelle BoulayGarouHallyday

https://www.youtube.com/watch?v=dNKw-_yX29M

 
 No.1515 2018.8.18   

No.1515     2018.8.18 

リーヌ・ルノーLine Renaud、7月2日 90歳の誕生日 

Exclusif - Les danseuses du Moulin Rouge, Michèle Laroque, Line Renaud, Stéphane Bern, Nana Mouskouri, Vincent Niclo, Muriel Robin, Iris Mittenaere - Enregistrement de l'émission "Bon anniversaire Line" à l'occasion des 90 ans de Line Renaud au Théâtre Bobino à Paris, le 25 juin 2018. L'émission, présentée par Stéphane Bern, est diffusée mardi 3 juillet 2018 à 20h55 sur France 2. © Coadic Guirec / Bestimage        

Line Renaudが2018年7月2日90歳の誕生日を迎えた

Line Renaud、本名Jacqueline Entéは1928年7月2日NordArmentières近郊生まれ、歌手、俳優。

(経歴詳細は、下部に記しました)

 2018年7月2日Seine川に浮かぶ「Pavillon–Seine」号の船上で誕生日を祝うパーティーが開催された。招待客約200人は、Jean-Paul Gaultierデザインの、Renaudの瞳の色と同じコバルト・ブルーの衣裳に身を包んだLine Renaudに迎えられ、Trocadéro公園の近く、エッフェル塔の対岸Debilly河岸で乗船した。招待客には:Brigitte Macron大統領夫人、Anne Hidalgoパリ市長(Line RenaudParis市のメダルを授与した)、Dany BoonMuriel RobinMichele LaroquePascal ObispoJulie Hantson夫人と)、Jean RénoPatricia Kaas(絹のkimonoで)、Catherine LaraAnnie Cordy(自身は6月90歳の誕生日を迎えた)など。グループChico et The GypsiesMagali RipollACIでアコーデオニスト)が演奏と伴奏を。「Ma cabane au Canada」は全員が歌い(「au Canada/カナダの」を「au Paname/パナム(パリ)の」に変えて歌った客も)。最後には全員「Joyeux anniversaire!/Happy Birthday」。https://www.youtube.com/watch?v=Yzxhzv4LcU4

Line RenaudMa cabane au Canada1966https://www.youtube.com/watch?v=rHYYX-sk8bw

 

TVFrance ではStéphane Bernの司会で特別番組「Bon nniversaire Line!/リーヌ、誕生日おめでとう」が放送された。これは6月25日Théâtre Bobinoでで行われた誕生祝賀会の模様を収録したもの。TVJaponでは7月21日19:20から3時間に渡って放送された。RenaudGarde Républiquaineの合唱隊の合唱の中、Renaudと同様に北フランス出身の人気俳優Dany Boomに迎えられBobinoに登場。番組ではRenaudの経歴を示す過去の映像が流され、最近のものでは2017年10月Las Vegasに「Line Renaud Road」誕生した際の命名式の模様が。多くのゲストが登場し祝辞を述べた。歌手ではSerge LamaNana MouskouriVincent NicloPascal ObispoEmmanuel MoireAmirPatricia KaasらがRenaudのヒット曲、あるいは縁の曲を歌った。その中には:

Mouskouri & NicloQue sera,seraEddy Marnayによるフランス語の歌詞https://www.youtube.com/watch?v=qdZmMcbBAZw

Line RenaudQue sera, serahttps://www.youtube.com/watch?v=SH3WU5DPxwA

ObispoPour toi君のために」Albrert Simonin作詞Loulou Gasté作曲、映画「Le feu aux poudres/大騒ぎ」から。 「Feelings」の原曲)https://www.youtube.com/watch?v=5KhIIdp7Ad8

 Line RenaudPour toihttps://www.youtube.com/watch?v=Rh0Q1CX9tkY

SlimaneSa raison être/彼女の存在理由」(Lionel Florence作詞/Pascal Obispo作曲。Renaudが副会長を務めるエイズ撲滅のための団体「Sidaction」協会の活動を支援するため、1998年Florent Pagnyら40人余の歌手によって歌われた。それから20年経過した2018年新しいヴァージョンには50人余の歌手が参加、その中にはSlimaneも)https://www.youtube.com/watch?v=_eGWAcNqlbk

 2018年版「Sa raison êtrehttps://www.youtube.com/watch?v=EZeUDEahOOg

AmirI can’t take my eyes off you」(1967年のFrankie Valliのヒット、Renaudは69年Michel Rivgaucheのフランス語の歌詞で「Une poussière dans le cœur」のタイトルで歌っている) https://www.youtube.com/watch?v=SHBzyC2MN_M&t=18s

 Line RenaudUne poussière dans le cœurhttps://www.youtube.com/watch?v=eQbR8D1n024

 

また、AdamoPaul Anka(「My way」の歌詞を祝辞に変えて歌った)はヴィデオで祝辞。

祝賀会の終盤近くMacron大統領のヴィデオメッセージが紹介された。「あなたは多くのフランス国民の心の底に生きています。あなたは偉大なアーティスト、歌手、レビューのリーダー、映画・舞台俳優。あなたのシャンソンのメロディーや映画で演じた役はフランス人に取って身近なもの。あなたが世界中でフランスを輝かしいものにしてくれていることに大いに感謝しています。特にアメリカでフランスのイメージを、フランス女性のイメージを高めてくれたことに・・」

フィナーレでは「Ma cabane au Canada」をMiriel Robin(俳優)→MouskouriSlimaneMichèle Laroque(俳優)→NicloRenaudが歌い、https://www.youtube.com/watch?v=qdZmMcbBAZw

Moulin Rougeのダンサーによるカンカン。最後に特大のバースデイケーキが登場。それを前にして、Renaudは感謝の意を述べた後で「私の座右は『人生は素晴らしい。人生ほど価値のあるものはない』。10年後に同じ時間にこの場所で再会できることを願っています」。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

Line Renaud略歴

 

Line Renaud、本名Jacqueline Entéは1928年7月2日NordArmentières近郊生まれ、歌手、俳優。

7歳で地方ののど自慢大会で優勝。14歳で地方のラジオ局に出演。1945年パリに・・

1945年9月Folies Bellevilleに出演。ピグマリオンになるLoulou Gasté(1908-95)と知り合う。50年に結婚

1948年「Ma cabane au Canada/私のカナダの家」(作詞Mireille Brocey、作曲Gasté)。49年ACC大賞

1949年Yves Montandの前座でThéâtre de l'Etoileに出演

1950年ABCvedetteとして出演。「Etoile des neiges/雪の星」

1952年「Ma petite folie/私の可愛いお馬鹿さん」

1953年「Mademoiselle from Armentières」、「Tire,tirel’aiguille/針仕事に精をお出し」

1954年「Le bal aux Baléares/バレアルの舞踏会」、「Les plus jolies choses de la vie/人生で最も美しいことを」

1954年4ヶ月間Moulin Rougeに出演

1954年Bob Hopeの招きで「Bob Hopeショー」出演のためアメリカへ。Ed Sullivan showにも出演し、Dean Martinと「Relaxez-vous/リラックスして」をデュオで歌うなどしてアメリカでも大人気に

1956年「Pour toi/あなたのために」、「Que sera sera/ケ セラ セラ」

1959年12月からCasino de Parisのレヴユー「Plaisirs/愉悦」で「meneuse de revue/レヴユーのリーダー」になり、64年4月まで1000回以上上演

1964年アメリカLas Vegasでショー、6ヶ月の予定が2年間に

1966年Casino de Parisでレヴユー「Désirs/パリの欲望」

1967年初来日、その後数回来日。(特に1989年には革命200年記念行事出席のため)

1968年から5年間Las VegasMiamiなどアメリカで活動

1973年帰国後TVのアメリカ風のヴァライティーショー「Line Direct」の司会者に

1976年3月財政上の危機に瀕していたCasino de Parisを救う4年間のレヴユー「Paris-Line」。80年1月まで 

1980年代から30年間は主に映画・TV・舞台女優として活躍

1985年以降「Sidaction/エイズのために行動を」協会の副会長

2010年6月CD4枚組コンピレーションアルバム『Line Renaud 100 Chansons d’or 』をリリース

2010年11月 30年振りのアルバム『Rue Washington』:当代を代表するACI、作詞家、作曲家が協力。「Les torrents damour/愛の奔流」(作詞Michel Delpech)、「Ce monde est merveilleux/この世界は素晴らしい」(Johnny Hallydayとのデュオ、Louis Armstrongの「What a wonderful world」の翻案)、「Dans ma tête/私の頭の中で」(作詞・作曲Christophe Maé)、「La mémoire dévetue/むき出しの思い出」(作詞Jean-Loup Dabadie、作曲Julien Clerc)、「Un sourire/一つの微笑み」(作詞・作曲Adamo)、「C'est pas l'heure/今はその時じゃない」(作詞Mylène Farmer、作曲Laurent BoutonnatFarmerとのデュオ)など13曲。

2011年5月24、25日Paris Olympiaに初出演。Julien ClercChristophe Maéなどゲスト出演

2011年11月ライブアルバム『Un soir de mai à l’Olympia/5月の一夜 オランピアで』リリース

2013年5月16日Bérnard Stora(映画・TVの演出家、脚本家)と共著で自伝「Et mes secrets aussi/そして私の秘密も」を刊行

2013年Légiond’HonneurGrand Officier勲章受章

2014年10月蝋人形がMusée Grévinに展示される

2016年「Ordre national du Merite/国家功労章」のGrand-Croix章受章

2017年10月Las Vegasに「Line Renaud Road」誕生

2018年7月2日90歳の誕生日

No.1514 
2018. 8.14

KCN 1514    2018.8.14

6月の新譜  遅ればせながら、 6月の新譜ご紹介します。

(3番目にご紹介のL.E.J がYoutubeに投稿した「Summer 2015」は、現在閲覧回数7000万回を超える大ヒットとなっております。映像下方に載せております。お見逃し無く)



1.   クール・ド・ピラトCœur de Prate、「En cas de tempête,ce jardin sera fermê/嵐の際には、この公園は閉鎖」

Cœur de Pariteが2018年6月1日リリースした新しいアルバムは「En cas de tempête,ce jardin sera fermê」。

Cœur de Pirate(海賊のハート)、本名Bêatrice Martin1989年9月22日CanadaQuébec州、Montréal生まれのACI
ピアニストの母について3歳からピアノを習い、2007年から曲作りを始め、グループで活動した後、08年にはソロに。ファーストアルバム「
Cœur de Pirate」をQuébecで08年9月、フランスフランスで09年4月にリリース。フランスでは60万枚以上売り上げたと言われ、そこに収められた「Comme des enfants子供たちのように」はVdMシャンソン賞を受賞。11年セカンドアルバム「Blonde/ブロンドの女性」、14年アングロサクソンのヒット曲のカバーアルバム「Trauma/トラウマ」をリリース。14年Renaudオマージュアルバム「Bande à Renaud/ルノー軍団」では「Mistral gagnant/ミストラル ガニャン」を歌っている。15年のアルバム「Roses」には自身の作詞作曲による10曲収められていて、フランス語で4曲、英語で6曲歌っている。16年9月には、Marc Lavoine Paris郊外1962-ACI)、Arthur H(本名Arthur HigelinParis 1966- ACI)と協力、音楽物語「Les souliers rouges/赤い靴」をリリース。Cœur de Pirateはカナダの音楽賞Félix賞を数多く受賞、09年新人賞、12年女性歌手賞、同年popアルバム賞など。 12年7月結婚、同年9月長女が誕生している。

10年のキャリアで5枚目となる今回のアルバムはCD及び限定販売のLPレコードの形でリリースされ、自身の作詞作曲による10曲が収められている。音楽専門サイト「Pure Charts」では2018年上半期を代表するアルバムに一つと評価している。収録曲は:「Somnanbule/夢遊病者」、「Prémonition/予感」、「Je veux rentrer/私は帰りたい」、「Dans les bras de l’autre/他の人の腕の中で」、「Dans la nuit/夜に」(Québecのラップ歌手Loudとのデュオ)、「Amour d’un soir/一夜の恋」、「Carte blanche/白紙委任状」など。

今夏には各地のFestivalに出演した後、秋からQuébec、フランス国内、ベルギー、ドイツなどを回るツアーを開始。10月9日Paris Olympiaに出演してキャリア 10周年を祝う。

Comme des enfants2010VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=KRqCPxBsEmY

Somnanbule2018.6.4TVC à vous」で https://www.youtube.com/watch?v=TXXMS3OUBpU

 



2.タルTal、「Juste un rêve/ただ一つの夢」

Talが2018年6月8日リリースした新しいアルバムは「Juste un rêve」。

Tal、本名 Tal Benyerzi、は1989年12月12日IsraelPardes Hana生まれの歌手(作詞、作曲も行う)、俳優。Talはヘブライ語で「朝露」を意味する由。1990年からParisに住む。父は作曲家、母はワールドミュージックの歌手という音楽一家に育ち、12歳からギター、ピアノを独学で習い、次いで歌、ダンス、演劇を習う。2011年Warner社にデモテープが認められ、2週間後にはAlice KeysParis Palais des Congrèsのコンサートの前座、さらにChristophe MaéCasino de Parisコンサートの前座で歌い注目されるように。2012年3月19日リリースのファーストアルバム「Le droit de rêver/夢みる権利」は好評で、45万枚の売上げ、一躍フランスポップス界期待の新人に。これにより13年のNRJ音楽賞でフランス語圏、女性歌手賞及び新人賞を受賞。
12年Jean-Jacques Goldmanオマージュアルバム「Génération Goldman」にはMPokokaとのデュオ「Envole-moi/僕を飛び立たせて」で参加、13年の「Génération Goldman vol 2」には「Pas toi/あなたではない」で参加している。

Talは12年12月18、19日ParisDivan du Mondeで初コンサート。13年9月2日セカンドアルバム「A l’infin/無限に」をリリース、それに引き続いて ParisPalais des SportsZénith、さらに15年3月27日から30日までCasino de Parisでコンサートを行っている。Talは14年及び16年NRJ音楽賞フランス語圏女性歌を受賞、13年から18年まで連続Les Enfoirésに出演している。前作は16年10月28日リリースのアルバム「Tal」。4枚目のアルバム「Juste un rêve」には作詞・作曲とも、Talと他の作詞家・作曲家の共作による10曲が収録されている。それらは:「Carpe Diem/一日の花を摘め」(古代ローマの詩人Horaceの詩集「Carmina」から)、「AndDNA」、「Mondial/(サッカー)ワールド(カップ)」(ラップ系ACISopranoとの共作で、3月9日シングルカットされている)、「Madame officiel/公人のマダム」、「Jambo/ジャンボ」、「Juste un rêve」、「Comme un semdi soir/ある土曜の夕べのように」、「L’amour me donne des ailles/愛が私に翼をくれた」など。アルバムは
リリースの週チャート2位。

Le droit de rêver」2011年10月https://www.youtube.com/watch?v=tX9CPNALueg

Mandial(2018月、NiceでのFête de la musiquehttps://www.youtube.com/watch?v=jOCBTAv_2DQ

 



3. LEJ. 「Poupées russes/ロシア人形」

 LEJ(フランス語読みの エル・ウ・ジーではなく英語読みの エル・イ・ジェイと発音する らしい)が2018年6月8日リリースしたアルバムは「Poupées russes」。 

LEJParis郊外Seine-Saint-Denis
3人の女学生LucieElisa Julietteが2013年結成したポップグループでグループ名はメンバーの名の最初の文字から。LucieLucie Lebrunは1993年11月生まれでヴォーカル、サクスホーンを担当、ElisaElisa Parisは1993年8月生まれヴォーカル、パーカッションを担当、JulietteJuliette Saumagneは1993年9月生まれドラムスとベース担当。

Saint-Denisを中心に活動していた
LEJ2015年8月にYoutubeに投稿したヴィデオ「Summer 2015」が1週間で170万回以上の再生という大ヒットで、一躍人気になり「Phenomène LEJLEJ現象」と言われるほどに。「Summer 2015」は当時のあるいは過去の夏のヒット曲「Freedom」(Pharell Wiliams)、「Laisser passer/通行許可証」(Maître Gims)、「Carmen」(Stromae)などのヒット曲を編集したもの。「映像はコンサートの合間に(Gironde県、大西洋岸、Bordeauの西方)Lacanau海岸で撮った。こんなに人気になると知っていたらパジャマなんか着ていなかったのに」。Videoは現在までに7000万回以上の再生。
2015年12月ファーストアルバム「En attendant lalbum/アルバムを待ちながら」をリリースした。これには「Summer 2015」のほか「El dulce de leche」(Tryo)、「Get Lucy」(Daft Punk)、「Hanging Tree」(映画「The Hunger Games」から)、「Can’t Hold Us」(Macklemore & Ryan Lewis)などのカバー曲及び新作「La dalle/空腹だ」の11曲収録。その後16年には各地のfestivalに出演、5月と10月にはOlympiaに出演。
17年2月VMで新人ステージ賞を受賞している。

今回のセカンドアルバム「Poupées russes」にはすべて
LEJが作詞・作曲した12曲が収録されている。それらは:Poupées russes」、「La nuit/夜」、「L’epoux d’un soir/ある夕べの夫」、「Acrobates/アクロバット」、「Le verbe/動詞」、「La marée/満潮」、「Le buzz/物議」、「Saine sainte n’y touche/聖女はそれに触れない:女性の偽善者、猫かぶり」、「Miss Monde/ミス ワールド」など。10月26日ParisのSalle Pleyelに出演予定。

Summer 2015」 Youtubeに投稿したvidéo https://www.youtube.com/watch?v=u4zb6LUehwY

Poupées russes」→「La nuit」→「Acrobates」→「Miss Monde」ほか

2018年6月8日Le Parisien紙のスタジオでhttps://www.youtube.com/watch?v=Kcu5wmKk878&t=909s

 
No.1513  2018.7. 25

No. 1513    2018.7.26

6月の話題 5点 お伝えいたします。

1.マルク・オジュレMarc Ogeret、死去


2.La Chanson de l’année2018 / 2018年のシャンソン」、Kendji Giracの「Maria,Maria」が選ばれる

3.シャルル・アズナヴールCharles Aznavour、公演のキャンセル追加

4.Fête de la musique/音楽の祭典、開催

5.アニー・コルディーAnnie Cordy、90歳の誕生日




1.マルク・オジュレMarc Ogeret、死去

Marc Ogeretが2018年6月4日、Semur-en-Auxois(Côte-d’Or)の病院で死去、享年86歳。 

Ogeretは1932年Paris Montparnasse生まれの歌手で作曲も手がける。17歳で学業を放棄、工員として働きながら、演劇学校で学ぶ。その間ギターを手にカフェのテラスでLéo FerréJacques Douaiなどの曲を歌う。Pierre PrévertJacques Prévertの弟)の目に止まり、56年Prévertのキャバレ「La Fontaine des Quatre Saisons」に出演。その後「Chez Agnès Capri」などの「rive gauche/左岸」のキャバレで歌う。

そして60年からLouis AragonJean GenetAristide Bruantら詩人の詩を歌った曲を録音するようになり、詩的シャンソンを歌う有力な歌手の一人に。Ogeretはまたパリ コミューン、フランス革命、反体制、レジスタンスなどテーマにした曲もレパートリーにしている。62年には「Est-ce ainsi que les hommes vivent?/男の生き方」(Aragon の詩、 Leo Ferr
é曲)などを収めた最初のアルバム「Les mains d’Elsa/エルザの両手」でACC賞を受賞。64年にはBrassensの前座でBobinoに出演している。その後次のようなアルバムを出している:「Marc Ogeret chante Aragon/アラゴンを歌う」(67年)、「Autour de la Commune/パリ コミューンを巡って」(68年)、「Chansons de révolte et d’espoir/反抗と希望のシャンソン」(73年)、「Le Condamne à mort/死刑囚」(Jean Genetの詩にHélène Martinが曲を付けた)、「Chante la Révolution/革命を歌う」(88年)、「Ogeret chante Léo Ferré/レオ・フェレを歌う」(98年秋Santier des Hallesで行ったリサイタルで歌ったFerréの曲のスタジオ録音)。

そして2010年12月13日にはCD3枚組みcompilationMarc Ogeret chante les po
ètes/マルク・オジュレ詩人たちを歌う」をリリース。これには77曲収録されている。それらは:「Est-ce ainsii que les hommes vivent?」、「Maintemnant que la jeunesse/過ぎ去りし青春の日々」、「Que serais-je sans toi?/もしも君に逢えずにいたら」、「Les oiseaux/鳥たち」、「Nous dormiront ensemble/一緒に眠ろう」、「Jentendsjentends/聞こえる、聞こえる」、「Laffiche rouge/赤いポスター」、「Le dondamne à mort/死刑囚」、「Rue Saint-Vincent/サン・ヴァンサン通り」、「Nini peau de chien/ニニの唄」、「Avec le temps/時の流れに」、「Le piano du pauvre/貧乏人のピアノ」、「LIle Sait-Louis/サン・ルイ島」、「Bal chez Temporel/タンポレル軒の舞踏会」、「Ballade des dames du temps jadis/そのかみの貴婦人を讃える」など。

Ogeretは1983年「Orre des Arts et des Lettres/芸術文学勲章」のchevalier章を受章している。

Est-ce ainsi que les hommes vivent」 https://www.youtube.com/watch?v=x_c-vMFLVhI

Le temps des ceriseshttps://www.youtube.com/watch?v=Iv2I750ZBuU

・・・・・

 Maria, Mariahttps://www.youtube.com/watch?v=cZx8UiBJd0o

2.La Chanson de l’année 2018/2018年のシャンソン」、Kendji Giracの「Maria,Mariaが選ばれる

TVTF1は2004年から毎年、視聴者の投票による「La chanson de l’année/今年のシャンソン」を選んでいて、「2018年のシャンソン」にはKendji Giracの「Maria,Maria」が選ばれた。

授賞式は6月8日NimesArenesNikos Aliagasの司会で行われ、TF1で実況された。第14回となる今回ノミネートされたのは受賞曲の他にBigflo et Oliの「Dommage/」、Vianney et Maître Gimsの「La même/同じこと」、Lartiste et Catollinaの「Mafiosa/マフィオサ」、Slimaneの「Viens on s’aime/愛し合おう」、Dadjuの「Reine/女王」、Vitaa et Claudio Capeoの「Un peu de rêve/少しの夢」、Louaneの「Si t’étais la/あなたがいたら」、Eddy de Prettoの「Fête de trop/度を超した祭り」、Patrick Fioli et Sopranoの「Chez nous/我家では」など10曲。式にはMarc LavoineMC SolaarTalAmel BentMylène Farmerらがゲストとして出演した。

Giracの曲ではすでに2014年「Andalouse/アンダルシア女性」が、2015年「Me quemo/(スペイン語)身を焦がす」がそれぞれ「今年のシャンソン」に選ばれていて、今回が3曲目となる。Kendji Girac、本名Kendji Maille1996日フランス西部Aquitaine地方、DordognePérigueux生まれ、スペイン語とフランス語で歌う歌手、作曲も行う。ジプシーで家族と共にキャラヴァンでフランス国内を回る生活を。TVTF1のスタ誕番組「The Voice」の2014年第3シーズン圧倒的な強さで優勝。14年9月Andalouse」などを収録したファーストアルバム「Kendji」をリリース。これは15年10月には100万枚を突破。15年5月12、13、14日にはParis Olympiaに初出演。Me quemo」を収録した15年10月セカンドアルバムEnsemble」をリリース、これもdisque de diamantになっている(85万枚)。今回選ばれた「Maria,Maria」は作詞・作曲でDamsoKinshasa1992-ラップ系ACI)の協力を得た曲で2018年4月20日シングルでリリースされている。

なお、過去の「今年のシャンソン」にはGiracの2曲の他に:Florent Pagnyの「Ma liberté de penser/僕の思想の自由」(2004年)、Yannick Noahの「Aux arbres citoyens!/木を、市民よ」(07年)、Christophe Maéの「Belle Demoiselle/美しいお嬢さん」(08年)、Zazの「Je veux/私の欲しいもの」(10年)、Christophe Maéの「Tombé sous le charme/魅了されて」(14年、2回目)、Amirの「On dirait/・・のようだ」(17年)などがある。

・・・・・

3.シャルル・アズナヴールCharles Aznavour、公演のキャンセル追加

Charles Aznavourの広報担当者6月18日が明らかにしたところによると、リハビリ長期化に伴い次の5件のコンサートをキャンセル。6月30日Londres、7月14日Marbella、7月21日Regendburg、8月4日Cologne、8月16日CroatiePula。従って現在のところコンサートの再開は9月に入ってからで、東京(17日)、大阪(19日)になる模様。その後、10月Kiev(20日)、Bruxelles(26日)と続き、Paris登場は11月8日の「La Seine Musicale」(Boulogne-Billancourt)。

・・・・・

4.Fête de la musique/音楽の祭典、開催

1982年当時の文化大臣Jacques Langのイニシアティヴによりフランスで始まり、毎年夏至の日を中心に開催される「Fête de la musique」(日本では「音楽の祭日」と呼ばれている)は今年第37回、現在では130か国以上、400以上の都市で開催されている。フランスでは今年も6月21日に大小3000件以上の催し(いずれも入場無料)が行われた。その中には次のようなものが。

Elysée宮におけるエレクトロニックミュージックコンサート

大統領官邸であるElysée宮のCour d’Honneur/正面広場ではエレクトロニックミュージックコンサートが行われた。「Fête de la musique」に合わせてElysée宮でコンサートが行われることは珍しくはないがエレクトロニックミュージックは初めて。Macron大統領がDaft PunkAirに代表されるいわゆる「French touch」がフランス文化を世界中に広めるために重要な役割を演じていることを認識している証左でもある。Jack Langは「やったー!とうとうエレクトロニックミュージックがElysée宮に入った」。通常は大統領が賓客を迎えて握手を交わすElysée宮への入り口の階段の最上段にはターンテーブルが置かれた。出演したのは現在最先端を行くエレクトロニックミュージックのスターミュージシャン:Busy PKavinskyChloeCezaireKiddy Smile(「移民の息子、黒人でホモ」と印刷されたTシャツを着て)とダンサーたち。コンサートは20時から24時まで行われた。観客は特別に招待された者、予めインターネットで申し込んだ人々及び招待されたFaubourg Saint-HonoréElysée宮の近隣住人、約1500人。コンサートの間ビュッフェスタンドではノンアルコールビール(「Elysée,Fête de la musique」と書かれた再使用可能なタンブラーで供された、3ユーロ)、ソフトドリンク、ランチボックス(サンドウィッチ、10ユーロ)などが供された。出演者への報酬は1人当たり1500ユーロ。報酬及びブッフェでの売上げは慈善団体に寄付された。ファーストレディーはコンサート開始早々、しばらくの間顔を見せ、その後Bretagne地方を視察していた大統領と共に22時30分、この日トリを務めたKavinskyの演奏が始まる頃会場に。その後コンサート終了直前にも顔を見せた。観客の中には「シャンソンを1曲、シャンソンを1曲!」と叫んだ者もいたが希望は叶わなかった。Elysée宮の案内では「DJと皆さんでCour d’Honneurdancefloorに変えましょう」とあったがさすがに周囲の建物の雰囲気に圧倒されたこともあり、そこまでは行かなかったよう。

一方Edouard Philippe首相もHôtel de Matignon/首相官邸の前庭をFéte de la musiqueのために開放したが、こちらはクラシックのコンサート。

Fête de la musiqueà l‘Elysée https://www.youtube.com/watch?v=tyBPgABbUlY

 

Niceでのコンサート

2018年「Fête de la musique」関連の催し物の中で最大規模のものはNice市とFrance 2の共同主催で、Niceで開催された行われた「Tous à Nice/みんなでニースへ」コンサート。NiceChristian Estrosi市長は「Niceでは2015年にもこのコンサートが行われた(海岸部のQuqi des Etats-Unis/アメリカ海岸で)。今年このコンサートが再び当地で行われることは、我々が2016年に経験した悲劇(同年7月14日海岸沿いの遊歩道Promenade des Anglaisでのトラックテロ事件で84人死亡、200人以上の負傷者を出した)から立ち直っていることを示す象徴」。今回の会場は海岸部ではなく、内陸部にあるPlace Massenaで、野外コンサート。司会はGarouCanadaQuébec 1972-ACI)とLaury ThillemanBrest 1991-スポーツキャスター・TV司会者 211年のMiss France)。コンサートは21時から4時間にわたって行われ、出演は37人(組)、歌われた曲は66曲。観客はインターネットなどで申し込み、会場での着用が義務づけられたブレスレットの交付を受けて入場を許可された30000人。コンサートの模様はTVFrance 2で20:45から中継され、300万人が視聴したと言われている。主な出演者は次の通り:

Juliette ArmanetAmirBigflo et OliBlack MCalogeroChristine et QueensClaudeo CapeoCœur de PirateGarouHoshiJainKendji GiracMadame MonsieurMaître GimsMarc LavoinePascal ObispoEddy de PrettoMC SollarSlimaneStingTalVitaaYoussou n’DourZazie・・

Fête de la musiqueà Nice https://www.youtube.com/watch?v=6CzjlqLj5n8

・・・・・

5.アニー・コルディーAnnie Cordy、90歳の誕生日

Annie Cordyが2018年6月16日90歳の誕生日を迎えた。

Annie Cordy本名Leonie Cooremanは1928年6月16日Bruxelles生まれの歌手・俳優。70年のキャリア、2000曲以上を歌い、700曲以上を録音し、1000回以上のコンサートを行い、10本以上のミュージカルの出演、50本以上の映画、TVドラマに出演。8歳で音楽とダンスを習い始め、各地の歌謡コンクールに出場、44年16歳で優勝している。Bruxellesの「Bœuf sur le toit」に出演中、Parisのキャバレ「Le Lido」のオーナーPierre-Louis Guerinの目に止まり、その勧めで、1950年5月1日Parisに。

1950年5月Le Lidoのレヴュー「Enchantement/魅惑」のmeneuse/リーダーに

1952Deauvilleのシャンソンコンクールで「Maurice Chevalier」賞受賞

1952年 ABCで上演されたオペレッタ「Route Fleurie/花咲ける道Georges GuétaryBourvilと共演

1953年25cmLPAnnie Cordy』:「Les trois bandits de Napoli/ナポリの3人の山賊」、「Je n’peux pas/私にはできない」、「Moi j’aime les hommes/私は男性が好き」、「La petite sonnette/小さなベル」など8曲収録

1955年アメリカの歌手Bessie Smith(1894-1937)の運命を歌った「Oh Bessieオー ベッシー」でACC大賞

1955年11月にはvedetteとしてOlympiaに出演。

1956年アメリカNYPlazza出演、中南米巡業

1958年「Hello le soleil brille/ハロー、太陽は輝く」(25週間チャート1位):映画「Le pont de la rivière Kwai/戦場に架ける橋」の主題歌

1959年「Petite fleur/可愛い花」(Sidny Bechet et Fernand BonifaySidny Bechet

そして60年代のイェイェも「私には影響を与えなかった。完全に消えてしまった歌手が多かったのに」

1968年劇場劇に初出演、Robert Thomas演出「Pic et Pioche/ピックとつるはし」Théâtre des Nouveuatés 

1970年公開René Clément監督の「Le Passager de la pluie/雨の訪問者」でMarlene JobertCharles Bronsonと共演

1971年公開Pierre Granier=Deferre監督の「Le chat/猫」でSimone SignoretJean Gabinと共演。

1972年9月ミュージカル「Hello Dolly」をThéâtre Mogadorで上演

1974年「La bonne du uré/司祭様のお手伝いさん」は180万枚以上の歴史的なヒット曲に

1976年10月ミュージカル「Nini a chance/幸福を呼ぶニニ」をThéâtre Marignyで上演

1998年9月1日~13日70歳の誕生日とデビュー50周年を2週間の13年振りのOlympia出演で

2004年10月11日ベルギー国王AlbertⅡから「Baronne」の称号を受ける

2010年9月劇場劇「Laissez-moi sortir/私を外に出して」をThéâtre Daunouで上演

2014年ベルギーの勲章Commandeur de l’Ordre de la Couronneを受章

2015年1月10日TV France 2で「C’est votre vieAnnie Cordy/それがあなたの人生、アニー・コルディー」

2015年1月14日公開Jean-Paul Rouve監督映画「Les souvenirs/思い出」に出演

2015年1月コンピレーションアルバム『Ma vie en musique,best of  50 titres/音楽による私の人生、ベスト50曲』

2018年6月16日90歳の誕生日

 

Cordyは誕生日をフランス、CannesVilla Dollyと呼んでいる自宅で内輪で祝った。Cordyは1974年villaを購入。Cordyは夫Francois Henri Brunoが1989年に死去してから、秘書、マネージャー役の姪Mimiと同居している。2014年ParisからMimiと転居。誕生祝いには30人余りの友人と真っ白い2匹のプードルFleecyFluffyが出席した。

ベルギーのTVRTBFTVは6月16日(土)23時からドキュメンタリー「Annie Cordy, Nini la chance」を放送した。

一方出身地のベルギーではCordyの90歳は盛大に祝われた:

7月4日Cordyは今年のOmmegang/オメガングにメインゲストとして招待され、BruxellesGrand-Placeにおける開会式でフランス語とフラマン語で開会を宣言した。Ommegang毎年7月初めにBruxellesGrand-Placeを中心に行われる祭り、今年は7月4、6日。中世の宮廷貴族、司祭、ギルド職人、道化師などに扮した市民1400人以上が市内を練り歩く。貴族に扮するのは現在の本物の貴族たち。Cordyは2004年Albert2世によってbaronne/女性男爵の称号を与えられており、その衣裳で登場した。「Baronne Annie Cordy」と紹介されGrand-Placeの中央に進んだCordy、挨拶の中で「ここに戻ってきて大変嬉しい。この美しいBruxellesPlaceは90年前私の誕生を見届けてくれた。運命のいたずらで私はBruxellesを後にしてParisに行った。その後世界中を旅をした。しかしどこへ行ってもBruxellesは常に私の心の中にあった。ここの私のルーツがあり、私の基盤があるから。Grand-Placeは私の記憶の中にしっかり刻まれている・・」

月8日BruxellesLaeken地区にある公園にAnnie Cordyの名が付けられた。Laeken地区はCordyだ育った地区でCordyが洗礼を受け、歴代のベルギー王が結婚式を挙げた教会の向かいにある。命名式のため車で到着したCordyは警官が出動して整理をする必要があるほどの多くのファンに囲まれ、正にロックスター並み。その中にいた3人の女性の同級生との再会も。式で挨拶に立ったBruxelles市当局者は「ベルギーではある場所や通りに存命中の人物の名が冠せられることは滅多にない。54歳になる私を初めとして多くのベルギー人にとってAnnie Cordyの名は最も身近なもの。彼女の90歳を祝い、彼女の名が不滅になることを希望します」。公園の銘板とフレスコの肖像画の除幕を行ったCardyは「生まれた町からこのように祝ってもらえて、誇らしいという気持ちよりも、町が見せてくれた優しさに感動している」。

この間、7月5日Cordyは滞在先のHôtel Metropoleでジャーナリストとのインタビューに応じた。インタビューの初めにフランス人記者が「『Quare-ving-dix ans/90歳』の誕生日おめでとう!」と祝うと、すかさず90歳を示すベルギーの表現で「Nonante ans/90歳です」。その後次のように語った:私はいつまでもLeonie Cooreman(本名)のまま。Cooremanは「l’homme de blé/麦の男」を意味する。私は自分の出がどこであるか決して忘れない。外国の税関では必ず「私はベルギー人です」と申告する。私はベルギー人が大好き。率直な人柄が。私は今でも脚や腕に不安はない。長く活躍するこつは、一にも二にも「boulot/仕事」、働くこと。最近も映画など3本を撮り終えたばかり(注)。新しいプロジェクトとしては、子供のための音楽物語を考えている。そこではナレーションを担当する予定。私は語ることが大好きだから・・

(注)映画「Tamara Vol2」は近日公開、TVドラマ「Illettré」は秋にFrance3で放送、他に短編映画「Les Jouvencelles

La bonne du uréhttps://www.youtube.com/watch?v=pLQnyffUzlA

Ommegang開会式及び公園の命名式 https://www.youtube.com/watch?v=posTN1icZrc

 

 

 
 No.1512 2018.6.29

No. 1512   2018.6.29

5月の新譜 3点をお伝えいたします。                             

 1.   マルク・ラヴォワンヌMarc Lavoine、「Je reviens à toi/君の許に戻ってきた」

Marc Lavoine201818日にリリースした新しいアルバムは「Je reviens à toi」。

Lavoine1962Parisの南Essonne県生まれのACI、俳優。工員の青い作業服を着ても、Yamamotoのオートクチュールを身につけても同様に様になり、育ったEssonn県の田舎町に置いても、現在住んでいるシックなパリ右岸の街に置いても様になる。ロッマンテイックなシャンソンを歌う一方で映画では卑劣な男を演じる。15歳で演劇の勉強を始めたが程なくして止め、オランピア劇場の案内係に。舞台裏で、MontandBarbaraAznavourなどのリハーサルを注視。そして当時の支配人であったPatricia Coquatrixのオーディションを受け、歌手の道に。

83年に最初のシングルをリリース。85年「Elle a des yeux revolver/彼女の瞳は拳銃のよう」、88年「Que ce que tu es belle/君はなんて綺麗」(Catherine Ringerとのデュオ)などがヒット。96年「C'est ça la France/これがフランス」でVdMヴィデオクリップ賞。2007年にそれまでの自身またはパートナーのヒット曲をVéronique Sanson(「Une nuit sur son épaule/一晩あなたの肩で」)、Françoise Hardy(「Chère amie/女友達」)、Souad Massi(「Paris」)、Florent Pagny(「Un ami/一人の友」)らとのデュオで歌った「Les Duos de Marc」をリリース。09年アルバム「Volume10/第10巻」に収められた「La semaine prochaine/次週」はTV局TF1の「2009年のシャンソン」に選ばれた。前作のスタジオ録音アルバムは2012年リリースの「Je descends du singe/僕の祖先は猿」で「Aec toi/君と一緒に」(女優Julie Gayetとのデュオ)10曲が収められている。

2016年2月蝋人形がMusée Grévinに展示された。同年9月、vocalCœur de Pirate(本名Beatrice MartinCanadaMontréal 1989- ACI)とArthur H(本名Arthur HigelinParis 1966- ACI)の協力を得た音楽物語「Les souliers rouges/赤い靴」をリリースしている。

12枚目のスタジオ録音アルバムとなる
Je reviens à toi」には作詞Lavoine、作曲Fabrice Aboulkerによる10曲収録。Aboulker1959年生まれの作曲家、Lavoineにはデビュー当時から曲を提供していて、Elle a des yeux revolver、「Que ce que tu es belle」はAboulkerの作曲による。収められているのは:45 tours/45回転」、「Station Othoniel/オトニエル駅ParisMétroPalais-Royal-Musée du Louvre駅の入り口の一つでPlace Coletteにあるもの。Jean-Michel Othoniel <1964- 彫刻家>の作で、『夢遊病者のキオスク』とのタイトルが付いている、「Elle est beau comme Rimbaud/ランボーのように美しい」、「Comme je t’aime/どんなに君を愛していることか」(「君」とは亡くなった子供のこと)、「Je reviens à toi/君のに戻ってきた「君」とはParisのこと、「Comment allez-vous?/ご機嫌いかが?」、「Seul definitivement」、「Le temps perdu/失われた時間」、「Je panique en douceur/僕は穏やかにパニックになっている」、「Un chagrin n’arrive pas seulAlleluia)/苦しみは一つでは来ないBenjamin Biolayとのデュなど10曲。リースの週チャート1位。Lavoineは10月5日からツアーを開始、10月18、19日Paris隣接Boulogne BillancourtLa Seine Musicaleに出演の予定。

Elle a des yeux revolver」 https://www.youtube.com/watch?v=6HkqiDVGw2A

Je reviens à toi」 https://www.youtube.com/watch?v=3dme2mmRw78

 

 2.   フランソワーズ・ファビアンFrançoise Fabian、「Françoise Fabian

Françoise Fabianが2018年5月18日にリリースしたデビューアルバムは「Francoise Fabian」。Francoise Fabianは1933年アルジェリアのAlger生まれの俳優。Algerで音楽を学んだ後渡仏、Parisで演劇を学び、1954年から映画・舞台・TV俳優として活躍。70本の映画に、30本以上のTVドラマに、30本以上の劇場劇に出演している。映画の代表作には:「Ma nuit chez Maud/モード家の一夜」(1969年Eric Rohmer監督)、「Trois places pour 26/想い出のマルセイユ」(1988年Jacues Demy監督)、「La buche/ブッシュ・ド・ノエル」(2000年Daniel Thompson監督)、「5x2,cinque fois deux/ふたりの5つの分かれ路」(2004年François Ozon監督)など。Fabianはまた60年代からTV番組でGuy Béartの曲「Il fait toujours beau quelque part/いつもどこかでは晴天」を歌ったり、映画の中で(1986年Jean-Claude Guiquet監督「Faubourg St Martin」でLouis Aragonの詩にJean Ferratが曲を付けた「J’entends, j’entends/聞こえる、聞こえる」など)歌ったりしていた。そして2015年にはAlex Beaupain(1974- ACI)に請われてBeaupainのアルバム「Les Gens dans l’enveloppe/包みの中の人々」で「C’ était fini la guerre/戦争は終わった」と「S’etendre sur la table/テーブルの上に横になる」を歌っている。今回そのBeaupainの勧めと説得によりファーストアルバムを出すことに。「私はAlgerの音楽学院でピアノを習った。子供の頃から歌うことが好きだった。Alexのおかげで新しい人生、歌手という人生を始めることが出来た」。芸歴60年以上の誇るこの85歳の偉大な女優のファーストアルバムには当代を代表するACI、詩人らが詩、曲を提供している。「ここに歌われているのは私の人生そのもの」。収められている12曲の作詞作曲者は次の通り:

Après quoi courion-nous/我々は何を追い求めているのか」(Julien Clerc作詞/作曲)、「Passages/通路」(Jean-Claude CarrièreAlex Beaupain)、「Tant de choses que j’aime/私が好きな多くのこと」(Nicolas KerLaurent Bardainne)、「Ce diable d’homme/男というこの悪魔」(Charles Aznavour作詞/作曲)、「La conversation/会話」(Vincent Delerm作詞/作曲)、「Cligner des yeux/ウインクする」(Dominique A作詞/作曲)、「Monsieur vous vous trompez d’épaule/ムッシュー、肩を間違えています」(Arthur Dreyfus作詞/Tonan Martin作曲)、「La vie modeste/謙虚な人生」(La Grande Sophie作詞/作曲)、「Au bout du compte/結局のところ」(Axel Reynaud作詞/Valentine Duteil作曲)、「L’idée/考え」(Axel Beaupain作詞/作曲)、「Bonsoir/今晩は」(Vincent Delerm作詞/作曲)、「Je ne rêve plus de vous/もうあなたの夢は見ない」(Alex Beaupain 作詞/作曲)。Fabianは初めてのステージも計画しており、7月7日ParisFnaclive festivalに出演、11月19日及び26日から12月3日までParisAthénée Théâtre(9,rue Boudreau 9区)に出演の予定。

Il fait toujours beau quelque part1967https://www.youtube.com/watch?v=uy86iGjtwpw

J’entends, j’entendshttps://www.youtube.com/watch?v=a5bVgrLryiQ

Tant de choses que j’aimeclip officielhttps://www.youtube.com/watch?v=mfbso5ddq_4

 

 3.   アモリ・ヴァッシリAmaury Vassili、「Amaury

Amaury Vassiliが5月18日リリースした新しいアルバムは「Amaury」。Amaury Vassiliは1989年6月生まれの歌手。10代で各地のコンクールで優勝、世界最年少のテノール歌手と言われた。2009年リリースしたファーストアルバム「Vincero」には「Parla piu piano」(映画「Le Parrain/ゴッドファーザー」から)など12曲収録、25万枚の売上げで一躍人気歌手に。2010年のセカンドアルバム「Cantero」には「Sognu/夢」、「Les moulins de mon coeur/風の囁き」など14曲を収録。2011年Eurovisionにフランス代表として出場、「Sognu」をコルシカ語で歌い15位。2013年5月及び2014年54月来日し、コンサートの他TV出演している。2013年にはアルバム「Cantero Japan edition」をリリース。2014年Mike Brant(1947-75歌手)のヒット「Qui saura/誰が知ろう」など13曲をカバーしたアルバム「Amaury Vassili chante Mike Brant」をリリースしている。前作は2015年10月リリースの「Chansons populaires/人気のシャンソン」で「Il est mort le soleil/太陽が死んだ朝」(Nicoletta)、「Je n’aurai pas le temps/僕には時間がないだろう」(Michel Fugain)など過去のヒット曲13曲のカバーアルバム。今回のアルバムのタイトルは「Amaury」。新人歌手がファーストアルバムのタイトルにするように自分の名をこの6枚目となるアルバムに付けたのは「今までのアルバムよりも、今の自分を正面に出したかったから」。と言うわけで2曲のボーナストラックを含め収められている15曲は、Vassiliの自身の作詞による曲、作詞、作曲でWilliam RousseauSlimaneらの協力を得た曲及び過去の世界的なヒットのカバー。それらは:「Tout/全て」(Slimane作詞/Slimane他作曲)、「Sketch of Love」(Thierry Mutinの1988年のヒットのカバー)、「Dans le miroir/鏡の中で」(Vassili作詞/Rousseau他作曲)、「Ce soir/今宵」(Vassili作詞/Rousseau作曲)、「La passion/情熱」(dito)、「Once upon a time」(Vassili作詞/Rousseau作曲、Beethovenの第九「Hymne à la joie/歓喜の歌」が使われている)、「Encore/まだ」(Slimane他作詞/作曲)、「Le commun des mortels/普通の人間」(Ulysee HRThierry de Cara)、「The final countdown」(スエーデンのグループEuropeの1986年のヒットのカバー)、「Pour les autres/他人にために」(Slimane作詞/Slimane他作曲)、「Virage/カーブ」(Guillaume RobertRousseau)、「J’ai cherché/僕は探した」(Vassili作詞/Pierre Lamy作曲)、「12 septembre/9月12日」(François WelgrynOlivier Coursien)、「Sunday morning」(bonusVassili作詞/Rousseau作曲)「Back home」(bonusdito)など。

Vassiliは7月21日AlesOccitane地方、Gard県)で行われるFestival les fous chantantsNatasha St Pierと出演予定。

Parla piu piano(2009TV初登場時https://www.youtube.com/watch?v=yICKrs3qkwU

Dans le miroirhttps://www.youtube.com/watch?v=GcRj9p0McuA

 
No.1511  2018.6.16   

No. 1511  2018.6.16

5月の話題  4題 お届けいたします。

1.モラーヌMaurande死去
. 2018年、第63回Eurovision フランス代表 デュオ Madame Monsieur13位
3.シャルル・アズナブール Charles Aznavour近況
4.ジェラール・ジョアネスト GérardJouannest死去

 

1. モラーヌMaurane、死去

Mauraneが2018年5月7日夕Bruxelles近郊Scaerbeekの自宅、浴室の近くで亡くなっているのを訪ねた友人が発見、死因は心臓発作と考えられている。享年57歳。

Maurane、本名Claudine Luypaerts、1960年ベルギーIxelles生まれのACI。両親ともミュージシャンで幼少の頃からヴァイオリンを習い、16~7歳の頃には各地のフェスティヴァルののど自慢に出場。80年Saravahレーヴェルから最初のEP、その後も数枚出すが成功せず、レストランやバックコーラスで歌う。86年ジャズ調の「Danser」を出してから徐々に人気に。

1988年ロック・オペラ「Starmania」出演。

1989年2月出したアルバム「Maurane」が15万枚売上げる人気、89年5月には6日間パリOlympiaに出演、毎回2000人以上の観客を集めた。

1991年に45万枚売り上げたアルバム「Ami ou ennemi/友だちそれとも敵」を出し、94年2月VdMでは女性歌手賞を受賞。

1996年Les Enfoirésに初出演。2013年まで14回出演。

2002年ララ・ファビアンLara Fabianとのデユオ「Tu es mon autre/あなたはもう一人の私」をシングルでリリース。

2003年ベルギーの「L’Ordre de la Couronne」勲章、Chevalier章受章。

2009年アルバム「Nougaro ou lespérance en lhomme/ヌガロあるいは男性への期待」(クロード・ヌガロClaude Nougaroへのオマオ-ジュ、「Armstrong/アームストロング」、「Le jazz et la java/ジャズとジャバ」、「Toulouse/トウ―ルーズ」など15曲をカバー)。その後行った「ONougaro」ツアーも好評だった。

2011年5月フランスの「Ordre des Arts et des Lettres/芸術文化勲章」、officier章受章。

2011年9月アルバム「Fais-moi une fleur/私を花にして」リリース。「Fais-moi une fleur」、「Le diable dans la bouteille/ビンの中の悪魔」(Julietteに提供された曲、アル中になった綱渡り芸人の物語、「あらゆる種類のアルコール飲料が引用されているが、シャンパンだけは除かれている。私の『peche mignon/止めようにも止められない好み』だから」)、「FaceBB面」、「Pas belle/美しくない」、「Quest-ce que je vais te dire?/あなたに何と言おうか」13曲収録。

2014年11月最後となったアルバム「Ouvre/明けて下さい」。「Toi c’est different/あなたは違っている」、「Jamais seule/決して一人じゃない」、「Ou vont les hommes/男たちはどこへ行った」、「Je voudrais tout te dire/あなたに全てを話したい」、「Trop forte/強すぎる」など。

・その後喉の不調を訴え活動を休止。2018年再開し

・2018年5月3日ベルギー国内で行われたJacques Brel没後40周年を記念するコンサートに出演

・2018年5月6日死去の前日「Fête de l’Iris/アイリス祭り」でベルギーの若手歌手Typh Barrowとのデュオで「La chanson des vieux amants」を歌った。そしてベルギーのTVRTBFとのインタビューで「3日前から歌っている。私にとって正にrenaissance。この1年の間再び歌えるようになるとは思っていなかったから。2019年にはツアーを行おうと計画している。まだ時間があるとは思うけれど、時の経つのは速いから・・」

・2018年5月7日死去

・2018年秋にはBrelへのオマージュアルバムが予定されていて、すでに14曲収録されていた。

 歌手仲間からの追悼の言葉:

Lara FabianMauraneMerveilleuse Maurane/素晴らしいモラーヌ。もうあなたの笑い声が聞けないなんて、あなたの歌声を聞けないなんて私には信じられない。あなたは私にもう「元気?ma croquette/私のコロッケちゃん」と声を掛けてくれることはない。あなたは喉の不調から回復したばかりだったのに。あなたは生涯を通じて私たちを魅了した。あなたがもういないなんて、現実のこととは思えない。まだ電話がかかってきて、叱ってくれるのではないかと思ってしまう。でも人生は、この忌々しい人生は・・ PS:私もそちらへ行くでしょう、あなたに会いに・・Tu est mon autre

Véronique Sanson:二人で曲作りをした頃が思い出される。素晴らしい時間だった。あなたは亡くなってはしない。あなたの力強い、官能的な、優しい声は私の心に深く染み込んでいるから。あなたは亡くなってはいない。そんなことはあり得ないから。A bientôt/近いうちに。(Maurane & Sansonがデュオで歌った「Petites minutes cannibales」はMauraneのアルバム「Quand l’humain danse」(2003年)に収録されている)

Céline DionMaurane死去の報に接し、心からの悲しみを感じている。彼女は偉大なアーティストだった。彼女の歌声は我々の心を打った。これからもずっとそうだろう。

Hélène Ségara:彼女とは色々楽しいことを共有した。今の私の悲しみは計り知れない。もう彼女と一緒に歌うことが出来ないなんて信じられない。

Christophe Willem:偉大な歌手の一人であるMauraneの訃報に接しとても悲しい。ショックが大きくて今の気持ちを表す適当な言葉を見つけることが出来ない。彼女は歌っているのではなく、彼女の音楽を体現していた。我々の心を揺さぶる術を誰よりも知っていた。

Jenifer偉大な歌手だった。彼女の声はこれからもずっと私の思い出に残るでしょう。彼女が歌う声は時の動きを止めた。

Amel Bent:40分間言葉を探したけれど、見つけることが出来なかった。ただただ涙と、怒りだけ。信じることが出来ない・・

 

葬儀

葬儀は5月17日(木)Bruxelles郊外Woluwe-Saint-PierreNotre Dame des Graces教会で執り行われた。一人娘の他900人が参列。その中には:Catherine LaraMuriel RobinMichel FugainFrancis CabrelAnggunZaziePascal ObispoLuc PlamondonGérard Lenormanなどの顔が。

葬儀に参列できなかった歌手、Garou(「あなたの声はこれからも我々の心を温めてくれることでしょう。安らかにMa belle Maurane」の言葉を添えて)、Patrick BruelSerge Lamaらは花束を贈った。

Lara FabianAmsterdamでの公演のため葬儀に欠席。Fabianはこの日ステージ後方のスクリーンに映し出されたMauraneの写真に向かって「Tu es mon autre」を涙声で歌った。

Tu es mon autrehttps://www.youtube.com/watch?v=h_RTXeOTcXc

Trop fortehttps://www.youtube.com/watch?v=6rvBRmnK48g

 

・・・・・・・・・・・・・・・・



2. 2018年、第63回 Eurovision フランス代表 デュオ Madame Monsieur13位

2018年、第63回Eurovisionは、5月8日から12日まで前回の優勝者Salvador Sobralの出身国ポルトガルのリスボンで43ヵ国が参加して行わた。フランス代表は男女のデュオMadame Monsieur

Madamr MonsieurEmilie Satt (Vence出身、現在29歳)とJean-Karl LucasAmiens出身、35歳)が2013年に結成したデュオ。二人は2016年に結婚している。

今年のフランス代表の選定は、初めて「Destination Eurovision 2018/ユーロヴィジョンへの道」コンクールにより行われた。今回コンクール出場者は18人(組)。出場者はEurovisionに選ばれた際には歌うことになる曲などを歌った。Eurovisionで歌われる曲には、Eurovisionが示す2つ条件、①1曲3分以内であること②2017年9月1日以降にリリースされた曲であること、があり、またフランスのローカルルールでは歌詞の70%以上はフランス語であることが要求された。出場者は2組に分かれて、2018年1月13日及び1月20日に予選を戦い、勝抜いた8人(組)により決勝が行われた。

予選及び決勝の模様はTVFrance 2で放送された。コンクールの司会者はGarou。予選の審査員はフランス語で歌う現役の人気歌手人3人(2016年Eurovisionに出場者Amir、ケベック出身のIsabelle BoulayChristophe Willem)及び外国人歌手でEurovisionに出場した経験のある者など3人。決勝は1月27日に行われ、そこでは10人に増員され外国人審査員の評点とTV視聴者の投票により、「Mercy」を歌ったMadame Monsieurがフランス代表に決定した。Madame Monsieurは外国人審査員の評点では3位であったが、TV視聴者の投票では28%の得票を得て、逆転1位になった。Madame Monsieurは2018年4月20日ファーストアルバム「Vu d’ici/ここから見て」をリリース。これには「Mercy」の他、「Comme une reine/女王のように」、「Tourner la page/ページをめくる」、「Ne me laisse pas/私を放っておかないで」、「Quand la nuit nos sépare/夜が我々を分かつ時」など14曲収録。

Eurovisionの決勝は5月12日、リスボンのAltice Arenaで、予選を勝ち抜いた20ヵ国、予選を免れているbig 5(仏、独、伊、英、西)及び開催国の26ヵ国の代表で争われた。優勝はイスラエル代表で「Toy」を英語で歌い529ポイントを獲得したNetta(1993年Hod Ha Sharon生まれの歌手・DJ)。Madame MonsieurEurovision Version(オリジナルヴァージョンより1分程度短くしてEurovisionの条件に合わせている)で「Mercy」を歌い、173ポイントで13位。「Mercy」は報道機関、マスコミが最も優れた曲に与えるPrix de la presseを受賞。

Mercy」は実話を元にMadame Monsieurが作詞作曲した曲。Mercyはアフリカからヨーロッパに渡る不法移住者を救助したNGOSOS Meditérrannée」の船「Aquarius」号の中で2017年3月22日にナイジェリアの女性から誕生した女の子の名。

この曲で歌われたこともありMercyのその後の動向はフランスばかりでなくヨーロッパのマスコミを賑わせている。

Mercy」は2018年1月20シングルでリリースされ、シングルチャート最高位は2位。Madame Monsieurはこの曲を英語及びスペイン語でも歌っている。

Mercyhttps://www.youtube.com/watch?v=vjLuTtUv0Ns

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3.シャルル・アズナヴールCharles Aznavour、近況

Charles Aznavourの2017年末からの動向は次の通り・・

・2017年12月13日Paris BercyAccorHotels Arena公演(これがAznavourのこのホール初登場)

・2018年1月20日Lyon、2月6日のLilleまで公演

・2018年4月25日(水)同日のロシアSaint-Petersbourgでのコンサートのためリハーサルの際tour de rain/ぎっくり腰のためコンサートをキャンセル。コンサートは2019年春に延期された。

・2018年4月日本の旭日小綬章受章

  30年4月29日付け発令のよれば

   賞賜:旭小

   功労概要:「我が国の音楽分野の発展並びに音楽・映画を通じた日本・フランス間の交流強化及び友好親善に寄与」

  主要経歴:歌手、作詞・作曲家、俳優  

  氏名・性別・年齢:シャルル・アズナヴール Charles Aznavour(男、93歳)

  国籍・現住所:フランス/アルメニア  スイス サン・シュルピス市

 ・2018年5月12日MouriesBouches-du Rhone県)の自宅で転倒。左humerus/上腕骨を骨折。Nîmesの病院に救急入  院。当初は「大したことではない。必要なら添え木をして歌う」と語り、当面のコンサート数件のみをキャンセル。予定されてい  た日本公演は延期。5月21日NHK大阪ホール→9月19日。5月23日NHKホール→9月17日

・2018年5月22日94歳の誕生日

  この日医師の指示により、その後も3つのコンサート(6月5日のMonaco、6月16日Ruoms、6月23日イタリアPalmano)をキャンセル。このうち、6月16日Ruomsの公演はArdeche Alune Festivalの最終日にCatherine RingerJulien Clercらと出場する予定だったもの。Patrick Bruelに交代。

・現在のところステージ復帰は6月30日Londres Royal Albert Hallからになる模様。その後日本公演を含め、2018年12月22日Zurichまで15回のコンサートが予定されている。Paris登場は11月8 日Boulogne-BillancourtSeine Musicaleホール。

Paris Bercy 2017年12月13日https://www.youtube.com/watch?v=zK1Dfmoj6K8

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



4.ジェラール・ジョアネストGérard Jouannest、死去

Gérard Jouannest、「Le pianiste aux doigts d’or de la chanon française/シャンソンフランセーズの黄金の指を持つピアニスト」と呼ばれたピアニスト、「Monsieur Gréco」と呼ばれたJuliette Grécoの夫、が2018年5月16日RamatuelleVar県)で死去、享年85歳。

1933年5月2日Vanves生まれ、ピアニスト・作曲家。祖父がピアノの製作者であったことから幼少の頃からピアノに親しみ、13歳でConservatoir national supérieure de  Paris/パリ国立高等音楽院に入学、クラシックを学ぶ。工員であった父親の死後、一家の生活のため1957年から歌手の伴奏者、あるいはキャバレのピアニストに。

1958年キャバレTrois BaudetsJacques Brelと知り合い、10年間伴奏者を務め、多い年のは300回のコンサートに同道。同時にBrelの作曲者としてもその成功に貢献。1959年「Ne me quitte pas/行かないで」がJouannestの作曲家としての協力の最初。しかし、当時Jouannestは作曲家としてはSACEMに登録されていなかったので、(登録は1960年)、SACEMにはこの曲の作曲者としては登録されておらず、この曲の作詞作曲者はJacques Brelとなっている。

その後二人の協力関係はBrelがステージ引退する1967年まで続きJouannestBrelのために「Marieke/マリク」(1962年)、「Bruxelles/ブリュッセル」(1962年)、「Mathilde/マティルド」(1964年)、「La chanson de Jacky/ジャッキーの唄」(1966年)、「La chanson des vieu amants/懐かしき恋人の歌」(1967年)、「J’arrive/孤独への道」(1968年)など35曲を作曲している。

1968年2月Barbaraの要請に応じJounnestBarbaraの伴奏者としてツアーに同道することになっていた。しかし健康上の理由でBarbaraがツアーをキャンセル。一方カナダでの公演を計画していたJuliette Grécoはピアニストが入院するという事態に直面。GrécoJouannestに電話、カナダ公演に伴奏者として同道してくれるよう依頼。当初はカナダ公演の期間だけのコンビのはずが、Jouannestの死去まで50年間続いた。

JouannestGrécoは1988年結婚。JouannestGrécoの伴奏者を務めるだけではなく、Grécoために優れた作詞家に提供された詩に曲をつけている。初期には、「Mon fils chante/歌う少年」(1972年Maurice Fanon作詞)、「Vivre/愛に生きる」(1975年Henri Gougaud作詞)、「Les années d’autrefois/昔の年月」(1980年Richard Cannavo作詞)、「Les femmes sont belles/女性たちは美しい」(1991年Etienne Roda-Gil作詞)、「Un jour d’été/ある夏の日」(1998年Jean-Claude Carrière作詩)などがある。

さらに2000年代に入ってからも:03年のアルバム「Aimez-vous les uns les autres ou bien disparaissez/お互いに愛し合いなさい、さもなくば消えてしまえ」ではBenjamin Biolayの詩(「L’amour flou/曖昧な愛」、「Comme si de rien n’était/何事もなかったように」)、Miossecの詩(「Il et elle/彼と彼女」)、Jean-Claude Carrièreの詩(「Au temps où/・・・の時に」)に、09年のアルバム「Je me souviens de tout/私は全て覚えている」ではAbd al Marikの詩(「Madame Rose/バラ夫人」)、Olivia Ruizの詩(「L’ombre du vent/風の影」)などの詩に、12年のアルバム「Ça se traverse et c’est beau/それは渡り、美しい」では」、Grécoの詩(「Le miroir noir/黒い鏡」)、Marie Nimierの詩(「L’homme du pont/橋の男」)などに曲を付けている。Grécoのために100曲以上作曲していると言われている。

JouannestはまたHenri Tachan(「Quelque part à Paris」)、Pia Colombo(「Marionette」、「Chanson d’amour」、「Les bons hommes」)などにも曲を提供していて、生涯270曲以上作曲。2007年SACEMPrix Lucien et Jean Boyer受賞している。

Les femmes sont belles1995 https://www.youtube.com/watch?v=iiw9_vdHLgc

No.1504  2018.6.4   No. 1510       2018.6.

3月、4月にリリースされた下記6人の新譜をご紹介いたします。

   1. エディ・ド・プレトEddy de Pretto 「Cure/療法」
   2.ドミニク・アーDominique A 日「Toute latitude/全く自由に
   3.アクセル・レッドAxelle Red 3月16日「Exil/亡命」
   4.ベナバールBénabar 3月30日「Le début de la suite/続きの始まり」
   5.フランソワーズ・アルディFrançoise Hardy、「Personne d’autre他の人」
   6.アラン・シャンフォー Alain Chamfort、「Le désordre des choses/混乱




1.   エディ・ド・プレトEddy de Pretto 「Cure/療法」

Eddy de Prettoが2018年3月2日にリリースしたファーストアルバムは「Cure」。

Eddy de Prettoは1993年Paris郊外Créteil生まれのACIBac取得後Parisの「L’Institut Supérieur des Arts de la Scène/舞台芸術学院」で歌、ダンス、演劇を習う。映画(20013年「Vivre sa vie」)、TVドラマ(2013年「Paulette」)に端役で出演。その後母親が聞いていたBarbaraNougaroの影響を受け、また自身がよく聞いていたDiam’sBoobaの影響を受け、シャンソンとラップをミックスしたスタイルの曲を作り注目されるように。
2017年フェスティヴァル「Printemps de Bourges/ブルジュの春」に出演して、「Prix des Inouis/前代未聞賞」を受賞し、広く知られるように。

2017年10月4曲収録した最初のCDをリリース。2018年2月のVdMでは新人賞にノミネートされた(受賞はGaël Faye)。
「最初のCDを出した時、僕は一発屋の歌手で終わるのかという不安を持っていた。しかしVdMにノミネートされ、アルバムをリリースしたので、一発屋じゃなくなったかな」。Eddy de PrettoLGBTであることを明らかにしている。

Cure」に
収録されているのは:「Debout/立っている」、「Random」、「Rue de Moscou/モスクワ通り」、「Beaulieue/ボーリュー」(Créteilの思い出)、「Quartier des lunes/月の弦」、「DesmursDes murs)/壁」、「MamereMa mère)/僕の母」、「Kid」、「Honey」、「Genre/流儀」、「Ego」、「Fête de trop/度を超した祭り」、「Musique basse/低音音楽」など15曲。リリースの週チャート1位。

Eddy de Prettoは2018年4月11日から国内、ベルギーツアーを開始。4月26日Printemps de Bourges、7月14日Francofolies de La Rochelle/ラ ロッシェルのフォランコフォリーに出演。Paris登場は4月19日及び5月2日La Cigale、11月6、7日Olympia。さらに2019年3月22日Paris Zénith出演が予定されていて、このチケットはすでに2018年4月10日10時から発売開始。

Fête de trop」2018年VdMで https://www.youtube.com/watch?v=VqEa2yukzt

 



2.ドミニク・アーDominique A 日「Toute latitude/全く自由に

Dopminique A本名Dominique Ané1968年パリ近郊生まれのACI。若い頃からpunk音楽に興味を持ち17歳でバンド結成、数枚の45回転を出すが成功せず。91年からYamahaのシンセサイザーを演奏しながら歌うスタイルでソロ活動を始めた。最初のレコードは150枚しか出さなかった自主製作の「Un disque sourd/聞く耳を持たないレコード」で批評家の間では好評だった。このタイトルは「頑固者だった僕は周りの騒音には耳を貸さない」の意味を込めて。

92年最初のアルバム「La fossette/えくぼ」を出す。そこに収められた「Le courage des oiseaux/鳥たちの勇気」・・もし我々に凍てついた風の中でも歌っている鳥たちの勇気があったら・・はCaliMiossecVincent Delermらが「影響を受けた曲だ」としていて、若手の歌手たちには尊敬され、目標とされる歌手の一人。

93年2枚目のアルバム「Si je cannais Hanrry/ハリーを知っていれば」から一般にも受け入れられるようになった。 95年の3枚目のアルバム「La mémoire neuve/新しい記憶」は10万枚の売上げVdMで新人賞のノミネート。8枚目のアルバムは09年「La Musique/音楽」で、これにはAlain Bashungのために作ったがBashungが録音しないまま亡くなってしまった「Immortels/不滅の人々」が収められている。2010年それまでの活躍に対してACCの特別歌手賞を受賞。12年にはファーストアルバムリリースから20年になるのを記念して過去の8枚のアルバムをリマスターして再リリース。12年3月リリースの「Vers les lueurs/微光の方へ」により
13VdM男性歌手賞受賞、これがVdM最初の受賞。

Dominique Aはソロ活動を開始した当時から他の歌手にも優れた曲を提供し、ヒットメーカーとしても知られている。最近も、09年アルバムチャート1位にもなったCalogeroの「LEmbellie/美しくなった人」に「Passage des cyclones/サイクロンの通過」など3曲を、13年Etienne Dahoの 「Les chansons de l’innocence retrouvée/再会した無垢な心のシャンソン」には「En surface/表面上は」を、14年Calogeroの「Les feux d’artifice/花火」には「Elle m’a manqué déjà/彼女がいなくてもう寂しい」を提供。ほかにMichel DelpechJane BirkinVincent DelermeYann Tiersenなどにも。

「Toute latitude」は四半世紀になろうとするDominique Aのキャリアで11枚目のアルバム、収録されているのは:
Déser d’hiver/冬の砂漠」、「Toute latitude」、「Les deux côtés d’une ombre/一つの影の2つの側面」、「La mort d’un oiseau/1匹の鳥の死」、「Aujourd’hui n’existe plus/今日はもう存在しない」、「La claitière/林の空き地」、「Enfants de la plage/浜辺の子供たち」、「Lorsque nous vivions ensemble/僕たちが一緒の住んでいた頃」、「Le efet/反射」など12曲。
Domonique Aは2018年7月4日ParisLa Cigaleに出演。

Le courage des oiseaux」 https://www.youtube.com/watch?v=c16SYCK6qSc

Toute latitudehttps://www.youtube.com/watch?v=0EkIOim7FCk

 



3.アクセル・レッドAxelle Red 3月16日「Exil/亡命」

Axelle Redが2018年3月16日にリリースした新しいアルバムは「Exil」。

Axelle Redは1968年ベルギーLimbourgHasselt生まれ。赤毛のフラマン人、社会の問題に積極的に関わる、人道主義のACI。幼少の頃から歌手になるのが望み、15歳で最初のレコードを出した。本格的に歌手活動を始めたのは大学で法律を学んだ後。
1993年ファーストアルバム「Sans plus attendre/これ以上待つことなく」リリース、そこの収められた「Sensualité/官能」が最初のヒット。その後「Rester femme/女性のままで」(1996年)などがヒットし、ベルギーを代表する歌手に。

1999年にはVdM女性歌手賞受賞。2002年のRenaudとのデュオ「Manhattan-Kaboul/マンハッタン=カブール」でVdMシャンソン賞を受賞している。その後も定期的にアルバムをリリース。
前作は2016年3月4日リリースのベストアルバム「The Songs(Acoustic)」で、自身のヒット24曲をアコースティックでセルフカバーしたもの。

10枚目のスタジオ録音アルバムとなる今回の「Exil」に収められているのは、女性へのオマージュと男女同権への闘い。テーマの重さにもかかわらず、アルバム全体を通した色調は楽観的、最後の曲が示すように。収録曲は:「Who’s Gonna Help you」、「Excusez-moi/申し訳ありません」、「Quand le jour se lève/日が昇る時」、「Signe ton nom/署名して」、「Un ami/友人」、「Le grand retour/偉大なる復帰」、「Mont des regrets/後悔の山」、「This Girl’s Gonna kil me」、「C’est ainsi/そうなっている」、「Le plus beau reste à venir/最も美しい物はこれからやってくる」など11曲。 Redは2018年6月2日BruxellesAncienne Beogiqueに出演。

Rester femme」1999年 https://www.youtube.com/watch?v=DklY8iN6oU4

Excusez-moihttps://www.youtube.com/watch?v=XXKBoFI72ZU



 

4.ベナバールBénabar 3月30日「Le début de la suite/続きの始まり」

Bénabarが2018年3月30日にリリースした新しいアルバムは「Le début de la suite」。

Bénabar、本名Bruno Niolini、1969年Paris近郊生まれのACI

最初は映画に興味を持ち、本の短編映画を制作。TVドラマの脚本家としても活動後、25歳でシャンソンに。作詞、作曲は独学。芸名Benabarは道化師Bernabéのヴェルラン(逆さ言葉)。

当初はグループで、その後ソロに。2001年ファーストアルバム「Bénabar」をリリース。ファーストアルバムに収められていた曲を聞いたHenri Salvadorに招かれ、01年のSalvadorのリサイタルの第1部で歌う。03年のアルバム「Les risques du métier/職業上のリスク」で04年VdMアルバム賞。05年のアルバム「Reprise des négociations/交渉再開」はミリオンセラーになり、VdM男性歌手賞、その中に収められた「Le dîner/夕食」でオリジナルシャンソン賞を受賞している。その後も比較的定期的にアルバムをリリース。07年には21曲収録のcompilationBest of」をリリースしている。

Bénabarは映画音楽の作曲も行い、脚本家としても活動し、また、俳優として映画、TVドラマ、劇場劇に出演している。

Le début de la suite」は20年のキャリアで8枚目のアルバム。「このアルバムで過去を振り返り、20年の決算をしようという積もりはない。しかし立ち止まることは必要、自分の基本を見つめ直し、さらに前に進むために」。テーマはいつもと同じ、日常生活で垣間見ることができる出来事、人間の横顔。それらを寸劇のように、そして楽天的に、ポジティヴに、ユーモラスに歌っている。収録されているのは:「Le début de la suite」、「La petite vendeuse/女店員」、「Marathonien/マラソンランナー」、「Feu de joie/喜びの火」、「Le destin/運命」、「Le complexe du sédentaire/出不精人のコンプレックス」、「Chevaliers sans armure/甲冑のない騎士たち」、「On jouait fort/力強く演奏していた」、「Le jeune vigite/若い警備員」、「Ça ne sert à rien une chanson/シャンソンは何の役にも立たない」など12曲。アルバムはリリースの週チャートの3位。Bénabarは10月3日から12月15日までツアーの予定。11月7~10日ParisLe Grand Rexに出演。

Le dîner2006VdMで https://www.youtube.com/watch?v=wa9JJQZPTWo

Le début de la suite」 https://www.youtube.com/watch?v=MAqo4dCaVvA


 



5.
フランソワーズ・アルディFrançoise Hardy、「Personne d’autre他の人」

Françoise Hardy2018日にリリースした新しいアルバムは「Personne d’autre」。

Hardyは1944年Paris生まれ、ACIMireillePetit Conservatoireで歌を勉強。
1962
月に出した自作の「Tous les garçons et les filles男の子、女の子」など曲を収録した最初のEPレコードがフランスで200万枚以上売り上げの大ヒット、「Tous les garçons et les filles」はACC大賞

19631120日公開のRoger Vadim監督の「Château en Suède/スエーデンの城」で映画初出演。63年11月Richard Anthonyの前座でオランピアに出演。「Ma jeunesse fout l'camp/もう森へなんか行かない」(67年)、「Comment te dire adieu?/さよならを教えて」(68年)、「Message personnel/パーソナル・メッセージ」(73年)などがヒット。

その後健康などの理由でステージ活動を休止、歌手活動を休止した時期もあったが、2000年アルバム「Clair obscur/明暗描法」でSACEM大賞、2005年アルバム「Tant de belles choses/(邦題)永遠の愛の誓い」でVdM女性歌手賞を受賞、2006年ACIとしての活動全般に対してAcadémie françaiseの「Grande Médaille de la chanson française」を受賞するなど現在までトップのACIとして活躍。

前作2012年11月アルバム「L'amour fou/常軌を逸した愛」リリース後、数年前からの癌の治療を受けていること、2015年3月自宅内で転倒し骨折したこともあり主立った活動はしていなかったが約6年振りの復活。「私は持ちこたえている。でも綱渡りをしているよう」。28枚目との報道がある今回のアルバム
Personne d’autre」、「すでに多数の傑作を世に出しているHardyのディスコグラフィーに新しい、卓越した趣を与える素晴らしい1ページが加わった」との評価がある。収録されている12曲は:

・・Hardyの詩にErick Benziが曲を付けた4曲:「A cache-cache/かくれんぼ」、「Un seul gest/たった一つの動作」、「Brumes/もや」、「Train spécial/特別列車」

・・Hardyの詩にTierry Stremlerが曲を付けた2曲:「Trois petits tours/ほんのひとめぐり」、「Un mal qui fait du bien/気持ちよくしてくれる痛み」

・・Hardyの詩にPascale Danielが曲を付けた1曲:「Personne d’autre

・・Hardyの詩にMaissiatが曲を付けた1曲:「Quel dommage/何と残念なこと」

・・フィンランドのグループPoetes of the Fallの2005年のヒット「Sleep」のHardy自身による翻案1曲:「Dors mon ange/お休み、私の天使」

・・Yael Naim作詞/David Donatien作曲、英語で歌われている1曲:「You’re My Home

・・La Grande Sophie作詞作曲の1曲:「La large/沖合」(2月16日に先行シングル、 François Ozonによるclipは3月20日からYouTubeで視聴可能)

・・1975年Michel Bergerのヒット曲(Berger作詞/作曲)のカバー1曲:「Seras-tu là?/あなたはそこにいるだろうか?」(Hardyは 2014年リリースのSidaction設立20周年記念アルバム「Kiss & Love」でこの曲をJulien Clercとのデュオで歌っている。今回 はその時よりもより「浄化された歌い方」)

アルバムはリリースの週チャート2位

Tous les garçons et les filles」 1963https://www.youtube.com/watch?v=Hx73jarucvM

La large」 clip officiel https://www.youtube.com/watch?v=opJZildiOlo

 



6.アラン・シャンフォー Alain Chamfort、「Le désordre des choses/混乱

Alain chamfort201820日にリリースした新しいアルバムは「Le désordre des choses」。

Chamfortは1949年Paris生まれの歌手・作曲家・プロデューサー。グループのヴォーカリスト、伴奏ピアニスト、作曲家として活動の後、1972年Claude Françoisの勧めで歌手に。

1974年東京音楽祭で「La musique du samedi/そよ風のセレナーデ」で銅賞を受賞、日本でもレコードをリリースしている。1979年Serge Gainsbourgに詩の提供を受けた「Manureva/マニュレヴァ」が大ヒット。その後今日までエレガントな、「Chanson françaiseDandy」の一人としてとして活躍している。

最近では2012年5月アルバム「Elles et lui/彼女たちと彼」をリリース。これには自身のヒット曲を女性歌手とのデュオで歌っている:
Manureva」(Audrey Marnay:1980-モデル・俳優)、「Lennemi dans la glace」(ElodieFrégé:1982-歌手・俳優)、「Clara veut la lune/クララは月が欲しい」(Alizée:1984-歌手)、「Les beaux yeux deLaure」(ClaireKeim:1975-俳優・歌手)など12曲が収録されている。

Chamfortの前作は
2015年4月リリースの「Alain Chamfort」で「Ensemble/一緒に」、「Où es-tu?/君はどこに」(Charlotte Rampling:1946-女優 とのデュオ)、「Le diable est une blonde/悪魔はブロンド娘」、「Joy/ジョイ」など11曲を収録。

彼は、2007年3月「Légion d’Honneur/レジオン・ドヌール勲章」 Chevalier章、2010年11月ACCの特別賞、2012年4月19日「Ordre du Mérite/国家功労勲章」 Officier章、
201511SACEMの「Grand prix de la chanson française, créateur-interprèteクリエーター歌手 大賞」を受章&受賞している。

Le désordre des choses」は50年に及ぶChamfortのキャリアで15枚目のアルバム。このアルバムでは今までのものに比して愛はそれほど重要なテーマになっていない。むしろ過ぎゆく時、過去の香り、明日への疑問。それらを装飾を付けずに率直に歌っている。収められている10曲は:Les microsillons/レコード」、「Le désordre des choses」、「Exister/存在する」(2月16日先行シングルリリース)、「Tout est pop/全てがポップ」、「En attendant/今のところ」、「Les salamandres/火トカゲ」、「En regardant la mer/海を見ながら」、「Sans haine ni violence/憎しみもなく、激しさもなく」など。

Chamfortは2018年10月から国内ツアー、11月15日ParisTrianonに出演。

Manureva」1979年 https://www.youtube.com/watch?v=opJZildiOlo

Tout est pop」 https://www.youtube.com/watch?v=tzb4rNsUoiU

No.1509  2018.5.8  No. 1509   2018.5.8  

3、4月の話題 3題 まとめてお伝えいたします。            

1.シャルル・デュモンCharles Dumont、2018年3月26日さよなら公演

2.ジャック・イジュランJacques Higelin、2018年4月6日死去 

3.ミシェル・サルドーMichel Sardou、2018年4月11、12日最後のステージ

 


1.シャルル・デュモンCharles Dumont、さよなら公演
         

Charles Dumontが89歳の誕生日の2018年3月26日Bobino(20, rue de la Gaite 14区)で、さよなら公演「Je suis venu te dire au revoir/あなたにさようならを言いに来た」を行った。

Charles Dumont略歴)

Charles Dumont1929年3月26日LotCahors生まれACI。第2次大戦中に転居先のToulouseで、戦後Parisに出て、トランペットを学んだが、扁桃腺炎のため放棄。Parisで教会のオルガン奏者にピアノを習い、バーにピアニストとして出演。1958年歌手として最初のレコードを出すが成功せず。その後作曲に興味を持ち、詩人Francis Carcoの詩に曲を付ける。Carcoを通じて女性歌手Cora Vaucaireを紹介され、Coraを通じてその夫で作詞家のMichel Vaucaire(1904-1980)と知り合い、コンビで曲を作る。1959年Les Compagnons de la Chansonに提供した曲がラジオ局Europe1のコンクールで優勝。これが2人の最初の成功曲、それ以降Luis MarianoTino RossiGloria LassoLucienne DelyleCara Vaucaireなどに曲を提供。

1960年10月、VaucaireDumontの二人は自分たちが作詞/作曲した「Non je ne regette toujours rien/水に流して」を携えてEdith Piaf宅を訪問。Piafはそれを聞きながら「お若い人!あなたがこれを作ったとは信じられない。この曲は世界中でヒットするわ」。その後DumontPiafのために30曲以上を作曲している。PiafDumontに歌うことを勧め、「Les amants/恋人たち」(1961年Piaf作詞)、「Inconnu exceoté de Dieu/神のみぞ知る」(1962年L.ouis Amade作詞)を歌う。Dumontは再びソロで歌うようになり、1964年最初のLPをリリース。その後も・・

・1967年「La cigarette après l’amour/夜明けのタバコ」

・1971年Jacques Tatiの映画「Trafic」のテーマ作曲

・1972年「Ce soir il nege/今宵雪が降る」、「Comme une fugue de Bach/バッハのフーガのように」

・1973年LPUne femme/夢の女性』でACC賞受賞

・1976年10月47歳で最初のリサイタル、Espace Cardin

・1977年「Une chanson/1曲のシャンソン」SACEMPrix spécial/特別賞受賞

・1978年Olympiaに初出演。

・1979年「La fille de Jacob/ヤコブの娘」

・1983年LPSouviens-toi un jour』(Piafのために書いた曲のcompilation):「Non je ne regette toujours rien」など

・2004年3月28、29日50年のキャリアをBataclan

・2008年7月7日~16日来日

・2010年10月4日CD2枚+DVDCharles Dumont chante l’amourC.D愛を歌う』愛のシャンソンのスタンダード20曲「La vie en rose/バラ色の人生」、「Quamd on a que l’amour/愛しかない時」、「Pasrlez-moi d’amour/聞かせて世愛の言葉を」など

・2010年Age tendreの第5シーズンに初参加、2010年3月から11年2月まで、50公演に出演

・2011年1月18日「Arts et des rettles/芸術・文化勲章」Commandeur章受章

・2012年1月25日自伝「Non je ne regette toujours rien/今でも何も忘れてはいない」をCalmann-Levy社から刊行

・2013年11月SACEMの「Grand Prix Créateur/クリエーター大賞」受賞

・2016年2月8日「Légion d’Honneur」勲章 officier章受章

・2018年3月26日さよならコンサート

 

(2018年3月26日さよならコンサート「Je suis venu te dire au revoir」の模様)

Dumontがさよなら公演に選んだのは1979年10月初めて出演したBobino(20, rue de la Gaité 14区)。Piafは1963年2月21日から3月13日までBobinoに出演、これはPiafParisで歌った最後のステージになった。上下白のスーツに黒のYシャツでステージに登場、5人のミュージシャン(ベース、キーボード、チェロ、ドラムス、アコーデオン)をバックにピアノの弾き語りで歌い、1曲終わる都度律儀にピアノの脇に立ち挨拶する歌手に盛大な拍手。MCDumontが感謝の気持ちを述べたのはまず父親に「父から全てを教わった」、次いで40年以上に渡って作詞を提供してくれ、2007年に死去した女性作詞家Sophie Makhnoに、更に作詞家のFrédéric Zeitoun(1961-作詞家、音楽評論家)に。ZeitounDumontがこの日も歌った「Laissez passer le passé/過去を過ぎ去るままに」などの詩を提供していて、この日会場に姿を見せていた。DumontThomas Boissy(生年不詳―ACI)をステージに招き、Boissyに歌詞を提供された「Au revoir」を歌った。そこでは「私は皆さんにさようならと言う、震える手で、喉が詰まったような声で・・」と歌っている。観客の中には元文化大臣Frédéric Mitterrandの顔が見えた。多くは50歳以上だった観客も、歌ったDumont同様に感動していた。ステージの上にはプロンプターは置かれていなかった。Dumontが歌詞を失念した場面もあったが79歳の歌手に観客は寛大だった。アンコールに入ってからの4曲は、いずれもDumontPiafのために作曲した曲。 最初の「Les Flonflons du bal/ざわめくダンスパーティー」はPiafとのvirtuel デュオで。「Les amants」、「Mon dieu」と続き、2時間のコンサート最後の曲は「Non je ne regette toujours rien」。Dumontはこの曲を2度歌い、2度目には観客にも歌うよう要請、観客は立ち上がってそれに応じた。歌い終わった後ホールは「Joyeux anniversaireHappy Birthday」の大合唱。この日Dumontが歌ったのは他に:「Inconnu excepté de Dieux」、「Comme une fugue de Bach」、「Une chanson」、「Ta cigarette après l’amour」、「La fille de Jacob」、「Merci」(1984年)、「La musique」(1985年)など。

Ta cigatrette après l’amour」 https://www.youtube.com/watch?v=XhfUzhrmLhg

さよならコンサートを報ずる3月27日のTF1のニュースhttps://www.youtube.com/watch?v=v7CV9EvGeGo

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2.ジャック・イジュランJacques Higelin、死去

Jacques Higelinが2018年4月6日の朝Parisで死去した旨家族が告知した。享年77歳。

Jacques Higelinの略歴)

Higelin19401018日パリ郊外パリの西20km、Brou-sur-ChantereineSeine-et-Marne生まれのACI、俳優、作家、詩人。 Artheur H(1966-ACI、2009年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」受賞)及びIzia(1990-ACI、2010年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」及び「新人ステージ賞」を受賞、12年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」を受賞)の父親。15歳で学業を放棄、映画界に。1959年Henri Fabiani監督「Le bonheur pour demain/明日の幸福」で共演したHenri Crolla(1920-1960、ギタリスト、作曲家、俳優)に勧められ、兵役除隊後、歌手に。1963年から映画出演の傍らキャバレに出演して、Yves Montandや「le fou chantant/歌う狂人」といわれたCharles Trenetとも同じステージに立っている。その後・・

・1964年最初のレコード「chante Boris Vian/ボリス・ヴィアンを歌う」をリリース

・1967年Brigitte Fontaine(1939-ACI)とのデュオ「Cet enfant que je tavais fait/僕が君に作ってあげた子供」(Fontaine作詞/Higelin作曲)がヒット。 Fontaineとの出会いについては次のように語っている: 1960年代半ばのある日私はキャバレ「L’Ecluse」の前を歩いていた。店のカーテンの間だからFontaineが歌っているのが見えた。ちょうど私は芝居に共演してくれる女優を探していた。私は店に入り彼女が歌い終わるまで待った。 「あなたと一緒に芝居をしたいんですが?」。 彼女は64年「Maman, j’ai peur/ママ、私は怖い」に出演してくれた。彼女を通じてAreski Belkacemを知った。それから50年以上の付き合いが続いている。

・1971年全曲自作のアルバム「Jacques Crabouif Higelin」を出し詩作と作曲の才を示す

・1979年「Champagne pour tout le monde/シャンペンをみんなに」

・1977年「Pars/出発しろ」

・1988年Tombé du ciel/空から落ちて」

その後挑発的な都会派ロッカーとして、メデイアに登場することは少なく、ステージを中心に活動。コンサートは「観客に満足感を与えるために」3~4時間続くこともあり、アンコールに入ってからの方が長いことも。

Higelinは特にステージでのパーフォーマンスから「le nouveau fou chantant/2代目歌う狂人」と呼ばれるが、その由来は:1981年のある日Aix en ProvenceTrenet宅の近くでヴァカンスを過ごしていたらメッセンジャーボーイが「M..Trenetがお目に掛かりたい」との伝言を持ってきた。2人で一日中歌った。その際Trenetが「君は現在のfou chantantだ」と発言したからだと言われている。04~05年フランス国内で「Higelin chante Trenet/イジュラン、トレネを歌う」コンサート。05年にはそのライヴアルバム「Higelin enchante Trenet/イジュラン、トレネを魅了」をリリース。

最近では:

・2009年SACEMのシャンソンフランセーズ歌手大賞を受賞

・2013年10月CD14枚組、142曲収録の全集「Le coffret essentiel」をリリース

・2014年1月「Ordre des Arts et des Lettres/芸術・文学勲章」のCommandeur勲章受章

・2014年7月第30回「Francofolies de La Rochelle/ラ ロッシュルのフランコフォリー」に特別ゲストとして出演、Higelinはこのフェスティヴァルの第1回(1985年)にHubert-Félix ThiéfaineLes Rita Mitsoukoらと出演している。

・2015年にはデビュー50年を記念して:

・・10月7日Télérama誌のジャーナリストValerie Lehouxと共著の自伝「Je ne vis pas ma vie, je la rêve私は私の人生を生きてはいない、それを夢みているだけ」Fayard社から刊行。

・・10月24日、25日Philharmonie de ParisParc de la ViletteParis19区 2015年1月14日開館)でコンサート(これが最後のコンサートとなった)

10月24日はBruno Fontaine指揮Orchestre national d’Ile-de- Franceとの共演。オーケストラの長目のイントロの後、黒縁の眼鏡、丈の長い白いYシャツ、短めのネクタイ、黒い上着に、ジーンズのズボン、白いバスケットシューズで、ステージ登場した10月18日に75歳になったHigelin。 会場は数分にわたるスタンディングオベーション。  緊張した様子はなく、まず「Je suis tellement heureux de vous revoir/再び皆さんにお目にかかれ、とても幸福です」。途中でオーケストラの演奏を交えて、2時間に及んだステージで最初に歌ったのはHigelinのクラシックとも言うべき「Tombé du ciel」で演奏時間は5分以上。その後、時には眼鏡は外し、時には「長丁場なので」と椅子に腰掛けて、「Mona Lisa Klaxon」(詩的なロックと言われた初期のヒット曲)、 「La balade au bord de l’eau/水辺のバラード」、「La rouse au chocolat/チョコレートを持った赤毛の女性」(アコーデオンを演奏しながら)、「Le berceau de la vie/人生の揺りかご」、「Pars」(会場の何人かは手拍子でHigelinに和した)。コンサートの後半にステージに登場したIziaとは「Ballade pour Izia/イジアのためのバラード」(Iziaの誕生直後に作った曲)、上下真っ赤な衣装で登場したArthur Hとは「Lettre à la petite amie de l’ennemi public №1/社会の敵№1の恋人に当てた手紙」をデュオで歌った。その後「Irradié/放射線を浴びて」、「Un aviateur dans l’ascenseur/エレヴェーターの中の飛行士」(ピアノの弾き語りで)。オーケストラの「Happy Birthday」の後、最後の曲は「Champagne」。アンコールに答えて再度「Pars」を、今回は全ての観客が一緒に手拍子で和した。その後オーケストラのメンバーがステージから引っ込んだ後にも会場を去ろうとしない観客に10分にわたって感謝の挨拶を。

・・11月1日TVArteHigelinの半生をテーマにしたドキュメンタリー「Ce que le temps a donné à l’homme/時がこの男に与えたもの」を放映。2018年4月6日Higelin死去の報を受けて再放送された。

・2016年10月7日アルバム「Higelin 75/イジュラン 75」(75歳を迎えたことから)をリリース。「Elle est si touchante/彼女はとても感動的」、「L’emploi du temps/時間の使い方」(演奏時間8分30秒)、「J’fume/僕はタバコを吸う」、「Lonesome Bad Boy」、「Le monde est fou/世界は常軌を逸している」、「A feu et à sang/火に、血に」(演奏時間21分)など8曲収録

・2018年4月6日死去

 

(各界からの哀悼の辞)

Emmanuel Mascron(大統領):彼は真の「bête de scène/ステージの怪物」、ステージから離れることはなかった。歌いながら語り、語りながら歌い、彼の言葉を叫び、囁き、歌詞を格調高く朗唱し、沈黙することを望まなかった。

Françoise Nyssen(文化大臣):彼は幻想的で、叙情的、詩的な優しさを持つが、音楽的には激しさを持つ特別な存在だった。

Jacques Lang(元文化大臣):彼は友人、人道主義と寛容の精神の闘士だった。1982年私が初めて「La Fête de la musique/音楽の祭典」を企画し、各地で開催した時、私に同行してエネルギー溢れるステージを見せてくれた。

Brigitte Fontaine(1939-歌手、俳優、作家、作詞家):今の私には大声で泣き叫ぶことしかできない。

Maurane(1960-歌手):突然のことでとても悲しい。彼は類い希な、偉大なアーティスト。彼のステージを10数回見ている。

Benjamin Biolay(1973-ACI):彼は華やかな、才能に溢れた、魅力的な人物だった。

La Grande Sophie(1969-ACI):彼の死去の報に接し身が凍るような気持ちになった。彼は正にステージの大物。彼がステージに現れるとホール全体に光が差すようだ。

Catherine Ringer(1957-ACI):彼はアーティストとして素晴らしい人生を送った。彼は自由だった。私が初めて見たスペクタクルは13、4歳ころParisGrands Boulvardで見たHigelinFontaineAreskiのコンサートだった。彼らの軽快さ、詩情、アドリブに圧倒された。

(別れの会及び埋葬)

4月12日13時Paris11区のホールCirque d’hiverで別れの会が開かれた。Higelinはこの会場で何回かコンサートを行っていて、特に1994年10月25日から4週間に渡るコンサートは伝説になっている。ホールの中央には棺が置かれ、3人の遺児が司会を務め、2時間に及んだ別れの会では:Brigitte Fontaineの哀悼の辞の録音が流された(Arthur Hによれば「彼女は出席して、語る勇気がない」)、Daniel AuteuilBarbaraからHigelinに宛てた書簡の一節を朗読。Jeanne Cherhalが「Tombé du ciel」、  Camilleが「Tiens, j’ai dit tiens」、IziaIrradie」を歌った。参列したのは、Françoise Nyssen文化大臣、Anne Hidalgo Paris市長、Alain SouchonCatherine RingerCharElie CoutureCaliJean-Louis AubertLouis BerignacMathieu Chedidなど。

遺体は別れの会の後、葬列を組んでLe Père Lachaiseで向かい、Menilmontant通り側の正面入り口から入り、1000人以上のファンに迎えられた。Higelinは2016年アルバム「Higelin 75」に収録された「J’fume/僕はタバコを吸う」で「僕はタバコを吸い続ける。墓堀人がPère Lachaiseで僕の墓を掘り、時が止まり、空が僕の頭の上に落ちてくるまで・・」と歌っている。遺体は同墓地内に埋葬された。埋葬の前にArthur Hは「Pars」を歌い、集まった1000人以上のファンがそれに和して大合唱に。

Cet enfant que je tavais faitBrigitte Fontainehttps://www.youtube.com/watch?v=jX7zcGEM_rE

La rouse au chocolat 」2015年10月Philharmonie de Parisで https://www.youtube.com/watch?v=tg51SwamhEk

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

3.ミシェル・サルドーMichel Sardou、最後のステージ

かねて歌手活動からの引退を表明していたMichel Sardouが4月11日、12日で最後のステージに立った。

Michel Sardouの略歴)

Michel Sardouは1947年1月Paris生まれのACI、俳優。芸能人一家の出、1960年から80年のシャンソンの黄金時代を生き、今日まで9500万枚のレコードを売上げ、保守的で愛国的と言われるフランス人を代弁する歌手。時代に沿ったテーマを取り上げ、彼のヒット曲は国民的財産と言われている。映画・舞台俳優としても活躍

・1963年学業を放棄し父親のキャバレ「Chez Fernand Sardou」でボーイ兼歌手として働く

・1965年最初の結婚。Françoise PettreThéâtre du Châteletのダンサー)と。女児2人、77年離婚。1977年2度目の結婚、男児2人、98年離婚。 1999年著名なジャーナリストAnne-Marie Perierと3度目の結婚。

・1965年Barclayから最初のEP。自身の作詞、Michel Fugain(1942-ACI)作曲のLe madras/マドラス」ほか3曲収録

・1967年「Les Ricains/アメリカ人:アメリカの涙」

・1970年「J'habite en France僕はフランスに住んでいる:僕はフランス人」(ACC賞)、Les bals populaires/舞踏会」、

Monsieur le Président de France/フランス大統領殿」

・1971年VedetteとしてOlympiaに出演(70年 Enrico Maciasの前座で初出演)

・1973年「La maladie d'amour/恋の病」(シングルは100万枚)、Les vieux mariés/老夫妻:永遠の絆」、「Le curé/神父」、「La fille aux yeux clairs/澄んだ瞳の少女」

・1976年「Je vais t'aimer/君を愛するだろう:愛の叫び」、「Je suis pour/僕は賛成:憎しみの果てに」、「Le France/フランス号:フランス号の曳航」、「Le temps de colonie/植民地時代」

・1977年「La java de Broadway/ブロードウェイのジャヴァ」、「Comme d'habitude/いつのもように:May Way

・1978年「Je vole/僕は飛ぶ」、「En chantant/歌いながら

・1981年「Les lacs du Connemara/コネマラの湖」、「Je viens du Sud僕は南仏出身」、Etre une femme/女性であること」

・1983年「Vladimer Ilitchウラディミール イリッチ」(Lénineレーニンの本名、Lénineへのオマージュ)、「Si l'on revient moins

riches/貧しくなって戻ってきたら:愛の旅立ち:青春の旅立ち」

・1986年「Musulmanes/イスラム教徒たち」( VdMでシャンソン賞受賞)

・1989年Les Enfoirésに初出演。その後2005年までに4回出演 

・1991年VdMで男性歌手賞受賞

・1996年Théâtre de Parisで上演された「Bagatelles/色事」で劇場劇に初出演

・2001年Académie FrançaiseGrande Médaille受賞

・2001年 Légion d’HonneurOfficier勲章受章

・2004年「La rivière de notre enfance/子供の頃の川」(Garouとのデュオ)、、「Non, merci/いえ、結構です」

・2006年「Allons danser/さあ踊ろう」、 「Le chant des hommes/男たちの歌」(Chimène Badiとのデュオ)

・2008年「Secret de famille/家族の秘密」で次男のDavyと共演。

・2010年8月アルバム『Etre une femme 2010/2010年女であること』: 「Etre une femme 2010」、「Voler/飛ぶこと」(Céline Dionとのデュオ)、「Chancun sa verité/それぞれに真実がある」など14曲収録

・2015年9月~2017年2月Théâtre de la Michodièreで上演の劇場劇「Représailles/報復」に出演

・2017年

・・5月26日Le Parisien紙とのインタビューで、「最後のツアーを行い、歌手活動からの引退。その後は演劇を中心にする」

・・9月30日「La dernière danse/最後のダンス」ツアーをLimogesで開始、2018年3月まで国内、スイス、ベルギーで

  この間La Scène MusicaleIle Seguin, Boulogne-Billancourt)には2017年12月26日から2018年1月7日まで出演

  2018年3月23、24日が最後の公演の予定(体調不良のため4月に延期)

・・10月13日CD20枚組「IntégraleMes premières et mes dernières danses」リリース。1965年から2012年までの23枚のアルバムに収録された320曲及び41曲のボーナスを収録

・・10月13日Michel Sardouへのオマージュアルバム『Sardou et nous/サルドウと私』リリース。少年・少女歌手によるSardouのヒット曲のカバー。「Les lacs du Connemara」(Kids United)、「En chantant」(Nemo SchiffmanLouDylanAngie Robba)、「Je viens du sud」(Lou)、「La maladie d’amour」(Gloria)、「Je vole」(Nemo SchiffmanIlyana)、「Vladimir Ilitch」(GabrierErza)「Le France」(Nemo Schiffman)、「La java de broadway」(Dylan)、「Je vais t’aimer」(Nilusi)など

・・10月20日最後の26枚目のスタジオ録音アルバム『Le choix du fou/常軌を逸した者の選択』:「Le figurant/エキストラ」、「San Lorenzo/サン ロレンツオ」、「Et alors !/それで!」、「La Colline de la soif/渇きの丘」、「Qui m’aime me tue/僕を愛するものが僕を殺す」、「J’aimerais savoir/僕は知りたい」、「Je t’aime/君を愛している」、 「Pour moi elle a toujours 20 ans/僕にとって彼女は常に二十歳」、「Le Choix du fou」(Petits Chanteurs de Saint-Marcと)など10曲収録

・2018年4月11、12日最後のコンサート

 

(4月12日のステージ)

この日は2017年9月に開始し、すでに40万人の観客を集めているLa dernière danseス」ツアーの82回目の公演。   会場のSeine Musicaleには4500人のファン。「MerciOn t’aime/ありがとう!あなたが好き」などと書かれたカードを掲げたファンも多数。

「最初はさよならツアーを行わず、静に引退するつもりだったが妻に、『50年以上あなたを応援したファンが沢山いるんだからその人たちに感謝の気持ちを表さなくては』と言われた」

黒の上下、トレードマークである結ばない蝶ネクタイ姿で登場したSardou、最初の曲は「Salut」。その後は歌った順に:「La java de Broadway」、「Je vais t’aimer 」、「San Lorenzo」、「Laigle noir」(Barbaraのヒットのカバー)、「Le France」、「En chantant」、「La maladie damour」、「Une fille aux yeux clairs」、「Les Ricains」、「Etre une femme」、「Le igurant」、「Je vole」、「Musulmanes」、

Comme dhabitude」、「La dernière danse」など。

メドレーも含め2時間のステージで25曲を歌い、アンコールで1曲。アンコールで歌ったのは「Les Lacs du Connemara」。歌詞を間違えた。「Stop!歌詞を間違えました。100年もこの曲を歌っている。今夜さよなら公演の日に間違えるために歌ってきたのか! 引退する時が来たんだろう」と冗談を。この瞬間はSardouのファンには長く記憶されるだろう。そしてSardouは歌い直した。ファンにとってはこの上ない贈り物。

コンサートの途中でUniversal Music FranceOlivier Nusse社長から「Le Choix du fou」が20万枚以上の売上げになったことから「double disque de platine/ダブルプラチナディスク」を贈られた。この日会場に、Valérie LemercierGrégoireMylène FarmerVincent NiclotMireille Dumasなどの顔が。前日にはJean-Paul BelmondeGuy Bedosが顔を見せていた。

最初の曲「Salut」でSardouは「bien sûr quon se reverra/もちろん我々はまた会うだろう」と歌っている。そうSardouにまた会うことが出来るだろう。歌のステージではなく芝居の舞台で、2019年後半には。Sarouは「retourner sa veste/背広を裏返す:意見を変える」したのではなく、背広そのものを変えた。コンサートの模様は4月25日TVC8で放送された。

Les Ricains」1976年 https://www.youtube.com/watch?v=FnOtWnE4Kfg

最後のコンサート2018年4月12日「Les Lacs du Connemara 」+final https://www.youtube.com/watch?v=5ENL3r-t4Bo 

 (2:20 付近で「Stop !歌詞を間違えた・・」)

 

No.1508 
2018. 4.28

 No. 1508  2018.4.28

長いご無沙汰、申し訳ございません。大変遅ればせながら、
2月の新譜 
お伝えいたします。                                 

 
1.  
ダニー・ブリアン Dany Brillant Rock and Swing

Danny Brillant20182月2日にリリースした新しいアルバムは「Rock and Swing」。

Danny Brillant
、本名David Dany Cohen、は1965年チュニス生まれのACI。幼年時代からパリ郊外に。医学の学業を放棄してSaint-Germain-des-Présのカフェで歌っているとき、1986年パリ5区のキャバレ「Aux Trois Maillets」のオーナーの目に止まり5年間出演。 ステージに上がる際オーナーから「Dany ! Sois brillant!/ダニー!輝け!」と声を掛けられ、それをステージ名にした。この間に曲作りもするようになり、1991年ファーストアルバム「C’est ça,ce qui est bon/それ、それが素晴らしい」をリリース。収められていた最初の曲が「Viens à Saint-Germain/サン・ジェルマンへお出でよ」。1993年セカンドアルバム「C’est toi/それは君」によって「crooner」のイメージを確立。1997年にはOlympiaに初出演。2012年にはデビュー20周年を記念して20曲集録のベスト盤を出している。また、Rat Packのヒット曲のカバーアルバム13年の「Forever Gentlemen」には「 La belle vie/美しい人生」で、2014年10月の「Forever Gentlemen vol2」には「Grands Boulvards/グラン・ブールヴァール」などで参加。 2009年10月にはサルサを集めたアルバム「Puerto Rico/プエルト リコ」をリリース、2014年10月リリースの前作「Le Dernier Romantique/最後のロマンチスト」にはスローな曲を収録。今回の10枚目との報道があるアルバム「Rock and Swing」にはrock’n rollswing jazzの曲を収録。「世の中では『ロッカーはジャズマンが嫌い、ジャズマンはロッカーが嫌い』などと言われているが、この二つを組み合わせてみた。それにスウィングは僕の原点、そこに戻り、rock swingのリズムを見つけてみたかった。Elvis PresleyのロックとSaint-Germain-des-Présのswingを50%ずつ混ぜ合わせた」。その結果アルバム収められた10曲は、これまで同様、聞く者を幸福な、陽気な気分にする。 それらは: 「Cest  lamour qui rend heureux/愛は幸せにする」、「Rock and Swing」、「Pourquoi dis-tu non à ceux qui taiment/君は何故君を好きな人たちにnonと言うの」、「La vie est belle/人生は美しい」、「Moi jy crois toujours/僕は今もそれを信じている」、「Tu es mon rêve/君は僕の夢」、「La joie de vivre/生きる喜び」、「Si nos cœurs et nos corps sont daccord/もし僕たちの心と体が一致すれば」、「Quand tu entendras ma chanson/君が僕のシャンソンを聞く時」、「Rock Around The ClockBlure Suede ShoesJailhous RockHound dogTutti frutiiBe bop a LullaPour le Rock and Roll。アルバムはリリースの週チャート位。Brillantは2018年3月22日から11月10日まで国内、ベルギーでのツアーが計画されていて、6月2日、3日Paris Salle Pleyelに出演予定。

Viens à Saint-Germainhttps://www.youtube.com/watch?v=FFXLwgHB0bk

C’est l’amour qui rend heureux」 https://www.youtube.com/watch?v=LFjQvj4c4tY

 


   ジュリエットJulietteJaime pas la chanson私はシャンソンが好きじゃない

Julietteが2018年2月9日にリリースした新しいアルバムは「Jaime pas la chanson

Juliette、本名Juliette Noureddineは1962年Paris生まれ、育ちはToulouseACI。1980年代初頭からToulouseのピアノバー、カフェなどで歌い、最初のアルバム「Que tal?/ケ タル/元気?:スペイン語」を出したのは1991年。1997年にはVdMで最優秀新人女性歌手賞を受賞している。1999年Olympiaに初出演。2002年「Le Festin de Juliette/ジュリエットの饗宴」でACC大賞。2006年VdM女性歌手賞。2012年7月来日。2013年3月Légion d’Honneur勲章のChevalier章を受章している。前作は2013年9月23日にリリースした「Nour」。2016年10月28日にはCD14枚組、186曲収録の全集を出している。「一つのシャンソンが世界を変えることが出来るとは思えない。そんなことは例外中の例外。シャンソンはそんなに真面目なものでなく、単なる気晴らし、娯楽」と語っているJulietteが表現する豪放な、同時に優しさと、ユーモアもある世界は、1950年代Parisrive gauche/左岸」のキャバレの雰囲気を継承しているといわれ、多くのファンの心を捉えている。今回のアルバムのタイトル
Jaime pas la chanson」については、「例えば『私は文学が好きです』と言ってもそれは『何某作家が好き』と言うことだろう。もちろん私にも好きな曲もあるが、率直に言ってどうしても好きになれない曲がいくつかある。だから、私の中では『シャンソン』と総称するものは存在しない。この表現は確かに誤解を与えるかも知れないが、全く間違いというわけではない。Jaime pas la chanson, mais je chante et j’aime ça!/私はシャンソンが好きじゃない、でも私は歌う、私はそれが好き!」。アルバムには巧みな、からかうような、生き生きした、直截的な、辛辣さもある言葉で語る12曲が収められている。それらは:「Procrastination/ぐずぐずする癖」、「A carreaux !/用心しろ」、「Météo marine/海洋の気象予報」、「Bijoux de famille/家族の宝石」、「J’aime pas la chanson !」、「Une adresse à Paris/パリのアドレス」、「Madame/マダム」、「C’est ça,l’rugby/ラグビーとはそういうもの」(Frères Jacquesのカバー)、「Aller sans retour/行ったきり」、「Midi à ma porte/正午に我が家の門で」、「Je remercie/私は感謝する」、「Dans mon piano droit/私のアップライトピアノの中に」など。

3月22日から7月23日まで国内ツアー。4月12日Paris Salle Pleyelに出演

Les garçons de mon quartier私の界隈の男の子」2006VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=SPxF8BuptuI

J’aime pas la chanson」 https://www.youtube.com/watch?v=n8ge3Rdc6ks

 

 
3.グラン・コール・マラッド Grand Corps Malade 16日 「Plan BB

Grand Cprps Maladeが2018年2月16日にリリースした新しいアルバムは「Plan B」。

Grand Corps MaladeGCM)、本名Fabien Marsaud1977年パリ北郊外Seine-Saint-DenisBlanc-Mesnil生まれのスラム系ACI。水泳の飛び込みの際脊椎を損傷し、脚が不自由に。03年ParisClichy広場のバーで最初のスラムを披露。06年3月にリリースしたファーストアルバム「Midi 20/12時20分」(「自分の一生を1日24時間に例えれば、自分はいまその段階にあると思っていた」)が50万枚以上売り上げ、スラムをフランスに根付かせた。07年のVdMで新人アルバム賞と新人ステージ賞を受け、「le rois du slame/スラムの王」と呼ばれるように。08年のアルバム「Enfant de la ville/町の子供」も自分のスタイルに忠実。主として自身が作った詩をア カペラで、あるいはヴァイオリン、ピアノ、ギター、フルート、トランペットなどによるジャッズ、ソール、ファンク調の演奏をバックに、例の低い重々しいが明瞭な声で朗読している。2010年「3e Temps/第3の時」(Aznavourとのデュオ「Tu es, donc j'apprends/あなたがいる、故に私は学ぶ」収録)13年10月4枚目のアルバム「Funambule/綱渡り芸人」をリリース、「La traversée/横断」(Francis Cabrelとのデュオ)、

Te manquer/君は僕がいなくて寂しい」など13曲を収録。前作は15年10月23日リリースの「Il nous restera ça/我々にはそれが残るだろう」で、これにはRenaudJeanne CherhalCharles Aznavourらに詩の提供をうけた曲など16曲が収録されている。GCMは2017年3月「Ordre des Arts et des Lettres/芸術・文学勲章」のcommandeur勲章を受章。アルバム「Plan B」には16曲収録されている。それらはDCMが経験している社会の悲惨さをユーモアを持って、あるいは重々しい雰囲気で語っているものが中心となっている。そして「僕は最初、運動選手になりたかった。だから歌手になったのは『Plan B』」。さらにこのタイトルが示すように、今回スタイルの面で新しい試みも見られ、初めてスラムではなく歌っているもの、フラメンコギターを伴奏にしているものもある。収められている15曲は:「Plan B」、「Acouphènes/耳鳴り」、「Au feu rouge/赤信号で」、「Tu peux déjà/君にはもう出来ている」(この曲ではDCMは歌っている)、「Poker/ポーカー」、「Le syllabe au rebond/弾むシラブル」、「J’suis pas rentré/僕は帰っていない」、「Charades/言葉当て遊び」、「Dimanche soir/日曜日の夕べ」、「1000 vies
1000の命」、「Le langage du corps/身体の言語」、「Patrick/パトリック」(DCMは歌っている、)、「Ensemble/一緒に」(GCMはフラメンコギターの伴奏で語り、歌っている)、「Issam」、「Espoir adapté」。リリースの週アルバムチャートの1位。3月6日から12月7日まで国内ツアー。Paris登場は3月7日のLe Trianon及び12月6、7日のSalle Pleyel

Midi 20」https://www.youtube.com/watch?v=uWhCU2Owslk

Patrick」 (Levallois-Perret市の市庁舎前などで、作曲者でギタリストのBenoit Simonとのlive。政治家Patrick Balkanyを痛烈に非難。BalkanyLevallois-Perret市長、Hauts-de-Seine県選出国会議員などを務めたが、脱税、収賄などの罪に問われている)。https://www.youtube.com/watch?v=wBpFiuWtBb4

・・僕はあなたを熱烈に尊敬している。あなたのカリスマ性と才能は素晴らしい。僕にとって最も偉大な人物それはあなた。あなたは地元では王様のよう。Lavalloisを最も美しい町にした。 でも、あなたは脱税、虚偽の証言、汚職、パナマ文書、マネーロンダリング等々、あなたの友人のNicolasNicolas Sarkozy)よりも問題が多そう・・PatrickPatrick、裁判官は意地悪だけど、誰も彼らの言うことなんぞ聞かない。PatrickPatrick、あなたは強い、正直、あなたは最も偉大・・

 


3.   アダモAdamo 16日 「Si vous saviezあなたが知っていたら」

Adamoが2018年2月16日にリリースした新しいアルバムは「Si vous saviez」。

AdamoSalvatore Adamo、は1943年Sicileシシリー島、Comiso生まれのACI。1947年家族でベルギーへ。1963年「Sans toi ma mie/サン トワ マ ミー」、「Tombe la neige/雪が降る」が世界的にヒット、一躍スターに。その後55年に及ぶキャリアで500曲以上を録音、レコードを1億枚以上売り上げている。2014年VdMで特別賞受賞。1967年6月初の日本公演、直近の2010年10月まで38回(2018年3月26日付Le Monde紙)来日している。 前作は2016年2月リリースの「L’amour n’a jamais tort/決して愛に誤りはない」。 

25枚目となる今回のアルバムでAdamoは「élégant/上品な、洗練された」、「candide/無邪気な、純粋な」、「lisse/穏やかな」歌手という長年染みついたイメージを壊そうとしているのか?収められた曲に今年75歳になる「un grand monsieur de la chanson française/シャンソンフランセーズの偉大な人物の一人」Adamoの「renouveau aristique/芸術上の新たな生まれ変わり」を見ることが出来る。ユーモアが最も大事だと語り、「『espiéglerie/悪戯好き、茶目っ気』は私の性格、小学校の頃からの」と語る Adsamoのもう一つの側面をも見ることが出来る。

アルバムは
Studio Guillaume TellParisに隣接するSuresnes所在の録音スタジオ)で40人のミュージシャンをバックにliveスタイルで録音された。最近では珍しく、総演奏時間1時間を超える長尺もの。収録されているのは:「Je te chanterai la chanson/君にシャンソンを歌おう」、「Un rêve/一つの夢」、「Sans toucher la terre/着陸することなく」、「Juste un “Je t’aime”/一度の“Je t’aime”で」(Camille<1978-ACI>とのデュオ)、「Si vous saviez」、「Mefie-toi (Y’a pas plus gentil que moi)/ご用心(僕より親切な人物はいない)」、「Le pianola/自動ピアノのピアノラ」、「Nul/何もない」、「Toujours, Forever」、「Et tant d’amour/沢山の愛」、「Ma mère disait/母が言っていた」など13曲。Adamoは2018年1月からツアーを開始しており3月15、16日Olympiaに出演している。

Sans toi ma mie1963https://www.youtube.com/watch?v=xS2cHDko2wM

Juste un “Je t’aime”Camilleとのデュオ Teaserhttps://www.youtube.com/watch?v=gc5U6AY8Vhs

Mefie-toi Y’a pas plus gentil que moi」 https://www.youtube.com/watch?v=pPU932SJHhA

・・君が欲しがっているのは月とうわけではないけれど、僕と一緒に住もうというのはなんと馬鹿げた考え。僕の方じゃそんなことは考えもしない。僕は君が好きで、君は僕が好きだけど、一緒の住むことがそんなに大事なことなの?そんなことしたら全てがパーになっちゃうよ。ご用心、僕より親切な人物はいないと人は言うけれど、僕は本当にそうなんだろうか?ご用心。僕は多重人格者、僕はいくつのも規則に従っていて、それが僕を色々な人物にしている。ご用心、ご用心・・

 
No.1506  2018.4.1 

No. 1507       2018.4.1



クロード・フランソワClaude François没後40年           

2018年3月11日はClaude Françoisの没後40年に当たる。

Claude François、愛称Clocloは1939年2月1日エジプト Ismailia生まれ、1978年3月11日Parisで死去(享年39歳)、歌手で作詞、作曲も行った。

幼児期からピアノ、ヴァイオリン、ドラムスを習う。1956年一家はスエズ動乱を避けてフランス、Monte-Carloに移住。同地のバンドでドラマー、ヴォーカリストとして活躍。

・1961年夏Brigitte Bardotらに勧められParisに。バンドのパーカッショニスト、ギタリスト、ヴォーカリストとして活動

・1962年3月2度目のオーディションで合格したFontana社から最初のレコードをリリース。注目されず

・1962年9月「Belles, Belles, Belles/美しい娘たち」(アメリカのヒット曲「Girls, girls, girls」のVline Buggyによる翻案)など4曲収録したレコードをリリース。「Belles, Belles, Belles」はリリース直後ラジオ局Europe 1の人気歌謡番組「Salut les copains/やあ仲間たち」で流され、放送終了時から問い合わせが殺到、レコードは数週間で60万枚(都合170万枚)の売り上げと言う大ヒット。Clocloはたちまち若者たちのアイドルの一人に

 

・1962年12月18日Dalidaの前座でOlympiaに初出演(最初のステージ)、63年1月21日TV初出演

・1963年「Si j’avais un marteau/もしもハンマーがあったら」(「If I had a hmmer」の翻案)

・1963年 46,bd.ExelmansParis 16区)にアパート(標識あり)及びパリ南東45km、Essonne県の小村Dannemoisに古いmoulin/製粉所を購入。moulinを「La ferme du bonheur/幸せの農園」と名付け別荘に

・1964年9月vedetteとしてOlympiaに初出演

・1965年1月渡米Las Vegas撮影旅行、アメリカ式ショーに触れ、帰国後バックダンサーを務めるClodettesを結成

・・・1966年12月Olympia出演時の2人組のClodettesが初出演。最後のClodettesは死去の3日前に結成

その後数々のヒット曲を、主なものは:

「ドナ、ドナ、ドーナ/Dona, Dona」(1964年、65年9月日本語版リリース)、「Comme d’habitude/いつものように」(「May Way」の原曲1967年)、「C’est de l’eau, c’est du vent/水だ、風だ」(1970年)、「C’est la même chanson/同じシャンソン」(1971年)、「Le téléphone pleure/電話が泣いている」(1971年)、「Le lundi au soleil/月曜日には太陽の下で」(1972年)、1973年 「Chanson populaire/みんなのシャンソン」(1973年)、「Cette année là/あの年」(1976年)、「Je vais à Rio/僕はリオへ行く」(1977年)

・1977年12月25枚目で最後のアルバムMagnolias for ever」をリリース。これにはJulien Clercの作詞者として知られていたEtienne Roda-Gil (1941-2004 作詞家・詩人・作家)に詩を提供された「Magnolias for ever」及び「AlexsandrieAlexsandra/アレクサンドリー、アレクサンドラ」など10曲収録

・1978年2月24日Lyonの「Palais d‘Hiver/冬の宮殿」での公演が最後のステージ

・1978年3月11日(土曜日)死去

前日まで2日間、イギリスBBC放送のスイスVauxLeysinスタジオでクリスマス番組を収録していたCloclo、自宅に戻り当時の伴侶であったアメリカ人Kathalyn に迎えられた。14時からMichel DruckerSylvie VartanPierre Perretが出演するTV番組「Rendez-vous du dimanche/日曜日のランデヴー」のリハーサルをButtes-ChaumontSFPスタジオで行う予定であった。天気のよい日だったのでテラスに出て、陽光に当たり、アパートの前で待っているファンに手を振り、13時頃彼は浴室に入った。浴槽には入らず、シャワーを浴びた。壁に取り付けられた照明器具が垂れ下がっているのが目に止まった。それまでに何度もそんなことがありその都度Clocloはそれを直していた。その日もそれを直そうとして電流に触れ、感電。 救急隊が駆けつけた。隊長のBernard Jacquinotら心臓マッサージなどを行ったが、蘇生させることは出来なかった。死亡は15時に確認された。SFPスタジオでは技術スタッフ、ClocloのバックダンサーClodettesらが完全にスタンバイ、Durckerらは遅刻常習犯の Clocloを辛抱強く待っていた。15時15分速報で死去のニュースが報じられた。

葬儀は15日母、Kathalynなど近親者、SheilaRingoDalidaMaciasら約200が列席して、16区のNotre-Dame Auteuil教会で執り行われ。遺体はDannemoisの別荘地内に埋葬された。

・2000年3月パリ16区の旧居の近くの広場が「Place Claude François/クロード・フランソワ広場」と命名

・2004年6月蝋人形がMusée Grévinに展示

・2012年3月Florent Emilio-Siri監督映画「Cloclo」の公開。Cloclo役はJérémie Rénier(ベルギー1981-俳優)

・2018年3月11日 没後40年

 

Vie privee/私生活

1960年Janet WoollacotteNottingham1939―2011.11.13 イギリス出身のダンサー)と結婚、67年離婚

1964年から1967年、France GallParis 1947-2018)との仲が喧伝された

1967年から1972年、ダンサーのIsabelle Forêtとパートナー

1968年7月8日長男Claude François Junior誕生

   1969年11月15日次男Marc François誕生

1973年から1976年、フィンランド出身のモデルSofia Kiukkonenとパートナー

1976年からカリフルニア出身のモデルKathalyn H.JonesMannとパートナー、Clocloは1977年6月25日フィアンセとしてTVで紹介。「C’est comme ça que l’on s’est aimé/こんな風に愛し合っていた」をデュオで歌っている。Kathalynは同タイトルの自伝を出版している。死亡時、報道担当者Marie-Thérèse Perrinとともにマスコミなどに対応

 

没後40年を迎える今年Claude Françoisに関して次のような報道があった。

・追悼ミサ

3月10日15時から、40年前に葬儀が行われたParis16区のNotre-Dame d‘Auteul教会で追悼ミサが行われた。ミサにはClocloの2人の男児とその子供たち、2人の男児の母親であるIsabelle Forêt、かつてのClodettesのメンバー、歌手(Didier Barvelivien<1954-ACI>など)、Clocloの物真似アーティスト、ファンなど400人が参列。

式の最後に参列者はClodettesのメンバーを中心に、360曲余りのClocloのナンバーから「Un jardin dans mon cœur/心の中の庭」(1971年)を歌った

参列者の中には、Frédérique Barkoffの顔が。Frédériqueはシングルが250万枚以上売上げたと言われる「Le téléphone pleure」でClocloの相手をした少女。「子役の俳優を何人もオーディションしたが適当な人はいなかった。私の母はClocloのスタッフの一人だった。当時私は5歳、Clocloの子供たちとほぼ年齢が同じで、よくbd.Exelmansに遊びに行っていた。Frédériqueにやらせてみたらどうかという話になり、やってみたらClocloの気に入った。10歳までその役を演じた」。

 

・ファンのDannemois墓参

Clocloの墓地があるDannemoisは通常でも年間15000人程度の墓参者が訪れる。没後40年の今年はより多くのファンが訪れることを想定し町当局は11日(日)、午前9時から午後5時まで車両通行禁止区域を設け、また車両300台収容可能な仮設駐車場を4箇所に設け、警官、ヴォランティアら50人以上が警備に当たった。当日は10時からDannemoisの教会で追悼ミサ、同日中に約

2000人が墓参に訪れた。 Clocloの別荘の一部は1999年に記念館になっており、その中のあるレストランでは、Clocloの「sosie officiel/公認(Cloclo家族の?あるいはファン・クラブの?)物真似アーティスト」Franck dAuriaと物真似Claudettesによる2時間のショー付きディナーが供された。なお、このレストランではFranck dAuriaのショー付きディナーが、不定期ではあるが、年間を通して供されている。

 

・隠し子騒動

2018年早々、Clocloの隠し子騒動がマスコミをにぎわした。発端は3月2日20時50分から放送予定TV局 Paris Premièreのドキュメンタリー番組「Claude François le dernier pharaon/クロード・フランソワ、最後のファラオ」でJulie Bocquetなる女性が自分はClocloの娘であると明らかにするとの報道がなされたことにある。各種報道によると:

Julie Bocqetは1977年5月15日生まれ、現在40歳、2児の母。Julie Boquetの母親のFabienne 某はベルギーのGrammont出身、1974年13歳でClocloと知り合った。ClocloFabiennneがもっと年長だと信じていた。Julieが予定日よりかなり早く誕生した時、母親のFabiennneは15歳。未熟児であったJulieが保育器からでれるようになった生後2ヶ月で養子に。Julieは17歳で生母に会い、自分の誕生の秘密を知った。そして4年前の複数の検査機関のDNA検査の結果Clocloとの父子関係が証明された。今回マスコミに登場したのは「Cloclo没後40年を迎える今年は私にとって一つの区切り。相続を主張するためではなく、自分の正確なルーツが知りたいだけ。私のことはClocloの2人の息子も承知している。今まで会ったことはないが、先方から話があれば会うことにやぶさかではない」。Julieの存在はすでに1998年2月「Voici」誌で報道されていた。従ってこの隠し子報道は完全なスクープと言うわけではない。Clocloの没後40年に当たる今年、大きく取り上げられたのだろう。Paris Match誌2月8日号の表紙にはJulieが登場し、特集記事が掲載されている。  

なお伝記作家Fabien Lecœvreによると、JulieのほかにClocloの隠し子を名乗っている者がBiarritzMarseille、あるいはAlsaceなどにいて、その数は6~8人に上る。

 

・伝説的香水「Eau noire/黒い水」の復活、発売

Clocloは実業家としても手腕を発揮し、レコード会社Flèche、雑誌「Podium」や雑誌「Absolut」の出版、モデル派遣会社などを経営していたがその一つに香水製造がある。臭覚の専門家をスイスから招聘し、25種類の成分を混合し、生地であるエジプトを彷彿とさせる芳香を発した男性用香水「Eua noire」。1976年9月には完成披露パーティーが行われた。50000本が製造販売された。この香水は香水専門店ばかりではなく、タバコ販売所でも売られた。Clocloは女性用の香水「Eau blanche/白い水」の製造も計画していた。今年Crafting Beauty社が当時のレシピを元に再現を試みた。成分の中には現在入手不可能なもの、あるいはアレルギー物質として使用が禁止されているものがあったが、99.9%の再現に成功。flacon/瓶にすると、最低でも140€と高価になりすぎるとして、約50時間芳香を楽しめるティーライトキャンドルの形で500本の限定販売、1本45€。250本は予約販売、数時間で完売。

 

・伝記、回顧録の出版、

・・「Claude François, 14284jours/クロード・フランソワの14,284日」(Fabien Lecoevre著 Flammarion社刊)

・・「J’y pense et puis j’oublie/思い出すが後は忘れてしまう」(1964年のヒットから。Vline Buggy著、L’Archipel社刊)

  Vline Buggyは作詞家で「Belles, Belles, Belles」、「Si j’avais un marteau」などのフランス語の作詞を行った。追悼ミサに出席し、「Clocloは才能豊か。決して時代遅れになることはない、彼のように若くして亡くなり、才能を持っていれば。 彼はむしろ小柄の方だったし、それほど美男子というわけでもなかった。しかし彼は彼自身の努力で全てを変えた」。

・・「Claude Françoisje reviendrai comme d’habitude/僕は戻ってくる、いつものように」Baptiste Vignol著 Grund Edition刊)

 

・全集、best版のリリース

・・「Claude FrançoisIntégrale 1961-1978/クロード・フランソワ:全集1961年―1978年」 2018年3月2日リリース。

CD20枚組360曲収録

・・「Claude François:“For ever”(Best of 2018)」 2018年2月9日リリース。 CD3枚組60曲収録

 

Belles, Belles, Belleshttps://www.youtube.com/watch?v=yfhu5GJq5BQ(1962年映像制作は Claude Lelouch

Comme d’habitudehttps://www.youtube.com/watch?v=ug5coxz8hGM (1968年)

Le telephone pleurehttps://www.youtube.com/watch?v=5zx3UPXg_eM (1974年)

AlexsandrieAlexsandrahttps://www.youtube.com/watch?v=PIiIddenDko (1978年3月BBC放送のスイスVauxLeysinスタジオで)

 
No.1506  2018.3.18 

KCN 1506   2018.3.18

2018年1月リリースのCD 3枚 ご紹介いたします。                                 

1.   イヴ・デュテイユYves Duteil、「Respect/敬意」


Yves Duteil
の15枚目となる新しいアルバムは2018年1月12日リリースの「Respect」。

Duteilは1949年パリ生まれのACI (Auteur Compositeur Interprete 作詞 作曲 演奏家)
                                                                            Mireilleの音楽学院で学び、1972年Paris 6区 Quai des Grands-Augustinsにあったキャバレ「L'Ecluse」でデビューした。1977年の「Prendre un enfant/子供を抱いて」を収めたアルバム「La tarentelle/タランテラ」は120万枚の大ヒット、ACC大賞を受ける。「Prendre un enfant」は88年にレコードが発明されて100周年を記念してSACEMなどが行ったアンケートで「世紀のヒット」№1に選ばれた。1986年の「La langue de chez nous/美しい言葉」はAcadémie Françaiseの銀賞受賞。1982年の初来日から都合5回来日している。 前回のアルバム、2012年の「Flagrant délice/目の前の快楽」から6年振り、45年のキャリアで15枚目となる「Respect」。この間に1989年から務めていたパリ郊外の小村(人口760人)Precy-sur-Marneの村長を2014年に辞し、「à temps complet/フルタイムの」歌手に戻ってきた。

「私には
アルバムを作るの3年必要。詩を作り、曲を付けるのに2年、アレンジ、録音などに1年」。今回のアルバムでもテーマは人道的な価値への讃歌、寛容への讃歌、優しさへの讃歌。「優しさは決して弱さではない。我々に逆境に立ち向かうエネルギーを与えてくれる心の底にある力」。また、収録されている曲のうちいくつかは最近3年間にフランスで起こった悲劇についても語っている。「2015年1月11日の抗議デモ(1月7日に起こったChrlieHébdo襲撃事件後に行われた)にも参加した。2015年11月13日の同時テロでは11区のBarLa Belle Equipe」のテラスで友人の一人を失った。詩は事実に基づいたものである時に強くなる」。

収録されている12曲は:「Respect
」(・・敬意、それは我々の違いを声に出して認めること、我々の皮膚の色、人種、信仰の違いを。そしてよく聞くこと、よく見ること、共有すること、多様性を・)、「A l’abri du  meilleur/最良なものに守られて」、「Mohammed, Aïcha/モハメド、アイシャ」(「イスラム教徒もテロの犠牲者であることを忘れてはならない」)、「Mamie, Mamita, Mamino」(Duteil家の3代のわたる女性の物語)、「Quarante ans plus tard/40年後」 (1975年に結婚した夫人のNoelleに宛てて・・手に手を取って役所の階段を上っていったあの日君は君の人生を捧げてくれた・・あれから40年今でも君を愛している、あの日よりももっと強く・・)、「Le passeur de lumiere/光の渡し守」(天文好きなNoelleの父の思い出、尊敬の念を含めて)、「Mon piano a cent ans/僕のピアノは100歳」(「この曲は100年前に作られたピアノで作曲した」)、「La légende des immortelles/枯れても色あせぬ花々の伝説」(「南コルシカ、Alta Roccaの養蜂家Jean、彼は目立たないけれど我々を、地球を守ってくれる戦士の一人。もし蜜蜂がいなくなれば、我々の地球も消えるだろう」)、「Argentine/アルゼンチン」、「Armes d’amour/愛の紋章」、「Une minute de silence/1分間の黙祷など。

Prendre un enfant」 1979年 https://www.youtube.com/watch?v=nuaNqlFdFSs

Respect」 https://www.youtube.com/watch?v=WyxhK79Vm-A

 

2.   ニコラ・ペイラックNicolas PeyracSuffit que tu oses/君は思い切ってやるだけで十分

Nicolas Peyracの新しいアルバムは2018年119日リリースの「Suffit que tu oses」。

Peyrac194910Paris14区生まれのACI、作家。祖父、父が医師であったことから、医学を学ぶ。その傍ら曲を作りMarie LaforetGérard Lenormanらに提供。その後1974年から自分も歌うように。1975年4月の「So far from LALAから遠く離れて」、1975年11月の「Et mon père/そして父は」がヒットし、歌手としての地位を確立。その後「Je pars/僕は出発する」(77年)、「Elle disait/彼女は言っていた」(82年)、「Et même/もし、仮に」(89年)などがヒット。79年にはOlympiaに出演。90年代に入り母親の死去などから鬱になり、、93年から15年間はCanada Québecに住み、曲作りの他、小説(94年「Qu'importe le boulevard ou tu m'attends」)や映画評論も執筆。08年ブルターニュに帰り、09年アルバム「Case départ/振り出し」をリリース。控えめな性質から、マスメディアに登場することも少なく、大規模ツアーを行うこともないが、数年毎に、優しい暖かみのある声で、中身の濃い、良質なアルバムを出している。2013年にリリースした「Et nous voilà」には自身の過去のヒットを主に若手歌手とデュオでカバーした12曲が収録されていて、「Et mon père」はCarmen Maria Vegaと、「So far away from L.A.」はSofia Essaïdiと、「Je pars」はSerge Lamaと歌っている。今回のアルバムSuffit que tu oses」には過去の自身の有為転変を語り、苦しいことがあっても決して諦めないこと、何があっても立っていようと歌う13曲が収められている。「On tiens debout/立っている」、「On aura tous les deux vingt ans/二人とも20歳になる」、「Suffit que tu oses」、「C’était ça ma vie/それが僕の人生だった」、「On se retrouvera/再び出会うだろう」、「J’aimarais bien dire au temps qui passe/過ぎ去って行く時間に話しかけたい」など13曲収録。

So far from LASofia Essaïdi)2013年 https://www.youtube.com/watch?v=h3FcZyXLsqw

C’était ça ma vie」 https://www.youtube.com/watch?v=0lWlHoANLTc

 

3.   スリマンヌSlimane、「Solune/ソリュヌ」

Slimane の新しいアルバムは2018年126日リリースの「Solune」。

Slimane(本名Slimane Nebchi)は1989年10月13日、Parisの東郊外Chelles生まれのACI、両親はアルジェリア出身。「Nouvelle Star」など、いくつかのTVのスター誕生番組に予選で落選。しかし、2016年のTVTF1スタ誕番組「The Voice」第5シリーズで優勝した。2016年7月8日ファーストアルバム「A bout de rêves/夢の最後に」をリリース。これには「Paname/パナム」、「Je serai là/僕はそこにいる」、「Lenfant de la rue/通りの子供」、「Frerot/弟よ」、「Adieu/アデュ」、「On sen fout/全く関係ない」、「Le Grand-Père/祖父」など、子供時代、あるいはそれまでの人生を語る11曲が収められている。リリースの週から2週間にわたってアルバムチャートの1位なり、double disque de platine/ダブルプラチナディスク(20万枚以上売上げ)に。同年11月18日リリースのMichel Delpechへのトリビュートアルバム「Jétais un ange/僕は天使だった」に「Chez Laurette/ロレットの店で」で参加。2017年1月6日からツアーを開始、1月27日ParisLa Cigaleに出演、5月14日Olympia出演。Slimaneは2017年9月リリースのFlorent Pagnyのアルバム「Le présen d’abord」には「C’est peut être」の詩を提供、2017年11月リリースのJohnny Hallydayへのオマージュアルバム「On a tous quelque chose de Johhy」には「Marie」で参加している。

新しいアルバム「Solune」は「soleil/太陽」と「lune/月」とを結合させたSlimaneの造語か?アルバムに収録されているのは:

Solune」、「Viens on s’aime/愛し合おう」(インターネット上で人種差別的な攻撃を受けたこともあり、寛容と愛とを呼びかけている。歌詞の一部をアラビア語で、アラブのメロディーで歌っている。2017年シングルで先行してリリースされている。

・・彼らは我々から全てを奪うことが出来るだろう。我々は間違っていると言うことも出来るだろう。我々の歴史は美しいものではないと非難することも出来るだろう。さあ 愛し合おう、彼らの言葉、彼らの考えは無視して・・
)、「Les amis/友人たち」、「Désole/申し訳ない」、「Quand je serai grand/大きくなったら」(母親への愛。・・大きくなったらあなたを守るのは僕の義務・・)、「Saison/季節」、「Au-delà/その先に」、「Si on est deux/二人なら」、「Papa heros/パパヒーロー」(「貧しい生まれだったが、崇高な精神を持っていた父、僕にとってのヒーロー、僕を導いてくれる船頭」、)「La chanson des vieux amants/懐かしき恋人の歌」(Jacques Brelのヒット曲のカバー)、「Rengaine/はやり歌」、「Chanson d’amour/愛のシャンソン」、「Petit pays/小さな国」、「Je veux être vieux/僕は老いたい」、「Marie/マリー」(上記参照)など20曲。アルバムはリリースの週チャートの1位。

Je serai là」2016年https://www.youtube.com/watch?v=izeSNz0JiM4

Viens on s’aime」 https://www.youtube.com/watch?v=ypp-x7Tm3SU

 
No.1505  2018.3.4 

KCN 1505      2018.3.4


ダミアDamia、没後40年記念 CDリリースされる
                                   
2018年1月30日はDamiaの没後40年に当たる。それを記念して1月23日CD3枚組、76曲収録のcompilation 「L’immence  tragédienne (40ème anniversaire)/悲劇を歌う偉大な女性歌手(没後40年)」がリリースされた。 

 Damia、本名Marie-Louise Damian、は1889年12月5日Paris13区生まれの歌手。生年については1892年とする資料もあるが、現在では1889年の方が正しいとされている。舞台衣裳は黒いドレス、舞台演出の道具としての照明の利用、計算された手の動き、嗚咽するような、あるいは叫ぶような声で一つのシャンソンを一つのドラマに仕上げたと言われ、「La tragédienne de la chanson/シャンソンの悲劇女優」と呼ばれた。

Damian一家はParis郊外のRueil-Malmaisonに移り住み、Damiaは15歳で家出しParisに。18歳、Théâtre du  Châteletに端役で出演している際Robert Hasllard (Robertyと呼ばれていた) が注目。Robertyは女性歌手フレールFréhel( 
1891-1951  「La Java bleue/青色のジャヴァ」、「Où sont tous mes amants/恋人たちは皆どこに」、「Où est-il donc/モンマルトルの挽歌」)の夫でシャンソン歌手の養成に情熱を持っていた。Robertyに歌唱指導を受けたDamiaは1910年頃から café-concert(飲み物付きで歌聞かせあるいはショーを見せる店)の「Le Petit Casino」、「Pépinière-Opéra」、「LAlhambra」などに出演するようになり、その才能に注目したFléx Mayolは自身が経営するConcert Mayolvedette/スターとして出演するよう招いた。その後徐々にではあるが、他の歌手とは異なる彼女の「diseuse/語るように歌う女性歌手」として評価が高くなった。

第1次大戦中は前線で歌い、またParis 9区、rue Fontaine/フォンテーヌ通り(現在はrue Pierre Fontaine/ピエール・フォンテーヌ通り)の自身の店「Concert Damia」で歌った。Damiaのレコード録音は1926年からで、最初の曲は「Hantise/強迫観念」。第2次大戦中のドイツ占領下ではThéâtre de l’EtoileCasimo-Montparnasseに出演。黒ではなく希望を表すため白の衣裳で歌っていた。49年にはSalle Pleyelでコンサート。

初めて訪日したシャンソン歌手として53年5月に来日、3日から22日まで、東京から名古屋、京都、大阪、福岡、仙台で公演。来日公演の際にはGilbert Bécaudが創唱した「Les croix/十字架」をレパートリーに加え、この曲を東京でレコーディング、他の曲と共にSPに収録、リリース。

54年Olympia出演、その際前座で歌ったのはJacques Brel。56年のOlympia公演を最後に引退。30数年にわたり「
Chanson réaliste/現実派シャンソン」の歌手として君臨、マイクを使用することはなかった。63年3月7日にACCGrand Prix international du disqueを受賞している。代表作は:「La rue de la joie/快楽通り」(1928年)、「Les goelands/かもめ」(1929年)、「J’ai l’cafard/気が滅入っている」(1930年)、「Le grand frisé/縮れ毛の男」(1930年)、「La complainte de Mackie/マッキーの哀訴」(1931年)、「La veuve/やもめ」(1933年)、「La garde de

nuit à l’Yser/イゼールの夜哨」(1933年)、「La suppliante/哀願する女」(1933年)、「La guinguette a fermé ses volets/真夜中の居酒屋」(1934年)、  「La mauvaise prière/よこしまな祈り」(1935年)、「Sombre dimanche/暗い日曜日」(1936年)、「C’est la guinguette/田舎の居酒屋」(1936年)、「Aimez-vous les moules marinères ?/貝料理はお好き」(1936年)、「La 

malediction/呪いの言葉」(1938年)、「Johnny Palmer/ジョニー・パルメール」(1938年)、「La rue de notre amour/二人の恋の街」(1942年)、「Un soir de fête/祭りの夜」(1942年)、「Un souvenir/思い出」(1942年)、「Depuis que les bals sont  fermés/ダンスホールがしまった後に」(1943年)、「On danse à la Villette/ヴィレットで踊る」(1944年)、「Ma rue/私の通り」(1944年)など。 1978年1月30日Paris郊外La Celle-Saint-Cloudで死去、享年88歳、Parisの北東郊外Pantin墓地(55区)に埋葬。1997年Paris11区(メトロAlexandre-Dumas駅近く)に4,500㎡の「Jardin Damia/ダミア公園」が誕生した(標識ではDamiaの生年を1892年としている)。

 

Les goelandsカモメ

1929年録音。Lucien Boyer作詞・作曲の1905年の曲、ほとんど忘れられていた曲をリヴァイヴァルさせ、DamiaConcert Damiaで歌っていた。「このシャンソンの歌詞は『genial/天才的な、見事な、素晴らしい』と言えるものではない。しかし彼女の両手の動きによって悲劇に変わっていった。彼女が最後のクープレを歌い出すと『l’âme d’un matelot/一人の水夫の魂』がコンサートホールを舞っているように感じられた」との評も。

歌詞の大意:

・・航海中に死んだ水夫は、石ころのように海に投げ込まれ、死んだキリスト教徒と一緒に天国に行って聖ペテロに会うことはない。 彼らは帆布の袋の棺に収められ暗礁の間を転がって行き、彼らの魂は星の中に上って行くことはない。 それからは水夫の魂は稲妻と大海の間ですすり泣くことしかできない、そして何もない中で自分の骸を呼び続ける。  ゆったりと飛び交うかもめのほかに誰が彼の骸の運命を哀れもうか。かもめはひとたび羽ばたくと、震えている自分の心臓に誠実な魂を引き寄せ、受け入れる。 水夫の魂は鳥と一つになり、骸を探す、岸から遠く離れて。だから暗い空の下で、鳥は絶望して野生の叫び声をあげる。 うなりを上げる大海の上を舞うかもめ、あるいは波をかすめて飛ぶかもめを殺さないで。それは一人の水夫の魂だから。墓の上を飛び回る、そして、泣いている、泣いている・・

 https://www.youtube.com/watch?v=rSikyW73pUU

 

・「Sombre dimanche暗い日曜日

1936年録音。原曲は1933年にハンガリーで発表された「Szomoru vasarnap」(Seress Rezso作曲)、フランス語の歌詞は

Jean MarezeFrançois-Eugène Gonda

 

歌詞の大意:

・・暗い日曜日・・・、両手に花を抱え、私は私たちの部屋に戻ってきた、疲れた心で。私には解っていた、あなたはもう来ないと。私は愛の言葉と、苦しみの言葉を歌った。私は一人きり、声を殺して泣いた。冷たい霜を伴った風のうめきを聞きながら、暗い日曜日・・私はある日曜日に死ぬでしょう、苦しみに耐えかねて。あなたが戻ってきた時、私はもういない。蝋燭が燃えているでしょう、激しい希望のように。そして私の目は自然とあなたに向かって見開いているでしょう。恐れないで恋人よ、私の目があなたを見ることが出来なくても、その目はあなたに語るでしょう。私は自分の命よりもあなたを愛していたと。暗い日曜日。恐れないで恋人よ、私の目があなたを見ることが出来なくても、その目はあなたに語るでしょう。私は自分の命よりもあなたを愛していたと。暗い日曜日・・・・

 https://www.youtube.com/watch?v=A4RimLetPHA

 
     

No. 1504      2018.2.15


KCN 1504

2018年Victoires de la musique        2018.2.

2018年、第33回Victoires de la musiqueVdM)の授賞式が2月9日La Seine MusicaleParis 近郊Boulogne- Billancourt)で行われた。式の模様はTVFrance 2で中継されたほか、TVMONDEJapanで10日19:20から3時間に渡って放送された。今回の司会はダフネ・ブルキDaphné Bürkiで、イギリス人歌手Stingがフランス語で開会を宣言。 式はまず2017年12月6日に亡くなったJohnny Hallyday追悼から始まり、SlimaneFrolent PagnyHallydayのヒット曲「Requiem pour un fou/常軌を逸した男へのレクイエム」を歌った。ステージの背景には過去にHallydayVdMを受賞した際の映像などが流された。 Hallydayは生前に10個のVictoiresを受賞している。

また式の途中で2018年1月7日に亡くなったFrance Gallを追悼してLouaneGallのヒット曲「Evidemment/もちろん」を歌った。「Requiem pour un fou」 https://www.youtube.com/watch?v=V-zPRv6vnn8

Evidemment」 https://www.youtube.com/watch?v=yZ2Fhyfn5lE&t=23s

 

今回の主な受賞者は次の通り

・男性歌手賞 オレルサンOrelsan他の候補者はBernard LavilliersSoprano

・・Orelsan本名Aurélien ContentinNormandie地方Alençon 1982.8.1- ラップ系ACI

ステージ名はAurelienの愛称であったOrel、それに日本のmangaが好きなところから、日本語でmonsieurを示すsanを付けた。中学生の頃バスケット仲間からラップへの興味を教えられた。Bac後経営学を学び、種々の職業に。ホテルの警備員をしているときに時間があるに任せて詩を書いていた。2006年からインターネットに投稿、2008年「Saint-Valentin/セント・ヴァレンタイン」、「Changement/変化」が人気に。ファーストアルバムは2009年2月リリースの「Perdu davance/闘う前から負け」。同年3月リリースしたシングル「Sale pute/売女め」は、リリース以前から、裏切ったかつての恋人に暴力を振るう男を歌い、女性への暴力行為を煽動するものだとして告訴された。最終的にはパリの軽罪裁判所で表現の自由の範囲内だとされたが、この曲はファーストアルバムには収められていない。2011年11月セカンドアルバム「Le chant des sirènes/海の精たちの歌」をリリース。Orelsanは2012年VMで新人歌手賞を受賞し、アルバムはラップ・アーバンミュージックアルバム賞を受賞した。2017年1020日3枚目のアルバム「La fête est finie/祭りは終わった」をリリース。アルバムには「La fête est finie」、「San/さん」、「Basique/ベイシック」、「Tout va bien/万事順調」、「Quand est-ce que ça s’arrête/それはいつ止まるのか」、「La pluie/雨」(Stromaeに曲の提供を受け、Stromaeとデュオで歌っている)、「Bonne meuf/いいナオン」、「Défaite de famille/家族の敗北」、「Paradis/パラダイス」、「La lumière/光」など14曲収録。フランス及びベルギーフランス語圏でチャート1位、スイスで2位になった。

Orelsanは今回のVdM男性歌手賞を受賞したほかに、アルバム「La fête est finie」はアーバンミュージックアルバム賞を受賞、「Basique」のクリップはヴィデオ・クリップ賞を受賞していてOrelsanは今回の「Grand gagnant/最大の勝者」。これでOrelsan

VdM受賞数は都合5個に。

Orelsanは授賞式ではアルバムから「San」を歌った。 https://www.youtube.com/watch?v=ntGhMoXzry4&t=10s

歌詞の最後の部分・・Orelsanのパート3(trois、長い物語の一段階、San3(troisのこと、Sanmonsieurのこと、San、 僕は人生の半分を自分が何を望んでいるかを知るために当ててしまった。祭りは終わった、祭りは終わった・・

 

・女性歌手賞:シャルロット・ゲンズブールCharlotte Gainsbourg (他の候補者は: Catherine RingerLouane

・・Charlotte Gainsbourg (Londres1971.7.21- 俳優・歌手

父はSerge Gainsbourg、母はJane Birkin。女優としては1984年Elie Chouraqui監督の「Paroles et musique/(邦題)残り火」でデビュー。1985年Claud Miller監督の「Léffrontée/生意気な女の子(邦題)生意気シャルロット」で主演、Césarの新人女優賞を受賞。 2009年Lars von Trier監督の「Antichrist/アンチクライスト」でカンヌ主演女優賞を受賞。現在まで約60本の映画に出演。歌手としては1984年Serge Gainsbourgのアルバム「Love on the beat」で「Lemon incest」をデュオで歌ってデビュー。1986年Serge Gainsbourgのプロデュースで最初のアルバム「Charlotte For ever」をリリースしている。2003年にはEtienne Dahoのアルバム「Reevolution」では「If」をデュオで歌っている。2006年20年振りにアルバム「5:55」をリリース。その後2009年アルバム「IRM」、2011年アルバムStage Whisper」をリリース。2010年10月東京と大阪で来日公演を行っている。

20171117日6年振りに枚目のアルバム「Rest」をリリース。これには、「Ring-A-Ring O’Rosesclip自ら演出)、「Lying with youClipSerge Gainsbourgが死去時に住んでいた自宅で撮影、「Kate」(異父姉Kate Barry、1967-2013 写真家、自宅の5階から転落死した。その姉へのオマージュ、歌詞はフランス語)、「Deadly Valentine」、「I’m a Lie」、「RestDaft Punkと作詞作曲で共作、「Sylvia says」、「Songbird in a Cage作曲はPaul McCartny)、Dans vos airs/あなたの歌の中に」、「Les crocodiles/ワニ」など11。 Charlotteは今回のVdMではDahoへの特別賞の授与者を務めた。母のJane Birkinは1992年VdMで女性歌手賞を受賞している。授賞式ではRing--Ring O’Roses」を歌った。

 https://www.youtube.com/watch?v=6P3Jxjp5krM&t=54s

(ルフランの部分はイギリスのマザーグース「Ring--Ring O’Roses」からで、英語で歌っている。クープレの部分はフランス語で)

 

・シャンソンアルバム賞エムセー・ソラール MC Solaar Géopoétiqueジェオポエチック」他の候補はBrigitte の「Nuesヌード」及びAlbin De La Simoneの「 L’Un de nous我々の一人」

・・MC Solaar (本名Claude Honore M’BaradiSénégal Dakar 1969.3.5- ラップ系ACI)

孤高のラップ歌手と呼ばれているSolaarは1990年代にフランスにラップ音楽を根付かせた最初の歌手。ラップ歌手としてはレコード売上げフランスで1位(500万枚以上)。生後6ヶ月でParis郊外のSaint-Denisに移住。1991年10月15日ファーストアルバム「Qui sème le vent récolte le tempo/風を蒔く者はテンポを刈り取る」(アルバムのタイトルは旧約聖書ホセア書の「Qui sème le vent, récolte la tempête/風を蒔く者は嵐を刈り取る:身から出た錆」から)。1992年VdMでグループ賞受賞。1994年セカンドアルバム「Prose combat」をリリース、1995年VdMで男性歌手賞を受賞、アルバムに収録されていた「Nouveau Western」 (Serge Gainsbourgに詩を提供された)のclipでヴィデオ・クリップ賞を受賞。2007年リリースの7枚目アルバム「Chapitre 7」により2008年VdMでアーバンミュージックアルバム賞を受賞している。その後10年間沈黙、2017年11月3日リースの8枚目のアルバムが「Géopoétique」(「Géopolitique/地政学」に倣えば「地詩学」)。アルバムには「Intronisation/即位」(アルバムの最初の曲、introduction)を掛けているか?)、「Sonotone/ソノトンヌ」(50歳に近づいたことを自虐的に歌っている。「son/音」と「automne/秋」とを掛けているか?)、「Jane et Tarzan/ジェーンとターザン」、「Eksassaute/エクサソート」、「La clé/鍵」、「Adam & Eva/アダムとイヴ」、「On se lève/起きる」、「Géopoétique」など19曲収録。Solaarは授賞式で「Sonotone」と「Eksasaute」を歌った。  https://www.youtube.com/watch?v=ish8vVuNJ60&t=77s

 

・オリジナルシャンソン賞 ビッグフロ & オリBigflo & Oliの「Dommage残念」他の候補Kyoの「Ton mec君の男」、Louaneの「Si t’étais làもしあなたがいれば」、「Soprano Roule転がれ」」

・・Bigflo & Oli(2005年から活動している兄弟のラップ系グループ・ACI

Les bons élèves du rap françaisフランスラップの優等生」と呼ばれているBigflo & Oliは、Bigflo本名Florian Ordonez 1993.1.22-Oli本名 Olivio Ordonez 1996.4.19-Toulouse生まれの兄弟によるラップグループ。2005年まだ二人とも子供の頃に最初の曲「Château de carte」をYouTubeに投稿している。その後もYouTubeへの投稿、あるいはToulouseにおけるラップバトルへの参加などにより知られるようになり、Sexion d’AssautCaliなどの前座で歌う。2013年Polydorと契約、2015年9月11日ファーストアルバム「La our des grands/偉人たちの中庭」をリリース、disque d’or/ゴールドディスク(5万枚以上)に。2017年6月23日セカンドアルバム「La vraie vie/真の人生」をリリース。これには「La vraie vie」、「Alors alors/さあさあ」、「Personne/誰も」、「Salope!/あばずれめ」、「Trop tard/遅すぎる」(featuring Joey Starr)、「Papa/パパ」(featuring 父親のFabian)、「Dommage」、「Sac à dos/リュックサック」、「Dans mon lit/僕のベッドの中に」など14曲が収録されている。アルバムはすでに20万枚以上の売上げ。

オリジナルシャンソン賞を受賞した「Dommage」は2017年9月8日にシングルでリリースされている。作曲にはStromaeが協力している。歌詞は4番までの構成になっていて、それぞれ一人の人物が主人公。Bigfloが歌う1番では毎日同じバスで会う美しい娘に声を掛けられないでいる内気な青年Luois、そのうち彼女はそのバスに乗らなくなってしまった。Oliが歌う2番では歌手になることを夢見ていた声の良い女の子Yasmine、ライトを浴び花束を受け取ることを夢みていたのに、父親に「まっとうな職に就け」と言われ工場勤めをしている。Bigfloが歌う3番では引きこもりで外出しないDiego、テレビの前を弟が通ると大声で怒る。友だちが夜外出しても彼は行かない。夜一緒に出かければ良い娘に出会うかも知れないのに。Oliが歌う4番では夫に暴力を受け体中青あざだらけ。それでも別れられないでいるPauline。そして各節の終わりに  Bigflo & Oli「彼(彼女)はやってみるべきだった、行動すべきだった。ああ残念なこと、残念なこと、これを最後にしなければ」と繰り返す。

Dommage」 https://www.youtube.com/watch?v=bvMCccQOCvQ

バックのコーラスはインターネットを通じてBigflo & OliVdMのために募集した。

 

・新人アルバム賞 :ジュリエット・アルマネJuliette Armanetの「Petite aime/恋人」(他の候補はAlioseの「Comme on respire/息をするように」、Petit Biscuitの「Présence/存在」

・・Juliette ArmanetLille 1984.3.4- ACI

Paris郊外Villeneuve-d’Ascoqで育つ。文学と演劇を学んだ後、ジャーナリストとして6年間TVARTE(フランス・ドイツの共同経営による文化教養番組を中心に放送)とラジオ局France Culture(文化教養番組を中心に放送)でドキュメンタリーの制作に携わった。14歳で最初の曲を作ったと言われているが、ACIとしての活動は2014年からで、同年音楽関係の雑誌「Les Inrocks」誌が主宰したコンクールで優勝し、注目されるように。2017年4月7日ファーストアルバム「Petite amie」をリリースした。アルバムには「L’amour en solitaire/孤独な愛」、「L’indien/インディアン」、「Sous la pluie/雨の中」、「A la folie/常軌を逸するほどに」、

Alexandre/アレキサンドル」、「A la guerre comme à l’amour/戦時には恋愛におけるように」   (「A la guerre comme à la guerre/戦時には戦時らしく」から)、「La carte postale/はがき」、「L’accident/事故」など12曲収録。アルバムは好評裏に迎えられ、Le Figaro紙はArmanetを「シャンソンフランセーズ界の最も才能に富んだ新人女性の一人」と評し、ParisMatch誌は

「(VéroniqueSansonと(Michel Bergerfille cachée/隠し子、(AlainSouchonと(William )Shellerhéritière/女性後継者」と評している。ArmanetAlain Souchonへのオマージュアルバム「Souchon dans l’air/歌の中のスーション」(2017年6月リリース)には「Ultra moderne solitude/超近代的孤独」で参加している。

授与式では「L’amour en solitaire」を歌った。https://www.youtube.com/watch?v=rLsQxfHgmJ4

 

特別賞 :エティエンヌ・ダオ Etienne Daho

・・Etienne DahoAlérieOran 1956.1.14- ACI、プロデューサー)

1965年からBretagne地方のRennesに住み、1979年同地ロックフェステイヴァルに出演しVirgin社の目に止まる。1981年11月リリースしたファーストアルバム「Mythomane/虚言症患者」は商業的には成功しなかったが批評家の間では好評だった。1982年12月9日リリースしたSPLe grand sommeille/深い眠り」は大ヒット、Dahomaniaと呼ばれるファンが生まれた。1984年アルバム「La Nottela notte」をリリース、その中からシングルカットされた「Week-end à Rome/週末をローマで」がヒット。その後も定期的にアルバムをリリース。1996年からはロンドンに居を移す。2007年リリースのアルバム「Linvitation/招待」で2008年VdMポップアルバム賞を受賞(Dahoは1985年第1回VdMに新人歌手賞にノミネートされてから、2014年男性歌手賞及びシャンソンアルバム賞まで10数回ノミネートされているが、受賞はこの1度だけ)。10年11月にはJeanne MoreauとのデュオでJean Genet(1910―86)の詩に曲を付けたシャンソンを歌ったアルバム「Le condamne à mort/死刑囚」をリリース。11年にはデビュー30周年を記念してCD2枚組み、40曲集録のコンピレーション「Monsieur Daho」を出している。  2013年SACEMGrand Prix de la chanson françaiseを受賞。音楽ディレクターとしては、2012年Lou Doillonのファーストアルバム「Places」を手がけた。 最新のアルバムは20171117日リリースされたスタジオ録音11枚目の「Blitz雷光、ひらめき」。  Blitzは主にBrexit及びテロ攻撃を受けた後のロンドンの様子を歌った曲が収録されている。収録曲は「Les filles du Canyon/キャニオンの少女たち」、「Chambre 29/29号室」(Pink Floydの創設者Syde Barrettに捧げられている)、「Le jardin/庭」(2016年に死去した妹のJeanneに捧げられている)、「Les baisers rouges/赤いキス」、「Les flocons de l’été/夏の細雪」(2013年8月ホテルで腹膜炎のため苦しんだ時のこと)、「L’etincelle/火花」、 「The deep end」、「Hôtel des infidèles/不誠実な女たちのホテル」、 「Après le Blitz/雷光の後で」など12曲を収録。

授与式ではまず3人(組み)の歌手がDahoのヒット曲をメドレーで歌った。

その後ステージに登場したDahoに祝辞を述べ、特別賞のトロフィーを渡したのはCharlotte Gainsbourg

関連画像

後ろはCharlotte Gainsbourg

 

上記の他今回のVdM受賞者は次の通り・・

・新人ステージ賞 :Gaël Faye

・エレキミュージックアルバム賞:Dominique Dalcanの「Tempérance

・ロックアルバム賞:Shaka Ponkの「The envol

・アーバンミュージックアルバム賞:Orelsanの「La fête est finie

・ワールドミュージックアルバム賞:MToumani & Sidiki DiadateFatoumata Diawanaの「Lamomali

・ヴィデオ・クリップ賞:Orelsanの「Basique

・音楽スペクタクル・コンサート・ツアー賞:Camille

 No.1503 2018.2.6. 

KNo. 1503         2018.2.6   

2017年アルバム売上げトップ10                       
音楽情報専門サイトPureCharts.frなどによると、2017年のフランスにおけるアルバム売り上げトップ10は次の通り:

 
1位 ソプラノSoprano 「L’Everest/エヴェレスト」 406,100枚

Soprano(本名Said M’Roumbaba 両親はComores/コモロ諸島出身)は1979年1月14日Marseille生まれのラップ系歌手、作曲家。1995年からグループで活動の後、ソロに。2007年最初のソロアルバム「Puisqu’il faut vivre」をリリース、チャート最高位は2位、20万枚の売上げで注目される。2014年リリースの4枚目のアルバム「Cosmopolitanie」はフランス国内でdisque de diamant(50万枚以上)になり、国外も含め70万枚の売上げに。5枚目となる「L’Everest」は2016年10月14日リリース。アルバムには13曲収録、それらは:「Mon Everest/僕のエヴェレスト」(featuring Marina Kaye<1996-ACI>)、「Le diable ne s‘habille plus en Prada/悪魔はもうPradaは着ない」、「Attitude/態度」(featuring Black M<1984-ラップ系歌手>)、「Parle-moi/俺に話せ」、「Post Scriptum/追伸」、「En feu/燃えている」など。アルバムは2017年10月6日リリース後11ヶ月でdisque de diamantSopranoは2016年及び2017年NRJ Music Awardsのフランス語圏男性歌手賞を受賞している。

  「Mon Everest」 https://www.youtube.com/watch?v=dAx0ZuLXAnc

 

2位 エド・シーランEd Sheeran 「÷」 387,000枚

 2017年トップ10に入った唯一の外国人アーティストのアルバム。Ed Sheeranは1991年イギリスHalifax生まれのACI。アルバム「÷」は、2011年の「+」(フランスではdisque d’orゴールデン・ディスクに)、2014年の「x」に続く3枚目のアルバム。

 

3位 ヴィアネイ Vianney 「Vianney」 310,300枚

Vianney本名Vianney Bureau1991Pau生まれのACI。ファーストアルバムは2014年10月20日リリースの「Idées blanches/実効のない考え」。2015年SACEMFrancis Lemarque賞(最優秀新人賞)、RFMParisMatch作詞家大賞新人賞、2016年のVdMで男性歌手賞を受賞している。 2016年8月にリリースされたCéline Dionのアルバム「Encore un soir」には「Ma force/私の力」を作詞・作曲して提供している。2016年11月25日リリースしたセカンドアルバム「Vianney」には「Sans  le dire/それを言わずに」、「Je m’en vais/僕は立ち去る」、「Tombe la neige/雪が降る」、「J’m’en fous/僕には関係ない」、「Oublie-moi/僕のことは忘れてくれ」、「Quand je serai père/僕が父親になったら」など12曲が収録されている。Je

men vais」は2017年VdMでオリジナル・シャンソン賞を受賞している。

 「Tombe la neige」 https://www.youtube.com/watch?v=TqVkhl2iIj0

 

Patrick Bruelほか 「On na tous quelque chose de Johnny
みんなジョニーからの何かを持っている
」 302,100

Johnny Hallydayへのオマージュアルバムで Hallydayの死去の前、2017年11月17日リリースされた(№1498の2)。アルバムのタイトルは1985年のHallydayのヒット「Quelque chose de Tennessee/テネシー・ウイリアムズからの何か」から。収録曲及び歌っている歌手は:「L’envie/欲望」(Kendji Girac)、「Marie/マリー」(Slimane)、「Ma gueule/俺の面」(Garou)、「Retiens la nuit/夜を返して」(Benjamin Biolay)、「La musique que j’aime/僕が好きな音楽」(Louana)、「Les coups/打撃」(FFF)、「Noir c’est noir/黒は黒」(Lisandro Cuxi)、「J’ai oublié de vivre/生きることを忘れていた」(Patrick Bruel)、「Le pénitencier/監獄」(Gauvain Sers)、「Requiem pour un fou/常軌を逸した者へのレクイエム」(Florent Pagny)、「Que je t’aime/どんなに君が好きか」(Amel Bent)、「Je te promets/君に約束する」(Gaëtan Roussel )、「Quelque chose de Tennesse」(Nolwenn Leroy)、「Tes tendres années/君の優しい年月」(Raphaël)、「Elle m’oublie/彼女は僕を忘れる」(Carogero)、Gabrielle/ガブリエル」(Thomas Dutroncの15曲。

 

位 Kids United Forever United276,400

Kids Unitedは子供の権利を守るUNICEFの活動のキャンペーンのために、Hélène SégaraCorneilleの後援を得て、2015年に当時8歳から15歳の少年少女6人で結成されたグループ(現在5人)。2015年リリースのファーストアルバム、2016年リリースのセカンドアルバムがいずれもdisque de diamantになり、一大センセーションを巻き起こした。 Forever United」は2017年8月18日にリリースされたグループ3枚目のアルバムでカバー14曲が収録されている。うち8曲は原曲を歌っている歌手などとのデュオ。収録されているのは:「Alors regarde/さあ、ご覧」(Patrick Bruelのヒット、Bruelと)、「Chante/歌え」(Michel Fugainのヒット、Fugainと)、「Au soleil/太陽の下で」(Jeniferのヒット、Jeniferと)、「Comme un fils/息子として」(Corneilleのヒット、Corneilleと)、「Prendre un enfant par la main」(Yves Duteilのヒット、Claudio Capeoと)、「Mama Africa」(ジャマイカのレゲエ歌手Peter Toshのヒット、Angelique KidjoYoussou N’dourと)、「Yalla」(Calogeroのヒット、Amirと)、「They don’t care  about me」(Michael Jacksonのヒット)、「Les mots bleus/青い言葉」(Christopheのヒット)など。

Mama Africa」 https://www.youtube.com/watch?v=Nn1Zs_ijOZA

 

6位 ジョニー・アリディ Johnny Hallyday 「50 plus belles chansons/最も美しいシャンソン50曲」 269,100枚

2015年12月18日にリリースされた 「50 plus belles chansons Johnny Hallydayの死去(2017年12月6日 №1498)以後12月9日から6週間アルバムチャートのトップに。このcompilation CD3枚組、50曲で総演奏時間3時間以上に及ぶ。

 

7位 カロジェロ Calogero 「Liberté Chérie/大切な自由」268,300枚

Calogero本名Calogero Maurici、は1971年Grenoble郊外Echirolles生まれACI80、90年代には兄、友人と組んだトリオバンド「Les charts」で活躍。その後ソロ活動。2002年のアルバム「Calogero」でVdM男性歌手賞受賞。04年のアルバム「3」に収録された「Si seulement je pouvais lui manquer/僕がいなくて彼が寂しがってくれたら、それだけでいい」でVMシャンソン賞を受賞。12年にはStanislasPhilippe Uminskiらとグループ「Circus」を結成。後に、ソロ活動を復活して2014disque de diamantになった「Les feux d’artifice/花火」をリリース。そこに収録されていた「Un jour au mauvais endroit/ある日、不幸な場所で」は2015年VMシャンソン賞を受賞している。Liberté Chérie」は2017年8月25日にリリースされた7枚目のアルバムで(№1493)、「Voler de nuit/夜間に飛ぶこと」(「Le Petit Prince/星の王子様」の作者Antoine de St.-Exupéryへのオマージュ)、「Liberté chérie」、「Fondamental/基本的なもの」、「Je joue de la musique/僕は音楽を演奏する」、「On le sait par cœur/暗記している」、「A perte de vue/見渡す限り」、「Comment font-ils ?/彼らはどうしている?」、「Le vélo d’hiver/冬季自転車競技場」など13曲が収録されている。

Calogeroは「On na tous quelque chose de Johnny」に「Elle m’oublie」で参加している。

 

位 クラウディオ・カペオ Claudio Capéo 「Claudio Capéo265,300

Claudio Capéo(本名Claudio Ruccolo)は1985年、Alsace地方、Haut-Rhin県 Cernay生まれのACI、アコ-デオニスト。2008年友人たちとグループClaudio Capéoを結成、2枚のアルバムをリリース、「全く見向きされなかった」。 TVTF1のスター誕生番組「The Voice」歌手として出場。本戦出場を果たし、1回戦で敗退。しかしZazのプロデューサーに認められ2016年7月15日アルバム「Claudio Capéo」をリリース。「Claudio Capéo」には「Un homme debout/立っている男」、「Ça fait tourner le   monde/それは世界を変える」、「Fidèle à moi-même/自分自身に誠実に」、「Mon pays/我が故郷」、「Chez Laurette/ロレットの店で」、「Ça va, ça va/オーケー、オーケー」など13曲収録。この好評により最初の2枚のアルバムもにわかに注目を浴び始めた。 アルバム「Claudio Capéo」は2017年11月17日リリース後1年4ヶ月でdisque de diamantに。

  Ça va, ça va https://www.youtube.com/watch?v=Qoj5lUKKbqM

 

9位 レ ザンフォワレ Les Enfoirés 「Mission Enfoirés」 263,000枚

Les Enfoirésの公演は、困窮している人々に食事を提供する目的で喜劇俳優Coluche(1944-86)が創設した 「Resto du ur/心のレストラン」の資金集めのために行われる。27回目となる2017年の公演は、前年までアートディレクターとして活動していたGoldmanが後進に道を譲りたいと引退したため 、その役を、Michael Youn (1973-俳優、演出家、プロデューサー、TV・ラジオ司会者)Bénabar(1969-ACI)、Lorie(1982-女性ACI)が共同で務め、タイトルは「Mission  Enfoirés」。テーマ曲は「Juste une p’tite chanson/ちょっとした1曲のシャンソン」でGrégoireMC Solaarの作詞/作曲。コンサートは1月18日から23日までToulouseZénithで行われた。この間に7回のコンサート。出演したのは、日程に一部のみ出演した者を含めて、37人。 コンサートの模様はTVTF1で3月3日に放送され、1000万人以上が視聴、視聴率は45.6%であった。例によってその翌日3月4日、1月22日及び23日に収録されたCD及びDVDが発売された。

Juste une p’tite chanson」 https://www.youtube.com/watch?v=fyrPCRjbcN8

 

10位 ルアンヌLouane 「Louane」 240,800

Louane本名Anne Peichert、は1996年11月26日生まれの歌手、俳優。2013年TV TF 1のスター誕生番組「The Voice」に出場、準決勝で敗退。Louaneは「The Voice」出演中に映画監督Eric Lartigauに注目された。同監督は2014年11月公開映画「La Famille Belier/ベリエ家族」で、Louaneをいきなり主役に抜擢。映画での好演が認められLouaneは2015年2月Césaの新人女優賞を受賞した。歌手としては ファーストアルバム「Chambre 12/12号室」を15年3月リリース。アルバムは2016年VdMで新人アルバム賞を受賞、2017年5月double disque de diamant(100万枚以上売上げ)になっている。「Louane」は2017年11月10日リリースの2枚目のアルバムでBenjamin BiolayJulien DoréVianneyなどの協力を得た「Non-sens/ナンセンス」、「Sans arret/休みなく」、「Si t’étais là/もしあなたがいたら」、「Pour oublier l’amour/愛を忘れるために」、「Jour de pluie/雨の日」、「When we go home」など15曲収録。

Louaneは 「On a tous quelque chose de Johnny」には「Toute la musique que j’aime」で参加している。

 「Si t’étais là」 https://www.youtube.com/watch?v=QUEazQ6vyRI

 ピアノの周りには左から Jérôme Commandeur(1976- ユーモリスト・俳優)→VianneyGarouQuebec 1972- ACI

 
No.1502   2018.1.25 

№1502    2018.1.25

 

「フランス人が好きな人物」アンケート結果発表  

第一位 ジャン=ジャック・ゴールドマンJean-Jacques Goldman 

    (現在、上記「今月の顔」でご紹介中です.
1986年彼が作詞作曲したこの曲是非お聞き下さい。

      La chanson des Resros du cœurhttps://www.youtube.com/watch?v=twFTi4_-N0U


 

 IfopInstitut francais d’opinion publique/フランス世論研究所)が行ったアンケートLes personnalités préferées des Françaisフランス人の好きな人物」の201712月実施分の結果が発表された。このアンケートは1988年からで、2016年までは年に2回(7月と12月)行われることが多かったが、今年は7月分は実施されていない。

今回のアンケートは年齢、性別、職業などから割当標本抽出で選ばれた15歳以上の1003人を対象に、各界を代表する人物として予めノミネートされた50人につき、12月6日~11日インターネットにより「あなたが今日のフランスで重要だと思われる人物、あるいはあなたが好きな人物10人を選んで下さい」と質問する方法で行われた。 その結果、

 

1位は44.4%が選んだジャン=ジャック・ゴールドマンJean-Jacques Goldman(2013年7月実施分から6回連続1位であったが2016年7月及び12月実施のアンケートでは2位と3位) 

2位はOmar Sy(39.8%、1978年生まれのアフリカ系俳優 前回1位)。  

3位はTeddy Riner(29.8%、1989年生まれのjudoka、100kg超級、オリンピック2個の金メダル、2017年世界選手権優勝など、前回4位)。 

4位はDany Boonl(27.4%、1966年生まれの俳優、前回5位)。 

5位はSophie Marceau(24.3% 1966年生まれ、俳優、1980年「La Boum」でデビュー、前回8位)

 

政治家では、Emmanuel Mascron大統領は34位(前回46位)、Jacques Chirac元大統領は40位(前回ノミネートされず)、Marine Le Pen国民戦線代表は46位(前回37位)、環境大臣Nicolas Hulotは47位(前回15位)

 

今回歌手ではGoldmanの他に13人がノミネートされ、その順位は以下の通り: 9位フロラン・パニーFlorent Pagny(22.7% 前回26位)、 11位ミシェル・サルドーMichel Sardou (21.4% 前回41位)、14位フランシス・カブレルFrancis Cabrel(20.6% 前回11位)、15位パトリック・ブリュエルPatrick Bruel (20.0% 前回11位)、20位ルアンヌLouane(18.2% 前回24位)、21位シャルル・アズナヴールCharles Aznavour(17.9% 前回も21位)、24位ルノーRenaud(17.4% 前回22位)、25位ノルウェン・ルロワNolwenn Leroy(17.3% 前回45位)、28位ミレーヌ・ファルメールMylene Farmer(16.9% 前回43位)、32位エム・ポコラM.Pokora(15.2% 前回39位)、35位ジュリアン・ドレJulien Dore(13.9% 前回ノミネートなし)、39位アラン・スーションAlain Souchon(13.0% 前回30位)、43位ヴァネッサ・パラディVanessa Paradis(10.8% 前回40位)。

Ifopはアンケート結果を種々の指標で分析していて、その指標での上位10人を上げている。上記14人の歌手について:

・アンケート回答者の男女別

・・男性  1位Goldman  8位Sardou

・・女性  1位Goldman  3位Pagny  8位Bruel

・若者と高齢者

・・15-24歳  7位 Louane  9位Goldman

・・65歳以上  1位 Goldman  4位Sardou  6位Aznavour

・支持政党別

・・左翼政党支持者  1位Goldman  5位Renaud  9位Cabrel

・・「La Republique en Masrche!」支持者  2位Goldman  10位 Cabrel (1位はもちろんEmmanuel Mascron

・・右翼政党支持者  1位Goldman  3位Sardou  9位Pagny

 

このアンケートが開始されてから今年で30年。過去に1位になったのは:クストー船長Le Commandant Cousteau(20回)、

ピエール神父L’Abbe Pierre(16回)、ジネディーヌ・ジダンZinedine Zidane(6回)、ダヴィド・ドウイエDavid Douillet(2回)、ヤニック・ノアYannick Noah(10回)、オマール・シーOmar Sy(3回)、Jean-Jacques Goldman(7回)の7人のみ。

 
 No.1501 2018.1.11  

No. 1501 その2   2018.1.11

 フランス・ギャル France Gall、死去 (その2)


各界からの哀悼の辞など

・大統領Emmanuel Macron: France Gallは誠実さと寛容さを以て時代を生きてきた。彼女はフランス人なら誰でも知っているシャンソンを残してくれた。彼女は、他の人々に、愛した人々に、援助した人々に捧げる人生を送るという手本を残してくれた・・

 

・文化大臣 Françoise NyssenFrance Gallはシャンソンフランセーズの不滅のアイドルの一人。ある一つジェネレーションに属しているのではない。彼女はすべてのジェネレーションに向かって訴えかける術を知っていた・・

 

TVキャスター・司会者 Stéhan Bern: 我々は皆死を免れることが出来ない哀れな存在であることに思いをいたそう。France Gallの死去というもう一通の訃報に接し悲しみと衝撃に襲われている。我々の青春は彼女と共に飛び去っていってしまった。しかし彼女のシャンソンと彼女の声によって彼女の思い出は常に我々の目の前にあるだろう・・

 

TV キャスター・司会者 Jean-Pierre FoucaultAu revoir/さようなら!・・

 

ACI Julien Clerc: France、僕たちは二十歳だった、幸せだったし、苦しみもあった。いま、僕の人生の一部が行ってしまった、君と共に・・

  France Gallの訃報報道にはGallClercについて次のような記述があった:1967年Claude Françoisとの辛い別れから2年後GalleClercとの間に新しい愛を見つけた。Clercは22歳、ミュージカル「Hair/ヘアー」に出演、人気上昇中。La Porte Sain-Martin劇場で公演中のClercを訪ねたGall、二人の間に「coup de foudre/雷の一撃:一目惚れ」が。5年間二人の恋愛は世間には秘密にされていた。Clercの女性ファンが去ることを恐れて。しかしClercの影的な存在に耐えきれなくなったGallは1974年Clercの許を去った。1年後Clercは「Souffrir par toi n’est pas souffrir/君故に苦しむことは苦しむことではない」(Etienne Roda-Gil作詞/Julien Clerc作曲)を歌い、Gallに帰ってくれと願った。しかしGallの心はMichel Bergerに移っていた。そして一方ClercMiou-Miou(1950-俳優)の腕の中に幸せを見つけた。

 

ACI Frabçoise Hardy: 私たちは親しい友人というわけではなかった。よく並べて紹介されたけれど。でも私はFrance Gallのファンだった。彼女のレコードは全部持っていたし、Parisのホールに出演しているときは毎回聞きに行った。私は彼女の曲を全部、暗記しているとは言えないけれど、覚えていた。女性歌手として彼女を特徴づけていたのは、リズムのセンスの良さで、他の歌手とは違ったものを持っていた。Johnny Hallydayに続いてイェイェ時代に活躍した歌手が亡くなってしまった。時代は変わって行く。でも不滅と呼ばれる曲は残るだろう・・

 

ACI Calogero:訃報に接してとても悲しい。彼女の初めて会ったのは1987年10月Grenobleだった。15歳でまだグループLes Chartsの一員として歌っている時だった。ステージが終わった後他の出演者と共に食事をした。その席にFrance Gallが現れた。そして我々が夢を叶えることが出来るようにと言葉をかけてくれた。その時が僕の出発点と言っていい。その言葉を聞いてこれから先うまく行くだろうと思った・・

 

・歌手 Jane Birkin: 彼女が亡くなったなんて信じられない。本当に悲しい。私の娘のKateKate Barry 1967-2013 写真家)が彼女と懇意にしていて、彼女のファンだった。 KateGallのレコードジャケットの写真をいくつか撮影している。Kateが亡くなった時(2013年12月11日アパートの5階から転落して死去)、ParisにいたGallは直ぐに訪ねてくれた。彼女も娘を亡くすという辛い経験をしている。彼女は一緒に悲しんでくれた。彼女には新鮮さと純真さがあり、Serge Gainsbourgのシャンソンの素晴らしい歌い手・・

 

・歌手 Alizée: 私は彼女の歌を一番聞いているし歌っている。誰にでもアイドルはいると思うが、私にとってはFrance Gallだ・・

 

ACI  Hugues Auffray: 私は彼女のシャンソンと、彼女の愛らしい声を聞きながら成長した。その後家族同士で付き合いがあった。彼女は極めて純真な、控えめな性格で、スターという感じがしなかったし、何かの役を演じていると雰囲気はなかった・・

 

・歌手 Sylvie Vartan: France Gallは偉大なアーティストだった。彼女の死は我々すべてにとって大きな悲しみ。彼女の子息、家族に心からの弔意を表します・・

 

・歌手 Céline Dion: France Gall死去の報に接し、深い悲しみを覚えます。彼女がいなくなりとても寂しくなるでしょう。彼女のご家族と近しい方々に心からの弔意を表します・・

 

・歌手Jenifer: また一人の偉大なアーティストが我々の許を去った。シャンソンフランセーズにとって悲しい季節だった。France Gallに私の末永い尊敬の念を捧げます・・

 

・イギリスの歌手 Elton John(1980年「Les aveux/告白」などをデュオで歌っている): France Gallの訃報に接しとても悲しい。彼女は偉大なフランスの偉大なアーティスト、素晴らしい女性だった。彼女とコラボすることが出来たのは大きな喜びだった・・

  「Les aveux」 https://www.youtube.com/watch?v=_2hydKjtJGo

 

ACI Amir: あなたの心はあなたのシャンソンの中に刻まれている・・永遠に。さようならPoupée de cire・・

 

・フランスラグビー連盟(La Fédération Française de RugbyFFR):今まで多くの「FranceGalles:フランス/ギャル」(フランス対ウェールズの試合)はあったがFrance Gallはただ一人。 さあ踊ろう彼女が好きだったaccord(コード、あるいは2017年FFRLNRLigue National de Rugby/ラグビーナショナルリーグとの間に交わされた協定)に合わせて・・

 

 

葬儀など

Gallの遺体は1月10日及び11日Parisの西3km、NanterreMont Valérien葬儀場に安置され、午前9時から午後6時までの間、弔問を受ける。弔問者は献花し、故人へのあるいは遺族へのメッセージを残すことが出来る。

葬儀は12日にごく内輪で行われ、遺体はParis Montmatre墓地内の家族の墓所に埋葬される。その墓所にはすでに夫のMichel Berger、長女のPaulineが埋葬されている。

 


No.1501
 
 2018.1.9  

No. 150  2018.1.9


フランス・ギャル France Gall、死去 
             

France Gallが2018年1月7日午前10時過ぎ、長男Raphaëlに看取られて死去した。
2017年12月中旬から胸部感染症のためParis郊外Neuillyのアメリカ病院に入院していたGall、昨年12月のJohnny Hallydayの葬儀に顔を見せなかったことからその病状が懸念されていた。享年70歳。

 

France Gall(本名Isabelle Geneviève Marie Anne Gall)は1947年10月9日Paris 12区生まれ。父親Robert GallCharles Aznavourの「La mamma」の作詞などで知られている作詞家で歌手。父の伝手もあり・・

・1963年16歳の誕生日に「Ne sois pas si bête/そんなにお馬鹿さんにならないで(邦題:恋のお返し)」(アメリカのヒット曲「Stand a little closer」のPierre Delanoëによる翻案)を録音。レコードは20万枚以上の売上げで一躍スターに

 https://www.youtube.com/watch?v=_S52gjFOJnA

・1964年「Sacré Charlemagne/シャルルマーニュ大王」(Robert Gall作詞/Georges Liferman作曲)、「N’écoute pas les idoles/アイドルばかり聞かないで」(Serge Gainsbourg作詞/作曲)

 

・1965年3月ナポリで開催された第10回Eurovisionにリュクセンブルグ代表として出場。「Poupée de cire, poupée de son/夢見るシャンソン人形」(Serge Gainsbourg作詞/作曲)で優勝 https://www.youtube.com/watch?v=lgHGU8gqz9U

・1965年10月日本語版「夢みるシャンソン人形」(岩谷時子翻案)リリース。

・1966年「Les sucettes/おしゃぶりキャンデイ(アニーとボンボン)」(Serge Gainsbourg作詞/作曲)、「Attends ou va-t’en/待っててくれるか、行ってしまうか(涙のシャンソン日記)」(dito)、「Nous ne sommes pas des anges/私たちは天使じゃない(天使の溜息)」(dito

 

・1966年6月来日公演

・1967年「Bébé requin/サメの赤ちゃん(おしゃまな初恋)」(Frank Thomas他/Joe Dassin

その後不調時期があったが、1973年ラジオ番組でMichel Berger(1947-1992 ACI)共演、その協力を得て、再出発

・1974年Bergerの2枚目のアルバム「Chanson pour une fan」で「Mon fils rira du rock’n’roll」をデュオで歌う

・1975年5月「La déclaration d’amour/恋の告白」(Berger作詞/作曲)https://www.youtube.com/watch?v=OEVfZXD-_BM

・1976年スタジオ録音アルバム『France Gall/フランス・ギャル』(Berger作詞/作曲の10曲収録):「La déclaration d’amour/恋の告白」、「Comment lui dire/彼に何と言おうか」、「Ce soir je ne dors pas/今夜は眠らない」など

1976年6月22日Bergerと結婚。78年長女Pauline 誕生(97年死去)、81年長男Raphaël誕生

・1976年「Ça balance pas mal à Paris/パリではいいノリ」(Berger作詞/作曲、Bergerとのデュオ)

  https://www.youtube.com/watch?v=bFU-Y4oQoII

・1977年「Musique」(Berger作詞/作曲)、「Si, maman si/そうママ、その通り」(dito

・1979年4月10日からParis Palais des Congrèsで上演されたオペラロック「Starmania/スタルマニア」(Luc Plamondon作詞、Berger作曲)に出演、Cristal役を演じる

・1980年「Il jouait du piano debout/彼は立ってピアノを弾いていた」(Berger作詞/作曲)

・1981年「Résiste/抵抗しろ」(Berger作詞/作曲)

・1984年「Débranché/電源を切られた」(Berger作詞/作曲)、「Cézanne peint/絵を描くセザンヌ」(dito

・1987年4月3日アルバム『Babacar/ババカール』(Berger作詞/作曲の9曲収録):「Babacar/ババカール:セネガルの子供 の名」(1986年アフリカに旅行した際、Babacarとその母親と知り合い、その後二人を援助したばかりでなく、アフリカを中心とした人道支援プロジェクトに参加している)、「Ella, elle a/エラ エラ(エラ、彼女は持っている)」(Ella Fitzgerald讃歌)、「Evidemment/明らかに」(Daniel Balavoine讃歌)など。アルバムは100万枚以上売り上げる大ヒットに

・1987年VdM女性歌手賞

・1992年6月12日Bergerとのデユオアルバム『Double Jeu/ふた心』(Berger作詞/作曲の10曲収録):「Laissez passere les rêves/夢をかなえさせて」、「La lettre/手紙」(BalaVoineの未亡人に宛てられている)など

・1992年8月2日Berger臓発作で死去、Paris Montmartre墓地に埋葬

・1993年4月乳ガンの手術を受けた旨告白、9月にParis Bercyでコンサート;

・1994年9月27日-10月1日Salle Pleyelでコンサート。2005年12月5日liveアルバム『Pleyel』(1994年9月30日及び10月1日のステージの模様を録音):14曲収録

・1996年11月5日-11月17日Olympiaでコンサート。1997年4月24日liveアルバム『Concert public Olympia』(1994年11月15日のステージの模様を録音):14曲収録

・1996年3月19日アルバム『France』(主にBerger作詞/作曲の曲を再録音してカバー);「Plus haut/より高く」、「A quoi il sert?/それが何の役に立つ?」、「Lumière du jour/日の光」、「Résiste」、「Message personnel/」(Berger & Françoise Hardy作詞/Berger作曲)、「La légende de Jimmy/ジミーの伝説」(Luc Plamondon作詞/Berger作曲)など14曲

・1997年3月22日TVM6TV-Citéに出演。最後のステージ。

1997年4月24日liveアルバム『Concert acoustique M6』(同日のステージの模様を録音):14曲収録

 「La MammaAznavourhttps://www.youtube.com/watch?v=sESF6ZiMhYo

・1997年12月長女Pauline死去。

その後表舞台にはあまり登場していない。

・2000年8月12日と15日、Johnny HallydayPsris Olympia公演にゲスト出演デュオで「Quelque chose de Tennessee/テネシー(・ウィリアムズ)からの何か」(Berger作詞/作曲)を歌ったhttps://www.youtube.com/watch?v=1FZTAW50Svc

・2012年10月29日「Intégrale des albums studio/全集:スタジオ録音アルバム」CD11枚123曲収録

・2013年「Légion d’Honneur/レジオン ドヌール勲章」 Chevalier章受章

・2015年全曲Michel Bergerの曲で構成されたBergerへのオマージュミュージカル「Résiste」を主宰。「Résiste」は1981年のGall同名のヒット(Berger作詞/作曲)から。ミュージカルはは2015年11月4日Paris Palais des Sportsから2016年12月23日のLille Zénithまで、国内、ベルギー、スイスで公演

・2017年5月3日「Ordre national du Mérite/国歌功労勲章」Officier章受賞

・2018年1月7日死去

 

私生活:

1964年(17歳)から67年7月までClaude Françoisとパートナー

1970年から74年までJulien Clercとパートナー

1973年にMichel Bergerと知り合い、1976年6月22日結婚。1992年8月2日Michel心臓発作で死去

 長女Pauline1978年11月14日-1997年12月15日mucoviscidodeで死去

 長男Rapfaël 1981年4月2日-

1995年からBruck Dawitとパートナー。Dawikはエティオピア生まれ(生年不詳)でアメリカに移住。音響技師、作曲家、アレンジャー。Sting,Rolling StonesEric Claptonらのプロデュースも担当。ミュージカル「Résiste」をGallと共作









     


No.1500   2017.12.31  (今日のシャンソンニュースはお蔭さまで今回で第1500回となりました)

話題のCD 2題 お届けします。
                                                                     

・ミレイユ・マチューMireille MathieucompilationMade in France

Mireille Mathieuが11月24日CD2枚組compilationアルバム「Made in France」をリリース。Mathieuは1946年7月22日Avignon生まれ、14人兄弟の第1子。1964年6月28日Avignon市主催の歌謡コンクールで「La vie en rose」を歌って優勝。1965年11月21日TVの「Le eu de la chance」に出場、フランス中に名が知られる。1965年12月にはSacha Distelの前座で、1966年9月にはvedetteとしてOlympiaに出演、1966年、最初のSPレコード(A面に「Mon Credo/私の信条」収録)、最初のLPEn direct de l’Olympia/オランピアからダイレクトで」(タイトルとは異なり完全なスタジオ録音アルバムで「Mon Credo」、「Un homme une femme/男と女」、「Qu’elle est belle/何と彼女は美しい」など12曲収録)を出している。そして現在まで、1200曲以上を12カ国語で録音。フランスだけではなく、ドイツ、スペインなどでリリースされたものも含めスタジオ録音アルバム73枚、liveアルバム7枚、compilation(今回のものを含め)50枚、シングル120枚をリリース、売上げ枚数はアルバム1億3000万枚、シングル5500万枚と言われている。1971年TV出演のため初来日。その後74年、76年、78年に来日公演を行っている。今回のcompilationMade in France」のリリースはMathieuが最初にTVに出演した日からほぼ52年後に当たる。これにはMathieuが歌う、世界的に知られたシャンソンのヒット曲、名曲40曲が収録されている。「Demoiselle d’Avignon/アヴィニョンのお嬢」はこのアルバムについて次のように語っている。「私は100% made in France。フランス人であることに誇りを持っている。フランスは偉大な国で。外国人には大いに愛されている。そのことはすべてのフランス人に知って欲しい。私は外国で歌う時には常にフランスを代表していると思っている。フランスには素晴らしいものがたくさんある。私は買い物の際には努めてフランス製品を買うようにしている。フランスの小規模なメーカーの品物が特に気に入っている。このCDでフランスという国に敬意を表したい」。収録されている40曲は:「C’est si bon/セ シ ボン」、「J’aime ParisI love Paris」(1953年のCole Porterの名曲にEddy Marnayがフランス語の歌詞を付けたもの)、「L’hymne à l’amour/愛の讃歌」、「La mer/ラ メール」、「Les feuilles mortes/枯葉」、「Mon homme/私の男」、「Padam, padam/パダン パダン」、「Ne me quitte pas/行かないで」、「Parlez-moi d’amour/聞かせてよ愛の言葉を」、「La Paloma adieu/ラ パロマ アデュー」、「Comme d’habitude/いつものように」(「My way」の原曲。女性ヴァージョンで「この曲はchanson françaiseの中で最も美しい曲の一つだと思う。詩は男性が書いたものだけれど、女性にもぴったりだ」)、「Je suis seule ce soir/今宵私はただ一人」、「La vie en rose/バラ色の人生」、「Une histoire d’amour/ある愛の詩」、「Non, je ne regrette rien/水に流して」、「Moulin rouge/ムーラン・ルージュの唄」、「Sous le ciel de Paris/パリの空の下」、「La quête/見果てぬ夢」、「Ne me quitte pas、ne me quitte pas, mon amour/行かないで、行かないで、愛しい人」(映画「Les parapluies de Cherbourg/シェルブールの雨傘」の主題歌)、「Milord/ミロール」、「Le premier rendez-vous/最初のランデ・ヴー」、「Je suis malade/灰色の途」、「Plaisir d’amour/愛の喜び」、「Paris en colère/パリは燃えているか」、それにMathieuがフランスの偉人を歌った3曲:「De Gaulle/ド・ゴール」、「Molière/モリエール」、「Monsieur Pagnol/(マルセル・)パニョルさん」。

Mathieuは今のところフランスでステージに立つ予定はないが、2018年4月からドイツ、東ヨーロッパ、ロシアでの公演が計画されている。

Comme d’habitude」 https://www.youtube.com/watch?v=z1AYwuqlT-E

Ne me quitte pashttps://www.youtube.com/watch?v=4L25osnl1Bc

Non,je ne grette rienhttps://www.youtube.com/watch?v=igHplL-l-aY

 
・エディット・ピアフEdith Piafcompilation Edith Piaf」

Edith Piaf(1915-1963 歌手)の23曲収録のcompilation 「Edith Piaf:Les compagnons de la chansonFMellaEConstantineJPillsCharles DumontThéo Sarapo」が12月15日リリースされた。このCDの大きな目玉は「La Complainte du roi Renaud/ルノー王の哀歌」が収録されていること。18世紀に出来たとされているこの曲は単に「Le roi Renaud/ルノー王」のタイトルで呼ばれており、Colette RenardCora VaucaireあるいはYves Montandの歌で知られている。Piafは「Les compagnon de la chanson/シャンソンの友」と1946年10月9日「Les trois cloches/谷間に三つの鐘が鳴る」とこの曲を録音している。録音の事実は、タイプ打ちされたレコード会社の録音記録が存在すること、あるいはLes compagnon de la chansonのメンバーが証言していることなどから明らかではあったが、録音原盤は行方不明になっていた。それが最近になって発見された。TVのニュース番組でレコード会社のアートディレクターMatthieu Moulinによれば「一人の収集家から『La Complainte du roi Renaud』を見つけたが興味があるかと電話があった。これは工場から出た原盤の1枚。歌手、アートディレクターなどに配布された。当時4枚の原盤が制作されたことは知っている。この曲は中世からの伝承曲で『Au clair de la lune/月の光に』や『Frère Jacques/フレール ジャック』のように子供たちは学校で習った」。また当時レコードに収録されていなかった理由は、「この録音原盤では曲の演奏時間は4分。当時は1曲の演奏時間は3分、長くても3分30秒。それをオーバーしているので収録することが困難だったのだろう」。PiafLes compagnon de la chansonが歌う「La Complainte du roi Renaud」が71年振りに日の目を見たのはPiafファン、chanson françaiseファンにとっては正に嬉しいクリスマスプレゼント。 アルバムに収録されているのは他に:「Les trois cloches」(Les compagnos de la chansonと)、「Céline/セリーヌ」(dito)、「Le roi a fait battre tambour/王様は太鼓を打てと命じた」(dito)、「Dans les prisons de Nantes/ナントの牢獄で」(dito)、「C’est pour ça/それはそのため」(dito、映画「Neuf garçons et un cœur/9人の男の子と一つの心」の主題歌)、「Les amants de Paris/パリの恋人たち」(dito)、「La vie en rose/バラ色の人生」、「Il a chanté/彼は歌った」、「Hymna à l’amour/愛の讃歌」、「C’est toi/それはあなた」(Eddie Constantineと)、「Padam, padam/パダン パダン」、「Pour qu’elle soit jolie, ma chanson/美しいものであるように、私のシャンソンが」(Jacques Pillsと、映画「Boum sur Paris」から)、「L’accordéoniste/アコーデオン弾き」、「Les amants d’un jour/いつかの二人」、「La foule/群衆」、「Mon manège à moi/私の回転木馬」、「Milord/ミロール」、「Non, je ne regrette rien/水に流して」、「Les amants/恋人たち」(Charles Dumontと)、「A quoi ça sert l’amour/恋は何のために」(Théo Sarapoと)、「The three bells」、「Autumn leaves」。

 

Pour qu’elle soit jolie, ma chansonhttps://www.youtube.com/watch?v=__TANl6y7-c

12月15日France3の19/20ニュース

http://www.akivideo.com/video/edith-piaf-la-complainte-du-roi-renaud-une-chanson-oubliee_x6bqtnc

 

....................................................................................................................................................................................................


 
 No.1499 2017.12.22 

No. 1499   2017.12.27

バルバラBarbara、没後20年記念の「Exposition/展覧会」 パリにて開催中                        ((2017年10月13日から2018年1月26日まで)  

 

2017年11月24日はBaebaraの没後20年に当たる。

 Barabara、本名Monique Andree Serf、は1930年6月9日Paris 17区、6,rue Brochant 生まれのACI。生家には記念プレートが設置されている。1997年11月24日16時10分、Paris郊外Neuilly-sur-Seineのアメリカン病院にて死去、享年67歳。

 没後20周年を記念して展覧会「Exposition Barbara」が行われている。会場はPhilharmonie de Paris( 221Av.Jean-Jaures 19区)、期間は2017年10月13日から2018年1月26日まで(火曜~金曜12時~18時、 土日10時~18時)。入場料11ユーロ(名前がBarbaraの来場者は無料とか)。

 内容:「自分自身の人生を、自分を裏切ることなく切り開く術を知っていた一人のアーティスト、一人の自由な女性の生涯を、多くの写真及び映像で振り返る」(Philharmonie de Parisのキャッチから)

 具体的には:会場の入り口を入ると直ぐに舞台衣裳が5点展示されている。その後は、67歳の生涯をいくつかの段階に分けて、写真、映像、インタビューの録音、歌詞の自筆の原稿、書簡などが解説付きで展示されている。各段階にはそれを象徴する自伝「Il etait un piano noir・・/1台の黒いピアノがあった・・」からなどの一節が付されている。

 

L’enfance/子供時代」  母親の写真。父親(兄Jeanと)の写真。出生証明書。2歳、12歳当時の写真など

    

 1943年Saint-Marcellinで中央白いコートの男性の後ろ

 

Bruxelles」時代(1950年~55年)

Barbara Brondiの名で歌っていたキャバレ「Le vent vert/青い風」の1952年10月4日のプログラム。52年友人と経営し、後に倒産したキャバレ「Le cheval blanc/白馬」のポスター(出演者としてBarbaraの名で載っている)。

 1953年に結婚し、62年正式に離婚したClaude Sluysとの54年のツーショット写真。
1954年10月1日BruxellesAtlier劇場(31,rue du Commerce)で行った最初のリサイタルのプログラム。
1955年2月ベルギーDecca社から出た最初のSPのジャケットなど

 

L’Ecluse/エクリュ-ズ時代」Paris 6区のキャバレ、1956年2週間の出演。その後1958年1月から1964年まで出演)

56年1月31日の各出演者へのギャラ一覧表(新人のBarbaraは1500フラン 約30€のギャラ)。
1958年出番を待つBarbaraの写真。
1958年4月にリリースされたEPBatbara, la chanteuse de minuit」のジャケット。
1959年4月リリースの最初のLPBarbara a l’Ecluse/エクリューズのバルバラ」のジャケットなど

 

                左の写真は1958年2月6日その日に録音されたレコードの原盤を持っている

 

Nantes」の手書き原稿 Les premiers succes/最初のヒット」1963年11月5日Theatre des  Capucines (39,Bd des Caspucines パリ2区)の「Mardis de la chanson/火曜日のシャンソン」に出演したBarbaraは「Nantes」を創唱:
この日歌われた原稿である (その後スタジオ録音されレコードの収録されているものとは違っているよう)など

                 

                         「Nantes」の歌詞、手書き

 

 

 

Gottingen/ゲッティンゲン」(1964年BarbaraGunter Klein及びSibylle Penkert《この名は今回の資料で初めて登場か?》の招聘によりGottingenJunges Theaterで公演を行った。公演の条件として会場に黒いグランドピアノがあること。しかし到着した会場にはアップライトが。Barbaraの意を対して10人の学生が老婦人宅のSteinwayを会場まで運んだ。Barbaraは当初の計画を延長して1週間公演、最終日の「Gottingen」を歌った):会場にピアノを運び込む学生たちの写真。運び込まれたピアノを改めるBarbaraの写真。紙片に手書きされた「Gettingen」の歌詞など

 

 

         

 紙片に書いた「Gottingen」の歌詞

 

Cinema/映画」(Barbaraは1972年公開Jacques Brel監督映画「Franz/フランツ:我が友フランツ:海辺の二人」に出演、Brelと共演している):会場の一角では映画の一場面が上映された。72年2月5日TV番組でBarbaraBrelがインタビューを受けている場面が流された。映画のポスター、雑誌の表紙など

                

                  

 

L’Aigle noir/黒いワシ」(1970年5月28日リリースのアルバム「L’Aigle noir」に収録されている):「L’Aigle noir ou chanson pour Laurence/黒いワシあるいはLaurenceに捧げるシャンソン」のタイトルのタイプ打ちされ、修正が加えられた歌詞。単に「L’oiseau/鳥」とタイトルが付けられた手書きの楽譜。1970年春の録音風景の写真など

 

Precy/プレシー」(1973年夏、Paris16区からSeine-et-Marne県、Parisから東へ30kmの小村Precy-sur-Marneに転居し、以後同地に居住):愛用の黒いピアノが展示されている。居間でくつろぐ写真。編み物をしている写真。愛犬と庭を散策している写真。机に座って仕事中の写真。Roland Romanelli(1946-アコーデオニスト、作曲家、アレンジャー。20年間Barbaraの伴奏を務める)とのリハーサルの写真など

    

 

Tokyo」(この展覧会の資料ではBarbaraは、1970年、75年、88年及び90年に来日している):1988年1月30日の郵便貯金ホールでのコンサートの写真。1975年9月某寺の前の写真など

会場にはステージが設えられ、ステージ奥のスクリーンには1993年のTheatre au Chatelet公演の模様が上映され、ステージにはその際使用した黒いロッキングチェアーが置かれている。

展覧会会場の出口にあったのはBarabaraがあらゆる公演に持ち運んだ大型、縦長のフライトケース。金属製でBarbaraはその中にメイクのための化粧道具、アクセサリーなどを入れた。

その側面には「J’ai peur mais j’avance,j’ai peur, j’avance/怖い、でも私は前に進む、怖い、でも前に進む」と書かれている

 
No.1498
(その3) 
2017.12.22 

NO. 1498(その3)  2017.12.22 
    
(12月7日付けの第一報ニュース、及び12月9日の第2報ニュースは、このページ下部に掲載されています) 

ジョニー・アリディJohnny Hallyday、死去 (その3 葬儀など)            

・葬儀: 2017年12月6日に死去したジョニー・アリディJohnny Hallydayの葬儀は12月9日(土曜日)13時からParisEgolise de la Madeleine/マドレーヌ寺院(Paris 8区)で行われた。

Haut-de-Seine県のMont-Valerienに安置されていたHallydayの棺を乗せた霊柩車はPorte DauphinePorte Maillotを経由してArc de Triomphe/凱旋門に。その後葬列はパトカーに先導されChamps-Elysées通りを Concorde広場まで下った。葬列の最後部には、オートバイ好きだったJohhnyを偲んで全国から集まった700台のオートバイが続いた。葬列はConcorde広場から、左に曲がりRoyale通りを通ってMadeleine寺院に。Champs-Elysées通り、Concorde広場、Royale通りでは寒空の中大勢の人々(80~100万人が集まったとの報道もある)が葬列を見送った。「JohhnyJohnny!」と叫びながら、ヒット曲を歌いながら、あるいは静に涙をためながら。

 葬列 https://www.youtube.com/watch?v=XRMPQY6un2g

 

棺にはLaeticia夫人、2人の養女が従い、DavidLauraSylvie VartanMacron大統領夫妻などに迎えられ、まずMadeleine寺院の前庭に置かれた。それを前にMacron大統領が弔辞を。「親愛なる同胞の皆さん、皆さんは今日ここにJohnny Hallydayのために集まった。Johhnyはいつもあなた方と共にあったから。Johnnyは我々の一部、フランスの一部だった。12月のこの土曜日は悲しい日になった。あなた方の人生の中で一度はJohhnyのシャンソンがあなた方の思いを歌っていると感じたことがあることでしょう。愛の物語、誰かを失った時の悲しみ、子供の誕生、何かへの抵抗、苦しみなど。Johnnyは一人の歌手だっただけではなく、一つの人生だった。・・彼にMerciと言うために、彼が永遠な存在であるように、ここで彼に拍手を送りましょう。Monsieur Johnny Hallydayに・・」

棺のMadeleineへの到着、大統領の挨拶など https://www.youtube.com/watch?v=3l4mOCQaZco

 

棺は縁のミュージシャン、友人たちに担がれ、Yvan CassarのピアノとGautier Capuçonのチェロによる「L’Hymne à l’amour/愛に讃歌」が演奏される中、教会内部に運ばれ安置された。「L’Hymne à l’amour https://www.youtube.com/watch?v=KSo3oMcrGWM&t=59s

式を主宰したBenoist de Sinety神父は説教の最後に「我々にも聞こえる人々があなたに叫ぶ声が『Que je t’aime, que je t’aime/どんなにあなたを愛していることか、どんなにあなたを愛していることか!』 アーメン」。その後Philippe Labro(1936-ジャーナリスト、作家、Hallydayにも曲を提供している作詞家)、 Daniel Rondeau(1948-ジャーナリスト、作家)が弔辞を述べた。弔辞は続き:Marion Cottillard(1975-俳優)は新約聖書「コリント人への第1の手紙、第13章」、「たとい、わたしに預言する力があり、あらゆる奥義とあらゆる知識とに通じていても、また、山を移すほどの強い信仰があっても、もし愛がなければ、私は無に等しい」を引用して締めくくった。Jean Leno(1948-俳優)はJadeJoyが選んだというJacques Prévertの詩「Chanson des escargots qui vont à l’enterrement/葬式に行ったカタツムリのシャンソ」の一節を朗読した。Patrick Bruel(1959-ACI)は「私はあなたを兄のように慕っていた。あなたが50年以上に渡って多くの人々に幸せを与えてきたことは信じられないこと。誰もがあなたは不死身だと思っていた。あなたがいないなんて信じられない。一晩の内にエッフェル塔が無くなってしまったようだ・・」。Line Renaud(1928-歌手・俳優)は「1960年4月(あなたが初めてTVに出演した時)あなたは17歳、私は32歳だった。それから57年が経った。今日このような状況になったことが私には信じられない。逆の状況の方が理論的なのに。ここでJadeを養女として受け入れた時に特別にJohnnyのために作られ(2005年のアルバム「Ma verité/僕の真実」に収録された)「Mon plus beau Noël/僕の最も美しいクリスマス」の一節を読みます。『君に話したいことが山ほどある。君にすべてのことに立ち向かって行く力と勇気を与えるために。もし僕が君にすべての人間が持つ、愛すると言う素晴らしい気持ちを君に伝えることが出来たら、僕は最も幸せな、満ち足りた人間になるだろう』。愛する気持ち、Johnny、あなたは我々にそれを与えてくれた。私たちのあなたに対する愛は決して亡くなることはないでしょう・・」

Patrick Bruel https://www.youtube.com/watch?v=ggQL4SmLmHM

Line Renaud https://www.youtube.com/watch?v=Q7AWbMRmsx0

 

式はその後ソプラノ歌手Julie Fuchsが「Ave Maria」を独唱する中、Guy Gilbert神父の先導でLeaticiaと二人の養女が棺に献香し、聖水を注ぎ、次いで遺族、親族、大統領夫妻、出席者が順に棺に祈りを捧げ、別れを告げた。

Ave Mariahttps://www.youtube.com/watch?v=C2kUP5JSPyo&t=50s

関連画像

式の間、弔辞と弔辞の合間などに随時Robin Le MusurieMaxime NucciYarol PoupaudM.の4人のギタリストがHallydayのヒット曲などをヴォーカルなしでギター演奏。

式終了後Hallydayの棺は4人のギタリストによる「La musique que j’aime」に送られて、式場外に待っていた霊柩車に乗せられ、人々の拍手と歓声の中Madeleine寺院を後にした。https://www.youtube.com/watch?v=7PF198VVo58&t=69s

 

式の参列者は800人あまり。政治家では:Macron現大統領夫妻、François Hollande & Julie Gayetの前大統領カップル、Nikolas Salkozy & Carla Bruniの元大統領夫妻、Edouard Philippe現首相、 Jean-Pierre Raffarin元首相、Anne Hidalgoパリ市長など。

歌手などでは:Eddy MitchellDick RiversAlain et Pierre Souchon父子、Laurent VoulzJean-Jacques DeboutCalogeroJane BirkinDidier BalvelivienJean-Louis AubertSheilaLouis BertignacGérard De PalmasThomas Dutronc(父Jacques Dutroncと母Françoise Hardyは欠席)、Enrico MaciasChristophe MaéZazieOrlandeDalidaの弟でマネージャー、1987年5月3日同じくMadeleine寺院でDalidaの葬儀が行われた)、NaguiMichel DruckerNikos AliagasClaude Leloucheなど

 

葬列の行進及びMadeleine寺院での式の模様はFrance 2、TF1,BFMTV中継され1200万人が視聴したと言われている。

 

・埋葬:

Johnny Hallydayの遺体はHallydayの遺志に従いL’Ile de Saint Barthelemy/サン・バルテルミー島のLorien墓地に埋葬された。

L’Ile de Saint Barthelemy/サン・バルテルミー島はカリブ海、フランス領アンティルにある小島でフランス海外準県、人口は10000人弱。Hallydayは2008年から同島内に別荘を持っており、毎年家族や友人たちと定期的に休暇を過ごした。

10日10時過ぎにHallydayの棺はLaeticiaなどに付き添われてParis Bourget空港を出発、現地時間16時にL’Ile de Saint Barthelemy に到着。同夜はアンティルの伝統に従った通夜が行われた。アンティルの喪服である白い衣裳を着た500人あまりが2時間にわたり棺の周りを行進した。埋葬は12月11日現地時間16時30分から行われた。参列したのは60人ほど。Laeticia夫人、LauraDavid、3人の孫(Davidの子供)、(JadeJoyは参列しなかった)、Laeticiaの母親など親族、マネージャーSébastien Ferran、かつてのマネージャーJean-Claude CamuYarol PoupaudMaxim NocciPatrick BruelEddy MitchellEstelle LebureJean Reno、島の当局者など。全員白い衣裳で参列。Yarol Poupaud Maxim Nocciが、故人が好きだったElvis Presleyの「Love me tender」を演奏するなか、Hallydayの棺は多くの花で飾られた墓地に埋葬された。

Hallydayの墓石は墓地内の他の墓石と同様に白色で、シンプルなもの。墓には本名Jean-Philippe Smetと書かれ、墓碑銘は「Souvenez-vous de moi comme d’un homme sincère/私を思い出して下さい、誠実な一人の男として」。

 

関連画像

 
No.1498
(その2) 
2017.12.7


NO.1498(その2)  2017.12.   (12月7日付けの第一報ニュースは、このページ下部に掲載されています)

ジョニー・アリディJohnny Hallyday、死去 (その2 哀悼の辞など)            

・オマージュアルバム「On a tous quelque chose de Johnny/みんなジョニーからの何かを持っている」

Johnny Hallydayの死去の前、11月17日、Hallydayへのオマージュアルバム「On a tous quelque chose de Johny」(このタイトルは1985年のヒット「Quelque chose de Tennessee/テネシー・ウイリアムズからの何か」から)がリリースされ、その週チャートの1位に。闘病中のHallydayはこのような企画が実現したこと及びチャート1位になったことは、参加した歌手や多くのファンの自分の対する愛情及び応援の証として喜んでいた。アルバムに収録されている曲及び歌っている歌手は:「L’envie」(Kendji Girac)、「Marie」(Slimane)、「Ma gueule」(Garou)、「Retiens la nuit」(Benjamin Biolay)、「La musique que j’aime」(Louana)、「Gabrielle」(Thomas Dutronc)、「Noir c’est noir」(Lisandro Cuxi)、「J’ai oublié de vivre」(Patrick Bruel)、「Le pénitencier」(Gauvain Sers)、「Requiem pour un fou」(Florent Pagny)、「Les coups」(FFF)、「Que je t’aime」(Amel Bent)、「Je te promets」(Gaëtan Roussel )、「Quelque chose de Tennesse」(Nolwenn Leroy)、「Tes tendres années」(Raphaël)、「Elle m’oublie」(Carogero)の15曲。

 録音風景https://www.youtube.com/watch?v=0tpH4p5vlLc

 

・アンケート「あなたが好きなJohnny Hallydayの曲は?」

TVBFMTVが11月20、21日に行った「あなたが好きなJohnny Hallydayの曲は?」のアンケート結果が発表された。このアンケートは1001人を対象に、リストアップされた20曲から1曲を選ぶという方法で行われた。その結果は:

1.「Je te promets/君に約束する」(1989年Jean-Jacques Goldman 作詞/作曲)27%が選んだ

2.「Marie/マリ」(2002年Gerald De Palmas 作詞/作曲)23%

3.「Le Pénitencier/監獄:朝日の当たる家」(1964年 「Hous of the rising sun」のHuges Aufrayによる翻案)と「Que je t’aime/届かぬ愛」(1969年 Gilles Thibaut作詞/Jean Renard作曲)22%

5.「Allumer le feu/火を付ける」(1998年Zazie作詞/Pascal Obispo作曲)と「Laura/ローラ」(1986年Jean-Jacques Goldman 作詞/作曲)19%

7.「Retiens la nuit/夜を返して」(1961年Charles Aznavour作詞/Georges Garvarentz作曲)と「Quelque chose de  Tennessee」(1985年Michel Berger作詞/作曲)18%

9.「Requiem pour un fou/常軌を逸した男へのレクイエム」(1976年GillesThibaut作詞/ Gefard Layani作曲)17%

10.「L’envie/欲望」(1986年Jean-Jacques Goldman 作詞/作曲)14%

  「Je te promets201626BruxellesPalais 12で https://www.youtube.com/watch?v=VDCkDyaZhMI

 

Hallyda最後の曲は「C’est un rocker/それは一人のロック歌手」

現在まで「commercialisé/売り出されている」Johnny Hallydayの最後の曲は11月10日リリースのEddy Mitchellのアルバム「La même tribu/同じ部族」に収録されている「C’est un rocker」でMitchellとのデュオ。

  https://www.youtube.com/watch?v=pemV9CtKCMc

 

Laeticia夫人のAFP宛てコミュニケの概略

12月6日03時に公表されたHallyday の死去を告知したLaeticia夫人のAFP宛てコミュニケの概略は次の通り:

Johnny Hallyday est parti/ジョニー・アリディは旅立ってしまいました。Jean-Philippe Smetは2017年12月5日の夜死去しました。これを書いていても信じられません。しかし事実です。私の夫はもうこの世にはいません。彼は今夜我々も許を去りました、彼の生涯を通じて持ち続けていた勇気と尊厳を以て。最後の瞬間まで彼は、彼を数ヶ月前から苦しめてきた病と勇敢に戦い、私たちに貴重な教訓を残してくれました。ステージにも、ファンにも、彼を賞賛していた人たちにも、彼を愛していた人たちにも妥協することなく生きてきたロック歌手、私の夫はもうこの世にはいません。二人の幼い娘JadeJoyの父親は旅立ちました。LauraDavidの父親は目を閉じました。彼の青い目はこれからもずっと私たちの家で、私たちの心の中で輝き続けることでしょう。 今日、22年間にわたって私の夫であったこの素晴らしい男性に、尊敬と愛情とを以て、別れを告げます。Johnny は非凡な男性でした。これからもずっとそうあり続けるでしょう。決して忘れないで下さい。これからもずっと我々の許にいてくれるでしょう・・「Mon amour, je t’aime tant

 

・各界からの哀悼の辞など

・・Macron大統領Laeticia夫人はAFP宛てにコミュニケを発表する前に近親者、近しい友人たちにHallydayの死去を伝えた。その中には大統領も入っており、Brigitte Macron大統領夫人は6日02時にはLaeticiaHallydayから電話を受けていたよう。Macron大統領の哀悼の辞:我々は皆Johnnyからの何かを持っている。Johnny Hallydayの名、顔、声、それに彼の歌は決して忘れられないことでしょう。彼のシャンソンはシャンソンフランセーズの歴史に1ページを記すことだろう。彼のシャンソンは幾世代にも渡るフランス人の生活の中に刻み込まれている。彼はコンサートを通して、大ホールでの大きな規模のものから、小さいホールの内輪のものまで、フランス人を虜にした。彼は老いることを知らなかった。それは彼が純粋で人生を愛していたから。そして知っていたから、老いないための秘密はいくつもの人生を持つことだと。彼は人々に兄弟が与えるようなエネルギーを与えてきた。だから今人々が言う番、彼に「Que je t’aime」と。今日人々は涙に暮れている。国中が喪に服している。共和国大統領と同夫人は、Laeticia Hallydayと彼の娘たちJoyJadeそれにLauraに、彼の息子Davidに、彼のミュージシャンたちに、彼のチームに彼の友人たちに、彼のファンに、心からの哀悼の意を表します・・

 

・・文化大臣Françoise Nyssen傑出したアーティストロックとシャンソンのレジェンド、フランス文化の一つの顔が我々の許を去った。Johnny Hallydayは歌うことも、踊ることも、この国全体を泣かせることも出来た。あらゆる世代に話しかけることが出来た。彼は我々に決して消えることのない炎を残してくれた。

 

・・Eddy Mitchell(1942-ACI):私は友人以上のものを失った。兄弟を失った。

 

・・Jacques Dutronc(1943-ACI):何という気力、彼は正に雌牛。並はずれた気力の持ち主だった。皆彼が病気であることを忘れていた。しかし私は彼がどれほど苦しんでいたか知っている。舞台裏の彼は見るのが辛いほどだった。自分がそんな風に見えることは彼にとっても辛いことだっただろう。観客が彼を以前と同じように、あるいは以前よりも熱狂的に迎えてくれたことには感謝していた。それは我々のJohnnyをどれほど元気づけたことか。それは彼にとって最高の療法だった。私は彼がまだJohnny Hallydayになる前から知っている。私はいつも彼に言っていた。「君は私のマブダチだったし、今でもマブダチ、これからもずっと」。我々は死ぬほど大笑いしたことがあった、恐れを抱いたこともあった、何かを熱望したこともあった。我々は大いに楽しんだ。私は今Johnnyを失ったこの辛い気持ちをEddyMitchell)と分かち合っている。Johnnyは2018年次のツアーを計画していた。そして私に言っていた「Jacquot一緒にやろう」、私の答えは勿論「oui」だったのに・・

 

・・Sylvie Vartan(1944-歌手):フランス全体がそうであるように、私の心はうちひしがれている。私の青春時代の愛は旅立ってしまった。それは何ものにも変えられないもの。

 

・・Pascal Obispo(1965-ACI):「infinie tristesse/限りない悲しみ」、我々は友人を、兄弟を、父を、偉大なアーティストを失った。

 

・・Sheila(1945-歌手):こんなことは信じたくない、想像も出来なかったことが起こった。でも彼は今Claude FrasncoisDalidaや亡くなった多くの仲間たちと会っているだろう。 皆さんと同じように今朝私は友だちを失った、とても悲しい・・

 

・・Line Renaud(1928-歌手・俳優):フランスにはJonny以前には彼ほど人気のある人物はいなかった。Eiffel塔のコンサートで50万人以上を集めるようなスターは。彼は戦士、尋常ならざるカリスマ性を持った。彼は決してファンを裏切らない。今フランス全体が泣いている。もちろん私も・・

 

・・Michel Polnareff(1944-ACI):今私は2つの感情を持っている。Johnnyの死は私には衝撃的で悲しい。しかし、友人が、それも昔からの友人が苦しんでいるという報道は辛いもの、聞きたくないもの。その友人がもう苦しまなくてすむと知ることは解放された気持ちでもある・・。

 

・・Céline Dion(1968-歌手):Johnny Hallyday死去の報に接してtres triste/とても悲しい。彼はshow-business界の巨人だった。真のレジェンドだった。彼の家族、近しい人たち、何百万という彼のファンのことを思う。彼がいなくなって本当に寂しい。でも決して忘れることはないでしょう・・

 

Zazie(1964-ACI):Jean-Philippe Smetは亡くなった。でもJonnyは死んではいない。彼のシャンソンは不滅。だから・・歌いましょう彼のシャンソンを・・

 

Patrick Bruel(1959-ACI):Tellement triste/とても悲しい・・

 

・・Olympia劇場:あなたは私(Olympia劇場)のステージ立った偉大なアーティストの一人。あなたが亡くなったことはとても悲しいこと。しかし私はあなたが何度も私のステージに立ってくれ、大勢の観客を沸かせてくれたことを幸せに思っている。いつまでもあなたからの何かを持ち続けるでしょう。Merci !

 

・・La tour Eiffelエッフェル塔とBercyAccorH Arena:12月8日から10日の夜までLa tour Eiffelの第1展望台及びAccorH Arenaの正面入り口に「Merci Johnny」の電光文字が。

 La tour Eiffelの「Merci Johhny」 https://www.youtube.com/watch?v=bMx4eVwBoYU

 
No.1498  2017,12,7 

No. 1498(その1)  2017.12.

ジョニー・アリディJohnny Hallyday、死去                            



ジョニー・アリディ Johnny Hallyday のLaeticia夫人は2017年12月6日早朝3時「Johnny Hallyday est parti/ジョニー・ア・デイは旅立ってしまった」とJohnny Hallydayの死去を発表した。享年74歳であった
Hauts-de-SeineMarnes-La-CoquetteRue Maurice-Chevalierの邸宅La Savannahで死去したとの報がある)。


(葬儀等の続報につきましては、追ってお知らせいたします。)

Johnny Hallyday、本名Jean-Philippe Smet1943年5月15日Paris 9区生まれ、歌手、作曲家、俳優。母はフランス人、父はベルギー人。生後8ヶ月に父親失踪。父方の叔母に育てられダンスとギターを習う。従姉妹がアメリカ人ダンサーLee Hallidayと結婚、Les Hallidayの名で、各地で興行。Jean-Philippe9歳からLes Hallidayのダンスの合間などに歌う。14歳でElvis Presleyの映画を見てロック歌手を目指し、「Golf-Drouot」に通い歌うように。

・1959年12月30日ラジオ番組に初出演、作詞家コンビJil et Janに認められ、翌年Vogue社とJohnny Hallidayの名で契約

・1960年3月14日最初のレコードリリース、「Laisse les filles/女の子を放っておけ」などを収録、レコードのジャッケットにHallydayと印刷されこれをそのまま芸名に。ラジオ局Europe 1から最初に流された時ディレクターのLucien Morisseは「彼の曲を聞くのはこれが最初で最後でしょう」と紹介するなどレコードは一般には不評。しかしDaniel Flipacciが司会の同ラジオ局の若者向け歌謡番組「Salut les copains/やあ仲間たち」では頻繁に放送された。

・1960年「Souvenirs souvenirs/思い出よ、思い出よ」などを発表

・1960年4月18日TVL’Ecole des vedettes」に出演、「Laisse les filles」を歌った。番組ではLine Renaudにアメリカ出身と紹介され、否定しなかったが、後日Aznaxourの助言により訂正

  https://www.youtube.com/watch?v=aYJ6ZY_Tl4U

・1961年2月1日最初のLPNous les gars, nous les filles/僕たち男の子、私たち女の子』をリリース

・1961年9月Olympiaに初出演。同年「Retiens la nuit/夜を返して」、「Douce violence/甘い暴力」を発表

・1962年「L’idole des jeunes/若者のアイドル」発表

・1963年10月公開のNoëlHoward監督映画「D’où viens-tu, Johnny/ジョニー、あなたはどこから」に主人公Johhny Riviere役で出演、Gigi役のSylvie Vartanと共演、劇中「A plein coeur/心から」をデュオで歌う

その後20本以上の映画に出演、「L’homme du train/列車に乗った男」(2002年)でJean Gabin賞受賞

・1964年5月から65年8月まで兵役

・1964年「Le Pénitencier/朝日の当たる家」発表

・1965年4月12日Loconville(パリの北Oise県)でSylvie Vartan(1944-歌手、女優)と結婚、66年男児DavidACI)誕生、  (1980年11月離婚

                    「johnny hallyday et sylvie vartan mariage」の画像検索結果

  

・1966年9月自殺未遂(大量のbarbituriqueを摂取)

・1969年「Que je t’aime/届かぬ愛」、「Les hommes qui n’ont plus rien à perdre/悲しみの兵士」発表

   「Que je t’aime1969年 https://www.youtube.com/watch?v=oOrdANUWtHI

197021―1014ParisPalais des Sports公演、Michel Polnareff(1944-ACIがピアノ伴奏

1973年「La musique que j’aime僕が好きな音楽」、「J’ai un problème僕には問題が」Vartanとのデュオ発表

1976月「Requiem pour un fou常軌を逸した男へのレクイエム」、「Gabrielleガブリエル」発表

  「Requiem pour un fou1998Lara Fabianhttps://www.youtube.com/watch?v=4v3LE9l1pwc

・1978年6月第7回東京音楽祭 審査員で来日

・1979年「Ma gueule/俺の面」発表

・1985年「Quelque chose de Tennessee/テネシー(・ウイリアムズ)からの何か」発表

・1986年「L’envie/欲望」、「Je te promets/君に誓う」、「Laura/ローラ」発表

・1987年VdM男性歌手賞

・1989年Les Enfoirésに初参加((97年、98年にも)。「Pour toi Arménie/アルメニア、お前のために」に参加

・1990年Paris Bercy公演でVdMコンサート賞受賞

その後、93年のParc des Princes公演、96年のParis Bercy公演、2000年Champs de Mars公演でも同賞を受賞

・1997年「Légion d’honneur」の Chevalier勲章受章

・1998年9月5、6、11日Stade de Franceでコンサート。「Allumer le feu/火を付ける」創唱

  「Allumer le feu」 https://www.youtube.com/watch?v=Msi7jS_V5u8

1999年アルバム『Sang pour sangサン プール サン』Sang pour sang」など13曲。2000年VdMアルバム賞受賞

・2002年アルバム『A la vie, à la mort/生に、死に』(2枚組CD):「Marie/マリー」、「L’instinct/本能」など23曲

・2009年VdM 特別賞

・2009年「Tour 66/66歳ツアー」、5月7日~11月24日(2010年VdMツアー賞)

  ツアー(当初2010年2月10日までの予定)は健康問題で中止:2009年11月26日受けた椎間板ヘルニアの手術後感染症により、Los Angelesで12月7日緊急入院、10日手術、その後昏睡状態、10年1月23日退院。5月23日帰国

・2011年9月6日から11月19日までThéâtre Edouard Ⅶで劇場劇「Le paradis sur terre/地上のパラダイス」に出演

・2012年4月~12月「Tour 2012:Ça ne finira jamais/決して終わらない」。6月15、16、17日Stade de France出演

・2012年アルバム『L’attente待つこと』:「20 ans/20歳」(2014年VdMでシャンソン賞)、「L’attente」、「L’amour peut prendre froid/愛が冷えてしまうこともある」(Celine Dionとのデュオ)など11曲

 「L’amour peut prendre froidDion20121124https://www.youtube.com/watch?v=5DcK0cIR3Cw

2014SACEMPrix Spécial受賞

201411日~10Paris Bercyで「Les vieilles canailles年老いた悪戯っ子」コンサートJacques DutroncEddy Mitchell

 https://www.youtube.com/watch?v=t1vRUC_7QlU

・2014年アルバム『Rester vivant/生き続ける』:「Rester vivant」、「Te manquer/君がいなくて寂しい」など

・2015年7月―2916年7月10まで「Rester vivant」ツアー、50回の公演

・2015年11月13日最後50枚目のスタジオ録音アルバム『De l’amour/愛について』:「De l’amour」、「Un dimanche de janvier/1月のある日曜日」など12曲、2016年VdMアルバム賞

 、「Un dimanche de janvier2016月 https://www.youtube.com/watch?v=mdn9uD-6PbY

201610月最後29枚目のliveアルバム『Rester vivant tour』、201626日のBruxellesPalais12での公演の模様、CD枚、28曲収録

・2017年3月ガンに罹患していることを公表。6月10日(Lille)~7月5日(Carcassonne)まで、エディー・ミチェルEddy Mitchel ジャック・デュトロンJacques Dutroncと共にLes Vieilles Canaillesコンサート、

  7月25日Paris Bercy公演にはMacron大統領夫妻、Line Renaudらが来場

 「Les Vieilles Canailles2017Carcassonne公演で  https://www.youtube.com/watch?v=adhmZis1lq4

・2017年12月6日死去公表。

 

Johnny Hallydayフランスの最初のロック歌手、60年近いキャリア、1000曲以上録音、100曲以上作曲(105曲を自身のために、13曲を11人の歌手のために)、1億1000万枚以上のレコード売上げ。スタジオ録音アルバム50枚(1961年2月1日LPNous les garcons, nous les filles』から、2015年11月3日『De l’amour』まで)、ライヴ29枚のアルバム、VdM10個(Alain Bashungの12個に次ぐ)。182回のツアー2800万人を集め、Parisでは693回のコンサート、そのうちOlympia266回、Palais des Sports144回、Bercy99回(Vieilles canaillesを含め)、Zenith78回、Parc des Princes(2回で7コンサート)、Stade de France(3回で9コンサート)、40ヵ国でコンサート。2500回以上雑誌の表紙を飾り、関連書籍は190冊を数える。

私生活では・・

196512日歌手のSylvie Vartan(1944-)OiseLoconvilleで結婚、66年男児David誕生、8011日離婚。  

198112月モデルのBabeth Etienne(1957-)と結婚、82月離婚。  

1982TVで共演した女優Nathalie Baye(1948-)との仲が喧伝され、83年女児Laura誕生。Johnny Lauraの誕生を喜び1986年「Laura」(Jean-Jacques Goldman作詞・作曲)を歌っている。二人の仲は86年3月破局。   

1990年7月女優・脚本家Adeline Blondieau(1971-)と結婚、92年離婚。1994年再度Adeline Blondieauと結婚、95年5月再度離婚。 

1996年3月モデルLaeticia Boudou(1975-)と結婚。Johnny Laeticia夫妻はヴェトナム人の女児2人(2004年Jade008年Joy)を養子に迎えている。

 

 

 
No.1496  2017.11.18    KCN 1497     2017.11.18

10月リリースされた6人の歌手の新譜をご紹介いたします。


1.ピエール・ラポワントPierre Lapointe、「La science du cœur/心の科学
」 

Pierre Lapointe10日にリリースした新しいアルバムはLa science du cœur」。Lapointe1981年カナダ、ケベック州生まれのACI。2001年ケベック州Granbyのシャンソンフェスティヴァルのシンガーソングライター部門で優勝し注目された。04年の最初のアルバム「Pierre Lapointe」で05年にACC大賞を受賞。05年にMontaubanのフェスティヴァルでフランスに登場、好評を博し、07年にはパリのLa Cigaleに出演。09年8月アルバム「Sentiments humains/人間的な感情」(「Je viendrai/僕は来るだろう」、「Au bar des suicides/自殺者たちのバーで」など12曲収録)をフランスでリリース。その後、9月、10月の20日間パリのBoule noireに出演。不条理な、しかし人間味溢れる美しい歌詞、演劇を習ったことから生まれるゆとりのあるステージには、フランスにも熱心なファンが多い。前作は14年リリースの「Paris tristesse/パリ 哀しみ」で収められている15曲のうち3曲、「C’est extra/セ エクストラFerré)、Le mal de vivre/生きる苦しみBarbara)、Comme ils disent/人々が言うようにAznavourは彼がシャンソンフランセーズに対する尊敬の念を込めてカバーしたもの。La science du cœur」には:「La science du cœur」、「Qu’il est honteux d’être humain/人類であることは恥ずべきこと」、「Sais-tu vraiment qui tu es/君は自分が誰であるか本当に解っているのか」、「Le retour d’un amour/一つの愛の回帰」、「Mon prince charmant/私の白馬の王子様」、「Comme un soleil/一つの太陽のように」、「Un cœur」、「Une lettre/一通の手紙」など11曲収録。

Sais-tu vraiment qui tu es」  https://www.youtube.com/watch?v=ZSJJXETxk-0

 


2.カルラ・ブルニーCarla Bruni、「French Touch

Carla Bruni10日にリリースした新しいアルバムは「French Touch」。Bruniは1967年イタリア北部トリノ生まれのACI。74年家族と共にフランスに。90年代にはスーパーモデルの一人として活躍。98年からACIに転身。2000年Julien Clercのアルバム「Si jétais elle/もし僕が彼女なら」に収められた同名の曲の歌詞を提供(作曲はClerc)。02年11月ファーストアルバム「Quelqu'un m'a dit/風のうわさ」をリリース、彼女が作詞作曲した10曲などが収められていて、世界中で200万枚を超えるヒットになり、04年VdMで女性歌手賞受賞。07年には第2作で歌詞がすべて英語の「No promises」を発表。08年2月Nicolas Sarkozy大統領と結婚、ファーストレディーに。08年7月11日アルバム「Comme si de rien n'était/何事もなかったかのように」をリリース。その後は特別の場合を除き活動を控えていた。12年5月にファーストレディーの立場を離れてからACIとしての活動を再開、13年4月アルバム「Little French Songs」をリリース。Bruniの5枚目のアルバム「French Touch」には過去の英米ヒット曲で、お気に入りの曲を英語で、但しBruni独特のfrench touchで歌った11曲が収録されている:「Enjoy The Silence」(Depech Mode)、「Jimmy Jazz」(The Clash)「、Love Letters」、「Miss you」(Rolling Stones)、「Crazy」(Patsy Cline))、「The Winner Takes Il All」、「A Perfect Day」(Lou Reed)、「Please don’t kisse me」、「Moon River」(Andy Wiliams)、「Stand by your man」(「Tammy Wynette」、「Highway To Hell」(ACDC)、「Love Hurts」など。リリースの週8位。

Enjoy The Silence https://www.youtube.com/watch?v=pm3bPZ6W5fw

 


3.ララ・ファビアンLala Fabian、「Camouflage

Lara Fabianが10月6日にリリースした新しいアルバムは「Camouflage」。Fabian、本名Lara Sophie Katy Crokaertは1970年ベルギー、BruxellesEtterbeek生まれのACI。14歳からベルギーで歌手として活動。88年Luxembourg代表でEurovisionに出場4位。89年にリリースしたシングル「Je suis/私は」のプロモーションで訪れたカナダが気に入り90年代数年間Canadaで活動。97年シングル「Tout/全て」がヨーロッパでヒット、この曲を収録したアルバム「Pure/純粋な」は100万枚以上の売り上げ、98年VdM新人歌手賞を受賞。99年全曲英語で歌った「Lara Fabian」によりアメリカでも人気に。2002年に同じベルギー出身の女性歌手Mauraneとデュオで歌った「Tu es mon autre/あなたはもう一人の私」はシングルが30万枚以上売上げのヒットに。2009年のアルバム「Toutes les femmes en moi/私の中の全ての女性」はBarbaraの「Göttingen/ゲッティンゲン」、Dalidaの「Il venait d’avoir 18 ans/18歳の彼」などをカバーした先輩女性歌手へのオマージュ。10年30曲収録のベスト盤。10年9月には仏、英、伊、露、西語で歌った11曲を収録したアルバム「Mademoiselle Zhivago」をロシアとウクライナでリリース(フランス、ベルギーでのリリースは12年6月)、その後10年から12年にかけて東欧諸国、ロシアツアーを行っている。13年4月アルバム「Le secret/秘密」をリリース。その後聴覚の不調により活動を休止していたが、回復。2015年11月6日前作「Ma vie dans la tienne/あなたの人生の中の私の人生」をリリースしている。2016年7月に予定されていた来日公演は中止。アルバム「Camouflage」には英語で歌われいて、Pop-Rockの12曲が収められている:「Growind Wings」、「Chameleon」、「If I let you love me」、「Camouflage」、「Community」、「Perfect」、「Choose what you love most」など。Fabianは2018年2月2日のアメリカMiamiから40日余りの世界ツアーを開始、6月16日にはParisZenithに出演の予定。

Choose What You Love Most」 https://www.youtube.com/watch?v=tXhBe0jUl7w

 


4.
ジュリアン・クレールJulien ClercA nos amours我々の愛に」

Julien Clerc1020日リリースした新しいアルバムは「A nos amours」。Clerc本名Paul Alain Leclerc194710Paris19区生まれのACI6歳からピアノを始め、高校時代には曲を作る。大学生時代、作詞家Etienne Roda-Gil(1941-2004)と知り合い、1968年5月の「La Cavalerie/騎兵」がコンビによる最初のヒット。1969年には9ヶ月間Théâtre de la Porte Saint-Martin で上演されたフランス版「Hair」でClaude Bukowski役で出演。1970年12月Olympiaに vedetteとして出演。

1970年代から90年代には15枚のアルバムをリリース、この間:「La Californie/燃えるカリフォルニア」(70年)、「Ce n’est rien/時は過ぎて行く」(71年)、「Si on chantait/廃墟で歌う/都会のマリー」(72年)、「Ma préférence/僕の好みの人」(78年)L’assassin assassiné殺された殺人者」(80Femmes, je vous aimeご婦人方、僕はあなた方を愛しています」(82年)Fais-moi une place僕に一つの場所を」(89年、91VdMオリジナルシャンソン賞受賞Util有益な」(92年 )などがヒット。2000年代に入ってからも定期的にアルバムをリリース:2000年11月リリースのアルバム「Si j’étais elle/もし僕が彼女なら」には初めてCarla Bruniに詩の提供を受けた同名の曲を収録。200510月リリースのアルバム「Double enfance/2重の子供時代」にはMaxime Le Forestierの作詞による同名の曲を収録。2008月リリースのアルバム「Où s’en vont les avions?/飛行機はどこへ」にはGérard Duguet-Grasserの作詩による同名の曲、Benjamin Biolayの作詩によるSous sa grande ombrelle/大きなパラソルの下で」を収録。201111月リリースの「Fou peut-être/常軌を逸した、おそらく」にはCharles Aznavourの作詩によるLes souvenirs/思い出Julien Doréの作詞によるLes dégâts/損害を収録。201411月リリースのアルバム「Partout la musique vient/至るところに音楽が」にはAlex Beaupainの作詞によるOn ne se méfie jamais assez決して人は十分な警戒をしない」、Le Forestierの作詞によるOn va, on vient, on rêve人は行き、来て、夢を見る」Bruniの作詞によるLe chemin des rivières/川の道」を収録。今回の24枚目となるスタジオ録音アルバム「A nos amours」では、プロデューサー・アレンジャーとしてCalogeroが協力している13曲を収録。それらは:Pierre-Yves Lebertの作詞による「Je t’aime, etc./君を愛す、etc」、Vincent Ravalecの作詞による「A nos amours」、Le Forestierの作詞による「Ma colère/僕の怒り」、Bruniの作詞による「Le grand amour/偉大な愛」、Marc Lavoineの作詞による「Aimé,pour Aimé Césaire/エメ、エメ・セゼールのために」、Brigitte Fontaineの作詞による「Elle ment comme elle respire/彼女は息をするように嘘をつく」、Marie Bastide(作詞家でCalogeroのパートナー)の作詞による「On attendait Noël/クリスマスを待っていた」、Vianneyの作詞による「La mère évanouie/姿を消した母親」など。リリースの週チャート4位。

On attendait Noël」 https://www.youtube.com/watch?v=Qpx1CWCYyCk

 


5.オレルサンOrelsen、「La fête est finie/祭りは終わった」

Orelsan1020日リリースした新しいアルバムは「La fête est finie」。Orelsan、本名Aurelian Cotentin1982OrneAlencon生まれのラップ系ACI。ステージ名はAurelianの愛称であったOrel、それに日本のmangaが好きなところから、日本語でmonsieurを示すsanを付けた。中学生の頃バスケット仲間からラップへの興味を教えられた。Bac後経営学を学び、種々の職業に。ホテルの警備員をしているときに時間があるに任せて詩を書いていた。06年からインターネットに投稿、08年「Saint-Valentin/セント・ヴァレンタイン」、「Changement/変化」が人気に。ファーストアルバムは09年2月リリースの「Perdu davance/闘う前から負け」。同年3月にはシングル「Sale pute/売女め」では、裏切ったかつての恋人に暴力を振るう男を歌い、女性への暴力行為を煽動するものだとして告訴され、パリの軽罪裁判所で表現の自由の範囲内だされた。この曲は結局アルバムには収められていない。そのような状況にもかかわらず、09年12月にはPrix Constantinにノミネートされている。11年11月セカンドアルバム「Le chant des sirènes/海の精たちの歌」をリリース。12年VMOrelsanは一般大衆が選ぶ新人賞を受賞し、このアルバムはラップ・アーバンミュージックアルバム賞を受賞した。「La fête est finie」には:「La fête est finie」、「Basique/ベイシック」、「Tout va bien/万事快調」、「La lumière/光」、「Quand est-ce que ça s’arrête/それはいつ止まる」、「La pluie/雨」、「Paradis/パラダイス、「Bonne meuf/いい女」、「Défaite de famille/家族の敗北」など14曲収録。リリースの週2位。

Basiquehttps://www.youtube.com/watch?v=2bjk26RwjyU

 


5.アミールAmir、「Addictions/常習」

Amirが10月27日リリースした新しいアルバムは「Addictions」。Amir(本名 Amir Haddad198420日、Paris 12区生まれのACI。92年一家でイスラエルに移住。2006年イスラエルTV局のスター誕生番組に出場。優勝はできなかったが、Amirの歌に興味を示したプロデューサーの勧めで08年最初のアルバムを録音。Amirはエルサレム大学で歯科医になるための勉学を続けたため、アルバム「Vayehi」のリリースは2011年になった。2013年にはTVTF 1のスター誕生番組「The VoiceLa plus belle oix」の第3シーズンに出場、4人で争う決勝に進み、3位に。2016年1月Johan Erramiなどの協力を得て作詞作曲したシングル「J’ai cherché/僕は努めた」(クープレ部分はフランス語、ルフラン部分は英語)をリリース。4月29日には「J’ai cherché」、「Ma vie, ma ville, mon monde/僕の人生、僕の町、僕の世界」、「A ta manière/君の方法で」、「I know」などを収録したファーストアルバム「Au œur de moi/僕の心に」をリリース、25万枚以上の売上げ。Amirは2016年5月スウェーデン、ストックホルムのGlobe Arenaで行われた第61回Eurovisionにフランス代表として出場、6位に。Amirは2016年11月のNRJ音楽賞では「Révélation francophine de l’année/フランス語圏新人賞」と「J’ai cherché」で「Chanson française de l’année/シャンソンフランセーズ賞」を受賞している。また、11月18日リリースのMichel Delpechへのトリビュートアルバム「J’étais un ange/僕は天使だった」に「Loin d’ici/ここより遠く」で参加。2017年のLes Enfoirés(1月22、23日Toulouse)に出演。セカンドアルバム「Addictions」には:「Que seront les hommes/男は何になる」、「Etats d’amour/愛の状況」、「Tout passe/すべて通り過ぎる」、「Les rues de ma peine/僕の苦痛通り」、「Il était une femme/一人の女性がいた」、「Le cœur dans les cordes」「Sors de ma tête/僕の頭から出て行け」「L’aourant」「Opium」「Que le temps s’arrête/時間よ止まれ」、「Idéale idylle/理想の純愛」(夫人のLitalとのデュオ)、「Lasse la vie faire」「No Vacancy」、「La nuit/夜」、「Anja」など15曲収録。リリースの週チャート2位

Etats d’amour」 https://www.youtube.com/watch?v=pD9y8GQZAPM

No.1496  2017.11.1   

KCN 1496    2017.11.

9月の新譜情報(その2)をお届けいたします。           

 
1.   フロラン・パニーFlorent Pagny、「Le présent dabord/まず現在のこと」

Florent Pagnyが9月22日リリースした新しいアルバムは「Le présent dabord」。Pagny1961年ブルゴーニュ地方Chalon-sur-Saone生まれ、TV・映画俳優から1987年歌手に。同年のリリースの最初のレコード「N’importe quoi/何でも」が100万枚以上の売上げで、88年VdM新人男性歌手賞。97年のアルバム「Savoir aimer愛する術」は170万枚の売上げで、98年VdM男性歌手賞。その後も定期的リリースしているアルバムはいずれも好評。2013年の「Vieillir avec toi君と共に老いる」はdisque de diamante(50万枚以上の売上げ)。前作は16年4月29日にリリーした「Habana」で、これにはキューバのACIRaul Paz作詞・作曲によるスペイン語で歌われている「Donde va la vidaVivire」、「Volver a cantar」など8曲を含む10曲が収録されている。14枚目のスタジオ録音アルバム「Le présent dabord」。このアルバムに今までにない「modernité/現代的なタッチ」を与えるためPagnyは現在人気のMaître GimsZaire Kinshasa 1986-ラップ系ACI)、SlimaneParis郊外1989-ACI)らの協力を得た。収められているのは:「Le présent d’abord」、「La beauté du doute/疑いの美」、「Je veux en voir encore/もっと見たい」、「Je connais personne/僕は誰も知らない」、「L’âge de raison/物心のつく年頃」、「C’est peut-être/それは恐らく」、「Entre mes lignes/僕の手相に」、「Gandhi/ガンディー」(Maître Gimsの本名はGandhi Djuna)、「Immence/膨大な」、「Dessine/描いてみて」など12曲。リリースの週から3週間チャートのトップ。

La beauté du doutehttps://www.youtube.com/watch?v=a0h4SIDM-0o

 


2.ラファエル Raphaël、「Anticyclone/高気圧」

ラファエルRaphaël9月22日リリースした新しいアルバムは「Anticyclone」。Raphaël本名Raphaël Haoche、は1975年パリ郊外のBoulogne-Billancourt生まれのACIRaphaëlは父親がロシア出身、母親がアルゼンチン出身で、奥行きの深いスラヴ音楽と情熱的な南米音楽を子守歌に聴いて育ったためか、幼少の頃から音楽に熱中し、16歳の頃には「僕は1日に4曲も作るようになっていた」。Raphaëlの音楽に最初に興味を持ったのはGérard Manset(1945年パリ近郊Saint-Cloud生まれ、ACI、画家、作家、カメラマン。シャンソンフランセーズの最も特異な、神秘に満ちたACI)の娘のCarolineで、1995年Raphaëlのマネージャーになり、彼のデモテープを携えてレコード会社を回った。そして、EMIとの契約がなり、2000年10月Raphaëlのファーストアルバム「Hôtel de lunivers/宇宙ホテル」がリリースされた。2005年リリースの3枚目のアルバム「Caravane」はdisque de diamant、2006年VdMでは「男性歌手賞」、「シャンソンアルバム賞」、楽曲「Caravane」で「オリジナルシャンソン賞」の3賞を受賞。前作は2015年1218日にリリースしたアルバムはSolitude des latitudesRaphaël revisite Manset/行動の自由の孤独:ラファエル、マンセを新しい解釈で」で、Mansetのヒット10曲をカバーしたもの。8枚目となるアルバム「Anticyclone」には「L’année la plus chaude de tous les temps/史上最も熱い年」、「Fièvres d’Asie/アジアからの熱気」、「Retourner à la mer/海に戻る」、「Je ne pense plus à voyager/もう旅することは考えない」、「Je fume/僕はタバコを吸う」、「Paris est une fête/パリは一つの祭り」、「Cet amour/この愛」、「Les gens/人々」、「La question est Why/問題はwhy」(2002年からのパートナー、女優Mélanie Thierryとのデュオ)、「La lune/月」など11曲。リリースの週チャート9位。

L’année la plus chaude de tous les tempshttps://www.youtube.com/watch?v=dIpbXSqEuWc

 


3.ベルナール・ラヴィリエBernard Lavilliers、 9月29日「5 Minutes au Paradis/5分間天国で」

BernardLavilliers29日にリリースした新しいアルバムは「5 Minutes au Paradis」。Laviliers194610LoireSaint-Etienne生まれのACI。自らを「chanteur et aventurier/歌手で冒険家」と称しており、 シャンソン歌手の中で最も諸国を放浪している歌手と言われている。工員、ボクサー、俳優などの職を転々した後に歌手になり40年近いキャリアを持つ。67年2枚目のEPに収めた「La frime/いんちき」でMontreuxシャンソンコンクールRose d'or/金のバラ賞受賞。68年最初のアルバム「Lavilliers]。68年いわゆる5月革命の際にはLyonの工員に占拠された工場で歌った。76年のアルバム「Les Barbares/粗野な人々」などから人気が出て、78年にはオランピアに初出演。1988年にはLavilliers最大のヒット曲「On the road again」が生まれた。2000年代に入ってからも定期的にアルバムをリリースしている。2002年11月SACEMのシャンソン大賞受賞。 2010年リリースのアルバム 「Causes perdues et musiques tropicales/負けた訴訟とトロピカルミュージック」で11年VdM「シャンソンアルバム賞」受賞。 前作は2014年の「Acoustique」。22枚目のスタジオ録音アルバム「5 Minutes au Paradis」には:「La groire/栄光」、「Muse/ミューズ」、「Croisière Méditerranéenes/地中海クルーズ」、「5 Minutes au Paradis」、「Vendredi 13/13日金曜日」、「L’espoir/希望」(Jaenne Cherhalとのデュオ)など11曲。リリースの週チャート2位。

L’espoirhttps://www.youtube.com/watch?v=t0yPTufGc9A (TVF2 2017年9月19日「アンティルのために共に」で)

 


4.パトリック・フィオリPatrick Fiori、9
29日「Promesse/約束

Patrick Fioriが9月29日にリリースした新しいアルバムはPromesse」。 Fiori1969年Marseille生まれのACI。幼少の頃を過ごしたコルシカでは美声で知られ、86年パリに。数々のTVのど自慢番組に出演。92年Perpignanのシャンソンコンクールで優勝し、93年フランス代表としてEurovisionに出場。決勝25人中4位。94年最初のアルバム「Puisque cest lheure/時間だから」を出すが注目されず。98年ミュージカル「Notre Dame de Paris」にPhoëbus役で出演、劇中GarouQuasimodo役)、Daniel LavoieFrollo役)と歌った「Belle/美しい人」が大ヒットするなどして、一躍人気に。00年10月オランピア初出演。その後は定期的にアルバムをリリース、特に08年映画音楽のカバーアルバム「Les choses de la vie/人生の諸様相」(映画邦題「すぎ去りし日の・・」の原題)は好評だった。アルバムには「Les parapluies de Cherbourg/シェルブールの雨傘」、「Jeux interdits/禁じられた遊び」、「La chanson  dHélène/エレーヌの歌」(「Les choses・・」の主題歌)などが収められていた。前作は2014年の「Choisir/選ぶ」。10枚目となるアルバム「Promesse」に収められているのは:「Où je vis/僕が生活しているところ」、「La vie idéale/理想的な人生」、「Chez    nous/我々の家」、「Les gens qu’on aime/愛する人々」、「Ta belle histoire/君の美しい物語」、「Promesse」、「J’ai tout mon

temps/僕には時間がある」、「Mais quand même/もしそれでも」など12曲。リリースの週チャート4位。

Où je vishttps://www.youtube.com/watch?v=r9KC1a2ICB4

 


5.クリストフ・ヴィレムChristophe Willem 、9月29日「Rio/リオ」

Christophe Willem が9月29日にリリースした新しいアルバムは「Rio」。 Willem1983年パリの北郊外Val-d‘Oise県、Enghien-les -Bains生まれのACI。パリ第8大学でコミュニケーション学を専攻していた2006年TVM6のスター誕生番組「Nouvelle Star/新しいスター」の第4シーズンに出場し優勝。Willemの圧倒的なキャラクターに注目したSonyは決勝戦以前に契約。07年4月にリリースしたファーストアルバム「Inventaire/財産目録」は100万枚近く売上げ。その中の「Double je/二重の僕」08年のVdMでオリジナルシャンソン賞を受賞。09年のセカンドアルバム「Caféine/カフェイン」も50万枚近くの売上げ。前作は2014年のParaît-il/~だそうだ」。5枚目となる「Rio」に収められているのは:「Copacabana/コパカバーナ」、「Nous balles perdues/我々の失われたボール」、「Marlon Brando/マーロン・ブラント」、「Rio」、「Madame」、「Sous mes pas/僕の足下に」、「Seul avec toi/君とだけ」、「Vivement qu’on vit/元気の生きる」、「Wonder」など12曲リリースの週チャート8位。

Riohttps://www.youtube.com/watch?v=S2gcjip1zes

No.1495  2017.10.26   

KCN 1495     2017.10.26

最近の話題 3題 お届けいたします。                                             

1.ダニエル・ダリュー Danielle Darrieux、死去                 
2.アンヌ・シルヴェストルAnne Sylvestr、60年のキャリアを祝うコンサート
3.ジャック・ブレルJacques BrelBruxellesに銅像  「L’envol/飛翔 」


1.ダニエル・ダリュー Danielle Darrieux、死去

ダニエル・ダリュー Danielle Darrieuxが2017年10月17日、住んでいたNormandie地方Eure県、Bois-e- Roiで死去、
享年100歳。

Darrieux、本名Danielle Yvonne Marie Antoinette Darrieux、1917年5月1日Bordeaux生まれの俳優、歌手。80年に及ぶ俳優としてのキャリアで150本以上の映画、TVドラマ、劇場劇に出演。1931(14)9月公開Wilhelm Thiele監督で「Le bal舞踏会」に主役のAntoinette役で出演し映画デビュー。映画の中で「Le beau dimanche/素晴らしい日曜日」及び「La chanson de la poup ée/人形の歌」を歌った。その美しい高音が評判になりその後歌手としても活躍。歌手としては:

・1941年Henri Decoin監督「Premier rendez-vous/最初のランデヴー」に孤児Micheline役で出演。映画の中で歌った同名の主題歌は大ヒット。

・1951年Carlo Rim監督「La Maison Bonadieu/ボナデュー家」に出演。「La complainte des infidèles/不実女の嘆き」を歌う。

・1952年「Va, mon ami, va/行けよ我が友」を歌う。

・1959年LPDanielle Darrieux』をリリース。「Le temps du muguet/スズランの季節」、「Ballade irlandaise/アイルランドのバラード」、「Petite fleur/小さな花」など10曲収録。LPは1960年ACC大賞受賞。

・1961年「Garde-moi la dernière danse/ラストダンスは私に」を歌う。

・1963年LPDanielle Darrieux』をリリース。「Pour une amourette/浮いた恋のために」、「La chanson」など10曲収録。

・1964年LPHier c’est toujours aujourd’hui/昨日はいつも今日』をリリース。「Fascination/魅惑のワルツ」、「Quand l’amour meurt/色恋も色あせれば」、「Frou, frou/フル フル」、「La valse bleue/青色のワルツ」など12曲収録。

・1967年Jacques Demy監督の「Les Demoiselles de Rochefort/ロッシュフォールの恋人たち」ではYvonne役で出演し、「Chanson  dYvonne/イヴォンヌの歌」などを歌う。

・1968年LPDanielle Darrieux』をリリース。「Comme au théâtre/お芝居のように」、「Une chanson」など12曲収録。

・1970年NYブロードウェイのMark Hellinger Theatreで上演されたミュージカル「Coco」にCoco Chanel役で出演。

・2002年François Ozon監督「Huit femmes/8人の女たち」では「Il ny a pas damour heureux/幸せな愛はない」を歌う。

・2002年Patrick Bruelのアルバム『Entre-deux』では、「A Paris dans chaque faubourg/パリ祭」をBruelとのデュオで歌う。

・2012年complilationアルバム『Mes succès des années 50/50年代の私のヒット』をリース。

葬儀は1025Bois-e- Roiの教会で行われ、Parisの東郊外Hauts-de- SeineMarnes-la-Coquetteの墓地に埋葬される。

 

Le remier rendez-vous最初のランデヴー」https://www.youtube.com/watch?v=VR52hf-tH-Y

Il n’y a pas d’amour heureux幸せな愛はない」 https://www.youtube.com/watch?v=x1LFDpNEFis

 

 


2.アンヌ・シルヴェストルAnne Sylvestr、60年のキャリアを祝うコンサート
     

Jacques Brel(1929-78)Georges Brassens(1921-1981)Barbara(1930-1997)らと共の活躍したアンヌ・シルヴェストルAnne Sylvestrが60年のキャリアを祝うコンサートを2017年10月6~8日、10日Théâtre du 13e ArtCentre commerciale Italie内、  2、,Av. Italie  Paris13区)で行った。Anne Sylvestre、本名Anne-Marie Beugras1934Lyon生まれ、200曲以上作ったと言われるACIVincent DedienneLa Grande Sophieなどの若手歌手の尊敬を集めている。ソルボンヌで文学を学んだが、歌手になりたくて学業を放棄。57年Cité島にあったキャバレLa Colombeのオーディションに合格し、ギターの弾き語りで歌う歌手としてデビュー。その後Trois BaudetsCheval dorなどで歌う。59年最初のEPを出し、「Mon mari est parti/夫は出て行ってしまった」などが好評で人気に。歌詞の内容とギターの技巧から、62年Jean-Claude Pascalの前座でBobinoに出演した際、Pascalが「Brassens en jupon/スカートをはいたブラッサンス」と呼んだ。62年caudの前座でOlympiaに出演。イェイェ全盛期には多少の雌伏時期もあり、62年長女のために童謡を作ってから子供向けの作品も多く、18枚の童謡のレコードを出している。「それによって経済的には大いに助かったし、その子たちが大人になったとき、私の大人向けの曲に興味を持ってくれる」。80年代からは弾き語りではなくバックミュージシャンの伴奏で歌う。2003年にはそれまでの作品250曲以上を集めた歌詞集「Sur mon chemin de mots/私の言葉の道の行く手に」を出版。2007年の歌手生活50周年コンサートはTrianonで行っている。2008年には、1959年~2007年のスタジオ録音アルバムを網羅したCD15枚の箱入りセットがリリースされた。2012年10月新聞記者でCharles AznavourJean Ferratなどの伝記を書いているDaniel PantchenkoSylvestre自身及びSylvestreの周りの人々、歌手、ジャーナリストなど80人の証言から伝記「Anne Sylvestre, et elle chante encore?/アンヌ・シルヴェストルはまだ歌っている?」を出版。2013年4月22日にリリースされたアルバム「Juste une femme正に一人の女性」には作詞作曲による愛、自由、女性の権利・尊厳をテーマにした、「Malentendu/誤解」、「Violette/ヴィオレット」、「Lhabitant du château/城の住人」、「La letter dadieu/別れの手紙」、「Le ptit sac à dos/小さなリュック」、「Je nai pas dit/私は言っていない」、「Justeunefemme」など10曲が収録されている。2015年8月24日にはAgnès Bihl Paris郊外1974-ACI)と共作で互いのレパートリーをデュオであるいはソロで歌うアルバムを出している。「シャンソンによって、シャンソンのために、シャンソンと共に、シャンソンを通じて生きてきた60年だった」と語り「60 ans de chanson! Déjà?/60年のシャンソン!もう?」のタイトルで行われた今回の記念コンサート、演出はAgbès Bihl

Clémence en vacances/バカンスのクレマンス」1977年 https://www.youtube.com/watch?v=2Ao4jhrMGfY

Aveu告白」2016年 https://www.youtube.com/watch?v=A_LnRjYZBjQ

 


3.ジャック・ブレルJacques BrelBruxellesに銅像
 「L’envol/飛翔 」

Jacques Brelの銅像が10月11日Bruxellesに。
Brel(1929.4.8-1978.10.9 ACI、俳優、演出家、映画監督)はベルギーBruxellesの郊外Schaerbeekの138,Av.Du Diamant生まれる。同地には「Ici est né Jacques Brel/ここでジャック・ブレル誕生」の標識がある。父親の梱包材工場で働いていたBrelは1952年最初のシャンソンを作り、Bruxellesのキャバレ「Rose noire/黒いバラ」などで歌う。1953年2月「La foire/市場」、「Il y a/・・がある」を収めたデモSPを出す。それを聞いたJacques Canettiに呼ばれ1953年6月1日Parisに。  今日までベルギーの首都Bruxellesはこのベルギーが生んだ偉大なアーティストを顕彰する銅像などを持っていなかった。彼のヒット曲に歌われただけのフランスの小さな町Vesoulには胸像があるというのに。しかしこれからはBruxellesの人々にBrelが忘れ去られることはないだろう。2017年10月11日Brelの銅像がBruxellesの中心部Place de la Vieille Halle aux Blesに置かれることになり、除幕式が行われた。「L’envol/飛翔 」と命名された銅像はベルギーの彫刻家Tom Frantzenの作になるもの。マイクの前で大きくて両手を広げて歌っている。像はBrelの次女France Brelが管理するFondation Jacques Brelの正面にあり、そちらの方向を向いている。2005年12月ベルギーのフランス語圏TVRTBFが視聴者を対象に行った「各時代を通して最も偉大なベルギー人」のアンケートでJacques Brelが1位。2位はボードワン国王(ベルギー5代目の国王、1951年-1993年の42年間在位)、3位はダミアン神父(1840年フランドル生まれ、1864年ハワイに渡り、同地のハンセン病患者の支援に尽力)だった。

2018年はBrel没後40年になり、Bruxellesでも多くの記念行事が計画されている。

Bruxelles」 https://www.youtube.com/watch?v=1B_LV0E_pUo

 

 No.1494 2017.10. 19

KCN 1494(Trans   2017.10.19

9月の新譜情報(その1)                                


1.ローラン・ヴルジーLaurent Voulzy、「Belem/ベレム」

Laurent Voulzyの新しいアルバムは2017年9月1日にリリースされた「Belem」。Voulzyは1948年パリ生まれのACI、両親はグアドループ出身。学生時代からバンドを。ギターを手にしてからは作曲家としての才能が芽生えた。Alain Souchonと出会い、コンビを組み数々のヒット曲を出す。77年Souchon作詞、Voulzy作曲&歌の「Rockollection」は60年代のヒット曲9曲の抜粋を巧みに盛り込んだもので600万枚以上の売り上げといわれる。同じく85年の「Belle-Ile-en-Mer/ベリル=アン=メール」は87年VdMでシャンソン賞、2000年のVdMでは80年代のフランス語で歌われた最も優れたシャンソンに選ばれた。定期的にアルバムを出すことはないVoulzy、2011年最新で8枚目のアルバム「Lys and Love」。2014年11月24日には40年コンビを組んでいるSouchonとの待望久しい最初のデュオアルバムAlain Souchon & Laurent Voulzy」をリリ-ス。5つ☆を与えている評価もあり、2015年VdMシャンソンアルバム賞を受賞。Alain Souchon Laurent Voulzyは2015年の「Globes de Cristal/クリスタル・グローブ賞」で男性歌手賞を受賞している。今回のアルバム「Belem」は昔からブラジル音楽に興味を持ち、影響を受けていたVoulzyがサンバやボサノヴァをふんだんに取り入れ、「Rockollection」から40年

経ち「Sambacollection」の趣で作り上げた。収録されている10曲:「Sprit of samba」(Part1、2、3。3部からなり演奏時間都合18分、Souchonの歌詞により、Antono Carlos JobinChico Buarqueらの曲の抜粋が今回も巧みに盛り込まれている)、「Rio/リオ」(大きな思い入れにもかかわらずこれまで訪問したことがなかったブラジルを今回のアルバムのために初めて訪れた感慨を歌っている)、「Timides/内気な子供たち」(Voulzyが若い頃に作曲した曲)、「Tombee du jour sur la plage de Grumai/ゲルマリ海岸の日没」と「Quand le seleil ce couche/太陽が沈む時」(Rio de JaneiroGrumari海岸で録音されており、風の音や波の音が聞こえる)、「Belem」(ブラジル北部の都市「Belem」、Antilles諸島を航行する3本マストの帆船「Belem」号、Lisbonne近郊の「Tour de Belem/ベレムの塔」、それにVoulzyの住居にほど近いOrne県のBellemeの森とを掛けた、Souchonの詩に作曲したもの)など。リリースの週アルバムチャート5位。

Belle-Ile-en-Merhttps://www.youtube.com/watch?v=2EWBeLyAmZs

Sprit of samba」(part 1)https://www.youtube.com/watch?v=WXgQPvaTl4Q

 


2.
ノルウェン・ルロワNolwenn Leroy、「Gemme/宝石」

Nolwenn Leroyの新しいアルバムは2017年9月1日にリリースされた「Gemme」。Leroy1982Bretagne地方Brest近郊生まれのACI。TVTF1のスタ誕番組Star Academyの2002年、第回優勝者。Pascal Obispoらの協力を得た2003年のファーストアルバム「Nolwenn」は70万枚以上、Laurent Voulzyらの協力を得た2005年のセカンドアルバム「Histoires  Naturelles/自然界の物語」も50万枚以上の売上げ。2010年の4枚目のアルバム「Bretonne/ブルターニュ女性」ブルターニュ地方の伝統的な曲、スタンダード曲あるいはケルト文化が生んだ名曲である「Tri MartolodTrois marins/3人の水夫」、「La jument de Michao/ミチャオの雌馬」などをフランス語、ブルトン語、英語、ゲール語でカバー。120万枚以上の売上げ。前回のアルバムは2012年リリースの「O filles de l’eau/おお!水の少女たち」。2017年7月、2008年からのパートナー、テニスプレイヤーArnaud Clement(1977- 2001年全豪シングルス準優勝、2007年全英ダブルス優勝)との間に男児が誕生している。5年振りとなる今回の6枚目のアルバムには11曲が収録されている。「AdeleなどのプロデュースをしたJamie Ellisをプロデューサーに迎え、2ヶ月ロンドン留まり15曲ほどを録音した」。共作も含め全曲Leroyの作曲Eggar Allan Poeの詩に曲を付けた2曲以外は共作も含めLeroyの作詞。11曲は: Gemme「『Gemme:ジェム』は宝石。地下深く、闇の中に眠っていて人が採掘する光り輝く宝石。そして『j’aime:ジェム/私は愛する』と同じ発音。愛するためには闇から出なければだめ。愛は闇に勝つ光。憎しみにも勝つ光」。、「Bien plus precieux/大切以上」、「L’Ankou/ブルターニュ地方で死に神(「Anatole Le Braz1859-1926の『Legende de la mort/死の伝承』に想を得た」)、The Lake」(Edgar Allan Poeの詩に曲を付けた)、「Combat pour la paix/平和のための闘い」(「最近フランスで起こっているいくつかの悲劇的事件にはとても悲しい。闘わなければ、正しいことを守るために、平和のために」。)、「Ce que je suis/あるがままの私」、「Trace ton mchemin」/あなたの進むべき道を示せ」、「A Dream」(Edgar Allan Poeの詩に曲を付けた)「Pourtant/それでも」など。アルバムはリリースの週3位。

La jument de Michaohttps://www.youtube.com/watch?v=5AfMOX_XMQ0

Gemmehttps://www.youtube.com/watch?v=YXPd6_JxwUo

 

3.アンドシヌIndochine、「13」

Indocineのあたらしいアルバムは2017年9月8日にリリースされた「13」。IndochineIndochineは1981年ACINicola Sirkis(1959-)を中心結成されたポップ・ロックグループ、現在は5人で編成されている(最初からのメンバーはSirkisのみ)。1982年に最初のヒット「L‘aventurier/冒険家」を出した。1985年の3枚目のアルバム「3」は80万枚以上のヒット。その後1999年に結成時の主要なメンバーの一人Nicalaの双子の兄弟Stephanを病気で失うなどして低迷が続いた。しかし2002年に出したスタジオ録音アルバム「Paradize」は150万枚以上の売上げ、特にその中に収められシングルカットされた「Jai demande a la lune/月に願った」(作詞作曲ともMickey 3DMickael Furnon)はフランス、ベルギー、スイスでチャートトップの大ヒットになりグループは再び脚光を浴びた。そして2003年のVdMでポップ・ロックアルバム賞を受賞。2005年のアルバム「Alice & June」も45万枚。2009年の「La publique des Météors/メテオルス共和国」は35万枚。2010年6月26日のStade de Franceでのコンサートには8万人の観客を集め、2011年のVdMでは特別賞を受賞した。また、東日本大震災の際には「Un ange a ma table/僕のテーブルに天使が」の日本語ヴァージョンCDを出して(2011年3月18日)日本を支援、12000€を被災者に送った。前作は2013年2月リリースの「Black City Parade」。3年半振りのアルバムで「待たされた時間が長かったが、待った甲斐があったと」の評価もある「13」は13枚目のアルバム、「一人の歌手が13枚のアルバムを出すと言うことは大したことだと思う。いわんやポップ・ロックグループでこれだけのアルバムを出せたことは嬉しいこと」。「50曲あまり作った。そのうち15曲録音した」、アルバムにはメインで13曲、bonusで2曲収録。作詞は1曲を除きSirkis、作曲は主にSirkisと2002年からのメンバーでギター担当のOlivier Gerardの共作。「13枚目のアルバムにふさわしい曲を選んだ。最近の出来事をテーマに曲を作ったのは初めてかも知れない。50曲の最初の曲と最後の曲を作った時点では世の中は大きく変わった。政治の世界でもそうだし、世界中で混乱が、暴力事件が起こった。 1曲の演奏時間は5、6分と長い。最近のラジオ放送などの理由から1曲の演奏時間が短くなる傾向があるが、それに逆らうのも一つの見識だと思う。我々が4分の曲を作り短くしたと思っても、放送では2分30秒しか流されない。だからあまりラジオのことは考えず、好きなようにやる方が良い」。メインの13曲は:「Black Sky」(歌詞はフランス語)、「2033/2033年」、「Henry Darger/ヘンリー・ダーガー」(Henry Darger アメリカ1892-1973 世界最長の物語「In the Realms of the Unreal/非現実の王国で」の作者)、「La vie est belle/人生は美しい」(作曲Mickey 3DMickael Furnon。6月9日に先行して3つの形式、CD、レコード及びカセットテープでシングルリリース。イタリア人映画監督Asia Argentroの制作になるclipは暴力シーン、性的シーンなどのため10歳以下は視聴禁止。人生が楽しいものだとは歌っていない。むしろ1人の男性の誕生、最初の1歩、感動、愚かな行為、苦悩、そして死まで、人生の惨さ、生きることの凄まじさがテーマ。「La vie est belle et cruelle a la fois/人生は美しく同時に残酷」と歌っている)、「Kimono dans l’ambulance/救急車の中のキモノ風衣服」(フランスでのテロ事件の被害者が救急車の中で治療されている状況を歌ったものか。「私は眠り込んでいる。担架に乗せられたのは解っている。周りには3人の人物、彼らは私を治療している。救急車の中キモノ風衣服があちこち動いている・・」)、「Suffragettes BB/婦人参政権推進論者BB」、「Un ete francais/フランスのあるひと夏」(「2017年の大統領選挙では極右の大統領が誕生する可能性もあった」)、「Song for a ream」(「曲は娘がよく聞いているラップ歌手Black Mのヒット曲を作曲しているRenaud Rebilaudとの共作」)、「Gloria」など。bonusは「Trump le monde/世界をトランプする」と「La 13eme vague/13番目の波」。アルバムはリリースの週から2週チャート1位。

2018年2月10日から5月25日までの予定でツアー。2月16、17、18日Paris Bercy AccorHotels Arenaに出演。

J’ai demande a la lune(2010Stade de la France公演https://www.youtube.com/watch?v=LKn7PH-bFQ4

La vie est belle」 https://www.youtube.com/watch?v=MZU_B3f8D-0

 

/

 
No.1493  2017.10.1 

1493      2017.10.1 

最近の話題 2題 お届けいたします。

1.カロジェロCalogero、新しい「Liberté chérie/大切な自由」好評         



Calogero
の新しいアルバムは2017年8月25日にリリースされた「Liberte cherie」。

Calogero
本名Calogero Maurici、は1971Grenoble郊外Echirolles生まれACICaloの愛称で呼ばれている。80、90年代には兄、友人と組んだトリオバンド「Les charts」で活躍。その後ソロ活動。2002年のアルバム「Calogero」でVdM男性歌手賞受賞。04年のアルバム「3」はPassiとのデュオによるヒット曲「Face à la mer/海に顔を向けて」などを収めミリオンセラーになり、父親と別れた子供を歌った「Si seulement je pouvais lui manquer/僕がいなくて彼が寂しがってくれたら、それだけでいい」でVMシャンソン賞を受賞。その後07年アルバム「Pomme C」、09年「L’Embellie/美しくなった人」をリリース。12年にはStanislasPhilippe Uminskiらとグループ「Circus」を結成。その後、ソロ活動を復活させ、2014月には80万枚売り上げたと言われるアルバム「Les feux d’artifice/花火」をリリース。そこに収録されていたUn jour au mauvais endroit/ある日、不幸な場所で」はCaloの生地で起こった若者同士の乱闘により2人が死亡した事件をテーマにした曲で、2015年VMシャンソン賞を受賞している。2017年7月14日Niceで行われたテロ犠牲者追悼式に参加(№1488)。

今回のアルバム「Liberte cherie」はCalo18年のキャリアで7枚目のアルバムで、Les Beatlesなどの本拠スタジオLondresAbbey Roadで録音された。「Les Beatlesは僕にとっては師。自分の能力の範囲で彼らの後継者になりたいと思う。このスタジオで録音することは音楽を始めた頃からの夢だった。僕だけではなく全てのミュージシャンの夢だろう。僕は録音のない時もスタジオの中をあちこち歩いた。スタジオはLes Beatles当時とほとんど変わっていない。彼らがどんな風に録音したが想像した。そして聞こえてくる音の波の中に身を沈めた」。リリースの週から3週アルバムチャート1位。アルバムにつてCaloは「前作は社会問題に関わった曲が多かったが、今回は人生をより肯定的に見た、踊りたくなるような、聞く人が楽しくなるような曲を収めた」。収められているは:「Voler de nuit/夜間に飛ぶこと」(アルバムの最初の曲、Paul Ecole作詞/Calorego作曲。「Le Petit Prince/星の王子様」の作者Antoine de St.-Exupéryへのオマージュであり、平和をテーマにしている。St.-Exupéryには「Vol de nuit/夜間飛行」という作品がある)、「Liberte cherie」、「Fondamental/基本的なもの」(詳細下記)、「Je joue de la musique/僕は音楽を演奏する」、「On se sait par cœur/暗記している」、「1987/1987年」(「Les charts」を結成した年で16歳だった。学校生活になじめず、配管工の見習いをしていた)、「A perte de vue/見渡す限り」、「Comment font-ils ?/彼らはどうしている?」、「Le velo d’hiver」(アルバム最後の曲。「Vélo d’hiverVélodrome d’Hiver/冬季自転車競技場」は1909年にParis 15区に建設され、1959年に解体された。自転車競技場として以外にも、ボクシング会場、ミュージックホールなどとしても利用された。また、第2次世界大戦時ドイツの占領下にあったフランスで1942年7月16日から行われたユダヤ人の大量検挙により検挙された13000人以上のユダヤ人が収容された。この曲ではCaloはこの競技場になって「私はVélo d’hiverと呼ばれていた。ボクシングが行われ、Edith Piafが歌い、アコーデオニストのYvette Homerが演奏した」と歌い、また、大量検挙の犠牲者へレクイエムを捧げている)など13曲が収録されている。

収録されている上記の曲のうち「Fondamental/基本的なもの」はPaule Ecole作詞/Calogero他作曲。「Fondamentalは我々の思い出の中にあり、我々が拠り所としている何か、あるいは未来を作り上げるために我々を助けてくれる何か。Alain Souchonのシャンソン、サッカーチームSaint-Etienneの快挙(1960年代に1部リーグ4連覇)、Louis de Funèsの映画、それら全てが我々の力になっている」。Clip officielClaude Lelouch(1937-映画監督・製作者、脚本家)の制作による。Lelouchは「Un homme et une femme/男と女」(1966年)、「Les Uns et les Autres/愛と哀しみのボレロ」(1981年)などの監督として知られているが、1960年代にはJohnny HallydaySylvie VartanHrançoise HardyDalidaらの初期のclipを制作している。白い花束を持って母親を訪ねたCaloが家の中を回って、Michel PlatiniZinedine Zidaneの写真、Les Beatlesのレコード、Hichcockのポスター、過去の写真などを見つける。それらはCaloにとってはそれぞれ意味のあるものであり、心の奥底の隠れているが、正にCaloFondamentalを形成しているもの。

Fondamentalclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=wOLUaLDYuHM

・・我々の頭から離れないSouchonの曲、とくっりのセーター、新学期、鉛筆入れの匂い、Saint-Etienneの古いポスター、「友だちでいよう」と言った言葉、そんなものすべてが我々の思い出。岩によじ登った我々は大きな建造物のようだった。リンゴタルトの良い匂い、怖かった古い廊下、好きだった女学生、小学校時代の写真を見れば直ぐに思い出す名前、そんなものすべてが我々の思い出。心の奥底に隠れているけれど、誰でも皆それらを自分の基本として持っている・・

 

2.シルヴィー・ヴァルタンSylvie VartanParis Olympiaに出演          

Sylvie Vartanが2017年9月15、16日Paris Olympiaに出演した。

Vartan
は1944年8月15日ブルガリア、ソフィア近郊生まれの歌手、俳優。一家は1952年12月フランスに移住。歌手としてのデビューは1961年春。音楽プロデューサーだった兄のEddieに懇願されドタキャンした歌手の代役でFrankie Jordanとのデュオで歌った「Panne d’essence/ガス欠/邦題:恋のハプニング」が大ヒットし一躍若者たちのアイドルに。55年のキャリアで1200曲以上を9カ国語(仏、英、西、伊、日、ブルガリア語など)で録音、最新の2015年11月リリースの「Une vie en musique/音楽による人生」まで63枚(Site officiel)のアルバムをリリース。レコード売上げ4000万枚以上、2500回以上のツアー、2000回以上雑誌の表紙を飾っている。Vartanは1965年の初来日から2014年まで公演やイヴェント出席のためすでに20回近く来日している。 Olympiaには:1961年12月11日Gilbert Becaudの前座で初出演、Jordanと「Panne d’eesence」などを歌った。1964年にはTrini LopezThe Beatlesと共演。前回の出演は2015年4月(今回は15回目のOlympia出演との報道もある)。

Résultat de recherche d'images pour "sylvie vartan olympia 2017"

 今回の公演のポスターに用いられた写真は、60年代からスターのポートレートを撮り続けているJean-Marie Perierが撮影したもの。目を閉じているVartanが持っているのは1963年6月「Arenes d’Orange」に出演した際の写真、「この頃はまだ歌手になる気はなかった。俳優になりたかった。だからまさか今まで歌っているなんて予想もしていなかった」。Vartanが目を閉じているのは、Perierによれば「Sylvieの年齢とキャリアを考えれば、もう観客席を見る必要はない。観客が何を望んでいるか目で見る必要はない。彼女は目を閉じている。そして若い頃を思い出している」。

9月15日、Olympiaには2000人の観客が。観客の中にはVartanを家族の一員のように「Sylvie」を呼んでいる半世紀以上にわたるファンも多い。20時40分Olympiaのスクリーンに1960年代のVartanの画像や映像が写された。OlympiaでのThe BeatlesMick Jagger、婚約者であったJohnny Hallydayとの共演場面なども。そして9人の伴奏のバンド、3人のコーラスが「Si je chante/私が歌うのは/邦題:恋のショック」を演奏し出す。LanvinOlivier Lapidusデザインの襟が赤で縁取られた白いスモーキングで微笑みを浮かべてステージへ、Vartanは「これから歌うのは音楽がまだ陽気で、軽快だった頃の心に残る曲」と語り、1部では主に60年代のヒットでを歌い、最初の曲は「Quand tu es la/あなたがそこにいる時」。次いで、「C’est bon de vous voir/あなたに会うのは幸せなこと」(「今晩こうして皆様にお目にかかることが出来本当に嬉しい」と語って)、「Love has laid its hands on me」、「En ecoutant la pluie/雨音を聞きながら/邦題:悲しき雨音」、「Goona Cry」、「La plus belle pour aller danser/ダンスに行くのに一番きれいに/邦題:アイドルを探せ」、「Dis lui qu’il revienne/彼に戻ってきてと言って」、「Par amour par pitie/愛情から、同情から」、「Comme un garcon/男の子のように」(イタリア語でも歌う)、「Da dou ron ron/ ダ ドウ ロン ロン」など。

30分の休憩後第2部。初めにはは70年代以降のVartanの映像が流され、今度は、これもLapidusデザインの黒のスモーキングで登場したVartan。歌ったのは60年代から最近までのヒット曲。最初の曲は「Danse ta vie/あなたの人生を踊れ」。次いで「Qu’est ce qui fait pleurer les blondes/ブロンド娘を泣かせたのは誰/邦題:そよ風のブロンド」、「L’amour c’est comme une cigarette/愛はタバコのよう/邦題:愛はジタンのかおり」、「Je n’aime encore que toi/私が愛しているのはあなただけ」、「Je chante le blues/私はブルースを歌う」(Nicolas Sarkozy元大統領と共にbalcon席に来場していたCarla Bruniに2009年に提供された曲)。最後の4曲は「La Maitza/ラ マリッツア」(観客は立ち上がって一緒にラ ラ ラと)、「Nicolas/ニコラ、邦題:初恋のニコラ」(元大統領に捧げられたものか)、「I don’t want the night to end」、そして「さよならを言うのは好きじゃない。私は今を大切にして、将来を夢みている」と語り、2013年の「Cheveux au vent/髪を風になびかせて」。歌い終わったのは23時40分。3時間にわたるコンサートで歌った曲は38曲と多かった。それでも「2 minutes 35 de bonheur/幸せの2分35秒」や「Irresistiblement/抵抗できない/(邦題)あなたのとり」が歌われなかったこと不満の観客も。今回のステージでは今までよりも踊る場面、動き回る場面は少なかったが、それだけに一層声の力強さは印象的だった。この日はSarkozy夫妻の他、子息のDavid Hallyday、歌手ではJean-Jacques DeboutChantal Goya夫妻、Didier BarbelivienNicolettaEtienne Dahoなどの顔が見えた。

オープニング https://www.youtube.com/watch?v=OFaBnbdi0yA

「La Maritza」 https://www.youtube.com/watch?v=fWMo2A1dzYw

 

 

 

 
Nno.1492  2017.9.10 

No.1492     2017.9.10

最近の話題 3題                                              

.シェイラSheilaParis Alhambraに出演   
.シャルル・アズナヴールCharles Aznavour、ハリウッドの「Walk of Fame」に星が飾られる
.マルセル・アモンMarcel Amont、88歳現役歌手 思い出のliveCDリリース En public 22 succès



1.シェイラSheilaParis Alhambraに出演    
  ※シェイラにつきましては、10月1日のサロン・ド・シャンソンで映像と解説でご紹介いたします。
   お申込みは、左記
 
サロン・ド・シャンソンのページからどうぞ。

Résultat de recherche d'images pour "sheila a l'alhambra"
Sheila20171617ParisAlhambra(21,rue Yves-Toudic 10に出演した。Sheila本名Annie Chancel、1945年8月16日Paris郊外 Creteil 生まれの歌手。1960年代にイェイェ歌手としてデビュー、1963年の「L’école est finie/学校は終わった」が最初のヒット。70年代後半にはディスコ歌手として「Singin’ in the rain」などを歌い国外でも人気に。2000年代に入ってもステージに立って3世代に渡る多くのファンを集めている。Sheilaは現在までに600曲以上を録音、8500万枚以上のレコードを売上げている。 Sheilaは今年7月7日、唯一の子供である男児、1975年生まれのLudovic Chancelを薬物の過剰摂取により失っている。Ludovicの父親は1973年結婚し、79年に離婚したRingo(1947.5.11-ACI)。 5月に発売されたチケットは1日で完売。Ludovicの悲劇がありコンサートが予定通り行われるか不安視されたが、「歌は私の生きる意義。観客の前で歌うことは私にとって大切なこと」。

SheilaParis登場は2012年9月3夜Olympiaに出演して以来。今回の初日の8月16日はSheilaの72歳の誕生日に当たる。開場時刻2時間前から50代、60代、あるいはより高齢のファンが列を作って入場を待ち、600席を埋めた。

ノルマンディー出身の若手ミュージシャンのバンドH-Taagのイントロで、黒地に白いストライブの入ったパンタロン、白いシャツに黒いヴェストで登場したSheila、最初に歌ったのは1978年のヒット「Kennedy Airport」。伴奏のギターが最初の音を鳴らした途端に観客は立ち上がった。それがSheilaに気力と勇気を与えたよう。「今夜私はどうしても歌いたかった。特別な状況の下ですが。その状況について、私がお話しすることはないでしょう。私は歌いたかった、こうしてお出でいただいている皆さんの前で。それが私を立ち直らせてくれるでしょうから」。

数曲歌った時点で観客は「Bon anniversaire !/ハッピー バースデイ」と歌い出したが「AttendezPlus tard, plus tard/ちょっと待って。もう少し後で」。休憩なしの90分のステージ、メドレーで歌った曲を含め23曲。最初の方では「Je suis comme toi/私はあなたのよう」、「Partir/出発する」など80年代の曲を中心に。観客はより古い曲、60年代の曲を待っていると知っているSheila、メドレーで歌ったのは「Le folklore americaine/アメリカの民謡」、「L’heure de la sortie/外出の時間」、「Oncle Jo/ジョー伯父」など60年代のヒット曲。これらは観客もよく知っていて、Sheilaと一緒に歌った。というよりSheilaは歌う必要はなく観客のためにマイクをタクト代わりに振るだけ。他に「Le tam tam du vent/風のタムタム」(02年)、「Le film à l’envers/逆さまな映画」(02)更に2012年リリースの最新アルバム「Solide/堅実な」から「Pour sauver l’amour/愛を救うために」などを歌い、アンコール。最初の曲は「Rois Mages/東方の3博士」。その後観客は「Bon anniversaire」の大合唱。

最後に歌った曲は「Aimer avant de mourir/死の前に愛する」でバックを務めていたH-TaagのヴォーカルRalph Adamとデュオで。「真実、それは死の前に愛すること。この世に存在するためには死の前に愛さなければならない」と歌うこの曲は1975年SheilaLudovicを妊娠中に録音されたもの。ステージでLudovicについて語ることはなかったが、涙を浮かべて。この夜のコンサートはお祝いの雰囲気と痛みを共通にしようと言う雰囲気に溢れたもの。歌い終わった後の観客のスタンディングオベーションは10分以上続いた。

Kennedy Airport」2017年8月16日 https://www.youtube.com/watch?v=TK_zroJkJFo

Aimer avant de mourir」 197527日 https://www.youtube.com/watch?v=nG6iDfcfBrY

Aimer avant de mourir」2017年8月18日 https://www.youtube.com/watch?v=6FrmiDstwpY

 

2.シャルル・アズナヴールCharles Aznavour、ハリウッドの「Walk of Fame」に星が飾られる

Résultat de recherche d'images pour "charles aznavour walk of fame"授与式の模様 https://www.youtube.com/watch?v=HqivvShUFmA

Charles AznavourParis 1924-ACI)の名が入った星形メダルが8月24日カリフォルニア、ハリウッドの「Walk  of FameLa Promenade de la celebrite/名声の歩道」に埋め込まれた。「Walk  of Fame」ハリウッドの大通りで有名スターの名前が入った星形のメダルが埋め込まれている。星を獲得した者は「Walk  of Fame」を管理している「Hollywood Historic Trust」に3万ドルを支払うことのなっておりにオープニングセレモニーには本人が出席することになっている。 Aznavourの星は「Walk  of Fame」に埋め込まれた2618個目のétoilestar/星。Aznavourは、1300曲以上歌い、1億8000万枚以上のレコードを売り上げている、また60本以上の映画に出演、その中にはVolker Schlondorff監督の「La Tambour/ブリキの太鼓」(Oscarの外国映画賞)、François Truffaut監督の「Tirez sur le pianiste/ピアニストを撃て」、Atom Egoyan監督の「Ararat/アララトの聖母」など。Aznavourは94ヵ国でコンサートを行っている。最初のアメリカでのコンサートは1963年。1998年CNNTimeが行ったアンケートで「20世紀の最も偉大な歌手」に選ばれている。Aznavourの星はHollywood通り6225番、Little Armenia地区のそばに埋め込まれた。埋め込みの式でAznavourは「私はフランス人でアルメニア人。この二つはコーヒーとミルクのように分離しがたいもの。二つの文化を持つと言うことが素晴らしいこと」と英語で挨拶。集まった200人余りの観衆、多くはフランス人、アルメニア人、から「Bravos!」、「Vive la France!/フランス万歳」の声が。Aznavourは続けて「フランス語は仕事で使う言語。家庭内ではアルメニア語で話している。今や私は多少カリフォルニアに縁が出来た。娘のうちの一人と孫たちが住んでいるから」。フランス人またはフランス出身のアーティストではすでに20人の星が「Walk  of Fame」に埋め込まれている。それらは俳優Leslie CaronLouis JourdanMaurice ChevalierMichèle Morgan、映画監督Jean Renoirなど。Aznavourは21人目。

現在93歳のAznavour、精力的に活動を続けており、12月13日Paris BercyAccorHotels Arenaに出演(これがこのホール最初の登場)した後、2018年1月20日のLyonから始まり、23日Marseille、27日Bordeaux、30日Toulouse、2月3日Nantes、6日Lilleの6公演の小ツアーを予定している。

 

 

3.マルセル・アモンMarcel Amont88歳現役歌手 思い出のliveCDリリース En public 22 succès

Marcel Amontが1958年Olympiaに出演した際及び1962年Bobinoに出演した際に歌った曲を収録したCDEn public 22 succès/ライヴ ヒット22曲」が2017年8月18日リリースされた。Amont1929年4月1日 Bordeaux生まれ、現在88歳、歌手(作詞・作曲も行う)、俳優、。地元で演劇を学び、バンドの歌手などをやり、1950年Parisに出てキャバレなどで歌う。

1954Deauvilleシャンソンコンクールで「Le pigeon voyageur伝書鳩」を歌い「Le prix d’interprétation歌唱賞」を受賞

1956年Edith Piaf(1915-63)の前座としてOlympiaに出演、また同年公開の映画「La mariée est trop belle美しすぎる花嫁で映画初出演、BB(1934-)らと共演している。「Escamillo/エスカミロ」(56年)、「Bleu, blanc, blond/ブルー・ブラン・ブロン」(59年)、「Les bleuets d’azur/空色の矢車菊」(60年)、「Un Mexicain/メキシコ人」(62年)、「C’est aujourd’hui dimanche/今日は日曜日」(71年)、「Le chapeau de Mireille/ミレイユの帽子」(74年)などのヒットを持つ。また、「上を向いて歩こう」を「Sous une pluie d’étoiles/星の雨の下で」のタイトルで歌い(63年)、63年及び71年には来日している。 80年代に入って「démodé/時代遅れ」と考えられ、停滞期を過ごした後、2006年アルバム「Décalage horaire/時差」でカムバック。2007年1月23年振りにOlympia に出演、2009年10月ParisのLa Grande Comédie de Parisで80歳の誕生日を祝い、2012年11月25日Paris Alhambraでキャリア60周年を祝っている。2014年9月50曲収録「Best of Marcel Amont」をリリース。 Amontは60年代にデビューした歌手を中心としたユニット「Age tendret têtes de bois」の主要なメンバーで、最近でも2016年11月から2017年2月まで行われた「Age tendre, la tournée des idoles」に参加している。

Amontは1958年1月Olympia出演、その模様は同年11月にリリースされたliveLPMarcel Amont à l’Olympia」に収められている。9曲収録されていてこのLPは59年ACC賞を受けている。今回のEn public 22 succèsはその9曲が収められている。それらは、「Le menuet de la reine/女王のメニュエット」、「Viens/お出で」、「Sur la table/テーブルの上には」、「Escamillo/エスカミロ」、「Le crieur de journaux/新聞売り」、「Barcarolle auvergnat/オーブルニュのバルカロール」など。Amontは62年には初のワンマンシューをBobinoで100日間に渡って行った。その模様は63年にリリースされたliveLPRécital 1962」に13曲収められている。今回のEn public 22 succès」はその13曲も収められている。それらは、「J’ai trové du boulot/僕は仕事を見つけた」、「Le balayeur du roi/王様の清掃人」、「Pigalle, Pigalle/ピガール、ピガール」、「Chanson d’avril/4月の歌」、「Le monsieur qui volait/空を飛ぶ紳士」、「Le jazz et la java/ジャズとジャヴァ」、「Un Mexicain」など。

Escamillo」(1956年Georges Coulonges作詞/Christian Roi作曲)

1965.11.11TV番組で https://www.youtube.com/watch?v=aHSNrMKfXUs

 
No.1491  2017.9.10 
No. 1491 /    2017.8.27

注目の新人歌手 シンデレラ物語

ゴーヴァン・セルスGauvain  Sers、ファーストアルバム「Pourvu/・・ならいいんだけれど」好評           



Gauvain Sers
が2017年6月9日にリリースしたファーストアルバム「Pourvu」は好評で、リリースの週及び次週アルバムチャートのトップ、8月に入っても15位以内を保っている。

Sersは1989年10月30日フランス中部Haute-VienneLimogesで生まれ、CreuseDun-le-Palestelで育ったACI.。音楽好きの父親の影響でJean FerratRenaud、、Alain SouchonAllain Leprestらの曲を聞いて育つ。「2000年代初めに若者がこれらの歌手の曲を聞いているというのはちょっと変わっていたかも。これらのACIの歌詞の言葉の精密さ、それを歌う時の真摯さに心を打たれた」。bac取得後、Toulouseの国立高等技術者学校在学中にギターを弾きながら音楽作りを始め、2009年Toulouseの野外劇場で最初のステージに立つ。その数ヶ月後にはLimousinのコンクールで選ばれてEspace Culturel Yves Furet de La Souterraineにギャラを得て出演。2011年Canada Montréalで1学期を過ごし、その間にギターの腕を磨き、曲作りも行った。卒業と同時に音楽で身を立てることを決意、ParisManufacture Chansonで作曲と作詞を学び、Parisのバーなどで自作を歌う。「ギャラはなく、歌い終わった後帽子を持って回った」。歌っているうちに「CDはないのか?」と聞かれるので、2013年には5曲収録のEPを自主制作。そして、2016年秋Sersのシンデレラ物語が始まる。

2016年10月8日Renaudから電話があり、「君がやっていることにとても興味がある。今度の僕のツアーの第1部で歌ってくれないか?」その3日後の11日には伴奏ギタリストのMartial BortParis Zénithの舞台に立ってRenaudの前座を務めていた。「Renaud自身がステージに出る私を紹介してくれた」。会場によっては、Renaudは「皆さんに若い歌手Gauvain Sersを紹介します。Serscasquette/ハンチング帽をかぶっています。それが彼に幸運をもたらすことを願っています。私はデビュー当時casquetteをかぶっていましたが、それが私に幸運をもたらしてくれたように。彼の歌をよく聞いて下さい。そして名前を覚えていて下さい。彼はきっと大スターになるでしょうから」と紹介したことも。SersのトレードマークはRenaudが紹介したようにcasquette。正にRenaudが1975年最初のヒット「Amoureux de Paname」でかぶっていたように。「Paris Zénithでは5日間ステージに立った。この間に観客は私の歌も覚えてくれた。感激だった」。その後ロンドンも含めRenaudの「Phénix Tour/フェニックスツアー」の75回のコンサートで第1部に出演。ツアーの間「僕は列車での移動だったので時間があり多くの曲を作った」。その後もRenaudの推薦でRenaudTV、ラジオ出演で共演した。特に、2016年12月17日にはTVFrance 2のRenaud特番「Merci Renaud」ではJulien ClercPatrick BruelBénabarらに伍して主要なゲストとして出演。  アルバムには: 「Pourvu」、「Dans la bagnole de mon père/父の車で」、「Dans mes poches/僕のポケットの中」、「Un clodo sur toute la ligne/完璧なホームレス」、「Le ventre du bus 96/96号線バスの中で」、「Quand elle apelle sa mère/彼女が自分の母を呼ぶとき」、「Sur ton tracteur/君のトラクターの上で」、「Entre République et Nation/レピュブリック広場とナシオン広場の間で」、「Comme chez Leprest/ルプレストの歌のように」、「Comme si c’était hier/昨日のように」、「Mon fils est parti au Djihad/息子はジハードに行ってしまった」(Veseol出身の若者Pierre Chouletがイスラミックステートに洗脳され 2005年イラクで自爆テロを起こす物語。「Renaudが『こんな曲を作りたかった。ステージで歌うように』と言ってくれた。Renau自身も『Manhattan-Kaboul』を書いている。そして『これからもこんな曲を書き続けるように』とも」など14曲。

Sersは10月3日Paris La Cigaleに出演。

 

Pourvu」 https://www.youtube.com/watch?v=C3t_sIn7pp8

・・彼女が僕のセーターに書かれている文字をおかしいと思わないでくれたらいいんだけれど。僕のハンチングが年寄り臭いと思っていないといいんだけれど。僕がもたもた話した時二人の間に沈黙が生じないといいんだけれど。彼女に僕の名がGauvainだと言ったら、次の電車に乗って行ってしまわないといいんだけれど。「Le dîner de cons/間抜けたちの晩餐会:(邦題)奇人たちの晩餐会」(1998年公開のコメディー映画)を話題にしても僕をcon/間抜けだと思わないといいんだけれど。彼女が「Coke en stock/(邦題)紅海のサメ」(漫画「タンタンの冒険」の中の一話)を知っていてHaddock船長が話すののしりの言葉を知っていると良いんだけれど。ユーモアのセンスがあると、化粧が濃すぎないと、牡蛎を食べても大丈夫代だと、Michelinの地図を読めるといいんだけれど。本を貸し合ったり出来たらいいんだけれど。彼女が僕の友だちに話しかけ、僕の友だちが彼女の友だちになったらいいんだけれど。彼女の父親がDonald Trumpに似てないといいんだけれど、これは本当に願っている。(AlainLerestが誰だか知っているといいんだけれど。スカーフを巻いているといいんだけれど、彼女が去って行ってしまう前にその匂いをかげるように。彼女が涙もろいと、映画好きだといいんだけれど。子供が沢山欲しいと望んだら、彼女が毎朝、映画「Amelie Poulain/アメリ」のテーマ音楽をピアノで弾いてくれたらいいんだけれど。彼女はGérard Darmon(1948-俳優・歌手)の声が好きだけど、同じようにこのシャンソンを気に入ってくれたいいんだけれど・・

 

Mon fils est parti au Djihadhttps://www.youtube.com/watch?v=Zz3JZfToNcM

・・他の子と変わらない子供だった。話すのは辛いことだけれど、全ての責任には私にある。何故私は気付かなかったんだろう。彼が言ったことを思い返している、彼が私には隠していたことを。 彼は何時間もPCを見ていた、そこで彼らは彼を見つけたんだ。私は何も見なかった。そのことが私を苦しめる。息子はジハードに行ってしまった。 彼は普通の青年だった。むしろ控えめで大人しい、サッカー好きの。教育者になることを夢みていた。迷える子羊を嗅ぎつけた扇動者に洗脳される前は。息子はジハードに行ってしまった。  彼はごく普通の若者だった、Vesoul近郊で大きくなった。そして突然改宗して、新しい名を持った。そんなことは母親の誰にも起こらないように願っていた。それは地獄への片道切符なんだから。彼がやったことが信じられなかった。彼がそのままにしていったベッドを整える気になれない。病気の子供たちを助けようと、息子はジハードに行ってしまった。彼はタバコを吸い始める年齢だった。私の人生は止まってしまった。封筒にこう書いてあるのを見た時、「ママ、心配しないで。僕はシリアの子供たちを助けに行きます。直ぐに手紙を書きます。ママ、愛しています」。その後は何もなかった。何の知らせも。息子はジハードに行ってしまった。  この銃を持っている若者、それは彼ではない、私のPierrotではない。彼は血を見るのを怖がるような子供だったのに。彼は無垢な人たちを殺した。彼らはkamikaze行動を行った。彼はBagdadで自爆した。息子はジハードに行ってしまった。彼はBagdadで自爆した・・

 No.1490 2018..8.27 

No. 1490 /      2017.8.20

アラン・スーションAlain Souchonへのオマージュアルバム リリース


Alain Souchon
へのオマージュアルバム「Souchon dans l’airr/歌の中のスーション」 が6月16日リリースされた。
Souchonは1944年5月27日モロッコのカサブランカ生まれ、
生後ヶ月でParisに。1960年代後半からACIとして活動、73年のL’amour 1830/1830年の愛」が最初のヒット。74年から作曲を担当するLaurent Voulzyとのコンビ数々のヒットを世に出し、シャンソンフランセーズを代表する歌手に。5000万枚以上のレコード売上げ。VdMでは9個のvictoiresを受けている。Souchon dans l’air」はSouchonのヒット曲を、Souchonからさまざまな影響を受けている14人の歌手がカバーしたもの。歌手の選定にも、曲の選定にも多様さが現れている。収められている14曲及び歌っている歌手は:

・「Foule sentimentale/センチメンタルな大衆」(1993年Alain Souchon作詞/Alain Souchon作曲)

歌っているのは:Chilly GonzalesCanada,Montreal 1972- 歌手、作曲家、ピアニスト)

・「Quand je serai KO/ぼくがKOされたら」(1988年 SouchonSouchon

歌っているのは:Mathieu Boogaerts(1970- ACI

・「Le baiser/キス」(1999年 SouchonSouchon) Souchon https://www.youtube.com/watch?v=UsS833nH814

歌っているのは:Vanessa Paradis(1972-歌手、俳優) https://www.youtube.com/watch?v=PeGYyWaLtAE

ParadisLes Enfoirésで度々Souchonのヒットをカバー、あるいはSouchonとのデュオなどで歌っている(1994年「Foule sentimentale」をSouchonVoulzytrioで、96年「Les filles éléctriques」をデュオで、98年「Quand je serai KO」をソロでなど)、また、2006年Paris Grand Rexで公演されたミュージカルコント「Soldat Rose/ピンクの兵士」で共演している。

・「J’ai dix ans/僕は10歳」(1974年SouchonLaurent Voulzy

歌っているのは:Arthur H(本名Arthur Higelin 1966-ACI

・「La ballade de Jim/ジムのバラード」(1985年 SouchonVoulzy

歌っているのは:(Izia 本名Izia Higelin 1990- ACI

・「Y’a d’la rumba dans l’air/空気の中にルンバがある」(1977年 SouchonVoulzy

歌っているのは:Philippe Katerine(1968-ACI、俳優)

・「La vie ne vaut rien/人生は何の価値もない」(2002年 SouchonSouchon

   Souchon (clip ooficiel) https://www.youtube.com/watch?v=dArB8G_Y1kM

歌っているのは:Benjamin Bilray(1973-ACI、プロデューサー) https://www.youtube.com/watch?v=nj065PiIbzc

このカバーについて、Biolay Souchonの世界を自分の世界で歌っていて素晴らしい出来になっているという評価もある。Biolayは6月15日TrianonでのAlcalineコンサート(TVFranve 2の歌謡番組)に出演した際、Souchonをゲストに招き「La vie ne vaut rien」をデュオで歌っている。https://www.youtube.com/watch?v=nj8No7-LEew

・「Ultra moderne solitude超近代的孤独」(1988年 SouchonVoulzy

歌っているのはJuliette Armanet(1984- ACI

・「Et si en plus y’a personneそしてもし誰もいないなら」(2005SouchonVoulzy

歌っているのは:Jean-Louis Aubert(1955-ACI、ギタリスト、プロデューサー)

・「Sous les jupes des filles/女の子たちのスカートの下」(1993年 SouchonSouchon

歌っているのは:M(本名Mattieu Chedid 1971-ACI

・「Poulailler’s  Song/小屋の中の鶏の歌」(1977年 SouchonVoulzy

歌っているのは:Oximo PuccinoMali1974-ラップ系ACI

・「Rame/櫂」(1980年 SouchonVoulzy

歌っているのは:Jeanne Cherhal(1978-ACI

・「Bidon/いんちき」(1976年 SohchonVoulzy

歌っているのは:Tété(本名Niang Mahmoud Tété, Dakar1975-歌手)

・「Allo maman bobo/もしもしお母さん辛いよー」(1997年 SouchonVoulzy

歌っているのは:BrigitteSylvie HoarauAurélie Saadeが2008年に結成した女性デュオ) 

 

 
No.1489  2017.8.07 

No. 1489        2017.8.07

ジャンヌ・モロー Jeanne Moreau、死去                      


Jeanne Moreau
が2017年7月31日Paris 8区 rue du Faubourg  Saint-Honoréの自宅で老衰のため死去。1928年1月23日Paris生まれ、享年89歳。Moreauは「Ascenseur pour l’échafaud/死刑台のエレヴェーター」、「Moderato cantabile/雨のしのび逢い」、「Jules et Jim/(原題)ジュールとジム、(邦題)突然炎のごとく」、「Viva Maria!/ビバ マリア」など130本以上の映画に出演した映画・舞台俳優。また独特の、多少嗄れた声で歌う歌手としても知られていて、1953年Antoine劇場で上演された「L’heure éblouissanteまばゆい時間」に出演した際に歌った「L’amour s’en vient, l’amour s’en va愛は訪れ、愛は去って行く」及び「J’ai choisi de rire/私は笑うことを選んだ」を収録したSPを出している。Moreauが歌手として注目されたのは1962年フランス公開François Truffaut監督の「Jules et Jim」でCatherineを演じ、劇中で「Le tourbillon/つむじ風」(Cyrus Bassiak作詞/Georges Delerue作曲)を歌ってから。この曲は1962年映画のサウンドトラックとしてEPに収録されリリースされた。その後Jacques CanettiPolydor社とPhilips社のアートディレクター、プロデューサー)の勧めなどによりアルバムをリリース。Moreaudiscographieは次の通り:

1963年ファーストアルバム「Chante 12 chanson de Cyrus Bassiak/シリュス・バシアクの12曲を歌う」(Cyrus BassiakSerge Rezvani(1928- 画家、作家)が作詞をする時に用いる偽名で150曲以上作っている) 収められているのは:「J’ai la mémoire qui flanche/途切れる思い出」、「La vie de cocagne/極楽生活」、「Ni trop tôt, ni trop tard/早過ぎもせず、遅過ぎもせず」、「Rien n’arrive plus/もう何も起こらない」など。

1966年「Chante 12 nouvelles chansons de Cyrus Bassiak/シリュス・バシアクの新曲12曲を歌う」収められているのは:「Jamais je ne t’ai dit que je t’aimerai toujours/私は永遠にあなたを愛すとは言わなかった」、「J’avais un ami/私には一人の友がいた」、「Des mots de rien/何でもない言葉」など

1967年「Les chansons de Clarisse/聖クララ会修道女のシャンソン」(Elsa Trioletの原詩にEugene Guillevecが脚色した歌詩にPhilippe-Gérardが曲を付けた17曲)収められているのは:「Aimer/愛すること」、「J’ai l’air de plaisanter/冗談の振りをする」、「La tricoteuse/編む女」など

1969年「Jeanne chante Jeanne/ジャンヌ、ジャンヌを歌う」(Jeanne Moreau自身の詩にJacques DatinAntoine Duhamelが曲を付けた12曲) 収められているのは:「La célébrité-la pubricité/名声-広告」、「Quelle histoire/何という話」、「L’enfant que j’étais/私はこんな子供だった」など

1981年「Chante Norge/ノルジュを歌う」(ベルギー出身の詩人Norge、本名Georges Moginの詩にPhilippe-Gérardが曲を付けた22曲) 収められているのは:「Le tueur et la tuée/殺人者と殺された女」、「Chanson à tuer/殺すためのシャンソン」、「Le petit non/ちょっとしたノン」など

2002年12月コンピレーションアルバムJeanne Moreau chansons過去の代表曲46曲をCD3枚に収録)収められているのは:「Le tourbillon」、Ah, les p’tites femmes de Paris/パリから来た女たち映画「Viva Maria」でBrigitte Bardotとデュオ、「India Song(映画「India Song」の主題歌 Marguerite Duras作詞Carlos d’Alessio作曲)及び前掲の曲など。

このコンピレーションのリリース際しMoreauLibération誌とのインタヴユーで次のように語っている。

問:今回のコンピレーションがクリスマスプレゼントの時期にリリースされたのは?

答:このアルバムが出たのを知ったのは皆さんと同じ時。これには一切タッチしていない。選曲に関しても、コンセプトに関しても。私には全く興味がない。

問:自分のシャンソンを聞くことはないのか?

答:聞くことはない。どうして聞かなきゃいけないの。

問:あなたの歌手としてのキャリアは・・。

答:歌手としてのキャリアなんてない。歌手と言うのは止めて欲しい。そう言われるのは好きじゃない。私は女優。歌う機会はあったけれどそれはあくまでも女優としての活動の延長線にあったから。私はダンサーになりたかったの。両親が離婚したとき母について行ったらきっと英語圏で生活し、ダンサーになっていたと思う。若い頃の望みだった。もっと言えばミュージックホールのダンサーになることが。私は自分自身で何かを選んだわけではなく、人生が私を選んだの。そしてある時期に女優になることに決めた。それについては強情だった。女優と言う仕事はあらゆることに道を開いてくれる。書くことに、演劇の演出に、映画に、歌に。

問:どのようにして歌うようになったのか?

答:小学校では歌の授業があった。合唱の授業が。一つのスペクタクルの準備を1年かけてやった。(歌い出す)「あそこの茂った木々の影の下に・・」、あるいはベートーヴェンの第7なんかをやった。そこで楽譜を読む勉強をした。当時の少女は皆そうだった。私の母はダンサーでしかも歌がうまかった。祖母もそう。二人ともアイルランド女性に特有のきれいな声をしていた。1930年代には誰もが歌っていた。タイル磨きも、画家も、流しの歌手も。あらゆるところに歌があった。私は子供時代の大半をパリ9区で過ごした。Les Martyrs地区、Place ClicyBatignolles地区で。Chaptal通りの小学校に通った。 父はFontaine通りとMansart通りに角にあったカフェレストランで働いていた。付近にナイトクラブがあったので、DamiaLucienne Delyleが通った。赤い髪の毛で大きな部屋着を着た女性が通った。その人を見て人々が「あれはFrèhelだ。」と囁いていた。そこには大衆のシャンソンがあった。私の若い頃にはパリの至る所に。それは愛を、不幸な愛を歌ったものだった。現在人々はほとんど歌わなくなってしまった。

40年代末にはコメデイー フランセーズにはダンスや歌の授業があった。そこで私は歌を学んだ。フェンシングの授業もあった。私は素質があったからフェンシングの選手になれたかもしれない。Molièreの芝居の中にも、Meriméeの芝居の中にも歌があった。少し後になるけれど、Simone Berriau演出の「L’heure éblouissante」では、若い娼婦の役をやりPaul Misrakiの曲を一人で歌 ったこともある。「愛は訪れ、愛は去って行く・・」って。

問: Cyrus Bassiakのシャンソンについては?

答:Bassiakは私の最初の夫で、私の息子Jéromeの父親でもあるJean-Louis Richardの親友だった。Jean-LouisBassiak夫妻たちとグループを作っていてよく一緒に行動していた。夜中車で走ってブルターニュ地方を旅行したりした。そのとき皆で歌った。50年代の末にTruffautに出会った頃は、幌付きのオープンカーFacel Végaで走りまわっていた。TrenetBassiakの曲を大声で歌いながら。「Le tourbillon」はBassiakiが私とJean-Louisの仲を歌った曲だった。「二人は知り合い、二人は離れ離れになり、再び巡り合い、そして別れた・・」

問:Truffautは最初「Le tourbillon」を映画「Jules et Jim」の中で使おうと考えていなかったのか?

答:さっきも言ったように、この曲は7年も前にJean-Louisと私のために作られたもの。映画とは全く関係のないものだった。でもこの曲は映画の雰囲気、「複数の男性の間で揺れ動いていた一人の女性が全ての男性を愛そうと決めた」にぴったりだった。

問:どういう経緯でこの映画に使われたのか?

答:この映画の撮影は順調ではなかった。資金も不足していたし、技術者がヘリコプターの下敷きになる事故もあった。撮影を中止しなければならなくなった。そんなある日Truffautが「歌でも歌おう」と言い出した。我々はヴォージュ山地の大きな山小屋にいたが、彼は音響技師を呼び出した。そこで私はBassiakのギターの伴奏で「Le tourbillon」を歌った。この場面を撮影していた

Truffautはそのシーンが気に入った。そして映画で使うようになった。この映画よりも以前に作られたこの曲がこの映画のシンボルに、そして、ほとんどTruffaut自身のシンボルになったことに驚いている。

問:1963年に最初のアルバムを録音した経緯は?

答:「Jules et Jim」の後Jacques Canettiが会いに来た。彼はフィリップ社にいたが「他に曲はないのか?」と私に聞いた。「あるわ」、「歌える?」、「ええ」。彼は直ぐ録音するようにと提案した。勢いに乗ってアルバムを2つも。30曲余りをElek Bacsikのギター伴奏で。BacsikMiles Davisを通じて知り合ったけれど映画「L’ascenseur pour l’échafaud」にも協力してくれたジャズギターの一人者だった。Bassiakのシャンソンの中には私が録音したことのないもの、録音したけれど世に出してないものなど彼のダンボール箱に収められているものが数多くあると思う。

問:「Le tourbillon」ヒットの後多くの作詞家から話があったのでは?

答:もちろん。でも私は「歌手」にはなりたくなかった。私が好きだったのは詩を歌うことだった。Canettiがベルギー出身の詩人 Norgeを紹介してくれ彼の自宅に訪ねたこともあった。私にとってはシャンソンよりも人々との邂逅の方が大事だった。

Marguerite Durasの「India Song」もそうだった。彼女の映画は皆メロドラマだった。「私はあなたが好き。でもあなたは私を愛していない。だから私は苦しい。」という内容の。でも彼女は素晴らしいシャンソンを書けるはずだった。だから彼女に言った

Margo、書いて、どんどん書いて、それを私が歌うから。」

問:1970年のアルバム「Jeanne chante Jeanne」では作詞もしているが?

答:私は精神療法を受けていた。私の精神分析医は何か書くようにと言ってくれた。そして書いたものを持って行った。そうしたら「これは美しいシャンソンになる。」と言われた。彼は正しかった。少なくとも書くことによって立ち直ることができた。

問:ステージで歌うことはあまりないが?

答:そう、確かに。CanettiMontreuxのフェステイヴァルに出演するように誘ってくれたことがある。3時間前からとても怖くなり声が出なくなってしまった。医者が来て診てもらい落ち着いたけど、舞台に立つ直前再び同様な事態になってしまった。

Royaumontの修道院で歌ったこともあるし、Palais de Chaillotで「Les chanson de Clarisse」を歌ったこともあるけれど、大きいステージは怖い。照明の中にいるとバックのミュージシャン達の顔が見えず不安だ。フラストレーションがたまる。

問:最近の歌手で好きなのは?

答:Alain Chamfortはちょっとcroonerだけど、いい。Christopheも気品あるシャンソンで悪くない。20区のcaféで歌われているslamもエネルギーに溢れていていい。Vincent Delermも好きだ。それにあの一字の若い男性・・

問:M?

答:そうM.それにJean-Louis Murat、私は彼の歌い方が好きだ。Muratとは一つの企画があった。Madame Desoulieresの詩を基にしたアルバムを作るという。最終的には彼はその企画をIsabelle Huppertと実現させた。私との企画が実現しなかったのは、彼は早急に実行しようとしたけど、私は、アイデアには賛成だったけれど、ゆっくり時間を掛けてやった方がいいと考えた。私はゆっくり型の人間になってしまった。

問:シャンソンは何を残しているか?

答:エネルギーを。それは一瞬の感覚、時には数分続くことはあっても、いずれにしても素早いもの。ショックと同じ。テーマのあるシャンソンなんて退屈なだけ。ある考えが一つの感覚と遭遇することが大事。

 

2010年11月9日「Le Condamné à mort/死刑囚」Etienne Dahoとのデュオ):Le Condamné à mort」は2010年が生誕100年に当たるジャン・ジュネJeanGenet(1910-1986)1942年刑務所で書いた処女詩集で、20歳の死刑囚Maurice Pilorgeをテーマにしたもの。詩集に収められている詩には1964年Hélène Martinが曲を付けていて、Martin自身やMarc Ogeretらが歌っている。今回のアルバムではMartinの曲をDahoが「我々に合うように」アレンジし、Moreauが語り、Dahoが歌っている。Moreauは50年代末にGenetと知り合い、Genetの脚本による映画「Mademoiselle」では主役を演じ、Genetの小説「Querelle de Brest/ブレストの乱暴者」が原作の映画「Querelle/ケレル」にも出演し、主題歌も歌っている。Moreauは「『Le Condamné à mort』は破廉恥で反体制的、だから好き。私は好きなことをする。年齢を重ねた者の特権」。収められているのは:「Le vent qui roule un cœur/一つの心を揺する風」、「Ö la douceur du bagne/おー徒刑の快感」、「Jai tué/私は殺した」、「Pardonnez-moi mon Dieu/神よ私をおゆるし下さい」、「Jai dédié ce poème/この詩を捧げた」など14曲。

他にMoreau

1979年Yves Duteilと「L’adolescente/青春期の少女」をデュオで歌っている。

1980年Guy Béatrと「Parlez-moi d’moi/私に私のことを話して下さい」のデュオで歌っている。

2009Boris Vianへのオマージュアルバム「On n’est pas là pour se faire engueuler怒鳴られるためにここにいるのではない」」には「Que tu es impatiente君は何とこらえ性がないんだ」を歌って参加。

2011年Têtes Raides(1987年にChristian Olivierらが結成したグループ)のアルバム「L’an demain/来る年」で「Emma/エマ」をデュオで歌っている。

La tourbillon」 映画「Jules et Jim」でhttps://www.youtube.com/watch?v=dcVcwwo8QFE

J’ai la mémoire qui flanche」 https://www.youtube.com/watch?v=o6uU2czYbOM

Emma」 https://www.youtube.com/watch?v=PWpan2HXKR8

 

 

 

 

 

 

 
No.1488  2017.8. 2

No. 1488   2017.8.

昨年7月のNice テロ事件 犠牲者へのオマージュ
カロジェロCalogero & セリーヌ・ディオンCeline Dion 

Calogero
2016年Le Quarorze Juillet(7月14日の革命記念日)、Niceの遊歩道Promenade des Anglaisで、花火見物をしていた人々の列にトラックが突っ込んだテロ事件では86人が死亡し、434人の負傷者が出た。このテロ事件から1年後の2017年7月14日Macron大統領、Hallande前大統領、Sarkozy元大統領らが出席して追悼式が行われた。夜にはPromenade des Anglaisに設けられた特設会場で、Niceフィルハーモニー管弦楽団とNiceオペラ座コーラスが出演して追悼コンサートが開かれ、テロ犠牲者の家族などが招待された。このコンサートにCalogero(1971- ACI)も出演、「Les feux dartifice/花火」を歌った。これは2014年8月リリースされdisque de diamant/ダイヤモンド・ディスク(50万枚以上の売上げ)になった同タイトルのアルバム「Les feux dartifice」に収められている。Calogeroの登場及びこの曲を歌うことはテロ犠牲者の家族からのリクエスト。ステージに登場したCalogero、指揮者と「premier violon/第1ヴァイオリン」とに握手して、ピアノの前に座り弾き語りで歌い出した・・僕は肩車されていた、巨大な天の川の下で、両手の平を伸ばせばそれに触れることが出来るのではと思っていた。それは大きな花になって破裂した。僕は星を掴みたくなった。僕は花火を見に行った。永遠には続かない星を見に行った。その星は誕生し、輝き、そして大海に向かって落ちて行く。それは子供たちの目の中では束の間の星座になり、大人になってそれを忘れない。僕は星が生まれるのを見た、音楽で揺れる空に、幻想的な光がほとばしるのを見た。彗星が雨のように降ってくるのを見た。赤くなった空の下で、誰かが僕の靴ひもを結び直してくれる。僕は遠くに、抱き合っている大人たちを見る。バラ色と青色の細長く続く跡が目に焼き付いた。僕は自分のベッドの中で、瞼の中にいくつもの宇宙を見た。僕たちは花火のよう・・。 ここまで歌った後感動のためCalogeroはそれから先を歌うことができず両手で顔を覆ってしまった。Niceオペラ座のコーラスが観客の拍手の中曲を続けた。 歌詞は次のように続いている・・僕たちは花火のよう、永遠に生きることは出来ないのだから。だから生きている間は、人々の目の中で輝く存在になろう、通り過ぎて行く流星のように人々に光を与えよう。全ては、はかない束の間のものだとしても、いつまでも人々の思い出に残るものなのだから。  https://www.youtube.com/watch?v=WDNW6TbzGPQ

 

Celine Dion
Dionは6月15日のデンマーク Copenhagueから8月3日のイギリスBirminghamまでヨーロッパツアーを行っている。フランスでは6月29日のBordeaux、7月1、2日Lille、7月4~9日Paris Bercy AccorHotels Arena、12日Lyon、18日Marseille、そして20日(木)にはNiceに登場。 Niceのコンサート会場は多目的競技場のAllianz Riviera。32000人の観客を前にテロ事件の犠牲者に 「a rendu hommage/敬意を捧げた」。即ちコンサートが始まって最初の曲が終わった後、「今夜のコンサートはフランスでの最後のコンサートです。皆さんは昨年大変悲しい、痛ましい経験をした。今夜は皆さんと共に犠牲者に思いをはせながら、人生の、音楽の、共にいることの意味を考える機会にしましょう」。そして「S’il suffisait d’aimer/愛するだけで良かったら」を歌う前には「この曲を犠牲者に、そして皆さんに捧げます。愛は最も美しいもの、武器よりも強いもの。この曲が少しでも皆さんの慰めになりますように。皆さんが一緒に歌ってくれたら」と語った。そして舞台の奥のスクリーンには犠牲者の名がハート形に書かれ事件のシンボルが写された。 https://www.youtube.com/watch?v=TMe3l0ksxTA

Dionは最後の曲「Pour que tu m’aime encore/愛をふたたび」はこのシンボルが印刷されたTシャツを着て歌い、歌った後観客に両手でハート形を作ろうと語りかけた。

 

Résultat de recherche d'images pour "celine dion a nice juillet 2017"

 
No.1487  2017.7.26  No.1487 2017.7.26 


ジョニー・アリディーJohnny Hallyday、エディー・ミチェルEddy Mitchel &ジャック・デュトロンJacques Dutronc

Vieilles Canaillesのツアー打ち上げ                                  

1960年代から50年以上にわたる「complicesマブダチ」人、Eddy Mitchell(1942-75Jacques Dutronc(1943-74Johnny Halyday(1943-74)が結成したトリオ「Les Vieilles Canailles/年老いた悪戯っ子」は20141110日の日間ParisBercy Concert des Vieilles Canailles」を行い、10万人以上の観客を集めた。2017年トリオは6月10日のLilleからフランス国内、ベルギー、スイスを回るツアーを行い、7月5日のCarcassonnneで17回に渡った公演の楽日を迎えた。この「Les vieilles canilles tour 2017」の全日程は次の通り:6月10Lille、11Bruxelles、13Grand SaconnexSuisseGenève16Cournon17Ruoms、19Eckbolsheim20Amneville22Nîmes24日及び25日 Paris26Rouen28Toulouse、 30Nantes、7BordeauxDijonSt.Vulba、5Carcassonne。多くの会場ではThomas Dutronc(1973-ACI、父親はJacques Dutronc、母親はFrançoise Hardy)がギタリスト及びアンコール曲でヴォーカルとして参加している。

Setlistは会場によって多少の違いはあったが2014年のBercy公演のものとほぼ同じ、毎回約2時間のコンサートで、トリオで、デュオであるいはソロで20~24曲歌った。その主なものは:「Les Playboys」(Dutroncのヒット、各回オープニングで)、「Noir c’est noir/黒は黒」(Hallyday)、「C’est un rocker/それは一人のロック歌手」(Mitchell)、「Les cactus/サボテン」(Dutronc)、「L’opportuniste/日和見主義者」(Dutronc)、「Quelque chose de Tennessee/テネシー・(ウイリアムズ)からの何か」(Hallyday)、「J’aime les filles/僕は女の子たちが好き」(Dutronc)、「Le cimetière des elephants/象たちの墓」(Mitchell)、「Joue pas le rock’n’roll/ロックン・ロールをやるな」(Hallyday、2014年には歌われなかった曲)、「Il est cinq heures, Paris s’éveille/5時、パリは目覚める」(Dutronc)、「Couleur menthe à l’eau/ミント水の色」(Mitchell)、「Gabrielle/ガブリエル」(Hallyday)、「Le pénitencier/朝日の当たる家」(Hallyday)、「Vieille Canaille」(Mitchell)、以下はアンコールで「Et moi, et moi, et moi/そして僕、僕、僕」(Dutronc)、「Pas de boogie woogie/ブギウギなしで」(Mitchell)、「Toute la musique que j’aime/僕が好きなすべての音楽」(Hallyday、コンサートで最後の曲)。

ツアーの間に次のような場面が見受けられた。


6月10Lille(会場 Arena Stade Pierre-Mauroy

Johnny Hallydayは2017年3月肺ガンに罹っていることを公表、健康状態が懸念された。午後9時数分後に始まったツアーの初日、、MitchellDutroncの真ん中に立ったHallydayはオープニング「Playboys」の3番のクップレで元気に参加。15000人の観衆は大歓声。Dutroncは「『la liberté/自由』?そんなものは知らない。『l’égalité/平等』?そんなものも知らない。しかし『la fraternité/博愛』は今夜ここにある」。Hallydayは、前回の公演に比べ椅子に掛けて歌う場面が多いようであったが、自分の健康状態につき特に語ることはなく「今夜ここで、皆さん方と一緒で素晴らしい気分です」。アンコール入ってから、それまで控えめにギタリストの一人として伴奏者を務めていたThomas DutroncVieilles Canaillesに加わった。

 「Playboys」 https://www.youtube.com/watch?v=KDlWUDtVwNY


6月11Bruxelles(会場Palais 12)

ベルギーではこの日が父の日。出演者3人の年齢を合計すると220歳以上、また、彼らと同年配の観客も多く「祖父の日コンサート」と揶揄する報道も。HallydayMCで「僕は、半分はベルギー人」(Hallydayの父親はベルギー人)。

6月22Nîmes (会場Arenes de Nimes

Chrales Aznavour(1924-ACIが突然来場Valery Zeitoun(ツアーのプロデューサー)はツイッターで次のように報告「Nîmes Arenesに『Une vieille canaille』が『Les vieilles Canailles』を訪問した」。HallydayAznavourに「Retiens la nuit/夜を返して」などを提供されていて、2013年に刊行した自伝「Ma vérité/僕の真実」でAznavourを「mon père我が父」と表現している。



6月24日(土) Paris(会場 Bercy AccorHotels Arena

この日も21時から始まったコンサートの模様はTVTF1及びラジオRTLで実況中継された。TV放送の司会はNikos Aliagas。実況中継の前にHallydayLaeticia夫人はAliagasとのインタビューで「3人はステージを大いに楽しんでいると思う。3人は一緒に信じられないほど色んなことをやって来た。今夜も3人が揃って歌う姿を見ることができて嬉しい。Johhnyは今、勇気と尊厳を持って病気と闘っている。EddyJacquesは常にJohhnyを助けてくれている、信じられないような力を与えてくれている」。TV放送の聴率は24,2%で、約400万人が視聴。


6月25Paris (会場Bercy AccorHotels Arena

Emmanuel Macron大統領夫妻がLine Renaudらと来場。Macron大統領はHallydayのファン。MacronHollande大統領の下、Bercyで大臣大蔵大臣を務めていた頃Line Renaudの紹介で、Hallyday、俳優François Berleand、俳優Pierre Arditiら知り合った。Macron夫妻は昨年のRenaudの88歳の誕生パーティーにはHallyday夫妻らと共に出席している。そしてMacronは大統領選中にはミーティングで士気を鼓舞するためHallydayのヒット曲「Gabrielle/ガブリエル」を歌っていた。15000人の観客の中Vip席に座った大統領夫妻に対し、ステージからJohnnyは「mon ami/友人 Emmanuel Macron」と呼びかけ敬意を表した。Dutroncは「Napoléon Macron」」と呼びかけた。 コンサート終了後大統領夫妻は来場者との写真撮影に応じていたが、歌手の楽屋を訪れることはなかったよう。

Le président de la République Française, Emmanuel Macron et sa femme la Première dame Brigitte Macron (Trogneux), Line Renaud, Nicole Sonneville - People au concert des &quot;Vieilles Canailles&quot; à l&#039;AccorHotels Arena à Paris, le 25 juin 2017

 

Bordeaux (会場Stade Matmut Atlantique

20000人の観客を前にLes Vieilles Canaillesは前日に死去したSimone Veil(1927-2017 政治家)に敬意を表して、Quelque chose de Tennessee/テネシー・(ウイリアムズ)からの何か」の歌詞を変え、On a tous en nous quelque chose de Simone Veil/我々は皆、我々の中にシモーヌ・ヴェイユからの何かを持っている」と歌った。

/
7月5Carcassonne(会場 Theatre Jean Deschamps

ツアー最終日、フランス各地から3000人の観客が集まった。それまでの会場に比べ小規模であったため舞台の構成は他の会場のものとは異なったものに。会場が小さな分観客との親密さは増したよう。さらに最終日と言うことから3人はステージに登場した時点でかなりリラックス、軽口も快調、20歳の若者が3人集まったような雰囲気。Hallydayは来場していた友人の俳優Jean Renoに感謝し、また「何度も聞きに来てくれたファンがいて心から感謝します」。そしてこのツアーを通してHallydayは自身の病気を話題にすることはなかった。17回のコンサートが最も効能のある治療法だったのでは。3人はアンコールの入ってからはますます自由に。「Toute la musique que j’aime」の際、Hallydayは初めて2人の養女JadeJoyをステージに招いた。

Vieille Canaiile」→「Et moi, et moi, moi」(Thomas Dutroncの顔が見える)https://www.youtube.com/watch?v=62RXZMalNKI

Toute la musique que j’aime」 https://www.youtube.com/watch?v=CeBv8WKSo1U

 No.1486 2017.7.12   

No.1486    2017.7.12

・バルバラBarbara、オマージュアルバム「Elles & Barbara/彼女たちとバルバラ」6月9日リリース 


 アルバム「Elles & Barbara


 没後20年のBarbara(1930.6.9-1997.11.24 ACI 略歴は「今月の顔 2017年7月」参照)へのオマージュアルバム「Elles & Barbara」は存命ならば87歳の誕生日に当たる6月9日にリリースされた。これには13人の女性歌手がBarbaraの曲をカバーして参加。取り上げた曲は必ずしもBaebaraの代表曲と言えるものばかりではない。またキャスティングでも当代を代表す女性シャンソン歌手ばかりではなく、オペラ歌手なども参加している。女性歌手たちはBarbaraの曲に勇敢に、自由奔放に、情熱を込めて立ち向かっていて、Barbaraの曲に新しい息吹を与えている。アレンジではロック調があるなど斬新でイントロの部分を聞いただけでは曲が何か解らないことも。それでも各歌手のBarbaraへの尊敬の念が伝わってくる素晴らしいアルバムになっている。そしてBarbaraのシャンソンはBarbara亡き後20経っても生き続けていることが示されている。収録されている曲及びそれを歌っている歌手は次の通り:

・「La solitude/孤独」(1964年 BarbaraBarbara

歌っている歌手:ザジーZazie(1964- ACIVdMでは1998年及び2002年女性歌手賞など6つの賞を受賞、「Zen/ゼン」、「Je suis un homme/私は人間」などのヒットを持ち、Christophe Willemの「Double je/二重の僕」を作詞作曲、Johnny Hallydayの「Allumer le feu/火を付ける」を作曲)。「Barbaraへの尊敬の念と同時に自分の個性を保つことに苦労した」、私がBarbaraを聞いたのは16歳の時、この偉大な女性歌手の曲は偉大なクラシックであると同時にモダンでもあると感じた。多少メランコリックな詩を強調するためロック調のアレンジで歌ってみた」。

・「Nantes/ナントに雨が降る」(1963年BarbaraBarbara

歌っている歌手:ジャンヌ・シェラールJeanne Cherhal(1987- ACI。2004年アルバム「Douze fois par an/1年に12回」でACC大賞。2005年VdM新人賞。「Quand on est très amoureux/とても愛し合っているときには」、「L’eau/水」などのヒットを持ち、Johnny Hallydayの「Un dimanche de janvier/1月のある日曜日」を作詞)

NantesBarbara https://www.youtube.com/watch?v=dXqYRHOCA2Y

NantesJeanne Cherhal https://www.youtube.com/watch?v=yP-P0h1Ne0U

・「Göttingen/ゲッティンゲン」(1964年 BarbaraBarbara

歌っている歌手:ジュリー・フックスJulie Fuchs(1984- ソプラノ歌手。2013、14年Zurich歌劇場専属、2014年のVdM classiqueで最優秀オペラ歌手賞受賞、)

・「Si la photo est bonne/報道写真」(1964年 BarbaraBarbara

歌っている歌手:ダニーDani(1944- 歌手・俳優。1970年アルバム「Dani」でACC大賞。「Papa viend d’époser la bonne/パパがお手伝いさんと結婚した」、Serge Gainsbourgに提供された「Comme un boomerang/ブーメランのように」などのヒットを持つ)

・「Le solei noir/黒い太陽」(1968年 BarbaraBarbara

歌っている歌手:アンジェリック・キジョAngelique Kidjo(ベナン共和国 コトヌー 1960- ACI。1983年からParisに、その後NYに住む。アフリカ音楽、ズーク、レゲー、ジャズ、ゴスペルを混合した音楽スタイル、英語、フランス語など5カ国語で歌う。2010年SACEMのワールドユージック大賞受賞。Grammy Awardでは2015年アルバム「Eve」で、16年同じく「Sings」でワールドミュージックアルバム賞を受賞している)

・「Dis,quand reviendras-tu ?/いつ帰ってくるの」(1964年 BarbaraBarbara

歌っている歌手:ノルウェン・レロワNolwenn Leroy(1982年-歌手、作曲も行う。2002年TVTF1のスタ誕番組で優勝。2010年にリリースしたブルターニュ地方の伝統的な曲などを収録したアルバム「Bretonne/ブルターニュ女性」は120万枚以上の大ヒット)

Dis,quand reviendras-tu ?Barbara https://www.youtube.com/watch?v=nUE80DTNxK4

Dis,quand reviendras-tu ?」 Nolwenn Leroy https://www.youtube.com/watch?v=hjBL43LWbGs

・「Mon enfance子供時代」(1968年 BarbaraBarbara

歌っている歌手ローアンヌLouane(1996 歌手・俳優。2013年TVTF1のスタ誕番組に出演準決勝で敗退。2014年公開の映画「La Famille Belier/ベリエ家」で映画初出演、主役を演じCésarの新人女優賞を受賞。2015年3月リリースのファーストアルバム「Chanbre 12/12号室」でVdM新人アルバム賞受賞)

・「Marienbade/マリエンバード」(1973年 BarbaraFrancois Wertheimer

歌っている歌手:ダフネDaphné(1974- ACI、07年新人賞Prix Constantin受賞。2012年Barabaraのヒット13曲、「Marienbad」は入っていない、をカバーしたアルバム「13 chansons de Barbara」をリリース。14年3月にはDaphnéの持つ熱情、本能を表現したアルバム「La fauv/野獣」をリリースしている)

・「Gueuel de nuit/夜の顔」(1968年 BarbaraBarbara

歌っている歌手:オリヴィア・ルイズOlivia Ruiz(1980- ACI・俳優。TVTF1のスタ誕番組出身。2005年のセカンドアルバム「La femme chocolat/チョコレート女」が130万枚以上の売上げ、VdM女性歌手賞。09年のサードアルバム「Miss Météores」で2度目のVM女性歌手賞。またGlobe de Cristalの女性歌手賞を2007年初受賞、同賞は都合3回受賞)

・「Cet enfant-là/あの子供」(1981年 BarbaraBarbara

歌っている歌手:ヴィルジニ・ルドワイアンVirginie Ledoyen(1979- 俳優。2002年公開François Ozon監督映画「Huit femmes/8人の女」にSuzon役で出演、劇中Marie Laforêtのヒット曲「Mon amour,mon ami/私の恋人、私の友だち」を歌っている)

・「L’aigle noir/黒いワシ」(1970年 BarbaraBarbara

歌っている歌手:ジュリエット・アルマネJuliette Armanet(1984- ACI。ジャーナリストとして活躍した後、音楽雑誌「Les Inrocks」主催のコンクールで優勝。2017年ファーストアルバム「Petite amie」をリリース。TVMONDEJaponで7月8日に放送された「Taratata/タラタタ」に出演、Alain SouchonLaurent Voulzyとのトリオで「Vertige de l’amour」を歌っている)

・「Parce que je t’aime/あなたを愛しているから」(1967年 BarbaraBarbara

  歌っている歌手:エロジー・フレジェElodie Frégé(1982- ACI・俳優。2003年TVTF1のスタ誕で優勝。2004年ファーストアルバム「Elodie Frégé」は20万枚。Renaudへのオマージュアルバム「La Bande à Renaud/ルノー軍団」に「Il pleut/雨が降る」で参加。2010年公開François Ozon監督映画「Potiche/(邦題)幸せの雨傘」など映画・TVドラマに出演)

・「C’est trop tard/遅すぎる」(1972年Jean-Jacques DeboutBarbaraJean-Jacques DeboutBarbara )

  歌っている歌手:メロディー・ガルドMelody Gardot(アメリカ、フィラデルフィア1985- ACI、ピアニスト、ギタリスト。自動車事故により視力を害し常にサングラスを着用。2005年から音楽活動、08年からヨーロッパでも活躍。12年にはJuliette Grécoのアルバムで「Sous les ponts de Paris/パリの橋の下」をデュオで歌っている)

 

アルバム「Elles & Barbarahttps://www.youtube.com/watch?v=HgtbdqOFwWU

 No.1485 2017.7.4   

No. 1485    2017.7.



Le meilleur de la fête de la chanson française
 シャンソンフランセーズの祭典ベストシーン 
 

Le meilleur de la fête de la chanson française」はTVFrance2で年に1回、Daniella Lumbrosoなどの司会で
放送される音楽番組。

 TVMONDEJapanで5月6日及び6月10日に放送された「Le meilleur de la fête de la chanson française」には
 次のような場面が見られた。(この番組はフランスでは2016年12月27日及び28日に放送されたよう。)

 

・歌手へのオマージュなどの場面

・・ヴェロニク・サンソンVéronique Sansonへのオマージュ(2008年のFêteで):Yves Duteilなどのゲスト歌手がSansonのヒット曲をメドレーで歌った。TV5の放送ではカットされたが、Sansonは最後にゲストに囲まれて「Alias Souza」を歌っている。ゲスト歌手のうちChristopher Stills(アメリカColorado州 1974-ACI)はSansonの長男。

 Yves DuteilleMa révérence/別れを告げる」→Michel FugainChanson sur une drôle de vie/奇妙な人生に関する一つのシャンソン」→MauraneVancouver/ヴァンクーヴァー」→(Paul PersonneOn m’attend là-bas/誰かがあちらで私を待っている」。番組ではカット)→Elisa Tovati & Christopher Stills Une nuit sur son épaule/一晩彼の肩で」→・・・ SansonAlias Souza/アリアス・スーザ」https://www.youtube.com/watch?v=okaQ2OQPozchttps://www.youtube.com/watch?v=knx53a1zZg0

・・クリストフChristopheへのオマージュ(2011年):Grégoireなどゲスト歌手がChristopheのヒット曲をメドレーで歌った。この放送ではカットされたが、このFêteChristopheAdamoとデュオで「Jours de lumière/光の日々」を歌っている。  GrégoireMarionnettes/マリオネット」→Camelia JordanaLes mots bleus/青い言葉」→AdamoAline/アリーヌ」→・・・「Jours de lumière」 https://www.youtube.com/watch?v=2MX9UOmbh8M https://www.youtube.com/watch?v=7sJG3HpphME

・・ミシェル・デルペシュMichel Delpech(2016年1月2日死去)を追悼してDelpech出演の場面がいくつか流された。

  ・・・Delpechが自身のヒットをmedleyで歌う(2006年): 「Chez Laurette/ロレットの店で」→「Wight is Wigth」→「Pour un flirt/青春に乾杯」→「Quand j’étais chanteur/僕が歌手だった頃」https://www.youtube.com/watch?v=aA4Jn0THdhI

   ・・・Michel Delpech &Cali(2007年):「Pour un flirt」をデュオで https://www.youtube.com/watch?v=35ekhrogopU

 

Fêteのために結成されたデュオ、トリオ、collegial/グループが過去のヒット曲などを歌う場面

  ・・Gérard Darmon & Zazie(2006年):「Vieille Canaille/年老いた悪戯っ子」(1979年Serge Gainsbourgのヒット)をデュオで

   https://www.youtube.com/watch?v=vgDYdsmuY6U

・・Françoise Hardy & Alain Souchon (2007年):「Soleil/太陽」(1970年Hardyのアルバム「Soleil」に、この二人のデュオで収録されている)をデュオで https://www.youtube.com/watch?v=J3RqrqdMVSk

   ・・Patrick Bruelなど(2008年):「L’envie/欲望」(Johnny Hallydayのヒット)を4人で

 Patrick BruelPascal ObispoChristophe MaéJohnny Hallyday     https://www.youtube.com/watch?v=n7dRG-oDkek

   ・・Christophe Maé & Florent Pagny(2010):Je m’voyais déjà希望に満ちて」(1960Charles Aznavourのヒットをデュオで

    https://www.youtube.com/watch?v=S5qQDl4ag-c

 ・・Claire Keim & Nolwenn Leroy(2011年):「Je cherche un millionnaire/私は百万長者を探す」(1937年Mistinguettのヒット)デュオで https://www.youtube.com/watch?v=WXi8P8L4BdI

 

・新人歌手の登場の場面

  ・・Raphaël(2005年):「Sur la route/途中で」 https://www.youtube.com/watch?v=mdxLOAIG5vc

  ・・Rose(2007年):「La liste/リスト」 https://www.youtube.com/watch?v=epiIMfIYa1A

  ・・Grégoire(2009年):「Toi + Moi/君+僕」 https://www.youtube.com/watch?v=2-I_NTx8OU8

  ・・Cœur de Pirate(2010年):「Pour un infidèle/不誠実な男のために」  https://www.youtube.com/watch?v=xBxmKnWtDJ4

 

・過去のヒットの回顧の場面

・・Rockollectionのパロディー(2011年)・・「Rockollection」は1977年のLaurenr Voulzyのヒット曲で歌詞の中に当時の世界的なヒット曲を取り入れたことで知られる。Fêteではそれを模して、ZazGrégoireなど若手歌手が「Rockollection」の一部分を歌い、最後に「・・は今も私の心と体に染みついている曲を歌った」と、次に登場する歌手を紹介し、登場した歌手は自分のヒット曲を歌っている。歌ったのは:ZazVéronique SansonChanson sur une drôle de vie/奇妙な人生に関する一つのシャンソン」→GrégoireHugues AufraySantiano/サンティアノ」 →Mikelangelo LoconteNicolettaLa musique/音楽」JeniferPatrick BreuelCasser la voix/声をつぶす」 https://www.youtube.com/watch?v=mQh3-fULk-w

・・chansons des guinguetteガンゲットのシャンソン」(2014年)・・uinguetteは19世紀半ばから20世紀の初めにかけて、郊外の森などにあり、自然に囲まれた、野外の酒場、ダンスホール。パリ郊外Seine河畔、Marne河畔にあったものが有名。歌ったのは:Sanseverino 「Le petit bal perdu/今はもうない小さなダンスホール」(原曲はBourvilなど)→Zaz 「La plus bath des javas/最高に素晴らしいジャヴァ」(Georgiusなど)→Adamo Ah! Le petit vin blanc/ああ!白い葡萄酒」(Lina Margyなど)→Dany Brillant Quand on s’promène au bord de l’eau/水の畔を歩いてみると」(Jean Gabinなど)→Adamo, Blliant & Zaz La valse à Dédé de Montmatre/モンマルトルのデデのワルツ」(Simone Langloisなど)→Adamo, Blliant & Zaz 「Comme de bien entendu/当たり前さ」(Arlettyなど)→SanseverinoLe petit bal perdu」 https://www.youtube.com/watch?v=jFD1RO-Hzq0

・・Vianney & Joyce Jonathan(2016):1960年代のヒットを歌う・・「Poupée de cire poupée de son夢みるシャンソン人形」(1965France Gallのヒット、歌Jonathan)→A présent tu peux t’en  aller今君は行ってしまうことが出来る」(1964年 Les Surfsのヒット、歌Vianney)→La plus belle pour aller danserアイドルを探せ」(1963Sylvie Vartanのヒット、歌Jonathan)→Pour moi la vie va commencer僕にとって人生はこれから始まる」(1963年 Johnny Hallydayのヒット、歌Jonathan & Vianney https://www.youtube.com/watch?v=cyP0Hap_JYQ

No.1484  2017.6. 24

KCN 1484   2017.6.24  

5月の新譜、3件お伝えいたします。                 


・バンジャマン・ビオレBenjamin Biolay、 5月19日アルバム「Volver/戻る(スペイン語)」リリース

Benjamin Biolayが2017年5月19日にリリースしたアルバムは「Volver」。5月26日の週アルバムチャートの1位。

Biolay
1973Lyon近郊生まれのACI、俳優。作詞・作曲家として多くの歌手に優れた曲を提供しているほか、ミュージシャン、アレンジャー、プロデューサーとしてマルチな才能を発揮している。2000年のKeren Ann(1974- ACI)と組んでHenri Salvadorを復活させた「Jardin d’hiver/こもれびの庭」などを提供。2001年ファーストアルバム「Rose Kennedy」でVdM新人アルバム賞、09年アルバム「La Superbe/尊大」でVdMアルバム賞、男性歌手賞を受賞している。最近では2015年6月にはCharles Trenetのヒット曲をカバーしたアルバム「Trenet」をリリース。また、前作2016年4月リリースのアルバム「Palermo Hollywood」は、Biolayが「気分転換」が必要なときに訪れるアルゼンチンで録音されたもので、2017年VdMでアルバム賞を受賞。

今回の「Volver」は8枚目のアルバムで、4つ☆の評価もあり、5月26日の週アルバムチャートの1位。
このアルバムは「volver:rentrer/戻る」というより「rester/留まる」とすべきだったのではとの評もある。アルバムには前作同様アルゼンチンでの生活からインスピレーションを得た、あるいはより広くラテンの文化に影響を受けた曲で、主にアルゼンチンで録音した15曲が収められていて、「Palermo Hollywood」の続編の趣。収録されているのは:

Volver」(歌詞はフランス語)、「Le nuage/雲」、「Happy hour」(Catherine Deneuveとのデュオ。注)、「La mémoire/記憶」、「Ça vole bas/それは低く飛ぶ、低俗だ」、「Pardonnez-moi/僕を許して」、「Sur la comète/夢のような計画」、「Alcool, l’absence/アルコール、不在」、「Avec le temps/時の流れに」(Léo Ferréのカバー)など15曲

(注)DeneuveBiolayの娘Annaの祖母。即ち;Biolayは2002年Chiara Mastroianniと結婚。Chiaraの母はCatherine Deneuve、父はMarcello Mastroianni.。2003年Anna誕生、その後2009年離婚。BiolayDeneuveは2015年リリースのJean Ferratへのオマジュアルバム「Des airs de liberté/自由を歌う曲たち」で「C’est beau la vie/人生は美しい」をデュオで歌っている。

Volver」  https://www.youtube.com/watch?v=lx0-eI2gBgk

Biolayは5月16日、第70回カンヌ国際映画祭の開会式でLouane(1996-歌手・俳優)とClaude Nougaroの1962年ヒット曲「Le cinéma/映画」をデュオで歌った。バックのダンサーはBlanca Lihttps://www.youtube.com/watch?v=Tqv9CutXrBk

 


・アルマAlma、5月5日ファーストアルバム「Ma peau aime/私の皮膚が愛している」リリース

 (2017年のEurovisionフランス代表)

Alma、本名Alexandra Maquet、1988年Lyon生まれのACI。父親の仕事の関係でLilleBruxellesMiamiなどに住み、17歳でフランスに戻ってからParisのマネジメント・スクールで学んだ際には研修でブラジルやイタリアにも滞在。フランス語の他英語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語を話す。2012年から作詞/作曲を始め、2013年12月、当時TVFrance3で放送され、Natasha St-Pierが司会をしていた歌謡番組「Chanson d’abord/何はさておきシャンソンを」にアシスタントとして出演して注された。その際Nazim Khaled(1986-ACI)と知り合い、その後曲作りで協力を得ている。2016年6月にはファーストシングル「La chute est lente/落下はゆっくり」(作詞/作曲でNazim Khaledの協力を得ている)をリリース、9月にはAmir(1984-ACI、2016年Eurovisionのフランス代表で出場 6位)の前座としてMalaunaySeine-Maritime県)で歌う。

2017年のEurovisionフランス代表選定のための委員会に「Requiem/レクイエム」(作詞/作曲Nazim Khaled)を提出。2月フランス代表に選ばれた。そして5月43ヵ国が参加、UkraineKievで行われた第62回Eurovisionに出場、「Requiem」を歌った。その際には歌詞を多少修正していくつかのフレーズを英語で歌っている。13日の決勝では、決勝に進出した26ヵ国中12位の成績であった。(優勝はポルトガル代表で「Amar pelos dois」を歌ったSalvador Sobrat

Almaのファーストアルバム「Ma peau aime」はEurovisionの1週間前にリリースされ、主としてNazim Khaledに提供された13曲が収録されている。それらは:「Requiem」(オリジナルヴァージョン)、「Requiem」(Eurovision出場時のヴァージョン)、「La chute est lente」、「Ivre/酔っぱらって」、「Lautre joug/もう一つの束縛」、「Ma peau aime」、「A demi pardonnée/半ば許されて」、「Après l’aurore/夜明けの後に」、「Quand les vagues reviennent/波が再びやって来たとき」など。

RequiemEurovision で https://www.youtube.com/watch?v=HjiLKsLQl4I

 


・イザベル・ブーレIsabelle Boulay、 5月19日アルバム「En verité/真実は」リリース

IsabelleBoulayが2017年5月19日にリリースした新しいアルバムは「En verité」。

Boulay
は1972年カナダ
Québec州生まれの歌手。91年同州で最大規模のGranbyシャンソンコンクールで優勝。95年から3年間ロック・オペラ「Starmania」(Luc Plamondonの作詞、Michel Berger作曲)にMarie-Jeanne役で出演、350回公演。96年最初のアルバム「Fallait pas/してはいけなかった」をリリース、評価は冷ややか。

98年にリリースされた2枚目のアルバム「Etats d
amour/愛の諸事情」に収められていた「Je toublirai/あなたを忘れるだろう」(作詞はPlamondon、作曲はRichard Cocciante)が最初のヒット。99年Serge Lamaの前座で、00年にはvedetteとしてOlympiaに出演。00年のアルバム「Mieux quici bas/ここより素晴らしい」はフランス国内でも100万枚以上売上げ、01年VdMで新人賞と新人アルバム賞を受賞。その後も定期的のアルバムをリリース。09年Adamoのアルバム「Le bal des gens bien/紳士淑女の舞踏会」ではデュオで「Cest ma vie/セ マ ヴィ」を歌っている。Boulayは小柄で、赤毛、切り札は力強い歌声。前作14年の「Merci Serge Reggiani/ありがとうセルジュ・レジアニ」はそのタイトルが示す通り、この年没後10年となるSerge Reggianiへのオマージュで、Reggianiの曲14曲をカバー。

10枚目のスタジオ録音アルバムとの報道もある今回のアルバム「En verité」にはBenjamin BiolayRaphaëlなど当代を代表するACI、作詞家、作曲家に提供を受けた14曲が収められている。Boulayはそれらをかすれた、奥深い声で、鮮やかに歌っていて、4つ☆を与え、Boulayの最も優れたアルバムになるのではとの評価もある。

収められているのは:「Mon amour (la supplique)/わが愛(苦しみ)」(Benjamin Biolay作詞/作曲)、「Tout sera pardonné/全て許されるだろう」(Raphaël作詞/作曲)、「Won’t catch me cryin’」(Willie Nelsonのカバー )、「La route avec toi/あなたと一緒の道程」(Didier Golemanas作詞/作曲)、「Nashville/ナッシュヴィル」(Cœur de Pirate作詞/作曲)、「Una storia d’amor/一つの愛の物語」(Lorenzo Cherubini作詞/作曲)、「Un souvenir/一つの思い出」(La Grande Sophie作詞/作曲)、「La garçon triste/陰鬱な男の子」(Carla Bruni作詞/Julien Clerc作曲)、「Toi, moi, nous/あなた、私、私たち」(Benjamin Biolay作詞/作曲)、「Voir la mer/海を見る」(Louise Verneuil作詞/作曲)、「Les mains d’or/黄金の手」(Bernard Lavillier作詞/Benjamin Biolay作曲)、「En verité」(Didier Golemanas作詞/作曲)、「Le train d’après/後の列車」(Alex Nevsky作詞/作曲)、「Guerre civile/内乱」(Raphaël作詞/作曲)の14曲

Mon amour (la supplique)https://www.youtube.com/watch?v=RiTiyIoaBQk

 
No.1483  2017.6.1 

KCN 1483    2017.6,1


最近の新譜情報、4件お伝えいたします。




・レ スタントールLes Stentors、4月28日アルバム「Ma patrie/我が祖国」リリース


Douce France を含め、フランスの「patrimoine culturel/文化的資産」と言うべき過去のヒット曲集 第4弾

Les Stentors/スタントールたち(Stentorはホメロスの「イリアス」の登場する伝令で、50人に匹敵する声量を持つ)は4人のオペラ歌手が2010年に結成したグループ。メンバーはバリトン2人:Vianney Guyonnet Sebastien Lemone(2015年Jean-Philippe Catusseに交代、さらに2016年Christian Helmerに交代)、テノール2人:Mowgli LapsMathieu Sempere

12年にはファーストアルバム「Voyage en France/フランスの旅」をリリース。これには「Je viens du Sud/僕は南仏出身」、「Les corons/炭坑夫街」、「La montagne/ふるさとの山」などの過去のヒット曲をカバーして収録。その後も過去のヒット曲、シャンソンのスタンダードとも言える曲のカバーアルバムをリリースしていて、13年のセカンドアルバム「Une histoire de France/フランスの一つの歴史」には「Le chant des partisans/パルティザンの歌」、「Les feuilles mortes/枯葉」、「Les roses blanches/白いバラ」などを収録、2014年の3枚目のアルバム「Rendez-vous au cinéma/映画館でのランデヴー」には「Les moulins de mon cœur/風のささやき」(映画「L’affaire Thomas Crown/華麗なる賭」から)、「Vois sur ton chemin/君の行く道を見てご覧」(映画「Les Choristes/コーラス」から)、「Une histoire d’amour/ある愛の詩」(映画「Love story」から)などを収録している。

4枚目となる今回のアルバム「Ma patirie」にもフランスの「patrimoine culturel/文化的資産」と言うべき過去のヒット曲、Leonard Cohenの「The Partisan」のフランス語版、Lionel Florence Jacques Venerusoコンビによるによる新曲(3曲)、メンバーのGuyonnetSempereによる新曲(2曲)など14曲が収録されている。そしてリリース当時「大統領選挙が近づく中、国内の左右の対立、分裂が顕著になろうとしているとき、このアルバムは『Douce France/優しきフランス』への愛情を示すものだ」との評価もみられた。

収められているのは:「La complainte du partisan/パルティザンの哀歌」(Leonard Cohenの「The Partisan」のフランス語版 Cohen自身がフランス語で歌っているほか、Mouloudjiなども歌っている。Les Stentorsは少し歌詞を変えている)、「Ma France/僕のフランス」(Jean Ferratのヒット)、「Le soldat/兵士」(Florent Pagnyのヒット)、「Ici/ここ」(FlorenceVenerusoの新曲)、「Ensemble/共に」(Jean-Jacques Goldmanのヒット)、「Ma patrie」(FlorenceVenerusoの新曲)、「Je suis un homme」、「Douce France」(Charles Trenetのヒット)、「J’habite en France/僕はフランスに住んでいる」(Michel Sardouのヒット)、「Apatride」(GuyonnetSempere)「Allumons les esprits」「Sept milliards de gens sur Terre」(Mireille Mathieuのヒット「Trois milliards de gens sur Terre」から) 「A la volonté du peuple」(Michel Sardouのヒット、Claude-Michel Schonberg)「La Marseillaise/ラ マルセイエーズ」など。

La complainte du partisan 」 https://www.youtube.com/watch?v=bZKnxtaVI2g



カビリア音楽の第一人者 イディール
Idir、4月7日アルバム「Ici et ailleurs/ここでも、よそでも」リリース
  

Idirは本名Hamid Cheriet、949年アルジェリアのKabylieカビリア地方生まれのACI.、同地方起源のカビリア音楽の第一人者で、その伝道者、「Monstre sacré/スーパースター・大立て者」。ギター、darbouka(カビリア音楽で使用されるパーカッション)など多楽器奏者。 

フランスに住み、主にアルジェリア及びフランスで活動。1976年カビリア語で歌われたファーストアルバム「A Vava InouvaMon papa à moi/僕のパパ」をリリース。アルバムの収められていた子守歌である同名の曲「A Vava Inouva」はアルジェリア、フランスばかりでなくヨーロッパ、世界の70ヵ国以上でヒット、15カ国語の歌詞が付けられ、Idirの名とカビリア音楽は広く人々に認識された。そしてIdirの歌は「全ての人々、白人、黒人、混血、アラブ、ユダヤ、カトリック、無神論者、の心に響く」と言われた。

その後もカビリア語とフランス語で歌うアルバムをリリースしているが、40年以上のキャリアでスタジオ録音のソロアルバムは4枚と寡作。他の歌手とのコラボによるアルバム、liveアルバムも含め9枚目となる今回のアルバム(Idirの最後のアルバムではないかとの報道も)は、Idirがシャンソンフランセーズのヒット曲を、その曲を歌った歌手などとのデュオで、フランス語だけではなくカビリア語でカバーしている。「選んだ曲は全て私のこれまでの人生に何らかの影響を与えた曲。このような企画に多くの歌手がOuiと言ってくれたことに感謝している。私は主にカビリアで歌い、参加してくれた歌手は主に原詩のフランス語で歌っている。そして参加してくれた歌手が、ワンコーラスを、あるいはいくつかのフレーズをカビリア語で歌って欲しいという私のわがままを聞き届けてくれたことにも大いに感謝。Kabylie出身者はそれを隠すことが多い。Kabylie出身はplouc/田舎者の典型のように言われていたから。Kabylie出身の人たちは、私のこのアルバムの中でフランス人の歌手たちがカビリア語で歌うのを聞いたら、自分たちの言語を、文化を誇りに思ってくれることだろう」。

Ici et ailleurs」に収められているのは:「La corrida/闘牛」(1994年Francis Cabrelのヒット、Cabrelとのデュオ)、「Les larmes des leurs pères/彼らの父たちの涙」(2012年Patrick Bruelのヒット、Bruelとのデュオ)、「On the road again」(1988年Bernard Lavilliersのヒット、Lavilliersとのデュオ)、「La bohème/ラ・ボエム」(1965年Charles Aznavourのヒット、Aznavourとのデュオ。「ワンコーラスをカビリア語で歌ってくれた。もしある単語の発音が難しければもっと容易な語に代えても良いと提案したが、完璧主義者のCharlesはそれを拒否した」。)、「Né quelque part/どこかで生まれて」(1987年Maxime Le Forestierのヒット、Le Forestierとのデュオ)、「Les matins d’hiver/冬の朝」(1972年G
érard Lenormanのヒット、Lenormanとのデュオ)、「Jardin d’hiver/こもれびの庭」(200年Hanri Salvadorのヒット、Salvadorとのデュオ、さすがに2008年に没しているSalvadorはカビリア語では歌っていないよう)、「Avancer/進む」(このアルバムのためのGrand Corps Maladeの新曲のよう、Grand Corps Maladeとのデュオ)、「Lettre à ma fille/娘への手紙」(娘のTaninaとのデュオ)など。

Idirは11月8日ParisGrand Rex(1,bd. Poissonnière 2区))出演が予定されている。アルバムに参加した歌手のうち何人かのゲスト出演も期待される。

A Vava Inouvahttp://www.dailymotion.com/video/x7z22t_idir-a-vava-inouva_music

La bohème」録音風景https://www.youtube.com/watch?v=fTmZgNEZ2Jg

La bohèmehttps://www.youtube.com/watch?v=DFxeva9SMPY

                                                


・エムM.、4月7日アルバム「Lamomali/ラモマリ」リリース

Mは本名マテュー・シェディッドMatthieu Chedid、1971年パリ郊外Boulogne-Billancourt生まれのACI・ギター他多楽器演奏者。父はACILouis Chedid、父方の祖母は作家のAndrée Chedid。14、5歳からギターを得意とし、グループで活動。その後Mをステージ名にソロに転じ、97年ファーストアルバム「Le Baptème/洗礼」。1999年セカンドアルバム「Je dis aime」をリリース。アルバムに収められた同じタイトルの曲「Je dis aime:ジュ ディ エム/僕は愛しているという ou 僕はMという」の詩は祖母が提供してくれた。2000年VdMの男性歌手賞とコンサート賞受賞。03年秋に出したアルバム「Qui de nous/我々のうち誰が」により05年のVdMでは男性歌手賞(2度目)、アルバム賞など4賞を受賞。07年のVanessa Paradisのアルバム「Divinidylle/純愛」には作曲、伴奏、プロデューサーとして協力、アルバムは08年VMでシャンソンアルバム賞受賞。09年にはアルバム「Mister Mystère」をリリース。10年6月に行ったヴェルサイユ宮殿、ネプチューンの泉でのコンサートで11年VdMのコンサート・ツアー賞を受賞している。11年のJohnny Hallydayのアルバム「Jamais seul/決して一人じゃない」にも作詞・作曲、伴奏、プロデュースで協力している。また同年アニメ映画「Un mostre à Paris/パリの怪物」で声の出演、共演のVanessa Paradisと新しく作詞作曲した主題歌「La Seine/ラ セーヌ」をデュオで歌っている。

前作は2012年11月12日リリースの「Il」、リリース後のツアーで2014年VdMのツアー・コンサート賞を受賞、Mにとって都合9個目のvictoire。今回のアルバムのタイトル「Lamomali」は「L’âme au Mali:ラーム オー マリ/マリに捧げた魂」。西アフリカのマリ共和国の音楽は近年ヨーロッパで人気があり、一種のブームに。その影響を受けているミュージシャンは多い。Mもその一人で、特にkora(西アフリカ起源の弦楽器)に魅了され、また「ヨーロッパのミュージシャンにはマリの音楽のエネルギーが必要」。
今回のアルバムではマリで活躍中のkoraの名手ToumaniSidikiToumani父子の全面的な協力を得ている。Toumani父子以外にもAmadou et Mariam(1980年に結成されたデュオ)、Fatoumata Diawara(1982-女優、ACI)、Oxmo Puccino(1974-ラップ系ACI)などMali出身の、あるいはMaliで活躍中のミュージシャン、あるいはMの父Louis ChedidJainなど20人弱のミュージシャンが協力。
アルバムのジャケットにはミュージシャンの名が書かれていない、それは「マリの多くのミュージシャンの協力を得た。私は船の船長に過ぎないから」。収められている音楽はParisBamakoを、そして世界を繋ぐものになっている。収められているのは:「L’âme au Mali」、「Bal de Bamako/バマコのダンスパーティー」、「Cet air/この曲」、「Une âme/一つの魂」、「Le bonheur/幸福」、「Solidarité/連帯」など11曲。4月14日の週から2週間アルバムチャートのトップ。

Je dis aime2000Olympia出演時 https://www.youtube.com/watch?v=ALV08Oa4kss

Bal de BamakoMFafoumata Diawara & Oxmo Puccino https://www.youtube.com/watch?v=r72yOgN0tKI


Lady Sir、4月14日アルバム「Accidentally yours」リリース

Lady Sirは、LadyRachida BrakniSirGaëtan Rousselが新たに結成したユニット。

・・Brakniは1977年2月15日Paris生まれの女優、舞台演出家、歌手。両親はアルジェリア出身。97年Comédie-Françaiseに準座員として入る。2001年公開Coline Serreau監督映画「Chaos」に出演Césarの新人女優賞を受賞、また翌年出演したComédie Françaiseでの「Ruy Blas」ではMolièreの新人女優賞を受賞している。その後映画、TV、舞台俳優として活躍、演出家として2本の劇場劇を演出、2016年11月公開の映画「De sas en sas/閘門から閘門へ」が監督第1作ある。歌手としては2012年2月、ファーストアルバム「Rachida Brakni」をリリース。これには2007年に結婚した元フランス代表サーカー選手Eric Cantonaと共作で書いた詩にCali(1968-ACI)が曲を付けた12曲が収められている。Brakniは同年4月には「Théâtre de la dense」に出演し、歌っている。

・・Rousselは1972年10月13日Toulouse近郊生まれのACI、ギタリスト。1994年に結成されたロックグループでフランスのロック史上最も人気のあったルイズ アタックLouise Attaqueリーダーでヴォーカルとギターを担当。Louise Attaqueの97年のファーストアルバム「Louise Attaque」は250万枚売り上げたと言われ、VdMでは99年ではグループ賞、2001年(「Comme on a dit」)と06年(「A plus tard crocodille」)にロックアルバム賞を受賞している。Louise Attaqueが2007年活動を休止した後はグループ タルマックTarmacのリーダー。08年にはAlain Bashungの遺作で、09年のVdMでアルバム賞を受賞した「Bleu petrole/青い石油」の11曲のうち「Résidents de la République/共和国の住人」など6曲を作詞作曲。「Louise Attaqueの活動休止後色々の歌手に協力しているうちに、徐々にソロで歌いたくなってきた」と、09年ソロ歌手としてデビュー。最初のソロアルバムは10年3月にリリースされた「Ginger/ジンジャー」。そして2011年のVdMで男性歌手賞、アルバム「Ginger」は年間アルバム賞及びロックアルバム賞を受賞している。2013年にはアルバム「Orpailleur/砂金採取者」をリリースしている。Louise Attaqueは2015年活動を再開。2016年2月グループとしては4枚目のアルバム「Anomalie/異常さ」をリリース、4月から国内ツアーを行った。RousselBrakni監督映画「De sas en sas」では音楽を担当し、テーマ音楽を作曲している。

・・映画「De sas en sas」で協力したBrakniRouselleはユニットLady Sirを結成、アルバムのリリースを目指して、Parisとリスボン(Brakiniが家族と居住している)で録音を開始し、1月2017年1月30日シングル「Le temps passe/時は過ぎる」をリリース、4月17日アルバム「Accidentally yours」をリリース。アルバムに収録されているのは、主にRouselle及びBrakniが作詞し、Rouselleが作曲し、英語、フランス語、アラビア語で歌われた10曲。それらは: 「Accidentally Yours」(RouselleRouselle)、「Le temps passe」(Auguste RaurichRouselle)、「Je rêve d’ailleurs/それに僕は夢を見る」(BR)「Je ne me souviens pas/僕は思い出さない」(B&ARR)、「Away」(BR)、「Son absence/彼の(彼女の)不在」(dito)、「La nuit se lève」(RR)、「Des petits bouts/断片」(BR)「Tout va mieux partout/全てより良い方向に」(RR)、「You may hold on」(RR)などた10曲収録。

Lady Sirは6月30日Philharmonie de Parisでコンサート、7月15日にはFrancofolies de La Rochelleに出場の予定。

Le temps passe」2017年4月22日TV France 2の「Thé ou Café」出演時 https://www.youtube.com/watch?v=2xt5ZmPlIbE

画面左側に現れる映像はJean Gagriel Periotの制作になるこの曲の公式clipで、1968年5月のいわゆる5月革命時の模様

 
No.1482  2017.5.22  

KCN 1482   2017.5.12

ダリダDalida 没後30年 衣裳展    
 必見!! 下方掲載のYoutube映像でダリダがこれらの衣装で歌った姿がご覧いただけます。

salle-exposition-dalida-6f19-diaporama.jpg (1296×830) 展示の模様
 
                                            

2017年5月3日はDalidaの没後30年に当たる。それを記念してDalidaのステージ衣裳などを展示する展覧会「Dalida,une garde-robe de la ville à la scène/ダリダ、街着からステージ衣裳まで」が2017年4月27日から8月13日まで「Palais Galliera, Musée de la Mode de la Ville de Paris、」(10、avenue Pierre 1er de Serbie 16区)で開かれている。 Dalida、本名Yolanda Cristina Gigliotti、は1933年1月17日イタリア人を両親にエジプトのカイロで生まれた。1954年ミス エジプトに選ばれた。その年のクリスマス、女優のなることを夢見てParisに。女優のなるという夢は一度頓挫し、キャバレ「Villa d'este/ヴィラ・デスト」で歌手としてデビュー。Olympiaのオーデションの際にラジオ局Europe 1/ユーロップ・アンのプロデユーサーLucien Morisseに認められ、「Bambino」、「Gondolier」などを歌いスターの座に。Paris Olympiaには、Gilbert BécaudCharles Aznavourの前座を務めた後1961年にvedetteとして最初に出演、都合7回出演している。Paris Jour紙「Sainte Dalida/聖女ダリダ」と名付けたが、私生活は必ずしも幸福ではなく、結婚と離婚を繰り返し、離婚した前夫や交際していた男性が自殺、自身も自殺未遂を。そして、1987年5月3日、「La vie m’est insupportablePardonnez-moi./人生には耐えられない。私を許して」と書き残して、パリ18区の自宅(11bisrue d‘OrchamptMontmartre地区)で、54歳で自らその生涯を閉じた。この間に約2000曲のシャンソンを10か国語で録音、アルバムを1億2000万枚以上売り上げた。ダリダのCDは現在でも毎年世界中で20万枚以上売り上げていると言われているほど彼女の人気は続いている。没後20年の2007年にはパリ市庁舎で大規模な展示場で回顧展が行われた。

今回の衣裳展にはステージ衣裳、映画・TV出演の際着ていた衣裳、アクセサリー、靴などが展示されている。これらを通して歌手Dalidaの人生を垣間見ることが出来る。これらはDalidaの弟でプロデューサーでもあったOrlandoが管理していたもので、散逸を恐れたOrlandoは没後30年に当たり、200点の衣裳など全てをMuseeに寄贈した。Orlandoは「Dalidaは全ての面でavant-gardiste/前衛的だった、衣裳に関しても。一つ一つの衣裳に、その襞一つ一つにDalidaの秘密が隠されている」。展覧会にはそのうち108点が展示されている。展示責任者「Dalidaが衣裳、アクセサリー、宝石を全て保存していたのは驚くべきこと。Dalidaは1958年10月Bibinoに出演したときに身につけていた衣裳を、1981年3月のデビュー25周年記念のOlympia公演でも着用した。この間Dalidaの体型は少しも変わらなかった。驚嘆に値する。今回はその衣裳も展示されている」。会場を訪れたファン「Dalidaが出演したTV番組はすべて見ている。この衣裳を着て『Gondolier/ゴンドリエ』を歌ったと思う。実物を見るのは感動だ。私が見たTVは白黒だったから」。「彼女は歌いながら激しく踊った。衣裳はその動きに合うようにデザインされているようだ」。

 

展示された衣裳のうちから4点

ob_820494_exposition-dalida-2017-blog-bagnaud.JPG (512×480)6894825_ok-a-detourer-3-stp.jpg (840×1120)6894831_ok-a-detourer-5-stp.jpg (840×1120)6894834_ok-a-detourer-4-stp.jpg (840×1120)

     左           ②          ③          ④

            

     1957年Daphneデザイン

1957年12月31日TV出演時 「Gondolier」を歌唱 https://www.youtube.com/watch?v=12L_HekmkMU

           

     1958年Jean Dessesデザイン。1958年10月Bobino公演及び1981年3月Olympia公演で着用

1981年3月Olympia出演時 メドレー https://vk.com/video11483497_165828137

 

     1961年Gabriel Meyerデザイン  

1961年公開映画Giorgio Simonelli監督映画「Parlez-moi d’amour」でhttps://www.youtube.com/watch?v=UV1dGk9IlUI

                         

     1980年Michel Fresnayデザイン

19801227TV出演時「Comme disait Mistinguette」 https://www.youtube.com/watch?v=i2CcWCKYlKg

No.1481  2017.5.12 

No. 1481  2017.4.30

話題のCDリリース 2題ご紹介いたします。                                                  

1.ジュリー・ゼナッティJulie Zenatti、シメーヌ・バディChimène Badiほか、
  アルバム「Méditerranéennesici ou là-bas)/地中海沿岸の女性たち(こちらか、あちらか)」リリース   

Julie Zenatti、Chimène Badiを中心に地中海のこちら側(フランスなどヨーロッパ諸国)か、あちら側(アフリカ諸国)出身の、あるいは関係のある10人以上の歌手がアルバム「Méditerranéennesici ou là-bas)を3月24日リリース。参加しているのは(女性ばかりではない):Julie Zenatti(Paris 1981-ACI、両親はイタリア系でアルジェリア出身)、Chimène BadiParis郊外 1982-歌手、両親はアルジェリア出身)、Enrico Macias(アルジェリア 1938-ACI)、Soffia Essaïdi(カサブランカ 1984-ACI)、Elisa TovatiParis 1976-歌手・俳優、父親はMaroc出身)、SlimaneParis郊外 1989-ACI、両親はアルジェリア出身)、Claudio Capéo(アルザス 1985-歌手・アコーデオン奏者、両親はイタリア出身)、Nawel Ben Kraiem (イゼール県 生年不明-ACI・俳優、父親はチュニジア人、チュニジアで幼少期を過ごす)、Lina el ArabiParis郊外 1995-俳優、両親はモロッコ出身)など。収められているのは、地中海のこちら側とあちら側の陽気な、祭り気分の曲、あるいはこの地方に住む人々の苦悩を歌った曲、自分たちのルーツを語る曲など15曲。それらは:「L’amoureuse de Casbah/カスバを愛する女性」(Elsa TovatiJulie ZenattiLina el ArabiNawel Ben KraiemSofia Essaïdiなど)、 「Adieu mon pays/さらばふるさと」(Enrico Macias & julie Zenatti)、 「La Maritza/ラ マリッツア」(ElsaTovati Nawel Ben Kraiem)、 「ZinaIci ou là-bas)/ジナ(こちら側か、あちら側か)」(Julie Jenatti & Chimène Badi)・・外国人を両親にフランスで生まれた少女Zina。異なる文化、アイデンティティーを持つ少女がどのように同化できるのか、自分の居場所を見つけることが出来るのか・・。 「Sparring partner」(Claude Capéo& Julie Zenatti)、 「Au café des délices/悦楽カフェーで」(Chimène BadiJulie Zenatti)、 「Mon amie la rose/我が友 ラ ローズ」(Lina el ArabiSlimane)、「Mustapha/ムスタファ」(ZenattiLina el ArabiNawel Ben Kraiem)、 「Beautiful tango」(ZenattiNawel Ben KraiemSpfia Essaïdi)、「L’exil (rdomoi pou agapisa)/流離」(TovatiZenattiSamira Brahmia)など。

Zinahttps://www.youtube.com/watch?v=v47KKhknmbQ

Mustapha」 https://www.youtube.com/watch?v=Wv47rO2iNAY

 Le dernier qui a parleCabra CassyZenatti,Samira Brahmias,Sofia Essaidi
Je dis aimeZenattiLina el Arabi
Et si en plus y’a personneZenatti,Samira Brahmias
Amal(fortes d’espere)Badi,Zenatti
Avinu maslkeinuIsulatine,Zenatti
SsenduBadi

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2、ジャック・プレヴェールJacques Prévert、没後40年記念3枚組CDJacques Prévert et ses interprètes/ジャック・プレヴェールと彼の詩を歌った歌手たち」 リリース

201711日はジャック・プレヴェールの没後40年に当たる。それを記念し31枚組61曲収録CDJacques Prévert et ses interprètes」。がリリースされた。Jacques Prévertは1900年2月4日Paris郊外Neuilly-sur-Seine生まれの詩人、作詞家、脚本家。14歳で学業を放棄、デパートの店員に。兵役についた後1928年頃から詩や脚本を書くようになり、1932年から36年までは演劇グループ「Octobre/オクトブル:10月」に参加。このグループは路上や工場で演劇活動を行っていたが、Prevertは寸劇や、朗唱や、時事をネタにした脚本を書いていた。1935年からは映画のシナリオライターとしても知られるようになり「Le crime de Monsieur Lange /ランジュ氏の犯罪」(この映画の撮影中に作曲家Joseph Kosmaと知り合った)、「Quai des Brumes /霧の波止場」(38年)、「Le jour se lève/日は昇る」(39年)、「Les visiteurs du soir/夜の訪問者:悪魔が夜来る」(42年)、「Les enfants du paradis/天井桟敷の人々」などを手がけた。Prévertの詩はMarianne OswaldAgnès Capriらによって小さな小屋で歌われていたが、静かに広がり、46年からはCosmaの作曲によるシャンソンがリリースされた。PrévertCosmaのコンビは80曲以上作ったが、その中には「Les feuilles mortes/枯葉」がある。このシャンソンは1946年12月3日に公開されたMarcel Carnet監督、Yves MontandNathalie Nattier主演映画「Les portes de la nuit/夜の門」の挿入歌で、映画の中でMontandがルフランの最後の部分を口ずさんでいる。そして48年1月にCora Vaucaire によって、49年5月Yves Montand によって、50年英語ヴァージョンでEdith Piafによって録音されほか、Juliette GrécoMouloudjiなど多くのシャンソン歌手が歌っている。また「Autumn Leaves」のタイトルで英語の歌詞が付けられ、Frank SinatraNatKing ColeBob Dylanらによっても歌われ、Erroll GarnerStan GetzMiles Davisらによるジャズアレンジもあるなど世界的なヒット曲になった。録音されたヴァージョンは600以上になると言われている。Prévertは戦後は文学的に認められたばかりでなく、コラージュも手がけ、55年にはパリで最初の個展を開いた。71年以降夫人とともにNormandieに引退した。Prévertの詩文は簡潔で、長短は変化に富んだもの、伝統的なシャンソンのスタイル、すなわち韻を踏んだルフランとクープレからなるというスタイルからは解放されている。彼は日常普通に使われている用語を用い、それらを優れた技巧により生き生きとさせ、その筆致は反体制的であると同時に諧謔的。「天にまします我らの神よ、どうぞそこにじっとしていて下さい!」。フランス国内の多くの中学や高校がPrévertの名を冠している。1977年4月11日肺ガンのためOmonville-las-PetiteNormandir地方、Manche県)で死去、同町の墓地に埋葬された。

Jacques Prévert et ses interprètes」に収録されている主な曲は次の通りで、それぞれの曲は複数の歌手によって歌われていることが多いが、今回収録されているのは( )に書かれている歌手によるもの

Les feuilles mortes枯葉」Mouroudji、「Les feuilles mortesJuliette Gréco、「Les feuilles mortesYves Montand、「Autumn LeavesFrank Sinatra、「Barbaraバルバラ」Yves Montand)、Je suis comme je suis私は私」Juliette Gréco)、Le miroir brisé壊れた鏡」Serge Reggiani、「Le jardin庭」Henri Crolla)、La pêche à la baleine鯨取り」Germaine Montero)、La grasse matinée/朝寝坊Rolland Claude)、En sortant de l’école/校門を出るとLes Frères Jacques)、Quand tu dorsあなたが眠っているとき」Cara Vaucaire)、Enbrasse-moi私を抱いて」Ute Lemper)、A la belle étoile/美しい星にJuliette Gréco)、Les cireurs de souliers de Broadway/ブロードウェイの靴磨きYves Montand)、Déjeuner du matin朝の食事」Marlene Dietrich、「Les enfants qui s’aiment愛し合う子供たち」Mouloudji)、Deux escargots s’en vont à l’enterrement/葬式に行く2匹のカタツムリLes Frères Jacques)、Cri du cœur心の叫び」Edith Piaf)、Dans ma rue通りで」Juliette)、C’est l’amour qui m’a faite/私を作り上げたのは愛Zizi Jeanmaire)、Démons et merveilles悪魔と驚異」Jacques Jansen)、Cet amourこの愛」Jeanne Moreau)、Le fusille銃」Maurice Fanon)、Il faut passer le temps時間をつぶさなければ」Arthur H)、Les bruits de la nuit夜の騒音」Jean Guidoni)、Tounesolひまわり」Françoise Kuchida)、Le Noël des ramasseurs de neige/雪かき人のクリスマスCatherine Sauvage、「Cœur de rubisルビーの心」Lio)、Le gardien de phare aime beaucoup les oiseaux/灯台守は小鳥が大好きGermaine Montero)、La femme acéphale/頭のない女朗読Jacques Prévert)、Comme par miracle/奇跡で(朗読Jacques Prévert)。

Les feuilles mortes」(Mouloudjihttps://www.youtube.com/watch?v=Q_inVYQNXjM

Déjeuner du matin」 https://www.youtube.com/watch?v=hm1jdP-I4y4

Le Noël des ramasseurs de neige」 https://www.youtube.com/watch?v=XlUdmDRb_I4

 
No.1480
2017.4.24 
   

No. 1480    2017.4.24


ジェーン・バーキンJane Birkin、アルバム「Birkin Gainsbourg le symphonique」をリリース 
  

Jane Birkin(1946-歌手・俳優)が2017年3月24日にリリースした新しい、13枚目のスタジオ録音アルバムは「Birkin Gainsbourg le symphonique」。これにはSerge Gainsbourg(1928-1991ACI)の曲をJane Birkinがオーケストラと共に演奏している21曲が収録されている。 Birkinはこのアルバムが出来た経緯につき次のように語っている・・カナダでGainsbourgのテキストを朗読するツアーをMichel Picolliなどと行っているとき、記者会見があった。その際Sergeは「Baby alone in Babylone/バビロンの妖精」(Johannes Brahmsの交響曲第3番)、「Jane B.」(Frederic Chopinの前奏曲第4番)などでクラシックのメロディーを使っていると話したところ、QuébecのジャーナリストMonique Girouxが「クラシックのオーケストラを伴奏にしたらテキストが更に高尚な感じになるのでは」。 そこでアレンジを日本人作曲家中島ノブユキ(注)に依頼し、2016年6月モントリオールのFrancofolieで、この意見をモントリオール交響楽団とともに具体化してみた・・。 6月10、11日モントリオール交響楽団のホールで行われたコンサートは「Jane Birkin、モントリオールの人々の心を揺さぶる」と評される程の成功を収めた。

(注)BirkinNobuと呼ばれている中島ノブユキ(1969-ピアニスト・作曲家・アレンジャー)は東日本大震災の被災者支援のためにBirkinが2011年4月5日東京で行ったコンサートの際バックをつとめたバンドのリーダー。その後2011年10月から2013年7月(この間体調不良のため中断があった)までのBirkin の世界ツアー「Jean Birkin sings Serge Gainsbourh Via Japan」(日本では2013年3月28日:東京オペラシティコンサートホール)にも音楽監督・ピアニストとして同道した。

BirkinモントリオールのFrancofolieの後、2016年10月26日から17年2月9日までオーケストラをバックに、同様の「Gainsbourg  symphonique」コンサートを行った。

アルバム「Birkin Gainsbourg le symphonique」の録音はワルシャワで、「L’Orchestre symphonique de la radio polonaise」の演奏、ピアノ中島ノブユキで行われた。そしてGainsbourgBirkinのために作った曲、自分自身のため、あるいはBirkin以外の歌手のために作った曲(Birkinはそれらのうち多くをすでにカバーしていている)21曲が収められている。それらは:「Baby alone in Babylone」、「L’Aquoiboniste/無造作紳士」、「Ces petits riens/これらの些細なこと」、「Valse de Melody/ネロディー(・ネルソン)のワルツ」、「Fuir de bonheur de peur qu’il ne se sauve/幸せが逃げていくのを恐れて幸せを避ける」、「Requuiem pour un con/馬鹿者のためのレクイエム」(Birkinは今回初めてカバー)、「Amour des feintes/いつわりの恋」、「Manon/恋のマノン」、「La chanson de Prévert/プレヴェールのシャンソン:枯葉に寄せて」、「Les Dessous chics/シックな下着」、「L’amour de moi/私の愛」、「La gadoue/ぬかるみ」、「Jane B」、「L’anamour/はかない恋」、「Lost Song」、「Depression au-dessus du jardin/公園を通りすぎる憂鬱」、「La Javanaise/ラ ジャヴァネーズ」、「Pull marine/マリンブルーのセーター」(Isabelle AdjaniBirkinは今回初めてカバー)など。

リリースに際してBirkinは「きっとSergeはこのアルバムを誇りに思っていることだろうし、びっくり仰天していることだろう。Sergeの言葉はオーケストラの伴奏によって引き立った」。

アルバムには4つ☆の評価もある。高い評価は、原曲に壮大さを与えたNobuのアレンジに寄るところが大きい。リリースの週アルバムチャート6位。

Birkinは4月11日から世界ツアーを予定していて、日程の主なものは:

4月11、12日ParisAuditorium de Radio FranceOrchestre Philharmonique de Radio Franceとともに)

4月19日Varsovie、5月11日 Monaco、7月14日 Lisbonne、8月19日東京(Orchard Hall)、9月26日Londres

 

Pull marine」2016年11月5日LyonCité internationaleAmphithéâtreで。

https://www.youtube.com/watch?v=FtNGLFKnO00

La chanson de Préver」2017年3月10日 Réunion島のFrancofolieで。

https://www.youtube.com/watch?v=xbE7o71LqrQ

   

No.1479  2017.4.12


レ ザンフォワレLes Enfoirés、2017年公演のCDおよびDVDリリース     

Les Enfoirésの2017年コンサートは1月18日から23日までToulouseZénithで行われた。この間に7回のコンサート。その模様はTVTF1で3月3日に放送され、例によってその翌日3月4日、1月22日及び23日に収録されたCD及びDVDが発売に。Les Enfoirésの公演は、困窮している人々に食事を提供する目的で喜劇俳優Coluche(1944-86)が創設した「Resto du Cœur/心のレストラン」の資金集めのために行われるもので、単なるコンサートではなく一大音楽スペクタクル。Colucheの、あるいはColuche没後中心的に活動していたJean-Jacques Goldmanの要請に応じ毎年多くのアーティストが参集する(89年以降約200人が出演)。ただし当初は出演を拒否するアーティストが多く、Colucheは出演してくれるアーティストを、親しみを込めて「Les enfoirés/馬鹿な連中」と呼んでいた。1986年(Yves Montandが出演)87年、88年及び90年はスタジオからのTV放送のみ。89年(Johnny HallydayEddy MitchellVéronique SansonMichel Sardouらが出演)から劇場でのスペクタクルで第1回。第2回の92年から、毎年行われている。TV放送は「国民的行事」と言われるほど多くの視聴者を集めている。また、コンサートの模様を収めたCDDVDは毎年売り上げの上位。Resto du Cœurの活動には毎年多くの市民がヴォランティアとして参加、2016年には95万人に1億3000万食を提供している。CD及びDVD1枚の売上げで17食を提供できる。

27回目となる今年は、昨年までアートディレクターとして活動していたGoldmanが後進に道を譲りたいと引退したため 、その役を、Michael Youn (1973-俳優、演出家、プロデューサー、TV・ラジオ司会者)Bénabar(1969-ACI)、Lorie(1982-女性ACI)が共同で務め、スペクタクルのタイトルは「Mission Enfoirés」。今年のテーマ曲は「Juste une p’tite chanson/ちょっとした1曲のシャンソン」でGrégoireMC Solaarの作詞作曲。出演したのは、日程に一部のみ出演した者を含めて、37人。初出場はAmirKendji GiracSopranoは2年連続で2回目。出演回数が多いのはPatrick Bruelの25回、Michael Jonesの24回、Maxime Le Forestierの22回、Zazieの21回。今回は他に宇宙飛行士のThomas No. Pesquet(初)、 ラグビーフランス代表Sébastien Chabal(3回目)、オペラ座のエトワルMarie-Agnes Gillot(2回目)なども出演している。

TV放映は1000万人以上が視聴、視聴率は45.6%であった。

Juste une p’tite chansonClip Officie https://www.youtube.com/watch?v=bBsFQegX0uo  

Il est où le bonheur幸福はどこに」 Christophe MaéPatrick Bruel  BénabarJean-Louis Aubert 

  https://www.youtube.com/watch?v=EuTXcZJaAz4

Les Enfoirés  2017 final」  https://www.youtube.com/watch?v=Xu11bBdd1As

 
No.1478 
2017.3.30
   No. 1478  2017.3.30 



・ジェラール・ドパルデュ Gérard Depardieu、「Chante Barbara/バルバラを歌う」リリース 

Barbara(1930-1997 ACI)の没後20年に当たる今年、Gérard Depardieu(1948-俳優)が2017年2月10日のBarbaraのヒット曲をカバーしたアルバム「Depardieu chante Barbara」をリリースした。

俳優Depardieuは1980年LPIls ont dit moteur・・Coupez !/彼らはエンジンを・・切れと言った」を出している。これには当時のDepardieu夫人Elisabethが作詞作曲した曲など10曲が収録されている。また、出演した映画(2006年Xavier Giannoli監督の「Quand j’étais chanteur/僕が歌手だった頃」、2009年Jasmine Roy監督の「Rendez vous in Paris」など)の中で歌っている。   BarbaraDepardieuは1986年1月21日から2月19日までParisZénithで上演された「Lily assion/リリー・パシオン」で共演している。「Lily Passion」はBarbaraが作詞(Luc Pramondonとの共作によるもの、Pramondonに提供を受けたものもある)・作曲した曲を中心にした音楽スペクタクルで出演者は女性歌手役のBarbaraと殺し屋役のDepardieuの2人。1月のParis Zénith公演の模様はLP2枚組のアルバムの収録されている。「Lily Passion」はParis公演の後、約1年間に渡ってフランス国内で上演された。1986年3月にはNantesで上演された。Barbaraのヒット曲「Nantes/ナントに雨が降る」に歌われている「Rue de la Grange-au-Loup/狼のいる納屋通り」はBarbaraの創作によるものであったが、Nantes市はBarbaraの父親が隠れ住んでいたと思われる同市のSaint-Joseph de Porterie地区の通りRue des Chrrettesの1部をRue de la Grange-au-Loupと命名。3月22日「Lily Passion」のNantes公演のため同市を訪れていたBarbaraDepardieu出席の許に命名式が行われた。

Lilly Passion」初日の模様を伝えるニュースhttps://www.youtube.com/watch?v=6KN2qLUUc0s

今回のアルバムの録音はBarbaraが1973年から死亡時まで住んでいたPrécy-sur-MarneBarbara邸で行われた。Barbaraはそこに「Rue de la Grange-au-Loup」と名付けたスタジオを持っていた。録音はそこで行われたからしい。伴奏に使われたピアノはBarbara愛用の黒いピアノ、演奏したのは15年間Barbaraの伴奏者を務めたGérard Daguerre

収められている曲はBarbaraのヒット曲13曲:「L’île aux mimosas/ミモザの島」(「Lily Passion」の中で歌われた)、「Une petite cantate/小さなカンタータ」、「Mémoire, mémoire/思い出、思い出」(「Lily Passion」の中で歌われた)、「Drout/貴婦人」、「Le soleil noir/黒い太陽」、「Au bois de Saint-Amand/サン・タマンの森で」、「La solitude/孤独」、「L’aigle noir/黒いワシ」、「Nantes」、「A force de/・・のおかげで」(詩はGérard Depardieuの長男で歌手・俳優のGuillaume Depardieu 1971年生-2003年没)、「Ma plus belle histoire d’amour/我が麗しき恋物語」(1965年に創唱された曲で、「Lily Passion」の中でも歌われた)、「Dis, quand reviendras-tu ?/いつ帰ってくるの?」、「Göttingen/ゲッティンゲン」。それにこのアルバムのためにDaguerreが作曲したピアノソロ曲「Précy Prélude/プレシー 前奏曲」の計14曲。

録音風景 https://www.youtube.com/watch?v=vlnVwCFwSc4&t=74s

Nantes」 https://www.youtube.com/watch?v=u8slXwunq0M

 Depardieuはアルバムリリースの前日の2月9日から18日までParisThéâtre des Bouffes du Nordに出演、アルバムに収められた曲を歌った。

なお、Barbaraの没後20年 に当たり次のような報道がある。

・・Mathieu Amalric監督、Jeanne Balibar主演の伝記映画の上映が予定されている

・・La Philharmonie de ParisParc de la Vilette内)のEspace d’exposition/展覧会場では2017年10月13日から2018年1月28日まで「Barbara展」が開催される。

 No.1477
2-17/3/9
   

No. 1477  2017.3.9

2017Victoires de la musique、受賞者



32Victoires de la musiqueVdMの授賞式が201710Thomas ThouroudeBruno Guillonの司会でParis Zénithで行われた。式の模様はTVMONDEJaponで2月11日19:20~23:00に放送された。主な受賞者は次の通り:

 


・男性歌手賞:ルノー Renaud

  他の候補者:Benlamin BiolayVincent Delerm

・・RenaudParis1952-ACI №1472)、2016年4月リリースの大ヒットアルバム「Renaud」に収録された曲に「Toujours debout/まだ立っている」があるが、Renauは会場には立っていなかった。2日間のNantes公演中のため式を欠席。会場にヴィデオメッセージを寄せて、他の候補者BiolayDelermに敬意を表し、「もしvictoireを受けることがあればそれを息子のMaloneと娘のLolitaに捧げたい」。受賞が決まった後に流されたのはNantes公演で観客と一緒に歌っている「Dès que le vent soufflera/風が吹いてきたら直ぐに」。Renaudは2003年男性歌手賞、アルバム賞及びAxelle Redとのデュオ「Manhattan-Kaboul」でシャンソン賞を受賞するなどすでに5個のvictoireを受けていて、今回が6個目。

 


・女性歌手賞:ジャインJain

  他の候補者:ImanyVéronique Sanson

・・JainToulouse 1992-ACI №1473)、今年のVdMの最大の勝利者。ノミネートされた3部門(女性歌手賞、ヴィデオ・クリップ賞及びスペクタクル・ツアー賞)のうち、女性歌手賞及び「Makeba」のヴィデオ・クリップでヴィデオ・クリップ賞の2部門でvictoireを獲得。「女性歌手賞を受賞するとは思っても見なかった。この賞は偉大なVéroniqueのものだと思っていたので」。2016年ファーストアルバム「Zanaka」で新人アルバム賞にノミメートされ、注目されるようになり、その純真さとスタイルから大衆の心を掴んだ。式では「Makeba」を歌った。

Makeba」 https://www.youtube.com/watch?v=0BG7jPpcDHU

 

 


・シャンソンアルバム賞:ベンジャマン・ビオレBenjamin Biolayの「Palermo Hollywood/パレルモ・ハリウッド」

  他の候補:Julien Doré「&」、Christophe MaéLattrape-rêves

・・Benjamin BiolayLyon近郊 1973- ACI、俳優)、ACIとして自ら活動するほか作詞・作曲家として多くの歌手に優れた曲を提供、あるいは、ミュージシャン、アレンジャー、プロデューサーとしてマルチな才能を発揮している。2000年、Keren Ann(1974- ACI)と組んでHenri Salvadorを復活させた「Jardin dhivert/こもれびの庭」などを提供。2001年ファーストアルバム「Rose Kennedy」で新人アルバム賞、09年男性歌手賞及びアルバム「La Superbe/尊大」でアルバム賞を受賞している。Biolay7枚目のアルバムPalermo Hollywood」は2016年4月22日にリリース。「Palermo Hallywood」はアルゼンチンの首都 Buenos Aires(フランス語読みでは ブエノゼール)の一地区でBiolayは数年前から「prendre l’air/気分転換」が必要なときには再三訪れている。今回のアルバムも同地がインスピレーションの源で、録音も主にアルゼンチンで行われた。収められているのは:Palermo Hollywood」、Palermo Queens」、「Palermo splleen」、「Borges Futbol Club」、「La ébandade/敗走」、「Ressources humaines/人的資源」、「Tendresse année zéro/優しさ0年」、、「La noche ya no existe」、「Palermo Soho」(Wihelmi)、「Pas sommeil/眠くない」、「Pas dici/ここではない」、「Ballade française/フランスのバラード」など14曲。式ではアルバムの中から 「Pas sommeil」を歌ったほか、Delermとのデュオで、Delermのヒット曲「Tous les chanteurs sont les mêmes/歌手は皆同じ」を歌った。

  「Pas sommeil」 https://www.youtube.com/watch?v=o1xfvIo6fnE

 


・シャンソン賞
:ヴィアネイVianney Je men vais/僕は立ち去る

  他の候補Amir Jai cherché」、MHD A Kele Nta」、Véronique Sanson Et je lappelle encore

・・VianneyPau 1991-ACI №1476)、VdMには3年連続してノミネートされるという快挙。即ち、2015年アルバム「Idées blanches」で新人アルバム賞(受賞できなかった)、16年男性歌手賞(受賞)、17年シャンソン賞(受賞)。式で歌ったのはもちろん「Je men vais」。 口さがない大衆の声 「これは大統領候補Fillonを歌ったものでは?」(2017年5月の大統領選挙の保守派候補で元首相Francois Fillonについて、夫人に不正給与を支給していたのではなどという疑惑が発覚し、撤退の窮地に立たされている)

Je men vais https://www.youtube.com/watch?v=F2yHismn5L8

 

 


・新人アルバム賞Radio ElvisLes conquêtes/獲得したもの

  他の候補AmirAu cœur de moi」、Claudio CapéoClaudio Capéo

・・Radio Elvis2013年、ヴォーカルとギター担当のPierre Guénardを中心にParis結成された人組のロックグループ。16年4月1日、今回の受賞の対象となったファーストアルバム「Les conquêtes」をリリースしている。Radio Elvisの受賞は今回のサプライズの一つ。TVTF1のスター誕生番組「The Voice」出身である他の2候補曲、Amirの「Au cœur de moi」(№1474)、Claudio Capéoの「Claudio Capéo」(№1474)が圧倒的に強いと考えていたから。式で歌ったのは「Solarium/サンルーム」、ルフランは「Quelque chose existe, quelque chose existe, uelque chose existe/何かがある、何かがある、何かがある」。受賞の挨拶でもこのルフランを引用。

 


・新人ステージ賞:エル・イ・ジェイL.E.J.

  他の候補者:Broken BackL.E.J.Minuit

・・L.E.J.、2003年女性3人、Lucie Lebrun(ヴォーカル、サクスホーン)、Elisa Paris(ヴォーカル、パーカッション)、Juliette Saumagne(ベース)、が結成したポップグループでグループ名はメンバーの名の最初の文字から。2015年12月ファーストアルバム「En attendant lalbum/アルバムを待ちながら」をリリース。式で歌ったのは「La alle/空腹」

 


・ロックアルバム賞:ルイズ・アタックLouise AttaqueAnomalie/異常さ」

・・Louise Attaque、1994年Gaëtan Roussel(1972- ACI、ギタリスト)ら4人が結成したロックグループ。97年にリリースしたファーストアルバム「Louise Attaque」は280万枚の売上げという大ヒット。2000年に2枚目のアルバム「Comme on a dit/人が言ったように」をリリースした後、2001年からグループとしての活動を一時休止。2005年アルバム「A plus tard crocodileSee you later Alligatorの直訳」をリリースして活動を再開。2007年には再度活動を休止し、メンバーは、ソロで、あるいは他のグループを結成するなどして活動。Rousselはこの間2010年のソロアルバム「Ginger」をリリース、それにより2011年のVdMで男性歌手賞、最優秀アルバム賞、ロックアルバム賞を受賞している。再度の活動休止から8年後の2015年Louise Attaqueのメンバーのうち3人が再結集、録音を開始。アルバム「Anomalie」は2016年2月12日リリースされた。「Anomalie」、「La chute/落下」、「Chaque jour reste le nôtre/毎日は我々のもの」、「Avec le temps/時とともに」(新曲、Léo Ferréのカバーではない)、「Un peu de paticence/少しばかりの忍耐」など10曲を収録したこのアルバム、リリースの週チャート3位(これが最高位)。Louise Attaqueは2016年3月から国内ツアーを行った。式で歌ったのは「Chaque jour reste le nôtre」。

 

・ヴィデオ・クリップ賞:Jain Makeba

 

他に:

・アーバンミュージックアルバム賞:Jul My World

・ステージ・ツアー賞:Ibrahim Maalouf

・ワールドミュージクアルバム賞:Calypso Rose Far From Home

・エレキミュージックアルバム賞:Kungs Layers

No.1476
2017.2.23 
  № 1476  2017.2.23

最近の話題、4 ご紹介いたします。

1.2017年Les Globes de Cristal (クリスタル・グローブ) 授賞式
2.ヴィアネイVianney、セカンドアルバム「Vianney」チャート1位
3.トマ・フェルセンThomas Fersen、新しいアルバム「Un coup de queue de vache雌牛のしっぽの一撃」リリース
4.ジュリエット・グレコJuliette Gréco、90歳

 

1.2017年Les Globes de Cristal (
クリスタル・グローブ) 授賞式

 2017Les globes de cristalの授賞式が30日、例年通りParisのキャバレLidoで行われた。
LeGlobes de Cristalは前年、芸術・文化の分野で優れた活躍をした個人などあるいは優れた作品を表彰するもので2006年に始まり、今回が第11回(2016年は前年のテロ事件後の非常事態宣言のため中止)。今回は映画、TV、スペクタクル、著作、音楽部門で合計14個のGlobe de Cristalが授与された。

音楽部門では男性歌手賞、女性歌手賞が授与された。他に今回はヴェロニク・サンソンVéronique SansonParis郊外1949- ACI №1470)に特別賞が授与された。男性歌手賞、女性歌手賞の受賞者及び受賞者以外の候補は次の通り:

 ・男性歌手賞:ジュリアン・ドレJulien Doré( 他の候補者:Benjamin BiolayChristopheManu LanvinRenaud )



ジュリアン・ドレJulien Doré
南仏Gard県、Ales 1982- ACI)は今回が2度目の受賞。受賞の対象になったのは2016年10月14日にリリースしたアルバム「&」( №1468参照、2017年VdMのシャンソンアルバム賞にノミネートされている)。

このアルバムは2017年1月25日「&~愛の絆~」のタイトルで日本盤がリリースされた。「2015年に訪日した際 [2015年7月来日し、東京と大阪で公演]、この国では一時シャンソンフランセーズは人気があったが、最近ではかつてほどの勢いがなくなったと聞いた。その時から新しいアルバムを日本に紹介しようと思っていた」。 

日本盤収録曲は「Poto-Vecchio/ポルトーヴェッキオ」、「Coco Caline/ココ・カリーヌ」、「Sublime & Silence/崇高にして無言」、「Le Lac/湖」、「Corail/珊瑚(サンゴ)」、「Mon Echo/僕のエコー」、「Romy/ロミー」、「Moonlight Serenade/ムーンライト・セレナーデ」、「Eden/エデンの園」、「Magnolia/マグノリア(木蓮)」、「Beyrouth Plage/ベイルートの浜辺」、「Caresse/愛撫」、「De Mes Sombres Archives/闇に包まれた記録」のフランス盤に収録されている13曲と、日本盤のボーナストラック3曲:「Paris-Seychellesパリ=セイシェル」(「&」の前のアルバム「Love」に収録されている)、「TOKYO」(「日本滞在中に得たインスピレーションからの新曲、アルバム『&』に収録予定の曲だったが、都会を歌ったこの曲と自然がテーマの他の曲との均衡を考え割愛した。しかし『&』の日本ヴァージョンjにはうってつけだろう」)、「La javanaise/ラ・ジャヴァネーズ」(№1468に紹介した日本語ヴァージョン)。 Doréはアルバムのプロモーションのため1月来日していたよう。また、来日公演の報あり、2017年5月18日(木)代官山「UNIT」(Live Space)で。

 「La javanaise」 https://www.youtube.com/watch?v=MAivd6jrruU

 


女性歌手賞:イマニイImany     (他の候補者:Christine & The QueensJainL.E.JMarina Kaye


 ・・イマニイImany(本名 Nadia MladjaoMarseille近郊Martigues 1979.4.5- モデル・ACI)。両親はComoros出身、芸名のImanyはアラビア語で「私の信条」または「私の希望」の意の由。17歳でモデルとしてデビュー。その2年後から7年間アメリカで活動。その間Tracy ChapmanTina Turnerらの曲を聞き音楽に興味を持ち、2008年帰仏後英語で書いた自作をピアノバーや小さなホールで歌う。2011年5月9日ファーストアルバム「The Shaspe of Broken Heart」をリリース。これには「You Will Never Know」、「Slow Down」など12曲が収録され、好評でImanyは「Princesse soul/ソールの王女」とも言われるように。2012年のVdMでは新人ステージ賞にノミネートされた。今回の受賞の対象になったのは2016年8月26日リリースした「The Wrong Kind of War」で「Save Our Soul」、「No Reason No Rhyme」、「Don’t Be So Shy」など14曲収録、チャートの7位に。2017年VdM女性歌手賞にノミネートされている。

 「Don’t Be So Shyhttps://www.youtube.com/watch?v=BgI0oExkl20

 

2.ヴィアネイVianney、セカンドアルバム「Vianney」チャート1位


Vianney
が 2016年11月25日にリリースしたセカンドアルバム「Vianney」が2017年1月5日の週MPokoraの「My way」に代わってアルバムチャートの1位になり、2月10日の週まで1,2位を保っている。 Vianney(本名Vianney BureauPyrenées-Atlantiques県、Pau 1991-ACI)音楽好きな両親の許、12歳で最初のシャンソンを作った。2014年高等モード学校卒業後、以前からACIとしての才能に注目し、作った曲を世に出すように勧めた女性プロデューサーIsabelle Vaudey(現在はVianneyのマネージャー)の協力により、10月ファーストアルバム「Idée blanche/実効のない考え」をリリース。2015年のSACEMFrancis Lemarque賞(最優秀新人賞)及びRFMParisMatch作詞家大賞の新人賞を受賞。2016年のVdMでは男性歌手賞を受賞。 セカンドアルバム「Vianney」には:「Sans le dire/そのことを言わずに」、「Je m’en vais/僕は立ち去る」(2017年VdMのシャンソン賞にノミネートされている)、「Tombe la neige/雪が降る」、「J’m’en fous/僕には関係ない」、「Oublie-moi/僕のことは忘れてくれ」、「Quand je serai père/父親になったら」など12曲が収録されている。

Je m’en vaishttps://www.youtube.com/watch?v=0rrYKD9m8q

 

3.トマ・フェルセンThomas Fersen、新しいアルバム「Un coup de queue de vache/雌牛のしっぽの一撃」リリース


Thomas Fersen201727日にリリースした新しいアルバムは「Un coup de queue de vache」。Fersen1963年、Paris 11区生まれのACI。ギター、ウクレレ、ピアノ、ハーモニカ、バンジョーなどを演奏し、これらの楽器の弾き語りで歌う。80年代いくつかのバンドを組み、アングロサクソン系の歌を歌うが成功せず。兵役後パリに戻りピアニストの妻とともにピアノバーに出演、徐々に知られるように。93年に最初のアルバム「Le bal des oiseaux/鳥たちの舞踏会」をリリース、VdMの新人賞を受賞、98年SACEMの若手奨励賞であるRaoul Breton賞を受賞。2010年「Ordre des arts et des Lettres」のOfficier章を受章している。「言葉の魔術師」、「クールな夢想家」と言われるFersen、定期的に質の高いアルバムを出している。豊かなボキャブラリーを見事に操り、一つの言葉にいろいろな意味を持たせる詩、その内容は優しさと、皮肉っぽさにあふれ、夢想的。その詩を嗄れた独特の声で歌う。ファーストアルバムから一貫して動物を題材にした曲が目立つ。コウモリ、ミツバチ、ライオン、猫など。そしてラジオやTVなどのメデイアに乗って大衆受けするタイプではなく、コンサート中心の活動でシャンソンフランセーズに、特異なポジションを占め、確固たる地位を保っている。今回のアルバムは10枚目、収められている曲は:Un coup de queue de vache」、Les petits

sabots/小さな木靴」Un lievre/一匹の野ウサギ」、「Testament/遺言」、「As-tu  chosi?/君は選択したか?」、「La cabane de mon cochon/僕の豚の小屋」、「Big-bang」など12曲。Fersenは3月21日~4月1日 ParisThéâtre de l‘Oeuvreに出演 。

Un coup de queue de vache」 https://www.youtube.com/watch?v=rojCijUnxU8

 

4.ジュリエット・グレコJuliette Gréco、90歳


Juliete Grécoは2017年2月7日90歳の誕生日を迎えた。Grécoは「ファンに、詩に、シャンソンに、愛に、素晴らしい人生にmerci」と言うためと2015年4月24日「Printemps de Bourges」出演からから2016年末までの予定で最後のツアー「Merci」を計画。「Merci」はMiossecの詩にGérard Jouannestが曲を付けたGrécoの2015年の新曲のタイトルでもある。89歳の誕生日に当たる2016年2月7日、彼女には馴染みのParisThéâtre de la Villeに出演、観客とともに誕生日を祝った。しかし、2016年3月24日、翌日に予定されていたSausheimHaut-Rhin県)公演のため滞在していたLyonのホテルでAVC(脳血管障害)に襲われ、入院。その後関係者は肉体的にも、知性的にも回復したと語ったが、公演は全て中止または延期されたままで、2016年6月に予定されていた日本公演も中止。今日までステージを再開したというニュ-スは入っていない。

Grécoは2017年2月7日90歳の誕生日を迎えた(はず)。しかし、インターネットで入手できる新聞紙系、芸能・大衆雑誌系などではあまり大きく報道されていない。しかも報道されても、90歳になった事実、あるいは過去の実績を回顧し、賞賛するものばかりで、どのように誕生日を祝ったか、あるいは最近の健康状態はどうかと言った報道は(現在までのところ)見つからない。しかし、2月7日付けLe Frago紙などによると、Grécoは、4月24日(月)Toulouse近郊BlagnacOdyssud文化センターで、5月6日(日)Pas- de-Calais県、Le TouquetParis PlagePalais des Congrèsで、「Merci」コンサートを予定している由。   

 いずれにしても「Joyeux Anniversaire,Juliette!」

Merci」2015年https://www.youtube.com/watch?v=eQ30WcGUF1c

 
No.1475
2017.2.1 
   

 №1475   2017.2.1

前2項に掲げたものの他、2016年にヒットした、あるいは話題になったアルバムをご紹介いたします。

 



Kids United、「Un monde meilleur/より良い世界」及び「Tout le bonheur du monde/世界の全ての幸せ」

Kids Unitedは子供の権利を守るUNICEFの活動のキャンペーンのために、Helene SegaraCorneilleの後援を得て、2015年に当時8歳から15歳の少年少女6人で結成されたグループ(現在5人)。このグループが2016年に一大センセーションを巻き起こした。すなわち、グループは2015年11月20日「平和と希望を歌った美しいシャンソン」をカバーしたアルバムUn monde meilleur」をリリース。アルバムにはOn ecrit sur les murs/壁に書いたメッセージ」(Demis Roussosのヒット)、「Sauver l’amour」(Daniel BalavoineHelene Sefaraとのデュオ)、「Toi + moi/君+僕」(Gregoire)、「Papaoutai/お父さんどこに」(Stromae)、「Imagine」(Jphn Lenon)、「Il faudra leur dire」(Francis CanrelCorneilleとのデュオ)など過去のヒット12曲をカバー。アルバムは2016年には1月29日の週など4週間チャートのトップになるなど好評で、54万枚以上の売上げ。

Kids Unitedは2016年8月19日セカンドアルバム「Tout le bonheur du monde」をリリース。これには「「Tout le bonheur du monde」(Sinsemilia)、「Si/もし」(Zaz)、「L’oiseau et l’enfant/小鳥と子供」(Marie Myriam)、「Destin/運命」(Celine Dion)、「Le pouvoir des fleurs/花の力」(Laurent Voulzy)、「Heal the World」(Michal JacsonConeilleとのデュオ)、「Qui a droit/誰に権利があるのか」(Patrick Bruel)、「J’ai demande a la lune/月に願った」(Indochine)など12曲収録。こちらもリリースの週チャート1位で、42万枚の売上げ。この二つのアルバムは2016年売上げトップ10で、Renaudの「Renaud」(72万枚)、Celine Dionの「Encore un soir」(66万枚)に次いで3位、4位を占めた。

なおKids Unitedは2017年夏3枚目のアルバムをリリースし、その後解散する予定のよう。

L’oiseau et l’enfant https://www.youtube.com/watch?v=AeVMRuAyBkc   是非どうぞ!(管理人)

https://www.youtube.com/watch?v=DQH1HlQeHdo  ←こちらもどうぞ(自然の中ヴぁージョン)

 


・クリストフ・マエChristophe Mae
L’attrape-reves/ドリーム キャッチャー
             

Christophe Mae本名Christophe Martichon、南仏Vaucluse県 Carpentras 1975 ACI201613日にリリースしたアルバムは「L’attrape-reves/ドリーム キャッチャー」。

Maé18歳で家を出て南仏で歌手活動を始め、26歳でパリに。05年9月からParisPalais  des Sportsを中心に上演されたミュージカル「Le Roi Solei/太陽王」で太陽王の弟役(Monsieurと呼ばれたPhilippe d’Orleans)に抜擢され、存在感のある演技と歌を披露。07年のファーストアルバム「Mon paradis/僕のパラダイス」は130万枚以上の売上。08年VdMで新人歌手賞受賞。VdMではその後も数回、種々のカテゴリーの候補に上がっているが受賞はこの1回のみ。10年のセカンドアルバム「On trace la route/道を辿る」、13年のサードアルバム「Je veux du bonheur/僕は幸福が欲しい」はいずれもチャートの1位になり、「disque de diamant/ダイアモンドディスク」(50万枚以上の売上げ)になっている。4枚目のアルバム「L’attrape-reves」も、5つ☆の評価もあり、リリースの週から、Renaudの「Renaud」に代わってチャートの1位、その後4週間1位を保った。アルバムに収められているのは:L’attrape-reves」、「La Parisienne/パリジェンヌ」、「Californie/カリフォルニア」、「Il est ou le bonheur/幸せはどこにPaul Ecoleとの共作)、Les amis/友人たち」、「La vallee des larmes/涙の谷」、「40 ans demain/明日40歳」、「Ballerine/バレリーナ」などの10曲、他に「L’attrape-reves」など曲のacoustic version。31万枚の売上げで7位。

Maeは2016年11月10日からツアーを開始していて、2017年3月16日Paris Zenithに出演。

La Parisienne」 https://www.youtube.com/watch?v=yDeNRD5gW64

 


・エム・ポコラ M.Pokora、「My Way

M.Pokora(本名Matthieu TotaStrasbourg 1985-ACI)が2016年10月21日にリリースしたアルバム「My Way」は、全12曲がClaude Francoisのヒット曲のカバー。Pokoraはグループ活動の後2004年からソロに。NRJ音楽賞受賞の常連で男性歌手賞を4回受賞しているほかこの賞を都合11個受けている。またTVTF1の「Danse avec les stars/スターと踊る」コンテストで優勝、優れたダンサーとしても知られている。Claud Francoisは1939年エジプト Ismaillia生まれのACI、56年フランスに。62年アメリカのヒット曲「Girls, giirls, girls」に自身がフランス語の詩を付けた「Belles, belles, belles/美しい娘たち」が突如全国的にヒットし、60~70年代を代表する人気歌手に。人気絶頂の1978年3月Parisで没した。Pokoraのアルバム「My Way」には:「Cette annee-la/この年」、「Alexandrie, Alexandra/アレクサンドリー アレクサンドラ」、「Je vais a Rio/僕はリオへ行く」、「Belinda/ベリンダ」、「Belles, belles, belles」、「C’est la meme chanson/それは同じシャンソン」、「Soudain il ne reste qu’une chanson/突然ただ1曲のシャンソンが残る」、「Toi et le soleil/君と太陽」、「17ans/17歳」、「Magnolia for ever/永遠のマグノリア」、「Comme d’habitude/いつものように」(「My Way」の原曲)、それに「Alexandrie, Alexandre」のdiscoヴァージョンが収録されている。アルバムはリリースの週から12月23日の週までの間、7週間アルバムチャートの1位、40万枚の売上げで、2016年売上げトップ10の5位。

Comme d’habitude」 https://www.youtube.com/watch?v=tutrzSvjSMk

 

 


・ダニエル・バラヴォワヌ Daniel Balavboine、没後30年オマージュアルバム 

2016年1月14日はDaniel Balavboineの没後30年に当たる。それを記念して現在活躍中の人気歌手がBalavoineのヒット曲をカバーしたトリビュートアルバム「Balavoine(s)」が2016年1月8日リリースされた。

Balavoineは1952年Basse-Normandie地方Orne県のAlençon生まれのACI。少年期を過ごした西フランスPauではダンスパーティーでBob Dylanの曲などを歌う。71年Parisに出てグループで歌ったり、Patrick Juvetのバックコーラスを務めたりした後、75年ファーストアルバム、77年のセカンドアルバムはいずれも低調。78年6月にリリースされた3枚目のアルバム「Le chanteur/歌手」が80万枚以上の売上げのヒットとなった。そして、79年4月12日からパリのPalais des Congrèsで上演されたロック・オペラ「Starmania/スタルマニア」(Luc Plamondon作詞、Michel Berger音楽)で主役のJohnny Rockfortを演じた。これによりクリスタルの声を持ち、広い声域で歌うBalavoineは80年代を代表する歌手に。80年1月にはOlympiaに初出演。82年のアルバム「Vendeurs de larmes/涙を売る人たち」は60万枚以上、85年のアルバム「Sauver l'amour/愛を救うこと」は、「L'Aziza」(Balavoine夫人でモロッコ出身のユダヤ人Carinneに捧げられた曲で人種差別を非難している)、「Aimer est plus fort que d'être aimé/愛することは愛されることよりも強い」、「Tous les cris les S.O.S/全ての叫び、SOS.」、「Petit homme mort au combat/戦争で死んだ少年」(イラン・イラク戦争での少年兵を歌った)などを収録し120万枚の大ヒット。 Balavoineは86年1月14日Paris-Dakarラリーのレポーターを務めた際、搭乗していたヘリコプターの事故により急死。享年33歳、BiarritzRanquine墓地に埋葬された。「Sauver l'amour」は没後86年VdMでアルバム賞を受けている。 没後も人気は衰えず、95年出たコンピレーション「L'essentiel」は70万枚以上を売り上げた。Baravoineは生前アフリカで給水施設の建設などの慈善活動を行っており、その死後Association Daniel Balavoineが設立され事業を継続している。

アルバム「Balavoine(s)」はリリースの週チャート位、収められている曲及び歌っているのは:「Tous les cris les SOS」(Zaz)、「Sauver l’amour」(Zaho)、「Un enfant assis attend la pluie/座って雨を待つ子供」(Nolwenn Leroy)、「Souleve toi/立ち上がれ」(Raphael)、「Only the very best」(Marina Kaye)、「Si je suis fou/もし僕が常軌を逸していても」(Ours)、「Partir avant les miens/仲間より前に立ち去る」(Bessa)、「Pour la femme veuve qui s’éveille/目覚める未亡人のために」(Josef Salvat)、「Lucie/ルシー」(Christophe)、「La vie ne n’apprend rien/人生は僕に何も教えてくれない」(Florent Pagny)、「Aimer est plus fort que d’être aimé」(Cats on Trees)、「Vivre ou survivre」(Shy’m)、「Quand on arrive en ville」(Damien Lasunetta)、「Mon fils, ma bataille/私の息子、私の闘い」(Jenifer)、「L’Aziza」(Féfé)、「Le chanteur」(Emmanuel Moire)、「Dieu que l’amour est triste/愛とは何と悲しいもの」(Cléo)。

Le chanteurEmmanuel Moire https://www.youtube.com/watch?v=WohALCiAuJM

 


・ミシェル・デルペッシュMichel Delpech、オマージュアルバム「Michel Delpech, J’etais un ange/僕は天使だった」

2016年1月2日に死去したMichel Delpechへのオマージュアルバム「J’etais un ange」は2016年11月18日リリースされた。Delpechは1946年1月26日Paris郊外Courbevoie生まれのACI高校生の頃友人たちとバンドを作り、自作を歌う。bac前に学業を放棄、Vogue社と契約。64年作曲家のRoland Vincent(1939-)と知り合い、作詞・歌Delpech、作曲Vincentのコンビで数々のヒット。65年の「Chez Laurette」が最初のヒット。66年10月Jacques Brelのオランピアにおけるさよなら公演の第1部で歌っている。68年2枚目のLP Il y a des jours où on fait mieux de rester au lit/灰色の日々」でACC大賞を受賞.。1970年代にはヒットに次ぐヒットを出しフランス国内でのレコードの売り上げトップに、またTVの歌謡番組の常連に。ヒット曲の主なものは:「Wight is Wight/ワイト イズ ワイト」(69年)、「Pour un flirt/青春に乾杯」(71年)、「Que Marianne  était jolie/美しきマリアンヌ」(72年)、「Les divorcés/悲しみの別離」(73年)、「La maison est en ruine/哀しみの終わりに」(74年)、「Ce fou de Nicola/パリのロシア人」(74年)、「Lechasseur/狩り」(74年)、「Quand j'étais chanteur/歌手だった頃」(75年)、「LeLoir-et-Cher/ロワール=エ=シェール」(77年)。1970年代末から1980年代初めにかけて、離婚などが原因となり、鬱状態になり苦悩の時期を過ごす。83年再婚、84年シングル「Loind'ici/ここから遠く離れて」で復活。その後も2009年6月『Sexa』(=Sexagénaire/60歳代、「60歳代は私にとって快適そのもの」)まで定期的のアルバムをリリース。他に2006年12月には過去の自身のヒット曲を、Alain Souchon ,Francis CabrelJulien Clercなどの人気歌手とのデュオでカバーしたアルバム「Michel Delpech &」をリリース。2015年10月にはCD13枚組158曲収録箱入り全集 「L’Essentiel des albums studio1964-2009」リリース。また、2015年3月19日自伝「Vivre !/生きる!」刊行している。

アルバム「J’etais un ange」(1990年にリリーされたシングルのタイトルから)に収録されているのは16曲。カバーしている歌手は若手からヴェテランまで多岐にわたっている:Les divorces」(Marc Lavoine)、「Quand j’etas chanteur」(Vianney)、「Ce lundi-la/憂鬱な月曜日」(Calogero)、「J’etais un ange」(Alain Chamfort)、「Le chasseur」(Louane)、「Wight is Wight」(Laurent Voulzy)、「Le Loir-et-Cher」(Lilian Renaud)、「Que Marianne etait jolie」(Les Innocents)、「Chez Laurette」(Slimane)、「Tu me fais planer/夢心地」(Pascal Obispo)、「Inventaire 66/66年総決算」(Fanny ArdantAlex Beaupain)、「Loin  d’ici」(Amir)、「La fille avec des baskets/ズック靴の女の子」(Patrick Bruel)、「Pour un flirt」(Patxi)、「Ces mots-la/これらの言葉」(Frederic Lemer)、「Les aveux/告白」(Didier Barbelivien)。DelpechGenevieve夫人によると、Delpechは生前、他の歌手による自身の曲のカバーアルバムを計画していた。それは自分がもう歌えないだろうと知り、このような形で自分のシャンソンを残すことは「ファンに別れを告げる最も美しい方法」だと考え、どの曲を誰に歌ってもらうかについても構想を持っていたよう。

「Album review」 https://www.youtube.com/watch?v=oSEIWQRxvK8

No.1473
2017.1.20 
   №1474   2017.1.20

2016年のシャンソンフランセーズ回顧(その2)

 若手、新人の活躍

2016年、若手、新人の中ではアミールAmirスリマヌSlimaneクローディオ・カペオClaudio CapéoジェインJainの活躍が目覚ましかった。



Amir(本名 Amir Haddad)は1984年6月20日、Paris 12区生まれのACI。92年一家でイスラエルに移住。2006年イスラエルTV局のスター誕生番組に出場。優勝はできなかったが、Amirの歌に興味を示したプロデューサーの勧めで08年最初のアルバムを録音。Amirはエルサレム大学で歯科医になるための勉学を続けたため、アルバム「Vayehi」のリリースは2011年になった。2013年にはフランスのTVTF 1のスター誕生番組「The VoiceLa plus Belle Voix」の第3シーズンに出場、4人で争う決勝に進み、3位に。2016年1月Johan Erramiなどの協力を得て作詞作曲したシングル「J’ai cherché/僕は努めた」(クープレ部分はフランス語、ルフラン部分は英語)をリリース。4月29日には「J’ai cherché」、「Ma vie, ma ville, mon monde/僕の人生、僕の町、僕の世界」、「A ta manière/君の方法で」、「I know」などを収録したファーストアルバム「Au œur de moi/僕の心に」をリリースしている。Amirは2016年5月スウェーデン、ストックホルムのGlobe Arenaで行われた第61回Eurovisionにフランス代表として出場、6位に。最近このコンクールでフランス代表は、極端に成績不振に陥っていて、14年26位で最下位、15年26ヵ国中25位。10位以内に入ったのは、09Patricia Kaas(8)以来。今回のAmirの6位はこのコンクールでのフランスに新たな出発をもたらすものになると期待されている。Amirは2016年11月のNRJ音楽賞では「Révélation francophine de l’année/フランス語圏新人賞」と「J’ai cherché」で「Chanson française de l’année/シャンソンフランセーズ賞」を受賞している。また、11月18日リリースのMichel Delpechへのトリビュートアルバム「J’étais un ange/僕は天使だった」に「Loin d’ici/ここより遠く」で参加。2017年のLes Enfoirés(1月22、23日Toulouse)に出演の予定。

A ta manière」 https://www.youtube.com/watch?v=gie67gvWEWo

 


Slimane(本名Slimane Nebchi)は1989年10月13日、Parisに隣接するLes Lilas生まれのACI、両親はアルジェリア出身。2009年の「Nouvelle Star」など、いくつかのTVのスター誕生番組に予選で落選。しかし、2016年のTVTF1スタ誕番組「The Voice」第5シリーズでは「Audition à l’aveugle/審査員には顔を見せずに歌うオーディション」でVitaaの「A fleur de toi/あなたの花に」を歌い4人の審査員全員(MikaZazieGarouFlorent Pagny)の支持を得て合格。さらに、5月14日4人が残った決勝戦で「Les murs porteurs/支える壁」(Pagnyのヒット曲をPagnyとのデュオで)、「Tout le monde y pense/みんなそれを考えている」(Francis Cabrelのヒット、ソロで)などを歌い優勝した。そして、6日後の5月20日にはファーストシングル「Paname/パナム」をリリース。7月8日ファーストアルバム「A bout de rêves/夢の最後に」をリリース。これには「Paname」のほか、「L’enfant de la rue/通りの子供」、「Frerot/弟よ」、「Adieu/アデュ」、「On s’en fout/全く関係ない」、「Le Grand-Père/祖父」など、子供時代、あるいはそれまでの人生を語る11曲が収められている。リリースの週から2週間にわたってアルバムチャートの1位。11月18日リリースのMichel Delpechへのトリビュートアルバム「J’étais un ange/僕は天使だった」に「Chez Laurette/ロレットの店で」で参加。2017年1月6日からツアーを開始、1月27日ParisLa Cigale(120,bd. Rocjechouart 9区)に出演。また、2017年上演が予定されているDidier Barbelivienの脚本によるミュージカル「Marie-Antoinette et le Chevalier de Maison-Rouge/マリー・アントワネットと赤い館の騎士」には2015年にオーディションに合格、公演では準主役を演じることになっている。

L’enfant de la rue」 https://www.youtube.com/watch?v=0F6D86BbgTE

 


Claudio Capéo
(本名Claudio Ruccolo)は1985年、Alsace地方、Haut-Rhin県 Cernay生まれのACI、アコ-デオニスト。イタリア系、ステージ名Capéoはイタリア語の「capello/帽子」から。幼少の頃からアコーデオンを習い(「ドラムスをやりたかったんだけど、家が小さくて、うるさいと言われて」)、フランスばかりでなくユーロッパ中のアコーデオンのコンクールに出場している。2008年友人たちとグループClaudio Capéoを結成、2枚のアルバムをリリース、「全く見向きされなかった」。 「通りで歌っているとき、出場者を探している『The Voice』のスタッフに声を掛けられた。この番組を見たこともなく、興味はなかった。しかし、仲間に勧められて、それに、自分の声が専門家にどのように評価されるか知りたくて」。The Voiceの第5シーズンに、アコーデオンなしで、ソロ歌手として出場。2月13日の行われた予選「Audition a l’aveugle」でMichel Delpechの「Chez Laurette/ロレットの店で」を歌い、特にFlorent Pagnyの支持を得て通過、本戦出場を果たした。しかし本戦では1回戦で早々に敗退。The Voiceに出演したCapéoには「Christophe Maéそっくり」、あるいは「Zaz au masculin/男性のZaz」との評もあり、ZazのプロデューサーSebastien Sausseのプロデュースで7月15日アルバム「Claudio Capéo」をリリース。「Claudio Capéo」には「Un homme debout/立っている男」、「Ça fait tourner le monde/それは世界を変える」、「Fidèle à moi-même/自分自身に誠実に」、「Mon pays/我が故郷」、「Chez Laurette」、「Ça va, ça va/オーケー、オーケー」など13曲収録。アルバムは7月22日の週から5週間チャートの1位。この快挙をLe Parisien紙は「surprise de l’été/夏のサプライズ」と表現。アルバムは25万枚の売り上げで、2016年売り上げトップ10の8位。この好評により最初の2枚のアルバム、2010年の「El Vagabond」、2012年の「Miss Mondo」もにわかに注目を浴び始めた。アルバムリリース後プロモーションを始め、12月6日にはParisLa Cigaleに出演した。それ以前、11月4日には出身地のHaut-Rhin県、SausheimL’Eden Sausheimで、いわば凱旋コンサート、2000人の観客を集め、Alsaceの地方紙は「Alsacien de l’année 2016/2016年を代表するアルザス人」に彼を選んだ。

2017年1月19日からツアー、7月21日まで30回ほどのコンサートとFrancofolies de la Rochelle出演の日程が発表されているが、今のところこの間にParis登場はない。

Ça va, çava」 https://www.youtube.com/watch?v=ehqH8zpqCe0

 


Jain
(本名 Jeanne Galice)は1992年2月7日、Toulouse生まれの女性ACI。石油関連企業に勤務していた父親について、幼少の頃Congo-BrazzavilleDubaiAbu Dhabiなどで生活。「アフリカではお祝いのために、分かち合うために、コミュニケーションのために音楽がある。そんな音楽を作ってみたい」と、16歳Congo-Brazzaville在住の頃から曲作りを始め、数曲の自作をMyspaceに投稿。bacの後Parisに住みグラフィックデザイナーを目指して勉強中、Myspace上でJainの曲に注目していたYodelice(1979- ACI、プロデューサー)の勧めにより音楽の道に戻る。その後YodeliceChristine and the Queensらの前座で歌い、TV音楽番組「Taratata」に出演、Yodeliceとデュオで歌う。2015年11月6日Yodeliceのプロデュースによりファーストアルバム「Zanaka」をリリース。「zanaka」はマダガスカル語で「enfant/子供」の意、マダガスカル人とフランス人の混血である母親に敬意を表してアルバムのタイトルにした。アルバムには初期の作品「Come」(「アルバムリリースの7年前に作った」)、比較的新しい「Makeba/マケバ」(南アフリカの人気女性歌手Miriam Makeba 1932年-2008年 讃歌、「母はYousson n’DourSalif Keitaなどと共にMakebaの曲をよく聞かせてくれた」)、「Heads up」、「Hope」、「All my days」、「So peaceful」など10曲が収録されている。10曲は全て英語で歌われている。「子供の頃から色々な都市で生活していて、やはり英語はどこでも通用する言語だという印象をもったので」。

アルバム「Zanaka」は2016年VdMで新人アルバム賞にノミネートされた(受賞はLouaneの「Chambre 12」)、また2016年中に20万枚の売上げ、同年の売上げトップ20の12位。2017年3月6、7日Paris Olympiaに出演。

Makeba」 https://www.youtube.com/watch?v=ehqH8zpqCe0

No.1472      №1472

2016年のシャンソンフランセーズ回顧

   シャンソンフランセーズの二人の「poids lourd/大立て者」のアルバム好評

2016年、シャンソンフランセーズのpoids lourdであるルノーRenaud、セリーヌ・ディオン Céline Dion、クリストフChristopheがリリースしたアルバムが好評裏に迎えられた。


Renaud本名Renaud SéchanParis 1952-ACIが2016年4月8日にリリースした10年振りのアルバムは「Renaud」。前回のアルバムは2009年リリース「Molly Malone-Balade irlandaise/モリー・マロン=アイルランドのバラード」。このアルバムをリリース後、2011年歌手Romane Serda(05年に再婚、06年長男Maloneマローヌ誕生)と離婚したことなどもあり「インスピレーションが枯渇した」と活動を休止していた。活動を中止していた間Renaudを最も悩ませたのはアルコール依存。しかし、断酒を決意、復帰した。16枚目となる「Renaud」には、アルバムにはRenaud自身が作詞し、Renan Luceなどが作曲した14曲が収められている。

14曲は:「J’ai embrassé un flic/僕は警官を抱きしめた」(2015年1月7日Charlie Hébdo誌編集部襲撃事件の4日後Place de la République行われたこの襲に抗議し、犠牲者を追悼するデモをテーマにしている)、「Toujours debout/まだ立っている」(「・・まだ立っている、安心して下さい。相変わらずいかれてはいるけれど、それでもまだ立っている。元気を取り戻し、両足で真っ直ぐに立っている。僕は復活した・・」と歌っている)、「Petit bonhomme/坊や」(息子のMaloneに捧げられている)。「Héloise/エロイーズ」(Renaudの1985年の大ヒット「Mistral gagnat/ミストラル ガニャン」のモデルであった長女Lolitaの長女、即ち、初孫であるHéloiseに捧げられている)、 「La vie est moche et c’est trop court/人生はさえない、それに短すぎる」(Georges BrassensColucheも去ってしまった。彼らのいた時代へのノスタルジー、そして人生讃歌)、Mon anniv’/僕の誕生日」(「・・今では誕生日が来ることは若さへ一撃、何かに近づいて行く一歩・・」と歌っている)など。

アルバムはリリースから1週間で28万7千枚以上の売上げ。リリースから1週間での売上げ枚数としては、2002年にJohnny Hallydayの「A la vie, à la mort」が記録した30万枚以上の売上げに次ぐもの。5週間アルバムチャートのトップで、5月13日にはdisque de diamant(50万枚以上の売上げ)に。

Renaudは10月1日国内及びスイスツアーを開始、2017年4月1日までの日程が発表されている。10月11~29日(この間10日間)Paris  Zenithに出演。

Toujours debout」 https://www.youtube.com/watch?v=IgTryBtCEdA

 
Céline DionQuébec 1968-歌手)
が2016年8月26日にリリース新しいアルバム「Encore un soir/もう一夜」で前作で150万枚以上売り上げた2012年11月2日リリースの「Sans attendre/待つことなく」以来で4年振り。アルバムには都合15人の作詞者、作曲者が協力した曲など15曲が収録されている。収められている曲は2016年1月に亡くなった夫でピグマリオンでもあったRené Angélilを偲ぶもの、あるいは、新しい生活への希望を歌ったもの。15曲は:「Encore un soir」(Jean-Jacques Goldman作詞/作曲、2016年5月24日シングルでデジタルリリースされている。Angélilの生前に書かれたAngélilへのオマージュ)、「Plus qu’ailleurs/他所よりも」(Serge Lama作詞/Francis Cabrel作曲)、「L’étoile/星」(Grand Corps Malade作詞/Florent Mothe他作曲)、「A la plus haute branche/最も高い枝に」(Daniel Picard 作詞/作曲、PicardQuébecで活躍している俳優。この曲はDionがアルバムに収録する曲を一般から募集、4000曲以上応募がありその中から選ばれた)、「Ordinaire/普通の」(Claudine Monfette作詞/Robert Charlebois他作曲、1970年のRobert Charleboisのヒットのカバー)、「A vous/あなた方に」(Zaho作詞/Zaho他作曲、ファンへの愛情)、「Tu sauras/あなたはできるようになる」(Zaho作詞/Zaho他作曲)、「Ma force/私の力」(Vianney 作詞/作曲)、「Si c’était à refaire/もしそれがやり直さなけれならないものなら」(Alice Guiol作詞/Jacques Veneruso作曲)、「Le bonheur en face/目の前の幸せ」(Manon Romiti他作詞/作曲)など。

アルバムは最初の1週間で21万枚以上の売上げで、これは今年Renaudの「Renaud」次ぐスタートダッシュで、リリースの週、フランスばかりでなくカナダ、ベルギー、スイスでも1位、イタリアでは3位、また台湾では2位との報道も。6週間1位で11月11日にはdisque de diamantに。Dionは2016年10月8日Caesars Palaceのステージに立った。これは2003年の初出演から1000回目の公演。

Encore un soir」 https://www.youtube.com/watch?v=_yhk-O6GjIk

 
Christophe
本名Christophe Bevilacqua
Paris郊外1945年-ACI)は2016年4月8日アルバム「Les vestiges du chaos/カオスの痕跡」をリリース。これは、1965年「Aline/アリーヌ」(Christophe作詞/作曲)、1974年「Les mots bleus/青い言葉」(Jean-Michel Jarre作詞/Christophe作曲)などのヒットを持ち、2010年にはSACEMの「Grand Prix de la chanson française/シャンソンフランセーズ大賞」を受賞し、50年のキャリアを誇り、その間少しも色あせることのない、幻想的な、ダンディーなアーティストChristopheの13枚目のスタジオ録音アルバム。オリジナル曲を収録したアルバムは2008年の「Aimer ce que nous sommes/あるがままの我々を愛する」以来8年振り。アルバム「Les vestiges du chaos」にはリリース当初、5つ☆を与えている評価もあり、リリースの週アルバムチャートではRenaudの「Renaud」に続き2位。また2016年年末にはこの年を代表するアルバムの一つと評価する記事も見られた。アルバムには、聞く者の心を燃え上がらせるような、官能的な詩を透き通るような声で歌う13曲が収録されている。それらは:「Définitivement/最終的に」(Christopheは70歳新しい道を開こうとしている。・・私は皆さんに提案する。開きましょう、私と一緒に、新しい道を・・)、「Océan d’amour/愛の大海」、、「Lou」(Lou Reed 1942-2013 アメリカのロック系ACI、とのデュオLaurie Anderson讃歌、曲の途中で聞こえるのはReedが2001年インタビューに応じている声)、「Dangereuse/危険な女性」、「Tangerine/タンジェリン」(Alan Vega1938-2016.7.16 アメリカのロック系歌手・作曲家、「Suicide」のメンバー、とのデュオ、英語の詩はVega、フランス語の詩はDaniel Belanger、作曲はChristopheほか)、「Les mots fous/常軌を逸した言葉」、「Les vestiges du chaos」(Jean-Michel Jarreが作詞で協力)、「Ange sale/汚れた天使」、「Mes nuits blanches/僕の眠れない夜 」、「Tu te moques/君は気にしない」など。

Lou」 https://www.youtube.com/watch?v=QSsxPgaet1I

No,1472
2017.1.2 
   

№1472  2017.1.2



歌手当てクイズ
(その6)でお楽しみ下さい。

ラジオ局RTLで放送されたクイズ番組を編集、10回のシリーズでお届けしています(不定期)
第6回の今回は、かなりレベル上です。(管理人、ほとんど分からず・・・・)


次の三つの単語に当てはまる歌手はだれでしょう

 (問26)3つの単語:「Astarffort/アスターフォール」、「Accent/アクセント」、「Marie/マリー」

 (問27)3つの単語:「Brassens/ブラッサンス」、「Maison/家」、「Fugue/①家出②フーガ」

 (問28)3つの単語:「Ardéche/アルデシュ」、「Isabelle/イザベル」、「Potemkine/ポチョムキン」

 (問29)3つの単語:「Roi/王」、「Malheur/不幸」、「Dense/ダンス」

 (問30)3つの単語:Canada/カナダ」、「Obispo/オビスポ」、「Thérèse/テレーズ


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

正解

(答26)フランシス・カブレルFrancis Cabrel(1953- ACI

解説:

Astarffort」・・Cabrelは西南フランス、アキテヌ地方Aquitaine、ロテ=ガロンヌLot-et-Garonne県、アジェンAgen生まれ。幼少の頃Agenから数km離れた同県のAstaffort村に転居し、そこで育つ。Cabrelは現在も、人口2000人余りの同村に家族と共に住み、村議会の議員を務めたこともあり、「Gentelman d‘Astaffort」呼ばれているまた若い作詞家、作曲家、歌手の育成にも力を注いでいて、94年から同地で音楽教室「Rencontres dAstaffort/アスターフォールの出会い」主宰している。

Accent」・・Cabrelは生まれて育ったAquitaine地方の方言が抜けないと言われている。

Marie」・・1974年Toulouseのラジオ局Sud Radioで行われたシャンソンコンクールに出場。自作の「Petite Marie/可愛いマリー」を歌い400人の参加者の中から優勝。この曲は夫人のMarietteに捧げられたもの。このコンクールで審査員を務めたRichard Seffの紹介でレコード会社CBSと契約を結ぶことができ、77年のファーストアルバム「Francis Cabrel」をリリース。この曲はそれに収められた。

 「Petite Mariehttps://www.youtube.com/watch?v=K4MYL5c_bAs

 (答27)マキシム・ル フォレスティエMaxime Le Forestier(1949- ACI)  
解説:

Brassens」・・Maxime談「14歳の時、それまでのバイオリンに代わってギターを習いたくなり、パリの楽器店でギターを買った。その際店員に勧められGeorges Brassensの『Le Gorille/ゴリラ』と『La mauvaise réputasion/悪い噂』の譜面も買った。それまで私はBrassansの歌を聴いたことはなかった」。1972年Brassensの前座でBobinoに出演、それによりMaximeは世間に知られるようになった。79年初のBrassensのカバーアルバムをリリース。その後97年―98年には「Maxime chante Brassens」ツアーを20数カ国で220回以上。その後Brassensの全曲をカバーし、5つのアルバムに収録している

Maison」・・1972年Maxime最初のヒット曲「San Francisco」の歌い出しは「C’est une maison bleue adossée à la coline・・/それは一つの青い家、丘に抱かれた・・」

Fugue」・・1960年姉のCatherineとのデュオを結成、1969年「La petite fugue/ちょっとしたフーガ」などを収めた最初の45回転レコードを出している。デュオはMaximeの兵役により解散。

Le Forestier et BrassensLes passantes/」https://www.youtube.com/watch?v=rDT9zPzTmrE

 

(答28)ジャン・フェラJean Ferrat(1930-2010 ACI

解説:

Ardéche」・・1964年Rhône-Alpes地方Ardéche県の小村Antraigues-sur-Volaneに居を構えた。最大のヒット曲「La montagne/ふるさとの山」(64年Ferrat作詞・作曲)はそこで生まれた。Ferratは同村の副村長を務めたこともあり、葬儀は同村のPlace de la Résistance/レジスタンス広場で行われ、遺体は村営墓地に埋葬されている。

Isabelle」・・1962年女性歌手のIsabelle Aubretイザベル・オーブレと出会い、Aubretに「Deux enfants au soleil/太陽の子供たち」を提供。この曲はAubertの重要な持ち歌に。63年Aubretが交通事故に遭遇した際には「C’est beau la vie/人生は美しい」(作詞Michelle Senlis)を作曲し提供している。

Potemkine」・・「Potemkine/戦艦ポチョムキン」は1965年の曲。1905年6月ソ連の戦艦艦上での水兵による反乱をテーマにしたこの曲はフランスでは公共放送局ORTFが放送禁止に、ソ連では発禁処分に。

Potemkine」 https://www.youtube.com/watch?v=mxTC2RZl9F0


(答29)エマニュエル・モワールEmmanuel Moire(1979- 歌手、作曲家、俳優)

解説:

Roi」・・生地Le MansConservatoireFrancis CabrelRencontres dAstaffort」で学んだ後、いくつかのオーディションに失敗。04年ミュージカル「Le Roi Soleil/太陽王」のオーディションに合格。05年9月から07年7月までパリPalais des Sportsなどで上演されたこのミュージカルで太陽王Louis14世を演じ、「Etre à la hauteur/高見に」などを歌い人気に。

Malheureu」・・「Beau malheureu/美しい不幸」は13年4月リリースのアルバム「Le chemin/道」に収められているヒット曲で、Fauve Hautot(1986- ダンサー、振り付け師)と踊っているクリップは好評。

Dense」・・12年TVTF1のダンスコンクール番組「Danse avec stars/スターと踊る」にHautotと組んで出演し優勝した。

 「Beau malheureuhttps://www.youtube.com/watch?v=EHkn5bjm3nI

 答30)ナターシャ・サン ピエールNathasha St.Pier(1981- 歌手)

解説  

Canada」・・CanadaNouveu Brunswick/ニュー・ブランズヴイック州、Bathurst生まれ。12歳でTV局ののど自慢番組で決勝進出、14歳でファーストアルバム「Emergence/突然の出現」をリリースするなど若くしてCanadaのフランス語圏では人気に。99年ミュージカル「Notre-Dame de Paris」のケベックおよびロンドン公演ではFleur-de-Lys役で出演。01年コペンハーゲンでのEurovisionにフランス代表で出場し4位。

Obispo」・・03年Pascal Obispoに提供された曲(「Tu trouveras/あなたはきっと解る」など)中心のアルバム「De l’amour le mieux/最高の愛」をリリース、VdM新人賞。

Thérèse」・・13年4月22日にリリースされたアルバム「Thérèse, vivre damour/テレーズ、愛に生きる」は、Sainte Thérèse de Lisieux/リジューの聖女テレーズの詩にGrégoireグレゴワールが曲を付け、St.Pierを中心に、Anggunらが歌う12曲を収めている。Sainte Thérèse de Lisieux(1873-1897)は16歳でLisieuxCalvados県)のカルメル会の修道院に入り24歳、結核で死去。死後自叙伝「Histoire dune Ame/一つの魂の物語」が出版され、世界中でベストセラーに。1925年列聖された。

 「Vivre d’amour」 https://www.youtube.com/watch?v=qfxgJ9GZsu8

 お疲れさまでした第7回をお楽しみに。

No.1471
2016,12,31
 
   

No.1471  2016.12.31

  2件の訃報をお伝えいたします。 


ピエール・バルーPierre Barouh、2016年12月28日死去享年82歳。

映画「Un homme et une femme/男と女」のテーマ音楽の作詞者として知られるPierre Barouhが2016年12月28日心筋梗塞で5日前から入院していたParisCochin病院(Paris 14区)で死去、享年82歳。

Barou
1934年2月19日Paris 15区生まれのACI、音楽プロデューサー、映画監督、俳優。Paris郊外Lavallois-Perretで育つ。ユダヤ系のためドイツ占領下では南フランスのVendeé県に疎開、戦後Parisに戻り、自宅アパートの階下にあった映画館「L’Eden」でMarcel Carme監督映画「Les visiteurs du soir/悪魔が夜来る」を見てJacques Prévertのシナリオに感動、「自分を取り巻く世界の証言者になり、感動を映像と音で伝えたい」と考えるようになり、詩を書く。スポーツジャーナリストとしてポルトガルに滞在した際聞いたブラジル音楽に傾倒、1959年ブラジルに渡る。帰国後、1961年公開Georges Lautener監督映画「Arretez les tambours/太鼓を止めろ」に端役のレジスタンスの詩人役で出演。劇中 作詞/作曲した「Les filles du dimanche/日曜の娘たち」を歌う。映画ではその後特に1963年Noël Howard監督「D’où viens-tu Johnny ?/ジョニー、君はどこから」でJohnny HallydaySylvie Vartanらと共演、1965年Claude Lelouch監督「Une filles et des fusils/女と拳銃」には準主役で出演。歌手としては1962年9月ベルギーのPalette レコード社から「Le tour du monde/世界一周」、「Le petit ciné/小さな映画館」を収録した最初のレコードをリリース。その後フランスのAZ社からLucien Morisse(ラジオ局Europe1のディレクター)のプロデュースで数枚のレコードを。 1963年Bibinoに2番手の歌手として出演(その際ディレクターの指示に従わず、自由奔放のステージだったことからその後20年ステージから干されたという話もある)。1966年5月フランスで公開されたClaude Lelouch監督映画「Un homme et une femme」では同名のテーマ音楽を作詞(作曲はFrancis Lai)、Nicolle Croisilleと歌っている。映画ではAnouk Aimée演じる主人公の亡夫の役で出演している。Barouhはその後「Vivre pour vivre/パリのめぐり逢い」(1967年Lelouch監督)などでも映画音楽を担当している。また俳優として「Vivre pour vivre」、「Un autre homme, une autre chance/続・男と女」(1977年)、「Le courage d’aimer/愛する勇気」(2005年)などにも出演している。映画監督しては「Ca va, ca viens/」(1972年)、「Le divorcement」(1978年)、「La rencontre joyyeuse」(1997年)などの優れた作品を残している。

Barouhは1965年独立系音楽プロダクションSaravahを設立。Brigitte FontaineAreski BelkacemJacques Higelin Jean-Roger Caussimonらの才能を見出し、プロデューサーとして彼らの優れた曲を世に出していて、50年間に200余枚のレコードをリリースしている。自身でも1966年「Vivre/生きる」、1998年「Itchi go itchi e/イチゴ イチエ」、2007年「Daltonien/色盲の人」などのアルバムをリリースしている。他にYves Montandが歌った「A bicyclette/自転車乗り」(Francis Lai作曲、SACEM登録は「La Bicyclette」)、Annie GiratdotFrançoise Hardyが歌った「Des ronds dans l’eau/水の中の環」(作曲Raymond Le Sénéchal)などの歌詞を書いている。

私生活では1966年映画で共演したAiméeと結婚、3年後の離婚。その後3人目の夫人となる日本人Atsuko Ushiodaと結婚、3人の女児、MaiiaACIとして活動。1982年に初来日してコンサートを開いてから、定期的に日本でも活動。

Barouhは今年10月15日「Un homme et une femme」のデジタルリマスター版の上映初日の舞台挨拶のため来日していた。

そして11月20日にはParisのコンサートホールLa Belleviloise(20区)でSaravah誕生50周年記念のコンサートを開催。Barouhは舞台挨拶をしたが体調不良のため歌わなかった。Barouhの死去を発表したAtsuko 夫人は「80歳を過ぎていた彼は疲れてはいたがステージでは元気だった。それだけに彼の死は突然で、驚いている」

Un homme et une femme」(1966年10月20日Nocole Croisilleとのデュオ) https://www.youtube.com/watch?v=M4yo58nTvhU

A bicyclette」  2013年6月14日https://www.youtube.com/watch?v=MRK6PxobQU0

 


・レオ・マルジャンヌLeo Marjane、2016年12月18日死去。享年104歳。  
      

シャンソンフランセーズのdoynenne/最年長者、180曲以上を録音した偉大なキャリア、いくつかの映画にも出演していた歌手Léo Marjaneが2016年12月18日心臓発作のため、Paris郊外Barbizonの自宅で死去、享年104歳。

Léo Marjane、本名Thérèse Gendebien、は1912年8月26日フランス北部Pas-de-CalaisBoulougne-sur-Mer生まれ。幼少期を外交官の父親についてドイツ、オーストリアで過し、ウイーンのconservatoireで歌、ヴァイオリン、ピアノを習う。6歳で父親を亡くしMarseilleへ。15歳でMarseilleのキャバレAlcazarで行われた歌謡コンクールに出場し優勝。1928年からMarseilleでステージに立ち、歌のほか、ダンスやアクロバットで人気に。31年歌手と結婚、パリに。ShéhérazareAlhambraなどに出演。32年Columbiaから最初のレコード。その後5年間アメリカで歌う。「私がジャズをフランスに紹介したと言ってもいいと思う。1930年代私たち3人の歌手、Jean SablonJacqueline Françoisそれに私、は毎年アメリカで歌った」(2012年100歳の誕生日でのインタヴューで)。37年「La chapelle au clair de lune/月光のチャペル」(「In the chapel in the moon light」の翻案)が最初のヒット。

 その後は熱い、優しい、魅惑的な声、発声で人気に、また、フランスのジャズ歌手第1号として、Divine biguine/崇高なビギン」(38年、「Begin the Biguine」の翻案)、「En septembre sous la pluie/雨の9月に」(38年、「September in the rain」の翻案)、「Bei mir bist du schön素敵なあなた」(38年、「Bei mir bist du schön」の部分を除き、Jacques Larue翻案のフランス語でMon ane私の天使」(40年)、「Sérénade portugaise/ポルトガルのセレナーデ」(40年)などがヒット。

ドイツ軍によるParis占領(1940.6.14 Paris陥落~1944.8.29 解放)中も活動を続け、Concert PacraL'écrin Marjaneがオペラ座の近くに開いた店)、Casino MontparnasseFolies-Bellevilleなどに出演。

41年Léo Marjaneの最大のヒット曲「Seule ce soir今宵ただ一人」(Paule Durandの曲にRose NoelJean Casanovaが詩を付けた)を歌う。

Paris解放後Comités d’épuration対独協力者追放委員会の査問を受ける。ドイツ人将校の出入りするキャバレやドイツ軍が管理していた放送局Radio-Parisに出演していたことが問題視される。「私は極端な近眼で誰が来ていたか解らなかった」と弁明。最終的には嫌疑は晴れたが、数ヶ月間ステージへの登場と録音とを禁じられた。また、Radio-Parisが所蔵していたレコードは51年まで放送禁止。名声とイメージは傷ついた。

その後、アメリカ、カナダ、イギリス、ベルギーを中心に活動、当時の東ドイツ、ソ連にも。

48年Baron Charles de Ladoucetteと結婚、Barbizonに居住。49年Parisの「Théâtre de l’Etoile」に出演、昔日の人気はなかった。

50年代にはステージには立たなかったが、「Les croix/十字架」、「Sur ma vie/命を懸けて」、「Monsieur mon passé/私の過去」、「Mademoiselle Hotensia/あじさい娘」、「Vous qui passez sans me voir/去りゆく君」、「Je veux te dire adieu/悲しい別れ」、「Tire, tire l’aiguille/針仕事に精をお出し」、Mets deux thunes dans l'bastringue一踊り10フランなどをレコーディングしている。

61年11月最後のレコードをリリース。「Seule ce soir」、「Septembre sous la pluie」、「Begin the biguine」、「Mon ange」を歌い直して収録。69年came-backを計ったが成功せず、完全に引退。

この間、Léo Marjaneはいくつかの映画にも出演している。初出演は1943年公開のJacques Houssin監督「Feu Nocolas/故ニコラ氏」にキャバレの歌手役で出演、「L’âme au diable/悪魔に魂を」を歌っている。51年公開Maurice de Cononge監督「Les deux gamines/二人の娘っこ」では主役を演じている。56年公開Jean Renoir監督「Elena et les hommes/恋多き女」ではIngrid Bergmanらと共演、街角で歌う歌手を演じ「Méfiez-vous de Paris/パリにご用心」を歌っている。

2012100歳の誕生日を記念にして、CD枚組「Joyeux anniversaire Léo:100 ans-100 succèsLéo祝誕生日:100歳-ヒット100曲」リリース。

La hapelle au clair de lune」 https://www.youtube.com/watch?v=eZe14XRcp-k

Je suis seule ce soir」 https://www.youtube.com/watch?v=IjnqfBHEVqs

No.1470
2016.12.21 
    №1470   2016.12.21

11月の新譜情報をお伝えいたします。


 
・ヴェロニク・サンソンVéronique Sanson11月4日アルバム「Dignes, dingues, donc・・/自尊、狂気、故に・・」リリース 

Véronique SansonParis郊外Boulogne-Billancourt 1949-ACI)が11月4日にリリースした新しいアルバムは「Dignes, dingues, donc・・」。2010年の前作「Plusieurs lunes/いくつもの月」から7年振り。この間2012年にはデビュー40周年を記念したcompilationAmoureuse 1972-2012」を、15年2月には同じくアメリカ滞在中のヒットを集めた「Les années américaines」をリリース。また、2013年VdM特別賞を、2015年SACEM特別賞を受賞。「Dignes, dingues, donc・・」は15枚目のアルバムで愛、過去、アルコール、死をテーマに、彼女の体の中を流れている多様なリズムで表現した10曲が収められていてリリースの週チャート3位。作詞及び作曲で、姉のViolaine Sanson-Tricard、子息のChris Stillsらの協力を得ている。収められているのは:「Et je l’appelle encore/今でも彼女を呼んでいる」(Véronique作詞/Chris作曲。10年前に亡くなった母へのオマージュ。「母は私にとって友人であり加担者、上手に、魔法のような言葉で私の気持ちを穏やかにしてくれた。私の字引、私の百科事典的な存在で、私は信頼していた」)、「Dignes, dingues, donc」(Véronique作詞/作曲。アメリカ時代の回顧)、「L’écume de ma mémoire/私の記憶の泡」(Véronique & Violaine作詞/Violasine作曲。過去の恋愛をテーマに、Thomas Dutroncがギターソロで協力している)、「Des x et des i grecsXY」(Véronique作詞/作曲。かつてのアルコール依存の経験を)、「Zéro de conduite/操行点ゼロ」(Véronique作詞/Mehdi Benjelloun作曲。Zazとのデュオ)、「Et s’il était une fois/そしてかつて・・があった」(Véronique作詞/Dominique Bertram作曲)など。

Sansonは2016年11月8日のToulouseからツアーを開始。Paris登場は11月30日、12月1、2日Salle Pleyel、12月15、16、17、21、22、23日Olympia

Et je l’appelle encore」(2016.10.1) https://www.youtube.com/watch?v=3Hkhg8HiI-k

 

・ペテュラ・クラークPetula Clark2016年11月4日アルバム「From now on」リリース

Petula Clark(イギリス、Epson1932-ACI、俳優)が、11月4日リリースしたアルバムは「From now on」。Clarkは70年のキャリア、1000曲以上を英、仏、独、伊、西語で歌っている。すでに50枚以上のアルバムをリリース、世界中で7000万枚近いレコードの売り上げ。フランス語では160曲程度歌っていて、「Chariot/愛のシャリオ」(「I will Follow you」1962年)、「Dans le temps/かつて」(「Downtown」1965年)、「La gadou/ぬかるみ」(1966年Serge Gainsbourg作詞/作曲、Jane Birkinなども歌っている)、「C’est ma chanson/これが私のシャンソン」(「This is my song」1967年)などのヒットを持つ。今回のアルバムなどに関して11月2日F2の13時のJTに出演し、「『From now on』はフランス語では『désormais/これから』。アルバムのタイトルは、収められている曲から取った。私は今日の生活を大事にして精一杯生きている。そして大事なのはこれから。私は回顧主義者ではない。スカーフを首の回りに巻くこと以外に声に関して何も手当をしていない。それは幸運なこと。ソーシャルネットワークは好きではない。若者たちが使っていることは理解できるが。ステージで、観客の目の前で歌うこと、それが歌手の仕事。若手の歌手ではZazが好き。彼女は独特なものを持っている。現在でもイギリス、アメリカ、フランスを活動の場としている。夫はフランス人だしフランスは第2の母国」と語っている。アルバム「From now on」は11曲収録されていて、フランス語で歌われている「Pour être aimée de toi/あなたに愛されるために」はClarkの詩にCharles Aznavourが曲を付けたもので、2012年シングルでリリースされている。

Pour être aimée de toi」(2011.10.16)https://www.youtube.com/watch?v=fTN0rqq7njI

 

・パトリシア・カースPatricia Kaas11月11日アルバム「Patricia Kaas」リリース

Patricia KaasMoselle地方 Forbach 1966- 歌手、俳優)が11月11日にリリースした新しいアルバムは「Patricia Kaas」。すでに世界中で1800万枚以上のレコードを売り上げているKaas、オリジナル曲のアルバムは2003年の前作「Sex fort/強い性」から13年振り。この間に2008年には主に1930年のヒット曲をカバーした「Kabaret」、2012年には、翌年がEdith Piaf没後50年に当たることからPiafのヒット曲をカバーしたオマージュアルバム「Kaas chante Piaf」をリリースしている。そして「Kaas chante Piaf」リリース後2013年7月の日本を含め世界40数カ国を回る、150日間に及ぶワールドツアーを行った。

Kaasは10枚目のアルバム「Patricia Kaas」のリリースに際し「ワールドツアーの後burn-outの状態で、何事にも興味が持てなかった。それにいくつかの不幸があった。しかし、30年のキャリアを迎える今日、私は自分自身を見つめ、穏やかな気分になった。Warner Franceと契約し、新しい出発をした。これからは何でも自分でやると言う態度を改めて、レコード製作でもステージでもみな任せて肩の荷を軽くする。ステージは毎日恋人が代わるようで楽しいものだから、これからも続けるためにも」。収められているのは:「Adele/アデル」、「Cogne/乱闘」(作詞は「La lister/リスト」、「Et puis juin/そして6月になった」などのヒットを持つ女性ACIRose)、「Madame tout le monde/普通のマダム」(作詞は女性デュオBrigitteのメンバーAurelie Saada。・・誰にも従うことなく、魅力的で自由な普通のマダムは誰も必要とはしない・・)、「Sans tes mains/あなたの手がなければ」、「La maison en bord de mer/海辺の家」、「Marre de mon amant/恋人にはうんざり」(作詞はベルギー出身ACIArno)、「Sans nous/我々なしで」、「Ne l’oubliez jamais/決して彼を忘れないで」(若いHyphen Hyphenに提供された)、「Le jour et l’heure/その日、その時間」(2015年11月13日のParis同時多発テロをテーマにしている、ピアノと弦楽器をバックに重々しく歌っているアルバムヴァージョン。№1462)、「La langue que je parle/私が話す言葉」、「Ma meteo personnelle/私の個人的な天気予報」、「Ma tristesse est n’importe ou/私の悲しみはどこにでも」などの13曲。ボーナストラックには「Le Refuge/避難所」(若いホモの人々を支援するLe Refuge協会をテーマに)

12月5日50歳の誕生日を迎えたKaas、2017年1月10日から、「このアルバムに収録された曲や過去のヒット曲など私の曲を聞いていただく」新しいヨーロッパツアーを開始。Paris公演は1月26、27、28日Salle Pleyel、3月25日Le Grand Rexが決定している。

Madame tout le monde」 (2016.11.11)https://www.youtube.com/watch?v=VIJPHcWMhwE

 

・リリアン・ルノーLilian Renaud11月18日セカンドアルバム「Le cœur qui cogne/ドキドキする心臓」リリース

Lilian Renaud(フランス東部DoubsBesancon近郊の小村Mamirolle 1991.10.11-歌手、作詞・作曲も行う)が11月18日セカンドアルバム「Le cœur qui cogne」をリリース。農村地域の育ち、幼少の頃から音楽に興味のあったRenaudは酪農の高等技術者免許取得後、チーズ製造工場で働く傍ら、2013年友人とデュオを組んで活動。2014年本格的に音楽を学ぼうとNabcyMusic Academyに入学。2015年1月10日に始まったTVTF1のスター誕生番組「The Voice, la plus belle voix」の第4シーズンの出場。出場のため2014年11月Parisに上ったが、Parisはこれが最初の由。番組ではFrancis Cabrelの「Octobre」、Christopheの「Les mots bleus」、Leonard Cohenの「Halleluja」、Jean-Jacques Goldmanの「Là-bas」(番組の審査員Zazieとのデュオ)などを歌い4月25日の決勝戦で優勝。

2015年11月13日Maecury Recordからファーストアルバム「Le bruit de l’aube/夜明けの雑音」をリリース。アルバムには「Il faudra vivre/生きることが大事になろう」、「Pour ne plus avoir peur/もう恐れを持たなくなるように」、「Promis juré/誓って約束する」、「Je suis un enfant/僕は一人の子供」、「Ma prière/僕の祈り」、「Le bruit de l’aube」、「Ma terre/僕の土地」、「J’attends/僕は待っている」など11曲収録、リリース後3ヶ月足らずの2016年1月26日disque de platine(10万枚以上)に。

セカンドアルバムにはYcareDakar 1983-ACI)やZazieBoulogne-Billancoury 1964-ACI、「The Voice」の審査員)に詩や曲を提供されたもの、Lilian自身が作詞・作曲で関わったもの12曲が収録されている。それらは:「Savoir dire merci/ありがとうと言う術」(作詞Ycare)、「Le cœur qui cogne」(作詞Zazie/作曲Lilianほか)、「Frère/兄弟」(ZazieLilianほか)、「La voleuse de rue/通りの女性泥棒」(Lilianほか/Lilianほか)、「Rats des villes et rats des champs/街のネズミ、畑のネズミ」(YcareYcare & LilianYcareとのデュオ)、「Les bombes et les roses/爆弾とバラ」(Lilianほか/Lilianほか)、「Tu m’as oublié/あなたは僕を忘れた」(Lilianほか/Lilianほか アルツハイマーの祖母に)など12曲収録。Julianはセカンドアルバムリリース直後、椎間板ヘルニアにより故郷での休養を余儀なくされているようで、アルバムのプロモーションも休止した。

Il faudra vivre」(2015.10.16)https://www.youtube.com/watch?v=YfidLNwKc

 No,1469
2016.12.15
   

KCN №1469   2016.12.15


セルジュ・ラマSerge Lama、話題の新譜「Où sont passés nos rêves/僕たちの夢はどこへ行った」


セルジュ・ラマSerge Lama,73才(Bordeaux 1943-ACI)が11月4日アルバム「Où sont passés nos rêves」リリース。これはLamaの24枚目のアルバム。最も優れたアルバムとの評価もある。収められている17曲の作詞はLama自身。「私は今でも毎日詩を書いている。まずとりとめもなく浮かんでくるいくつかの言葉を書く。それらがクープレになる。毎日良い詩が書けるわけではないが。2ヶ月も良いものが書けないともうだめなのではと心配になる」。そして作曲は「初めて当代を代表するACIに依頼した。私は内気な方なのでこれらのACIに作曲を依頼するのに最初躊躇したし、皆さんが協力してくれるか心配だった。今やこれらの人たちと関係が出来た。我々は皆créateur/クリエーター。このレコードが素晴らしいとしたらそのためだ。Serge Lamaは新しい羽根を付けて再び飛び立った」。
                                                   
                                                      (注) ACI /  Auteur, Compositeur, Interprète


収められているのは:

・・Francis Cabrel(1953-ACI)作曲:「Les muses/ミューズたち」、「Golgotha/ゴルゴタの丘」、「L’arbre de Noël/クリスマスツリー」(Cabrelとのデュオ、少年少女合唱団):Lama談「今回作曲を依頼した人たちにはそれぞれに2、3の歌詞を送り、気に入った詩に曲を付けてもらった。Francisは送った詩全てに曲を付けてくれた」。Cabrel談「SergeとはLes Enfoirésの舞台裏などでよく話した。我々は音楽に対して同じ情熱と厳格さを持っていると感じている」

・・Julien Clerc(1947-ACI)作曲:「Mais j’t’en veux pas/僕は君を恨まない」、「Où sont passés nos rêves」:Clerc談「歌詞を受け取ったとき興奮した。直ちにOKした。Sergeは正しくシャンソンの作詞家だ。依頼されたACI全員が引き受けたことは彼にとって、我々にとって、シャンソンフランセーズにとって嬉しいことだ」

・・Carla Bruni(1967-ACI)作曲「Casablanca/カサブランカ」(Bruniとのデュオ):Lama談「CabrelParis Olympiaでのコンサートで会ったとき、一緒にやることに同意してくれた。詩を送ってから3、4ヶ月後だったか、素晴らしい宝石のような曲を送ってくれた。そしてデュオで歌うことにも同意してくれた」:Bruni談「Sergeから2つの詩が送られてきた。私は直ぐに『Casablanca』が気に入った。偉大な歌手であるSergeとデュオで歌うことに多少気後れはしたが、素晴らしい経験だった」

・・Pascal Obispo(1965-ACI)作曲:「Bordeaux/ボルドー」:Obispo談「彼の曲は子供時代に両親がよく聞いていた。Les Enfoirésに一緒に出演した際に作曲を依頼された。Bordeauxは彼が子供時代を過ごした地。詩には回顧の気持ちが出ていた。その気持ちを大切に曲を付けた」

・・Adamo(1943-ACI)作曲:「Quand on est pauvre/貧しいときには」:Adamo談「他人の詩に曲を作るのは初めての経験。彼は私に会いに来て、これを企画したとき最初に私のことが頭に浮かんだと言っていた。嬉しいことだった」

・・Maxime Le Forestier(1949-ACI)作曲:「Lettre à mon fils/息子への手紙」:Le Forestier談「彼は楽譜を幅広く解釈して自由に歌う。それが彼の特徴でうまく行く。いつもではないけれど」

・・Patrick Bruel(1959-ACI)作曲:「Un p’tit cœur/小さな心」:Bruel談「14、5歳の頃彼の曲が好きで、いくつかの曲をギターを弾きながらを歌っていた。特に『La chanteuse a 20 ans/女歌手は二十歳』には圧倒された。19歳の頃出演していたバーでこの曲を歌っているとき彼が店に入って来た。それから40年今回このアルバムに参加でき幸せだ」

・・Christophe Maé(1975-ACI)作曲:「L’eau de vie/命の水」:Maé談「今回彼から作曲の依頼を受けたことは大きな特権を与えられたと感じている。今回の企画に参加でき、彼と一緒に仕事ができて非常に嬉しい」

・・Gérard Lenorman(1945-ACI)作曲:「Hop tempo/ホップ テンポ」:Lenorman談「以前同じステージに立ったとき彼に1曲書いてくれるよう依頼した。感動的な詩が届いた。それに曲を付け、2年ほど前TV番組に一緒に出演した際それを歌った」。[2015年1月18日TV France 3の番組「Du côte de chez Dave」で歌った「Maman]Lama談「その曲が素晴らしかったので、今回こちらが曲を依頼した。直ぐに曲が届いた。この曲も彼の次のアルバムに入れるようだ」

・・Bénabar(1969-ACI)作曲「Les adieux des artistes/アーティストたちの別れ」:Benabar談「彼は一種の手本、モデル。この曲はアーティストたちの別れ(引退)を歌っているばかりではなく全ての人々の別れを歌っている。そこに歌われていることに全く同感だ」

・・Calogero(1971-ACI)作曲:「Le souvenir/思い出」:Calogero談「彼は偉大な作詞家。本物の詩人。彼のシャンソンは詩情がある。シャンソンの歌詞に詩情を入れることは難しいこと。彼にはそれが出来る」

・・Davide Esposito(不明-ACI)作曲:「Je serai là/僕はそこにいるだろう」、「L’idole/アイドル」(曲のテーマになっているアイドルはJohnny Hallyday):Lama談「イタリア人であるDavideは音のセンスでも、メロディーのセンスでも独特のものを持っている」。Esposito談「彼は多くの曲を歌ってきたので新しい方向探すのは大変だった。私は出来るだけのことをした。彼はそれに少し加えた。そして詩とメロディーが彼の声とが相俟って最後まで密度の濃い曲になった」

・・Yves Gilbert(1937-作曲家・ピアニスト)作曲:「Le Clocher d’Elseneur/ヘルシンゲルの鐘」(Eoseneurはデンマークの都市でシェークスピアの「ハムレット」の舞台になった):Gilbert談「50年以上も彼のピアニスト、伴奏オーケストラの指揮者、あるいは作曲者を務めている。彼には能力があるだけではなく、誠実さがある。彼の詩には言葉一つ一つに音がある。それをつなげれば音楽になる」

 Lamaは10月25日46年間連れ添ったMichèle夫人を心臓発作で突然失った。「今の私の夢は、Michèleが私に残されたこれからの時間を、私がどのように過ごすか誇りを持って見守ってくれること」

Lamaは2017年秋からツアーを開始、2017年11月23~26日ParisSalle Pleyel出演の予定。

Les muses」(Clip officielhttps://www.youtube.com/watch?v=oe3BgfEpNsU

Bordeaux」(2016.11.17 TVC à vous」で)https://www.youtube.com/watch?v=YNehuVg4VJg

 No.1468
2016.12.1
 

KCN 1468   2016.12.1

(9月分に続きまして、これまた遅ればせながら)
10月新譜情報 をお送りいたします。
                               


・ヴァンサン・ドレルムVincent Delerm、10月7日アルバム「A présent/今」リリース

Vincent DelermNormandie地方Eure 1976- ACI)が10月7日にリリースした新しいアルバムは6枚目の「A présent」。前作「Les amants parallèles/平行線の恋人たち」から3年。収められた曲にはDelermの特徴である独特の声、無造作な歌い方、単純な言葉で推敲を重ねた詩、それらの全てがある。2016年を代表するものになるだろうとの評価もあり、メディアには好意的に受け入れられている。リリースの週アルバムチャート9位。 Jane Birkin(1946-歌手、俳優)、Camille(1978-ACI)、Marceline Loridanlvens(1928-俳優)ら女性の声が入っている曲も。収められているのは:「La vie devant soi/自分の前の人生」、「Je ne veux pas mourir ce soir/今夜死にたくはない」、「Danser sur la table/テーブルの上で踊る」、「Les chanteurs sont tous les mêmes/歌手は皆同じ」(Benjamin Biolayとのデュオ)、「La dernière fois que je t’ai vu/あなたに最後会ったとき」、「Un été/ある夏」、「A présent」、「Le garçon/男の子」など11曲。

Delermは2016年11月10日からツアーを開始。Parisでは11月28~30日 La Cigaleに、 2017年4月4~7日La Philpharmonie de Paris、6月6日Les Folies Bergèreに出演の予定。

Les chanteurs sont tous les mêmeshttps://www.youtube.com/watch?v=mNNhQGNKnDg

 


・ジュリアン・ドレJulien Doré、10月14日アルバム「&」リリース

Julien Dore南仏Gard県のAlès 1982- ACI)が10月14日にリリースした新しいアルバムは「&」。2013年リリースの前作LØVEが40万枚以上の売上げというヒットになったことなどで、2015年VdM「男性歌手賞」を受賞している。Doréのこの4枚目のアルバムには5つ星を与えている評もあり、リリースの週アルバムチャート1位。タイトル「&」はフランス語でesperluetteエスペルリュエットと発音し、並列、結合を表す。そして「&」は他人と、自然と、あるいは自分のルーツとある「関係」を結ぶためには必要な要素で、一緒にいること、共にいることの幸せを表している。アルバムはLØVE」リリース後の1年半に及び160回の公演を行ったツアー終了後に過ごしたCôte d’AzurSaint-Martin-Vesuieで作詞・作曲した曲を収録.Saint-Martin-Vesuieには家族の別荘があり、子供時代によく過ごしたところ。収録曲の多くの録音はこの別荘に置かれたスタジオで行われた。収められているのは:「Porto-vecchio」(コルシカの町)、「Sublime & silence/崇高さと静寂」(「アルバムのために最初に作った曲、2015年11月13日のParis同時テロの直後に作った」)、「Le lac/湖」(clipで共演しているのは1967年カナダ生まれの女優Pamela Anderson、「我々の世代のアイドルで、女性らしさの象徴」)、「Corail/珊瑚」(Juliette Armanetとのデュオ)、「Romy」(祖母がイタリア人のDoré、イタリア語で作詞している。未来の天使である4歳の少女に自分たちが問題を残して行くことへの謝罪の気持ち)、「Moonlight serenade」、「Eden」、「Magnolia」、「Beyrouth plage」など13曲。

2015年7月に来日しているDoré、10月13日ラジオ局France InterAugustin Trapenard司会の番組「Boomerang」に出演して「La javanaise」を日本語で歌った。日本語の歌詞はDoreregisseuse/女性舞台監督の母親が付けた由。

Doreは2017年2月からフランス国内各地のZénithを回るツアー

Le lachttps://www.youtube.com/watch?v=9UXSWGsjAUQ

La javanaise」は次のサイトで聴取可

http://www.aficia.info/actualite-musique/julien-dore-reprend-javanaise-japonnais/79936

 


・エム・ポコラM.Pokora、 10月21日新しいアルバム「My Way」リリース

M.Pokora(本名Matthieu TotaStrasbourg 1985- ACI)が 10月21日にリリースした新しいアルバムは「My Way」、全曲Claude François(エジプト Ismaillia 1939 - Paris 1978 ACI)のヒット曲のカバー。リリースの週Julien Doréの「&」に代わってアルバムチャート1位、その後4週間1位を続けている。Pokoraはグループ活動の後2004年からソロに。NRJ音楽賞受賞の常連で男性歌手賞を4回受賞しているほかこの賞を都合11個受けている。またTVTF1の「Danse avec les stars/スタート踊る」コンテストで優勝、優れたダンサーとしても知られている。前作は2015年2月リリースの「RED.」(「Rythmes Extremement Dangereux/極めて危険なリズム」で40万枚以上の売る上げ。「My Way」には:「Cette année-là/この年」、「Alexandrie, Alexandra/アレクサンドリー アレクサンドラ」、「Je vais à Rio/僕はリオへ行く」、「Belinda/ベリンダ」、「Belles, belles, belles/美しい娘たち」、「C’est la même chanson/それは同じシャンソン」、「Soudain il ne reste qu’une chanson/突然ただ1曲のシャンソンが残る」、「Toi et le soleil/君と太陽」、「17ans/17歳」、「Magnolia for ever/永遠のマグノリア」、「Comme d’habitude/いつものように」(「My Way」の原曲)、それに「Alexandrie, Alexandrediscoヴァージョンの12曲が収録されている

Cette année-làhttps://www.youtube.com/watch?v=i9GkZNL75_M

 


・ジェニフェールJenifer、 10月28日新しいアルバム「Paradis secret/秘密のパラダイス」

Jenifer(本名 Jenifer Yaël Dadouche-Bartoli、 Nice 1982-歌手、作詞・作曲も、俳優)が10月28日にリリースした新しいアルバムは7枚目の「Paradis secret」、リリースの週アルバムチャート9位。Jeniferは2012年1月TVTF1のスタ誕番組「Star Academy」の第1回優勝者。2002年のファーストアルバム「Jenifer」は100万枚の売上げ。今回のアルバム「Paradis secret」はデビュー15年を迎えようとするJeniferの7作目。前作13年の「Ma déclaration/私の告白」はFrance Gallのヒット曲のカバーであったから、新作のアルバムは12年の「L’amour et moi/愛と私」以来4年振り。Jeniferは作詞・作曲でDa Silva及びFrederic Rortumyと共作している。収められているのは:「Paradis secret」、「Aujourd’hui/今日」、「Des idylles/純愛」、「Mourir dans tes yeux/あなたの目の中で死ぬ」、「Sans penser a demain/明日のことを考えずに」、「Tout devient possible/全てが可能になる」、「L’altitude/高地」、「Une vie périlleuse/危険な生活」、「Un Surrisu Hè NatuUn sourire est né/一つの微笑みが生まれた」(コルシカ語で歌っている。「Jean-PhilippeMattini)が歌うのを聞いて是非アルバムに入れたいと希望したら、快く承知してくれた」 自分のルーツである「L’Ile de beauté/麗しき島」コルシカ島へのオマージュ。Jeniferのレパートリーの中で最も美しい曲の一つになるのではとの評価がある。)など 11曲。

Jeniferは2017年2月13日のMontpellierからツアーを開始、3月17~21日Paris登場、「lieu secret/秘密の会場」で

Un Surrisu Hè Natuhttps://www.youtube.com/watch?v=L1iuquYlgAk

 
 N.o.1467
2016.1125
   

№1467  2016.11.25

(大変遅ればせながら)
9月の新譜情報をお伝えいたします。                                                                        

マルク・ラヴォワヌMarc Lavoineほか、9月9日アルバム「Les souliers rouges/赤い靴」リリース

Marc LavoineParis郊外 1962- ACI、俳優)がvocalでクール・ド・ピラトCœur de Pirate(本名Beatrice MartinCanadaMontréal 1989- ACI)とアルチュール・アッシュArthur H (本名Arthur HigelinParis 1966- ACI)の協力を得て9月9日にリリースしたアルバムは「Les souliers rouges」。リリースの週アルバムチャート8位。これはLavoineが1948年Michael Powell監督のバレー映画「The Red Shoes」(原作はアンデルセンの同名の童話)に想を得て作詞し、Fabrice Aboulkerが作曲した15曲からなるConte musical/音楽で綴る物語。アルバムのキャッチコピーは「Une danseuse, deux hommes, une tragédie/一人のバレリーナ、二人の男、一つの悲劇」。バレリーナが愛かバレーへの情熱かで悩む物語。Cœur de PirateがバレリーナIsabelleLavoineがバレー団の主宰者VictorHが新人作曲家Ben。収められている曲は:「Rêve d’opéra/オペラの夢」(Lavoine)、「Tragédie musicale/音楽の悲劇」(H)、「Nijinsky/ニジンスキー」(Cœur de Parate)、「Les ailes des anges/天使たちの羽根」(Cœur de Parate)、「Je tombe amoureux/恋に落ちる」(Lavoine & Cœur de Pirate)、「Toi et cet homme/お前とこの男性」(LavoineH & Cœur de Pirate)、「Vivre ou ne pas vivre/生きるか死ぬか(LavoineH & Cœur de Pirate)、「Requiem/レクイエム」(Lavoine & H)、「Qu’il est difficile/何と困難なこと」(LavoineH & Cœur de Pirate)など。

Vivre ou ne pas vivrehttps://www.youtube.com/watch?v=YKKTxnI4p4g

 

ヴァンサン・ニクロVincent Niclo、9月23日アルバム「5.0/5 ドット オー」リリース

Vincent NicloParis 1975- 歌手、俳優 )が9月23日にリリースしたアルバムは「5.0」。リリースの週アルバムチャート3位。アルバムのタイトルは5枚目のアルバムであり、Pascal ObispoBergerac 1965- ACI)の協力を得たことからの由。収録されている12曲のうち11曲はObispoの作曲になる。そして詩の多くはObispoとのコンビで多くのヒット曲を出しているLionel Florenceによる。Obispoは「Vincentは魅力的な、エレガントな歌手。優しい、同時に熱い、力強い声の持ち主。彼のアルバムに協力できたのは素晴らしい時間だった」。 Nicloは前作、14年12月リリースのアルバム「Ce que je suis/僕はこうだ」にはこのコンビに「Sans avoir à le dire/それを言うには及ばず」を提供されている。今回の「5.O」に収められているのはFlorenceObispoによる「Je ne sais ps/僕には解らない」、「Aimer est un voyage/愛することは一つの旅」、「Les jours sans/~のない日々」、「L’envie de vivre/生きるという欲望」など、それにJean Drejac作詞、Michel Legrand作曲の「Dans le même instant/同時に」。

Je ne sais pashttps://www.youtube.com/watch?v=LKZ8GPb7YYY

 

リンダ・ルメイLynda Lemay、9月23日アルバム「Decibels et des silences/デシベルと静寂」リリース

Lynda LemayCanadaQuébec近郊 1966- ACI)が9月23日にリリースしたアルバムは「Decibels et des silences」。リリースの週アルバムチャート5位。Lemayは1990年代初めにQuébecではすでにスター。95年La RochelleFrancofolieに出演、その後Serge LamaCharles Aznavourの前座で歌いフランスでも人気に。98年にはフランスで最初のアルバム「Lynda Lemay」をリリース、2003年VdM女性歌手賞を受賞している。Lemayの詩は詩情豊かで、簡潔、日常の些細な出来事を笑いと涙で語る。ステージではギターの弾き語りも。比較的多産な歌手で、ほぼ2年毎にアルバムをリリースしていて今回が14枚目。今年7月22日に50歳の誕生日を迎えたLemay、「収められている曲は現在の私そのもの。私は今何かの新しいことの出発点にいると感じている」。収録されているのは:「Attrape pas froid/恐れずに」、「Une main sans bague/指輪をしていない指」、「Lucie/ルシー」、「L’oubli/忘却」、「Ça pique/刺さる」、「Où est-ce qu’ils jouent, les enfants/子供たちはどこで遊んでいるのか」、「Ne pars pas/行かないで」(娘のRuby Weisingerとのデュオ 注)など15曲。

(注)Lemayは2回結婚、2回離婚。1995年俳優・ユーモリストPatrick Huardと結婚、97年女児Jessie誕生、2000年離婚。2005年アメリカ人映画監督Michael Weisingerと結婚、2006年女児Ruby誕生、12年に離婚。

「Attrape pas froid」https://www.youtube.com/watch?v=jxEoF0ue0Nk

 

エレーヌ・セガラHélène Ségara、9月30日アルバム「Amaretti/アマレッティ」リリース

Hélène Ségara(南仏Provence-Alpes-Côte d’Azur地域圏 Var県の地中海に面した Six-Fours-les-Plages 1971- 歌手、作詞・作曲も行う)が9月30日にリリースしたアルバムは「Amaretti」。リリースの週アルバムチャート8位。前作は2014年12月リリースの「Tous commence aujourd’hui/今日全てが始まる」。今回のタイトル「Amaretti」はイタリアのマカロン。Ségaraの父親はイタリア人出身、母親はアルメニア出身。今回のアルバムは主にイタリアのヒット曲、スタンダード曲のイタリア語及びフランス語でのカバー。「Amerettiは私にとってMarcel Proustmadeleinesのようなもの。イタリアという国、その文化、その音楽は私を育んでくれた。私のキャリアでもイタリアが大いに関わっている。マネージャーのOrlandoDalidaの弟)はイタリア出身者だし、Andrea Boccelliなど多くのイタリア人アーティストとデュオで歌ってきた。今年はデビュー20周年に当たることもあり、この国に敬意を捧げるには好都合だと思った。歌っている曲は私にとってそれぞれ意味のある曲」。収められている曲は:「L’envole(Il volo)/飛び立つこと」(「私はポジティヴな気持ちを歌いたかった。悲しい思い出は忘れて前に進もう。私は飛び立ちたい。デビュー20年の今年、正に絶好な時」)、「Svalutation/平価切り下げ」(「初期のイタリアのロック。マカロニウエスタン風に歌ってみたかった」)、「O sole mio/オ ソレ ミオ」(「この曲は古い曲で、書かれたのは1897年、祖母が小さかった私に子守歌に歌ってくれた」)、「Ancora/アンコーラ」、「Histoire d’un amourHistoria de un amor/ある恋の物語」(「Dalidaが歌った曲。Orlandoがどんな風に思うか心配で長いこと躊躇したが今回虚心坦懐に歌ってみた」)、「Un chant d’adieuxCaruso)/別れの歌(カルソ)」、「De Venise à la Seine (Ti amo)/ヴェニスからパリまで(あなたを愛している)」など13曲。

Histire d’un amourhttps://www.youtube.com/watch?v=rao4lD09v3U

No.1466
2016.11.10 
   

№1466  2016.11.10

  
イザベル・オーブレIsabelle AubretParis Olympia出演 
   

ステージからの引退を表明しているイザベル・オーブレIsabelle Aubretが、2016年10月3日Olympiaに出演し
Paris
のファンに別れを告げた。

 Isabelle Aubre、本名Thérèse Coquerelle、は1938年7月27日 Lille生まれの歌手。60年ParisOlympiaが主宰したコンクールで優勝。Olympiaの支配人Bruno Coquatrixの目に止まり、その紹介でPigallのキャバレFifty-Fiftyに出演するなど本格的に歌手の道に。61年には最初のレコードを出す。62年フランス代表としてEurovisionに出場「Un premier amour/初恋」を歌い優勝。同年Jean Ferratに会い「Deux enfants au soleil/太陽の子供たち」を提供され、その後もFerratのコンサートの第1部で歌うなどの知遇を受ける。AubretFerratの曲72曲を歌っている。63年Jacques Brelの前座としてOlympiaに出演。63年自動車事故によりしばらくの間活動を中止。事故に際しBrelは彼女に「La Fanette/ファネット」の権利を提供、Ferratは彼女のために「C'est beau la vie/人生は美しい」を作曲。65年にはリハビル中であったがAdamoの前座でOlympia出演。68年再びフランス代表でEurovisionに出場、「La source/泉」を歌い3位。76年には第5回東京音楽祭に出場、「Aimer/愛に生きるだけ」を歌い、最優秀歌唱賞を受賞。その後も何回か訪日していて日本にもファンが多い。81年にはリハーサル中に転落して両脚を骨折する事故で2年間活動を休む。87年にはアルバム「Vague à l'homme/男性に対する漠然とした気持ち」でACC大賞受賞。92年Légion d’Honneurchevalier勲章受章。99年パリを歌った19曲を収録したアルバム「Parisabelle/パリザベル」、06年アルバム「2006」。09年、10年及び14年ユニット「Age tendre et têtes de bois」に参加し、09年には自身の代表曲80曲を収録したコンピレーション「Ses plus belles chansons/彼女の最も美しいシャンソン」を出している。2011年5月デビュー50周年を記念するPalais des Sportsでのコンサート。同年Nouvel Observateurの編集長Richard Cannavoとの共著で自伝「C’est beau la vie」を刊行。 

 

今回のコンサートに先立ち2016年9月23日にはアルバム「Allons Enfants/さあ 子供たち」をリリースしている。これにはClaude LemesleGeorges Chelonらに提供された「L’Olympia/オリンピア劇場」、「Allons Enfants」、「La belle endormie/眠れる美女」、「Des mots démodés/時代遅れの言葉」など新曲18曲が収められている。  AubretOlympia公演を前に「まだ元気なうちに、ちゃんと歌えるうちに観客の皆さんに『Au revoir』と言いたい。それは、観客の皆さんを愛し、尊敬しているから。ステージをお祭りのようにしたい。そして皆さんに良いイメージを持ったままでいてもらいたいし、『彼女はもう少しやれるんじゃないの』などと言われたら嬉しい」。 

 

6人のミュージシャンをバックに登場したAubret、最初に歌ったのはFerratの「Les cerisiers/桜んぼの木」で「私は老いることはもっと遠い先のことだと思っていた。でも老いは静かにやって来た、老いた歌手の自尊心を傷つけないようにとの思いやりからか、ゆっくりと、少しずつ」と歌い出した。その後「Nuit et brouillard/夜と霧」、「Aimer à perdre la raison/理性を失うほど愛する」、「Potemkine/戦艦ポチョムキン」、「Le plat pays/平野の国」、「Ma France/私のフランス」、「La quete/見果てぬ夢」、「Le temps qui reste/残された時間」、「La source」(a capellaで)、最新アルバムから「Allons Enfants」(「若い世代よ、決して負けないように」と歌う)、そして「C’est beau la vie」は観客との大合唱。観客の中にはIsabelle Boulayなどが。

 

AubretOlympia公演の後、「Age tendre et têtes de bois」の公演(2016.11.4-2017.2.17)に参加。その間、その後国内を回るさよならツアーを行う。

a rance2015TVFrance 3 Du côté de chez Dave」出演時 https://www.youtube.com/watch?v=Um4YFTWD-68


No.1465
2016.10.4
   

 
№1465   2016.10.04

最近の話題 3点 


・セリーヌ・ディオンCéline Dion、新しいアルバム「Encore un soir」リリース 
       

セリーヌ・ディオンCéline Dion(№1461)が8月26日にリリースした34枚目との報道がある新しいアルバムは「Encore un soir/もう一夜」。フランス語によるアルバムは15枚目。前作で150万枚以上売り上げた2012年11月2日リリースの「Sans attendre/待つことなく」以来で4年振り。最初の1週間で21万枚以上の売上げで、これは今年Renaudの「Renaud」の28万枚に次ぐスタートダッシュで、リリースの週からアルバムチャート1位で9月9日までに30万枚の売上げ。アルバムはリリースの週カナダ、ベルギー、スイスでも1位、イタリアでは3位、また台湾では2位との報道も。アルバムには都合15人の作詞者、作曲者が協力。収められている15曲は2016年1月に亡くなった夫でピグマリオンでもあったRené Angélilを偲ぶものであるばかりでなく、新しい生活への希望を歌っている、それらは:「Plus qu’ailleurs/他所よりも」(Serge Lama作詞/Francis Cabrel作曲)、「L’étoile/星」(Grand Corps MaladeFlorent Mothe)、「Encore un soir」(Jean-Jacques GoldmanJean-Jacques Goldman、2016年5月24日シングルでデジタルリリースされている。Angélilの生前に書かれたAngélilへのオマージュ。Clip officielは2016年7月8日Paris 16区のAv.Kleberで撮影)、「Si c’était à refaire/もしそれがやり直さなけれならないものなら」(Alice GuiolJacques Veneruso)、「Ordinaire/普通の」(Claudine MonfetteRobert Charlebois他、1970年のRobert Charleboisのヒットのカバー)、「Tu sauras/あなたはできるようになる」(ZahoZaho他)、「A la plus haute branche/最も高い枝に」(Daniel PicardDaniel Picard PicardQuébecで活躍している俳優。この曲はDionがアルバムに収録する曲を一般から募集、4000曲以上応募がありその中から選ばれた。「Celineが僕におめでとうと電話してきた、選ばれたなんて想像できない」)、「Ma force/私の力」(Vianney BureauVianney Bureau)、「Tois heures vingt/3時20分に」(Eddy MarnayPatrick Lemaitre)など。

Dionは2017年には英語のアルバムを出す予定。

Encore un soir

https://www.youtube.com/watch?v=M_1KOaskBp0  2016年9月7日TV M6の「Music show」で

https://www.youtube.com/watch?v=MsgOGvdJ2Wo 2016年7月8日Paris 16区のAv.Kléberで撮影

 


・ジャック・ブレルJacques BrelVesoul市に胸像

Jacques BrelBruxelles1929-Bobigny1978 ACI)のブロンズの胸像がVesoul市のEdwige Feuillere劇場に飾られ、9月8日除幕式が行われた。

フランス東部Bourgogne-Franche-Comte地域圏Haute-Saône県の県庁所在地である人口6万人のVesoul市、Brelが1968年に作詞、作曲して歌った「Vesoul/邦題:お前の言いなり」で一躍有名に、あるいは、世界中にその存在が知られるようになった。その返礼にVesoul市は広場及び中学校にBrelの名を付けている。除幕式の後、Alain ParisotホールでRichard Crossらが出演、「Deux mains,5voix...Revisitent Brel」コンサートが開かれた。Vesoulでは2000年からEdwig-Feuillere劇場で毎年Brelに捧げるフェスティヴァルFestival Jacques Brelが行われていて、2016年のは9月15日から10月8日まで。

Brelは地方ツアー中の1960年7月28日Vesoulのレストランを兼ねたホテルLa Bonne Aubergeに宿泊した。鉄道のPasris-Bale線、国道19号線からは遠くないこのホテルは「Eurotel」と名を変えて現在も営業している。居合わせた客やホテルの女性パトロンJacqueline Kielwasser、従業員などに囲まれ夕べを過ごしたBrelVesoulをテーマにした曲を作ると約束した。

それから8年、「Vesoul」は1968年9月23日Barclay社のスタジオで録音され、9月30日にリリースされたアルバムLPJ’arrive」に収録された。バックにアコーデオニストのMarcel AzzolaParis、20区 1927-)が参加。録音の際、歌の途中でBrelが再三Azzolaに「Chauffe Marcel, chauffe, chauffe!:ショウフ マルセル、ショウフ、ショウフ!/のって、マルセル、のって、のって!」と叫んでいるが、それは歌詞の一部になった。なお、この曲はステージでは1度も歌われていないよう。

この曲のタイトルは「Vesoul」となっているが歌詞に出てくるのはVesoulだけではなく、Vierzon(ヴィエルゾンCentre-Var de Loire地域圏Cher県所在)、Honfleur(オンフルール、Normandie地方圏Calvados県所在)、Hambourg(ハンブルグ)、Anvers(アンヴェール=アントワープ)、Parisも。

Vesoul」1968年12月31日TVSoirée prestige Réveillon」で

http://www.dailymotion.com/video/x5jkld_jacques-brel-vesoul_music

・・君がVierzonを見物したかったので、僕たちはVierzonに行った。君がVesoulを見物したかったので、僕たちはVesoulに行った。君がHonfleurを見物したかったので、僕たちはHonfleurに行った。君がHambourgを見物したかったので、Hambourgに行った。僕はAnversを見物したかったけれど、僕たちはもう一度Hambourgに行った。僕は君の妹に会いたかったけれど、僕たちは君のお母さんに会いに行った。いつものように。  君はもうVierzonが好きじゃなくなったので、僕たちはVierzonを去った。君はもうVesoulが好きじゃなくなったので、僕たちはVesoulを去った。君はもうHonfleurが好きじゃなくなったので、僕たちはHonfleurを去った。君はもうHambourgが好きじゃなくなったので、Hambourgを去った。

君がAnversを見物したかったので、僕たちはその場末だけを訪ねた。君はもう君のお母さんが好きじゃなくなったので、僕たちは君の妹の許を去った。いつものように。  君に言っておく、僕はもう遠くには行かない、Parisには行かないって。それに、大嫌いなんだ、ヴァルス・ミュゼットの喧しい音とアコーデオンの音が。  君がParisを見物したかったので、僕たちはParisに行った・・・・

 


・ブリトニー・スピアーズBritney Spears、フランス語で歌う

Britney SpearsMississippi 1981-アメリカの歌手)は2016年8月26日にリリースした新しい、9枚目のアルバム「Glory」にフランス語で歌った曲を1曲(「Coupure électrique/停電」)収録していて、フランスで何かと話題になっている。報道の多くは辛口で、皮肉も:

・・Britney Spearsがフランス語で歌っている。しかし全く理解できない。17曲収録したデラックス盤の最後の曲「Coupure électrique」がそれ。Rolling Stone Magazineは「Britneyは1曲を完全にフランス語で歌うことができることを証明した。フランス語で歌ってもBritenyらしさを失わずに」と評している。しかし、「1曲を完全にフランス語で」というのはいかがなものか。実を言って彼女が何を歌っているか全く理解できない。何度も注意深く聞いて、ようやくこんな歌詞ではないかと思いつく。ありがたいことに他の曲は全て英語で歌われている。その方がずっといい。

・・Britney chante en françaisou presque/ブリトニー、フランス語で、フランス語らしきもので歌う。Britenyはフランスのファンにサプライズを届けてくれた。1曲をLa langue de Molière/モリエールの言語で歌っている。素晴らしい努力。残念なのはフランス語で歌っているとは理解できないこと。メロディーとBriteneyの英語に近い発音がそうさせるのだろう。ルフランは「J’oublie le monde quand tu fais. Fais-moi l’amour, mon amour. Un moment avec toi, dans le noir/あなたが愛してくれれば私は世界を忘れる。愛して、愛しい人。暗闇の中であなたと一緒にいるときに」と歌っているらしいことがかろうじて解る。

・・Britneyがフランス語で歌っている(しかしほとんど理解できない)。「Coupure électrique」のタイトルが付けられた曲、いくつかの単語がフランス語だと理解できるが、Britneyの発音には困惑させられる。誰か通訳して下さい。

・・(ツイッターでは)何を歌っているか完全には解らないけど、tellement mignon/とてもかわいい。

Coupure électrique/停電」 https://www.youtube.com/watch?v=iFtnSJ1ysAE

No.1464
2016.9.10
 
 

№1464  2016.9.10


クローディオ・カペオClaudio Capéo、この夏のサプライズ 
          

2016年7月中旬からアルバム(フィジカルリリース)の売上げチャート上位をSlimane(本名Slimane Nebchi 1989-ACI、№1462)と競っているのはClaude Capéo。二人はいずれもTVTF1の人気番組「The VoiceLa Plus Belle Voix」の第5シーズン(2016年1月30日から5月14日に決勝戦)出身者。

The Voice」はNikos Aliagas(及び第2シーズンからKarine Ferri)の司会で2012年から始まったスター誕生番組で審査員は4人(当初はGarouFlorent PagnyJeniferLouis Bertignac。第5シーズンはGarouPagnyMikaZazie)。優勝者はStephan Rizon(第1シーズン)、Yoann Freget(第2)、Kenji Girac(第3)、Lilian Renaud(第4)。

 Slimaneは「The Voice」第5シーズンで優勝、7月8日ファーストアルバム「A bout de rêves/夢の終わりに
」をリリース。これには「L’enfant de la rue/路上の子供」、「Paname/パナム」(№1462)、「Frerot/弟よ」、「Adieu/アデュ」、「On s’en fout/構いはしない」、「Le Grand-Père/祖父」など、子供時代、あるいはそれまでの人生を語る11曲が収められている。リリースの週初登場チャートの1位。7月15日の週も1位を確保。

 

Capéo(生年月日不詳 2016年2月現在30歳、現在31歳- ACI)はStrasbourg生まれ、イタリア系、Capeoはステージ名で、イタリア語の「capello/帽子」から。幼少の頃からアコーデオンを習い、フランスばかりでなくユーロッパ中のアコーデオンのコンクールに出場している。2008年友人たちとグループClaudio Capéoを結成、ヴォーカルとアコーデオンを担当。「僕たちは全員それまでの職業をなげうって音楽に専念しようとグループを作った。うまく行かず、地下鉄や通りで歌う生活だった」。グループとしては2枚のアルバムをリリース、「全く見向きされなかった」。それでも2015年にはPrintems de Bourgesに出演。「通りで歌っているとき、出場者を探している『The Voice』のスタッフに声を掛けられた。この番組を見たこともなく、興味はなかった。しかし、仲間に勧められて、それに、自分の声が専門家にどのように評価されるか知りたくて」。The Voiceの第5シーズンに、アコーデオンなしで、ソロ歌手として出場。2月13日の行われた予選「Audition à l’aveugle/審査員には顔を見せずに歌うオーディション」でMichel Delpechの「Chez Laurette/ロレットの店で」を歌いPagnyの支持を得て通過、本戦出場を果たした。しかし本戦では1回戦で早々に敗退。その後2016年4月15日再度Printemps de Bourgesに出演、「The Voice出演の効果もあってか、前年より多くの観客が集まってくれた」。The Voiceに出演したCapéoには「男性のZaz」との評もあり、Zazのプロデューサーのプロデュースで7月15日アルバム「Claudio Capéo」をリリース。「Claudio Capéo」には「Un homme debout/立っている男」、「Ça fait tourner le monde/それは世界を変える」、「Fidèle à moi-même/自分自身に誠実に」、「Mon pays/我が故郷」、「Chez Laurette」など13曲収録。7月15日の週「Claudio Capéo」はチャート初登場、「A bout de rêves」に次いで2位。7月22日の週は「A bout de rêves」を破って1位。その後3週間、1位を保った。この快挙を「surprise de l’été/夏のサプライズ」と表現している報道も。2016年12月6日にはParisLa Cigale出演が予定されている。

 

Chez Laurette」・・「Audition à l’aveugle」でhttps://www.youtube.com/watch?v=xKIHM4sC_nk

Un homme debout」・・clip officiel https://www.youtube.com/watch?v=Y9GCM9DZUJo

 「通りで歌っているときに、SDFsans domicile fixe/ホームレス)や社会から疎外されている人たちと知り合いになった。その経験からこの曲が生まれた」

 

・なおこの間、アルバム(フィジカルリリースとデジタルリリースを含めた)チャートのトップは7月15日の週の「A bout de rêves」を除き、Julの「Emotions」。Jul(本名Julien Marie)は1990年1月14日Marseille生まれのヴァリエテ及びラップ歌手。「Emotions」は6月24日にリリースされたJulの5枚目のアルバム。

 
 No.1463
2016.8.25
   

                  

KCN 1463    2016.8.25

新譜のご紹介 「Le jazz et la java/ジャズとジャヴァ
6月にリリースされました
compilationアルバム、「Le jazz et la java/ジャズとジャヴァ」
ご紹介いたします。



Chansons françaisesのヒット14曲のカバーアルバムです。
収められている曲、このアルバムで歌っている歌手、(原曲を歌っている歌手)は次の通りです。
                                        

 1.Une petite fille en pleurs/泣いている少女」Serge LamaClaude Nougaro

 

2. 「Retiens la nuit/夜を返して」 AdamoJohnny Hallyday
   Adamo  https://www.youtube.com/watch?v=mz-bVi3gBwA

Hallyday https://www.youtube.com/watch?v=D9-EadYk3fw

 

3.Non, je ne regrette rien水に流して」 Daniel Guichard Edith Piaf

Guichard https://www.youtube.com/watch?v=Tnlyu_2pSJM

Piaf https://www.youtube.com/watch?v=fFtGfyruroU

 

4.Le jazz et la javaジャズとジャヴァ」Nicole Croisille Claude Nougaro

5.Le plat pays平野の国」 Gérard Lenorman Jacques Brel

6.Jolie petite Sheila可愛いシェイラ」 Dave Sheila

7.Elle était si jolie彼女はとても綺麗だった風が連れ去った恋」 Frank Noël Alain Barri ère

8.Belles, belles, belles美しい娘たち」 C. Jérôme Claude François

9.Tous les garçons et les filles男の子、女の子」 Marie Myriam Françoise Hardy

10.Petit Gonzalesプティ ゴンザレス」 Richard Gotainer Dalida

 

11.Ne me quitte pas行かないで」 Yves Duteil Jacques Brel

Duteil https://www.youtube.com/watch?v=TUEYXu-AbrQ

Brel https://www.youtube.com/watch?v=_csQviGQWjU

 

12.Pour une amouretteつかのまの恋」 Didier Barbelivien Leny Escudero

  .Barbelivien  https://www.youtube.com/watch?v=LebQDDNmBEQ

Escudero https://www.youtube.com/watch?v=wAlwblJAgQc

 

13.La javanaiseラ ジャヴァネーズ」 Régine (Juliette Gréco

 

14.Deux enfants au soleil太陽の子供たち」 Nicole Croisille Isabelle Aubret

Croisille https://www.youtube.com/watch?v=uZeCE95ln2s

Aubret https://www.youtube.com/watch?v=GyHrLGGKrL

No.1462
2016.7.30
 
   

№1462     2016.7.30                  

La fête de la musique/音楽の祭典TV 5Monde Japonで2016年6月22日放送      

2016年「La fête de la musique」の催しものの一つとしてコンサート「Tous à Toulouse !/ツールーズに全員集合」が6月21日Toulouseの「Place du Capitole/キャピトール広場」特設ステージで、GarouAmanda Scottの司会で行われた。観客は18000人、出演者は当代の人気歌手30数人、開始時の気温が27℃と言うこともあり会場は熱気に溢れていた。その模様が6月22日(水)19:30~23:30から4時間に渡ってTVMONDE Japonで放送された。フランスではF2で21日21:00から放送された。

出演した主な歌手、歌った曲は:

・フロラン・パニーFlorent Pagny:「Habana/ハバナ」

  Pagnyは1961年生まれの歌手。「Habana」は2016年4月29日にリリーした13枚目のアルバム「Habana」に収録されている。アルバム「Habana」にはキューバのACIRaul Paz作詞・作曲によるスペイン語で歌われている8曲を含む10曲が収録されている。アルバムチャートではリリースの週にはReaudの「Renaud」に次いで2位を占めるなど好評で、すでにdisque de platine (10万枚以上)。

  https://www.youtube.com/watch?v=LFyPKyvuSPI

  

・パトリシア・カースPatricia Kaas:「Le jour et l’heure/その日、その時間」

  Kaasは1966年生まれの歌手。「Le jour et l’heure」は2016年秋にリリースが予定されている、2012年の「Kaas chante Piaf」に続く新しいアルバムに収録されることになっている新曲(13年振りとの報道あり)で6月20日に先行シングルリリースされた。「Le jour et l’heure」のテーマは2015年11月23日Paris同時多発テロ事件。「この曲は人生が全く変わってしまった日を、時を歌ったもの。テロが起こったことを、愛している人を失ったことを知った日、知った時間に何をしていたか、人は決して忘れないでしょう」・・私はゆったりしていた、重要なことは何もなかった。Caféのテラスは満員で、笑い声が飛び交い、無意識と言えるような雰囲気が漂っていた。しかしすべてが変わってしまった、電話が鳴ったとき・・

  https://www.youtube.com/watch?v=f2wIb2I03lA

 

・ジェラール・ド・パルマスGerald De Palmas:「Il faut qu’on se atte/闘わなければならない」

De Palmas1967年海外県La Reunion 島のSaint-Denis生まれのACI。「Il faut qu’on se atte」は2016年4月8日にリリースされた8枚目のアルバム「La beaute du geste」に収録されている。De Palmasかすれた、しゃがれた声で歌う才能溢れた、しかし派手に目立つことの嫌いな20年以上のキャリアを誇る歌手。VdMでは96年男性新人歌手賞、2002年男性歌手賞を受賞していて、シャンソンフランセーズに確固たる地位を築いている。今回のアルバムでは「今までにはなかったことだが、今回は曲の前にまず詩ができた。そのほうが曲作りの制約は少ない。何で25年そうしなかったのかと後悔している。曲が先できてしまうと詩の音節などに苦労する。まずインスピレーションを詩にすると、曲は容易に浮かんでくる」。テーマはカップル、恋愛で味わう失望、それに暴力。それらのテーマを重くならずに歌っている。

 https://www.youtube.com/watch?v=xTdBQye8yqo

 

・スリマヌSlimane:「Paname/パナム」

Slimane、本名Slimane Nebchi、は1989年10月13日、Seine-et-MarneChelles生まれの歌手。いくつかのTVのスター誕生番組に予選で落選。2016年のTVTF1スタ誕番組「The VoiceLa plus Belle Voix」第5シリーズに出場、5月14日4人が残った決勝戦でFrancis Cabrelの「Tout le monde y pense」などを歌い優勝。5月20日にはファーストシングル「Paname」(Panameはパリの愛称)を リリースした。6月8日にはこの曲も含むファーストアルバム「A bout de reves」をリリース。また、2016年秋からの上演が予定されているDidier Barbelivienの脚本によるミュージカル「Marie-Antoinette et le Chevalier de Maison-Rouge/マリー・アントワネットと赤い館の騎士」では準主役を演じることになっている。

 https://www.youtube.com/watch?v=PEPLyKZpMSI

 

・フレロ・ドラヴェガFrero Delavega:「Ton visage/君の顔」「Les chant des sirenes

Frero DelavegaGironde出身の男性2人、Jeremy Frero(1990-)&Florian Delavega(1987-)、によるデュオ。2014年のTVTF1スタ誕番組「The VoiceLa plus Belle Voix」第3シリーズに出場、準々決勝で敗退したが、その歌とパーフォーマンスはTV視聴者に強い印象を与えた。2014年7月21日には「Frero Delavega」、2015年12月27日には「Des ombres et des lumieres」とすでに2枚のアルバムをリリース。「Ton visage」は2枚目のアルバムに収録されている。

https://www.youtube.com/watch?v=IHq9g_EQKAY

 


・ジョイス・ジョナタンJoyce Jonatha &ヴィアネイVianney :「Les filles d’aujourd’hui/今日の女の子」

 Jonatha nは1989年Hauts-de-Seine県、Levallois-Perret生まれのACI。2007年MMCJonathanをデビューさせるため、インターネットを通じて出資者を募集して、出資が一定の金額に達し、10年ファーストアルバムをリリース。2016年2月5日3枚目のアルバム「Une place pour moi/私に一つの場所を」をリリース。Vianneyは1991年Pau生まれのACINos.1448、1450)。「Les filles d’aujourd’hui」はVianneyとのデュオでJonathanのアルバム「Une place pour moi」に収録されている。

 https://www.youtube.com/watch?v=-HxeE9QkEaY

 

・アンヌ・シラAnne Sila:「Empire state of mindAnne Sila

Anne Silaは1990年DromeValence生まれの歌手・チェロ演奏者。Valenceconservatoireで7年間ピアノ、チェロ、歌を学ぶ。その後地元Rhone-Alpes地域のフェスティヴァル、コンサートに出演。2011年渡米してJazzを学ぶ。帰国後2015年TVTF1スタ誕番組「The VoiceLa plus Belle Voix」第4シリーズに出場、決勝で優勝したLilian Renaudに敗退した。2016年1月には「Le monde tourne sans toi」など3曲収録のEPをリリース。4月28日にはOlympiaに初出演。4月29日ファーストアルバム「Amazing problem」をリリースしている。「Empire state of mind」(2009年Jay-Z.featuring Alicia Keys)はSilaThe voiceで歌った曲。

 https://www.youtube.com/watch?v=fleT5O5-7xA

 

 


No.1461
2016.7.18 
   

No. 1461     2016.7.18
                                           

最近の話題 4題    

  ・ケンジ・ジラクKendji Giracの歌う「Me quemo」が「今年のシャンソン La chanson de l’année 2016」に
   ・フランソワーズ・アルディFrançoise Hardy 、体調不良から復活 
  ・セリーヌ・ディオンCéline Dion、夫没後初のヨーロッパツアー、Paris Bercyに登場

  



・ケンジ・ジラクKendji Giracの歌う「Me quemo」が「今年のシャンソン La chanson de l’année 2016」に

 Kendji Giracの歌う「Me quemo/(スペイン語)身を焦がす」が6月17日TVTF1の「La chanson de l’année 2016/2016年今年のシャンソン」に選ばれた。

 Kendji Girac、本名Kendji Maille1996日フランス西部Aquitaine地方、DordognePerigueux生まれ、歌手、作曲も行う。ジプシーで家族と共にキャラヴァンでフランス国内を回る生活を。TVTF1のスタ誕番組「The Voice」の2014年第3シーズン圧倒的な強さで優勝。14年9月Color Gitano」、「Mon univers/僕の世界」、「Viens chez nous/僕たちの家へお出で」、「Andalouse/アンダルシア女性」などを収録したファーストアルバム「Kendji」をリリース。これは15年10月には100万枚を突破。15年5月12、13、14日にはParis Olympiaに初出演。15年10月セカンドアルバムEnsemble」をリリースこれには:「Tu y yo/(スペイン語で)君と僕」、「Me quemo/(スペイン語)身を焦がす」、「C’est trop/それはやりすぎ」、「Les yeux de la mama/ママの目」、「Jamais trop tard決して/遅過ぎることはない」、「Una mujer/(スペイン語)一人の女性」、「Mes potes et moi/仲間たちと僕」、「Ou va le monde?/世界はどこへ行く?」、「Amor y libertad/(スペイン語)愛と自由」、「Besame(スペイン語)/キスしておくれ」など13曲が収録されていて、タイトルがスペイン語の曲はスペイン語で、あるいはスペイン語とフランス語で歌われている。

 

TF1局は2004年から毎年(2013年を除く)、視聴者の投票により「La chanson de l’année」を選んでいて、Florent Pagnyの「Ma liberté de penser」(2004年)、Yannick Noahの「Aux arbres citoyans!」(07年)、Christophe Maéの「Belle Demoiselle」(08年)、Zazの「Je veux」(10年)、Christophe Maéの「Tombé sous le charme」(14年、2回目)、Giracの「Andalouse」(15年)などが選ばれている

授賞式では6月17日NîmesArenesにおいてNicos Aliagsの司会で行われTF1により中継された。今年の候補曲は、「Me quemo」、「Maman」(Louane)、「On écrit sur les mur」(Kids United)、「Je te déteste」(Vianney)、「Il est où le bonheur」(Christophe Maé)、「Corsica」(Patrick Bruel & Patrick Fiori)、「J’ai cheché」(Amir)など10曲。

Giracの曲が選ばれたのは2回目で、これはMaéに次いで2人目。2年連続は初めて。

https://www.youtube.com/watch?v=-Ew9oPJkiF0

 

 

 
・フランソワーズ・アルディFrançoise Hardy 、体調不良から復活 renaissance/ルネッサンス

 Françoise Hardyが体調不良から回復した。

 Hardy(1944.1.17- ACI)は、2014年12月にリリースされたSidaction設立20周年記念のアルバム「Kiss & Live」に、Michel Bergerのヒット曲「Seras-tu là?/君はいるだろうか?」をJulien Clercとデュオで歌い参加。その後は、数年前から癌(リンパ組織癌)治療を受けていることを明らかにして歌手活動を休止した。2015年3月4日には随筆集「Avis non autorisé/オーソライズされない意見」を刊行した。これには過去の回想と文芸・政治・経済・老い・病気をテーマにした随筆が掲載されている。そして3月9には転倒して腕を骨折、病院に運ばれ入院したと言う報道があった。この事故についてはその3ヶ月半後6月中旬に真相が明らかになった。それによると、Hardyは定期検査のため入院していたParisHopital americain/アメリカ病院のシャワー室で転倒、1週間人事不省の重体であった。7月中旬には退院。2016年2月長男のThomas DutroncTV局のインタビューで語った所によれば、「母は僕に会いたがっていたので毎日に見舞いに行った。そして癌の病状も悪化して、母の母が亡くなったのと同じ年齢でもあったことから母は死を覚悟したようだ。医師の意見も芳しくなかった。『Elle était à deux doigts de passer l’ârme à gauche/彼女は死の一歩手前だった』。そんな状態から回復し、今は癌も小康状態になった」。一方Hardyは2016年6月新聞などとのインタビューで「体調は良い。17Kg太って56kgになった。ここ2~3年のことを考えると奇跡のようだ。一時声のでない状態が続いた。Michel Legrandのアルバム(2015年11月リリースの『Michel Legrand et ses aims/ミシェル・ルグランとその友人たち』№1447か?)に参加したかったのだけれど無理だった。でもその後声を取り戻した。しかしまだ新しいアルバムを作る意欲はない。私の好きな曲の一つは『Tout va très bien, madame la maruise/万事順調です、公爵夫人』。私は頭の上に『l‘epée de Damovles/ダモクレスの刃』を持っているよう。でもそれを考えないようにしている」と語っている。

Hardyは2016年6月10日リリースのcompilationIt’s a teenager dream」に「True love ways」で参加。録音は2014年2月に行われている。
https://www.youtube.com/watch?v=GuCf_tTZ0eM

 It’s a teenager dream」は、音響技師・プロデューサーDominique Blanc-Francardの50年のキャリアを記念して、そのプロデュースの下に、主に50、60年代のアメリカのヒット15曲を現在活躍中のフランス人歌手がカバーしたアルバム。True love ways」のほか、収められている主曲、歌っている歌手は:

I only want to be with youElodie Frege、 「Only youWilliam Balde、 「That’s all rightBenjamin Biolay、 「You’re sixteenHubert Mounier、 To know him is to love himCarla Bruni、 GreenfielsDavid McNeil、 Bye bye loveJean-Louis AubertMy funny ValentineStephan Eicher、 I’m sorryValli、「The world we knewSinclaireStand by meAdamoBe my babyLes Reinettes

https://www.youtube.com/watch?v=_csQviGQWjU

 


・セリーヌ・ディオンCéline Dion、夫没後初のヨーロッパツアー、Paris Bercyに登場

Céline Dionは2016年1月14日デビュー時からのピグマリオンでマネージャー、1994年に結婚したRené Angélilを癌で失った。夫没後初のヨーロッパアーを6月20、21日ベルギーのAnversアントワープで開始。6月24日から7月9日まではParis BercyAccorhotels Arena)で9回のコンサート。初日の24日21時05分、黒のパンツと燕尾のヴェスト、白いレースのtopsDion、「Trois heures vingt/3時20分」をア カペラで口ずさみながらステージに登場。この曲は1月22日Angelilの葬儀流された曲。観客は葬儀が行われたMontrealNotre-Dameにいるような印象を。そしてDionは最初に「皆さんから寄せられた言葉、優しい眼差しに感謝します。子供たちも私も元気です。ですからすべてうまく行っています。この曲から始めるのは私にとって大事なこと。いつもRenéのことを思っています。今日も皆さんの中にRenéがいるようです。でも涙はやめて微笑みましょう」と語って、最初の歌ったのは「Encore un soir/もう一晩」。Angelilに捧げられているこの曲はJean-Jacques Goldmanに提供され、5月24日にシングルでリリース、8月末に予定されている次のフランス語によるアルバムに収録されることになっている。観客は立ち上がりルフランの部分をコーラスした。29人のミュージシャン、コーラスをバックに、途中で給水はしたが、ノンストップで、衣装を替えることもなく、2時間、メドレーを含め28曲を歌った。その中には次のような曲が:「Je crois toi/あなたを信じている」、「Vol d’un ange/天使の飛翔」、「Tous les blues sont écrits pour toi/全てのブルースはあなたのために」など初期のヒット曲、古くからのファン以外にはあまり馴染みのない曲。「Ordinaire/普通の」はRobert Charleboisが1971年に歌ったQuébecではクラシックとされている曲でAngélilの好きだったもの。「Pour que tu m’aimes encore/あなたがまだわたしを愛してくれるように」、「Ziggi」、「Qui peut vivre sans amour ?/愛なしで誰が生きられる?」、「L’amour existe encore/まだ愛がある」などフランスでもヒットした曲。「The power of love」、「Love can move mountains」などLas VegasCaesar Palaceで好評な英語のよる曲。「The show must go on」はQueenのカバーでAngélilが好きだったという。「Purple rain」はPrinceのカバー。開始から1時間45分後、アンコール。まずTitanicのテーマ「My heart will go on」、次いで「S’il suffisait d’aimer/愛するだけで十分なら」、最後はア カペラで「Voler/飛ぶ」。 度々涙をこらえていたDion、しかし、コンサートの間ずっと微笑みを絶やさなかったDion、会場は終始感動に包まれていた。

S’il suffisait d’aimer」&「Volerhttps://www.youtube.com/watch?v=C38IgQVImY4

 No.1460
2016.7.4
 

 №1460  2016.7.4     

新譜情報

Christophe Mae  Miossec、新しいアルバムリリース                

 


・クリストフ・マエChristophe Mae
13日にリリースした新しいアルバムは
L’attrape-reves/ドリーム キャッチャー」。

 

Maé本名Christophe Martichonは1975年南仏生まれのACI
18歳で家を出て南仏で歌手活動を始め、「僕はバーで歌う生活を送っていた。冬はCourchevelSavoie地方のリゾート地)、夏はCote dAzurで。ある時考えた。もうこんな生活は止めよう、そうしなければ20年経っても他人の曲を歌っているだけだ」と26歳でパリに。「屋根裏部屋の生活だった」。05年9月からParisPalais  des Sportsを中心に上演されたミュージカル「Le Roi Solei/太陽王」で太陽王の弟役(Monsieurと呼ばれたPhilippe d’Orleans)に抜擢され、存在感のある演技と歌を披露。07年のファーストアルバム「Mon paradis/僕のパラダイス」は120万枚以上の売上。08年VdMで新人歌手賞受賞。VdMではその後も数回、種々のカテゴリーの候補に上がっているが受賞はこの1回のみ。10年のセカンドアルバム「On trace la route/道を辿る」、13年のサードアルバム「Je veux du bonheur/僕は幸福が欲しい」はいずれもチャートの1位になり、「disque de diamant/ダイアモンドディスク」(50万枚以上の売上げ)になっている。

 今回の4枚目のアルバム「L’attrape-revesも、5つ☆を与えている評価もあり、リリースの週から、Renaudの「Renaud」(№1457)に代わってチャートの1位。アルバムに収められているのは:L’attrape-reves」、「La Parisienne/パリジェンヌ」、「Californie/カリフォルニア」、「Il est ou le bonheur/幸せはどこにPaul Ecoleとの共作)、Les amis/友人たち」、「La vallee des larmes/涙の谷」、「40 ans demain/明日40歳」、「Ballerine/バレリーナ」などの10曲他に「L’attrape-reves」など曲のacoustic version

Maeは2016年11月10日からツアーを開始、11月26日ParisElysee Montmartre、2017年3月16日Paris Zenithに出演。

L’attrape-reves」 https://www.youtube.com/watch?v=A5e_T_23OQo

Il est ou le bonheurclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=m5qXr9lLdwA

6月15日に行われた2016年bac(中等教育修了認定資格)試験の哲学の問題にこの曲のテーマが使われるのではないかと予想する報道があった。しかしそれはなかった。

 

 
・ミオセックMiosecが5月27日にリリースした新しいアルバムは
Mammiferes/ほ乳類」

 Miossec、本名ChristopheMiossec、は1964年Bretagne地方FinistereBrest生まれのACI
地方新聞の記者、上京後、出版社の校正係、TVTF1の企画担当から1994年歌手に転身。94年のファーストアルバム「Boire/飲む」以来定期的に9枚のアルバムを出している。また多くの歌手にその歌手のヒット曲の歌詞を提供している:JaneBirkin(「Lesavalanches/雪崩」99年)、JulietteGreco(「Iletelle/彼と彼女」03年)、JohnnyHallyday(「Notrehistoire/僕たちの歴史」99年、「20 ans/二十歳」12年、「De l’amour/愛について」15年)、Johnny Hallyday & Celine Dion(「L’amour peut prendre froid/愛が冷めることもある」12年、Hallydayのアルバム「Attente」及びDionのアルバム「Sans attendre」にデュオで収録)、NolwennLeroy(「JeneseraijamaistaParisienne/私は決してあなたのパリジェンヌにはなれない」11年、Leroyのミリオンセラーアルバム「Bretonne/ブルターニュ女性」に収録されている)など。 またLeroyには「Brest」(04年Miossecのアルバム「1964」に収録)のカバーを認め、Leroyのコンサートではデュオで歌っている。AlainBashung追悼アルバム「TelsAlainBashung/アラン・バッシュングはこんな風」)には「Osez Josephine/思い切って、ジョゼフィーヌ」で参加している。Hallydayが歌った「20 ans」は14年VdMオリジナルシャンソン賞を受賞、Miossecも作詞者として受賞「この賞は一般大衆によって与えられるもの。専門家には無視されることが多い僕にとっては嬉しいことだった」。前作は14年4月リリースの「Ici-bas,ici meme」。

 10枚目となる今回のアルバムにはOn y va/さあ、始めよう」、「Apres le bonheur/幸せの後で」、「La vie vole/命は空を飛ぶ」、「Les mouches/蠅」、「Les ecailles/うろこ」、「La nuit est bleue/夜は青い」、「Alouette/ひばり」、「Cascadeur/スタントマン」、「Le roi/王様」、「L’innocence/無実」、「Papa」など。 

Miossecは2016年6月18日からツアーを開始、7月16、17日La RochelleFrancofolie に出演。Paris登場は10月25~28日

Theatre de Bouffes du Nord

BrestNolwenn Leroyと https://www.youtube.com/watch?v=Sv6wTkQ0s5E

Apres le onheur」  https://www.youtube.com/watch?v=zRXWt-pEcmQ

Les ecailles」 https://www.youtube.com/watch?v=XztZH2lYf9o

 
 No.1459
2016.6.17
   

KCN 1459    2016.6.17

  最近の話題 3点

 Henri Salvador
 Johnny Hallyday
 Amir Haddad  
                 

 

1.   アンリ・サルヴァドールHenri SalvadorParisに名を冠した広場誕生

2016年5月3日Parisに「La place Henri Salvador/アンリ・サルヴァドール広場」が誕生、標識の除幕式が行われた。Henri Salvadorは1917年フランス海外県、ギアナのカイエンヌ生まれ、29年に一家でフランスに移住、ACI、ギタリスト、TV司会者。「La chanson douce/優しいシャンソン」、「Dans mon île/僕の島で」、「Syracuse/愛の国シラキューズ」、「Jardin d’hiver/こもれびの庭」などのヒットを持ち、生涯で3000曲以上歌ったと言われる。2008年2月90歳で死去。 誕生した広場の所在地は2区、43,Boulvard des CapucinesCapucines大通りを挟んでOlympiaの真正面。除幕式には夫人のCatherine Salvador、俳優のAlain DelonElie Semoun、歌手のMarcel AmontIsabelle AubretDani、海外圏担当大臣George Paul-Langevin、カイエンヌ出身の前法務大臣Christiane TaubiraParis市副市長らが出席。Catherine夫人「この場所はHenriが住んでいた場所 [Place Vendome/ヴァンドーム広場、その6番地にはSalvadorの旧居であった旨の銘板が掲げられている] 、録音に使ったスタジオ、それに83歳で初めて出演したシャンソンの殿堂Olympiaに近く、彼にとってシンボル的な場所」。

 

Place Henri Salvador 

 

2.   ジョニー・アリディーJohnny Hallyday、舌禍

Johnny Hallyday(1943-、歌手、作曲も)はその一挙手一投足が常にマスコミの注目を浴び、頻繁にフランスのマスコミに登場するアーティストの一人。そのHallydayの発言が物議を醸し、「a allumé le feu/火をつけた」。「Allumer le feu/火を付ける」はZazie作曲、Pascal Obispo作曲の1998年Hallydayのヒット曲で、Hallydayはコンサートの際、最初の曲としてよく歌っている。 Hallydayは現在「Rester vivant」ツアーを行っていて、2016年3月25、26日にはテロ直後のBruxellesで歌っている(№1453)。そして、5月4日にはTahitiPapeeteTaota野外ホールで自身初めてのコンサートを行った。1週間前にTahitiに着いたHallydayは家族及びバックバンドのミュージシャンたちと休暇を楽しんだ。問題の発言はそのコンサートを前に地元のTVPolynésie 1èreでのインタービューでのこと。「Tahitiで、Papeetで歌う方が・・Maubeugeで歌うよりいい。ここは天国のよう。いつもこのようなところで歌えるとは限らない。それはホント。ここの方が美しいし、魅力的」。 Maubeugeはフランスの北部Nord-Pas-de-Calais-Picardie地域圏、Nord県にあり、人口3万人強。BourvilAnnie Cordyが歌ったシャンソン「Un laire de lune à Maubeuge」(1962年 作詞作曲 Pierre Perrin)で知られている。この発言はインターネットを通してあっという間にPapeeteから15000km以上は離れているMaubeugeに届いた。 市民はHallydayのこの発言にショックを受けた。最初に反応したのはMaubeugeArnaud Decagny市長。「Hallydayは他の町の名を出すこともできたのに、Maubeugeの名を出した。Maubeugeの住人にとってそんな風に批評されることは嬉しいことではない。Maubeugeでコンサートをやってくれるように言いたい。Paoeeteより観客が少ないと言うことはないだろう」。そしてFacebookに大勢の人々が行列を作っている写真を載せた。コンサートの入場者ではなく、Maubeugeの動物園の入場者の。市民も「Hallydayが1971年この町のビール祭りに来て歌ったとき我々は彼をà bras ouverts/大歓迎したのに。Hallydayが何かの形でこの失言を埋め合わせてくれることを望んでいる。ここに来て4、5曲歌ってくれればいい。1時間半のコンサートなんていらないから」。発言が激しい反発を招いたことに対してHallydayは「Un laire de lune à Maubeuge」の一節を引用して謝罪した。「モーブージェの月光に比べれば、他のものは全て無価値」。

L’envieTahitiで https://www.youtube.com/watch?v=-UKOAA6EgBU

 

  3.アミール・アダッドAmir HaddadEurovisionで6位、

第61回Eurovisionコンクールは2016年5月スウェーデン、ストックホルムのGlobe Arenaで行われた。Eurovisionの毎年の開催地は前回優勝者の出身国となっており、ストックホルムでの開催は、60回のコンクールでスウェーデン代表のMans Zelmerlowが優勝したことによる。フランスはEurovisionで過去5回優勝者を出しているが、最後の優勝者は1977年「L’oiseau et l’enfant/小鳥と子供」を歌ったMarie Myriamまで遡る。最近では14年26位で最下位、15年26ヵ国中25位と低迷が続いている。

今年のフランス代表はAmir Haddad、ステージ名Amir。1984年6月20日Paris 12区生まれのACI。92年一家でイスラエルに移住。2006年イスラエルTV局のスター誕生番組に出場。優勝はできなかったが、Amirの歌に興味を示したプロデューサーの勧めで08年最初のアルバムを録音。Amirはエルサレム大学で歯科医になるための勉学を続けたためアルバム「Vayehi」のリリースは2011年になった。2013年にはフランスTVTF 1のスター誕生番組「The voice」の第3シーズンに出場、4人で争う決勝に進み、3位に。2016年1月Johan Erramiなどの協力を得て作詞作曲したシングル「J’ai cherché/僕は努めた」(クープレ部分はフランス語、ルフラン部分は英語)をリリース。4月29日には「J’ai cherche」、「Ma vie, ma ville, mon monde」、「A ta maniere」、「I know」などを収録したファーストアルバム「Au œur de moi」をリリースしている。Amirは2月29日Eurovisionのフランス代表に選ばれ、「J’ai cherché」を歌うことに。

2016年のEurovisionには42ヵ国が出場。5月10日及び12日に、Big5(英、仏、独、西、伊)及び開催国を除く36ヵ国で予選が行われ決勝に進む20ヵ国が選ばれた。5月14日の決勝は26ヵ国で争われた。Amirは11番目に登場、257ポイントを獲得し、6位であった。優勝はウクライナ代表のJamalaで、英語とクリミア地方の言語で「1944」を歌い534ポイントを得た。 フランス代表が10位以内に入ったのは、2000年以降では、2001年のNatasha St-Pier(4位)、2002年Sandrine François(5位)、2009年Patricia Kaas(8位)に次いで4人目。Amirの6位はこのコンクールで極端に成績不振に陥っていたフランスに新たな出発をもたらすものになるのか。

J’ai chechéEurovisionで https://www.youtube.com/watch?v=-aLPsiyavcU

No.1458
2016.6.1 
   

 №145   2016.6.1


ミシェル・ポルナレフ Michel Polnareff9年振りのコンサート

Michel Polnareffが9年振りに帰ってきた。2016年4月30日EpernayAlsace-Champagne-Ardenne-Lorraine地方圏、Marne県)で今回のツアーの幕を開けた。前回34年振りにフランス国内のステージに立ったのは「Ze(re)Tour」で2007年、この公演の模様は liveアルバム「Ze(re)Tour 2007」としてリリースされている(Polnsreffliveアルバムは1996年の「Live at the Roxy」についで2枚目で、この2枚だけ)。今回の公演のバックはBrad Cole(キイボード奏者でPhil Collinsの伴奏者)指揮のバンドが務める。Polnarrefはこのバンドをバックに、Los Angelesおよびフランス国内(10日間余り)で綿密なリハーサルを行った。今回のツアーにはパートナーのDanyellahと息子のLoukaを同道。舞台衣装はDanyellahのデザイン。5歳のなるLoukaは父親のステージを見るのは初めて。

30日、会場Le Millesiumの5200人の観客を前に黒い上着、長い燕尾の白いシャツ、白いフレームのサングラスで登場したPolnarref、「Merci, Epernay !」と語りかけ、最初に歌ったのは「Je suis un homme/僕は男」。次いで「La poupée qui fait non/ノンオン人形」、「L’amour avec toi/君との愛」などを歌った後、ピアノの弾き語りで「Love me please love me/愛の願い」、「Qui a tué Grand-maman/おばあさんを殺したのは誰:愛のコレクション」、それに多くの観客が待っていた「Lettre à France/フランスへの手紙:哀しみのエトランゼ」、弾き語りの最後は「Le bal des Laze/ラーズ家の舞踏会」を荘重に。次いで「Dans la rue/通りで」の前奏が始まると多く観客は座席を立ってステージの前でダンスを、ダンスはコンサートが終わるまで続いた。このコンサートの直前に亡くなったPrinceを偲んで、バックを務めているコーラスが紫の照明の下で「Purple rain」を歌い、Polnarrefは「亡くなってからではなく、アーティストが生きているうちに好きになって」。その後「Y’a qu’un cheveu/厄介なことばかり」を歌い、アンコール前の曲は「Goodbye Marylou」。アンコールでは女性コーラスとの掛け合いで「Hey you woman」、「Tout tout pour ma chérie/全てを愛しい君に:シェリーに口づけ」そして「On ira tous au paradis:みんな天国に行けるだろう:天国への道」。一旦下がったPolnarrefが再度現れ、「ここまでしかリハーサルしていなかったので、これからはぶっつけ本番です」と語り、ピアノの弾き語りしたのは「Ame caline/バラ色の心」と「Kama Sutra/カマ ストラ」。そして静にステージを降りた。駆け寄ったLoukaを両手で抱擁しながら「興奮している」。例によって、観客の中にはPolnarrefと同じ髪型の金髪のカツラを着け、白フレームのサングラスを付けた60人ほどの一団が。会場は満員ではなかったよう。「色んな噂を流されたので、会場には誰も来てくれないのではと心配していました」(当初50回程度のコンサートが予定されていたが、集客に問題があり、数件のコンサートがキャンセルされたとの報道があった)。2度のアンコールを含め、2時間のステージで歌われた曲は25曲。多少長すぎたとの感想もあり次の5月7日のParis公演には手直しがあるかも。

On n’ira tous au paradis」 https://www.youtube.com/watch?v=XRupSQ4akLg

 

5月7日はAccorHotels Arena公演の初日。18000人の観客の中には、歌手のNolwenn LeroyFrédéric FrançoisChantal GoyaCalogeroら、TV司会者のMichel DruckerNikos Aligasらの顔、他に、Polnarrefに「Lettre à France」などの歌詞を提供している作詞家Jean-Loup Dabadieの顔が見えた。最初の曲「Je suis un homme」からEpernayとほぼ同様のsetlistMCではPrinceを偲んで同様の発言があった。他に「今夜本当の沢山の花が楽屋に届いた。私の葬儀かなと思うほど」、「この会場はかつてBercyと呼ばれていたが、今は『AccorHotels Arena』(注1)。何故そう呼ばれるのか解った。みんな眠っているからだ」、「私は皆さんを愛している。皆さんが私を愛してくれている以上に」。アンコールは1回、最後の曲「On ira tous au paradis」まで歌われたのは24曲。

AccorHotels Arena公演はこの後5月8、10、11日の3回。この間歌手ではGrégopireMichele TorrHervé VilardNicolettaVeronique SansonJulie PietriJean-Luc LahayeOrelsanらが顔を見せた。また10日及び11日には「On ira tous au paradis」が歌われた際、父親と同じ眼鏡を掛けたLoukaがステージに登場した。

Je suis un homme」 https://www.youtube.com/watch?v=tqyhMTxMX8U

Michel Polnareff et son fils Louka - Jour 3 - Concert de Michel Polnareff à l&#039;AccorHotels Arena de Paris le 10 mai 2016.

Polnareffは5月14日にはTVTF1のスター誕生番組「The voice」第5シーズンの決勝戦にゲストとして出演(TV出演は27年振りとの報道も)。Polnareffはピアノ弾き語りで、決勝に残ったClement Verziと「L’homme en rouge/赤い服の男」を歌った。しかし声が出ていなかった。「優勝したSlimaneにおめでとうと言いたい。このコンクールは非常の厳しいもの。私はコンクールに出場していなくて良かったと思っている。特に今朝起きたときに、声が全くでない状況だったから」。その後「Love me, please love」を歌ったときは声の調子は多少改善されたようで、途中で歌詞を変えて「ありがたいことに、cortisone注射のおかげで歌えるようになった」と歌った。(歌詞を変えたのは映像で3分20秒辺り)

http://www.tf1.fr/tf1/the-voice/videos/michel-polnareff-interprete-direct-love-me-please-love-me-titre-1.html

 

この後Polnareffは12月3日のNantesまで40回余のコンサートを行う予定。この間7月14日(いわゆる「パリ祭」の日)にはParis Olympiaに出演。

また。1990年「Kama Sutra」以降初めてとなるスタジオ録音アルバムのリリースについては、当初2014年という情報があったが、延期に次ぐ延期。さらに、遅くともこのツアーの前にはという情報もあったが、未だ実現していない。

 

注:テニス、バスケットボールなどのスポーツ会場あるいはコンサート会場などとして使用されるParis12区 8,bd.De Bercy所在のPOPBPalais omnisports de Paris Bercy/ベルシー総合運動場)は2015年改装後命名権をホテルチェーンのAccorHotelsが取得し、AccorHotels Arenaと呼ばれるようになった。

 No.1457
2016.5.14
   

 

KCN 1457     2016.5.14

                                               

ルノーRenaudが、2016年4月8日、10年振りのアルバム「Renaud」をリリース

Renaud、本名Renaud Séchan1952年パリ14区生まれのACI、「Miatral gagnant(1985などのヒットを持つ。前回のアルバムは2009年リリース「Molly Malone-Balade irlandaise/モリー・マロン=アイルランドのバラード」(「バラード」はフランス語では「ballade」と綴るが、「balade」としたのは「balader/散歩する、ぶらつく」を掛けたよう)。Renaudはこのアルバムをリリース後、2011年歌手Romane Serda(05年に再婚、06年長男Maloneマローヌ誕生)と離婚したことなどもあり「インスピレーションが枯渇した」と活動を休止していた。活動を中止していた間Renaudを最も悩ませたのはアルコール依存。2015年3月断酒を決意、復帰した。

今回の16目となるスタジオ録音アルバムのタイトルは「Renaud」、一般的には先行シングルカットされた曲から「Toujours debout/まだ立っている」と呼ばれている。アルバムには14曲収められている。詩はRenaud自身、作曲は女婿のRenan LuceのほかRenaudバンドのベーシストのMichael Ohayonら。

14曲は・・

J’ai embrassé un flic/僕は警官を抱きしめた」:アルバムの1曲目。2015年1月7日Charlie Hébdo誌編集部襲撃事件は、1992年から96年まで同誌の執筆者であったRenaudに大きな衝撃を与えた。Renaudは「私は友人を失ってしまった。このような悲劇を前に言葉は役に立たない」と、体調が万全ではなかったが、事件後の1月11日にParis Républiqueで広場行われた襲撃事件に抗議し、犠牲者を追悼するデモに参加した。この曲はそのデモがテーマになっている。

・・僕たちは何百万人、République広場からNation広場まで行進した。プロテスタントも、カトリックも、モスレムも、ユダヤ教徒も、無神論者も。シャルリーに連帯を感じる何千人という警察官の好意的な眼差しに守られて。舗道に立っている一人の警官、とても良い感じだった。僕は近づき彼を抱きしめた。30年前には敷石を剥がして彼らに投げつけていたのに。 屋上にいた狙撃手たちは行進している僕らに向かって両手を広げて、連帯と友情の気持ちを伝えた。僕はアナーキストとしての人生で初めて彼らに感謝するため、警官を抱きしめた・・

2016.4.10 TVFrance2 「Vivement Dimanche」出演時 https://www.youtube.com/watch?v=XbkwG94Zkdc

Les mots/ことばたち」:文化への讃歌、文章が持つ人を救済する力への讃歌 ・・動物たちは言葉を持っていない。それは天からの、神様からの贈り物。あなた方が言葉を使えるようになると、それはあなた方を自由にする、苦痛から解放する、新しい世界を開いてくれる。LeautaudBrassensNougaroHugoの詩は松明のように僕の人生を照らしてくれる・・

Toujours debout/まだ立っている」:「私を待ってくれた全ての人々が安心してくれるように」。この曲は2016年1月26日先行シングルカットでリリースされている。2月25日に発表されたclip officielは2月18日ParisGrand Palaisで撮影された。・・Toujours vivan, rassure-vous/まだ立っている、安心して下さい。相変わらずいかれてはいるけれど、それでもまだ立っている。元気を取り戻し、両足で真っ直ぐに立っている。僕は復活した・・

  Clip official  https://www.youtube.com/watch?v=uv37yxc51bE

Heloïise/エロイーズ」:「Mistral gagnat/ミストラル ガニャン」のモデルであった長女Lolita(1980-)は2009年にACIの Renan Luce(1980-)と結婚。2人の間2011年長女Heloïseが誕生。この曲はLolitaHeloïseと共にVenise/ヴェニスに旅行した際に作られたもので、初孫であるHeloïseに捧げられている。(なおLolitaLuceは2016年離婚している。) 

La nuit en taule/留置所の夜」:「実際に経験したこと。10年ほど前にギリシャのある島を日本製のスクーターで旅行していた際、アルコール検査を受けた。隣の島で裁判を受けるため2日間留置所で過ごした」。

Petit bonhomme/坊や」:2006年7月14日に誕生した息子のMalone(「冠こそ被っていないがわたしにとっては王様」)に捧げられている。

Hyper Cacher/大型スパー カシェール」:Charlie Hébdo事件の直後2015年1月9日に起こったParisPorte de la Vincennes(20区)にあるユダヤ食品専門大型スパー「イペール カシェール」が襲撃され、犯人が人質をとって立てこもった事件。人質4人が死亡した。・・メトロSaint-Mande駅の近く、近所に住む人たちにカシュルート(ユダヤ教の食事規定に従った食品)を販売している店が突然覆面をした男に襲われた。そして地獄と化した。世界中に充満した恐怖、憎悪、何と汚れた時代なんだ。あなたたちがイスラエルの地で、父なる大地で、イスラエルの太陽の下で安やかに眠りますように。あなたたちは大切な人だった、決して忘れない・・

Mulholland drive/マルホランド ドライヴロサンゼルス北部の山を横断する道路。日常を忘れるためこの道を飛ばしているアメリカ人の若い女性を歌っている。

La vie est moche et c’est trop court/人生はさえない、それに短すぎる:人生はこのタイトルの通りか?Georges BrassensColucheも去ってしまった。彼らのいた時代へのノスタルジー、そして人生讃歌。

Mon anniv’/僕の誕生日」:「今では誕生日が来ることは若さへ一撃、何かに近づいて行く一歩」

Dylan/ディラン」:Bob Dylan(歌詞の中で、本名Robert Zimmermannだと言っている)へのオマージュ。RenaudDylanの後継者の一人を自認している。

Petite fille slave/スラヴ人の少女」:より豊かな生活を求めてヴィリニュスから、キエフから、トビリシからやって来た少女。しかし、彼女たちが就く仕事は・・

Ta batterie/お前のドラム:これも息子Maloneをテーマにした美しい曲で、Renaudはすでに2006年のアルバム「Rouge sang」に息子をテーマにした曲「Malone」を収録している。この曲は当初スラム歌手Grand Corps MaladeGCM)が2015年10月リリースの自身のアルバム「Il nous restera ça/僕たちにはそれが残るだろう」のためにRenaudに詩の提供を要請、それにRenaudが答えたもの。「Il nous restera ça」ではRenaudG CMのピアニストが付けた曲をバックにスラムで収録している。Renaudは今回、このアルバムに収録するために編曲し直し、新たに録音している。・・お前は誕生日にドラムを欲しがっていた。大きな音を出したがっていた。近所の人を困らせるように、お母さんを困らせるように[父が出てこないのは、離婚後SardaMaloneを引き取ったためか]。息子よ、そのうちにお前がシンバルやドラムで私のシャンソンのリズムを取ってくれたら。Malone、叩け叩け太鼓を、叩け叩け私の愛を・・

Pour Karimpour Fabien/カリンのために、ファビアンのためにtitre caché隠しトラック。Renaud Serdaの作曲によるバックミュージクで、スラムで歌っている。Karimはスラム歌手Ami KarimFabienGCMの本名Fabien Marsaud

 

アルバムはリリースから1週間で28万7千枚以上の売上げ。リリースから1週間での売上げ枚数としては、2002年にJohnny Hallydayの「A la vie, à la mort」が記録した30万枚以上の売上げに次ぐもの。リリースの週から現在もチャートのトップで、すでに50万枚近い売上げ。

Renaudは10月1日国内及びスイスツアーを開始、2017年4月1日までの日程が発表されている。Paris登場は10月11~29日(この間10日間)Zénith

No.1456
2016.5.1 
   


№1456   2016.5.1


La fête de la chanson française
シャンソンフランセーズの祭典、TVMonde Japonで放送  

今年で12回目となる「La fête de la chanson française/シャンソンフランセーズの祭典」はDaniea Lumbrosoの司会で2016年2月27日France 2で放送され、TVMONDEJaponでは3月19日及び26日に2回に分けて放送された。今回のFêteでは次のような場面が見られた:

1.   Joyce Jonathan & Vianney:60年代のヒット曲メドレー

Poupée de cire, poupée de son/夢みるシャンソン人形」(1965年 France Gall、歌Jonathan)→「A présent tu peux t’en aller/今君は行ってしまうことが出来る」(1964年Les Surfs、歌Vianney)→「Plus belle pour aller danser/アイドルを探せ」(1963年 Sylvie Vartan)→「Pour moi la vie va commencer/僕にとって人生はこれから始まる」(1963年 Johnny Hallyday

https://www.youtube.com/watch?v=cyP0Hap_JYQ

 

2.   Patrick Bruel & Pascal Obispo:青春時代の思い出の曲メドレー

La groupie du pianiste/ピアニストの追っかけ」(1980年Michel Berger、歌Obispo)→「Michèle/ミシェル」(1976年Gérard Lenorman、歌 Bruel)→「Je suis venu te dire que je m’en vais/君に僕は行ってしまうと言いに来た:手切れ」(1973年Serge Gainsbourg)→「D côte de chez Swann/スワン家の方へ」(1975年Dave)→「Cette chanson/このシャンソン」(1975年Claude François)→「Il était une fois nous deux/かつて僕たち二人がいた」(1965年 Joe Dassin

https://www.youtube.com/watch?v=zTiPOiWTu-w

 

3.   Lambert WilsonGrands Boulvards/グラン ブルヴァール

Lambert Wilsonランベール・ヴィルソンは1958年Parisの北西部に隣接するNeuilly-sur-Seine生まれの映画・舞台俳優。歌手活動も行っており、2016年2月12日Yves Montandのヒット曲をカバーしたアルバム「Wilson chante Montand」をリリース。

https://www.youtube.com/watch?v=7o7zuIP_fcw

 

4.   Eddy MitchellLambert WilsonClaire Keim  & Thomas DutroncEddy Mitchellヒット曲のメドレー

La dernière séance/最後の上映」(歌Wilson & Mitchell)→「Le cimetière des éléphants/象たちの墓場」(Keim & Mitchell)→「Couleur menthe à l’eau/ミント水の色」(Dutronc & Mitchell)→「Boogie woogie/ブギ ウギ」(4人)

https://www.youtube.com/watch?v=gjFYVUWW_vM

 

5.   Nicole Croisille & Brigitte: 「Parlez-moi de lui/私に彼のことを話して頂戴」(1973年 Croisilleのヒット)

https://www.youtube.com/watch?v=Co5P4hDNdIQ

 

6.   Kids United:「On écrit sur les murs/壁に書いたメッセージ」

Kids UnitedUNICEFの活動のキャンペーンのために2015年に当時8歳から15歳の少年少女6人で結成されたグループ。2015年11月20日「On ecrit sur les murs」、「Toi + moi/君+僕」、「Papaoutai/お父さんどこに」、「Imagine」など過去のヒット曲をカバーしたアルバム「Un monde meilleur/素晴らしい世界」をリリース。アルバムは2016年1月29日の週にはチャートのトップになるなど好評で、25万枚以上の売上げ。

https://www.youtube.com/watch?v=jGwDRSIud8c

 

7.   Marina KayeFreeze you out

Marina Kaye マリナ・ケイは1998年Marseille生まれの女性ACI。2015年5月18日ファーストアルバム「Fearless」をリリース。これには「自分の声域を生かすため」と英語で歌われた「Freeze you out」、「Homelesse」など11曲を収録、10万枚以上の売上げ。アルバムはラジオ局RTLの2015年最優秀アルバム賞に選ばれ、今回のFêteの際に授賞式が行われた。

  https://www.youtube.com/watch?v=kxIfLaZW2uk

No.1455
2016.4.28
 
   

№1455  2016.4.28

Axelle Red ベストアルバムリリース、
Liane Foly カバーアルバムリリース     

 


1.アクセル・レッドAxelle Redが2016年3月4日ベストアルバム「The songs(Acoustic)」をリリース

Axelle Redは1968年ベルギーLimbourgHasselt生まれ。赤毛のフラマン人、社会の問題に積極的に関わる、人道主義のACI。「The songs (Acoustic)」はCD2枚組でRedのレパートリーの中から24曲をアコースティックにセルフカバーして収録。24曲はSensualité官能」、「Le monde tourne mal世界は悪くなる」、「Je t’attendsあなたを待っている」、「Venez vers moi私の方に来て」、「Ce matin今朝」、「Temps pour nous私たちのための時間」、「Quelque part ailleur他の場所で」、「Parce que c’est toiそれがあなただから」、「Si tu savais/もしあなたが知っていたら」、「Rester femme女性のままで」、「Ma prière私の願い」、「Rouge ardent燃えるような赤」、「Amour profond深い愛」、「C’est une ville一つの町」、「Mon café/私の好きなコーヒー」など。録音は2014年12月から2015年3月までBruxellesで行われ、1993年のファーストアルバムでバックを務めたギタリストのWigbert Van Lierdeが今回も協力している。「これをベストアルバムと言っていいかどうか。収録した曲の中には、ヒットして確かに私の代表曲と行って良いような曲もあるが、半数は評判にもならず忘れられてしまった曲だ。私のシャンソンは、私の人生を織り上げたもの、私の人生を語るもの、私という存在そのもの。収録した24曲はそれを表していて、私のポートレート。ヒットした曲だけが私を表しているわけではない。そして私自身が音楽的にどんな人間であるのか見てみたかった」。Redは3月21日Théâtre de Parisに出演した。

Mon café」3月21日Théâtre de Paris で https://www.youtube.com/watch?v=Oh5MPoZPCbc

 



2.リアンヌ・フォリーLiane Folyが2016年3月18日カバーアルバム「Crooneuse/女性クルーナー」をリリース。

Liane Folyは1962Lyon生まれの歌手。08年には最新となるアルバムは「Le goût du désir/願望のセンス」をリリースしているが、07年からはimitatrice(物真似アーティスト)としての活動を始めた。歌手、政治家、俳優など35人の声を出すと言われている。アルバム「Crooneuse」のタイトルは「crooner/クルーナー」の女性形。Folyが物真似アーティスト、俳優から歌手に戻る第一歩は、新曲ではなく、シャンソンフランセーズのかつてのヒット曲などのカバー。収められているのは:「J’aime regarder les filles/僕は少女たちを眺めるのが好き」(1981年、Patrick Coutin)、「Voilà c’est fini/さあこれで終わり」(1989年、Jean-Lois Aubert)、「C’est extra/それは素晴らしい」(1967年、Léo Ferré)、「La boîte de jazz/ジャズディスコ」(1985年、Michel Jonasz)、「Fever」(1956年、Little Willie John)、「Fais-moi une place/私に一つの場所を」(1990年、Julien Clerc)、「Toute la musique que j’aime/私が好きな全ての音楽」(1973年、Johnny Hallyday)、「La cimetière des élépfants/象たちの墓」(1982年、Eddy Mitchell)、「J’écoute de la musique saoule/私はソール音楽を聞く」(1978年Françoise Hardy)、「Jardin d’hiver/冬の庭」(2000年、Henri Salvador)、「Slave to the Rhythm」(1985年、Grace Jones

「大分前からこのようなアルバムを考えていた。歌っている曲はいずれも私の今までの人生のある時期に対応している。子供の頃に、青春時代の思い出と強く結びついた曲。それと当時にこれは女性へのオマージュ」。

2016年3月から「Croonese Tour」を行っているFolyParis登場は、6月10日のCasino de Paris

C’est extra」 https://www.youtube.com/watch?v=USfiamBmBMw


No.1454
2016.4.7
 
   

 KCN 1454  2016.4.7

2月にリリースされた3名の歌手の新譜をご紹介いたします。 

Pascal Obispo
Adamo
Enrico Macias
      

 

・パスカル・オビスポPascal Obispoが2016年2月5日にリリースした新しいアルバムは
Billet de emme/女性からの短信」

 10枚目となる今回のアルバムに収められている12曲は、19世紀の女流詩人Marceline Desbordes-Valmore(1786-1859)の詩にObispoが曲を付けたもの。Obispo「2012年に亡くなった父 [Max プロのサッカー選手]の遺品を整理していて一人の女性に会った。言葉を持ち、愛情を持ち、優しさを持ち、感動を持ち、苦悩を持つ一人の女流詩人に。その詩を読んだとき、時間的には離れているけれど、心からの感激を禁じ得なかった。」。この忘れられた詩人の詩はその現代性の故にObispoの曲、Jean-Claude Petitのアレンジと相俟って耳に心地よく響く、心の奥に届く、愛を語る珠玉のシャンソンになった。

収められているのは「Billet de femme」、「Je ne sais plus, je ne veux plus/私にはもう分からない、私はもう望まない」、「Le scret perdu/消えた秘密」、「S’il l’avait su/彼がそれを知っていたら」、「Le serment/誓い」、「Le dernier rendez-vous/最後のランデヴー」、「Qu’en avez-vous fait?/あなたはそれをどうしたの?」、「On me l’a dit/それを言われた」、「Le soir/夕べ」、「Sans l’oublier/それを忘れない」、「Je vous écris/あなたに手紙を書きます」、「Jamais adieu/決して別れはない」。

 Le secret perdu」 https://www.youtube.com/watch?v=p7d0iNoA3cI

・・Qui me consolera?/誰が私を慰めてくれるのだろうか?学習が答えた「学ぶことだけがそれをできる。多くの秘密がお前の毎日の生活を生き生きしたもののする」。しかし、書物は私の孤独を助長しただけだった、全てが私を泣かせた。・・Qui me consolera?/誰が私を慰めてくれるのだろうか?盛装が答えた「ここにリボン飾りがある、白粉がある、真珠が、ゴールドがある」。私は罪のない詐欺師のような格好になり、着飾った喪服のようになりもっと涙が出てきた。・・Qui me consolera?/誰が私を慰めてくれるのだろうか?旅が答えた「お前を遠くの花のところへ連れて行こう」。でも最初の不安に駆られた私には、新しい不安が私の涙を隠しただけ。・・Qui me consolera?/誰が私を慰めてくれるのだろうか?何も、誰も

 

・アダモAdamoが2016年2月5日にリリースした新しいアルバムは
L’amour n’a jamais tort/愛に誤りは決してない」

 半世紀以上に及ぶキャリアで「année sabbatique/安息年」を取ったことがないと語っている25枚目(あるいは24枚目)との報道がある今回のアルバム、例によって「愛」を歌う曲が多い。その点では多くのファンに愛されているAdamoが再び帰ってきたと言える。しかし、72歳という現在のAdamoの年齢にふさわしく、「愛」というテーマを色々な角度から、そして多少の皮肉を込めて変幻自在に扱っている。収められているのは「Ho’oponopono/オ オポノポノ」(「ハワイのファンに教えられたハワイの言葉で『調和を持って行動する、そうすれがうまく行く』を意味するよう」)、「Et pourtant elle m’aime/それでも彼女は僕を愛している」、「O femme/おー 女性」(女性讃歌)、「Lola & Bruno/ローラとブルーノ:(L’amour n’a jamais tort)」「Chantez/歌え」(「自分が果たすべき役割に関する意思の表明」、Charlie Hébdo襲撃事件にも言及している。)、「Point par point/一つ一つ」、「De père à fille/父から娘へ「(Joyce Jonathanとのデュオ、娘のフィアンセに対する父親の気持ち)、「Les jours passent/日々は過ぎる」、「Des mots dans le vent/風の中の言葉」(母の思い出)、「Je viens de plus loin/僕は遠くから来た」、「Mauvaise nuit à demain !/不幸な夜、明日に」(亡くなった友人を偲んで)、「Revenons/戻ろう」、「Je mets des bemols/僕は声を落とす」。

Chantez」 https://www.youtube.com/watch?v=HJAvQPODfBw

・・僕は惨めさ、憎しみ、恐れに対して何もできない。歌うこと、僕にはそれ以上のことはできない、歌え、愛を歌え、そうすれば人々は愛し合うようになる。・・僕は泣いた、みんなと同じように、自由のために。飛んでいるワシが打ち落とされたように打ち落とされた自由のために・・

 

このアルバムを紹介する記事の中にAdamoとの次のような一問一答が・・

問「あなたの人生を変えた曲は?」  答「『Sans toi, ma mie』」

問「あなたの涙を誘う曲は」 答「Ray Charlesの『Georgia on my mind』」

問「聞いて気分が良くなる曲は?」 答「Gilbert Bécaudの『Croquemitoufle』」

問「こんな曲が書けたらいいなと思っている曲は?」 答「いくつもある。Brassensの『Je me suis fait tout petit/僕はすっかりいい子』、Brelの『La chanon des vieu amants/懐かしき恋人たちの歌』、Léo Ferréの『La memoire et la mer/記憶と海』など」

問「あなたの家族に聞かせたい曲は?」 答「『Ho’oponopono』。孫娘に歌って聞かせている」

問「あなたのレパートリーの中で好きではない曲は?」 答「1963年に作った自殺をテーマにした『J’ai pas demandé la vie/はかなきこの世』。今でもこの曲を書いたことを後悔している」

問「新しいアルバムに収められた曲で多くに人の共感を呼ぶと思われる曲は?」 答「『Ho’oponopono』」

 また、現在ツアーを続けているAdamo、4月8、9日Olympiaに出演。インタヴューで
「そろそろ活動にブレーキを掛けよう、遠い国へのツアーなどは控えようと思っている。それで、今年の年末には日本にさよならを言いに行くつもりだ」。


 

・エンリコ・マシアスEnrico Maciasが2月12日にリリースした新しいアルバムは
Les clefs/鍵」

 現在77歳のMacias、「朝起きて新しいアルバムの録音のためスタジオに向かう。TVやラジオの番組に出演する、あるいはインタヴューを受ける。そんな生活をしていない自分を想像できない」。今回のアルバムにはMaciasが抱く疑問、後悔、希望をDa SilvaMarc EsteveBruno Mamanらの詩、Art Mengo、Fred Fortunyらの曲により歌う12曲が収められている。アレンジとプロデュースは子息のJean-Claude Ghrenassia。「Jean-Claudeは03年の『Oran s ameres』にも協力してくれた。彼は私の歌い方が気に入らなかった。もっとうまく歌えるはずだと言っている。だからスタジオでは彼のge方が父親のようだ」。出来上がった曲にはいつものようなエレガントさある。「アルバムのタイトルを『Les Clefs/鍵』と複数にしたのは、アルバムに収めた曲が二つのドアを開ける鍵を歌っているから。『過去へのドア』と『未来へのドア』の。そしてこの二つを繋ぐ橋になるのがこのアルバム」。収められておるのは:「Les clefs」、「Ami/友人」、「La justice et ma mère/正義と我が母」、「Du seleil/日差し」、「Chanter pour toi/君のために歌うこと」、「Comme vous/君たちのように」、「Des pieds et des mains/足と手」、「Pour ma belle/僕の美しい人のために」など。

 

録音風景 https://www.youtube.com/watch?v=ReG7VJZhSoc

録音している曲は:「Ami」→「La justice et ma mère」→「Du soleil」→「Pour ma belle」(*)→「Chanter pour toi」(・・僕は今まで君のために歌ってきた、少女である、母親である、子供である、父親である、君のために・・)

(*)「Pour ma belle」(Bruno Maman作詞/Gaby Concato作曲)は2008年に亡くなったSuzy夫人に捧げられている。Maciasは他のインタヴューで次のように語っている:「Suzyと私は50年以上一緒に生活していた。彼女が亡くなったとき全世界を失ったように感じた。そして彼女の部屋、彼女が日常使っていた物、歯ブラシや香水などまでそのままにしてある。しかし暫くして、彼女は行ってしまったのではない、今でも直ぐ側にいて私を見守っていてくれると感じるようになった」。歌詞の大意は・・僕が今も愛を歌っているのは、ギターを手に、ホテルからホテルに移動し、朝が開けるまで、アンコールに答えて歌っているのは、歌だけが思い出させてくれるから、ぼくの美しい人の面影を、Suzyの面影を・・

 Maciasは2016年4月16日トルコ イスタンブール公演、5月12日~19日イスラエル公演、6月20日~22日カナダ公演、その間およびその後フランス国内各地で公演、2017年1月7、8日Paris Olympia出演が予定されている。


 No.1453
2016.4.1
   

№1453    2016.4.

Johnny HallydayRenaudBruxellesで歌う                        

 

1.Johnny Hallyday、3月26日、27日 BruxellesPalais 12A でコンサート

Johnny Hallydayは3月22日のテロの直後にもかかわらず、26、27日のBruxellesでのコンサートを中止しなかった。2015年7月から「Rester vivant tournee/生き続けるツアー」を行っているHallydayは予定通り2日間BruxellesPalais 12Aホールに出演。3月26日のコンサートは当初は2015年11月20日に予定されていた。しかし11月13日のParis同時多発テロ事件を受けてベルギーが厳戒態勢に入ったためこの日に延期された。3月22日のテロは第2次大戦後ベルギーで起こった最も多くの市民が犠牲になった事件、Palais 12Aはこの野蛮な行為に降伏することを拒否するという意志を示す12000人の観客で満員。

黒い衣装、サングラス、十字架を首から提げてステージに登場したHallydayはまず、「ここにいること、皆さんの中にいることは私にとって最高の幸せです。私には母方のフランスの血と、父方のベルギーの血が流れている」と語り、最初に歌ったのは「Rester vivant」。次いで「O Carole」、「Noir c’est noir」、「Quelque chose de Tennessee」。コンサート開始から約40分「Gabrielle」を歌った後ステージを降りて観客の中へ。そして観客に一人から渡されたベルギー国旗を腰に巻いて場内を一周。その後「Que je t’aime」、「Allumer le feu」などのヒット曲を歌う。コンサートの最後にサングラスを外して、歌ったのはベルギーが生んだ偉大なACIJacques Brelの「Quand on n’a que l’amour/愛しかないとき」。「この曲をテロの全ての犠牲者とその家族に、全てのブリュッセル市民に、全てのベルギー国民に捧げます。皆さんを愛しています」。涙を流す観客も多く、全ての観客が会場を去るまでには長い時間が掛かった。男性ファンの一人は「勇気のある人とそうでない人がいる。Bruxellesでのコンサートを中止した歌手もいるけれど、Johnnyはそんなことはしない。テロから4日後にこのようなコンサートを開くとは!彼のおかげで我々が『invincible/負けない、不屈である』を示すことができた」、女性ファンの一人は「Johnnyはあの残忍な行為を忘れさせてくれた。力を与えてくれた」。このコンサートの模様はフランス国内の300を越える映画館で中継上映された。

Quand on n’a que l’amour」 https://www.youtube.com/watch?v=wRGtGdJbh-A

画面に現れ、涙をためているのはHallydayLaeticia夫人。


 
2.   Renaud、3月26日(土)BruxellesCirque RoyalI Muvriniのゲストとして出演

Renauは3月22日のBruxellesのテロ事件の後FacebookBruxellesの人々との連帯を示す「Je suis Bruxelles/私はブリュッセル」と書かれたプラカードを持った写真を掲載し、「あなた方のことを思っています。ベルギーの友人たちを、私のfrangins/兄弟たちのことを、私のaminches/女友達たちのことを」と記している。Renaudは3月26日(土)BruxellesCirque Royal/王立競技場で行われたI Muvrini(1970年代末にコルシカで結成されたJean-François Bernardiniら男性3人のグループ、コルシカ語でも歌う)のコンサートにゲストとして出演、「非暴力の、平和の、連帯の象徴である『La basllade nord-irlandaise/北アイルランドのバラード』と、去ってしまったよき時代を歌った、そしてそんな時代が再び来ることを願って、『Mistral gagnat/ミストラル ガニャン』」を歌った。Renaudは27日Bruxellesからラジオ局Europe 1とのインタビューで次のように語っている「テロは最初のものではない。そして不幸なことに最後のものでもないだろう。しかし、あのように何も愛さない人たち、女性を愛することはなく、音楽を愛することも、ダンスを愛することもなく、ただただ死だけを愛している暴力的な人たちに対しては、言葉と音楽で抵抗しなくては、闘わなくては。私はここに是非とも来たかった。Bruxellesの皆さんに、この悲劇の対する私の連帯と、同情と、苦痛とを語るために。私は1975年以来、何度もBruxellesに来ているので、Bruxellesの人々は私が成長する姿を見ていることだろう。BruxellesにはMarseilleLyonよりも多くの友人がいる。私はBruxellesの観客が好きだし、Bruxellesの観客を通して私はベルギーが、ベルギーの人々が好きになった」。

Renaudは27日午後にはBruxellesPlace de la Bourseを訪れテロ犠牲者を追悼し、蝋燭に火を付け、一本の白バラを手向けた。またMolenbeek地区の病院に入院中の負傷者を見舞うことを希望したが、こちらは親族でないことを理由に断られた。

RenaudI Muvriniの25日のColfontaineコンサート、27日夜のLiègeでのコンサートにも出演。

Mistral Gangant」3月26日 BruxellesI MuvriniJean-François Bernadini

https://www.youtube.com/watch?v=bBGsUtuJdk0

No.1452
2016.3.25 
   

№1452  2016.3.25

Bruxellesテロ事件とベルギー縁の歌手たち     

 

1.   ララ・ファビアン Lara Fabian、「Voir un ami pleurer/泣く友を見る」を歌い、涙

Lara Fabianは1970年ベルギーのEtterbeek生まれの歌手。事件直後Facebookで「私はこの恐ろしい攻撃にショックを受けています。これは私の祖国に対する、我々全てに対する、人間性に対する攻撃」と述べている。3月22日にはMarseilleLe Silo劇場に出演。ステージに登場してまず犠牲者、その家族に哀悼の言葉を。「私は何と言ったらよいか言葉が見つからない。今夜は少しプログラムを変えようと決めた」と語って、Fabianが最初に歌ったのは、ベルギー出身のJacques Brelの「Voir un ami pleurer/泣く友を見る:涙」。「Grand Jacques/偉大なジャックの曲を選びました。素晴らしい歌詞を書いたGrand Jacques、今日は悲しみに暮れていることでしょう」。Fabianの歌声は涙で途切れがち、ステージに膝をつく場面も。

https://www.youtube.com/watch?v=w7rKQV6MRT0

 

2.   ディック・アンネガルンDick Annegarn、「Bruxelles」は犠牲者を悼み、連帯を象徴する曲に

Dick Annegarnは1952年オランダのLa Hayeハーグ生まれ、主にフランス語で曲を作るACI、6歳から20歳までBruxellesで過ごした。現在はフランスとモロッコを行き来する生活。Annegarnはこの事件に関して「私はこの無差別攻撃に衝撃を受けて、動揺している。この衝撃は家族や親戚や友人が多くBruxellesに住んでいることもあるが、そのためではなく、またベルギー人のためだけではなく、この事件を共有しようと言う気持ちからだ」。そしてAnnegarnが1974年に発表した「Bruxelles」はテロ事件後、インターネットなどで頻繁に紹介され、犠牲者を悼み、テロに屈しないという連帯を象徴する曲になった。・・Bruxelles、私の美しいBruxelles、僕を待っていて、直ぐ行くから、Bruxellesに向けて舵を切るから・・

https://www.youtube.com/watch?v=KWXS4dv7scE

 

3.   セラ・シューSelah Sue、1年前Zaventem空港で歌っている映像が平穏の象徴に

Selah Sueは1989年ベルギーのLouvain生まれのACI。事件当日Facebookにベルギー国旗の3色をモチーフにした画像を掲載し、単に「Let love rule」とのみ記した。Sueは1年前、2015年3月今回のテロが起きたBruxellesZaventem空港の通路でアルバム「Reason」のプロモーションのため、そこの収められた「Feel」をライヴで歌った。最初はa cappellaで、途中からギターの伴奏で。今回の事件直後からこの映像がインターネットを通じて広く流され、感動を呼んでいる。そこには今回のテロで一変してしまった空港の本来の姿、往き来する人々の平穏な生活が見られるから。

https://www.youtube.com/watch?v=yjQ6nytMONA

 

4.モラーヌMaurane、「No comment

Mauraneは1960年ベルギーのIxelles生まれの歌手。事件当日Facebookにベルギー国旗の3色を用いた次のような画像を掲載。Mauraneがそれに付したのは「No comment」。

 

070eb8d8eabe713a98e4d617f4e6fef9.jpg (250×140)

 No.1451
2016.3.19
   

№1451   2016.3.19


Serge Gainsbourg
2016年3月2日は没後25年
       

Gainsbourg199118時頃自宅で死去した。享年62歳であった。
1928Paris Hôtel –Dieu de Parisの産科で出生)

この日Gainsbourgは自宅[5 bisrue Verneuil パリで、一人で仕事していた。アルバムを制作中で数日後には録音のため
La Nouvelle Orléans
(ニューオルリンズ)に行くことになっていた。 同日、当時のパートナーBambouGainsbourg宅を訪ねた。Bambou、本名Caroline von Paulusは1959生まれ、歌手、モデル、1980年にParisElysée MontmartreParis18区)に出演中Gainsbourgに出会い、81年からパートナーに。Gainsbourgは1980年にはJane Birkinと別れている。GainsbourgBambouの間に1986年男児Lucien(愛称Lulu) Gainsbourg が誕生している。BambouとLuluは毎週末にGainsbourgを訪ねることになっていた。灯りはついているのにいくら呼び鈴を鳴らしても返事がないことを不信に思った。「彼が仕事している間は誰にも鍵を持たせなかった。」ことから、BambouGainsbourg宅隣接しているキャバレ Don Camilloに助けを求めた。Don Camilloは現在も同じ場所にありその裏口はGainsbourg宅の庭に通じている。しかし、裏からもGainsbourg宅に入ることはできなかった。警察と救急隊は21時30分に到着、2階の鎧戸を破って内部に入った。寝室でGainsbourgを発見したのは23時45分。救急隊の医師は直ちに死亡を確認、自然死であることは明らかだった。死因については、1973年と1989年にも起きていた「crise cardiaque/心臓発作」とされている。Gainsbourgの死去をラジオが報道したのは0時30分であった。翌朝7時にはGainsbourgの住居の周囲には警察によってバリケードが築かれた。この日Gainsbourg宅の前に集まったファンの数は、Edith PiafClaude Françoisの死去の時を上回ったと言われている。午後には、生前の本人希望及び家族の要請により、ユダヤ教のラビのZaoui師がユダヤ教の戒律に則った祈りを捧げた。遺体は3月7日Montparnasse墓地の第1地区(ユダヤ人地区)、両親と同じ墓地に埋葬された。

埋葬には家族の他、Jack LangAlain SouchonCatherine DeneuveIsabelle AdjaniFrançoise HardyPatirice ChereauEddy MitchellRenaudJohnny Hallydayらが参列。DeneuveGainsbourgBirkinのために書いたシャンソン「Fuir le onheur de peur qu’il ne se sauve/幸せが逃げて行くのを恐れて幸せを避ける」の一節を朗読した。

 Gainsbourgの葬儀: http://www.dailymotion.com/video/xbvz3t_serge-gainsbourg-les-obseques_music

 

 

没後25年を記念する報道には次のようなものがあった。

1.   GainsbourgEdith Piaf

Edith PiafGainsbourgを自宅に招いたことがある。Gainsbourgの作品に興味を持ったPiafは1963年GainsbourgParis 16区 67、bis bd.Lannesの自宅に招き、自分のために何か書いてくれるように要望した。しかし、この要望は実現することはなかった。Piafは間もなく病に倒れ、復帰することはなかったから。また、偶然ではあるがその当時フランス語習得のため滞仏中の16歳のイギリス人少女が67、bis bd.Lannesの他の階に住んでいた。少女の名はJane BirkinLondres 1946- 俳優・歌手)。GainsbourgBirkinが最初に出会ったのは1968年5月、二人が出演したPierre Grimblat監督の映画「Slogan/スローガン」(1969年7月フランス公開)の撮影(1968年6月6日~8月16日)が始まる直前。

 

2.「Je t’aime・・moi non plus/ジュ テーム・・モワ ノン プリュ」:

Gainsbourg作詞・作曲によるこの曲は1967年Brigitte Bardotの「想像できる限り最も美しい愛のシャンソンを作って」との要望に応えて一晩で作り上げた。そしてBardotとのデュオで録音され、ラジオ局Europe1で放送された。放送の直後、1966年7月14日にBardotと結婚していたGunter Sachsの抗議により、レコードの発売および放送はできなくなった。その2年後GainsbourgBirkinにデュオで歌うよう要請した。Birkinは同意した。それはBardotに対する単なる嫉妬心からで、このGainsbourgの元カノを

「damer le pion/出し抜く」ために、また、自分以外の歌手が歌うことがないようにするためだった。そして「私の葬儀の際にはきっとこの曲が流されるでしょうね」。 

 

3.最初の夫人Lise Levitskyの回顧談:

 Gainsbourgの最初の夫人Lise Levitskyは1926年3月5日Pau生まれ、ロシアから移住してきた貴族の娘。1947年3月5日、Levitskyの21歳の誕生日に、もうすぐ19歳になろうというLucien Gainburgと知り合った。二人が絵画の勉強をしていたParisAcadémie de Montmartreのアトリエで。二人は1951年11月3日Paris 郊外Mesnil-le-Roiの市役所に婚姻届を提出した。1957年10月9日に離婚した。離婚後も二人の仲は続いた。LevitskyGainsbourgの恋人の一人として、友人の一人として、さらには相談相手として。「我々は離婚の後40年間そんな関係を続けた。彼は我々の仲を『l’adultère post-congugal/離婚後の不倫関係』と呼んでいた」。今年90歳になるLevitsky Bretagne地方、Cotes d’Armorに独りで住んでいる。地方紙Le Telegrammeに次のように語っている・・彼が死亡した日の朝彼から電話があった。10時頃だった。いつも遅く起きている彼にとっては珍しいことだった。彼は「まだ、死にたくない。仕事がある。絶対に死にたくない」。「もちろんよ。あなたが死ぬようなことは決してないわ」。「直ぐに会いに来てくれ」。「今、Bretagneにいて、行くことはできないわ」。その日に彼は亡くなった。何かを予感していたのだろうか。それにしても彼は素晴らしい人生を送った。蝋燭に両端から火を付けるようにして・・

4.Gainsbourgに関する知識を問う5の質問(択一)

(1)Gainsbourgの本名は?  LouisLucienLeonLionel

(2)ミュージシャンになる前にGainsbourgがなりたかったのは?  作家、画家、彫刻家、俳優

(3)1984年TVに出演していたGainsbourgが番組で燃やした紙幣は?  100フラン札、200フラン札、500フラン札

(4)Gainsbourが楽曲を提供していないのは?  Brigitte FontaineMarianne FaithfullCatherine DeveuveRégine

(5)Isabelle Adjaniが歌っているpull/セーターの色は?  Marine(マリンブルー)、Corai(珊瑚色)、Rouge(赤)、Kaki(カーキ色)

 

解答

(1)Lucien・・Gainsbourgの本名はLucien Ginsburg

(2)画家・・ドイツの占領下一家でLimogesなどに避難し、1944年1月Parisに戻ってきたLucienMontmartreの「Académie de Montmartre」で絵画の勉強。49年兵役除隊後父の伝手で、カジノやバーなどでピアノやギターの伴奏、弾き語り。53年画家の道を放棄し音楽の道に進むことを決心。それまでに描いた絵画のうち6点を残し後は焼却処分。

(3)500フラン札・・1984年3月11日TVTF1の「7 sur 7/7分の7」に出演したGainsbourgは当時の最高額紙幣500札を取り出し、ライターで火を付けた。紙幣が4分の3程燃えたところで火を消した。「税率は74%、まるでぼったくり、稼いでも手許に残るのは、この焼け残った分だけ」。

(4)Brigitte Fontaine・・Marianne Faithfullは「Hier ou demain」(1967年)を、Catherine Deneuveは「Dieu est un fumeur de avane/神様はハバナタバコが好き」(1980年)をデュオで、Régineは「Les p’tits papiers」(1965年)を歌っている。

他に女性歌手では:France Gall(「Poupée de cire, poupée de son/夢みるシャンソン人形」1965年)、Françoise Hardy(「Comment te dire adieu/さよならを教えて」68年)、Petula Clark(「La gadoue/むかるみ」66年)、Vanessa Paradis(「Dis-lui toi que je t’aime/彼に言って、私が愛しているのはあなた」90年)、Joelle Ursull(「White & Black Blues」90年)、Juliette Gréco(「La javanaise」63年)、Dalida(「Rues de mon Paris/私のパリの通り」63年)、Zizi Leanmaire(Elisa」72年)などが、Gainsbourgが作詞・作曲、作詞、または作曲した曲を歌っている。男性歌手では:Alain Chamfort(「Manureva/マニュレヴァ」1979年)、Jacques Dutronc(「Ballade comestible/食べることができるバラード」80年)、Alain Bashung(「C’est comment qu’on freine/ブレーキのかけ方」82年)、Claude François(「Hip hip hip Hurrah」67年)などが歌っている。

(5)Marin(マリンブルー)・・1983年GainsbourgAdjaniと共作で「Pull marine/マリンブルーのセーター」の詩を書いている(作曲はGainsbourg)、

 

5.旧居に標識

  Serge Gainsbourgが子供時代に一時期を過ごしたParis 9区 11bis、rue Chaptalの建物の前に標識が立てられた。3月10日の除幕式には9区のDelphine Burkli区長、Jane BirkinCharlotte Gainsbourg、それにSergeの二人の姉妹Jacqueline Gainsbourg(1926年生まれの姉)とLiliane Gainsbourg(1928年生まれ、Sergeと双子)が出席。Serge誕生時一家は20区の35、rue de la Chineに住んでいた。その後Serge4歳の6月、rue Chaptalに転居した。標識には次のように記されている:Serge Gainsbourg (1928-1991) 20世紀を代表するアーティストは子供時代をこのマンションで過ごし、最初のインスピレーションをこの地区で得た

  

 

6.Gainsbourgの代表曲:

Gainsbourgが歌った約600曲のうち、代表曲として挙げられているのは・・

(1)Le Figaro紙が挙げる「不滅の10曲」

・「Le poinçonneur des Lilas/リラ駅の切符切り」(1957年)

・「La chanson de Prévert/(ジャック・)プレヴェールのシャンソン:枯葉に寄せて」(1961年)

・「La javanaise/ラ ジャヴァネーズ」(1963年)

・「Requiem pour un con/愚か者のためのレクイエム」(1968年)

・「Initials BB/イニシアル ベ・ベ」(1968年)

・「Elisa/エリザ」(1969年)

・「Je t’aime・・moi non plus/ジュ テーム・・モワ ノン プリュ」(1967年)

・「Je suis venu te dire que je m’en vais/僕は行ってしまうと君に言いに来た:手切れ」(1973年)

・「Sea, sex and sun/海、セックス、そして太陽」(1978年)

・「Aux armes et caetera/ 武器を取れ云々:祖国の子供たちへ」(1979年)

 

(2)ParisMatch誌が挙げる「傑作 5曲」

・「Je taime・・moi non plus

・「La javanaise

・「Je suis venu te dire que je m’en vais

・「Comic strip/コミック ストリップ」1967年

・「Bonnie & Clyde/ボニーとクライド」1968年(Brigitte Bardotとのデュオ)

 

(3)Le Point誌が挙げる「カルト的な7曲」

・「Le poinçonneur des Lilas

・「La javanaise

・「Bonnie & Clyde

・「Je t’aime・・moi non plus

・「Je suis venu te dire que je m’en vais

・「Variation sur Marilou/マリルーの変奏」1976年

・「Lemon incest/レモン インセスト」1984年

 

 No.1450
2016.3.3
   

№1450 最近の話題 3題   2016.3.

最近の話題3点をまとめて掲載いたします。


1.ダニエル・バラヴォワヌ Daniel Balavoineの没後30年トリビュートアルバムリリース (1月14日)
2.
2016年 Victoires de la musique 授賞式 (2月12日)                    
   
3.フランス人が好きな「愛のシャンソン」 (2月13日)     
 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。





1.2016年1月14日はDaniel Balavoineの没後30年に当たる。それを記念して現在活躍中の人気歌手がBalavoineにヒット曲をカバーしたトリビュートアルバム「Balavoine(s)」が1月8日リリースされた。

Balavoineは1952年Basse-Normandie地方Orne県のAlençon生まれのACI、少年期を過ごした西フランスPauではダンスパーティーなどでBob Dylanの曲などを歌う。71年Parisに出てグループで歌ったり、Patrick Juvetのバックコーラスを務めたりした後75年最初のアルバム「De vous à elle en passant par moi/君から彼女へ、僕を通って」を出すが注目されず。77年のセカンドアルバム「Les aventures de Simon et Gunther.../シモンとギュンターの冒険」はベルリンの壁をテーマにしていて前評判は良かったが売り上げは低調。そのころロック・オペラ「Starmania/スタルマニア」の作曲者で、主役を演じる歌手を探していたMichel Bergerが、TVに出演し「Lady Marlene」を歌っていたBalavoineに注目した。78年にオペラの公演に先立ってリリースされたスタジオ録音アルバム「Starmania」でBalavoineは「Quand on arrive en ville/我らが街に降り立つとき」などを歌っている。そして時期を同じくリリースされたBalavoineの3枚目のアルバム「Le chanteur/歌手」は同タイトルのシングルが100万枚以上売り上げたこともありアルバムも80万枚以上の売上げの大ヒットとなった。そして、79年4月12日からパリのPalais des Congrèsで上演されたロック・オペラ「Starmania」(Luc Plamondon作詞、Michel Berger音楽)で主役のJohnny Rockfortを演じた。これによりクリスタルの声を持ち、広い声域で歌うBalavoineは80年代を代表する歌手に。80年1月にはOlympiaに初出演。82年、「Vivre ou survivre/生きる、あるいは生き残る」を収録したアルバム「Vendeurs de larmes/涙を売る人たち」は60万枚以上、6月9~13日にはPalais des Sportsで毎夜4500人に観客を集めた。85年「L'Aziza」(Balavoine夫人でモロッコ出身のユダヤ人Carinneに捧げられた曲で人種差別を非難している)、「Aimer est plus fort que d'être aimé/愛することは愛されることよりも強い」、「Tous les cris les S.O.S/全ての叫び、SOS.」、「Petit homme mort au combat/戦争で死んだ少年」(イラン・イラク戦争での少年兵を歌った)などを収録したアルバム「Sauver l'amour/愛を救うこと」は120万枚の大ヒット。 Balavoineは86年1月14日、それまでに2回出場していたParis-Dakarラリーのレポーターを務めた際、搭乗していたヘリコプターの事故により急死。享年33歳、BiarritzRanquine墓地に埋葬された。「Sauver l'amour」は没後86年VdMでアルバム賞を受けている。 没後も人気は衰えず、95年出たコンピレーション「L'essentiel」は70万枚以上を売り上げた。Baravoineは生前アフリカで給水施設の建設などの慈善活動を行っており、その死後Association Daniel Balavoineが設立され事業を継続している。

Balavoine(s)」に収められている曲及び歌っているのは:「Tous les cris les SOS」(Zaz)、「Sauver l’amour」(Zaho)、「Un enfant assis attend la pluie/座って雨を待つ子供」(Nolwenn Leroy)、「Souleve toi/立ち上がれ」(Raphael)、「Only the very best」(Marina Kaye)、「Si je suis fou/もし僕が常軌を逸していても」(Ours)、「Partir avant les miens/仲間より前に立ち去る」(Bessa)、「Pour la femme veuve qui s’éveille/目覚める未亡人のために」(Josef Salvat)、「Lucie/ルシー」(Christophe)、「La vie ne n’apprend rien/人生は僕に何も教えてくれない」(Florent Pagny)、「Aimer est plus fort que d’être aimé」(Cats on Trees)、「Vivre ou survivre」(Shy’m)、「Quand on arrive en ville」(Damien Lasunetta)、「Mon fils,ma bataille/私の息子、私の闘い」Jenifer)、「L’Aziza」(Féfé)、

Le chanteur」(Emmanuel Moire)、「Dieu que l’amour est triste/愛とは何と悲しいもの」(Cléo)。

Tous les cris les SOSBalavoine https://www.youtube.com/watch?v=EAjvVxz9Czk

Tous les cris les SOSZaz https://www.youtube.com/watch?v=WgQ7sKUiXAw

 

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

 

2. 2016Victoires de la musique                                             

2016年Victoires de la musiqueVdM)の授賞式は2月12日21:00~0:30、Paris ZénithVirginie GuihaumeBruno Guilloの司会で行われた。VdMは前年にフランス国内でリリースされたアルバム・楽曲、活躍したアーティスト等を対象にvictoireを授与するもの。1985年に、映画のCésar賞、演劇のMolières賞に匹敵する賞を音楽の部門にも設けたいと考えた当時の文化大臣Jack Langの肝いりで始まり、今回は第31回。それを記念してトロフィーがV字状のクリスタルに変わった。TVFrance 2で中継され、TVMONDEJaponで13日21:10~1:00放送された。

2016年には特別賞と12部門でVdMが授与された。「オリジナルシャンソン賞」を除く各部門賞は3人候補者(グループ、曲、アルバム)の中から選ばれ、「オリジナルシャンソン賞」では候補は4曲。

受賞者は次の通り

・特別賞・・William Sheller

・男性歌手賞・・Vianney   他の候補者Dominique AKendji Gira

・女性歌手賞・・Yael Naim    他の候補者Véronique SansonZaz

・シャンソンアルバム賞・・Johhny Hallydayの「De l’amour

  他の候補:Frerd Delavegaの「Des ombres et des lumières」、Yael Naimの「Older

・オリジナルシャンソン賞・・Maître Gimsの「Sapés comme jamais

  他の候補: Johnny Hallydayの「De l’amour」、Louaneの「Avenir」、Nekfeuの「On verra

・新人アルバム賞・・Louaneの「Chambre 12」  

他の候補:Jeanne Addedの「Be sensatina」、Jainの「Zanaka」、

・新人ステージ賞・・Hyphen Hyphen  他の候補者Faada FreddyFeu ! Chatterton

・ロックアルバム賞・・Les Innocentsの「Mandarine

・ワールドミュージックアルバム賞・・Hindi Zahraの「Homeland

・エレキミュージックアルバム賞・・The Avenerの「The wanderings of the Avener

・アーバンミュージックアルバム賞・・Nekfeuの「Feu

・ステージ/ツアー/コンサート賞・・Christine and the Queensの「Tournée des Zénith」(№1448)

・ヴィデオクリップ賞・・Christine and The Queensの「Christine」(№1448)

 

主な受賞者、受賞曲:

・特別賞:ウィリアム・シェレールWilliam Sheller

William Shellerは40年にわたるキャリアに対して特別賞を受けた。1946年パリ17区生まれACI。本名William Hand、父はアメリカ人、母はフランス人。幼少期を数年間アメリカで過ごす。7歳でフランスに戻り、ピアノとクラシック音楽を勉強中ビートルズの音楽に出会い方向転換。天賦の才を持つ作曲家で、ロック、クラシック、映画音楽、シャンソンから交響曲まで作曲、詩人で語り部、天才的なピアニスト、感動的な、魅惑的な声で歌う歌手に。68年「My year is a day」をDalidaが取り上げヒットして知られるように。Barbaraの勧めで自らも歌い、75年に出した最初のアルバム「RocknDollars」は50万枚の売上げという大ヒットに。88年には来日、管弦楽団と共演。89年に出したアルバム「Ailleurs」に収録された「La Sumidagawa」などは滞在中に受けた日本の音楽が影響している。91年6月にリリースしたアルバム「Sheller en solitaire/孤独なシェレール」はParisDavoutスタジオで200人の観客を前に録音したliveアルバム。アルバムは92年のVdMでアルバム賞、そこの収められた「Un homme heureux/幸福な男」でシャンソン賞を受賞。その後も定期的にアルバムをリリース。2000年代に入ってからも、04年1月「Epures/三面図」(自宅でピアノの弾き語りを録音)、05年10月「Parade du Cirque Royal」(BruxellesCirque Royal/王立サーカスにおけるコンサートのlive)、07年1月「William Sheller & Le Quatuor Stevens」(05年Bretagne地方のLannionで行われた弦楽カルテットとの共演のlive)、08年10月「Avatar/アバタール」をリリース。08年にはCD3枚組45曲収録の「Triple Best of」、2015年には、1975年のRocknDollars」から2000年の「Les Machines absurdes」まで8枚のアルバム(都合89曲)を箱入りにした「L’essentiels des albums originaux」がリリースされている。15年10月23日リリースした最新アルバムはStylus/スタイラス」。Shellerは2014年その活動全般に対してAcadémie FrançaiseGrande Médaille de la chanson françaiseを授与されている。

今回のVdMでは、特別賞の授与の前にLouaneJeanne CherhalVéronique SansonShellerに敬意を表して、Shellerのヒット曲を歌った。Louaneは「Dans un vieux rock’n’roll」、Cherhalは「Fier et fou  de vous」、Sansonは「Oh ! J’cours tout seul」。Sansonは途中で歌詞を失念し「Oh pardon! William」。

その後客席からステージに登場したShellerは、ピアノの脇でこの3人の女性歌手が見守る中、弾き語りでSheller最大のヒット曲「Un homme heureux」を歌った。Shellerが歌っている間に感激したLouaneは涙を浮かべていた。今回のVdMではShellerが歌うこの場面が最も感動的であったとの報道も。Cherhalから特別賞のトロフィーを受けたShellerは「この受賞には感謝以外の言葉はない。ただし、誰に感謝したらいいか。40年の間には、多くの人に世話になった」。

Un homme heureux」 https://www.youtube.com/watch?v=DJkcn5S2tpg

 

・男性歌手賞:ヴィアネイVianneyNo.1448)  

Vianneyは2015年には、11月SACEMPrix Francis LemarqueFrancis Lemarque賞(最優秀新人賞)、12月RFM-ParisMatch作詞家大賞新人賞を受けている。今回のVdMステージに最初に登場した歌手はVianneyで、1月2日に没したMichel Delpech を追悼してDelpechのヒット曲「Quand j’étais chanteur」を、ウクレレを弾きながら歌った。また男性歌手賞の候補者として登場の際には2014年10月リリースのファーストアルバムから「On est bien comme ça」を歌った。受賞した際には所属レコード会社で独立系レーベルの「Tôt ou tard」の関係者、両親、兄弟に感謝すると共に、特に彼のACIとしての才能を見いだし、作った曲を世に出すように勧めた女性マネジャー、Isabelle Vaudeyに感謝。客席前方で受賞の様子を見ていたVaudeyは涙。ステージを降りてからインタビューで「Dominique AKenjiと並んで候補者になっただけでも光栄なことなのに、受賞でき最高に幸せ。僕のシャンソンが専門家にこのように高く評価されているとは考えても見なかった。デビューから1年半あっという間に過ぎた。ステージに立って歌うのは僕一人だけれど、後ろに多くの人々の協力があることに感謝している。今夜(2月13日)は25歳の誕生日、記念すべき誕生日になった」。

 

・女性歌手賞:イエル・ナイムYae Naim 

Yael Naimは1978年2月Paris生まれのACI、ピアニスト、ギタリスト。主として英語とヘブライ語で作詞し、歌う。4歳で両親とイスラエルに移住。10代末からクラブで歌う。兵役後バンドを結成、2000年Parisで行われたチャリティーコンサートに招待され注目される。Elie Chouraqui演出・プロデュースのミュージカル「十戒」のMyriam役で出演。Chouraqui監督映画「Harrison’s floweres/戦場のジャーナリスト」で音楽を担当。01年のデビューアルバム「In a man’s Womb」は成功せず。04年西インド出身のパーカッショニスト、ドラマー、プロデューサーDavid Donatienと出会いそのプロデュースで製作したアルバム「Yael Naim」は07年10月にフランスでリリース直後チャートのトップ。その後20ヵ国近くでリリースされ、世界的にヒット、収められていた「New Soul」がApple社のコマーシャルに使用されたことなどもあり、80万枚以上の売上げ。08年のVdMでワールドミュージックアルバム賞を受賞。10年11月リリースのアルバム「She was a boy」により11年VdMで女性歌手賞を受賞している。また11年には「Globes de Cristal/クリスタル・グローブ」の最優秀女性歌手賞を受賞している。15年3月4枚目のアルバム「Older」をリリース。4つ☆を与える批評もある、高い評価を与えられている。今回のVdMでは「Older」から「Dream in my head」をピアノの弾き語りで。受賞の弁:このvictoireはもちろんDavidと2人で受けたもの[David Donatienは音楽上も、私生活でもパートナー]。私はフランスに感謝したい。15年前に私を受け入れてくれたことに対して。フランスが持つ力、寛容性、開かれた考え方は、それらが困難な問題を抱えている時があるにせよ非常に大事なもの。

 

・シャンソンアルバム賞:ジョニー・アリディーJohnny Hallydayの「De l’amour」(№1446)  Hallydayはこの日地方(Perigueux)で公演中、シャンソンアルバム賞候補曲の披露には間に合わず、2日前に同じ会場で行われたリハーサルの模様が映像で流された。自身10個目のvictoire受賞の際には会場に到着していて、このアルバムに収録された曲を作曲したMaxim Nucci(別名Yodelice)と壇上に登場、「この受賞は、期待していなかっただけに一層嬉しい。このアルバムに歌詞を提供してくれた全ての作詞者に感謝。それに私自身が作曲した1曲の除き他の全曲を作曲してくれたMaximにも」。それに答えてNucciは「私を信頼してくれて作曲を任せてくれたことに感謝。5年前にあなたのために初めて作曲したときには私の曲が余り気に入ってはいなかったようで大分苦労しましたが」。Johnnyは最後にアルバムのジャケットなどに用いられた写真を担当したLaeticia夫人に感謝の言葉を。

 

・オリジナルシャンソン賞:メトル ギムスのMaître Gimsの「Sapes comme jamais/今まで以上にめかし込んで」(Maître Gims作詞/Maître Gims &Renaud Rebillaud作曲)Maître Gimsアーバンミュージックの新しい旗手と呼ばれる。本名Gandhi Djuna、1986年コンゴ民主共和国Kinshasa生まれのラップ系ACI。一家は1988年フランスへ。2002年友人らとラップグループSexion d‘Assautwo結成。このグループは2013年NRJ音楽賞でグループ賞を、また「Avant quelle parte/彼女が出発する前に」でシャンソン賞を受賞。Maitre Gims は12年からソロ活動、13年5月最初のソロアルバム「Subliminal」をリリース、50万枚以上の売上げでdisque de diamant/ダイヤモンドディスク。13年5月31日ソロでOlympiaに初出演、11月の「Fête de la chanson française」でParisMatch誌新人賞を受賞。2015年8月リリースのMon cœur avait raison僕のハートは正しかった」はCD2枚組、Sapés comme jamais」を収録したPilule Bleue/青い錠剤」と銘打ったCDPilule Rouge/赤い錠剤」のCD2。今回のVdMではMaître Gimsバックに「sapés comme jamais」の大人数グループがバックコーラスとダンスを。オリジナルシャンソン賞の受賞は大方の予想外だろう。ラップがこの賞を受けるのは初。しかしAvant quelle parte」がNRJのシャンソン賞を受賞していることからMaître Gimsのラップがシャンソンとして受け入れられているのだろう。受賞の弁:このvictoireを受けることができ「super content/超幸せ」。Johnnyの「De l’amour」に勝ったと言う実感が湧かない。勝ったとは思っていない。皆さんに感謝。運が良かった。ただそれだけ。

 

・新人アルバム賞・・ルーアヌLouaneの「Chambre12」Louaneはアルバム「Chambre12」で新人アルバム賞、そこの収められた「Avenir」でオリジナルシャンソン賞の2部門にノミネートされ、新人アルバム賞を受賞。Louane Emera(あるいはLouane)、本名Anne Peichert、1996年11月26日生まれの歌手、俳優。早くに両親をなくしたLouaneは5人の兄弟と共にPas-de-CalaisHenin-Beaumontで育った。歌うことの興味を持っていたLouaneは12歳でTVDirect 8の「L’Ecole des Stars/スターの学校」に出場している。そして2013年TV TF 1のスター誕生番組「The Voice」の第2シーズンに出場、準決勝で敗退(優勝はYoann Fréget)。Louaneは番組では「Quelqu’un m’a dit/風の噂」(Carla Bruni)、「Imagine」(John Lennon)、「Les moulins de mon cœur/わが心の風車」(Michel Legrand)などを歌い、審査員ばかりでなく特に視聴者の評価は高かった。 Louaneは「The Voice」出演中に映画監督Eric Lartigauに注目された。歌える若い女優を探し80人以上をオーディションしたといわれているLartigau監督は、2014年11月公開映画「La Famille Belier/ベリエ家族」で、Louaneをいきなり主役に抜擢。当時17歳のLouanePaula Belier役を演じた。この映画はNormandie地方の田舎町で美声を認められたPaulaが、農業を営む聾唖の両親と弟を置いて、音楽の道に進むかどうかの葛藤を描いたもの。映画の中ではMichel Sardouの曲がいくつか用いられ、サウンドトラックのCDLouaneはいずれもSardouのヒット「Je vole/私は飛ぶ」、「Je vais t’aimer/あなたを愛するだろう:愛の叫び」、「En chantant/歌いながら」を歌っている。映画での好演が認められLouaneは2015年2月Césaの新人女優賞を受賞した。 ファーストアルバム「Chambre 12」は15年3月リリース。Patxi Garat(1981-ACIRFM-ParisMatch作詞家大賞新人賞受賞 №1448)とDan Black(1975-イギリス人エレクトロポップ系ACI、プロデューサー)の協力を得た11曲が収められている。VdMのステージではオリジナルシャンソン賞の候補曲でアルバム「Chambre12」に収録されている「Avenir」を歌った。アルバム「Chambre 12」は2015年に70万枚以上売り上げたと言われ、Adelの「25」(56万枚)、Kendji Giracの「Kendji」(55万枚)を抑えて年間売上げトップ、新人アルバム賞は当然か。受賞の弁ではDan Blackらに感謝を述べ「今までの私の人生の中で最も素晴らしい3年の中の1年」。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 

3.フランス人が好きな「愛のシャンソン」      

2月14日のSaintValentin/聖ヴァレンタインを前に世論調査機関BVAが行ったアンケート「La chanson  d’amour preferée des français/フランス人が好きな愛のシャンソン」の結果が13日発表された。アンケートは18歳以上の1096人を対象に2月4、5日にインターネットを通して行われた。

それによると

1位「L’hymne à l’amour/愛の讃歌」(1950年Edith Piaf 25.6%が挙げている)

2位「Ne me quitte pas/行かないで」(1959年Jacques Brel 24.1%)

3位「Quand on n’a que l’amour/愛しかないとき」(Jacques Brel 20.8%)

4位「Pour que tu m’aimes encore/愛をふたたび」(Céline Dion 17.5%)

5位「Je l’aime à mourir/死ぬほど彼女を愛している」(Francis Cabrel 16.1%)

6位「Aimer à perdre la raison/理性を失うほど愛す」(Jean Ferrat

7位「Savoir aimer/愛する術」(Florent Pagny

8位「Que serais-je sans toi/もしも君に逢えずにいたら」(Jean Ferrat

9位「Les mots bleus/青い言葉」(Christophe

10位「La vie en rose/バラ色の人生」(Edith Piaf

外国の曲では、1位「Still loving you」(1984年The Scorpions 22,4%)、2位「I will always love you」(1992年Whitney Houston 21,4%)、3位「Hallelujah」(Jeff Buckley 17.3%)

また、同時に行われたアンケートでは次のような結果が

・18%がSaint-Valentinに興味あり、30%が今年祝うつもり

・73%が現在の自身の愛情生活に満足している

・72%が今までに3回恋愛を経験した

・7%がまだ1度も恋愛を経験していない

 

なお、手許に2002年のSain-Valentin世論調査機関IFOPが発表した同様の調査の結果がある。それによると:

位「L’hymne à l’amour愛の賛歌」Edith Piaf

位「Ne me quitte pas行かないで」Jacques Brel

位「La maladie d’amour恋の病」Michel Sardou

位「Aimer愛する」ミュージカル「Romeo & Juliette」から

位「Que je t’aimeどんなに君を愛していることか」Johnny Hallyday

位「Je l’aime à mourir死ぬほど彼女を愛している」Francis Cabrel

位「Pour que tu m’aimes encore愛をふたたび」Céline Dion

位「Savoir aimer愛する術」Florent Pagny

位「Ma plus belle histoire d’amour我が麗しき恋物語」Barbara

10位「Comme d’habitudeいつものように」Claude François

L’hymne a l’amourEdith Piaf https://www.youtube.com/watch?v=BUVfwQCZ32A




 No.1449
2016.2.20
 

№1449    2016.2.20



ジュリエット・グレコJuliette Gréco、89歳の誕生日をThéâtre de la Ville出演で祝う 

ジュリエット・グレコJuliette Grécoは「ファンに、詩に、シャンソンに、愛に、素晴らしい人生にmerci」と言うためと2015年4月24日「Printemps de Bourges」出演からから2016年末までの予定で最後のツアー「Merci」を行っている。

2016年年初 、健康上の理由で1月10日のVedeneVaucluse県)、12、13日のMarseilleでのコンサートを中止した。その後体調は回復したようで、2月5日、6日にはLouvre美術館のVictoire de Samothrace/サモトラケのニケの前方Daruギャラリーの特設ステージでコンサート。5日のコンサートにはOlivia RuizMiossecVianneyAbd al Marikらがゲストとして出演、主としてゲストが歌った。ラジオ局France Interで実況中継された。

そして
89歳の
誕生日に当たる2016年2月7日、彼女には馴染みのParisThéâtre de la Ville(2,place Châtelet 4区)に出演、観客とともに誕生日を祝った。黒いビロードの衣装でステージに登場したGréco、この日は体調十分な様子で腕を縦横に動かしながら、「Paris canaille/パリ カナイユ」(Léo Ferré)、「L’accordéon/アコーデオン」(Serjge Gainsbourg)、「Ne me quitte pas/行かないで」(Jacques Brel)、「Amsterdam/アムステルダム」(dito)20数曲を歌った。そして「もうこの曲を歌ってはいけないのかも知れませんが」と語って歌い出したのは「Désabillez-moi/私を脱がせて」。Grécoがこの曲を初めてステージで歌ったのは1968年この劇場で。伴奏はピアノGérard JouannestとアコーデオンのJean-Louis Matinier最後の曲はMiossecがこのツアーのために作詞し、Jouannestが作曲した「Merci」。胸に手を当て観客に感謝の気持ちを表すために再度ステージに現れたGrécoにホール全体の観客が立ち上がって「Joyeux anniversaireHappy Birthday」を歌ってGrécoの誕生日を祝った。

 2月6日https://www.youtube.com/watch?v=e1xGhhC-Cy4

2月7日https://www.youtube.com/watch?v=ZdbHTLpRVcs

 Grécoに関しては他に昨年末から次のような報道がある

Juliette Grécoが所蔵していたGainsbourgの絵画が盗難に

Oise県にある自宅に泥棒が入り、普段あまり利用していない部屋から絵画2点が盗まれ、代わりに偽物が掛けられていた。盗難にあった2点のうちの1点はSerge Gainsbourgから贈られたものであった。Grécoは2015年11月6日(金)、ツアーで滞在中のDinanから犯人に呼びかけを行った。「今の私は非常に不幸。私の生命の一部が切り取られたよう。しばらくは被害届を出さないつもり。だからその間に犯人は絵が元あった場所に戻して欲しい」。Gainsbourgの絵画は、比較的小さなもので(50cmX20cm)、一種の自画像で、公園に妹と一緒にいる幼少時代のGainsbourgの横顔が描かれている「限りなく優しいシーン」。GinsburgSerge Gainsbourgの本名はLucien Ginsburg)のサインがある。60年代初めにGrécoに贈られた。・・[その後現在まで犯人が呼びかけに答えたと言う情報はない]

[Gainsbourgは画家を志して1944年からAcadémie de Montmartreで学んでいた。しかし、1953年画家の道を放棄に音楽の道に進むことを決心。その際、それまでに描いた絵画のうち6点を残し後は焼却。残った6点のうち1点はJane Birkinの手許に、1点はGrécoの手許にあると言われていた]

GrécoはまたGainsbourgと「La javanaise/ラ ジャヴァネーズ」につき、2015年11月30日TVFrance3の「La vie secrete des chansons/シャンソンの隠された歴史」に出演し、司会のAndré Manoukianに次のように語っている・・1962年のある夜私は彼を自宅に招待した。シャンペンを飲んだ。二人きりだった。色々話し、音楽を聞き、私は踊った。その時私は夜の蝶のようだっただろう。Sergeは目を丸くしていた。翌朝彼から電話があった。「今からお宅に伺っても良いか?」、「どうぞ、どうぞ」。彼は楽譜を持ってやって来た。我が家に付くとピアノの前に座り弾きながら歌い出した。「La javanaise」を。彼に尋ねた「いつ作ったの?」、「昨日の夜」。帰宅したSergeは眠れなかったんだろう・・

 [この夜のことについては大筋では今回Grécoが語っているようだが、細部ではGrécoは異なるようにも語っている。例えば・・何か飲むかときいたら、ウイというのでウイスキーを大きな素敵なグラスに注いだ。彼はとても硬くなっていて、グラスを床に落としてしまった。夏のことで、窓を開け放って私たちは遅くまで踊った・・]

 

・2015年11月13日CD2枚組36曲収録のcompilationアルバム「Merci」がリリースされた。

36曲は:「Je suis comme je suis/私は私」、「Je hais les dimanches/日曜は嫌い」、「Sous le ciel de Paris/パリの空の下」、「Si u t’imagines/そのつもりでも」、「Les feuilles mortes/枯葉」、「Il n’a plus d’après/後には何もない」、「Déshabillez –moi/私を脱がせて」、「Jolie môme/ジョリ モーム」、「Accordéon/アコーデオン」、「La javanaise/ラ ジャヴァネーズ」、「Le pont Marie/マリー橋」、「La chanson des vieux amants/懐かしき恋人たちの歌」、「Le temps des cerises/さくらんぼの実る頃」、「Les amants d’un jour/ある日の二人」、「Avec le temps/時の流れに」、「La chanson de Prévert/枯葉に寄せて」、「Ne me quitte pas/行かないで」など過去のヒット35曲に新曲「Merci/メルシー」。「Merci」はこのアルバム及び今回のツアーのためにMiossecに詩を提供され、Geéard Jouannestが曲を付けたもの。


・2015年12月30日23:20から、1時間30分TVFrance2でドキュメンタリー「Juliette Grécoune femme libre/ジュリエット・グレコ、一人の自由な女性」が放送された。

番組の冒頭でGrécoは「恐らく私は何かを予期して待つということがないから、色んなことが私に起こるのでしょう」と語っている。番組では過去の映像、シャンソン、友人・知人たちの証言で「自由」をキーワードにGrécoの半生を紹介している。Grécoはまた番組でナレーターを務めたStephan Bernとのインタビューなどで次のように語っている [そのうち歌手としてデビューする以前について]・・私は望まれて出来た子ではなかった。母は戦うこと、軍人として生きること、英雄になることを望んでいた。一家の母親がどれほど英雄的であるか考えもせず。私には母がいないも同然だった。私は子供頃大人しかった。自分の世界に引きこもり、あまり喋ることもなかった。両親が離婚し、姉のCharlotteと一緒にBordeau近郊の母方の祖父母の許で育った。1934年母、姉とParisに。ダンサーになりたくて、オペラ座の練習生になった。1939年母はレジスタンス運動に参加。43年疎開先のDordogneで母、姉と共にドイツ軍に逮捕された。母と姉はドイツのRavensbrückの収容所に収容され、解放されたのは45年になってから。年少の私の方は[Parisの南の近郊]Frenesの刑務所に入れられたが、早くにParisで釈放された。そのとき16歳、知人もなく所持金もなく。そこで、母の友人で、かつての私の国語の
先生でもあった、女優のHélène Duc(1917-2014)に援助を求めた。当時Saint-Sulpice教会の近くServandoni通り(パリ6区)に住んでいたDucは快く保護してくれた。そのおかげで私は戦後Saint-Germain-des-Présの知的な、芸術的な雰囲気を享受することができた。[Grécoは2012年4月12日Paris市からGrand Vermeilを授与された。その式にLégion dhonneurOfficier章を受章している95歳のDucを招待している]

 

Merci」ツアーでの今後のParis登場予定は4月17日Casino de Paris、12月9日のSalle Pleyel。また来日公演が予定されており、6月1日Bunkamura 6月3日横浜みなとみらいホール 6月5日東京国際フォーラム。1961年12月に初来日以来24回目の来日との報道あり。来日公演の伴奏は「Merci」ツアーと同様、ピアノGérard Jouannest アコーデオンJean-Louis Matinier

 
 No.1448
2016.2.13
   

 №1448   2016.2.13

2015年第1回RFM-Paris Match作詞家大賞                              

 年間に最も美しいシャンソンの歌詞を書いた作詩者に与えられる「Parolier de l’année RFMParis MatchRFMParis Match作詞家大賞」の第1回授賞式が2015年12月RFMのスタジオで行われた。RFMは1981年開局のFMラジオ局、Paris-Matchは1949年創刊、発行部数約70万部の週刊誌。

審査員はRFM及びParis Matchの文芸・音楽担当の責任者、作家のJessica Nelson、歌手のJoyce Jonathanら10人、審査委員長はDidier BarbelivienBarbelivienは1954年Paris生まれのACI、自身「Elle/彼女」、「Jean de France/フランスのジャン」などのヒットを持つほか、Patricia Kaas(「Mademoiselle chnte le blues/ブルースを歌うマドモワゼル」、「Mon mec à moi/モン メック ア モワ」)、Gérard Lenorman(「Michèle/ミシェル」)、Michel Sardou(「La rivière de notre enfance/子供時代の川」)、Celine DionJohnny Hallydayらに楽曲を提供している。

栄えある第1回受賞者は:

・男性歌手が歌ったシャンソンの歌詞大賞:Jeanne Cherhal作詞「Te manquer/君がいなくて寂しい」(歌Johnny Hallyday

 ジャンヌ・シェラールJeanne Cherhalは1978年Nantes生まれの女性ACI。自身すでに5枚のアルバムを出していて、2004年リリースのセカンドアルバム「Douze fois par an/1年に12回」でACC大賞、05年にはVdMで新人歌手賞、14年リリースの5枚目のアルバム「Histoire de J./J嬢の物語」で再度ACC大賞を受賞。Cherhalは2009年Amandine Bourgeoisのアルバム「20㎡」に「Etrenger/見知らぬ人」を作詞作曲して提供するなど、すでに何人かの歌手に歌詞または曲を提供している。今回受賞の対象になったのはJohnny Hallydayの14年アルバムで50万枚近く売り上げていると言われる「Rester vivant/生き続ける」に収められた「Te manquer」の作詞。作曲はYodeliceHallydayはこの曲を気に入っていて、「Rester vivant」ツアーの最後の曲に選んだ。Cherhalの受賞の弁:この歌詞は私が思っていることを書いたもの。カップルがある距離を置きたいと思うときもあるでしょう。Johnnyがこの詩を気に入ってくれて嬉しい。彼はこの詩を崇高なものにしてくれた。もちろんこの詩に素晴らしい曲を付けてくれたYodeliceに感謝している。Johnnyのために詩を書くように勧めてくれたのはYodeliceだし・・

  Cherhalは2015年のHallydayのアルバム「De l’amour/愛について」(№1446)には「Un dimanche de janvier/1月のある日曜日」、「Tu est là/あなたはそこにいる」、「Vayageur clandestin/密航者」の歌詞を提供している。作曲はいずれもYodelice

 「Te manquer」 https://www.youtube.com/watch?v=aNCKoZoJBos

 ・・僕は出て行く、君が僕を愛してくれているうちに。もう一度火をかき立てるために、君の体の輪郭を思い出すために。君がいなくて寂しいという気持ちを味わいたい。そして君がいない寂しさに耐えられなくなったら戻ってくる、そして君は君が気に入っていた全てを再び見つけるだろう。僕は再び君が好きな言葉を囁き、再び君と踊るだろう。僕は時々君にとってミステリアスな存在になるだろう・・。

 

・女性歌手が歌ったシャンソンの歌詞大賞:Christine and the Queens作詞「Saint Claude/サン・クロード」 (歌Christine and the Queens

クリスティヌ アンド ザ クイーンズChristine and The Queensは1988年Nantes生まれのACIその名が示しているところとは異なり、構成員は女性歌手Christineのみ。Christine、本名Heloise LetissierLyonEcole normale supérieureで演劇を学んだ後、2010年からChristine and The Queens として音楽活動を開始。当初はステージに立つChristineの周囲に置かれたコンピュータから出る音をバックにフランス語と英語の歌詞をモザイクのように歌うというパフォーマンス。2012年、フェスティヴァルPrintemps de Bourgesで最優秀新人賞に次ぐ「推奨賞」を受賞、Francofolies de la Rochelleでは最優秀新人賞である「最初のフランコ」賞を受賞、2014年のVdMでは「新人ステージ賞」にノミネートされた(受賞はしなかった)。ステージではマイケル・ジャクソンばりのジェスチャーを見せる。14年6月リリースのファーストアルバム「Chaleur humaine/人の温かさ」は「Christine」、「Saint Claude」、「Science Fiction」、「Paradis perdus/失われた楽園」、「Chaleur humaine」など11曲収録、フランスではリリースの週にアルバムチャートの6位に初登場、2015年1月19日の週には最高の4位になり、また、ベルギーのフランス語圏では1位になるなど好評で、15年10月には50万枚以上売上げ、disque de diamant/ダイヤモノドディスクに。Christine and The Queensは2015年のVdMでは、5つの部門にノミネートされ「女性歌手賞」及び「Saint Claude」 」で「ヴィデオクリップ賞」の2つのvictoiresを受けている。 またChristine」で2015年SACEMの年間最優秀シャンソン賞を受賞している。今回受賞の対象になったSaint Claude」は作曲も行っていて14年7月7日には先行シングルカットされている。タイトルはParis3区にあるSaint-Claude通りのバス停。

 

・新人賞 Patxi Garatの「Jour 1/1日目」(歌 Louane)及び Vianneyの「Veronica」及び「Pas là」(歌 いずれもVianney

パトクシー・ギャラPatxi Garatは1981年Pyrénées-Atrantiques県(スペインバスク地方に隣接)生まれのACIでフランス語とバスク語を話す。TVTF1のスター誕生番組「Star Academy」の第3シーズン(2003年)に出場。「Mistral gagnant」、「Allo maman Bobo」などを歌い、準決勝まで進んだ(優勝はElodie Frégé)。2006年にファーストアルバム「S’embrasser/抱き合う、10年セカンドアルバム「Amour carabine/カービン銃の恋」をリリースしている。Garatは15年3月リリースのLouaneのファーストアルバムで15年に70万枚売り上げた「Chambre 12」には12曲中、5曲提供。また、近々リリース予定のJean-Baptiste Maunierのファーストソロアルバムに「Je reviens/僕は戻る」(作詞・作曲)を提供している。今回受賞の対象になった「Jour 1」は「Chambre 12」に提供した5曲のうちの1曲で、作詞・作曲している。他の4曲は「Tourne/回れ」(作詞・作曲)、「Du courage/勇気を出して」(作詞・作曲)、「La fuite/逃走」(作詞/作曲)、「Jeune/若い」(作詞)。「Jour 1」は先行シングで14年3月24日にリリースされていて、フランス、ベルギー、スイスで好評であった。

 

ヴィアネイVianney 本名Vianney Bureau は1991年Pau生まれのACI。音楽好きな両親のもとで、12歳で最初のシャンソンを作った。2014年Ecole supérieure des arts et techniques de la mode/高等モード学校卒業後、ACIとしての才能を認めたプロデューサーの協力により、10月20日自作の12曲を収録したファーストアルバム「Idées blanches/実効のない考え」をリリース。その後Florent Pagnyの「Vieillir ensemble/共に老いる」ツアーに30日間同道、あるいはJulien ClercJohnny Hallydayなどの前座で歌う。15年VdMの新人アルバム賞にノミネートされた。15年11月30日SACEMの最優秀新人賞を受賞している。今回受賞の対象になったのはアルバムIdées blanches」に収められた「Veronica/ヴェロニカ」(スウェーデンの女性歌手Veronica Maggio讃歌)及び「Pas là/そこにいない」。アルバムに収められているのは他に「Aux débutants de l’amour/恋の初心者たちに」、「Tu le sais/君はそれを知っている」、「Chanson  d’hiver/冬のシャンソン」など。

 

・特別賞 Jean-Jacque Goldman

ジャン・ジャック・ゴールドマンJean-Jacques Goldmanは1951年Paris生まれのACI、音楽プロデューサー。グループ活動後79年からソロ。81年の「Il suffira dun signe/一つの兆候で十分」、82年「Quand la musique est bonne/音楽が良ければ」、84年「Envole-moi/僕を飛び立たせて」などが大ヒット。86年VdMで男性歌手賞。 プロデューサーとしては、ほぼ全曲作詞作曲したCeéine Dionの95年アルバム「Deux/彼らについて」は、フランス国内で440万枚売り上げるなど、フランス語で歌われたアルバムの歴代最多売上げだと言われている。2001年11月現在までのところ最新となるアルバム「Chansons pour les pieds/足(ダンス)のためのシャンソン」をリリース。同年10月に再婚した夫人との間の3人の女児との生活を大事にしたいと2004年無期限の活動休止を宣言。夫人の出身地Marseilleに住む。そして、特別の場合(主宰しているLes Enfoirésのコンサート及びいくつかの慈善コンサート)を除きステージに立つことはない。ただし、作詞作曲は続けていて、多くの歌手にヒット曲を提供している。Goldman毎年(7月と12行われる「Les personnalités préferées des Françaisフランス人の好きな人物」アンケートで2013月実施分から5回連続1位に。

No.1447
2016.2.3
 
 

No.1447    2016.2.3

引き続き、昨年の11月、12月にリリースされた6人の歌手の新譜を順にご紹介して参ります。
本日は
 5人目と6人目 ミシェル・ルグランMichel Legrand と パトリック・ブリュエルPatrick Bruel です。

 

5.ミシェル・ルグランMichel Legrandが11月27日にリリースしたアルバムは
Michel Legrand e ses amis/ミシェル・ルグランとその友人たち」。


Legrand
(1932- 指揮者、作曲家、ピアニスト、映画監督、脚本家、歌手、俳優)はパリ20区、Menilmontant(あるいはParis郊外Becon-Les- Bruyeres)生まれ、父親はオーケストラの指揮者、映画音楽の作曲家。姉は歌手のクリスチャンヌ。パリ国立高等音楽院で学び、20歳で、主席で卒業。在学中よりアレンジャー、伴奏者として活躍。22歳でシャンソンをムード音楽に編曲したLPI love Paris」を出す。ピアニストとしても活動、Miles DavisBill Evansなどと共演したアルバム「Legrand Jazz」(58年)を出している。60年代から映画音楽の作曲もするようになり、Jacques Demyと組んだ最初が「Lola/ローラ」(60年)、次いで「Les parapluies de Cherboug」(64年)、「Les Demoiselles de Rochefort/ロシュフォールの恋人たち」(67年)。更に、Jean-Luc Godard(「Une femme est une femme/女は女である」61年)、Claude Lelouch(「Les uns et les autres/愛と哀しみのボレロ」81年)、Agnes Varda(「Cléo de 5 à 7/5地方7時までのクレオ」61年、俳優としてピアニスト役で出演)、Joséph LoseyEva/エヴァの匂い」(62年)にも協力している。3つのオスカーを受賞・・Norman Jewison監督の「L'affaire Thomas Crown/華麗なる賭け」(68年)、Robert MuliganUn été 42/想い出の夏」(71年)、Barbara Streisand監督・主演「Yentl/愛のイエントル」(84年)。 88年にはAnnie Girardot主演の半自伝的映画「Cinq jours en juin」の脚本と監督。 2000年代に入ってからも:2002年Lelouch監督、Patricia Kaas主演映画「And Now・・・Ladies and Gentlemen」、2009年Eric-Emmanuel Schmitt監督映画「Oscar et la Dame rose/オスカーとマダム・ローズ」、2015年公開Xavier Beauvois監督映画「La rancon de la gloire/栄光の代価」の音楽を担当している。すでに映画・TV音楽を200曲以上作曲している。歌手としては「L'été 42」、「Les moulins de mon cœur/風のささやき」(映画「「L'affaire Thomas Crown」の主題歌)、「La valse des lilas/リラのワルツ」などがヒットした。71年世界音楽祭で初来日以来度々来日、2007年には生誕75周年記念ジャパンツアーを行っている。 

アルバムMichel Legrand e ses amis」に収められているのはLegrandの作曲による13曲で、現在のシャンソンフランセーズを代表する若手及びヴェテラン歌手などがLegrand指揮のオーケストラ、あるいはLegrandのピアノ伴奏で、歌っている。それらは:「Un parfum de fin du monde/世界の終わりの香り」(Vincent Niclo)、「Paris violon/パリ ヴィオロン」(Muriel Robin)、「Alcatraz/アルカトラーズ」(Thomas Dutronc)、「La valse des lilas」(Hélène Ségara)、「Les moulins de mon cœur」(Charles Aznavour)、「L’adieu/別れの言葉」(Maurane)、「On va chez toi ou on va chez moi/君の家へ行こうか、僕の家へ行こうか」(Christophe Willem)、「 Ça va, ça va/うまく行ってる」(Laurent Gerra)、「Nous voyageont de ville en ville/僕たちは町から町へ旅する」(Chico & the Gypsies)、La chanson des jumelles/双子の女の子のシャンソン」(Brigitte)など。

リハーサル風景などhttps://www.youtube.com/watch?v=uWLEhq4GYhM

 



6・パトリック・ブリュエルPatrick Bruelが11月27日にリリースしたアルバムは
Très souvent,je pense à vous・・・/いつもあなたのことを思っています」。

Bruelは1959年5月 アルジェリア Tlemcen生まのACI、俳優。両親が離婚し、1962年母親とフランスへ、パリ郊外に移り住み、その後パリ13区に。79年4月公開Alexandre Arcady監督の「Le coup de sirocco/シロッコの攻撃」で映画初出演。80年代以降映画・TV俳優、舞台俳優として活躍、50本以上の映画に出演している。1983年シングル「Marre de cette nana-là/あの女の子にはうんざり」が20万枚以上の売上げのヒット、歌手としてキャリアが本格的に始まる。87年5月Olympiaに初出演。89年10月セカンドアルバム「Alors regarde/さあ、ご覧」は「Casser la voix/声をつぶす」などを収録300万枚売り上げで、92年VdM男性歌手賞受賞。2002年にはCD2枚組みコンピレーション「Entre deux/2つの間」をリリース。これには主に第次世界大戦(1914-18と第次世界大戦(1939-45の間のヒットをBruel自身のソロ、Charles AznavourJohnny HallydayJean-Louis AubertLaurent VoulzyAlain SouchonSandrine Kiberlainなど都合12人とのデュオ、トリオで歌ったMon amant de Saint-Jean/サン=ジャンの私の恋人」(1939年)、「Ménilmontant/メニルモンタン」(1938年)、「Que reste-t-il de nos amours/残されし恋には」(1942年)、「Vous qui passez sans me voir/去りゆく君」など24曲が収録されていて200万枚以上の売り上げ。その後06年アルバム「Des souvenirs devant前面の思い出」、12年アルバム「Lequel de nous我々のうちどちらが」をリリースしている。BruelLes Enfoirésには1993年から連続して22回出演、主宰者であるJean-Jacques Goldmanに次ぐ出演回数。 アルバムTrès souvent,je pense à vous・・・」はBarbara(1930-1997 ACI)のヒット15曲をDavid-François Moreauのアレンジでカバーしたもの。 Moreau(1972-)はBrueldemi-frère/異父弟で、映画音楽、舞踏音楽、ジャズ、シャンソンの作曲家、すでに「Entre deux」でも協力していて、今回もプロデューサーをつとめている。BruelBarbaraとの関わり、このアルバムなどにつき次のように語っている・・8歳の僕はBarbaraの「Madame」、「Ma plus belle histoire d’amour」、「A mourir pour mourir」を母と一緒に聞いていた。1967年Bibino座のライヴアルバムだった。もちろん歌詞は理解できなかったから、メロディーが気に入っていたんだと思うけれど。我が家ではBarbaraBrelBrassensReggianiLes Rolling StonesLes Beatlesと同じように聞かれていた。その頃からずっと、20世紀を代表するこの女性ACIのファン。Barbaraのコンサートは1974年Théâtre des Varietés、78年のOlympia、その後もほとんど聞いる。僕はBarbaraが他の歌手と一緒に歌っている曲は好きではない。だから「Lily Passion[Gerard Depardieuと共演したミュージカル]は見ていない。初めてBarbaraに会ったのは1990年Théâtre Mogadorの楽屋だった。それまでは彼女の曲を聞き、あるいは同じステージで歌うだけで十分だった。Charley Marouani[Barbaraのマネージャー]に半ば強引に連れて行かれた。楽屋に入ったら彼女は僕に言った「Enfin!/とうとう!」。30秒後には僕は彼女をまるで昔からの女友達、あるいは姉のように感じた。彼女の話に大笑いもした。その後はFaxでいろいろやり取りした。彼女は僕を「enfant-roi/子供=王様」と呼んでいた。僕が初めてZénithに出演する際には「Trés souvent. e pense à vous・・・ 」と書いてくれた。そしてアルバムのタイトルは「Moi aussi, MadameJe vous remercie/僕もです、マダム。感謝しています」と言うつもりで付けた。彼女は僕に親切にしてくれたけれど、それは彼女の本性で誰にでもそうだった。彼女には人並み以上の「partager/共にする」の感覚があった。2015年1月12日に [Pasteur-Weizmann協会設立40周年記念コンサートで] Opéra Garnierに出演してシンフォニックオーケストラの伴奏で「Vienne」を歌った。その時からBarbaraの曲をもっと歌ってみたいという希望を持つようになった。Barbaraの曲をカバーすることは役者がMolièreShakespear劇を演じるのと同様のことだろう。僕が男性であることもあって、単にBarbaraを模倣するのではなく、むしろ原曲を女性歌手が歌っていることを忘れさせるものにしたかった。BarbaraBrelBrassensの曲を歌った際には逆に語っていたように。そして彼女の自伝的な曲を歌うときには、僕の自分自身の経験を思い出しながら歌った。子供時代を、青春時代を思い出しながら。例えば「Nantes」に関しては、もちろん僕はBarbaraと同じ苦しみを経験してはいない。しかし家族の問題では、僕も父親との関係は辛いものだった。だからこの曲は自分自身のその辛い過去を思い出しながら歌った。近い将来アルバムに収められた曲をParisのふさわしい場所で歌いたいと思っている・・

収められているのはMadame」、「Drouot/貴婦人」、「L’aigle noir/黒いワシ」、「Dis,quand reviendras-tu?/いつ帰ってくるの」、「Le mal de vivre/孤独のスケッチ」、「Du bout des lèvres/口先だけで」、「Vienneウイーン」、」「Ma plus belle histoire d’amour我が麗しき恋物語」、「Nantes/ナントに雨が降る」、「Perlimpinpin/いかさま万能薬」、「Göttingen/ゲッティンゲン」、「Mon enfance/私の幼い頃」、「Parce que je taime/あなたを愛しているから」、「A mourir pour mourir/死へのあこがれ」、「Pantin/パンタン」の15曲、Barbaraの伴奏アコーデオニストRoland Romanelliが伴奏で参加している。

Ma plus belle histoire d’amour2015.12.5 TVFrance 2https://www.youtube.com/watch?v=Wqw_xs426Zg

 
No.1446
2016.1.30
 
   No.1446    2016.1.30

引き続き、昨年の11月、12月にリリースされた6人の歌手の新譜を順にご紹介して参ります。
本日は
 3人目と4人目 ジョニー・アリデイーJohnny Hallyday とアングンAnggun です。

 

3.ジョニー・アリデイーJohnny Hallyday が11月13日にリリースした新しいアルバムは「De l’amour/愛について」。

Hallyday(1943-歌手、作曲も行う №1428)の50枚目のスタジオ録音になるこのアルバム、収録されているのは、「titre caché/隠しトラック」も含め11曲。歌詞は現在のシャンソンフランセーズを代表する才能豊かなACI、作詞家によって提供され、作曲は、Hallyday自身による1曲「Des raisons d’espérer/期待の理由」を除きYodeliceiが付けた。Yodelice(1979-歌手、作曲家。Maxim Nucciの名でも活動している)は、すでにHallydayの直前の2つアルバム「Jamais seul」、「Rester vivant」にも曲を提供しているほか、Hallydayのアルバムの録音(今回も)あるいはコンサートの際には、ギタリスト、バックコーラスをつとめている。今回のアルバムでは、音楽的には1950、60年代Hallydayがデビューした当時に流行していたロックンロールへの回帰が見られ、多少Elvis Presleyを思わせる曲も。詩にはもちろん例によって愛を語ったものも4曲あるが、その他の7曲は最近の、世界での、フランスでの出来事でテーマにしたもの。作詞したのは:

Christophe Miossec(1964- ACIHallydayの2012年のアルバム「L’Attente」に収録されている「20 ans」の作詞を行っており、「20 ans」は2014年VdMでオリジナルシャンソン賞を受けている)は、アルバムのタイトルになった「De l’amour」と「Mon cœur qui bat/脈打つ僕の心臓」

Jeanne Cherhal(1978-ACI)は「Tu es là/あなたはそこにいる」(HallydayLaeticia夫人に捧げられている)、「Un dimanche de janvier/1月のある日曜日」(2015年1月のCharlie Hébdo襲撃の次の日曜日に行われた、テロに抗議する人々の行進を歌った)、「Voyageur clandestin/密航者」(不法な移民たちを歌った。Titre caché

Vincent Delerm(1976-ACI)は「Une vie à l’envers/逆の人生」

Pierre Jouishomme(1961-ACI)は「Valise ou cercueil/スーツケースか棺か」(シリアからの難民の生き残りたいという気持ち) 「Avant de frapper/襲う前に」(ジハードと言って無垢な人を襲うテロリスト、「襲う前にお前の手は震えないのか?」)、「Des raisons d’espérer」(作曲はHalyday自身)

Pierre-Domonique Burgaud(生年不詳- 作詞家、クリップクリエーター)は「Dans la peau de Mike Brown/マイク・ブラウンの皮膚の中に」(アメリカ、ミズリー州で起きた白人警官によるアフリカ系アメリカ人Michael Brown射殺事件を歌った)、

Aurélie Saada(1978-ACI、女性デュBrigitteのメンバー)は「L’amour me fusile/愛は僕を銃殺する」

 アルバムのリリースはパリ同時多発テロの日に当たった。Hallydayは翌14日にはStrasbourgコンサートを予定通り行った。その際には観客と共に犠牲者を悼みコンサート会場で1分間の黙祷。また、11月14日11月27、28、29日のParisAccorHotels Arena(旧POPB)も予定通り行い、27日のステージでは「Un demanche de janvier」を歌った後、会場全体が自発的に「La Marseillaise」を歌った。Hallyday TV France 2で11月28日に放送された「Le Grand Show」のメインゲスト、このアルバムから「Mon cœur qui bat」などを、過去のヒット「L’envie」などを歌った。ゲストには、2014年11月Jacques DutroncEddy Mitchelと結成しBercy公演を行った「Vieilles Canailles」。TV初登場で「Et moi et moi et moi」を歌った。また、Véronique Sanson(「Toute la musoque que j’aime」をデュオで)、Alain Souchon et Laurent Voulzy(「Queque chose de Tennessee」をトリオで)、Patrick BruelMika(「Requiem pour un fou」をデュオで歌い「この曲は僕にとっては単にシャンソンの1曲と言うだけではなく、ミサ曲のようなもの」)からShy’mLouanne(19歳になったばかり、「L‘idole des jeunes/若者たちのアイドル」をデュオで) など世代の異なる多くの歌手がゲストとして出演。特別ゲストにはイギリスからAdeleAdeleはすでに60万枚売り上げたと言われる最新アルバム「25」から「Hello」と最大のヒット「Rolling in the Deep」を歌った。

(ここからは、1月12日付けの「今日のシャンソンニュース」ニュースで既にお知らせしたものです。)
Hallydayは2016年1月10日ParisPlace de la RepubliqueCharlie Hebdo襲撃事件1周年を記念して行われた政府主催の犠牲者追悼式で、Hollande大統領を始めとする政府要人および参加者を前に「Un dimanche de janvier」を歌った。

現在ツアーを続けているHallydayは2016年5月4日にはTahitiPapeete公演が予定されている。

Un dimanche de janvier」2016.1.10 Place de la Republique で

https://www.youtube.com/watch?v=cTHPIhvgZWI

・・何百万の眼差しが、拭われない涙が、何百万歩の行進が、大通りにあった、1月のある日曜日に、私はお前の小さな手を丸めた手の中に握った、私たちの心臓はますます早く脈打った、1月のある日曜日に。 私たちは黙って行進した、大勢の人々の中を、風は絶え間なく、広場で歌っていた。 国中に広がった苦しみを和らげるため、私たちはやって来た、恐れも憎しみも持たずに、1月のあの日曜日に、思い出にとどめておくために、インクと紙のヒーローたちを、私たちは夜まで立ち続けた、1月あの日曜日に。 それから後、疲れ切った私たちの町には、何が残っているのだろう、あの1月の日曜日の・・



4.アングンAnggunが11月20にリリースしたのはアルバム「Toujours un ailleurs/常によそ者」。

Anggun本名Anggun Cipta Sasmi、は1974年4月29日インドネシア、ジャカルタ生まれの歌手、現在フランス国籍。7歳の頃から歌を始、9歳で最初のアルバム、14歳の時にはインドネシア、マレイシア、シンガポールで人気歌手に。94年インターナショナルな歌手になることを目指してヨーロッパに渡り、95年からフランスに落ち着く。Erick BenziDionGoldmanHallydayらのプロデューサー)と知り合い、彼女に最初のシャンソン「La rose des vents/羅針盤の方位」を書く、97年フランス語のファーストアルバム「Au nom de la lune月に免じて」はシングルカットされた「La neige au Sahara/サハラの雪」が大ヒット、甘美な官能的な声とエキゾチックな発音でフランスでの人気を得る。この曲は英語ヴァージョン「Snow on the Sahara」もあり、33か国でリリースされ、10カ国以上でチャートのトップになり100万枚以上売り上げたと言われている。2000年Bebziプロデュースの2枚目のアルバム「Désirs contraires/逆の願い」。同年末Vaticanに招かれクリスマスコンサートに出演。2001年La Cigale出演がフランスでの初ステージ。05年3枚目のアルバム「Luminescence/リュミネセンス」、08年4枚目のアルバム「Elevation/上昇」2008年RFIの聴取者が選ぶシャンソンに「Si tu lavoues/あなたが白状すれば」が選ばれている。アングンは2010年9月15日フランス公開のClaude Lelouchクロード・ルルーシュ監督の「Ces amours la/こんな愛」に歌手のラファエルRaphael、リアンヌ・フォリーLiane Folyと共に出演し、Anouk Aimeeアヌーク・エメらと共演している。アルバムはフランス語、英語、インドネシア語の3ヴァージョンでリリースされている。AnggunSidactionEnfoirés  などに積極的に参加、またFAOの親善大使。2010年6月Cyril Mantanaと結婚(07年には娘誕生)  11年11月7日5枚目のアルバム「Echos」14曲。12年Eurovisionにフランス代表として出場22位。13年5月リリースされたアルバム「Thérèsevivre d'amour/テレーズ、愛に生きる」ではNatasha St-Pierらと共に参加。

私はインドネシアから、フランスに根を張ろうとしてやって来た身であるから一人のderacinée/故国喪失者。音楽が常にパスポートだった。世界には光を当てるべきものがたくさんある」と語っているAnggun、今回のアルバムに収められている曲は、音的には世界中に通用するポップス13曲。それらは:「A nos enfants/子供たちに」(「世の中には危なっかしいこと、悪いこと、納得のいかないことがあるが、我々の子供たちには全てがうまく行くように」)、「Nos vies parallèles/我々の平行的な人生」(Florent Pagnyとのデュオ、「20年前にPagnyに出会った。それが私の人生を変えたと言ってよい」。Anggunの声に魅了されたPagnyは当時のプロデューサーEric Benziに彼女を紹介した。そこからAnggunの歌手生活が展開した。「Frédéric Chateauが書いてくれたこの曲見たとき、この曲をFlorentとデュオで歌いたいと思った。この曲はインドネシア出身の私とPatagonieに生活の拠点を置くFlorentと、二人のイメージにぴったり」)、「Face au vent/風に向かって」、「Perfect World」(「私は長い間、生活するのに理想的な場所を探した。しかしそんな場所は存在しないと分かった。私たちはきっと頭の中でそんな世界を作り出しているのだろう。そしてそれが大切なこと」)、「A quelques pas de nous/我々から数歩の所に」、「Mon capitaine」、「Toujours un ailleurs」、「Née quelque part/どこかで生まれて」(Maxim Le Forestier作詞・作曲・歌の1988年のヒット。Anggunはベニン出身の女性歌手Angelique Kidjoとデュオで歌っている)。「La promesse/約束」、「Est-ce que tu viendras ?/あなたは来るかしら」、「Aucune difference/違いなし」など。

Nos vies parallèles」2015年12月18日ラジオ局RTLでのlive
https://www.youtube.com/watch?v=3im-14-PIDY

 

 

No.1445
2016.1.29
   

No.1445  2016.1.29

遅ればせながら、昨年の11月、12月にリリースされた6人の歌手の新譜を順にご紹介して参ります。
本日は
 ミレーヌ・ファルメールMylène Farmer と ララ・ファビアンLara Fabianです。

 

1.ミレーヌ・ファルメールMylène Farmerが11月6日にリリースしたのは「Interstellaires/星の間の」

Farmer本名Mylène Gautier、1961年カナダQuébec生まれのACI。芸名は1930年代に活躍したアメリカの女優Frances Farmerから。歳でフランスに。 演劇学校で学んでいるときLaurent Boutonnat(1961.6.14-AC、プロデューサー、演出家、写真家)と知り合い、その勧めで音楽の道に。 BoutonnatFarmerのデビューからのピグマリオン。1984年3月リリースのSPMaman  a tort/ママは間違っている」が10万枚以の売上げで一躍人気歌手に。1986年4月1日ファーストアルバム「Cendres de lune/月の灰」の収録された「Libertine/放蕩女」から「赤毛の放蕩女」とも呼ばれることも。80、90年代にリリースしたアルバム、「Ainsi soit-je・・/アンシ ソワ ジュ」(88年)、「L’autre/二重人格」(91年)、「Anamorphosée/アナモルフォーゼ」(95年)、「Innamoramento/イナモラメント」(99年)はいずれもダイヤモンドディスク。1988年VdM 「女性歌手賞」を受賞。2000年には Alizée(1984- 歌手)を発掘し、そのファーストアルバムをプロデュース。05年VdM 「過去20年の最優秀女性歌手賞」を受賞(男性歌手はJean-Jacques Goldman)。05年アルバム「Avant que l'ombre/影が迫りくる前に」をリリース、その後06年1月13日~29日Paris Bercyで行われたコンサート「Avant que l'ombre・・」には13回の公演で17万人以上の観客が集まった。08年アルバム「Point de suture/縫合」。09年9月11、12日 Stade de Franceでのコンサート。10年アルバム「Bleu noir/青黒い」。前作は12年リリースの「Monkey me」。13年9月7日~12月7日30年のキャリアで6回目、4年振りのツアー「Timeless 2013」、39公演で42万人以上を集めた。2015年4月「好きな女性歌手」のアンケートで、Edith PiafBabaraCéline Dionに次いで第4位。ラジオ局NRJ音楽賞を、フランス語圏歌手賞4回、フランス語圏アルバム賞3回など、数多く受賞している。

10枚目のアルバムInterstellaires」はリリース後の1週間で11万枚の売上げという大ヒット。11曲収録されていて、歌詞は1曲を除きFarmer。作曲には、今回も「Bleu noir」同様Boutennatは関わっていない。代わりにMartin KierszenbaumLady GagaMadonnaTokio Hotelなどの作曲の協力を得て、9曲を共作している。また、4曲はlangue de Shakespeare/英語で歌われているが、アメリカへの進出も念頭に置いてのことなのだろうか、フランス以外の国でのリリースが計画されているとの報道も。11曲は:「Stolen Car」(Sting・・1951年イギリスNewcastle生まれの歌手、作曲家・・とのデュオ。原曲はSting作詞/作曲、03年リリースStingのアルバム「Sacred Love」に収録、「Take me dancing」のタイトルでも歌われている、当時は評判に成らず。今回のデュオではFarmerが歌うフランス語の歌詞はFarmerによる。シングルで8月28日に先行リリースされて、シングルチャートの1位に。Farmerにとって14枚目のシングルチャート1位。FarmerStingは12月4日アメリカABCTVの人気歌謡番組でJimmy Fallonが司会する「Tonight Show」に出演してこの曲を歌った)、「Interstellaires」、「C’est pas moi/それは私ではない」、「Insondables/計り知れない」、「I want you to want me」(Rick Nielsen作詞/作曲)、「Voie lactée/銀河」、「Un jour ou l’autre/遅かれ早かれ」、「Pas 

d‘accèss/アクセス不可」、「Love Song」、「City of Love」など。

Stolen CarStingと「Tonight show」でhttps://www.youtube.com/watch?v=3r6cJK6Js8E

 
2.  ララ・ファビアンLara Fabian11日にリリースしたのは「Ma vie dans la tienneあなたの人生の中の私の人生」

Fabian、本名Lara Sophie Katy Crokaertは1970年ベルギー、Bruxelles圏生まれのACI。14歳からベルギーで歌手として活動。88年Luxembourg代表でEurovisionに出場 4位。89年にリリースしたシングル「Je suis/私は」のプロモーションで訪れたカナダが気に入り90年代数年間Canadaで活動。97年シングル「Tout/全て」がヨーロッパでヒット、この曲を収録したアルバム「Pure/純粋な」は100万枚以上の売り上げ、98年VdM新人歌手賞を受賞。99年全曲英語で歌った「Lara Fabian」によりアメリカでも人気に。2002年に同じベルギー出身の女性歌手Mauraneとデュオで歌った「Tu es mon asutre/あなたはもう一人の私」はシングルが30万枚以上売上げのヒットに。2009年のアルバム「Toutes les femmes en moi/私の中の全ての女性」はBarbaraの「Göttingen/ゲッティンゲン」、Dalidaの「Il venait d’avoir 18 ans/18歳の彼」などをカバーした先輩女性歌手へのオマージュ。10年30曲収録のベスト盤。10年9月には仏、英、伊、露、西語で歌った11曲を収録したアルバム「Mademoiselle Zhivago」をロシアとウクライナでリリース(フランス、ベルギーでのリリースは12年6月)、その後10年から12年にかけて東欧諸国、ロシアツアーを行っている。13年4月アルバム「Le secret/秘密」をリリース。その後聴覚の不調により活動を休止していたが、回復。Fabianは30年のキャリア、力強い歌声でフランス語圏以外にも多くのファンを持ち、レコード売上げ3200万枚以上。

12枚目のスタジオ録音アルバムとの報道がある「Ma vie dans la tienne」に収められた曲は「聴覚の不調でほとんど耳が聞こえなかった静寂の時期に作られた」もの。Edodie Hesme(1973- 俳優・作詞家)に提供された詩に Fabianが作曲家David Gategno(1969- ACI)と協力して曲を付けた11曲が収められている。それらは「Ma vie dans la tienne」、Quand je ne chante pas/私が歌わないときには」(6月に先行してシングルでリリース)、「S’il ne reste qu’un ami/一人の男友達しか残らなければ」、「Envie d’en rire/笑いたい」、「Ton désir/あなたの望み」、「Elle danse/彼女は踊る」、「Relève-toi/あなた、起きあがって」、「L’oubli/忘却」など。アルバムのリリースに合わせて、11月6日フランス国内の40映画館で「Un soir autour du monde/世界一周の一夜」が上映される。これはFabianが2014年10月16日プラハPraqueで行われたコンサートの模様を撮影したもので、フランスでのコンサートとは趣を異にしているよう。Fabianは2016年3月にツアーを開始、6月3日にはParisPalais des Congrèsに出演の予定。

Ma vie dans la tienne」2015年12月19日TV出演時https://www.youtube.com/watch?v=bSIBZqqj88A

No.1444
2016.1.12 
   

No.1444  2016.1.12

 Johnny Hallyday ジョニー・アリデイ テロリスト襲撃事件の犠牲者追悼式で歌う

Hallydayは1月10日, ParisPlace de la Republiqueで行われた2015年1月及び11月のテロリスト襲撃事件の犠牲者のための追悼式典で、Hollande大統領を始めとする政府要人および参加者を前に「Un dimanche de janvier」を歌った。

https://www.youtube.com/watch?v=cTHPIhvgZWI

Un dimanche de janvier

・・何百万の眼差しが、拭われない涙が、何百万歩の行進が、大通りにあった、1月のある日曜日に、私はお前の小さな手を丸めた手の中に握った、私たちの心臓はますます早く脈打った、1月のある日曜日に。 私たちは黙って行進した、大勢の人々の中を、風は絶え間なく、広場で歌っていた。 国中に広がった苦しみを和らげるため、私たちはやって来た、恐れも憎しみも持たずに、1月のあの日曜日に、思い出にとどめておくために、インクと紙のヒーローたちを、私たちは夜まで立ち続けた、1月あの日曜日に。 それから後、疲れ切った私たちの町には、何が残っているのだろう、あの1月の日曜日の・・

No.1443
2016.1.10

 
   

№1443  2016.1.10

ミシェル・デルペシュMichel Delpech の葬儀   
                

Michel Delpech の葬儀は)11時からParis 区 Saint-Sulpice教会で執り行われた。教会の回りには柵が設けられ、その周囲には大勢のファンが集まった。ファンは口々に自分が好きなDelpechの曲を歌い、あるいは口ずさんでいた。葬儀にはGeneviève夫人、Delpechの子供たち:最初の夫人Simonとの間の2人の男児GaranceBarthelemyGeneviève夫人との間のEmmanuel、及びGeneviève夫人の前夫との子供Pauline Delpech(1981-俳優、作家、政治家)とPierre-Emmanuel BidegarayDelpechは、Geneviève夫人と1985年、「copte-orthodoxe/コプト=オルソドックス」の典礼に従って結婚したので、葬儀もその典礼に従って行われることを希望した。主宰したのはコプト派の大司教Monseigneur Athanasios、長くDelpech家と親交があった。家族の希望により一般のファンも教会内の式に参列できた。2200人が参列した。式の間パイプオルガンで「Chez Laurette」と「Wight is Wight」が演奏された。参列者の中には次の人たちの顔が。「」は訃報に接した際の、あるいは葬儀参列の際の発言。

政治家では:

François Bayrou(フランス南西部Pau出身の政治家、大統領選に3回立候補している)「彼のシャンソンは人々に対する彼の愛情の表現。シャンソンを通じてそうした愛情を感じることは多いことではない」。

・他に、Fleur Pellerin文化大臣、Anne Hidalgoパリ市長、Ingrid Betancourなど。

TV司会者・キャスターなどでは:

Michel Drucker 「彼とは50年来の親友で、この1年の間、週に1、2度は見舞いに行ったし、臨終の場にも立ち会った。彼が詩を書いた『Chez Laurette』や『Les divorcés』は決して忘れられることはないだろう。彼は生前『亡くなった歌手の追悼番組にはその歌手に本当にふさわしいか疑問なものがある。私の追悼番組は君が構成し、司会をしてくれ』と言っていた。1月23日にTVFrance2で放送予定の彼の追悼番組「Le Grand Show」はその言に合ったものにしたい」。

Fabien Lecœur(シャンソンジャーナリストで著作も多い) 「シャンソンフランセーズは貴重な人物を失った。彼は50年以上に渡って我々を魅了してくれた。彼の魅力は常に我々と共にいることだった」。

・他に、Julien LepersYves CalviDaniela Lumbrosoなど。

歌手・俳優などでは:

Pascal Nègre (ユニヴァーサル・フランスの社長) 「彼が愛したのは家族とファン。彼は人々の人生を歌った。だから彼の曲はフ

ランス人の心の中に残るのだろう。100年経っても彼の曲は歌われるだろう」。

Cali 「私はアルバム『Michel Delpech &』で『Pour un flirt』をデュオで歌った。我々はTake2で仕上げた。我々のデュオの新鮮さを大事にしたいと言っていた。だから3回はやらなかった。彼は病床にあっても、戻って来るという強い意志を持っていた。その強い信念に動かされて私もいつかそう思うようになっていた」。

Line Renaud 「こんな理不尽なことがあるかしら。余りにも早すぎる。彼はとても、とても優しい性格だった。私のアルバム『Rue Washington』に『Les torrents d’amour/愛の奔流』を提供してくれた。彼は砂漠を渡るような苦悩の時期を過ごしたが、そのことがその後の彼の曲に良い影響を与えていると思う」。

OrlandeDalidaの弟でマネージャーでもあった) 「彼は生きた時代の日常生活を歌った。いなくなることは寂しい」。

Didier Barbelivien 「彼は詩人で、歌手で、批評家で、感激屋で、心配性で、明晰で、奇抜で、貪欲で、魅力的で、陽気で、怒りっぽく、優しく、ファンテジストで、野心的で、庶民的で、繊細だった」。

Philippe Lavil 「彼の曲はフランス人が生きていた景色そのもの」。

Stone(デュオStone &Chardenで活躍した女性歌手) 「彼の曲は忘れることは出来ない。亡くなったとは信じられない。きっと上の方のどこかにいるだろう」。)、

Hervé Vilard 「彼はようやく楽になっただろう。彼は日々の生活を、人生を歌った。彼は永遠に我々の心に残るだろう」。

・他に、Catherine DeneuveRobert HossenRenaud(1月7日、Chsrlie Hébdo襲撃事件から1年目に当たり、Plance de la Républiqueで行われた犠牲者の追悼集会に参加して、Delpechの「Que Marianne était jolie」を歌った)、Patrick BruelCalogeroLaurent VoulzyAlain SouchonBenabarMarc LavoineGérard DarmonSheilaAlex BeaupainVincent DelermGilbert Montagnéなど。

 

遺体はDelpechの歌う「Quand j’etais chanteur」に送られて教会を去り、午後2時30分から、近親者等に見守られて Père Lachaiseの家族の墓地に埋葬された。

Delpechの葬儀 https://www.youtube.com/watch?v=uz8swT67My4
(葬儀の映像に続いて、2014年のライブでの歌唱 Pour un flirt avec toi ご覧いただけます)



No.1442
2016.1.8 
  №1442   2016.1.8

ミシェル・デルペシュMichel Delpech、死去

 
     

Michel Delpechが2016年1月2日(土)21時30分、入院中のHôpital de PuteauHaute-de –Seine)で死去、享年69歳(今月26日には70歳の誕生日を迎えるはずであった)、2013年2月から喉頭癌の闘病生活を続けていた。1965年「Chez Laurette」で一躍人気歌手の仲間入り、70年代には、ヒットに次ぐヒットでレコード売上げ1位と言われた。80年代には一時不振の時期もあったが立ち直り、その後も人気歌手の地位を保ち、生涯200曲歌った(Figaro)。

死去の翌日の日曜日多くの人々は「Chez Laurette/ロレットの店で」や「Pour un flirt/青春に乾杯」を口ずさまずにはいられなかっただろう。それがこの優れて庶民的な歌手への最高のオマージュ。

 
Le Figaro紙が挙げるDelpechの代表作10

Chez Laurette(1965、「Wight is Wight(69、「Pour un flirt(71、「Que Marianne était jolie(72、「Les divorcés(73、「Le chasseur(74、「Quand j’étais chanteur(75、「Tu me fais planer(75、「Le Loir-et-Cher(77、「Trente manières de quitter une fille(79

 

各界から寄せられた哀悼の辞  

François Hollande(大統領):Michel Delpechは老いることなくこの世を去った。彼のシャンソンは我々に感銘を与える。なぜならそれは我々を歌っているから。我々の感動や我々の苦悩を歌っているから。彼は1970年代の人々を誰よりの良く歌った。「Chez Laurette」から「Loir-et-Cher」まで彼の曲は時代遅れになることはない。彼は「Que Marianne était jolie/マリアンヌは何と綺麗だったことか」と歌っている。Marianne(フランス共和国を象徴する女性)はこの年の初めにフランスを代表する歌手の一人が亡くなったことを悲しんでいる。

Christiana Taubira(法務大臣):Michel Delpechは長い間星を見つめることが大切だと歌ってきた。今彼はその星の中に旅立った。

Segolene Royal(環境大臣):Michel Delpechは家族、エコロジー、山、自然をテーマにした曲の先駆者だった。彼の曲「Rimbaud chanterait/ランボーは歌うだろう」(1973年)の歌詞のように心が発する言葉を歌った。

Fleur Pellerin文化大臣:Michel Delpechの訃報に接して深い悲しみです。彼は素晴らしい人気の歌手で、その歌はフランスの隅々に浸透し、多くの世代によって歌われている。

Johnny Hallyday(1943-歌手・作曲)年末年始休暇をタイで過ごしている:悲しい新年になった。Michel、君と遺族の皆さんのことを思っている。

Michel Polnareff(1944-ACI):耐え難い苦痛が終わったのだと考えれば私は悲しくはない。あの優しい詩人が見せた何という意志の強さ。Bravo Michel、君は勇気がどういうものか示してくれた。

Michel Jonasz(1947-ACI):ショックだ。私は彼が好きだった。彼とデュオで歌えたこと(『Michel Delpech &』でTrente manières de quitter une fille」を歌っている)は本当に幸福だった。彼は思慮深く、感性豊かで、崇高な精神の持ち主だった。

Laurent Voulzy(1948-ACI):1968年徴兵されて軍隊に入ったとき、どんな仕事をやっていたんだと質問されたので「Michel Delpechのギタリストを」と答えた。彼には会ったこともなかったけれど。そうしたら士官が「Chez Laurette」を弾いて見ろと言った。そして私は中隊のギタリストになった。 彼の詩は時代の空気を捕まえていた。そしてそれを優しく表現した。彼の武器は声、魅惑するような声だった。彼の曲は全て私の好みに合っていた。彼は尊敬に値する人物、毅然とした、誠実な人柄だった。

Didier Barbelivien(1954-ACI):Michel Delpechは何と勇敢に闘ったことか。病気に対してこのように力強く、勇気を持って闘った人物はいないだろう。3年の闘病生活のうち2年は病院に入院していた。Michelの闘病振りに最も驚いたには医師たちだっただろう。5月には余命2週間と言われていたのだから。彼がどんなに人生を愛していたことか。

Vianney(1991-ACI):Michel Delpech は詩情と人間性を備えたコミットする歌手だった。説教するというタイプではなく。

Louane(1996-歌手、俳優):「ロレットの店は素敵だった。もう一度行こう、Lauretteを忘れないために」(「Chez Laurette」から)。Monsieur Delpech 私はあなたのシャンソンが大好きです。MerciMonsieur Delpech

Didier Varrod(ラジオ局France Interのディレクター)Michel Delpechの曲は、当時の国の色を歌っている。人々がどんな服装をしていたか、どんな新聞を読んでいたか、どんなタバコを吸っていたかを。そして人々がどんな風に愛し合っていたかを。

一般のファン(インタビューに答えて):「今朝は泣きました」、「彼は我々のことを歌ってくれました」、「彼は本物の歌手だった。市井の人々のすぐ近くにいた」。

 

 

Michel Delpech 座右の銘: 「On verra/今に分かるさ」

 

2014年9月TVFrance 3 より 歌唱 「La fin du chemin」 

  https://www.youtube.com/watch?v=GBBnsgVpP6c

 ・・今地上での私の道は終わりに近づいた。私はあなたのもの、父なる神よ、どうぞ私を迎えて下さい。 私の魂はここ、兄弟たちよ、泣かないでくれ、私は向かって行く、光り輝くところへ。・・人生よ、さようなら、私は幸運に感謝。これから真実の世界が、永遠の世界が始まる、始まる・・

 

 

Michel Delpech(1946- ACI)の略歴:

(訃報を伝える新聞記事などを参考に、「今月の顔 2015年10月」を加筆、修正)

194626日パリ近郊CourbevoieHauts-de-Seine県)生まれ。本名Jean-Michel Delpech.。「父は小さな金属工場を経営していた。経済的には苦しくはなかったが、生活振りはブルジョワと言うよりプロレタリア的だった。父の職を継ぐ気はなかった。父に仕事を軽ろんじていたというわけではない。それは肉体的に辛い仕事だった。父のように毎朝5時に起きて仕事に向かう何てことは私には出来なかった」。 Gilbert BécaudCharles AznavourGeorges BrassensClaude Nougaroなどが好きで、17歳、Pontoise高校生の頃バンドを作り、詩を書き、歌っていた。Vogue社のオーデュションに合格。未成年であったDelpechのレコード会社との最初の契約は父の名で。

1963年Vogue社からEPMichel Delpech』:自身で作詞作曲した「Anatole/アナトール」、「On fait semblant/振りをする」など4曲収録。ほとんど注目されず。

1964年独学で作曲を勉強していたRoland VincentParis 1938- 作曲家・アレンジャー)と出会う。その後Delpech作詞・歌 Vincent作曲のコンビで数々のヒット曲を。

1964年Festival社からEP Michel Delpech』:「Elle se moque de toi/彼女は君をからかっているんだ」(Delpech作詞/Vincent作曲)、「Que c’est triste/なんて悲しいんだ」(dito)など4曲収録。これもほとんど注目されず。

1965年音楽スペクタクル(fantaisie musicale)「Copains-Clopant/コパン・クロパン」(演出Francis Jeffo、脚本Christian Kursner、劇中歌われる曲の作詞はDelpechClaude Daubisy、作曲はRoland Vincent。貧しい若者がスター歌手になる物語)にTony役で出演、劇中「Chez Laurette」などを歌った。他にChristine役で共演したChantal Simonと「Tout arrive/すべてが起こる」(DelpechVincent)、「Ce nest pas grand chose/それは大したことじゃない」(DaubisyVincent)などをデュオで歌っている。

1966Chantal Simonと結婚 (2人の男児

1965年5月EP Chez Laurette』:「Chez Laurette」、「Dis-nous pourquoi/何故だか話して」。

1966年LP Inventaire66/66年の総決算』:「Chez Laurette」、「Inventaire 66」、「Je me sens tout petit僕は自分が小さいと感じる」、「L’entrée des artistesアーティストの登場」など10曲収録。

1966年10月Jacques Brelのオランピアにおけるさよなら公演の際、その第1部で歌う。それにより人気が確実なものに 「Brelを通して、2000人観客に待たれているという緊張感を目の当たりにした。そしてステージでは全てを出し切ることを学んだ」。

1967年EPMichel Delpech』:「Il faut regarder les étoiles/星を眺めなければいけない」など。

1969年LP I y a des jours on fait mieux de rester au lit/ベッドに止まっていた方がいい日もある:灰色の日々』でACC大賞。

1969年SPWight is Wight/ワイト イズ ワイト』:「Wight is Wight」(同年イギリスのワイト島での第2回ワイト島フェステイヴァル 

の模様を報道した L’Express誌の記事に強烈な印象を受けて作ったもので、Delpech自身は参加していない。)

1970年代にはヒットに次ぐヒットを出しフランス国内でのレコードの売り上げトップに、またTVの歌謡番組の常連に。ヒット曲の主なものは:「Pour un flirt/青春に乾杯」(71年、フランスの他、ベルギー、ノルウエー、オランダ、ドイツでもヒット。この曲は風俗の変化を歌っている。男の子が女の子に近づくには必ずしも結婚を目的としたものではなくなった。・・君のベッドに行くために何でもするよ・・)、「La vie ,la vie/美しい人生」(71年)、「Que Marianne était jolie/マリアンヌは何と美しかったことか:(邦題)美しきマリアンヌ」(72年)、「Les divorcés/離婚した人たち:(邦題)悲しみの別離」(73年、離婚は当時タブー視されていた。また、この曲が離婚を必ずしも否定的には捉えていないことからスキャンダルになった。フランスで協議離婚が認められたのは75年から)、「Les aveux/告白」(73年)、「La maison est en ruine/哀しみの終わりに」(74年)、「Ce fou de Nicola/パリのロシア人」(74年)、「Le chasseur/狩り」(74年、81年フランスの狩猟者の最も好きな歌手として「Le chasseur Français/フランスの狩猟者」誌のカップを受ける)、「Je l'attendais/愛の出会い」(74年)、「Quand j'étais chnteur/歌手だった頃」(75年、2019年Delpechが過去を回想している・・私は今73歳、Mick Jaggarが最近亡くなった、Sylvie Vartanの引退を祝った。私はもう大分前に止めている。今大事なことが分からなくなった。それでも好きな曲は聞いている、それが楽しみ・・)、「Le Loir-et-Cher/ロワール=エ=シェール」(77年、この地方に住む人々を優しく、多少皮肉っぽく歌ったもので、エコロジーの先駆け。Delpechはヴァカンスをこの地方Duizonの祖父母の許で過ごした)、「Tu me fais planer/夢心地」(76年)など。

1972年1月には3週間のオランピア公演。

1975年Simonと離婚。

1979年アルバム『5000 kilometres』(英米のヒット曲のカバー。フランス語の歌詞はDelpechJean-Michel Rivat):「Trente manières de quitter une fille/女性と別れる30の方法」(Paul Simon 「50 ways to leave your lover」)、「C’est ta chanson/これは君の歌」(Elton JohnYour song」)、「Daniel」(Elton JohnDaniele」)など。

その後1980年代初めに掛けてDelpechは、離婚などが原因となり、鬱状態になり苦悩の時期を過ごす。(この時期については1999年10月刊行自伝「L'homme qui avait bati sa maison sur le able/砂の上に家を作った男」に書いている)。

1984年シングル「Loin d'ici/ここから遠く離れて」で復活。

1985年、83年に知り合った画家 Geneviève Garnier-Fabreと再婚。

1986年アルバム『Oubliez tout ce que je vous ai dit君に言ったことは全て忘れて欲しい』:「Oubliez tout ce que je vous ai dit」、「Avant que mes parents s’en aillent/両親が行ってしまう前に」、「J’peux pas dormir/眠れない」など。

1990年それまでのヒット20曲を収録したコンピレーションアルバム『J’étais un ange/僕は天使だった』、80万枚以上売上げ。

1991年アルバム『Les Voix du Brésilブラジルからの声』:「Les Voix du Brésil」、「Rêve de Gaugui/ゴーギャンの夢」など。

1997年アルバム『Le Roi de rienさえない王』:「Le Roi de rien」、「Sans remords ni regrets/自責の念も後悔もなく」、「Les salauds/ゲスな人々」など。

2000年夫人との共著で小説「De cendres de de braises灰と炭火」を刊行。

2004年7年振りのアルバム『Comme vousあなた方同様』:「Comme vous」、「Fuir au solei/太陽の下に逃げる」、「Cet homme

 seul/この男孤独」、「Petite France/小国フランス」など。

200612月デユオアルバム『Michel Delpeche &.Delpechが過去の自身のヒット曲をデュオで:「Quand j’étais chanteur」(Alain SouchonLe Loir-et-Cher」(Francis Cabrel、「Pour un flirt」(Cali、「Wight is Wight」(Laurent Voulzy、「Le chasseur」(Julien Clerc、「L’amour en wagon-lit」(Clarika)、「Chez Laurette」(Bénabar)、「Trente manières de quitter une fille」(Michel Jonasz)など。

009年1月から8月まで長期ツアー。

2009年6月15日アルバム『Sexa』(=Sexagenaire/60歳代)「60歳代は私にとって、インディアンサマーのように快適そのもの」:「Johnny à Vegas/ジョニー、ラスヴェガスへ」など。

2009年Boris Vian トリビュートアルバム『On n’est pas là pour se faire engueuler』には「J’suis snob/僕はスノッブ」で参加。

2011年3月ユニット「Age tendre et tête de bois」の公演に参加。

2011年8月公開 Christophe Honoré 監督「Les bien-aimés/愛された人々」に出演、Catherine Denouveの夫役で共演。

2012年11月公開映画 Grégory Magne監督 「L’air de rien/何でもない風」に自身の役で出演。・・30年前には人気歌手だった、Depech、今は田舎に引っ込み、借金だらけ、税金も滞納する始末。父親がファンでDelpechの歌を聞いて育った徴税官は差し押さえをする気にならない。そこでもう一度ステージに立たせて再起させる・・

2013年癌に罹っていることを表明、コンサートをキャンセル。

2014年1月1日リリースの幼児向け12曲収録CD付き絵本「Dolly Bibble」にAbrahamの役で登場、「La fin du chemin/道の終わり」(Pierre DelanoëClaude Morgan)を歌っている。

2014年11月21日放送TVFrance 2「Fête de la chanson」に出演、Daniela Lumbrosoとのインタヴユーに答える。

2015年3月19日自伝「Vivre !/生きる!」(Delpechはタイトルの!に固執していた)刊行。

2015年10月CD13枚組158曲収録箱入り全集 『L’Essentiel des albums studio1964-2009』リリース。

2016年1月2日死去

 
 No.1441
2015.12.20
 

№1441 2015.12.20

最近の話題

1.   ジャック・イジュランJacques Higelin、50年のキャリアを祝うコンサート

2. レジーヌRegine、50曲収録のcompilationLes plus belles chansons」リリース及びツアー

3. Mireille Mathieu1120compilastionNoelクリスマス」リリース

4.2015年の「Grands Prix SACEMSACEM大賞」の授賞式

 

1.ジャック・イジュランJacques Higelin、50年のキャリアを祝うコンサート

Jacques Higelinが2015年10月Philharmonie de ParisParc de la ViletteParis19区 2015年1月14日開館)で50年のキャリアを祝うコンサートを行った。50年は必ずしも正確ではなく、俳優としてデビューしたときから数えればもっと長い。

Higelin19401018日パリ郊外パリの西20km、Brou-sur-ChantereineSeine-et-Marne生まれのACI、俳優。15歳で学業を放棄、映画界に。1959年Henri Fabiani監督「Le bonheur pour demain/明日の幸福」で共演したHenri Crolla(1920-1960、ギタリスト、作曲家、俳優)に勧められ、兵役除隊後、映画出演の傍らキャバレで歌い出す。Yves Montandや「le fou cantant/歌う狂人」といわれたCharles Trenetとも同じステージで歌っている。67年にはBrigitte Fontaine(1939-ACI)とのデュオ「Cet enfant que je tavais fait/僕が君に作ってあげた子供」(Fontaine作詞/Higelin作曲)がヒット。71年全曲自作のアルバム「Jacques Crabouif Higelin」を出し詩作と作曲の才を示す。79年アルバム「Champagne pour tout le monde/シャンペンをみんなに」(「Champagne」など収録)、77年アルバム「No Man’s Land」(「Pars/出ていって」など収録)、88年アルバム「Tombé du ciel/空から落ちて」(「Tombé du ciel」など収録)をリリース。挑発的な都会派ロッカーで、そのシャンソンはメデイアから流されることは少なく、ステージ活動が中心。「le nouveau fou chantant/2代目歌う狂人」と言われるが、その由来は:1981年のある日Aix en ProvenceTrenet宅の近くでヴァカンスを過ごしていたらメッセンジャーボーイが「M..Trenetがお目に掛かりたい」との伝言を持ってきた。2人で一日中歌った。その際Trenetが「君は現在のfou chantantだ」と言ったからとも、2001年Trenetの死去に際してAznavourが「彼の後継者はJacques Higelinだ」と語ったとされることからとも。04~05年フランス国内で「Higelin chante Trenet/イジュラン、トレネを歌う」コンサート。05年にはそのライヴアルバム「Higelin enchante Trenet/イジュラン、トレネを魅了」。06年アルバム「Amor Doloroso」。2009年SACEM(作詞家、作曲家、楽譜出版者協会)シャンソンフランセーズ歌手大賞を受賞。10年2月22日アルバム「Coup de foudre/一目惚れ」、2013年4月アルバム「Beau repaire/素晴らしい隠れ家」をリリース。2013年10月にはCD14枚組、142曲収録の全集「Le coffret essentiel」がリリースされている。2014年の第30回Francofolies de La Rochelleに特別ゲストとして出演、Higelinはこのフェスティヴァルの第1回に出演している。 HigelinArtheur H(1966-ACI、2009年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」受賞)、女性歌手Izia(1990-ACI、2010年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」及び「新人ステージ賞」を受賞、12年VdMで「ロック/ポップアルバム賞」を受賞)の父親。父親は今までのところVdMには縁がない。

今回のPhilharmonique a Paris公演では10月24日はBruno Fontaine指揮Orchestre national d’Ile-de- Franceとの共演。オーケストラの長目のイントロの後、黒縁の眼鏡、丈の長い白いYシャツ、短めのネクタイ、黒い上着に、ジーンズのズボン、白いバスケットシューズで、通常バックを務めている4人のミュージシャンとステージ登場した10月18日に75歳になったHigelin。会場は数分にわたるスタンディングオベーション。緊張した様子はなく、まず「Je suis tellement heureux de vous revoir/再び皆さんにお目にかかれ、とても幸福です」。途中でオーケストラの演奏を交えて、2時間に及んだステージで最初に歌ったのはHigelinのクラシックとも言うべき「Tombé du ciel」で演奏時間は5分以上。その後、時には眼鏡は外し、時には「長丁場なので」と椅子に腰掛けて、「Ice dream」、「Adios」、「Mona Lisa Klaxon」(詩的なロックと言われた初期のヒット曲)、「La balade au bord de l’eau/水辺のバラード」、「La rouse au chocolat/チョコレートを持った赤毛の女性」(アコーデオンを演奏しながら)、「Le berceau de la vie/人生の揺りかご」、「Pars」(会場の何人かは手拍子でHigelinに和した)。コンサートの後半にステージに登場したIziaとは「Ballade pour Izia/イジアのためのバラード」(Iziaの誕生直後に作った曲、81年アルバム「Illicite」に収録)、上下真っ赤な衣装で登場したArthur Hとは「Lettre à la petite amie de l’ennemi public №1/社会の敵№1の恋人に当てた手紙」をデュオで歌った。その後「Irradié/放射線を浴びて」、「Un aviateur dans l’ascenseur/エレヴェーターの中の飛行士」(ピアノの弾き語りで)。MCでは:「オーケストラをバックに歌うのは初めての経験。団員の皆さんが『あなたを歓迎します。一緒に演奏できて幸せです』。と言ってくれた。とても嬉しかった。そして3日リハをやりました。私には自身がなかったけれど皆さんが勇気づけてくれました。Brunoはこの夏からアレンジに没頭してくれました。Brunoのアレンジは素晴らし。皆さん本当にありがとう」。オーケストラの「Happy Birthday」の後、最後の曲は「Champagne」。アンコールに答えて「Pars」を、今回は全ての観客が一緒に手拍子で和した。そして歌詞の中で「L’enfant est là, il est avec moi/子供がいる、私と一緒に」と歌われるとAziaArthurも登場して。その後オーケストラのメンバーがステージから引っ込んだ後にも会場を去ろうとしない観客に10分にわたって感謝の挨拶を。

1025日はゲストの人の女性歌手が出演し、祝った。8人はCatherine RingerJeanne CherhalLa Grande SophieL.、Camelia JordanaKatelSandra Nkake。この夜Higelinは「Tombé du ciel」をピアノ伴奏も務めたCherhalとのデュオで歌い、「Pars」はエレキギターで伴奏を務めたLa Grande Sophieとのデュオで歌った。出演者たちは「かつてJacquesは語った・・」とコンサートなどにおけるHigelinの発言を紹介。その中には:「1曲のシャンソンは我々を厄介事から解放してくれる。・・5分間だけ」、「壁を恐れるのは、その前に置き去りにされた人だけ」・・。最後にはゲストの全員がHigelinに「Champagne」を振る舞った。8人女性歌手に囲まれたHigelinは誇りと感動で涙を流さんばかり、「今日から私はこんなにもてたと反っくり返って歩くことにします」。

Higelinはデビュー50年を記念して、Télérama誌のジャーナリストValerie Lehouxと共著の自伝「Je ne vis pas ma vie, je la rêve/私は私の人生を生きてはいない、それを夢みているだけ」Fayard社から10月7日刊行。タイトルは「Parc Montsouris (a mon pere)/モンスーリ公園(父に)」(1988年アルバム「Tombé du ciel」に収録)から。この自伝では主としてHigelinの幼少時代から、1970年代までの下積み時代が語られている。・・私たち兄弟は父のハーモニカを聞きながら眠りについた。Iziaが生まれてから私は彼女のベッドの脇で眠りにつくまでギターを弾いた。アーティストとしての才能を初めて認めてくれたのは小学校の女性の校長先生。ある日校長先生に呼ばれた。同級生たちは私が叱られるものだと思っていた。同級生と遊ぶより、年少者を集めて話を聞かせる方が好きだった私に、舞台に立てばよいと背中を押してくれた。学校からの帰りにはTrenetの曲を歌った、swingが心地よかったから。15歳で卒業してからすぐに「Trois Baudets」のオーディションを受けた。支配人だったJacques Canettiは「10年経ったらまたお出で」。そこで10年後再度訪れた。Canettiは、今度は私がBoris Vianの曲をカバーして歌ったものをレーコディングしてくれた。その後多くの出会いがあった。Henri Crollaはギターを贈ってくれた。Fontaineとの出会いはこうだった。1960年代半ばのある日私はキャバレ「L’Ecluse」の前を歩いていた。店のカーテンの間だからFontaineが歌っているのが見えた。何と彼女が綺麗だったことか。ちょうど私は芝居に共演してくれる女優を探していた。私は店に入り彼女が歌い終わるまで待った。「あなたと一緒に芝居をしたいんですが?」。彼女は64年「Maman, j’ai peur/ママ、私は怖い」に出演してくれた。彼女を通じてAreski Belkacemを知った。それから50年以上の付き合いが続いている。 私は誰かの協力が必要なときには必ず協力してくれる人に出会うことができた。・・

11月1日TVArteHigelinの半生をテーマにしたドキュメンタリー「Ce que le temps a donne à l’homme/時がこの男に与えたもの」を放映。製作したのはSandrine Bonnaire(1967-俳優、映画監督、TVディレクター、脚本家)。BonnaireHigelinの最新アルバム「Beau repaire」で「Duo d’anges heureux/幸福な天使たちのデュオ」を2人で歌っている。Bonnaireはこのドキュメンタリーのためカメラを片手に1年間Higelinを密着取材した。その結果Higelinの激しい、多様な才能を持つ歌手としての側面ばかりでなく、むしろ控えめな、感受性の豊かな一人の男性としての側面をあますところなく紹介するものになった。

Higelinは2016年には新しいアルバムを出す予定。

 

Cet enfant que te t’avais fait」(1969年Fontaineと)

https://www.youtube.com/watch?v=-e8J8HAnvhM

La rouse au chocolat(2015Philharmonie de Paris

https://www.youtube.com/watch?v=tg51SwamhEk

Ballade pour Izia」(2015年Philharmonie de ParisIziaと)

https://www.youtube.com/watch?v=8TaRQGLRl_U

 

2.レジーヌRégine、50曲収録のcompilationLes plus belles chansons」リリース及びツアー     

Régineのヒット曲など50曲を収録したCD3枚組compilationアルバム「Les plus belles chansons/最も美しいシャンソン」が10月30日にリリースされた。Regine、本名Regina Zylberberg、1929年12月26日ベルギー、ブリュッセル首都圏生まれの歌手、俳優、実業家。両親はユダヤ系ポーランド人、32年にParisに。1955年Saint-Germain-des- Présの著名なキャバレ「Whisky a gogo」のDisc-jokeyとしてデビュー。実業家としては1956年パリ6区に最初のナイトクラブ「Chez Regine」、61年Montparnasseに「New Jimm’s」を出してから、78年NYRegine’s」(Tina Turnerが出演)。最盛期には、NY、マイアミ、モンテ カルロ、サン トロペなどに22のナイトクラブを経営、「Reine de la nuit/夜の女王」と呼ばれていた。歌手としては、60代初めにRégineの経営するキャバレの常連だったRenée Lebas(1917-2009、歌手)の勧めで歌うように。デビュー当時の歌手RégineにはCharles AznavourHenri SalvadorSerge GainsbourgFrédéric BottonBarbaraFrançoise Saganらが詩や曲を提供した。64年最初のSPをリリース、これには「Nounours/テディーベアー」(Jacques Mareuil作詞/Aznavour作曲)、「Oublie-moi/私を忘れて下さい」(Bernard Michel作詞/Salvador作曲)などが収められている。そしてレコードの裏面には「souhaiten, bonne chance à REGINE/レジーヌの幸運を祈ります」の寄せ書きがありこれには、AznavourSalvadorMaurice ChevallierJuliette GrécoSaganらの名が見える。1967年最初のLPアルバムには「Les p’tits papiers/紙切れ」(Gainsbourg作詞/作曲)、「La Grande Zoa/大きなゾア」、「Pourquoi un pyjama?/なぜパジャマを?」(Gainsbourg作詞/作曲)などが収録されている。68年のParis のOlympia劇場出演の際にはアンコールが17回あったと言われている。69年NY Carnegie Hallに出演。93年までに9枚のアルバムを出している。Régineは、1990年代末から順次持っていたキャバレを処分、2003年12月に最後の1軒を売却、実業界から引退。2003年2月には20年振りとなるアルバム「Made in Paname/パリ製」をリリース。これにはRenaudに提供された「Je viens danser/私は踊りに来た」、Marc Lavoineに提供された「Il y a un pont/一つの橋がある」、「Le quotidian/日常生活」、「Va prendre des cours chez Dupont/デュポンさんの授業に出なさい」などが収録されている。

2009年にはデュオアルバム「Régines Duets」をリリース。これには自身の過去のヒット曲を人気歌手とデュオでカバーした15曲が収録されている。それらは:「Les ptits papiers」(Jane Birkinと)、「La Grande Zoa」(Didier Wampasと)、「J’ai toujours porte   onheur aux hommes/私はいつも男性に幸福を持ってきた」(Boy Georgeと)、「L’emmerdeuse/厄介女」(Bernard Lavilliersと)、「Je viens danser/私は踊りに来た」(Caliと)、「Les lumieres de Belleville/ベルヴィルの光」(La Grande Sophieと)、「My Yiddish Mome」(Fanny Ardantと)など。

今回のLes plus belles chansons/最も美しいシャンソン」には上記のヒット曲の多く及び未発表1曲が収録されている。未発表曲はFelix Gray(1958-ACI)作詞/作曲の「De ma p’tit poule à mademoiselle/可愛い子ちゃんからマドモワゼルに」。曲は2005年に作られたもの、今回「Les plus belles chansons」に収録するためスタジオ録音された。

Regineは11月18日自伝「Mes nuitsmes rencontres/私の夜、私の出会い」を出版。Henry-Jean Servat(1949-作家、ジャーナリスト)とのインタヴューで構成されている。そしてParisについてから最初のナイトクラブを出すまで試練、ショービズの世界での確執、あらゆる方面の多くの名士や市井人々との出会いについて語っている。11月25日TVFrance2、13時のニュース「最後の5分」に登場したRegineは、キャスターElise Lucetの質問に次のように答えている・・私は伝説的なGene Kelly(アメリカ1912-1996 俳優、ダンサー、「雨に唄えば」、「巴里のアメリカ人」など)にダンスに招待されたことがある。それも3ヶ月間毎夜。若い頃彼のミュージカルを全部見ていた私にはどんなに嬉しかったか想像できないでしょう。 私にとって最も素晴らしい出会い、それはSimone Veil(1927-政治家、文筆家 2010年からAcadémie Française会員)との出会い。彼女は私が心底敬愛できる素晴らしい女性。彼女はとても美しかった、外見も内面も。それに彼女がやって来たことは桁外れにすごい。でも夏にSaint-Tropezなどで会うと少女のよう・・

更に今年のシャンソンフランセーズのビッグニュースがもう一つ。Régineが2015年11月から2016年7月まで国内ツアー「La Grande Zoa en tournée」を行うというもの。「85歳の私は、今フランス国内を回って皆さんにお会いできることを嬉しく思っている。これまで私は自分の店のために世界中を回って来た。だけど国内で皆様の前で歌うという機会はほとんどなかった。だから今度のツアーは最初のランデ・ヴー。私の情熱の対象はいつもシャンソンだった。ツアーは1969年にGilbert Bécaudとやってから46年振り。30回余りの公演を予定している。バックのアコーデオン、ベースを含め7人。1993年にParisBouffes du Nordで行ったコンサートの雰囲気で、ファンの皆さんが思い出を持っているような曲を中心に歌う。曲にまつわる逸話なども紹介して。 そうすぐ幕が上がります・・」。ツアーの日程は現在のところ、2015年11月15日Montpellierから2016年4月9日Bordeauxまでが発表されていて、Paris登場は2016年2月14日 Folies Bergère

11月15日MontpeppierLe Corumホール での公演はパリテロ事件から2日後。「私にとってコンサートを中止するなんてことは問題外だった。こんな時こそ歌うことが大事。私はステージに立った。そして来てくれた観客に拍手を送った」。コンサートの最後には観客の一部がステージの上がりRegineと一緒に「Je survivrai/私は生き続ける」(Régineの1979年ヒット。Gloria Gaynorの「I will survive」の翻案)を歌った。

 

Les p’tits papiers」1967年

https://www.youtube.com/watch?v=VdlbYFd-WNc

La Grande Zoa en tournee」のteaser

https://www.youtube.com/watch?v=DTHdvy-JEto

 

Je survivrai」(2015年11月15日Montpellierで)

https://www.youtube.com/watch?v=5M8NXQwg7cQ

 

 

3.Mireille Mathieu1120compilastionNoëlクリスマス」リリース

ミレイユ・マチューMireille Mathieu1120compilationアルバム「Noëlクリスマス」をリリース。「La Demoiselle d’Avignon/アヴィニョンのお嬢」と言われているMathieuは1946年Avignon生まれ、64年地元で行われたのど自慢でEdith Piafの「La vie en rose/バラ色の人生」を歌って優勝。65年11月TV初出演の際には同じくPiafの「Jezebel」を歌ったことなどから「Nouvelle Piaf/ピアフ2世」と呼ばれるように。2012年10月にはPiafのヒット14曲をカバーしたアルバム「Mathieu chante Piaf/マチュー、ピアフを歌う」を出している。2014年にはデビュー50周年を記念して、①10月6日60曲収録のCD3枚組アルバム「Best ofUne vie d’amour/愛ある人生」をリリース。これには過去のヒット曲の他、自身が初めて作詞・作曲した「Prends le temps/ゆっくりと時間を掛けて下さい」なども収められている。②フランス国内各地、ベルギー、スイス、ドイツを回る「デビュー50周年ツアー」を行い、10月25~26日にはParis Olympiaに出演。  Mathieuは50年のキャリアの間に1200曲以上を11カ国語で歌い、アルバムを13500万枚以上売り上げていて、シャンソンフランセーズを代表する国際的女性歌手。

今回のアルバム「Noël」は代表的なクリスマスソング18曲を収録している。その目玉はTino Rossi(1907-1983 歌手・俳優)とのデュオで歌った「Petit Papa Noël/プティ パパ ノエル:サンタのおじさん」が収録されていること。「Petit Papa Noël」はRaymond Vincy(1904-1968)作詞、Henri Martinet(1905-1985)が作曲、ルフラン部分はロシアの作曲家Dmitro Bortnianskiの曲に想を得たと言われている。Tino Rossiが1946年公開のRichard Pottier監督映画「Destins/運命」の中で歌ったもので、同年この映画の中で歌われた「Petit Papa Noêl」と「Destin」は78回転SPレコードでリリースされている。 今回のアルバムに収録されているのは1979年TVMarie et Gilbert Carpentier製作の番組のためにStudios Davoutで録音したもの。「Monsieur Tino Rossiとデュオで歌うことは名誉なことでもあり、大きなプレゼントだった。今までレコードとして発表されたことはなかった。それをファンの皆さんに聞いていただきたいと思い、Tinoの遺児でLaurent(1948-2015.8、歌手、作曲家、作家)の同意を生前に得て収めることにした。Laurentもようやくこの曲がレコード化されることを喜んでいた。私はTino Rossiの曲を子守歌のように聞いて育った。子供の頃長い間Père NoëlTino Rossiのことだと思っていた」。

アルバムに収められているのは他に:「Petit Papa NoëlMathieuのソロヴァージョン、「La colombe de Noël/クリスマスの鳩」(これも未発表曲でMendelssohnの曲にClaude Lemesleが詞を付けたもので、MathieuSeine-St-DenisBondyの少年少女合唱団と歌っている)、「Noël blanc/ホワイト クリスマス」、「Douce nuit/清しこの夜」、「Stille nacht/清しこの夜:ドイツ語ヴァージョン」、「Il est né le divin enfant/御子は生まれ給いし」、「Un million d’enfants/百万人の子供たち」、「Les enfants de Noël/クリスマスの子供たち」、「La cambo mi faou」(Provence地方に伝わるクリスマスソング、プロヴァンス語で歌っている)、「Mon beau sapin/もみの木」、「Vive le vent/ジングルベル」、「Noël d’Aubervilliers/オーベルヴィリエのクリスマス」(AubervilliersParisの北東方に隣接する町、Bernard Dimey作詞/Francis Lai作曲Mathieu自身のヒット曲1968年)、「Les anges dans nos campagnes/天使たちは我が野に」(Gloria in Excelsis deo)など。

11月13日に起こったParisのテロ事件については・・恐ろしいこと。私がデビューした頃に比べたら世界は大きく変わってしまった。でもこれからも生き続け、愛し続け、歌い続けることが大事。Rene Clement監督の映画『Paris brûle-t-il?/パリは燃えているか』の主題歌で私が歌っている「Paris en colère/パリは怒っている」に歌われているようにParisでは生きること、自由に生きることが人々の願い なのだから・・

 

Petit Papa Noël1979年 Tino Rossi

https://www.youtube.com/watch?v=mTvFe6_yf9g

・・クリスマスの夜、雪は白いマントを広げている、眠りにつく前に、子供たちは跪いて、天上を見上げながら、最後のお願いをする。「プティ パパ ノエル、あなたが沢山のおもちゃを持って、空からおりてくる時に、僕の小さな靴を見落とさないで。出かける前にはしっかり着込んで、外はとても寒いから。僕は日が昇るのが待ち遠しい、僕があなたにお願いしておいたすてきなおもちゃを持ってきてくれたかどうか見たいから」。 砂売り男が通った後、子供たちは眠りにつく、そうしたらあなたは始めることができる、袋を肩に、教会の鐘に合わせて、びっくりなプレゼントの配達を。 「あなたがきれいな雲に乗ったらまず僕たちの家へやって来て。僕は毎日良い子と言うわけではなかったけれど、それはご免なさい」。「プティ パパ ノエル、あなたが沢山のおもちゃを持って、空からおりてくる時に、僕の小さな靴を見落とさないで」・・

Noël d’Aubervilliers

https://www.youtube.com/watch?v=4FzwqLvk_5c

 

4.2015年の「Grands Prix SACEMSACEM大賞」の授賞式

2015年の「Grands Prix SACEMSACEM大賞」の授賞式が1130ParisFolies Bergereで行われた。SACEMSociete des auteurs, compositeurs et editeurs de musique/作詞家、作曲家、楽譜出版者協会)は1851年に設立された、音楽関係の著作権の管理などを行う協会。2015年の授与式の司会はHelena NouguerraBruxelles1969-俳優、歌手、作家)、主な受賞者は次の通り:

Prix spedial de la SACEMSACEM特別賞:Veronique Sanson

ヴェロニク・サンソンVeronique Sanson(1949.4-Paris郊外 Boulogne- Billancourt生まれ、ACI) は、1966年夏、姉、友人のFrançoisBernheim後にPatricia Kaasの「Mon mec à moiモン メック ア モワ」などの作曲者にとともにグループ「LesRocheMartinレ ロッシュ マルタン」を結成。67年4月Pathé-Marconi社から、同社のアートディレクターであったMichel Berger(1947-92)のプロデュースでEPLes Roche Martin」を出す。68年bacに失敗後、音楽に専心することを決意、Pathé社付きの作詞・作曲家として他の歌手に曲を提供。ACIとして69年最初のEPLeprintempsestlà/春がそこに」を出す。当時は数百枚売れた程度だったが、専門家は彼女に注目。72年3月公私ともにパートナーとなっていたMichelBergerのプロデユースで「Amoreuse/恋する女」、「Besoindepersonne/誰も必要としない」などを収録したファーストアルバムLPVéronique Sanson」をリリース。LPは好評裏に迎えられ20万枚以上の売り上げ。72年12月「Une nuit sur son èpaule/一晩彼の肩で」、「Toute seule/ただ一人」などを収録したセカンドアルバム「De l’autre côté de mon rêve/私に夢の反対側」をリリース。Sansonは73年Bergerと別れ、アメリカ人ミュージシャン、ロック歌手StephanStillsと渡米し、73年3月14日結婚(79年離婚)。74年長男Christopher誕生。83年フランスに帰国。アメリカ滞在の間にも次のアルバムをリリースしている:74年「LeMaudit/呪われた人:悲しみの詩」、76年「Vancouver/ヴァンクーヴァー」(ロンドンで録音)、77年「Hallywood」、79年「7ème/7番目の」、81年「Laisse-la vivre/彼女を生きさせて」。1974年10月7日及び9日にはParis Olympia にVedetteとして初出演。 また、1976年6月27日第5回東京音楽祭にフランス代表として出場「Une maison après la mienne/思い出のメゾン」(Violaine作詞作曲)を歌い銀賞。帰仏後も、定期的にアルバムをリリース:85年「Véronique Sanson」、88年「Moilevenin/私、憎悪」、92年「Sansregrets/後悔なし」、98年「Indestructible/破壊できない」、99年「D'unpapillonàuneétoile/一匹の蝶から一つの星へ」(Bergerの曲を歌っているアルバム)、2004年「LongueDistance/長い距離」2008年には全集「Et voilaIntégrale 1967-2007」(CD22枚420曲収録、DVD4枚、全歌詞収録したブクレット付き)2010年10月最新のアルバム「Plusieurslunes/いくつもの月」。2015年2月2日コンピレーション「Les années americaines/アメリカの時代」はアメリカ滞在時にリリースされたアルバムからの16曲を収録。Sanson1991年それまでの作品を対象にSACEMGrand Prix受賞している。また、VdMでは1993年及び1996年女性歌手賞(22013年特別賞を受賞している。

今回特別賞を授与したのはPierre Palmade(1968- ユーモリスト、俳優)。PalmadeSansonの前夫、1995年結婚、2004年離婚、離婚後も友人。式には長男のChristopherが出席、Sansonは「Drole de vie/奇妙な人生」をピアノの弾き語りで歌った。

Sanson2015年2月から「Les annees americaines」ツアーを行っていて、2月と4月には都合13日間Olympiaに出演、10月9、10日Palais des Sportsに出演、12月にはOrleansRennesなどを回り、2016年1月9日には再度Olympiaに登場。

https://www.youtube.com/watch?v=CbL8eFYHa6Y

 

Grand Prix de la chanson francaise, createur-interpreteシャンソンフランセーズ、クリエーター・歌手大賞Alain Chamfort

アラン・シャンフォールAlain Chamfort(1949年-パリ生まれ、歌手・作曲家)№1422。授与したのはEtienne Daho(1956-ACI)、DahoChamfort同様シャンソンフランセーズのDandyと言われていて、2013年にはこの賞を受けている。

https://www.youtube.com/watch?v=W3F2J2VZrgQ

 

Grand Prix de la chanson francaise,auteur-compositeur/シャンソンフランセーズ、作詞・作曲家大賞:Alice Dona

アリス・ドナ Alice Dona1946.2- 歌手、作曲家 パリ郊外Maison-Alfort生まれ、本名AliceDonadel

Donaは幼少の頃からピアノを習い、60年代初めにTVBecaudがを歌うのを見て歌手を志す。オーケストラの一員として14歳から歌い出し、その後15歳で学業を放棄、61年MireilleConservatoireに入る。Mireilleは彼女の才能を認め自分で曲を作るように勧める。1963年に最初のレコードから65年の間に11枚の45回転を出し、Leny Escudeの前座でOlympiaに出演。65年結婚、67年長女が誕生し、歌手生活を休止。その後70年代には他の歌手、Joe DassinRegineMireilleMathieuEnricoMaciasDalidaTables separees/それぞれのテーブル」)、SylvieVartanなどに曲を提供。最も協力したのはSerge Lamaで「L'enfant d'un autre/他人の子供」、「Chez moi/僕の家へ」、「L'Argerie/アルジェリア」、そして最大のヒット「Je suis malade/灰色の途」。76年からLamaの勧めで再び歌う。86年までに8枚のアルバムを出す。78年Olympiavedetteとして初出演の際には「Becaudが有名な彼の青いピアノを貸してくれた」。その後歌謡学院「Les Atliers Alice Dona Studio Alice Dona」を設立、若手歌手の養成に当たっている。スペクタクルを上演。99年新しいアルバム「Couleurs de l'ombre」、2002年Theatre de Dix heurs公演とアルバム「Merci beaucoup Monsieur Becaud」。04年デビュー40周年をOlympiaで。06年には劇場劇に出演。1022曲収録「Les plus grands succes」。11年2月回顧録「Quelques cerises sur mon gateau/ケーキの上のいくつかの桜んぼ」を出版、PiafClocloLamaDalidaGirardotJeanSebergBecaudBarbara,Brassensなどとの思い出を語っている。13年3月カバーアルバム「Mes petites madeleines/私の小さなマドレーヌ」をリリース。これにはDonaに音楽の道に進もうとする気持ちを起こさせた曲、「Le carrosse/四輪馬車」(Yves Montand)、「La chansonette/ラ チャンソネット」(Montand)、「Un jour tu verras/いつの日か」(Mouloudji)などが収められている。

Donaには作詞家Claude Lemesle(1945- Joe Dassinの「Salut des amoureux」、Gilbert Becaudの「Desiree」など作詞)が授与、Donaは「Je suis malade」をピアノの弾き語りで歌った。

https://www.youtube.com/watch?v=4NTiHRpDj_U

 

Prix Rolf MarbotRolf Marbot年間最優秀シャンソン賞):Christine and The Queensの「Christineクリスティーヌ」

クリスティヌ アンド ザ クイーンズChristine and The Queens(1988.6-Nantes生まれのACIはその名が示しているところとは異なり、構成員は女性歌手Christineのみ。Christine、本名Heloise LetissierLyonEcole normale superieureで演劇を学んだ後、2010年からChristine and The Queens として音楽活動を開始。当初はステージに立つChristineの周囲に置かれたコンピュータから出る音をバックにフランス語と英語の歌詞をモザイクのように歌うというパフォーマンス。2012年、フェスティヴァルPrintemps de Bourgesで最優秀新人賞に次ぐ「推奨賞」を受賞、Francofolies de la Rochelleでは最優秀新人賞である「最初のフランコ」賞を受賞、2014年のVdMでは「新人ステージ賞」にノミネートされた(受賞はしなかった)。ステージではマイケル・ジャクソンばりのジェスチャーを見せる。14年6月リリースのファーストアルバム「Chaleur humaine/人の温かさ」は好評で、リリースの週にアルバムチャートの6位に初登場、2015年1月19日の週には最高の4位になるなどしており、17万枚以上売り上げたとの報道もある。Christine and The Queensは2015年のVdMでは、5つの部門にノミネートされ「女性歌手賞」と「ヴィデオクリップ賞」2つの部門でvictoireを受けている。「Christine」は「Chaleur humaine」から14年11月にシングルカットされた。

この賞に関してはChristine and The Queensに代わって、「Christine」の共同作詩者であるJessi Lumbroso及びMichel Duvalが受賞。授与者はDidier Varrod(SACEMの理事)

https://www.youtube.com/watch?v=qv0Qvga5Um4

 

Prix Francis LemarqueFrancis Lemarque賞(最優秀新人賞):Vianney

ヴィアネイVianney (1991.2-Pau生まれのACI)、本名Vianney Bureau は音楽好きな両親のもとで、12歳で最初のシャンソンを作った。2014年Ecole superieure des arts et techniques de la mode/高等モード学校卒業後、ACIとしての才能を認めたプロデューサーの協力により、10月「Pas là/そこにいない」、「Aux debutants de l’amour/恋の初心者たちに」など12曲を収録したファーストアルバム「Idee blanche/実効のない考え」をリリース。その後Florent Pagnyの「Vieillir ensemble/共に老いる」ツアーに30日間同道、あるいはJulien ClercJohnny Hallydayなどの前座で歌う。15年VdMの新人アルバム賞にノミネートされた。15年に入ってからフランス国内、ベルギー、スイス、ルクセンブルグを回るツーを行っている。1月28日にはParisCafe de la danse、6月4日Le Trianon、12月1日のLa Cigale に出演、今後Paris登場は2016年5月10日のOlympiaの予定。

VianneyPrix Francis Lemarqueを授与したのはMaxime Le Forestier(1949-ACI)。

https://www.youtube.com/watch?v=cZBjnSlOOKk

Vianneyは受賞の翌日12月1日Paris La Cigaleに出演。「Pas la」など持ち歌を歌った。ステージには、ラジオ番組などでVianneyとの共演を希望していると語っていたLouane(1996-歌手、俳優)が登場、デュオでLouaneのヒット曲「Jour 1/1日前」を歌う。ここで更に、Le Forestierが登場、トリオでLe Forestierのヒット曲「Education sentimentale/感情教育」をカバー、Le Forestierはギターの弾き語り。

https://www.youtube.com/watch?v=elzDyW5-H7Q

 

今回の受賞者は他に:

Grand Prix des musiques du monde/ワールドミュージック大賞:

  Magic SystemA’salfoら4人のコート・ディヴォワール出身のミュージシャンが1997年に結成したグループ)

Grand Prix des musiques electroniques/エレキ音楽大賞:

  Bob Sinclar(1969.5-Paris北近郊生まれ、DJ、ミュージシャン、プロデューサー)

 

 

 
 No.1440
2015.11.30
   

№1440  2015.11.30

10月にリリースされた、下記8人の新譜情報を、それぞれの経歴と共にお送りします。

Natacha St-Pier、 
Amaury Vassili
Famille Chedid、 
Grand Corps Malade
William Sheller
、 
Kendji
Zazie
 
Eddy Mitchell

 

1.ナターシャ・サン=ピエールNatacha St.Pierが10月2日にリリースしたアルバムは「Mon Acadie/私のアカディー」。

St-Pier1981年 Canada Nouvelle-Brunswick州生まれ、Acadienカナダ南東部のかつてのフランス植民地、アカディア地方出身の歌手。幼少の頃からピアノ、バレーを習い、93年には地元テレビ局ののど自慢番組で最も若い決勝進出者になりQuéecでは有名に。14歳で最初のアルバム「Emergence/突然の出現」をQuébecでリリース。99年ミュージカル「Notre-Dame de Paris」のQuébecとロンドン公演にFleur-de-Lys役で出演。01年コペンハーゲンで行われたEurovisionのフランス代表に選ばれ4位に。03年Pascal Obispoに提供された曲(「Tu trouveras/あなたはきっと分かる」など)を中心にしたアルバム「De l'amour le mieux/最高の愛を」をリリース、フランス語圏諸国のほか、ポーランド、ロシア、ラテンアメリカ諸国でも好評。02年9月にはvedetteしてOlympiaに出演、03年VdM新人賞。03年のアルバム「L'instantd'après/直ぐ後」50万枚以上売り上げ、06年アルバム「Longueur d'ondes/波長」、08年アルバム「NatashaSt-Pier」をリリース。前作2013年リリースのアルバム「Thérèse, vivre damour/テレーズ、愛に生きる」は、SainteThérèse de Lisieux/リジューの聖女テレーズの詩にGrégoire(1979-ACI)が作曲した曲を、St.Pierを中心に、Anggunらと歌ったもの。Les Enfoirésの主要メンバーでもあり、03年から毎年出演している。

Mon Acadie」では主としてSt.-Pierの出身地の音楽を歌っている。「フランスでは、フランス語で歌うカナダ出身の歌手はQuébec出身だと思われている。でも私はQéebecoiseではない。Acadienが多いNouvelle-Brunswick州の出身。Acadienはフランス系であることを誇りに思っている。私は前からAcadieに伝わる曲を歌いたいと思っていた。NolwennLeroy)がBretagneに伝われ曲を歌って成功したことが[Nolwenn Leroyの2010年のアルバム「Bretonne」はミリオンセラー]が良い切っ掛けになった。Nolwennありがとう!」。アルバムではSt.-Pierはソロで歌っているほか、Roch VoisineCanadaNouvelle-Brunswick州、1963-ACI)、Michel FugainGrenoble、1942-ACI)、Tny Carreira(Portugal、1963-歌手)Grégoire、あるいはAcadieで活躍している人気歌手Edith ButlerDanny BoudreauKit Goguenらとのデュオで、フランス語で、Acadie地方の言語で歌っている。伴奏にはAcadie地方の伝統的な楽器であるフィドル、ハーモニカ、バンジョー、cuillere(スプーン状の楽器)、クラケット、アコーデオンなどが使われている。収められているのは:「Tous les Acadiens/アカディー人は皆」(ソロ)、「Travailler c’est trop dur/働くのは辛い事」(dito)、「Ani couri/(アメリカ原住民の祈りの言葉)」(dito)、「Evangeline/エヴァジェリヌ(Acadieに伝わる昔話)」(dito)、「Cap Enrage/アンラジェ(狂犬病にかかった、狂乱の)岬」(Nouvelle-Brunswick州にある住人数100人の岬、Voisineとのデュオで)、「Le mal de pays/ホームシック」(Carreiraと)、「La bastringue/ダンスホール」(Fugainと)、「Marie Caisseie/マリー ケッシー(Acadie地方のオーデー」(Edith Butlerと)、「La tempète/嵐」(Grégoireと)など。

Tous les Acadienshttps://www.youtube.com/watch?v=T-TBh5qelxY

 

2.アモリ・ヴァッシリAmaury Vassiliが10月16日にリリースしたアルバムは「Chansons populaires/人気のあるシャンソン」。Vassiliは1989年Rouen生まれのテノール歌手。9歳で地元のミュージカル学校に入る。各地の歌謡コンクールで優勝。05年Richard Crossの歌謡学校に入学。TV出演やDavid HallydayHélène Ségaraなどの前座で歌う。09年3月19歳でファーストアルバム「Vincero」をリリース。「Parla piu piano」(映画「Le Parrain/ゴッドファーザー」から)、「Who want to live forever」(Queenのカバー)、「Hallelijah」(Leonard Cohenのカバー)など12曲を収めたこのアルバムは20万枚以上売上げ、一躍人気歌手に。10年11月にはセカンドアルバム「Cantero」をリリース。これには「Sognu」、「Maria」、「Caruso/カルーソー」、「Con te partiro」、「Les moulins de mon cœur/風に囁き」などが収められている。11年には3月パリPOPBで行われたユーロッパ室内陸上選手権の開会式には「La Marseillaise/ラ マルセイエーズ」を歌う。また、イギリス人歌手Katherine Jenkinsのアルバム「Believe」(2010年)で「Endless love」をデュオで歌い国際的にも知られるように。2011年第56回Eurovisionのフランス代表に選ばれ、5月14日デュッセルドルフで行われた決勝で「SognuJe rêve/僕は夢みる:邦題:ドリーム」をコルシカ語で歌い、25人中15位。12年10月には3枚目のアルバム「Una parte di me」をリリース、これにはクラッシクの名曲にVassiliDaniel MoyneDavide Espositoの協力を得てイタリア語の詩を付け、Quentin Bacheletが編曲した、「Pensiero mio」、「I silenzi tra noi」、「Con te」、「Una parte di me」、「Siamo il futuro noi」など13曲が収められている。Vassiliは、Eurovusion出演時の映像を見てファンになったという葉加瀬太郎の協力を得て2013年5月15日セカンドアルバム「Cantero」の日本語版「Cantero Japan edition」をリリースして、日本デビュー。13年5月、初来日。 2014年4月の2度目の来日ではNHKの「あさイチ」に出演している。 2014年10月にはMike Brant(1947-1975 歌手)の没後40年記念のトリビュートアルバム「Amaury Vassili chnte Mike Brant」をリリース。Brantのヒット曲「Qui saura/誰が知ろうか」、「Laisse moi t’aimer/君を愛させて」、「Rien qu’une larme/たった一つの涙」などをカバーで18万枚の売上げ。

今回の「Chansons populaires」も過去の、60、70、80年代ヒット曲のカバーで、現在では忘れられている曲も。生来の美声に深さが加わった、あるいはどんな曲でも歌える能力を示したとの評価も。収められているのは次の13曲:

Il est mort le solei/太陽が消えた朝」(1968年Nicolettaのヒット。James Bond映画のクレジット音楽のように激しく歌っている)、「Une histoire d’amour/ある恋の物語」(1958年Dalidaのヒット。 恋人に語りかけるような優しい声で歌っている)、

J’ai encore rêvé d’elle/僕はずっと彼女を夢みている」( 1975年グループIl était une foisのヒット。ベルギー出身の新人女性歌手Barbara Opsomerとのデュオで)

On l’appelait solitaire/人はそれを孤独と呼んでいた」(1972年Nile Sedakaの「Solitaire」が原曲。Pierre Delanoëのよるフランス語の歌詞でNana Mouskouriが歌ってヒット)

Ce monde/この世界」(1964年Richard Anthonyのヒット)

Lady Marene」(1977年Daniel Balaboineのヒット)

Les bleus au cœur/心の中の青」(1977年Patrick Juvetのヒット)

Louise/ルイーズ」(1982年Gérard Beriniertube d’été/夏のヒット)

Il a neigé sur yesterdayyesterdayの上に雪が降った」(1977年Marie Laforêteのヒット)

「17 ans/17歳」(1975年Claude Françoisのヒット)

Faut pas pleurer comme ça/そんな風に泣いてはだめ」(1973年Daniel Guichardのヒット)

Le lac Majeur/マジュール湖」(1972年Mort Shumanのヒット)

Je n’aurai pas le temps/僕には時間がないだろう」(1970年Michel Fugainのヒット)

 Vassiliは11月22日Paris  Zénithに出演の予定

J’ai  encore rêvé d’elle」 https://www.youtube.com/watch?v=r8ad0itQhHg

 

3.シャディッド・ファミリーFamille Chedidが10月23日にリリースしたアルバムは「Famille Chedid」。Famille Chedidは父親のルイ・シャディッドLouis Chedid、長男のM、次男のジョゼフ・シャディッドJoséph Chedid 及び次女アンナ・シャディッドAnna Chedidで構成されている。

Louis Chedid:1948年エジプト、Ismailiaイスマイリア生まれのACI。 父は著名な生物学者、母は作家Andrée Chedid。生後6ヶ月でフランスに。子供の頃は木の十字架合唱団に。Bac獲得の後ベルギーで映画を学び、帰国後映画製作会社Gaumontの編集主任に。デモテープを送ったBerclayに認められ73年最初のアルバム「Balbutiements/口籠もり」をリリース。77年「T'as beau pas être beau/君は美男子でなくて良かった」で注目される。81年の「Ainsi soit-il/かくあれかし」はヒットパレードのトップに、それにより82年オランピアにvedetteとして初出演し、長期の国内ツアーを行った。85年の右翼の台頭を告発した「Anne ma sœur /我が姉アンネ」(Anne Franckを歌っている)。その後も定期的にアルバムをリリース。2006年にはMParadisCherhalCabrelSouchonらが出演したミュージカル「Le soldat rose/ピンクの兵士」の作曲を担当(作詞はPierre-Dominique Burgaud)。2013年11月20日には40年のキャリアを記念してCD17枚からなる「L‘intégral/全集」を出している。また同月16枚目のアルバムで、「Scoop」など16曲を収めた「Deux fois linfini/無限大∞ X 2」(16枚目のアルバムで8X2から)をリリース。4人の子供、長女Emilie(1970-)は音楽プロデューサー、DVDclipの製作者。

・Mは本名マテュー・シェディッドMatthieu ChedidLouis Chedidの長男、1971年パリ郊外Boulogne-Billancourt生まれのACI、ギター他多楽器演。14、5歳からギタリストとして、グループで活動。その後Mをステージ名にしてソロに転じ、97年ファーストアルバム「Le Baptème/洗礼」。2000年アルバム「Je dis aime」をリリース。アルバムに収められた同じタイトルの曲「Je dis aime:ジュ ディ エム/僕は愛しているという:僕はMという」の詩は祖母が30分で書いて提供してくれた。人形のように丸々した体躯、ステージではMの文字をかたどった奇抜な髪型、ギターを弾きながら甲高い声で歌いたちまち人気に。このアルバムによりVdMの男性歌手賞とコンサート賞受賞。03年秋に出したアルバム「Qui de nous/我々のうち誰が」により05年のVdMでは男性歌手賞(2度目)、アルバム賞など4賞を受賞。07年のVanessa Paradisのアルバム「Divinidylle/純愛」には作曲、伴奏、プロデューサーとして協力、アルバムは08年VMでシャンソンアルバム賞受賞。09年にはアルバム「Mister Mystere」をリリース。10年6月に行ったヴェルサイユ宮殿、ネプチューンの泉でのコンサートで11年VdMのコンサート・ツアー賞を受賞している。11年のJohnny Hallydayのアルバム「Jamais seul/決して一人じゃない」にも作詞・作曲、伴奏、プロデュースで協力している。また同年アニメ映画「Un mostre à Paris/パリの怪物」で声の出演、共演のVanessa Paradisと新しく作詞作曲した主題歌「La Seine/ラ セーヌ」をデュオで歌っている。12年リリースの6枚目のスタジオ録音アルバムの「Îl」[タイトルの意味は不明:「Île」ならば「島」で、「Il」ならば「彼」]は新聞紙上などの評価は良く、5つ星を与えているものも多かった。アルバムは「Elle/彼女」、「Le film/映画」、「Mojo/モジョ」、「Laisse aller/なるがままにまかせよ」、「Faites-moi souffrir/僕を苦しめて」、「Machine/機械」、「La vie tue/人生は人を疲労困憊させる」、「Océan/大洋」など12曲収録。

Joséph ChedidLouis Chedidの次男、1986年生まれのACI、ギタリスト、多楽器奏者。10歳でギターを兄Mに贈られ、そのラボで習う。Mathieu BoogaertsArthue Hの伴奏を務めた後、ベースのElise BlanchardらとグーループSelimを結成、2014年3月Mの前座でParis Olympiaに出演。2014年10月にはアルバム「Maison Rock」を出している。Joséphはまた、MAnnaの伴奏ギタリストとしても活動している。

Anna ChedidLouis Chedidの次女、1987年生まれのACI、多楽器奏者。8歳で詩人の祖母に万年筆と手帳を与えられて、それに詩を書き後年曲を付けた。Mのステージやアルバムにバックコーラスを務めた。18歳で最初の曲を作り歌手の道に。2009年に最初のシングル「Cœur de pierre/石の心臓」をリリース、2013年にはThomas Dutroncの前座でParis Olympiaに出演している。15年4月ファーストアルバム「Nach」(Anna Chedid 名の最後2文字、姓の最初2文字から)をリリース。

Famille Chedidは2013年MParis Bercyコンサートの際他の3人がゲストとしてステージに登場、4人で演奏し歌った。それが好評だったことから4人によるコンサートが計画され、2015年5月20~25日、6月1、2日にはOlympiaで、その後各地のフェスティヴァルに出演、9月にはFête de l‘Humaにも出演している。

・アルバム「Famille Chedid」は主としてChedidi家の4人がそれぞれソロで歌いヒットした曲を4人でカバーしたもので、20曲収録(他に33曲収録のデッラクス版)。収録されている主な曲は:「Ce qu’ils deviennent/彼らの将来」(Nach)、「Tu peux compter sur moi/君は僕を信頼できる」(Louis)、「Paranoïa/パラノイア」(Joséphe)、「Egoman/エゴマン」(Louis)、「Mojo/モジョ」(M)、「Je suis moi/私は私」(Nach)、「T’as beau pas être beau」(Luois)、「Le batème/洗礼」(M)、「Comme un seul homme/孤独な男のように」(M)、「L’amour éternal/永遠の愛」(Louis)、「Cœur de pierre」(Nach)、「Ver de terre/ミミズ」(Louis)、「Ode aux envies」「Anne ma sœur/わが妹アンヌ」(Louis)、「Qui de nous deux?/我々のうち誰が」(M)、「La belle」、「Ainsi soit-il」(Luis)、「Delivre」「La bonne étoile/幸運をもたらしてくれる人」(M)、「Ame melodique/美しい調べの魂」(Nach)、「La Seine/ラ セーヌ」(M)、「Les absents ont toujours tort/いない者が悪い」(Louis)、「Je dis aimeM)など。

Egomanhttps://www.youtube.com/watch?v=p5c5WRJwu_0 (左から LouisAnnaJosépheM

 

4.グラン コール マラッド Grand Cprps Maladeが10月23日リリースしたのは「Il nous restera ça/我々にはそれが残るだろう」。Grand Corps Malade本名Fabien Marsaud1977年パリ北郊外Seine-Saint-DenisBlanc-Mesnil生まれのスラム歌手。水泳の飛び込みの際脊椎を損傷し、脚が不自由に。03年パリのバーで最初のスラムを披露。06年3月にリリースしたファーストアルバム「Midi 20/12時20分」(「自分の一生を1日24時間に例えれば、自分はいまその段階にあると思っていた」)が50万枚以上売り上げ、スラムをフランスに根付かせた。07年のVdMで新人アルバム賞と新人ステージ賞を受け、「le rois du slame/スラムの王」と呼ばれるように。また06年にリリースされた若手歌手によるGeorges Brassensへのオマージュアルバム「Putain de toi/忌々しいお前」では「Les trompettes de la renommée/噂の吹聴師たち」をカバーして参加している。08年のアルバム「Enfant de la ville/町の子供」も自分のスタイルに忠実。主として自身が作った詩をア カペラで、あるいはヴァイオリン、ピアノ、ギター、フルート、トランペットなどによるジャッズ、ソール、ファンク調の演奏をバックに、例の低い重々しいが明瞭な声で朗読している。2010年「3e Temps/第3の時」(Aznavourとのデュオ「Tu es, donc j'apprends/あなたがいる、故に私は学ぶ」収録)、2012年Céline Dionのアルバム「Sans attendre/待つことなく」の「La mer et l'enfant/海と子供」の詩を提供している。13年10月4枚目のアルバム「Funambule/綱渡り芸人」をリリース、「La traversée/横断」(Francis Cabrelとのデュオ)、「Te manquer/君は僕がいなくて寂しい」など13曲を収録。14年Renaudのカバーアルバム「La bande à Renaud」には「La médaille/メダル」で参加している。Grand Corps Maladeは今回のアルバムのリリースに先立ち10月21日パリのメトロJarès駅でプロモーションコンサートを行った。アルバム「Il nous restera ca」でGrand Corps MaladeACI、作家、ラップ歌手、俳優などに「『Il nous restera ça 』あるいは『Il me restera ça/私にはそれが残るだろう』の文言をどこかに入れて詩を書いてくれるように、そしてそれを歌ってくれるように依頼した」。そして10人の協力を得た。詩にはBabxAngelo Foleyらが曲を付けた。その協力者の中にはRenaudがいることから、アルバムはリリース以前に大きな話題に。「Renaudは彼の男の子をテーマに『Ta batterie/お前のドラムス』を書いてくれた。Renaudに関しては、依頼した時期が良かったのだろう。もしその気がなかったら言って欲しい、無理にとは言わないからと依頼した。5月の初旬に家に招待された。私は最初のフレーズを書いた。彼はそれに続けた。私はその瞬間を忘れることが出来ない。彼が筆を取って書くところを見るのは感動的な場面だった。夕方遅くなって彼は言った『結局のところ、シャンソンを書くのはそんなに難しいことじゃないんだ。』1週間して彼から電話があり他に2曲作ったと。Renaudは活動を再開したようだ。その後も曲作りをして新しいアルバムのためブリュッセルで録音を始めたらしい。Renaudファンの私にとっては信じられないような喜びだし、誇りだ」。Renaudの詩の曲を付けたのはGrand Corps MaladeのピアニストLeslie Bourdin。このアルバムで「Ta batterie」を歌っているRenaudの声は、特徴であるかすり声が一層顕著。 収められている16曲は:10人に詩を提供された「Ta batterie」、「La resillation/解除」(詩hBen Mazue 1981-ACI)、「Quand nous aurons 100 ans/100歳になったら」(Jeanne Cherhal 1978-ACI )、「Ecrire/書くこと」(Charles Aznavour 1924-ACI)、「Cinéma pour aveugles/目の不自由な人たちのための映画館」(Lino 1974-ラップ歌手)、「Les années lumières/光の年月」(Fred Pellerin 1976-カナダ人の作家)、「Le temps des Tachyons/タキオンの時代」(Hubert-Félix Thiefaine 1948-ACI. GCM「抽象的な詩で理解に困難だけれど、素晴らしい詩」)、「Nos mots/私たちの言葉」(Luciole 1986- ACI)、「Bleuette/ブルエット」(Richard Bohringer 1942-俳優、演出家、作家)、「L’ours blanc/白熊」(Erik Orsenna 1947-小説家、アカデミーフランセーズ会員)それにGrand Corps Malade自身による「Le banc/ベンチ」、「「L’heure des poètes/詩人たちの時間」、「Pocahontas」「Il mous restera ça」など。

Jaurès駅でのコンサートhttps://www.youtube.com/watch?v=OlXtWYRA6R

詩を提供した10人 https://www.youtube.com/watch?v=M7-dpcaRqOw

「「L’heure des poètes 」歌われているのは:Georges BrassensNTMKery James,Jean FerratAznavourBrelRenaudBarbara

https://www.youtube.com/watch?v=M7-dpcaRqOw

 

5.ウイリアム・シェレールWilliam Shellerが10月23日リリースしたのはStylus/スタイラス」。1946年パリ17区生まれACISheller、本名William Hand、父はアメリカ人、母はフランス人。幼少期を数年間アメリカで過ごす。7歳でフランスに戻り、ピアノとクラシック音楽を勉強中ビートルズの音楽に出会い方向転換。天賦の才を持つ作曲家で、ロック、クラシック、映画音楽、シャンソンから交響曲まで作曲、詩人で語り部、天才的なピアニスト、感動的な、魅惑的な声で歌う歌手に。68年「My year is a day」をDalidaが取り上げヒットして知られるように。Barbaraの勧めで自らも歌い、75年に出した最初のアルバム「RocknDollars」は50万枚の売上げという大ヒットに。88年には来日管弦楽団と共演、89年に出したアルバム「Ailleurs」に収録された「La Sumidagawa」などは滞在中に受けた日本の音楽が影響している。91年6月にリリースしたアルバム「Sheller en solitaire/孤独なシェレール」はParisDavoutスタジオで200人の観客を前に録音したliveアルバム。アルバムは92年のVdMでアルバム賞、そこの収められた「Un home heureux/幸福な男」でシャンソン賞を受賞。その後も定期的にアルバムをリリース。2000年代に入ってからも、04年1月「Epures/三面図」(自宅でピアノの弾き語りを録音)、05年10月「Parade du Cirque Royal」(BruxellesCirque Royal/王立サーカスにおけるコンサートのlive)、07年1月「William Sheller & Le Quatuor Stevens」(05年Bretagne地方のLannionで行われた弦楽カルテットとの共演のlive)、08年10月前作となる「Avatar/アバタール」をリリース。08年にはCD3枚組45曲収録の「Triple Best of」、2015年には、1975年のRocknDollars」から2000年の「Les Machines absurdes」まで8枚のアルバム(都合89曲)を箱入りにした「L’essentiels des albums orijgnaux」がリリースされている。Shellerは2014年その活動全般に対してAcadémie FrançaiseGrande Médaille de la chanson françaiseを授与されている。Stylus」は13枚目のスタジオ録音アルバム。7年振りに巣穴から出てきたSheller、出てくるときには常に素晴らしい土産を持参するが、今回もその例に漏れず、珠玉の10曲が収録されている。収められているのは:「Youpylong」(新語この曲を作ったときの気持ちで・・少し前に、お金が貯まったから、月に土地を買った。地球からは見えないところに・・9月に先行シングルリリースされている)、「Une belle journee/素晴らしい一日」、「Bus Stop」、「Les enfants du week-end/週末の子供たち」、「Comme je m’ennuie de toi/君がいなくてどんなに寂しいことか」、「Petit pimpon」「Les souris noires/黒いネズミ」など10曲。2015年12月8、9日Théâtre des Folies Bergère(32,rue Richer に出演。

Un home heureux」1992年VdMhttps://www.youtube.com/watch?v=GlBwtzwIU0w

Youpylonghttps://www.youtube.com/watch?v=R4VTVqQuDjw

Les filles de laurore暁の少女たち」(1984年のアルバム「Simplement」に収録

(2014年10月24日 Paris Théâtre du Rond Point 出演時か)https://www.youtube.com/watch?v=II7ep54RXpo

 

6.エディー・ミッチェルEddy Mitchwell10月23日にリリースしたのはBig band」。Eddy Mitchell本名Claude Moine1942日パリ20Belleville地区生まれ、歌手、作詞家、俳優。1959年にロックグループ「Les chausettes noires/黒いソックス」を結成、「Be-Bop-A-Lula」、「Daniela」などがヒット。63年兵役が終わってからはソロ活動。「Couleur menthe a leau/ミント水の色」(80年)、「Il ne rentre pas ce soir/彼は今夜帰らない」(78年)、「Le cimetière des éléhants/象たちに墓」(82年)などのヒットを。77年に「La dernière séance終回」。これはMitchellが出演して古いアメリカの映画などを紹介、解説するTV番組のタイトルになった。番組は82年から98年まで続いた。VdMでは92年コンサート賞、94年「Rio Grande」でアルバム賞、95年コンサート賞、97年「Mr.Eddy」でアルバム賞。61年から映画に出演、96年には「Le bonheur est dans le pré幸せは草原に」でCésar助演男優賞。2009年にはハリウッド映画のヒット作に用いられた曲のフランス語によるカバー(「Comme un étranger dans la ville/街中の異邦人のように」は「Macadam Cowboy」の「Everybodys talking」、「Derrière larc-en-ciel/虹の後ろに」は「Over the rainbow」)、「Les feuilles mortes/枯葉」、「Garde-moi la dernière danse/ラストダンスは私と」など15曲を収めたアルバム「Grand écran/映画スクリーン」をリリース。2010年「私は70歳近くなる。ホテル、車、飛行機というツアー生活を50年近く続けている。そのリズムには耐えられなくなった。老残を曝したくない。これは私のイメージの問題だし、観客に対する礼儀でもある。」として、10月16日から最後のツアー「Ma dernière séance/私の最後の上映」を開始。そしてこのツアーで歌うのに適した自伝的な曲(「Lesprit grande prairie/大草原魂」、「Avoir 16 ans aujourhui/今日16歳」)などを収めたアルバム「Come back」をリリース。ツアーの楽は11年9月5日のParis Olympia。その際「今後も何かの折りにはステージに立つし、レコーディングも続ける」と語った。その後13年11月アルバム「Héros」をリリース。14年1月には劇場劇に出演、4月2日公開Claude Lelouche監督の映画「Salaudon taime/ろくでなし、愛してる」でHallydaySandrine Bonnaireらと共演。11月5~10日にはParis Bercy ArenaJacques DutroncJohnny Hallydayと「Concert des Vieilles Canailles/年老いた悪戯っ子コンサート」(№1397)を行った。「Big band」はMitchellの36枚目のスタジオ録音アルバム、big bandをバックにアメリカLos Angelesの伝説的スタジオCapitoで録音された12曲収録。「中程度の歌手の中程度のアルバムだけど、このアルバムを聞けば笑顔になるだろう。big bandは楽しいものだから」。12曲のうち2曲はアメリカのヒット曲のMitchell自身の翻案によるカバー(「Fly me to the moon」を「Promets-moi la lune/月を約束して下さい」に、「Hurt」を「Pleure/お泣き」に)。他の10曲はいずれも常に楽しむことを求めているMitchellの、時には皮肉に満ちた、詩に Pierre Papandiamandisらが曲を付けている。Papandiamandis(1941-ピアニスト、作曲家)は70年代からMitchellのために多くの曲を作曲(200曲以上との資料もある)、「Couleur menthe à l’eau」、「La dernière séance」、「Il ne rentre pas ce soir」、「Le cimetière des éléphants」、「Avoir 16 ans aujourhui」はPapandiamandisの作曲による。アルバムに収められているのは:「Promets-moi la lune/月を約束して」、「Pleure」、「Il faut vivre/生きなければいけない」(Frank Simatraへのオマージュ)、 「Quelque chose a changé/何かが変わった」(Martin Luther Kingへのオマージュ)、「Tu resembles à hier/君(Paris)は昨日のよう」(Parisの下町を歌った)、「Un rêve américain/アメリカンドリーム」、「Si j’étais vous/僕が君なら」、「Je n’ai pas d’amis/僕には友達がいない」(最近のSNSによる人のつながりを皮肉ったもの)、「Journaliste et critique/ジャーナリストと批評家」など。2016年3月には5日間Palais des Sportsのステージに立つと発言している。

Quelque chose a changehttps://www.youtube.com/watch?v=FnEdNQRpqH0

 

7.ケンジ・ジラクKendji Giracが10月30日にリリースしたアルバムはEnsemble/共に」。Kendji Girac、本名Kendji Mailleは1996年7月3日フランス西部Aquitaine地方、DordognePerigueux生まれ(Saint-Astierに数年すむ)Giracは母の旧姓、歌手、作曲も行う。ジプシーで家族と共にキャラヴァンでフランス国内を回る生活を。子供の頃からギターを学び、音楽は生活の一部、家族や友人に歌って聞かせていた。Maître Gimsの「Bella」をカバーした映像を友人が投稿サイトに投稿したところ100万回以上の再生と言う好評さ。そこでTVTF1のスタ誕番組「The Voice」の2014年第3シーズンに応募。番組では「Bella」、「Tous les mêmes/皆同じ」(Stromae)、「Hotel California」(The Eagles)、「Allumez le feu/火を付けろ」(Johnny Hallyday)、「L’aigle noir/黒いワシ」などを歌って14年5月10日、他の3人の候補を圧倒的な強さで破って優勝。14年9月8日ファーストアルバム「Kendji」をリリース。これにはColor Gitano」、「Mon univers/僕の世界」、「Viens chez nous/僕たちの家へお出で」、「Andalouse/アンダルシア女性」、「Mon univers/僕の世界」など13曲を収録。アルバムは14年フランス国内売り上げ第2位、15年10月には100万枚を突破した。Kendjiは2014年第16回NJR(ラジオ局)賞のフランス人歌手新人賞及び「Color Gitano」でフランス語シャンソン賞を受賞している。また、14年11月にリリースされたCharles AznavourへのトリビュートアルバムAznavour, sa jeusnesse」には「La bohème」で参加している。15年3月シングル「Conmigo/(スペイン語)僕と」をリリース(2015年5月リリースのアルバム「Kendji」のreedition版に収録)、曲は2015年NJRでフランス語シャンソン賞を受賞、この部門で2年連続の受賞。15年5月12、13、14日にはParis Olympiaに初出演、コンサートの模様は9月17日、フランス、ベルギー、スイスの209の映画館で上映された。今回の2枚目のアルバム「Ensemble」には13曲収録されていて、タイトルがスペイン語の曲はスペイン語で、あるいはフランス語とスペイン語で歌っている。13曲は:「Tu y yo/(スペイン語で)君と僕」、「Me quemo/(スペイン語)身を焦がす」、「C’est trop/それはやりすぎ」、「Les yeux de la mama/ママの目」、「Jamais trop tard/遅過ぎることは決してない」、「Una mujer/(スペイン語)一人の女性」、「Mes potes et moi/仲間たちと僕」、「Où va le monde?/世界はどこへ行く?」、「Ma solitude/僕の孤独」(Georges Moustakiの「Ma solitude」とは別の曲)、「Amor y libertad/(スペイン語)愛と自由」、「Besame(スペイン語)/キスしておくれ」など。

Les yeux de la mamahttps://www.youtube.com/watch?v=fNqXjFkUB40

 

.ザジーZazieが10月30日にリリースしたのは「Encore heureux/もっと幸福に」。Zazie、本名Isabelle Marie Anne de Truchis de Varennesは1964年パリ近郊Boulogne-Billancourt生まれ、モデルから1992ACIとしてデビューし20年以上のキャリアを誇る。92年のファーストアルバム「Je, Tu, Ils/私、あなた、彼ら」は、売上げ3万枚程度で華々しいものではなかったが、ACIとして認められるには十分で、93年にはVdM女性新人賞を受賞。95年1月にリリースしたセカンドアルバム「Zen/ゼン」は50万枚以上の売り上げでZazieのシャンソンフランセーズにおける地位を確実なものにした。アルバムに収められている「Larsen/ハウリング」のクリップは96年VdMのクリップ賞受賞。98年VdMで女性歌手賞受賞。2001年のアルバム「La Zizanie/不和」で、02年2度目のVdM女性歌手賞受賞。04年11月アルバム「Rodéo/ロデオ」をリリース、その後に行った「Rodéo tour」で06年VdMツアー賞受賞。前作は13年リリース「Cyclo/シクロ」。15年3月コンピレーション「Zazie, Les 50 plus belles chansons/ザジー、最も美しいシャンソン50曲」をリリース。Zazieは他の歌手にも優れた曲を提供していて、08年に作詞作曲しChristophe Willemに提供した「Double je/二重の僕」がオリジナルシャンソン賞を受賞している。ほかにJane Birkin(「C’est comme ça/そんなもの」Zazie作詞作曲)、Patricia Kaas(「J’attends de nous/私は私たちに期待する」Zazie & Obispo作詞作曲)、Johnny Halyday(「Allumer le feux/火を付ける」Zazie作詞、Obispo作曲、この曲はHallydayがコンサートの際よく歌う)、Isabelle Bouray(「L’amour dans l’âme/心からの愛」Zazie作詞作曲)など。またPascal Obispo(96年の「Les meillieurs  ennemis/最良の敵」)、Axel Bauer(2002年「A ma place/私の代わりに」はNRJでフランス語シャンソン賞を受賞)らとのデユオ曲もヒット。

Zazieは、Les Enfoirésの主要メンバーの一人で、1997年以降19回連続して出演している。アルバム「Encore heureux」はZazie枚目のアルバム、11曲収録。作詞はすべてZazie自身、作曲はZazie自身及びPhilippe bParadisらの協力を得ている。ジャケット写真のZazieNYの真ん中にいながら「La Tour de Pise/ピサの斜塔のように傾いている。そしてそれはこのアルバムの中でZazieが「Pise」のタイトルで「ピサの斜塔が今でもそのまま立っているのは、時の流れが大きな影響を与えていないから。愛も我々を鍛えてくれる。それはピサの斜塔のように、抵抗し、傾く・・」と歌っているからだろうか。収められているのは他に:「Encore heureux」、「I love you all」(Charlie Hebdoへのオマージュ、「攻撃されたのは報道の自由ではない。攻撃されたのは我々の人間性そのもの」)、「Discold/不響和音」、「Faut pas s’y fier/それを誇ってはだめ」、「Tais-toi/黙れ」、「Sait-on jamais/決して分からない」、「Adieu tristesse/悲しみよさようなら」など。Zazieは2016年2月20日から国内、ベルギーツアー。3月16~19日ParisThéâtre des Folies Bergère(32,rue Richer 9区)に出演。

Pisehttps://www.youtube.com/watch?v=XbQT95xH2p8

















No.1439
2015.11.5
 
 

  №1439  2015.11.5                      

次の3つの単語がキーワードになる歌手は誰でしょう?

(問21)3つの単語:「Canada/カナダ」、「Quasimodo/カジモド」、「Seul/たった一人」

(問22)3つの単語:「Feu/火」、「Tennessee/テネシー」、「Laeticia/レティシア」

(問23)3つの単語:「Schmoll/シュモル」、「Menthe/ミント」、「Séance/上映」

24)3つの単語:「Liberté自由」、「Bienvenueようこそ」、「Amérique de Sud/南米」

(問25)3つの単語:「Piaf/ピアフ」、「Solitude/孤独」、「Métèque/外人」

............................................................................................................................................................................ 


答21)ガルーGarou1972- 歌手

  解説:

  「Canada」・・本名Pierre GarandCanadaQuébecSherbrookeの生まれ。子供の頃GarardからGarouの愛称で呼ばれていて、それをステージ名に。

Quasimodo」・・毎週日曜日に地元のバーで「Les feulles mortes/枯葉」をスウィング調で、「La bohème」をサルサ調で歌っている際、プロデューサー・作詞家のLuc Plamondon(1942-)の目に止まった。・・「と言うことになっているが、実際はPlamondonが主宰するミュージカル『Starmania』のオーディションを受けた。その際緊張のためか声が出なくなってしまい不合格。それでもPlamondonは次の機会に電話しようと言ってくれた」。それが、ミュージカル「NotreDame de Paris/ノートル・ダム ド パリ」(Plamondon作詩、Richard Cocciante作曲)。Garouは1998年9月16日からパリPalais des Congrèsで公演されたこのミュージカルでQuasimodo役を好演して一躍フランスで、特に若い女性の間で、大人気に。このミュージカルの中でFrollo役のDaniel LavoiePhoebus役のPatrick Fioriとともに歌った「Belle/美しい人」は99年VdMオリジナルシャンソン賞を受賞。

 「Belle」 https://www.youtube.com/watch?v=eiYLvZwN160

Seul」・・Garouは2000年からソロで活動。同年製作などに関してPlamondon (収録された14曲のうちアルバムのタイトルにもなった「Seul」など7曲の歌詞を提供している)やCeline Dionの夫で演出家のRené Angélilなどのカナダポピュラー音楽界の大物の協力を受け、11月にリリースしたファーストアルバム「Seul/ただ一人」は200万枚以上売り上げたと言われる大ヒットになった。アルバムに収められたDionとのデュオ「Sous le vent/風に吹かれて」(Jacques Veneruso作詞、作曲)は、02年VdMオリジナルシャンソン賞を受賞。

 「Sous le vent」 https://www.youtube.com/watch?v=PCuJguybz5Y

 

 

(答22)ジョニー・アリディーJohnny Hallyday(1943-歌手、作曲家、俳優)

  解説:

Feu」・・「Allumer le feu/火を付ける」は1998年のヒットで、Hallydayはよくコンサートの最初に歌う。作詞はZazie(1964-女性ACI)、作曲はPascal Obispo(1965-ACI)。

 Obispo談:1998年NYJohhnyにコンサート会場の観客を熱くするような、「mettre le feu/火を付ける」ような曲が欲しいと言われた。この「mettre le feu」を頭にParisに帰った。そして当時よくコンビを組んでいたZazieに作詞を依頼した。二人でホテルの一室にこもって作った。8月でとても暑かった。「Allumer le feu」は、短時間で、一気に出来た。出来上がったものを電話口でギターを弾きながらJohnnyに聞かせた。Johnnyは「悪くないね」。それで、曲を持って直ちにNYに飛んだ・・。

Zazie談:8月のある日午前2時電話が鳴った。こんな時間に誰だろうと電話を取った。Obispoだった。こんな曲が欲しいと言われ、Johnnyを思い浮かべて、まず、いくつかの言葉を探した。そしてそれらの言葉をつなげて詩を作った。この曲はJohnnyのその年の9月のStade de France公演の幕開けの曲に歌われた。それにふさわしい曲だった。会場にいた私は『あれは私が作詞した曲だ』と叫びたかった。

Allumer le feu」 201216日 Stade de ranceコンサート  https://www.youtube.com/watch?v=udPPY37k54g

Tennessee」・・「Quelque chose de Tennesseテネシー・ウイリアムズからの何か」Michel Berger作詞・作曲1985年のヒット。 Hallydayは2011年9月6日から11月19日までParis Théâtre Edouard Ⅶで上演されたTennesse Williams原作、Bernard Murat演出のの劇場劇「Le paradis sur terre/地上のパラダイス」に出演している。これが68歳にして劇場劇初出演。

Laeticia」・・Hallydayは1996年3月25日モデルのLaeticja Boudou(1975-)と結婚。Hallydayにとって5度目の結婚。最初の結婚は1965年4月12日Sylvie Vartan(1944-歌手)と、66年長男David誕生、80年11月離婚。 2度目の結婚は1981年12月Elisabeth Etienne(1957-女優)と、2ヶ月2日後の82年2月離婚、3度目の結婚は1990年7月Adeline Blondieau(1971-女優、脚本家)と、92年6月離婚。4度目の結婚は1994年4月再度Adeline Blondieauと、95年5月離婚。また、83年から86年まではTV番組で共演した女優のNathalie Bayeがパートナー、83年に女児Laura Smetが誕生している。HallydayLaeticia夫妻はヴェトナムから2人の養女(2004年Jade、2008年Joy)を迎えている。

 

(答23)エディー・ミチェルEddy Mitchell(1942- ACI

解説:

Schmoll」・・Mitchellのあだ名。由来は彼が周囲のミュージシャンに比べ大柄であったことからミュージシャンたちがアメリカ風に、「big」の反対で「small」とあだ名を付けそれを「Schmoll:シュモル」と発音していたことによるよう

Menthe」・・「Couleur enthe à l’eau/ミント水の色」(・・彼女の瞳はミント水の色・・)は1980年のヒット曲

Séance」・・「La dernière séance/最後の上映」は1977年のヒット曲、Mitchellはパリの下町Belleville生まれ、本名Claude Moine。アメリカ映画を見て育った。「生まれ育ったBelleville地区は、映画ファンにとってはパラダイスだった。夜勤の仕事が多かった父は僕が学校から帰ると毎日映画に連れて行ってくれた」。

 Mitchell1982年1月19日から98年12月28日まで、毎週火曜日、当時TVFR3映画解説の番組のホストを務めたが、その番組のタイトル及びテーマソングがLa dernière séance」。また10年10月から11年9月まで行ったさよならツアーのタイトルは「Ma dernière séance/私の最後の上映」。

 「La derniere séance」  https://www.youtube.com/watch?v=jHNWI16o2y0

 ・・場内の照明が点き、映画は終わった。これが最後の上映だった。「fin/終わり」の文字にかぶさっている映像で人は微笑んだり、泣たりする。僕には解る、近所のこの映画館の運命が。駐車場かスーパーになるんだろう。・・5時の下校時間に父は迎えに来てくれた。僕たちは可哀想な人たちを助けるGary Cooperを見たものだった。それは良き子供時代だった。・・さようなら僕の好きなヒーローたち、二枚目の俳優に熱を上げていた女の子たち、バイバイ チョコアイス。・・一人の老人が隅で泣いている、彼の映画館が閉まる、これが最後の上映。スクリーの前のカーテンは下ろされた・・

 

(答24)フロラン・パニー Frolent Pagny(1961- 歌手、俳優)

解説:

Liberteé」・・「Ma liberté de penser/僕の思考の自由」は2003年リリースのアルバム「Ailleurs land他の土地」に収められている曲でシングルカットされている。Lionel Florence作詞、Pascal Obispo作曲、シングルは6週間フランスのシングルチャート1位で、この曲はNRJ音楽賞ではフランス語圏シャンソン賞を受賞。この年より少し前にPagnyと税務当局との間に確執があり、この曲は税務当局への鬱積した気持ちを歌っている。

Ma liberté de penser」 https://www.youtube.com/watch?v=O76kAoSl4OE

・・僕からすべてを取ってもかまわない。TVも、車も、ソファーも、電子レンジも、冷蔵庫も、女房も・・でもあなた方は僕の思想の自由までは、考える自由までは奪えない・・

Bienvuneue」・・「Bienvenue chez moi/我が家へようこそ」は1995年リリースのアルバムタイトルでもあり、アルバムに収録された最初の曲のタイトルでもある。アルバム「Bienvenue chez moi」はブルターニュ地方のPagnyの両親宅で録音されたことによりこのタイトルが付けられた由。

Amérique du Sud」・・Pagnyは1993年からアルゼンチン出身のモデルで画家でもあったAzucenaをパートナーとしており(結婚は2006年)、二人の間には96年生まれの男児と99年生まれの女児がいる。PagnyParisのほか97年からAzucenaの出身地である南米アルゼンチンのPatagonie地方のPampaを生活の拠点としていて、フランスとの間を往復して活動している。(09年から数年間は子供たちの教育のため一時アメリカのMiamiに居を移したが、再び家族でPatagonieに戻った)。

 

(答25)ジョルジュ・ムスタキGeorges Moustaki(1934-2013 ACI

解説:

Piaf」・・Moustakiはエジプト、アレキサンドリア生まれ。1951年Parisに。54年からパリのキャバレで歌い出す。58年2月ギタリストHenri Crollaに同道しEdith Piaf(1915-63)を訪問。CrollaMoustakiを「天才的な作曲家」と紹介。PiafMoustakiはその後約1年間情熱的な関係を持つ。そしてMoustakiPiafに自ら作詞作曲した曲を提供、Piafは58年EPPiaf chante Jo Moustaki」を出す。これには「Le gitan et la fille/ジプシーと娘」、「Les orgues de barbarie/手回しオルガン」、「Eden blues/エデン ブルース」を収録。59年年初Piafのアメリカ公演にはギタリストとして同行。PiafNY Empire Roomの公演で「Milord/ミロール」を創唱。これはMoustakiの詩にMarguerite Monnotが曲を付けたもの。同年2月MoustakiPiafと別れ一人で帰国した。

Solitude」・・1966年Barbaraを通じてSerge Reggianiと懇意になる。Reggianiは、67年俳優から歌手に転向しようとしていたところで、St.Louis 島のMoustaki宅に寄宿して共同で曲作り。そしていずれもMoustakiの作詞・作曲よる「Ma solitude/僕の孤独」、「Ma liberté/僕の自由」などができ上がった。これらの曲はReggianiが歌って評判になり、後にMoustakiも歌った。

Métèque」・・「Le méteèque/ル メテック:異国の人」は1966年には出来ていたよう。当時交際していた女性の両親がMoustakiを快く思わず、「あのMétèque」(軽蔑して、外人・よそ者)と呼んでいたので、それをタイトルのこの曲を作り、歌ってくれる歌手を探した。デモを持ち込んだレコード会社はどこも興味を示さなかった。Reggianiにも「これは君の歌だ」と断られた。そして68年(ムスタキ自伝「私の孤独」)になってPia Colomboが歌ってくれた(主人公を「あなた」に変えて)。Moutakiも69年に録音している。

 

  「Le métèquePia Colombo  https://www.youtube.com/watch?v=LlApMgxev5U

  「Le métèqueGeorges Moustaki http://www.ina.fr/video/I00015404

 

・・僕のツラは外人のツラ、さまよえるユダヤ人のツラ、ギリシャの牧童のツラ、髪の毛は四方八方になびく。

水で洗ったように目をしているので夢みるような雰囲気を与えているが、もうあまり夢を見なくなった。・・僕の手は畑泥棒の手、ミュージシャンの手、放浪者の手、・・僕の口、酒を飲んだし、キスもしたし、かみつきもした、しかし飢えが満たされることはなかった。  僕の心優しい囚われ人よ、僕の素晴らしい伴侶よ、僕の湧き出る泉よ、君の青春を飲み干そう。僕は君が望むように血の気の多い王子にも、夢想家にも、青年にもなろう。 そして僕たちは毎日暮らしの中で永遠の愛を作りだし、その愛に生きよう・・

 
No.1438
2015.10.25 
   

№1438  2015.10.25

最近の話題  今回まとめてたっぷりご覧いただきます

1.レニー・エスキュデロLeny Escudéro、死去

2.「Duos préférés des Français/フランス人が好きなデュオ曲」ベスト10

3.シャルル・アズナヴールCharles AznavourTVドキュメント番組で俳優Aznavour特集

 

1.レニー・エスキュデロLeny Escudéro、死去

Leny Escudéro10日呼吸器不全のためEureGivemyの自宅で死去。享年82歳だった。1960、70年代に、真面目に生きる人々の愛、戦い、恐れ、生や死を、ロマンテイックに、あるいは戦闘的に、特徴のあるしわがれた声で歌う歌手として独特な地位を築いていたEscudéro、1932年スペイン、バスク地方生まのACI。フランコのスペインを逃れて、6歳で両親とフランスに。そしてバスクでは両親が彼に与えることが出来なかった教育をフランスで受けることが出来たことに感謝していた。19歳からバリのBelleville地区に住み、石工、タイル職人などをやりながら1957年からキャバレで歌い出す。「周囲の人々が助けてくれた。管理人のおばさんはいつも『レニー、あなたは良い声をしているね。私は大好きだ。』と言ってくれたし、ビストロのパトロンは付けで食べさせてくれた」。Canettiに認められTrois Baudetsに出演。1962年、Barclay社のアートディレクターLéo Missirの勧めで吹き込んだ「Ballade à Sylvie/シルヴィーへのバラード」、「 Parce que tu lui resembles/君が彼女に似ているから」、「Pour une amourette/かりそめの恋のために」などが当時のイェイェブームの対抗馬として成功を収めた。「私は確かにイェイェの対極にはあったが、イェイェのファンも私の曲を好きになってくれた」。60年代前半にはリヴ ゴーシュ的でもあり、ブルージーンズ世代でもあるという立場で人気に。しかし、作られたスターの立場に疑問を抱き、1965年世界ツアーに飛び出す。この妻子を伴ったツアーは5年間にわたった。最初は印税が入ってきたため快適な寝床で、後にはヒッチハイカー同然に。そしてベニンでは自らの手で学校を作ったりもしたが、最後には建設労働者にも。「自分のキャリアを考えたら、私は慎重な人間とは言えない」。再び70年にフランスに戻ってからは一からやり直す必要に。そこで彼はトルバドールの道を選んだ。毎日毎日町から町をアコーデオンとギターで庶民に人気のあるジャヴァやタンゴを歌って移動する。そして「私は人生の全てをシャンソンにかけている。そして、自分の経験したことを曲にしている。恋もしたし、恋の悩みも味わった。スペインでの戦争を、その後に起こったいくつもの戦争を経験した。そのことが一人の人間を作った。」

1967年EPJe t’attends à Charonne」をリリース。これには「Je t’attends à Charonne/シャロンヌで君を待つ」(Charonneはパリの地下鉄号線の駅でパリ11区にある。1962年2月7日アルジェリアの独立に反対する右翼のデモがあった翌日の8日、労働組合などが反ファシズムとアルジェリアの和平を願うデモを行った。Charonne駅の近くで警官隊がデモ隊を襲撃。それにより病院で死亡した人も含め9人の死者を出した)、La verité/真実」、「Ma ville/僕の町」などが収められている。

1971年アルバム「Escudéro 71」をリリース。アルバムは「D’amour et d’eau fraîche/愛と新鮮な水」(「On ne vit pas d’amour et de l’eau fraîche/人は愛と新鮮な水だけでは生きられない」という格言がある)、「Le vieux Jonathan/年老いたジョナタン」、「Van Gogh/ファン ゴッホ」などを収め、ACC大賞受賞。

1973年アルバム「Vivre pour des idées/思想のために生きる」をリリース。これには「Vivre pour des idées」(ジプシーでスペイン内戦では共和国側につきフランコと闘った父へのオマージュ)、「Le silence/沈黙」などが収められている。「このアルバムを出すとき、バークレーが『販売を任せてくれればもっと稼げるはずだ』と言ってくれ、そうした。ところが会計を任せた男に全部持って行かれてしまった」。

その後80年代90年代には定期的にアルバムをリリース。

特に1997年のアルバム「Chante la liberté/自由を歌う」は「Le temps des cerises/さくらんぼの実る頃」、「L’affiche rouge/赤いポスター」(Louis Aragonの詩にLéo Ferréが曲を付けたもの。フランスを占領していたドイツ軍やヴィシー政権への抵抗運動を行い逮捕されたアルメニア出身のManouchianら23人は、1944年2月処刑される前にテロリストとして赤を基調としたポスターに顔写真が掲載された。ポスターはパリ市中に張り出された)、「Le déserteu/脱走兵」、「Lily Marlene」、「Les canus/織物工たち」(Aristide Bruantの曲)、「Le chant des marais/沼地の歌」(強制収容所の囚人達が作った曲)、「El paso del Ebro」(スペインの民衆歌。1800年代初めナポレオンのスペイン侵攻に対する抵抗の歌として生まれ、1936-39年のいわゆるスペイン内乱ではエブロ河畔で戦死した兵士を追悼する歌として共和国軍兵士により歌われた。Escuderoはスペイン語で原曲を歌っている)などを収めている。

200年代に入ってから・・

2006年2月11日から26日までThéâtre le TempleParis 11区)に出演

 その際のMC:「観客の皆さんの多くは、なじみのない曲を聴くでしょう。しかしそれらは最近書かれた曲ではない。私の曲はラジオで流されることはない。それはいわゆる形式にはまった曲ではないから。私の曲は6分、あるいは8分もかかる。だからCMの時間がなくなってしまう。それはまずいことだろう。しかし私の曲はラジオで流されることがないだけに、古くなることはない」。

2007年4月21、22日Olympiaに出演。

2008年9月20日Givernyフェスティヴァルのテント会場で最後のコンサート

2011年TVFranve2の「Vivement Dimanche」にメインゲストFabrice Luchiniのゲストとして出演

2013年3月自伝「Ma vie n’a pas commencé/私の人生は始まっていない」を刊行。

2013年5月19日TVFranve2の「Vivement Dimanche」に出演、自伝の紹介など。

2015年8月自伝の続編「Le début・・La suite・・La fin/初め・・続き・・終わり」を刊行。

2015年1月ヒット曲24曲収録のcompilationChanson française Leny Escudéro」が出ている。

 

Le Figaro」紙は訃報を報じる記事の中で次の曲を代表曲としてあげている。

Pour une amourette」、「Je t’attends à Charonne」、「Vovre pour des idées」、「L’affiche rouge」、「El paso del Ebro

 

Escudéroの葬儀は10月15日Evreuxの葬儀場で行われた。「悲しいものにするな」という個人の遺志を体して、ミュージシャンで晩年のEscudéroのコンサートでは伴奏を行っていた子息のJulianは、終始Escudéroのヒット曲やスペインの曲を流した。Julianは父親の最初の、そして最大のヒット曲「Pour une amourette」をア カペラで歌い、参列者もそれに和した。その中にはEsucudero同様に子供の頃にスペインからのフランスに移住したNilda FernandezBarcelone1957―ACI)の姿も。葬儀の後、参列者たちはGiverny市内のEscudéroがよく通った場所を訪ねて歩いた。

 

Pour une amourette」1966年 https://www.youtube.com/watch?v=h4Bi6S-sY2E

Je t’attends à Charonne」1992年 https://www.youtube.com/watch?v=GQP7I-uzSkM

Vivre pour des idées」1991年 https://www.youtube.com/watch?v=l90RzS9yzy8

Le vieux Jonathan」2007年 https://www.youtube.com/watch?v=N0-ow0A3ULc

 

2.「Duos préférés des Français/フランス人が好きなデュオ曲」ベスト10

 アンケート会社YoyGovが音楽専門のラジオ局RFMTV情報誌「Télé 7jours」の依頼により行ったアンケート「Duos préférés des Français/フランス人が好きなデュオ曲」の結果が発表された。アンケートは18歳以上の1010人を対象に9月8、9日に行われた。ベスト10は以下の通りで、最近の「フランス人が好きな人物」アンケートで5回連続1位のJean-Jacques Goldmanが参加している曲(いずれもGoldman作詞・作曲)が3曲入っている:

1位「Je te donne/君にあげる」(Jean-Jacques Goldman et Michael Jones

 Jean-Jacques GoldmanParis19区 1951-ACI

 Michael Jones(イギリス Welshpool 1952-歌手、ギタリスト)

 Je te donne」(フランス語部分の作詩Goldman、英語の部分の作詩Jones,作曲Goldman)はGoldmanの1985年9月13日リリースのアルバム「Non homologué/非公認の」に収録。10月B面「Confidentiel/内密の」とのカップリングでシングルカットされ、85年11月30日の週から86年1月18日の週まで8週間シングルチャートの1位。2012年にリリースされたGoldmanへのトリビュートアルバム「Génération Goldman」ではLeslieIvyriseがカバーしている。

https://www.youtube.com/watch?v=_Zho73pyD6c

 

2位「Là bas/あちらで」(Jean-Jacques Goldman et Sirima

Jean-Jacques GoldmanParis19区 1951-ACI、)

Sirima(イギリス Isleworth 1964-1989 歌手)

Là bas」(Goldman作詞/作曲)はGoldmanの1987年11月5日リリースのアルバム「Entre gris clair et gris foncé/明るい灰色とくすんだ灰色との間に」に収録。同月B面「A quoi tu sers ?/君は何の役に立つ」とのカップリングでシングルカット。4週間シングルチャート2位。60万枚弱の売上げ。 Sirimaはパリの地下鉄駅で歌っている際Goldmanのバックミュージシャンに推薦され、デュオのパートナーに。その悲劇的な死(パートナーであった男性にナイフで殺害された)の後Goldmanはこの曲を歌っていなかったが最近ではコンサートの際には観客にSirimaの部分を歌うように要求して歌っているよう。「Génération Goldman」ではBaptiste GiabiconiMarie-Maiがカバー。

https://www.youtube.com/watch?v=_Zho73pyD6c

 

3位「Sous le vent/風に吹かれて」 ( Garou et Céline Dion 

Garou(カナダ Québec州 1972-歌手・作曲も)

Céline Dion (カナダ Québec州 1968-歌手)

 「Sous le vent」(Jacques Veneruso作詞/作曲)はGarouの2000年11月8日リリースのファーストアルバム「Seul/たった一人」に収録。ミュージカル「Notre-Dame de Paris」にQuasimodo役で出演し、一躍人気者になったGarouのファーストアルバムにはQuébecのポピュラー音楽界の重鎮、Luc Pamondon(「Notre-Dame de Paris」の作詩者)、René AngéilDionの夫で演出家)などが協力した。アルバムは5週間チャートの1位で、150万枚以上の売上げ。「Sous le vent」は2001年10月「Au plaisir de ton corps」とのカップリングでシングルカット、シングルも3週間チャート1位に、2002年VdMでオリジナルシャンソン賞受賞。

  https://www.youtube.com/watch?v=3fx_cuXQZRc

 

位「J'ai encore rêvé d'elle/僕はずっと彼女を夢みていた」(Il était une fois

Il était une fois:1971にParisで結成されたpost-yéyéグループ。当初のメンバーはJoelle Mogensen(アメリカ ニューヨーク州 1953-1982 ヴォーカル)、Serge Koolenn(ギリシャ アテネ1947―2015 ギター、ヴォーカル)、Richard DewitteIle-de France 1948- ドラムス、ヴォーカル)などの6人。72年最初のSPIl était une fois」をリリース、収められていた「Rien qu’un ciel/たった一つの空が」が好評でたちまち人気に。70年代には最も人気があったグループ、77年にはOlympiaに出演、79年に解散。この間に4枚のスタジオ録音アルバムをリリースしている。

J'ai encore rêvé d'elle」(Koolenn作詞/Dewitte作曲、MogesenDewitte歌)は75年リリースのアルバム「Ils vecurent heureux」に収録。同年シングルカットされ、数週間で100万枚以上売り上げたと言われるグループ最大のヒット。

注:グループ名「Il était une fois」はフランスのおとぎ話の書き出しで「昔あるところに・・」に、またアルバムタイトルの「Ils vecurent heureux」はおとぎ話の結末で「彼らは末永く幸せに生きたとさ」に相当するよう

 https://www.youtube.com/watch?v=uoWAjpZ7BOw

 

位「Manhattan-Kaboul/マンハッタン=カブール」( Renaud et Axelle Red

RenaudParis 14区 1952- ACI

Axelle Red(ベルギーLimbourg 1968- ACI

Manhattan-Kaboul」(作詞Renaud/作曲Jean-Pierre Bucolo)は2002年5月28日にリリースされたRenauのアルバム「Boucan d’enfer/地獄の大音響」に収録。アルバムは1991年に「Marchand de cailloux」をリリース後アルコール依存になったRenaudの8年振りのもので、220万枚売り上げたと言われ03年のVdMでアルバム賞を受賞、Renaudは男性歌手賞を受賞している。2001年9月11日NYWorld Trade Centerビルで死亡したプエルトリコ出身の若者と2001年秋にアフガニスタンで米軍の攻撃により死亡したアフガンの少女を歌った「Manhattan-Kaboul」は2002年7月シングルカットされ、VdMでオリジナルシャンソン賞を受賞。2014年のRenaudトリビュートアルバム「La bande à Renaud/ルノー軍団」ではThomas DutroncNikki Yanofskyがカバーしている。

https://www.youtube.com/watch?v=YH1CfGlOfrc 2003年VdM

 

位「Mistral gagnant/ミストラル ガニャン」(Maxime Le Forestier et Vanessa Paradis

Maxime Le Forestier Paris 17区 1949-ACI

Vanessa ParadisVal-de-Marne1972-歌手、俳優

Mistral gagnantRenaud作詞作曲198512月リリースのRenaudのアルバム「Mistral gagnant」に収録され、86年シングルカットされたRenaud最大のヒット。2015年のアンケートで「フランス人の最も好きなシャンソン」に選ばれた(№1423)。「La bande à Renaud」ではCœur de Pirateがカバーしている。

Le ForestierParadisのデュオは1998年1月ParisZenithEnfoirésのコンサートの際に歌われたもの、このコンサートの模様を収めたアルバム「Enfoirés en Cœur/心の中のEnfoires」に収録されている。

https://www.youtube.com/watch?v=1Ax221B6LAM

 

7位「J'irai ouù tu iras私はあなたが行くところへ行く」 Jean-Jacques Goldman et Céline Dion 

Jean-Jacques Goldman (Paris19区 1951-ACI

Céline Dion (カナダ Québec州 1968-歌手)

J'irai où tu iras」(Goldman作詞/作曲)Dionの1995年3月27日リリースのアルバム「D’eux/彼らについて」に収録。1996年4月シングルカットされQuébecでリリース。アルバム「D’eux」はフランスでは440万以上、世界中では800万枚以上の売上げで、フランス語で歌われているアルバムの最多売上げと言われている。

https://www.youtube.com/watch?v=aLzu9ITOyPg

 

位「Face à la mer/海に向かって」( Calogero et Passi

 Calogero Grenoble郊外 1971-ACI

PassiCongo Brazzaville 1972-ラップ系ACI

Face à la mer」(Calogeroの兄Gioacchino Maurici作詞/CalogeroPassiら作曲)は2004年3月21日リリースされたCalogero3枚目のアルバム「3」に収録、アルバムは140万枚以上の売上げ、disque de diamant/ダイヤモノドディスクに。また、同年3月リリースPassiのアルバム「Odyssee/オデッセイア」にも収録されている。「Face à la mer」は同年6月シングルカットされ、シングルチャート最高位は3位。

https://www.youtube.com/watch?v=QLZ3NKn-u0A

 

位「Mourir demain/明日死ぬとしたら」( Pascal Obispo et Natasha St-Pier

Pascal Obispo Dordone県 1965-ACI

Natasha St-Pierカナダ Nouveau-Brunswick州 1981- 歌手

Mourir demain」(Lionel Florence作詞/Frederic Chateau作曲)は2003年11月3日フランスで、11月4日カナダでリリースされたSt-Pier4枚目のアルバム「L’instant d’après/一瞬の後」及び2004年6月16日リリースのObispo6枚目のアルバム「Fan/ファン」に収録。2004年6月18日シンルカット。

https://www.youtube.com/watch?v=KZEVTPN1hvo

 

0位「Qu'est ce que t'es belle/何と君は綺麗なんだ」( Marc Lavoine et Catherine Ringer

Marc Lavoine Seine-et-Oise県 1962- ACI、俳優)

Catherine RingerHauts- de-Seine県 1957-歌手、作詞も

Qu'est ce que t'es belle」(Lavoine & Patrice Mithois作詞/Fabrice Aboulker作曲 )は1987年5月リリースのLavoienのアルバム「Fabriqué/・・産」収録、Ringerは当時Frédéric ChichinとのデュオLes Rita Mitsoukoで活躍中。シングルは翌年リリース、clipJean Baptiste Mondinoの製作による。

https://www.youtube.com/watch?v=rit-krX_Hqc

 

11位以下には次のような曲が:

12位「La damme brune/ブルネットの婦人」(Barbara et Georges Moustaki

13位A ma place/私の代わりに」(Zazie et Axel Bauer

15位「Dieu est un fumeur de havane/神様はハバナタバコが大好き」(Serge Gainsbourg et Catherine Deneuve

24位「Paroles/パロレ、パロレ」(Dalida et Alain Delon

25Bonny and Clide」(Serge Gainsbourg et Brigitte Bardot

Je t’aime・・・moi, non plus」(Gainsbourg et Jane Birkin)は25位までには入っていなかった。

アンケート結果の分析によれば:男性では1位「Je te donne」、2位「Sous le vent」、3位「Là bas」、女性では1位「Je te donne」、2位「J’ai encore rêvé d’elle」、3位「Là bas」。年齢層では: 18歳から24歳まででは1位「Là bas」、2位「A ma place」、3位「Mistral gagnant」。35歳から54歳まででは1位「Je te donne」、2位「Manhattan-Kaboul」、3位「J’ira où tu iras」、56歳以上では1位「Là bas」、2位「La dame brune」、3位「Sous le vent」。

 

3.Charles AznavourTVドキュメント番組で俳優Aznavour特集

TVMONDEJaponで2015年10月15日21:05から放送された「Aznavour, viens voir le comédien/アズナヴール、役者を見にお出で」はCharles Aznavour(1924-ACI、俳優)の俳優としての活動をテーマにしたドキュメンタリーで、フランスでは2014年12月14日France5で放送されたもの。タイトルの「Viens voir le comédien」はAznavourの1962年のヒット曲「Les comédiens/コメディアン:役者たち」(Jacques Plante作詞/Aznavour作曲)の歌い出しの部分。ただし曲では複数で「Viens voir les comédiens/役者たちを見にお出で」となっている。歌手として70年以上のキャリア、1000曲以上を作詞・作曲、あるいは作詞または作曲し、あるいは歌っているAznavour、子役の俳優としてデビュー。50年代後半にはACIとしてよりもむしろ俳優として活躍。現在までに80本以上の映画、TVドラマに出演している。

番組はAznavourの「La7e art/第7の芸術:映画」での活動を、Cinémathèque de Parisで行われたAznavourとのインタヴューを中心に、姉のAïda、映画監督のJean-Pierre MockyClaude LeloucheAndré Cayatteなど、映画俳優のFrancis Huter(1947-)、Robert Hossein(1927-)などが語る俳優Aznavour像、出演映画の一場面などで紹介するもの。

番組の冒頭での

AznavourMC・・映像と音、それが私の人生。私は両親を通じて音楽と映画に興味を持った。そして映画に関しては、姉は完璧な私の共犯者だった。小遣いをもらうと二人で映画館に行った。学校をさぼって。だけど当時誰もそれを禁じなかった。歌手としてデビューの頃マスコミの評判は良くなかった、むしろ悪かった。しかし映画俳優としての私の評価はおおむね良かった。

AïdaMC・・映画館ではFred AstaireGinger Rogersのミュージカルを上映していた。映画館で一日中過ごした。だから映画で歌われている歌なんか覚えてしまい、家に帰ってからCharles Astaire、私は Rogersの真似をして歌った。その頃は二人とも映画俳優になりたいと思った。その希望を誰も止めなかった。むしろ応援してくれた。後年Charlesのシャンソンは3幕ものの芝居だと言われることがある。確かに「Je n’ai rein oublié/遠い想い出」、「Comme ils disent/人々が言うように」などはそうだ。これらを聞く人々には映像が頭に浮かんでくるだろう。

他の出演者のMC・・Aznavourは映画に出演するときには歌手と言うことを忘れて俳優に徹する。歌手としては、美男子ではない、背が低いなどと批判された。しかしその「Monsieur Tout-le-Monde/普通の人」的風貌が俳優としては強力な武器になった。

 

Aznavourは1933年9歳でLe Théâtre du petit mondeのオーディションに合格。1935年11月Théâtre Marigny上演された「La Reine Margot/女王マルゴ」でHenri 4世の子供時代Henri de Navarreを演じ、Pierre FresnayYvonne Printempsと共演。1936年公開のJacques Daroy監督映画「La guerre des gosses/子供たちの戦争」に出演(クレジットには名は出ていない)、Mouloudjiらと共演している。

番組で紹介されたAznavour出演映画は:

・1959年3月20日公開Georges Franju監督「La tête contre les murs/壁にぶつかる頭」でHeurtevent役、初めてクレディットに名が載り、Pierre BrasseurPaul MeurisseAnouk Aiméeらと共演

・1959年4月29日公開Jean-Pierre Mocky監督「Les dragueurs/ナンパする人:(邦題)今晩おひま」で主役の内気な青年銀行員Joseph Bouvier役。もう一人の主役でプレイボーイのFreddy役のJacques CharrierJeanne役のAnouk Aiméeと共演。二人組の青年が様々な女性に声を掛けて仲良くなろうとする一夜の物語。しかし、理想の女性には会えなかった。 

 https://www.youtube.com/watch?v=t1SBksM0jLo

・1960年2月18日公開Jean Cocteau監督「Le testament d’Orphée/オルフェの遺言」では端役の「野次馬の一人」の役だった。

・1960年11月25日公開François Truffau監督「Tirez sur le pianistye/ピアニストを撃て」で、 Charlie Kohler(パリの小さなカフェ「Ma mie」のピアニスト)とEdouard Saroyan(アルメニア出身でかつては国際的に名の知られた天才ピアニスト)の2役(二人は同一人物)、Marie DuboisNicole Bergerらと共演。TruffauSaroyanをアルメニア出身としたことでAznavourが打って付けだった」。Aznavour「この映画は国際的にヒットした。そして、nouvelle vague/ヌーヴェルヴァーグの作品として、アメリカで、特に、アメリカの大学で評判になった。アメリカで私が歌手として知られるようになったのはその後大分経ってから」。

https://www.youtube.com/watch?v=X4BY8h9B92M

・1961年5月10日公開Denys de la Patelliere監督「Un taxi pour Torouk/トブルークへのタクシー:(邦題)地獄の決死隊」では兵士Samuel Goldman役でLino Venturaらと共演。Goldmanはドイツ語を話すことが出来、捕虜にしたドイツ人将校と心を通わせる場面も。この映画ではアルメニア出身の作曲家でAïdaと結婚したGeorges Garvarentzが音楽を担当。映画の中で用いられた「La marche des anges/天使の行進」(Aznavour作詞/Garvarentz作曲)は出演者全員が口ずさんだだけではなく、シャンソンとしてもヒットした。http://www.dailymotion.com/video/xsu93h_un-taxi-pour-tobrouk-bande-annonce-vf_shortfilms

・196011日公開André Cayatte監督「Le passage du Rhinラインの架橋」では主役の一人Roger Perrinパン職人で第次大戦に兵隊として動員されドイツで捕虜になった。映画の中でRogerはもう一人の主役である新聞記と一緒に捕虜になる。要領のいい新聞記者にRogerは「Tu es complètement con/君は本当におろか者だなー」と揶揄された。しかしRogerは「Je préfère un con à un sal homme/僕は汚い男より愚か者の方がいい」と答えている。Aznavour「これは正に私の生き方。映画に2人の主役がいるとき私には必ず何か問題のある人物の役が来る」。 映画は1962年ベニス映画祭でLion d’or/金獅子賞受賞。

・1979年Volker Schlondorff監督ドイツ映画「Le tambour/ブリキの太鼓:(原題)Die Blechtrommel」ではSpgimund Markus役。AznavourMarkusは問題を抱える人物、ユダヤ人(の玩具屋)で、自殺する。そんな人物をアルメニア人の私が演じることによって、Markusが普遍的な人物になるだろう。自殺する場面でSchlondorffが私のすぐ脇に付いていた。そこで彼に言った『これじゃー、穏やかに死ねないよ・・』」。この役は映画に中では端役だった。この頃にはすでにACIとして高い人気を誇っていた Aznavourであったが、そんな役にも全力投球した。

・1983年4月123日公開Claude Lelouch監督のEdith PiafMarcel Cerdanをテーマにした「Edith et Marcel」では本人役で出演。Aznavour「私はPiaf宅で8年も過ごしたこともあり、Piafについてはよく知っていた。そこでPiafについてClaudeにいろいろ話した」。映画でAznavourPiafのための新曲(「C’est un gars/一人の男の子」1950年Aznavour作詞、Pierre Roche作曲)を電話で歌い、それを聞いたPiafが「小さなgenie/天才が力を出し始めたわ」と叫ぶ場面はAznavourの経験から。Aznavour「ただしPiafは私を『genie con/天才で愚か者』と呼んでいた。私はそれを受け入れた。身近に感じていたからそんな風に呼んだのだろうと思っていたから」。

・2002年12月6日公開、両親がアルメニア人でカナダに住むAtom Egoyan監督「Ararat/(邦題)アララトの聖母」ではEdward Saroyan役。アルメニア人の Saroyanは、1915年アルメニア人にとっては聖なる山アララトで起こったトルコ人によるアルメニア人虐殺を映画化しようしている映画監督。映画は2002年Cannesの映画祭に出品されたがあまり注目されなかった。

・2004年製作ルーマニア・ベルギー・フランス合作のTV映画「Le père Goriot/ゴリオ爺さん」(原作Honoré de Balzac、脚本Jean-Claude Carrière、監督Jean-Daniel Verhaeghe)ではLe père Goriot役。ベルギーでは2004年9月14日放映、フランスでは2005年2月21日にはFreance 2で放映。

番組の最後でAznavourMC:私が俳優として活動を始めたとき、私には不安が一杯だった。あらゆる種類の不安を抱えていた。

私は俳優として可能性があるのだろうか?私の声でいいのだろうか?観客に受け入れられるだろうか?そして最終的には受け入れられたようでとても嬉しい。観客の皆さんは私にとって大きな家族のようなもの。

20489.jpg (567×770)image.php (342×342)

No.1437
2015.10.18 
 

№1437   2015.10.18


現在注目の歌手5人の、8月9月の新譜をご紹介いたします。

Emmanuel Moire
Cœur de Pirate
Maître Gims
Chimène Badi
La Grande Sophie  




・エマニェル・モワールEmmanuel Moire
が8月28日にリリースした新しいアルバムは「La Rencontre/出会い」。Moire1979Le Mans生まれの歌手、作曲家、俳優。Le MansConservatoireや個人講師について声楽を学んだ後、2000年にFrancis CabrelAstaffortで主宰する音楽講座で学び、その後地元の各種の催しものに出演。いくつかのオーディションに失敗した後、04年ミュージカル「Le Roi Soleil/太陽王」のオーディソンに合格。05年9月から07年7月までパリのPalais des Sportsなどで上演されたこのミュージカルでルイ14世役を演じ、「Etre à la hauteur/高見へ」、「Tant quon rêve encore/まだ夢みている限りは」などを歌い人気に。06年11月最初のアルバム「La où je pars/僕が出発した場所」をリリース、そこに収められた「Le sourir/微笑み」は特に好評、アルバムは12万枚以上売り上げた。07年9月にはポーランドのSopotで行われた「Festival de Sopot」で、「Ça me fait du bien/それは気持ちがいい」を歌い「Chanteurs internatinaux/国際歌手」部門で優勝。09年4月には2枚目のアルバム「Léquilibre/均衡」をリリース。11年にはミュージカル「Cabaret」に出演。12年Jean-Jacques Goldmanへのオマージュアルバム「nération Goldman」では「Au bout de mes rêves/夢の終わりに」をAmandine Bourgeoisとデュオで歌っている。13年4月には3枚目のアルバム「Le Chemin/道」をリリース、「Beau Malheur/美しい不幸」(友人Yann Guillon作詞、Moire作曲)、「Ne saimer que la nuit/愛し合うのは夜だけ」(dito)などが好評で、5つ☆の評価もあり、30万枚以上の売り上げ。13年秋から14年年央まで「Sur le chemin/道中で」ツアーを行い、14年1月15~17日パリOlympiaに出演している。4枚目となるアルバム「La Rencontre」には、今回もYann Guillonの詩に作曲した13曲が収録されている。批評家による評価は良好で「詩情に富んだ詩、よく練られた曲、2人のコンビは素晴らしい。Moireは現在のシャンソンフランセーズ界を代表する歌手の一人であることを証明した」。収録曲は:「L’attirance/引きつける力」、「Toujours debout/常に立っている」、「Par cœur/暗記して」、「Les vivants/生きている人々」、「La rencontre」、「Bienvenue/ようこそ」など。

「Bienvenue」 TVFance5「C à vous」2015年9月21日https://www.youtube.com/watch?v=gbMggDT83Ok

 



・クール ド ピラト Cœur de Pirateが8月28日にリリースした新しいアルバムは「Roses/バラ」

Cœur de Pirate(海賊のハート)、本名Beatrice Martin1989CanadaMontréal生まれのACI。ピアニストの母について3歳からピアノを習い、07年から曲作りを始め、グループで活動。08年にはソロに。09年フランスで60万枚以上売り上げたと言われるファーストアルバム「Cœur de Pirate」をリリース。そこに収められた「Comme des enfats子供たちのように」でVdMシャンソン賞受賞。11年セカンドアルバム「Blonde/ブロンドの女性」、14年アングロサクソンのヒット曲のカバーアルバム「Trauma/トラウマ」をリリース。14年「Bande à Renaud/ルノー軍団」では「Mistral gagnant/ミストラル ガニャン」を歌っている。Cœur de Pirateはカナダの音楽賞Félix賞を数多く受賞、09年新人賞、12年女性歌手賞、同年popアルバム賞など。 12年7月結婚、同年9月長女Romyが誕生している。4枚目のアルバムとなる「Roses」には自身の作詞作曲による10曲収められていて、フランス語で4曲、英語で6曲歌われている。フランス語で歌われている4曲は:「Oublie-moi/私を忘れて」(4月には先行してシングルカットされている)、「Crier tout bas/低い声で叫ぶ」、「Drapeau blanc/白旗」、「Tu oublieras mon nom/あなたは私の名を忘れるでしょう」。英語で歌われているのは:「Oceans Brawl,Undone」「Our love」、「Carry on」(「Oublie-moi」の英語ヴァージョン)など。 このアルバムなどに関してCœur de Pirateは次のように語っている・・英語の曲の方が多いのは英語圏で、あるいはより広く国際的にも受け入れられるようにと考えたから。英語圏の国では英語で歌わないと歌詞の微妙なニュアンスが伝わらないようだ。 母親になって変わった。大人になったと思う。物事を見る目が変わった。と言うことは書き方も変わったと言うこと。私は自分に起こったことを受け入れるようになった。今までは規則とか秩序とかを重視していたけれど。アルバムの中にはRomyを歌った曲もある。「Oublie-moi」は、私宛に私が書いた手紙、過去の私と現在の私との違い。過去の私との決別。・・愛し合っている二人には分っていた、お互い毒のような存在であることが。だから私を放っておいて・・。「Drapeua blanc」は母との関係を歌った。母になって初めて母が理解できるようになった。私の母は母であると同時に権威そのものだった。私がピアノを弾いているとき母はいつも私の後ろにいた。私がクラシックを諦めたとき、母には耐えられないことだったらしく、二人の関係が微妙になり、お互いに避けていた時期もある。この曲は母との和解。「Crier tous bas/小さな声で叫ぶ」は鬱状態にある苦しさを歌い、「Tu oubieras mon nom/あなたは私の名を忘れるでしょう」は別れを歌う。Cœur de Pirateは11月5日Paris Olympiaに出演の予定、その後12月中旬までフランス国内、ベルギーツアー。

「Oublie moi」TVFrance5「C à vous」52015年9月2日https://www.youtube.com/watch?v=Z7uhnz9Nyjw

 


・メートル・ギムスMaître Gimsが8月28日にリリースした新しいアルバムは「Mon cœur avait raison/僕のハートは正しかった」。リリースの週のアルバムチャート1位。アーバンミュージックの新しい旗手と呼ばれるMaître Gims、本名Gandhi Djuna、は1986年コンゴ民主共和国Kinshasa生まれのラップ系ACI。一家は1988年フランスへ。2002年友人らとラップグループSexion d‘Assaut結成。このグループは2013年NRJ音楽賞でグループ賞を、また「Avant quelle parte/彼女が出発する前に」でシャンソン賞を受賞。Maître Gims は12年からソロ活動、13年5月、「Je mtire/俺はずらかる」、「Bella/ベラ」(歌詞の中に「Jsuis lombre de ton ien-ch/僕は君のヌイの影」という件がある。Jacques Brelの「Ne me quitte pas/行かないで」の一節からとったもので「ien-ch」は「chien/イヌ」の逆さ言葉)などを収めた最初のソロアルバム「Subliminal」をリリース、50万枚以上の売上げでdisque de diamant/ダイヤモンドディスク。13年5月31日ソロでOlympiaに初出演、11月の「Fête de la chanson française」でParisMatch誌新人賞を受賞。Maître Gims Stromaeの「Racine carrée」には「AVF消え失せろ」で参加、また、Vitaaの「Game over」をデュオで歌っている。また、事業家でもあるMaître Gimsは自らのレコードレーヴェル(MMC)、衣料品ブランド(Vortex)を立ち上げた。

Mon cœur avait raison」はCD枚組、「Pilule Bleue青い錠剤」と銘打ったCDには「Brise/微風」、「Est-ce que tu m’aimes?/君は僕を愛している?」、「Contradiction/矛盾」、「Je te pardonne/君を許す」、「Mon cœur avait raison」などアーバンポップス15曲、CDPilule Rouge赤い錠剤」には「ABCD」、「Longue vie/長い人生」、「La main du roi/王の手」、「Angelina/アンジェリナ」などラップ10曲が収められている。視聴者の症状に応じどちらかの錠剤を。

Est-ce que tu m’aimesclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=6TpyRE_juyA

 



・シメーヌ・バディ・
Chimène Badi
日にリリースした新しいアルバムは「Au-delà des maux痛みを乗り越えて」。

Badi1982年Paris郊外Melun生まれの歌手。2002年TVM6のスタ誕番組「Popstars」に出場。優勝はできなかったがレコード会社の目に止まりAZと契約。03年1月ベルギー出身のACIRick Allisonに提供された「Entre nous/私たちの間に」をシングルでリリース、シングルチャートの1位を占めるなどのヒット。この曲を収め、3月リリースされたファーストアルバム「Entre nous」は80万枚以上のヒット。04年の2枚目「Dis-moi que tu m’aimes/愛していると言って」はJean-Félix Lalane作詞、Lara Fabian作曲の「Dis-moi que tu m’aimes」などを収録、120万枚以上。前回のアルバムは11年の「Gospel and Soul」で、仏(「Ma liberté/私の自由」Moustaki)、英・米(「For once in my lifeStevie Wonder)のヒット曲をゴスペル調にカバー30万枚。13年にはBadiTV各局が行っている各種スタ誕番組出身の歌手の中では、Nolwenn LeroyJeniferを抑えてレコードの売り上げが最も多い歌手だと報道された。さらに、2003年から12年の間のレコード売上げは370万枚で、女性歌手ではCéline Dion(437万枚)、Lorie(394万枚)についで3位との報道もあった。その後声帯の酷使により声がでない状況になり1年半ほど活動を休止していた。また最近Badiが35kg減量に成功したという話題が。Badiは太り気味なことに長年コンプレックスを感じていたよう。「32歳の今では均整のとれた体型になって満足している。自分自身との闘いだった。私は食欲不振と大食症に交互に見舞われ、体重が95kgになってしまった。他人の視線が怖かった。そんな体型で舞台に立ち、照明を浴びる、観客の視線を浴びることが」。

6枚目のアルバム「Au-delà des maux」には12曲収められていて、それらは作詞、作曲でGuy Roche(生年不詳―アメリカのプロデューサー、作詞作曲家)、Emeli Sandé(1987-イギリスのACI)、Emmanuel Moire(上記参照)、Zaho(1980-ACI)らの協力を得ているが「どれもが多かれ少なかれ私自身を歌ったもの。私の苦しみ、私の感動、私の思い出を」。12曲は:

Au-delà des maux」(Zaho作詞/作曲)は声のでなかった時期を歌ったもの。「そんな状況をポジティヴに歌いたかった。私にとって歌うことがどれほど心に、皮膚に染みついているものなのか歌いたかった。私にとっては困難な時期だったけれど、それだけに共に、真摯に、対応してくれた人々には感謝している。今は全てが解決した」。

Elle vit/彼女は生きている」(Guy Pache作詞/作曲)は女性のホームレスを歌ったもの。「私がパリに着いたばかりの頃、Bd.Haussemannを歩いているときに彼女に会った。彼女は私に何も要求しなかった。私はしばらくの間彼女と話をした」。

L’usine/工場」(Olivier Bron作詞、Gianni Mancuso作曲)は母やその同僚たちを歌ったもの。「母は長い間工場で働いていた。体力的に続けられなくなって私が9歳の時止めた。汗水流して働いている母を見ることは辛いこと。それに私の回りには月末になると苦しい人が沢山いた。このアルバムの中では私自身最も好きな曲」。

他に:「De quoi on se souviens/何を思い出す」、「Seule/たった一人」、「Ça ne regarde que moi/それは私だけの問題」、「Personne/誰も」(Moire作曲)など。

「Elle vit」2015.6.20 Fête de la musiqueで https://www.youtube.com/watch?v=i5tugI03sEE

 



ラ グランド ソフィーLa Grande Sophie
が9月25日にリリースした新しいアルバムは「Nos histoires/私たちの物語」。

La Grande Sophie、本名Sophie Huriaux(ステージ名の「grande/大きな」は身長178cmと大柄なためか)は1969年モーゼル地方生まれ、その後マルセイユ郊外に。9歳でギターを始め、13歳で兄弟や友人とグループ「Entrée interdite/入場禁止」を作り、当時のヒット曲のカバーばかりでなく自作も歌い、地方では有名に。マルセイユの美術学校で彫刻を勉強する傍ら曲作りを行い、95年Parisに上り、バーや小ホールで歌う。96年La RochelleFrancofoliesPrintemps de Bourgesに出演して注目され、97年ファーストアルバム「La Grande Sophie s'agrandit/ラ グランド ソフィーは大きくなる」を出す。03年に出した3枚目のアルバム「Et si c'etait moi/それが私なら」は一般にも、批評家にも好評で03年末から05年初めにかけて、フランス・ベルギー、ケベック各地のフェスティヴァルなどに出演し、05年のVdMで新人ステージ賞を受賞。05年のアルバム「La suite・・/続き」も好評。08年には小規模ホールでギターの弾き語りによるツアー「Toute seule comme une grande/大人の女性らしくたった一人で」を国内、スイス、ベルギーで行った。09年のアルバム「Des vagues et des ruisseaux/波と小川」はACC大賞を受賞。12年のアルバム「La place du fantome/幽霊の居場所」は「彼女は自分の居場所を見つけた」などと紹介され、13年VdMシャンソンアルバム賞を受賞した。

7枚目のアルバムとなる「Nos histoires」には自身で作詞作曲した10曲が収められている。7歳は「物心の付く年頃」と言われているが、La Grande Sophieの7作目にはある種の成熟さが見られ、「このアルバムに収められている曲の中には真珠のように美しいものも」との評価もある。収められている曲は:

Depuis le 11 mars/3月11日以後」は2011年の東日本大震災の津波で妻を失った夫をテーマにしている。歌詞の大意は・・僕は生活を変えた。心の痛みはあまりにも大きい、自分の恐れに勝った。僕は海辺でかがみ込み海を見る。君は飛んでいってしまった。もう家もなし、森もない、色彩もない。時間は止まっている。3月11日以後何も変わっていない。 僕は君の名を探した。地上を探し回った。それは昨日のことだった。 僕は泳ぎを習った。濁った水の底から再び君を地上に連れてくるために。僕は世界中の海の底を探し回る、そして君を見つけるだろう。君は僕のただ一人の恋人。今14時海岸から離れた沖合、酸素ボンベ、準備良し、僕は飛び込む。僕は君を見つけるだろう。僕は君を探すために潜る。ヨーコ、君を探して、ヨーコ、君を探して・・[残念ながら現在まで映像など入手できません]

Hanoï/ハノイ」はヴェトナムの首都の讃歌。「前回のツアーの最後はヴェトナムだった。ただ、ヴェトナムの英雄グエン・ザップ将軍の死去(2013年10月4日)と重なり、全国が喪に服しており、コンサートが一回だけだったことは残念。しかしそのおかげで市内を観光することが出来た。Hanoïは美しい町、そのエネルギーと人々の純粋さに感動した」。

Maria Yudina」は旧ソ連のスターリン体制に抵抗した女性ピアニスト(1899-1970)、但しスターリンのお気に入りのピアニストと言われている、に捧げられている。

Tu dors/あなたは眠っている」はJeanne Cherhal(1978- ACI)ピアノ伴奏による。

Je n'ai rien vu venir/何もやってこなかった」はDelphine de Vigan(1966- 作家、2007年「No et moi/ノーと私」でフランス本屋大賞受賞)の小説「Jours sans faim/飢えのない日々」に想を得た。

他に「Ma colère/私の怒り」、「Les lacs artificiels人造湖」など。

Hanoï」2015.9.22 ラジオ局France Inter "Partons en live"  で https://www.youtube.com/watch?v=a8yR0N4iu6U

らの会場は900人収容できるがsold-outの由。2016年にはグループ結成から40年になる。今回の「再結成」がこの2回の公演で終了するのか、続くのかは「on ne sait jamais/分からない」。

 

 

 

 

 

 
 No.1436
2015.10.10.
   

№1436  2015.10.10

最近の話題 その2

下記5人の歌手の最近の話題をお届けします。

Céline Dion
Michel Sardou
Téléphone
Jenifer

Yannick Noah

・セリーヌ・ディオンCeline Dion、新しいアルバムのため楽曲の提供を依頼

 Céine Dion(カナダ、ケベック1968- 歌手)は、8月27日、1年振りにLas VegasCaesars Palaceのステージに戻った。Caesars Palaceは、この日がDionの928回目の登場と言うことで、928本のバラを贈った。今回の初日のコンサートは、喉頭癌に罹り闘病生活を続けている夫のRené Angelilに捧げられた。 Dionは2016年にはフランス語のアルバムを、2017年には英語のアルバムを出す予定。いずれのアルバムのほぼ4年振りとなる。フランス語のアルバムは80万枚以上売り上げたと言われる「Sans attendre/待つことなく」(2012年)以来、英語のアルバムは「Loved me back to Life」(2013年暮れ)以来。そしてDionは8月中旬、フランスのラジオ局RTLなどを通じて、世界中の作詞家、作曲家に、この2つのアルバムのため楽曲を提供してくれるようにと呼びかけを行った。「作詞家、作曲家は誰でも結構、私に曲を送って下さい。私はこれからも進歩したいと願っているので、私に新しい目標を与えてくれるような曲、私を変わらせるような曲、楽しい時間を過ごせるような曲、私を感動させるような曲を」。

2015.8.27  https://www.youtube.com/watch?v=ZVtZU31TmlI

 

・ミシェル・サルドーMichel SardouMiterrand大統領は彼のファンだった

Michel SardouParis 1947― ACI、俳優)は、何にでもけちを付けるフランス人を代弁する歌手、保守的で、愛国的と言われている。そのSardouが、社会党の大統領François Mitterrand(1916-1996、第21代大統領で1981年から95年までの任期)に招待されたことがある。Mitterrand大統領は任期中、死刑制度を廃止いている。

 Sardou談・・ある日大統領府からの招待状を受け取った「次の木曜日に共和国大統領はあなたを昼食に招待致します」。私は多くの大統領が度々やったような、アーティストを集めた昼食会だろうと思った。ところがその日Elysee宮に招待されたのは私一人だった。シャンペンを注がれたグラスを手に待っていると、大統領が現れた。「Cher Michel、今日は食器にGeorges PompidouMitterrandの前々任、第19代大統領で保守系)が使っていたものを用意した。あなたが彼を支持していたと知っていますので」。食事が始まり、会話が始まると大統領が私の曲をよく知っていることが分かった。ほとんど全部の曲を知っているようだった。そして特に「Je ne suis pas mort, je dors/僕は死んではいない、眠っているだけ」(注1)が気に入っているようで、「この曲をコンサートで歌わない法はないよ」と言った。そして「Je suis pour/僕は賛成:邦題 悲しみの果てに」(注2)については「このタイトルは良くない。だから厄介のことが起こる。タイトルを『Le talion/タリオ:被害者が受けたと同様の苦痛を加害者に科す刑』とでもすれば良かった。君はまだ若いから仕方ないだろう」。・・・

Sardouは1993年Mitterrand大統領からLégion d’Honneur勲章のChevalier章を受けている。

(注1)「Je ne suis pas mort, je dors」は1979年の曲で、前年突然死去したClaude Francois(1939-1978)に捧げられている。

(注2)「Je suis pour」は1976年の曲。Sardouは76年1月に起こったPatrick Henry事件(Henryが8歳のPhilippe Bertrandを誘拐して殺害するという事件)に衝撃を受け、死刑制度に賛成する立場を表明したこの曲を作った。死刑廃止論者からは激しい反発を受けた。

Je ne suis pas mort, je dors」1980.2.23 https://www.youtube.com/watch?v=cnUwOlP2SGo

 

・テレフォンヌTéléphone、「再結成」されParisでコンサート

「再結成」されたTéléphoneが9月11日(金)Parisの小ホール Point Ephemer(200、quai de Valmy 10区、収容人員300)に出演。 Téléphone1976Jean-Louis Aubert(1955-ギターとヴォーカル)Louis Bertiganac(1954-ギターとヴォーカル)Richard Kolinka(1953- ドラムス)、 Corine Marienneau(女性 1952-ベースとヴォーカル)の人が結成したでフランス初のロックグループ。最初 Rolling Stonesなどの曲をカバーしていたが、その後メンバーが作詞(主にAubert)作曲(全メンバー)した曲を歌うようになり、77年ファーストアルバム「Téléphone」をリリース。79年のセカンドアルバム「Crache ton venin/毒づけ」に収録された「La ombe humaine/人間爆弾」は大ヒットしアルバムは100万枚以上売上げ、グループはカルト的な存在になり、一種の社会現象に。グループは86年解散。活動期間10年で他にアルバム「Au cœur de la nuit/真夜中に」(80年)、「Dure limités/厳しい制限」(82年)、「Un autre monde/もう一つの世界」をリリース、都合600万枚以上のレコードを売り上げた。

今回の再結成にはCorineは参加しなかったため厳密には再結成とは言えず、グループ名を「Les Insus/無名の人たち」にしての登場。Corineの代わりにAlexAleksander Angelove)がベースを担当。11日、9時15分、Téléphone全盛時には10代、あるいは青春まっただ中だった、40代、50代、そしてチケットを入手できた幸運の300人を前に現れた4人、1時間45分のステージで「Crache ton venin」から始めて、「Argent trop cher/貴重な金」、「Cendrillon/シンデレラ」、「New York avec toi/君とNYへ」、「Un autre monde」、「La bombe humaine」などを演奏。観客の一人は「30歳は若返って元気になった。だから、チケット代は保険の対象にならないか」。観客の多くはCorineが参加していないことを残念に「当時ロックグループに女性ミューシャンが加わっていたことは極めてまれだった。Corineの存在がTéléphoneの人気の一つの要因だっただけに」。観客にはPatrick BruelJoyce Jonathan(ファーストアルバムはBertignacのプロデュース)、TV司会者 Nagi の顔も見えた。

「La bombe humaine」 https://www.youtube.com/watch?v=QcA-973LA6E

Les Insusは9月15日にはLilleでの公演が予定されている。こちらの会場は900人収容できるがsold-outの由。2016年にはグループ結成から40年になる。今回の「再結成」がこの2回の公演で終了するのか、続くのかは「on ne sait jamais/分からない」。

 

・ジェニフェールJenifer、「Atar Academy」出場は危うかった

 Jenifer(本名Jenifer Bartoli 1982- 歌手、俳優)は、Nice生まれ、2002年TVTF1のスタ誕番組「Star Academy」の第1回優勝者。スタジオ録音アルバムは2002年の「Jenifer」(100万枚以上の売り上げ)から13年の「Ma déclaration/私の告白」まで6枚、都合200万枚以上の売上げ。またラジオ局NRJ賞受賞の常連(フランス語圏女性歌手賞6回受賞など)で、StaAca優勝後の歌手人生は順風満帆。しかし、Jeniferは最初StaAcaの本戦進出者のリストには入っていなかった。9月6日Pascal NègreUniversal Music France社社長)が出演したラジオ番組で語ったところによると:番組製作会社のディレクターは、女性出場者としてJeniferの代わりにbimbo(ブロンドで、胸が大きい、魅惑的)なhotesse de l’air/ステュワーデス考えていた。しかし「この番組は歌手を探しているのだから、Jeniferは外せない」というNegreの強い勧めで、リスト入り。JeniferNègreの期待通りだった。

StaAcaでゲストのSerge Lamaと https://www.youtube.com/watch?v=3oUfL5_NCr4

Jeniferは最近俳優としても活躍。14年7月23日公開Francis Begotti監督「Les Francis」(コルシカを舞台にした映画で、Francisとはコルシカの人々が本土の人々を言う)に映画初出演。また15年にはアニメ「La grande aventure de Maya la beille/蜜蜂マーヤの大冒険」でMayaの声を担当。15年にはSolange Cicurel監督の「Faut pas lui dire」に出演、Arie ElmalehCharlie DupontCamille Chamouxと共演、撮影は9月7日からベルギーで始まった。

 

・ヤニック・ノアYannick Noah、デ杯フランスチームの主将に

 Yannick Noah(1960- 歌手)が9月21日フランステニス協会により、2016年Coupe Davis/デビスカップ(デ杯)フランスチームの主将に任命された。NoahはフランスArdennes地方Sedan生まれ、父はカメルーン出身のサッカー選手、母はフランス人。父が負傷で帰国したため、3歳からカメルーンのYaoundeに住む。子供の頃始めたテニスでアメリカの伝説的プレイヤーArthur Asheに才能を認められ、11歳からニースのフランステニス協会のコートで練習。1983年にはRoland-Garros全仏で優勝(現時点でフランス選手として最後の優勝者)。91年にはデ杯フランスチームの主将を務め優勝。96年監督を務めた女子ナショナルチームはフェデレーションカップで優勝している。Noahは幼少の頃からもう一つの情熱の対象であった歌手の道にも進み、90年「Saga Africa/アフリカ伝説」で歌手デビュー。91年ファーストアルバム「Black & What」(60万枚以上)をリリース、その後定期的にアルバムをリリースしていて、特に03年の「Pokhara」は90万枚以上、06年リリースの「Charango」はミリオンセラー。最新アルバムは14年リリースの「Combats ordinaires/通常の闘い」。2001年7月にはvedetteとしてOlympiaに初出演、10年9月のStade de Franceコンサートには8万人以上の観客が集まった。また、毎年2回行われている「フランス人が好きな人物」のアンケートでは07年から12年7月実施分まで9期連続して1位、最新の15年7月アンケートでは32位。

1900年から行われているデ杯でフランスは過去9回優勝(最後の優勝は2001年)している。最近では2010年にはNovak Djokovicを擁したセルビアに、2014年にはRoger Federerを擁したスイスに決勝で敗れていて、2015年は準々決勝でイギリスに3対1で破れた。Noahnは就任の会見で「目標はここ10年以上逃しているCoupeを手に入れ、皆さんに喜んでいただくこと」。キャプテンとしての初仕事は2015年9月23日チリのサンティアゴで開催された2016年のドロー出席で、2016年3月行われる1回戦でカナダと対戦することになった。(日本は1回戦で、2015年11月に行われる2015年決勝戦に進出するイギリスと対戦)

Saga Africa」1991年デ杯優勝時 https://www.youtube.com/watch?v=ywt6dRg7qjY

 

 

 

 

No.1435
2015.10.1
 
   

№1435   2015.10.1


最近の話題   9人の歌手の最近の話題を一挙にお届けします。どうぞお楽しみ下さい。
 
シャルル・アズナヴールCharles Aznavour、「La Foire aux vins」出演 及びPalais des Sportsの初日
2.ララ・ファビアンLara Fabian、アイドルBarbra Streisandとのツーショットを自身のFacebook
3.エレーヌ・セガラHélène Ségara、過去の万引きを告白
4.エンリコ・マシアスEnrico MaciasBen LadenMaciasのファンだった?          

5.ジャン=ジャック・ゴールドマンJean-Jacques Goldman、「フランス人の好きな人物」連続第1位
6.リシャール・タルーRichard Tarroux、「私の職業、それはJohnny Hallydayであること」
7.ストロマエStromaeNYの通りなどで歌う
8.クロード・フランソワClaude Francois、因縁の愛車がオークションで高額落札
9ギー・ベアールGuy Beart、葬儀



1シャルル・アズナヴールCharles Aznavour、「La Foire aux vins」出演 及びPalais des Sportsの初日 

Charles Aznavour(1924-ACI)は5月に新しいアルバム「Encores/アンコール(英語)」(№1425)をリリース。8月1日レバノンBatrounFestival international初日に出演。8月7日にはAlsace地方Colmarの第68回「La foire aux vins/ワイン市」フェスティヴァル(8月7日―16日)の初日に登場。このフェスティヴァル出演は6年振り。午後9時、会場の「Coquille/貝殻」劇場に集まった、何世代にもわたる4500人の観客を前にして最初に歌った曲は「Les émigrants/移住者たち」。会場の気温は30度を超えたが「先週はレバノンで歌いましたので・・」。「Sa jeunesse/青春という宝」はピアノ1本の伴奏で。1時間30分以上にわたったコンサートの最後の曲は「Emmenez-moi/世界の果てまで」。 歌い終わった後、オベーションと共に観客が叫んだのは「EncoresEncores!」。フランスでは歌手に「アンコール」を要求する際「Encore/アンコール」と言うことはない。「Bis,bis!/ビス!ビス!」、あるいは「Une autreune autre !/もう1曲、もう1曲」、あるいは聞きたい曲のタイトルを叫ぶのが普通。Aznavourはいつもと同じで、「EncoresEncores!」には答えなかった、よう。

Les émigrants」 https://www.youtube.com/watch?v=pE3krMIMJ3Q

・・彼らやって来た、ポケットには何もなく、手には何も持たず。不毛な土地を開こうと、懸命に働き。彼らは留まった、目を上げて神 の近くにいると感じることもなく。みんな一緒に、熱意と美徳で、寺院を建てた、失われた時間を取り戻すために・・彼らは頑なに頑張った子供たちのために新しい世界を作ろうと。彼らは愛した、子供たちを、その血の中に彼らの伝統や彼らの訛りが混じっているから。みんな一緒に新しい世界を創造した、ホロコーストやゲットーのない世界を・・彼らは苦しんだ、そこから地獄を描いた人もいる、ペンや絵筆で、それがピカソだった。彼らは戦った、職業に愛情を持ち、人生を犠牲にしてまで、マリー・キューリーのように。みんな一緒に、彼らは明日のために働いた、人類の模範となって・・彼らは死んでいった、最も美しいもの、最も偉大なものを作り、残して・・移住者たちは・・

Aznavour9月15日から27日までParis Palais des Sports1,place de la Porte de Versailles 15区)で6回の公演。Palais de Congrèsでの公演が多かったAznavourにとって、この会場は初めて。「プログラムはもう10回以上変えた。何から始めて、何で終わろうかと考えて。30曲近く歌う予定で、通常の公演より多い。アンコールはない。私は自分が歌いたい曲を、歌いたいように歌う」。入場料は56ユーロ~165ユーロ。

9月15日、22時40分 黒を基調とした衣装、黒い水玉付きの赤いサスペンダー、高い詰め襟のシャツ、エナメルの靴でステージに現れたAznavourバックのミュージシャンは「parité hommes femmes/男女同数の原則」を考慮してか下手にコーラスも含み女性7人、上手に男性6人。 Iの字のように真っ直ぐ立って歌い、1曲終わる毎に微笑みながら拳を握り、数歩ステップを踏む。そして、数曲はステージ上のディレクターチェアーに腰掛けて。Aznavour1曲目は「La Foire aux vins」と同じで「Les émigrants/移住者たち」。30年前にAznavourが作詞作曲したこの曲、「・・彼らやって来た、ポケットには何もなく、手には何も持たず・・」と歌うこの曲は、日頃から自らを「Réfgié/難民」の子と語り、最近も「Réfgiés」への支援を表明しているAznavourにとっては当然の選曲か。その後「いつものように、新しい曲数曲、あまり知られていない曲を数曲、そして最後にクラシックを歌います」と語り、2曲目は最新アルバムからLa maison rose/ピンク色の家」。(ほかに最新アルバムから歌ったのは「Avec un brin de nostalgie/少しのノスタルジーを感じて」、「Et moi je reste/そして僕はここに残る」、「Des ténébres  à la lumière/闇から光へ」)。3曲目は「Paris au mois d’aout/8月のパリ」、4曲目はステージで歌うのは初めてという「A ma femme/我が妻に」。その後歌われた主な曲は:

・「Je voyage」は例によって娘のKatiaとのデュオで。

・「良いシャンソンとはどんなものだろう?歌詞を記憶にとどめることが出来るもの、そしてメロディーも記憶できるようなもの」と語って「Sa jeunesse/青春という宝」をア カペラで。

・トルコによるアルメニア人虐殺60年の年に作られた「Ils sont tombés/去りし人々」を歌い、「これはある人々に反対する歌ではない、アルメニアの代わりにルワンダを当てはめることが出来る」

「(前回のParis公演は2011年12月のOlympia出演であったことから)4年間の放浪の後、戻ってきました。91歳になって。 視力も弱くなったし、耳も遠くなった、それに記憶力ときたらひどいものです。プロンプターを使っています。使っているのは私だけではないが、使っていると白状するのは私だけ」。そして「Mes emmerdes/想い出を見つめて」ではわざわざプロンプターに近づき、この曲のよく知られた最後の件「mes aims, mes amours, mes emmerdes/友達、恋人、厄介事」をのぞき込むパーフォーマンスで会場を笑いに誘った。

・「Les plaisirs demodés/昔気質の恋」を歌う際には例によって右手を左肩にかけて二人で踊っている雰囲気を出しながら、今回新しいヴァージョンのアレンジで歌ったが、音がずれたか、途中で歌うのを止め、その後は古いヴァージョンで、それでもAznavour自身も、観客もそれを楽しんだよう。

・そしてAznavourのスタンダード、クラシックといわれる曲では、「Désormais/これからは」、「Hier encore/帰り来ぬ青春」、「Comme ils disent/人々が言うように」、「La Bohème/ラ ボエム」、「Emmenez-moi/世界の果てまで」、「Ave Maria/アヴェ マリア」、 「Les deux guitares/二つのギター」、 「Il faut savoir/それが分かれば」、「Mon émouvant amour/声のない恋」、「Non, je n’ai rien  oublié/遠い思い出」

・最後に歌ったのは「J’me voyais déjà/希望に満ちて」、そこの歌われている「今メイクの下の顔は老けた、年とともに少し気むずかしくなってきた、でも声は出るし、動きは正確、気力の十分、アイディアもある」は現在のAznavour自身か?

2時間のステージで27曲歌ったAznavour、70年のキャリアにもかかわらず、最初は上がっているのか、本調子がでるまで30分ほど掛かり、声がふらつくこともあったが、歌っているうちにますます若返るようで観客は彼の年齢を忘れてしまう。「Hier encore il avait 20 ans/昨日はまだ彼は20歳だった」のでは?

客席には歌手Serge Lama、歌手Gilbert Montagné、女優Claudia CardinaleTV・ラジオ司会者Vincent Perrotらの顔が。

J’me voyais déjà」 https://www.youtube.com/watch?v=Kcj7EYromb

この後11月3日ロンドンRoyal Albert Hall、11月22日アムステルダムHeineken Music Hallでの公演が予定されている。

 

2ララ・ファビアンLara Fabian、アイドルBarbra Streisandとのツーショットを自身のFacebook

Lara Fabian(1970-ACI)はこの秋には新しいアルバム「Ma vie dans la tienne/あなたの人生の中の私の人生」を出す予定で、先行して「Quand je ne chante pas/私が歌わないとき」は6月にはシングルでリリースされて、Fabianは2015年のFete de la musiqueで披露している(№1427)。その中でFabianは「私が歌わないとき、私は一人の女性であり、一人の母親、皆さんと同じ・・」と歌っている。そして「皆さんと同じように、私にもアイドルがいる。それはBarbra Streisand(1942-)で、子供の頃、部屋にはポスターを飾っていたし、くるぶしまで届く長い黒い衣装を着て、彼女の真似をしたこともあった」。Fabianは2005年TVTF1のスター誕生番組「Star Academy」にゲスト出演して、優勝したMagalie VaéStreisandの「Memory」を歌っている。Fabianは2011年11月11日LABevery Hillsで行われたDavid Foster(1949-カナダ出身の作曲家、プロデューサー)の結婚式でStreisandとのツーショットの写真を撮った。それを15年8月6日自身のFacebookup。写真の中のFabianは喜んでいるようだが、Streisandは多少驚いているのか、笑顔が少し引きつっているようにも見える。Streisandに会って「私の敬愛の気持ちはますます大きくなった」。

MemoryMagali Vaéhttps://www.youtube.com/watch?v=Se1tYyo8obw

画像(Barbra StreisandFabian

  http://i-cms.journaldesfemmes.com/image_cms/original/10126097-lara-fabian-rencontre-son-idole.jpg

 

3エレーヌ・セガラHélène Ségara、過去の万引きを告白

Hélène Ségara(1971-歌手)が8月12日スイスの「Le Matin」紙とのインタビューで次のように語っている。問:今までに盗みをしたことがあるか?答:恥ずかしいことだがある。息子(18歳で生んだ長男Raphaël)を育てるのに苦しかった頃。スパー「Leclerc」でソーセージを万引きしたことがある。後年、大分経ってから、Leclerc社長に会ったとき、払わなければと告白したら、「もう時効ですよ」。 他に、問:あなたにとって本当の幸福とは? 答:2年前から病気に悩まされているが、私の幸せ、それは毎朝、目を覚ましたとき自分自身にこう言えること「良い友人に恵まれ、優しい夫と素晴らしい子供たちに恵まれ、好きな仕事をできることは何と幸せなこと」。 問:あなたの性格は?答:頑固なこと、偽らないこと。 問:後悔していることは?答:亡くなってしまった人たちに色々聞いておかなかったこと。 問:最近泣いたことは?答:映画「American Sniper」。結末は本当に悲しいものだった。 問:誰と一緒なら快適な夕べを過ごせるか?答:スターとではない方がよい。消防士、看護士、そういうジャンルの人たち。私にとっては彼らこそ本当のヒーローだから。 問:どうしも止められないことは?答:食べ物。チョコレートとウニが大好き。 問:真の友人とは?答:誠実な友。私のイメージではなく、あるがままの私自身を愛してくれる人。  問:無人島に3つのものを持って行くとしたら?答:通信手段、手帳に鉛筆、それに音楽。 問:Avez-vous deja tue?/あなたは今までに殺したことはあるか?答:J’ai tue le temps/私は時間を殺しHélène Ségara et Raphaël(2012年) https://www.youtube.com/watch?v=1HkqYw8FScM

 

4エンリコ・マシアスEnrico MaciasBen LadenMaciasのファンだった?

Enrico Macias(アルジェリア、Constantine1938-ACI)はアルジェリアから1961年フランスに渡ったpied-noir(独立以前のアルジェリア在住、または生まれ、のフランス人)の一人。ユダヤ系でイスラエル国の支援者として知られていて、2006年にはイスラエル国の国防相から勲章を授与されている。ところが、8月17日のイギリスBBC放送によると、アルカイダの司令官でアメリカ同時多発テロ(2011.9.11)の首謀者とされるOussama Ben Laden(サウジアラビア1957-2011)はMaciasのファンだった。Ben Ladenのものと思われる1500本のカセットテープを分析したところ、その中の1本にMaciasの「Les gends du nord/北国の人々」が録音されていたと言うのである。[なお、カセットに「ses chansons retrouvees/彼のシャンソン(複数)が見つかった」との報道もあり、「Les gens du nord」の他にも録音されていたものがあるらしい。] Maciasは50年以上にわたるキャリアを通して「Aimez voue les uns les autres/お互いに愛し合い合いなさい」(1977年)、「Tous les hommes se ressemblent/人は皆にている」(1970年)、「Ouvre ta main et donne/手を開き、差し伸べなさい」(1963年)、「Enfanrts de tous les pays/世界の子供たち」(1963年)などにより、常に平和と寛容を歌っている。また1997年には国連のAnnan事務総長から「平和大使」に任命されている。この報道に接したMaciasは「最初に聞いたときは冗談だと思った。Ben Ladenが定めた規則では、『音楽は聞くな』とされていたらしいので。事実だと知り困惑している。私のシャンソンは彼があの残忍な行為を行うのを止めさせることが出来なかったとは」。

Les gends du nordhttps://www.youtube.com/watch?v=Fop4XlaizSY

・・北国の人々の瞳には青い色が宿っている、それは彼らが生活している周囲にはないのもだから。北国の人々の心の中には太陽がある、それは戸外にはないものだから。北国の人々は常にドアーを開けて待っている、苦しい環境にある人たちがやって来るのを。北国の人々は激しい風が吹くときは背を丸める。しかし、アコーデオンは彼らを踊らせ、ビールは彼らを歌わせる・・

 Maciasは9月2日、Paris Grands Boulvards地区にある自宅の浴場で転倒右手を骨折。救急車で病院に運ばれ緊急手術、全治まで数週間を要する模様。そのため10月に予定されていたMaciasの10年振りのアルバム「Les Clefs/鍵」のリリースは延期される。2016年1月16、17日に予定されているParis Olympiaでのコンサートには影響がないことを。

 5ジャン=ジャック・ゴールドマンJean-Jacques Goldman、「フランス人の好きな人物」連続第1位

Jean-Jacques Goldman(1951-ACI)が毎年(7月と12行われる「Les personnalités préferées des Françaisフランス人の好きな人物」アンケートで2013月実施分から5回連続1位に。8月16日、2015月15日―21日実施分の結果が発表された。アンケートは各界を代表する人物として予めノミネートされた50人につき、年齢、性別、職業などから割当標本抽出で選ばれた15歳以上の1000人を対象に、「あなたが今日のフランスで重要だと思われる人物、あるいは好きな人物10人を選んで下さい」と質問する方法で行われた。その結果上位3人は、1位45.6%が選んだJean-Jacques Goldman、第2位は俳優のOmar Sy(32.2%)、3位は女性政治家でAcadémie Française会員Simone Veil(31.2%)。歌手では4位にRenaud(30.1%)、7位Florent Pagny(25.1%)、12位Francis Cabrel(21.9%)、18位Patrick Bruel(20.5%)、21位Charles Aznavour(19.2%)、23位Alain Souchon(18.0%)、25位Johnny Hallyday(17.7%)、29位Michel Sardou(17.2%)、31位Mylène Farmer(16.2%)、32位Yannick Noah(16.0%)、33位Louane(16.0% 初登場)、34位M.Pokora(16.0%)、35位Nolwenn Leroy(15.8%)、44位Vanessa Paradis(12.6%)。

Goldmanは2001年10月、当時数学を学ぶ学生で22歳のNathalieと再婚、Nathalieはその後数学博士を取得し、現在はMarseille市内の中学の教師。Nathalieとの間に3人の女児。2004年子供たちとの生活を大事にしたいと無期限の活動休止を宣言。Nathalieの出身地Marseilleに住む。最近では、毎朝8時になると3人の子供を、ポロシャツ、短パン、バスケットシューズ姿で、学校に送り、午後は近所の広場で、4人で遊ぶという生活。 そして、特別の場合(主宰しているLes Enfoiresのコンサート及びいくつかの慈善コンサート)を除きステージに立つことはない。ただし、作詞作曲は続けていて、多くの歌手にヒット曲を提供している。

Jean-Jacques Goldman  https://www.youtube.com/watch?v=hkC6g95pK2Q

 

6リシャール・タルーRichard Tarroux、「私の職業、それはJohnny Hallydayであること」

Richard Tarroux(愛称リシーRichy、生年不詳 現在60歳?)は職業を問われると「Johnny Hallyday(1943-歌手、作曲も)であること、フルタイムの」と答える。TarrouxToulouseconservatoireで学んだ後ロックグループを作りアルバムも出している。1978年CannesHalydayを初めて聞いてからファンに。そして1980年代半ばから、顔の輪郭、目の色、声の質が Hallydayに似ているからと、プロの「sosie/そっくりさん」としての活動を開始。本物とsosieとが物議を醸すことがある中で、RichyHallydayが「reconnu/認めた」唯一のsosie。2007年には「フランスsosieコンクール」で優勝。「私はもちろんJohnnyの熱烈なファンだが、盲目的なファンではない。だからJohnnyと同じ刺青はしていない。40年近くミュージシャンとして活動、そのうちの20年以上はJohnnysosie。田舎に行くと大概の人は私を見てまず2、3歩後ずさりする。本物でないことが分かるまでに時間が必要らしい」。現在はMontpellierに住み、2時間に及ぶ自身のショーを企画するほか、テレビにも出演、各地の音楽バー、お祭り会場、各種の催し、商業センターの開所式など年間50回以上営業でフランス国内を回っている。特に本物が夏のヴァカンスに出かけている時期はsosieにとっては稼ぎ時。ところで、Richyを呼ぶための出演料は、Le Parisien Magazine誌(8月21日号)によれば、1350ユーロ(1時間のステージ、今年はすでに30回ほど予定されている)から12,000ユーロ(ミュージシャン、照明技師付き、2時間のステージ、すでに4回予定されている)まで。 素晴らしい!もちろん本物のようにスイスのGstaadに別荘を持つまでにはならないだろうが。 

Que je t’aimeRichy  https://www.youtube.com/watch?v=i6s7IOexr3k

Que je t’aimeJohnny  https://www.youtube.com/watch?v=SQ42uCrys_E

 

7ストロマエStromaeNYの通りなどで歌う

Stromae(本名 Paul Van Haver、ベルギー、ブリュッセル首都圏1985- ACI)はマラリアの治療及びその副作用のため入院加療の要があり活動を中止、8月中旬までいくつかのコンサートをキャンセルしていた。順調に回復、9月に入りアメリカツアーから活動を再開、ツアー初日は12日Miamiで迎えることにしている。ヨーロッパではすでに300万枚以上のレコード売上げを誇り人気絶大のStromae。アメリカでは、LordeWill I am、さらにはMadonnaStromaeは素晴らしい、コラボしたいなどと語ってはいるし、2015年4月のCoachella(アメリカ・カルフォルニア洲コンチュラ・バレー)のフェスティヴァルに出場し人気を集めたが、一般大衆の知名度が決して高くはない。そこでStromaeが行ったプロモーションは、まずGrosse PommeBig Apple)で耳目を集めようと、NYの通り、地下鉄、あるいは広場で歌い、踊ること。そしてその様子をアメリカの音楽サイトPitchforkが映像に収め、それをYoutubeで視聴することが出来る。マットを腕に抱え、シンセサイザーなど機材の入ったスーツケースを手にTimes Squareyellow cabから降りたStromae、衣装は最新アルバムで200万枚売り上げたと言われる「Racine carree/平方根(あるいは:きちんとしたルーツ)」に収録された「Papaoutai/パパ、どこにいるの」のオフィシャルクリップで着ていたもので、2014年10月からMusee Grevinに展示されている蝋人形が身につけているものと同じ。シンセサイザーを設置、紹介しだしたのは「Papaoutai」。映像ではその後地下鉄内、Brooklyn橋の下などでのパーフォーマンスの様子、最後にはMadison Square Gardenでサンドイッチマンの格好をし、自分のコンサートのチラシを配るStromaeが見える。アメリカ及びカナダ(MontrealToronto)での公演は12回予定されていて、楽は10月1日のMadison Square Garden

https://www.youtube.com/watch?v=3oUfL5_NCr4

 

8クロード・フランソワClaude Francois、因縁の愛車がオークションで高額落札

Claude Francois(1939-1978 歌手・・作詞・作曲も・・、プロデューサー)は、Clocloの愛称で呼ばれ、「Comme d’habitude/いつものように」(「My way」の原曲)、「Belles, belles, belles/美しい娘たち」などのヒット曲を持ち、1960年~70年代にかけて圧倒的な人気を誇っていた。その愛車、リンブルーマのMercedes 450 SEL6.9がオークションに掛けられ、97,500ユーロで落札された。このMercedesは1977年6月25日から26日にかけての夜、Francoisが銃で襲撃された際に乗っていたもの。人気絶頂であったFrancoisはこの日EssonneDannemoisの自宅に帰ろうと、4人の友人たちを乗せ、ハンドルを握っていた。高速道路であったにも関わらず、あまりスピードを出していなかった。Clocloはトランクに植物の鉢を乗せていたためスピードが出せなかったと言われている。そのため後続車は追い越しが出来なかった。おそらくそれにいらいらした後続車から銃弾がClocloの車に向けて発射された。幸いにもClocloはじめ全員無事で、負傷者は出なかった。奇跡的であった。警察の調査の結果Mercedesには9発の9mm弾の跡が認められた。  オークションはBonhams France社が9月5日Oise県のChantillyで行った。車の出品者は、Cloclo友人で、遺産管理人、実業家Alain Dominique PerrinPerrinの前夫人Marie-Therese DehaezeClocloの死去まで3年間Clocloの広報担当の秘書を務めていた。 落札者の詳細は明らかにされてはいないが、「ヨーロッパ人、フランス人ではない」由。

画像 ClocloのMercedes(銃痕)

http://www.lepoint.fr/images/2015/07/07/1876120lpw-1876149-article-mercedes-claude-francois-jpg_2933906.jpg

 

9ギー・ベアールGuy Beart、葬儀

9月16日に死去しBrelBrassensそれにBecaudの仲間入りした Beart(1930-2015 №1434)の葬儀は9月21日(月)11時から、住んでいたParis郊外GarchesHauts-de-SeineParisから西へ10km)の市営墓地(自宅から数100m)、ユダヤ人地区で、ごく内輪で行われた。混乱を避け市当局は墓地の入り口に警官を配置し、入場を規制、通常墓地近くを通る路線バスも迂回。遺族を代表しての挨拶は娘で俳優のEmmanuelle Beart(1963-)が行った。

参列したのは歌手の:Charles AznavourHugues Aufray(「素晴らしい、感動的な葬儀だった」)、Alain Souchon(「とても悲しい、彼のシャンソンを聞きながら育ったから。Emmanuelleの挨拶には感動した」、Laurent VoulzyPatrick BruelDaveViktor Lazlo(俳優、作家でもある) Nilda Fernandez。ほかに:Daniel Auteil(俳優でEmmanuelle の前夫「Guyと知り合えことを誇りに思う。葬儀はGuyとその家族らしい感動的なものだった」)、Jean-Claude Carriere(作家、脚本家、演出家、「素晴らしい人生の後の素晴らしい没し方だった」)、Laurent Gerra(ユーモリスト)、Fabien Lecoeuvre(シャンソンジャーナリスト)、Ivry Gitlis(イスラエル出身のバイオリニストで、葬儀の際には演奏した)

 

 

No.1434
2015.9.19
 
   

 №1434  2015.9.19 

ギー・ベアールGuy Béart、死去      

L’eau vive/河は呼んでいる」を歌った歌手として日本でも知られているGuy Beartが9月16日朝死去。BeartGarchesHauts-de-Seine県)の自宅から理髪店に行こうと道路を歩いているときに突然倒れ、救急隊の処置も効なかった。享年85歳。

BeartBrelBrassensに次いでシャンソンフランセーズのBと言われる。(Barbaraを加え4Bとも。)「シャンソンフランセーズの永遠の反逆者」(フィガロ紙1998年)。1930年7月16日 父親の任地、エジプト、カイロ生まれのACI。公認会計士であった父の都合でユーロッパ、地中海沿岸各国、メキシコを転々と、10歳からはレバノンに。17歳でパリに、土木技師幹部養成機関であるL'Ecole nationale des ponts et chaussees(国立土木学校)を卒業し、当時の最先端技術であった結晶体、コンクリートの専門家に。ナンシー近郊の橋梁建設の責任者にも。子供の頃から音楽に興味を持ち、マンドリン、ヴァイオリン、ギターなどを習い、土木工学を勉強の傍ら音楽学校にも通った。両親の没後の50年代半ばから「Sainrapt et Brice」社の研究所技師として働きながら左岸のキャバレ「La colombe」、「Le port du salut」、「Michel Valette」などで歌う。57年には技師の職を捨てる。Jacques Canettiに認められ、「Trois Baudets」に出演、その薦めで57年に出した33回転(LP)「Guy Béart」(「Quon est si bien/なんて良い気分」、「Bal chez Temporel/タンポレル軒の舞踏会」、「Il y a plus d'un an/もう1年も前のこと」、「Laura」など10曲収録)が58年ACC大賞。

1958年Francois Villiers監督の映画「L'eau vive/河は呼んでいる」の同名の主題歌を作詞作曲し歌う。

1959年最初のOlympia出演はCaterina Valenteと共演。

1960年にはFrançois Villiers監督の映画「Pierrot-la-Tendresse/やさしい男ピエロ」の音楽を担当、「Il n’y a plus d’après/後には何もない」を収録したLPGuy Beart №3」を出す。

1960年代に入るとGainsbourgBécaud,Aznavourらの新しい波の前に沈滞、TV番組を手がける。

1963年芸能人を招くTV番組「Bienvenue chez Guy Béart/ギー・ベアール家へようこそ」は70年まで続いた。

1965年アルバム「Guy Béart」(「Qui suis-je/私は誰」、「Les grands principes/たてまえ」)でACC大賞。

1966年古いシャンソンを集めたアルバム「Vive la rose/バラに乾杯」(Aux marches du palais/お城の階段で」、「Le pont de

Nantes/ナントの橋」、「Brave marin/勇敢な水夫」、「Le rois a fait battre tambour/王様は太鼓を打てと命じた」)。

その後ガンのため活動休止、

1986年「Demain je recommence/明日また始めるぞ」で復帰。

1987年SACEMGrand Prix de la chanson française受賞

1994年Académie Francçaiseから「Grande médaille de la chanson française」を授与される。

1994年アルバム「Il est emps/今はその時」

1996年2月20~25日Olympiaに出演

1999年「Béart en public」96年Olympia公演のライヴ2枚組CD

2010年15年振りのアルバム「Le meilleur des choses/最良のもの」、最良のものを今まで取って置いたと評された。

2015年1月17日のOlympia公演を最後にステージから引退していた。

 

彼の曲は彼が歌手としてデビューする以前から多くの歌手に歌われている。Patachou(「Bal chez Temporel/タンポレル軒の舞踏会」)、Juliette Gréco(「Il n'y a plus après/後には何もない」後にYves Montandも)、Zizi Jammaire(「Il y a plus d'un an/もう1年も前のこと」や「Qu'on est si bien/なんて良い気分」)。

65年に生まれた長女Emmanuelleは女優。

 

 訃報に接した各界から哀悼の辞・・

大統領François Hollande:比類のないACI。彼のシャンソンのルフランは年代を問わず、多くの人が口ずさんだことがある。彼の作品は、彼の没後も長く残ることだろう

首相Manuel Valls:偉大な歌手、彼の曲は、我々の文化の一部、我々の陽気な生活の一部。

文化大臣Fleur Pellerin:優れた詩を書いた歌手、その詩に深さと力を与える音を見つける能力は抜群だった。「La verité/真実」、「L’eau vive」はこれからもフランス人が忘れない曲、そして好きな曲になるだろう。

歌手Julen Clerc:天才的なメロディスト。彼のシャンソンは一見単調。しかし歌ってみると見かけほど単純ではない。「L’eau vive」を歌ったことがあるが、低いところから始まって半音ずつ上がっていき、声が出なくなった。

歌手Juliette Gréco(「Il n'y a plus après」などを歌っている):とても悲しい。彼は全てのテーマを匠の技で、独特のやり方で、独特の言葉で表現した。人間味を体現した人物だった。

歌手・俳優Martie Laforêt:友人だった。語り合える、議論できる友人だった。今や失われつつあるフランス人的な精神持ち主だった。いなくなったことは悲しいけれど、永遠の世界に入ったのだから・・

歌手Hugues Auffray:50年来の友人から「さようなら!」

 

また元文化大臣Jack LangLe Figaro紙で)とシャンソンジャーナリストFabian Lecœur(2015.9.16 TVFrance 3「C à vous」で)は次のような逸話を語っている。

・・Béartは1982年4月のFrançois Mitterrand大統領訪日の際、大統領とともに来日した。宮中晩餐会の答礼としてフランス大使公邸で開催された大統領主催晩餐会には昭和天皇も出席された。晩餐会終了後のくつろいだ時間に Béartがギターを弾きながら日本語で歌い出した。そして一同に一緒に歌うことを要請。天皇も大統領も一緒に口ずさまれた。

 その曲についてLangは「当時日本でも流行っていた曲」、Lecœurは「L’eau vive」だとしている。なお、大野修平氏「修平のひとりごと」(2005年?6月14日火)によれば、西川恵著「エリゼ宮の食卓、その饗宴と美食外交」(新潮社 1996年)を引用して「Le

temps des cerises/桜んぼの実る頃」だったとしている。

 

L’eau vive」 https://www.youtube.com/watch?v=NkV8JQKSvdA

Il n'y a plus après https://www.youtube.com/watch?v=3LKtK02Y3mc

A l’Olmpia 2015.1.17 https://www.youtube.com/watch?v=GuK1rPjozGQ

No.1433
2015.19.1
 
   

№1433/ / 2015.9.1

コラ・ヴォケールCora Vaucaireのコンピレーションアルバムリリース     



コラ・ヴォケールCora Vaucaireのヒット50曲を収録したコンピレーションアルバム「Ses plus jolies chansons/彼女の最も美しいシャンソ」が 7月16日リリースされた。




Cora Vaucaire、本名Geneviève Collin、は1918
22Marseille生まれの歌手1)、2011年9月17日Parisで死去。

1)生年について、Larousse社刊Pierre Sakaほか著「La chanson française et francophone」、藪内久著「シャンソンのアーティストたち」、大野修平著「哀愁と歓びのシャンソンの名曲20選」などは1921年としている。しかし、死去を伝えたフランスの報道では「生年1918年、享年93歳」としている。

・15歳半で家出し母方の祖母を頼ってParisに。劇場の研究生として演劇の勉強、エキストラとして、生活の糧を得ていた。美声を知っている友人たちに勧められ歌手に

・1938年Pigalleのキャバレ「La Chauve-Souris」で歌手デビュー、ステージ名はMichele Dax

・1941年ABCの新人コンクールで「La chanson tendre/優しい歌」を歌い優勝。この曲は1935年Fréhel(1891-1951)の創唱によるもので、審査員だったFréhelCoraを食事に招き「とうとう私の後継者を見つけたわ」

・1942年作詞家のMichel Vaucaire(1904-1980)と結婚

・ドイツ占領中(1940.6.22-44.8.25)は積極的な活動はせず 

・終戦直前には「Chez Carrere」(rue Pierre-Charron 8区)に出演、終演後は自転車で帰宅

・解放後はCora Vaucaireの名でラジオ出演から始める 

・1945年Rive Gaucheカルティエ・ラタンの「L'Echelle de Jacob」(10、rue de Jacob 6区)に出演、毎夜20曲歌い、左岸一の人気に。その後L'Ecluse(15, quai des Grands-Augustins 5区)、L'Arlequin(76, rue de Rennes 6区) などに出演

La Dame blanche de Saint-Germain-des Prés

  ステージには常に白いピケ厚手の生地で登場、Combat紙記者 Maurice Ciantarは「La Dame blanche de Saint-Germain-des-Présサンジェルマン プレの白い貴婦人」と命名。

1848月「Les feuilles mortes枯葉」レコーディング

194825日公開Louis Daquin監督「Les Frères Bouquinquantブケンカン兄弟」で映画初出演。流しの歌手役で主題歌「Je ne vois qu'elle/彼女しか見えない」を歌う 

・1955年 「La complaite de la Butte/モンマルトルの丘」、「Retour à Montmartre/モンマルトルに帰りて」

・1956年最初のLPCora Vaucaire」:「Les jardins de Paris/パリの公演」、「Ernest, eloignez-vous/さようならエルネスト」、「Rose blanche/白いバラ」、「Frédé/フレデ」など10曲収録

・1956年10月右岸Pigalleのキャバレ「La Tomate」の責任者となり、客に60曲をリストアップしたカードを渡し、その中からリクエストされた曲を歌う「chansons a la carte/シャンソン ア ラ カルト」と銘打ったステージを行った。この試みはスエズ動乱で石油不足となり2ヶ月で中止された

・1956年公開Carlo Rim監督「Les Truands/浮浪者たち:宿無し」で街の歌手役で出演、Daniel Soranoと「La ballade des truands/宿無しのバラード」を歌う

・1960年7月鬱病と診断され、63年5月頃まで不調の時期

・1961年5月17日公開Henri Colpi監督「Une aussi longue absence/かくも長き不在」(カンヌ映画祭でPalme d’or受賞)で用いられた 「Trois petites notes de musique/小さな三つの音符」を歌う

・1962年公開Reger Leenhardt監督映画「Le rendez-vous de minuit/真夜中のランデヴー」で同タイトルの曲を歌う

・1964年10月公開Roger Vadim監督の映画「La ronde/輪舞」に出演、ベ ル・エポックの歌手役で「Ah !c'qu'on s'aimait/あんなに愛し合っていた二人」を歌う

・1965年12月Jacques Prévertの詩による曲を集めたLPChansons et poèmes de Prévertプレヴェールのシャンソンと詩」:「Embrasse-moi/私を抱いて」、「Deux escargots s'en vont à l'enterrement/2匹のカタツムリ葬式に行く」、「Barbara/バルバラ」、「Orgue de Barbarie/手回しオルガン」、「L’addition/青春の決算」、「Quand tu dors/君が眠るとき」、「La grasse matinée/朝寝坊」、「Le gardien de phare aime trop les oiseaux/灯台守は鳥が好き」など収録

・1968年5月革命の際はストライキ委員会の要請で労働者の前で歌う

・1970年新進気鋭の作家たちの作品を多く収録したLPComme au théâtre/お芝居のように」:「Comme au thâatre /お芝居のように:(邦題)愛の終幕、作詞作曲R.Arday)、「Je n'irai pas à Saint-Tropez/思い出のサン=トロペ」(Michel VaucaireFrancis Lai)、「Maintenant que la jeunesse/時こそ今は青春」(Louis AragonLeonardi)など収録

・1971年L'Ecluseの危機を救う出演 

・1973年LPPlaisir d'amour/愛の喜び」:「Plaisir d’amour」、「Complainte du Roy Renaud/ルノー王の哀歌」、「Aux marches du palais/お城の階段で」、「Le prisonier de Nantes/ナントの囚人」、「Pauvre Rutebouf/哀れなリュトブーフ」など収録

・1973年9月Bobino出演

   Show-bizの世界にはアレルギーを感じ、「目立たない」と言うよりも「隠れた」存在で、人気歌手になってからも、小規模ホール中心の活動。大きなミュージック・ホールを意図的に避けた。例外は1973年1ヶ月のBobino出演と1991年1日だけのOlympia出演。

・1980年初来日、12月7日草月ホールに出演。その後 95年まで7回来日

・1991年12月Olympiaに1日だけ出演

・1999年9月10日から12日「Bouffes du Nord」(37bis Bd.de la Chapelle 10区)に出演、最後のリサイタル

・2011年9月17日パリの自宅で死去、遺体は9月22日パリPère Lachaise墓地で荼毘に付された

 

Ses plus jolies chansons」に収められているのは:「Trois petites notes de musique」、「La complainte de la Butte」、「Le tourbillion/つむじ風」、「L’air de Paris/パリの空気」、「Les amours finissent un jour/ある日恋の終わりが」、「Bal chez Temporel/タンポレル軒の舞踏会」、「Pauvre Rutebeuf」、「La rue s’allume/灯ともし頃」、「Le temps des cerises/さくらんぼの実る頃」、「Les feuilles mortes」、 「Aux marches du palais」、 「La complainte du Roy Renaud」、「Rose blanche」、 「Frédé」、 「Retour à Montmarte」、「Duex escargots s’en vont à l’enterrement」、 「Chanson  tendre」、 「La vie d’artiste/芸術家の生涯 」、「Ernest eloignez-vous」、「L’écharpe/スカーフ」など。

 

La complainte de la Butte」 https://www.youtube.com/watch?v=xu6MFko2FGI

Fréé」 https://www.youtube.com/watch?v=WN4SUvyVqqo

Trois petites notes de musique」 https://www.youtube.com/watch?v=9VH6iGPrlec

L‘écharpe」 https://www.youtube.com/watch?v=llT96q0_lCY

Comme au  théâtre」 http://www.dailymotion.com/video/xl9vai_cora-vaucaire-comme-au-theatre-1976_music

No.1432
2015.8.21 
   

№1432    2015.8.21

 

最近の話題 あれこれ (その1)  ジュリアン・クレールJulien Clercほか、   

 

 ジュリアン・クレールJulien Clerc、夫人とは「vouvoyer

Julien Clerc(1947-歌手、作曲家)とその夫人Hélène Grémillon(1977-作家、脚本家)は、お互いに「vouvoyervousで話す」している。

[フランス語では2人称単数の主語にはvoustuがあり、夫妻や家族間、恋人同士、友人同士、あるいは若者同士では「tutoyertuで話す」のが一般的]

Hélèneは2004年からJulienのパートナーで、二人は2012年12月結婚。Julienにとっては2度目の結婚。HélèneJulienとの間には男児Léonard (2008-)がいる。LéonardJulienにとっては5人目の子供。JulienHélèneは2004年CannesTV番組で知り合った。30歳の年齢の差がある。Hélène:「Julienは父よりも、3歳年長。でも私の両親は私たちの関係に一切口を挟まなかった」。二人は出会った当初当然vouvoyerしていたが、それが現在まで続いている。Julien:「たまに冗談で、tuで話すこともあるが、すぐにvousになる。vouvoyerするからと言ってお互いに思いやりがない訳じゃないし、他人行儀なわけでもない。ただそういう習慣なだけ」。

       1589050-julien-clerc-et-sa-femme-950x0-1.jpg (950×697)

 

 

 ミシェル・フガンMichel Fugain、マネージャーに横領される

Michel Fugain(1942-ACI)は2011年に35年間連れ添った夫人Stéphanieと別れた。そして2002年に知り合い、2006年からコルシカで生活を共にしていたSandaFugainより25歳年少、ルーマニア出身の歌手でLilleのピアノバーで歌っていた)と2014年結婚。Fugainは2013年若い、それにそう若くない11人のミュージシャンとグループ「Pluribus」を結成し、9月30日最初のアルバム「Projet Pluribus」をリリース、その後ツアーを行い、2015年3月7日にはParis Folies Bergèreに出演した。2015年になってグループが財政的に危機に陥っていること、その原因がマネージャーによる出演料などの横領によると判明。マネージャーを解雇、グループの管理を夫妻で行うことにした。そしてグループは活動を倍増、この夏から2016年1月末まで、フランス国内及びRéunion、ベルギー、スイスを回るツアーを行う。

Une belle histoire/美しき恋物語」https://www.youtube.com/watch?v=-qXKEltyksA

 

 ジャック・デュトロンJacques Dutronc、猫を避けてようとして怪我

Jacques Dutronc(1943-ACI)と夫人のFrançoise Hardyは1967年からコルシカのHaute-CorseMontcelloに居を構えていて、Dutroncは通常そちらに居住している。Françoiseの方は普通Paris16区に居住している、らしい。猫好きなDutroncは多いときには50匹以上の猫を飼っており、現在でも20匹以上の猫の面倒を見ている。そして広大なDutronc邸の入り口の門柵には「スピードを落とせ、猫に注意」の看板が掛けられている。 今回の怪我は7月に1匹の猫がDutroncの足下を通った際、猫を避けようとしてバランスを崩して転倒したもので、今年72歳のDutronc、かつての機敏さはなかったよう。隣人の話によると、この事故の後Dutroncがカフェ「Chez Jo」でコヒーを飲む回数も、レストラン「A Pasturella」の昼食をとる回数も減っているよう。人口2000人弱のこの村では8月に祭りがあり、Dutroncは多くの場合それに喜んで参加していた。村人は皆今年もDutroncが参加してくれよう早期の回復を願っている。

 

m_298882802_0.jpg (700×468)

 

 トマ・デュトロンThomas Dutronc、最初に酔っぱらったのは11歳の時

Thomas Dutronc(1973- ACI。父はJacques Dutronc、母はFrançoise Hardy)は2015年5月3枚目のアルバム「Eternels jusqu’à demain/明日までは永遠に」をリリース、そのプロモの最中。7月23日ラジオRTLの「Drole de rencontre/奇妙な出会い」に出演したThomasは幼少時代の次のような思い出を語った・・子供の頃我が家には至るところにテレビがあった。トイレの中にも。そして子供心にも、有名人の子供として自分に与えられた役を演じなければならないものだと思っていた。「Bonjour」と「Merci」は他の誰よりも礼儀正しく言い、常に微笑みを絶やさず、そして一日中ネクタイをちゃんと締めているというように。  ある日両親とParis市内のレストランで夕食を取った。Serge Gainsbourgが一緒だった。Gainsbourgはテーブルの下からシャンペンの入ったグラスを僕に渡した。両親は気づいていたみたいだった。しかし、私がそれを飲むのを止めなかった。飲んだ私は気分が悪くなった。酔ったのだろう。11歳の時だった。でもこれは素晴らしい思い出だ。人生で初めて飲んだアルコールをGainsbourgに注いでもらった人はそう多くないだろう。だからと言って、それが僕にGainsbougのような才能を与えてはくれなかったけれど・・

photo_1437650129.jpg (574×322)

 

 

 ジャック・イジュランJacques Higlin、娘の声が分からず

Jacques Higlin(1940-ACI、俳優)は1965年にデビュー、「Cet enfant que je t’avais fait/僕が君に作ってあげた子」(1967年Brigitte Fontaineとのデュオ)、「Tombé du ciel/空から落ちて」(1988年)などのヒット曲を持ち、2009年にはSACEM大賞を受賞した人気ACIHigelinはまた、Artheur H(1966-ACI、2009年VdMの「ロック/ポップアルバム賞」受賞)、Izia(1990-ACI)の父親。Iziaは14歳で自作を歌ってデビュー、2009年リリースのファーストアルバム「Izia」で2010年VdMの「ロック/ポップアルバム賞」及び「新人ステージ賞」を受賞、11年リリースのセカンドアルバム「So much trouble」で12年VdMの「ロック/ポップアルバム賞」を受賞している。Iziaは2015年4月13日3枚目のアルバム「La vague/波」をリリース。それまでの2つのアルバムは英語で歌うロック調の曲を収めていたが、「La vague」にはフランス語で歌うポップ調の9曲が収められていて、前2者とは趣の異なるもの。Iziaは7月に出演したラジオ番組で次のように語っている。・・アルバムに収められた「La vague」を、車の中でラジオFrance Interから流れるのを聞いた父は、「今ラジオで聞いた曲はVachement bien/素晴らしい。きっとお前も気に入ると思う」と私にメールしてきた。その2分後それが私の曲だと知って再度メールを送ってきた「Mais je suis con !/なんて私は馬鹿なんだ!お前の歌は本当にVachement bien!」

jacques-izia-higelin.jpg (425×250)

 Higelin(娘と父)

La vaguehttps://www.youtube.com/watch?v=3sat9J6YaH4

 

 ジェーン・バーキンJane BirkinHermèsエルメスのバッグに「Birkin」の名を使用しないよう要請

Jane Birkin(1946- 歌手、俳優)はヴァカンスを例年通りブルターニュ地方、FinistèrePrat-Ar-Coumの館で過ごしている。

Birkinは7月22日Hermès社に対して、Birkinの名が付いたワニ革のバック「Birkin Croco」を「débaptiser/名を改める」ように要請した。Hermèsのバッグ「Birkin」は1984年に発売されてから、世界で最も高価なバッグと言われ、最も安いもので3万ユーロ。フランス国内で一人の職人によって18~25時間掛けて全て手作業で製造され、バッグにはその職人の名が刻されている。そして注文者名簿の順に引き渡される。従って直ちに入手できる中古品市場でのほうが新品より高値が付いている。 Birkinがこのような要請をしたのは、6月にPeta(アメリカの動物保護団体)の報告書が、バッグの材料になるワニが残酷な方法で殺されていると映像を添えて告発したことによる。映像はアメリカテキサス州のある農場で撮影されたもの。Birkinは国際的な規範に合致するよりよい方法が採られるまで、Birkinの名を使用しないように要請した。これに対してHermes社は「当社もこの映像にはショックを受けた。しかし、Birkinバッグに使用している皮革はその農場から納入されているものではない。当社に納入される皮革を提供するワニに関し、同様な事態が認められれば適切な処置を講ずる」。

  000_was941033.jpg (640×580)

  Sac Helmès Birkin 2007年のオークションで、129,000ドルで落札されたもの

  

 

 ケンジ・ジラックKendji Girac、6歳の少女がヒット曲を歌う

Kendji Girac(1966-歌手・作曲家)はTVTF1のスター誕生番組「The voice」第3シリーズ(2014年)の優勝者。14年9月には「Color Gitano」、「Andalouse/アンダルシア女性」、「Mon univers/僕の世界」などを収録したファーストアルバムで「Kendji」をリリース。アルバムは14年フランス国内売り上げ第2位、15年7月には売り上げが90万枚を越えたと言われている。Giracは15年5月にはParis Olympiaに初出演。このOlympiaコンサートの模様は9月17日、フランス、ベルギー、スイスの209の映画館で20時から上映されることになっている。  その後もツアーを続けているGirac、7月19日にはフランス南部AudeCarcassonneのフェスティヴァルに出演。そこでGiracMontpellierに住む、6歳の少女Manuela Diazの訪問を受けた。ManuelaGiracのファンで「Andalouse」を歌い、その映像を15年1月Youtubeに投稿、映像は100万回以上再生されている。この日ManuelaGiracの前でこの曲を歌うことを希望、Giracも喜んでOKManuelaはアイドルの前で臆することなく熱唱、Giracも指を鳴らしてそれに和した。その映像も投稿され、すでに50万回以上の再生。

 Kendji GiracAndalousehttps://www.youtube.com/watch?v=efl__d7xJTk

 ManuelaAndalousehttps://www.youtube.com/watch?v=JUHoM1KEoVc

 

 クリストフ・ヴィレムChristophe Willem、教会修復に一役

Christophe Willem(1983-ACI)はLorraine地方Vosges県の人口2000に満たない小村Plombière-les-Bainsの教会修復に一役買うことに。これはこの秋TVFrance2でStephan Bernの司会で放送されることになっている「Sauvon nos tresors/我々の財産を守ろう」に係る事業の一環。この番組ではBernは再建、または修復が必要な国内の重要な建造物(教会、橋、城など)について、必要な資金を集めるために各界の著名人に発起人になることを要請する。WillemPlombière-les-Bainsの教会修復のために必要な資金を募集する発起人になった。この教会の屋根及びパイプオルガンの修復には80万ユーロが必要だとされている。Willemは7月29日16時30分から45分間、同教会で入場無料のコンサートを行った。但し入り口には募金箱を置いて。「僕はこの教会に再び命を与えたい。教会で歌うことは今まで何度かあった。今年の2月にはMont Saint-Michelの修道院で歌っているし(注)」。今回のコンサートには1000人近くの観客が集まった。教会内には450人しか収容できないため、Willemは教会の外に出て歌うこともあったよう。歌ったのは「Double je/2重の僕」、「La regle du jeu/ゲームのルール」、「LovniUFO」など。最後に歌ったのは「La vie est belle/人生は美しい」で、歌詞の最後は「人生は美しい、人生は美しい。僕は杯を上げる、この素晴らしい世界のために」。

(注)Willemは2015年2月からピアノ本の伴奏で、Suisse MontreuxChillon(215Pic du Midiピレネー山脈の山、海抜2877m、221Bordeaux近郊Chateau Malartic Langriviere(23)Mont Saint-MichelSt..Pierre修道院(225ParisInstitut du Monde ArabeParisBruxellesAtominum(320hからなどで小規模コンサート各回の観客は100人以下を行った。

Plombière-les Bainsの教会で https://www.youtube.com/watch?v=RO9C8N7vARM



 No.1431
2015.8.20
   

№1431    2015.8.17

歌手当てクイズ(その4)                                    

ラジオ局RTLで放送されたクイズ番組を編集、10回のシリーズでお届けします(不定期)

 

次の3つの単語がキーワードになる歌手は誰でしょう?

(問16)3つの単語:「Uklele/ウクレレ」、「Lolita/ロリータ」、「Seychelles/セイシェル」

(問17)3つの単語:「Accent/アクセント」、「Gadoue/ぬかるみ」、「69」

19)3つの単語:「Voisine女性の隣人」、「Lettre手紙」、「Lolitaロリータ

(問18)3つの単語:「Belgique/ベルギー」、「La rivière Kwai/クワイ河」、「curé/司祭」

(問20)3つの単語:「Voix/声」、「Café/カフェー」、「Poker/ポーカー


 

 
































(答16)ジュリアン・ドレJulien Doré(1982-ACI

解説:

  Uklele」・・Julien Doréはウクレレを得意な楽器としている。Doréは1982年南仏Gard県のAlès生まれ。Nîimesの美術学校で学ぶかたわら、2002年から友人とグループを結成、自作の曲や過去の世界のヒット曲を週末にバーなどで歌う。DoréTVM6のスター誕生番組「Nouvelle Star/新しいスター」の第5シーズン(2007年)のMarseille予選に出場。そして、得意なウクレレの弾き語りで審査員の高評価を得て予選を通過、本選出場者15人の一人として選ばれた。

Lolita」・・上記「スタ誕」の本戦は2007年2月28日から6月13日まで行われ、出場者のうち毎週1人ないし2人が失格するという厳しいもの。Madonnaの「Like a Virgin」、Christopheの「Les mots bleus/青い言葉」などを歌い順調に勝ち進んだDoré、5月9日放送の7回戦で、Alizée(1984ー歌手、俳優)の2000年デビュー曲「Moi…Lolita/私・・ロリータ」(Mylène Farmer作詞、Laurent Boutonnat作曲)をカバ-、4人の審査員全員が○の評価で通過。Doréは6月13日の決勝戦ではTiganeを破って優勝。Doréの「Moi・・・Lolita」は07年8月27日にリリースされたDoréの最初のシングルCDに収録された。

Seychelles」・・「Paris-Seychelles/パリ=セイシェル」は201310月リリースの3枚目のアルバム「LØVE」に収録された曲。Doré08年リリースの最初のアルバム「Ersatz/代替品」は30万枚近い売上げで、09年VdMで新人アルバム賞とそこの収められた「Les limites/限界」でヴィデオクリップ賞受賞。11年のセカンドアルバム「Bichon/マルチーズ」は期待したヒットにはならなかった。LØVE」にはParis-Seychelles」の他Viborg/ヴィボー」(デンマークの古い都市でユラン半島の中央部にある)、「Hotel Thérèse」、「Chou wasabi/ワサビ」、「Platini/プラティニ」(サッカーフランス代表だったMichel Platiniがテーマ)、「London nous aime/ロンドンは僕たちが好き」、「On attedra lhiver/冬を待つ」、「Corbeau blanc/白いカラス」、「Heaven」などを収めていてdouble disque de platine(20万枚以上売り上げ)に。Paris-Seychelles」は7月には先行してシングルでリリース。Seychellesはインド洋に浮かぶ諸島及びその諸島からなる共和国。

 「Moi・・・Lolita」2007年「Nouvelle Star」で https://www.youtube.com/watch?v=t36HA9qoJbU

 

 

(答17)ジェーン・バーキンJane Birkin(1946- 俳優、歌手)

解説:

Accent」・・Jane Birkinはイギリス、ロンドン生まれ、1965年モデル時代にスカウトされ映画に。66年のMichelangero Antonioni監督の「Blowup/欲望」はカンヌ映画祭でPalme d’orパルム・ドールを受賞。67年フランスに移住。68年Pierre Grimblat監督のフランス映画「Slogan/スローガン」に主役として抜擢され、Serge Gainsbourg(1928-1991)と共演。その後はフランスに在住し、俳優、歌手として活躍するが、Birkinのフランス語には英語のアクセントが消えないといわれている。Gainsbourは69年から80年まで伴侶。

Gadoue」・・「La gadoue/ぬかるみ」Serge Gainsbourg作詞・作曲の1965年の作品でPetula Clarc(1932-)が創唱。BirkinGainsbourgの没後5周年にあたる96年、Gainsbourgが作詞作曲した15曲を収めたアルバム「Version Jane」をリリース。その中にこの曲をLes Negresse Vertesによるアレンジで収録している。

69」・・「69 annèe élotique/69年はエロティックな年」はSerge Gainsbourg作詞・作曲の1968年の作品。BirkinGainsbourgはこの曲を68年11月ロンドンのStudio Chappelle録音。Birkinはルフランの部分(「69 année élotiqueX2)を歌っている。この曲は69年リリースのSPに「Je t’aime・・・moi non plus」のカップリング曲として収録されているほか、同年リリースのLPJane Birkin-Serge Gainsbourg」にも収録されている。

「69 année élotique」 https://www.youtube.com/watch?v=ZDglQDpqqAM

 

 

(答18)アニ・コルディAnnie Cordy(1928― 歌手、俳優)

解説・・

Belgique」・・Annie Cotdyはベルギー、Bruxelles生まれ。Bruxellesの「Bœuf sur toit」に出演中にパリのキャバレLidoのオーナーの目に止まり、パリに来るように勧められ1950年5月1日パリに。早速5月31日からLidoで上演されたレヴユー「Enchantement/魅惑」のリーダーに。その後、フランスで歌手・女優として活躍。70年のキャリア、2000曲以上を歌い、1000回以上のコンサート。

700曲以上を録音:1955年アメリカ人ブルース歌手Bessie Smith(1894-1937)の運命を歌った「Oh Bessie」でACC大賞受賞。1959年「Petite fleur/可愛い花」を創唱。

10本以上のミュージカルに出演:1972年「Hello Dolly」、76年「Nini la chance/幸福を呼ぶニニ」。

50本以上の映画・TVドラマに出演:1970年RClement監督映画「Le passage de la pluie/雨の訪問者」でCharles Bronsonらと共演。71年PGranier=Deferre監督「Le chat/猫」でSimone SignoretJean Gabinらと共演

La rivière Kwai/クワイ河」・・1958年に発表した「Hello,le soleil brille/ハロー、太陽は輝く」は映画「The Bridge on the river KwaiLe pont de la rivière Kwai/クワイ河にかかる橋:戦場に架ける橋」の主題歌「クワイ河マーチ」にRobert Chabrierがフランス語の歌詞を付けたもの。レコードは3月15日の週から9月6日の週まで25週間チャートの1位。

Curé」・・1974年に発表したLa bonne du curé/司祭様のお手伝いさん」はレコードを200万枚以上売り上げた歴史的なヒット曲になった。Cordyはこの曲を歌うときには、今でも、小さなエプロンを付ける。

La bonne du curé2015年 https://www.youtube.com/watch?v=cXdkNeN-j6Y

 

19)ルナン・リュスRenan Luce(1980- ACI

解説:

Voisine」・・Renan Luce初期のヒット曲の一つが「Les voisines/女性の隣人」。LuceParis生まれ、Bretagne地方で幼年期を過ごす。ToulouseEcole supérieure de commerce高等商科学校在学中にバーなどでギターの弾き語り。2002年Parisに出て、Clichy広場近くの小ホールで歌っているときレコード会社が注目、06年ファーストアルバム「Repenti/改心した男」をリリース。アルバムは80万枚以上の売り上げの大ヒットになり、ACC大賞受賞、VdMでは新人アルバム賞と新人ステージ賞を受賞。アルバムに収められていた最初の曲が「Les voisines」。「僕は男の隣人より、女の隣人の方が好きだった。その影が窓に映ると僕は空想の恋物語を作り出す・・」と歌うこの曲、Hitchcockの映画「裏窓」に想を得たクリップが評判になった。

Lettre」・・アルバム「Repenti」に収録された「La lettre/手紙」もヒットした。・・僕は1月前に間違って配達された1通の手紙を受け取った、iの・の代わりにヒナギクが書かれ、香水が振りかけてある手紙を・・

Lolita」・・Luce09月歌手Renaudの長女で児童文学作家のLolita Séchanと結婚、11年長男誕生。LolitaRenaudのヒット曲「Mistral gagnant」に歌われている女の子

La voisineclip https://www.youtube.com/watch?v=Z-L4jPVoNAE

 

20)パトリック・ブリュエルPatrick Bruel(1958-ACI、俳優)

解説:

Voix」・・Bruelの代表曲の一つが「Casser la voix/声をつぶす」(BruelGérard Presgurvic作詞・作曲)。Bruelはアルジェリア生まれ。1962年離婚した母親とParisに。79年映画「Le coup de sicocco/シロッコの攻撃」に出演してから映画・TV・舞台俳優として活躍。82年シングル「Marre de cette nana-là/あの女の子にはうんざり」が20万枚の売り上げで歌手としての本格的なキャリアがスタート。89年のセカンドアルバム「Akors,regardez/さあよく見て」は300万枚売り上げという大ヒット。「Casser la voix」はこのアルバムに収められている。「この曲は87年 Francofolie de la Rochelle出演の際に作った。僕は午後の小さなステージで4~50人を前に歌った。夜にはJacques Higelinが大きなステージで歌うので残ってそれを聴いた。自由なステージに感動した。その気持ちを押さえがたくLa Rochelleの海岸を散歩し、ギターを弾きながら歌った、『Casser la voix・・』と。2年後アルバムを出す段になって、[79年から懇意にしている作詞作曲家]Gérard Presgurvicに未完成だけどこんな曲があると話したら『とても良い』といってくれ、早速曲を付けてくれた」。Bruelは90年からフランス内外で130回のコンサートを行い、その頃から「Brelmania」と呼ばれる熱狂的なファンができた。Bruelは92年のVdMで男性歌手賞を受賞している。

  「Café」・・「Au Café des délices/悦楽カフェーで」(Felix Gray 作詞、Gray & Bruel 作曲)は99年リリースの5枚目のアルバムアルバム「Juste avant/直前」に収録されている曲。「Café des délices」はチュニジア、チュニス港にある。アルジェリアのオラン近郊で生まれたBruelが、チュニスの懐かしい思い出を歌っている。

Poker」・・歌手、俳優の他Bruelのもう一つの顔、それは世界でも名の知れたポーカープレーヤー。1998年にはフランスチャンピオンに。またWSOP(ポーカー世界選手権)にも出場している。TVで中継されるワールドポーカーツアーでは解説者を務め、ポーカー入門のDVDも出している

Casse la voix2013年 https://www.youtube.com/watch?v=m-Rq5RmCDDk

 No.1430
2015.8.9
   

№1430  2015.8.    


Benjamin Biolay & Rose   6月にリリースされた新アルバム2点をご紹介します。                                


バンジャマン・ビオレBenjamin Biolayが 6月15日新しいアルバム「Trenet/トレネ」をリリース。

Biolayは197320RhôneLyon近郊Villefranche-sur-Saône生まれ、ACI、俳優。また、作詞家、作曲家、ミュージシャン、アレンジャー、音楽プロデューサーとしてマルティな才能を発揮していて、「Serge Gainsbourgの再来」、あるいは、現在シャンソンフランセーズ界の「Personnalité incontournable/誰もが認める、無視できない人物」と言われているBiolayLyonConservatoireTromboneを学んだ優秀な生徒。ギター、ピアノ、それに作曲を独学で習得。友人たちといくつかのグループを結成。 99年Keren Ann(1974-ACI)のファーストアルバム「La biographie de Luka Philipsen/リュカ・フィリップセンの伝記」に収められた曲の多くに作詞作曲で協力して、知られるように。 2000年AnnとのコンビでHenri Salvadorのアルバム「Chambre avec vue/眺めの良い部屋」に「Jardin d'hiver/木もれ日の庭」などを提供、このアルバムによってSalvadorは復活。 2001年Benjamin自身のファーストアルバム「Rose Kennedy」リリース、VdMで新人アルバム賞を受賞。 2009年のアルバム「La Superbe/尊大」により10年のVdMでアルバム賞、男性歌手賞を受賞、10年のGlobe de Cristalで男性歌手賞受賞。 2011年アルバム「Pourquoi tu pleures?/君は何故泣くの?」は主役を演じ、音楽を担当したKatia Lewkowicz監督の映画「Pourquoi tu pleures」で使用された曲など13曲を収録したもの。 前作は2012年12月5日リリース6枚目のアルバム「Vengeance/復讐」で、「Profite/有効に使え」(Vanessa Paradisとのデュオ)、「Aime mon amour/僕の恋人を愛せ」、「Vengeance」(Sol Sanchezとのデュオ)、「Ne regrette rien/何も後悔するな」(Orelsanとのデュオ)など自身の作詞作曲による14曲収録されている。その後フランス国内、スイス、ベルギーを回るVengeanceツアーを行い、13年3月26日~3月3日Casino de Parisに出演している。  

Biolayは音楽プロデューサーとして、2000年のIsabelle Boulayのアルバム「Mieux qu’ici-bas」(04年の「Tout un jour」、11年の「Les grand espaces」も)、01年の妹Caralie Clementアルバム「Salle des pas perdus」(04年の「Bye bye Beauté」も)のプロデュースから、最近では12年のHenri Salvadorの没後アルバム「Tant de temps」、13年のVanessa Paradisの「Love Songs」(収録曲20曲中8曲の作詞作曲、「Les roses roses」をデュオで歌っている)などのプロデュースを行っている。作詞作曲家としては前記「Chambre avec vue」以降、03年Juliette Grécoのアルバム「Aimez-vous les uns les autrs ou bien disparessez」、04年Françoise Hardyの「Tant de belles choses」、08年Julien Clercの「Où s’en vont les avions」、10年Jeanne Cherhalの「Charade」、10年Sylvie Vartanの「Soleil bleu」などに曲を提供している。

Biolayは最近:Vanessa Paradisの13年10月から14年7月までの「Love song」ツアーにピアノ、ギターの伴奏者としてあるいはデュオのパートナーとして同道。14年春からParadisとの仲が喧伝されたが1年後には破局の由。14年Renaudトリビュートアルバム「La bande à Renaud/ルノー軍団」 vol1には「Deuxième génération/第二世代」で、Vol2には「Miss Maggie」で参加。15年Jean Ferratトリビュートアルバム「Des airs de liberté/自由の歌たち」には「C’est beau la vie/人生は美しい」(Catreline Deneuveとのデュオ)で参加。

 

今回のアルバム「Trenet」は収められている13曲のうち12曲はCharles Trenet(1913-2001、ACI)の3人のミュージシャンによるカバー。その3人のミュージシャンはBiolay(ヴォーカル、ピアノ、ヴァイオリン、トランペット・・)とBiolayの昔からの仲間、Nicolas Fiszman(ギター、ピアノ、ベース)、Danis Benarrosh(ドラムスとパーカッション)。Trenetの明るい透き通った声に対してBiolayの低い、重々しい声、3人のミュージシャンのジャジーなアレンジと演奏、これらが相俟ってTrenetのシャンソンにもう一つの、新しい生命を与えた。アルバムには「Y’a de la joie/喜びあり」、「Je chante/僕は歌う」、「La mer/ラ メール」、「Boum/ブン」などの人口に膾炙した曲は入っていない。「これらの曲はすでに完成されていて、それをどうすることもできない」。代わりに入っているのは、Trenetのレパートリーだとはすぐには思い出せない曲、「J’ai ta main/僕の手の中に君の手が」(このアルバムではVanessa Paradisとのデュオで歌っている)、「Le Grand Café/グラン・カフェ」、「Coin de rue/街角」 など。

収録されているのは上記3曲の他:「Revoir Paris/パリに帰りて」、「Verlaine/ヴェルレーヌ」(Verlaineの詩「Chanson d’automne/秋の歌」にTrenetが曲をつけたもの)、「L’âme des poètes/詩人の魂」、「Que reste-t-il de nos amours?/残されし恋には」、

Le piano de la plage/浜辺のピアノ」、「En avril à Paris/4月のパリ」、「Le temps de cerises/桜んぼの実る頃」、「Vous qui passez sans me voir/去りゆく君」、「La romance de Paris/パリのロマンス」。

収められた最後の曲「La chanson du faussaire/盗作者のシャンソン」はBiolayの作詞作曲によるもので、Trenetの曲を模倣して作った由で盗作者はBiolay自身。

Que reste-t-il de nos amours?」 https://www.youtube.com/watch?v=v7kmUt18NSk

Biolay29、30Folies Bergèreに出演。共演したのはNicolas FiszmanDanis Benarrosh、それにベースのLaurent Vernerey。バックには15人編成の弦楽オーケストラ(ヴァイオリニストの一人は現Valls首相のAnne Gravoin夫人)。29日 2030分に登場。1時間45分のステージで歌われたのは23曲、アルバム「Trenet」からは「En avril à Paris」(最初に歌った)、「Verlaine」(バイオリンの長いすすり泣きが印象的だった)、「Revoir Paris」、「Le temps des cerises」、「L’âme des poètes」、「Coin de rue」など。他に「Jardin d’hiver」、「La ballade du mois de juin/6月のバラード」Chiara Mastroiani (1972-俳優、歌手)とのデュオ、「La Superbe」、「Les séparés/別れた人たち」など。会場にはCatheline Deneuveが顔を見せていた。暑かったこの日、このコンサートは正に一服の清涼剤だった。

Coin de rue」 https://www.youtube.com/watch?v=mxOiJHvRhvo

 

 


ローズRoseが6月15日新しいアルバム「Pink Lady」をリリース。

Rose、本名Keren Meloul、1978年5月24日NIe生まれのACINice大学で法律を勉強後、年間パリ19区で小学校の先生に。Janis Joplin[彼女の芸名はMark Rydell監督の映画でJoplinがモデルになっている「The rose」からとったもの]、Bob DylanJaques Dutroncのファンであった彼女、物心ついた頃からMoleskineモレスキンの手帳に詩を書き、それにギターで曲を付け歌っていた。彼女の新鮮さ、エレガントな詩と声にレコード会社Sourceが注目しアルバム制作を企画。Alain Souchonは2006年3月のParis Olimpia及び6月のZenith出演の際彼女を前座で歌うよう招いた。2006年9月22日ファーストアルバム「Rose ローズ」をリリース。 アルバムには彼女の作詞作曲による次の12曲が収められていて、特に「La liste/ラ リスト」、「Ciao bella/チャオ ベラ」が好評だったこともあり60万枚以上の売り上げ。

La liste」 https://www.youtube.com/watch?v=JqzI1yWNtwI

・・コンサートに行くこと、部屋を緑に塗り替えること、ウオッカを飲むこと、IKEAに行くこと、デコルテを着ること、何でもないこと に涙を流すこと、犬を買うこと、地下鉄に乗ること、あなたの写真を撮ること、あなたを死ぬほど笑わせること、ジャニス・ジョプリンを聞くこと、あなたの眠っている姿を見ること、幸せだとお互いに言うこと・・こんなことはみな最も普通なことだけど、これがあなたと一緒にしたいことのリスト・・

 

その後2006年末から2007年初めにかけてAxelle RedLa Cigale公演、Olivia Ruizのツアーなどでも前座をつとめた。2007年3月から自身の小規模な地方ツアーを行い、5月にはパリのCafé de la Danse、10月にはLa Cigaleにソロ出演。また、9月からは本格的な国内ツアーを行った。2008年にはGlobe de Cristalで最優秀女性歌手賞受賞、6月Olympiaに出演している。 09年10月19日2枚目のアルバム「Les souvenirs sous ma frange/私の前髪に隠された思いで」をリリース。 10年Jeniferのアルバム「Appelle-moi Jen/私をジェンと呼んで」に「Le dos tourné/背を向けて」の詩を提供。 13年3枚目のアルバム「Et puis juin/そして6月」をリリース。このアルバムに収められた「Et puis juin」は11年6月にパートナーとの間に誕生した長男Salalに捧げられている。14年にはミュージカル「Le Soldat Rose 2」の地方公演にLa boîte à meuf(女の子が飛び出すびっくり箱)役で参加。 

デビューからほぼ10年、4枚目となる今回のアルバム「Pink Lady」には4つ☆を与えている評価もある。収められている12曲は全てRoseの作詞。作曲は自身の他、Medi ParisotLoane Rathierらの協力を得ている。曲作りは去年の暮れから今年の正月にかけて田舎のホテルに2週間一人で滞在して行った。「家にいると日常の些事でアーティストとしての感覚が鈍ってしまう。ホテル生活で唯一親しくなったのはバーのバーテンダー。昼間は部屋に引きこもって詩を書き、5時になるとバーに行った。バーテンダーが『C’est pour vous, Mademoiselle Rose/あなたのために作りました、マドモワゼル ローズ』と言って出してくれたのがPink Lady。呻吟していた私はむしろ『Bloody Mary』の気分だったけれど」。他のアーティストとのコラボは今回が初めて「私は今まで創造するという仕事を一人でやっていた。それは辛い作業だった。しかし違った考えや感性を持っているアーティストとのコラボは、ピンポンは全く新しいものを生み出してくれた」。Jean-Louis Murat(1952-Auvergne地方生まれのACI、2014年10月最新アルバム「BabelMurat & The Dalano Orchestra/バベルの塔、ミュラとDalanoオーケストラ」をリリース)とのデュオ「Pour être deux/二人でいるために」(作曲はLoane)は全く予想外だったが、「曲が出来上がったとき、私とLoaneは、この曲はデュオで歌ったらよいと言うことで意見が一致した。ちょうど私は『Babel・・・』が気に入って何度も聞いた時期だったのですぐにMuratに依頼しようと思った。承知してもらえるとは思わなかったがデモを送った。そうしたら承諾してくれた。『女性が書いた詩で、間の抜けたものでないものに初めてお目にかかった』と言って」。収められているのは他に:「Je compte/私は計算する」、「Pink Lady」、「Partie remise/延期された試合」、「Comme avant/以前のように」、「Histoire idéale/理想的な物語」、「Selon les jours/日によって」、「Séparément/別々に」、「Je ne viendrai pas à demain/明日私は来ない」など

Roseは6月18日ParisLa Cigaleに出演、7月12、13日La RochelleFrancofoliesに出演、その後国内ツアー。

Pink lady」6月18日 La Cigaleで https://www.youtube.com/watch?v=T3YHoBi4Gis

 No.1429
2015.7.25
 

№1429    2015年 7.25

 

エディット・ピアフEdith PiafParis Olympiaに登場、& BnF(国立図書館)におけるPiaf           

Paris Olympiaに登場

4月に実施されたアンケート(№1423)で「フランス人が最も好きな女性歌手」になったEdith Piaf、2015年12月19日は生誕100年に当たる。そのEdith Piafが6月25日Paris,Olympiaの正面に赤いネオンで「Edith Piaf」の名が浮き上がり、Olympiaに帰ってきた。1955年1月この劇場に最初に登場してから60年後、62年10月最後に登場してから53年振り。

   

 

これはPiaf生誕100年を記念して新しい蝋人形がMusée Grévinに展示されることになり、Grévinに展示される前に、PiafとゆかりのあるOlympiaでそのお披露目式が行われたもの。以前の人形は1937年に展示され、展示の際にはPiafが出席して除幕した。今回の観客に向けて大きく両手を広げているPiafの人形、本体は彫刻家Stéphane Barretの手になり、身につけている有名な黒の衣装は、通常は本人から提供されるが、Grévinのアトリエで製作された。

Piafは1915年12月19日Paris生まれの歌手、作詞、作曲も行った。Olympiaに初めて出演したのは1955年1月27日。この劇場には都合5回出演している。特に1960年12月29日からの公演は、重大な経済的危機に瀕していたOlympiaを救って欲しいという当時の支配人Bruno Coquatrixのたっての要請によったもので、61年4月6日まで続いた。この公演では、17曲中14曲が「Non,je ne regrette rien/水に流して」、「Mon  dieu/モン デュ」などCharles Dumontの作曲によるものだった。また、最後となった1962年9月のステージではその年の6月に婚約を発表していたThéo Sarapoとデュオで「A quoi ça sert l’amour/恋は何のために」を歌っている。Sarapoとは62年10月9日に結婚している。

披露目式に出席したJean-Michel BorisBruno Coquatrixの甥)談:この新しい人形は驚くほどPiafに似ている。1960年にPiafが出演したとき私は劇場の道具係だった。OlympiaPiafの家だった。PiafBrelOlympiaの魂そのものだった。OlympiaPiafがいなければ存続できなかっただろう。

Olympia28, bd. Des Capcines 9区)に顔を見せた後Piafは11CVのCitroënのオープンカーに乗って、Opéraの前を通り、Grands BoulevardsMusée Grévin(10, bd. Montmartre 9区)まで移動。25日午後から訪問者はPiafに会うことができる。

 

La foule/群衆」1961年Olympiaで http://www.dailymotion.com/video/x42yu4_edith-piaf-07-la-foule-a-l-olympia_music

Non,je ne grette rien/水に流して」同上 https://www.youtube.com/watch?v=QCxcvMc2Ho4

 

 

BnFにおけるPiaf

生誕100年を記念してBnFBibliothèque nationale de France François-Mitterrand/フランソワ・ミッテラン フランス国立図書館 、Quai François-Mauriac 13区)の第2ギャラリーで4月14日から8月23日まで「Exposition Piaf/ピアフ展」が開かれている。

400点以上の資料が展示されている。それらは書簡(Piafが差し出したもの、Piaf宛のもの)、公式・非公式の文書、手書きの原稿(歌詞など)、写真、ポスター、レコード、舞台衣装、雑誌の記事、使用していた小物、出演した映画・TV番組の抜粋などでBnFが収集したもの、INA(国立視聴覚コミュニケーション研究所)、「Association des amis d’Edith Piaf/エディット・ピアフの友協会」から提供されたものなど。BnFが収集したものの中には、Piafの1937年から死亡時までの秘書で最も信頼していたDanielle Bonnel(1919-2012、Piafの伴奏アコーデオニスとMarcel Bonnelの夫人)が2008年に寄贈した未公開の多数の資料が含まれている。INAが所有する30本以上のTVなどの映像を見ることができ、50曲以上を聞くことができる。また2007年映画「La Môme」主演のMarion Cotillardが受賞したCésar賞、Oscar賞も展示されている。展示会場にはKaraokéコーナーがあり、そこではPiafの曲を歌うだけではなく、歌った曲を録音することもできる。

 


Piaf
展のポスター

写真は1959年Olympiaに出演時

 

 

会場内部

 

 

展示品

936年の最初のレコード Môme Piafの名で、Les mômes de la cloche/宿のない女たち」

 


1950年Salle Pleyel のプログラム        

 

 この展覧会では「Edith Piafにゆかりの場所巡り」を提案している。ゆかり場所9箇所訪ね、徒歩及びバス・地下鉄利用で所要時間約4時間。それによるとコースは次のよう:

    出発点:Place Edith Piaf(エディット・ピアフ広場 rue Belgrandrue du Capitaine-Ferber及びrue de la Pyが交差する地点20区 地下鉄Porte de Bagnolet):1978年に命名され、2003年Piafの没後40年を記念して整備された。広場にあるPiaf像はLisbeth Deliste(1935-女性彫刻家)の作。Place Edith Piafからrue Belgrandを上ると右手にTenon病院がある。この病院でPiafは誕生した。病院を過ぎてGambettaロータリーに着いたら、av.Père-Lachaiseを墓地の入り口まで進む。

    Chimetière du PèreLachaise(ペール・ラシェーズ墓地 地下鉄Gambetta):Piafは1963年10月10日南仏Alpes-MaritimesGrasseで死去。正式に死亡が発表されたのは11日だった。そして14日この墓地のdivision97/97地区に埋葬された。

Piafの墓地には娘のMarcelle、父のLouis Alphonse Gassion、夫のThéo Sarapoも埋葬されている。

    Musée Edith Piaf(エディット・ピアフ博物館 5,rue Crespin-du-Gast 11区 地下鉄Menilmontant):「Assosciation des Amis d’Edith Piaf」が管理。開館、月・火・水のみ、13h-18h、事前の予約が必要 TEL01 43 55 52 72。Piafは1933年この通りに住んで、Menilmontant通りで歌っていた。

    Rue de Belleville(ベルヴィル通り 20区 地下鉄Pyrenées):巷間伝えられているところのよるとPiafは72,rue Belleville/ベルヴィル通り72番地の入り口の階段で生まれた。家の前には次のような銘板が・・エディット・ピアフは1915年12月19日赤貧の中、この階段で生まれた。その声は後に世界中の人々の心を揺り動かすことになる・・

    Moulin Rouge(キャバレ ムーラン・ルージュ 82,bd.De Clichy 18区):Piafは1944年7月、戦争中は映画館になっていたMoulin Rougeがミュージック・ホールとして再開する際、最初の歌手として出演、前座はYves Montand。

    L’Olympia(オランピア劇場 28,bd.Des Capucines 9区、地下鉄Opéra またはMadeleine ):上記「PiafOlympiaに登場」

    Le Gerny’s(キャバレ ル・ジェルニーズ 54,rue Pierre-Charron  8区 地下鉄Franklin DRoosevelt):ホテルの地下にあったキャバレ、オーナーはLouis Leplée。1935年Etoile広場から200mほど北のavMac Mahonrue Troyonの角で歌っていたPiafLepléeに見いだされ、10月25日「La môme Piaf」の名で、このキャバレで歌手としてデビュー。同地は現在ホテルChateau Frontenacとなっている。

    Boulevard Lannes(ランヌ大通り 16区 Bus63番線 終点Porte de la Muette)Piafは1953年からこの大通りの67番地の1階に居住。63年10月11日この家で死亡が確認された。家には次のような銘板が・・この家は1953年から1963年まで偉大な歌手Edith Piafの住居であり終の棲家になった・・

    到着点:Rue Leconte-de-Lisle(ルコント・ド・リル通り 16区 地下鉄Eglise d’Auteuil):この通りの7番地の一軒家(当時)は世紀の恋愛の隠れ家となった。PiafMarcel Cerdanは1948年4月からここで同棲した。マスコミは気づかなかった。

 

そして「ゆかりの場所巡り」の間の食事場所として次の2つのレストランを紹介している。

1.  A la Cloche d’or (レストラン 3,rue Mansart 9区 Moulin Rougeの前方、地下鉄 BlanchePiafMarcel Cerdanがしばしば食事をしたレストラン。

2.Le Bœf sur Toit(レストラン 34,rue du Colisee 8区 地下鉄Franklin DRoosevelt またはStPhilippe du Route)全盛期のPiafがパリのお歴々を伴って頻繁に食事をしたレストラン。

 
 No.1428
2015.7.20
   

№1428   2015.7.20


ジョニー・アリディーJohnny HallydayNîmesでマラソンツアー開始 
                

ジョニー・アリディーJohnny Hallydayが7月2日(木)、2016年春まで予定されているマラソンツアー「Rester vivant/生き続ける」を、南フランスの古代ローマからの都市NîmesArènes/古代ローマの円形競技場で開始した。ツアーのタイトル「Rester vivant」は60万枚以上売り上げたHallydayの最新アルバム、2014年11月にリリースした「Rester vivant」によったもの。Hallyday(1943-歌手、作曲も行う、俳優)、1960年に最初のレコードを出してから55年のキャリアで、常に人気アーティストの地位を保ち続けている。歌手としてはこの間1000曲以上を録音、49枚のスタジオ録音アルバム、28枚のライヴアルバムをリリース、レコードの売り上げ1億枚以上、VdMを9回受賞、184回(182回の資料もある)のツアーを行い2800万人の観客を集めたと言われている。また38本の映画に出演、劇場劇にも1回出演、2400回以上雑誌の表紙に登場し、1989年からLe Petit Larousse辞典の人名欄に記載されている。最近のステージは2014年11月のParis BercyにおけるJacques DutroncEddy Mitchellとの「Les vieilles canailles/年老いた悪戯っ子たち」コンサート。

 

7月2日のステージはツアーの初日であり、また2日間にわたるNîmesのコンサートの初日でもあった。Nîmesは「前回『Jamais Seul/決して一人じゃない』ツアーのコンサートの楽を行ったところ。そこで今回のツアーの初日を迎えられ感激している」。会場にはヴェトナムから迎えた2人の養女(2004年のJade、2006年のJoy)を伴ったLaeticia夫人(1996年結婚)、歌手のChristophe Maé、俳優のJean Reno夫妻らが顔を見せていた。

前座をつとめたManu Lanvinの後、未だに昼間の暑さが続いているような会場、22時、11000人の観客の前に登場したHallyday、なめし革の黒いパンタロンとヴェスト、絹のシャツ。バックは12人編成のバンドと4人のコーラス。2時間15分のステージ。最初に歌ったのは最新アルバムから同タイトルの「Rester vivant」。 歌われた曲の中には予めHallydayがインターネットを通じてファンから「歌って欲しい曲」として募集した曲もあった。それらは1974年に発表された「Nadine/ナディーヌ」、72年の「Tomber c’est facile/転ぶことは容易」で、74年の「J’ai pleuré sur ma guitare/僕はギターに合わせて泣いた」で、「Tomber・・・」は発表年後初めて歌い、「J’ai pleureé・・・・」Leaticia夫人のリクエストでもある由。

Maxim Nucci(ステージ名Yodelice)はHallydayの最近の2つのアルバム「Jamais seul」と「Rester vivant」に曲を提供していて、提供した曲「Au café de l’avenir/未来カフェで」が歌われる際にはギタリストとして伴奏に参加した。「20 ans/20歳」(2014年のVdMでオリジナルシャンソン賞を受賞した)、「Gabrielle/ガブリエル」(Greg Zlapのハーモニカ伴奏は会場を沸かせた)、「Je te promets/君に約束する」、「L’envie/欲望」、「Seul/たった一人」、「Le pénitencier/監獄:朝日の当たる家」、「J’ai besoin d’un ami/僕には一人の友が必要」、「Je veux te graver dans ma vie/君を僕の人生の中に刻みたい」、「Quelque chose de Tennessee/テネシー・(ウイリアムズ)からの何か」、「J’la croise tous les matins/僕は毎朝彼女とすれ違う」などを歌い、「Que jje t’aime/どんなに君を愛していることか」を歌い、そして通常はコンサートの最初に歌うことが多い「Allumer le feu/火を付ける」がアンコール前の最後の曲に。アンコールではまず「Victime de l’amour/愛の犠牲者」、次いでToute la musique que j’aime/僕が好きな全ての音楽」では「僕は全ての音楽が好き。全ての音楽は、Nîmesから。素晴らしい夕べを過ごすことができました。Je vous aime du fond du cœur !皆様方を心の底から愛しています」。そしてバンドのメンバー共々観客に挨拶。その後更に最後のサプライズ。一旦舞台裏に戻ったミュージシャンとJiohnnyが再び現れ、静かに演奏し、歌い出したのはこの夜24曲目となる「Te manquer/君がいなくて寂しい」。終わりには観客との合唱。Nimesにある「La musée de la Romanité/古代ローマ博物館」のキャッチフレーズは「Ici l’histoire a de l’avenir/ここでは歴史には未来がある」、これは正に55年のキャリアを誇る72歳のロック歌手にふさわしい。

観客は3世代にわたり、その中には:

・14歳の息子と来ていた女性ファンは「Johnnyは生きているモニュメント、このArènesと同じ我々の歴史的財産。生きている間に一度は見ないと」。

Johnnyの名を印刷したTシャツを着た観客が多い中で、Christineと印刷したTシャツを着たグループが。彼らは10日前に亡くなったJohnnyのファンであったChristineを悼んでの参加であった。Hallydayは「Que je t’aime」を歌い「長年最前列で聞いてくれていた、Christineがいないことは非常に寂しい。彼女を偲んでこの曲を。彼女がこの曲を好きだったと知っていますので」。この気配りが長いキャリアの間多くのファンを引きつけている要因だろうか。

・65歳の長年の女性ファンは「私のアイドルを見せようと8歳の孫を連れてきた。私の葬式にはJohnnyの曲を流して欲しい。もちろん『Rester vivant』じゃないない曲を」。

 

7月3日のNîmesにおける日目の公演にはCharles Aznavourが顔を見せ、Hallydayは「J’ai besoin d’un ami」を歌っている間にAznavourへの感謝を語った。Hallydayは1960年4月18日「Lécole des vedettes/スターの学校」で初めてTVに出演した際Line Renaudに「父親はアメリカ人、母親はフランス人」と紹介され敢えて否定しなかった。しかし、その後程なく父親がベルギー人であることを明らかにしたが、それはAznavourの忠告に従ったと言われている。Hallydayは1961年9月21日に初めてvedetteとしてOlympiaに出演した際Aznavourを招待している。

 

Hallydayその後Aix les Bains(7月4日)、レバノンのJounieh(7月9日)、Louhans(7月12日)と「Reter vivant」ツア-を続け、714日にはLa Rocelle Francofoliesに出演。今年の第31回Francofoliesは7月10日に始まり、この日が最終日。12500人の観客(Ségolène Royalエコロジー担当大臣、Jean-Pierre Raffarin元首相などの顔が見えた)を前にSaint Jean D’acreのステージに登場したJohnny、ここでも2時間にわたったコンサートで、setlistNimesのコンサートとほぼ同じ。しかしこのステージでは「J’ai besoin d’un ami」はChristian Audigierに捧げられていた。Audigierは1958年Avignon生まれ、2015年7月9日Los Angelesでガンにより57歳で亡くなったモードクリエーター、アメリカで活躍していた。JohnnyAudigierと組んでprêt-à-porterのブラインド「Smet」(Hallydayの本名はJean-Philippe Smet)を立ち上げている。

Hallydayはこの後夏の間は各地のフェスティヴァルに出演、17BiarritzBig Festival23日スイスNyonPaléo Festival2829MonacoSporting Summer Festivalなど。10月からは国内、スイス、ドイツ、ベルギーを回るツアーを続け、Paris登場は2015年11月27、28、29日 Bercy Arena

 

Que je t’aime」 Niîmeshttps://www.youtube.com/watch?v=FMJYQxlkUlA

J’ai besoin  d’un  ami」 dito https://www.youtube.com/watch?v=ppegNw5S7aE

No.1427
2015.7.30
 
   

№1427    2015.7.13


2015年
Fête de la musiqueFranceで実況中継                                   

毎年フランスで6月に開催されるFête de la musique音楽の祭典」、今年は20Niceで行われた「Du soleil et des tubes太陽とヒット」コンサートが、TVFrance で実況中継された。France 2の番組はTV5MONDEJaponでは6月21日(日)19:20~23:10放送された。

     (注) 「Fete de la musique」は1982年当時のJack Lang文化大臣のイニシアティヴで、
    6月21日
夏至の日(「St.Jean/聖ヨハネ」の祭りに因んで)に開催された音楽フェスティヴァル。
      当初はフランス
国内のフェスティヴァルであったが、その後世界中に広がり、この日に、
      あるいはこの日を中心に、World Music Dayとして種々の音楽の催しものが行われている。



Du seleil et des tubes」はNicePromenade des Anglais/プロムナード デ ザングレの特設ステージで3時間半にわたって行われ、演出はDaniela Lumbroso、司会はPatrick Sébastienと Virginie Guihaume、約30人(組)の歌手、TV司会者等が出演。
出演した主な歌手、歌った曲は:

 


・ララ・ファビアンLara Fabian:「Quand je ne chante pas/私が歌わないときには」

                                      https://www.youtube.com/watch?v=pQaDGDhEZR0

・・Lara Fabian(1970年ベルギー、Bruxelles圏生まれ、ACI)14歳からベルギーで歌手として活動。88年Luxembourg代表でEurovisionに出場4位。89年にリリースしたシングル「Je suis/私は」のプロモーションで訪れたカナダが気に入り90年代数年間Canadaで活動。97年シングル「Tout/全て」がヨーロッパでヒット、この曲を収録したアルバム「Pure/純粋な」は100万枚以上の売り上げ、98年VdM新人歌手賞を受賞。99年全曲英語で歌った「Lara Fabian」によりアメリカでも人気に。2009年のアルバム「Toutes les femmes en moi/私の中の全ての女性」はBarbaraの「Göttingen/ゲッティンゲン」などをカバーした先輩女性歌手へのオマージュ。13年4月最新アルバム「Le secret/秘密」をリリース。その後聴覚の不調により活動を休止していたが、回復。30年のキャリアで力強い歌声でフランス語圏以外にも多くのファンを持ち1200万枚以上レコードを売り上げている。2015年11月新しいアルバムをリリースの予定で「Quand je ne chante pas」はそれに収録される

  「Touthttps://www.youtube.com/watch?v=P1637o5_OuA

  (1998年のVdMで、司会はMichel Durcker、プレゼンテーターはAlain SouchonFrancis Cabrel

 


・ヴィアネイVianney:「Pas là/そこにはいない」 
https://www.youtube.com/watch?v=sH1jzlkI3Ck

・・Vianney(1991.2.13生まれ、ACI、本名Vianney Bureau)音楽好きな両親の許、12歳で最初のシャンソンを作った。2014年高等モード学校卒業後、ACIとしての才能を認めたプロデューサーの協力により、10月「Pas là」、「Aux debutants de l’amour/恋の初心者たちに」など12曲を収録したファーストアルバム「Idee blanche/実効のない考え」をリリース。その後Florent PagnyJulien Clercなどの前座で歌う。15年VdMの新人アルバム賞にノミネートされた。

Aux debutants de l’amour」 https://www.youtube.com/watch?v=P1637o5_OuA

 


・シメーヌ・バディChimène Badi:「Elle vit/彼女は生きている」 
https://www.youtube.com/watch?v=i5tugI03sEE

・・Chimène Badi(1982年Paris郊外Melun生まれ、歌手)2002年TVM6のスタ誕番組「Popstars」に出場。優勝はできなかったがレコード会社の目に止まりAZと契約。03年1月ベルギー出身のACIRick Allisonに提供された「Entre nous/私たちの間に」をシングルでリリース、シングルチャートの1位を占めるなどのヒット。この曲を収録3月リリースされたファーストアルバム「Entre nous」は80万枚以上のヒット。04年の2枚目「Dis-moi que tu m’aimes/愛していると言って」はJean-Felix Lalane作詞、Lara Fabian作曲の「Dis-moi que tu m’aimes」などを収録、120万枚以上。最新アルバムは11年の「Gospel and Soul」で、仏(「Ma liberté/私の自由」Moustaki)、英・米(「For once in my lifeStevie Wonder)のヒット曲をゴスペル調にカバー30万枚。13年にはBadiTV各局が行っている各種スタ誕番組出身の歌手の中では、Nolwenn LeroyJeniferを抑えてレコードの売り上げが最も多い歌手だと報道された。15年秋には新しいアルバムをリリースの予定。「Elle vit」は5月先行してシングルリリースされた。

Entre noushttps://www.youtube.com/watch?v=bYtB163crug

 

 


・ダニエル・ギシャールDaniel Guichard &バティスト・ジアビコニBaptiste Giabicini:「Le Gitan/ジプシー」 

                                         https://www.youtube.com/watch?v=BFU9zG7QLqA

・・Daniel Guichard(1948年Paris生まれ、歌手、作詞も)若くして生活のため10代半ばから昼はHalles(当時の中央市場)の倉庫で働き、夜はMonmartreSaint-Germain-des-Présなどのキャバレに出演。Aristide Bruantの曲などを「parigot/下町のパリっこ訛」で歌い人気に。72年「La tendresse/優しさ」(自身とJean Frandinの作詞、作曲はPatricia Carli)のヒットで一躍スターに、同年Olympiaに 初出演。その後「Mon vieux/モン ヴュー」(74年)、「Chanson pour AnnaAnnaFrank)に捧げるシャンソン」(74年)、「Le Gitan」(82年)などのヒット曲を出す。低い、端正な声、特別に目立つ訳ではないが、古い型の歌手としてそれなりの人気が。80年代後半からはマスコミにはあまり登場せず南仏に住み主にキャンピングカーで国内を回るコンサートを行っている。2011年11月「Combien de fois/幾たびか」などを収録したアルバム「Notre Histoire/我々の歴史」をリリース。12年4月には1週間Olympiaに出演している。

 「La tendressehttps://www.youtube.com/watch?v=y1tflDrGDys

・・Baptiste Giabiconi(1989年Marseille近郊生まれ、モデル、歌手)ChanelArmaniなどのモデルを務め、2011年にはTF1の人気番組「Danse avec les stars/スターと踊ろう」に出演し全国的に名が知られるように。その後幼少時代からの情熱の対象だった音楽の道に。12年6月MMCGiabiconiのファーストアルバム「Oxygen」への投資を募集。3ヶ月で28万ユーロが集まり、9月24日アルバムをリリース。Vente-privéecom.を通じ6ユーロで売られたCDは1週間で21000枚売り上げたと言われている。14年セカンドアルバム「Un homme libre/一人の自由な男」をリリース、「Je te aime/君を愛している」(「te君を強調するためこのように綴った」)などを収録。

  「Je te aime」 https://www.youtube.com/watch?v=PEoOiYXtVr4

 

・ジェラール・ルノルマンGérard Lenorman & ヴァンサン・ニクロVincent Niclo:「Et moi je chante/そして僕は歌う」

                                         https://www.youtube.com/watch?v=gF2m_TEsFS8

・・Gérard Lenorman(1945年Calvados県生まれ、ACI)1967年Parisに、70年Julien Clercの後、ミュージカル「Hair」の主役を演じた。71「Il/彼:冬の青春」が最初のヒット。72年「Le petit prnce/王子様」がヒットし「Le petit prince de la chanson/シャンソンの王子」が愛称に。「La balade des gens heureux/幸せな人々のバラード」(75年)、「Michèle/哀しみのミシェル」(76年)、「Gentil dauphin triste/悲しきイルカ」(76年)、「Voici les cres/鍵はここに」(76年)などがヒット。70年代の最もロマンティックな歌手と言われた。88年Eurovisionフランス代表、「Chanteur de charme/魅惑の歌手」を歌い10位。2011年自分のヒット曲を他の歌手とのデュオでカバーしたアルバム(「Il」をAnggunと、「La ballade・・」をZazと、「Michèle」をGrégoireとなど)出している。

  「Michèle」 https://www.youtube.com/watch?v=jNboVsnoZ4Y

・・Vincent Niclo(1975年Paris生まれ、歌手)Parisのオペラ座声楽を学び、2003年Paris Palais des Sportsで上演された「Autant en emporte le vent/風と共に去りぬ」でRhette Butlerを演じるなど、ミュージカルに出演、06年からソロ活動。06年3月ファーストアルバム「Un nom sur mon vasage」をリリース、評判にならず。12年ロシアの「赤軍コーラス隊」と共演したアルバム「Opéra rouge/赤いオペラ」は「Ameno」、「Carsu」などを収め30万枚の売り上げ。13年Luis Marianoの生誕100年を記念して「La belle de Cadix/カディスの美女」などMarianoのヒット11曲を収録したアルバム「Luis」をリリース、25万枚以上の売り上げ。14年9月Olympiaに出演。14年12月アルバム「Ce que je suis/僕はこうだ」はSerge Lamaに詩の提供を受けた「Jusqu’à l’ivresse/酔うまで」などを収め好評。

  「Carusohttps://www.youtube.com/watch?v=1UqPfN97N78

 

・ヴァンサン・ニクロVincent Niclo &アングン Anggun:「Pour une fois/一度だけ」

                                               https://www.youtube.com/watch?v=clR7XgPYsOw

・・Anggun(1974年インドネシア、ジャカルタ生まれ、歌手、作詞・作曲も行う、本名Anggun Cipta Sasmi)母国及び東南アジアでは10代から人気歌手。1995年からフランスで活躍、フランス国籍を取得。HallydayDionJ-J GoldmanらのプロデューサーErick Benzeiの知己を得てそのプロデュースで、97年フランス語での最初のアルバム「Au nom de la lune/月にかけて」をリリース。そこの収められた「La neige au Sahara/サハラの雪」(作詞・作曲Benzi)は、「Snow on the Sahara」のタイトルで英語でも歌われも世界中でヒット。その後定期的のアルバムをリリース、最新アルバムは2011年5枚目の「Echos/エコー」。12年フランス代表で出場したEurovisionで22位。13年アルバム「Thérèse,vivre d’amour/テレーズ、愛に生きる」にSt.Pierらと参加。近々新譜リリースの予定。慈善・人道活動にも積極的で、FAO(国連食糧農業機関)の親善大使を務めている。

  「La neige au Saharahttps://www.youtube.com/watch?v=sE86w-iLEo0

 

・ティナ・アレナTina Arena:「Je dis call me/私はcall meと言う」https://www.youtube.com/watch?v=t8hJZ-lI9Ls

・・Tina Arena(1967年オーストラリア、メルボルン生まれ、歌手)10代で母国の人気TV番組のレギュラー出演。1989年からフランスでも活動、基本的にはオーストラリア在住。97年のアルバム「In deep」が母国及びフランス、ベルギー、スイスでもヒットし、フランス語圏でも人気歌手に。フランス語で歌いヒットした曲には「Aller plus haut/もっと高く」(99年)、「Tu es toujours là/あなたはいつもそこにいる」(02年)、「Aimer jusque’à l’impossible/不可能なほどまであなたを愛する」(05年)などがある。2015年5月アルバム「Love and Loss」がフランス、ベルギー、スイスでリリースされた。これにはフランス語で歌われている「Je dis call me」、「Et puis après/その後に」(Henri Salvadorとのデュオ、Salvadorの生前に録音された)などが収められている。

  「Aller plus haut」 https://www.youtube.com/watch?v=yExDqr9rYyM

 

・ジュリー・ゼナッティJulie Zenatti:「Les amis/友人」 https://www.youtube.com/watch?v=hw6MkO3hfFw

・・Julie Zenatti(1981年Paris生まれ、歌手、作詞・作曲も行う)№1418

 

・シェイムShy’m:「Silhouettes/シルエット」 https://www.youtube.com/watch?v=tdRq-_Hi8pw

・・Shy’m(1985年Parisから南東約20kmのTrappes生まれの歌手、本名Tamara Marthe)幼少の頃から歌とダンスが得意、デモテープを諸処に送り2006年ファーストアルバム「Mes fantasies/私に気まぐれ」をリリース、30万枚の売り上げ。その後、08年「Reflets/反射」、10年「Prendre l’air/気分転換する」、12年「Caméléon/カメレオン」と2年毎にアルバムをリリースで都合100万枚以上の売り上げ。最新アルバムは14年の「Solitaire/孤独な」で、「Silhoettes」を収録。ラジオ局NRJ音楽賞の女性歌手賞を12、13年と連続して受賞。13年1月ParisBercyで行ったコンサートの模様は13年2月に国内150余りの映画館で上映された。Shy’mがステージ、あるいは音楽賞の授賞式で身につける衣装は注目され、話題になる。今回の衣装も大麻の葉をイメージしたものではとの物議を。

 「Femme de couleur/有色の女」(「Mes fantasies」から)https://www.youtube.com/watch?v=U8vZ2zc-q2U

 

・グレゴワールGégoire:「Les points sur les i」 https://www.youtube.com/watch?v=59oA_jvRW4c

・・Gregoire(1979年Senlis生まれのACI)№1425

 

・ジェロJehro:「How long https://www.youtube.com/watch?v=alWlgqY6jbo

・・Jehro(生年不詳Marseille生まれ、歌手、本名Jerome CattaBrassensBrelなどの曲を歌う歌手・作曲家の父親の影響を受け、幼少の頃から音楽に興味を持つ。20歳でロンドンに、Hammersmithに滞在し、そこで世界各国からやって来たアーティストと交わり、ロック、レゲ、カリプソなどの影響を受ける。帰国後Paris18区の小さなホテルに住み、一時グループ「Solo」で活動、その後ソロに。1999年ファーストアルバム「L’arbre et le fruit/樹木と果実」、2006年3月セカンドアルバム「Jehro」(「Everything」がヒットし、Jehroの名が知られるように)、11年4月3枚目のアルバム「Cantina Paradise」をリリース。「Cantina Paradise」に収められた「Tonight,tonight」、「Why me」は好評で、アルバムは12年のVdMで「ワールドミュージックアルバム」賞を受賞。ファーストアルバムを除き、収録曲はいずれも英語で歌われている。Jehroは他の歌手にも曲を提供していて、特に、Bérnard Lavilliersのアルバム「Samedi soir à Beyrouth/土曜の夜にベイルート」には2曲作曲している。今回歌った「How long」は15年6月22日リリースのニューアルバム「Bohemian Soul Songs」に収録されている。12月3日ParisTrianonでのコンサートが予定されている。

 「Tonight,tonight」 https://www.youtube.com/watch?v=5_CdRZQbxuo

No.1426
2015.713

   

№1426   2015.6.30


6月にリリースされたコンピレーションアルバム 2点 ご紹介いたします。

イヴ・デュテイユYves Duteil,
ジュリエットJuliette



・イヴ・デュテイユYves Duteil
24曲収録コンピレーション「L’essentiel/代表曲」6月8日リリース

Duteil
1949年7月24日Paris生まれのACIBac取得後歌手Mireilleの音楽学院「Petit conservatoire de la musique」で学び72年Paris6区のキャバレ「LEcluse」でデビュー、40年以上のキャリアがある。1972年には最初のSPをリリース。

1974年ファーストアルバム「L’écritoire/文箱」、これには「Virages/(道路の)カーブ」、「L’écritoire」などを収録。

1977年のアルバム「Tarentelle/タランテラの踊り」は「Prendre un enfant子供を抱いて」、「Le mur de la prison en face/正面の刑務所の塀」などを収めていて120万枚の大ヒット、ACC大賞を受けた。「Prendre un enfantは、1988年、レコードが発明されて100年週年を記念してSACEMなどが行ったアンケートで「世紀のヒット№1」に選ばれた。

1981年には「Au parc Monceau/モンソー公演で」、「Les Fées/妖精たち」などを収めたアルバム「Ça n’est pas c’qu’on fait qui  compte/大事なのは何をやったかではない」をリリース。

1986年のアルバム「La langue de chez nous/我々の言語:美しい言葉」に収められた「La langue de chez nous」はAcadémie FrançaiseMédaille d'argent銀賞受賞。

1987年のアルバム「Ton absence/君の不在」には「Pour les enfants du monde entier/世界中の子供のために」、「Ton  absence」、「Regarde impressioniste/印象派の視点」などを収録。

1990年のアルバムBlessures d’enfance幼年期の傷」には「Blessures d’enfance」などを収録。

1994年のコンピレーションアルバム「Entre ells et moi/彼女たちと僕の間」では過去のヒット曲をLiane FolyVéronique SansonEnzo Enzo(「Au parc Monceau」)など女性歌手とのデュオで歌っている。

1997年のアルバム「Touché/感動した」には「Dreyfus/ドレフュス」、「La grande maison des vacances/ヴァカンスの大きな家」、「La Tibétaine/チベット女性」、「Autour d’elle/彼女を巡って」などを収録。「Dreyfus」は1894年フランスで起きた陸軍参謀本部勤務のユダヤ系Alfred Dreyfus大尉がスパイ容疑で逮捕された冤罪事件をテーマにした曲でAlfred DreyfusDuteilの大叔父に当たる。

1997年SACEMEGrand Prix受賞。

2001年のアルバム「Sans attendre/待つことなく」には「Avoir et être/動詞avoirêtre」、「Apprendre/学ぶ」、「Yen/イエン」、「Le simple fait que tu existes/ただあなたがいるというだけで」などを収録。

2002年にはデビュー30周年記念のコンサートをオランピアで。

2008年のアルバム「Fragiles)/もろい(敏捷な)」には「Où vis tu Pauline/ポーリヌ、君はどこに」などを収録。

2012年は最新アルバム「Fiagrant Délice/目の前の快楽」をリリースしている。

2012年10月14日LArchipel社からAlain Wodrascaと共著で自伝「Profondeur de chant/歌の深さ」を刊行。Véronique Sansonの序文:Yves、あなたが自分自身の人生や、我々の人生を歌にしてくれると、どんな人生でも生きてみたいと思うようになるでしょう・・・

 

Deteilは1989年から2014年3月までParisから東に37kmの小村Precy-sur-Marne村(現在の人口800人弱、歌手Barbaraは1973年から死去時まで住んでいた)の村長。

1982年初来日以降数回来日、最近では2010年7月に来日している。

L’essentiel」には上記の曲はすべて収録されている。

 

La lanque de chez nous」 1986年 http://www.dailymotion.com/video/x2tpk7y

Prendre un enfant」2008年  https://www.youtube.com/watch?v=LJZ_4awGscg

 

  


・ジュリエットJuliette

50曲収録コンピレーション「Les 50 plus belles chansons/最も美しいシャンソン50曲」6月8日リリース

Juliette
本名Juliette Noureddine1962Paris生まれ、育ちはToulouseACI父親がToulouseCapitoleオーケストラのサクソホーン奏者であったため、「家にはいつも音楽があった。音楽が悪いことだという雰囲気はなかった。家ではジャズやラテンを聞いた」。カトリック系の学校で学んだ後、大学で文学、音楽理論を学ぶが、短期間で断念。

1980年代初頭から地元のピアノバー、カフェなどで当時のヒット曲やClaude NougaroBoris Vianなどの曲をピアノの弾き語りでカバー。「私が好きなのは物語を語ることだと悟った。Barbaraのように精神状態を歌う歌手にはあまり興味がなかった」。

1985年と1986年新人歌手の登竜門である音楽フェスティヴァル「Printemps de Bourges/ブルジュの春」に出演、頭角を現す。

1987年ToulouseThéâtre des Mazadesでのコンサートの模様を収録した自主製作のライヴ盤カセット「Juliette」を出す。

1990年Jean Guidoni(1952-歌手)の前座で出演した際、Guidoniに歌詞を提供していたPierre Philippeと知り合う。Philippe(1931-脚本家、作詞家、作家)はその後Julietteに良質の歌詞を提供、Julietteの初期のアルバム「Irrésistibles」及び「Rimes féminines」に収録された曲の大半はPhilippeの歌詞による。

1991年Hauts-de-Seine県主催の「Tremplin de la chanson/シャンソン新人」コンクールで審査員及び観客賞を受賞

1991年Théâtre d’IvryでのコンサートのライヴCD「Que tal?/ケ タル/元気?:スペイン語」をリリース。「Que Tal?」、「Sur l’oreiller/ベッドで」、「La Bardelone」、「Quand on vous aime comme ça/人がこんな風にあなたを愛するときには」、「L’homme à la moto/オートバイの男」(Edith Piafのカバー)など19曲収録

1993年最初のスタジオ録音アルバム「Irrésistible/抗しがたい魅力を持つ」をリリース。「Irrésistible」、「Monocle et col dur/片眼鏡とハイカラー」、「Petits métiers/職人仕事」、「Poison/毒」、「Monsieur Venus/ヴィーナス氏」など収録。 アルバムはACC大賞受賞。

1996年アルバム「Rimes féminines/女性韻」リリース。「Rimes féminines」、「La géante/大女」、「Revue de détail/」、「La belle abbesse/美しい女子修道院長」、「Remontrances/叱責」など収録。

1997年にはVdMで新人女性歌手賞を受賞。

1998年ライヴアルバム「Deux pianos/2台のピアノ」(1997年12月ParisGaveau出演時)リリース。「La petite fille au piano/ピアノを弾く少女」、「Un monsieur me suit dans la rue/一人の男性が通りで私に後を付いてきた:しつこい人」(1942年Edith Piafのカバー)、「Les timides/内気な女性たち」、「Papier buvard/吸い取り紙」、「Tout fout l’camp/全て去っていった」、「La ballade d’ école/学校のバラード」など収録

1998年アルバム「Assassins sans couteaux/凶器なき暗殺者たち」リリース。「Assassins sans couteaux」、「La pagod du cheval blanc/白馬のパゴダ」、「L’étoile rouge/赤い星」、「Les yeux d’or/黄金の瞳」、「Lucy/リュシ」など収録

1999年Olympiaに初出演。

2002年アルバム「Le Festin de Juliette/ジュリエットの饗宴」リリース。「L’éternel féminine/永遠の女性性」、「Impatience/いらだち」、「Retour à la nature/自然への回帰」、「Mode d’emploi/取扱説明」、「Il n’est pas de plaisir superflu/余分な楽しみはない」、「Le Festin de Juliette」など収録。アルバムはACC大賞受賞

2005年アルバム「Mutatis Mutandis/必要な変更は加えて」リリース。「Le sort de Circe/キルケの行く末」、「Le congè des cherubins/智天使たちの会議」、「Il s’est passé quelque choses/何かが起こった」、「Une lettre oubliée/忘れられた手紙」、「La braise/炭火」、「Les garçons de mon quartier/私の街の男の子たち」

 

Les 50 plus belles chansons」にはアルバムMutatis Mutandis」までのアルバムに収録されている上記の各曲及びSerge Reggianiへのオマージュアルバム2002年「Autour de Serge Reggianiセルジュ・レジアニの回りに」に参加した「Les loups sont entrés dans Paris狼たちがパリに入って来た」及びGeorges Brassrnsへのオマージュアルバム2006年「Putain de toi忌々しいお前」に参加した「La complainte des filles de joie娼婦たちの嘆き節」が収められている。

 

2006年VdM女性歌手賞

2008年アルバム「Bijoux et Babioles/宝石とがらくた」リリース

2011年アルバム「No Parano/パラノイア患者のいない」リリース

2013年アルバム「Nour」(姓のNoureddineから)リリース

「一つのシャンソンが世界を変えることが出来るとは思えない。そんなことは例外中の例外。シャンソンはそんなに真面目なものでなく、単なる気晴らし、娯楽」と語っているJuliette、彼女が表現する豪放な、同時に優しさと、ユーモアもある世界、巧みな、からかうような言葉遣いで多くのファンの心を捉えている。2012月来日。

 

Petits métiers」 1993年 https://www.youtube.com/watch?v=69okZJ1fne8

Rimes féminines」 1997年 https://www.youtube.com/watch?v=oeR4YmZcSbQ

この曲の中で今はどこへ行ってしまったのかと歌われる職業は、「靴下のかがり直しの女性」、「新聞の呼び売り」、「公園などで貸し椅子の料金を徴収する女性」、「再製のためマットレスの解きほぐしを行う女性」、「包丁研ぎ師」、「パンを配達する女性」、「焼きクリ屋」、「ウサギの皮はぎ人」、「通りで歌う歌手」、「バイオリンの調律師」、「染液の中で布を揺り動かす女性」、「詐欺師」、「集金人」、「牛の肉付きを触って調べる人」など。

 No.1425
2015.6.20
   

№1425     2015.6.20

5月の新譜情報をお届けします。
 

Chrales Aznavour
Pierre Perret
Grégoire
Thomas Dutronc
   


・シャルル・アズナヴールCharles Aznavour5月4日新しいアルバム「Encores/アンコール」をリリース

                                      (このEncoresは英語。詳細は下記 「今回のアルバムに関して」参照下さい)

inoxydable/さび付かない」、「l’éternel assoiffé/常に乾きを感じている」、「Le patriache de la chanson/シャンソン界の長老」、「légénde de la chanson française/シャンソンフランセーズの伝説」 Aznavourは2015年5月22日友人たち(ChicoNikos Aliagasら)に囲まれ91歳の誕生日を滞在中のProvence地方Alpillesで祝った。常々「私は毎年の誕生日を大々的には祝わない。50歳の誕生日は大いに祝った。次は100歳の誕生日を盛大に」と語っているAznavour、91歳の誕生日は極々内輪だったよう。

Encores」は51枚目(46枚目の報道もあり)のスタジオ録音アルバム。これには自身で作詞・作曲、アレンジも行った12曲が収められている。12曲は「Avec un brin de nostalgie/少しのノスタルジーを感じて」、「Ma vie sans toi/君のいない人生」、「Les petits pains au chocolat/チョコレートパン」、「T’aimer/君を愛すること」、「Des ténèbres à la lumière/闇から光へ」、「Et moi je reste là/そして僕はここの留まる」、「Mon amour je te porte en moi/恋人よ、君を連れて行く」、「Chez Fanny/ファニーの家で」、「Sonnez les cloches/鐘を鳴らせ」、「La maison rose/ピンク色の家」、「De la môme à Edith/女の子からエディットに」、「You’ve Got To Lean」(「Il faut savoir」の英語ヴァージョン)。テーマは愛、去っていく時間、メランコリー、憂愁、郷愁、老い・・。

Aznavourは、5月4日TVFrance 2の13時のニュース「最後の5分」に出演しキャスターElise Lucetに答え、あるいは新聞、週刊誌、音楽サイトなどとのインタヴューで次のように語っている。

今までの経歴等に関しては:

・・私のエネルギーの源、それは仕事、ステージ。私の友人はファンの皆さん。コンサートでは友情を分かち合うことが出来る。

・・私はEdith PiafCharles TrenetMaurice Chevalierと親しくつきあうことが出来た。私はこの3人の怪物との会話を通して多くのことを学んだ。TrenetChevalierは偉大な「fantaisie/独創性、奇抜さ、自由奔放な想像力」の持ち主、Piafは「pathos/行動・感情の過度の悲壮感、誇張した表現」の持ち主だった。

・・4月30日に亡くなったPatachouMontmartreの彼女の店で歌うようにと言ってくれた。それが自分のキャリアを後押ししてくれた。彼女は正に、本物の「La Parisienne/パリジェンヌ」だった。残念だが葬儀には参列できない。

・・昨年秋に録音したもの[具体的には言及していない]をお蔵入りにした。アレンジが不満だった。そう言うことはよくあること。

・・詩に関して私は友人や周りの人たちが話す言葉、深く考えずに、何気なく口から出る言葉を注意深く聞いていて、そこから借用する、自分で作り出すと言うよりも。「Désormais/これからは」、「Et pourtant/それでも:邦題「想い出の瞳」などは毎日頻繁に使われている言葉、私はそれらの言葉のあく抜きした。 私は自分が書くことに誇りを持っている。誰でも歌うことは出来るが、誰でも書くことが出来るわけではない。なぜ私がステージに立つのか、それは私がシャンンソを書くことが出来るからだ。

・・薬はやったことはないし、刺青もしたことはない。アルコールは、若い頃はよく飲んだ。Pierre RocheMontréalFaisan doréに出演しているときなんか、それぞれグラスをテーブルに置き、注いでくれるものなら何でも飲んだ。ある日動悸が激しくなって医者に行った。その医者は私の前にリキュールを一杯置いて言った。「これを最後の一杯にして、7年間は禁酒して下さい」。私はそれを守った。その日をよく覚えていてちょうど7年後ベルギーで再び飲み始めた。しかし、少しだけ。今は、友人たちとワイン、あるいはポルトを一杯やるだけ。

・・シャワーを浴びながらどんな曲を口ずさむか質問されることがある、私は、シャワーは浴びない。もっぱら湯船に浸かる。もし歌うとしたらNana Mouskouriの曲だろう。

・・年齢と共に視力と聴力は衰えてきた、近々補聴器を付けなければならないだろう。しかしそれ以外は悪いところはない。

・・毎日毎日沢山書いている。私の一日は曲を書くことから始まる。新しいアルバムを出したばかりだが、もう次のアルバムのことを考えている。もし働いていなければもうこの世にはいないだろう。

・・引退を全く考えていない。大分前に全てを止める準備をした。それからは毎年自問自答する「よし、まだもう1年できる」。

 

そして今回のアルバムに関しては:

・・アルバムのタイトルに「Encores」とsが付いているのは、ここでは英語の「encore」を用いているから。[フランス語のencoreは副詞、従ってsが付くことはない] この語は英語では「bis/もう一度:アンコール」を意味する。私は「Aznavour encore/再びアズナヴール」にすることは願ってはいなかった。

・・今回は初めてアレンジも行ったが、私は出来ないことがあればそれを学ぶ。それは知識を芽生えさせ、それによってより良く生きることが出来る。

・・「Avec un brin de nostalgie」は「nostalgie/郷愁、懐旧の情、満たされぬ思い」を歌っているが、それは「mélancolie/憂愁、もの悲しさ、憂鬱」ではない。Nostalgieは人が寂しいと感じているとき、去ってしまった友がいなくて寂しいと感じるときに、何かをもたらしてくれる。思い出とも違うもので、あなたを優しく抱いてあやしてくれるものだ。

・・「Les petits pains au chocolat」は正に私の自叙伝。子供の頃悪戯っ子だと、その当時を思い出させてくれる人物が必ずいるもの。私は9歳で舞台に立った。子供の頃は役者になることが夢だった。運命の悪戯で他の道に進んだけれど。 ・・隠れて吸い殻を吸って、そのせいで時々吐いたものだった・・と歌う。アコーデオンが子供時代の思い出を奏でている。

・・「Et moi je reste là」は過ぎ去ったときがテーマ。時は過ぎていったが僕はそこに残った、90歳になってもまだ生きている幸運を感じながら、『Faucheuse/大鎌を持った死の神』が私を見逃すことはない。それは私を探しに来るだろう」。

・・「Et moi je reste là」は田舎の過疎化を告発する曲

・・「La maison rose」は若い狼たちの隠れ家

・・「Chez Fanny」は母へのオマージュ。主人公は祖国のために犠牲になった若者の一人。今やあまり話題にされなくなったが、ドイツ占領下でのレジスタンス運動で。武器を乳母車に積んで運んでいた母はFannyの一人だった。Fannyの家ではスープはおいしく、ベッドは暖かだった

・・「De la môme à Edith」はEdith Piafをテーマにして作った最初のシャンソン。Edithは全ての人を疲弊させた、私を除き。私は8年間彼女の家に住んだが、彼女の愛人にはならなかった。私は自分の生き方を貫いた、彼女のアーティストとしてのリズムにだけ合わせて。

・・「You’ve Got To Lean」(「Il faut savoir」の英語ヴァージョン)はイギリス出身で26歳Benjamin Clementineとのデュオ。仕事上で困難を抱えている若者を見ると心が痛む。 この曲を選びRay Charles風に歌うことにしたのは私。 [Clementineは1988年ロンドン生まれのACIでピアニスト、ガーナ出身でイギリス人。22歳でフランスに。メトロの構内などで歌い人気に。13年にはLa RochelleFrancofoliesなどに、14年にはVieilles Charruesのフェスティヴァルなどに出演。15年1月ファーストアルバム「At least for now」をリリース。15年2月のVdMで「新人ステージ賞」を受賞。この若い歌手の力強い声はAznavourの声によくマッチしている]。 

Aznavourは8月1日ベイルート国際フェスティヴァルに出演。9月15日~27日ParisPalais des Sportsでコンサート。

 

Emmenez-moi」5月7日マドリッドコンサートのファナーレhttps://www.youtube.com/watch?v=DJK9st9nmV0

Avec un brin de nostalgie」5月5日TVFrance 5「C à vous」出演時 https://www.youtube.com/watch?v=aV4cBTzKBFk

 

 


・ピエール・ペレPierre Perret5月18日新しいアルバムCD2枚組「Mes femmes/僕の女性たち」をリリース

Perretは1934年南西フランスCastelsarrasin、(Tarn-et-Garonne県)生まれのACI。53年兵役から戻ってからまずギタリストとして、次いで56年からギターの弾き語りとしてステージに立った。63年、「Le tord boyau/安酒」がヒット。66年「Les jolies colonies de vacances/楽しいヴァカンス村」、74年「Le zizi/おちんちんの歌」(500万枚以上)、77年反人種差別のクラシックと言われている「Lily/リリー」、98年反ファシズムの「La bête est revenue/獣がまたやってきた」。07年春歌を集めたアルバム「Le plaisir des Dieux/神々の楽しみ」。10年アルバム「La femme grillagee/格子の中の女」。11年10月18日デビュー55周年を記念してリリースされた全集「Pierre PerretLIntégrale/ピエール・ペレ全集」はCD29枚+DVD1枚からなり、405曲集録。14年4月アルバム「Drôle de poésie/奇妙な詩」。14年7月80歳の誕生日をParis Olympia劇場で祝った。 03年にはAcadémie Françaiseから「Grande medaille de la chanson francaise/シャンソンフランセーズ大賞」を、14年7月には「Ordre des Arts et des Lettres/芸術・文芸勲章」の「commandeur」章(同章の最高位)を授与されている。軽いテーマの時には俗っぽい言葉、きわどい言葉で、ユーモアと皮肉たっぷりに歌い、差別や暴力反対を歌いあるいは偽善者を攻撃するときには厳しく、痛烈に。そのシャンソンは子供から、老人まであらゆる年代の人々に愛されている。Perretの名を冠した学校、図書館、通り、広場が30箇所以上あり、詩は学校で学ばれ、bac[中等教育終了認定試験]の問題に採用されている。

Les jolies colonies de vacances1966年 https://www.youtube.com/watch?v=X6mluemwjcw

アルバム「Mes femmes」にはPerretが女性をテーマにして歌った曲、新旧40曲が収められている。Perretは5月19日France 2、13時のニュース「最後の5分」に出演しElise Lecetの質問に答えるなど、このアルバムに付き次のように語っている。

・・アルバムのタイトルが[単数形の]Ma femme」になっていないで[複数形の]Mes femmes」になっているのは、「ma femme/妻の提案による」。 [Perretは1957年レコード会社Barclayの秘書だったSimone Mazaltarin(愛称Rebecca)と知り合い1962年に結婚、二人の間には男児の双生児がいるが、子供たちの希望もあり、彼らについての情報は一切ない]。 「Rebeccaは私のマネージャー、ツアーには必ず同道する。それに私の曲を最初に聞くのは彼女。彼女の意見は私にとって重要。当を得ているだけに。私は500曲以上作っているがそのうち400曲以上は女性をテーマにしたもの。私は女性とその複雑さ愛しているから。男性がどんな行動に出るかは大体予想できるけれど、女性は常に予見不可能、女性には『spontanéité/自然さ、無邪気さ』があり、男性はそれに対応できないことがある。女性の反抗的態度、独占欲、嫉妬深さ、勇敢さ、誘惑するような仕草、よく嘘を付くこと、挑発的な眼差し、愛情の深さ、決して屈することのない生き方、私は女性のそういったところが好きで、それをテーマにして多くの曲を作ってきた・・

今回のアルバムの収録曲についてはその中から夫人の意見も参考に、タイトルに女性の名が付いた40曲が選ばれた。「La femme est toujours l’avenir de cet home/女性は常にこの男の将来」[Jean Ferratのヒット曲「La femme est l’avenir de l’homme/女性は男性の将来」から]なのだろう。 

収められている40人の女性は:「Lily/リリー」、「Germaine/ジェルメヌ」、「Le cul de Lucette/リュセットのお尻」、「Lola/ローラ」、「Leila/レイラ」、「Estelle/エステル」、「Alphonsine/アルフォンシーヌ」、「Hélène/エレーヌ」、「Marie-Lou/マリ=ルー」、「Mimi la douce/優しいミミ」、「Amélie/アメリ」、「Blanche/ブランシュ」、「Rebecca/レベッカ」、「Ma petite Julia/可愛いジュリア」、「Clémentine/クレマンティーヌ」、「Louise/ルイーズ」、「Jeanne/ジャンヌ」など。

 

Lily」2015年5月14日TVFrance C à vous」出演時 https://www.youtube.com/watch?v=qiFcVs4RkKw

・美人のLilyは移民で満員の船でソマリアからやって来た。ヴォルテールやユーゴを生んだ国では人は平等だと信じて。Lilyは自由を愛し、博愛を信じていた。しかしSecretanスクレタン [「ce cretin/この馬鹿者」と同じ発音] 通りのホテルの従業員は彼女に言った、そこでは白人しか受け付けないと・・Lilyはトラックから野菜籠を降ろす辛い仕事をした。金髪で縮れ毛の男を好きになった。結婚しようと言ってくれた。でも彼の家族は言った「我々は決して人種差別主義者ではないけれど、それは望まない」と・・

 


・グレゴワールGrégoire5月11日新しいアルバム「Poésie de notre enfance/僕たちの子供時代の詩情」リリース

インターネットが生んだ最初のビックアーティストと言われるGrégoire、本名Grégoire Boissenot、1979年SenlisPicardie地方 Oise県)生まれのACI。幼少の頃からLes BeatlesJean-Jacques Goldmanらに憧れ歌手を志す。学業が終わってから種々の職業に就いたのち、07年MMC(注)に登録。347人の出資者を得て、MMC最初の歌手として08年9月アルバム「ToiMoi/君プラス僕」をリリース、120万枚以上売上げた。10年2月Olympiaに初出演。10年12月2枚目のアルバム「Le même soleil/同じ太陽」をリリース。13年4月リリースのNatasha St-PierAnggunらのアルバム「Thérèse,Vivre d'amour/テレーズ、愛に生きる」ではリジェーの聖女テレーズSainte Thérèse de Lisieux(1873-97)の詩に曲を付けている。13年11月3枚目のアルバム「Les roses de mon silence/僕の沈黙のバラたち」をリリース。15年3月Jean Ferratオマージュアルバム「Des airs de liberté/自由の歌たち」には「Tu aurais pu vivre/あなたは生きることができるだろうに」で参加している。

(注)MMCMy major company):07年12月にJ=J Goldmanの長男Michaelらがアーティストのデビューを援助するために設立。登録されたアーティストにつき、インターネットにクリップなどを流して出資者を募集し、ある一定の金額に達したらそのアーティストのアルバム製作やプロモーションを行い、売上げの一定割合を出資額に応じ出資者に配当する。Grégoireについては出資額の20倍の配当があったと言われている。MMCはすでに、Joyce JonathanIrmaAlan ThéoBaptiste Giabiconiらを世に出している。

Toi + moi」 https://www.youtube.com/watch?v=kOru9ITtVIg

 

Poésie de notre enfance」には21曲収録されているが、それらは小学校で習う詩人の詩にGrégoireが曲を付けたもの。そのような試みはGrgoireにとってはすでに「Thérèse,Vivre d’amour」で経験済み。 ある日Grégoireのパートナーの連れ子の男児がCharles Baudelaireの「L’albatros/アホウドリ」を暗記しようとしゃかりきになっていた。そこでLéo Ferréがこの詩に曲を付けて歌っていることを思い出したGrégoireは、それを聞かせた。すると男の子は10分でその詩を暗記することができた。Grégoireは詩の学習に音楽が持つ効用を実感した。楽しく、遊びの感覚で詩を覚えることができる。そこで小学生が習っている詩から20編ほどを選択し、それに曲を付けた。Grégoireは3月11日Hauts-de-Seine県のSaint-CloudMontertetout小学校を訪れ、それを紹介した。小学生の反応は熱狂的だった。Grégoireの曲により詩を覚えるのは容易になったと。

収められているのは:

Jean de la Fontaineの「La cigale et la fourmi/蝉と蟻」、「Le corbeau et le renard/カラスと狐」、「La grenouiile qui veut se faire aussi grosse que le bœuf/牛のように大きくなりたかった蛙」、「Le laboureur et ses enfants/農夫とその子供たち」、「Le lièvre et la tortue/ウサギとカメ」、「Le lion et le rat/ライオンとネズミ」

Robert Desnosの「La giraffe/キリン」

Luc Bérimontの「Les points sur les iiの字の点」

Philippe Soupaultの「C’est demain  dimanche/明日は日曜」

Maurice Carêmeの「Le hibou/ミミズク」、「Liberté/自由」、「Litanie des écoliers/小学生による諸聖人への祈り」、「Ponctuation/句読点」、「Pour ma mère/母のために」

Véronique Colombéの「Chahut/大騒ぎ」

Pierre Ruaudの「Je voulais dans mon cartable/ランドセルの中に入れて」

Carl Noracの「Le cartable rêveur/夢見るランドセル」

Emilie Verhaerenの「Un matin/ある朝」

Théodore de Banvilleの「Lorsque ma sœur et moi/妹と僕が深い森の中で」

 

Le lièvre et la tortue」 https://www.youtube.com/watch?v=Qpju1saj2iQ

Saint-CloudMontertetout小学校で https://www.youtube.com/watch?v=8f9ArGNYw90

 


・トマ・デュトロン
Thomas Dutronc25日新しいアルバム「Eternels jusqu’à demain明日までは永遠に」リリース

Thomas Dutroncは1973年6月16日パリ生まれ、ACI、ギタリスト、俳優。父はJacques Dutronc母はFrançoise Hardy。18歳でDjango Reinhardtに憧れてギターを習い、ParisSaint-Ouenののみの市などで演奏、マヌーシュ、ジャズギタリストとして人気が出て、パリのジャズクラブに出演。また、父のアルバム「Brèves rencontres」(1995年)には「A part ça」の歌詞を提供、Henri Salvadorのアルバム「Chambre avec vue」(2000年)には「Mademoiselle」の歌詞を提供、母のアルバムの「Tant de belles choses」(04年)プロデユーサーをつとめた。07年10月、初のソロアルバム「Comme un manouche sans guitare/ギターを持たないマニューシュのように」をリリース、60万枚以上売り上げるヒットに。その後600回のコンサート。08年にはGlobe de Cristal受賞、09年VdMで「Comme un manouche sans guitare 」がオリジナルシャンソン賞を受賞。11年のCharles Aznavourのアルバム「Aznavour toujours/アズナヴールはいつも」ではデュオで「Elle/彼女」を歌っている。11年10月にはセカンドアルバムで20万枚以上売り上げたと言われる「Silence,on tourne,on tourne en rond/静かに、撮影開始」をリリースしている。Thomasは14年のZazのアルバム「Paris」では「La romance de Paris/パリのロマンス」をデュオで歌っている。また「La bande à Renaud/ルノー軍団」には「Manhattan Kaboul/マンハッタン=カブール」(Nikki Yanofskiとのデュオ)、「Kiss & Love」には「Ma petite entreprise/僕の小さな試み」(Eddy Mitchellとのデュオ)で参加している。

Comme un manouche sans guitare」 https://www.youtube.com/watch?v=2RbDaTTJQ0k

 

3枚目となる今回のアルバム「Eternels jusqu’à demain」はロンドンで録音された。ところどころにThomasに馴染みのマヌーシュジャズのタッチが見られるがポップ調が強くなり、Thomasが100%歌手であること、「fils de・・/・・の息子」を脱却したことを示す傑作との評価がある。 

Thomas Dutroncは5月25日France 2 「13時のニュース 最後の5分」に出演するなどして次のように語っている:・・(6月16日に)40歳になる。物事が「éternel/永遠」でないことが理解できる年齢だし、誰かを失うと言うことがいつ起きてもおかしくない年齢になった。だから一瞬、一瞬を有意義に過ごしたい。前2作に不満があるというわけではないが、私は、第3作目は良い出来だと思う。自分自身、誇らしい気持ちを持ってCDを聞くことができる。アルバムの中に感動とわずかな身震いを見いだした。ワインを持って一つ一つ家庭を訪ねて一緒に聞いてもらうことができたら。録音はロンドンでJon KellyPaul MaCatneyらのプロデューサー)の指揮の許で行った。私はロンドンのエキゾチックな雰囲気が好きだし、スタッフを変えてみようとも考えた。Adeleの伴奏を行ったミュージシャンたち、MaCartneyのスタッフだった音響技師たちと一緒に仕事をするのは良い意味でプレッシャーを感じた・・

アルバムには:「Aragon/アラゴン」、「Allongés dans l’herbe/草の上に寝ころんで」、「Croc madame/マダムの牙」、「J’me fous de tout/全て知ったこっちゃない」、「Qui je suis/僕が誰であるか」、「Princesses/プリンセス」、「Chez les ye-ye/イェイェの時代」、「Je n’suis personne/僕は誰でもない」、「Archimede/アルキメデス」、「Minuit moins le quart/真夜中15分前」、「See you in my dream」の11曲が収められている。

・・「Aragon」は偉大な詩人Louis Aragon(19897-1982)へのオマージュで、「Est-ce ainsi que les hommes vivent/男の生き方」にDavid Chironが曲を付けたもの。「Est-ce ainsi que les hommes vivent」はAragonの詩集「Le roman inachevé/未完の物語」(1956年)に収録されている詩「Bierstube Magie allemande」をLéo Ferréがシャンソンに翻案したもの。 Ferréが曲を付けていて、Ferré自身、Yves MontandPhilippe Léonardらが歌っている。Chiron の作曲によるThomas Dutroncの「Aragon」はFerréの「Est-ce ainsi que les homes vivent」に比較すればポップ調が強く、モダンな感じがする。

・・「Allongés dans l’herbe」はシングルカットされている。

・・「Croc madame」は旧知のACI・ギタリスト「M」のステージ名で活躍しているMathieu Cedidに提供された曲。Mathieuはギタリストとしてこの曲の録音に参加している。

・・「Chez ye-ye」はSerge Gainsbourgの1963年のヒット曲のカバー、Gainsbourgへのオマージュ。

・・「Je n’suis personne」は父Jacques Dutroncとのデュオ「父が新しいアルバムを計画していたので、1曲提供しようと考えてこの曲を作った。父は素晴らしい曲だと言ってくれた。ただ、父のアルバムは1年先か、2年先かはっきりしていなかった。それじゃ、この曲を一緒に歌って私のアルバムに入れようと言うことになった」。

Thomas Dutroncは10月30日から12月19日までフランス国内ツアー、パリ登場は11月25日Zénith

 

Allongés dans l’herbe」 https://www.youtube.com/watch?v=0ttc5BqkDoo

No.1424
2015.6.15
 
   

№1424   2015.6.12



ユーロヴィジョンフランス代表 リザ・アンジェルLisa Angell、 25位
                                     
第60回Eurovisionにフランス代表として出場したリザ・アンジェルLisa Angellは25位の成績だった。

Lisa Angell、本名Lisa Vetrano1968Alpes-MaritimesCôte-d'azurParis生まれの資料もあり生まれの歌手。Angellと最後のLエルを2つにしているのは「deux L: ドウー ゼル/二つのL deux ailesドウー ゼル/2枚の翼」でより高く飛ぶことが出来るようにと。11歳から14歳までNiceのカーニヴァルの際に行われるのど自慢大会で連続し優勝。Consevatoire de Nice/ニース音楽学校に入るがクラシックに厭きたらず退校し、ポピュラーの道へ。Côte-d'azuのピアノバー、特に友人が経営しているゲイバーで歌っているうち徐々に人気が。フランスでは著名なマジシャンDani Laryに誘われて、全国を回るLaryのショーのバックで歌う。LaryPatrick  Sebastien司会のTVF2の人気ヴァライティ番組、「Le plus grand abaret du monde/世界最大のキャバレ」に出演した際に同行して歌い、Sebastienの目に止まった。Sebastienは自分が司会を務めるF2のもう一つの人気ヴァライティ番組「Les annees onheur/なつかしき良き時代に」にAngellを歌手として招いた。Angellは「Jai besoin de parler/私には話す必要がある」を歌い、観客に、視聴者に大きな感動を与え、一躍注目を浴び、フランスのSusan Boyleとも言われるように。

 

Jai besoin de parler」(Luc Plamondon作詞、Diane Juster作曲、1984年、ケベックのGinette Renoが歌い、ほかにLara Fabianなども歌っている)・・・あなたは仕事から帰ると自分でウイスキーをつぐ、背中一杯に人生での闘いを背負っているから。私を腕の中に抱くけれど「何かあった?」とも聞かない。何も言わずいつもの場所に座り、仕事のことを考えている。・・(ルフラン)私には話すことが必要、話を聞いてくれる人に、私の人生について、今の私について。もしあなたが聞いてくれないなら、誰に話せばいいの。あなたは以前と同じように私を愛してくれているのかしら・・あなたは朝早く起き、新聞を広げる、私たちの間に起きたことより、イランやアフガニスタンで起こっていることの方があなたの興味を引く。昼間電話してくるのは、夕食は何か聞くときだけ。でもあなたは何と言うでしょう、夕方帰ってきて家に誰もいないことを発見したら、もう誰もいないことを・・(ルフラン)

J’ai besoin de parler」 https://www.youtube.com/watch?v=ZZpJbAtX4Ms

 

Angellはその後11年10月ファーストアルバム、Sebastienのプロデュースによる「Les  divines/神々しい女性たち」をリリース。13年4月にはセカンドアルバム「Des mots・・/ことば・・」、14年4月chansons françaisesの過去のヒット曲をカバーした3枚目のアルバムは「Frou,frou/フル フル」。

最新アルバムは15年5月11日にリリースした「Lisa Angell」で、「N’oubliez pas/忘れないで」、Serge Lamaに詩を提供された「Si tu savais/もしあなたが知っていれば」、Patrick Fioriに曲を提供された「Ma place/私の場所」、Jacques Venerusoに詩・曲を提供された「Promets-moi/私に約束して」など13曲が収録されている。

 

Angellはフランス代表として第60回Eurovisionシャンソンコンクールに出場。

このコンクール、第1回は1956年5月スイスのLuganoで開催され参加国はフランス、西ドイツ、スイス、イタリア、オランダ、バルギー、ルクセンブルグの7か国。現在ではUERUnion Européenne de radio-télévision/ヨーロッパ放送連合)加盟国の56か国(地域的にはヨーロッパに属していない北アフリカ、中東の国も加盟している)が代表を送ることができる。参加国が多くなった2004年以降、予選が導入された。そして現在は、予選を免除され、直接決勝に進出できるbig5(仏、独、伊、英、西)と開催国を除き、出場国を2~3グループに分けて行われる。決勝には25~27か国が出場する。各国出場者の国籍に関する制限規定、歌手としての経歴に関する規定はない。また現在は歌われる曲の言語についても規則はない。フランスは過去57回(2回不参加)参加、5回優勝していて、優勝回数ではアイルランドの7回に続きイギリス、ルクセンブルグと並んで2位。フランス代表の優勝者は:1958年Andre ClaveauDors,mon amour/おやすみ、恋人よ」(Pierre Delanoë作詞、Hubert Giraud作曲)、60年Jacqurine BoyerTom Pilibi/トンピリビ」(Pierre Cour作詞、André Popp作曲)、62年Isabelle AubretUn peremier amour/初めての恋」(Rolland Valade作詞Claude-Henri Vic作曲)、69年Frida BoccaraUn jour,un enfant/ある日、一人の子供が」(Eddy Marnay作詞、Emil Stern作曲、他の3か国代表と同点で)、77年Marie MyriamLoiseau et lenfant/小鳥と子供」(Joe Gracy作詞、Lean-Paul Cara作曲)。優勝者以外で70年代までに活躍したのは、63年Alain Barrièreが「Elle était si jolie/愛し合った頃」で5位。65年Guy Martelは「Navoue jamais/決して言わないで」で3位、71年Serge Lamaは「Un jardin sur la terre/地上の庭」で10位。ユーロヴィジョンの開催時期になると必ず名が出てくるのはMarie Myriam。それも当然、このコンクールでフランス代表が優勝したのは彼女が最後、35年も前の話。90年代にはそれでも10位以内が多かったが、2000年代に入ると01年のNatasha St-Pierの4位などを除き20位代と低迷。09年にはPatricia Kaasに期待を託したが8位。11年のAmauri Vassiliは15位で、12年22位、13年23位、14年26位最下位。

なお、France Gallは65年ルクセンブルグ代表として出場、「Poupée de cire,poupée de son/夢みるシャンソン人形」を歌って優勝。Celine Dionは88年スイス代表として出場「Ne patrez pas sans moi/私をおいて旅立たないで」を歌って優勝している。

 

第60回Eurovisionは昨年の優勝者Conchita Wurstの出身国オーストリアで40カ国が出場して開催された。決勝は5月23日(土)ウイーンのWiener Stathalleで行われ、予選を勝ち抜いた21カ国にBig 5及び開催国オーストリの27カ国が駒を進めた。Angellは上記アルバムも収録されているRobert Goldman作詞作曲の「N’oubliez pas/忘れないで」を歌った。

優勝は「Heroes」を英語で歌い365ポイントを獲得したスウェーデンのMans Zelmerlowで、スウェーデンは6度目の優勝。Angellは4ポイントを獲得しただけで25位、「36年振りの優勝をと言う」フランスの悲願にはほど遠い成績だった。コンクールの前には「どうしても10位以内には入りたい」と語っていたAngellはこの成績には「本当に残念。私のために素晴らしい仕事をしてくれたスタッフに申し訳ない。私自分自身この成績にいらだっている、他に言いようがない」。

N’oubliez pasLisa Angell https://www.youtube.com/watch?v=sLQMRDNs-Fs

HeroesMans Zelmerlow https://www.youtube.com/watch?v=5sGOwFVUU0I

 

そして、このコンクールにおける最近の極端な不振から、フランス国内では、コンクールへの今後の出場を疑問視する声が出始めた。また、TV・ラジオの司会者のCyril Hanounaが「2016年は私が出よう。これ以上悪くはならないのだから」と言い出す始末[ちょっと悪のりでは]。 Laurent Fabius外務大臣は「私は門外漢だが、出場するなら上位に位置したい。今回優勝したスウェーデンの代表についてその声や歌い方をどうこう言うことはできないが、あれは一つのshowだった。光などの最新技術も駆使した。それに比べると我々のパーフォーマンスはTV時代に入る前のもののよう」と言うわけでフランスは2016年に向け戦術の変更が必要かも。

No.1423
2015..6.3
   

№1423   2015.6.

Mistral gagnant」、フランス人が最も好きなシャンソンに           

5月30日に発表された「フランス人と音楽」アンケートの結果、Renaudの「Mistral gagnant/ミストラル ガニャン」が「フランス人が最も好きなシャンソン」になった。このアンケートはBVA-Boméoが、割当標本抽出法により選ばれた18歳以上の1028人を対象に行ったもので、調査は4月29日及び30日に電話で行った。その結果は次のとおり・・

「あなたが好きなシャンソン」:予め行われたアンケートの結果ノミネートされた30曲につき「あなたが好きなシャンソンを3曲選んで下さい」という方法で行った。その結果「Mistral gagnant」は25.7%のアンケート対象者が選択した。次いで「Ne me quitte pas/行かないで」(Jacques Brel)25.2%、「L’aigle noir/黒いワシ」(Barbara)22.5%が上位3位に入った。それ以下は「Les lacs su Connemara/コネマラの湖」(Michel Sardou)、「Là-bas/あちらで」(Jean-Jaques Goldman)、「La montagne/ふるさとの山」(Jean Ferrat)の順。

「好きな男性歌手」:Jean-Jacques Goldman(33.6%)、Jacques Brel(24.4%)、Georges Brassens(20.4%)、Jean Ferrar(15.5%)、Renaud(12.5%)の順。

「好きな女性歌手」:Edith Piaf(26.8%)、Barbara(22.5%)、Céline Dion(20.8%)、Mylène Farmer(16.4%)、Nolwenn Leroy(16.3%)の順。

「好きな音楽のジャンルは」:「variéés françaises」35%、「variétés internationales」18%、「クラシック」14%、「ロック」13%、「ジャズ&ブルース」8%・・・

「好きな楽器は」:ギター27%、ピアノ26%、バイオリン9%、サクソフォン9%・・・

「演奏できる楽器は」:ピアノ10%、ギター5%・・;何らかの楽器を演奏できる人は18%

その他:フランス人の36%は少なくとも年1回はコンサートに行く。平均1日1時間30分以上音楽を聞く。

 

R

Renaudと「Mistral gagnant」について:

・・Renaud、本名Renaud Séchan、1952年パリ14区生まれのACI。16歳の誕生日を68年のいわゆる「5月革命」のバリケードの中で迎えた頃から曲を作り始め、75年最初のアルバム「Amoureux de Paname/パナム(パリ)の恋人」は30万枚の売上げ。Renaudは都合23枚(スタジオ録音15枚、ライヴ8枚)のアルバムをリリース、2000万枚以上の売上げと言われている。 

77年「Laisse béton/ほっとけ:laisse tomberの逆さ言葉」などを収めた同タイトルのアルバムは55万枚。83年「Morgane de toi/モルガン ド トワ」150万枚の売り上げ。85年「Mistral Gagnant/ミストラル ガニャン」などを収めた同タイトルのアルバムは200万枚以上。この頃からトレードマークの赤いバンダナを首の周りに巻いた反逆歌手と言われるように。91年のアルバム「Marchand de cailloux/砂売り」(65万枚)でACC大賞。Georges Brassensを尊敬し、師と仰ぎ96年には「Renaud chante Brassens/ルノー、ブラッサンスを歌う」(30万枚)を出している。しかし、50歳になる前から数年間パリのビストロでアニス酒浸りになりながら孤独な生活を送っていた。アル中から回復し、シャンソンに戻り、2002年8年振りのアルバム「Boucan d'enfer/地獄の大騒音」をリリース、220万枚の売上げ。これによって翌年03年のVdMでアルバム賞、男性歌手賞及びその中に収められていたAxelle Redとのデユオ「Manhattan-Kaboul/マンハッタン=カブール」でオリジナルシャンソン賞の3賞を獲得した。04年にはAcadémie FrançaiseGrande Médaille受賞。05年女性歌手Romane Serdaと再婚、06年男児Malone誕生。06年アルバム「Rouge sang/赤い血」(「Les Bobos/ボボたち:bourgeoisbohemeの人たち」、「Malone」などを収録70万枚)。09年15枚目のスタジオ録音アルバム「Molly Malone-Balade irlandaise/モリー・マロン=アイルランドのバラード」(「バラード」はフランス語では「ballade」と綴るが、「balade」としたのは「balader/散歩する、ぶらつく」を掛けたよう)をリリース、20万枚以上の売上げ。その後11年にSerdaと離婚したことなどもあり「インスピレーションが枯渇した」と活動を休止しているが、12年CD18枚組の「Intégrale/全集」がリリースされ、13年には「Arts et Lettres/芸術・文学」勲章Commandeur章を受けている。14年には後輩の歌手たちがRenaudのヒット曲をカバーしたアルバム「Bande à Renaud/ルノー軍団 Vol 1Vol 2」をリリース、都合35万枚の売り上げと言われている。Renaud12年には新しい伴侶に恵まれたことなどもあり、精神的な落ち着きを取り戻し、南仏Vaucluse県の山地Luberonで穏やかな生活を送っている。14年12月にリリースされたエボラ出血熱による被害者支援のためのシングルCDNoël est là/クリスマスがやって来た」に他の20人強の歌手たちと共に参加している。またRenaud06年にはPetit Larousse辞典人名欄には記載があり、フランスでは人気が高く、毎年2回行われるアンケート「フランス人の好きな人物」では、活動休止後、最近でも候補者50人に必ずノミネートされ、比較的上位(14年実施分では10位と8位)に位置している。 

 
・・「Mistral Gagnant
Renaud最大のヒットで1985年アルバム「Mistral Gagnant」に収録されている。
Mistral Gagnantは菓子屋で
売っていた当たりくじ付きのボンボンで、包装紙の内側に「gagnant/当たり」の文字があればもう一つ無料でもらえるよう。「Miatral」は南仏ローヌ渓谷から地中海沿岸に吹く冬の強い風、ボンボンをなめると少し酸っぱくMistralのようなひんやりとした感じがすることから付けられた由。この曲が録音された当時すでに販売されていなかった。曲はRenaudの80年生まれの長女Lolita(母親は75年に知り合い、80年に結婚、99年離婚したDominiqueに捧げられている。この曲が出来上がったときRenaudは歌詞が「trop personnels/余りに個人的」で、「impudique/不謹慎」ではないかと、録音をためらっていた。そこで録音スタジオから電話で夫人の感想を求めた。電話口でこの曲を聞いた夫人は「もしあなたがこれを今度のアルバムに入れないなら、私はあなたの許を去ります」(5月30日付けLe Figaro紙)。この曲が発表されてから30年、「時間」はこの曲に歌われているような「殺し屋」ではなかった。この曲はフランス人の心の中にずっと残っているようだ。

歌詞の大意は・・お前と5分間ベンチに座って、通り過ぎる人たちを見ながら、昔の話や将来に話をしよう。私の手の中にお前の小さな手を握りしめて。お前の笑い声は私の傷を癒してくれる。私がどんな子供だったか話そう。お菓子屋でよくくすねたものだった。ボンボン、ミント、キャラメル、それにミストラル ガニャンを。 雨の中を5分間一緒に歩いて、人生にはいろいろあることを見てみよう、お前のお母さんのことも少し話そう、お母さんに叱られるだろうけど、水たまりに入って靴を汚しちゃおう、お前の笑い声は海に波のよう。お前に話そう、カランバー、ココボエール、それにミストラル ガニャンのことを。 お前と5分間ベンチに座って、沈む太陽を見て、お前に去ってしまった良き時代を語ろう、意地悪なのは私たちではないことを。お前の笑い声は小鳥よりももっと高くまで飛ぶ。お前に言おう、人生を愛さなくてはいけないと。人生を愛さなくてはいけない。時間は殺し屋で、子供たちの笑い声を運び去ってしまう、ミストラル ガニャンも・・

この曲は多くの歌手によってカバーされている。上記「Bande à Renaud」ではCœur de Pirateが、他にもYves DuteileLara FabianJean-Louis AubertZazieBénabarなど。1998年のLes EnfoirésにおけるMaxime Le ForestierVanessa Paradisのデュオについては「今月の顔」2015年6月に。

Mistral gagnantRenaud 1986年 https://www.youtube.com/watch?v=gAjzHp5jzjg

Mistral gagnantRenaud 2007年 https://www.youtube.com/watch?v=Y_9vCcJniUE

Mistral gagnantCœur de Pirate https://www.youtube.com/watch?v=orj_XxtQ_jY

Mistral gagnantLynda Lemay RenaudSerdaの前でhttps://www.youtube.com/watch?v=pu4RkAWw1bA

No.1422
2015.6.1 
   

№1422   2015.6.1

4月の新譜 
Michèle Torr
Alain ChamfortRaphaëlFrancis Cabrel、  
  
          


・ミシェル・トールMichèle Torrが4月13日にリリースしたのは「Diva/デュヴァ」。
すでに、400曲以上を録音し、シングルも含め130枚以上のレコードをリリース、3000万枚以上売り上げているTorr、1947年南仏VauclusePertuis生まれの歌手、作詞も行う。幼少の頃から歌うことが好きで、6歳で地元ラジオ局ののど自慢大会に出場。14歳Avignonで行われたラジオ局のコンクールで優勝し、その賞として120Fの賞金とAvignonPalais des Papes/教皇庁で行われたJacques Brelの公演の第1部で歌った。63年パリに、直ちにMercury社と契約ができ、64年1月には最初の45回転「Dans ma rue/私の街で」、同年5月2枚目「Dans mes bras oublie ta peine/私の腕の中でつらさを忘れて」を出し、当時の人気ラジオ番組「Salut les copains/やあ仲間たち」の常連歌手に。9月にはClaude Françoisの前座としてOlympiaに初出演。66年にはリュクセンブルグ代表で、77年にはモナコ代表でEurovisionに出場。71年11月27日第2回「Festival mondial de la chanson:世界歌謡祭」に出演のため来日、Paul Mauriatの作曲による「Enfants d'aujourd'huihommes de demain/今日の子供と明日の大人」を歌い「歌唱グランプリ・入賞」。 78年300万枚以上売り上げたと言われる最大のヒット「Emmène-moi danser ce soir/今夜ダンスに連れて行って」を出し、80年にはvedetteとして1ヶ月間Olympiaに。その後多額の負債を抱えていることが判明し年間250回以上のコンサートで返済。80年代後半には体調不良のため活動を休止。90年代再びステージに。05年にはデビュー40周年記念をOlympiaで。06年からユニット「Age tendre et têtes de bois」の主要なメンバー。11年には3枚組CD、60曲収録の「Best盤」を出している。前作は12年11月リリースの「Chanter,c’est prier/歌うこと、それは祈ること」でこれにはカバー曲(Aznavourのヒット「Ave Maria」、ミュージカル「Dix commendements/十戒」の主題歌「L’envie d’aimer/愛するという願い」など)、翻案曲(「Din’t it rain」の翻案「Chante/歌え」、「Amazing Grace」の翻案「Quand vient la grace/恩寵が届くとき」など)12曲収録。2015年1月11日にはデビュー50周年をOlympiaで祝っている。

Torr55枚目(と報道されている)今回のアルバム「Diva」には11曲が収められている。それらは:「Je ne veux chanter que l’amour/私が歌いたいのは愛だけ」(Guy Matteoni作詞・作曲)、「Tout amour du monde/世界中の愛」(Torr作詞、Matteoni作曲)「Je ne veux que toi/私の願いはあなただけ」(Aznavour作詞・作曲)、「Ils s’aiment et alors?/彼らは愛し合っている、それで?」(David Lelait作詞、Matteoni作曲)、「Quand tu m’aimes/あなたが私を愛するとき」(Aznavour作詞・作曲)、「All I want is you」(「Je ne veux que toi/私の願いはあなただけ」の英語ヴァージョン)、「Il se peut que je t’aime encore/あなたはまだ愛しているのだろうか」(Sophie Makhno作詞、Charles Dumond作曲)、「Qu’est-ce qu’ils disent/彼らは何と言っている」(Torr作詞、Daniel Mecca作曲)、「Diva」(Georges Chelon作詞、Alice Dona作曲)など。

Torrは10月18日Paris Trianon、16年1月31日Paris Palais des Congrèsに出演の予定

Emmène-moi danser ce soir」 https://www.youtube.com/watch?v=KqBCzbg3iUQ

Je ne veux chanter que l’amour」 https://www.youtube.com/watch?v=iTBV_lHTG5Y

 


・アラン・シャンフォール・Alain Chamfortが4月13日リリースしたアルバムは「Alain Chamfort」。
1949年Paris生まれの、本名Alain Le Govic、歌手・作曲家、「自分にはその能力がない」からと作詩はしない。「Dandy de la chanson française/シャンソンフランセーズ界のダンディー」、「Bryan Ferry à la frabçaise/フランスのBryan Ferry」と呼ばれている。幼少の頃からピアノを習う。60年代には友人とグループを作り活動、あるいは、Jacques Dutronc(「Les Play-boys」、「Les cactus」に参加)やAlain Barièrreのピアニストやバックコーラスをつとめる。70年代初めにはClaude Françoisのピアニストとなり、曲をFrançoisに提供。その後Françoisの勧めでAlain Chamfortの名で歌うように。72年の「Dans les ruisseaux/小川で」が最初のヒットで、76年Serge Gainsbourgと出会ったことで単なる「美男歌手」から脱却、77年には全曲の詩をGainsbourgに提供され曲を付けたアルバム「Rock' rose」を出す。79年にはアルバム「Poses/ポーズ」(ジャケットにJean-Baptiste Mondinoの写真を用いたことでも人気に)を出し、Gainsbourgの詩に作曲した「Manureva/マニュレヴァ」(単独で航海する冒険家アラン・コラが遭難時に乗っていた船の名)のシングは100万枚以上売れたと言われている。81年にはGainsbourgに多くの詩の提供を受けたアルバム「Amour, année zéro/愛元年」をリリース「Bambou」、「Chasseur d'ivoire/象牙ハンター」、「Paradis/パラダイス」(作詞はJacques Duvall)、「Malaise en malaisie/マレーシアでの気分の悪さ」を収めヒット。その後も定期的にアルバムを出している。  05年には「Les beaux yeux de Laure/ローラの美しい目」でVdMクリップ賞。10年2月リリースの「Une vie Saint Laurent/サン・ローランの人生」はYves Saint Laurentの生涯をPierre-Dominique Burgaudの詩に作曲した16曲で語っている。10年11月それまでの業績に対してACC特別賞を受けている。

前作は12年の「Elles et lui」で過去のヒット曲を女性歌手とのデュオでカバー(「Manureva」をAudrey Marnayと、「Bambou」をCamelia Jordanaと、「Malaise en malaisie」をVanessa Paradisと、など)12曲を収録。

13枚目となる今回のアルバム、全曲Jacques Duvallの詩に主として自身で曲をつけた(Frederic Loなどの協力を得た曲もある)11曲が収められていて、それらは:「Deux poignards bleus/2本の青い剣」、「Ensemble/一緒に」、「Argentine/アルゼンチン」、「Où es-tu?/君はどこに」(Charlotte Ramplingとのデュオ)、「Puis-je vous offrir/君にあげることが出来るだろうか」、「Le diable ets une blonde/悪魔はブロンド娘」、「Joy」など。

Manureva」 https://www.youtube.com/watch?v=zb7ZC4GFOk8

Joy」 https://www.youtube.com/watch?v=ZnM21Yj22TA

 

 


・ラファエルRaphaëlが4月20日にリリースしたアルバムは「Somnambules/夢遊病者たち」。
Raphaël本名Raphaël Haoche、は1975年パリ郊外のBoulogne-Billancourt生まれのACI。父親はロシア出身、母親はアルゼンチン出身で二人とも弁護士。奥行きの深いスラヴ音楽と情熱的な南米音楽を子守歌に聴いて育ったRaphaëlは幼少の頃から音楽に熱中。16歳の頃には「僕は1日に4曲も作るようになっていた。大したものではなかったけれど。そしてちゃんとしたシャンソンを作れるようになったのは最初のアルバムを出す1年ほど前だった。」ある夜、パリのクラブで彼はシャンソンフランセーズの伝説的な歌手Gerard Mansetの娘Carolineと知り合う。Carolineは彼マネージャーとなりデモテープを持ってレコード会社を見つけた。2000年最初のアルバム「Hôtel de l'univers/宇宙ホテル」を出してデビュー、01年Vanessa Paradisの20数回に及ぶコンサートの前座、David Bpwieデヴィッド・ボーイの02年パリ オランピア公演の前座を。03年リリースされた2枚目のアルバム「La réalité/真実」にはJean-Louis Aubertとのデユオ「Sur la route/旅の途中で」が収録されており、ゴールデンデイスクに。05年の3枚目のアルバム「Caravane/キャラバン」は180万枚以上の売上、06年のVdMでは最優秀男性歌手賞、シャンソンアルバム賞、オリジナルシャンソン賞の3賞を受賞。08年アルバム「Je sais que la terre est plate/僕は地球が平だと知っている」をリリース。10年アルバム「Pacific231」。 10年にはClaude Lelouch監督の映画「Ces amours-là/あんな愛」に、11年にはPierre Notte演出の劇場劇「Pour l'amour de Gérard Philippe/ジェラール・フィリップの愛に」に出演している。前作は12年リリースの「Super-Welter」。Raphaëlは08年Adamoのアルバム「Le bal des gens bien/紳士淑女の舞踏会」には「Le ruisseau de mon enfance/僕の子供時代の小川」で、11年Alain Bashungへのオマージュアルバム「Tels Alain Bashung」には「Apiculteur/養蜂家」で参加。14年「La bande  à Renaud/ルノー軍団」では「Chanson pour Pierrot/ピエロのためのシャンソン」を歌っている。

7枚目となるアルバム「Somnambules」には13曲収録。テーマは主として子供時代、Raphaelの住居に近いパリ18区Houdon小学校の生徒たちがコーラスなどで参加している。二人の男児、Roman6歳とAllocha1歳、の父親であるRaphaël、アルバム製作は小学校の子供たちの遊ぶ声を聞きながら。録音も子供たちと一緒にと考えた。小学校の女性校長も全面的に協力。70人の生徒が参加してリハーサルも録音も教室で。リハーサルを重ねた結果録音はTake oneOK。ジャケットの写真はMondino。「子供たちにメイクをさせようと考えたのは彼。素晴らしい、綺麗なジャケットが出来たと思う。作詞・作曲は主にRaphael自身。「Somnambule/夢遊病」、「Arsenal/兵器工場」、「Sur mon dos/僕の背中に」、「Maladie de cœur/心の病」(Jules Laforgue作詞)、「Samedi soir/土曜夜」、「Ça sent l’essence/石油の匂いがする」、「Par ici les ailes d’oiseaux/鳥の羽根はこっちへ」(長男Romanの詩に曲を付けた )、「Si jamais je nais demain /明日生まれたなら」、「Ramène moi en arrière/僕を過去へ連れてって」、「Eyes on the island」(Gaetan Rousselほか作詞・作曲)など。

Caraviane」 https://www.youtube.com/watch?v=NZQ_4ewv4Xc

Somnambuleclip製作はRaphael自身 https://www.youtube.com/watch?v=F-Mg0m5Zufc

 


・フランシス・カブレルFrancis Cabrelは2015年4月27日新しいアルバム「In Extremis/最後の瞬間に」をリリースしたが、これはシャンソンフランセーズにとって「L’un des evenement de l’année/今年の大事件のひとつ」。Cabrelは1953年11月23日フランス西部Aquitaine地方、Lot-et-GaronneAgen生まれのACIToulouse近郊、人口2000人ほどの小村Astaffprtで成長し、現在も住み、村会議員を務めたこともあり(1989―2004)、「Gentelman d’AstaffortAstaffortの紳士」と呼ばれている。子供の頃からNeil Young,Leonard CohenBob Dylanの曲に興味を持ち、それらを訳詩ながら英語の勉強を。規律違反で高校を退校、19歳で靴屋の店員をしながらジャズグループに入り地元のダンスパーティなどで演奏。当時Cabrelは長髪で髭を蓄えたヒッピィースタイルだった。74年Toulouseで行われた放送局Sud Rajdioのコンクールで、夫人のMarietteに捧げた「Petite Marie/可愛いマリー」を歌い優勝。コンクールの審査員のつてでCBSと契約。77年最初のアルバム「Les murs de poussiere/埃の壁」(「Petite Marie」、「Ma ville/僕の町」など収録)をリリース、Daveの前座で1ヶ月Olympiaに出演している。79年にはセカンドアルバム「Les chemins de traverse/近道」をリリース、60万枚以上の売り上げ。このアルバムに収められていた「Je l‘aime à mourir/死ぬほど彼女を愛している」はCabrelの代表曲になり、また2011年にはShakiraが「La quiero a morir」のタイトルでカバーし、世界的にヒットした。Cabrelはその後も定期的にアルバムをリリース、その主なものは:80年「Fragile/もろい」(「La dame de Haute-Savoie/オート・サヴォワの貴婦人」、「L’encre de tes yeux/君の目に中のインク」など収録)、81年「Carte postale/絵はがき」、83年「Quelqu’un de l’intérieur/室内の人」、85年「Photos de Voyages/旅の写真」、89年「Sabacane/矢筒」(「C’est écrit/それは書いてある」、「Sabacane」などを収録、200万枚以上の売り上げ)、94年「Samedie soir sur la Terre/土曜の夜に地上で」(「La corrida/闘牛」、「Je t’aimaisje t’aimeje t’aimerai/君を愛していた、愛している、愛するだろう」などを収録し。400万枚の売り上げで、フランスで史上2番目に売り上げの多いアルバムと言われている。1位は1995年Celine Dionの「D’eux/彼らについて」で440万枚の売り上げ)、99年「Hors-saison/季節外れ」(200万枚弱の売り上げ)、04年「Les beaux dégats/見事な損害」、08年「Des roses et des orties/ばらとイラクサ」(80万枚の売り上げ)。

他に2007年にはデビュー30年を記念して2枚組CD、37曲収録のベストアルバム「L’essentiel 1977-2007」をリリース。

CabrelVdMでは89年のアルバム「Sabacane」のヒットにより90年「男性歌手賞」、「アルバム賞」を受賞している。

10年12月それまでの業績全般に対してAcadémie françaiseGrande Médaille de la chanson françaiseシャンソンフランセーズ大賞を受賞している。

前作は1210月リリースのアルバム「Vise le ciel空を目指せ」。これはBob Dylanのヒット曲をCabrelの翻案によりカバーしたもので、「Comme une femme/一人の女性のように」(「Just like a woman」)、「D’en haut de la tour du guet/監視塔の上から」(「All along the wachtower」)、「On ne va null part/どこへも行かない」( 「You ain’gonin’ nowher」)など11曲が収録されていた。14年にはParis Trianon劇場などで上演された音楽物語「Le Soldat Rose/ピンクの兵士」(その2)の作曲を担当、また夜警役で出演している。14年3月には初のアメリカ公演、NYLos AngelesChicagoなどで。

オリジナル曲のアルバムとしては08年Des roses et des orties」から7年、40年になろうとするキャリアで13枚目のアルバム「In Extremis」はリリースの週に10万枚以上売り上げるというCabrelにとっては例の通りの好調な滑り出しで、3週連続アルバムチャート1位。アルバムのタイトル「In Extremis/最後の瞬間に:死に際に」は「イネクストレミスといラテン語の響きが好きで付けた。学校で7年間ラテン語を学んだ。『In Extremis』には『Et à la fin/ついに』の意味もあるようで、7年もアルバムを出さなかったのだから。これが最後のアルバムだと考えたわけではない」由。詩は真摯な、人間味溢れるCabrelのイメージそのままに、良識ある怒りで政治家を厳しい批評し、娘たちの不在に対する父親のブルースを歌いながらも家族を信頼し、何があっても生きなくてはいけないと歌う。曲はロック・フォーク調に新しくアフリカ調、ゴスペル調がバックコーラスで加わった。収められているのは、

Dur comme fer/鉄のように硬い」、「A chaque amour que nous ferons/これからの愛ごとに」、「Le Pays d’à côté/隣の国」、「Azincourt/アザンクール」(百年戦争中1415年フランス軍が大敗を喫した戦場となったPas –de-Calais県の町)、「In Extremis」、「Dans chaque cœur/それぞれの心の中に」、「Partis pour rester/留まるために立ち去った」、「Mandela, pendant ce temps/マンデラ、この間に」、「Les tours gratuits/無料ツアー」、「La voix du crooner/クルーナーの声」、「Pas si bêtes/そんなに愚かにならないで」の11曲に「Les fontaines du jazz/ジャズの泉」(bonus)

20年後にもステージに立っているか?「私の人生は最後の3分の1に差し掛かった。どんなキャリアにも入るときと出るときがあるもの、出来れば名誉ある形で退きたい。弱くなってからステージに立ちたくない。Aznavourは90歳でも元気にステージに立っている、そのことを素晴らしいと思う。でも私にはそれは出来ないだろう」。

15年10月2日からツアーを開始、11月7日~11日Paris Olympia出演。

Petite Marie」1977年9月18日 https://www.youtube.com/watch?v=UbZY8z3pRVM

Sabacanehttps://www.youtube.com/watch?v=ELKoY1qQyZA

Partis pour rester」 https://www.youtube.com/watch?v=T_Lhu-NSloY

     

№1421   2015.5.21

パタシュPatachou、   死去                                   

 

第2次大戦後の一時期を代表するシャンソン歌手で俳優のパタシュPatachouは、もう「danser chez Temporel/タンポレル軒に踊りに行く」ことはないだろう。(1957年Andre Hardellet作詞/Guy Béart作曲 「Bal chez Temporel/タンポレル軒の舞踏会」の一節から) 

Patachouは2015年4月30日NeuillyHauts-de-Seine県)の自宅で死去、享年96歳。 

Patachou、本名Henniette Ragonは1918年6月10日(「シャンソンのアーティストたち」など1926年生まれとする資料もあるがもあるが、それは誤りのよう)、Parisの12区で生まれ(20区Menilmontant生まれの報道もあり)キャバレのオーナーとして
Georges BrassensHugues AufrayMichel SardouJacques BrelCharles AznavourMaurice FanonFrida BoccaraNicole Croisilleらが巣立つのを助け、歌手としてはBrassensAznavourBéartLéo Ferréなどの曲をとりあげ、これらの歌手が世に出るのを助けた。35年に及ぶ歌手生活、そして後半生は彼女の情熱の真の対象である俳優として活動した。

Patachouは第2次大戦後1948年最初の夫とMontmartreモンマルトルにキャバレChez Pasdochou/シェ パタシュー:パタシューの家」(13,Rue du Mont-Cenisを開く。Piafも出演したことがあるこのキャバレでは女主人Patachouの司会で客が歌うことになっていたが、歌に参加しない客のネクタイをはさみで切るというパーフォーマンスで、60年代末まで人気に。

Patachou自身は、当時近くのrue Ravignonに住んでいたMaurice Chevalierや客に勧められ歌い出し、1950年2月32歳でLady Patachouの芸名でCentral de la Chansonで 本格的に歌手デビュー。51年5月にはHenri Salvadorvedette américaine(準主役)でABCに出演、10月にはvedette(主役)でBobinoに出演。Jacques Canettiの目に止まり12月8日にはTrois Baudetsに出演。

Patachouはその後Parisの代表的なホールに出演。ABC(52)、Théâtre des Varietés(54)、Olympia(55、57)、Bobino(55、57、59)、Alhambra(56,58)・・

1952年3月Patachouは「Chez Pasdochou」でGeorges Brassensのオーディションを行った。Brassensは「Le Gorille/ゴリラ」、「La mauvaise réputation/悪い噂」、「La chassr aux papillons/蝶々取り」を披露。Patachouは直ちに採用を決めた。またJacques Canettiにも聞かせ、Canettiは夏の40日に及ぶ巡業をBrassensと契約。その後「Chez Patachou」のレギュラー出演者に。PatachouBrassensの曲を主要なレパートリーに加え、54年2月LPPatachou chante Brassens」(「J’ai rendez-vous avec toi/あなたとランデヴー」、「Les amoureux des bancs publics/ベンチの恋人たち」、「Maman Papa/ママ、パパ」、「La chasse aux papillons」、「Brave Margot/勇敢なマルゴ」、「La pière/祈り」など8曲収録)を出している。

1953年ロンドンPalladium、アメリカNYのホテルWaldorf-Astoriaで14週間公演。その後北・南米公演

1961年ABCでデビュー10周年 

60年代にはイェイェの台頭などにより、外国での活動を中心にした国際的スターとして活躍。63年にはNY Carnegie Hall出演。アメリカのTV番組 Ed Sullivan showには20回以上出演している。

1972年にはThéâtre des Varietésで60回のコンサートを。

70年代後半以降は、特に79年2番目の夫でアメリカ出身のプロデューサーArthur Lesser没後はミュージックホールに出演することはほとんどなく、1985年最後のステージはRamantuelleCôte d’Azur)フェスティヴァル。

その後は映画、TVドラマ、劇場劇を中心に活動。

映画には1955年Jean Renoir監督「French Cancan/フレンチ・カン・カン」で初出演、Yvette Guilbert役演じている。その後10本余りの映画に出演、特に1986年Jean-Claude Guiguet監督「Faubourg Saint-Martin/サン=マルタン界隈」では主役を演じ、2001年にはJean-Paul Salomé監督の映画「Belphegorle fantôme du Louvre/ベルフェゴール、ルーヴルの亡霊」でSophie Marceauの祖母役を演じている。

TVドラマには1983年Jacques Ertaud監督の「Disparu le 7 octobre/10月7日失踪」で初出演、その後2002年まで10本余のTVドラマに出演。

劇場劇には1985年にはThéâtre HebertotEdouard Bourdet演出「Le sex faible/弱い性」で初出演、その後数本の劇に出演、1990Marguerite Duras原作、Jean-Luc Tardieu演出の「Des journées entières dans les arbres/木立の中の日々」はNantesなどで上演され好評だった。

2009年「Légion d’HonneurOfficier勲章(5等級のうち上から第を受けている。

2010年7月ヒット27曲を収めたCDNini peau chien + 26 succèss de Patachouニニの唄パタシュのヒット26曲」リリース

2014年3月2枚組CD40曲収録の「Patachou 1950-1961」リリース

 

Patachouの代表曲には、上記の他、次のものがある:「Nini peau dchien/ニニの唄」(Aristide BruantAristide Bruant)、「A la Bastille/バスティーユで」(dito)、 「Bal chez Temporel」(Andre HardelletGuy Béart、「Le quidam/某氏」(BéartBéart)、

Pste restante/局留郵便」(dito)、 「Le piano du pauvre/貧乏人のピアノ」(Léo FerréLéo Ferré)、「La fortune/財産」(dito)、「Le temps du plastique/プラスティックの時代」(dito)、 「Paris me regarde/パリが私を見つめてる」(Francis Lemarque Lemarque)、 「Parce que/何故なら」(AznavourAznavourPlus bleu que tes yeux/あなたの目よりも青く」(dito)、「Sur ma vie/命を懸けて」(dito)、 「Rue Lepic/ルピック通り」(P.Jacob/M.Emer、「La complainte de la Butte/モンマルトルの丘」(Jean RenoirGeorges Van Parys)、「Tire laiguille/お針仕事に精をお出し」(E.Marnay/E.Stern)、「La bague à Jules/ジュールの指輪」(Janblan/A.Siniavine)など。

葬儀は5月7日Saint- Justin Levallois教会(Hauts-de-SeineLavallois-Perret)で行われ、遺体はPère Lacheseに埋葬された。

 

Bal chez Temporel」 http://www.ina.fr/video/I00008873/patachou-bal-chez-temporel-video.html

Les amoureux des bancs publics」 http://www.ina.fr/video/I06265488/patachou-les-amoureux-des-bancs-publics-video.html

Les vieux mariés/老夫婦」 https://www.youtube.com/watch?v=rdkc-c_zUrc

 

 

 

No.1420
2015.5.10 
 

№1420     2015.5.10

ジュリアン・クレールJulien Clerc、「Le Grand Show」に出演         

  

ジュリアン・クレールJulien Clerc出演の番組「Le Grand Show」が4月25日TVMONDEJaponで放送された。

この番組は、フランスでは昨年2014年11月6日にTVFrance2で放送されたもの。この3日前の11月3日、Julien Clerc(1947-歌手、作曲家)の最新アルバム「Partout la musique vient/至るところに音楽がやってくる」がリリースされたのを機に放送された。
司会はMichel Drucker、出演は、特別ゲストのClercの他 Johhny HallydayZazVéronique SansonCarla BruniMaxime Le ForestierAdrien GalloAlain Souchon & Laurent VoulzyGarouSandrine Kiberlainなど豪華陣。



・番組でClercに関して次のような逸話が紹介された

・・作詞家Etienne Roda-Gil(1941-2004)との出会い:1967年Sorbonne大学で法律を学んでいたClerc、曲は出来るが詩作は不得意。ある日、大学の前のCaféL’Ecritoire」で叫んだ「J’écris des chansons, y’a pas quelqu’un qui éctit les paroles ?

/僕は曲を作るんだけど、誰か詩を書いてくれる人はいないかな?」と声を上げたところ「Si ,moi/いるよ、僕が」と答えたのがRoda-Gil。Clerc「こんな出会いは前代未聞で非常な幸運だった」。2人の最初の共作は「La cavarlie/騎兵」。  Roda-GilClerc以外の歌手にも詩を提供している、JohnnyにもVanessa Paradis(「Joe le taxi/タクシー運転手ジョー」)にも。そして特によく知られているのは、Claude Françoisの最後のヒット「Magnolias for ever」と「Alexandrie,Alexandra」はRoda-Gilの詩による。

・・Paris Olympia初出演: Clercは1968年7月2枚目のEPを録音、その中に収められていた「Ivanovitch」(Maurice Vallet作詞、Clerc作曲)がGilbert Bécaudの目に止まり、翌年Olympiaに前座で歌うよう誘われた。しかしその前に経験を積むようにと助言され、Bécaudの勧めにより、その年の秋Adamoのツアーに同道。1969年3月3週間BécaudOlympia出演の前座で歌った。

・・ロックミュージカル「Hair/ヘアー」に出演:Clercは1969年ParisThéâre de la Porte-Saint- Martinで上演されたフランス語版のこのミュージカルにClaude Bukowski役で出演している。「3月に出演したOlympiaでのステージを見たプロデューサーのBertrand Castelliに出演を打診された。最初出演者全員が全裸になると聞いて躊躇した。Castelliに勧められてロンドン公演を見に行った。革命的な素晴らしい出し物で感動した。そして出演同意した。このミュージカルからは少なくとも7曲の№1ヒット曲が生まれている。歌手は通常ステージに立つときは一人、それがミュージカルではグループ、その点でも良い経験だった」。

・・Paris Bercyに出演:Clercは1985年4月24日から5月4日までPalais omnisports de Paris-Bercy(8,bd. de Bercy 12区、現在はBercy Arenaと呼ばれている)に出演。これはフランス人アーティスト初。Clercは連日1万人以上の観客が集めた。この会場での最初のコンサートは84年のドイツのヘビメタグループ。最初の女性歌手は1986年のJeanne Mas

・・VdMオリジナルシャンソン賞:1991年「Fais-moi une place/僕に一つの場所を」(Françoise Hardy作詞/Clerc作曲)で受賞。これが現在までのところClercVdMで受賞している唯一の賞。Hardy「彼は現在のフランスで最も優れたメロディスト」。

番組ではこの曲をVéronique Sansonとのデュオで歌っている。

・・Carla Bruniの作詞になる曲を最初に歌ったのはClerc:2000年11月リリースのClerc18枚目のアルバム「Si j’étais elle/もし僕が彼女なら」に収められて12曲のうち6曲はCarla Bruniの詩による(作曲はClerc)、これらはBruniが歌手に提供した最初の詩。Clerc「私は人を介して送られてきたこれらの詩をCalraが書いたものだとは知らなかった」。Bruni「当時すでに私たちは知った仲だったので、私の詩だと分かればJulienの負担になるのではと考えた。詩を送ってもそれが採用されるかどうかはいつも気になるもの。私は当時Julienが全てを採用してくれるとは思っても見なかった」。Clercの最新アルバム「Partout la musique vient」にもBruniの詩による曲が2曲(「Les amoureux/恋人たち」と「Le chemin des rivières/川への道」(作曲はいずれもClerc)収められている。「Le chemin des rivieres」について、Bruni「アメリカツアーの間にいくつかの曲を作った。これはそのうちの1曲でJulienに曲を付けてもらえば素晴らしい曲になるだろうと送った」。Clerc「アルバムの製作がほとんど終わった時にこの詩が届いた。一読、素晴らしい詩だったので、アルバムに収めたいと10分で曲を付けた。先日友人の一人がこの曲を車の中で聞いたら涙が出たと言ってくれた」。

・・「Double enfance/2重の子供時代」:大学教授であった父とグアドループ島出身の母はClercが2歳の時離婚。2年間に渡る法廷での争いの後、当時としては珍しく、Clercは父親と暮らすことに。父親は再婚し、Clercには2人の異母弟と3人の異母妹が出来た。子供の頃Clercは、週日は新しい家族と暮らし、週末を生母の許で過ごす生活を送った。「弟や妹は週末に僕が何も言わずに、いなくなるのでどこへ行くのかといぶかったようだった」。Clercのそのような状況をMaxime Le Forestierが詩に書き、Clercが作曲したのが「Double enfance」で2005年リリースのアルバム「Double enfance」に収録されている。この番組ではデュオで歌っている。

 

Clercは次のような自身のヒット曲をソロで歌った

・・「Si on chantait/人が歌ったら:廃墟で歌う」(Etienne Roda-Gil作詞/Clerc作曲 

  https://www.youtube.com/watch?v=Krn2wZJebIg

・・「Femmes je vous aime/ご婦人方、僕はあなた方を愛する」(Jean-Louis DabadieClerc

  https://www.youtube.com/watch?v=jFhQ7iiW1Xo

Clerc 「Roda-Gilと組んでいる頃には、Rada-Gilは『Je t’aime/君が好き』としか言わなかった。Dabadieが『Je vous aime/あなた方が好き』と言ったとき新鮮な感じがした。作詞家は小説家などが何頁にも渡って書くことを数文字、ごくわずかな言葉で表現する。Dabadieは我々この詩で男性が考えていることを表現する2~3の言葉を見つけた。それを聞くことによって女性も、女性と男性との差を知ることが出来るかも知れない」。

 

Clercが他のゲストとデュオで、トリオで歌った曲には次のものが。

・・Hallydayと「Je veux te graver dans ma vie/僕は君を僕の人生の中に刻み込みたい」(Hallydayのレパートリー、原曲はTha Beatlsの「Got to get you into My Life」) https://www.youtube.com/watch?v=3H9kFuZ3-VA

 Hallyday 「最初にステージでJulienを聞いたのは、彼がロックミュージカル『Hair/ヘアー』に出演しているときだった。彼は長髪だった。感動して隣に座っていたFrane Gallに言った。『Ce mec-là/あの男の子はトップスターになるよ』。そして私の予言は当たった」。 

・・Garouと「Lili voulait aller danser/リリーは踊りに行きたかった」(Luc PlamondonClerc

  https://www.youtube.com/watch?v=tZ8bSUq4oOk

Garou 「フランスのトップスターが必ずしもケベックでもトップスターというわけではない。Julienはケベックでも大スターだ。私の家族はみなファン。最初に会ったのはLes Enfoirésの公演だったが感激した」。[Les Enfoirésの公演にはClercは1998年から11回、 Garouは1999年から14回参加。2人が共に出演した最初は2000年]

・・Zazと「Ce n’est rien/時は過ぎて行く」(Etienne Roda GilClerc) https://www.youtube.com/watch?v=RYFVL0OK6CM

ClercZazとデュオで歌うのはこれが初めて。我々に職業では上手に歌うことはもちろん必要だが、優れた音声、声の質を持つことも必要。Zazは聞くとすぐに分かる独特な音声を持っている。私はそれを素晴らしいと思う」。

・・Bruniと「Ma préférence/僕の好みの人」(Jean-Loup DabadieClerchttps://www.youtube.com/watch?v=Q5S0Sg3eJW4

・・Sansonと「Fais moi une place/僕に一つの場所を」(Françoise HardyClerchttps://www.youtube.com/watch?v=8iK9ZBpUl1M

二人はそれぞれピアノの前に座り弾き語り。SansonFrançoiseの歌詞は素晴らしい」。ClercVéroniqueは歌い出すとすぐに、偉大なアーティストだと誰もが理解できる」

・・Le Forestierと「Double enfance/二重の子供時代」(Le ForestierClerchttps://www.youtube.com/watch?v=r-d6-O4xkYA

Le ForestierClercとの友情は1970年代から始まり、前者の作詞、後者の作曲及び歌で多くにヒットを生んだ。この曲もそのうちの1曲で、Clercの自伝と言っても良いような曲。またLe Forestierもこの曲を含めて2人のコラボによる曲はそのほとんどは歌っている。Le Forestier「私には高音部のある曲は無理。時には私に歌わせないためにJulienが意図的に高音を用いているのではと思うことも。いくつかの曲は転調して僕も歌っているが、全く無理な曲もある」。  

・・Kiberlainと「Jouez violons,sonnez crecelles/バイオリンを弾け、がらがらを鳴らせ」(Roda-GilClerc

https://www.youtube.com/watch?v=zVMK0AkZfbw

Clercは映画で共演した女優Miou-Miouと1976年から生活を共にし、78年二人の間に女児Jeanneが誕生。JeanneJeanne Herryの名で俳優として活躍後、映画監督になりその長編第一作は2014年の「Elle l’adore/彼女は彼が大好き」。Kiberlain(1968-俳優・歌手)はこの映画で主役のMurielを演じている。

 

 







 
2015.5.2

No.1419
 
   

№1419     2015.5.



ジュリエット・グレコJuliette Gréco、最後のツアー「Merci」を開始 
 
                      

Juliette Grécoは、4月24日、フェスティヴァル第39回「Printemps de Bourges/ブルジュの春」の初日に出演、
最後のツアー「Merci」を開始した。春を告げるこの音楽フェスティヴァルはBourgesBerry地方Cher県)で
1977年から毎年4月末に開催されている。

La muse de Saint-Germain des Présサン・ジェルマン・デ・プレのミューズ」Gréco1927Monpellierモンペリエ生まれ、歌手、女優。1949年6月サルトルの推薦で左岸のキャバレ「Le boef sur toit/屋根の上の牡牛」歌手としてデビュー。 最近では12年1月アルバム「Ça se traverse et c'est beau/それらは行き交い、そして美しい」(セーヌ川に架かる橋、セーヌ河畔をテーマにした13曲をデュオで)、12年2月85歳の誕生日をThéâtre du Châtletで祝う。2013年10月Jacques Brelのヒット12曲をカバーした「gréco chante brel/グレコ、ブレルを歌う」をリリース。14年5月16、17日Olympiaに出演後、14年9月の来日。

 

Adieu/さよなら」とせずに「Merci/ありがとう」と名付けたツアーは2016年秋まで1年以上続く予定。ツアーを前にGrécoはインタヴューなどで次のように語っている。

・・私は自分が一番好きなこと、一番大切にしていること、私の基本だと思っていることに「Non」と言う決心をした。私は立ったまま去りたい、出来る限りエレガントさを保って。もう65年も歌っている。長い職業人としての生活。何かが出来なくなってしまう前に止めることを知らなければ。礼を欠かないためにも、礼儀に適うためにも、そして理性で考えても引退することを知らなければいけない。衰えてから引退したくはない。(3歳年長のCharles Aznavourはステージに立っているが)私は女、人は男性が年を取ることには寛大だが、女性にはそうではない。数年前からステージでの私の最初の曲を聞く人は少なくなってきた。そして私を凝視し、「彼女は年を取ったな、太ったなあ、痩せたなあ」と囁いている声が聞こえてくるようだ。 (長年のキャリアの秘密は?)私は自分の「Une carrière/キャリア」を「Une aventure/冒険」あるいは「Une histoire d’amour/愛の物語」だと思っている。1949年に初めて歌ったが、それまで1度も歌ったことがなかった。10日間で歌手になることに決めた。 歌手になった頃には酷評されたものだった。しかし、私が常に真摯であり、真実を語っていると解ってくれ、私が言葉と音楽と思想の美しさを愛していることが理解されて、受け入れられ。・・それには時間がかかったが・・その後私にとって奇跡のような人生だった。この仕事は一種常軌を逸している。私がステージに立つ、入場券を買って入ってくれた人たちが静かになる、そして私にブラヴォーと叫んでくれる。このブラヴォーは私にとってヴィタミン、それも強力な。 (2015年5月4日に予定されているイスラエルでのコンサートについては、国際的にイスラエルの対するボイコット運動が行われているさなか、「レジスタンス運動に参加した少女」、「左翼の女性」としてはいかがなものかとの意見もあるが) 私は私を受け入れてくれた国々の人々に「Merci」と言いたいので、行って歌いたい。異なる本質を持つ場所を訪ねるのは大事なこと、常にどこかに行くべき、怠惰ではいけない。 私は自分が望むこと、そして素晴らしい、美しいと思うことを続けたい。それが私の唯一の行動規範。第2次大戦後Saint-Germain de PrésBoris VianJean-Paul SartreSimone de Beauvoirらと交わっていた頃も、現在でも・・

 

Grécoは4月24日「Printemps de Bourges」の初日に登場、このフェスティヴァル出演は5回目、前回の出演は2007年。今回フェスティヴァル開催期間に会場内行われている「Sur les traces de Juliette Gréco/ジュリエット・グレコ足跡展」が開催されており、Grécoは24日その開会式典に出席した。この展覧会では主にGrécoとその友人たちの写真、レコードのジャケットなどが展示されている。

4月24日21:30フェスティヴァルメイン会場の一つPalais d’Auronに例によってビロードの黒のロングドレスで登場したGréco、伴奏は夫Gérard JouannestのピアノとJean-Louis Matinierアコーデオンのみ。両手を組みながら観客に挨拶、最初に歌ったのは「Bruxelles/ブリュッセル」、ついで「Le prochain amour/次の恋」、「Amsterdam/アムステルダム」、「Les vieux/老夫婦」、「La chanson des vieux amants/懐かしき恋人たちの歌」などJacques Brelの曲。その後Serge Gainsbourgの「Accordéon/アコーデオン」、「Javanaise/ジャヴァネーズ」、Léo Ferréの「Jolie môme/ジョリー・モーム」、「Avec le temps/時の流れに」、Edith Piafの「Les amants d’un jour/いつかの二人」。そして「Un petit poisson,un petit oiseau/小さな魚と小鳥」では小鳥の羽根をイメージする手、「もう歌わない方が良いかも知れませんが、あえて歌ってみます」と歌った「Deshabillez-moi/私を脱がせて」ではドレスのボタンを外す仕草などの手の動きは相変わらず魅力的。 Grécoはデビュー当時からやっているように各曲を歌う前には曲名と作詞・作曲者を告げている。ステージの間に他のコンサート会場から聞こえてくるドラムの音に多少いらいらする場面もあった「3人目のミュージシャンがいるみたい」。ステージは約1時間と短め。展覧会出席の疲労と衣装が原因であろう暑さとためか、そして感動のあまりか、気分が悪くなり2曲を割愛したよう。 感動的で、内容豊か、ホール全体がスタンディングオベーション。ステージを降りてから20分後、元気とユーモアを回復したGrécoは「熱気に当たったよう。今夜はすごく疲れた。それに、隣から聞こえてきたベースの低い音が私を動揺させた。ツアーをBourgesで開始するのはプレッシャーを感じる。人々は私に『あなたでも』でもと言うかも知れないけれど、そう、私もみんなと同じ。今日の出来には不満。でも次はもっとうまくやれるでしょう」。それはGréecoばかりではなくGrécoファンも望んでいること。

Deshabillez-moi」 https://www.youtube.com/watch?v=pTg470U-VCg

Javanaise」→「Jolie ôme」 https://www.youtube.com/watch?v=pTg470U-VCg

 

 

Merci」ツアーについては、2015年5月14日のIsraelTevAvivから2016年4月2日のMaison Alfortまでは日程が発表されていて、Paris登場は、2015年12月7日Théâtre du Châtelet、12月18日La Cigale、12月19日Théâtres des Champs –Elysées、2016年2月5、6日Musée du LouvreWeek-end special )、2月7日Théâtre de la Ville

またフランス国外ではイスラエル、イタリア、ベルギー、カナダ、ドイツが予定されている。

2015.4.30

 No.1418
   

№1418     2015.4.30

今年3月にリリースされた、以下の6人の新譜をご紹介いたします。
Zazie、 Louane、 Claire Diterzy Cali Dominique A Zenatti
 
           

・ザジーZazieが3月2日にリリースしたのはZazie, Les 50 plus belles chansons/ザジー、最も美しいシャンソン50曲」。これは

モデルから1992ACIとしてデビューし20年以上のキャリアを誇るZazieのヒット50曲を収録したCD枚組コンピレーション。Zazie、本名Isabelle Marie Anne de Truchis de Varennesは1964年パリ近郊Boulogne-Billancourt生まれ、芸名のZazieは「Zazie dans le métro/地下鉄のザジ」(Raymond Queneauの小説、映画)から。父は1600年代まで遡ることが出来る男爵家の出で建築家、母は音楽教師。家庭ではBrassensBrelBarbaraやクラシック音楽を聞いて育つ。また、ヴァイオリン(10年以上)、ギター、ピアノを習う。ジャーナリストを目指して外国語(英語、スペイン語、それに東洋の言語)を勉強中、偶然の機会から176cmの長身とプロポーションの良さを生かしてモデルに。80年代はYves Saint-LaurentKarl Legerfeldらのモデルとして活躍。90年代に入り「モデルの仕事は収入も良かったし、楽しんだ。でも何か物事の本質に迫るようなことをしたい」と自分の真の情熱の対象である音楽の道に進み、モデル時代のつてで歌手のバックコーラスなどを務め、また化粧品のOréal社や食料品のCochonou社などのCFで歌う。

そして、92年最初のアルバム「Je, Tu, Ils/私、あなた、彼ら」をリリース。収められていた13曲は主としてZazieが作詞(12曲)、作曲(6曲、他にVincent Marie BouvotPascal Obispoら)。アルバムの売上げは3万枚程度で華々しいものではなかったが、シングルカットされた「Je, Tu, Ils」(Zazie作詞/Zazie作曲)、「SucréSalé/半分甘く、半分からく」(Zazie作詞/Bouvot作曲)などは好評で、ACIとして認められるには十分。93年にはVdMで女性新人賞を受賞、Louis Chedidの前座でCasino de Parisに出演。

95年1月にリリースしたセカンドアルバム「Zen/ゼン」は50万枚以上の売り上げでZazieのシャンソンフランセーズにおける地位を確実なものにした。アルバムには「Larsen/ハウリング」(Zazie作詞/Bout&Zazie作曲、Philippe Andreno製作によるクリップは96年VdMのクリップ賞受賞)、「Zen」(Zazie作詞/Obispo作曲)、「Fou de toi/(あなたは言う)君に夢中(と)」(ZazieZazie)、「Homme sweet homme/男、スウィートな男」((ZazieZazie)、「Je t’aime,mais/あなたが好き、でも」((ZazieZazie)などを収録。98年VdMで女性歌手賞受賞。

98年5月リリースのアルバム「Made in Love」は40万枚の売り上げ、「Tous les anges/全ての天使」((ZazieZazie)、「Femmes téfales/男を破滅させる女性たち」(ZazieZazie)、「La vie devan moi/私の目の前の人生」(ZazieZazie)などを収録。その後行った「Made in loveツアー」の一環としてミャンマー、カンボディア、ヴェトナムなどを回っている。

01年10月の「La Zizanie/不和」は45万枚以上の売り上げ、「Rue de la paix/平和通り」(ZazieZazie)、「Aux armes citoyennes/女性市民よ、武器をとれ」(ZazieZazie)などを収録。02年のVdMで2度目の女性歌手賞受賞。

04年11月の「Rodéo/ロデオ」は40万枚以上の売り上げ、「Rodéo」(ZazieZazieほか)、「Lola majeure/大人のロラ」(ZazieZazieほか)、「Oui/ウイ」(ZazieZazieほか)、「La dolche vida/甘い生活」(ZazieZazieほか)など収録。アルバムリリースの後05年に行った「Rodéo tour」で06年VdMツアー賞受賞。

07年2月の「Totem/トーテム」は37万枚以上の売り上げ、「Totem」(ZazieZazieほか)、「Je suis un home/私は男」(ZazieZazieほか)、「L’ange blessé/傷ついた天使」(ZazieZazieほか)、「J’étais là/私はそこにいた」(ZazieZazieほか)など収録。

10年9月リリース7枚目のアルバム「Za7ie」は15万枚以上、「Les pieds nus/裸足で」(ZazieZazie)、「L’amour dollar/ドルで計る愛」(ZazieZazie)、「Je vous aime/私は好き」(ZaziePhil Baron)など収録。Zazieは2011年5月11から21日までOlympiaで8回の公演。

最新アルバムは13年リリース「Cyclo/シクロ」。「Cyclo/環、循環」は50歳を迎えるZazieのある循環の終わりと始まりを意味し、また自身の「Cyclothymique/躁鬱」を意味するとも。「Cyclo」(ZazieZazie)、「Les contraires/逆のこと」(ZazieZazieほか)、「20 ans/20歳」(ZazieZazie)、「Viennne la nuit/夜よ来い」(ZazieZazie)、「Où allons-nous?/我々はどこへ?」などを収録。

ZazieVdMでは上記の他08年には作詞作曲しChristophe Willemに提供した「Double je/二重の僕」がオリジナルシャンソン賞を受賞していて、6回の受賞はVanessa Paradisの7回に次いで女性では2番目に多い。また、Jane Birkin(「C’est comme ça/そんなもの」Zazie作詞作曲)、Patricia Kaas(「J’attends de nous/私は私たちに期待する」Zazie & Obispo作詞作曲)、Johnny   

Halyday(「Allumer le feux/火を付ける」Zazie作詞、Obispo作曲、この曲はHallydayがコンサートの際よく歌う)、Isabelle Bouray(「L’amour dans l’âme/心からの愛」Zazie作詞作曲)らにヒット曲を提供。Pascal Obispo(96年の「Les meillieurs  ennemis/最良の敵」)、Axel Bauer(2002年「A ma place/私の代わりに」はNRJでフランス語シャンソン賞を受賞)らとのデユオ曲もヒット。

Zazieは慈善活動にも積極的で、Les Enfoirésの主要メンバーの一人で、1997年以降19回連続して出演している。また長年Sol en SiSolidarité Enfants Sida/連帯・子供・エイズ)活動にも尽力している。「隣の、感じいい、同僚あるいはお姉さん」といった雰囲気で男性にも、より以上に女性にも人気が高い。

Les 50 plus belles chansons」には上記の曲はすべて収録されている。

Larsen」 https://www.youtube.com/watch?v=Cfh-6TECNCs

Rodeo」(Rodeo tourで)https://www.youtube.com/watch?v=hMGEVq96f1w

Je suis un home」 https://www.youtube.com/watch?v=_6y4QKY9sZM

A ma placeBauerhttps://www.youtube.com/watch?v=xXTiKcWH1yA

 

       

・ルアLouaneが3日にリリースしたファーストアルバムは「Chambre 12/12号室」。

Louane EmeraあるいはLouane、本名Anne Peichert19961126日生まれの歌手、俳優。早くに両親をなくしたLouane人の兄弟と共にPas-de-CalaisHenin-Beaumontで育った。歌うことの興味を持っていたLouaneは12歳でTVDirect 8の「L’Ecole des Stars/スターの学校」に出場している。そして2013年TV TF 1のスター誕生番組「The Voice」の第2シーズンに出場、準決勝で敗退(優勝はYoann Freget)。Louaneは番組では「Quelqu’un m’a dit/風の噂」(Carla Bruni)、「Imagine」(John Lennon)、「Les moulins de mon coeur/わが心の風車」(Michel Legrand)などを歌い、審査員ばかりでなく特に視聴者の評価は高かった。

Les moulin de mon coeur」 https://www.youtube.com/watch?v=1gya0JG3Ihc

審査員は手前からGarouLouis BertignacJeniferForent Pagny  司会はNagui

Louaneは「The Voice」出演中に映画監督Eric Lartigauに注目された。歌える若い女優を探し80人以上をオーディションしたといわれているLartigau監督は、2014年11月公開映画「La Famille Belier/ベリエ家族」で、Louaneをいきなり主役に抜擢。当時17歳のLouanePaula Belier役を演じた。この映画はNormandie地方の田舎町で美声を認められたPaulaが、農業を営む聾唖の両親と弟を置いて、音楽の道に進むかどうかの葛藤を描いたもの。映画の中ではMichel Sardouの曲がいくつか用いられ、サウンドトラックのCDLouaneはいずれもSardouのヒット「Je vole/私は飛ぶ」、「Je vais t’aimer/あなたを愛するだろう:愛の叫び」、「En chantant/歌いながら」を歌っている。映画での好演が認められLouaneは2015年2月Césaの新人女優賞を受賞した。

ファーストアルバム「Chambre 12」はリリースの週60000枚以上売り上げ、アルバムチャートの1位に。その2か月後も「Les Enfoirés」などと1位を争っている。アルバムにはPatxi Great(1981-ACI)とDan Black(1975-イギリス人エレクトロポップ系ACI、プロデューサー)の協力を得た11曲が収められている(他にボーナスとして「Je vole」、「Chanbre 21」の別ヴァージョンなど)。Louaneは3月3日TV France 2の13時のニュース「最後の5分」に登場しキャスターElise Lucetの質問に答え次のように語っている・・このアルバムには1年以上掛けた、詩を選び、曲を選ぶのに。私の恐れ、喜び、友情、愛、家族をテーマにしている。11曲は私の今までの人生を語っている・・。11曲は:「Avenir/未来」(作詞・作曲Louane & Quentin、2014年12月には先行してシングルリリースされ、シングルチャート1位になっている)、「Chambre 12」、「Jour 1/初日」、「Maman」、「Nous/私たち」、「La fuite/逃亡」、「Tranquille/静かな」、「Du courage/勇気を持て」など。

Avenir」 https://www.youtube.com/watch?v=zkCjPwxOUYg

 

・クレール・ディテルジClaire Diterziが3月2日にリリースしたアルバムは「69 Battements par minute/1分に69回の鼓動」。

Diterzi、本名ClaireTouzi DitTerzi1971年(Tours)生まれの女性ACIでギタリスト。いくつかのグループで活動、特に1995年に結成したDit Terziでは2000年アルバム「Dit Terzi」を出している。2001年解散後ソロに。そして音楽と他の芸術部門との一体化を目指す創造的、前衛的な活動を行っている。02年モダンダンスの振付家・演出家Philippe Decoufleのダンスパフォーマンス「Iris/虹彩(眼球の)」の音楽を担当、舞台で演奏。03年11月「Iris」の山口市山口情報芸術センター公演のため来日(しているよう)。06年ファーストアルバム「Boucle/締め金」をリリース。このアルバムにはコンピュータとエレキギターで歌うダミアのヒット曲「Sombre dimanche/暗い日曜日」のカバーなどが収められ、ACC大賞を受賞。

Sombre dimanche」 https://www.youtube.com/watch?v=VCj5O6s3fSY

08年のアルバム「Tableau de chasse/狩りの絵」は有名な絵画や彫刻にインスピレーションを得た11曲を収録したもの。その中にはIngresの「La Grande Odalisque/グランド・オダリスク」からインスピレーションを得た「L’Odalisque」、Fragonardの「Le Verrou/閂」からの「Tableau de chasse」、Toulouse-Lautrecの「Yvette Guilvert/イヴェット・ギルベール」からの「La vieilles chanteuse/年老いた女歌手」、Rodinの彫刻「Je suis belle/私は美しい」からの「Retiens-moi/私を引き留めて」などがある。10年5月リリースの「Rosa la rouge/赤いローザ」で、自身が主演したミュージカルは「Rosa Luxemburgローザ・ルクセブルグ」で歌われた曲を収めたもの。Diterziは10年「musique savante/芸術音楽、クラシック音楽」ではないポピュラーミュージックの分野から初めて、いわゆる「Prix de Rome/ローマ賞」を受け、10年から11年にかけて1年間ローマのVilla Medicis滞在を認められた。13年1月リリースの前回のアルバムは「Le salon des refusées/落選女性展」はこの間に制作したバロック音楽を取り入れた曲などが収められている。タイトルは1863年ナポレオン3世が開いた「Salon des refusés/落選者展」(官展に落選した画家、彫刻家らの作品を展示した)から。アルバムには「Le roi des forêts/森の王」、「Au salon des refusées/落選女性展で」、「Nature  morte/静物画」などを収録。リリースの後13年~14年にかけてフランス国内で100回以上の公演を行った。Deterziの激しい情熱と荒々しさがあるステージは、フランスのJanisJoplinBjorkと言われることも。

Diterziの6枚目となる今回のアルバム69 Battements par minute」は15日から14日までの間にThéâtre des Bouffes du  Nord(37bisbd.De la Chapelle パリ10回上演された同じタイトルのスペクタクルから。「Tu voles de mes propres ailes/あなたは私に羽根で飛ぶ」、「69 Battements par minute」、「Seconde nature/第2の本姓」、「Mon corprs pleure/私の体が泣いている」、「Infiniment petit/無限に小さい」など16曲収録。

Infiniment petit」 https://www.youtube.com/watch?v=yjglNygVDZA

 

 

・カリCali 日のリリースした新しい「L’âge d’or/黄金時代

 Cali、本名Bruno Caliciuriは1968年南仏Perpignon生まれのACI。ラグビーに興味を持っていたCaliは84年ToulouseU 2のコンサートを聞いて衝撃を受け、歌の道に。独学でギターを学び、Perpignonで活動しているいくつかのグループで歌い、また、BénabarBrigitte Fontaineの前座で歌い、口コミで評判に。2002年にはFrancofolies de La Rochelleに出演、それが転機となってレコード会社と契約。03年リリースのファーストアルバム「Lamour parfait/完璧な愛」は60万枚売上げのヒットで、04年第3回Prix Constintinを受賞(主として優れたファーストアルバムに与えられる)。アルバムに収められた「C’est quand le bonheur/幸福はいつ」は優れた楽曲に与えられるSACEMVincent Scotto賞を受賞。また、04年VdM新人賞の候補に。受賞はしなかったが授賞式の模様がTV放送され、多くの視聴者がCaliのステージに興味を持った。05年1月にはOlympiaに出演している。

C’est quand le bonheur2004VdMで https://www.youtube.com/watch?v=7Jq-nUahOb4

その後05年「Menteur嘘つき」、08年「Lespoir希望」、10年「La vie est une truite arc-en-ciel qui nage dan mon coeur人生は僕の心の中で泳いでいるニジマス」とアルバムを出している。前作は12年の「VernetlesBains/ヴェルネーレーバン」で幼少期から住んでいたPerpignon近くの町の名をアルバムのタイトルに。Caliはステージで観客と対面して歌うときに実力を発揮する歌手で、ステージ狭しと飛び跳ねるエネルギッシュな歌唱には人気があり「le charisme scénique/ステージのカリスマ」との異名もある。09年には140回に及ぶコンサートからライヴアルバム「Le bruit de ma vie/我が人生の騒音」をリリース好評だった。VdMでは04年新人賞候補から、都合6回候補になっているが受賞はしていない。15年Jean Ferratへのオマージュアルバム「Des airs de liberté」には「La montagne/ふるさとの山」で参加。Caliは08年Philippe Muyl監督の映画「Magique」に出演、劇中に使用された曲のうち、いくつかを作曲している。

6枚目のアルバム「L’âge d’or」のタイトルは1966年のLéo Ferréの曲からで、Caliはアルバムの最後にこの曲をカバーして収めている。また自身の作詞作曲による「Ostende」はFerreの「Comme a Ostende」へのオマージュ。「Ferréの『L’âge d’or』は『Tous 

les discours finiront par je t’aime/全てのスピーチはJe t’aimeで終わるだろう』これがまさにこのアルバムに込めた僕のメッセージ。僕にとって『L’âge d’or』は僕たちの人生にとってドラマティックな時期、季節で言ったら春。アルバムに収めた曲が毎日の生活を送って行く上で助けになるといい」。収められている13曲は他に: 「Tout ce qui ne reviendra plus/2度とやってこないもの全て」、「C’était beau/素晴らしかった」、「Le cœur chargé comme un fusil/充填した銃のような心」、「La vie quoi/人生は何」、「La vie est une menteuse/人生は嘘つき」、「Coco」(9歳の長女のCoco Grace Caliciuriとのデュオ、このデュオはジャケットにも。「2014年には家族と4ヶ月間離れてツアーを行った。ツアーの間に、家族の側にいて『Je t’aime』と言う気持ちで、家族をテーマにした曲を60曲も書いた。将来Cocoが子供を持つようになったときこの曲を聞いて涙を流してくれたら」。)、「Je dois te dire tout ça/君に全てを語らなければ」、「Poppée」(次女Poppéeに捧げられている)、「Camarade/仲間」など。

Caliは3月26日から国内、ベルギー、ルクセンブルグを回るツアーを行っていて、5月27日にはParis Zenithに出演。

Coco」 https://www.youtube.com/watch?v=tq6Lcq8NmKI

Tout ce qui ne reviendra plus」 https://www.youtube.com/watch?v=bOTgq-PecBw

 

 

・ドミニク・アー 16日にリリースしたアルバムは「Eleor/エレオール

Dopminique A本名Dominique Aneは1968年パリ近郊生まれのACI。若い頃からpunk音楽に興味を持ち17歳でバンド結成、数枚の45回転を出すが成功せず。91年からYamahaのシンセサイザーを演奏しながら歌うスタイルでソロ活動を始めた。最初のレコードは150枚しか出さなかった自主製作の「Un disque sourd/聞く耳を持たないレコード」で批評家の間では好評だった。このタイトルは「頑固者だった僕は周りの騒音には耳を貸さない」の意味を込めて。92年最初のアルバム「La fossette/えくぼ」を出す。そこに収められた「Le courage des oiseaux/鳥たちの勇気」・・もし我々に凍てついた風の中で歌っている鳥たちの勇気があったら・・は、MiassecVincent DelermCaliらが「影響を受けた曲だ」としている。93年2枚目のアルバム「Si je cannais Hanrry/ハリーを知っていれば」から一般にも受け入れられるように。95年の3枚目の「La mémoire neuve/新しい記憶」は10万枚の売上げVdMで新人賞のノミネート。99年4枚目のアルバム「Remué/感動した」、01年5枚目の「Augure/前兆」、04年6枚目の「Tout sera comme avant/すべてはま依然と同様になるだろう」、06年7枚目の「L'Horizon/地平線」。8枚目のアルバムは09年「La Musique/音楽」で、これにはAlain   Bashungのために作ったがBashungが録音しないまま亡くなってしまった「Immortels/不滅の人々」が収められている。2010年それまでの活躍に対してACCの特別歌手賞を受賞。12年にはファーストアルバムリリースから20年になるのを記念して過去の8枚のアルバムをリマスターして再リリース。前作は2012年3月リリースの「Versleslueurs/微光の方へ」。それにより2013VdM男性歌手賞受賞、これがVdM最初の受賞。

Rendez-nous la lumiere我々に光を返して」2013VdMで https://www.youtube.com/watch?v=It__PwQNdlk

Dominique Aはソロ活動を開始した当時から他の歌手にも優れた曲を提供し、ヒットメーカーとしても知られている。最近でも09年アルバムチャート1位にもなったCalogeroの「LEmbellie/美しくなった人」に「Passage des cyclones/サイクロンの通過」など3曲を、11年のJulien Doréの「Bichon」には「L’été(summer)」、13年Etienne Dahoの「Les chansons de l’innocence retrouvée/純真さを再び見つけたときのシャンソン」には「En surface/表面上は」(作詞作曲)を、14年Calogeroの「Les feux d’artifice/花火」に「Elle m’a 

manqué déjà/彼女がいなくてもう寂しい」(詩)を。ほかに、Michel DelpechJane BirkinVincent DelermeYann Tiersenなどにも。また、若手の歌手たちには尊敬され、目標とされる歌手の一人。

1/4世紀になろうとするDominique Aのキャリアで10枚目となる今回のアルバム「Eleor」に収められている13曲はロック調が弱く、バラードが多くなり、昔からのファンにとっては不満、しかしあまり馴染みのない人にとっては格好の入門書。Dominique Aはアルバムを聞く者をまず旅に誘う、彼にとって一つの場所は夢を見るためのもの。歌われているのは:「Cap Farvel/フェアウェル岬」(グリーンランドの南端)、「Eleor」(デンマーク北部にある小島「Elleore」からヒントを得た。この島を1944年学校の先生たちが夏のキャンプ地用として購入、冗談にRoyaume d’Elleore/エレール王国を名乗った)、「L’Océan/大洋」を渡り、「Par le Canada/カナダを通って」、「Oklahoma 1932」へ、さらにNouvelle- Zelande/ニュージーランドの「Central Otago/セントラル・オタゴ」、また「Semana Santa/聖週間」でスペインへ。 収録曲は他に:「Nouvelles vagues/ヌーヴェル・ヴァーグ」、「Au revoir mon amour/さようなら、わが愛」、「Une autre vie/もう一つの人生」、「Celle qui ne me quitte jamais/決して私から去らない女性」、「Passez nous voir/我々に会いに寄って」など。 4月21日からツアー、5月26日Paris Grand Rexに出演

Eleore」 https://www.youtube.com/watch?v=It__PwQNdlk

 

・ジュリー・ゼナッティJulie Zenattiが3月30日にリリースしたアルバムは「Blanc/白い」。

Zenatti1981年2月Paris生まれの歌手、作詞、作曲も行う。幼少の頃からアマテュアのピアニストであった父の伴奏で歌を覚え、のど自慢大会などに出場。1997年に出演したFrancofolie de la Rochelleで、ミュージカル「Notre-Dame de Paris/ノートル・ダム・ド・パリ」のFleur-de-Lys役を探していたLuc Plamondonの目に止まった。Zanattiは98年から99年にかけて350回の公演を行ったこのミュージカルでFleur-de-Lys役を演じた。Zenattiはさらに99年9月から2000年2月までの公演ではEsmeralda役をHélène Ségaraと交互に演じ人気に。00年ファーストアルバム「Fragile/壊れやすい」をリリース、シングルカットされた「Si je m’en  sors/そこから抜けさせたら」(作詞・作曲 Zenatti & Patrick Fiori)などが好評で、アルバムは20万枚以上の売り上げに。その後GarouPascal ObispoPatrick Bruelらの前座で歌う。

Si je m’en sors」 https://www.youtube.com/watch?v=25f7Xa7zny0

その後も定期的にアルバムを出している:「Dans les yeux d’un autre/他人の目の中に」(02年、11万枚)、「Comme vous/あなたのように」(04年、20万枚、シングルカットされた「Je voudrais que tu me consoles/あなたに慰められたい」が好評)、「La boîte de Pandore/パンドラの箱」(07年、7万枚)。前作は10年3月リリースの「Plus de Diva/ディヴァはもういない」で、「Appelez- moi Maria/私をマリアと呼んで」はMaria Callasに捧げられている。アルバムは商業的には成功しなかったようで、所属レコード会社を変えたことなどもあり、その後5年間のun moment de blanc/空白の期間を過ごした。この間にZenatti は30歳の節目を越え、また2011年には女児の母親になった。Emmanuel Da Silvaなどの協力を得た6枚目となるアルバム「Blanc」はZenatti の第2の出発になるか。Da Silva(1976-ACI)は自ら「La distance/距離」(2012年)などヒットしたアルバムを出しているほか、Helene Segara(「La vie avec toi/あなたとの生活」作詞/作曲)、Jenifer(「Tu ne dis rien/あなたは何も言わない」作詞/作曲)などにヒット曲を提供している。Da SilvaはこのZenattiのアルバムには「Blanc」(作詞/作曲)、「Les amis/友人」(作詞/作曲)、「Je ne t’en veux pas/私はあなたを悪く思っていない」(作詞)などを提供している。収められているのは他に:「La où nous en sommes/我々はこの段階にいる」(Zenattiは作詞に参加)、「D’où je viens/私の出身」(Zenattiは作詞に参加)、「La force des liens/絆の力」、「Pars sans rien dire/何も言わず立ち去って」(Zenattiは作曲に参加)などで、全16曲。

Je ne t’en  veux pasGrégoireとのデュオ https://www.youtube.com/watch?v=25f7Xa7zny0

 

 

No.1417
 
   

№1417    2015.4.26




リシャール・アントニーRichard Anthony、死去 続報
  
(No.1416の続き)                            

 

Anthonyの訃報を報じる報道には次のようなエピソードが報告されている:

 

・正式な結婚は2度、2度とも離婚、9人の子・・50年代に結婚した最初の夫人Michèleとは高校時代からの友人で3人の子供、70年代に離婚。70年代に2番目の夫人Sabineと結婚、78年アメリカに移住、3人の子供。82年に帰国。80年代にSabineと離婚。Anthonyはこの2度の結婚でもうけた6人の子供の他、パートナー(数人)との間に生まれた3人の子供を認知していて9人の子持ち。

最後のパートナーは、ElisabethElisabethは、Sabineと離婚後移り住んだCôte d’Azurで1992年船舶事故により重傷を負った際の看護婦。「Elisabethとは18年間一緒と暮らしている。今まで一人の女性とこんなに長く過ごしたことはない。彼女は私のアルコール依存傾向の改善及び太りすぎ解消のためにいろいろ努力してくれた。おかげで、120kgから35kg減量した」。(2010年10月のインタヴューで)。

 

Les Beatlsのヒット「Michelle」は最初Anthonyに提案された・・Anthonyはリヴァプール出身の若い4人組とは仲が良かった。ある日Hiltonで特に親しかったPaul McCartneyと昼食をしているとき1通のメッセージがAnthonyの許に届いた。差出人はAnthonyの当時の夫人Michèleだった。Paulはこの名が気に入り「Michelle ma belle/ミシェル、僕の美しい人」と歌い出した。そして「Michelle」が出来上がった。PaulはこのシャンソンをAnthonyに提供しようとした。しかしAnthonyはそれを歌う気はなかった。自分の妻の名がMichèleだと知っているファンの反応が怖かったためだと言われている。1965年12月にリリースされたLes Beatlsの「Michelle」は、このグループの曲の中で、歌い出しの「Michelle ma belle」の部分だけだが、フランス語が使われている唯一の曲と言うこともありフランスおけるこのグループの最初のヒットになった。 Anthonyは64年にはLes Beatlsの「I Should Have Known Better」を翻案し、フランス語の歌詞を付け「La corde au cou/首に縄」のタイトルで歌っている。

  「La corde au cou」1965年1月 https://www.youtube.com/watch?v=dWYC2Mf_a7k

AnthonyはまたJacques Brelの「Les vieux/老夫婦」も断った。それは若いファンが離れるのではないかと危惧したからだと言われている。

 

・「Aranjuez mon amour」は全て自分の負担で製作した・・1967年Joaquin Rodorigoの「Concerto d’Aranjuez」にフランス語の歌詞をつけ歌おうと試み、詩をGuy Bontempelliに依頼。しかしこの企画に対して当時レコード会社の賛成を得られなかった。そこでAnthonyは全く自分の負担でロンドン交響楽団をバックにした録音を行った。そして自らMadridに赴きRodorigoの承諾を求め、Rodorigoはレコードのリリース認めた。同年A面に「Aranjuez mon amour」、B面に「Plante un arbre/木を植えよ」と「Les mains dans les poches/両手をポケットに入れて」を収録したSPPathe-Marconi社からリリースされ、「Aranjuez mon amour」はフランス、ベルギー、スイス、スペイン、アルゼンチンでチャートの1位になり、Anthonyの最大のヒットになった。

 

L’été indien」の英語版を作成した・・1978年からアメリカ移住、2番目の夫人Sabineとその間に誕生した3人の子供とLos Angelesに住み、プロダクションを創設、それまでとは逆にフランスのシャンソンをアメリカに紹介しようとした。そしてその第一弾に選んだのがJoe Dassinが歌った「L’été indien」でこれを「Indien Sammer」として録音したが、レコードは発売されなかった。

 

・脱税で刑務所に入った・・1980年代Anthonyにとって苦難の年代だった。アメリカでの生活を中断しフランスに帰国した1983年、税務当局に脱税を指摘され、税金滞納債務者として身柄を拘束され、3日間Osny-Pontoise刑務所に収監された。この件は現在でも判例になっている。Anthonyが納付しなければならない額150万フラン(約115,000ユーロ)の半額は近親者が都合して納付したこと及び心臓に疾患があったことから釈放された。

 

哀悼の辞:

 

・歌手Dave:彼は生粋の地中海人、Claude FrançoisDalidaGeorges MoustakiDemis Roussosと続いたエジプト出身の歌手の中で現役のスターだった。フランスばかりでなく、イギリスを含め広くヨーロッパ中に知られた数少ない伝説的シャンソン歌手の一人だった。税務当局との確執もあり職業人としては問題ありたが、本物の歌手だった。

・歌手Patrick Fiori:私はBrelBrassensAnthonyの曲を聞いて大きくなった。彼の曲は軽かったが、何か深いものを含んでいて、知性を感じる。

・歌手Sylvie Vartan:彼の訃報に接し、私のデビュー当時を思い出す。彼は我々全ての先駆者だった。私は彼の曲を聞いて育った。人生の一部が去っていったようだ。

・歌手Michele Torr:彼のデビューは1958年だから「Age tendre et Tête de bois」の仲間では早い方だった。1960年代には彼とよくコンサートで一緒になった。彼は我々に進むべき道を教えてくれた。アメリカでどんな曲は受け入れられているか注視し、どんな曲をフランスに持ってきたらよいか知っていた。Claude Françoisがアメリカやイギリスの曲を取り上げたのもAnthonyの影響だ。60年代には我々の先頭に立っていた。最近は「Age tendre et Tête de bois」の公演を楽しんでいた。この公演に、多くの人が集まってくれ、彼が再び歌うのを聞いて喜んでくれた。それは彼にとっても大きな喜びだった。

・歌手・作曲家Alice Dona:彼は自分が歌うべき曲を選ぶ術を心得ていた。アメリカの曲を翻案して歌った最初の歌手だが、どんな曲がフランスで受け入れられるか知っていた。イェイェ歌手のパイオニア。

・元文化大臣Frééric Mitterrand:彼は単にイェイェを代表する歌手ではなく、真のミュージシャン。人生に、成功に燃え尽き、あるいは税務当局との確執に挫折を味わった魅力的な人物。彼はいつも新鮮さを保っていた。

・文化大臣Fleur Pellerin:「ロックの物静かな父」と言われた彼の声の響きに心を動かされる。彼のシャンソンはいつまでも人々の心に残り、唇から漏れるだろう。21曲がトップになったことはこれからも記録として残るだろう。

SNCFSociéténationale des chemins de fer français/フランス国有鉄道)はそのホームページに「RIP Richard Anthony;requiescapinpace:repose en paix/安らかに眠れ」とannonceを掲げた。

 

Anthonyの葬儀は4月25日Cannesで行われる。1951年エルサレムのシナゴーグでBar Mitzvah(バル・ミツヴァ/13歳の少年をユダヤ人の共同体の成員として認める儀式)を受けているAnthonyの葬儀はユダヤ教の教義に従い、ごく内輪で行われる。

 

Richard Anthony 2012.6.9「Age tendre et Tête de bois」のLille公演

https://www.youtube.com/watch?v=qdoYlw_0HQg

J’entend siffler le train(3:005:30)

Aranfuez mon amour(7:1013:00)

Nouvelle Vague新しい波」Donne-moi ma chance僕にチャンスを」C’est ma fêteこれは僕の祭り」Tchin Tchin乾杯」A présent,u peux t’en  aller今、君は行ってしまうことが出来る僕に全てを語ったから(14:1018:48)

 



  


                         
                         

     №1416     2015.4.22

リシャ-ル・アントニーRichard Anthony、死去  
(Anthonyの訃報を報じる報道に載ったAnthonyに関するエピソード及び各界からの追悼の辞は次号に掲載します)



リシャ-ル・アントニーRichard Anthonyが2015年4月19日22時、結腸ガンのためPegomasCôte d’Azur地方、Alpes-Maritines県)の自宅で死去、享年77歳。

L’idole des idoles/アイドルの中のアイドル」と言われ、600曲以上録音し、21曲がチャート№1になり、レコードを6000万枚以上売り上げたと言われているAnthony、本名Ricardo Anthony Btesh、1938年1月13日エジプト、カイロ生まれのACIauteurcompositeurinterprète/作詞家・作曲家・歌手:シンガーソングライター)。6カ国語(仏、英、伊、西、アラブ、ヘブライ語)を話す。父はトルコ人、母はイギリス人。繊維業であった父親の仕事の関係でイギリスやアルゼンチンで幼少時代を過ごした後1951年13歳でパリに。Bac取得後パリで法律を学ぶ傍らジャズクラブでアルト・サックスを吹く。毎週出演していた「Vieux Colombier」のパトロンはPetula Clarkの夫。58年頃からよく知っていた英米のヒット曲にフランス語の歌詞を付けて歌うように。デモテープをレコード会社に売り込み、58年9月Columbiaから最初のレコード「Tu métais destinée/君は我が命」(原曲Paul Ankaの「You are my destiny」の翻案、Jacques Planteによるフランス語)を出すが成功せず。3作目「Nouvelle vague/新しい波」(Coastersの「Three Cool Cats」の翻案)が50万枚売れて知られるようになった。そして「Tinno Rossi du rocknroll/ロックンロールのティノ・ロッシ」、「Père tranquille du twist/ツイストの物静かな父」と呼ばれるようになった。ラジオ局Europe 1のディレクターLucien Morisse(1929-1970)の推薦によりDalidaClarkの前座で歌うようになり、その後はイエイエの波に乗ってヒットを続けた。62年「Jentends siffler le train/汽車の汽笛が聞こえる」が生まれた。この曲はアメリカのフォークソングでHedy WestPPMなどが歌っている「500 Miles」(「500Miles Away from Home」あるいは「Railroaders’ Lament」のタイトルも)をJacques Plantが翻案、フランス語の歌詞を付けたもの。この曲を含むEPは62年6月にはレコード店頭に並んだ。曲はヴァカンスの若者たちに受け入れられたばかりではなく、アルジェリアに派遣されていた兵士たちの共感を呼んだ。いわゆるアルジェリア戦争は62年3月Evian協定により休戦となっていたが、家族と別れて地中海を渡った兵士たちの心に沁みるものであった。そして「raz de marée/津波」のようなヒットになり200万枚以上の売上げになった。7月中旬から8、9月中、都合13週間チャートのトップを占めフランスおける最初の「Tube d’été/夏のヒット」と言われた。63年には「Itsy Bitsy petit bikini」(当時、クリップの監督はClaude Lelouch)、「On twiste sur le locomotion」(「Little EvaThe Loco-Motion」の翻案)などがヒット。63年6月22日のパリのPlace de la Nationで行われたSalut les copains誌の創刊1周年記念コンサートに出演。当時マスコミはAnthonyのファンともう一人の人気歌手Johnny Hallydayのファンとの険悪な仲を喧伝したが歌手同士は親友であった。65年「Ecoute dans le vent/風に吹かれて」(Bob Dylanの「Blowinin the wind」の翻案)を発表。この頃は年間300回以上コンサートを行うという人気振りで、操縦士の免許を取得、スタッフ、機材を積んで自家用機で移動していた。レコーディングはロンドンのAbbey RoadのスタジオでThe Beatlesと並んで行い、The Beatlesのデビューと成長を目の当たりにした。67年にはAnthony最大のヒット曲「Aranjuez,mon amour/恋のアランフェス;わが心のアランフェス」が生まれる。この曲はスペインの作曲家Joaquin Rodrigoの「Concerto dAranjuez:アランフェス協奏曲」にGuy Bontempelliがフランス語の詩を付けたもの、Anthonyはロンドン交響楽団をバックに歌っている。世界中でヒットし800万枚以上売れたと言われている。その後「Le sirop typhon/ル シロ ティフォン」(69年)、「Amoureux de ma femme/わが妻に恋して」(74年)、「Nathalie/ナタリー」(75年)などを出すが往時の人気には及ばなかった。93年には300曲収めたコンピレーションアルバムが好評。98年デビュー40年をパリZenith出演で祝う。60年代に活躍した歌手を中心に結成されたユニット「Age tendre et têtes de bois」には2006年から12年までの間数シーズン参加し、中心メンバーとして活躍。2010年7月ヒット曲18曲を収めたコンピレーション「Tu parles trop/君は喋りすぎ」を出す。11年11月にはFrédéric Mitterrrand文化大臣から「Des Arts et des LettresOfficier章を受けている。12年2月12日にはパリOlympiaに出演。 13年9月50曲収めた「Compilation 50 hits」、14年3月25曲を収めた「Best of Richard Anthony」がリリースされている。

 

J’entend siffler le train

196510https://www.youtube.com/watch?v=9J80X1niH38

・・僕はさよならを言わずに別れた方が良いと思っていた。その方が君に会いたいという気持ちが起きないだろうから。汽車の汽笛が聞こえる、夕べに聞こえる汽車の汽笛の何と悲しいことか。 君はただ一人、「さよなら」が行き交うホームで、誰にも声をかけられずいるのだろう。 汽笛が聞こえる。夕べに聞こえる汽車の汽笛の何と悲しいことか。 僕は君の許に駆けて行き、君に向かって叫びたかった。でもそれをやっとの思いで自制した。 君が行ってしまうのははるか遠く、いつか戻ってくることがあるのだろうか。 僕はさよならを言わずに別れた方が良いと思っていた。 今、全てが終わったんだ。 汽笛が聞こえる。これからも一生この汽笛を聞き続けることになるだろう・・



Aranjuez,mon amour

https://www.youtube.com/watch?v=8Pi35dbSGIY  1968日 

 

アランフェスモナムール                     

愛しい人よ、
 泉の水面に 愛しい人よ
  風が運んでくる、愛しい人よ

   日が落ちて、
    たゆたうバラの花びら漂う

 愛しい人よ、
  壁はひび割れる、愛しい人よ
   太陽の光と風と驟雨と 
    そして過ぎゆく長い年月にさらされて、 
      彼らがやってきた5月のあの朝から

 歌を口ずさみながら、
  突然、彼らは壁の上に
   銃口の先で
 
     ひどく奇怪なものを書きつづった

  愛しい人よ、
   バラのツルは壁に残された痕跡をつたう、愛しい人よ
     そこに彫られた 愛しい人よ
     彼らの名前を抱きしめる

          夏が巡ってくるたびに、
            真紅に染まるバラの花々

  
 
 愛しい人よ、

   泉は枯れ果てた、 愛しい人よ
     太陽の光と野を渡る風と
       そして過ぎゆく長い年月にさらされて
         彼らがやって来たあの5月のあの朝から

  心に花を抱き、はだしのまま、
  ゆっくりとした足取りで
目には光をやどして
   奇怪な微笑みの光をやどして


 そして壁の上には、日が落ちる頃、
  人々は、壁の上に多くの血の跡があるかと見まがう

     でもそれは、バラの花々にすぎない

   愛しいアランフェスよ 

                         

                         
                          (小幡君枝 訳)

No.1415
 
   

№1415    2015.4.17



TV
MONDEJaponLe Grand Show, Adamo & Bécaud」にアダモ出演、Becaud を回想  
        

今年France放送されたMichel Drucker司会による音楽番組Le Grand Show, Adamo & Bécaud」が、21TVMONDEJapon19:1521:10放送された

メインゲストは2014年11月 Gilbert Bécaudのヒット曲をカバーしたアルバム「Adamo chante Bécaud/アダモ、ベコーを歌う」を出しているAdamo。このアルバムでAdamoは「Et maintenant」/そして今は」、「Un peu d’amour et d’amitie/小さな愛と友情と」、「L’important, c’est la rose/バラは憧れ」、「Nathalie/ナタリー」などを収めている。

今回のTV番組ではBécaudを回想し、Adamo初め、出演者はBécaudのヒットなどを歌った。

 Gilbert Bécaud(1927年Toulon―2001年パリ郊外、歌手、作曲家)はNiceConservatoireでピアノを習う。戦後パリに上り、ナイトクラブで演奏。歌手Jacques Pills伴奏者になり、Pills夫人であったEdith Piafに勧められて歌手に。Louis AmadePierre DelanoëMaurice Vidalinらに良質な詩を提供され、それに自ら作曲。1953年2月2日に初レコーディング「Mes mains/メ マン」と「La croix/十字架」が好評裏りに迎えられスターに。Paris Olympiaのシンボル的存在で、1955年2月17日初めてvedetteとして出演した際、「電気ショック」を受け、熱狂した観客により劇場の椅子が破壊され「Monsieur 100 mills voltsムッシュー 10万ボルト」の渾名が。常に濃いブルーのスーツ、真っ白なYシャツに水玉模様のネクタイで舞台に登場.。この劇場には33回出演。 最盛期には年間250日に及ぶ公演を国内、国外で行った。 Chrles TrenetCharles Aznavourと並ぶシャンソンフランセーズの親善大使で、国際的なヒット曲も多く、400曲以上を歌ったといわれている。Père Lachaiseに埋葬されている。

 番組では次のような場面が見られた。

BécaudKitty夫人と娘EmmilyMC:それぞれがBécaudの曲で最も好きな曲を挙げた

・・Kitty・・(本名Cathryn Lee St.Sohnはアメリカ出身のモデル。1965年にBécaudと知り合い、76年女児Emily誕生、76年結婚、Bécaudにとっては2度目の結婚、2011年Bécaudの伝記「Bécaud,la première idole/ベコー、最初のアイドル」を刊行している)。「Adamoのこのアルバムには大いに満足しているし、ありがたいことだと思っている。好きな曲は『La allade des baladins/旅芸人のバラード』。この曲は彼の生活そのものだった」

・・Emily・・「最後の10年間父の公演の舞台監督を務めた。父は厳格で1mmのミスも許さなかった。好きな曲は父が最後のOlymoia公演 で歌った『Quand la musique s’arrête/音楽が止むとき』だ」

  「La ballade des baladins」 https://www.youtube.com/watch?v=CIXoxGepSCk

Bécaudのライヴ映像

 ・・「Quand il est mort le poète詩人が死んだ時」 https://www.youtube.com/watch?v=RBoWZiln7Yc

 ・・「Nathalie」 https://www.youtube.com/watch?v=v9Pz39V8ZYU

Bécaudと他の歌手とのデュオ

・・「L’important, c’est la roseJacquline Maillan(女優)とhttps://www.youtube.com/watch?v=Zwqcxnj9jL4

・・「C’est en septembre/ふるさとの9月」Sacha Distelと https://www.youtube.com/watch?v=ecwXQWwV3UQ

・・「C’est en septembreMireille Mathieuと https://www.youtube.com/watch?v=R-IHXJ-hE4w

・・「Et maintenantJulien Clercと https://www.youtube.com/watch?v=EWxeunFvkzk

・・「Le train d’amour/愛の列車」Serge Lamaと https://www.youtube.com/watch?v=1U2OyS3C20w

・・「La solitude ça n’existe pas/孤独なんて存在しない」Niicolettehttps://www.youtube.com/watch?v=LOCmwC9IdlE

・「Et maintenant」に英語の歌詞が付いた「What now my love」を歌っている歌手:

・・Gilber Bécaud https://www.youtube.com/watch?v=_nJMy6SYPlQ

・・Elvis Presley https://www.youtube.com/watch?v=UpjKlOM7KQ4

・・Frank Sinatra https://www.youtube.com/watch?v=RixJSkpaf_4

・・Shirley Bassey https://www.youtube.com/watch?v=2oLBvHwwnkw

・番組に出演した歌手によるBécaudのヒット曲のカバーなど

・・AdamoL’absent/去っていった人」

   Bécaudhttps://www.youtube.com/watch?v=Mc8CVsAjT78

Adamohttps://www.youtube.com/watch?v=-DY0NZmbUrw

・・・AdamoMC:・・AdamoBécaudのトレードマークであった水玉模様のネクタイを着用していた。「このネクタイはBécaudが使用していたもので、先週、ベルギーでTV出演した際にBécaudのファンの一人から贈られた。Bécaudの汗がついている。本物でなかったらしてこなかった」。 「初めてBécaudのステージを見たのは、Olympiaだった。私はデビューして間もない頃。ステージでは内気で、控えめだった私にとってムッシュー10万ボルトと言われた、Bécaudのステージは衝撃的だった。オーララ、ああいったステージもあるんだ。素晴らしい、彼は本物のShowmanだと思った。Bécaudのステージを見てからは私の内気も少し消えたようだ」。「Bécaudがなくなった日、2001年12月18日、私はツアーの最中だった。午後訃報を聞いて、ミュージシャンに計って、哀悼の意を示すため彼の曲を歌おうとリハーサルを行った。『Et maintenantを歌った。出だしは順調だったが、途中で悲しい気持ちになった歌詞が出なくなり、いったん引っ込んで、再び出ていって歌い終えた。観客はそれを許してくれた」。

 

・・Julien ClercC’est en  septembre」(ClercBécaud没後10年に当たる2011年にリリースされたトリビュートアルバム「Gilbert Bécaud, et maintenant」にはこの曲で参加している):

Bécaudhttps://www.youtube.com/watch?v=WQYwuzkzdrg

Clerchttps://www.youtube.com/watch?v=_GNuafcCsUA

・・・Clerc のMC:・・Clercは1968年7月2枚目のEPを録音、その中に収められていた「Ivanovitch」(Maurice Vallet作詞、Clerc作曲)がBécaudeの目に止まり・・「翌年Olympiaの前座で歌うよう誘われた、しかしその前に経験を積むようにと助言され、Bécaudの勧めにより、その年の秋Adamoのツアーに同道、ポスターには名が載っていなかったが、前座で3曲歌った。それが私の初めてのステージだった」。「1969年3月には3週間BécaudOlympia出演の前座で歌った。Bécaudはコンサートの際4~5曲歌うと舞台裏に引っ込んだ。Bécaudはタバコが吸いたくて仕方がない様子だった。舞台裏には2人の助手がいて、一人はタバコを、一人はウィスキーを渡す役だった」

 

・・Chimène BadiL’indifférence無関心」

Bécaudhttps://www.youtube.com/watch?v=wjWtTs9oqrk

Badi https://www.youtube.com/watch?v=NrhhXClAoxk

・・・BadiMC「私はBécaudの曲は『L’important, c’est la rose』、『Et maintenant』、『L’orangeオレンジ』など、よく知られた曲しか知らなかった。この番組に招かれたとき、この曲「L’indifférence」(1977年Maurice Vidalin作詞、Becaud作曲)を見つけた。  『無関心』は不幸なことだけれど、現在の問題でもある。そして私の次のアルバム、6枚目でほぼ出来上がっている、で取り上げたいと思っているテーマの一つでもある」

 

・・Kendji GiracEt maintenant」: https://www.youtube.com/watch?v=2XbeuBbwTlc

・・Dany BrillantViens danser/さあお出で、踊ろう」:https://www.youtube.com/watch?v=--8FAOA1Xz0

 ・・Serge Lamaが歌う「Gilbert」:https://www.youtube.com/watch?v=EO9hccDfF4I

Becaudのヒット「Marie,Marie」のメロディーにLamaBécaud讃歌の詩を付けたもの、途中で写るのはKatty夫人。

・・・LamaMC:「私の70歳記念のOlympia公演の際、この劇場のシンボル的存在であったBécaudに敬意を表するためにこの詩を書きステージの最後に歌った。Bécaudは、Adamo同様、デビュー曲で一躍スターになった希有な歌手だ」 

 

 No.1414    

№1414   2015.4.4 
 


没後5周年 Jean Ferrat へのオマージュ3題

1960年代、70年代を代表するACI(Auteur,Compositeur,Interprete、作詞家・作曲家・歌手)ジャン・フェラJean Ferrat
2010年3月13日、79歳で死去、今年は没後5周年に当たる。

それを機に
(1)カバーアルバム「Des airs de liberté/自由の歌たち」がリリースされ、
(2)パリにPlae Jean Ferrat/ジャン・フェラ広場が誕生し、
(3)TVFrance 2で特別番組が放送された。

Jean Ferrat略歴
Jean Ferrat、本名Jean Tenenbaum、は193012月パリ近郊Vaucresson (Hauts- de- Seine) 生まれのACIで詩人。生涯に(曲を付けただけのものも加え)200曲作ったと言われている。ユダヤ人であった父はJeanが11歳のときAuschwitzで死去。Jeanは共産党員によって匿われた。15歳でリセ卒業と同時に働き出す。音楽と芝居に興味を持っていたJeanは50年代初めから作曲をしたり、ジャズバンドでギターを弾いたりした。

1956年尊敬していたLouis Aragonの詩「Les yeux dElsa/エルザの瞳」に曲を付けた。それをAndré Claveauが取り上げ、歌ってくれたことにより世間に知られるように。FerratAragon の詩約30編に曲を付けている。

1957年Guy Béartの前座でパリのキャバレLa Colombeに出演、次いで、Milord l'ArsouilleL'Echelle de JacobLa Rotisserie de lAbbayeなどに出演。

1958年最初のレコードをVogue社から出すが反応なし。

女性歌手Christine Sèvresがいくつかの曲を取り上げてくれた。(60年Christineと結婚、Christineには53年生まれの女児Véronique Estelがいた。Christineは81年病没)

1960年2枚目のEPに収められた4曲のうち「Ma Môme/小さな愛」がラジオでも頻繁に流され最初のヒット曲に。

1962年Isabelle Aubretと出会い、「Deux enfants au soleil/太陽の子供たち」を提供。Ferratから提供された曲は以後Aubretの重 要な持ち歌に。

1963年3枚目のLPNuit et brouillard/夜と霧」はACC大賞を受賞

1964年「La montagne/ふるさとの山」、「Que serais-je sans toi/もしもあなたに逢わずにいたら」を発表。

1966年1月Bobinovedetteとして出演。

1967年キューバに2ヶ月半滞在、この旅の後トレードマークになる髭を蓄えるように。

1970年パリPalais des Sportsで12回の公演。

1971年200万枚売り上げたと言われているアルバム「Ferrat chante Aragon/フェラ、アラゴンを歌う」をリリース。「Le malheur d'aimer/愛することの不幸せ」、「Nous dormiront ensemble/一緒に眠ろう」、「Robert le diable/悪魔のロベール」など収録。

1973年最後のツアー。

1990年SACEMMedaille d'Or/金メダルを受ける。

1998年Festival d'Alesにゲスト出演し700人のコーラスをバックに歌う、最後のステージ

2009年57曲を収めた3枚組みコンピレーションアルバム「JEAN FERRAT BEST OF

2010年3月13日Aubenas(Ardèche)の病院でガンのため死去。1992年に再婚したColette夫人が看取った。Antraiguesの共同墓地に埋葬。

AntraiguesではFerratを偲んで2011年から毎年7Place de la Résistance/レジスタンス広場を中心に Festival Jean Ferratが開催されている。また2013年からPlace de la Résistanceにある旧居が記念館として一般に公開されている。

 

(1)カバーアルバムDes airs de liberté/自由の歌たち」のリリース

3月2日後輩の歌手たちによるFerratのヒット曲をカバールバムDes airs de liberte」がリリースされた。アルバムのタイトルはFerratのヒット曲「Un air de liberté/自由の歌」(1975年Ferrat作詞・作曲、アルバム「La femme est l’avenir de l’homme収録)から。「Des airs de liberté」に収められている曲と歌っている歌手は:

・「Camarade友よ」(1970年Ferrat作詞・作曲)Marc Lavoine

・「La montagne/ふるさとの山」(1964年、Ferrat作詞・作曲)Cali

・「Aimer àperdre la raison/理性を失うほど愛する」(1971年Louis Aragon詩、Ferrat作曲)Dionysos

・「La femme est l’avenir de l’homme/女性は男性の未来」(1975年Ferrat作詞・作曲)Julien Dore

・「Ma môme/小さな愛」(1960年Pierre Fraschet作詞、Ferrat作曲)Patrick Bruel

・「C’est beau la vie/人生は何て美しい」(1963年 Michelle Senlis他作詞、Ferrat作曲)Catherine Deneuve &Benjamin Biolay

・「J’arrive où je suis etranger/知らないところに着く」(1994年Louis Aragon詩、Ferrat作曲)Raphaël

・「Que serais-je sans toi/もしもあなたに逢わずにいたら」(1964年Louis Aragon詩、Ferrat作曲)Patrick Fiori

・「Tu aurais pu vivre/あなたは生きることが出来ただろうに」(1991年Ferrat作詞・作曲)Grégoire

・「Je ne suis qu’un cri/僕は一つの叫びに過ぎない」(1985年Guy Thomas作詞、Ferrat作曲)Sanseverino

・「Nuit et brouillard/夜と霧」(1963年Ferrat作詞・作曲)Hubert-Félix Thiéfaine

・「En groupe, en ligue, en procession/グループで、連盟で、行列で」(1967年Ferrat作詞・作曲)Zebda

・「Nous dormirons ensemble/一緒に眠ろう」(1963年Louis Aragon詩、Ferrat作曲)Natasha St.Pier

・「La matinée/午前中」(1969年Henri Gougaud作詞、Ferrat作曲)Marc Lavoine &Patricia Petibon(ソプラノ歌手)

・「Ma France/僕のフランス」(1969年Ferrat作詞・作曲)Jean Ferrat

Teaser №1「Camarade」→「J’arivve ・・」→「La montagne」 https://www.youtube.com/watch?v=rWWQHi-1A4Y

Teaser №2 「Nuit et Brouillard」→「Tu aurais pu vivre」 https://www.youtube.com/watch?v=tt5RmeuTlZY

「Aimer à perdre la raison」Dionysos https://www.youtube.com/watch?v=tt5RmeuTlZY

「C‘est beau la vie」Deneuve & Biolay  https://www.youtube.com/watch?v=NgIvt8IXG9Q

Ma FranceFerrat https://www.youtube.com/watch?v=qkO7_rhhCbA

 

(2)「Place Jean Ferra/ジャン・フェラ広場」の誕生

場所は11区で、20区との境の地域、rue Oberkampfがbd.Menilmontantと交わる点、地下鉄では2号線Menilmontant駅。命日に当たる3月13日(金)、Anne Hidalgoパリ市長(女性)、Bertrand Delanoë前パリ市長、Véronique EstelChristine Sèvreの娘)、歌手Isabelle Aubretらが出席して命名式が行われた。 EstelFerratの詩の一節を朗読、Aubreta cappellaで「La montagne」と「Ma France」を歌った。

 命名式(挨拶はパリ市長) http://www.dailymotion.com/video/x2jfbqn

 

(3)TVFrance 2の特別番組

France 2は3月14日「Le Grand Show」でJean Ferrat特集を放送。司会はMichel Drucker、出演者は:BénabarCaliShy’mDaniel GuichardGrégoireDidier BarbelivienHubert Félix ThiéfaineJulien DoréMarc LavoineNatasha St.PierPatrick BruelPatrick Fioriなど。番組ではアルバムに参加している歌手は収録曲を歌い、参加していないB énabarは「Potemkine」(1965年Georges Coulonges作詞、Ferrat作曲)を、Guichardは「Mon vieu/モン ヴユ―」(注)を、Shy‘mは「Aimer à perdre la raison」を、Druckerも友人であったFerratを偲んで「Nul ne guérit de son enfance/誰も彼の幼少時を癒すことは出来ない」(1991年Ferrat作詞・作曲)を歌った。またBarbelivienは2001年自身の作詞・作曲によるFerrat讃歌「Jean de France/フランスのジャン」を歌った。

(注)「Mon vieux」はMichelle Senlis作詞、Ferrat作曲、1963年の曲。74年Guichardが歌詞を手直しして歌い、ヒットした。

 

Nuit et brouillard

Jean Ferrat  https://www.youtube.com/watch?v=3k8VsijdTwo

 Hubert-Félix Thiéfaine https://www.youtube.com/watch?v=7MxdQ54FCZo

Ma môme

Jean Ferrat  https://www.youtube.com/watch?v=e-aR2UaWSl4

Patrick Bruel https://www.youtube.com/watch?v=okARUq2gCK0

Potemkine

Jean Ferrat   https://www.youtube.com/watch?v=mxTC2RZl9F0

Bénabar https://www.youtube.com/watch?v=_b0cuLZVK0g

Camarade

 Jean Ferrat  https://www.youtube.com/watch?v=Kcl8krRlTJk

Marc Lavoine https://www.youtube.com/watch?v=H8dMj2WPyNk

Tu aurais pu vivre」 

 Jean Ferrat  https://www.youtube.com/watch?v=FTkS8O2H1QM

Grégoire https://www.youtube.com/watch?v=AVrSiqBLC-Y

Que serais-je sans toi

 Jean Ferrat  https://www.youtube.com/watch?v=I1lqm5g4RsA

Patrick Fiori https://www.youtube.com/watch?v=b6cQZ8qy9hI

Aimer à perdre la raison

 Jean Ferrat  https://www.youtube.com/watch?v=nQsF2hH5q8w

Shy’m https://www.youtube.com/watch?v=4Hv_VBjMLNM

 

Jean  de FranceDidier Barbelivien https://www.youtube.com/watch?v=okVUJeIpSzo

No.1413
 
  (この記事はPoisson d'avril です) 

№1413    2015.4.1


2015年は親子のデュオが à la mode                                        

フランスでも相変わらずCD全体の売り上げは下降傾向。その中にあって、比較的堅調な売り上げをしているのが、デュオアルバムと過去のヒット曲のカバーアルバム、あるいは、歌手自身が過去のヒット曲をデュオでカバーしたアルバム。

 今、2組の親子が、主として親あるいは子供のヒット曲をデュオでカバーしたアルバムをリリースするというので話題になっている。その2組は:

(1)母フランソワーズ・アルディFrançoise Hardyと息子トマ・デュトロンThomas Dutronc


Françoise Hardy(1944-Paris生まれ、ACI
、俳優。ソルボンヌで学ぶ傍らMireilleのミレイユの音楽学院で歌の勉強。62年最初のレコードで自作の「Tous les garçons et les fiffes/男の子と女の子」は200万枚以上売り上げ。63年パリマッチ誌は「シャンソン界の新しいアイドル」と紹介。Roger Vadim監督の「Châterau en Suède/スエーデンの城」で映画に出演。68年Serge Gainsbourgゲンズブールの「Comment te dire adieu/さよならを教えて」。旅から旅の生活に疲れたと68年ステージからの引退を宣言。73年には、67年からの伴侶Jacques Dutroncとの間に長男Thomas Dutroncが誕生(Jacques Dutroncとは81年に結婚している)。04年Binjamin Biolayのプロデュースによるアルバム「Tant de belle chose/永遠の愛の誓い」で05年VdM女性歌手賞を受賞。08年自伝「Le désespoir des singes・・/猿たちの絶望・・」を刊行。10年3月アルバム「La pluie sans parapluie/傘のない雨」。最新の、27枚目のアルバムは12年11月リリースの「L’amour fou/常軌を逸した恋」。


Thomas Dutronc(1973-Paris生まれ、ACI、ギタリスト、俳優)。母は
Françoise Hardy 、父はJacques Dutroncbac取得後、18歳でDjango Reinhardtに憧れてギターを習い、サン=トワンののみの市などで演奏、マヌーシュ・ジャズギタリストとして人気に。99年(Valérie Lemercier監督の「Le Derrière」)と01年(Alain Soral監督の「Cofession d'un Dragueur」)には映画に出演。父や母のアルバムのアレンジャー、プロデユーサーをつとめた後、07年10月ファーストアルバム「Comme un manouche sans guitare/ギターを持たないマニューシュのように」をリリース、60万枚以上売り上げるヒットに。その後600回のコンサート。08年11月Olympiaに出演。09年VdMで「Comme un・・」がオリジナルシャンソン賞を受賞。11年10月セカンドアルバム「Silence on tourne,on tourne en rond/静かに、撮影開始」をリリースしている。

Françoise Hardy &Thoma Dutroncのデュオアルバムに収録が予定されている曲は

・・「La maison où j’ai grandi/私が育った家」(1966年Hardyのヒット)イタリアの曲「Il ragazzo della via Gluck」にEddy Marnayがフランス語の詩を付けたもの

・・「La question/問題」(1971年Hardyのヒット)

・・「La pluie sans parapluie/傘のない雨」(2010年Hardyのヒット)

・・「J’aime plus Paris/もうパリが好きじゃない」(2007年Thomasのヒット)

・・「Silence on tourne/静に、撮影開始」(2011年Thomasのヒット)

など。

そして目玉は新曲「Une mère et son  fils/母と息子」。Hardyの作詞、Jacques Dutroncの作曲。

Françoise Hardy &Thomas Dutronc

 http://static1.purepeople.com/articles/2/16/92/2/@/84614-francoise-hardy-et-thomas-dutronc-637x0-1.jpg

La questionFrançoise Hardy https://www.youtube.com/watch?v=SQXSotP0AaE

J’aime plus ParisThomas Dutronc https://www.youtube.com/watch?v=VAfeqAYndZY

 

(2)父ジョニー・アリディJohnnyHallydayと娘のローラ・スメットLaura Smet

 

Johnny Hallyday (1943-Paris生まれ、 歌手、作曲家、俳優本名Jean-Philippe Smet、フランス人の母とベルギー人の父はHallyday誕生直後に離婚。叔母に育てられダンスとギターを習う。11歳で舞台に。57年Elvis Presleyの映画を見てロック歌手を目指す。60年「Laisse les filles/女の子をうっちゃっておけ」が評判に。同年4月TVに出演した際Line Renaudが「Idole des jeunes/若者たちのアイドル」と紹介。同名の曲が彼の最大のヒット曲の一つに。その後現在まで50年以上トップ歌手として地位を保っている。また196年公開の映画「D’ou viens-tu Johnny/ジョニー、あなたはどこから」など20本以上の映画に出演し、2011年には劇場劇に出演するなど俳優としても活躍している。2014年11月、Paris BercyJacques DutroncEddy Mitchellと「Les vieilles canailles/年老いた悪戯っ子」コンサート、同月アルバム「Rester vivant/生き続ける」をリリース。これは49枚目のスタジオ録音アルバムで、他にライヴアルバムを28枚出している。2015年7月から16年3月まで「Rester vivant」ツアーを予定、11月27~29日Paris Bercy出演。 

私生活では1965年4月歌手のSylvie Vartan(1944-)と結婚、66年男児David誕生、80年11月離婚。  81年12月モデルのBabeth Etienne(1957-)と結婚、82年2月離婚。  82年女優Nathalie Baye(1948-)との仲が喧伝され、83年女児Laura誕生。Johnny Lauraの誕生を喜び1986年「Laura」(Jean-Jacques Goldman作詞・作曲)を歌っている。二人の仲は86年5月破局。   1990年7月女優・脚本家Adeline Blondieau(1971-)と結婚、92年離婚。1994年再度Adeline Blondieauと結婚、95年5月再度離婚。 1996年3月モデルLaeticia Boudou(1975-)と結婚。Johnny Laeticia夫妻はヴェトナム人の女児2人(2004年Jade、2008年Joy)を養子に迎えている。

Laura Smet(1983年-パリ近郊生まれ、俳優、歌手)、父はJohnny Halyday、母は女優Nathalie BayeRaymond Acquavivaの演劇講座で学んだ後、2002年のXavier Giannoli監督の「Les corps impatients/加速する肉体」で主役のChrlotte役を演じてデビュー。これにより2004年期待の新人女優に与えられる「Prix Romy-Schneider/ロミー・シュナイダー賞」を受賞。07年Pascal Thomas監督の「Lheure zéro/ゼロ時間の謎」、08年Philippe Garrel監「La frontier de l’aube/愛の残像」、2014年Jalil Lespers 監督「Yves –Saint Laurent」などに出演。歌手としては、2010年異母兄David Hallydayのアルバム「Un nouveau monde/新しい世界」に収められた「On  se fait peur/おそれを持つ」をDavidとデュオで歌ってデビューした。

Johnny HalydayLaura Smetのデュオアルバムに収録が予定されている曲は、

・・「Quelque chose de Tennessee/テネシー(・ウイリアムズ)からの何か」(1985年 Johnny Halydayのヒット)

・・「Laura」(1986年Johnny Halydayのヒット)

・・「Sang pour sang/血には血」(1999年Johnny Halydayのヒット)、

・・「On se fait peur」(2010年 David HallydayLaura Semetのデュオ)

など

そして目玉は新曲「Une fille et son père/娘とその父」。作詞はNathalie Baye(初めて作詞の由)、作曲はDavid Hallyday

Johnny HalydayLaura Smet

 http://referentiel.nouvelobs.com/file/3041115-laura-smet-se-repose-johnny-fume.jpg

LauraJohnny Halyday https://www.youtube.com/watch?v=SRcTQmbgGjY

On se fait peurDavid HallydayLaura Smet https://www.youtube.com/watch?v=lliWQdGHvVg

 
リリースは7月上旬とのこと、この二組の親子のデュオアルバムリリースが、夏のヴァカンスシーズンを前に低迷するCD売上向上の突破口になるのではと大いに期待されている。


この記事については以下参照。https://i.darjeelin.fr/d/wp/1364811613_photo-poisson-d-Avril.jpg

 No.1412  

№1412   2015.3.29 



La fête de la chanson françaiseシャンソンフランセーズの祭典:
 
今年のテーマ / 「100 Ans de la chanson française/シャンソンフランセーズの100年」  
TV5MONDEで
3月7日および14日放送 


第11回「La ête de la chanson française/シャンソンフランセーズの祭典」はTVFrance 2で2014年11月21日(金)に放送された。TV5MONDEJaponでは3月7日および14日に放送。今回のテーマは「100 Ans de la chanson française/シャンソンフランセーズの100年」、司会はDaniela LumbrosoVirginie Guilhaume Garouの3人。

主な出演者は:Michel Delpech Johnny HalydayCarla BruniPatrick BruelKendji GiracM.PokoraAlain Souchon Laurent VoulzyShy’mJulien ClercIsaballe BoulayYannick NoahJulien DoréCalogeroAdamoVéronique SansonDany BrillantDaniel GuichardZazSanseverino

 

・オープニングにはHallydayGarouPokoraBruelが登場、次の曲をメドレーで歌った。

 Hallyday & GarouToute la musique,que j’aime/僕が好きなすべての音楽」(Hallydayのヒット曲)→Garou & PokoraQuand la musique est bonne/音楽が素晴らしければ」(Jean-Jacques Goldmanのヒット)→Garou & BruelCasser la voix/声をからす」(Bruelのヒット曲) https://www.youtube.com/watch?v=MQ1NTOwQ_Ls

 

・今回もこの「Fête」で次の2つの賞が授与された。

・・ラジオ局RTLの「Lalbum  de l’année /今年のアルバム賞」:RTLChristopher Baldelli社長からCalogeroの「Le feux d’artifice/花火」に授与された。受賞後Calogeroはアルバムから「Le portrait/ポートレート」を歌った。Calogeroは2015年VdMでこのアルバムに収められていた「Un jour, au mauvais endroit/ある日、不幸な場所で」によりオリジナルシャンソン賞を受賞(№1408)

 授賞 https://www.youtube.com/watch?v=JjbckYVhOQ4

 「Le portrait https://www.youtube.com/watch?v=YspdPOIiDAI

 

・・ParisMatch誌の「Prix de la Nouvelle Scène 2014/2014年新人賞」ゲスト歌手Calra BruniからChristine and The Queensにト音記号を模したトロフィーが授与された。Christine and The Queensは「Fête」では「Saint Claude」を歌った。Christine and The Queensは2015年VdMでは女性歌手賞を受賞(№1408)

  授賞 https://www.youtube.com/watch?v=eQJQ459znrY

Saint Claudehttps://www.youtube.com/watch?v=KTbMr_d25u0

 

 この賞は2006年の第2回から授与されていて、今回の番組では歴代受賞者の受賞の模様が映像で紹介された。それらは2006年のRaphaëlから、Olivia RuizChristophe MaéJulien DoréThomas DutroncZazMickaël MiroJohn MamannMaître Gims(2013年第10回受賞者、授賞式に欠席、映像はない)。「いずれもその後めざましい活躍を続けており、この賞の権威を高めている」(Lumbroso

 



・今回の特別ゲストはMichel Delpech(1946-ACI)

Delpechパリ近郊Courbevoie生まれ、高校生の頃からバンドを作り歌っていた。65年の「Chez Laurette/ロレットの店で」(Delpech作詞、Roland Vincent作曲)が出世作。66年Jacques BrelOlympiaにおけるさよなら公演の際にはその第1部で歌った。68年には「Il y a des jours où on fait mieux de rester au lit/ベッドに止まっていた方がいい日もある」でACC大賞受賞。「Wight is Wight」(69年)、「Pour un flirt/青春に乾杯」(71年)、「La vie,la vie/美しい人生」(71年)、「Les divorcés/悲しみの別離」(73年)、「La maison est en ruine/哀しみの終わりに」(74年)、「Ce fou de Nicola/パリのロシア人」(74年)、「Le chasseur/狩人」(74年)、「Je l'attendais/愛の出会い」(74年)、「Quand j'étais chnteur/歌手だった頃」(75年)、「Le Loir-et-Cher/ロワール=エ=シェール県」」など1970年代にはヒットに次ぐヒットを出した。80年代に入り、鬱状態になり苦悩の時期を。83年に知り合った画家Geneviève Garnier-Fabreと85年に再婚、84年アルバム「Loin d'ici/ここから遠く」で復活。89年にはそれまでのヒット曲を集めたコンピレーションアルバムを80万枚以上売上げ。その後はアルバムを出し、コンサートも。06年にはデユオアルバム「Michel Delpeche &..」(自身の過去のヒット曲をFrancis CabrelAlain SouchonCaliJulien Clercなどとのデュオでカバー)。最新アルバムは09年の「Sexa/60歳代」。Delpechは13年3月から喉頭ガンのため活動を中止。その後回復してこの番組に出演。しかし、15年3月ガンが再発した由で再び治療に専念している。

・・番組ではまずDelpechがヒット曲を歌う場面、インタヴユーに答えている場面の映像がフラッシュで流された。歌っているのは「Pour un flirtLe Loir  et Cher→Le chasseur」→「Que Marianne était jolie/マリアンヌは何と綺麗だったこと」Quand j’étais chanteur

・・Lumbrosoとのインタヴユー

・・ClercDoreNoahが登場、Delpech最大のヒット曲「Chez Laurette」を歌った。

  https://www.youtube.com/watch?v=71tM2ZRA8qo

 

 

・この「Fête」の目玉は、恒例になった「思いがけないコンビによるデュオ」。次のような過去の伝説的なデュオが映像で流された。

・・2006年Georges Moustaki & Sandrine Kiberrlain:「Métèque/異国の人」(Moustakiのヒット)

  https://www.youtube.com/watch?v=xQZiSVMJJx8

・・2006年Zazie & Gerard Darmon :「Vieilles canailles/年老いた悪戯っ子」(Serge Gainsbourgのヒット)

  https://www.youtube.com/watch?v=vgDYdsmuY6U

・・2007年Françoise Hardy & Alain Souchon :「Solei/太陽」(Hardyのヒット)

  https://www.youtube.com/watch?v=J3RqrqdMVSk

・・2008年Jeanne Moreau &Patrick Bruel:「Le tourbillion/つむじ風」(Jeanne Moreauのヒット)

https://www.youtube.com/watch?v=loJ1EDi9QaI

・・2010年Calogero et Cœur de Pirate :「Les moulins de mon  cœur/わが心の風車」(Michel Legrandのヒット)

  https://www.youtube.com/watch?v=JlRwD9M5bjU

 

今回の「Fête」でも次のようなデュオが見られた

・・Adamo & Shy’m :「Je reviens te chercher/君を迎えに」(Gilbrert Bécaudのヒット)

  https://www.youtube.com/watch?v=EeKWjllUYxY

・・Daniel Guichard & M.Pokora :「Mon vieux/モン ヴユー」(Guichardのヒット)https://www.youtube.com/watch?v=AH9dlJroxr4

・・Dany Brillant & Isabelle Boulay :「Il suffirerait de presque rien/ほとんど何もなくても十分」(Serge Reggianiのヒット)

http://www.dailymotion.com/video/x2arovx_isabelle-boulay-et-dany-brillant-il-suffirait-de-presque-rien-fete-de-la-chanson-francaise-2

・・Carla Bruni &Calogero: 「Seras-tu là?/君はそこにいてくれるだろうか」(Michel Bergerのヒット)

  https://www.youtube.com/watch?v=w9CWUIAZWWw

・・Garou & Kenji Girac :「La bohème/ラ  ボエム」(Charles Aznavourのヒット)https://www.youtube.com/watch?v=Vqhldr3Egxs

 

・今回の「Fête」ではテーマにふさわしく、Chansons des guinguettes/ガンゲットのシャンソン」がメドレーで歌われた。guinguetteは19世紀半ばから20世紀の初めに掛けて、河畔、郊外の森などにあり、自然に囲まれた、主として野外の酒場、ダンスホール。特にパリ郊外Seine河畔、Marne河畔にあったものが有名。

歌われた曲は:「Le petit bal perdu/今はもうない小さなダンスホール」(原曲はBourvilなどが歌っている)→「La plus bath des javas/最高に素晴らしいジャヴァ」(Georgiusなど)→「Ah! Le petit vin blanc/ああ!白い葡萄酒」(Lina Margyなど)→「Quand on s’promène au bord de l’eau/水の畔を歩いてみると」(Jean Gabinなど)→「La valse à Dédé de Montmatre/モンマルトルのデデのワルツ」(Simone Langloisなど)→「Comme de bien entendu/当たり前さ」(Arlettyなど)→「Le petit bal perdu」。歌ったのは、歌った順にSanseverinoZazAdamoBrillant

https://www.youtube.com/watch?v=jFD1RO-Hzq0

 

・最近のヒットでは次のような曲が歌われた:

・・ZazParis sera toujours Paris変わらぬパリ」(Maurice Chevalierのヒット、Zaz2014年リリース、Parisを歌った名曲のカバーアルバム「Paris」に収録https://www.youtube.com/watch?v=GMO70DP1I7M

・・M.PokoraOn danse/人は踊る」(15年2月リリースのアルバム「R.E.D」に収録、14年10月先行シングルでリリース)

 https://www.youtube.com/watch?v=CWjL68quhOA

・・Carla BruniLittle French Song」(13年4月リリースのアルバム「Little French Song」に収録)

 https://www.youtube.com/watch?v=96bRWUga3B8

・・Dany BrillantDonne-moi/僕に下さい」(14年10月リリースのアルバム「Le dernier romantique/最後のロマンティスト」に収録)https://www.youtube.com/watch?v=Tt3I7AXEpUg

・・Patrick BruelJ’aurais chanté peut-être/多分僕は歌っただろう」(12年リリースのアルバム「Lequel de nous/我々のうちどちらが」に収録)  https://www.youtube.com/watch?v=11Q-hJ0rqEw

 
No.1411     №1411   2015.3.22

レ ザンフォワレLes Enfoirés、2015年公演の模様TVTF1で放送                 



レ ザンフォワレLes Enfoirésの2015年公演は2015年1月Montpellierで行われ、その模様が3月13日(金)、TVTF1で放送された。 Les Enfoirés
の公演は、困窮している人々に食事を提供する目的で喜劇俳優Coluche(1944-86)が創設した「Resto du Cœur/心のレストラン」の資金集めのために行われるもので、単なるコンサートではなく、出演者が寸劇を演じ、また、仮装して歌うなど一大音楽スペクタクル。 Coluche、あるいはColuche没後中心的に活動しているJean-Jacques Goldman(第1回から全回出演)の要請に応じ毎年多くのアーティストが参集する(89年以降都合約200人が出演)。ただし当初は出演を拒否するアーティストが多く、Colucheは出演してくれるアーティストを、親しみを込めて「Les enfoirés/馬鹿な連中」と呼んでいた。第1回は1986年(Yves Montandら出演者5人)、第2回は89年(Johnny HallydayEddy Mitchellronique SansonMichel Sardouら出演者6人)、第3回(出演者12人)の92年からは毎年行われている。98年からTVで放送されていて、「国民的行事」と言われるほど多くの視聴者を集め、視聴率は多くの場合50%以上。

2015年公演は1月21日から26日まで「Sur la route des Restos/(心の)レストランの道程で」のタイトルでMontpellierPark & Suites Arena行われた。この間1回4時間、全7回の公演に85000人の観客が集まった。

公演の模様は3月13日21:00から3時間TF1で放送された。この番組の視聴者は1080万人、視聴率は47.6%で2000年以降では最低との報道もあった。しかし、全TV局を通じて今年も最も視聴率の高い番組ではあった。

今回も35人の歌手、ユーモリスト、俳優などが出演。今回はユーモリストNicolas Canteloupのシナリオライター2人がスケッチの脚本を書いたこともあり、今までに比較しお笑いの場面が多くなったよう。

主な出演者は次の通り、Jean-Louis Aubert Bénabar Amel Bent Dany Boon Patrick Bruel Nicolas Canteloup Julien Clerc Corneille Patrick Fiori Liane Foly Jean-Jacques Goldman Grégoire Jenifer Michael Jones Gérard Jugnot Claire Keim Lââm Michèle Laroque Maxime Le Forestier Lorie Mimie Mathy Jean-Baptiste Maunier Kad Merad Emmanuel Moire Pascal Obispo Pierre Palmade M Pokora Hélène Ségara MC Solaar Natasha St-Pier Tal Christophe Willem Michaël Youn ZazZazie

今回のテーマソング「Toute la vie一生涯」Goldman作詞・作曲は物議を醸した。この曲のシングルは2015年1月12日にリリースされ、clipYoutubeで2月末に視聴可能になった。clipではLes Enfoirésは「年長者グループ」(1949年生まれのMaxime Le Forestierから1989年生まれのTalまで)として「若者たちのグループ」(無名の歌手)と相対する格好を取っている。「失業に、暴力に、エイズに直面し」自分たちの未来に不安を感じている若者たちに対して、「すべて、平和も、自由も、仕事も得ていた」(と若者たちが歌っている)年長者は若者たちの不安を理解せずに「我々はそれらを得るのに努力した、盗んだのではない。君たちの生涯はこれから。君たちの番、さあ行け、行動をおこせ」と歌っている。このclipを見た視聴者がネット上に、この曲は「réac/反動的」、「un délire de riches/金持ちの妄想」、「anti-jeunes/反若者的」と批判したことに端を発した。そして政治家や、歌手からも同様の批判が。その後、3月8日付「Le Parisien-Dimanche」紙によるアンケートの結果、回答者の84%はこの歌詞にショックを感じていないとしていることなどもあり、事態は沈静化に。歌詞は至極まっとうだがclipがいかにも両者を対立するものとして表現していることが必ずしも適切ではなかったという評価が妥当なところか。

Toute la vieclip: https://www.youtube.com/watch?v=h4Et6pPUT5w

 

TV放送された映像は1月25日及び26日に撮影されたもので、公演によって出演者が変更することもあるよう。

Ouverture(オープニング)に歌われたのはJe t’aimais,je t’aime,je t’aimerai君を愛していた、愛している、愛するだろう」。この曲はFrancis Cabrel作詞・作曲、Cabrelの1994年リリースのアルバムで400万枚以上売り上げたと言われている「Samdi soir sur la Terre」に収められている。

Ouverture: https://www.youtube.com/watch?v=wlxYSQAvn1c

 

今回の公演では日の週刊誌「Charlie Hebdo」襲撃事件の犠牲者を悼み「Et si en plus y a personne/そして、もし誰もいなくなったら」を出演者のほぼ全員が歌った。この曲はAlain Souchon 作詞 Laurent Voulzy作曲で、2005Souchonのアルバム「La vie Théodore/テオドールの生涯」に収められている。201511日のCharlie Hebdo支援コンサートではSouchon自身が歌っている。

Et si en plus y a personne: https://www.youtube.com/watch?v=NszaIyk7Zi8

出演者の右から番目がJean-Jacques Goldman

 

Finalフィナーレは例によって主演者及びヴォランティアによるResto du  Cœurのテーマソング「La chanson  des estos/(心のレストランの歌」

Final: https://www.youtube.com/watch?v=1N9SpLbHLBo

 

 

今回の公演で、グループで歌われた曲には次のようなものが

Dernière danse/最後のダンス」(原曲はIndilaIndilaclipを模倣している箇所も見られる、最後「Je m’envole,vole,vole・・/私は飛び立つ、飛ぶ、飛ぶ・・」で宙づりになるのはSt.Pier) https://www.youtube.com/watch?v=uY_fpyUbwZ8

 

L’amour existe encore/まだ愛がある(原曲はCéline Dion、歌っているのは、最後の挨拶で左からBruel &JeniferTal &Willem KeimObispoSt.Pier & Fiori https://www.youtube.com/watch?v=DdMmFy5xQXw

 

Le soldat/兵士原曲はFlorent Pagny、歌っているのは順に Moire & BentGoldman & JeniferFiori & Ségara

https://www.youtube.com/watch?v=WOiEmVl96vg

 

Le passé/過去原曲はTal 歌っているのは順に JeniferFioriMaunierLorieMerad

https://www.youtube.com/watch?v=ZHJ9L1VJI64

 

 

舞台転換の準備の間にソロで歌われた曲には次のようなものが

ObispoAllumer le feu/火を付けろ」 https://www.youtube.com/watch?v=sG9GBWjVbuc

SégaraIl y a trop de gens qui t’aiment/あなたを好きな人は大勢」 https://www.youtube.com/watch?v=rmMqsCC5KnQ

ZazSous le ciel de Paris/パリの空の下」 https://www.youtube.com/watch?v=1GvJKa60uZ0

 

また、次のようなスケッチがhttps://www.youtube.com/watch?v=SA-xBplHDgo

ここでは今回23回目の出演のBruelが、出演4回目のPokoraと2回目のMoireに、「bizutage/新入歓迎の手荒い儀式」のために鳥の格好をさせられているという設定か。

 

今年の公演のCD及びDVDは例年通りこの放送の翌日3月14日から販売される。CDあるいはDVD1枚で17食の食事を提供できる由。

 No.1410     №1410    2015.3.15

最近の新譜情報をお届けいたします

Frédéric François 
Véronique Sanson 
MPokora 
Luce
                                 

 



・フレデリック・フランソワFrédéric François
、が1月26日にリリースしたコンピレーションアルバムは「Fidèle/僕は誠実」。 

Frédéric François
本名Francesco Barracato、は1950年イタリア、シシリー島のLercara Friddi生まれの歌手、作曲家。シシリー人の中で最もフランス人的(あるいはその逆)と言われている。炭坑夫になった父についてベルギーに移住、現在も居住。66年Conservatoire de Liegeを卒業。ベルギーChâteletの音楽コンクールで優勝し、その賞として16歳で最初のレコードを出す。70年代初めに当時のラジオ局ユーロップ1の音楽デイレクター Lucien Morisseの目に止まり、アイドル歌手としてデビュー。ステージ名はポーランド出身の作曲家・ピアニストのFrédéric François Chopin(1810-1849)から。Françoisは作曲も行い、歌っている曲のほとんどは自ら作曲。デビュー当時のヒット曲としては71年に13週間ヒットチャートのトップを占めた「Je n'ai jamais aimé comme je t'aime/いま君を愛しているほど人を愛したことはない」、50万枚以上売り上げた72年の「Je voudrais dormir près de toi/君の側で眠りたい」、73年の「Laisse-moi vivre ma vie/僕の人生を生きさせて」は100万枚以上など。1970年代後半デイスコ音楽最盛期には突如として人々に忘れられたことも。「再び日の目を見る日が来ることを信じて準備を怠らなかった。しかし、苦しい日々だった。」数年間の砂漠の日々を過ごした後、83年「Adios Amor」でカムバック。84年Olympiaに初出演。85年の「Mon cœur te dit je t'aime/僕の心がジュ テームと言っている」、92年の「Je me battrai pour elle/彼女のために戦うだろう」などがヒット。2000年代に入ってからも定期的にアルバムをリリース、最近では12年には「L’intégrale/全集」(1993年-2012年の間の8枚のCDの箱入りに、94曲収録)、2013年「Amor latino」、2014年「La magie de Noël/クリスマスの魔法」(「Petit Papa Noeé/プティ パパ ノエル」、「Mon beau sapin/もみの木」、「Noël blanc/ホワイト クリスマス」などクリスマスの曲20曲を収録)を出している。毎年フランス国内外で数多くのコンサートを開いていて、350曲以上を4カ国語で歌っていると言われている。ファンは18歳の女の子からその母親まで圧倒的に女性、「毎日の生活は苦しく、灰色であるかもしれないが、僕は幸せを与えたい。ロマンテイスムという薬を提供して」。  

今回のアルバムは2月14日のSt.Valentinを前にFrançoisのロマンティックなレパートリーの中でも特にロマンティックな曲21曲を収めている。それらは:「Fidèle」、「Si l’on parlait d’amour/愛について話そう」、「Je n'ai jamais aimé comme je t'aime」、「Quand vient le soir on se retrouve/夜が来ると人々は再会する」、「Mon cœur te dit je t'aime」、「Amour latino」、「Je t’aime à l’italienne/君をイタリア風に愛す」、「Jalousie/嫉妬」、「Ma vie c’est toi/僕の人生、それは君」、「Tu sais bien que je t’appartiens/君は僕が君のものだと分かっている」など。

Je t’aime à l’italiennehttps://www.youtube.com/watch?v=h2T6O-BRcro

・・僕は君をイタリア風に愛す、僕の心の奥にあるシャンソン、それは君もよく知っている、僕たちは似たような人生を送ってきたのだから、僕はイタリアの火山より激しく君を愛している・・

FidçleFrançoisの娘Vicoria Barracato1990-の演出によるcliphttps://www.youtube.com/watch?v=185ItC_Skwg

・・長い人生の間に、舞台装置を、ベッドを、友人を、あるいは身体までも変えることが出来る。しかし、僕は彼女に対して常に誠実、彼女の虹のような瞳に誠実、僕は彼女に夢中、ずっと夢中。なぜなら愛は永遠なものだし、彼女のいない人生なんて考えられないから・・

 



・ヴェロニク・サンソンVéronique Sansonが2月2日にリリースしたアルバムは「Les années americaines/アメリカの年月」。

Sanson
は1
949年Paris郊外Boulogne-Billancourt生まれのACI、ピアノの弾き語り。66年夏姉のViolaine、友人のFrançois Bernheim(後にKaasなどの作曲者)とともにグループ「Les Roche Martin/レ ロッシュ マルタン」を結成。67年4月24日Pathé-Marconiからレコード「Les Roche Martin」を出す。ソロで出発する前の68年にはPathé社付きの作曲家として歌手に曲を提供。ACIとして69年最初のレコード「Le printemps est là/春がそこに」を出す。当時は数百枚売れた程度だったが、専門家は彼女に興味。72年3月、公私ともにパートナーだったMichel Bergerのプロデユースでファーストアルバム「Véronique Sanson」をリリース。「Amoreuse/恋する女」、「Besoin de personne/誰も必要としない」などを収録したこのLPは20万枚以上売り上げのヒット。73年Bergerと別れ、アメリカ人ミュージシャンStephan Stillsと渡米し、73年3月14日結婚(79年離婚)。74年長男Christopher誕生。83年フランスに戻る。74年10月Paris OlympiaVedetteとして初出演している。 アメリカ滞在中にはアルバム「Le Maudit/呪われた人」、「Vancouver/ヴァンクーヴァー」、「Hallywood」などをリリース。帰仏後も、85年「Véronique Sanson」、88年「Moi le venin/私、憎悪」、92年「Sansr egrets/後悔なし」、98年「Indestructible/破壊できない」、99年「D'un papillon aune étoile/一匹の蝶から一つの星へ」(Bergerの曲を歌っているアルバム)、2004年「Longue Distance/長い距離」とアルバムをリリース。最新のアルバムは10年10月リリースの「Plusieurs lunes/いくつもの月」。また、08年には全集「Et voilaIntégrale 1967-2007」(CD22枚420曲収録、DVD4枚、全歌詞収録したブクレット付き)がリリースされている。Sansonは1991年1991年SACEMGrand Prix受賞を受賞。VdMでは1993年及び98年女性歌手賞、2013年特別賞を受賞している。

Besoin de personnehttps://www.youtube.com/watch?v=ADTBjhj4lKw

 ・・私は誰もいらない、例えその人が愛を見つけるのを助けてくれるとしても。私は誰もいらない、自分の生き方を決めるときに。私は誰もいらない、人生を選ぶときに。私は誰もいらない、彼が私を見捨てたとき一緒に泣くために・・

 

Les années americaines」にはアメリカ滞在時にリリースされたアルバムから16曲が収録されている。それらは:「Féminin/女性の」、「L’amour est différent/愛は様々」、「Si je danse pour toi/もし私があなたのために踊ったら」、「Ma réverence/私の挨拶」「Vancouver」、「Etrange comédie/奇妙な芝居」、「Alia Souza/アリア・スーザ」、「Véronique」、「On m’attend là-bas/誰かがあちらで私を待っている」、「Monsieur Dupont}、「Doux dehors,fou dedans/外では穏和、内では狂気」など。

Sanson2015日から13日まで(8日休演に出演。日前座で歌ったのは息子のChristopher Stills。黒い革のパンタロン、大きな総の着いたヴェストで登場したSansonはまず控えめに「Vancouver」を歌った。その後はピアノの弾き語り(これが一番多かったよう)、ギターの弾き語りあるいはステージを動き回りながら。「今夜は最近あまり歌っていない曲を選びました。皆さんがそれらを今でも覚えていてくれるかどうか知りたくて」と語っていたが観客の多くはそれらをよく知っていてSansonと共に声を出したり、手拍子を打ったり。1時間余りのコンサートで歌ったのは、「Féminin」、「Alia Souza」、「Je suis seule/私は一人」、「On m’attends là-bas」、「Le Maudit」など。アンコールでは「Amoureuse」、「Ma réverence」を。

Ma réverence https://www.youtube.com/watch?v=dmFNsMLKIIw

・・勇気を見つける時間がなくなったとき、20年掛けてすべてが蜃気楼だと解ったとき、息子が大きくなり、私を必要としなくなったとき、私を愛してくれた人たちが私から遠く離れてしまったとき、私は別れを告げる、そして私の人生もゆっくりと眠りにつく、私は心の奥に聞く、小さな声が轟く、私は世界でたった一人だと・・

Sansonはその後国内、ベルギー、スイスを回る「Les années americaines」ツアー、4月6、7日Paris Olympia追加公演、7月12日にhttps://www.youtube.com/watch?v=dmFNsMLKIIwFrancofories de la Rochelleに出演。

 

 



・エム・ポコラM.Pokora
が2月2日にリリースしたアルバムは「R.E.D.」。

MPokoraあるいはMatt Pokora、本名Mattthieu Totaは1985年Alsace地方、Strasbourg生まれのACI。2003年TVM6スター誕生番組Popstars出演の際他の2人の出演者とR&BグループLinkupを組み優勝。グループとしてアルバム「Mon étoile/僕の星」を出している。04年グループは解散し、ソロ活動。04年ソロのファーストアルバム「MPokora」をリリース。その後06年「Player」、08年「MP3」(「M.Pokora album №3」で、14曲の内「Tokyo Girl」を含む12曲は英語で歌われていて、フランス以外に日本を含む27カ国でリリースされた)、10年「Mise à jour/改訂」、12年「A la poursuite du bonheur/幸せの追求」と定期的にアルバムをリリーしている。また12年の「Generation Goldman」にはTalとのデュオによる「Envole-moi/僕を飛び立たせて」で参加し、13年9月からParis Palais des Congrèsで上演されたミュージカル「Robin des Bois/ロビン・フッド」では、主役のRobin des Boisを演じている。Pokoraは音楽専門のラジオ局NRJが授与するNRJ音楽賞の受賞者の常連で、男性歌手賞を07、11、12、15年に受賞、シャンソン賞を06年「Elle me contrôle/彼女は僕を支配する」(アルバム「M.Pokora」に収録)で、11年「Juste une photo de toi/たった1枚の君の写真」(アルバム「Mise a jour」に収録)で、12年「A nos actes manqués/我々の失敗に」(Jean-Jacques Goldman1991年のヒット曲のカバーで、アルバム「Mise à jour」のニューエディッション版に収録)で受賞しているほか「年間クリップ賞」など現在までに都合11の賞を受賞している。PokpraはまたTVTF1の2011年「Danse avec les stars/スターと踊る」コンテストで優勝した優れたダンサー。

Juste une photo de toicliphttps://www.youtube.com/watch?v=lcSakE8U6lk

・・君が昔僕に「末永く一緒に暮らそう」と言ってくれたことを思い出してくれたら。音楽は止まり、幕は下ろされた、明かりが消えて、僕はもう微笑むことはない。いま、僕に残っているのは、君が僕に残してくれたのは、ただ1枚の君の写真・・

 

6枚目となる今回のアルバム「RE.D.」(「Rythmes Extremement Dangereux/極めて危険なリズム」)には5つ☆を与えている評価もあり、リリースの週アルバムチャートの1位、「このアルバムによりPokoraの希望であるStade de France公演への道が開かれることはqui sait?/あり得ないことではない」。アルバムには「Avant nous/僕たちの前に」、「Mieux que nous/私たちより幸せに」(Sopranoとのデュオ)、「Go mama」、「Je le fais quand même/それでも僕はそうする」、「On danse/人は踊る」、「Cœur voyageur/旅人の心」(Miosecのプロデュース)などが収められている。

Pokoraは1月29日デビュー10周年を記念し、シンフォニックオーケストラ交響楽団をバックにしたコンサートをパリ、Théâtre du Châteletで行った。その模様は2月24日TVNT1で放送された。

Mieux que nousThéâtre du Châtelethttps://www.youtube.com/watch?v=Kll3kGHDvnI

・・ママは一人で歌っている、一人でワルツを踊っている、パパは違った人生を歩みたいと出ていった、ママは少しずつ自分の巣を作った。・・パパは一人で歌っている、一人でタンゴを踊っている、ママは違った人生を歩みたいと出ていった、パパは少しずつ自分の巣を作った。そして僕は1週間置きにママかパパと一緒に歌う。僕はワルツとタンゴの間で自分のリズムを探す。僕は「それが人生だ」という言葉を理解しようとする。二人は諍いをしているけれど僕は二人が好きだ。二人とも僕の幸福を願っている。二人は言う「私たちより幸せになって」・・

 

Pokoraは今後40回以上のコンサートを予定、6月12、13、14日Paris Zenith、12月11日Paris Bercyに出演。

 

 



Luce
が2月23日にリリースしたアルバムは「Chaud/熱い」。

Luce
本名Luce Brunetは1990年南仏Perpignon近郊生まれ、歌手、作詞もする。マルセイユの看護学校生徒で、演劇をやりたかったLuceは「演劇関係者に注目されたくて」2010年TVM6のスター誕生番組「Nouvelle Star」の第8シーズンに出場。それまでsalle de bain/浴室で歌うぐらいで、人前で歌ったことがなかったが、10週間に及ぶコンクールでDalidaの「Gigi,lamoroso/愛するジジ」、Edith Piafの「La vie en rose/バラ色の人生」、Jacques Brelの「Ne me quitte pas/行かないで」などを歌い優勝。第4シーズン優勝のChristophe Willem(№1407)、第5シーズン優勝のJulien Doré(№1408)らの仲間入りをした。コンクールの間Luceは、声ばかりでなく、その容姿、色彩鮮やかな奇抜な衣裳、ひげを描いて登場するなどのキャラクター、「1曲歌う間数10秒は芝居をやってみたかった」というパフォーマンスは審査員ばかりでなく視聴者をも引きつけた。

 「Nouvelle Star」でのパフォーマンス https://www.youtube.com/watch?v=aY4tPccTxI8

審査員このシーズンは、左からPhilippe ManoeuvreAndré ManoukianLioMarco Princeの発言はいずれもLuceを高く評価している。

 

その後、歌を習うことはせず、自分自身の天性のセンスを大切にして、優勝から1年をかけMathieu BoogaertsPhilippe KaterineOrelsanなどの協力を得て、11年6月、15曲を収録したファーストアルバム「Premiere Phalange/最初の指骨」をリリース。詩はユーモアの溢れ、しばしば辛辣で、パフォーマンス同様大胆。同年11月にはParis Trianonに出演している。

Eté noir暗い夏」(2011.6.20 TV France 3 Chabada出演時) https://www.youtube.com/watch?v=io4NcJ1esoI

・・私は飲み過ぎた、あなたを待って、あなたと愛を語ったこのバーのカウンターで。あなたのことを話しても誰も聞いてくれない、泣きたくなってきた、この耐え難い夏、私は私の心を破壊してしまうような嵐を待っている・・私に会いに戻ってきて、あなたがいなければ私は火あぶりにあったよう、あなたに誓う、もう飲まないって、赤ちゃんのようになるって・・

 

ファーストアルバムから4年、今回のアルバムは全面的にMathiue Boogaerts(1970 Paris郊外-ACI)の協力を得ている。Boogaertsはファーストアルバムでも協力しているが、「前回は7曲提案し、2曲しか採用されなかったのでフラストレーションを感じた。今回曲の提供を求められたとき、収録全曲を任せてくれるならと引き受けた。我々の間には相違点が多い。僕は中年、彼女は若い。僕は都会育ち、彼女は田舎育ち、僕は多くの旅をした、彼女は出嫌い。しかし我々は理解し得るだろうと思った。二人に共通しているユーモアのセンスで」。アルバムには作詞はLuceとの共作もあるが、主としてBoogaertsが行い、作曲はBoogaertsが行った12曲がおさめられている。またこの4年間にLuceも変わった。「一風変わったLuceから、一人前の女性Luce」に、そして丸みのある体型も。「『Nouvelle Star』の映像を見て、やはり太っているなあと感じた。実家で繭の中で暮らしていたような環境から離れ、食べるのも少なめにして、運動をした。私は今、身体の面でも、音楽の面でも、洗練されたと思う」。正に、「La chrysalide est enfin devenue papillon/ついにさなぎが蝶になった」。12曲は「Quitte pas/行かないで」、「Polka/ポルカ」、「M’attends pas/私を待たないで」、「Chat doux/優しい猫」、「Ton crane/あなたの頭」、「Sable/砂」、「Le feu au cul/尻に火がつく」など。

Polka」(Clip) https://www.youtube.com/watch?v=twJ8R-6MANs

・・私はポルカを踊りたい、あなたの腕の中で、今すぐに、酔って。ステップを知らないし、リズムに付いていけないけれど。あなたと一緒なら何でも踊れる・・

 

Luceは3月16~23日ParisLa Nouvelle Eve(25、rue Pierre Fontaine 9区 )にBoogaertsと出演。

 No.1409
 

No.1409    2015.3.11

歌手当てクイズ(その3)                                    

ラジオ局RTLで放送されたクイズ番組を10回のシリーズでお届けします(不定期

 

ラジオ局RTLで放送されたクイズ番組を10回のシリーズでお届けします(不定期)

 

 次の3つの単語がキーワードになる歌手は誰でしょう?

 

(問11) Dalton/ダルトン」、「Colline/丘」、「Indien/インディアン

(問12) 「Cactus/サボテン」、「Thomas/トマ」、「Lunettes/めがね

(問13) 「Italie/イタリア」、「Yolanda/ヨランダ」、「Orlando/オルランド」

(問14) 「Adieu/さよなら」、「Bocelli/ボチェリ」、「Notre-Dame/ノートル・ダム」

(問15) 「Brest/ブレスト」、「Casser/壊わす」、「Voulzy/ヴルジー」

 

解答




(答11)ジョー:ダッサンJoe Dassin(1938-1980 歌手、作曲家)



解説:

Dalton」・・Joe DassinはアメリカNY生まれ。父、映画監督Jules Dassinが「マカーシーのレッドリスト」に載ったため一家でフランスに。Bac取得後渡米、Michigan大学で民俗学を学ぶ。博士号を取得後帰仏し1964年から歌手活動。1966年から、ヴァカンスで滞在中のタヒチで急死する1980年までほとんど毎年アルバムをリリース、15年間の活動で280曲以上を録音、3500万枚以上のレコードを売り上げたと言われている。エレガントな振る舞い、情熱的な声で人気があった。1967年5月にSPでリリースした「Les Dalton/ダルトン一家」(JeanMichel Rivat作詞、Dassin作曲)は、その夏のヒットになり、Dassinの最初のヒット。この曲をDassinHenri Salvadorに提供しようと考えていたが、マネージャーだったJacques Plaitのたっての勧めで自ら歌い、録音。またDassin自身は同時に録音した「Viens voir le loup/狼を見に来い」をA面にと思っていたが、これもPlaitの勧めに従い「Les Dalton」がA面に。

Colline」・・「Siffler sur la colline/丘の上で口笛を」は1968年のヒット。Dassinは68年年初プロモーションのため行ったイタリア旅行の際、イタリアでのヒット数曲を持ち帰った。そのうちの1曲Ricardo del Turcoの「Uno tarnquillo」をJ.M.Rivatらが翻案したもの。この曲をA面に、B面に「Comment te dire/君にどう言おう」を収めたSPは、いわゆる「5月革命」の時期であったが、フランスで50万枚以上売り上げの大ヒットで、Dassinの人気歌手としての地位を確実なものに。

Indien」・・1975年のヒット「L’ete indien/インディアン・サマー」。原曲はAlbatrosの「Africa」。Albatrosはイタリア人歌手・作曲者Toto Cutugnoが1975年に結成したグループ。CutugnoDassinの「Et si tu n’exsistait pas/もし君がいなければ」などの作曲者。これをPierre DelanoeClaude Lemersleが翻案、アレンジはJohnny ArtheyDelanoeは「Deauvilleの温泉にいた。ぐったりするような暑さ。アメリカ人は晩秋のそんな暑さを『インディアン・サマー/L’ete indien』と呼んでいたことを思い出した。この言葉が気に入った」。そしてDelanoeLemersleは最初この曲をClaude Francoisに勧めた。Francoisは歌うことに同意したが、歌詞を受け取りに来なかった。そこで2人はDassinの許へ。Dassinの「L’ete indien」は70年代を代表する曲になった。Dassinはこの曲を英語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語でも録音、レコードは25カ国でリリースされた。

L’ete indien(1975.6.7)https://www.youtube.com/watch?v=589e0KAmM1U

 

 

(答12)ジャック・デュトロンJacques Dutronc(1943- ACI

  

解説

  「Cactus」・・「Les cactus」はDutroncの初期のヒット。Dutroncはパリ9区生まれ、1960年代初めに友人とロックバンドを結成しギタリストに。兵役終了後Vogue社のアートディレクターになりFrancoise Hardyを担当、いくつかの曲を作曲。1966年作詞家のJacques Lanzmannに自分が作詞した曲を歌ってくれる歌手を探すように依頼されたが、適当な者がいないため自ら歌うように。そしてLanzmann作詞、Dutronc作曲・歌のコンビで数々のヒット曲を生んだ。「Les cactus」(LanzmannDutonc)は66年10月にリリースされたDutroncのファーストアルバム「Jacques Dutronc」に収められている。アルバムには他に「Et moi,et moi,et moi/そして僕、僕、僕」(LanzmannDutronc)、「Les play-boys(dito)、「La fille du Pere Noel/サンタクロースの娘」(dito)などが収められていて100万枚以上の売り上げ。

  「Thomas」・・Thomas Dutroncは1973年生まれの長男。母親は1967年からの伴侶で、81年に結婚したFrancoise HardyThomasはパリ生まれ、ACI、ギタリスト。07年ファーストアルバム「Comme un manouche sans guitar/ギターを持たないマヌーシュのよう」をリリース。そこの収められていた同タイトルの曲でVdM「オリジナルシャンソン賞」を受賞。

  「Lunettes」・・「L’homme au cigare et aux lunettes noires/葉巻とサングラスの男」と言われ、この二つはDutroncのトレードマーク

  「Cactus」(1967.11.16)https://www.youtube.com/watch?v=4TlKA4vqAuo

 

15)ダリダDalida(1933-1978 歌手、俳優



解説:

Italie」・・Dalidaは1933年エジプト、カイロChoubrah街生まれ、両親はCalabre出身のイタリア人で20世紀の初めエジプトに移住。父のPietroはカイロオペラ座の第一ヴァイオリン奏者。3歳年長の兄(Orlando)と弟(Bruno)。

 「Yolanda」・・Dalidaの本名はYolanda (イタリア語ではIolandaと綴るよう) Cristina Gigliottiヨランダ・クリスティーナ・ジリオッティ。1954年ミス・エジプトに選ばれ、Dalilaの芸名で3本の映画に出演。この芸名は学生時代に「Samson et Dalila/サムソンとデリラ」でDalila役を演じたことから思いついたと言われている。3本のうち「La masque de Toutankamon/ツタンカーメンのマスク」の監督Marc de Gastyneに勧められ、またパリまでの往復航空券を提供されて、54年12月Parisに。パリ到着後YolandaChamps-Elyseesに近いパリ8区のアパートの最上階、いわゆる女中部屋に住んだ。同じ階にはインドシナ戦争から帰還し、俳優を目指していたAlain Delon(1935-)が住んでいた。二人が「Paroles・・Paroles」をデュオで歌うのはそれから20年後の1973年。DalidaRoland Bergerの歌のレッスンを受け、その勧めで55年9月キャバレ「Drap d’Or」(Paris 8区)のオーディションを受け合格、Dalilaの名で歌手デビュー。次いで凱旋門に近くにありAznavourGrecoも出演していた「Villa d’Este」で歌うように。そこで、作家で脚本家でもあったAlbert Machardが「その芸名では常にSamsonとの対比で話題になってしまう。Dieu/神のDにしたらどうか」と言われDalidaに。

Orlando」・・Dalidaの弟のBruno Gigliottiは1936年カイロ生まれ。夭逝した兄の名、Orlandoを芸名に1966年に歌手としてデビュー。その後もOrlandoの名で活動。70年代からはDalidaのプロデューサーを務め、Dalidaの没後はその名声の維持のために活動している。90年代末から2013年までHelene Segaraのプロデューサー。

Paroles・・Paroles」 https://www.youtube.com/watch?v=F-Y3DsLBjZI

 

 

(答14)エレーヌ・セガラHelene Segara(1971- 歌手)



解説:

Adieu」・・Helene Segaraが実質的なデビュー曲「Je vous aime adieu/あなたを愛している、さようなら」をシングルリリースしたのは1996年4月22日。Segara1971年南仏Varヴァール県Six-Fours-les Plages生まれの歌手、作詞、作曲も行う。16歳から生活のためCote d'Azurのバーで歌い始める。1200曲以上歌えたという。90年18歳で長男誕生。93年最初のシングル「Loin/遠くに」を出す。これは成功作とは言えなかったが、TV初出演の機会になった。95年Dalidaの弟でプロデユーサーのOrlandoと知り合う。96年パリに。Orlandoを通じて優秀な作詩家、作曲家と知り合う。「Je vous aime adieu」はSegara自身とChristian Vieの詩にThierry Geoffroyらが曲を付けたもので、97年SACEMPrix Rolf Marbot今年のシャンソン賞を受賞。

Bocelli」・・Segaraは1996年11月22日ファーストアルバム「Coeur de verre/ガラスのハート」をリリース。これには「Coeur de verre」、「Je vous aime adieu」、「Les vallees d’Irlande/アイルランドの山間」、「Vivo per leiJe vis pour elle/彼女のために生きる」、「Oublie-moi/私を忘れて」など16曲が収録されていた。このうち「Vivo per leiJe vis pour elle」はイタリアのテノール歌手Andrea Bocelli(1958-)とデュオで歌ったもので、録音は個別に行われた。これは97年12月1日にシングルカットされ、100万枚以上売り上げといわれる大ヒットに。

Notre-Dame」・・1998年9月からParisPalais des Congresで上演されたミュージカル「Notre-Dame de Paris」にEsmeralda役で出演した。Segaraは97年のオーディションでは不合格。Esmeralda役に決まっていたイスラエル出身のNoaが長期の出演は無理だと本番前に降板、その代わりとして選ばれた。「運命が2度ドアを叩いたら、絶対に逃さないようにしなくては」。SegaraGarouQuasimodo役)、Daniel LavoieFrollo役)、Patrick FioriPhoebus役)らと共演、その歌唱力、演技力は大好評で、一躍人気スターに。Segaraは1999年ファーストアルバム「Coeur de verre」のニューエディッションをリリース、ミュージカルの中で歌った「Vivre/生きること」(Luc Plamondon作詞、Richard Cocciante作曲)を追加収録している。

Je vous aime adieu1996 https://www.youtube.com/watch?v=JxfLFnBunVA

 

 

(答15)ノルウェン・ルロワNolwenn Leroy(1982- 歌手、作詞・作曲も行う)




解説:

Brest」・・Nolwenn Leroy、本名Nolwenn Le MagueresseBretagne地方FinistereBrestに近接したSaint-Renan生まれ。両親の離婚後母親とVichy近郊に住み、ヴァイオリン、ソルフェージュを習い、コーラスで歌う。13歳でコンクールに優勝しアフリカのMaliで10日間過ごす。98年にはRotary Clubの交換留学生として1年間アメリカのオハイオ州に。帰国後はClermon-Ferrandで外交官を目指して勉強。たまたまTVTF1のスター誕生番組「Star Academy」を見て、歌唱のコーチ役をやっていたArmande Altaiに憧れ、その指導を受けるためにパリに。6ヶ月指導を受けた後「Star Academy」の第2シーズン(2002年)に応募、2002年12月Houcineを破って優勝。 Leroyは2010年12月、4枚目のアルバム「Bretonne/ブルターニュ女性」をリリース。そこにはブルターニュ地方の伝統的な曲「Tri Martlond/3人の水夫」、「La jument de Michao/ミチャオの雌馬」などの他、1964年のChristophe Miossec(1964年Brest生まれのACI)の曲「Brest」(作詞・作曲Miossec)をカバーして収録している。アルバムは120万枚以上売り上げたと言われている大ヒットに。Leroyはコンサート、TV出演の際などには「Brest」を度々Miossecとのデュオで歌っている。

Casser」・・「Casse/壊された」(Lionel Florence作詞、Francis Maggiulli作曲)は2003年3月にリリースされたLeroyのファーストアルバム「Nolwenn」に収録された曲。アルバムにはPascal ObispoLara Fabianの協力を得た12曲が収められていて、60万枚以上売り上げたと言われている。「Casse」をアルバムのリリースから少し遅れてシングルカットされリリース、こちらも30万枚以上の売り上げと言われ、この年の代表する曲になった。Leroyは04年にはNRJフランス語部門の新人歌手賞を受賞。

Voulzy」・・Laurent Voulzy(1948-ACI)はLeroyが2005年12月にリリースしたセカンドアルバム「Histoires naturelles/博物学」のプロデューサーの一人。アルバムは40万枚以上の売り上げるヒットで、Leroyの人気歌手としての地位を決定的なものにした。Voulzyはアルバム収められ、いずれもシングルカットされた「Nolwenn Ohwo!」(作詞はAlain Souchon)、「J’aimais tant l’aimer」(同)などの作曲をしている。

Brest」2011.3.8. Miossecと https://www.youtube.com/watch?v=PVTuDAEi5qw

 No.1408    

№1408      2015.2.25


2015
Victoires de la musique 
                                            

2015年Victoires de la musiqueVdM)の授賞式は2月13日Paris ZénithVirginie Guihaumeの司会で行われた。VdMは前年にフランス国内でリリースされたアルバム・楽曲、活躍したアーティスト等を対象に「victoire/勝利のトロフィー」を授与するもの。映画のCésar賞、演劇のMolières賞に匹敵する賞を音楽の部門にも設けたいと考えた当時の文化大臣Jack Langの肝いりで、1985年に始まり、今回で30回目を迎える。

 

受賞者は次の通り

・男性歌手賞・・Julien Doré   他の候補者:CalogeroJohnny Hallyday

・女性歌手賞・・Christine and The Queens    他の候補者:The DoBrigitte

・シャンソンアルバム賞・・Alain Souchon & Laurent Voulzy の「Alain Souchon & Laurent Voulzy

       他の候補:Calogeroの「Les feux d'artifice/花火」、
       Christine and the Queensの「Chaleur humaine/人の温かさ」

・オリジナルシャンソン賞・・Calogeroの「Un jour au mauvais endroit/ある日、不幸な場所で」

       他の候補: Alain Souchon & Laurent Voulzyの「Derrière les mots/言葉の後ろに」、
        Christine and the Queensの「Saint Claude/サン・クロード」、 Black M の「Sur ma route/僕が通る道で」

・新人アルバム賞・・Indilaの「Mini World」  

       他の候補:François and the Atlas Mountainsの「Piano ombre/アンバー色ピアノ」、
        Vianneyの「Idées blanches空     虚な考え」

・新人ステージ賞・・Benjamin Clementine

・ロックアルバム賞・・The Doの「Shake,shook,shaken

・ワールドミュージックアルバム賞・・Rivière Noireの「Rivière Noire/黒い川」

・エレキミュージックアルバム賞・・Cascadeurの「Ghost surfer

・アーバンミュージックアルバム賞・・Akhenatonの「Je suis en vie/僕は生きている」

・ステージ/ツアー/コンサート賞・・Stromae

・ヴィデオクリップ賞・・Christine and the Queensの「Saint Claude/サン・クロード

 

上記のほか、過去30年「エレキ」、「ロック」、「ラップ」、「ワールド」ミュージックの分野で活躍した歌手(グループ)に特別賞が与えられた。

・・エレキ部門「La victoire des 30 ans de la musique électronique」・・David Guetta

・・ロック部門「La victoire des 30 ans du rock」・・Jean-Louis Aubert

・・ラップ部門「La victoire des 30 ans du rap」・・グループIAM

・・ワールドミュージック部門「La victoire des 30 ans de musiques du monde」・・Rachida Taha

 

主な受賞者、受賞曲


男性歌手賞Julien Doré(1982- ACI

南仏Gard県のAlès生まれ。Nimesの美術学校で学ぶかたわら、2002年から友人とグループを結成、自作の曲や過去の世界のヒット曲を週末にバーなどで歌う。07年TVM6のスタ誕番組「Nouvelle Star」の第5回優勝者。その声、ウクレレ、カリスマ性、特異な風姿、エネルギー、ステージ態度は視聴者を魅了した。07年8月リリースした最初のシングル「Moi...Lolita・/私・・ロリータ」は、Alizéeのカバーで、シングルチャート2位に。また、07年には雑誌「Elle」で「2007年最もセクシーな男性」に選ばれた。08年には、希望した作詞・作曲家、ミュージシャンの協力を得、「望み通りに製作した」最初のアルバム「Ersatz/代替品」をリリース、30万枚近い売上げ。09年VdMで新人アルバム賞とそこの収められた「Les limites/限界」でヴィデオクリップ賞受賞。11年のセカンドアルバム「Bichon/マルチーズ」は期待したヒットにはならなかった。しかし、その作詞・作曲家としての力は多くのアーティストに認められていて、11年のJulien Clercのアルバム「Fou,peut-être/常軌を逸した、おそらく」には「Les dégâts/損害」の詩を、12年のFrançoise Hardyのアルバム「Lamour fou/常軌を逸した恋」には「Normandia/ノルマンディア」の詩と曲を提供している。13年リリースのアルバム「LØVE」はルウヴと発音し、デンマーク語やノルウェー語で「ライオン」、同じ発音のフランス語「louve」は雌狼。あるいは「love」も意味するのだろう。収められた14曲は一種の旅日記でロンドン、セイシェル、デンマークの古い都市、あるホテルが語られている。そして同時に別れも。「Viborg/ヴィボー」(デンマークの古い都市でユラン半島の中央部にある)、「Paris-Seychelles/パリ=セイシェル」、「Hôtel Therèse」、「Chou wasabi/ワサビ」、「Platini/プラティニ」(サッカーフランス代表だったMichel Platiniがテーマ)、「London nous aime/ロンドンは僕たちが好き」、「On attedralhiver/冬を待つ」、「Corbeau blanc/白いカラス」などを収めていてdouble disque de platine(20万枚以上売り上げ)に。

Chou wasabiVdMで https://www.youtube.com/watch?v=4BjAcxsJ-dc

 


・女性歌手賞:Christine and The Queens(1988-ACI

Christine and The Queensはその名が示しているところとは異なり、構成員は女性歌手Christineのみ。Christine、本名Heloise LetissierNantes郊外生まれ。LyonEcole normale supérieureで演劇を学んだ後2010年からChristine and The Queens として音楽活動を開始。当初はステージに立つChristineの周囲に置かれたコンピュータから出る音をバックにフランス語と英語の歌詞をモザイクのように歌うというパフォーマンス。2012年、フェスティヴァルPrintemps de Bourgesで最優秀新人賞に次ぐ「推奨賞」を受賞、Francofolies de la Rochelleでは最優秀新人賞である「最初のフランコ」賞を受賞、2014年のVdMでは「新人ステージ賞」にノミネートされた(受賞はしなかった)。ステージではマイケル・ジャクソンばりのジェスチャーを見せる。14年6月リリースのファーストアルバム「Chaleur humaine/人の温かさ」は好評で、リリースの週にアルバムチャートの6位に初登場、週間チャートでは40位近くまで落ちたが2015年1月19日の週には最高の4位になるなどしており、17万枚以上売り上げたとの報道もある。Christine and The Queensは今回のVdMの注目の的、5つの部門にノミネートされ「女性歌手賞」と「ヴィデオクリップ賞」2つの部門でvictoireを受けた。式ではアルバムから「Christine」と「Saint Claude/サン・クロード」を歌った。

 「ChristineVdMで https://www.youtube.com/watch?v=RyAzEo9jNrU

 「Sait Claude」(clip officiel) https://www.youtube.com/watch?v=ZzFYmz2lfT4

 


・シャンソンアルバム賞
Alain Souchon & Laurent Voulzyの「Alain Souchon & Laurent Voulzy

アルバム「Alain Souchon & Laurent Voulzy」は2014年11月、40年来コンビを組んでいるAlain Souchon (1944生まれの作詞が得意なACI)とLaurent Voulzy(1948生まれの作曲が得意なACI)による最初のデュオアルバム。SouchonVoulzyは1974年に知り合いSouchon作詞歌、Voulzy作曲の「J'ai dix ans僕は10歳」(74、「Allo Maman boboお母さん、辛いよー」(77はこのコンビの代表する曲となった。また、77年Souchon作詞、Voulzy作曲&歌の「Rockollection」は60年代のヒット曲9曲の抜粋を巧みに盛り込んだもので600万枚以上の売り上げといわれる。同じく85年の「Belle-Ile-en-Mer/ベリル=アン=メール」は87年VdMでシャンソン賞、2000年のVdMでは80年代のフランス語で歌われた最も優れたシャンソンに選ばれた。 アルバム「Alain Souchon & Laurent Voulzy」に収められている12曲は、全曲作詞Souchon作曲は、Souchonが行った1曲を除き、Voulzy収められているのは:「Derrière les mots/言葉の後ろに」、「Oiseau malin/有害な鳥」、「Idylle anglo-normande/イギリス=ノルマンディーの良い関係」、「Il rouleLes fleurs du bal)/彼は渡り歩く(ダンスパーティーの花)」、「Consuelo/慰み」、「En Ile-de-France/イル=ド=フランスで」、「Qui mais/しかし誰が」、「Ils étaient deux garçons(trois)/二人の(三人の)男の子がいた」、「Bad Boys」、「On était beau/イケメンだった」、「Souffrir de se souvenir/思い出して辛い思いをする」、「La Baie des Fourmis/ラ・ベ=デ=フルミ(蟻の湾)」(Souchon作曲)など。2014年、30万枚以上の売り上げでアルバム売り上げ8位。

Derrière les motsVdMで https://www.youtube.com/watch?v=7iWQ18rsDBM

 


・オリジナルシャンソン賞
Calogeroの「Un jour au mauvais endroit/ある日、不幸な場所で」

Un jour au mauvais endroit」は2014年8月にリリースされたCalogeroのアルバム「Les feux d’artifice」に収められている。Calogero、本名Calogero Maurici、は1971Grenoble郊外Echirolles生まれACI。80、90年代には兄、友人と組んでトリオバンド「Les charts」を結成。その後ソロ活動。2002年のアルバム「Calogero」でVdM男性歌手賞受賞。04年のアルバム「3」はPassiとのデュオによるヒット曲「Face a la mer/海に顔を向けて」などを収めミリオンセラーになり、父親と別れた子供を歌った「Si seulement je pouvais lui manqué/僕がいなくて彼が寂しがってくれたら、それだけでいい」でVMオリジナルシャンソン賞受賞。その後07年アルバム「Pomme C」、09年「L’Embellie/美しくなった人」をリリース。12年にはStanislasPhilippe Uminskiらとグループ「Circus」を結成。アルバム「Les feux d’artifice」はCircusの後、ソロ活動を復活させてから最初のもの。そしてUn jour au mauvais endroit」は14年6月に先行シングルリリースされた。この曲は生地Echirollesで12年9月起こり、フランス中を震撼させた悲劇をテーマにしたもので、若者同士の乱闘により青年2人、21歳のKevinとSofiane、が死亡した事件をテーマにしている。「この事件が起こったとき僕は眠れなかった。僕が受けた衝撃を現在の伴侶Marie Bestideが詩にしてくれた。死亡した2人はたまたまあの日、あの場所にいたために不幸な目に遭ってしまったのか。僕は被害者の家族を訪ねて、この事件を曲にしてアルバムに収録する許しを得た。家族とはその後も何度も会い、僕にできることがあればいつでも力を貸すと話している」。アルバムは2014年37万枚以上売り上げ5位。

Un jour au mauvais endroit」 VdM https://www.youtube.com/watch?v=-Tqe-BW6dz0

 


・新人アルバム賞:Indilaの「Mini World

Mini World」は2014年2月にリリースされたIndilaのファーストアルバム。Indila、本名Adila SedraiaParis生まれのACI。生年月日につき「Les victories de la musique」のオフィシャルサイトでは1979年3月25日としている(既報Wikipedia françaiseに依る1984年6月26日は誤りか)。Indilaは2013年、作詞・作曲家・プロデューサーSkapovitch(生年不詳)と組んで、11月13日シングル「Dernière danse/最後のダンス」(作詞及び作曲、IndilaSkapovitch)をリリース。13年12月4日に公開されたSylvan Bressollette製作のclip officiel公開後1年間で15000万回以上の再生。そして14年2月24日「Dernière danse」を含むアルバム「Mini World」をリリース。 リリースの週1週間ではあるが常勝Stromaeの「Racine carrée/平方根」を破ってアルバムチャート1位に。その後4月に2回1位に返り咲いたことがある。アルバムには他に「Love Story」、「S.O.S」、「Run,Run」、「Ego」、「Comme un bateau/船のように」、「Tourner dans le vide/当てもなく回る」など全10曲収録。アルバム「Mini World」については、2014年11月17日新曲「Ainsi bas la vida」、「Feuille d’automne/秋の葉」の他「Tourner dans le vide」のオーケストラヴァージョンなど5曲を追加したデラックスエディションがリリースされた。アルバムは2014年54万枚以上売り上げ3位。

Dernière danseVdMhttps://www.youtube.com/watch?v=tF-WsM86h8A

 

 (下記の映像もお見逃しなく!)

2015年の授賞式にはFleur Pallerin文化大臣らが来場。式の模様はTVFrance2で実況中継され、TV5MONDEJaponでは14日(土)19:25~23:25放送された。(今回お届けのニュースは後者の放送を編集したものです)

授賞式の最初に登場したのはAlain SouchonLaurent Voulzy。1977年のコンビのヒット曲「Rockollection」の歌詞を少し変えて歌い、次の3人の歌手を招いた。3人はそれぞれ過去のヒット曲をカバー。

Raphaël(1975-ACI06年のVdMで男性歌手賞、シャンソンアルバム賞、オリジナルシャンソン賞の3賞を受賞)Alain BashungVdM最多受賞者)の「Vertige de l’amour/愛の眩暈」

Julien DoréEtienne Daho(1955-ACIVdMには12回ノミネートされたが受賞は2008年「L’invitation」での「ポップ・ロックアルバム賞のみ」の1984年のヒット曲「Week end à Rome

・女性のデュオBrigitteNiagara(男女のポップ・ロックデュオで80年代後半から90年代半ばまで活動、チャートの常連だった)の1990年のヒット「J’ai vu/僕は見た」

 https://www.youtube.com/watch?v=qztTfra94zI

 

 今回は第30回を記念して、過去の受賞者の映像、過去の授賞式の記念すべき場面などが流された。その中には次のような場面があった。

Serge Gainsbourへのオマージュ:1989年のVdMで当時の若手歌手が「La javanaise/ラ ジャヴァネーズ」を歌っている場面

  歌っているのは・・Michel SardouPatrick BruelLaurent VoulzyVanessa Paradis

  https://www.youtube.com/watch?v=r_tBsLYX0Fc

 

Henri SalvadorRay Charlesのデュオ:1996年のVMで「Le blouse du dentiste/歯医者の白衣」を歌っている場面 https://www.youtube.com/watch?v=DHxLRjbx_Js

 


No.1407     

№1407   2015.2.17



Christophe Willem
、「Nini la chance」、「La complaite de la Butte
を歌い好評 

↓(管理人お勧め)まずはお聞きください。
http://www.dailymotion.com/video/x2fzts1_christophe-willem-la-complainte-de-la-butte-reprise_music

    クリストフ・ヴィレムChristophe WillemTVFrance2の番組に出演して往年の名曲「Nini la chance/幸運を運ぶニニ」、「La complaite de la Butte/モンマルトルの丘」を歌い評判を博した。  

Willem1983年パリの北Val-d‘Oise県、Enghien-les -Bains生まれのACI。8歳からピアノを習い14歳で最初のシャンソンを作った。属していたゴスペルグループでは目立った存在で、2004年公開のFrederic Berthe監督のミュージカル映画「Alive」では監督はWillemに若手歌手Henriの役を与え、クレジットタイトルにその名が載った。但しこの映画がWillemに歌手としての扉を開けてくれるものではなかった。Willemはパリ第8大学でコミュニケーション学を専攻。2005年11月妹が送った出演申込書で、2006年TVM6のスター誕生番組「Nouvelle Star/新しいスター」の第4シーズンに出場。6月8日の決勝ではMiss Dominiqueを破って優勝。番組では、首が長く、顔を前に突き出して歌う容姿から「tortue/亀」と渾名が付けられたが、その後の足取りは脱兎のような速さ。Willemの圧倒的なキャラクターに注目したSonyは決勝戦以前に契約。

07年4月にリリースしたファーストアルバム「Inventaire/財産目録」は100万枚近く売上げ。その中の「Double je/二重の僕」(作詞Zazie、作曲Jean-Pierre Pilot & Olivier Schultheis)は07年5月にはシングルでリリースされ、30万枚以上売り上げ、同年最も売り上げたシングルになり、08年のVdMでオリジナルシャンソン賞を受賞。09年のセカンドアルバム「Cafeine/カフェイン」も50万枚近くの売上げ。3枚目のアルバムは11年11月リリースの「Prismophonic/音のプリズム」。

Willemは12年の「Generation  Goldman」では「Je marche seul/僕は一人で歩く」、「Il y a/・・がある」(Zahoとのデュオ)を歌い、13年の「Generation Goldman vol2」では「Confidentiel/秘密の」で参加している。 

そして2014年12月1日には4枚目のアルバム
Parait-il/~のようだ」をリリースしたばかり。アルバム「Parait-il」には「メランコリー」、「若さ」、「愛」をテーマにした14曲が収められていて、自身で作詞・作曲した曲の他、Fredrika Stahl(1984-スエーデン出身のACI、フランス語でも歌っている)、Zazie、それに今回初めてJean-Jacques GoldmanCarla Bruniらの協力を得た。14曲は:「Parait-il」(詩・曲Willem)、「Faute et plaisir/過ちと楽しみ」(詩Bruni、曲WillemStahl)、「Le chagrin/心痛」(詩Bruni、曲Stahl)、「Allons enfants/さあ子供たち」(詩Zazie、曲Willem)、「Loneliness」(詩Bruni、曲Willem)、「Apres toi/君の後で」(詩・曲Goldman)、「Nous nus/裸の僕ら」(詩・曲Goldman)、「Unisex」(詩Zazie、曲Willem)、「La vie est belle/人生は美しい」(詩・曲Zazie)、「La regle du jeu/ゲームのルール」(詩・曲Zazie)、「L’ete en hiver/冬にやってきた夏」(詩Zazie、曲Sara de Courcy)、「Adultes addict」(詩・曲Willem)など。そして「このアルバムでは僕は初めて自身積極的に関わった。だから今は『僕はアーティストだ』と自信を持って言える」。

 

Double je(2008VdM https://www.youtube.com/watch?v=32H6ua-k7WE

Le chagrin(2014TV5 https://www.youtube.com/watch?v=OUGWpNVDBN8

 

Willemが「Nini la chance」を歌ったのは2015年1月10日番組 「C’est votre vie ! Annie Cordy/これがあなたの人生!アニー・コルディー」に出演した際。「Nini la chance」は1976年10月21日から77年4月30日まで(77年10月14日から78年1月1日まで再演)ParisTheatre Marignyで上演されたミュージカルコメディー「Nini la chance」の主題歌(Jacques Mareuil作詞、Geordes Lifemann作曲)で、主演のAnnie Cordyが歌っている。「Nini la chance」はCordyの愛称にもなった。

Nini la chanceAnnie Cordy

Nini la chanceChristophe Willem https://www.youtube.com/watch?v=SjhSTLD2TJI

 La complaite de la Butte」は1月17日番組「Hier encore」に出演した際のもの。
La complaite de la Butte」は、1
955Paris Gaumont Palaceで公開されたJean Renoir監督Jean Gabin主演、1880年代Moulinrougeの誕生を描く映画「French Cancan」で歌われたもの。Jean Renoir作詞、Georges van Parys作曲。映画の中ではAnna Amendora演じるEsther Georgeが歌っているが、声はCora Vaucaireのもの。

 

La complaite de la ButteCora Vaucaire https://www.youtube.com/watch?v=mz-4ab9i16Q

La complaite de la ButteChristophe Willem

 http://www.dailymotion.com/video/x2fzts1_christophe-willem-la-complainte-de-la-butte-reprise_music

 

Willemは2015年2月15日からツアー、11月21、22日パリOlympiaに出演。

     

 

№1406   2015.2. 


ギー・ベアールGuy BéartOlympiaで最後のステージ
                                    

ギー・ベアールGuy Béartが2015年1月17日のOlympia公演を最後にステージから引退した。 BrelBrassensに次いでシャンソンフランセーズのBと言われ(Barbaraを加え4Bとも)、「シャンソンフランセーズの永遠の反逆者」(フィガロ紙1998年)とも言われるBéartは1930年エジプト、カイロ生まれのACI.。17歳でパリに、高級土木技師養成機関であるL'Ecole nationale des ponts et chaussees(国立土木学校)を卒業し、当時の最先端技術であった結晶体、コンクリートの専門家に。ナンシー近郊の橋梁建設の責任者も務めた。子供の頃から音楽に興味を持ち、マンドリン、ヴァイオリン、ギターなどを習い、勉強の傍ら音楽学校にも通った。両親の没後の50年代半ばから「Sainrapt et Brice」社の研究所技師として働きながら左岸のキャバレ「La colombe」、「Le port du salut」、「Michel Valette」などで歌う。57年には技師の職を捨てる。Jacques Canettiに認められ、「Les Trois Baudets」に出演、その薦めで57年に出したLPGuy Béart」(「Quon est si bien/なんて良い気分」、「Bal chez Temporel/タンポレル軒の舞踏会」、「Il y a plus d'un an/もう1年も前のこと」、「Laura」など10曲収録)が58年ACC大賞に。58年François Villiers監督の映画「L'eau vive/河は呼んでいる」の同名の主題歌を作詞作曲し歌う。57年最初のOlympia出演はCaterina Valenteの前座。60年にはVilliers監督の映画「Pierrot-le-Tendre/やさしい男ピエロ」の音楽を担当、また「Il n’y a plus d’après」を収録したLPGuy Béart №3」を出す。63年に始まったTV番組「Bienvenue chez Guy Béart/ギー・ベアール家へようこそ」はBéartの司会で当時活躍していた歌手などを招いた音楽トーク番組で、Duke Elingtonなども出演した。番組は70年まで続いた。65年アルバム「Guy Béart」(「Qui suis-je/私は誰」、「Les grands principes/たてまえ」、・・)。66年古いシャンソンを集めたアルバム「Les tres vieilles chansons de France/古いフランスのシャンソン」(「Vive la rose/バラに乾杯」、「Aux marches du palais/お城の階段で」、「Le pont de Nantes/ナントの橋」、「Brave marin/勇敢な水夫」、「Le rois a fait battre tambour/王様は太鼓を打てと命じた」などを収録)を出す。その後も定期的にアルバムをリリース。一時ガンのため活動休止、86年「Demain je recommence/明日また始めるぞ」で復帰。87年SACEMGrand Prix de la chanson françaiseを受賞、94年Académie Françaiseから「Grande médaille de la chanson française」を授与される。94年アルバム「Il est emps/今はその時」。96年2月20~25日Olympiaに出演。前回のステージは99年のBobino出演、「Béart en public」はそのライヴで2枚組CD。10年15年振りのアルバム「Le meilleur des choses/最良の部分」が最新のアルバムで、「最良のものを今まで取って置いた」と評された。10年には3枚組CD、60曲収録の「Best of」、12年には22曲収録「Les grands succès/大ヒット」が出ている。Béartの曲は彼が歌手としてデビューする以前から多くの歌手に歌われている。Patachou(「Bal chez Temporel/タンポレル軒の舞踏会」Andre Hardelt作詩)、Juliette GrécoYves Montand(「Il n'y a plus d’après」)、Zizi Jeanmaire(「Il y a plus d'un an/もう1年も前のこと」や「Qu'on est si bien/なんて良い気分」)。65年に生まれた長女Emmanuelleは女優。

今回のさよなら公演についてBéartは「もうすぐ85歳になる私が、あの世へ行く前の最後のCoup de Chapeau/挨拶。レコードは出すかも知れないが、ステージはこれが最後」と語っている。Olympiaには1957年が最初の出演、17日の公演、20時30分の開始時間には満員、それから4時間に渡るステージ。バックは4人のミュージシャン(ギター2人、ベース、アコーデオン)、この小さなグループを指揮したのがアコデオニストで、長い間Barbaraの伴奏者を務めたRoland RomanelliBéartはギターを弾き語り。第1部はQu’on est bien dans les bras d’une personne du sexe oppose/異性の腕の中にいることは何て良い気分」と歌い出すQuon est si bien」、「L’eau vive」、「La grève du rêve/夢の休み」(81年)、「Les grands principes/大原則」(65年)、「Vive la rose」、「A Amsterdam/アムステルダムで」(76年)、「Si la France/もしフランスが」(81年、Dalidaのために作った曲)、「O Jehovah」(86年)などのヒット曲を中心に歌った。事前に語っていたように、これらの曲をよく知っている観衆との合唱に。曲と曲の間のMCではMaurice ChevalierBarabaraとの思い出話。そして「男女は平等とは言うけれど、女性の方が男性より美しいのは確か」、「私は全く悪意なしに曲を作った。その結果放送禁止になった曲もあった。今表現の自由は尊重されている、あの不幸なCharlie Hebdoの場合を除いて。しかし何が起こっても、すべてを笑い飛ばすと言う精神が大事」、「人は士気を高めるためにシャンソンが必要」、「人は夢を見なくなった。子供たちがより良い生活を出来るようにという夢以外は」などと語った。第2部はゲスト歌手とのデュオなどで、Julien Clercとは、Clercのピアノで、デュオで「Vous/あなた」(58年)、Rebeccaとは「Franz/フランツ」(64年Marie Laforêtとデュオで歌った)、Thomas Hermandezとは「Les souliers/靴」(65年)、Hervé Vilardは「Poste restante/局留便」(58年)、Emmanuelleとは「Il n’y a plus d’après」。

 

Il n’y a plus d’après」 https://www.youtube.com/watch?v=ETIr5Ljm3L4

FranzMarie Laforet https://www.youtube.com/watch?v=oFfJ14AHwh0

Vive la rose」 https://www.youtube.com/watch?v=EAdusFqqtyQ

L’eau vive1958.5.26 http://www.dailymotion.com/video/xn5wdi_l-eau-vive-guy-beart_music

L’eau vive2015.1.17 https://www.youtube.com/watch?v=XOy97yxgU_4

 No.1405
   

№1405 / 2015.2.

2014年のフランス国内におけるアルバム売り上げトップ10                      

音楽情報のサイトPureCharts.frによると2014年のフランス国内におけるアルバム売り上げトップ10は次の通り。

1.Stromae Racine carrée/平方根」(680,200 枚)

2. Kendji Girac Kendi」 (549,000枚)

3.Indila Mini World」 (543,600枚)
4.
Johnny Hallyday Rester vivant/生き続ける」 (430,500枚)

5.Calogero Les feux d'artifice/花火」 (373,900枚)
6.Black M Les yeux plus gros que le monde/全世界よりも大きい目」 (371,000枚)
7.
Les Enfoirés Bon anniversaire Les EnfoirésLes Enfoirés 誕生日おめでとう」 (316,300枚)
8.Alain Souchon & Laurent VoulzyAlain Souchon & Laurent Voulzy」(300,300枚)
9.
Florent Pagny Vieillir avec toi/君と共に老いる」(294,700枚)

10.Maître Gims Subliminal」 (287,200枚)

 


1位の「Racine carrée
は2013年8月にリリースされたStromaeのセカンドアルバム。2013年には1154000枚の売り上げで1位になっており、2年連続1位の快挙でフランス国内では都合183万枚以上の売り上げ。Stromae1985- ACI:本名Paul Van Haver、ベルギー、ブリュッセル生まれ。父親はルワンダ出身、母親はベルギー人。ステージ名のStromaeは「maestro/巨匠」の「verlan/逆さ言葉」。2000年からラップ歌手として音楽活動を始め、09年9月にベルギーでリリースされたシングル「Alors on danse/さあ踊ろう」はヨーロッパの18か国でチャートのトップになりStromae現象を引き起こした。11年のVdMでは「Alors on danse」も収録したファーストアルバム「Cheese/チーズ」でエレキ/ダンス音楽アルバム賞を受賞。ステージでは蝶ネクタイ姿で歌っている「これが仕事に行くためのスタイル」。「Le nouvel Brel/(ジャック・)ブレル2世」、「Le Brel de l’électro/エレクトロ・ポップのブレル」と呼ばれることも。「Racine carrée」には「Formidable/素晴らしい」、「Papaoutai/パパ、どこにいるの」、「Tous les mêmes/皆同じ」などを収録。14年のVdM3つの賞(男性歌手賞、シャンソンアルバム賞、「Formodable」でヴィデオクリップ賞)を受賞。Stromaeは2014年6月にはアメリカTVNBCに出演、NY公演、9月17日からアメリカ(PhiladeiphieWashingtonBostonなど)及びカナダ(Vancouver)公演を行い好評だった。そして、2015年4月には再びアメリカ、カナダツアーが予定されている。

Formidable」 https://www.youtube.com/watch?v=S_xH7noaqTA

 


2位の「Kendi
Kendji Girac(1996年―歌手、ギタリスト 1400「Aznavour,sa jeusnesse」参照)が2014年9月8日にリリースしたファーストアルバム。 Kendjiは2014年12月13日CannesPalais des Festivalsで行われた第16回NJR(ラジオ局)賞の授賞式でフランス人歌手新人賞及びアルバムに収められた「Color Gitano」はシャンソン賞を受賞している。Kendjiは2015年1月14日からツアーを開始、パリ登場は1月30日La Cigale、5月12、13、14日Olympia

Color Gitano」 https://www.youtube.com/watch?v=63K5VMx2BZM

 


位の「Mini World
は2014年2月にリリースされたIndilaのファーストアルバム。Indila、本名Adila SedraiaParis生まれのACI。本人は生年月日を明らかのしていないが、Wikipedia françaiseに依れば1984年6月26日生まれで現在30歳。Paris生まれであることは本人がLe Parisien紙に語っているよう。アルジェリア、カンボジア、エジプト、インド人の血を引き、ステージ名Indilaはインドへの「mon amour incommensurable/限りない愛」から付けられた。主にフランス語と英語で歌う。まず2010年にラップ系歌手に曲を提供した(Admiral Tの「J’ai besoin d’y croire/僕はそれを信じる必要がある」など)作曲家として知られるように。またRohffに提供した「Thug Mariage」、Sopranoに提供した「Hiro」については、これらの歌手とデュオで歌っている。その後ヴァリエテに方向転換、2012年にはM.Pokoraに「Plus haut/より高く」を作曲、これは2012年11月19日リリースのPokoraのアルバム「A la pourusuite du bonheur/幸福を探して」のニューエディッション盤に収録されている。Indilaは13年、作詞・作曲家・プロデューサーSkapovitch(生年不詳)と組んで、11月13日シングル「Dernière danse/最後のダンス」(作詞及び作曲、IndilaSkapovitch)をリリース。13年12月4日に公開されたSylvan Bressollette製作のclip officiel公開後1年間で15000万回以上の再生。そして14年2月24日「Dernière danse」を含むアルバム「Mini World」をリリース。 リリースの週1週間ではあるが常勝Stromaeの「Racine carrée」を破ってアルバムチャート1位に。その後4月に2回1位に返り咲いたことがある。アルバムには他に「Love Story」、「S.O.S」、「Run,Run」、「Ego」、「Comme un bateau/船のように」、「Tourner dans le vide/当てもなく回る」など全10曲収録。アルバム「Mini World」については、2014年11月17日新曲「Feuille d’automne/秋の葉」の他「Tourner dans le vide」のオーケストラヴァージョンなど5曲を追加したデラックスエディションがリリースされた。

Dernière danse」 https://www.youtube.com/watch?v=K5KAc5CoCuk


4位のRester vivant生き続ける」Johnny Hallyday 20141117日リリースしたアルバム1400)。Hallydayは2015年11月27、28、29日Paris Bercy出演が決まっている。

Rester vivant」アルバム「Rester vivant」から https://www.youtube.com/watch?v=D3L0w-rRL-c

 

5位のLes feux d'artifice花火」Calogero201418日にリリースした枚目のアルバム。Calogero、本名Calogero Maurici、は1971Grenoble郊外Echirolles生まれACI8090年代には兄、友人と組んでトリオバンド「Les charts」を結成、枚のアルバムを出す。その後ソロ活動。99年Pascal Obispoのプロデュースによる最初のソロアルバム「Au milieu des autres/他人の間で」。2002年のアルバム「Calogero」でVdM男性歌手賞受賞。04年のアルバム「3」にはPassiとのデュオによるヒッ曲「Face à la mer/海に顔を向けて」などを収めミリオンセラーになり、父親と別れた子供を歌った「Si seulement je pouvais lui manquer/僕がいなくて彼が寂しがってくれたら、それだけでいい」でVMオリジナルシャンソン賞受賞。その後07年アルバム「Pomme C」、09年「L’Embellie/美しくなった人」(ラジオ局RTLの2009年最優秀アルバム賞)をリリース。12年にはStanislasPhilippe Uminskiらとグループ「Circus」を結成。グループCircusは12年アルバム「Circus」をリリース、Circusは13年9月にはFolies Bergèreに出演している。Les feux d'artifice」はソロ活動を復活させてから最初のもので、「Un jour au mauvais endroit/ある日、不幸な場所で」、「Le monde modern/近代的な社会」、「Fidèle/誠実な」、「Conduire en Angleterre/イギリスで運転すること」、「Le portrait/ポートレート」、「L’éclipse/活動の中断」、「Elle me manque déjà/彼女がいなくてもうすでに寂しくなった」(Dominique Aの詩)、「J’ai le droit aussi/僕にも権利がある」、「Les feux d’artifice/花火」、「Avant toi/君の前に」などを収録。Calogeroは、また、90年代末からFlorent PagnyFrancçise HardyH élène SégaraPascal ObispoJohnny Hallydayのために作曲をしていて、今回9位のFlorent PagnyVieillir avec toi君と共に老いる」に収録された全曲Calogeroの作曲によるCalogeroは2015年5月4、5日Paris Zénithに出演予定。

Un jour au mauvais endroit」 https://www.youtube.com/watch?v=sCOQOh4r_oM

 

6位のLes yeux plus gros que le monde全世界よりも大きい目」Black M.が2014年3月31日リリースしたもの。Black M.またはBlack Mesrismes、本名Alpha Dailloは1984年Paris生まれのラップ歌手。Blackは肌の色から。2002年パリ居住のアフリカ系8人のラップ歌手で結成されたSexion d’Assautのメンバー。Sexion d’Assautは2013年NRJ音楽賞でグループ賞を、また「Avant qu’elle parte/彼女が出発する前に」で、シャンソン賞を受賞するなど人気のグループ。「Les yeux plus・・」はBlack M.の最初のソロアルバムで、タイトルはBlack M.が歌う際、目をまん丸に見開くジェスチャーをすることから付けられたか。「Ailleurs/他の場所で」、「Spectateur/観客」、「Pour oublier/忘れるために」など19曲収められている。歌詞には怒りの感情を表すオノマトッペ、あるいはverlan(逆さ言葉)が頻繁に使われている。

Ailleurs」 https://www.youtube.com/watch?v=sCOQOh4r_oM


7位の「Bon anniversaire Les EnfoirésLes Enfoirés 誕生日おめでとう」 は201415日リリースされた、Les Enfoirés2014年公演の模様を記録したものLes Enfoirésの公演は、困窮している人々に食事を提供する目的で喜劇俳優のColuche(1944-86)が創設した「Resto du Cœur/心のレストラン」の資金集めのために行われている。Coluche没後はJean-Jacque Goldman(1951-ACI №1404参照)が中心、コンサートは単なるコンサートではなく、一大音楽スペクタクルで国民的行事、TV放送では多くの視聴者を集め、またCDは毎年トップ10に入っている。2014年の公演はだい25回の記念すべき回に当たり、1月15~20日StrasbourgZénithで行われ、39人のアーティストが参加した。

2014年「Les Enfoirésclip officiel  https://www.youtube.com/watch?v=2TfDyP2FwYo

 


位のSouchon & VoulzyAlain Souchon & Laurent Voulzy20141124日にリリースされたアルバム(№1400)Souchonの作詞、Voulzyの作曲で40年以上もコンビを組み数々のヒット曲を出している二人による最初のデュオアルバム。

Derrière les mots/言葉の後ろに」アルバムAlain Souchon & Laurent Voulzy」から https://www.youtube.com/watch?v=zNkt3OkHex0

 

位の「Vieillir avec toi君と共に老いる」Florent Pagny  が2013年11月4日にリリースした13枚目のアルバムで、2013年にも281000枚の売り上げで9位に。Pagnyは1961年ブルゴーニュ地方Chalon-Sur- Saone生まれ、映画・TV俳優から歌手に、今年デビュー25周年。87年最初のシングル「N'importe quoi/何でも」100万枚、90年最初のアルバム「Merci」。95年のアルバム「Bienvenue chez moi/我が家へようこそ」(「Caruso/カルーソー」をカバー)。97年アルバム「Savoir aimer/愛する術」(収められているLionel Florence作詞、Pascal Obispo作曲の「Savoir aimer」は98年ラジオで最も多く流された曲)で98年のVdMで男性歌手賞。その後も、定期的にアルバムを出していて前回のアルバムは2012年の「Baryton, Gracias a la vida/バリトン、人生よありがとう」でラテンアメリカの起源の「Gracias a la vida」など11曲を、barytonで、全曲スペイン語歌っている。1997年から15年間夫人の故郷南米のパタゴニアに住み、2009年アメリカMiamiに居を移し、現在はフランス、パタゴニア、Miamiを行き来する生活を送っている。アルバム「Vieillir avec toi」には作曲でCalogeroの全面的な協力を得た、「Vieillir avec toi」、「Les murs porteurs/支える壁」、「Combien de gens/何人の人が」、「Le soldat/兵士」、「Après nous/我々の後には」など10曲が収められている。Pagnyは2015年7月13日Francofolies de la Rochelleに出演予定。

Vieillir avec toi」 https://www.youtube.com/watch?v=KX8HZqVtz3c

 

10位のSubliminal」はMaître Gimsが2013年5月にリリースしたもので2013年には493000枚売り上げて3位。Maître Gims、本名Gandhi Djuraは1989年コンゴ民主共和国生まれのラップ系ACI。Black M.同様Sexion d’Assautのメンバー。Maître Gimsは12年からソロ活動。Subliminal」はファーストアルバムで「Jm tire/俺はずらかる」、「Bella/ベラ」など俗語やverlanを頻繁に用いた曲が収められている。アルバムは2014年1月にはdisque de diamante/ダイアモンドディスク(50万枚以上売り上げ)になっている。Maître Gimsは2013年11月の「Fête de la chanson française」でParisMatch誌新人賞を受賞、また上記Stromaeの「Racine carrée」に「AVF/消え失せろ」を提供している。

Jm tire」 https://www.youtube.com/watch?v=aFuMwhJKmZE

No.1404     

№1404   2015.1.25 



ジャン=ジャック・ゴールドマン 
Jean-Jacque Goldman
「フランス人が好きな人物」 連続4回 1位 
   

毎年回行われる「Les personnalités préferées des Françaisフランス人の好きな人物」アンケートの201412月実施分の結果が14JDD紙で発表された。アンケートは各界を代表する人物として予めノミネートされた55人につき、年齢、性別、職業などから割当標本抽出で選ばれた15歳以上の1002人を対象に、12月16日~19日インターネットにより「あなたが今日のフランスで重要だと思われる人物、あるいは好きな人物10人を選んで下さい」と質問する方法で行われた。その結果上位の50人が明らかになった。

 1位は44.4%が選んだジャン=ジャック・ゴールドマンJean-Jacques Goldmanで、前回(2014年7月実施分)も1位、これで4回連続して1位。 2位はOmar Sy(42.5%、1978年生まれのアフリカ系俳優 前回も2位)。 3位はJean Dujardin(30.4%、1972年生まれの俳優、脚本家、映画監督、映画プロデューサー、映画「The Artist」で第64回カンヌ男優賞、84回アカデミー主演男優賞、 前回15位)。 4位はSimone Veil(29.7%、1927年生まれ、政治家、弁護士、元厚生大臣、Académie Française会員、前回も4位)。 5位はSophie Marceau(29.4% 1966年生まれ、俳優、1980年「La Boum」でデビュー、前回8位)。 

 今回歌手ではGoldmanの他12人が50位以内に入った。順位は以下の通り:8位Renaud(28.4%、前回10位)、11位Francis Cabrel(23.1%、前回12位)、12位Florent Pagny(22.8%、前回13位)、17位Nolwenn Leroy(21.3%、前回27位)、18位Yannick Noah(21.3%、前回17位)、19位Patrick Bruel(20.9%、前回21位)、21位Charles Aznavour(20.2%、前回14位)、25位M.Pokora(18.5%、前回はノミネートされず)、32位Mylène Farmer(16.3%、前回28位)、35位Vanessa Paradis(15.4%、前回34位)、37位Michel Sardou(15.3%、前回32位)、38位Johnny Hallyday(14.5%、前回38位)。

 

Jean-Jacques Goldman(1951- ACI、音楽プロデューサー):パリ生まれ、グループ活動後79年からソロ。81年の「Il suffira dun signe/一つの兆候で十分」、82年「Quand la musique est bonne/音楽が良ければ」、84年「Envole-moi/僕を飛び立たせて」などが大ヒット。86年VdMで男性歌手賞。 プロデューサーとしては、ほぼ全曲作詞作曲したCeéine Dionの95年アルバム「Deux/彼らについて」は、フランス国内で440万枚売り上げるなど、フランス語で歌われたアルバムの歴代最多売上げだと言われている。

01年11月現在までのところ最新となるアルバム「Chansons pour les pieds/足(ダンス)のためのシャンソン」をリリース。アルバムは「Ensemble/一緒に」、Et on n’y peut rien/そしてそれに対して人は何もできない」、Tournent les violons/バイオリンが出る」、「La  pluie/雨」などを収録、02年にはdisque de diamant/ダイヤモンドディスクに(当時は100万枚以上の売り上げに対して).、アルバムは都合160万枚売り上げたと言われている。Goldmanはその後、「Ensembleツアー」を行った。 

 そして04年、家族(01年に再婚したNathalie夫人とその間に生まれた現在10歳から7歳までの3人の娘)との生活を大事にすると無期限の活動休止を宣言、夫人の出身地Marseilleに居を構えた。Goldmanには他に75年に結婚し、97年に離婚した前夫人との間に現在40歳から30歳までの3人の子供がいる。休止宣言後はGoldman自身が主宰する慈善運動Resto du Cœur/心のレストラン」などのコンサートに出演するほかにはほとんどステージには立っていない。そしてGoldmanが姿を現すこと自体がニュースになっていて、最近では「Resto du Cœur」を除き、公開のステージに立つのは10年振りと報道されている2014年7月20日AudeNarbonne 近郊Ouveillanで行われたフェスティヴァル「Les vendanges du cœur/心の収穫」の際。この日は5分ステージに立ち「Famille/家族」、「Envole-moi/僕を飛ばせて」を歌った。14年9月Eric le Bourhisによる伝記「Mystère Goldman」が出版された。Goldmanは休止宣言後も多くの歌手に曲を提供、最近ではZazに「Si/もし」(2013年のアルバム「Recto verso」に収録)、Patrick Fioriに「Elles/彼女たち」、「Un jour, mon tour/ある日僕の順番が」(いずれも2014年のアルバム「Choisir/選ぶ」に収録)、Christophe Willemに「Après toi/君の後で」、「Nous nus/裸の僕ら」(いずれも2014年のアルバム「Parait-il/・・だそうだ」に収録)などがある。

また、若手歌手がGoldmanのヒット曲をカバーしたコンピレーションアルバムは好評で、20121119日にリリースされた「Génération Goldman」は80万枚以上、201326日にリリースされた「Génération Goldman vol」も35万枚以上の売り上げ。

Goldmanが4回連続して1位になったことについて伝記作家で、「Jean-Jacques GoldmanUn monde à part/ジャン=ジャック・ゴールドマン 特別な世界」(2007年)の著者Patrick Amineは1月5日付Le Figaro紙で次のように語っている・・Goldmanが偉大なアーティストであることは言を待たない。彼は若い層にも、年齢の高い層にも、気に入られるシャンソンを作る術を心得ている。彼はアーティストとしてばかりでなく公人としても信頼されている。あまりマスコミに登場しないという、控えめなところが多くのフランス人が彼を気に入っている理由だろう。13年間もニューアルバムをリリースしていないし、特別の場合を除いてはステージに立つこともない。と言っても、彼は引退したわけではない。彼は、GrégoireZazPatrick Fiori、はてはKhaled(1960-アルジェリア、オラン生まれライの歌手、Goldmanは1996年「Aicha」を提供した)にまで曲を提供している。彼は慈善活動への参加を要請されたとき、常に「参加します」と回答するような人物。彼は極めて「généreux/心の広い、高潔な、寛容な」人物。それが彼の人気の一番の秘密だろう・・

 

Envole-moihttps://www.youtube.com/watch?v=nh-EXPkhnlA

J’irai où tu iras/あなたの行くところへ、私も行く」(Céline Dionのアルバム「D’eux」から)

 Dionとのデュオ 1995年Parisで https://www.youtube.com/watch?v=aLzu9ITOyPg

Et on n’y peut rien en concert/共に音楽をすれば人は何物でもなくなる 」 アルバムChanson pour les pieds」から

Ensembleツアー」で  https://www.youtube.com/watch?v=1sRpeV2RIPI

No.1403     

№1403    2015.1.18

1月11日TVFrance2で放送されたharlie Hebdo支援コンサート「Soiree Je suis Charlie/私はシャルリーの夕べ」の中で歌われた数曲をご紹介いたします。(グラン・コール・マラッドGrand Corps MaladeJe suis Charlieについては前回No.1402に既載)

Ministere de la Culture et de la Communication/文化通信省の後援によるこのコンサートは21時からMaison de la RadioAuditoriumで行われFrance2が実況中継した。司会はNaguiPatrick CohenAnne-Sophie Lapaix。多くの著名人、アーティスト、風刺画家、ミュージシャン、ジャーナリストらが出演してCharlie Hebdoへの連帯と支持の意志を示した。また難を逃れた「Charlie Hebdo」の社員も出演した。観客にはFleur Pellerin文化通信大臣らの顔もあった。

参加した主な歌手及び歌った曲は:

アラン・スーションAlain Souchon

Et si en plus y’a personne/もし誰もいなくなったら」https://www.youtube.com/watch?v=IKrPmfny790

 

ジュリアン・クレールJulien Clerc

Util/有益な」https://www.youtube.com/watch?v=CNrYgBUvQh4

 

カテリーヌ・ランジェ & パトリック・ブリュエルCatherine Ringer et Patrick Bruel

Les loups/狼たち」https://www.youtube.com/watch?v=xA8Qn4o-NIs

 

カミーユCamille

Alez,allez/さあ、さあ」https://www.youtube.com/watch?v=BImR1VCb6ro

 

ウーベール=フェリックス・ティエフェーヌHubert-Felix Thiefaine

Angelus/アンジェラス」https://www.youtube.com/watch?v=O22u1yriDS0

 

ナタリー・デセイ& ミシェル・ルグランNathalie Dessay et Michel Legrand

Tous les moulins de mon coeur/わが心の風車:風のささやき」https://www.youtube.com/watch?v=HtTztDbKCZ0

 

ジャンヌ・シェラールJeanne Cherhal

Femme debout/立っている女性」https://www.youtube.com/watch?v=s6QN8DnV3WY

 

バンジャマン・ビオレBenjamin Biolay

Les lendemains qui chantent/明日は歌う」https://www.youtube.com/watch?v=XBSLkjpB_A0

     

№1402    2015.1.14

Je suis Charlie発表  グラン・コール・マラッドGrand Corps Malade     

2015年1月7日週刊誌「Charlie Hebdo/週間シャルリー」が襲撃され12人が殺害された事件について多くのアーティストが、表現の自由を擁護する立場から、「Charlie Hebdo」への連帯と、襲撃に抗議する姿勢を示している。

スラム歌手Grand Corps Malade事件のあった1月7日の夜には詩を書き、翌朝John Mamannが曲を付け、9日「Je suis Charlie/僕はシャルリー」を発表、Youtubeに公開された。初日1日で50万回以上再生された。 

Je suis Charlie」 Grand Corps Malade作詞、John Mamann作曲
https://www.youtube.com/watch?v=U2a79-0QuGo
<歌詞の大意>
2015年1月7日、僕はベッドに入る気になれなかった。僕はベッドに入るより筆を取りたかった。なぜならその夜僕はCharlieだったから。自由を作り上げた彼らに悲運が訪れた。今夜僕は彼らに代わって詩を書く。僕は風刺画を描く術を知らないから。6600万人、皆同じ考えを持とう。彼らのインクの弾丸が尽きてしまうことがないように。消去することが出来ない痕跡を残そう。将来人々が彼らの才能と勇気は我々の記憶の中だけに生き続けているのではないと知ることが出来るように。作家も、作詞家も、イラストレーターも、ミュージシャンも、詩人も、画家も、彫刻家も、有名人も、無名の人々も、プロもアマチュアも、この高揚をツイッターに載せるだけで終わらせてしまうことがないようにしよう。彼らは表現の自由を守るために死んだ。彼らの考えは光り輝くべきものだ、いかなる圧力をも受けるものではない。彼らの戦いを意味あるものにするため、筆を取るのは我々の番。僕は自分が人間であることが辛い。人はいかにしてそこに至ってしまうのか。この騒音の中でも、連帯感はア カペラで歌っている。野蛮は少しの尊厳さを残さず、大きくなった。2015年人類はすべての人間性を失った。 僕はCharle、僕はCharlie、僕はCharlie。 もし、これからの数ヶ月が僕の予想を裏切ってくれたら、もしこの下劣なドラマが我々を成長させてくれたら、我々は共に一時の晴れ間を信じることが出来るだろう。何が起こっても、僕は筆を取る、そう今夜僕はCharlieだから。



作詞者 Grand Corps Maladeについて

本名Fabien Marsaud、1977年パリ北郊外Seine-Saint-DenisBlanc-Mesnil生まれの  スラム歌手、水泳の飛び込みの際脊椎を損傷し、脚が不自由に。03年パリのバーで最初のスラムを披露。06年3月にリリースしたファーストアルバム「Midi 20/12時20分」(「自分の一生を1日24時間に例えれば、自分はいまその段階にあると思っていた」)が50万枚以上売り上げ、スラムをフランスに根付かせた。07年のVdMで新人アルバム賞と新人ステージ賞を受け、「le rois du slame/スラムの王」と呼ばれるように。また06年にリリースされた若手歌手によるGeorges Brassensへのオマージュアルバム「Putain de toi/忌々しいお前」では「Les trompettes de la renommée/噂の吹聴師たち」をカバーして参加している。08年のアルバム「Enfant de la ville/町の子供」も自分のスタイルに忠実。主として自身が作った詩をア カペラで、あるいはヴァイオリン、ピアノ、ギター、フルート、トランペットなどによるジャッズ、ソール、ファンク調の演奏をバックに、例の低い重々しいが明瞭な声で朗読している。2010年「3e Temps/第3の時」(Aznavourとのデュオ「Tu es, donc j'apprends/あなたがいる、故に私は学ぶ」収録)、2012年Céline Dionのアルバム「Sans attendre/待つことなく」の「La mer et l'enfant/海と子供」の詩を提供している。13年10月最新で4枚目のアルバム「Funambule/綱渡り芸人」をリリース、「La traversée/横断」(Francis Cabrelとのデュオ)、「Te manquer/君は僕がいなくて寂しい」など13曲を収録。14年Renaudのカバーアルバム「La bande à Renaud」には「La medaille/メダル」で参加している。14年11月には4曲追加した「Funambule」のボーナスエディションをリリース、そのうち1曲はGrand Corps Maladeの詩にJohn Mamannが曲を付けた「15 heures du matin/朝の15時」でMamannとデュオで歌っている。Grand Corps Maladeは2015年1月24日から「Funambule tour 2015」を開始する。


作曲家 John Mamann について

本名Jonathan Mamann1978年9月29日生まれACI(作詞作曲家、歌手)。最初は作曲家として活動、特に、08年
Louisy Josephに「Assi par terre/土の上に座って」を提供し、ヒット。11年にはJohnny Halydayに「Autoportrait/自画像」を提供。10年自身のファーストアルバム「Mister Joe」、12年セカンドアルバム「John Mamann」をリリース。13年1月第9回「Fête de la chanson française/シャンソンフランセーズの祭典」でParisMatch賞(新人賞)を受賞。13年10月3枚目のアルバム「Love life」をリリース、その中に収められた「Love life」がヒット。14年若手歌手によるAznavourのカバーアルバム「Aznavour,sa jeunesse」(№1400)には「Yerushalaim/エルサレム」で参加している。14年にはGrand Corps Maladeの「15 heures du matin」」を作曲しデュオで歌っている。

 

管理人はしかし、今展開されつつあるこれらの行動が更なる報復の応酬の引き金にならないことを祈らずにいられません。

No.1401   

№1401     2015.1.    🐑

 歌手当てクイズ (その2) 

  ラジオ局RTLで放送されたクイズ番組を10回のシリーズでお届けします(不定期)

次の3つの単語がキーワードになる歌手は誰でしょう?                   

(問6)3つの単語Tenis/テニス」、「Metis/①混血の 混血の人」、「Saga/伝説


(問7)3つの単語:「Taxi/タクシー」、「Johnny/ジョニー」、「Arnaoeur/ハートブレイカー」


(問8)3つの単語:「Eurovision/ユーロヴィジョン」、「Depardieu/ドパルディユー」、「Cabaret/キャバレ」


(問9)3つの単語:「Eurovision/ユーロヴィジョン」、「Jean-Jacques Goldman/ジャン=ジャック・ゴールドマン」、
               Titanic/タイタニック」

(問10)3つの単語:「Arménie/アルメニア」、「Eurovision/ユーロヴィジョン」、「Belle/ベル:美しい人」


解答はこの下 

 

(答6)ヤニック・ノアYannick Noah(1960- 歌手)

解説:

Tenis」・・NoahArdennes地方Sedan生まれの歌手。カメルーン人を父、フランス人を母に生まれ、プロのサッカープレイヤーであった父が負傷して帰国したため、3歳からCamerounYaoundeに住む。子供の頃からテニスを始め、アメリカの伝説的テニスプレヤー Arthur Asheにその才能を認められ、11歳からニースのフランス テニス連盟で練習に励む。そして、1983年には全仏で優勝。91年にはキャプテンをつとめたフランスチームはデヴィスカップで優勝。その後女子テニスのフランスナショナルチームの監督を務め96年にフェデレーションカップに優勝。

Saga」・・Noahはテニスと並び幼い頃からの情熱の対象であった歌の道にも進み、1990年に「Saga Africaアフリカ伝説」で歌手デビュー。91年Noahがキャプテンを務めていたフランスチームはデヴィスカップで優勝。優勝杯の授与式では監督、選手らがこの曲で乱舞した。

Métis」・・「Métisse)/混血の男性(女性)」は05年リリースの同タイトルアルバムに収録されているヒット曲。

Saga Africa」 1991年デヴィスカップ授与式で https://www.youtube.com/watch?v=ywt6dRg7qjY

Medely 2014年Montpellierで行われたFete de la musiquehttps://www.youtube.com/watch?v=U0JP4R2WlhA

Saga Africa」→「La oix des sages/賢人たちの声」→「Aux arbres,citoyens/市民よ!木を植えよ」

 

(答7)ヴァネッサ・パラディVanessa Paradis(1972- 歌手、俳優)

  解説:

  「Taxi」・・ParadisParis南西郊外Saint-Maur-des-Fossés生まれ、最初の45回転レコード「La magie des suprises

parties/サプライズ・パーティーの魔力」を出したのはわずか10歳。14歳だった87年の「Joe le taxi/タクシードライバー ジョー」(Etienne Roda-Gil作詞、Franck Langolff作曲) はフランスで11週間連続チャートのトップ、ベルギー、カナダ、スイス、イスラエルでもトップ、イギリスでは3位に入るなど、世界中で320万枚以上売り上げたと言われる大ヒット。

  「Jonny」・・Paradisは1998年からアメリカ人俳優Johnny Deppを伴侶とし、99年長女Lilt-Rose Melody、02年長男Jack John Christopherをもうけた。Deppは12年6月代理人を通じて、14年にわたった二人の仲は破局したとの声明を発表した。

Arnaqueur」・・Paradisは1990年にはJan-Claude Brisseau監督の映画「Noce blanche/白い婚礼」に出演Romy Scneider賞とCésarの最優秀新人賞を受賞するなど、女優としても活躍。2010年にはPascal  Chaumeil監督のコメディー「L’arnacoeur:副題Briseur de couples professionnel /カップルを別れさせるプロ・・英題:Heartbreaker 邦題:ハートブレイカー」に出演、Romain Durisらと共演。

Joe le taxihttps://www.youtube.com/watch?v=Ulay2FvUEd8

 

(答8)パトリシア・カースPatricia Kaas(1966- 歌手)

解説:

Depardieu」・・Kaasはフランス北東部MoselleForbach生まれ、幼少の頃から歌うことに興味を持ち、13歳で毎週土曜日にドイツのキャバレで歌う。そこで彼女の声に魅了され、彼女のマネージャーになったBernard Schwalzの紹介で作曲家François Bernheimを知り合う。そしてBernheimと懇意な俳優Gerard Depardieuuと、その夫人で作詞家のElisabethのプロデュースにより、85年最初のレコード「Jalouse/嫉妬深い女」(Elisabeth作詞、Bernheim作曲)をリリースした。Kaasが「Mademoiselle chante blues/ブルースを歌うマドモワゼル」で大ブレークしたのは87年。

Eurovision」・・Kaasは2009年モスクワで開催された第54回Concours Eurovision de la chansonユーロヴィジョン シャンソンコンクールにフランス代表として出場。「Et s’il fallait le faire/それをしなければならないのなら」を歌い8位。フランスはそれまで過去5回優勝していたが、数年間は20位前後の成績。そこでフランスは秘密兵器として東欧諸国に人気のあるKaasを送った。しかし、完全には面目を回復することはできなかった。

Cabaret」・・Kaasが08年12月から合法的なダウンロードを認め、09年にリリースした8枚目のスタジオ録音アルバムのタイトルは「Kabaret/キャバレ」。キャバレはフランス語では通常「Cabaret」と綴るがCKとしたのはKaasからか。アルバムには30年代のCabaretの雰囲気の曲を収録。Kaasは08年11月から10年2月まで「Kabaretツアー」を行い、20カ国以上で、150回以上の公演。Casino de Paris公演の模様はDVDに。

Et s’il fallait le faireEurovisionで https://www.youtube.com/watch?v=PfvNUnigHkU

  「Kabaret」 https://www.youtube.com/watch?v=gdf02krPo_Q

 

(答9)セリーヌ・ディオンCéline Dion(1968- 歌手)

解説:

Eurovision」・・CanadaQuébecCharlemagne生まれのDionは81年ファーストアルバムをリリースしQuébecにおけるスターの位置を確立。84年にはParisOlympiaに出演、最年少の出演だった。88年4月にはアイルランドのDublinで行われた第33回Eurovisionにスイス代表として出場。「Ne partez pas sans moi/私をおいて行かないで」を歌い優勝。エルトン・ジョンに絶賛されヨーロッパで人気に。91年には全曲英語で歌ったアルバム「Unison/ユニゾン」をリリースし、アメリカを、世界を征服した

Jean-Jacques Goldman」・・Jean-Jacques Goldmanのプロデュースで制作したアルバム「D’eux/彼らについて」は95年3月にフランスでリリース。その後カナダ、アメリカ、ヨーロッパ諸国、イギリス、日本(96年10月)でリリースされた。アルバムにはGoldmanの作詞作曲による「Pour que tu m’aimes encore/まだあなたが私を愛してくれるように」、「J’irai où tu iras/私はあなたの行くとことに行く」(Goldmanとのデュオ)など12曲収録。アルバムはフランス国内で400万枚以上売り上げ、史上最も売れたアルバムになり、また世界中では1000万枚以上売り上げたと言われ、フランス語で歌われているアルバムで最も多く売り上げられたアルバム。

Titanic」・・Dionは1997年公開の映画「Titanic」のテーマ音楽「My Heart Will Go On」(Will Jennings作詞、James Horner作曲)を歌っている。この曲はアカデミー賞の歌曲賞、グラミー賞の最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞および最優秀女性ポップ歌手賞、その他の多くの賞を受賞している。

Ne partez pas sans moiEurovisionで https://www.youtube.com/watch?v=8pEYw8PcBas

 「My heart Will Go On」 https://www.youtube.com/watch?v=3AobjAMoRLo

 

(答10)パトリック・フィオリPatrick Fiori(1969- ACI)

解説:

「Arménie」・・FioriはMarseille生まれ、父親はアルメニア出身、母親はコルシカ出身。子供の頃にコルシカに渡る。幼少の頃から美声で知られ、16歳で最初のレコードを出している。86年Parisに出て、数々ののど自慢番組に出演。87年からGilbert Montagne、Michele Torrらの前座で歌うように。

「Eurovision」・・Fioriは93年アイルランドMillstreetで行われた第38回Eurovisionにフランス代表として出場「Mama Corsica」を歌い4位になった。

「Belle」・・Fioriは1998年9月からParis、Palais des Congresで上演されたミュージカル「Notre-Dame de Paris/ノートルーダム ド パリ」に親衛隊長Phoebus役で出演。その第一幕でQuasimodo役のGarou、Frollo役のDaniel Lavoie、Phoebus役Fioroがトリオで歌う「Belle」はシングルCDに収められ大ヒットした。

「Mama Corsica」Eurovisionで https://www.youtube.com/watch?v=yyLvcS58bkU

「Belle」Garou→Lavoie→Fiori https://www.youtube.com/watch?v=IWBrGuUmvX8



お疲れ様でした 🐑

 
 No.1400
   

№1400    2015.1.1

新譜情報 

Julien ClercZazAdamoJohnny HalydayBrigittePierre LapointeAlain Souchon & Laurent VoulzyHubert-Félix Thiéfaine、「Aznavour,sa jeunesse             

 

・ジュリアン・クレールJulien Clerc 「Partout la musique vient至るところに音楽がやって来る」

2014年11日リリース。リリースの週アルバムチャート1位。

Clercは1947生まれの歌手・作曲家(2014年5月「今月の顔」)。23枚目となる今回のアルバムは前作「Fou,peut-être/常軌を逸した、おそらく」から3年振りで、これは最近のClercのペース。収められているのは12曲。例によってClercはすべての曲の作曲を行っている。そして詩は、これも例によって、過去にも実績のあるMaxime Le Forestier(05年「Double enfance/2重の子供時代」など)、Gérard Duguet-Grasser(05年のアルバム「Double enfance/2重の子供時代」に収録された「Place Clicy/クリシー広場」以降すべてのアルバムで詩を提供されている)、Carla Bruni(最初に提供された00年の「Si j’étais  elle/僕が彼女なら」からすでに10数曲提供されている。)、Alex Beaupain(今回12曲中7曲「Alexは同世代の中で最も優れた作詞者だと思う。このアルバムの背骨となるような曲を書いてくれた」。)のほか、今回初めて及びLRaphaële Lannandière)に提供された。曲は60年代のイギリスポップス風で、Clercのその頃へのノスタルジーが感じられる。「最近フランスの一般的な状況は少し停滞気味。なのでリズム感溢れる曲を提供したかった。プロデュースはスコットランド出身でJames BluntAmy Winehouseらも手がけたことがあるJimmy Hogarthに依頼した。録音はイギリスで行なった。ヴォカルの録音はHogarthのスタジオで。「スタジオには徒歩で、あるいはバスで行った。そんなことはフランス国内では出来ないだろう」。

アルバムに収められているのは:「On ne se méfie jamais assez/決して人は十分な警戒をしない」、「Mon cœur hélas/残念な僕のハート」、「On va,on vient,on rêve/人は行き、来て、夢を見る」(詩はMaxime Le Forestier、「Victor Hugoの詩『Le regard d’une femme一人の女性の眼差し』を読んでいたら『On va,on vient,on rêve』という詩句があった。これをルフランにして曲を作った。Maximeにはその曲にあった詩を書いてくれるように依頼した」。)、Long Distance Call」、「Violette et Pierrot/ヴィオレットとピエロ」、「Gagner la chambre/部屋にたどり着く」、「Tout/すべて」、「Danser/踊る」、「Les amoureux/恋人たちVa-t’en,si tu veux/行ってしまえ、お望みなら」、「Partout la musique vient」、「Le chemin des rivières/川への道(詩はCarla Bruni「アルバムの製作はほとんど終了しているときにCalraからこの詩が届いた。15分で曲を付けた。素晴らしい曲に出来上がった。これをアルバムに入れない手はないと考えて、録音を追加した」)、Si jamais/もし決してしないなら

Clercは11TVFranceで放送された「Le Grand Show」の特別ゲスト。Clerc自身はこのアルバムから「On ne se mefie jamais assez」を歌ったほかゲストのMaxime Le Forestierと「Double enfance」、Carla Bruniと「Ma préférence/僕の好みの人」、Zazと「Ce n’est rien/時は過ぎゆく」、Veronique Sansonと「Fais-moi une place/僕に場所を」などを歌った。他にJohnny HalydayAlain SouchonLaurent VoulzyBB Brunesらがゲストとして出演した。

On ne se méfie jamais assezclip officiel https://www.youtube.com/watch?v=0VXSHeC5OF4

Double enfanceForestierhttps://www.youtube.com/watch?v=r-d6-O4xkYA

Ma préférenceBrunihttps://www.youtube.com/watch?v=IzO0ghE_OkU

Ce n’est rien」(Zaz と)https://www.youtube.com/watch?v=RYFVL0OK6CM

 

・ザーズZaz 「Paris」  Parisを歌ったシャンソンの名曲をカバー

2014年11月10日リリース

リリースの週アルバムチャートの2位。

Zaz
1980年5月1日Tours生まれのACI。地元の音楽学校でヴァイオリン、ギター、ピアノなどを学んだ後、94年から住んでいたBordeauでブルースグループ、ラテン・ロックグループに加わる。06年Parisに、ピアノバーやMontmartreの路上で歌う。特にSaint-Michelの「Aux 3 Maillets」では毎夜マイクなしで夜11時から朝5時まで歌っていた。09年1月新人発掘コンテストで優勝。09年夏にはFuji Rock Festivalに出演。10年5月10日ファーストアルバム「Zaz」、シングルカット「Je veux/私の欲しいもの」をリリース。アルバムは100万枚以上の売上げ。Zazは10年ACCの「Chanson Révélation/シャンソン新人」賞を、11年1月Fête de la chanson Paris Match賞を受賞。「Je veux」は11年3月VdMでオリジナルシャンソン賞を受賞。そして11年4月5、6日にはパリOlympiaに初出演している。2013年5月リリースのセカンドアルバム「Recto Verso/表・裏」(№1268)はフランス国内で40万枚以上の売上げ。Zazの強みはフランス国外での売上げが多いことでファーストアルバムは54カ国でリリースされ、また、「Recto Verso」は国外でも国内とほぼ同数の売り上げと言われている。

Zazの3枚目のアルバムはQuincy Jonesのプロデュースによる「Paris」。最近低迷しているフランスのレコード産業を救っているのは過去のヒット曲のカバーアルバムとデュオアルバムだと言われている。Zazのこのアルバムはこの2つの要素を取り込んでいる。即ち、アルバムにはパリを歌った過去のヒット曲のカバーを中心に13曲が収められていて、そのうちの3曲はデュオ。収められているのは:

Paris sera toujours Paris/変わらぬパリ」(Maurice Chevalierのヒット、先行シングルカットされている)

Paris canaille/パリ野郎」(Léo Ferréの作詞作曲でCatherine Sauvageが最初に取り上げ、ヒットさせた)

A Paris/パリで」(Yves Montandのヒット)

Dans mon Paris/私のパリで」(未発表曲、Zaz自身の作詞によるParis讃歌。現在Zazが住んでいる20区のMenilmontant   地区を歌っている。作曲Guillaume JuhelIlan AbouThierry Faure、作詞Isabelle Geffroy=Zaz

Champs-Elysees/オー、シャンゼリゼ」(Joe Dassinのヒット)

Sous le ciel de Paris/パリの空の下」(Edith Piafらのヒット)

I Love Paris(J’aime Paris)」(Niki Yanofskyとのデュオ)

La romance de Paris/パリのロマンス」(Chareles Trenetのヒット、Thomas Dutroncとのデュオ)

La complainte de la Butte/モンマルトルの丘」(Cora Vaucaireらのヒット)

J’aime Paris au mois de mai/5月のパリが好き」(Charles Aznavourのヒット、Aznavourとのデュオ)

J’ai deux amours/二人の恋人」(Josephine Bakerのヒット、「今月の顔 2014年9月」)

など。

Paris sera toujours Parishttps://www.youtube.com/watch?v=tmiI98EG1Fo

J’aime Paris au mois de maihttps://www.youtube.com/watch?v=djkqS9K7wiM

Sous le ciel de Parishttps://www.youtube.com/watch?v=oS4_3mnA8DY

 

アダモ Adamo 「Adamo chante Bécaud/アダモ、ベコーを歌う」 Girbert Bécaudの曲をカバー

2014年11月10日 リリース

Adamo(1963- ACI)は62年の「En bleu jeans et blouson d’cuir/ブルージーンと革ジャンバー」、「Sans toi ma mie/サン トワ マ ミ」から50年のキャリア、500曲以上録音し、1億枚以上のレコード売り上げ、2014年第29回VdMで特別賞を受賞している。前作は12年のアルバム「La grande roue/観覧車」。AdamoBécaud及び今回のアルバムについて次のように語っている・・Bécaudが亡くなった日(2007年12月18日)ちょうどツアーの真っ最中だった。訃報を聞いて彼に敬意を表するため「Et maintenant/エ マントナン:そして今は」を歌った。プロンプター装置のなかった時代で、訃報に衝撃を受けていた私、歌の途中で歌詞が出てこなかった。私と同じように衝撃を受けていた観客は寛容にも私がもう一度歌うことを大目に見てくれた。そのときこの曲の持つ力強さが解ったような気がした。そしてBécaudの曲を歌いたいと思うようになった。彼はJacques BrelGeorges BrassensGuy Béartと並ぶシャンソンフランセーズにおける偉大なBの一人だと思う。私は1965年Olympiaで初めてBécaudのステージを見た。ステージでは控えめだった私はBécaudの外向的な姿を見て、あれも一つの道かなと思った。そしてBécaudAznavourも嗄れ声、同じような声をしている私、この声が成功の妨げにならないだろうと自信を持った。Bécaudは「Hi haii ho」の中で「・・土曜日、一緒にWanmancho諸島に行くのはどうだろう。もし退屈すると思ったら、AznavourAdamoのレコードを持って行くと良い・・」と歌ってくれた・・

収められているのは:

Et maintenant」、「Croquemitoufle/クロックミトウフル」(1959年公開Claude Barma監督同名映画の主題歌、Bécaudは主人公Bernarrd Villiersを演じている)、「Un peu d’amour et d’amitié/小さな愛と友情と」、「Je reviens te chercher/君を迎えに」、「Viens danser/お出で、踊ろう」、「Je t’appartiens/神の思いのままに」、「L’important c’est la rose/バラは憧れ」、「L’absent/去っていった人」、「Seul sur son étoile/一人星の上で」、「C’est en septembre/故郷の9月」、「Je t’attends/君を待つ」、「Jour où la pluie viendra雨の降る日」、「Marie-Marieマリーマリー」、「Nathalieナタリー」(「ギター伴奏でフォークソングのように歌ってみた」)、「Mes mainsメ マン僕の手」。

Et maintenantBécaudhttps://www.youtube.com/watch?v=p1H_dMrDUNo

Et maintenantAdamohttps://www.youtube.com/watch?v=rzcbptU6beM

NathalieBécaudhttps://www.youtube.com/watch?v=v9Pz39V8ZYU

NatalieAdamohttps://www.youtube.com/watch?v=AdFkr1KbX1M

Adamoは2014年11月29日からデビュー50周年記念ツアーを始め、2015年3月7日パリのGrand Rexに出演。

 

ジョニー・アリディーJohnny Hallyday  「Rester vivant/生き続ける」

2014年11月17日にリリース。

Hallyday(1943-歌手、作曲家、俳優  Nos.1371、1397)の49枚目のこのアルバム、収められた最初の曲「J’ai ce que j’ai donné/僕が今持っているものは、過去に与えたもの」は「僕も夢を持っていたはず、それを忘れてしまった・・」と歌い出していて、このアルバムは不死鳥Hallydayにさらに新しい息吹を吹き込んでいて、Hallydayのキャリアで最も優れたものだという評価もあり、リリースの週に13万枚売り上げたと報道され、もちろんアルバムチャートの1位。プロデュースは、Rolling StonesBob DylanのプロデューサーでもあったDan Was。実績のある多くの作詞家、作曲家が協力している。協力者は生と死を哲学的に見つめようとする71歳のHallydayの考えを適切に詩に、メロディーに表している。

13曲は:「J’ai ce que j’ai donné」、「Regarde-nous/僕たちを見よ」、「Rester vivant」、「Seul/ただ一人」、「Au Café de l’Avenir/未来カフェで」、「Une letter à l’enfant que j’étais/子供だった自分への手紙」、「J’t’ai même pas dit merci/君にメルシと言わなかった」、「Si j’avais su la vie/もし人生が解っていたら」「On s’habitue à tout/人はすべてに慣れてしまうもの」、「Te manquer/君がいなくて寂しい」、「Te voir grandir君が大きくなるのを見ること」、「A nos promesses/僕たちの約束に」、「Chanteur de chanson/シャンソン歌手」。

Rester vivant」 https://www.youtube.com/watch?v=G0YP5TUt5rU

Hallyday201514日のFrancofolies de la Rochelleを初め、各地のフェスティヴァル出演が予定されている。また、11月27~29日はParis Bercyに出演。

 

ブリジットBrigitte  「A bouche que veux-tu/思う存分

2014年1117日 リリース。

Brigitte」は2008年、それまで長年音楽活動を行っていたAurelie SaadaSylvie Hoarauが結成した女性デュオ。2人とも昨日や今日生まれた新人歌手ではない。Aurelieは、Mayane Delemの名で1枚CDを出している。Sylvieは、グレープVendettaの歌手だった。「Brigitte は理想的な女性。Brigitte Lahaieのように魅力的に、Brigitte Bardotのようにセクシーに、Brigitte Fontaineのように多少浮世離れした感じもあるように」とステージ名をBrigitteに。2人とも母親。グループ結成後ダイニングルームで、子供たちの駆け回る中、2人は1台のコンピュータ、古いギター、タンバリン、鉄琴で曲作り。その結果、新鮮な、メランコリックな、繊細な、あるいは幻想的な、奇妙な曲が出来上がり、パリのクラブで歌い、ヒッピー調の衣裳で人目を引いていたが、音楽的な実力が認められコード会社との契約が出来、11年4月18日ファーストアルバム「Et vous ,tu maimes?/私が好き?」をリリース、20万枚売り上げた。その後各地のフェスティヴァルに出演、12年VdM新人ステージ賞を受賞している。

2枚目のアルバムを出すに当たって「ファーストアルバムがあれほど売れ、またコンサートに多くの人が来てくれることを今でも信じられない。そうした人気をプレッシャーだと感じたら、人に気に入られようとか、他の人の希望に合わせなくてはならなくなり、私たちの自由がなくなってしまう。私たちは自由でいたい。そこで自分たちの本当に気に入った曲を作ろうと思った。だから演奏時間が6分を越えるものが出来てしまった。Helmut Newtonの写真に出てくる女性をイメージしながら」。

アルバムタイトル「A bouche que veux-tu」は「慣用表現で『豊富に、多量に、思う存分』を意味し、官能的でもあり、雄弁であり、良いと思った」には10曲収められている。詩は才気煥発、オブラートで包まれたユーモア、物憂げ、音的にはダンスあり、レゲあり、ディスコあり(「私たちの子供の頃に流行ったもので、ノスタルジー」)、フォークありで、聞く人に幸福感を与える70年代を思わせるメロディー。
曲は「L’echapee belle/危うく逃れる演奏時間、「A bouche que veux-tu演奏時間30、「J’sais pas/分からない」、「Oh C harlie chéri/愛しのシャルリー」、「Le déclin/衰退」、「Hier encore/昨日はまだAznavourの同タイトルの曲とは異なるBrigitteのオリジナル)、「Les filles ne pleurent pas/女の子は泣かない」、「Le pérchoir/高い階にある部屋の住人」、「Plurielle/複数の」など。

A bouche que veux-tuhttps://www.youtube.com/watch?v=lbLMABnJ7Vc

 

・ピエール・ラポワント 「Paris Tristesse/パリ、悲しみ」

  
 2014年11月17日 リリース。

Lapointeは1981年カナダ、ケベック州生まれのシンガーソングライター。2001年ケベック州Granbyのシャンソンフェスティヴァルのシンガーソングライター部門で優勝し注目された。04年の最初のアルバム「Pierre Lapointe」でACC大賞を受賞。05年にMontaubanのフェスティヴァルでフランスに登場、好評を博し、07年にはパリのLa Cigaleに出演、Brigitte Fontaineとデュオで歌っている。09年8月アルバム「Sentiments  humains/人間的な感情」(「Je viendrai」、「Au bar des suicides」など12曲収録)をフランスでリリース。その後、9月、10月の20日間パリのBoule noireに出演。不条理な、しかし人間味溢れる歌詞、演劇を習ったことから生まれるゆとりのあるステージには、フランスにも熱心なファンが多い。09年11月から10年にかけて、ピアノの弾き語りの新しいツアー「Seul au piano」をケベックとフランスで行った。今回のアルバムは9月にParisCBEスタジオで、3日間で録音。ピアノ1本の伴奏、それだけに強いメッセージを込めた彼の独特な美しい詩が強調されている。収められている15曲のうち3曲は彼がシャンソンフランセーズに対する尊敬の念を込めてカバーしたもの。15曲は:「Les lignes de ma main/手相」、「Je déteste ma vie/僕は自分の人生が嫌い」、「Nos joies répétitives/僕たちの繰り返される喜び」、「Tous les visages/すべての顔」、「Les remords ont faim/自責の念は飢えている」、「Nu devant moi」「Au 27-100 rue des Partances」「La plus belle des maisons/最も美しい家」、「Tel un seul home」「Quelques gouttes de sang/数滴の血」、「Tu es seul et reste seul/君は一人、これからも」「S’il te plaît」「C’est extra/セ エクストラFerré)、Le mal de vivre/生きる苦しみBarbara)、Comme ils dissent/人々が言うようにAznavour)など。

Nos joies répétitives https://www.youtube.com/watch?v=zrAJHBHOVvU

Comme ils disent」 https://www.youtube.com/watch?v=PAiaplC8MyU

 

アラン・スーションAlain Souchonローラン・ヴルジーLaurent Voulzy
  デュオアルバム「Alain Souchon & Laurent Voulzy」

2014年11月24年 リリース。

Soushon1944年モロッコのカサブランカの生まれ、ACI。6か月後に一家はパリへ。60年代後半からリヴ ゴーシュのキャバレやバーで歌い、74年作曲をするLaurent Voulzyと出会い、Souchon作詞&歌、Voulzy作曲の「J'ai dixans/僕は10歳」(74年)、「Allo Maman bobo/お母さん、辛いよー」(77年)はこのコンビの代表する曲となった。93年Souchon自身が作詞作曲した「Foule sentimentale/センチメンタルな大衆」(№808)は94年のVdMで最優秀曲に選ばれた。この曲は、2005年のVdMでは過去20年の最も優れたシャンソンに選ばれ、シャンソンフランセーズを代表する曲になった。最新アルバムは2011年の「A cause d’elles/それ故に」

Voulzyは1948年パリ生まれのACI、両親はグアドループ出身。学生時代からバンドを。ギターを手にしてからは作曲家としての才能が芽生えた。Alain Souchonと出会い、コンビを組み数々のヒット曲を出す。77年Souchon作詞、Voulzy作曲&歌の「Rockollection」は60年代のヒット曲9曲の抜粋を巧みに盛り込んだもので600万枚以上の売り上げといわれる。同じく85年の「Belle-Ile-en-Mer/ベリル=アン=メール」は87年VdMでシャンソン賞、2000年のVdMでは80年代のフランス語で歌われた最も優れたシャンソンに選ばれた。定期的にアルバムを出すことはないVoulzy、最新アルバムは8枚目の「Lys and Love」(2011年)。

Alain Souchon & Laurent Voulzyは40年コンビを組んでいる2人の待望久しい最初のデュオアルバム、5つ☆を与えている評価もあり、リリースの週アルバムチャートのトップ。Voulzy「デュオで歌ったことは何度もある。Alainがステージ立っているとき僕が近くにいれば行って1~2曲一緒に歌った。ある日お互いに思った、10分間一緒に歌うんじゃなく、この楽しみを2時間続けたらどうだろう」。収められているのは12曲。作詞は全曲Souchon、作曲はSouchonが行った1曲を除き、VoulzyVoulzyはギターの弾き語り。Souchon「詩を作る上では二人に共通のテーマを見つけるのは大変だった。二人にはそれぞれの全く異なる生活を送っているから。ヴァカンスの時期に2~3日一緒に過ごして曲作りをした。」。12曲は「Derrière les mots/言葉の後ろに」「Oiseau malin/有害な鳥」、「Idylle anglo-normande/イギリス=ノルマンディーの良い関係」、「Il rouleLes fleurs du bal)/彼は渡り歩く(ダンスパーティーの花)」、「Consuelo/慰み」、「En Ile-de-France/イル=ド=フランスで」、「Qui mais/しかし誰が」、「Ils étaient deux garçons(trois)/二人の(三人の)男の子がいた」、「Bad Boys」、「On était beau/イケメンだった」、「Souffrir de se souvenir/思い出して辛い思いをする」、「La Baie des Fourmis/ラ・ベ=デ=フルミ(蟻の湾)」(Souchon作曲)。これらは日常生活に置ける小さな幸福を、華麗さはないが水彩画のように描き、それを二人は優しく、控えめなハーモニーで歌っていて、聞き終わると心に安らぎを覚え、自然に微笑みがこみ上げてくる。

Foule sentimentalehttps://www.youtube.com/watch?v=etR0o6yAAWk

Belle-Ile-en-Merhttps://www.youtube.com/watch?v=UNbgr6zt_E0

Derrière les motshttps://www.youtube.com/watch?v=3Ct9SC5_Sh8

 

・ユーベール=フェリックス・ティエフェーヌHubert-Félix Thiéfaine 
 「Strategie de l’inespoir/望みを持たないという戦略」

2014年11月24日 リリース。 

Tiefaineは1948年JuraDole生まれのACI。幼少の頃から歌手になることを志し、71年パリに出てrive gaucheで歌う。1978年最初のアルバムから、前作2011年の「Supplements de mensonges/重ねた嘘」(La ruellee des morts/死者たちの小道」を収録)まで16枚のスタジオ録音アルバムを出している。真の詩人でRimbaudBaudelaireらの詩からインスピレーションを受け、言葉の余白を大切にし、比喩と皮肉に富んだ、あるいはユーモア溢れる歌詞は若者達を捉える。メディアに登場することも、TVに出演することも希で、アルバムは売れ、コンサートは満員というユニークな存在。11年SACEMGrand Prix de la chanson franœaise/シャンソンフランセーズ大賞受賞。12年VMで男性歌手賞、シャンソンアルバム賞(「Supplements de mensonges」で)受賞。 今回のStratégie de l’inespoir」には21歳になる息子Lucasが、プロデュース、アレンジで参加している。収められている12曲の詩はThiefaine自身、作曲は自身で行ったものの他、CaliJP NatafJeanne Cherhal、らの協力を得た。このアルバムについて「Grand cru/特級格付け」、「un bijou/宝石」と言った表現もあり、Thiéfaineシャンソンの芸術性の高さを証明したものになっていて、「inespoir/望みを持たない、期待しない」といっているが、一筋の光を、希望をシャンソンフランセーズにもたらしている。12曲は:「En remontant le fleuve/河を上りながら」、「Angelus/アンジェラス」、「Fenêtre sur desert/砂漠に向いた窓」、「Stratégie de l’inesoir」、「Mytilene Island」、「Resilience zero/衝撃度0」、「Lubies sentimentales/センチメンタルな気まぐれ」、「Amour désaffecté/愛想づかしの愛」、「Médiocratie/愚者による支配」など。

La ruellee des mortshttps://www.youtube.com/watch?v=wMqt3cX2X7k

Angelushttps://www.youtube.com/watch?v=sBo7OaFpHIg

clipの演出はYann Orhanで、「優れたアルバムには優れたclipが不可欠」と言われているがこのclipは優れたものの典型との評価もある)

Thiefaineは2015年4月からツアーを開始、10月16、17日Paris Palais des Sportsに出演

 

・コンピレーションアルバム「Aznavour,sa jeunesse/アズナヴール、彼の青春」
若手歌手によるCharles Aznavourのヒット曲のカバー

2014年11月24日リリース。

Sa jeunesse/彼の青春」はAznavour作詞作曲の1956年のヒットで邦題は「青春という宝」。今回のアルバムではこの曲をAznavourMatt HoustonThe Shady BrothersVitaaElisa TovatiSopranoBlack MAmel Bentが歌っている。アルバムに収められているのは他に14曲で、それら及び歌っているのは:

La bohème/ラ ボエム」(Kendji Girac

Emmenez-moi/世界の果てまで」(Vitaa

For me,formidableフォ ミ、フォルミダブル」(Matt Houston

A ma fille/失われた心」(Grand Corps Malade

Désormais/これからは」(Ben l’Oncle Soul

She」(The Shady Brothers

La Mamma/ラ ママ」(Yseult

Mon fol amour/僕の常軌を逸した恋」(Indila  Aznavourの未発表曲にIndilaが曲を付け歌っている)

Les deux pigeons/2羽の鳩」(Amel Bent

Ay !mourir pour toi/ あー、君のために死す」(Oximo Puccino

Yerushalaimエルサレム」(John Maman

Parce que/なぜなら」(Camelia Jordana

Et pourtant/思い出の瞳」(Joyce Jonathan

Hier encore/帰り来ぬ青春」(Passi

Sajeunesse」(Aznavour ほか)https://www.youtube.com/watch?v=IltciAW_zbY

La bohème」(Kenji Girachttps://www.youtube.com/watch?v=g8rZD5v4MtU

 
 Kendji Girac・・1996
月フランス西部Aquitaine地方、DordognePerigueux生まれの歌手、ギタリスト。ジプシーで家族と共にキャラヴァンでフランス国内を回る生活を。子供の頃からギターを学び、音楽は生活の一部、家族や友人に歌って聞かせていた。Maitre Gimsの「Bella」をカバーした映像を友人が投稿サイトに投稿したところ100万回以上の再生と言う好評さ。そこでTVTF1のスタ誕番組「The Voice」の2014年第3シーズンに応募。番組では「Bella」、「Hotel California」(The Eagles)、「Allumez le feu/火を付けろ」(Johnny Hallyday)、「L’aigle noir/黒いワシ」などを歌って14年5月10日、他の3人の候補を圧倒的な強さで破って優勝。14年9月8日ファーストアルバム「Kendji」をリリース。リリースの週から4週アルバムチャートの1位になるなど好評ですでに47万枚以上の売り上げといわれている。

 

なお、Aznavourについては、11月17日CD51枚、683曲収録、演奏時間36時間50分弱の「Aznavour Anthologie/アズナヴール 名曲集」がリリースされた。収録曲はオリジナルレコードまたはオリジナルCDのトラックリスト、Pierre Rocheとのデュオ、外国語ヴァージョン、デュオヴァージョン、ライヴヴァージョンなど。

 

     
     
     
     
     
     
     
     
   
下記は、このコーナーを始めた頃の最初の記録です。
No.1339までの記録は、膨大なために、こちらのサイトからはカットいたしました。(保存してあります)

 
 2010.11.14  最近のシャンソン情報 №51 リーヌ・ルノー.doc へのリンク
   リーヌ・ルノーLine Renaud、アルバム「Rue Washington」リリース
 2010.3.23  最近のシャンソン情報 №50(ジャン・フェラ死去).rtf へのリンク
   Jean Ferrat ジャン・フェラ、死去
 2010.3.15  最近のシャンソン情報 №49の2.doc へのリンク
   2010 VdM (ヴィクトワール・ド・ラ・ミュージック) 受賞者その2
 2010.3.10  最近のシャンソン情報 №49(2010VdM受賞者).doc へのリンク
   2010 VdM (ヴィクトワール・ド・ラ・ミュージック) 受賞者その1
 2010.2.1  最近のシャンソン情報 №48「ハイチ支援アルバム」.doc へのリンク
   ハイチ支援のコンピレーションアルバム「Urgence Haiti
 2010.1.23  最近のシャンソン情報 №47(高額所得歌手).doc へのリンク
   2009年 高額所得歌手のランキング
 2010.1.6  最近のシャンソン情報 №46(フランス人の好きな人物).doc へのリンク
   フランス人が好きな人物、アンケート結果
 2009.11.16  最近のシャンソン情報 №45(ユーグ・オーフレ).rtf へのリンク
   Hugues Aufrayユーグ・オーフレ、アルバム「New Yorker
 2009.10.15 最近のシャンソン情報 №44(マルセル・アモン).rtf へのリンク
 

Marcel Amontマルセル・アモン、F2 13時のニュースに出演 

 2009.10.1  最近のシャンソン情報 №43(コンサート情報).doc へのリンク
   パリの主要なホール、09年10月~10年3月のコンサート情報
 2009.10.1  最近のシャンソン情報 №42(ファルメール).rtf へのリンク
   ミレーヌ・ファルメール、誕生日公演とインタヴユー
 2009.9.11  最近のシャンソン情報 №41(On connait).rtf へのリンク
   ラジオRTLの夏期特別番組(On connait la chanson)より
 2009.8.19  最近のシャンソン情報 №40(好きな人物).doc へのリンク
   フランス人が好きな人物、アンケート結果
 2009.7.23  最近のシャンソン情報 №39(フランコフォリー).rtf へのリンク
   第25回 ラ ロッシェルのフランコフォリー
 2009.6.26  最近のシャンソン情報№38(ピアフのラブレター).rtf へのリンク
   ピアフのラブレター競売に
 2009.6.25  最近のシャンソン情報 №37(ボリス・ヴィアン).rtf へのリンク
   ボリス・ヴィアン 没後50年
 2009.6.3  最近のシャンソン情報 №36(ファビアン).rtf へのリンク
   Lara Fabianララ・ファビアン、新しいアルバム「Toutes les femmes en moi
 2009.5.8  最近のシャンソン情報 №35(ジュリエット・グレコ).rtf へのリンク
   Juliette Grecoジュリエット・グレコ、新しいアルバム「Je me souviens de tout
 2009.4.30  最近のシャンソン情報 №34(オリヴィア・ルイズ).rtf へのリンク
   Olivia Ruizオリヴィア・ルイズ、新しいアルバム「Miss Meteores 
 2009.3.24  最近のシャンソン情報 №33(ジャックリーヌ・フランソワ).rtf へのリンク
   Jacqueline Francois ジャックリーヌ・フランソア死去
 2009.3.23  最近のシャンソン情報 №32 (バッシュング).rtf へのリンク
   Alain Bashung アラン・バッシュング死去
 2009.3.17  最近のシャンソン情報 №31(ダバデイー).rtf へのリンク
   Jean-Loup Dabadie ジャン=ルー・ダバディ アカデミー・フランセーズ会員に
 2009.3.9  最近のシャンソン情報 30の2(VdM詳報&余話).rtf へのリンク
    Les Victoires de la Musique 2009 詳報&余話
 2009.3.3  最近のシャンソン情報 №30の1(VdM受賞者).rtf へのリンク
   Les Victoires de la Musique 2009 の受賞者
 2009.3.1  最近のシャンソン情報 №29(ミシェル・ルグラン).rtf へのリンク
   Michel・Lrgrand ミシェル・ルグラン生誕77年
 2009.2.22  最近のシャンソン情報 №28レザンフォワレ).rtf へのリンク
   2009年「Les enfoires レ ザンフォワレ」、詳報
 2009.2.12  最近のシャンソン情報 №27(レ トロワ ボーデ).rtf へのリンク
 

Les Trois Baudetsレ トロワ ボーデ」、再開

 2009.2.12  最近のシャンソン情報 №26(パトリシア・カース).rtf へのリンク
    Patricia Kaasパトリシア・カース、アルバム&カジノ ド パリ&ユーロヴィジョン
 2009.2.4  最近のシャンソン情報 №25(ジジ・ジャンメール).rtf へのリンク
    ジジ・ジャンメール、自伝出版
 2009.1.23  最近のシャンソン情報 №24(ジュリアン・クレール).rtf へのリンク
 

 Julien Clerc ジュリアン・クレール、カジノ ド パリ 出演

 2009.1.22  最近のシャンソン情報 №23(高額所得歌手).rtf へのリンク
    2008年高額所得歌手のランキング
 2009.1.18  最近のシャンソン情報 №22 (エデイット・ピアフ).rtf へのリンク
    ピアフのラブレター、競売に
 2009.1.17  最近のシャンソン情報 №21(Sol en siのコンサート).rtf へのリンク
    エイズの子供達やその親を支援するためのコンサートのCD発売
 2009.1.6  最近のシャンション情報 №20 (フランス人の好きな人物).doc へのリンク
    フランス人の好きな人物アンケート結果
 2009.1.3  最近のシャンソン情報 №19 (2008年回顧).rtf へのリンク
    2008年の回顧
 2008.12.27  最近のシャンソン情報 №18 (パリ滞在記).rtf へのリンク
    太田光弘のパリ滞在記
 2008.12.17  最近のシャンソン情報 №17 (シャルル・アズナヴール).rtf へのリンク
    アズナブール、最新アルバムはデュオ集
 2008.12.8  最近のシャンソン情報 №16 (ジェーン・バーキン).rtf へのリンク
   ジェーン・バーキン新しいアルバムリリース
 2008.12.1  最近のシャンソン情報 №15 (リンダ・ルメイ).rtf へのリンク
   リンダ・メイ 新しいアルバムリリース
 2008.12.1  最近のシャンソン情報 №14 (アブダル マリク).rtf へのリンク
   ラップ歌手 アブダル・マリク、新しいアルバムリリース
 2008.11.23  最近のシャンソン情報 №13 (アダモ).rtf へのリンク
   アダモ、18人の歌手と デュオアルバム リリース
 2008.11.13  最近のシャンソン情報 №12 (ジョニー・アリデイ).rtf へのリンク
   ジョニー・アリディ 新しいアルバム「それは決して終らない」リリース
 2008.11.9  最近のシャンソン情報 №11 (トマ・フェルセン).rtf へのリンク
    トマ・フェルセン 新しいアルバム「3つの小さなツアー」リリース
 2008.11.2  最近のシャンソン情報 №10 (フランソワーズ・アルデイ).rtf へのリンク
    フランソワーズ・アルディ、自伝出版
 2008.10.28  最近のシャンソン情報 №9 (セルジュ・ゲンズブール).rtf へのリンク
   セルジュ・ゲンズブール回顧展
 2008.10.22  最近のシャンソン情報 №8 (アズナヴール).rtf へのリンク
   アズナブール ミュージカル
 2008.10.16  最近のシャンソン情報 №7 (ジャック・ブレル).rtf へのリンク
   ジャック・ブレル没後30年
 2008.10.10  最近のシャンソン情報 №6 (クリストフ・マエ).rtf へのリンク
   クリストフ・マエ 初のライブアルバムリリース 
 2008.10.2  最近のシャンソン情報 №5 (フランシス・カブレル).rtf へのリンク
   フランシス・カブレル マラソンツアーを開始
 2008.9.23  最近のシャンソン情報 №4 (ジュリアン・クレール新譜).rtf へのリンク
    ジュリアン・クレールの新譜 「飛行機はどこへ」
 2008.9.17  最近のシャンソン情報 №3 (エルサ・ランギーニ).rtf へのリンク
   1980年代に活躍したエルザの新譜リリース
 2008.9.10  最近のシャンソン情報 №2 (コンサート予定).rtf へのリンク
   2008年秋から2009年にかけてのパリ主要ホールのコンサート情報
   
 2008.9.2  最近のシャンソン情報 №1 (新譜情報).rtf へのリンク






今日のシャンソンニュース